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映画スレ

1korou:2006/11/25(土) 23:15:56
「テレビ・映画」スレを分離して、映画スレを新設しました。
文字通り、映画について語りますが
最近映画館に全く行っていないので
回顧談、TV放映の映画の話に終始する予定です。

3korou:2006/11/26(日) 11:56:55
昨日放映の寅さん、「サラダ記念日」は
例によって途中から見始めたわけですが
意外と寅さんの表情が若々しく、演技に勢いがあって
これは最初から見るべきだったかなあ、と後悔しました。
もっとも、放映後の座談会のようなあの時間で
印象に残ったシーンを再現した際
最初のほうの場面では、やはり老け顔の寅さんが登場していたので
全編通じて若々しく、といった具合ではなかった模様。

4korou:2006/12/09(土) 23:26:51
寅さん41作目は「寅次郎心の旅路」。
相変わらず淡路恵子がいい味を出しているものの
設定にムリがあり、しっくりとしない印象。
個人的には、竹下景子がマドンナなので、映画の出来なんてどうでもいいのだが
竹下景子ファンでない人には何が面白いのかよく分からない映画だろう。
柄本明は悪くはないのだが、彼の個性を思えば、まだまだ出来るはず。

そして、今日放映の「ぼくの伯父さん」。
ここからは、寅さんは第3期に入り、いわば外伝に近いストーリーとなる。
やはり、寅さんは三船敏郎、竹下景子が出演した「知床慕情」で実質終了している
と個人的には実感する。

正編ではなく外伝として観れば、それはそれで見どころも多い。
特に、吉岡秀隆は10代の男優の演技としては出色の出来で
「オールウェイズ 三丁目の夕日」とか「Dr.コトー診療所」(未見だが)などで
演技派として名を成しただけのことはある。
ゴクミは、さすがにまだ15歳ということで
演技で見せるところまでには至っていないが
未熟さで場がしらけるということもない。
だから、この2人の恋愛シリーズは、外伝としてなら
十分鑑賞に堪えうるのである。

5korou:2006/12/09(土) 23:33:07
もっとも、寅さん映画としてみれば、もう末期症状で
寅さんがやたら物分りのいい人で全然アウトローっぽくないのは致命的。
さらに、恒例のマドンナへの恋愛も
今回は檀ふみが候補者のようだが
役柄としてはちゃんとした旦那がいて
寅さんが夢中になれる設定すらないのである。
今までの作品で寅さん映画のファンになった人に対して
これは重大な裏切り行為だと思う。
せめて、檀ふみ夫妻のすれ違い人生をえぐることで
寅さんを生き生きと描く演出にしてほしかったところだ。

7korou:2006/12/17(日) 09:42:15
昨日の「寅さん」は末期症状どころか、外伝としても出来が悪い。
その原因は明らかで、渥美清の健康上の問題がついに露見してしまったのだ。
もはや単なる年老いた香具師でしかなく、恋愛沙汰もほとんどない。
そんな魅力薄の主人公に誰が感情移入できよう。

観客動員数は相当なものだったらしい。
番組後の例の井戸端会議番組では、ゴクミ効果という解説だったが
まあ、確かにあれは新味ではある。
満男と泉の恋愛は本気っぽくて、かつての寅さんの本気っぽさとシンクロするし
満男自体がだんだん”寅さん化”していくのは、演出として当然だろう。
ただ、この映画はあくまでも寅さんに元気がないと意味がないわけだし
満男と泉の恋愛にしても、障碍となっているのは泉の家庭事情だけという単純さである。
多分、次回作以降で別の障碍を持ち出してくるだろうけど
寅さんのほうに仕掛けが少ないと
なかなかスッキリとしたドラマにはなり得ないだろう。

8korou:2006/12/17(日) 09:43:01
もう寅さんはここで終わるべきだったのだ。
山田洋次は優れた監督だけれども
リアルタイムで見た我々仲間は決して好意的な見方をしていなかったのも
事実である。
彼は、渥美清という俳優に甘えすぎて、結局彼の可能性を全部潰してしまった
という言い方もできるだろう。
もっとも、彼は、その犠牲のもとに、優れた寅さん映画を何本と言わず
何十本も残した。
功罪相半ばするということか。
ただ渥美さんに関して言えば、私は山田洋次が憎いのである。
だって、さくらは倍賞千恵子じゃなくて、長山藍子じゃないとダメだし
おいちゃんの森川信が亡くなった時点でシリーズをやめてしまうのが
監督の良心というものでしょう。
そんな必然の約束事を簡単に破った山田監督。
渥美さんの心中を思うと、私は辛い。

今回作でも、あんなひどく疲れた渥美さんをこき使って演技させている。
多分、次回作以降、もっとくたびれたひどい表情の渥美さんを見せてくれるのだ。
はぁ・・・結構毛だらけ、猫灰だらけ、お尻のまわりは・・・(以下自粛)

9korou:2007/01/27(土) 23:48:46
ついに終わった。
冬ソナをネットで全部観たのと、寅さんをBS2で全部観たのが
頭の中でセットになって記憶に残った(両者は全然似ても似つかないのだが)

最終作は奄美大島が舞台なので(神戸はついでの感じ、津山はむりやりという感じ)
テレビの寅さんと同じ終わり方になっていた。
もっとも、テレビの寅さんは奄美大島で死ぬわけで
その点、映画の寅さんはまた旅に出るという設定も仕方ないところ。

今回、後藤久美子の演技の下手さ加減が気になった。
高校生の役の頃は気にならなかったが、さすがに今回のような役どころだと
あまりの大根役者ぶりに驚いてしまう。
それに、今見るとあまり可愛く見えないし。
演技力、可愛さ、オーラ、どれをとっても
長澤まさみとか宮崎あおいとかの最近の若手女優より劣って見える。
当時はそんなに劣って見えなかったのだが
今は、案外若手女優の豊作期なのかもしれない。

渥美清の体力の衰えはよく分かった。
今回、放映後のBS2に山田洋次監督がゲスト出演していて
渥美清の衰えが笑いの決め所にも影響していたという話をしていたが、むべなるかな。

その番組直後の座談で、小野文恵アナが最後にかすかに泣いていたのに、私も落涙。
そんな小野さんが最近大好きです。
ファンになりそう。

10大河ーウッズ。:2007/01/28(日) 02:15:11
korouさんご苦労さまでした。
後藤久美子は美少女だったというだけで役者としては限界だったでしょうね。
石原さとみとか長澤まさみの大河ドラマでの演技力はちょい役でも演技力は評価されてますもんね。
宮崎あおいは次回主役を張るんだとか・・・。
寅さんも70年代の香りが精一杯でして80年代以降は無理がありましたよね・・。

11korou:2007/01/28(日) 12:43:20
あと、リクエストによる放映があるようですが
やはり浅丘ルリ子のマドンナの回が選ばれるような予感。
監督も交えての座談で、監督自身が彼女のマドンナが一番しっくり来るなんて発言をしてますから
それで竹下景子の回のリクエスト放映だったりしたら、NHK的にマズいでしょう。

私は、テレビ放映の余韻を残す第1作、第2作は冷静には観れませんが
それ以外であれば
吉永小百合、竹下景子、音無美紀子、太地喜和子、栗原小巻、いしだあゆみのマドンナが
好みです。
まあ何ていうか、日本映画の全盛期に映画界に入った渥美清としては
吉永小百合という名前には特別な感情があったでしょうね。
TV画面でもそれは伝わってきました。
吉永さんの回だけ、寅さんではなく渥美清が少し見えたような気がします。

その意味で、吉永小百合に匹敵するスターは浅丘ルリ子、岸恵子くらいですか・・・
岸恵子さんはちょっと大人すぎるというか、寅さんのキャラに絡めにくいので
残りは浅丘さんということになり、リリーの回が代表作ということになるでしょう。
そこでは、寅さんでもあり、渥美さんでもあったということ。

ただ、私としては、渥美さんを知るために、もう一度吉永さんの回を観たい。
もっとも今回のリクエストの範囲とは違ってますが。

12korou:2007/02/28(水) 18:54:02
Gyaoで「キャリー」の最初のほうだけ観る。
さすがはブライアン・デ・パルマ、最近の焦点ボケ、あるいはダラダラ洋画とは違って
ムダなシーン、意味不明なシーンはひとつもない。
意義深いショットこそ皆無だが、そのカメラワークは
映画マニアをも満足させる凝りに凝った企みの連続だ。

キャリーが失意のまま帰宅するシーンで
その横を自転車に乗った小学生が、樹木の間を縫うように漕ぎ
それがキャリーの後姿と平行して映るのだが
2,3秒それを観ているだけで
あっ、この小学生はキャリーに悪態をつくぞ、ちょっかいを出すぞという予感が走る。
(最近の映画には、このテの予感を働かせることが可能な場面が少ない。
 企画力もさることながら映像力に乏しいのだ。人を驚かすシーンは得意でも
 人を驚きでも哀しみでもいいのだがそういった予感に浸らせるシーンは皆無)
そして、そのとおり小学生はキャリーに悪態をつく。

キャリーはさらに辛い気持ちになるが、その感情の高ぶりが
通奏低音のようなテーマに乗ってキラッと光る。
小学生は理解不能な力によって自転車を動かされ転倒。
このあたりは通常の予感では予想できない展開なので
こういう流れで物語は紡ぎ始められるという仕掛け。

見事である。今見ても十分面白い。
週末に余裕があれば全編観てみたい。

13korou:2007/03/03(土) 23:39:04
「ゴッドファーザー」をBS1で鑑賞。
しっかり見たのは実は今回が初めて。
で、なぜか違和感たっぷり・・・

1時間ほど見て、アル・パシーノの恋人が電話をかけてきて
パシーノは周囲の状況を配慮して冷たいあしらいをするシーンが出てきた。

あり得ない。これは絶対にウソっぽい。

その直前に、ドンが撃たれるシーンがあるが、これもウソっぽい。
マフィアのドンが、あんなに無防備に店で買い物をするわけがないし
撃たれた直後に、周囲の人間がただ泣いているだけというのも
ギャング映画で初めて見た。

というわけで、どうでもいいところならともかく
急所急所で信じられないミス連発で
見続ける気力がなくなり、録画も中止。

本当にこれ名画なの?

14korou:2007/03/11(日) 20:46:59
ケーブルテレビで見ることができる唯一の日本映画チャンネルである”チャンネルNECO”
一昨日は「なんじゃもんじゃ」、昨日は「大番完結編」を、部分的にではあるが鑑賞。

「なんじゃもんじゃ」は、森光子と加賀まりこの共演が見ものの松竹喜劇。
名画でも何でもなく、ビデオ・DVDの類も出ていないし、映画紹介本でもまず出てこない。
しかし、実に上手く話を展開させ、観る者を飽きさせない一流の映画である。
こういうプログラム・ピクチャでも、これだけの内容を盛り込めるということで
往年の日本映画の質の高さを感じさせるわけである。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD21204/index.html

コーヒーを入れる名人という役柄の森光子を支える自称コーヒー通の
4名の初老の紳士というのが、加東大介、松村達雄、宇佐美淳也、柳家小さん
という面々で、これが実にゆったりとした会話で味がある。
小さんは、どうやらこれが映画初出演のようだが、さすがに貫禄十分で
準主役の加東大介をよく盛り上げている。
それから、加賀まりこの小悪魔的な魅力にはもう降参するほかない。
昭和38年の美少女だが、平成19年の現代でも十分通用する可愛さだ。
しかも、悪魔的だから手に負えない。
日本映画史上でも最高級の素材だったのかもしれない。

「大番完結編」
こちらは、言わずとしれた日本映画史上に輝く傑作喜劇の第4作に当たり
たまたまだが、上記作品にも出ていた加東大介の当たり役、ギューちゃんの映画である。
もっとも、後に渥美清がテレビでもっと魅力的なギューちゃんを演じてしまったので
加東の好演も影が薄くなってしまったが。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD25791/index.html

15korou:2007/03/11(日) 20:54:55
「なんじゃもんじゃ」はプログラムピクチャというより
映画館閑散期の穴埋め作品だったかもしれない。
一応役者はそろえているし、抱き合わせにしては配役が豪華なので。

「大番完結編」は、女優陣が生き生きとしていて、観ていて愉しい。
団令子という人は、もう昭和30年代の映画を語る上でなくてはならない女優さんだが
今ではそれほど知名度がないのが残念である。
この映画でも、与えられた役柄を120%こなしていて、実に上手い、というか違和感のかけらもない。
淡島千景も、こうした喜劇に出演すると、ハマりにハマるわけで、これも文句のつけようがない。
加東大介を支える役である仲代達矢も、まだ演技開眼前の時期(本人曰く)と思えないほど
的確でクールな演技をしている。
というわけで、こちらは日本映画黄金期を支えた俳優陣の層の厚さ、充実を感じさせる出来の映画であった。
原節子を見逃したのは残念だったが。

16korou:2007/05/12(土) 15:41:13
昨夜は、BS-hiで「ドクトル・ジバゴ」を途中から観て、途中で止める。

以前、最初の30分ほど見ていたが
昨日は最初の45分ほどを見逃し、頭の中でうまく話がつながらなかった。
ネットでストーリーを確認し、何とか話をつなげてみる。

ララ役の女性が実に魅力的で、少々強引なストーリーを補っている。
有名な「ララのテーマ」も、このララでこその魅力だったのかもしれない。
ジュリー・クリスティーという人らしい。

それに比べて、ジェラルディン・チャップリンは、いかにも地味である。
チャップリンの娘であり、ユージン・オニールの孫というのは
有名なトリヴィアだが。

以前、小さい画面でこの映画を観てあまり魅力を感じなかった。
多分画面の小ささが影響している、と思ったものだが
昨日は、もう少し大きい画面で観ることができ
その直感はかなり当たっていたと思う。
以前観たときには観察できなかったのだが
画面の隅々に緊張感溢れる演出の力を感じ取ることができた。
うまくハマったときには、黒澤明のような映像美にまで昇華しているのも
確かだ。

ただし、全体に暗い室内撮影が中心で、せっかくの鮮やかな恋愛劇なのに
その魅力が半減している。
ロシアからソ連になっていく時代の話とはいえ
すでに英語劇に翻案されているのだから
そこまでロシア風の暗いタッチにこだわる必要はないと思うのだが
1960年代には、そこまでの割り切りは許されなかったのだろうと考える。
ゆえに、この映画のアンチテーゼは
ディカプリオがロミオを演じた「ロミオとジュリエット」ということになるだろう。
ディカプリオのそれは出来の悪い映画だったが、発想はそのほうがいいと思うのである。
観客は、16世紀イギリスの劇作家のイメージに忠実な作品よりも
20世紀末のスクリーンの貴公子にふさわしい演出を望んだだろうから。

ララが気の毒になり、映像のヌケの悪い室内シーンが続いたところで、観るのを止めた。

17korou:2007/05/20(日) 11:14:35
「博士の愛した数式」を昨夜フジ系で放映していた。
最初だけ見る。
雰囲気は悪くない。
原作をよく理解している脚本だと思う。

しかし、いかにも映像が地味である。
もともと地味な話ではあるが
映像はそれに引きずられる必要はないし
そもそも地味な内容をそのまま見せるのであれば
あえて映像化する必要はないわけだ。
原作を読んでおけばそれで済む話。

結局のところ、原作のイメージを壊していないという点で
辛うじて評価できるものの
原作を堪能した者にとっては
あえて見る必要はない作品である。
俳優は皆好演の部類だと思うのだが・・・

(その直後、少しだけBSで「オールド・ルーキー」を観たが
 出だしから観る者をひきつける映像だった。
 どこがどう違うのか的確に説明することが困難だが
 やはり、映画には映画の文法というものがあると思う。
 「博士・・」にはそれが欠けているのだが
 なぜそうなったのかは誰にも分からない。
 映画監督が映画の文法を知らないなんてことはあり得ないわけで
 これだけは神のみぞしる、である)

18korou:2007/06/02(土) 22:03:27
熊井啓監督追悼ということで、今日の昼には
BS2で「海は見ていた」を放映していました。

黒澤明脚本で映画化を熊井監督が黒澤氏の代わりに行ったという映画です。
客との恋におぼれやすい芸妓を描いた映画ですが
芸妓の世界ということで
女優のメーキャップがかなり濃厚で
私個人的にはちょっと好きになれない絵柄の映画でした。

しかしながら、さすがにこの脚本、この演出ということで
飽きることなく見せてくれます。
多分、時間があって体も疲れてなかったら(昨夜は職場の飲み会)
最後まで見ていたでしょう。

19korou:2007/06/02(土) 22:14:45
途中で、まさかもう会えないと思っていた客と再会した主人公の芸妓が
あまりの驚きで、持っていたお盆を落としお茶をこぼすシーンがありました。
そこは、脚本には、おそらく”お盆の角度は下45度位に傾けて”とかの
細かい指示は書かれていないはずで
映像化するにあたっては監督の手腕にかかっていると思うのですが
そのシーンでは、ちょっと不自然ではないかと思われるほど
機械的にお盆が傾いていき、お茶を淹れた湯のみがあっさりと下に落ち
あたり一体がお茶でびしょびしょになるという演出になっていました。

私の好みでは、ああいう純日本の風景では
もっとタメた演出をしてほしいのです。

①まず、客が以前のあの人だと分かった瞬間、少しカメラを引いてほしい。
②次の瞬間、女は、少しだけ体を男から離れるように動く。
③女は持っているお盆を、意味もなく上下に揺らし、その際、わずかに湯のみがコツッという音を立てる。
④女は、お盆が揺れているのにやっと気付き、お盆の揺れを止めようと腕に力を入れる。
その瞬間、カメラは一気に女の腕のあたりにクローズアップする。着物の上からも、女が腕に力を入れたことが
わかる演出の工夫をする(その少し前に表情のアップを入れ、体に力が入った瞬間、音が止まった瞬間という風に
素早くカットバックするとか)
⑤腕のアップの次の瞬間は、お盆だけを映す。観ている者には、そのお盆が今どこにあるのか分からないように
完全に周囲の景色をカットしてお盆だけを映す。
⑥次の瞬間、お盆が揺れて、湯のみが倒れる。お茶が畳の上にこぼれる。スロー再生は不要で、普通に音も入れて撮影。
⑦カメラが引いて、再び男女がフレーム内に映る。女は、いつのまにか座っている。ぼうぜんとする女。
男は特に驚きもなく、冷静な様子で、畳にこぼれたお茶を拭く。

こんな感じの演出が私の好みです。
もちろん、熊井さんの演出にも一理あるので、それは認めざるを得ないのですが
そこで好みの不一致が出たので、それ以上見続けるのは止めました。

20korou:2007/07/03(火) 22:41:57
「県庁の星」を鑑賞。
感想はいずれmixiへ。

たった今「日本沈没」を見ていますが、意外にもこれは駄作ですね。
特撮の稚拙さは予想以上で、ドラマ部分の深みもないし。

呆れて途中で見るのをやめて、昼間録画した「ローレライ」を見ました。
これが意外と良いですね。
時代の進歩なのか、森谷司郎が最近の特撮専門監督に負けてしまうのが
悔しいというか、驚きというか。

「ローレライ」は後日全部見ようと思いました。

21korou:2007/07/11(水) 08:26:22
「ローレライ」全部見ました。
後半になるにつれて、ドラマ部分の比重が大きくなり
底の浅さが露呈したのですが
全編にわたり、特撮が優れていたので
その点では救われました。

ただ、戦争映画としてみるとバカバカしくて見ていられないわけで
もし、そのジャンルとしても面白いというような感覚が
現代人にあるのだとしたら
なかなか根の深い問題かもしれません。

あくまでもSFですよ、これは。

22korou:2007/07/16(月) 10:33:45
「エデンの東」の冒頭を観る。
実は録画する予定だったのに、うっかりしてタイミングを逸してしまったわけだ。
「エデンの東」については、なぜかTVで放映の機会が少ない。
信じられないような気もするが、私個人の記憶では
1970年以降の30数年間の間、自分でチェックしようと思ってテレビ欄を見た範囲内では
初めての放映になる(もちろん、私のチェックには洩れが多い)

だから、30数年間、この映画を見ることができなかった。
岡山には名作ロードショーを上映する映画館がなかったので
TVで放映されない限り、鑑賞は不可能なのだ。
20年前からレンタルビデオが可能になったが
なかなか「エデンの東」は見つけられなかった。
さすがに、DVD時代になって、店の棚に余裕ができたので
仔細に探せば見つけることができたのかもしれないが
著作権に守られている時代の映画なので
それより数年前の名作に比べて、在庫の可能性は低い。

そんなわけで、やっとやっとの放映のチャンスなのに
録画のタイミングを逸してしまうとは!

冒頭からしばらくは、まさに「波止場」の雰囲気そのもの。
エリア・カザンの演出は、ちょっと画面を見ただけで匂ってくる。
「波止場」のマーロン・ブランドが、ここではジェームス・ディーンに代わっているだけだ。
しかし、危険な匂いが乏しい。アクションも少ない。
やはり、じっくり観るべき映画なのだろう。
またの機会を待つことにする(ハイビジョンで放映されたので、近日中にBS2で上映の可能性が大)

23花眼(元korou):2007/09/26(水) 19:35:53
「かもめ食堂」の前半だけ観た。

ヒーリング・ムービーと名付けられているのだが
まさに、起伏のない淡々とした演出で、俳優陣も渋い人たちが総出演という感じ。
観る人を選ぶ映画だが、たしかにこういう映画もあっていい。
物語の背景がフィンランドという設定も、原作がどうだったか覚えていないが、実に良い。

昨日は「小説 吉田学校」を所々観た。
昔観た時は、よくもこんなに実物のイメージにソックリな俳優を選んだものだ、と
感心するばかりだったが
今回は、各俳優の演技の上手下手が目立って見えた。
さすがに主役の森繁久弥は巧いが、それだけ脇役がイマイチの演技だったかもしれない。
紅一点ともいえる夏目雅子は、さすがに設定が窮屈なこともあって
彼女独特の華やかさに欠けていたものの
演技としては彼女なりの懸命さが出ていたように思う。
彼女にとっては、この後数作に出てこの世を去ったわけだが
監督の森谷司郎にとっても、事実上この作品が遺作となっていることは
昨日調べて初めて知った。

24花眼(元korou):2007/09/30(日) 09:56:25
久々にGyaoを覗いてみた。
昭和TVというコーナーがあって、007シリーズ(ショーン・コネリー)が視聴可能だった。

HPのアドレスにも”007”を入れているくらいで
私がこのシリーズのファンであることは言うまでもない。
かつては何度も繰り返し見て、小道具のカッコ良さなどにしびれた。
最近は全く映画館に行かない私だが、一番最後に映画館で観た映画が”007シリーズ”だ。

それほど入れ込んでいるのに
Gyaoで観てみた”ロシアより愛をこめて”は印象が違った。
まず、この映画は、ほとんどTV(地上波)での放映で
ジェームズ・ボンドの声が若山弦蔵で馴染んでいたことが大きいし
また地上波ならではの時間制限でカットされた部分もかなりあることも大きかった。

つまり、ほぼ初めて本物の映像を見たわけで
その意味で、私には物足りなかったのである。
カット版でかつ吹き替えと比べて、完全版で字幕スーパーのほうが物足りないとは
おかしな話だが
刷り込まれたイメージというのは恐ろしいもので
あの声で、あのカット割で観ないと、私の知っている"ロシアより愛をこめて”には
ならないのである。

どうにもダルくて、1時間ほど観てやめてしまった。
オリジナルは、60年代映画の良い点と、今観ると少々ダルい点を併せ持っている。

25花眼(元korou):2007/10/07(日) 09:35:02
そうそう、これだけは書いておかないと。

「クローズドノート」の映画化というのは
元の小説を読んだ人には当たり前な話ではあるが
主役の2人の女性がイメージ通りでないと
それだけで失敗する。

竹内結子にはダーティなイメージがついてしまったので
やや懸念されたものの
もともと素質十分な女優なので
見事それを乗り越えて
清楚に見えつつ、実はしたたかな感じに主役のイメージすら変えてしまったかに感じる。

沢尻エリカも、今回の事件以前からダーティな感じはあったものの
マスコミのレッテルのようなところもあったので
良い演技さえすればどうということはなかったのであるが
今回の事件で、本当にアブない(理解不能な)人間だというイメージが定着してしまった。

映画に、演技以外で不要なイメージをつけることは
主演女優としてあってはならないことである。
周囲の関係者とか観客に迷惑をかけたということに
例の謝罪文が重きを置いているのであれば
見当違いな謝罪だろう。
それは紙に書いて発表すればよいという話ではなく
行動で挽回しないといけない類の話で、別の話なのだ。

女優として、映画そのものを傷つけたことに、もっと思いを馳せるべきだろう。
まだ彼女にはそれが分かっていないようだが
幸いなことに、行定監督は、常にその視点で今回の事件を語っているようなので
ぜひ行定さんには、沢尻にそれを教えてやってほしいと願っている。
それだけの素質のある女優であり、それは行定氏自身が認めている才能なのだから。
今回のようなつまらない事件で、あの才能を摘んでほしくはないと思うのである。

26花眼(元korou):2007/11/02(金) 19:24:35
韓国映画の名作「イルマーレ」を鑑賞。

噂通りの素晴らしい映画だった。
まず、映像処理のキレが良い。
何でもないシーンでも、何かしら工夫があって、見ていて飽きない。

音楽も最小限に抑えられていて
しかもハートウォーミングである。

小道具も気が利いている。
仔犬も熱帯魚も印象的だ。

主役の2人は恋愛ドラマにふさわしい表情、容貌で文句のつけようがない。
大スターの美貌はこのドラマには似合わない。
不安がちで、でも何となく魅力があって、という条件になるのだが
まさにピッタリである。

ストーリーは
明らかに韓国映画に大きな影響を与えたといわれる
岩井俊二監督の「ラブレター」の影響があるようだ。
手紙、時間差のミステリーなど。
しかし、これも立派なオリジナルといえる。
リアリズムにこだわらない結末も、それでよしと思った。

27花眼:2007/11/11(日) 18:30:00
「パッチギ」をDVDで観た。

2つ目的があって
1つは井筒監督作品を観てみたいということ。
もう1つは沢尻エリカの演技力を確認すること。

井筒監督については、思ったより深みがない出来栄えでがっかりさせられたとともに
瞬間に放たれる映像美に関しては期待通りのものがあったということ。

沢尻については、役柄が軽く演技力を見るほどのものでなかったということ。

2時間近く釘付けにする演出の妙はさすがである。
しかし細部はかなり雑で、見ている間もずっと気にはなった。
観終わった印象もあまりよくなくて、なぜ飽きずに観続けれたのが不思議である。
特に、最後のほうで死ななくてもいい登場人物を無理やり殺してしまうストーリーには
嫌悪感さえ覚えた。
作品全体が根拠なく浮いている感じで、やりようによっては深いテーマになるはずなのに
全然意味のない演出が続くのにはイライラさせられた。
しかし、それでいて、個々のシーンの演技のつけ方、カメラアングルの的確さには舌を巻くものがある。
職人肌の監督が、妙に重たいテーマ(在日朝鮮人への差別)をとりあげてしまって
作品的には失敗したものの
長いキャリアからくる経験で、全体的には失敗作というイメージを与えず
印象的な数々のシーンと沢尻エリカというスターを生んだという話題性だけで
何とか名作映画の仲間入りを果たした、というところが順当な評価だろうか。

28花眼:2007/11/12(月) 22:11:46
「パリの恋人」をBS2で観る。
A・ヘップバーンとF・アステアのコンビでミュージカルとくれば
オールドファッションな映画の魅力はてんこもりである。
正直なところ、映画でこれ以上の仕掛けは要らない。
非の打ち所のない格好の良い紳士と
これ以上ない可憐さと可愛さと気品を持った美女と
巧みに構成された音楽と美しい映像美。
この上、何が必要?

思わず予定を変更して見続けてしまった。

29花眼:2008/01/01(火) 17:17:31
正月早々、ノドをやられて寝込む。
仕方なく、初詣もせず、家で映画三昧。
これが良かった。
ヘンな言い方をすれば
この映画を観る運命だったので、ノドがやられたことになったのかもしれない。

テレ東系列で今日の昼間に放映されたその映画は「間宮兄弟」
なかなか良さげな映画だとは思っていたが、ここまでとは!
森田芳光監督の演出が光る映画でした。
塚地武雅の演技も噂通り素晴らしく
常盤貴子のエロティシスムもたまらない。
北川景子は、森田監督に愛されている女優だと思ったし
北川のせいで、沢尻エリカは随分得をしている。
佐々木蔵之助もそうだが、佐々木も沢尻も演技力はあるほうだと思うが
この設定だと塚地、北川の演技にもたれかかるだけでいいので
その意味では、主役の配役とは言え印象度は薄い。
(もっとも、さすがの演技は随所に見せている)

30花眼:2008/01/01(火) 17:27:57
森田監督の演出は小気味よい。
まず、普通のアングルでヤマ場のシーンを見せておいて
それが実は「間宮兄弟」にはどう見えていたかという
いわば補足説明シーンを続けて見せてくれるのだが
これが実に巧いやり方なのだ。
普通のアングルでは、常盤貴子も沢尻エリカも普通に振舞っているように見えるのだが
それが間宮兄弟のフィルターで再現すると、二人ともメチャクチャに可愛いのだ。
常盤は大人の女の魅力をたっぷりと匂わせるし
沢尻は(もちろんプッツンキャラではなく<笑>、むしろ、常識のない妹たちをフォローするしっかり娘のキャラ)
しっかり娘だけど、やはり年齢相応の初々しい可愛さあふれる女の子に見えるのだ。
このあたりは、男性アングルなので、痛いほど良く分かる(爆)

沢尻の妹役の北川景子は、間宮兄弟のパーティに、ノーパンでスカートという際どい姿で参加する。
しかし、実際に間宮兄弟をエロスでからかったのは、沢尻であり、常盤なのだ。
沢尻は、モノポリをしている間、その美しい足を佐々木に見せつけ、佐々木をからかうかのように振舞う。
常盤も、(これはいかにもわざとらしく見えて、一瞬しらけそうになるが、よく考えると練られた演出)モノポリの勝負どころで
いきなりスカートを自分でめくってみせて塚地を動揺させ、まさに塚地をからかっている。
最初からノーパンの北川は、ノーパンだけにそんなことはできない。
というか、そういう楽しみを知らないただのティーンの女の子である、ということを示唆しているのだ。
「ノーパン」がここまで見事に記号化された映像は今まで観たことがない。

31花眼:2008/01/01(火) 17:35:16
戸田菜穂の役どころは難しいと思った。
しかし、塚地の演技がすべてを救ったように思う。
一方で、戸田のような複雑な記号を配して、同時進行で北川のような単純な記号を配した終盤の演出は
森田美学の真骨頂だと思う。

映像美としても秀逸。
森田作品なので、当たり前だが。
特に、何だかいろいろなことがうまくいかない感じになったときに
間宮兄弟が、紙飛行機を夜の空に飛ばすシーンでは
夜の闇と飛行機のたよりない飛び具合が対照的で
カメラアングルを意図的に広くとった構図はさすが!
映像美の極致というか、その構図だけで、何だか泣けてきました。
セリフはちょっとだけなんですが。

泣けもしたし、記号の配列に感嘆もしたし、俳優のキャスティングも最高だし
その俳優たちも全員期待通りの演技力だったし
全く、何の不満もなく、あっという間の2時間30分でした。
元旦そうそう、これほどの映画を堪能できて、大変幸福です。

32花眼:2008/01/02(水) 13:58:16
昨日は、夜に家人と一緒に、もう一度「間宮兄弟」を全部観た。
同じ映画を半日間で2回全編見たのは生まれて始めての体験だ。
さすがに、2度見ると、映画の構造が一層くっきりと見えてくる。
何気ないシーンで、最初は意図のわからなかったところが
最終的にはどういう意味があったのかが分かって
なかなか面白い体験だった。

2度見ても飽きなかった、というのも稀有の体験。

33花眼:2008/01/14(月) 20:50:25
「バブルでGO!」のTV放映があったので(最後の数分を除き)全部観た。

これほど見事なB級映画も珍しい。
大真面目にタイムマシンの話を持ち出して
そのタイムマシンが洗濯機なのだから、かなり笑える。

しかし、その設定以外は完全にまともで、なかなかよく出来ている映画である。
広末涼子はよくハマっているし、阿部寛は完全なハマり役だと思う。
もう少し遊び心を出して1980年代後半のパロディを展開しても良かったと思うが
TV放映のため一部カットされているのかもしれない。
それにしても80年代後半のディスコなどの風景の再現は面白かった。

タイムマシン物でなく、まともにこの時代を再現したドラマでもOKかもしれない。
意外とバブルの時代と今を対照させた映画というのは少ないと思うので。

34花眼:2008/01/15(火) 22:09:12
「失楽園」をBS−iでやっていたので、部分的に見る。
何度もBSデジタルで放映されていたのだが、ついに見たということ。

ドラマが平凡で面白くなさそうなのが一発で分かった。
役所広司はこの設定では生きてこない。
黒木瞳は、まあ美しいことは分かっているのだが、何せ女優として表情のバリエーションが全然ない人で
いつ見ても同じ印象になってしまう。
さっき見た画面では、上半身裸体になり、乳房を全部見せていたが
これほど形の良い乳房を持って、この美形で、何でこんなにセクシーさに欠けるのだろうか?
美しさでは劣っても、例えば寺島しのぶなどが上半身の裸を見せると
もうたまらない色気が画面全体を覆ってくるわけだが。

というわけで、性愛映画とはいいながら、あくびの出るような映画という印象でした。

35花眼:2008/02/04(月) 12:42:48
浦沢直樹「20世紀少年」の映画化がついに具体化される。

第1章の上映は8月だそうで、東宝が映画化するということだから
これはもう上映前から今季最大級の映画になることは保証済。

主役ケンヂが唐沢寿明、オッチョが豊川悦司、ユキジが常盤貴子だなんて
これ以上ない適役だ。
想像しただけでワクワクする。
多分、私が25年ぶりに劇場で映画を見るきっかけになるかもしれない。
というか、もうこんな夢の企画はあり得ないかも。
私の生きている間には。

36花眼:2008/02/11(月) 21:43:13
久々にレンタルDVDで映画を観る。
今回は、3億円事件の犯人は女子高校生だったという奇抜な想定の小説を
宮崎あおいの主演で映画化した「初恋」。

なんとも重苦しい映画である。
私の好きな彼女ー宮崎あおいが主演でなければ、とても観る気にはなれなかっただろう。
あおいは、こういうシチュエーションだと役に没頭できるようで
結構難しい演技をこなしていた。
ただし、脚本が雑で、物語の展開という面では
かなり低レベルなところでモタモタしているのだ。

それを補うのが、恐らく1960年代でさえ時代遅れになっていただろう
正統派のモダン・ジャズ喫茶の雰囲気であり
学生運動から少し離れたアングラな若者たちのショットである。
これは、60年代を映しているようで
実は60年代に乗り遅れた若者たちを映しているのであり
そのことが、予想外にこの映画のストーリーの奇抜さをフォローする結果となっている。
そうそう、この鬱屈した気分なら、あのとんでもない事件を敢行しようとする流れは
分からないでもない・・・そういう偶然?うまくできた雰囲気。

宮崎あおいは、そのなかに女子高校生が放り込まれたらどうなるか、というイマジネーションを
見事に表現している。
脚本がマズくて、イマイチ感情移入できないのだが
むしろ、演じているあおいの役者としての感情移入に、こちらがつられてしまい
感情移入するという妙な感触が残った。

問題は、脚本は良いのだが、彼女自身がうまくノリきれない役柄のときに
どう表現するかだ。
それができたとき、彼女は日本映画界きっての女優になる。
それだけの才能と意志は感じられる女性だ。

37花眼:2008/02/15(金) 23:46:53
日本アカデミー賞授賞式をTVで観る。
特定の作品に集中する欠点はあるものの
とりあえず、日本を代表する映画人のいろいろな表情が見られて面白いので
毎年観ている。

今年は、樹木希林の存在感が大きく
作品賞も「東京タワー」が獲得した。

放送全体を通じて一番印象に残ったのは
宮沢りえの際立った美しさ、華麗さである。
オーラを感じてしまった。
今、これだけのオーラを放つ女優は、彼女以外居ない。
司会も務めた中谷美紀とか、寺島しのぶあたりも美しいのだが
このオーラは誰も真似できない。
10代後半の宮沢りえを見て、30代になってもそのオーラを保てると予感できた人は
一体何人居るだろうか。
少なくとも、私は、20代前半までの女優だと思っていた。
見事に予想は裏切られた。
こんな裏切られ方なら何度でも味わいたい。
ああ、本当にため息が出るくらい華麗で美しい。

38花眼:2008/02/17(日) 10:46:08
市川崑監督死去。

現役最長老は新藤兼人監督ということになっているが
そのあたりは微妙なところであり
監督としてのキャリアをいえば、市川さんが最長老だったかもしれない。

それにしても、適当な人物紹介が多すぎて辟易する。
市川さんの映像美のルーツがディズニーであることを明記したメディアは数少ないし
マスメディアについていえば皆無だと思う。
遺作は、リメイクの「犬神家」ではなく「ユメ十夜」なのだが
大掛かりに宣伝された「犬神家」の印象に惑わされて
共同通信と朝日は誤報を流している。

