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繊維スレッド
571
:
荷主研究者
:2018/01/02(火) 10:59:38
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00455385?isReadConfirmed=true
2017/12/22 05:00 日刊工業新聞
高機能繊維・成長への道筋(6)住江織物 太陽光発電繊維で新用途
太陽光発電繊維を織り込んだ布
【絶対的な自信】
「対“繊維”では場数を踏んできている」。住江織物の三村善英取締役技術・生産本部長は自社が培ってきた繊維加工の技術や評価レベルについて絶対的な自信をのぞかせる。
同社は1998年、「トリプルフレッシュ」という消臭剤を使った繊維の加工技術を開発した。「においを異なった香りでまぎらわすのでなく、におい自体を消す“本当の消臭”」(三村取締役)ができる。現在は加齢臭など人のにおいにも対応できる“第4世代の消臭剤”を投入する。
カーペットを手始めに自動車の内装材など繊維製品に同薬剤を用いた加工を展開している。「車メーカーからの引き合いも多い」(同)といい、他社製品との差別化を図る切り札の一つだ。
消臭力をアピールするため、同社は繊維製品の消臭試験方法を確立した。その試験方法が14年、国内の規格を飛び越え、国際標準化機構(ISO)の規格に採用された。同社の評価技術が国際的にも優れている証左だ。
【最高の評価技術】
繊維製品に対して長年積み重ねてきた評価技術の結晶とも言えるのが、同社グループ会社の関西ラボラトリー(大阪市中央区)。住江織物の試験部門から分離独立した同社は大阪と奈良に評価施設を持ち、難燃性や耐候性などを測る国内トップクラスの試験装置をそろえる。最高の評価技術を保有しているからこそ「開発スピードが上がり、迅速な商品化につながる」と三村取締役は力を込める。
高い評価能力を持つ関西ラボラトリーには他社から、また繊維以外の業界からの評価依頼も多く舞い込む。独立した試験機関としての信頼もあり、「外部受注件数は8年前で10%程度だったが、現在は50%近くを占めている」(三村取締役)という。
【大化けに期待】
住江織物が現在、用途展開で力を注いでいる開発品が「太陽光発電繊維」だ。同繊維は光を受けて電力を生み出せる。布状にすることで太陽電池として使うことができる。この布帛(ふはく)型太陽電池の発電量は10平方センチメートルで150マイクロワット(マイクロは100万分の1)と微弱だが、ウエアラブル製品と組み合わせることで「大化けする」と三村取締役は期待を寄せる。
既存の“太陽電池”の多くが屋外での使用に対し、布帛型太陽電池が勝負する空間は屋内。室内環境などを測るセンサーの自立電源としては「“太陽光”と言ってはいるが、室内光で十分な量を発電できる」(三村取締役)。18年は実用化に向けて大きな一歩を踏み出す考えだ。(大阪・日下宗大)
(金曜日に掲載)
(2017/12/22 05:00)
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