皆、誰もが知っていることだけ書いて全く調べていないかのようだ。
訃報など予想がつくことなのだから
偉大な業績を残して、今高齢な方については
事前に正確な調査が必要だろう。
”去るもの日々にうとし”なのだから、訃報での情報が
一般にはその人の業績を知る最後のチャンスになってしまう。
そこで誤報されては、まさに、死んでも浮かばれない、というものだ。

39花眼:2008/04/20(日) 11:01:59
「ダイヤルMを廻せ」をTV鑑賞。

ヒッチコック映画の大半はチェック済みなのだが
この映画だけは今まで縁がなかった。
やっと、一昨日に一気に鑑賞。

よく考え抜かれた脚本ではあるが
この種のドラマはTVドラマが得意とする分野なので
今の水準で言えば、はっきり言って物足りない。

映画全体の印象としても
「真犯人がいつ、どのように馬脚を現すか」ということのみで
さしたるサスペンスもないため
ヒッチコックの最も優れた映画と比べると
ニュアンスに乏しい感じがする。

ただ、主役のレイ・ミランドがしっかりとした演技をしていて安心して観れたこと。
そして、この映画当時では新人だったグレース・ケリーについて
ヒッチコックは見事に女優としてのツボを発掘して
絞殺シーンがむしろ色気のある艶やかなシーンに見える演出を施したこと。
ブロードウェイで成功した話を、そのまま舞台風の演出で映画化し
さらにオリジナルである舞台での俳優を要所要所で起用することにより
脚本の巧みさ、話全体の雰囲気をそのまま映画の世界に持ち込めたこと。
以上の良さが、さすがに巨匠の貫禄で、見事融合したところは
もう脱帽するほかない。
ストーリーの古さを全く感じさせないほど、巧くまとまっている。
いや、古さを感じるのだけど、そんなのどうでもいいや、と思わせる佳作なのだ。
さすがヒッチコック。

40花眼:2008/04/22(火) 19:59:15
「野性の証明」をところどころ観る。
リアルタイムでは観る気がしなかった(角川への反発もあった)
今見ると、これは大掛かりなヤクザ映画で
東映のエースだった高倉健を
見事なまでにパロディ化したストーリーで演技させている。
健さんはどういう気持ちでこの映画を演じたのか?
松竹の山田洋次作品に出演するのとはワケが違うだろうに。
中野良子を久々に観て和んだのも事実。
こんな女優さん、もう二度と出ないだろうなあ。
「テレフォンショッピング」に出たとき、タモリが誕生日ということを知って
ためらいもなく白昼のTVで堂々とタモリにキスをした良子さん。
素敵だった。

「水の中のナイフ」という映画を深夜やっていて、これも録画した。
しかし、ストーリーが一時代前というか、いかにもヌーベルバーグ風であり
それでいて、女優が「美人」という設定の割りには全然美人でないのが興をそぐ。
これは数分観て、すぐ止めた。

「サラリーマン清水港」とその続編も録画している。
これは森繁の社長シリーズであり、ちらっと観たが、かなりイイ感じ。

41花眼:2008/05/28(水) 21:51:31
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のⅡとⅢを、途中の何シーンだけ観た。

タイムトラベル愛好家としては、やはり観だすと途中で止められない。
さらに、この当時、Ⅲなどは不出来と評されたわけだが
わずかこの20年とはいえ、当時とはメディアに対する姿勢が
世の中全般に変わってきたと思う。
きっちりと良い悪いを評価するのではなく
ある程度時を経たものは、面白ければ素直に面白がる、ということ。
その意味で、実に素朴に面白く思えるのが嬉しいところ。

ただし、Ⅲで博士のキャラが変わってしまうのは
今見ても興ざめ。
あれは変えてはいけないキャラだと思う。

42花眼:2008/07/20(日) 19:15:52
黒澤映画「醜聞」を観て、結構面白く感じたので
mixiに感想を書いた。

それに味をしめて、昨日は「白痴」を観始めたのだが・・・

映像全体にかなりの違和感がついて回る。
黒澤映画でいえば、「どですかでん」以降で感じられるそれだが
傑作ぞろいのこの時期に、この違和感は何なのか?
「羅生門」と「生きる」の間に作られた映画とは思えないほど
細部に心がこもっていない。

「醜聞」でも山口淑子はあまり生かされていなかったが
今回の原節子も、彼女の大熱演の割りには、胸に響くものが少なかった。

ものものしく、無国籍風に演出されながら
その効果は全くなく
それでいて、全体に陰鬱なストーリーで、やたら長いので
これでは黒澤映画として話題にならなかったのも当然だろう。
1時間ほど我慢して観たが、途中で断念することにした。
黒澤映画で途中断念は「どですかでん」以来。

43花眼:2008/08/19(火) 20:44:10
「生活の設計」(ルビッチ監督)、「フォロー・ミー」(キャロル・リード監督)を録画してみた。

ともに、きちんとした脚本、演出のように思えたが
ストーリーそのものが面白くない。
偶然ながら、両作とも、1人の女性を複数の男性が取り合うという話だが
あまりこういう筋立てには食指が湧かない。
まあ、どんな映画なのか雰囲気だけは分かったので、それだけは収穫だった。

44花眼:2008/09/13(土) 09:10:53
黒澤映画視聴中。
「七人の侍」の稲葉義男が貫禄十分で好ましい。
前回見たときには気が付かなかったが・・・

45花眼:2008/09/28(日) 22:04:21
「トニー滝谷」を観る。
詳細はmixiに記載。
原作を読み直すが、映画であった電話をかける結末が
原作にはない。
もっと淡々としている。
妻との出会い、別れだけがカラー画面のようで
他は白黒画面というのは
映画どおりの印象。
この区別をつけただけでも市川準の才能が光る。

録画した映画の整理。
「ピンクの豹」を20分ほど観る。
イブ・サンローランの衣装にヘンリー・マンシーニの音楽、そして
CCのまぶしい美貌と、デヴィッド・ニーブン、ピーター・セラーズの芸達者と
揃い過ぎの感すらあるのに、全然つまらない。
60年代ハリウッドの緩さが感じられる。

「ボルサリーノ」も15分観る。
こちらは、以前観たときと同じ感銘を受けた。
セリフを極度に削って、なおかつシンプルな場面構成にしてあり、実に観やすい。
録画は消さずに残しておこう。

10月の目玉はやはり日本映画かな。
「涙そうそう」「ハチクロ」「幸福な食卓」「ゆれる」「フラガール」「恋空」「嫌われ松子の一生」「下妻物語」と
近年の話題作が揃う。
他にも、定番の石原裕次郎映画、そして「けんかえれじい」、黒澤「悪い奴・・・」「天国と地獄」
洋画は「フロントページ」「フェリーニのローマ」くらいしかない。
「フロントページ」も明日だなあ、もうTVの電源切っちゃったよ。

46花眼+:2009/01/02(金) 11:33:08
このところ映画を観れていなかったが
元旦早々にまず1本。

「手紙」、山田孝之、沢尻エリカ、玉山鉄二の映画。
原作は既読なので、ストーリー的には驚きこそないが
デリケートな部分も含んでいる作品なので
雑な映画化だと興を削ぐことも確か。
その意味では、十分注意深く作られた映画だと思った。
まずは一安心。

何よりも、山田孝之の内にこもった陰のある雰囲気が
この物語の主役にぴったりである。
友人役の玉山鉄二もイメージ通りで
原作の感動をそこなわない配役だ。
沢尻エリカについては、残念ながらここだけ脚本が雑で
地味な娘がなぜ急に派手になったのか、どうしてストーカーみたいに主人公を追いかけたのか
説明不足の演出で、ここでは原作を読んでいるかどうかで理解度に差が出てしまう。
もっとも、演技そのものは素晴らしい。
やはり、その才能は認めざるを得ない。
これだけの演技ができる若手女優をまた探すとなると
何年かかるか分からない。
また復帰してほしいものだ。

47花眼+:2009/01/02(金) 20:43:17
「魚影の群れ」を最初だけ観る。

緒形拳氏追悼ということで
年末にTV放映されたわけだが
残念ながら、ドラマの急所が省かれて放映されていたので
観るのを中止。

佐藤浩市演じる若者が、緒形拳演じる漁師に無視され、なじられ、苦しんだ末
やっと漁船に乗ることを許されるという最初のヤマ場。
そのきっかけとなったのが、三遊亭円楽演じるところの人物の苦言ということらしいが
円楽も何も出ず、突然許される編集でTV放映されていた。
そんなもの観ておれるか、ということで。

48花眼+:2009/01/06(火) 21:25:07
「ユメ十夜」を観る。

シュールな夢の映像をオムニバスで提示、というだけなら十分に成功と言える。
けれど、それ以外何もないスカスカの映像美オンリーの映画である。
いくら映像美の好きな私でも、これには辟易した。

第二夜の市川崑監督の遺作に期待していた。
なんとサイレント映画ではないですか!
この作品のみ、映像美以上のものを感じさせてくれたように思う。
さすがという他ない。

第六夜のダンス映画に至って、ついに観る気が失せた。
第十夜などがヒドい出来なんだそうだが、もういいだろう。
他に見るべきものが沢山あって、こんなものにダラダラと付き合っては居られない。

49花眼+:2009/01/11(日) 14:28:44
「SABU」を途中から観る。

名古屋のTV局の開局○○周年記念番組で制作されたドラマをもとに
映画用に再構成された作品らしい。
藤原竜也、妻夫木聡の起用で話題になったらしいが
さすがに、山本周五郎作品で満足な結果を出すには
若すぎたようだ。
一応、手抜きのないセット、演出が好ましく映る映像だったが
それ以上のものは何もない。
原作が偉大なだけに、こういうのは慎重に映像化してほしいものだ。

50花眼+:2009/01/18(日) 13:12:49
3本ほど視聴。

「Shall We ダンス?」を久々に再視聴。
何度見ても、渡辺えり子の怪演に圧倒される。
前景に彼女を配し、背景に映画初出演の草刈民代を置き(さすがに今回は
彼女の演技の未熟さを感じてしまった。仕方ないんだけど、結果としては監督の勇み足だろう)
そこに上手く役所広司の役どころがハマっているのが
映画全体の安定感につながっているわけだ。

それでも、さすがに時代の制約を思わせたのは仕方ないところか。
映画自体の魅力には何ら変わりはないのだが
しかし、今の若い世代にこの映画を見せても
さほど感銘は受けないだろうと思う。
どこまでも、1990年代初頭までの「豊かな日本」を前提とした映画であり
平凡なサラリーマン人生から一歩踏み出して、より豊かな人生を見つけるという
今ではちょっと贅沢な環境での発想に基づいているので
その点に違和感を覚える、または主役たちに感情移入できないという向きもあるだろう。

そして、そういう時代に寄り添っていて、かつ親しい世代の我々にとっては
この映画は
ノスタルジーの対象になってきているのだ。
またしても、世代ギャップを思わざるを得ない映画となってしまった。
幸か不幸か。

51花眼+:2009/01/18(日) 13:23:57
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」を昨日のTV地上波初公開で視聴。

第1作では、実写によるファンタジー文学の見事な再現、と喜んで見ていた私も
さすがにこの作品あたりでは、?と思わざるを得ないハメに。
同じパターンで5度も6度も映画化されるべきでないのだが
最初がああだったので、この5作目もいまさら大幅なデフォルメは不可能という
”偉大なるマンネリ”に陥っている。

それと気になるのは、7話を通じている全体の話の進み具合がボンヤリとしてきていて
ハリーは一体誰とどのような戦いをしていて、今状況としてはどうなのか、という
ある意味、一番肝心な部分が、極めて分かりにくくなっているのが
今後の映画化に向けて最大の不安材料といえる。
少なくとも、忙しいときには、昨日みたいにじっくり見ることはしないだろうと思う(個人的には)
もう実写の素晴らしさ、という最大の魅力にも飽きてきているし・・・

52花眼+:2009/01/18(日) 13:31:57
「Ray」を視聴。

上記2本は、通して全部観たわけでなく
「ダンス」のほうは途中から最後近くまで、
「ハリー」のほうは最後より30分前の直前20分ほど見逃して残り全部
という鑑賞だったが
この「レイ」は、録画して全部観た。

音楽が素晴らしく、主役の演技も申し分ないので
見続けることについては何の問題もなく、退屈しなかった。
もっとも、映画の内容は、相変わらずのハリウッド調で
表面をなぞっただけの典型的な伝記映画で、薄っぺらである。
黒人問題、麻薬、家族の問題などを扱っている風に見せかけている分
ある意味、タチの悪い映画かもしれない。
一番タチが悪いのは、個人の内面に踏み込んだように見せかけて
実は1つのエピソードに収束していく構成の
レイの心理の内面描写であり
そこまで人間の内面を単純化してよいものか?そういう疑いを
全く持っていないようにみえる、単なる娯楽映画のスタンスで人間を描いて
さも人間を描いてみせたように振舞うアメリカ映画、ハリウッド調の姿勢には
反感と同時に危惧さえ覚える。
どちらにせよ、アメリカ人抜きの現代社会なんて考えられないわけだから
これは怖い。

にもかかわらず、レイ・チャールズの音楽、歌唱は、文句なしに素晴らしい。
E・プレスリーと一緒で、このレベルのものに批評の言葉は不要だ。
この映画は、この魅力に乗りかかって、そのまま成功した、そんな映画なのだと思う。

53花眼+:2009/01/18(日) 15:46:00
全く偶然にファミリー劇場にチャンネルを合わせたところ
「てなもんや東海道」という映画が始まったばかりで
どうやら1966年制作の東宝映画ということで、しばらく見ていたら
結構話の展開がスマートだったので、全部観てしまった。

懐かし番組で見るかつてのテレビ版「てなもんや」は
今見るとスピード感に乏しく
やたら熱気と活気だけが伝わってくる奇怪な画面なのだが
この映画版「てなもんや」は、意外なほどテンポが良かった。

随所に当時の人気コメディアンを配しているにもかかわらず
脚本が、そのコメディアンのキャラクター、人気に依りかからず
きちんと話を進めているのが良いのだろう。

美人俳優が浜美枝だけというのも抑えた配役、というか
まあ、一昔前の女優は、喜劇には出たがらなかったものだから仕方ないか。
上田吉二郎とか伴淳三郎などの演技が、ヘンな意味で枯れていなくて
むしろ熱演の部類であったのが良かった。
ハナ肇もさすがの演技である(貫禄十分)
そして、藤田まこと、白木みのるの芸達者ぶりには
改めて感心させられた。

偶然だけど、結構いいもの見たという感じ。

54花眼+:2009/01/20(火) 21:52:04
「失われた週末」をBS2で録画して鑑賞。

久々に歯ごたえのある映画を観た感じである。
やはり、私の映画の感性は、戦前のトーキー全盛期から1950年代までの
「古き良き時代」の映画群で止まっているのか?

途中までは、現代の感覚だとややスピード感に欠けた展開ながら
終盤近くで、アルコール中毒患者の病棟の様子、幻覚症状に苦しむ患者の描写になると
半世紀以上も前の映画だというのに迫力満点で
思わず惹き込まれた。

レイ・ミランド、ジェーン・ワイマンをはじめ、俳優の演技は皆素晴らしかった。
脚本も、この時代のハリウッド映画にしては綿密に練られていて
さすがはブランケット&ワイルダー。
全体として、そこはかとなくスリラーっぽい演出は
初期のワイルダーの作風なのだろうか。
後年のワイルダーでは、こうした恐怖感をあおる演出は薄れ
ヒッチコックとの差異は顕著になっていくわけだ。

今のところ、今年観た映画のベストワン・・・って、まだ1月20日だろ。

55花眼+:2009/01/23(金) 20:39:32
またまた映画鑑賞。
昨年に続き、年の最初は映画視聴ラッシュ!

「時をかける少女」(原田知世)を鑑賞。
観終わって、ただひたすら原田知世の可愛さだけが印象に残る映画。
大林宣彦監督のいじりにいじったカメラワークにもかかわらず
映画そのものは淡々とした作りで
尾道の街並みの古びた田舎臭さもその印象に輪をかける。
SFなのに全然SFっぽくなく
ラストも恋愛映画風なのに全然それっぽくなく
要するに、映画の諸要素が全部消されていって
後にはヒロインの可愛さのみ残された、という不思議なタッチの作品。
でも原田知世が十分可愛く撮れたので、100%その意図は成功している。

というわけで、ラストあたりの主題歌が流れるシーンでの幸福感はもう絶頂ですなあ。
思わず画面に向かって「カワイイーーー!!!」と年甲斐もなく叫ぶ私でした。

56花眼+:2009/01/24(土) 18:46:13
またまた映画を鑑賞。
今度は小津映画「彼岸花」

一度観たはず、と思いながら観ていると
途中から全然知らないシーンばかりになり、初見と分かった。
とにかくオールスター映画で
有馬稲子と久我美子だけでも相当なキャストなのに
それに山本富士子と桑野みゆきが加わり、華やかそのもの。
若い男優も、佐田啓二、渡辺文雄、高橋貞二と揃っている。
ベテラン俳優だと、佐分利信、田中絹代、笠智衆、浪花千栄子、長岡輝子、十朱久雄、中村伸郎など。

男優は総じて平均的な演技で
佐分利など、さすがに主役だけあって上手いのは上手いが
逆に言えばこの程度の名演は当然だろう。

それに対して、女優陣の好演が目立つ映画だった。
田中絹代は、最初はそうでもないが、映画後半からの演技はさすがで
有馬稲子の演技との相性も良かった。
山本富士子の活発なお嬢さんぶりも、この映画で一番印象に残る演技だろう。
その母親役の浪花千栄子もたいしたものである。

脚本、話の筋ともに、黒澤映画のような爽快感など全く欠けるが
小津映画はやはり小津映画なのだということを再認識させられる佳品である。
こういう映画が、スター総出演とはいえ、年間興行成績で第10位を占めていた時代があることを
日本人はもっと誇りに思っていいだろう。
決して軽薄で表面的な映画だけが流行っていたのではないのだ。

57花眼+:2009/02/01(日) 17:16:06
「カッコーの巣の上で」を30分ほど鑑賞。
テーマは面白いと思うのだが
演出が意図的に地味に作られていて
今の私にはキツい映画である。
残念ながらパス。

「20世紀少年 もう一つの第一章」を鑑賞。
4〜5ヶ月前に公開された新作映画が
多少の手を加えた形で、もう地上波で放映されるのは
以前「デスノート」でそういう企画があったとはいえ
やはり驚きだ。

原作も全部読んだ自分としては
まず配役にミスがないのが嬉しい。
違和感なく映像に入っていける(この点はハリー・ポッターと同じ)

かなり強引な設定を
スピード感あふれるタッチで、その強引さを帳消しにしていた原作だけに
イメージが実写ということで限定される映像化については
やはり強引さを隠し切れなかった、という感が強い。
でも、その強引ささえ目をつぶれば
配役の豪華さと、何だか次々と起こる事件に心を奪われて
何かよくわからないまま、ただ単に「豪華な映画」を観たなあという気持ちに浸れるのが
この映画の最大のウリだろう。

もう少しノスタルジックに作ってもよかったし
ストーリーを実写向けに変えてもよかったはずなのだが
まあ、時にはこういう荒唐無稽な金のかかるドラマもあってもいいのではないかと思ったりもする。
これからの不況の時代、もうこういう企画は続かないようにも思うので。

58花眼+:2009/02/07(土) 21:58:46
黒澤明「用心棒」を初めて通して観た。

最初の30分ほどは
3日前に自分のコンディションが最低の時に見始め
ついつい、うつらうつらしてしまった。
今日は、その後の1時間少々を一気に観た。
体調が普通ならば、全然ストレスを感じず観れる。
さすがに黒澤映画だ。

何よりも、三船敏郎の存在感が凄い。
演技そのものは「酔いどれ天使」とか「七人の侍」などのほうが印象深いかもしれないが
この「用心棒」、そしてその続編っぽい「椿三十郎」の頃の三船は
特に黒澤明でなくても、十分、一人だけで映画館にお客を呼び込める迫力がある。

さらに、その脇を固める俳優たちも
さほど優れた脚本、演出とは思えないこの映画で
遺憾なく実力を発揮している。
山田五十鈴の憎たらしい演技、東野英治郎のメリハリの巧い演技など
見所は多い。

全体として、黒澤映画にしては、人物の造形が浅く、薄っぺらく感じる。
親分2人の対立関係が映画の軸だが
どちらの親分も、大勢の手下、素浪人を抱えている割には
思慮が浅く、抜かりも多く見える。
痛快時代劇、としてはそうならざるを得ないが
黒澤なら、もっとしっかり撮ってほしかった。

音楽は秀逸。
黒澤映画でも一、二を争う出来栄えだと思う。

59花眼+:2009/02/11(水) 20:21:03
やむを得ない経緯により
「千年の恋 ひかる源氏物語」を鑑賞。

事前にネットでの情報から、トンデモ映画だとの情報を入手していたが
噂に違わぬ最低の映画だった(笑)
何よりも、この名作の映画化の際に
主役である光源氏の性別を変えるのは
(いかに濡れ場のいやらしさを薄める効果があるとはいえ)暴挙だろう。
淡白で透明な印象を持つ男性の役を
勝気で積極的な女性が演じるのなら、まだ分かる。
しかし、好色の男性である光源氏について
その性欲の性(さが)と業(ごう)を表現しなければならないのに
いかに長身で元宝塚とはいえ、女性が演技しては
劇の妙味が台無しである。
天海祐希に罪はないが、彼女は男性を演じるのに精一杯で
それも「どうみても女性」というレベルと超えるだけで汲々としているわけで
とても演技という代物ではなかった。
この時点で、映画として最低レベルの破綻を示しているといえる。

さらに、ほとんどの場合、伏線なしでいきなり劇が展開していて
突飛な印象を受ける。
紫の上が、明石の姫を育てた寛容さを描いた直後
何の前触れもなく、玉蔓との関係に激怒する場面など
この人は二重人格かとツッコミたくなるくらい不自然である。
もっとも、こういうドラマとしての不自然さは
他のもっと立派な映画でもありがちなことなので
このレベルのことをこの映画に求めるのは酷なのだが。

松田聖子は論外。
まあ、難しい理屈ぬきで、全くダメなシーンと分かるので
間違えてこの映画を観る人を阻止できる役割は果たしている(笑)
逆に、あまりにもどのヒドさが有名なので
好奇心をそそってしまう逆効果もあるかもしれないが(笑)
ホント、笑うしかないッス。

60花眼+:2009/02/11(水) 20:26:40
トリュフォーの映画「アメリカの夜 映画に愛をこめて」を観る。

ジャクリーン・ビセット目当てで録画したのだが
観始めると、トリュフォーの個性が光る映画だった。
普段あまり観ない1970年代のフランス映画の常連たちが出てくるので
最初は見慣れない俳優たちに戸惑うものの
さすがに皆演技が上手くて
さほど魅力的でない筋書きながら
なかなか飽きさせない。

途中からビセット登場。
オーラのようなものは意外と感じないが
さすがに時々ハッとするくらいの美しさを感じる。
田山・猪俣共著の女優名鑑では
この映画でビセットは演技面で成長した、とあるが
私にはそこまでは分からない。
しかし、ほとんど映画のメイキング(それも無名の映画、架空の映画)という
観続けるのはしんどいストーリーなのに
最後まで観ることができた。
こういう全然別の時代、国の映画を観るのも
なかなか楽しいものがある。
それが名優ぞろいであればなおさらだ。

61花眼+:2009/02/15(日) 18:01:43
今年になって映画を物凄い勢いで観続けている。
もう15、6本は観ただろうか。
今日も「さらば愛しき女よ」を観た。

ここ数日、ちょこちょこっと観続けていて
途中で中断するのは、もっぱら時間の制約だけであり
内容的には観続けることは苦痛ではなかった。
音楽といい、セリフ回しといい、俳優の雰囲気といい
チャンドラーの世界を見事に再現している映画だと思った。

最初はロバート・ミッチャムの老けぶりに驚くが
さすがに演技力で年齢のミスマッチをカバーしていた。
原作は未読なので、それとの比較はできないものの
映画だけで十分愉しめるクオリティを持っている。
1975年製作でリアルタイムのはずだが
記憶にないのは何故?

音楽が秀逸。
ヘンリー・マンシーニ以外にも
これほど「アメリカ」が溢れている音楽を書ける人が居たとは!

62花眼+:2009/02/22(日) 10:07:05
「欲望という名の電車」を鑑賞。

最初の2,3分ほどを見逃したが、大勢に影響はないはず。
とにかく、主演の2人の演技が凄まじかった。
この起伏に乏しいストーリー、しかもニュアンスの難しいストーリーを
これほど劇的に、かつリアルに見せたのは
マーロン・ブランドとビビアン・リーの圧倒的な演技力によるものが大きい。

マーロン・ブランドは、粗野だけど、その実世間知は十分持っている、という
初主演ではかなり難しいと思われる役を
堂々とこなしていた。
対するに、ビビアン・リーも
理知的だけど、実は人間的には粗野で、陰険かつズバリ言ってイヤな女を
見事なまでに演じていた。
スカーレット・オハラを演じた人が
ここまでの汚れ役を引き受け、かつ完璧にこなしているのだから
これは賞賛に値する。

エリア・カザンの演出はシンプルで
時には雑になるものの、全体として
ブルーワーカーが生活する街並みの粗野で、ある意味最も人間臭い雰囲気を
シャープに演出していた。

とはいえ
この映画の魅力は
主演2人の演技力に尽きる。
汚いまでにリアルな人間の感情を
ここまで見せつけられる映画は
ハリウッド映画としては珍しいと思う。
こんなのもアリか、ハリウッドも奥が深いな、と思わせる名作である。

63花眼+:2009/02/25(水) 22:26:54
「波止場」を鑑賞。2度目。

以前、途中から観て、レナード・バーンスタインの音楽の素晴らしさと
初めて知ったマーロン・ブランドの野性味に驚愕した(当掲示板で書き込み済み)
今回は最初から全部観たのだが
驚くべきことに
前回鑑賞から2,3年程度しか間が空いていないのに
前回の印象と全く違っていたのだ。
ここまでくると、もう人間の記憶力など100%怪しいものである。
というか、人間一般に普遍化してはいけないかw

まず、音楽は平凡だった。
これだと「ウエストサイド物語」とは天と地の差がある。
また、映画全体の緊迫感も記憶していたほどではなかった。
さらに、上述のようにストーリーが記憶していたものと全く重ならなかったので
全く別の映画を観ているようで、不思議な体験だった。

異常に美化された記憶との比較ではそうなってしまうのだが
客観的に見れば、やはり一級品の映画ではある。
ロッド・スタイガーとか、神父役の俳優(「欲望という名の電車」でも重要な役で出ていたので、続けて観るとヘンな感じ)とか
それぞれに演技は印象深いものがある。
音楽も平凡とはいえ、決して陳腐ではなく、少なくとも先入観のない観客をひきつける新鮮さはある。
演出もオーソドックスで、妙なこだわりもなく、スムーズに映像が切り替わる。
少なくとも退屈はしなかったし、ストーリーが記憶と違うので
最後の場面はどう解決をつけるのかハラハラしたりした。

マーロン・ブランドは、ややおとなしぎるような気もしたが
この時代にあっては、ちょうどいいくらいのトンガリ具合だったのかもしれない。
要するに大きな欠点がなく、適度の野性味、迫力が堪能できる、というところかな。

64花眼+:2009/02/26(木) 22:12:44
「サウンド・オブ・ミュージック」の最初の1時間を家族全員(3人だけど)で見る。

いつみても同じ感動が甦る素晴らしい名作。
そういうのを家族3人で見れるというのは
贅沢で最高の夢だ。

もう死んでもいいかな・・・自殺予告じゃないよ。
それほど幸福だってこと。
残りは1人で見ることにします。

65花眼+:2009/03/02(月) 20:43:01
「サウンド・オブ・ミュージック」をついに全部観た。

超有名な映画でありながら
今日の今日まで全部観切ったことがなかった。
特に、後半の1時間半は全く観たことがなかったが
今回初めて観て
前半の1時間半の
奇跡のような出来栄えとは
やはり違っていたことが分かった。

それでも、いくら後半がごく普通の出来であったとしても
前半の圧倒的な愉しさがすべてを凌駕する。
間違いなく、映画史上最高のミュージカルの一つと断言できる。

66花眼+:2009/04/16(木) 21:32:58
久々に映画鑑賞。
トリュフォーの「華氏三五一」だ(原作ブラッドベリ、1966年公開)

前半1時間は、当方の体調のこともあり(絶好調なのだが目だけがイマイチ)
やや退屈した。
しかし、今日見た後半1時間は素晴らしかった。
もっとも、前半にしても、退屈とはいえ、映像と音楽は一流であることは
分かっていたので
要するに、ドラマとして、不自然さがあったというだけに過ぎない。
後半は、すでに所与のものとなっているシチュエーションに
最初から入り込めているので
特に感情移入しなくてもすんなりいけた、ということだ。

演技としては、ジュリー・クリスティが、全くタイプの違う女性を
一人二役で演じ分けていて秀逸だった。
オスカー・ウェルナーも、脚本がしっかりしていれば名演だったに違いないが・・・

それにしても、音楽と映像がともに凄みがあって印象深かった。
「さらば愛しき女よ」で、マンシーニばりの音楽を堪能したばかりなのに
またしても素晴らしい音楽に出会っった。
映像は、ある程度期待していたものの
想像以上にシャープで簡潔だった。

そして、この映画は、その取り上げているテーマこそ
最もショッキングなものなのだ。
ブラッドベリの原作を上回るとは言わないまでも
映像化してみせたことは
それだけで価値のあることだと思うのである。

67花眼+:2009/04/25(土) 20:44:35
「花とアリス」を鑑賞。

最初の30分は非常に苦痛で見るのを止めようかとも思ったが
数日空けて、今日残りの1時間45分を一気に観た。

何が苦痛だったのか?
それは恐らく岩井俊二監督が主役の2人の魅力を引き出そうと
意図的に少女漫画風に演出したために醸し出された
独特の雰囲気とリアリズムの放棄のせいだっただろう。

一度その雰囲気に馴染んで、リアリズムよりもファンタジーを優先すれば
今度は実に素晴らしい映画として忘れがたい体験となる。
岩井監督は「踏み絵」を用意して、リアリズムにこだわる観客から逃れたのだ。

主役の二人は本当に素晴らしい。
岩井監督の演出のせいもあるが
逆に言えば
演出がキマっているのもこの2人(鈴木杏、蒼井優)の好演によるところが
大きいはず。

68花眼+:2009/04/25(土) 20:45:05
この種の映画は、観る人を選ぶ。
岩井さんは名監督だけれども
「ラブレター」以外は、どうも一般向けではないテイストで映画を創る。
僕は、毎日、女子高校生の生態を観察できる職場に居るので
50代男性でありながら、そういうテイストが理解不能というわけではない。
そして、時々胸もうずく。
かつて、小さい時に読んだ作曲家ベルリオーズのエピソード、老人になってから少女に恋したという話を
思い出し、胸のうずきを理解する。
それは、蒼井優が可愛い(実際、かなり可愛いけど)とかいう直接的な感想ではなく
自分自身の10代の頃を思い出す胸のうずきなのだ。

ゆえに、僕にとっては切ない印象を抱いた映画だった。
この種の感想は決して他人と共有できないけど。

69花眼+:2009/05/06(水) 09:45:28
「イルマーレ」(米国リメイク版)を鑑賞。

韓国版のオリジナルが素晴らしい映画だったので
リメイク、それもハリウッドということで
若干の懸念も感じつつ観た。

最初から映像はブツ切れで
時間の流れがつかみにくく馴染みにくく感じた。
もともとストーリーがそういう設定なので
時間の流れが複雑なのは仕方ないのだが
韓国版はそこのところを
もっと自然に処理できていたように思う。
ハリウッド版映画は、そこのところが煩わしくなっている。

しかし、この映画は
多くの人が指摘しているように
主演のキアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックの好演がすべてだろう。
これほど演出が稚拙なのに、いつのまにか惹きこまれてしまう映画なのだ。
監督が二流なせいで映像が多くを語らないので
かなり難しい設定の演技になってしまっているが
そんななかでキアヌ・リーヴスの抑え気味の動き、顔の表情などが
大変好ましく思われた。
サンドラ・ブロックに至っては
40歳を超えてこういうプラトニック・ラブのヒロインを演じるという
年齢的なムリっぽささえ克服していたように思う。

図らずも、この2人の「大人」の演技が
オリジナルが唯一持っていた”主役2人の行動の不自然さ”という欠点を補うことになり
オリジナル版よりも、人間ドラマとしての発酵度が高かったように思われた。

70花眼+:2009/05/06(水) 09:47:58
ただ、映像美、それと韓国版の主演2人が放つ「若さ」ゆえの儚さ(それはファンタジーな設定にピッタリと合致する!)
といった点で
韓国版の良さも忘れ難い。
もう、こうなると、両者とも素晴らしいというほかないが
ただ、リメイクだから同じような良さがある、とは決して言えないところに
ポイントがあるようだ。

あと、全く個人的な感想(感情、か。笑)として
サンドラ・ブロックくらいの年齢の女性で
彼女が演じたような性格で
彼女くらいの美貌、可愛さがあれば
僕としては最高!

映画って、批評だけじゃないからね。
個人的願望も込めて観なくちゃ、ハハハ。

71花眼+:2009/07/30(木) 19:11:23
久々の映画鑑賞(2ヶ月半ぶり?)
しかも、相変わらずの東宝喜劇映画だ(爆)
「サラリーマン清水港」(1962年製作、主演:森繁久弥)

プログラムピクチャーかなと思ったが
(実際そうだったとしても)その割には丁寧に脚本が作られていたと思う。
ある程度脚本に手間をかければ
あとは熟練の喜劇俳優そろいなので
そこそこ見られる映画にはなる。

三木のり平のセリフがワンパターンだったのが惜しいが
実質主演の小林桂樹のセリフはよくこなれていて
小林自身の名演もあって、この喜劇のキメになっていた。
森繁も、相変わらず上手い。

女優陣はまずまずということで
特に新珠三千代の爽やかな色気は
このピリッとした映画にピッタリだったと思う。

東野英治郎の存在感も凄いなあ。
ちょっと出ただけで、すぐに悪役と分かるんだから(笑)

72花眼+:2009/08/02(日) 17:21:44
この週末は3本も映画を観た。
「続サラリーマン清水港」
「逢いたくて逢いたくて」
「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」

それぞれに特色のある映画だが
時間がないので、感想は後で。

73花眼+:2009/08/02(日) 20:05:22
では、感想を列記。
まず「続サラリーマン清水港」から。

これは観ている途中で知ったことだが
前作と今作の「清水港もの」は
例の社長シリーズの連作のひとつとして数えるのが通例らしく
それならばプログラムピクチャというにはふさわしくない
当時の東宝の看板映画であるといったほうがよいだろう。

脚本に手抜きのないのも理解できるし
今回も、志村喬、河津清三郎といった大物俳優をゲスト出演させているのも
看板映画のなせる業だろう。
前作に引き続き、脚本がしっかりしていて
俳優陣も一人として素人っぽい演技をするものは居らず
まさに大人の鑑賞に堪え得る佳品となっている。

見逃されやすいのが
森繁の社長としての矜持を窺わせる演技、そして演出であり
そうしたきちんとした「背骨」があるからこそ
全体がだらしなく崩れた雰囲気にならないのだと思う。
テレビだと、そこのところが空気に流されて
大人の見識などが100%無視されてしまうところが
いかにも軽薄に見えてしまうのだが
こういう映画を観ていると
喜劇映画といえども気品があって
安心して鑑賞できるのが嬉しい。

74花眼+:2009/08/02(日) 20:18:53
「逢いたくて逢いたくて」('66 日活)

ご存知園まりの大ヒット曲をフィーチャーした映画で
随所に日活の青春モノの雰囲気を引きずった感触があるので
当時、このテの映画を独占していた東宝の映画とはかなり違う印象を受ける。

まず当時の大学の風景を淡々と描写して
若い世代への理解を示そうとする演出に苦笑せざるを得ない。
当時の大手映画会社のスタッフがどんなに頑張ってみても
当時の大学生の生の姿を演出することなど不可能なことは
この時代から半世紀近く経った今となっては
説明を要しない事実といってもいいのだが
リアルタイムでは、こういう描写も当然と考えられていたに違いないと思うと
隔世の感を禁じ得ない。
まして日活だから仕方ないともいえよう。
これが東宝とか東映だったら、さっさと素通りしているに違いないが。

で、その大学の描写で、学生の中心人物を演じているのが
この映画当時37歳の小沢昭一というのだから
笑っちゃうしかない。
一人二役の園まりの大学生役のほうの相棒を演じているのが
当時、太田雅子の名前で映画に出ていた梶芽衣子というのには驚いたが
さすがに、目立つ演技をしている。
園まりも、思った以上に演技が上手く
わざとらしい演技で日活映画の演出では浮いてしまったドリフターズよりも
はるかにしっくりきていた。

進行役ともいうべき役柄の二人、渡哲也と松原智恵子については
渡があまりにもセリフが生硬すぎ、松原は逆に馴れ馴れしすぎて
正反対のイメージながら
まあ映画館で大写しになるのだとしたらそれにふさわしい俳優であることは
認めざるを得なかった。
全体として、ストーリー、主役クラスの演技が予想以上で
最初のあたりの噴飯モノの大学風景以外は
しっくりと頭に入ってきた映画だった。

75花眼+:2009/08/02(日) 20:29:16
「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」(2008年)

最近、ウエンツ瑛士主演で作られた鬼太郎映画の第2作。
今回は北乃きいをヒロインにして
和風の幻想をちりばめたストーリーとなっていたが
やはり、この映画のキモは前作同様
日本映画らしいイメージで作られたCG、特撮による映像美だろうと思う。
実際、ハリー・ポッターを観ているときと同じような印象を受けたシーンもかなりあって
このあたりになると、特撮技術として共通のやり方というものが定着しているのか
製作国別の違いというのは案外少ないのだろうと推察される。
だから、洋画のCGに慣れている感性でこの映画を観たとき
そこで純日本風のエピソードが展開されたとしても
意外とすんなりと受け入れられる余地があるのだろう、と。
映画界におけるグローバル・スタンダードということなのか。

CGが多用されると
仕方ないことだが、俳優の演技は目立たなくなり
せいぜいストーリーを進行させるための「つなぎ」以上の意味をもたなくなる。
しかし、俳優の演技は、ストーリー進行のためだけにあるのではないので
また、ストーリーそのものも、俳優が演技して初めて見えてくるものではないので
そこでは、ステレオタイプなセリフの応酬が多発され
映画の味わいとしてはどうしても薄っぺらなものになってしまうのは
避けがたいところである。

この映画もそういう「薄さ」を感じさせた。
せっかく緒形拳や室井滋のような芸達者を起用しているというのに。
いっそのことTVのコメディアンだけで統一するほうが
スッキリしたかもしれない(でも監督の矜持が、それを許さなかったのだろうなあ)

76花眼+:2009/09/22(火) 18:36:21
「おくりびと」がTV放映されたので、さっそく録画して一気に観た。

印象に残るシーンがちりばめてあったわけではない。
また、俳優の演技も際立ったものがあったわけではない。
しかし、破綻しているシーンがほとんどなく
伊丹十三の映画のようにスムーズに進行していって
見せるべきところはとことんじっくり見せて、という具合に
オーソドックスにきちんと作られた映画だった。

取り上げたテーマが特異でなかったら
ごく平凡で手堅いだけの映画で終わっただろう。
滝田洋二郎という人は、そういう個性の監督なのだろうと思う。
今回に限り、納棺師という特殊なテーマを扱ったおかげで
この手堅い手法が、観る者の心にストレートに届く美点となり、
演出しない演出が好感を呼んだということになるだろう。

個人的には、ノベライズを先に読んでいたので
展開が予測出来過ぎて困ってしまった。
ノベライズで予測できないのは、風景(それも生物が映っている風景)、それから広末涼子が
思いがけないところで醸し出してしまうエロティックな風情だけだった。
まるでハリー・ポッターの映画のようだったが
こればかりは先にノベライズを読んでいるほうが悪いので、仕方ない。

77花眼+:2009/10/03(土) 23:48:43
「ザ・マジックアワー」のTV放映を、最初の30分抜きで視聴。

たしかに吉本風、TV喜劇風に堕ちた感じもあるのだが
これはこれで無責任に楽しい。
前回の「有頂天ホテル」のようなユルい設定でなく
無理っぽいとはいえ、ずっとギリギリの切羽詰った設定なので
見ていて飽きない。
勿論、「笑いの学校」とか「ラヂオの時間」のような
奥行きのある笑いではないので
大傑作とまではいかないが。

佐藤浩市、寺島進の絡みが一番の見ものだろう。
俳優のキャラを最優先にストーリーを決めたかのような
配役の違和感のなさは、いつもの三谷映画のとおり。

まあ、こういう「行き着いた感」のあるマンネリ喜劇というのも
映画界には必要なのだろうと思う。
今回の映画は、無国籍風の設定でしかもマンネリ喜劇ということで
どこか「渡り鳥シリーズ」を思わせる雰囲気があった。
小林旭、宍戸錠のキャラにもたれかかった「渡り鳥」よりは
もう少し設定が緻密なのはいうまでもないが。

78花眼+:2009/10/29(木) 18:35:39
東野圭吾「変身」を読んだので
BS−TBSでその映画化作品が放映された分を録画して
今日やっと観終わった。
というより、先に録画をして
まずは小説からということで取りかかったのだが。

映画はヒドい出来だった。
allcinemaの評価も散々だったが、こればかりは同意できる。
何もかも詰め込みすぎて
そのすべてが消化不良に陥っている。
玉木宏はまずまず好演だったと思うが
せっかくの好演が何の意味も為していない。
蒼井優は完全にミスキャストだろう。
佐田真由美に至っては、原作を読んでいない人には
何のための役なのかサッパリ分からなかったのではないか。
東野圭吾映画としては最悪の出来になってしまっていた。

79korou:2009/12/15(火) 20:19:38
「私をスキーに連れてって」を途中まで鑑賞。

懐かしいバブルの匂いを堪能しようと思ったのだが
あまりにもイージーな筋書きで見る気がうせてしまった。
原田知世は好みの女優だけど、この映画ではその魅力を堪能することが難しい。
三上博史も、仕方ないことだが、全くの新人なんで、周りに引き立てる俳優が居ないと
主役は難しい感じだった。

さらに、ギャグのシーンで手術中というシチュエーションを使うのは
倫理的にもいただけない。
バブル時代の悪ノリともいえるが
2009年の現在、こういうシーンを見るのは辛いものがある。

80korou:2009/12/30(水) 22:24:18
「男はつらいよ 噂の寅次郎」を地上波民放で観る。
2009年年末で大原麗子追悼ということらしい。

かつての「映画・TVスレ」で確認すると
例のBS2での寅さん特集のときは
今のパソコン購入時に放映されたため
じっくり観ていないことが判明。

それこそ久々というか、半分以上は初めて観る「寅さん」。
大原麗子は、本来ならこの映画のトーンにうまくハマるはずなのだが
何かがしっくり来ず、画面から浮いている。
山田洋次のイジメなのかもしれない。

その山田演出も、そして脚本も
中期寅さんの円熟がなく、もちろん初期寅さんの活気もなく
中途半端でルーティンの繰り返しになっている。
ちょっと大原麗子が気の毒でもある。

81korou:2010/01/24(日) 21:01:43
たまたま映るファミリー劇場で
深夜、アチャコ・エンタツの「あきれた連中」(昭和11年、PCL)が放映された。
録画してすぐに全部観た。

いくらか時代を感じさせる古臭さはあるものの
全体としては、意外なほどスマートに出来上がっている。
何よりもエンタツの喋りが現代風で
それが同時代のエノケン喜劇との大きな差かもしれない。
また、エノケンには相方が居なかったが
エンタツにはアチャコが居て
さすがにアチャコも練達の芸を見せている。

脇を固める俳優陣の魅力のなさが
戦後の喜劇映画との大きな差ともいえる。
当時、こうした映画に出演できる俳優というと
限られていたのだろう。
そうしてみると
シリアスなのか喜劇なのか判別不能なほど上手かった森繁久弥という人が
あらゆる分野から名優を引っ張ってきて脇を固めさせることに成功したという事実こそ
日本の喜劇映画におけるエポックであったことに
改めて気付かされるのである。

つまり、森繁以前においては
エンタツが一番ということが再認識できた映画だった。

82korou:2010/02/14(日) 15:44:36
またまたファミリー劇場で「森繁の新入社員」を観る。

芸達者を揃え、早撮りの渡辺邦男が撮った東宝お得意の喜劇映画である。
森繁は40歳そこそこで、かつ設定が「新入社員」ということで
非常に若く見える(でも新入社員にはどうしても見えない、笑)
途中、暁テル子が出てきて、えーと何だっけと思い調べたら
キャピー原田の元奥さんだった。
貴重な動く”暁テル子”だった。
高島忠夫が、例によって初々しく、エンタツとか清川虹子もさすがの演技。
杉葉子のコケティッシュな魅力も印象的だった。
柳家金語楼のところで写真がハレーションをおこすギャグには
不覚にも笑ってしまった(お約束なのに)
まあ、これだけ芸達者が揃えば、早撮りのテンポ感の良さもあって
退屈しない映画になるのは当然、という映画だった。

83korou:2010/03/07(日) 19:27:23
黒澤明「赤ひげ」をついに全部観た。

出だしから鈍い映像感覚で
既にこの映画の時点で黒澤明は初期の瑞々しさを完全に失っていることを知る。
ただ、主演の加山雄三の緊張感が尋常でなく
それはもちろん三船の図太さとは明らかに異なり
この頃の仲代達矢のクールさとも違った
いわゆる名優と呼ばれる人たちからは感じられない違和感のある緊張感だった。
この緊張感がどこに落ち着くのか、それだけの期待で映画を観続け、あるいは昨日まで見逃し続けてきた。

昨日、思い直してパソコンの液晶画面とビデオデッキを再接続し
かつてのノートン・ユーティリティからウイルス・キラーに変更していることや
メモリー増設もしていること、そして、映像鑑賞時には無線LANのUSBを抜いておくことで
随時のバージョンアップによるメモリ消費から解放されることを思いつき
その結果、より大きい画面で黒澤映画を観ることが可能となった。

そして、以上の推移で途中止めになっていた「赤ひげ」の再鑑賞を始めた。

84korou:2010/03/07(日) 19:37:04
さすがに、大きい画面で観る黒澤映画は違う。
加山一人だけの緊張感ではなく、土屋嘉男などの緊張感も伝わってくる。
三船敏郎の巨大さも伝わってくる。

しかし、黒澤の脚本は破綻している。
原作を山本周五郎の短編集に採っていること自体
すでに映画向きではないが
それにドストエフスキーの小説を継いだことで
全体として非常に散漫な印象を与える冗長な映画となった。

素晴らしい部分はいくらでもある。
それこそ凡庸な監督が一生かかっても撮れないシーンが満載だ。
取り上げているテーマは、三島由紀夫曰く「中学生並の人生哲学」だが
今は世の中自体が中学生並のレベルに低下しているので
2010年にこの映画を観るならば、三島も文句のいいようがないだろう。
非常にストイックでシリアスなドラマである。

俳優たちも皆渾身の演技だ。
根岸明美も二木てるみも山崎努も桑野みゆきも頭師佳孝も皆抜群の演技である。
1つの映画で1,2名が渾身の演技をして、それが話題になるレベルをはるかに超越して
1つの映画で10数名がそろいもそろって歴史的名演を行っている。
これこそ黒澤マジックと言わざるを得ない。

85korou:2010/03/07(日) 19:41:44
しかし、全体として、脚本の主観的な緩み、その結果としての冗長な演出が
映画全体の勢いを削いでいる。
これだけ優れた部分部分を持ちながら
それが全体となると無理やりヒューマニズムに収斂させられ
まあ、今のような時代だからまだ観られるものの
これが哲学的に高度なものが求められる時代であれば
まさにそのヒューマニズムの内容が徹底的に問われたあげく
深みのない内容に批判の声が集中したに違いない。

時代限定をつけて、まあ黒澤さんらしい傑作映画の一つということもできよう。
しかし、黒澤映画の代表作の一つかどうか、という点になると
微妙なところがあって
少なくとも私は好きになれない散漫な映画と言わざるを得ないのである。
(部分部分の集中した凄さには敬意を表するとしても)

86korou:2010/03/14(日) 18:55:00
ベルイマンの「野いちご」を鑑賞。

かつて20代のときに観た印象では
断然ベスト1という最高級の評価となり
以降は、自分が観た中で一番の映画といえば「野いちご」という回答になっていたのである。

しかし、40代のときに少し観たときに
そのときの印象と全く違うことに気付き
ここ数年は、No.1映画としての評価を保留し続けてきた(誰に?)

そして、今回、たまたまBS2で放映があり
PCのHDに保存して、大きな画面で観た(といっても、せいぜい15インチ液晶だけど)

静かでしっかりとしたドラマだった。
俳優は皆地に足の着いた演技をしており申し分ない。
しかし、ベルイマンの意図が今ひとつ分からなかった。
仕方なく、映画の本を引っ張り出し、情報を引き出してくる。
すると、初恋の女性と、途中で車に乗り込んできた女性とが一人二役だったことが判明。
これでは、大きく話のニュアンスが違ってくる。
そして、いい加減な夫と、夢の中で判決を下す男が、同一人物であることも判明。
これも、大きなポイントである。
なんだ、自分はこの映画を全く理解できていない。
これではベルイマンを語る資格などない。

87korou:2010/03/14(日) 19:04:20
しかし、そもそも20代の自分は
一人二役、同一人物ということを理解していたのだろうか。
過去の自分のこととはいえ確信はないのだが
おそらく理解できていなかったはずだ。
多分、全体としての落ち着いたトーンとか
夢のシーンを大胆に取り入れたことから生まれる隠喩の深さなどに
単純にマイってしまい、ベスト1映画と絶賛してしまったに違いない。

いい加減なものだ。
別の話にはなるが、最近20代の時に書いた文章を読んで
その浅薄さ、思考の狭さにガッカリしてしまった。
自分の20代を買いかぶっていたのだが
それに続く、同じような体験である。
結局、簡単に言ってしまえば
決して才能に恵まれた人間では元々なかったのだ、ということなのだろう。
まあ、過去のことだし
その才能とやらで人生を振り回されたわけでもないので
誰にも迷惑はかけていないし
どうでもいいことだけど。

さて、そうやって映画を正確に把握してみると
やはり深い映画だと思う。
もっとも、こういうのは映画を観ているときに
それぞれの伏線を感じながら感銘を深めていくのが当然なので
その意味で、伏線そのものを知ることができなかった私には
批評以前の問題として
鑑賞する能力自体がなかったということになる。
ああ、最低の結論だな。

88korou:2010/03/16(火) 22:13:42
BS2で「ジュリア」を放映中(今、VTR録画中)

バネッサ・レッドグレーブ、ジェーン・フォンダ。名女優の共演。
目力に圧倒される。
40分ほど見て、後は録画と相成る。

89korou:2010/05/29(土) 10:49:46
「ジュリア」は結局観なかった。
今月も「許されざる者」をPCのHDに録画したものの
まだ全部観ていない。
なかなか映画を全部観るのはしんどい。

90korou:2010/05/29(土) 10:53:35
しかし、BOOKスレに書いたとおり
昨日、チャップリン関連の本を読了したので
その勢いで「モダンタイムス」を久々に観てみた。
一気だった。
もう観尽したと思っていたのに
まだまだ初めてしっかり観たというシーンが数ヶ所あって
我ながら驚いた。
最後のチャーリーの一瞬のしぐさの「微笑み」。
少女が、それを見て「微笑み」を取り戻すシーン、そして
決然と未来に向かって勇気をもって歩みだすあの感動のラストシーン。

以前より身に沁みた。
もう1回この映画を観て良かったと思った。
この感動は
どこかで
自分の生きる力を押してくれるに違いない、と思ったので。

91korou:2010/07/18(日) 09:42:25
「耳をすませば」を観る。

一度だけ全部観た気になっていたが
ストーリーが思い出せず
その意味で全部観てみると
全部観ていたというのは錯覚だと分かった。
途中から知らない場面が出てきて
最後のあたりは全然知らない展開だった。

しかし、全体としての懐かしく胸がキュンとなる演出は
ジブリ映画の一番輝いていた頃を思ってしまう。
たまたま、自分自身も一番輝いていた時期と重なるので
観ていて感傷的になってしまうのは
やむを得ない。
音楽、ヒロインのキャラ、作画の精密さ、すべてが
自分をどこか違う場所、憧れてはいるけれど
どこかで接近するのを怖がっている
「あの場所」へと
いざなってくれるのだ。
観ていて切なく、かつ幸福だった。
ありがとう、ジブリ。

92korou:2010/08/11(水) 21:02:04
山本薩夫「金環蝕」を観る。

BS2で山本薩夫特集があったので4本ほど録画したが
まずこの作品から。
山本薩夫の映画をじっくりと最初から最後まで観るのは
今回が初めてである。
俳優陣が豪華で、なおかつおざなりな演技でただ単に顔ぶれを楽しむだけ
というレベルではないので、その点では期待通りで嬉しかった。
宇野重吉の悪役ぶりは、そのキャラにないもので
さすがに印象深い演技をしていた。
仲代達矢に至っては、何か実際に対面しているかのような息苦しさまで感じ
独特の存在感には驚かされる。

ただし、話の筋の展開としては、意外とこじんまりとしていて
少々雑でもある。
新聞社代表の弟が兄を襲う場面では
あれだけ伏線が貼ってあったにもかかわらず唐突な印象を受け
しかし、そのシーンこそこの映画のキモとも言えるので
こういう演出だと残念な感じがした。
また、女優陣は、この種の映画では脇役にならざるを得ないが
それにしても存在感が薄かった。
京マチ子の堂々たる演技ぶりはさすがだが
それにしても、やはり唐突なのである。

93korou:2010/08/11(水) 21:04:05
もっとも、全体として、よくできた映画であることも間違いない。
どこにも致命的な破綻がなく
人間ドラマとして最低限の決め事は守られていて
その上、三国連太郎などの名演も見られるのだから
一流映画といって差し支えない。

最近、この種の映画が少ないので、いっそう貴重だと思う。

94korou:2010/08/25(水) 21:00:41
期間限定契約中のスター・チャンネルで「キャリー」の最後30分を観る。

例の腐った水(?)がキャリーの頭上にふりかかる、というシーンから観始めた。
さすがにブライアン・デ・パルマのカメラワークが冴えまくっていて
観始めたら止まらない。
画面分割、ストップモーション、サイレント効果、モノトーン色彩効果など
映像技巧のてんこもりで
そのどれもが狙ったとおりの最大の効果を上げている。
少々ストーリーが破天荒でも、いや破天荒なくらいでやっと落ち着くくらいのド迫力だ。
それでいて、全体としてのシーン展開は
超スローモーなのだから
観ていて不思議な気分、絶対に他の映画では味わえない独特の世界へ連れていかれるようなのだ。
そして、最後の最後で、夢に出そうなくらい印象的なあのホラー・シーンがあって劇的に映画は終わる。

久々に観たが、全く期待を裏切らない迫力だった。
さすがはブライアン・デ・パルマ!

95korou:2010/09/19(日) 21:17:43
山本薩夫「華麗なる一族」を今日観終えた。

その前に、もう書いていると思ったら
mixiだけのようだったので
「金環蝕」を観た直後に
続けて観た「不毛地帯」「白い巨塔」についても
記憶を辿って書いておきたい。

「不毛地帯」は、前半がやや緩い感じがあるものの
全体として、仲代達矢の演技に巧く演出が絞られていて
観ていて圧倒されるとともに、個々のシーンのリアルさにカタルシスさえ覚えた。
最上の黒澤映画と同じクオリティの高さに達している。

「白い巨塔」は、原作にかなりムリがあるので
それをそのまま映画化した感が強いこの映画には
その不自然さが隠されずに露見している。
しかし、主役の田宮二郎はもちろん
相手役の田村高広の演技が素晴らしく
少々の筋書きの荒さなど気にならなかったというべきだろう。
結末のカタルシスは「不毛地帯」と比べて全然低いが
これは続編が進行中の時期の映画化であり
やはり、続編も含めての映画化であるべきだっただろう。

96korou:2010/09/19(日) 21:25:07
山本薩夫の映画があまりにも面白かったので
一気にその楽しみを満喫してはもったいないと思い
今日の今日まで「華麗なる一族」は残しておいた。
そして、昨日から今日にかけて一気に観た。

一気に観るに足る面白さは
それまでの3作と同様である。
こういうものを4本も作っていること自体
もうそれだけで賞賛に値する。
そして、他3作と同様、映画としての最低ラインなど
軽くクリアしていて
実によくできているのだからもう脱帽だ。

京マチ子の演技が憎たらしいほど素晴らしく
実際には彼女の演じた役については
演出不足で説得力・必然性を欠くのに
演技力と存在感で十分カバーできているのには驚く。
松原智恵子と北大路欣也が予想以上にハマリ役で
目黒祐樹とのコントラストが分かりやすかったのも意外。
政界、官界の人たちも、見事なまでにハマっていて
芝居の不自然さを感じさせない。

3時間半という長い映画だったのに
全然長さを感じなかった。
「七人の侍」でも退屈を感じるのに
この長さでこの面白さは、まさに私には例外的な映画である。
もう、これだけ面白い映画には
生きている間には出会わないだろうとも思える。

97korou:2010/09/22(水) 23:59:45
ザ・シネマで、「猟奇的な彼女」の最後40分ほどを観る。

最後40分ほどとはいえ
この作品は最後の1時間がぎっしりと詰まっているようで
かなり堪能できた(一度通しては観ているのだが・・・)

カメラワークはオーソドックスで巧い。
それ以上に脚本、ストーリーが素晴らしい。
韓国文化に敬意を表したいくらいだ。
「イルマーレ」とこの映画が生み出せる国を
バカ呼ばわりする輩(ネットに多いが)など信じられない。
本当に尊敬できる文化を持っている国だと実感できる映画である。

98korou:2010/11/06(土) 23:32:32
VTRの整頓をしてていたら
「嫌われ松子の一生」を発見して
そのままついつい全部観てしまった。
(これでは、いつになったら整頓が終わるのか?)

物凄い映画だった、というほかない。
平成になってからの日本映画で
これほど監督の個性がむき出しになっている作品は稀だろう。
監督が出演俳優たちを罵倒し続けたという裏話も
そりゃああり得るな、と納得できるほどの徹底ぶり。

中谷美紀はこの映画での主演体験を
今どう思っているのだろう?
まあ、これほど美しい女優を
よくぞこれほど虐待して使いまくったものだ、と感心する。
方向性は違うが、かつての小津、黒沢、溝口も
こんな風に俳優を鍛えて映画のレベルを上げていったのだが
彼女にとっても得難い体験だったに違いない。
主演女優賞ということで報われて良かったと言わざるを得ない。
そういう賞を受賞することは嬉しいことだろうけど
その代償はキツいものがあるのが常である。

中島哲也、恐るべし、というところ。
もう美紀ちゃんをいじめないでください。
僕が許しません(なんちゃって・・・)

99korou:2010/12/14(火) 20:59:26
「サイコ」を観る。

昨日BS2で、午後9時から放映されていた。
前半は生で観て、後半を今夕観た。
凄まじい迫力に圧倒された。
音楽が素晴らしい。
効果音も絶妙で新鮮だ。
画面の撮り方もヒッチコックらしくて完璧だ。
トリックも古さを感じさせないし
どこにも物足りなさはない。

以前観ていたとはいえ
かなりいい加減に観ていたので
今回初めて観たに等しい。
これは、2010年の今、最も輝きを増している古典映画だと思う。

本当に全く退屈しなかった。

100korou:2010/12/30(木) 19:16:14
「引き裂かれたカーテン」を観る。
一気に全部観たのだが
それは面白かったからということではなく
たまたまである。

後でallcinemaサイトのコメント欄を参照したが
さすがに、このあたりの映画をチェックする人の指摘は鋭い。
一言で言って、主演女優、それと多分主演男優も含めて
ヒッチコックの意図にそぐわない俳優を起用せざるを得なかった時点で
この映画の中途半端さは決定的になったはずだ。
巨匠監督の立場でそれを断れないのが不思議だが
そのあたりは本人の独白でもなければ分からない。

演出自体もムラが目立つ。
さすがと思わせる部分もあるが
なんでそんなに長いシーンにするのかと
首をひねってしまうところも多い。
さすがと思わせる部分は
ヒッチコックでなければできないところなので
観たこと自体に後悔はないが
それにしても「サイコ」「鳥」から数年後に
こういう映画とは、と驚いてしまう。
「赤ひげ」から数年後の「どですかでん」のようなもので
巨匠といえども、ある瞬間から突如衰えてしまう見本のおうなものだろう。

101korou:2010/12/30(木) 21:27:37
さて、↑の書き込みの字の間違いはそれとして
今年観た映画の総括を以下に(mixiに書くにはあまりに貧弱!なので)

「あきれた連中」
「森繁の新入社員」
「赤ひげ」
「野いちご」
「モダンタイムス」
「耳をすませば」
「金環蝕」
「華麗なる一族」
「不毛地帯」
「白い巨塔」
「嫌われ松子の一生」
「サイコ」
「切り裂かれたカーテン」

以上13本。ほぼ月1本のペース。
まあ、こんなもんでしょう。
特に改めて追加のコメントはなし。
来年もいい映画を観たいものです。

102korou:2011/01/02(日) 18:54:55
なぜか、チャンネルNECOを受信できている(G+、スペースシャワーなども)
そうなる可能性はあった。

この1月から、CATVは原則デジタル送信となり
ただし、アナログ契約の人にはしばらくアナログを流すというやり方に変更されたからだ。
そして、アナログは地上波だけに限られる、ということなのだが・・

この場合、受信機のアナログ・デジタルの別と
CATV契約のアナログ・デジタルの別があって
そのあたりがきちんと割り切れないことになっている。

つまり、アナログは地上波だけ、というのは
今年7月以降の扱いになるのだろうと思う。

CATVに関しては、有料契約ということもあって
いきなりアナログを打ち切れないということもあるのだろう。
しかも、デジタルをアナログで流すことができる技術も備えている。
移行期の混乱を少しでも避けるために
CATV関係は、契約者に関しては、受信機の買い替えを遅らせてもよい
という扱いになったということなのだろう。
そうなると、CATV側としては
デジタルと同時にアナログも流すという二重送信を行う必要が生じ
おそらく、デジタルの有料コンテンツを
アナログ契約者のためにアナログでも配信するということを
1月以降も継続しなければならないはずなのだ。

103korou:2011/01/02(日) 19:02:35
普通の家庭では
昨日(2011年元旦)の時点でもアナログ契約の場合
地上波だけがアナログで継続され
他のチャンネルは、デジタル契約に移行しないと映りません、という風になったはず。

ところが、マンションだと
各室に電波が分波できないのだろう(推定)から
そのマンションにアナログ契約の人が1人でも残っていた場合
アナログの信号を一気に消すわけにはいかないのだろう。
しかし、とりあえずデジタル・アナログに関して
一般の一戸建て住宅の場合と同じような処理を施し
今までとは違うやり方で、地上波以外のチャンネルのアナログ送信を行うことに
昨日から切り替えたはずなのだ。

その送信手順の変更で
未契約者へのスクランブル?のようなものが
うまくかからなくなり
未契約アンテナ線から受信しても
映ったりするのだろう。

このあたりは推定の連続で
本当のところは分からない。
むしろ、今まで恩恵を受けていたBSデジタルが映らなくなる
と逆の想定をしていたので
思わぬ「誤算」に、今のところラッキー!とはしゃいでいるというのが実際のところ。

104korou:2011/01/02(日) 19:10:23
ということで
このラッキーが続く限り
私は、自分の思うがままにチャンネルNECOを観ることができる。
さっそく、昨日は「バコと魔法の絵本」を録画してみた。

中島哲也監督といえば
「嫌われ松子の一生」を観て
すっかり気に入ってしまったのだが
これはいけない。
こういう方向にシュールな映画は
私の好みではないので
最初の10数分間を耐えに耐えて観た結果
もう観続けることはできないと判断し、途中で止めた。

今日は「NANA」などをやっている。
NANAの中島美嘉は、今こうして見るとなかなか綺麗で美形だが
さらに宮崎あおい、伊藤由奈と並ぶと
実体のない架空の女性、それも無意味なほど美しい女性ばかりが映っていて
観ていてヘンな気分になることも確かだ。
まあ、それ以上観る気はしなかったけど。

ということで、わりと今旬の映画とか、日活映画などが
しばらくチェックできそうです(って、いつまでOKなんでしょうかねえ・・・)

105korou:2011/01/17(月) 22:12:40
「デトロイト・メタル・シティ」を鑑賞。
チャンネルNECO視聴可能による恩恵・・・

松山ケンイチと松雪泰子の”怪演”が見ものの映画。
逆に言えば
それ以外観るべきものは何もない単なるオフザケ映画ともいえる。

コミックをそのまま映像化したような映画で
実写するに際して何の思い入れもない感覚は
潔いというか、それはそれで凄いことだ。

それにしても
最初のうちは、観るほうも”この作風”に慣れていないので
もっと説明のシーンが要るのでは(主人公がヘビメタから抜けられない理由とか、一体この主人公の
どこに音楽的才能が認められているのか、等々)と思ってしまうが
最初の30分を抜けると、もうそんなことはどうでもよくなる。
(最初の30分が抜けれないと、ふざけんな、と怒って席を立つことになろう)

それと妙に映像のヌケが良くて、見ていて全然疲れないのも特筆モノ。
なんでそうなのかは全然分からず、それがまた悔しいのだが(苦笑)

ヒドいストーリー、設定、描写なのに
全部見てしまう不思議な感覚の映画。
あまりこういう感覚の映画は経験がないので
これ以上、何も書きようがない。

106korou:2011/03/06(日) 22:21:48
「或る夜の出来事」を鑑賞。

フランク・キャプラ監督の名画という知識だけは
10代の頃から知っていたが
昨日初めて全部観た。
主演がクラーク・ゲーブルというのも知らなかったし
相手役のクローデット・コルベールという女優については
そもそもその存在すら知らなかった。

しかし、冒頭から一気に映像世界に呑み込まれていった。
あっという間の感情移入!
ストーリーは飽きを感じさせずテンポよく進行し
セリフ回しも古臭くなく人間の真実を衝いている。
さすがに名作映画だと感心するばかりだった。

脚本のロバート・リスキンは、キャプラと一心同体の人らしい。
リスキン&キャプラは、素晴らしい脚本に見事な演出で
まさにトーキー映画初期の見本のような映画を創り上げたということになる。
この後を追いかけるワイルダー、ワイラー、あるいはジョン・フォードにとって
これほど大きな壁、偉大な存在はなかったに違いない。
彼らはそれを乗り越えたので、今なお巨匠と称されているのだろう。

ゲーブルの程よい人間味はこの映画の一番の魅力であり
コルベールもまさにハマり役だった。
ほとんど欠点の見当たらない映画である。
感性的にも、自分はこの年代の映画が一番しっくりくる。
幸か不幸か分からないが。

107korou:2011/03/06(日) 22:24:49
で、実は、このところ
VTRへ映画をしばしば録画して
ちょっとずつ見ては消す、ということを繰り返している。
そのチェックについて逐一記録すればよかったのが
もう消してしまうと、後を追うのは面倒になったので
仕方ないが、ここは略すしかない。

結論だけ書けば、やはり最近の映画はどうも苦手だ。
1950年代までかな、感性がフィットする映画は。

108korou:2011/03/10(木) 22:12:58
フリッツ・ラングの「メトロポリス」を
最初だけ見る。

SF映画史上最初にして最高の傑作とも言われているらしい。
フィルムの一部が現存せず
いろいろな形での公開がなされている。
検索すると、淀川さんの話が書かれているサイトが出てきたが
淀川さんの時代では不完全版しか残っていないため
何か感想も中途半端な感じになっているのが、やむを得ないとはいえ残念。

youtubeに全編アップされていて
今回BS2で放映されたものと最初の部分だけ比較して観てみたが
youtubeでは省略されてしまったシーンが、今回BS2では映像として放映されている。
今回の放映は最新版なのか?事情、経緯はよく分からない。

どちらにせよ、その当時で想像された100年後の世界の映像は
今観ても新鮮かつ美しい。
しかしながら、肝心の劇映画としての演出がお粗末で
素人映画の域を出ない。
ギャップが激しすぎてどうにもならない。

今回は途中でパスすることにした。

109korou:2011/03/15(火) 22:24:16
「オータム・イン・ニューヨーク」を観る。

何度も観かけては途中止めになっていた映画。
今回は不思議とスムーズに一気に観ることができた。
まあ、ベタなラブストーリーで、
近年のハリウッド映画でも、こんなこじんまりとした作品があるのかと
ある意味呆れるような映画だ。

リチャード・ギアは、最初のうちは存在感の確かさとハマり役で頼もしく映るが
次第にプレイボーイ風しぐさが鼻についてきて
よくみると年取ったおっさんに見えなくもなく
だんだんと興ざめしてきたのも事実。
でも、彼以外にこういう役柄をこなせる俳優がそう沢山いるとは思えない。

一方のウイノナ・ライダーは
この作品の頃が絶頂時だったに違いない。
美しさと可愛さと演技の確かさ、どれを取っても文句のつけようがない。
29歳でこれほど可憐な役ができるのは素晴らしい。
外国女優で、可憐さで際立つのは珍しいと思う。
オードリー・ヘップバーンくらいしか思いつかないのだが。

脇役のシブさは、この映画の確実な美点である。
ストーリーといい、主演俳優といい
あまり万人好みとはいえないテイストの映画なのだが
ヒロイン、ヒーローと取り巻く人たちを演じる助演俳優の演技の確かさは
皆認めるところだろう。

まあ、絶対必見というレベルではない。
ラブストーリーが好きで、ニューヨークの美しい風景が好きな人は
観て損はしないだろうけど。

110korou:2011/03/19(土) 17:28:23
「孔雀夫人」を鑑賞。

以前録画後に観て、画質がイマイチに思え
作品世界に入りきれなかったこともあり
本当は消してしまう予定だったのだが
今回、ふとした偶然で観始めると
意外と面白いので、最後まで観てしまった。
自分で、自分の感性を1930年代ハリウッド映画が一番と認識した直後だったのも
大きいのかもしれない。

さすがにウィリアム・ワイラーであり、ウォルター・ヒューストンだと思う。
脚本はよく練られていて、実に多くのシーンが考案され、
それらがスムーズに連続して、ドラマが進行していく。
ワイラーの名作「ローマの休日」の巧さは
もうこの時代の作品(1936年)で十分発揮されていたわけだ。
俳優たちも皆名演で、全く申し分ない。

ということで、またしても1930年代ハリウッド映画の名作に出会ってしまったということ。

111korou:2011/07/22(金) 11:32:15
「ビッグ」(1988年)を観る。

長女の高校のクラスで、文化祭の出し物に使うということで
急きょ「この環境で」(笑)全部観てしまったわけだが
まあ、この環境でも、こういう類の映画なら
観るのに支障はなかった。

設定はありふれたものながら
一度は使ってみたい誘惑も当然の魅力的なストーリーである。
難しい設定の恋人役の女優も、無難に巧みにこなしていて
全くといっていいほど、設定の奇抜さからくる破綻というものがない。
だから、主演のトム・ハンクスの巧まざる名演が一層光る映画となった。

まあ、ハリウッドならではの楽しい映画です。
これ以上の批評は無用!

112korou:2011/08/03(水) 10:57:11
「借り暮らしのアリエッティ」を観る。

家人がDVDを借りてきたので、ついでに観始めただけだが
画面の美しさに惹かれ、ついつい全部観ることに。

「となりのトトロ」を愛好するジブリのファンにとって
これはこたえられない美しい風景の連続だろう。
話そのものはかなり小ぶりだ。
それと比較してみれば
「トトロ」における話のふくらまし具合は大したものだと思わざるを得ない。

アニメなので、これ以上の感想は持ちようもない。
精密で繊細で美しいタッチのカントリー風景。
ナイーブな主人公たちの行動。
子ども向けアニメらしいエンディング。
それ以上でもそれ以下でもない。
そして、愛好者を十分満足させる出来栄え。
ただし、それ以上でもそれ以下でもない。

113korou:2011/08/12(金) 20:09:22
ビリー・ワイルダー監督作品「フロント・ページ」を観終わる。

勝手に遺作と思い込んでいたが
考えてみれば、ワイルダー監督の死去当時、すでにダイスポさんとの交流もあったわけで
ネット時代まで生きていたこの巨匠が
1974年で活動が終わりなんてことはあり得ない。
(もう2,3作監督しているようだ。ただし有名ななかではこの作品が最後)

出だしにピリッとした緊迫感が欠けるのと
主人公の恋愛を絡めた展開ながら、その恋愛がいかにも添え物っぽいのと
ラストのどんでん返しがいかにも古き良き時代のそれで
ご都合主義な点が、この映画の欠点。
しかし、それらは少なくともワイルダー映画ファンにとって致命的ではなく
特に後半部分のドラマの作り込みといったらたまらない出来なのだ。
一度ハマってしまうと、次々と気付いてしまうワイルダー映画の仕掛け。
何度もニヤッとさせられ、思わず吹き出してしまい、納得させられた。

抜群の傑作とまではいかないが、そこらへんの凡庸な映画など及びもつかない
大人の一級品映画だ。

114korou:2012/04/08(日) 19:30:56
川島雄三監督の傑作「幕末太陽傳」を遂に観た。

以前観始めたときには
ややダルい映像に思え、傑作の所以が分からなかった。
今回は、そのダルい最初の部分を通り抜けることができ
後半はもう抜群の面白さを堪能するばかりだった。

落語を話の筋のなかにうまくハメていて
またそれをこなす俳優陣の巧さも尋常でない。
左幸子はもちろん、南田洋子の上手さは特筆もの。
小沢昭一は相変わらず怪演だし
フランキー堺の演技の凄さについては
語り尽くされている感がある。

最後のシーンについて語られることが多いが
今この映画を観て最も感じることは
エネルギーの爆発だろう。
俳優の演技がエネルギッシュで、映像もギラギラしていて、音声もメリハリ抜群である。
監督の意図が生々しく伝わる古き良き時代のメルクマールと言える。

115korou:2012/10/06(土) 20:08:09
久々に映画鑑賞。
日本映画チャンネルが無料キャンペーン期間ということで
多くの映画を新ブルーレイレコーダー内に録画中だが
今回、吉村公三郎監督の昭和37年の作品「家庭の事情」を録画して
たった今ほぼ全部観終わったところ(録画の不備で最後の2,3分が切れていたが
娯楽作品なので、全部完璧に観なくてもOKと判断)

新藤兼人の脚本に破綻がなく、若い俳優中心のキャストながら
演技派が揃っているので、演技のほうも文句ない出来である。
話が平凡でつまらないといえばつまらないが
逆に言えば、それ以外に大きな不満はない、まさに職人芸の映画だった。
1時間半以上観続けたが、全く退屈しなかった。
こういうのも現代のTVによる映画鑑賞としてはアリだろう。

昭和37年当時で、これを有料で映画館で観るとなるとどうだろう。
映画館には安く入れた時代といえ、似たような安手のドラマは
すでに自宅でタダで見ることができる時代になっていた。
俳優の演技、脚本の確かさにはレベルの差があるものの
じっくりと見るわけでもなし
いかにもテレビ時代のお気軽な話となれば
すでに、この手の職人芸だけで映画館に客を呼ぶことは難しかったと想像できる。
個人的には面白かったが
日本映画の1本として考えるなら、平凡に過ぎたといえよう。
演技派の若手(若尾文子、叶順子、田宮二郎、船越英二、川崎敬三、藤巻潤など)も
逆に言えば、演技を磨かざるを得ない立場にあって
要するに名前だけで客を呼べない、いわばオーラの少ない人たちだったとも言える(田宮二郎はさすがに若干のオーラを放っていたが・・・)

116korou:2012/10/07(日) 11:41:06
船越英二は40歳くらいだから「若手」じゃないなあ・・・訂正。
それと、後で思ったのだが
佐分利信演じる退職直後の紳士が
妙にベタベタする厭な感じの水商売風の中年女に入れ揚げるのが
不自然に映った。
藤間紫演じる再婚相手の女性との対比でそうなったのかもしれないが
さすがの新藤さんも
人物を造形する時間の余裕がない仕事だったのかもしれない。
中年女を演じた女優の演技は堂に入っていたのだけど。

・・・でWikipediaで、その女優、中田康子について調べると
そこそこ有名な人で、宝塚→日劇→大映という経緯で
永田雅一に気に入られて、結構な役をもらっていた脇役女優らしい。
「悪名」では、勝新の最初の愛人役として、いきなり登場しているようだ。
永田と縁を切った時点で、映画女優としては終わっている。

117korou:2012/10/07(日) 22:12:39
昨日に続いて、日本映画を鑑賞。
「新・悪名」(1962年・大映 森一生監督)

悪名シリーズ第3作で
前作でモートルの貞を死なせてしまったことで
もともとシリーズ化を考えていなかったはずだが
やはりシリーズ化したいという予定変更により
貞の弟清二を、同じ田宮二郎が演じることになったその最初の作品でもある。

思ったより、きちんと人物が描かれているのに驚いた。
三国人についての多面的な描写、戦後日本の退廃的気分への挑戦的な浅吉の口上など
意外なほどラジカルかつ本格的に描かれていた。
この頃の娯楽作品には時としてドキッとする描写があるので
驚かされる。
まあ、一級の娯楽作品の名に恥じない映画と言ってよいだろう。
このシリーズについて、早くもマンネリと評する向きもあるようだが
実際に仔細を観ずに評している可能性が高い。

118korou:2012/10/14(日) 16:40:17
「20世紀少年 第一章」を家族と一緒に鑑賞。

以前、途中までは観たことがあったが、今回は最後まで観た。
演出が、いかにもTV時代の観客を意識した早いテンポであり
話そのものが原作のマンガをなぞっただけの内容にとどまったので
通して観ると、いかにも皮相な薄っぺらい映画に思えてくる。
これだけの俳優を使って、こんなちゃちな映画はないだろう、と不満が生じてくるのも事実。

まあ、忠臣蔵みたいなもので、たまに浦沢さんの知名度アップのための必要悪と割り切れば
それはそれで納得できるが(浦沢さんを知らないなんて同じ日本人として惜しすぎるので)
時間つぶしにはもってこいかもしれないけど。

119korou:2013/02/11(月) 20:17:11
「麒麟の翼」を鑑賞。

TVシリーズ「新参者」の映画バージョンとして製作された長編映画。
主役の阿部寛が手慣れたもので、その意味で見ていて安心な映画である。
ただし、東野圭吾の作品の面白さ、その一面での弱さがそのまま出ていて
それは原作に忠実なこの映画の長所となり、短所にもなっている。
どちらかというと映像の弱さのほうが前面に出て
文章では巧みに記述された説明部分も
映像となると単調な場面の繰り返しになり
意外な結末への導きも
文章で読んだときのような昂揚感に乏しく
なんとなくこじつけたような不自然さが
映像では出てしまうのだ。
テレビでタダで観るのならともかく
映画館で高い料金を払って観るのだとしたら
少々不満の残る出来栄えと言わざるを得ない。
俳優の演技としては、極端に興趣を殺ぐ人は居なくて
ミスキャストの類もないのだが
優れた原作をそのままストレートに映像化した場合
こういう結果になることもありうる、ということを痛感させる映画である。
(まあ原作の面白さで最後まで観ることに苦痛は感じなかったが)

120korou:2013/02/16(土) 09:24:47
偶然、家族一緒に「猟奇的な彼女」を観た。
実質2回目だが、前回は、真の意味で途中からの鑑賞で
今回も途中からとはいえ、まあほぼ全部に近いわけだから
その意味では初めて観た、と言えないこともない(ややこしい!)

何回観ても飽きない。
「イルマーレ」のような余韻こそないが
それはタイプの違う映画をむりやり一緒に批評する愚挙であり
これはこれで最高級の作品だ。
ちょっと間違えるとヒドい代物になりそうな脚本を
素晴らしい演出で超A級作品に仕立て上げている。

また機会があったら観たいと思う。
「アイビリーヴ」は最高だ。

121korou:2013/02/17(日) 18:59:27
「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」を観て途中で止める。

止めて、録画そのものを消した直接の理由は
子役の演技がイマイチなのに、しつこいくらい子役を使って話を進める演出のせいなのだが
それに加えて、かつては好ましく思われたヤクザ映画の様式美が
2013年の現在では、相当古めかしく思えてきたことも大きい。

現代は現代の様式美を持っている。
この映画が絶賛された時代(1970年代〜1980年代)には
こういう様式美が逆説的に賛美されていたのも事実。
しかし、時代が一回りして、いくらか保守化された映像美が当たり前になり
さらに、そのなかでも様式美が強調された映画も多く出現したように思われる。
もはや、東映の健さん映画は、現代の鑑賞に堪えられないように思う。
寅さん映画にも、それは共通するのだが
そこは、切った張ったの殺伐とした世界と
癒し効果もある喜劇の世界の差というものがあって
かろうじて、寅さんは現代に生き残っているわけだ。

ということで
一番の傑作とも言われている「唐獅子牡丹」でもそうなのだから
今後一切、当時の東映ヤクザ映画を観ることは止めにする。
残り少ない視力で観るべき映画ではない。

122korou:2013/07/21(日) 16:20:46
録画済みの映画のラインナップを見ていると
「ショウほど素敵な商売はない」があったが
この映画はつい最近(1カ月前位)見たことに気付いた。
録画を消去しようと思ったが
そもそもここにその感想を書いていないことにも気づく。

冒頭から聞き馴染みのある、いかにも古き良き時代のハリウッド映画らしい音楽が鳴り響く。
そして、いくつかのレビューの場面が続き、それから楽屋裏での明快な発音が飛び交う芝居が始まる。
まさに典型的なミュージカル風映画。
途中から準主役として登場するマリリン・モンローの存在感も素晴らしいが
全体としては、ドラマの詰めが旧時代的で、近現代を生きる人間ドラマにはなっていない。
音楽とか、映画全体のたたずまいとか、俳優の演技の確かさとか、そしてMMとか
見るべきところはたくさんあるのに、全体としては非常につまらない感じもしてくるのは何故か?

映画は進化しているのだろうか?
現代の感性のほうが優れているのだろうか?
1つ前の書き込みに続いて、同じようなことを思った。
少なくとも、この映画の楽しさを言葉にすることは容易でも
この映画のつまらなさを言葉にすることは
今の自分には難しい。

123korou:2013/07/21(日) 16:26:31
思いだしついでだが
その直後に「雨に唄えば」もほぼ全部観た。
この映画については
ジーン・ケリーが雨に濡れながら路上で踊りまくるあの有名なシーンが
圧倒的な印象を残すので
全体的な印象がどうあれ名画だな、という感想が残ってしまうのだが
冷静に考えれば「ショウほど・・・」と同じく
ドラマの浅さ、ストーリーの単純さのせいで
もはや鑑賞に堪えない映画とも言える。

50年代にはもっと上手く作られた映画が多く存在する。
50年代だから全部OKというのも間違いだろう。
個人的には好ましいテイストの映画が多いのは事実だが
それ以上の事実でもない。

124korou:2013/07/21(日) 16:28:41
で、今「アメリカン・グラフィティ」を再生して観ているが
いろいろと50年代音楽が流れているのに
さっぱり感傷的な気分になれない。
この音楽も古いだけに思える。
70年代から80年代にかけて
50年代音楽はノスタルジーの対象になっていたが
さすがに2013年の現在、この音楽に多くを感じるのはムリがあるようだ。

これも削除。

125korou:2013/07/21(日) 17:08:53
ジョン・フォードの「静かなる男」も削除。
ここでは詩情豊かにアメリカの田舎が描かれているが
もはや日本の片田舎に住む55才の人間に
その詩情をふくらませる感性は残っていない。

こういうのは10代に観て
こんなアメリカもあると体験する際に有効だ。
そして自分は別の映画でそういう世界をすでに知っている。
55才になって何でいまさら。

126korou:2013/08/04(日) 20:43:29
「天空の城ラピュタ」をほぼ全部TV鑑賞。
以前、最初のほう30分だけ観ていたので
今回はそこから先を全部観た。
頭の中で勝手に「ラピュタ」と思い込んでいた映画とは
全然違っていて
どこにも列車の追い抜きシーンなど出て来なかった。
なんとなく、前回と今回の間にそのシーンがあるような気もするが
どちらにせよ、クライマックスのあたりなど完全に初見なので
初めて観た映画と言ってよいだろう。

この映画のキモは
(主人公たちに萌えないという前提で言えば)壮大な音楽に尽きるだろう。
ストーリーの波乱万丈さと音楽のもの悲しさが絶妙にマッチしている。
子どもも楽しめるストーリーであり、かつ音楽だけは余韻が残るようになっているわけだ。

それ以外は、宮崎駿というブランドがなければ
一級品と言えたかどうか?
よく出来てはいるのだが
「千と千尋」の伝奇性や「トトロ」のファンタジー、ユーモアなどと比較すると
他では絶対に味わえないテイストといったものは不足している。
それを思えば、よくぞ「風立ちぬ」の地点まで到達したものだと
改めて思うのだ。

127korou:2013/11/10(日) 21:26:13
BSフジで「細雪」を放映しているのを途中から鑑賞。
いわゆる名作の類ではないので、断片的に観続けてもOKな映画。

とはいうものの
市川崑監督の映画だけに映像は綺麗。
琴、着物、紅葉、桜と
これでもかこれでもかと言わんばかりの日本の美がてんこもり。
加えて、岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子という配役で
美人女優もてんこもり。
あらすじも縁談話が中心で、いかにも昔の日本のしきたりがてんこもり。

まあ、テレビでちらっと見るには豪華絢爛でいい気分な映画である。
映画館でお金を払って観るとなると
これだけの仕掛けで心に響くものがないというのも困りものだが。
市川崑という人も困った人だ(笑)

128korou:2014/01/12(日) 11:57:39
昨日は、録画した映画などをチェックしていたのだが
チャップリン「黄金狂時代」を観ていると、途中でやめられなくなり
全部観てしまった。
他の映画ではそんなことはあり得ないのだが
やはりチャップリンは特別である。

1年前の正月に録画した分で最近の放映分なのだが
完全なトーキー処理で、チャップリンも含めて音声処理が施してあり
それにリアルタイムで字幕がついているのが
以前観たときと全然違う印象があって驚かされた。
以前は、会話部分は英語の字幕画面になっていたように思うのだが・・・記憶が定かでない。

さらに
そういう重要な部分に違和感があったにもかかわらず
意外なほどすんなりと作品世界に入り込むことができたのも驚きである。
チャップリンの動きは軽快で、ストーリー展開も実にテンポよく淀みない。
もちろん、劇の膨らませ方は前時代的で、単純でアホらしいくらいだが
チャップリンの喜劇であること、1920年代の映画であることを思えば
言うまでもなく、大きなキズではない。

全体に社会の暗い面を描いている部分が少なく
絶体絶命の場面ですら、いかにも楽しげに描写されているのが
他の後期作品との決定的違いである。
ジャン・コクトーがこの映画に感動したというエピソードも
ある意味コクトーの前時代的な感性を露わにしているだけと言えよう。
やはり「街の灯」「モダンタイムス」などの作品よりは
真の感銘度においてやや落ちる内容ではないかと確信できた。
もっとも、喜劇映画として超A級であることは間違いなく
必見の古典映画であることには変わりはない。

129korou:2014/01/12(日) 12:09:07
昨日、このスレを全部読んでみて
意外なほど、中途半端に観た映画の感想が多いのに気付いた。
プロの評論家なら、そんなことは100%あり得ないが
途中で観るのをやめた映画の批評というのも結構面白いことを発見。

というわけで
昨日途中まで観た映画(その結果HDから削除)の感想。

「喜劇 女は度胸」
森崎東の初監督作品である。
主演の倍賞美津子も、この映画が初主演作品らしい。
もっとも、脇役ばかりが集まったこの映画で
人を呼べるビッグネームと言えば
渥美清しかいないので
渥美清の映画で倍賞千恵子の妹がついに映画に本格デビューしたという
位置づけになるだろう。
共演の清川虹子の述懐によれば
この頃の渥美は、アフリカへ行くことが多くて
渥美のシーンだけ別撮りで先に済ませてあったらしい。
というわけで、渥美清に注目してしまうと
この映画に関しては肩透かしを食うハメになる。
どう見ても、倍賞と河原崎健三のラブコメにしか見えないからである。
そうなると、倍賞美津子を大ざっぱで豪快な若い娘として
演出するしかなかったこの作品の欠点が目立ってくるわけで
全然可愛くない女のラブコメなど見たくもない⇒HDから削除ということになった。
倍賞美津子を喜劇で使うなら、絶対に脇役だろう。
主役で使うには、あまりにも本人が芸達者すぎる(もしくはそう見えてしまう)。
河原崎のほうは、まあまあ上手い演技で、ちょうど二枚目半なのでいいのだが。

130korou:2014/05/06(火) 18:43:32
「サイドカーに犬」を、ふと放映直前に気付いて録画。
ちょっと見て、ダメだったら削除しようと思っていたら
意外にも面白くて、全部観てしまった。

長島有の文学賞新人賞受賞作で、しかも未読の小説が原作だったので
その意味でチェックしただけだったのだが
子役の松本花奈の表情が実に自然で、思わず見てしまった。
オーバーアクション気味の竹内結子の演技と好対照で
その過剰な演技を巧く打ち消していたのが印象的。
セリフの適切さもポイントで、いい演出、いい監督と思ったが
見た後に確認すると、根岸吉太郎だった。

ネームバリュー抜群というわけではないが演技には過不足ないキャストを揃え
昭和後期ともいうべき1980年代の雰囲気を巧みに醸し出しながら
寡黙で内気な少女のところに突然現れた規格外の女という設定を
魅力的に描き切る演出力のせいで、観ていて実に気持ち良い映画だった。
名作とか大作とかいう風に言い切るには程遠いが
しっかりとした映画、きちんとした映画、職人がちゃんとした仕事をした映画というものを
観たくなったときには、十分堪能できる映画である。

平成の現代を描く際に、寂しく、力なく映してみせ
そのことが、意外なほどのノスタルジーを醸し出しているのも素晴らしい。
回想部分の昭和の部分が、簡潔で的確で、感傷的な部分を感じさせないのと好対照で
こういう表現手法に、職人監督の力量を感じたのも高ポイントの一つ。

131korou:2014/08/14(木) 10:19:51
今年最大、というより、ここ10年では最大のヒットとなった「アナと雪の女王」を
DVD入手できたので鑑賞。

冒頭からワクワクするような展開で、さすがだなと思ったのだが
1時間ほどすると、眠くなるような退屈さで、実際5分ほど居眠りしてしまう。
慌てて5分前に戻して再生を続けたが、この前後半の落差は何なのか?
ディズニーアニメなので、心底から堪能できるわけがないとは思っていたが
最初のほうの異常なまでの愉しさは予想外であり
その割には後半でのストーリーのまとめ方は予想以上に安易だった。
まあ、簡単にいうと「よく分からない」映画。

話題についていくための体験、ということで・・・(自分にとっては)映画鑑賞とはちと違う・・・

132korou:2014/08/27(水) 16:16:09
テスト

133korou:2014/11/09(日) 20:14:10
久々の自由な日曜日(家人は友人とお楽しみ)。
もともと録画予定の「社長道中記」を、生で一気に鑑賞。
さらに「モテキ」も続けて鑑賞。
1日に2本も映画を見てしまう”怪挙”を成し遂げた!

「社長道中記」は、途中で2種類の薬が出た時点で
ストーリーがモロバレになる古いタイプの喜劇だが
きちんと作り上げた脚本のせいで
見ていて実に楽しい映画になっている。
新珠三千代のメイクも
最初のあたりは可愛く仕上げて実に魅力的で
ドラマが進むにつれて徐々に大人の女性のメイクになっていく
丁寧な演出。
三木のり平の演技には、何度も噴き出してしまった。
所ジョージのテキトーさにも通じる、それでいて
それよりももっと大人な芸を堪能した。
森繁の達者さは相変わらず。
娯楽シリーズの一作ながら、なかなかの出来栄えで面白かった。

134korou:2014/11/09(日) 20:24:35
「モテキ」は、最初のうちは
ちょっと見ていて恥ずかしくなるような映画だった。
モテない男の心の内面を、これほど赤裸々に描いた映画も珍しく
モテない男代表の自分としては、妄想をそのまま映像で見ているようで
何とも気恥ずかしいものがあったのだ。
妄想の相手としては、長澤まさみほどふさわしい女優は居ないし
監督もよく心得ているのか、演出もこれ以上ない巧さだった。
麻生久美子への妄想部分は、それに比べてリアルさが出てしまい
妄想としては不出来なのだが、その分、劇中の時間を進行させる効果があり
それはそれで満足できるシーンではある。
仲里依紗への妄想部分は、やや映画的にはメタを感じさせる場面で
なかなか印象的な挿入部分となっている。

全体を通してJ−POPの音楽が満載で
音楽が途切れないのも、最後まで一気に見続けられた重要な要素だった。
森山未来の演技もシンプルで小気味よく
感情移入しやすい主役だった。

というわけで
意外なほど面白い映画で、かつ印象深い映画だった。
今日の思わぬ収穫。
それにしても今年は映画を全然観ていないことに今さら気づく。
そのなかでいきなり1日2本とは、これも妙。

135korou:2014/12/28(日) 23:04:37
ついに20数年ぶりに映画館で映画を観る。
家人のリクエストにあえて抵抗する理由もなく
本日、岡南TOHOシネマに行って「バンクーバーの朝日」を観てきた。

久々の映画鑑賞スペースは、思ったより快適で
背もたれが深く十分な高さがあり、適度の温度が保たれていた。
偶然かもしれないが、同席した他の観客に不審な人は皆無で
皆、しっかりと画面に集中し、不快になることは全くなかった。

映画そのものは、描きようによっては深いテーマになり得る素材を扱いながら
最後まで微温的な演出に終始し、これといった深い感動は得られなった。
手堅いまとめ方で、大きな不満、不備は指摘しにくいが
だからどうした、という見方も可能なわけで
忙しい人をも惹きつける魔力には乏しかった。
まあ、日本映画で普通に撮ってしまえば、大抵の映画はこんな感じになってしまうだろう。

というわけで、まさに普通の時間つぶしとして映画を観た、という一日。

136korou:2015/03/02(月) 15:48:08
「風立ちぬ」を録画で鑑賞。

宮崎駿最後の長編アニメということで
観る方としてもヘンに力が入ってしまう。
スムーズな出だしで、夢と現実が交錯するシーンは秀逸で
何とエンディングも夢と現実が交錯するシーンで
そのままユーミンの「ひこうき雲」に突入、あまりにスムーズすぎて
客観的に映画を総括する気分など消え去り
素直に涙腺の決壊に甘んじた。

かといって抜群の傑作というわけでもない。
ドラマは平たんで、時代背景をえぐる深さもない。
常に創作側に都合のいい流れになっていて
もし声優のトーンが高めで盛り上がりを演出する感じだったら
かなりの抵抗感を覚えたはずだ。
しかし、今回、声優は揃って地味なトーンで統一され
久石譲の音楽も控え目に鳴り響いていたので
むしろこのくらいの平たんなドラマでちょうど良いくらいだった。

映画公開後に宮崎監督の反戦主張がクローズアップされていたので
そういうアピール部分もあるアニメかと思っていたが
実際に観ると、どこにもそんな要素はなかった。
途中からは、完全に堀辰雄の世界、純粋至高な愛の物語として描かれ
飛行機設計の物語は脇に追いやられていた。
そして、そこでは夢と現実が交錯していて
とても子供には分かり辛い映画になっていたように思う。

分かる人には愛すべき映画になっていた。
でも傑作ではない。

137korou:2015/10/12(月) 14:59:40
「思い出のマーニー」を家族3名で鑑賞。

純粋にアニメ名作として鑑賞し、事後にいろいろな人のレビューを見て
ジブリの次代エースの2作目という視点で評価をしている人が多いことを知った。
そういう経緯を知らずにそのままこの映画を観れば
かなりの傑作のように思う。
作画がジブリにしては甘いという指摘も
それは詳しい人の感想であり、全然そんな風には感じない。
ストーリーは、さすがに人を選ぶ題材、設定だが
その設定のなかでは、万人向けのエンディングが予定されていて
これならなんとか国民的アニメの範疇に収まるのではないかと思われる。

シーンのつなぎ方が、かなり幻想的に処理されていて
さらに途中までマーニーの存在が不安定なままなので
ひょっとして主人公杏奈の心的妄想の世界が展開されているだけではないかと懸念するが
そういうマニアックな精神世界だけのドラマではなかった。
家族の絆という設定がそこに加わり、一気に伏線が回収されるときに
「感動」という要素がじわじわと入ってくるあたりは見事だ。
そこだけは名作の名に恥じない。

ただし、全体に漂うくらいトーンは、決して家族向きではない。
それは「風立ちぬ」でも同様で
ある意味、ジブリ映画全般に程度の差はあれ感じられ
ジブリが90年代に定着した”セカイ系”の芸術であることを物語る。
その文脈でいえば、これ以上ジブリらしいジブリはないと言えるし
米林氏は見事次代のエースとしての仕事を遂行したと言えるだろう。

138korou:2018/01/02(火) 17:28:52
去年(2017年)は一度も書き込まなかったこのスレ。
仕事で「十二人の怒れる男」を繰り返しみたのは記憶があるが
たしかにそれ以外に、これといった映画鑑賞体験がない。
どんどんDVDに録画を繰り返してはいるものの
視力の関係で退職後の愉しみにしているせいもあって
全然チェックしていないのが現状。

今日、2018年初っ端。
時間があったので、昨夜放映していて録画していた「秒速5センチメートル」を
一気に観た。
第一話の途中から切なさが溢れ出てきて涙が止まらなくなった。
この第一話ほど感情移入できるアニメは他にない。

第二話は今回やっときちんと観れた。
これも切ないのだが、話としては既視感アリなので
第一話ほどの圧倒的な感銘はない。
でも上手く描けている。

第三話は、やはり短すぎて言葉足らず、描写足らずの印象が拭えない。
でも、すべてを打ち消すような感覚はなく
第一話の感銘は残っている。
全体として、凄く印象に残るアニメであることを再確認した。

ネットで観た内容と記憶違いがあって
いい加減な記憶だなという感想も同時に残った。
今回でやっと正しく把握できたことになる。
素晴らしいアニメで、まだこれを鑑賞できる視力が残っていることが嬉しい。

139korou:2018/01/04(木) 20:34:05
新海誠作品特集ということで連日放映されたアニメの真打ちは
やはり「君の名は。」ということで
さっそく観終わった。
男女入れ替わりの場面は抵抗感があったものの
途中で入れ替わりが終わりホッとする。

そこからの展開は清々しいものがあった。
秒速5センチメートルの切ない終わり方に比べて
こちらのほうは希望に満ちた終わり方で対照的。
一般的にはこちらのほうが好まれるだろうし
大ヒット映画になる構成であることは間違いない。

音楽もアニメ画像も文句無く素晴らしかった。
ストーリーも緊張感があって程よく
もうこれ以上言葉を費やしても冗句になるだけだ。

140korou:2018/05/06(日) 18:20:52
今年度の図書委員会の文化祭企画が「ジブリ」に決まったので
このGWの連休で「風の谷のナウシカ」と「もののけ姫」を鑑賞。
(本当は「千と千尋の神隠し」も観る予定だったが、眼精疲労が出て中止)

「風の谷のナウシカ」は
何度も何度も試みていつも途中で鑑賞をリタイアしてきた作品。
今回やっと全部観終えた。
もっとシンプルなストーリーのほうが好みだが
これはこれで理解はできるといった感じ。

それに対して「もののけ姫」は
作品の全体的な構成とかあらすじのもっていきかたなど
全部について違和感だらけで終わった。
初めて全部通して観たのだが
ほんの少しだけ記憶していたと思っていた全体の設定すら
実は全然違っていたという驚きもあった。
こんな複雑でごちゃごちゃしたストーリーだとは思わなかった。
ニヒリズムの先にある現実肯定とその結果としての”生”の肯定というのが
この作品の根底にある主題というわけだが
それにしても、主題をめぐる副主題が不必要に込み合った印象を受ける。

個人的には
「トトロ」「宅急便」「耳をすませば」などのシンプルな作りのほうが好みだが
それはひとまず措くとして
委員会の取り組みとして、これらの研究は一体どこに着地するのか?
別の指導者によってリードされるわけで
委員会の当事者でもあるのだけれど
その点は興味深い限りである。

141korou:2018/08/15(水) 21:57:29
昼のBSプレミアムで放映された「カプリコン・1」を録画。
で、その直後に、ちょっとだけ観る予定が
ついつい面白くて全部観てしまった。
ツッコミ所満載だが
それは些細な問題で
当時のハリウッドで
こういうものを作った意義は大きい。
何をしたかったのかが非常によく分かる映画だ。

最後のほうに出てくる薬剤散布のオッサンが
テリー・サバラスとは知らなかった(後で調べて判明)。
それと、今調べたら
主役の2人、エリオット・グールド(新聞記者)とジェームズ・ブローリン(宇宙飛行士)が
ともにバーブラ・ストライザンドの元夫というのにも驚いた。
そんなことを調べていたら
いかにも70年代映画の俳優というのが
何人か居て
入れ替わり立ち替わり、レッドフォードやマックイーンの映画の間を縫うように
主役・脇役を務めていたのだなということも分かり
世代的に懐かしい思いになった。

まあ、退職後の映画鑑賞のリハーサルのようなもの。
2時間映画を観続けても
目の調子がまあまあ大丈夫という好結果で終わった。

142korou:2018/08/15(水) 22:04:10
さらに
小林信彦「黒澤明という時代」(文春文庫)を
偶然ブックオフで仕入れて
その関係で、黒澤映画ですぐ確認できるものは確認しながら
読み続けているのだが
そういうわけで
昨日は「我が青春に悔いなし」を前半だけ観た。

とにかく音楽が貧相で古風で聴くに耐えない。
まあ、これは黒澤に限らず、この時代の日本映画として仕方ないのだが。
30代半ばの男優と20代半ばの女優が
今でいう高校生活を謳歌している冒頭のシーンも
さすがにムリがある。
どう観ても社員旅行だろう、これは。

そういう現代から観ればムリばかりの映像ではあるのだが
さすがに原節子は美しい。
特にこの映画では
彼女の激情のようなものが画面がほとばしり出ていて
今観ても十分に愛おしい。
逆に言えば
他に何もなくて、黒澤の映像っぽくなく雑なタッチなのに
そこだけは観ていて惹きつけられる。
これを、過剰な演技、そぐわない演技と評したのが当時の映画界だが
ある意味、時代の制約からくる批評だろう。

原節子は
この映画を観ずして語ってはいけないと思った。

143korou:2018/11/18(日) 18:58:03
「先生!、、、好きになってもいいですか?」を観た。

まあ、普通はこういう題名の映画は観ないのだが(苦笑)
岡山ロケ、しかも身近な場所でのロケだったので
いつか見てみたいと思いつつ
なかなか機会がなかったところ
家人が100円のレンタル時期にツタヤから借りてくれたので
やっと鑑賞可能となった。

ストーリーがあまりに「真っ当」で
まあ、一言でいって「どうでもいい」話なので
そういう事情がなければ観る予定もなく
仮に観始めたとしても途中で止めているはずなのだが
時々映る見慣れた光景(わが職場!)のせいで
なんとか観終ることができた。
知っている職場の同僚も4名確認できた(小さい豆粒のようなサイズで一瞬だけ)。

まあ、allcinemaのサイトで誰かが書いていたとおり
ベタな題材なのに、同種の他の映画よりも編集に妙があって
流れがスムーズなので
少しでも観る気力さえあれば
最後まで見続けることはそれほど苦痛ではないのは確かだ。
広瀬すずの演技はまずまずで
この若さ、年齢からすれば上出来だが
生田斗真のほうは役柄が難しく
残念ながらこなせていない(というか、このテイストでは誰がやってもムリだ)。

岡山人と広瀬・生田ファンのための映画。
それ以上でもそれ以下でもない。

144korou:2019/04/05(金) 23:14:34
「初恋のきた道」をBSでほぼ全部観る。
久々の映画鑑賞。

チャン・ツィーの可愛さを、監督の好みで農村の風景の中で撮りまくった・・・そんな印象の残る映画だった。
とはいえ、確かに可愛く、背景の農村風景の色彩美も見事だった。
万人受けする万全のクオリティの映画とまでは言い切れないが
オーソドックスな映像美に安心して見続けることができた。

この監督(チャン・イーモウ)の作品としては
必ずしも傑作とは言い難いらしい。
結構な映像美だとは思ったのだが
そうなると「紅いコーリャン」などを観たくなってくる。
まあ、中国映画としては初めて観たといっていいので
比較も何もできないわけだが。

145korou:2019/04/17(水) 17:27:29
映画を3本チェック。

昨日、BS-TBSで「007は二度死ぬ」が放映された。
少しだけ観ておこうと思い観始めると
日本の風景がどんどん出てきて
ああ、日本ロケのやつかと改めて思い出す。
そこから後は、じっくり見たり、適当に流し見したりで
とても映画を観たうちには入らないのだが
とにかく最後までチャンネルを変えずに観終わった。
今までは浜美枝がボンドガールと思い込んでいたのだが
実際には海女役の若林映子のほうが重要なボンドガールだったのは
今まで知らなかったし
姫路城のシーンも全然把握できていなかった。
要するに、今まできっちりとは観ていなかったということ。

そして、今日は、時間ができたので
ついに退職後の愉しみであるDVDチェックを初めて行う。
HDの容量を節約したかったので
まず「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンチェスト」から。
観終わっても多分保存しないだろう映画をチョイスしたのだが
映画としては想像以上に低レベルで
ある意味、子供用の映画のようなものである。
とにかくだらだらと活劇が続くだけで、中身は何にもない。
映像の美しさはさすがだが、ただそれだけ。

146korou:2019/04/17(水) 17:35:16
結局、「パイレーツ・・・」は
最初の1時間だけ観て断念。
こんなの時間の無駄だ。

ふと「カメラを止めるな」を録画していたのを思い出し
次はこれを全部観た。
最初の思わせぶりな、そして部分的にヘンな「ゾンビ映像」が続き
ただし、そこで飽きても見続けるべしという情報を得ていたので
我慢して見続ける。

それが終わると映画本編に入り、
ごく普通の流れになる。
キモは、生放送なのに直前に出演者がキャンセルされるという切迫した状況で
いきなり代役が出るという、ハプニング物なのだ。
面白いと言えば面白いが
アイデアありきの2時間映画ということで
個人的には食い足りなかった。
「ラヂオの時間」とどう違うのか、いまさら比較検討もできないが
三谷幸喜の喜劇の満足感と比べて、随分と皮相な感じも受けた。

まあ、過大評価ではないか、という感じ。
どこで「泣ける映画」になるのか、それもよく分からない(泣くポイントがここ、というのは理解できるのだが・・・)

ということで、まあ後半は退屈しないものの
それだけの映画。
前半が酷い退屈なので、全体としてはつまらない映画と言える。

147korou:2019/04/22(月) 15:42:13
DVD鑑賞、2作目は「告白」(2011年 中島哲也監督)

中島哲也監督の映像美については
「嫌われ松子の一生」で経験済みなので
特にどうということはない(Webの映画評ではそこに結構集中しているが)。
とはいうものの
元々カルトな内容のストーリーを
こうやって表面だけ徹底して磨いた映像で見せられると
観終わった後の空虚感はハンパない。
娯楽映画としては一級品だが
映像美がもたらすカタルシスが案外少なくて
結構戸惑っているのも確か。
ブライアン・デ・パルマとは何かが違う。

松たか子の演技も生煮え状態。
表情の凄みは印象的なのだが
それがもたらす中身は何もない。
元々中身のない演技を独特のオーラでカヴァーする人なのに
そのオーラ以上の凄みを出してしまっているので
演技的にはむしろマイナスになっている。
しかし、そのことすらも映画自体に何の影響も与えない。
映画そのものが何も伝えないのだから。
その徹底ぶりは、やはり中島哲也だ。

橋本愛だけ(部分的に)可愛く思えた。
「カワイイ」というのは本質的には無意味な感想に過ぎないはずだが
ポジがネガになっているこの映画では
この無意味さが結構雄弁に思え
これは監督の演出にはなかったこの映画の美点だ。

148korou:2019/04/24(水) 18:50:29
DVD鑑賞、3作目は「ブルース・ブラザース」(1980年 ジョン・ランディス監督)

全編「トムとジェリー」のような非現実的なドタバタ劇の連続で
そこに一級品の音楽が挿入されている感じ。
楽しくはあるが、心に迫るものは何一つない。
退屈はしないが、時として眠たくなるのは
やはり、全く深みを求めない徹底したハリウッド調だからだろう。

アレサ・フランクリンはさすがの歌唱だったが
レイ・チャールズはもっと生かせたかもしれない。
ジェームズ・ブラウンはまあああんなものかな。
3人目のブラザースのような役回りの人には
もっとショーアップのシーンを観たかったところ。

まあ、こんなもんかな。
続編は見ないかも。

149korou:2019/04/30(火) 20:00:09
DVD鑑賞、4作目は「オリエント急行殺人事件」(1974年 シドニー・ルメット監督)

全部観終わり、allcinemaのコメントを見ると
意外なほど好意的なので不思議だった。
何のひねりもない、ルメットにしては凡作、という直後の印象だったのだが。
全体として「十二人の怒れる男」を連想させる室内劇で
「十二人」には及ばない出来栄え。
ただし、キャストの豪華さで注目させる意図は100%成功と言ってよいだろう。
イングリッド・バーグマン、ローレン・バコール、バネッサ・レッドグレープ、
ショーン・コネリー、リチャード・ウィドマーク、アンソニー・パーキンスなど
多彩な芸風。年齢層を網羅した配役は
当時も話題を呼んだので、リアルタイムで記憶が残っている。
ただ、今の自分の興味が、純粋ミステリーとは程遠くなっているので
いかにクリスティー原作とはいえ、全体としての底浅さは否めなかった。
その限界のなかでは成功した部類の映画だとは思うが。

あと、一気に観続けるリスクを避けて、2日に分けて観たが
こういう作品の場合、分けて観ること自体にそれほど問題はなく
むしろ、観ている最中、いつのまにかうつらうつらして記憶がとんでしまうという症状が
ついに映画鑑賞でも出てしまうことに、自分でも驚いた(スポーツ観戦では今までもあったのだが・・)
今回は、少し巻き戻して再度観直しても問題なかったが
さすがに映画によっては一気に緊迫感がなくなることもあるだろう。
困ったことだ。

150korou:2019/05/06(月) 17:58:07
NHKBSで「風と共に去りぬ」が放映され
ちょっとだけ見るつもりだったのだが
なんと、そのまま全部観てしまった。
さすがの名作である。途中で止めようとは一度も思わなかったのだから。

何が素晴らしいのか?簡単には書き切れない。
やはり登場人物すべてが人間の生の姿を見事に象徴していて
魅力的で生き生きとしていることだろう。
特にスカーレット・オハラの今風に言えば「ツンデレ」な姿は
キャラとしての「ツンデレ」ではなく
観ているうちにどんどん感情移入してしまうような
人の心の深部に突き当たるような「ツンデレ」であり
それを表現し得ただけ、その1つだけで
十分名作映画の名に値すると思われた。

よくよく設定を吟味してみれば
無茶苦茶というか、あまりに悲惨な物語で
意外なほど善人ばかり出てくる話なのに
その割には悲惨な死に方をする登場人物ばかりである。
そして、ジェットコースターとしか言いようがない
相当荒いストーリーの運びのせいで
レット・バトラーの性格描写は最終的に支離滅裂なのだが
普通の映画であれば、主役の性格描写の破綻が決定的になるはずが
この映画では全く気にならないというのも
不思議かつ凄いことだと思う。

今回、初めて全編をしっかりと観た。
これほどの作品を全編、満足感を持って観続けることができて本当に良かった。

151korou:2019/05/11(土) 17:57:57
小林さんのエッセーから杉本美樹にたどり着き
youtubeで検索していたら
偶然「瘋癲老人日記」の映像が丸々アップされているのを発見。
思わず最初のほうだけ(40分ほど)見てしまった。

谷崎の原作はもっときちんとしていたように思うのだが
映画のほうの老人は、呆れるほどだらしなく
若尾文子も不必要なくらい堂々としているので
どちらかといえばSM映画のテイストに近い。
せっかくの若尾さんの見事な肢体なので
ここはもっと原作テイストに近づけて
ノーマルな雰囲気のままエロスに突入してほしかったところ。

小林さんが、これは映像になりにくいと評していたが
それとは別の意味で失敗作だと思われた。
映画全体の雰囲気はかなり良質に思えたので
これは惜しい。
全部観るほどのものではなかった。

152korou:2019/05/14(火) 16:13:43
小林さんの絶賛を知って、ニコール・キッドマンを見たいと思っていたら
偶然にも、某民放バラエティで「ニコール・キッドマン」と叫ぶ芸人を見て
もうこれは、彼女が誰なのかも分からないという状態では居られないと思い
既録画分をチェックした。
あまりぴったしなのが見当たらなかったが
初期の「誘う女」より、結構評価の高い「めぐりあう時間たち」のほうが良いかもと
(全く予備知識ないまま)それを選んで観始める。

・・・何だ。これは?
三大女優が出てきて、Wikipedia片手にこの複雑な構成をひもときつつ鑑賞するものの
さっぱりプロットがつかめない。
音楽、撮影、衣装、美術、どれを見ても一級品であることは分かるものの
全体として何を伝えたいのかさっぱり分からず困惑。
少々目が痛いので、とりあえず半分観たところで休息。

153korou:2019/05/14(火) 16:20:53
翌日(5/14)続きを鑑賞。
観終わって、これは難しいと判断し(とはいえなぜか最後まで飽きずに観れたのも事実)
何か参考になる文章はないかとWebで映画評を漁る。
某女性(一般人)が書いた文章がドンピシャだった。

「現状に満足できない女性特有の精神状態を描いているので男性にはかなり不向きだと思います(特にジュリアン・ムーア)
 私はかろうじて♀なので、どの役柄にも感情移入できましたが(笑) 

 さらに内面的な力強さはあるけれど、力強い作風ではなく静かに淡々と進むので退屈してしまう可能性もありますね。
 でも、この世界観にハマることが出来れば、、緻密な演出や違和感のないシーンの切り替え、バランスよく3人の女性を描いた脚本など素晴らしい点に驚かされると思います。
 それぞれに与えた共通のテーマ、そしてそれぞれが迎えた結末もとても興味深かったです。」

自分には
これ以上つけ加えて何かが書けるほどの
(こういうタイプの映画についての)感性は備わっていないと痛感する。
ニコール・キッドマンを知ろうと思ってみたはずの映画が
とんでもなく繊細で、凡人の男性の感性を超越するものであったという意外な展開でした。

ニコール・キッドマンについては、再度挑戦するしかないか。
まあ、いい映画だったし(退屈はしないし、一級品の佇まいに満ちていた)
さすがにメリル・ストリープの演技の素晴らしさくらいは分かったし・・・満足です。

154korou:2019/05/14(火) 16:32:20
その合間に、BSプレミアムで今日放送された西部劇「ホンドー」を観た。
つい先月までは、西部劇なんてとてもとても、と全面無視だったのに
何というこの変わりよう。
いや、それでも観てみるものです。
意外なほどの発見で自分でもびっくり。
最後まで面白く観ました。

ジョン・ウェイン主演のウエスタンで
一連の「アパッチ」物の元祖となった作品らしい。
監督はミア・ファローの父親で、「八十日間世界一周」の脚本家でもあるらしい。
職人肌の演出で、映画のとこをとっても無駄なシーンがなく
その反面、ストーリー展開自体は誰でも思いつく範囲のデジャブ感満載の平凡なもの。
全体として、西部劇に皆が期待する開放感、現実離れした美しい景色、シンプルな人生観など
面白さ最優先の要素を十分に見せつける文句なしのB級映画として仕上がっている。

今作で主要な役を演じたジェラルディン・ペイジという女優は
後々の名女優たちに影響を与えた人らしい(Wikipediaより)
たしかに29才にしては老けすぎだが
かといって不細工と言い切れず
ときには美人に見えることもある不思議なルックスだった。
演技も確かで、ジョン・ウェインの相手役としては十分だった。

それにしても、西部劇を一気に観ちゃったもんね。
なんということでしょう。
今度は「荒野の決闘」を観たくなった。

155korou:2019/05/30(木) 18:05:55
1週間、旅行(広島)の関係で映画鑑賞の時間をとれず
今日(5/30)、久々に映画を通して観た。
以前から観たかった「豚と軍艦」(今村昌平監督。助監督は浦山桐郎)

予想通りの名作だった。
出てくる俳優が皆渋く演技が達者で
脚本も人間心理を深くえぐった傑作である。
ヤクザ映画と言ってよい設定なのに
妙な力みなどかけらもなく
むしろ監督自身が表現した「重喜劇」といった趣きだ。
最初から不思議な”軽み”が感じられて
1時間ほど観た真ん中あたりで
知らずに食べた豚の丸焼きの中に”例の死体”が刻んで混ぜてある
というネタバレの瞬間の
皆の慌てようといったら爆笑モノだった。
シリアスなタッチの映画ならこうはならない。
見事な喜劇への反転を感じ取れて(感じ取る箇所は観る人によって違うだろうけど、自分はそこ)
そこからはどのシーンにも「おかしみ」が感じ取れてきた。
それでいて、ヒロインが「ばかやろう!」と絶叫するシーンが
喜劇的構成のなかで全然浮いていないのも見事。
どうしたらこんな手触りの映画ができるのか
魔法のようで見当もつかない。

序盤に、ややセリフが聞き取りにくいのが
唯一の難点である(もう少しゆっくりとセリフを喋らせるべきだろう)
あと、吉村実子は名演なのだが
ヒロインを印象づけるためには
(米兵からの強姦シーンを削ってでも)もう少し底光りする美人を起用すべきだったかもしれない。
そういう商業的配慮などとは最も遠い地点で撮っていたのが今村さんなので
ムリな要求ではあるのだが・・・

156korou:2019/06/03(月) 17:20:39
全然予定外だが、BSプレミアムの13時からの映画を観始め
面白かったので全部観てしまった。

1986年の米映画「殺したい女」
何の予備知識もなく観始めたが
すぐにコメディ映画を分かる。
どこかで見たことがある感じの面白顔ダニー・デヴィートと
存在感抜群の怪女優ベット・ミドラーが
画面に出ただけでおかしみを発散させていて
それにいろいろな著名俳優が絡むなかなかの佳作だった。
とにかく、飽きさせない作りは絶品で
作品全体の構成に隙がなく
なおかつ細かい部分でのくすぐりというかギャグの冴えも嬉しい限り。
同じスタッフによる「裸の銃を持つ男」に通じる職人技のコメディだ。
完全にB級映画だと思っていたら
映画評サイトでは結構な名作扱いだったので
予定外ながら儲けた気分。

157korou:2019/06/07(金) 08:49:26
角川映画の本を読んだので
その関係の映画を観たくなり
ヒット第1弾とも言える「人間の証明」を鑑賞。

まず最初のほうのファッションショーのシーンが長すぎてガッカリ。
始まりがニューヨークのシーンというのも一見カッコ良くみえるが
実は日本の田舎風景を謎めいた形で提示するほうが
映画的には深みが出るはずなので
これは脚本のミスだろう(もちろん、NYシーンに惹かれた角川首脳の確信犯だろうが)。
その後は、見れば見るほど、物足りなさと都合の良さが感じられ
豪華な俳優陣が勿体なく感じられる(鶴田さんをこんな風に使うなんて犯罪モノだ!)。
時々細かい心理描写が入るのだが
全体として雑な感じなので逆に心理描写が違和感に感じられ
ここはもう割り切って、ジェットコースター映画にすべきだったのではないか。

中川さんは、公開当時のこの映画の評価の低さを「偏見」と断定するが
いざこうして観終わってみると
「偏見」ではなく「正しい評価」だと思う。
むしろ、時代の勢いに押されて「これもアリ」とか評価しなかった点が素晴らしい。

これは、映画そのものの内容がどうのこうのということではなく
角川映画という存在を宣伝するプロモーションとして考えたい。
そして、結果として、この映画は
日本映画全体をプロモートする大きな契機にまでなった。
その後の展開も素早く行われたので
角川映画のおかげで日本映画は
70年代後半から80年代半ばまで生き延びたと言っても過言ではない。
その意味で、この映画は時代の産物であり、それ以上でもそれ以下でもないだろう。
映画としては駄作と言わざるを得ないが(日本映画の帝王クロサワが嫌ったのも当然)
それだけで切り捨てできない問題作であることは確かである。

158korou:2019/06/07(金) 18:03:13
昨日に続いて角川映画を観た。
「野生の証明」、なんと映画を観終わる前にこの感想を書いている(笑)。
またしても大変な駄作だから(後の展開は予測がつくのでながら見)。

一言でそのつまらなさを言える映画で
それは「十分に練られていない危険脱出劇」とでもいうべきか。
高倉健は自衛隊の特殊部隊という設定なので
次々と襲いかかる危険から難なく逃れたとしても
辛うじて辻褄は合うのだが
さらに中野良子演じる新聞記者とペアという設定がドラマの核心である以上
格闘劇に女性を巻き込むためには
周到な伏線を用意しておかないといけないのは当然である。
その当然のことが全くできていない映画である。
女性は驚くほど呑気で無警戒で格闘の現場に巻き込まれる。
これでは単なるバカでしかない。

そして最後の無意味な自衛隊演習のシーン。
一生懸命見るだけアホらしくなる。
せっかく高倉健、三国連太郎の名演技が随所に見られるというのに。
何という勿体なさ。
これ以上の書くべき批評は何もない。

159korou:2019/06/14(金) 15:49:43
BSプレミアム「早春」の放映を
そのまま最後まで観終わった。
そこまで観るつもりはなかったのだが
やはり小津映画だけに
一度ハマるともう途中で止めることはできない。

特に変わったことをしているわけではないのに
他の映画とは一味違う演出で(←そう思うしかない)
日常生活を続ける市井の人々の心のひだを
見事に描き出しているのには
いつもながら感嘆せざるを得ない。

不自然な箇所もいくつかあって
主人公の浮気に必然性がなく
演じている池部良にその気配が感じられず
また、浮気相手(岸恵子演じる若い女)にしても
なぜこんな冷たく淡泊な男性をわざわざ好きになるのか
理由が全く分からないのである。
また、サラリーマンとして登場する人物全員が
どういうわけかサラリーマン生活を愚痴る一方なのも
今観ていてかなり不自然に思える。
しかし、そういう不自然さは
小津映画を観る上で特に問題ではないことも確かだ。
まあ、こんなものかと。

全体として大変満足(ただ三石のシーンはあまりに簡単で三石でなくてもいい感じ)

160korou:2019/07/21(日) 17:10:32
「白夜行」を観る。

小説を読んで、これなら堀北真希でキマリだろうと思い
幸い録画済みDVDがあったので、さっそく鑑賞。
観始めて数分で後悔、というか、やっぱりなという感想、

いかに真希ちゃんでも
この映画のヒロインはムリだった。
一体、こういう特異なヒロインを演じ切れる20代の女優なんているのだろうか?
男優のほうは、藤原竜也くらいだと、まあまあサマになるのだが
(高良健吾も雰囲気は悪くないが、やや品が良すぎる)

映画の構成も
原作を上っ面だけなぞった
平凡さ丸出しの出来だった。
この原作を2時間程度の映画におさめるのは不可能なので
思い切ってストーリーを端折って
必要な部分だけを念入りに撮ったほうが良かったはず。

配役も難しく、構成も平凡とあっては
見るべきところがない。
東野圭吾作品の映画化というのは難しいということを再認識した。
松本清張作品なら、通常のドラマにミステリー味を足すだけでいいのだが
東野作品は、そうはいかないようだ。

161korou:2019/07/30(火) 16:57:50
BSプレミアムで「ミクロの決死圏」をやっていたので
最初のほうだけ少し観る。

60年代の映画としては見事な映像美で
それだけでも観るに値するのだが
それはともかく
最初の異常事態発生の際に
最高司令官の人物が何の根拠もなく
「予定通り続行せよ」と命令するナンセンスな展開には興醒めした。
異常事態から逃れられず、仕方なく低い成功確率の手段に賭けていく筋書きは
必然として描いていかなかれば不自然だろう。
物語のために都合よく筋書きを捻じ曲げていては
作品世界に没入どころではなくなる。
またじっくり観る機会があれば
この不自然さをどう解消していくのか見届けたいが
今日はたまたま観始めていたので
ここで限界がきて観るのを止めた。

162korou:2019/08/08(木) 20:20:36
久々に録画済み映画を観た。
新海誠「言の葉の庭」

やはり静かで哀しい感じの物語だった。
画面は時に驚くほど鮮烈で
ストーリーの鍵となる雨の情景は
ことさら印象的だった。
「秒速10センチメートル」とは違って
主人公の女性が20代後半ということもあって
哀しみの純度はそこまで高まらなかったものの
その分、クライマックスでの劇的な展開が楽しめた。
40分程度の短い作品なので
終わってみれば
物語というよりエピソードが示されたという感じだが
それはそれで
新海ワールドっぽくて心地よい。
「秒速10センチメートル」とは
ちょっとだけテイストが異なる佳品だった。

163korou:2019/08/08(木) 20:39:43
引き続き
BSプレミアムの「パッチ・アダムス」を観る。

たまたま観始めたが
主役のロビン・ウィリアムスの演技が達者で
思わず惹き込まれ、全部観てしまった。
実在の医師パッチ・アダムスの実際の物語を元にして作られた映画で
さらにロビン・ウィリアムスの個性、コメディアンとしての個性を足して
全体として医療映画風でありながら
実はエンタテインメント映画に仕上げているのである。

アダムスの個性を特徴的に描く演出のせいで
見ようによっては単なるワガママ、社会性ゼロの人物のように思えるときがあるが
純粋にエンタテインメント映画として見れば
そこは問題ないかもしれない。
ただし、やはり医療映画でもあるので
なかなかそこまで割り切って観れない人も多いかもしれない。
評価の分かれるところだ。

全体として
アメリカ映画らしい「大風呂敷」「超楽観主義」「行動第一」という空気が
心地よく伝わってくる映画である。
アジア発の映画だとこうはいかない。
その意味で、観た後に
いい映画を観たなという余韻が残った。

164korou:2019/08/18(日) 13:22:07
日テレで「千と千尋の神隠し」を放映していたので全部観る。
過去ログを見ると、昨年の文化祭でのジブリ特集関係で
この映画だけ再見できなかったので
ちょうど良かった。
実質、初めて全部を通して観ることができた。
難解なストーリーもほぼ把握できた。

とはいうものの
電車のシーンを何かに例える制作側の意図については
賛同できない。
あれは、どう見ても、電車のシーンでしかない。
それと、ハクという存在が中途半端で
なかなかイメージをつかみにくい。

それ以外は完璧である。
これほど想像力を掻き立てられるファンタジックな映画は
(その絶大な人気も含めて)他に思いつかない。
細部の設定が微妙でも
千尋のジュブナイルとして見事に完結しるのも心地よい。
個人的には「トトロ」と並ぶジブリ映画の双璧だが
一般的にはこの映画のほうがより「映画っぽい」魅力を感じるだろう。
とにかく大満足である。

165korou:2019/08/20(火) 20:44:32
時間ができたので久々に録画済み映画鑑賞を再開。
1時間半で観れる映画からと思い「呪怨」を鑑賞。

とんでもない出来栄えの三流ホラー映画だったらイヤだなと思っていたが
結構、新鮮味のある演出で面白く観れた。
安っぽい効果音とかこけおどしの音楽などは皆無で
画面の中の最適なポジションにリアルなアイテムを配置し
そこに日常音を上手くかませて独自の恐怖感を掻き立てる。
なかなか見事な映像になっていた。

もっとも、この作品に至るまでのストーリーを知らないと
何が何だか訳が分からない映画であることも確かだ。
続編をいきなり劇場用作品として公開するのもどうかと思う。
さらに、作品内で時系列が前後していて
その時間の崩し方に何の必然性もなく
ただ単に観る者を混乱させるだけなのもマイナス点だ。

ホラーの手法、タイプが独特で、観る人を選ぶ作品であることも確か。
一方で作品にキズが多いのも確か。
ただし娯楽作品としてそんなに悪くないのも確かである。

166korou:2019/08/28(水) 21:01:24
BSプレミアムで「永遠に美しく・・・」を観る。

メリル・ストリープ主演でSFチックな物語と思っていたのだが
再見のつもりで、ちょっとだけでもと思って観始めて
またしても過去の記憶のテキトーさに唖然。
思っていたのとは全然違う内容の映画だった。
死後の世界から戻ってくるというイメージがあったのに
全くそういう話ではなかった。
女性同士の嫉妬、憎しみ合いから始まる「永遠の美」への執念
というのがプロットになっていて
最後のあたりでその憎しみは妙な展開を経て消滅するのだが
最後の最後でもうひとひねりがあるという
ハリウッドお得意のストーリーになっていた。
ついでにいえば
随所にハリウッド映画らしい演出が施されていて
いかにもという感じで、ある意味軽すぎるのだが
そんな一種のつまらなささえ思わせる軽さを救っているのが
主演の3大スターであるストリープ、ゴールディ・ホーン、ブルース・ウイリスの
演技の確かさだった。
皆、シンプルに役どころをこなし切って
ある意味、その演技を見たいがために
全部一気に観切ってしまうようなものだった。

この映画を面白いと思えるかどうかは人にもよるが
面白く観れる人には結構ハマれる映画だと思う。
さすがはハリウッド、という感じで。

167korou:2019/09/04(水) 14:07:23
HD録画済み「評決」を観た。

ポール・ニューマンの演技が話題になった1982年度のアカデミー賞候補作。
結局「ガンジー」に賞を奪われてしまったが
今の評価だとどうだろうか。
今に至る医療過誤モノ、法廷モノの元祖のような作品という評価もある。

個人的には、街並みの美しさ、都会美を掬い取った撮影に心惹かれた。
P・ニューマンの演技は、普段がどうなのか比較することができないので
何ともいえない。
ライバルの弁護士とか、その弁護士に食い下がられながらも証言を続けた元看護師などの演技は
なかなかのものだった。
主人公に絡んでくる得体のしれない女性を演じたシャーロット・ランプリングが
素人映画評では注目されていたが
たしかに存在感はあるものの、この映画ではやや違和感を覚えた。
もっと違う映画で彼女の圧倒的な存在感を味わいたい。

「再度観る気はしないが一度は観てみたい映画」というジャンルがあるとしたら
その代表作として名前を挙げたい映画。
ストーリーは平凡だが、味わうべき演技が随所にあるので。

168korou:2019/09/14(土) 15:19:34
HD内録画済みの「川上哲治物語 背番号16」を鑑賞。

1時間20分の短い映画。
本人出演ということで当時話題にはなったらしいが
今観ると、どう観ても映画館でお金を払ってみるには値しない学芸会レベルの映画である。
吉原正喜役の宍戸錠がスマートでカッコ良いが
それ以外には観るべきものがない。

なぜ左利きになったか(幼少時の怪我)
なぜ打者に転向できたか(レギュラー一塁手の怪我)
なぜ戦後復帰できたか(本人は百姓で一生を終えるつもりでいた)
といった人生の大きな境目について
全く触れていない川上哲治物語などあり得るだろうか。
本人の希望により重要なエピソードを省略したのであれば
後世に観る立場から言えば、こういう映画は百害あって一利なしだろう。
もっとも、人気の出始めたプロ野球のトップスタープレイヤーの伝記映画となれば
球団他からの許可が出れば
新興の映画会社である日活としては
飛びつくのは当然だったのかもしれない。

予想よりは実写が少なく、世相を描く映像資料としては物足りない。
ただし、この時期の映画らしく、戦前の貧しい家庭を描くシーンでは
リアルな感じが出ていたので、そのへんは見どころといえば見どころ
(この映画でなくても、この時期の映画ならほぼそういうことは言えるが)

169korou:2019/10/01(火) 22:19:31
BSプレミアムで9月30日(月)に放映された「テルマエ・ロマエ」を、その翌日に即鑑賞。

映像美(画面への光の入れ込み方など)が自分好みで
設定も簡単に呑み込める安易な形だったので
ついつい全部観てしまった。
コミック原作なので、もともとリアリティのない設定なのだが
さらに実写版の映像となると、さらにいろいろなムリな点が出てきて
もはやドラマとしてはシリアスなところは全部諦めざるを得ないことになっているが
そういう安易さ、無理やりなところを
全く隠さずに堂々と撮り切っているのが、なかなか見事である。

まあ、これ以上書くこともない。
純粋な娯楽映画なので。
あと、ふだん聴きつけないオペラ音楽を
たっぷりと堪能できるのもこの映画の余徳だろう。

170korou:2019/10/03(木) 15:07:54
家人がTOHOシネマに行っているので(「記憶にございません」鑑賞中)
自分も家でDVDを引っ張り出して「万引き家族」を全部一気に観た。

抑制の効いた構成、ぬかりのない配役、効果的な音楽・・・どれをとっても
名作との世評に恥じない素晴らしい映画だった。
是枝監督の海外の評価では
小津安二郎のようだと言われているらしいが
自分としては、むしろ木下恵介のような流麗さ、温かさを連想した。
もう少し作品を観なければ分からないが。

印象的なのは
子役がぴったりハマっていたこと
それぞれの子役がラストで抑制の効いたシーンの主役だったこと。
こう演出されると、観ている者としては
120%以上、想像をふくらませるしかない。
原作にあった祖母(樹木希林)と孫娘(松岡茉優)の関係が
映像では具体的に描かれなかったので
そこだけは不審に思った人も居るかもしれないが
大きなキズではない。

一言で言って、大きな映画祭のグランプリにふさわしい佳作だ。

171korou:2019/10/04(金) 19:47:14
是枝監督の映画の雰囲気が気に入ったので
今日は「海街diary」を鑑賞。

予想だにしなかったほど感動した。
日本映画でこれほど感涙したのはいつ以来か?
抑制の効いた脚本、演出に加えて
昨日と同じく効果的な音楽、美しい映像も相俟って
小津安二郎の伝統を汲む現代の日本映画の代表作と言える。

配役の妙は誰しも感じることだろう。
綾瀬はるかと長澤まさみは
単にその組み合わせが豪華なだけでなく
最初のうちは女子寮内での喧嘩っぽく見えていた会話が
最後のほうでは本当に姉妹の喧嘩に見えてくるのだから
そこまでのケミストリーを実現させた監督の才能は
大したものである。
男優陣が弱いという評もあるが
それはこの種の映画でタブーの評価方法だろう。
男優陣が個性的だと、むしろこの映画は内部崩壊する。
これはこれでいいのである。

広瀬すずも好演だった。
ちゃんと演出をつければ、この人はきっちりと見せてくれる。
(その後の低迷は演出家の責任だ)
本当にいい映画だった。
退職してこういう時間を持てて
本当に幸せだしラッキーだ。

172korou:2019/10/07(月) 17:57:00
またしてもBSプレミアムの13時からの映画を
最後まで観る気がなかったはずなのに
全部観てしまった(もちろん面白かったので)
今日の映画は、トム・クルーズ主演の「遥かなる大地へ」(ロン・ハワード監督)。
1992年製作の米映画で、話題の結婚(クルーズとN・キッドマン)後に
その2人で主演した映画として
当時はそれなりに話題になった映画らしい。
逆に、当時はそういうノイズ込みでこの映画を観ざるを得なかったと思われるが
今となっては普通に観れるわけで
その意味で、この映画を観るタイミングとしては
少なくとも離婚後のいろいろなエピソードも十分に旧聞となった今が
最もいい時期ではないかと思ったりする。

それはともかく、本当にいい映画だった。
何がどういいのか説明ができないのが残念だが
とにかく物語がすんなりと心に響いてくる。
日本映画だと、映画内の時間の進行が緩やか過ぎて
ついつい映画を観始めて今何分経過して後何分したら終わるだろうかというような
現実の世界の時間がそこへ紛れ込むことが防げないことがほとんどだが
こういうきっちりと創り込まれた映画だと
映画内の時間だけが圧倒的に観る者を支配していき
そこに現実の時間が入り込む隙間すらない。
2時間15分の長さなど全く感じさせないのである。
音楽も素晴らしく(ジョン・ウイリアムス)、
風景を切り取った見事な撮影も皆が認めるハイレベルなものだ。
あまり聞いたことのない題名の映画だったが
思わぬもうけものだった。
ストーリー、演出、配役、音楽、撮影すべてに一級品だった。

173korou:2019/10/25(金) 20:12:33
ついに・・・(録画済みHDから)「飢餓海峡」を観る。

画面への繊細な細工が施された映画なので
テレビの小さいサイズで観るには不都合な映画なのかもしれない。
映画全体として脚本に小さい綻びが目立ち
それが序盤には気になって、なかなか映画をじっくりと観る感じになりにくかったが
左幸子が登場するあたりから、それぞれの俳優の存在感が有無を言わせぬ力を持ち始めて
そこから後は、これほど長い映画なのに(3時間4分)
全く長さを感じさせなかった。
伴淳三郎は、どうも小林信彦さんの著作で不穏な(?)噂ばかり耳にしたせいで
やたら演技派っぽくしているのがワザとらしく感じられてならなかったが(一般的には名演技らしいが)
他の俳優はどの方も信じ難いほど巧かった。
後半、高倉健が登場するあたりから
妙にバタバタした展開となり、そんな甘いツメで犯人とおぼしき容疑者に接触するかな?と
疑問満載だったが(高倉健も配役ミスだろう。それを補って余りある藤田進の名署長ぶり!)
それやあれやで映画全体のテーマが曖昧になってきた感が出てきたとき
あの衝撃的なラストシーンですべてが明確になったのは
なかなかの驚きだった。
あれでこそ”飢餓海峡”だ。
あそこまでグダグダに見せかけて、あのラストシーンはお見事という他ない。
あの瞬間に、この映画は日本映画屈指の名作となった感がある。
脚本は甘いし、無駄なシーンは多いし、実験的手法は空回りしているし
それでいて、これほど見事な映画はあまり記憶にない。
三国連太郎と左幸子とあのラストシーンに感銘を受けない人は居ないだろう。

174korou:2019/10/31(木) 18:56:54
HD録画済みの「モロッコ」を一気に鑑賞。

最初は、古い白黒映画の抜けの悪い映像と単調な演出の連続に慣れず
なかなか集中して観ることができなかった。
1時間ほど経って、やっとそのリズムに入る込むことができ
そういえば30数年前にこの種の古い映画に熱中したときは
こんな感じだったなと、懐かしく思い出すこともできた。
ディートリッヒもクーパーも
今見れば結構古めかしい美男美女で
もちろんしっかり見れば、美しく魅力的なところも判ってくるのだが
もはやそういう努力までして観る年代でもなくなっただろう。
もう90年近い昔の映画なのだから。
スタインバーグ監督の演出は
この時代という制約を考慮しても微妙にピントがズレているし
脚本も相当弱い、というか魅力がなく単調だ。

そういったもろもろの欠点も感じつつ
作品世界に入り込めた後の30分は濃厚な時間だった。
こういうのを古典というのだろう。
その時期にあって何かがスパークして
映画の新時代を築いた作品にしかない「何か」が
この映画にはある。
逆に言えば、そういう大きなものを画面が見出せない薄っぺらな感性では
この映画の美点は何一つ見出せないだろう。

175korou:2019/11/05(火) 15:19:59
HD録画済みの「追憶」を鑑賞。

長年、観始めては途中で断念することを繰り返してきた映画だったが
今日やっと全部観ることができた。
とはいえ、昼をたらふく食べた直後に観始めて
内容はと言えばシンプルな起伏の少ないラブストーリーなだけに
途中で何度も睡魔に襲われ
終いにはラスト直前の重要なシーンを飛ばしてしまうハメとなった。
まあ、それでも大体のシーンは外していないので
概ね感想を語ることはできると思う。

もう少しひねった映画、複雑なニュアンスな映画だと思っていたが
全くもってまっとうな恋愛映画だった。
スパイスとして、ヒロインの性格描写も兼ねて
反戦運動、反ファシズム、反赤狩りといった政治思想を混ぜて
最後はお決まりの「まだ愛は終わっていないけど別れる」というエピソード。
バーブラ・ストライザンドとロバート・レッドフォードでなければ
それと美しく哀しい曲調のあの名曲が背後で流れていなければ
退屈極まる二流映画だっただろう。
これは、人気俳優と主題歌を楽しむ映画で
でも、それは映画というジャンルでは最大の魅力を放つ部分であるだけに
これはさすがの名作だな、という評価も全然間違っていないのも事実。

でも、自分としては1回通して観れたのでもういいかな、という感じ。
脚本が平凡、演出もありきたりという感じ。

176korou:2019/11/07(木) 18:50:26
HD録画済みの「ハナミズキ」を鑑賞。

全くもってベタな映画で
素人評サイトを見ても評価はかなり低いが
自分としては(ガッキーファンということもあって)満足して観れた映画だった。
映画の中でさえ、女優としての基礎訓練を積んでいったガッキーの成長が見てとれる。
相手役の生田斗真は可もなく不可もなく
ということは
この種の映画では稀有なことなので好演と言えるだろう。
演出も脚本もツッコミどころ満載だが
最初から最後まである種のトーンを維持し続けたのは
やはりプロの仕事だったと言える。
なかなか素人サイトでは
こういう面を評価しにくいのが事実だろう。

というわけで、すぐに削除しようかと思ったら
意外と観易くて、ガッキーが可愛かったので
とりあえず観終わってから削除ということに決定。

177korou:2019/11/08(金) 21:48:02
HD録画済み映画「ナインハーフ」を40分ほど見て断念。

映像で女性の官能美を表現する映画なので
好みに近い映画なのだが
残念ながら男優のミッキー・ロークがいまいち魅力的でなく
肝心の女優のキム・ベイジンガの容貌が自分の好みと違うので
ずっと見続ける気にはなれなかった。
62才にもなると
こういう濃い顔立ち、いかにもアメリカ娘という容貌は
もう受け付けない。
官能美を表現するのに最高の素材であることは間違いないのだが・・・

178korou:2019/11/10(日) 13:45:29
HD録画済み映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」をほとんど観た。

島根ののんびりとした風景とか
控えめながら、物語にぴったりと寄り添った音楽を楽しみながら
なんとか2時間の映画の1時間30分ぐらいまでは
観ることができた。

しかし、ノンフィクションの再現ドラマならともかく
商業映画として豪華な俳優陣を使って
この貧弱な脚本と演出はないだろう。
最初から主人公の妻役(高島礼子)は意味不明な存在でしかなかったし
娘役(本仮屋ユイカ)がなぜそう行動するのかも解せなかったし
どちらもかなりの美人であるのに
撮影の不備のせいなのか全然美しく映っていないのが不満である。
三浦貴大は新人扱いのようだが(この映画で新人賞受賞)
ほぼ難しい場面の演技をさせないように配慮したと思われ
どういう脚本なのか、どういう演出なのかと言いたい。
結局、ドラマとしてはボロボロで
次第にのんびりとした風景さえも逆に腹立たしく感じられ
子どもが簡単に電車の運転席に入って事件を起こすくだりで
もう観続ける意欲は失せてしまった。

よって最後の30分ほどは
飛ばし飛ばしで見て終わった。
一部ストーリーが確認できていないものの
大体は把握できているので
一応、全部観た映画とした。
まあ「愛を乞うひと」のような”怒り”はないけれど(単にドラマが破綻しているだけなので)

179korou:2019/11/13(水) 15:21:28
3日かけて、やっと「プライベート・ライアン」(HD録画済み)を観終った。

あらすじとしては、戦争で4人の子供のうち3人を失った母親のために
残る1人の一等兵を救出しようとして
優秀な少人数の兵が活躍するという実に単純な話である。
それを、こんな大がかりなものものしいというか壮大無比というか
皆が凄いと認めざるを得ないような映画に仕立てあげたのだから
その点はいかに批判的見地からであれ
スピルバーグの才能として認めざるを得ないだろう。

とはいえ、映画館の大画面と大音響で観るのと
家の小さなTV画面で音量を気にしながら観るのとでは
この映画の場合、天と地の差が出てくるのも事実である。
そういう貧相な環境でじっくりとこの映画を観たとしたら
テーマのはっきりしない(これはスピルバーグ映画全般に言えることだが)
何かもやもやとした映画に見え
その割には、戦闘シーンがやたら長く感じる冗長な映画という風に見えてもおかしくない。
むしろ、個人的にはそういう感想を持った。

娯楽映画と割り切って、この壮絶な戦闘シーンを楽しめる人には
これ以上の映画はないだろう。
自分のように、いろいろなことを思いながら小さな画面を見つめる人間には
この映画は壮大すぎて、その壮大さのせいで空回りしているように見えた。
俳優の演技とか、撮影技術とか、音楽とか、どこにも欠点は見当たらないのけれど・・・・

180korou:2019/11/14(木) 14:48:31
BSプレミアムで「嵐を呼ぶ男」を鑑賞。

一度おぼろげに観た記憶があるのだが
全部観ていないような気がして、また観てしまった。
というか、かつて観た記憶とストーリーなどが全然違うので
かつては何を観ていたのか、ということになった。

今観てもスピード感のある映画だ。
ただし、大量生産の時期の日活映画だけに
観終った感じが、面白いコミックを読み終わったのと同じ。
観ている間は楽しいが、終ってみれば何も残らない。
もう少し、母親と兄弟の話に絞って深めれば
まだサマになるのだが
まあ、これは裕次郎映画だから
そういう演出はあり得なかっただろう。
仕方ないところ。

正真正銘の娯楽映画。
それ以上のものは何もない。

181korou:2019/11/19(火) 22:59:24
最近BSで録画した「フレンチ・コネクション」を
一昨日から観続ける。

しかし、今日に至るも、なかなか面白さを見出せず
今日はついに何度も睡魔に襲われ、気がつけば10分ほど見逃していた。
よって、ここで終了。
縁のなかった名作ということで(アカデミー作品賞受賞作だけど)。

とにかく、エピソードがむき出しの断片でわかりにくく
俳優の顔も同じようで覚えにくく
結局のところ、ジーン・ハックマンの異色の刑事役が最大の見どころで
あとは、今となってはもっとハードでクールなアクションシーンがあるので
今さら見劣りするシーンの連続。

誰も言っていないようだけど
これは時とともに古くなった作品のように思えたのだけど・・・・

182korou:2019/11/21(木) 14:51:30
HD録画済みの「ディア・ドクター」を鑑賞。

最初の20分で、個々のエピソードが弱くて
映画としての迫力不足を感じたので観続けるのを断念。
せめて、ストーリーは全部把握して、
この映画の引用(キネ旬1位だし)に備えようと思い参照すると
何とネタバレのところで「ニセ医者」とあるではないか。
それなら面白いと思い直し、再び観続けることに(珍しい体験)。
そのまま、2日かけて観終わった(後半は一気だった。全く退屈せず)。

まあ、映画の「ウソ」を悪用しているという批評も当たってはいる。
でも、そういう小さいキズ(悪用)で、この映画の美点を全部批判するのは
映画の見方として間違っているのではないか。
それを言えば、名作映画、巨匠の映画作品でも
理屈に合わない、非現実的ともいえる「ウソ」などいくらでもあり
それでも名作なのは、映画の中の「ホント」のほうが上回っているからだ。
その意味で、この映画の欠点は
むしろ映画全体の仕掛けである「ホント(ニセ医者であることの矛盾)」の見せ方が
稚拙だったことにあるだろう。
自分のような勘の鈍い観客には、
もっと「ホント」を暗示するシーンを早めに出す必要があるだろうし
そもそも、刑事という”狂言回し”に種明かしやら映画全体のテーマを語らせるのには無理がある。

ただし、それを除けば、映画としては素晴らしい。
配役にミスはないし(それどころかこの時点で望みうる最高のキャストだし)
映画らしい美しいショットが随所に見られ
観ている間ずっと、ああ、いい映画を観ているという満足感が得られる。
少々甘い判定でいけば、キネ旬1位は当然かもしれない。

183korou:2019/11/22(金) 19:42:10
今日は、午後から
まず「JFK」を鑑賞。
しかし、20分以上観てもドラマが進展せず
ドキュメンタリー・タッチそのものだったので
とりあえずDVDに焼いてHDから除くことに。
次の「007/オクトパス」は
DVD目録をよく見ると”2つあり”との表示だったので
そのままHDから削除。

よって
次に観る映画は「MI2」となり
今日は前半1時間を鑑賞。
まあ、007シリーズのトム・クルーズ版だね、これは。
観なくてもいいかとも思うが
半分観ちゃったので、あと半分も観ることとしよう。

184korou:2019/11/23(土) 16:32:52
HD録画済みの「ミッション・インポッシブル2」を鑑賞。

突っ込みどころ満載の低レベル映画だった。
こんなのでも、調べてみると
2000年公開洋画の興行収入第1位で100億円近く稼ぐのだから
何というか・・・アホか、皆。
アクションが得意の監督(ジョン・ウー)らしいが
そのアクションすら空疎でしかない。
007シリーズとどう違うのか
今更ながら見比べたいのだが
ちょっとその時間もないのでやめとこう。
トム・クルーズとアンソニー・ホプキンスの無駄使い。
続編とはいえ、もっといい感じで撮れたはずなのに
何なんだろう?

こういうのもあるので
HDから順番に、という約束事は破棄しようかと思っている。
視力を使うのだから、それに値する映画を観なくちゃ。

185korou:2019/11/26(火) 16:21:20
HD録画分から「ハンサム★スーツ」を鑑賞。

ただひたすら北川景子ちゃんのコメディを見たかっただけなので
映画そのものの出来には期待していなかったのだが・・・それを上回る「寒ーい」映画だった。
まあ、部分的には非常に面白いので退屈はしなかったのだが。
(たとえば、最後のヤマでいきなり鈴木拓登場というオチとか<間宮兄弟か!笑>)
こういうSF前提のコメディって
上手く作られた前例がないので
もう少し頑張って作ってくれれば
素材は揃えてあったのだから、いいものができたはずなのに
そこのところは惜しいと思った。
鈴木おさむ脚本という時点で、それは期待薄だったかな。

北川景子はもうちょっと出演シーンが多いほうが良かった。
でも「ブスーツ」という単語を言うときに
NG寸前の笑いをこらえた表情になったのを
監督がNGにしなかったのはヒット。
あの表情だけでも観た甲斐があったというもの。

景子にはもっとこういうのに出てほしいなあ(それしか感想ないんか!)

186korou:2019/11/26(火) 16:22:25
HD録画分から「ハンサム★スーツ」を鑑賞。

ただひたすら北川景子ちゃんのコメディを見たかっただけなので
映画そのものの出来には期待していなかったのだが・・・それを上回る「寒ーい」映画だった。
まあ、部分的には非常に面白いので退屈はしなかったのだが。
(たとえば、最後のヤマでいきなり鈴木拓登場というオチとか<間宮兄弟か!笑>)
こういうSF前提のコメディって
上手く作られた前例がないので
もう少し頑張って作ってくれれば
素材は揃えてあったのだから、いいものができたはずなのに
そこのところは惜しいと思った。
鈴木おさむ脚本という時点で、それは期待薄だったかな。

北川景子はもうちょっと出演シーンが多いほうが良かった。
でも「ブスーツ」という単語を言うときに
NG寸前の笑いをこらえた表情になったのを
監督がNGにしなかったのはヒット。
あの表情だけでも観た甲斐があったというもの。

景子にはもっとこういうのに出てほしいなあ(それしか感想ないんか!)

187korou:2019/11/30(土) 17:01:21
HD録画済み「シャイニング」を鑑賞。

1980年の作品で、多分、リアルタイムで映画館で観たはずだ。
(そうでないとしても、どこかの時点で観た記憶は残っている)
しかし、今回初めてきちんと最初から最後まで観た。
ストーリーとか細かい場面設定など
例のごとく、いろいろと記憶違いがあった。
ただ不思議なのは、そうした記憶違いと
この映画のダメな点(ストーリーのなさ、テーマの掘り下げのなさ)が
今の自分には結構大きく感じられるにもかかわらず
相変わらず「凄い映画」だと思わされたことだ。
1998年に青陵高校で敢行した「スタンリー・キューブリック祭り」のとき
すでに、この監督のダメな点を知っていて
かつ「時計じかけのオレンジ」がその時点でもう古びてきていたことに
大きな失望を感じたことを思えば
2019年において「シャイニング」が古びていないということは
一体どういうことなのか全く分からない。
とにかく映像美は予想以上で、その映像美もかつて感じたそれとは
随分と違っていた。
俳優の個性的な演技は、かつて見たときと同様ではあったが
その理由が、監督の異常な演出のせいであるとWikiに書いてあり
そういうのは新たに知ったことではあったが。

まあ、内容も何もないのに、こんなに感銘を受けたというのも
キューブリックならではの話ではあるのだが。

188korou:2019/12/03(火) 17:58:36
HD録画済みの「ソイレント・グリーン」を鑑賞。

画期的な近未来映画として、その題名とともにずっと記憶に残っていたが
肝心のその内容については全く知らないままで、今回やっと観ることができた。
とはいえ、設定がいろいろあって、ブックと呼ばれる知識豊富な老人とか
ファニチャーと呼ばれる富豪に飼われた人間(若い女性)とか
そういうのを一通り理解するのに結構時間を要した。
話の展開もシンプルで、その割にはシーンの変わり目が分かりにくく
なかなか面白く観るという状態にならなくて
その他の事情もあって(眼痛など)
結局、4回に分けて観た(ただし2時間映画と思い込んでいたところ
1時間半で突然終わったので驚いた。3回に分けて観れば良かった)

テーマは実に面白い、というか切実で2019年の現代でも十分通用する。
素人批評で数人が書いていたように
リメイクが待たれる作品なのではないか。
あと、チャールトン・ヘストンの演技は平凡、というかありきたりだが
エドワード・G・ロビンソンとかジョゼフ・コットンなどの老優の姿が拝見できたのは
眼福だった。

1970年代という時代の制約のなか、素晴らしいテーマについて一生懸命作ったけど
時代の変遷につれて、映画そのものの魅力は失われた気の毒な作品という印象。

189korou:2019/12/12(木) 13:01:30
HDの空きが十分確保できたので
そろそろ、本当に見たい映画を優先的に見ようと思い
一昨日、洋画について全DVDを整理して
これぞ必見という映画についてDVDケース3コ分確保した。
その第一弾で、まず「駅馬車」を鑑賞。

少しだけ観たという記憶があったにもかかわらず
観終わってみれば、どこを観ていたのかということになる。
全体に、映画独特の誇張が多くて、その点では古さを感じたが
ハッタリの効いた映像、ストーリー、配役で
観ていて全く疲れない映画でもあった。
映画史に残る傑作であることは確認できたが
かといって、誰にでも無条件にオススメできる類の映画ではないことを
今回観て、そう思った。
人物描写が表面的なのは、この時代の西部劇としては仕方ないのだろうが
いかに技術的に困難な時代であっても
あれだけアパッチと駅馬車の距離を近づけては
その後の展開が苦しくなる(間違いなく駅馬車の全滅!)ことくらい
当時でも気が付かなかったのだろうか(ジョン・フォードですら?)。

とはいえ、娯楽大作として観れば
今でも十分楽しめることは間違いない。
難しいことを言わなければ、何の問題もない名作だが
それでも、その後の映画技術の進展を思えば
無条件に賛美するのもどうかと思えてくる。
なかなか簡単には評価できない名作映画である。

190korou:2019/12/15(日) 20:02:05
名作鑑賞第2弾は「道」。

特に「道」を選んだというより
たまたまBSプレミアムで放映があったので
途中まで50インチの大画面で観て
目が休まったところで、後半を録画済みDVDで観たという流れ
(DVDは、あまり映りが良くなく、そこまでを大画面で観ていて正解だった)

あまり好みではない設定の上
画面がフェリーニ独特の汚さで埋め尽くされているので
正直、観ていて楽しいという感じではなかった。
しかし、観終わってから、なぜか心の奥底にズドンと響く何かがあって
こういうのを名画というのだろうか、と改めて実感している。

誰が見ても凄い、素晴らしいと思えるのは
主役のアンソニー・クインだろう。
人から好かれないがさつな役を
見事なまでに人間臭く演じ切っていて
誰しもこれには圧倒されるだろう(黒澤映画の三船のような存在)
ニーノ・ロータの音楽も素晴らしい。
この2点は誰も否定できないこの映画の美点だ。

ただし、エピソードの絡め方は完璧でない。
また、演出も独りよがりな面があって
設定がよく分からないシーンがたびたび出てくる。
フェリーニの映画文法は極めて主観的で
そのへんが自分の嗜好とかなりズレているので
その意味では何度も観たい映画だとは思わなかった(クインの名演をもってしても)。
まあ、このへんは好みの問題でもあるのだが。

191korou:2019/12/18(水) 17:44:41
名作鑑賞第3弾は「北北西に進路を取れ」。

冒頭からいきなり引き込まれる展開。
画面にくぎ付けになり、
そうしているうちに
あのエヴァー・マリー・セイントが登場して
何ともはや大人の女性の色気が全開で
見ているこっちのほうがメロメロになってしまうというありさま。

序盤の刺激が強すぎたせいか
途中の美術品入札のシーンから主人公が空港でCIAに会うあたりは
やや疲れを覚えたが(セイント様にメロメロだったので疲れた?)
CIAの教授が真相を暴露したあたりからまた面白くなり
あとは一気だった。

民放BSからの録画だったので
冒頭のタイトルシーンが全部カットされ(ヒッチコックのカメオもカット)
さらにCMが随時入るので
面白いシーンで映像が切れてしまうのは(仕方ないが)残念。

こういうのは
古い映画を見慣れてるかどうかで評価が変わるだろう。
見慣れていなくても、古典として尊重されるクオリティは保持していると判断されるだろうが
見慣れている自分などは、本当に堪能できた映画だった。
この次に撮ったのが「サイコ」だから
もう、この時期のヒッチコックは、最後の全盛期に入っていたということになる。

192korou:2020/01/06(月) 22:30:27
BSプレミアムで放映された「用心棒」を鑑賞。

直前まで全然視聴予定ではなかったし
かつて一度観たこともあるので最後まで見る予定ではなかったが
さすがに密度の濃い画面のせいで最後まで見てしまった。
かつて見た時は前半部分があまり把握できていなかったので
今回、きちんと全部見れて、しかもかつて見たときより数段深く見れたので
実質初見といっていいくらいだ(またしても・・・)

キャスティングにミスはなく
大まかな筋立ては明確なので
少々ドラマ進行を見失っても、
すぐに何のシーンか分かるように作られているのはさすがである。
しかし、黒澤明の焦り(前作の失敗で財政危機だったようだ)が
随所に見てとれて
細部の雑な作りが何か所も見られた。
基本的に、安っぽいヒーロー映画と同様
主人公の危機脱出ぶりがあまりにご都合主義で白ける。
その安易さのせいで
間抜けの集まりばかりの集団のドラマという印象すら受けるのは致命的だ。
もう少し脚本を練ってほしかった。
仲代達矢扮する人物がピストルを持っているのも
映画を面白くする工夫のつもりなのだろうが
あまりに強引すぎる。
こういうのは黒澤が全盛期ならすぐに止めただろうが
面白さにこだわるあまり、リアリティを犠牲にしているわけだ。

凡庸な監督では撮れないシーンも随所にあるので
ダメな映画ではないが
黒澤映画の高水準の見地からみれば
あまりに手抜きが多く、オススメはできないはずである(世間では最高評価とするものが多いが)

193korou:2020/01/07(火) 21:55:15
またしてもBSプレミアムの映画を観た。
今日は「真昼の決闘」。

出だしから驚くほど綺麗なモノクロ画面で
昨日の黒澤映画のザラついた不鮮明なモノクロとは大違い。
使っているフィルム自体が違うんじゃないのと思えるほどの差異で
単純にこっちのほうが見やすい。
映画そのものも、多少期待していたとはいえ
それを上回るクオリティで
久々に「いい映画を観ている」感動を味わさせてもらった。

脚本が抜群に良い。
心理描写が細かくて丁寧だが、簡潔であることも忘れていないので
全くしつこくなく、それぞれの登場人物の性格、心理状態が
具体的に示される(心理描写がさっぱりという評もあったが、どこ見たらそうなるのか?)
配役も完璧で、ゲーリー・クーパーだけがミスキャストに近いかもしれない。
最後に4人を一気に撃ち殺すので、もう少し若い俳優でないとリアルでない。
しかし、あまり上手くないはずのクーパーの演技は
ここではサマになっている。
何もしていないのだが、いわば”高倉健”的な存在感の演技というべきか。
グレース・ケリーは、ほぼこれがデビュー作だが
西部劇のヒロインというのは難しいので、これだけ出来れば上出来。
後は文句なしの名優ぞろい。

時代背景で読み解く(赤狩り)こともできるが
それを全く考慮に入れなくても、まだまだ現役として観れる映画。
フレッド・ジンネマンの演出は素晴らしい。

194korou:2020/01/13(月) 18:49:46
年末年始の録画分から「ラ・ラ・ランド」を鑑賞。

なかなかクセの強い作風で
色彩感は抜群ながら
ミュージカルの割には音楽は印象薄く不自然にジャズを強調、
演出でいろいろなことをやり過ぎて消化不良、といった感じ。
ただし、冒頭のダイナミックなシーンとか
最後のパラレルワールド的演出とか
印象的なシーンがいくつかあった。
それが、他の退屈なシーンと雑な感じで混じっているのが
いかにもハリウッド映画というか、大雑把というか、おおらかというか・・・
エマ・ストーン、ライアン・コズリングは、相性が良さそうで
ミュージカルに不可欠な息の合った雰囲気をよく醸し出していた。
名演とはいえなくても好演の部類。
色彩感覚が一番の長所に思えた。
これがモノクロだったら、
そもそも撮影についての様々な前提が違ってくるだろうと思われるほど
必然的な色使いだった(映画がカラーになってから、こういう必然性を感じさせるものは
驚くほど少ない。ブライアン・デ・パルマ監督作品などがその数少ない成功例)

全体として、まとまりがない感じを受けたので(随所にあった過去映画へのオマージュも中途半端)
アカデミー作品賞受賞作にしてはクオリティは低い、
普通に何気なく見る映画としては、見どころそのものは多いのでオススメかな。

195korou:2020/01/19(日) 11:59:13
朝、たまたまGyaoを眺めていたら
岩井監督の「Love Letter」が無料鑑賞可能だったので
少しだけ観ようと思い観始める。
すると、途中で止められなくなり、一気に最後まで観てしまった。
かつて部分的には観ていたはずなのだが
その部分すらごくわずかで、つまり
初めて観たに等しかった。

とにかく画面が美しい。
そして、今となっては、どのシーンも懐かしい。
ワープロ、ポラロイドカメラなども時代を感じさせ
恋愛物なのにケータイが出てこず、ひたすら手紙だけ(電話すら活躍しない)というのも
当時でもなかなかのインパクトだったが
2020年の今となっては、本当に良い意味でのノスタルジーというほかない。

設定はかなり甘い。
あり得ない設定(同姓同名の生徒を3年間同一クラスに置く、猛吹雪のなか
老人が孫娘をかついで遠くの病院まで運ぶ等々)が多いのだが
そこはファンタジーとしてみれば良いのだろう。
自分としては、中山美穂の美しい、一面では可愛い表情を見ているだけで
幸せな気分になり(それもノスタルジー、懐かしさ。追憶の甘美さ)
ファンタジーだろうとどうだろうと構わず見入ったが
ミポリンのファンではない人は
そこはファンタジーでないと白けるのではないか。

とにかく、いい感じで映画を観終わったという充実感が強い。
久々にそんな気分で満たされていい気持ちだ。
原作も改めて読みたくなった。

196korou:2020/01/19(日) 15:25:05
年始に録画した「スマホを落としただけなのに」を鑑賞。

数日前に半分ほど見て、今日残りの半分を観終わった。
「Love Letter」を見てその直後だったので、1日に2本観終わったということになる。
偶然だが、かつての美人女優中山美穂と今の美人女優北川景子の見比べとなったが
これは映画の出来栄え、物語が要求する演技の幅と本人の資質との相性という点で
断然中山美穂のほうが優れている。
北川景子は、もう少し演技に遊びが欲しい。
緊張した精神状態から発せられる声とか表情が
ギリギリの堅い表情から出発しているので
もはやそこから感情をさらに爆発させる余裕がなくなってしまい
泣いているのか笑っているのかさえ分からない演技になっている。
ミポリンにしてもそれほど演技に幅があるわけではないが
映画そのものがそういうものを要求していないので
普通に感情を爆発させるだけでよく
むしろ控え目な女の子も演技するシーンで
一人二役の良い面が出ていたように思う。
その点、この映画は、もっと振り切った演技が必要で
逆に細かい仕草などは必要ないので
そういう面から北川景子には難しい配役だったと思われる。

そもそも、余計なものを詰め込み過ぎで
演出の意図が分からない設定が多かった。
面白い題材なのに、それを生かせないまま自滅していった映画のように思える。

197korou:2020/01/30(木) 17:54:01
ここのところ尾骶骨の痛みがとれなくて
ずっと椅子に座っていることが難しいせいで
映画を観ることができなくなっている・・・と思っていたのだが。

今日、BSプレミアムで
ふと「舞踏会の手帖」を観始めてしまい
面白さのあまり一気に観てしまった。

イメージよりずっと深い映画だった。
ノスタルジーとか甘酸っぱい回想とかのレベルではなかった。
どのエピソードにも人生のほろ苦さがあって
それ以上に俳優陣の演技の見事さ、脚本の手堅さ、演出のスマートさに
感嘆した。
セリフのお洒落なことも、いかにもフランス映画という印象を受けた。
どこにも欠点がない映画なんて世の中には存在しないと思っていたのだが
それは間違いだった。
「舞踏会の手帖」、フランス映画全盛期の歴史的傑作だろう。
もうこれ以上の言葉は出てこない。

198korou:2020/02/07(金) 13:22:45
ヒッチコックの「海外特派員」を鑑賞。

最初の20分ほどはドラマの進行が単調で
最後まで見続けられるかどうか怪しかったが
その時点で映画本にあたった結果
スリリングな展開が見ものという評価を知り
見続けることにした。
すると、すぐにそういう展開が始まり
そこからは一気に観続けることができた。
終わってみれば、これほど演出たっぷりな映画はそうそうないと言える。
最初の20分の印象とは真逆の感じになった。

やはり主演の2人に今一つ魅力がないのが
最初のあたりの退屈さにつながっている。
そのへんがジェイムズ・スチュアートとかグレース・ケリーが主演した
後のヒッチコック映画との大きな差となっている。
逆に言えば、それを除けば
この映画には、その後のヒッチコック映画の魅力につながるものが
すべて詰まっている。
おそらく直前の「レベッカ」でセルズニックからの干渉があって
不満がたまっていたので
この映画で全部吐き出したのではないか。
そして、彼はハリウッドでも自分のやり方でいけることを
この映画で確信したのではないかと思われる。
とにかく映画というメディアで何ができるのかということについて
その答えの多くをこの映画は示唆できているように思われる。
実に楽しい映画だった。

199korou:2020/04/01(水) 22:14:59
NHKプレミアムで放映された「モダンタイムス」を鑑賞。

このところ映画を観る意欲が失せていて
今日も、たまたま家人と一緒に観た次第。
もう何度も観た映画なのに
今日も新しい発見があった。

それにしても
あの「スマイル」の音楽がかかると
条件反射のように涙腺がうるんでくる。
困ったものだ(苦笑)

200korou:2020/04/08(水) 23:05:22
NHKプレミアムで放映された「黄金狂時代」を鑑賞。

もう何度も観ているのに
それでもまた新しい発見があった。
特に細かいコミックな動き、素早い身のこなしといった
チャップリン全盛期の身体能力を
改めて再認識した次第。

何度観ても発見がある。

201korou:2020/04/28(火) 15:49:33
「人生の特等席」を鑑賞(実質2か月ぶりの映画鑑賞<チャップリンは除くので>)

クリント・イーストウッド主演の野球映画で
イーストウッド自身がメガホンを撮っていない映画ではある。
ストーリーはシンプルで
どこまでも白人至上主義のようで
勧善懲悪の典型で悪役が単なる悪役として描かれている点だけをみても
一級品の映画とは言えない。
それでいて結構惹き付けられるものがあるのは
イーストウッドの板についた頑固な老人ぶりと
その娘役のエイミー・アダムズの堅実な演技のせいだろう。
全然年齢が合わない父娘にはなるが
そういうのも感じさせない演技力があるし
全体にアナクロなのに古臭さが前面に出ないのは
不自然に時代に迎合していない、そういった余計なものを
映像に付け加えていないからだろう。
皆が楽しめる映画ではないが
少なくとも娘を持つ高齢者なら
じっくりと余韻に浸れるはずだ。
多分そうだろうと見当をつけて
そのとおりのイメージだった作品。

202korou:2020/05/10(日) 21:08:36
「ユージュアル・サスペクツ」が
どんでん返しで面白いという情報を得たので
さっそく鑑賞。

時系列がぼかしてある最近の映画らしく
観ていてさっぱりつながりが分からない。
登場人物が比較的良く似た人相の5人組というのも
ますます話を分からなくさせる。
40分ほど経って、何となく映画全体の構成が掴めてきて
まあまあ最後まで観通せたものの
あのままだったら「フレンチ・コネクション」の二の舞だった。

観終わってみて、結局映画の細部が記憶できる人のための映画と判定した。
所詮自分のような大雑把な観察力の人間にはムリな映画である。
どんでん返しはありきたりで驚きはない。
十分予想できる範囲内で、しかも鑑賞後の余韻など全くない。
観て損した気もするが
まあ、これは好みの問題であって
面白い人には面白いのかもしれない。
何度も観るには話のスケールが小さすぎるのだが
何度も観ないと細部の観察ができないのだからどうしようもない。

というわけで、自分的には「感性の合わないB級映画」という評価。

203korou:2020/05/12(火) 20:07:59
BSプレミアムで「新幹線大爆破」が放映され
何の気なしに観始めたが
途中で適当なところで止めて、続きは録画済みDVDで観ようと思ったのに
あまりに面白くて、ついに2時間33分ぶっ通しで観てしまった。
観る人を飽きさせない映画という意味では
今まで観た日本映画ではベスト3には確実に入る、多分ベスト1ではないかと
思えるほど、退屈しない映画だった。

とはいえ、ツッコミどころは満載で
警察の捜査があまりにだらしなく失敗するのも当然という体たらくなのが不自然だし
新幹線の乗客が、いくら何でもそこまで状況に無理解なことはないだろうと思えたり
時々挿入される音楽のセンスが最悪だったりと(他にも時代のせいとはいえ稚拙な特撮とか)
ちょっと間違えると低レベルなB級映画になるところだった。
それを救っているのが、圧倒的な脚本のスピード感と
東映が全社を挙げてパワーを投入したのがよく分かる画面のギラギラ感、
そして高倉健、宇津井健をはじめとする豪華な俳優陣の
期待に応えた熱演などだろう。
国鉄の協力を得られず十分に事前宣伝できなかったせいで
興行的には失敗に終わったのが、返す返すも惜しい力作である。

204korou:2020/05/18(月) 19:43:25
BSプレミアムで先週放映された「深夜の告白」を鑑賞。

ビリー・ワイルダー脚本、監督の映画ということで
未見でもあり、興味を持って観始めた。
脚本がレイモンド・チャンドラーとの共作で
原作がジェームズ・M・ケインというのも凄い。
出だしは、何か訳ありの人物が告白を始めるというスタイルで
当時は新鮮だったかもしれないが
今となっては古典的であり、しかも個人的に導入部が長すぎるよう感じたので
ハッキリ言って退屈した。
しかし評価の高い映画であることも同時にリサーチできたので
そのまま見続けた。
バーバラ・スタンウィックの妖艶な演技がどうも好みに合わず
まあ、そんなわけで最初の40分ほどはイマイチ面白くなかったが
だんだんと作品の骨格が明らかになるにつれて
止められなくなってきた。
やはりムダのないスマートな脚本と、チャンドラー考案なのか渋いセリフの数々が
1940年代に時代の先端を行っていたハリウッド映画らしい輝きを
感じさせる。
ラストに近づくにつれて、そのあたりの良さがひしひしと感じられて
観た直後の印象が非常に良い映画となった。
やはりワイルダーは素晴らしい。

205korou:2020/05/20(水) 20:36:05
20年ほど前に観て
当時はストーリーとか映画の仕掛け自体が分からず
家族とも話が続かなかったという屈辱(?)の歴史の記憶がある
「シックスセンス」を
約20年ぶりに鑑賞。

今回も難解で往生したが
さすがに進化したWeb時代だけあって
他の映画でも???が増えたらやっているストーリー先読みで
今回は前回の二の舞を踏むことなく
なんとか映画の仕掛けそのものを理解することができた。
ただし・・・やはり前回理解できなかったのも已む無しという
ことでもあった。
そもそも死者が生きているという前提で
ムリなく辻褄を合わせるということは不可能なのである。
この映画でも、そこはファンタジーで逃げている。
これが、巧妙な脚本で凌いでいたなら
自分の映画鑑賞の未熟さということになるのだが
そうではなく、これは映画そのものに欠陥がある。

そうした不満が観ているうちに募ってきたので
この映画が本当に描きたかった”感情の世界”に
入り込むことができなかった。
映画の素人批評を読むと
皆、結構深く映画に入り込んでいて
落涙する人も少なからず居たようなのだが
そういうのを読むと、正直羨ましかった。
それだけのクオリティを持つ映画なのに
リアリティが自分の要求するレべルでないので
自分はその豊かな世界を享受することはできなかった・・・まあ、そういうことである。

206korou:2020/05/21(木) 21:44:36
ついさっきまで、家人と「独裁者」を観た。
後半の1時間だけだが
前半の1時間はほぼ記憶しているので
後半だけ確認できれば、この映画は全部観たも同然だ。

今観て思うのは
シリアスな設定のシーンとギャグのシーンの混ぜ具合が
やはり時代がかっているというか
まさに独裁的に映画作りをしていないと
なかなかこういう味は出せないということ。
古めかしくもなり懐かしくもありという感じ。

それから
最後の理髪師チャーリーの演説は
半世紀ほど前に観た時は、やたら説教臭くて見るに堪えなかったが
今は全然そうでないことに、むしろ驚いた。
時代は明らかに悪い方向に向かっていて
半世紀前は本当に良い時代だったのだなとしみじみと思う。
どんな良い演説でも、良い時代には不要な存在だからだろうか。

ということで
今観て面白いということが、
これほど複雑な印象を残すとは思いもよらなかった。

207korou:2020/05/27(水) 10:54:45
Huluで「切腹」(小林正樹監督)を鑑賞。

まさかHuluで映画を観切るとは思ってもみなかった。
というより、Webで超名作「切腹」が観れるとは思ってもみなかった。
出だしから緊迫感十分な映像に心を奪われ
そのまま1時間ほどは
かつてない緊張、映画を観てこれほどの緊張感はかつて経験したことがないと
言っても過言でないほど
全くダレることなく、夢中で見続けたのである。
何よりも主役級の人たちの演技が凄い。
クールかつ不思議なほど落ち着いた口調(でありながら苦悩し続けている人間臭い)の仲代達矢、
様々なことを思いめぐらせているに違いないと直感させる人間臭い(でも威厳ある)三国連太郎、
その道を極めた剣豪という配役を恐らく演出者の意図を超えて成立させている(堂々たる)丹波哲郎、
それぞれにハイレベルな緊張感を対峙させつつ
少しでも緩めたら一気にカタストロフィに至るかのような劇の予感をたたえながら
演技を演技として感じさせないまま演じている。
それだけで凄いのだが
さらに映画のテーマとして「武士道の美」と
それに対立する「社会的要請としての建前」が交錯し
ストーリーの編み方の巧みさも相俟って
最初の1時間ほどの凄さは
黒澤映画でもここまでの完成度はなかっただろうかと思われるほどだった。
後半の1時間15分は、それに比べるとクドい説明のシーンも入り
全編完璧とはいかなかったものの
全く退屈せず全編観終わった。

さすがの名作だ。

208korou:2020/06/05(金) 15:03:34
BSプレミアムで放映された「翼よ!あれが巴里の灯だ」を鑑賞。

考えてみれば、すでに結末が分かっている冒険譚であるし
実際、孤独な複葉機での旅でしかなく
映画として面白くみせるための要素は
ほとんど何もないに等しいのである。
それを、ここまで緊張感を失わず
最後まで観る者を引っ張っていく手練手管に
ほとほと感心させられてしまった。
出だしの雰囲気から、そういう映画の根幹の弱さを感じさせるわけだが
どこまで観ていっても、その弱さは爆発しない。
爆発しないどころか、堂々たる筋の運びで
これは、ひょっとしてワイルダー監督の会心の作品かもという
予感さえ漂わせてきた。
そして、後半の飛行中の風景のなかに
これでもかこれでもかと過去のエピソードをぶち込み
そのエピソード自体はそれほど印象的でなくても
きっちりと時間の経過を観る者に伝えていくあたりなどは
映画職人ワイルダーの究極のワザと言えるだろう。
終わってみれば、ちゃんと巴里に着きました、ということでしかないが
当時も映画館の中では、観客を満足させていたに違いない。
何度も観る映画ではないが
ワイルダーの職人技が光る映画だ。

209korou:2020/06/11(木) 20:40:03
HD録画済みの「瀬戸内少年野球団」をやっと鑑賞。

出だしから、映画としての切れの悪さが目立ち
何度も見かけては止め、見かけては止めていたが
今日は、もうテキトーに流す感じで観ることにして
最初の30分ほどをやり過ごしてみた。
すると、1時間もしないうちになぜか映画の世界にハマることができ
そこから後は、それほど退屈せずに観通すことができた。
とはいうものの、映画として随分不出来な印象は拭いきれなかった。
そんなエピソードをそこで挟むか?という疑問や
素材を全然整理しないままぶち込む雑な演出ばかりで
篠田正浩という監督は一体何をやりたいのか
いつも全く分からない監督である。

それでも映画世界に入れたのは
今見るとすれば意外とも言える配役が多いので
それだけ観ても面白いということがある。
この映画がデビューとなる渡辺謙、この映画が最後になった夏目雅子、
脇役ながら印象的な伊丹十三、ちあきなおみ、島田紳助、
意外な端役の三上博史、影の主役である郷ひろみなど
よくこれだけの人たちを集めてきたものだと感心する。
さらに、時代考証について(インチキも多いが)何せ具体的なシーンがてんこもりなので
下手な鉄砲も数打ちゃ当たるという感じで
他の映画ではあまり見たことのないシーンがいくつか出てきて
それが興味深かったことである。
男女共学になったシーン、軍人の裁判の通知が地方の島に伝達されるシーンなどは
なかなか珍しいのではないか、

全体として評価の難しい映画、観た後の感想が複雑な映画である。
名作ではないが、かといってB級映画でもないという感じ。

210korou:2020/06/14(日) 23:18:48
HD録画済みの「暗くなるまで待って」を鑑賞。

前半はイマイチ冴えない抜けの悪い映画のように思えたが
後半、ヒロインのオードリー・ヘップバーン演じる盲者の女性が
事態の異変に感づいてからの展開は
これぞサスペンス映画の醍醐味というべきか
観る前には予想もしなかった手に汗握るシーンの連続となった。
特に最後の真っ暗な室内での緊張感は特筆モノで
何とかして逃げようとするヒロインが
傷だらけの体の悪党に足をつかまれる瞬間は
結構な怖さを覚えた。
よくよく見れば、ヘップバーンの演技が
この映画の骨格を支えているのだが
見ている間は、実によくできた脚本だと思わされた。
そして、そういえば舞台劇なら通用する(犯人たちの)変装なんかは
映画では難しいことになるので工夫が必要かもと
後で思ったりするのだが
後半のサスペンスの作りの上手さで
観ている間にはそんなことを感じさせなかったのも
さすがはテレンス・ヤングという職人技。
そういえば007シリーズの初期の傑作にも似た鑑賞後の印象にもなった。

211korou:2020/06/18(木) 17:42:03
久々に大ハズレ映画、HD録画済みの「オーシャンズ11」

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット他豪華俳優を使った割には
何の工夫もないおバカ映画だった。
最初の10分でもう止めようかと思うほど退屈な映画だったが
まあ、それでも途中から盛り返す映画もいくつか観てきたので
我慢して見続けた。
しかし、えんえんとムダなシーンが続く展開で
30分ほどでギブアップ。

やはり、この手の娯楽映画は性に合わないようだ。
世界的には大ヒットした映画なんだけど。

212korou:2020/06/23(火) 15:37:55
BSプレミアムで本日放映された「情婦」を途中から最後まで鑑賞。

逆に今までは再度鑑賞しようとして、最初から途中まで何度も見ていたので
あわせて一本ということで
今回通して観たことに推定。

ストーリーはうまくつながって、ラストのどんでん返しも理解可能だった。
初めてみた時は、たたみかけるようなどんでん返しに頭がついていかなかったが
今回は、その衝撃の記憶をもとに、じっくり観察できたので
やっと内容をしっかりと把握できた。
同じどんでん返しといっても
「ユージュアル・サスペクツ」とか「シックスセンス」のそれとは
種類が違い過ぎて比較はし辛い、
「ユージュアル・・」は、嘘をつく主人公がずっと回想していくわけで
いわば叙述トリックだし
「シックスセンス」はSFっぽい種明かしなのだが
「情婦」は純粋にドラマの内容の根幹を覆すどんでん返しなので
それを知ったときに俳優たちの演技にも驚嘆するというおまけがついてくる。
感動の度合いで言えば「シックスセンス」のほうを採る人が多いだろうが
脚本の上手さ、映画としての正攻法の強さでは「情婦」に軍配が上がるだろう
(「ユージュアル・・」のトリックは反則技なのでここでは比較しにくい)

こうした正攻法のトリックは
一度使うと模倣したものが普及してしまい
またそうそう次々に人々を驚嘆させるトリックなど出るわけもないので
もはや映画界では死に絶えたジャンルになるのかもしれない。
その意味では記念碑的作品であり、ワイルダー監督の大きな仕事と言えるのである。
なお細部の面白さを評価する素人評が多いのだが
ワイルダーなんだからそんなの当然、と敢えて言いたい。

213korou:2020/06/25(木) 14:39:40
BSで放映された「引き裂かれたカーテン」を鑑賞。

最初から面白かったのだが
目の疲れがひどくて、やむを得ず前半と後半の1時間程度に分けて
2日にわたって観た(本来なら一気鑑賞なんだが・・)。
ヒッチコックがスパイ映画としていろいろと仕掛けをしているさまが
手に取るようにわかり
いわゆるシチュエーション・サスペンス(「鳥」とか)とは違うこともしたかったのだろうと
推察できる。
そして、それは部分的には間違いなく成功していて、部分的には完璧に破綻している映画である。
だから、細かいことを言う人には(映画評論家とか)欠点が露わでそこに言及せざるを得ない映画になり
自分のようなテキトーな映画ファンだと、まあ面白いからいいじゃん、ということになる。
エヴァ・マリー・セイントが主役の予定だったらしいが
それはそれで妙に大人の女性の色気たっぷりの科学者ということになり
ますます現実味のない映像になったかもしれない
(そういう現実味のない女性科学者は現実に居るのかもしれないが、映画なのでイメージの問題だ)
また、今となっては
その時代にあって得体のしれない存在だった東ドイツという国家について
その状況を知っていないと愉しめない映画になっている可能性もある。
面白いんだけど、そう簡単にオススメできない種類の映画であることは確かだ。

214korou:2020/06/26(金) 17:25:14
HD保存済みの映画の削除。

順番に観ていくことにしたので
今回は「あいつと私」と観ることにしたのだが・・・

そもそも娯楽映画なので、半世紀以上経った今
よほど偶然が重ならない限り、心から愉しめないのは間違いない。
クレージーキャッツの映画が何とか観れるのも
それぞれの出演者が、
昭和30年代後半独特の強烈なエネルギーをいかにも当然のように発しているからに
他ならない。
この映画にしても、石原裕次郎のバイタリティが前面に押し出されていて
そこが魅力に違いないが
残念ながら、個人的にそこを楽しめないので、どうにもならない。
せっかくの芦川いづみも、なぜかこの映画では可憐さが出ていない。
吉永小百合は人形のようだし、ベテラン脇役陣も期待外れだ、

あまりにヒドいので、自分の感覚を確かめるために
次の順番の「タンポポ」を観てみた。
これは面白い。自分の感覚はおかしくなっていない。

「あいつと私」は削除。

215korou:2020/07/01(水) 14:00:53
HD保存済みの映画の削除。Part2

「タンポポ」
伊丹十三監督の食映画の名作だが
残念ながら、今の自分には何も響いてこない。
こういうジャンルには全く興味がなくなった気がする。

216korou:2020/07/02(木) 14:02:32
HD録画済みの「荒馬と女」を鑑賞。

1960年代の映画なのに何故か抜けがイマイチの白黒映画。
映画のテーマからしてカラーのほうが適当だと思うが
主演の3名が映画公開後に続々亡くなっていったという経緯だけみれば
白黒映画で不吉な予感を演出していると思えないこともない。
しかし俳優の死まではコントロールできないわけで
これは自分には不可解なモノクロ感。
ストーリーも大して面白いわけでもなく
まさにモンロー、ゲーブル、クラフトといった名優たちでないと
成立しない映画だった。
皆、不思議なくらいこの映画の世界に溶け込んでいた。
大した映画でもないのに。
モンローは(特に前半は)滅茶苦茶に綺麗で、ゲーブルの男振りも(特に後半は)見事だった。
それだけで観続けられた映画だった。
観終わった後、ハッピーエンド風だったにもかかわらず
重たい印象が残った。
理由は分からない(分かる気もするが分析を拒む感覚)
とにかく不思議、不可解、疑問だらけの映画で、
にもかかわらず印象に残る映画、途中で見飽きない映画だった。

217korou:2020/07/13(月) 20:09:24
HDに先週録画したばかりの「ニノチカ」を鑑賞。

白黒でエルンスト・ルヴッチ監督の映画という予備知識だけで観始め
すぐにビリー・ワイルダー脚本のソフィスティケーテッド・コメディであることに気づく。
まあ、かなり間抜けな”ソ連の外交官”が3名ゾロゾロ動くシーンで
それはすぐ分かるのだが
それ以上に、セリフの面白さに何度も吹いた。
こんな面白いセリフが次々と出てくる映画もなかなかないだろう。
配役も忘れていたので、途中でWikiで確認したら
あっ、そうか、グレタ・ガルボだ!ってことで、急に主役の女性に注目。
当時34才、現代日本の34才とはワケが違って、もう結構な大人の女性で
これは現代の感覚だと好き嫌いが出そうなところ。
相手役の男性はメルヴィン・ダグラスということで
伝統的なハンサム俳優だが
さすがに今見ると昔の二枚目感も強い。
というわけで、恋愛ドラマとしては古さが目立つのだが
それを洗練されたセリフで十分補っているという感じ。

一気に全部観てしまった。
やはりこのへんが自分の好物(40・50年代のハリウッド映画)

218korou:2020/08/06(木) 21:05:29
約1か月振りの映画鑑賞。
昨日録画したばかりの「八月の狂詩曲」を観た。

以前観た時には退屈でしようがなく、観始めてすぐ止めてしまったのだが
今回はなぜか一気に最後まで観ることができた。
どこがどう違ったのかよく分からないが
前回の退屈な感じがあまりにも強烈に記憶に残ったせいで
黒澤映画の大失敗作というイメージで観始めたのが
案外良かったのかもしれない。
とはいえ、名作とはお世辞にも言えない代物であることも事実。
そもそも、このテーマで撮るのであれば
絶対に「どですかでん」の直後に撮るべきだった。
「デルス・ウーザラ」は仕方ないとして、「影武者」「乱」などは
この後に撮るべきものだった。
やはり、戦後(被曝後)45年経って、天下の黒澤が撮る内容ではない。
どうしたって内容が薄くなるに決まっている。
その上、深みのある原作を改変して、そんな薄いタッチにしてしまうなど
巨匠のわがままでしかない。
大きな破綻のない作りになっているのは黒澤の実力だが
それ以上に主観が強すぎて、説得力のない緩い画面が続くのは
かつての黒澤ではあり得ないことだった。
残念ながら、日本を代表する「原爆テーマの映画」にはなり得ていないのである。

219korou:2020/08/13(木) 22:25:29
ずっと前に(8年前の8/22)録画済みの「赤ずきん」を鑑賞。

設定、展開が馴染めなかったので、途中で観るのを止めようかとも思ったが
撮影、色彩感覚、美術などの映像の魅力があったので
最後まで観ることができた。
サスペンスとしては、設定に不満のない人はまずまず楽しめるのだろうが
設定についていけない自分としては、何が何やらという感じである。
ジュリー・クリスティ、ゲーリー・オールドマンを脇役に配して
アマンダ・サイフリットのような目力の鋭い独特の雰囲気を持つ女優を主演させ
さらにイケメン、美女総出演のようなキャストで
しかもディカプリオ企画の映画としては
この設定はいただけない。
もっとエンタメ満点の現代劇、サスペンスとラブストーリーを絡ませた名作が
撮れたはずである。
赤ずきんの設定とはひどいものだ。
監督は女性で、女性ならではの幻想的、多層的な演出が見どころではあったが
最終的には、ストーリーの弱さを補う結果までは得られなかったように思う。
映像を楽しむだけの映画。

220korou:2020/08/14(金) 22:38:40
日テレで金曜ロードショーで放映された「となりのトトロ」を鑑賞。

もう何回目になるのか分からないくらい観た映画。
なのに、まだ未見のシーンがいくつかあるのには
今更ながら驚かされる。
それにしても、ただ観ているだけで涙が出てくる。
この映画からどれだけの感性を学ばせてもらったことか。
そして、今もまだ観ることができる有難さ、嬉しさ。
ひょっとしたら、今日が最後かもしれないし。
こんな映画は他にはなかなかない。
みているだけで感動できる映画なんて。
内容については今更なので略。

221korou:2020/08/16(日) 18:18:11
ずっと前に(8年前)録画済みの「お嬢さん乾杯!」を鑑賞。

木下恵介監督の1949年公開の作品である。
最初は、白黒の抜けの悪い映像(昭和24年だと仕方ない)に
古い感覚の喜劇タッチの連続だったので
あまり面白く思わなかったが、なぜか飽きることもなく観続け
そのまま全部観終わることができた。
どこを切り取っても木下恵介作品の良さがにじみ出てくるような映画で
配役も適切で、原節子がこれほど活き活きとした表情を見せるのは
この映画が一番ではないかと思われるほど、
佐田啓二の颯爽とした雰囲気、佐野周二のストレートで好感の持てる演技など
演技面でも見どころの多い映画だった。
古い映画でも鑑賞可能な層には
今でも十分現役で通用する映画で
観終わった後、面白い映画を観たなあと実感できる映画である。

期待はしてなかったので、思わぬ拾い物のような映画で、
当時のキネ旬で高評価されたのも頷ける。

222korou:2020/08/18(火) 15:42:57
(「ずっと前に録画したものを今更観るシリーズ」第3弾)
「死刑台のエレベーター」を鑑賞。

一度だけかなり雑に見続けた記憶があったのだが
その記憶とは全く違う映画だった(またか!)
マイルス・デイヴィスの音楽もこの映画のウリの1つなのだが
実際に観てみると、映像の新感覚な感じと微妙にズレているように感じるのは
21世紀の2020年という年代に、この映画を観ているせいなのか?
1950年代後半であれば、相当斬新だったのだろう。
ジャンヌ・モローの色っぽさも話題なのだが
残念ながら、当方の好みとは違うので、それも感じることはなかった。

しかし、映像美、感覚の鋭さは、さすがのフランス映画だと思う。
アンリ・ドカエの撮影は相変わらず素晴らしい。
さらに、全体を通して、今までにない新しい感覚で撮っていることが、
2020年の今でもしっかりと伝わってくるのだが
それでありながらも
それをまた別の冷静な演出の視点で批判も続けているような感覚が
この映画に永遠の生命を与えているかのようなのだ。
そのあたりが「勝手にしやがれ」とは一線を画すところで
ゴダールはその点で遠慮がなかった(もっとも、ゴダールの凄いところは
そういう致命的な主観的なタッチでありながら、観る者を強引に納得させた点にあるのだが)
その点で、ルイ・マルの才能が強く光る映画だと思った。

223korou:2020/08/19(水) 16:34:27
BSプレミアムで放映された「戦場のピアニスト」を全部鑑賞。

前半は、戦場の非人間的行為をリアルに描いた衝撃のシーンが続き
(この衝撃を率直に受け止めて評価している人があまりにも少ない!)
後半は、演出が主人公だけにフォーカスされたので
ある意味サバイバルゲームのようなテイストになったのだが
そういう趣向の変化も、さほど気にならないほど
独特の緊迫感でまとまった映画だった。
主役のエイドリアン・ブロディは
そういう異常な状況のなかでなんとか生き延びようとする姿を
見事に演じ切っているように思えた。
また、どの登場人物も、それなりに背景を持って生きているように映り
実話の映像化としては申し分なかった。
ポランスキーが名匠であるゆえんが分かったような気がした。

ただ、全体を通じて、
ピアニスト個人の運命を淡々と事実のとおりに描写することの徹しすぎて
戦争の大きな状況がむしろ見えにくくなっている点は否めない。
ポランスキーであれば、もっとポーランドの情勢について
描写を深めるべきだったのではないかと思う。
それは、ソ連の立ち位置を明らかにし
ひいては、あの勇敢なドイツ将校が、なぜ戦後に報われなかったのかという
この映画最大の疑問点について、明確な回答を暗示できたはずだから。

とはいえ
一気に観る者を惹き込むだけの内容をもった名作であることには
変わりない。

224korou:2020/08/21(金) 11:04:03
ずっと以前に録画済みだった(最近のトレンド!)映画「ニッポン無責任野郎」を鑑賞。

うっかり観始めたというのが正直なところで
順番で言えば、これを飛ばしてフランスの古い洋画を観てもおかしくなかったが
ついつい観始めてしまった。
で、観終わった今の感想はと言えば、意外に面白かったということになる。
もう、どんな映画なのかについては想像がついていたし
さすがに植木等の突き抜けた役柄の演技はもういいかなと事前には思っていたのだが
それを上回る面白さだったのは本当に意外だった。
ハッキリ言えることは、前作「ニッポン無責任時代」よりも
脚本の出来が良く、途中から突然映画全体の調子が急変するようなことがなかったこと。
よって、安心して最後まで観切ることができ
なおかつ演出のテンポも良く、
娯楽としての映画をよく分かっている監督の仕事だと思った。
とはいえ、前作の衝撃的な内容を知ってこその続編でもあり
一番良いのは、2作を連続して観るのが正解である。
また、俳優陣の演技もよく引き出されていて
由利徹、人見明など存分にその魅力が出ていた。
谷啓、ハナ肇も活き活きとしていたし
何よりも女優陣までも、添え物以上の演技を見せていることが
この映画を二流喜劇映画以上のクオリティにしている最大の要素だろう。
団令子、藤山陽子のコケティッシュな魅力、草笛光子、中島そのみの板についた演技など
見どころは多い。

というわけで、予定変更で永久保存としてDVDに落とすことにした次第。

225korou:2020/08/25(火) 17:19:30
すでにDVDにしていた「インセプション」(2010年制作)を鑑賞。

コロナ禍で新作上映ができない時期に
各地のシネコンで、クリストファー・ノーラン監督作品の特集上映がされたようで
その結果、この「インセプション」が興行収入ベスト10入りするという事態に。
たまたまBSで放映時に録画しておいたので
興味本位で観始めることにした。
出だしから、どうもSFアクション映画であることが判明。
ディカプリオ、渡辺謙などが出てきて、しかも夢の構造について
相当ややこしい設定をしている映画であることも判明。
いかにもハリウッドらしいド派手な画面の連続で
観ていて疲れること夥しいが、単純に面白いのも事実。
Wikiの力を借りて、ストーリーについていけるよう気をつけながら
そうは言いながらも一気に観てしまった。
まさに、これは練りに練った脚本と、あらゆる面白い映像のオンパレードが為せる
超人気大作であることが分かった。

ただし、自分の好みとしては、こういうのはイマイチだ。
やはり、SFの設定そのものを登場人物が自在に操れるという設定が
いかにもハリウッド風で傲慢かつ強引だ。
SFであれば、その設定に制約されてほしいと思うのである。
そして、その制約のなかでいかに人として毅然と振舞えるかというのが基本で
この映画のように、設定も承知の上でそれを使って最善の解決を図るというのは
どうも馴染めない(「マトリックス」がこの種の映画の端緒だと思うが、最初からそういう感じだ)
まあ、そういう好みの問題を除けば、普通に楽しめるだろうけど。
それにしても、設定が複雑で、一度観ただけでは容易には理解できないというのが
この映画最大の欠点だろうけど・・・・

226korou:2020/08/27(木) 13:28:15
観るのを止めた映画。

・「花咲ける騎士道」・・・ジェラール・フィリップの演技を期待して(「モンパルナスの灯」のような)
 録画していたが(もう何年も前)、基本的に娯楽映画であること、さらにフランスの西部劇のような
 ストーリーなので、最初の20分ほどで大体の雰囲気が分かった時点で終了。

・「追想」・・・今、BSで放映中だが、確かにI・バーグマンとユル・ブリンナーの演技は圧巻。ただし、
 設定がアホらしいので(ロシア皇帝皇女の偽物を使ってお金を巻き上げる話)、観続ける気にはなれなかった。

227korou:2020/08/29(土) 11:10:04
ずっと以前に録画済みの「嘆きのテレーズ」を鑑賞。

「花咲ける騎士道」を観るのを止めた直後なので
同じようなモノクロの古いフランス映画であるこの映画も
最後まで観続けることができるかどうか疑問だったが
最初のほうで、すでに単なる娯楽映画とは一線を画した
高水準の映画であることが分かったので
後半などは、もう一気に観終えた感じとなった。

脚本が素晴らしい。
原作はエミール・ゾラらしいが、どう脚色したのか
見事なサスペンス映画になっていて
フランス映画でこういう雰囲気の映画もあるのか、という
新鮮な驚きもあった。
演出も簡潔でムダがなく、
ゆったりとしたシーンばかりなのにスピード感さえ感じられたのは
不思議という他ない。
キャストも名優ばかり。
シモーヌ・シニョレの無表情なのに表現豊かな佇まいなど
今の映画ではなかなかお目にかかれない名演だし
頑固で我が子に盲目的ですらある義母を演じたシルヴィーという女優は
全く経歴不明ながら、存在感抜群だ。
どこにも欠点がない映画で
主要な登場人物は5名、メインの家族構成を除けばたった2名なのに
これほど人間のあらゆる感情を表現し得たことには
感嘆するほかない。

久々に優れた仏映画を観たという思い。

228korou:2020/09/02(水) 14:31:23
観るのを止めた映画・・「めがね」
荻上直子監督作品第2弾(第1弾は「かもめ食堂」)。
「かもめ食堂」は退職後にじっくり見ようとか思っていたが
同じようなテイストのこの「めがね」を最初の10分ほど観た結果
その考えは捨てることになりそうだ。
こういう瞑想感というのは、映像で表現してはダメなのだろうと思った。
ギリギリ小津安二郎というところか。
小津映画では、登場人物の半分程度は普通の市民生活の速度で生きていて
それは、時間が止まったかのような笠智衆の周辺の登場人物との対比として
不可欠な存在なのであるが
この「めがね」にはそれがない。
既成事実としてのまったり感が設定されていて
その速度で登場人物が動くように”なぜか”なっている。
不自然だ。
やはり、日常のリアルはどこかで必要であり
よほど優れた映画でない限り、それは映画の序盤で提示されなければならないと思う。
この映画にはそれがない。
それがあったとしたら、映像そのものは落ち着いていて美しいので
良い映画になったと思う。
しかし、いきなり「まったり」なのだ。

229korou:2020/09/04(金) 18:17:33
ずっと前に録画済みの「オデッサ・ファイル」を視聴。

最初の50分ほど観て、映画としてのきちんとした段取りが滅茶苦茶なので
(主人公の行動の動機が分からなすぎる。ラストで明かされる仕掛けだが
 暗示のシーンを入れておくのが当たり前。それが全くないのはどういう神経なのか。
 その他、悪役の行動がずさんすぎる、主人公が単独で行動するには危険すぎる、
 そのシーンのそのアクションに付随するサブアクションが全部省かれているので
 リアリティが感じられない、等々、数え上げればキリがない)
観るのを止めようかと思ったが、映画レビューを参照すると、意外と好意的な評が多いので
フォーサイスの原作を読む予定もない以上、まあ筋書きだけでも知っておくかと思い直し
結局最後まで観た。
実際のところ、細かい仕掛けは杜撰極まるいい加減な映画とはいえ
観る者を飽きさせない仕掛け、単純なカット割りのせいで
観ること自体に苦痛はなかったので
一気に観ることが可能だった。

ジョン・ヴォイトの演技は、この映画での役柄が板についていて
安心して観ることができた。
ただし、他のキャストについては、全然といっていいほど性格描写がないので
これでは演技のしようがなく、評価のしようがない。
実話を映画にする場合、よほど気を付けないと、こんな駄作になるという
見本のような映画である。
ファーサイスの原作も大丈夫か?と心配になるような映画。
単なる娯楽映画としてなら、まあまあの出来だけど
ホロコーストを娯楽映画というのは、基本ダメでしょう。

230korou:2020/09/06(日) 15:40:30
観るのを止めた映画 ⇒ 「千年女優」
(理由)
・アニメだから
・どういう意味で名が残っているのか不明だから
・観始めて、どうも気が乗らないから
・音量が小さすぎて音量調整が難しい

231korou:2020/09/21(月) 18:23:25
ずっと以前に録画しておいた「こころ」を鑑賞。

1955年に日活から映画化された夏目漱石の名作で
森雅之、三橋達也、新珠三千代、田村秋子、安井昌二といったキャストについては
全く問題なく、安心してその演技を見ることができる。
市川崑の演出など映像美も優れているのだが
問題はこの小説が真に言葉の力で読者を深い地点まで連れていく類の名作であることで
そうした深い地点までたどり着けることがこの小説の魅力であることが
どんな映像化、たとえ優れた映像化であったとしても
やはり映像化は不可能だと再認識させるものでしかないということだろう。
さらに小説の筋書き自体も映画に不向きで
特に際立ったクライマックスもなく
地味な映画になってしまうのは企画段階から分かっていたはず。
またこの映画で唯一決定的な失敗があるとすれば
当時44歳の森雅之を、学生時代の「先生」をも演じさせたことで
32歳の三橋達也ともども、あまりに”大人過ぎる学生”であることで
この小説の最大のヤマであるあのシーンを裏付ける”若さの過ち”というニュアンスが
出にくくなっていることだろう。
そうしたもろもろの問題がありながら
なかなか滋味豊かな文芸映画になっているのは
まさに森、三橋、田村の演技の素晴らしさ、特に田村秋子の平常心あふれる演技だろう。
そして、そのなかに新珠、安井が自然な形でハマった演技を見せるというスムーズさ。
全体として市川崑らしい映像の美しさ、瑞々しさが目立ち
それがこの陰鬱かもしれない時代背景(明治天皇崩御直後)、ストーリーと
対照の比を為している。
玄人好みの名画というべき佳作。

232korou:2020/09/30(水) 15:21:47
ずっと以前に録画していた「エイリアン」を鑑賞。

シンプルなストーリーのSFホラー映画と言えば
B級映画のように思われ
実際に骨格はB級映画であることに間違いはないのだが
そこをあえてSF映画の金字塔にまで仕立てあげた様々な意匠が
この映画のあらゆる箇所に散在し
トータルで見ると、世界映画史に残る傑作という言い方も可能だと思う。
まず、美術面に最大限の考慮を払った点が
この映画に永遠の生命を与えているように思う。
このエイリアンの抜群の気持ち悪さ、謎の惑星の奥底に沈む異様な生命体、
そういう有機的存在でかつ悪趣味な気持ち悪さを備えるものを
一層引き立たせる無機質なデザインの宇宙船及びその内部に関しては
今見てもその美術効果は絶大だと思われる。
また特殊撮影の技術も1979年当時では最高レベルのものと思われ
その技術の使い方も効果的で、今見ても全く古臭くない。
撮影全般の効果も実に見事で、手に汗握る展開で途中で飽きてしまうことなど
この映画に関してはあり得ないだろうと思う。
やたら人が死ぬのに、それほど残虐な印象を残さないのは
こうした美術、特殊効果を含めた映像の美しさのほうに
完全に圧倒されてしまうからだろう。
この種の映画は、自分としては好みからは程遠く
普通なら高評価などあり得ないのだが
この映画は貴重な例外となった。
もうここまで徹底すれば脱帽するしかない。
(まあ、それでも二度は観ないと思うのでHDからは削除するけれど)

233korou:2021/01/07(木) 15:38:52
「80日間世界一周」を大体鑑賞。

最初のほうは以前観たことがあるが
今回は途中から観始め、両者はつながっていないので
その間だけ未視聴分があり
また、今日は途中からは大体連続して観続けたものの
ところどころ観れなかった部分があり
完全に全部観たとはいえないのだが
この手の映画はそれでも
「観たことがある」と言い切っても大丈夫だろう。
見どころは、ヴィクター・ヤングの超有名なテーマ曲とか各国での冒険譚、
主役フォッグ(D・ニーヴン)を補佐するパスパルトゥー役を演じるカンテンフラスの自在な動き、
新進女優でしかなかったシャーリー・マクレーンの颯爽としたお姫様ぶりなどで
日本の横浜という設定での細かい描写も
日本人として見どころになるだろうが
それほど集中してみなくても大体のことは分かるので
これこそ娯楽映画なのである。
テレビがまだサイズの小さいモノクロ画面でしかなかった時期に(そもそもまだテレビは普及していなかったし)
これほど豪華な設定のフルカラーかつ巨大サイズの映画であれば
十分人々を惹き付ける力があったに違いない。
古き良き時代の佳品。
シナトラ、キートン、ロイド、ディートリッヒなどのカメオ出演も面白い・

234korou:2021/01/08(金) 14:40:11
(途中で止めた映画)
ジョン・ウェインが、1969年に至ってついにアカデミー主演男優賞を獲得した映画
「勇気ある追跡」を前半の1時間だけ観る。
西部劇らしい爽快さは一切封印されていて
一見アウトロー風の保安官を演じるジョン・ウェインも
よくよく見れば保守的な人生観に閉じこもっている旧型人間でしかなく
そこで展開されている世界は意外なほど狭苦しい。
何も問題ない普通の映画っぽく作ってあるところが
アカデミー賞として無難だと判断されたのだろう。
あまりにも何も起こらないので(ドラマ進行が遅すぎる、もしくはゆったりとしたドラマとしたら粗野に過ぎる)
退屈して何度も睡魔に襲われ、途中で止めることに。
よくある”退屈なA級映画”である。

235korou:2021/01/10(日) 20:19:05
観るのを止めた映画。

「王様と私」、ユル・ブリンナーの名作だが
今観ると、撮影カメラがあまりにも素人っぽく
展開が恐ろしいまでに遅い。
そこにミュージカルということで、随所に歌が入るので(その歌も馴染みがないので退屈。名曲なんだろうけど)
ますます進行が遅い。
最後まで観る自信がなくなったので、HD録画から消すことに決定。

236korou:2021/01/11(月) 14:05:57
観るのを止めた映画。

「けんかえれじい」鈴木清順監督の有名な作品。
映像美も注目される鈴木作品としては、モノクロというのがいかにも寂しく
内容も、硬派な旧制高校モノということで、自分の嗜好に合わず。
何よりも、主役の高橋英樹に一切の演技をさせていないのが
映画として致命的であるように思われた。
主人公の人間描写としてはそんなものだろうが
映画を観る者にとっては、終始でくのぼうみたいな美丈夫を見せられても
困るのである。
その意味では、黒澤映画の悪い面と同じ欠点が顕著になっている感じである。
それでも、所々面白い箇所はあったのだが
現時点(真冬の厳しい環境での映画鑑賞)では、見続けることは困難だった。
昨日からの眼痛もあるし。

237korou:2021/01/12(火) 17:36:05
「沈まぬ太陽」を鑑賞。

このところ途中止めの映画が続いていて
この映画も
最初の20分ほどは雑な作りが目立ったので止めようかと思ったのだが
少しだけ我慢して観続けたら、特に後半はピタッと焦点の合った作りになってきたこともあり
一気に観終えることができた。
角川映画で東宝の配給とくれば
かつての駄作の宝庫である角川春樹Pの手になる映画群を連想するが
角川歴彦氏のほうが一枚上手だったようで
駄作っぽい作りも目立つものの、全体としてはあそこまでヒドくはない。
(健さんもこっちのほうへ出れば良かったのに。そういえばこの映画の主演も“謙”さんだ)
全体に劇画っぽいキメ方が安っぽく感じられ
人間の心理を複眼で表そうとする姿勢が皆無である。
シンプルに悪は悪として描かれ、主人公の”善”は
前半部分ではどこまでいっても”善”のままである。
このまま進めば、水戸黄門ドラマで終了かと思いきや
後半は、主人公の”善”を揺るがすいろいろなエピソードが描かれ
さらに、三浦友和演じる”悪”のほうも、巧い演技で”悪の揺らぎ”を見せてきたので
人間模様が立体的になり、映画として味のあるものになってきたのだが
そうなると前半部分の雑な作りが惜しまれ、
また、細かい部分で工夫の足りない描写が全編を通じてあったのも
全体の安っぽさを印象づけてしまっているのである。
3時間半近い大作だったが、残念ながら山本薩夫の重厚さには程遠い凡作だった。
これは、後半の優れた演出をもってしても、原作(山崎豊子)の薄さが為せる技だったのかもしれない。
でも山本薩夫は、それでも重厚なものを創ったのになあ・・・

238korou:2021/01/13(水) 19:00:02
珍しく2日連続で映画鑑賞。
今日はHDから「社長漫遊記」

もう何度も見た社長シリーズだが
今回の「漫遊記」は、細かいギャグが秀逸で
他の作品でもこれだけ細かく笑わせる脚本だったか
それとも今回特に気付いたのか
そのあたりがよく分からないのだが
とにかく、見た印象として
笑わせることに関しては東宝喜劇としてはピカ一だなと思った。
もちろんシリーズ第16作目というマンネリ感は漂っている。
ここぞと笑わせるはずの三木のり平の宴会芸が全く冴えなかったり
ビジネス関係の筋立てのほうがかなりいい加減だったりと
ツッコミどころは満載だが
寅さんシリーズと比べれば、まだマシなのではないか。
やはり、こっちの喜劇のほうが役者が揃っていて
役者の芸に頼り過ぎるという欠点はあるにせよ
安心して観ていられるのである。

239korou:2021/01/19(火) 15:36:45
「セーラー服と機関銃」を鑑賞。

観る前までは、あの主題歌さえ聴けばいいと思っていた。
さらに「カ・・イ・・カ・・ン・・」のシーンも観れたら儲けものという程度だったのだが。
観終えた今
この不思議な魅力は何なのか、言葉にするのも難しい。
あり得ない設定はともかく
リアリズムを無視した無茶苦茶なシーンの連続なのに
観るものを納得させてしまうこの不思議な力は何なのか。
自分の流儀として
普通なら、もうそこで観るのを止めてしまうはずなのに
そういう一見雑な作りでありながら
最後まで観させてしまう力は何なのだろうかと思ってしまう。
撮影が特殊であることは間違いないし
俳優たちが完全に映画の世界に染まってそこに入り切ってしまっているのも(迫真の演技とはまた違うのだが)
そういう力を生んでいるのに違いない。
でも、間違いなく、この映画は
当時の薬師丸ひろ子の高まりつつあった人気など全くあてにせず作られ
そのことが彼女の人気をさらに高めたという相乗効果を生んでいる。
同じ角川映画でも
原田知世の魅力を最初に発見した大林監督が
その魅力に私は完全にハマっていますという姿勢を全く隠さずに演出した「時をかける少女」とは
監督の姿勢が全く正反対なのだ。
恐るべき相米慎二監督。
この監督と、当時の薬師丸ひろ子と渡瀬恒彦の魅力が合わされば
もうヒット映画になるしかなかっただろう。
懐かしさも相俟って、久々にぐっとくる映画を観てしまった。

240korou:2021/01/22(金) 16:59:49
「オーメン」を鑑賞。

かつてテレビで観た時は
完全に全部を観たわけではないが
カメラの動きが斬新で撮影に優れた映画という印象があった。
今回、初めて全部を観終わって
その印象に変わりはなく、素晴らしいカメラワークに圧倒された。
そして、全体に静かすぎるほどのシーンの連続で
そこに一気にパニックシーンが怖い音響とともに展開される流れで
静から動へのインパクトが強烈であるのと
ジェリー・ゴールドスミスの音楽の力にやられた感じになった。
俳優陣は、家政婦を演じたビリー・ホワイトローという女優の佇まいが何とも恐ろしげで
グレゴリー・ペックの疲れ切った表情も、それが年齢によるものだとしても
映画の雰囲気を巧まずして醸し出していたように思う。
ストーリーの展開はシンプルそのもので
それを補うような演出の妙までは感じられなかったが
それにしても、オカルト映画としては
異色の出来映えで、観る者を最後まで飽きずに引っ張っていく力がある映画だった。

241korou:2021/01/22(金) 17:10:07
「オーメン」を観る前に、BSプレミアムで
「三人の名付親」を観始めていたのだが、途中で観るのを止めた。

出だしは
なかなかのテンポで面白い展開を期待できたのだが
途中から、主人公である3人が
砂漠のなかを苦行のように歩くシーンの連続となり
展開が一気に地味になる。
さらに、そんな砂漠のなかで夫の事故死直後に妻が出産し
その子どもを三人に託して亡くなるという話になって
どうも絵柄が、砂漠の中で育児に困る3人の銀行強盗の男たちというのが
見ていて辛いような感じになってきたので
1時間ほどは観ていたのだが、そこで観るのを中断。

やっぱ、西部劇は
スカッとした展開か、威厳ある男の歩みを見せるものでないと。

242korou:2021/01/27(水) 20:57:22
BSプレミアムで放映された「鳥」を鑑賞。

観ている間、ほとんど飽きなかった。
設定など、かなりヒッチコック臭の濃い独特のタッチで
観ている間は結構それが気になったのだが
今思えば、そういう濃厚な監督の個性を味わえるのも
こういう古典名作映画を観る愉しみの一つだと納得。
とにかく、音楽は皆無、この時代ではあり得ないほどの特殊撮影、
不気味すぎる演出、突飛な物語、作り込まれた登場人物の性格、相関図など
絶頂期にあったヒッチコックの才能が
これでもかこれでもかと出まくっていた映画だった。
ただし、今現在の視点で言えば
登場人物の性格描写はかなり古風だし
今現在の精密な心理描写映画の水準からいえば不十分なことも含めて
主人公たちの行動に不可解な面があるのも否めない。
もっと「鳥」から上手に逃げることができないのか、という不満は残る。
しかし、それは2021年の鑑賞時での不満であって
この映画の公開時(1963年)に何の問題もなかっただろう。
さすがのヒッチコック映画、ただし比較の対象もない特殊な映画なので
最終的にどう評価していいのか困る面もある名作だ。

243korou:2021/03/02(火) 15:50:46
冬の間は視力というか目の基本体力が弱っているので
映画鑑賞は中断せざるを得なかったが
今回、ついつい「天気の子」を全部観てしまった。
ぼちぼち映画もOKかなという気候になったのかな。

「天気の子」は、新海誠監督作品としては設定が粗く
ストーリー的にはあまり楽しめない映画だったが
相変わらず、アニメの精密さとか、各設定の切なさとか美しさが尋常でなく
その意味では最後まで一気に観ることも十分可能だった(とはいえ、視力のこともあり
2,3回に分けて視聴した)
主人公やヒロインのあまりに無謀な行動にはついていけないところがあったが
そうでないとストーリーが動かないという苦しい面もあり
そのあたりは、10代の無謀な行動として微笑ましく見守るしかないのだろう。
「秒速5センチメートル」の第1シーンなどでは
無謀どころかもっと頑張れと主人公の行動を励ましたくなったのを思うと
もう少しなんとかならなかったのだろうかと思ったりする。

観終わってWikiを確認すると
「君の名は。」の登場人物がかなり出ていたことを知る。
それどころか「言の葉の庭」の先生が
「君の名は。」のヒロインの学校の先生と同一人物というのにも驚かされた。
こういう設定も面白いし、知った後で観たかったとも思うが
後の祭り。

<保存するかどうか物凄く迷うのだが、まあ今回は削除ということに決定>

244korou:2021/03/09(火) 10:43:02
「日本沈没」(1973年)を鑑賞。

以前から気になっていた映画なので、やっと鑑賞できてホッとしている。
映画自体は、現在の時点で言えばいろいろ物足りないところとかヘンなところも多いのだが
しかし1973年といえば天変地異がほぼなかった時期で
この種のカタストロフィー物は、洋画のパニック系の恐怖描写しか参考になるものがなかったはずなので
そのなかでこれだけのクオリティを見せたという点、しかも短期間の撮影でそれをこなしたという点において
さすがは森谷司郎と言うべきだろう。
もっとも、見ていて最初の方は違和感ばかりで
これは本当に劇映画なのか、人間が描けてないじゃないかという不満のほうが強かったのも事実である。
途中から、これは劇映画の体裁をとった架空のドキュメンタリー映画だと思えばいいのだと悟り
たしかに、SF小説というのは小説の体裁をとった架空サイエンス小説なのだから
それを忠実に映像化したならば、こういう風になるだろうとは理解できたのである。
(考えてみれば「八甲田山」もそういう見方で観れば良いのだろうけど、あれは史実でもあるから、
 ああいう退屈で人間が描けていない作品を再評価する気にはなれない)
それにしても、いしだあゆみ演じるヒロインの描写は、そうだとしても雑だった。
主人公を演じる藤岡弘の描写も雑で、主役の2人の人間描写が雑だったのが残念だった。
特撮、ストーリーの展開などは申し分なく、この時代の映画としては上出来だと思う。
当時はパニック系がブームだったし
これだけ大画面でパニックを表現できれば
興行収入で断トツの成果を上げたのも頷ける。

245korou:2021/03/25(木) 17:56:43
「パラサイト 半地下の家族」をNetflicsで鑑賞。

どんな映画かと緊張して観始めたが
基本がコメディの作りであることが分かり
安心して一気に観終わることができた。
前半は、あまりに漫画チックな展開で「万引き家族」以下だなと思ったのだが
元家政婦が訪ねてくる中盤以降、クライマックスのパーティーに至るまでの展開は
さすがと思わせた。
クライマックスでは、それまでの表向き静かなドラマの結末としては
激し過ぎるシーンの連続となり
そのギャップ、違和感が消えないままエンドとなったので
映画全体としてはイマイチな印象を受けた。
にしても、観る者を飽きさせないテクニック、ストーリーに関しては
最近の映画の中では群を抜いて素晴らしいと言わざるを得ない出来だったと思う。
アカデミー作品賞に値するかどうかと言われれば
微妙ではあるが
ノミネートには十分値する面白さをもっている。
まあ、観て損はない映画、というのが結論。

246korou:2021/04/13(火) 17:28:25
「セブン」を鑑賞。

かつてこの映画が流行った頃に
自分は、ミニ映画館のような施設を独自に運営できる立場に居たのだから
当時超話題作だったこの作品を、そのときに観ておいても良かったのだが
どういうわけか観ることができなかった。
そういう記憶も交えながら、やっと今回全編観ることができたわけだが
一言で言って、観るべき年齢ではなかったということ。
多分凄い映画である。映画サイトの素人批評コメント欄も絶賛の嵐である。
でも、今の自分には本当につまらない映画だった。
人間模様が小さすぎて(せいぜい刑事2人だけの話)、全体の話の大きさ(7人も死ぬ仰々しさ!)と比べて
アンバランスがひどすぎる。
というか、そもそも7人も死ぬ設定の時点でバカな映画だと思ってしまう(若い頃に観たならともかく)。
ブラピは演技が一本調子で観ていて白ける。
フリーマンだけが観るに値する演技をしていて
また最後のほうのケヴィン・スぺイシーの不気味な存在感も出色の出来だろう。
しかし、それ以外には見るべき演技は皆無で、皆ロボットのような動きだ。
それら全部の不満を一切感じさせない要素だったのが、画面の独特な美しさなのだが
今の自分は、かつてのデ・パルマ映画に感動したような感受性を失っているので
凄そうだということは理解できても、我を忘れてその魅力に没頭できない。
若い頃に観ていれば、人間像の薄さなど、この画面の先駆性のせいで気にならなくなり
最後のほうの高評価なシーンの連続に無我夢中になったに違いない。
残念ながら、今の自分の評価としては「出来の悪い大作映画」ということになる。
観る者を圧倒する力を内蔵している「大作映画」であることは認めるが
とにかく”出来が悪い”のである。
せめて「よく出来たB級映画」なら楽しめたのだが・・・

247korou:2021/05/03(月) 22:03:02
途中まで(大体最初の30分くらい)観て止めた映画

「荒野の七人」
最初は思った以上にテンポが良くて、予定外に録画を始めてしまったが
よくよく見れば、少ない報酬なのに続々と参加していくガンマンたちの
本当の気持ちが演出されていないのが致命的だった。
映画のキモの部分が雑に作られて
ただ単に活劇の面白さと
数多く揃えたスターの魅力だけに頼った映画のように思えた。
昔なら見たかもしれないが
今は却下!

248korou:2021/05/03(月) 22:13:01
「明日に向かって撃て!」を鑑賞。

邦題タイトルだけは超有名な映画だけに
いつか見ておかなければと思い続けていたのだが
ついにHD内連続視聴企画に乗って
観ることができた。
とはいうものの、ひたすらピークを過ぎた西部のガンマン2人が
どういうわけかしつこく追いかけられて、そこからひたすら逃げ回るというシーンが
延々と1時間以上続き
工夫のないストーリーに辟易してしまった。
普通なら途中でやめてしまうところだが
やはりロバート・レッドフォードとポール・ニューマンという主役2人に
さすがの存在感を感じてしまい
時々見せる粋な演出、バカラックの音楽、レトロな画面構成なども加わり
ついつい最後まで観てしまった。
たしかに、1969年に西部劇を撮るとして
こういう風にキメれば、さすがという評価はもらえるだろうが
それはその時代特有の空気に大きく左右されているのであり
今観れば、単なるノスタルジー感あふれる西部劇の変形でしかない。
ニューシネマと言われているが、それはその時代の最上級の賛辞以上の意味はないだろう。
レッドフォードを世に出し、「雨にぬれても」が挿入歌になっている映画、ということ以上の意味は
今、この映画からは見出せない。

249korou:2021/05/06(木) 20:21:51
「三等重役」を鑑賞。

森繁の社長シリーズの基になったと言われる喜劇映画なので
以前から見てみたいと思っていたが
今回通して観て、思った通りというか、
思っていた以上の滋味あふれる佳作だった。
脚本は職人技というか
格別優れたアイデアがあるわけでもないのだが
どこにも致命的な部分がなく
安心して観ていられるのである。
そうした堅実な作り、ストーリーの流れに
一癖も二癖もある俳優たちが次々と現れて
さすがの演技を見せるのだから
面白くないわけがない。
どこか落ち着かない感じで
それでいて威厳を保つ術だけは心得ている社長を
河村黎吉が飄々と演じており
これは社長シリーズの森繁が引き継いだようなものだ。
その森繁自身も、この映画では最大限に光っている。
河村ほど枯れた演技でもないので
この映画が森繁の出世作になったのも当然かもしれない。
他にも、進藤英太郎、藤間紫、沢村貞子、小林桂樹など
観るに値する演技ぶりで
若き日の大泉滉、あるいは越路吹雪などの珍しいシーンなどもあって
実に盛りだくさん(興味ない人には退屈なモノクロ映画だろうけど)

250korou:2021/05/13(木) 16:44:14
観るのを止めた映画4本(目が痛いので少々荒いチェックではあるが・・・)

「クライマーズ・ハイ」は、どんなに見続けてもノンフィクションのような演出で
あれだけの豪華俳優陣を揃えながら、誰にも演技をさせない勿体なさ。
今さら日航機墜落事故を、こういう映画の形で振り返りたくはないので(どうしても事実と演出が混じってしまう)
これ以上見るのは時間の無駄と判断。

「ノルウェイの森」は、かつて観たときは、そのあまりに静かな画面構成に違和感を覚えたのだが
今回はよりじっくりと観た結果、そういう演出に違和感は全く感じず、むしろ好ましく思えたくらいだった。
だが、致命的な欠陥が見つかってボツに。つまり、直子役の菊地凛子が全然美しくなく、可愛くなく
それを補う演技を期待してもまだ女優として何もない頃の抜擢なので、どうしようもないということ。
原作がある映画だけに、原作をむさぼり読んだ世代としては、これは納得できない。

「駅 -STATION-」は、まず、いきなりのいしだあゆみの感情過剰なほどの泣き顔シーンが出てきて
しかも母親、妻としての役柄が似合わない女優なのに、いきなりそういう演技をさせるスタッフの無神経さに呆れた。
高倉健に免じて(笑)それは許すとして、そのまま我慢して観ていると、今度は突飛な殉死シーンになり
最後のほうの女優の主役が倍賞千恵子であることも考え合わせて、この時点で観るのを止めた。
さらにWikiでストーリーを確認すると、何が何やらわからない筋書きで、観続けなくて良かったと本当に思った。
倉本聰、木村大作、降籏康男と豪華メンバーを揃えて、健さんの映画を撮っても結局こんなものかというガッカリ感は強い。

「居酒屋兆治」は、これも大原麗子の使い方を致命的に間違っている。ストーリーも平凡で高倉健を主役で使う意味が全く無い。
「駅」とほぼ同じスタッフなので印象も悪い(笑)。脚本はまあまあの出来で悪くないが、キャスティングでその良さが消えている。

251korou:2021/05/18(火) 14:31:51
観るのを止めた映画、「大いなる西部」

これは目が痛くて、それが影響した結果ではない。
ドラマがシンプルすぎてゆっくりすぎて嗜好に合わないからである。
それでいて
この映画が不朽の名作である理由はよく判る。
名画に必要な要素はすべて揃っている。
巨匠ウィリアム・ワイラーの作品で、ワイラーならではの余裕たっぷりの演出ぶりは
観ていて不思議と心地よい。
音楽も、これほど西部劇の解放感をさらに爆発させてくれるものは他にないだろう。
俳優陣も人気俳優、実力派俳優をこれでもかというくらい揃えて
かつて映画館でこの映画を観た誰もが、この豪華な配役に満足したに違いない。
しかし・・・それだけ条件を整えながら、この退屈感は何だろう。
ワイラーの映像がゆったりとしているので
観続けようと思えばそれは可能なのだが・・・まだまだ観るべき映画は多いので
ここに3度留まる(3時間弱なので観終えるまで3回かかる)には時間が惜しい。
大体、どんな映画かは1時間強ほど観たので理解はできたし。

252korou:2021/05/20(木) 18:04:01
「シンドラーのリスト」を鑑賞。

3時間余りの長編映画だけに、観終えることができるかどうか不安だったが
良い映画だったので、最後まで忍耐強く観続けることができた。
いろいろな不備はあるのだが、それらはすべて些細なキズということで見逃せる。
何よりも脚本、特に主要人物のセリフがすべて妥当な形で作られていて
ノンフィクションとはいえ、自然な流れで劇が進行していくので
相乗効果というべきか、実際はこうだったのだろうという迫真力を生んでいる。
モノクロ画面というのもスピルバーグの意図通りの効果を生んでいるし
ジョン・ウィリアムスの音楽も適度な悲哀が伝わってきて、この映画にふさわしい。
各シーンのつながり具合については
やはり最近の映画に共通して言えることだが
あまりに工夫をし過ぎて、かえって意味が分からなくなってしまう箇所があった。
また、本当のドキュメンタリー映画作家なら
いくつかのシーンはカットして、もっと事の本質に迫るシーンを挿入したに違いない。
とはいえ、スピルバーグはスピルバーグなのだから仕方ない。
彼は誠実にこの映画を撮り、
限られた予算だったらしいがその制約のなかで最大限に良い仕事をしたと思う。
絶対に観るべきヒューマンな映画とまでは言わないが
長いからというだけで観るのを避けてしまうと残念すぎることになる。
いくつかの名シーンもあり、特に最後の終戦直後のシーンで、
兵士も工場内に入れた上でシンドラーが言い放った言葉には感動させられた。
兵士も人間なのだとユダヤ人にも伝えるシンドラーの配慮。
その後の指輪のシーンで、泣きじゃくるシンドラーのシーンは余計だったけど。

253korou:2021/05/21(金) 17:19:44
「探偵物語」を鑑賞。

3時間余りかかる長編を観切ったせいか
1時間50分の映画なんてすぐだと思ってしまい
連日とはいえ、実際、一気に全部観終わる。

映画そのものの細かい部分は、まあ角川映画なんで言うだけ野暮な話。
これは、誰が観ても、アイドルスター薬師丸ひろ子の映画で
そこに、大瀧詠一の綺麗なテーマ曲、その前後のシーン(ほぼラスト近く)の長回しなどの
根岸演出が巧みに挟まれている、ということだろう。
そして、薬師丸ひろ子のあの頃の抜群の人気、オーラ、スター性を
リアルタイムで体験した世代としては
この映画を観ているだけで徐々にその感覚が蘇り
何とも懐かしい気分が脳裏を支配していく。
ノスタルジーに浸るには最高の映画なのである。
赤川次郎が、薬師丸にあて書きした原作だけに
ここでの彼女の動きは、意図したとおりにキマっている。
そして、優秀な女優の卵でもあった当時の彼女は
演技でも格段の進歩を遂げている(前作「セーラ服と機関銃」と比べても)。
そして、それ以外は特に観るべきものは何もないのだが、それだけで十分な映画なのである。

254korou:2021/06/02(水) 09:17:34
「レイジング・ブル」を鑑賞。

公開時、映画館で観た数少ない映画の一つ。
覚えていた記憶としては、現役時に大活躍したボクサーが
引退後はやさぐれて生活が乱れて、その結果ブヨブヨに太ってしまい
その太った体まで体重管理して見事に再現したデ・ニーロの俳優魂に
当時は皆感動したというものであったが
またしても、その記憶は裏切られた。
そもそも、現役時からジェイク・ラモッタはやさぐれていたのだ。
とんでもない人間で、やたら疑り深く、
プロボクサーでありながら、暴力を振るうことに無定見な奴だったのだ。
その部分を描いた前半40分あたりまでは
スコセッシ監督の独特の演出のせいもあって
観ていてイライラするばかりで
こんな退屈な映画は観るのを止めようかと思ったほどだったが
それが、途中からその演出のリズムに慣れてしまったのか
あまり気にならなくなり
そうなると、デ・ニーロの迫真の演技が際立ってくるのである。
後半はもう一気に観てしまった。
本当にデ・ニーロの演技力は凄まじく、
スコセッシ演出がそれを的確にフォローしているのが分かる。
スコセッシ演出にハマらない人にとっては、単なるボクシング映画にしか見えないだろうが
一度ハマってしまえば、終生忘れられない名作映画になるはずだ。
自分は、途中からハマったので、後者のほうになってしまった。
今も名作を観た余韻に浸っている。

255korou:2021/06/04(金) 17:40:11
「日日是好日」を鑑賞。

ボクシング映画を観た後に、静かな茶道の映画を観るという極端さが
多少、鑑賞上影響があったかもしれない。
とにかく、この映画の前半部分は
直前に観た映画と比べたらどうかしたのかと思うほどの静けさと
延々と続くやや退屈なお茶の作法の解説のせいで
違和感ありまくりだった。
しかし、多部未華子の出演シーンが終わって
黒木華演じる主人公が独りになってからは
映画に奥行きが出始め
今思えば、黒木華の演技が、若い女性のなかの20代と30代の僅かな差異を
見事に演じ切っていたのも大きいのだが
成長する女性の心の奥底の動きが
静かな画面のなかに徐々に投影されているのが
まざまざと分かり、かつこちらにもじわじわと伝わってきた。
そうなると、前半で、シンプルなのにまどろっこしい印象を与える
短いカットの連続が特徴の画面構成も
意外と好ましく思えてきて、観ていて退屈を感じることもなくなってきた。
ただし、劇の見せ方が安定してきた後半だからこそ
あえて全体の流れに不似合いな劇的な出来事も盛り込んでいけたのではないかと思え
そのあたりを、父親の死だけにとどめていたのは
映画の造型として中途半端で惜しかったと思う。
結婚して夫との関係、子供を授かるシーン、母親との関係、再度多部未華子演じる従姉との関係、等々。
こういうものを雑につめこんでも、全然問題ないほど画面が深化していたのに
惜しいと思った。
とはいえ、全体として、後半の出来が出色で
それだけでも佳品といえる映画だった。
出演した俳優陣も皆好演だった。

256korou:2021/06/07(月) 16:24:36
「ボヘミアン・ラプソディ」を鑑賞。

昨夜、BS日テレで放映されたものを、さっそく今日観終わる。
音楽映画なので、多分一気にいけるだろうと思っていたら
予想以上に退屈な舞台裏のドラマのシーンが延々とあったので
途中で何か所か居眠りをしてしまった。
しかし、途中から、これは深みなどない単純な映画だと気づいてもいたので
見落としたシーンは、ネットであらすじを復習して補い
そのままラストのライブ・シーンまで観終えた。
そういうB級映画っぽい雰囲気ではあったけど
この映画が大成功を収めた理由は
ひとえに主演のラミ・マレックの巧い演技によるのだろうと思う。
フレディ・マーキュリーのような独特なキャラクターの人物を演じることは
それだけで難しいことなので
本人再現物でこれだけ自然に画面に没入できるということ自体
素晴らしいことと言わざるを得ない。
最後のライブシーンから、実際には2曲カットされて公開されたらしいが
やはり、昨夜放映された完全版のように全曲入れたほうが
良かったのではないか。
それほどライブシーンのところは観ていて心を揺り動かされた。
やはり名曲揃いだ。
映画としては×、音楽は◎というところ。

257korou:2021/06/11(金) 16:41:54
「新聞記者」を鑑賞。

話題の日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作ということで
それ以前からも話題にはなっていたので
テレビで放送されることに感謝して観た。
とはいえ、放映の時間帯の現実の世界で地震が発生し
画面の右半分くらいにずっと津波警報地域を示す日本地図の画像が張り付いたままで
最初の20分ほど続いたのには、完全に注意を削がれた。
さらに、登場人物全員がヒソヒソ声なので、イヤホンで視聴するまでは
何をしゃべっているのか聴き取れず
そういうわけで最初の20分ほどは集中もできず、結局同じシーンを2回観て
さらにイヤホンでの視聴に切り替えて、やっと集中してみることができた。
その後も、なぜか観ているうちに目が痛くなる症状が頻繁に起こり
なかなか大変な視聴となったが、それでも十分に満足できる鑑賞にはなった、
何といっても、近年の日本映画には珍しい硬派な内容と
反権力の姿勢もきっちり描き出す勇気に拍手を送りたい。
言うは易し、行うは難しで、こういうのが一番難しいのである。
映画そのものの出来も、決して名作のレベルとは言えないまでも
一応論議できるレベルにまでは仕上がっていたと思う。
その上で、リアリティがないとか、ストーリーなどは分かりにくいという批評は
あって然るべきだが、それをもってこの映画への致命的な評価とするわけにはいかないはずだ。
まさに”現代人の生の矜持”を問う映画になっている。
個人的には、冒頭からしばらくの様子が分かりにくいこと(今回はそれに”日本地図”が一層の邪魔となったわけだが・・・)、
最後のシーンが曖昧すぎて映画全体のイメージを損なっていることが
残念ではあったが
まあ硬派の映画として存在を誇って良い映画だとは思った(アカデミー作品賞は評価し過ぎだとは思うが)。

258korou:2021/06/11(金) 16:46:42
(観るのを止めた映画)
「記憶にございません」を最初の15分ほど観て止めた。
こんな杜撰な話はない。
そもそも入院中の首相が、誰にも分からないまま外出できるわけがない(リアリティに対する冒とくに近い)。
記憶喪失の首相をそのまま放置して、その記憶喪失を側近だけの秘密にするなんて
絶対にあり得ない(現実の政界を参考にせずに書いているから、こんなことになる)。
三谷幸喜は一体どうしたのか。
あまりにヒド過ぎる。
すべてのドラマはリアリティから始まる、ということを
本人を呼んで説教したいくらいだ(苦笑)。
来年の大河ドラマは大丈夫か?
もう誰も彼に説教する立場の人は居ないのだから、本当に心配だ。
それにしても、これほどリアリティを無視した”話題の映画”は初めてだ。

259korou:2021/06/16(水) 17:45:00
「おしゃれ泥棒」を鑑賞。

ヘップバーンの60年代後半出演の映画は
それまでがあまりに綺麗すぎただけに、ある意味観るのが辛い映画だと思っていた。
それが「暗くなるまで待って」で大いに印象が覆されたのだが
やはりヘップバーンはうっとりするくらい綺麗、というイメージの刷り込みは強烈で
そういう意味でこの映画に期待するところは少なかった(始まりが面白くなかったら観るのを止めようと判断していたくらい)。
で、実際、この映画の前半は面白くなかった。
なぜなら”これからどう面白くなるのか見当がつかなかった”からだ。
贋作画家、そんな彼を疑う美術商、美術商に雇われ調査を始める探偵、という人間模様で
その画家の娘が中心の映画だとしたら、何が予想できるのか?
どちらかというとサスペンスタッチで可憐な女性の入る余地はないように思えるのだが?
しかし、探偵が女性に一目ぼれし、女性も探偵を泥棒と勘違いして仕事を依頼するところから
俄然ヘップバーンの存在が映画の中心となり
探偵役のピーター・オトゥールの好演も相俟って、話がすっきりと頭に入ってくる。
そして、結構考え抜かれた、でも洗練されているので一見適当なように見える犯罪のテクニックの上手さが
この映画の後半を全く飽きさせないものにしていることに
さすが巨匠ウィリアム・ワイラー(脚本もあの「情婦」の人らしいが)だと思った。
後半のヘップバーンは美しい、そしてセクシーでもあり、それはこの映画の演出のせいなのだ。
もちろん、なんというご都合主義の映画だと、この映画を批判することは易しい。
だが、こういう安定した造型の映画が今となっては貴重な存在であることを
かつての映画評論家たちは見抜けなったに違いない(だからこの映画の評価は昔から低い)。
分かりやすい名画となっている「暗くなるまで待って」との違いはそこにあるだろう。
でも、個人的には、この映画はなかなか面白い出来だったと評価している。

260korou:2021/06/26(土) 14:39:35
「怪獣大戦争」を鑑賞。

半年前に最初だけ観て、途中止めにしていた映画を、今回最後まで観た。
その最初だけ観ていたはずの部分も、再度見直すと、かんり見落としていた箇所があって
最初からきちんと観て正解だった。
今の水準で言えば、ちゃちな特撮、着ぐるみ同士の取っ組み合いのようなシーンが多く
そのあたりが気になる人にはムリにオススメできない映画だが
そこを除けば、意外と観ていて飽きない映画になっていた。
今となってはちゃちな特撮とはいえ、当時(1965年)、これだけの画面を完成させるには
最高レベルの技術が必要だったに違いなく
そうした最高のものをふんだんに繰り出す画面からは
自ずから緊張感が醸し出され、その緊張感が心地よいのだ。
さらに、突飛な設定も多いこの映画だが
その突飛さを最小限に抑える俳優陣の演技も良かった。
ゴジラのシェーのシーンは、当時有名だったが
ある意味、もはや昭和のマニアックなファン向けともいえるこの映画を
一言で紹介するキーワードとして貴重だと思うので
そこを嫌う人たちが多いのにはがっかりした(素人コメントを見る限り)。
あまりゴジラ映画ばかり見るのもどうかと思えるので
これはその代表作の一つとして
観て良かったと思った。

261korou:2021/07/06(火) 23:16:35
「ノッティングヒルの恋人」を鑑賞。

いまさらラブコメなんてとも思ったが
観終わった今、観て良かったと思った。
分析すればするほどダメな部分が出てくる映画であることは間違いないのだが
そんな分析などクソみたいなものだ。
これこそ映画だと胸を張って言える、そしてそう言ってしまえる自分が誇らしい。
この映画には、映画が本来持っている夢と希望と生きる力が詰まっている。
ジュリア・ロバーツとヒュー・グラントが、職業の違い、有名人と無名人の違いを乗り越えて
愛を育むというそれだけの話、単純な設定の話、ハッピーエンドがお約束のハリウッド映画ということなのだが
それだったら、観た後の充実感はどう説明できるのか?
何だろう、これは説明も分析もできない超娯楽映画なのだろう。
脇役も破綻なく描かれているし、不自然なセリフは全くないし
撮影も美しいし、音楽も正統派で見事だし、ただ単に映画としての深みがないだけ。
それで映画として低評価だとしたら、深みこそすべてということになるが
実際はそうでないだろう。
これは映画についての各人の哲学を測れるリトマス試験紙のような映画です。
自分はこの娯楽映画に〇をつける。
そのことについてどうのこうのは言われたくない。

酔っぱらって書いているので、今回はヘンな感想になってしまいました・・・トホホ(でも言いたいことは書いたつもり)

262korou:2021/07/09(金) 17:57:37
「ラストサムライ」を鑑賞。

観始めは「大いなる西部」と同じような感触で
大作映画としての佇まいは認めるけれども(それなりに美しく、魅せる箇所もあるのだが)
ストーリーの起伏に乏しく、ドラマが平板で、さらにこの映画はハリウッドが日本の「心」を表現しようとしたものだけに
細部の違和感たるや甚だしく、その違和感はどこかで解消されるどころか次第に我慢ならないほど膨れ上がっていくので
さすがに観続けるのもどうかと考えたが
あまりに違和感が溜り過ぎるのが、むしろ、さすがにどこかで解消されるのではないかという思いにまで至り
要するにハリウッドのお手並み拝見という好奇心から観続けることにした。

その違和感は最後まで晴れず、まあ一言で言えばハリウッドの異国趣味だけで作られた映画ということになるが
「大いなる西部」はどこまでいっても退屈な西部劇で、自分としてはその根本が分からない”米国の時代劇”ということになるのに対し
これはその根本において少なくともハリウッドの関係者よりは実感できる世界だったので
頭の中で、本当ならこのシーンはこうなるはずなんだけどなあという風に、実際の映像を自分のなかでのベターな映像に置き換えて
鑑賞するということも可能だったので、これはこれなりに面白い映画鑑賞となった。

音楽はさすがに美しい。ハンス・ジマーという人は、他にも著名映画の音楽を多数担当している有名な人のようだ。
映像も広々とした日本っぽい風景を巧く撮っていて、その点は違和感はなかった。
しかし、それ以外は違和感だらけである。
日本人はもっと寡黙で、それでいてすべてを理解しており、それをいちいち日常の言葉で語ったりしない。
また、感情の表現はもっと稚拙で、逆にその稚拙さを巧く演出すると、溢れるばかりの感情が映像に流れ出るわけだが
そんな演出は一切ない。
あくまでもハリウッド映画が興味本位で獲った武士道映画なのである。
そして、その関係者たちが、俺たちは真剣に武士道を理解しようとしたし、実際にも懸命にそれを映像化したのだ、と
思い込んでいるところに、さらに罪深さを感じるのである。

263korou:2021/07/15(木) 15:36:39
「ザ・マジックアワー」を鑑賞。

「記憶にございません」で、自分の中では評価急降下の三谷幸喜による13年前の作品。
今回も、今まではあまり感じなかった設定のわざとらしさを随所に見いだしてしまい
一体これは何なのだろうと自分でも不思議なのだが
さすがに「記憶にございません」よりは丁寧に設定を作り込んであるので
辛うじてその設定に我慢することができた。
最初のひどい設定ーー事情を知らない無名俳優に代役を演技してもらうーーをクリアすると
しばらくは、俳優陣の名演でこの映画は楽しむことができる。
そして、最初の山場、親分との対決シーンを爆笑、爆笑で無名俳優が乗り切った直後に
西田敏行扮する親分が、寺島進扮する幹部に「あいつは偽物だ」とささやくシーンがあれば
この映画はうまく動くはずだったのだが
いつまでもその設定が生きていることになってしまったので台無しになってしまった。
いくら深津絵里扮する恋人が、その設定のムリさ加減を映画の観客に代わって代弁したところで
ウソっぽさは消しようもない。
結局、この映画でまとなシーンというのが、無名俳優を演じる佐藤浩市が
自分の映画のラッシュを偶然に観てしまい、自分の俳優人生に大きな決断を下す場面と
その佐藤が憧れる老優(柳澤愼一)が佐藤に向かって諭すように語る場面くらいで
それらは映画の本筋とはやや外れたシーンとも言えるのが、この映画の内容のなさを象徴している。
ムリな設定を頑張る、というのが三谷喜劇の真骨頂だったのだろう。
今にして、そのことを知った思いだが
やはりこの年になると、自然な流れで映画は進行していってほしいと思うのだ。
もうこのへんで三谷映画とはお別れしたほうが良いのだろう。

264korou:2021/07/15(木) 15:44:17
「笑の大学」も削除。
最近、同じ脚本の舞台劇を全部観たこともあり
映画も同じようなシーンであることが分かったので
三谷喜劇をそこまで時間をかけて観る必要もなく
またかつて映画版のこれも通して観た記憶もあるので(いつものごとく細部は覚えていないとはいえ)
削除。

265korou:2021/08/03(火) 18:20:56
「私は告白する」を鑑賞。

1953年のヒッチコック監督の映画、なぜかモノクロ、
設定が「神父へ告白があった場合は、当の神父はそのことについて秘密を守る義務がある」という
日本人には理解が難しいものなので
映画全編を通じて、どうしてそうなるのかという根本的な疑問が拭えなかった。
ただし、主演のモンゴメリー・クラフトの暗い表情、まっすぐな心の持ち主の主人公らしいナイーブな表情とか
それと対照的な恋人役のアン・バクスターの華やかな佇まい、それでいて一癖も二癖もあるしたたかな女っぷりが
ストーリーの単純さ?を十分に補う名演で
ほぼそれだけで、この比較的短い(95分)映画を観終わることができたようなものだ。
モノクロで撮る理由が分からない、告白された神父がそれを一人でかかえてしまう面倒くささも分からない、
犯罪の動機を刑事に教えていることになぜこれだけの賢明な夫人が気付かないことになっているのか、脚本そのものが分からない。
分からないだらけの映画なのだが
幸か不幸か映画そのものがハッキリいって駄作で、構造が単純な作りなので
分からないままでもなんとか最後まで観続けることができる仕掛けになっている。
ヒッチコック映画にもこんな駄作があるのだなと思わされた映画。

266korou:2021/08/05(木) 17:56:03
「殺人の追憶」を鑑賞。

2003年の韓国映画で、数々の映画賞を受賞し、興行的にも大ヒットとなった映画。
監督は「パラサイト 半地下の家族」のボン・ジュノ、主演はソン・ガンホとキム・サンギョンという韓国の誇る2大スターの共演。
名作になる要素はいくらでもあり、実際名作の誉が高いのだが
残念ながら、この映画に関しては、実際に韓国で起こった超有名な殺人事件を元にした半分ノンフィクションの映画であることを
事前に知っていないと、面白さは半減するだろうし
実際観ていてフィクションとしては不自然な展開が多かったので
事後のそのことを知り、一気に疑問は氷解していった。
もしフィクションであれば、こんな杜撰な事件捜査はあり得ないし
そもそも未解決のまま終わるというストーリーは、娯楽映画として不自然すぎる。
精神障碍者の扱いもあまりにも前時代的で、2003年の公開当時でも本当に大丈夫だったんだろうかと疑問に思えるほどだが
ノンフィクションであれば、映画としてはこの扱いでも構わないだろう。
そして、実際に未解決であったので(公開当時)、エンディングもそういう形になり
それが演出として見事に決まっていたのが、この映画の大きな美点でもあった。
2019年にDNA鑑定により真犯人が見つかったことで、この映画にも新しい観方が出てきたと思われるが
それすらも鑑賞の事後に知ったので個人的には何とも言い難い。
どんなに否定的にこの映画を観たとしても、実際自分はそうだったのだがそれでも観続けることができたのは
間違いなくソン・ガンホ、キム・サンギョン、そして精神障碍者を演じたパク・ノシクの演技力のおかげである。
ボン・ジュノ監督も、安心して彼独特の”悪ふざけ演出”に没頭できたに違いない。
そして、その”悪ふざけ”が、この陰湿で凄惨なテーマの映画を
最後まで安心して観ることのできる一流映画に仕立てていることは間違いない。

267korou:2021/08/12(木) 18:02:24
「断崖」を鑑賞。

ヒッチコックのハリウッド初期の作品でモノクロだが
戦後すぐに公開され1947年のキネ旬第1位になった古典的名作。
序盤は人物描写が普通に演出され、さすがに時代を感じさせるダルさもあるが
主人公2人が結婚するや否や、テイストがサスペンス一色に染まり
何を見てもおびえてしまう新婚妻の心理状態に観ている者も一緒に陥ってしまう
まさにサスペンス映画の古典のような出来栄えだった。
心理表現が難しい夫の役をケイリ―・グラントが見事に演じ
その演技をバックに妻役のジョーン・フォンティーンの演技がうまくハマり
彼女はアカデミー主演女優賞を獲得している。
アホらしいようなエンディングも
考えてみれば、まだ話には続きがあってと思えば
今度はスリラーの風味も出てくるとあって
なかなかよく考えられている。

とはいえ、全体にモノクロ映画の鈍重さが目立つ古風な映画であり
この種のサスペンスには、やはり音、色、光などの力があれば
現代の凡庸な監督でもこの映画以上の緊張度は演出できるだろう。
映画最後のほうのミルクを入れたコップの異様な輝きなどは
この時代にあって最大限の効果を生んでいるのだが
これに色がついて光が投射されていればもっと明確になっただろう(そういうのを嫌う人も居るだろうけど)。
名作なんだけど、映画マニア限定といった感じである。

268korou:2021/08/16(月) 22:50:32
「我等の生涯の最良の年」を鑑賞。

正直、もうモノクロ映画はいいかなと思っていた。
時々モノクロならいいのだが、このところ「断崖」「私は告白する」と観ていたので
この映画も最初のあたりで退屈なら、後日と思っていた(一応アカデミー賞多数受賞作なので無視はできないと思っていたが)。
しかし・・・驚いた。60才もかなり過ぎて、もう感動の極みなどあり得ないと思っていたのだが。
今まで観た映画の中でもかなり上位に入る感銘度で
極端な話、ベスト3に入れてもいいくらいの感動だった。
63才を過ぎてまだこんな感動に浸ることができる・・・人生とは素晴らしいものだと実感できた。

何よりも、あの豊かな国アメリカにおいて
戦争による心の問題を真正面から取り上げた製作陣の良心が尊い。
そして、その良心、意気込みが少しも空回りせず、きちんと芸術作品として結晶化しているのが素晴らしい。
キャストも最高で、フレデリック・マーチの謹厳さとそれと対比する人間としての弱さの表現とか
マーナ・ロイの奥深い演技、今となっては求め難いピューリタニズムそのものの母親像を見事に体現している演技とか
テレサ・ライトの繊細な若い女性独特の浮き沈みある感情表現の細やかさとか
今作で初めて演技したハロルド・ラッセルの独特な設定をこなす見事な演技とか
どの俳優も名演で、どのシーンにも見どころがあった。
音楽もうまい合わせ方で演出に沿ったこの上ない目立ち方をしていて
何といっても、脚本の上手さには感嘆するほかなかった。
不自然なセリフなど一切なく、すべて納得いく進行であり
ただ難をいえば、ウイリアム・ワイラーらしい作家性に乏しいというか
現代の視聴者には、単なるアメリカの上流家庭の物語として見える面があったのは否めないので
この映画を評価しない人には、欠点としてあげつらう隙を与えてしまったかもしれない。
もちろん、好意的に見れば、そんなのは欠点ではなく、むしろ美点であり
個人的には、最近観た映画すべてのなかで最高点を与うべき映画となった。
久々にHD録画から削除しない映画となった。

269korou:2021/08/23(月) 17:35:06
「硫黄島からの手紙」を鑑賞(DVD-R)。

「関口宏の近現代史」で硫黄島の栗林中将の地下作戦を知ったので
ちょうどいい機会だと思い、なかなか観る気がしなかったこの映画を初めて観ることにした。
観始めから、なかなか渋い映画だなと思い、それほど飽きる間もないまま
中盤から早くも戦闘シーンに突入したので、もう途中で止められなくなり、一気に全部観てしまった。
どこが良いとハッキリと指摘できる部分はないのだが
全体として、この映画を良い日本人スタッフを選んで彼等に任せるといったイーストウッド監督の意図が徹底して感じられ
それが違和感のない”ハリウッド製日本映画”のような形になったのだと思われる。

素人批評を読んでみると、
こういう映画を日本人の手によって邦画として観たかったという意見が目立ったが
確かにその通りだと思う。
それが出来なかったのは、邦画のレベルが低いということもあるが
基本的には、日本人自身が、戦後を通じてずっと、戦争というものについて深い思考をめぐらせることがなかったということが
大きいのではないか。
アメリカ人は、太平洋戦争の後も、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争と
事の良し悪しは別として、いやでも戦争について根源的な問いかけを余儀なくされる歴史を歩んできた。
日中戦争、大東亜戦争を、何かの間違いとか、あるいはそんなはずではなかったという風にしかとらえられない国民性とは
随分違うのだと思う。
そのあたりを、骨太の演出で、イーストウッドは映像化してみせた。
俳優陣も、不思議なくらいうまくハマっていた。
細部に不満は残るだろうが、残念ながら、これが現実なのである。
硫黄島自体の話もそうだし、この映画の成り立ちについてもそうなのである。
見事な映画だと思う。

270korou:2021/08/27(金) 17:41:23
「プリティ・ウーマン」を鑑賞。

一度観たような気もするし、間違いなくお気楽な娯楽映画だと思われたので
あまり観る意欲が湧かないまま、でも娯楽映画だからラクに観れるかもと思い観始めた。
観始めて、恐らく観たかもしれないというのは錯覚で、全然知らないシーンばかりなので、初見と判断。
観る前の予想と違って、娯楽映画、それもディズニー制作のハッピーな雰囲気むんむんのはずが
意外と細かいところまで気を配って作ってあるのが分かり、観ていて退屈感はほぼなかった。
やはり、主演2人の魅力が大きいわけで、これだけはどんな人が観ても感じることだろう。
リチャード・ギアはこの上ない魅力的な”オジサマ”だし
ジュリア・ロバーツの可愛さ、美しさは、やはり尋常でなく、一世を風靡して然るべき大物女優のオーラが凄い。
ストーリー自体はかなり陳腐なものだが、全体に落ち着いたトーンで演出されているので
あまりひどさを感じないのは、さすがというか、これなら大ヒットして当然と思わせる。
もちろん、こんな現代のシンデレラみたいな話を有難がってんじゃねえよ、という向きもあるだろうし
娼婦がほんの一瞬の出来事でラッキーな現状をあっさりと手放す行為をするのも不自然だし
10年来の友人に事情を打ち明けもせずだまし討ちみたいな態度をとる有能な実業家というのもあり得ないから
いろいろムリな点は存在する。
まあ、よくできたディズニーのアニメ映画みたいなもので
そもそもがそういう背景で作られたものだから
イヤなら観なければいいのであって、
観た以上はそういうことに文句を言うのは野暮ということだろう。
名作ではないが、娯楽映画としては十分なクオリティを持っている映画だ。

271korou:2021/08/30(月) 16:59:18
「踊る大紐育」を鑑賞。

1949年のカラー映画で、随所にレナード・バーンスタイン作曲の歌が挿入されている(ブロードウェイの舞台オリジナルの作曲家なので)
MGMお得意のミュージカル映画。
フランク・シナトラとジーン・ケリー、そしてこの映画でのみ有名なジュールス・マンシンの水兵3人組に
ヴェラ=エレン、アン・ミラー、そして芸達者なベティ・ギャレットの3人の女性がそれぞれ絡むというストーリー。
お気軽なミュージカルとして仕立て上げられているだけに
登場人物の性格描写とか人物造型など皆無で、とにかく水兵の1日だけの休日をスピーディーに描くだけの演出。
見どころはやはりアン・ミラーの見事なタップと
これから大スターになってアステアの座を脅かすんだという意気込み十分のジーン・ケリーの
意欲的なダンス、そして人気絶頂だったシナトラの歌声、当時のニューヨークの勢いのある街の風景といったところ。
それらは観てしまえば一目瞭然の魅力なので、この映画を愉しむのに何の知識も理論も要らない。
そして、できれば大画面で圧倒されながら観たいところだが
まさか映画館で上映はされないので、そこはテレビ視聴で我慢するしかない。
でもテレビの小さな画面でも、アン・ミラーの美しい脚がチラチラと見えながらの素早い足先のタップの動きなどは
十分に堪能できる。
戦後まもなくの米国映画の圧倒的な勢いと、それに比して深みなど全く考慮にない娯楽一辺倒な映画作りが
鑑賞後に印象に残る映画である。

272korou:2021/08/31(火) 20:19:32
「汚名」を鑑賞。

ヒッチコックの1946年公開の映画でモノクロ。
時期的なものでモノクロ映画にせざるを得なかったのかもしれないが
この映画はカラーで撮影してほしかったと思わせる、もうイングリッド・バーグマンの美しさだけで
映画が成り立つくらいなので、カラーで美しく撮ってほしかったと思う。
とはいえ、見事な映画だった。
特に脚本が優れているというわけではないのだが(水準以上だとは思うが)
とにかく、きちんとした設定の上で
主役、準主役の俳優陣が皆素晴らしい演技を披露するので
その演技を観ているだけでうっとりとしてしまうのだった。
バーグマンは美しいだけでなく、知的な女性を演じて申し分なく
美貌でかつ賢いスパイという役柄にこれほどピッタリの女優は他には居ないだろうし
ケーリー・グラントの陰のあるプレイボーイ風のスパイも
これまたよくぞ的確な配役をしたものだと感心するばかり。
さらに、クロード・レインズの役柄も演技派の男優でなければこなせないわけで適役だったし
その母親を演じた女優も申し分ない。
演技の力と、ヒッチコックらしいサスペンスの作り方で
一気に観る者を惹き込んでしまう。
allcinemaの素人コメントだと、概して不評な映画だったが
こういう映画の渋めの良さは、分かる人にしか分からないものだ。
案外、カラーで高画質だったら、評価は違ってくるのかも。

273korou:2021/09/02(木) 23:19:09
「チャイナタウン」を鑑賞。

最初は「チャイナシンドローム」か何か原子炉爆発のような映画だと勝手に思い込んでいて
いきなりハードボイルド風探偵物として始まったので、あれあれっと思い再確認すると
1970年代を代表するフィルム・ノワールということが判明。
なかなか巧く作られたB級映画で、下手なA級映画など及びもつかない面白さがある。
ジャック・ニコルソンがあまり機敏でない、スーパーマン的でない探偵を演じつつ
それなりに事件の真相に切り込んでいく様が、いかにも70年代的。
フェイ・ダナウェイも、確かに”何をしでかすか分からない”雰囲気でキャスティングされただけのことはある。
名前は当然リアルタイムで知っていたが、今回初めてその演技を観て、大いに堪能した。
公開直前に急きょ代役として10日間程度で音楽を創ったジェリー・ゴールドスミスは
さすがの職人技というか、これほどのクオリティのものを短期間で出してくるとは、もう驚きという他ない。
トランペットをフィーチャーした物悲しいメロディ、静かに哀愁が漂うメロディを聴くと
あの頃の「刑事コロンボ」とか、金曜ロードショーのテーマ曲とかを思い出し
ため息が出るほどの甘いノスタルジーに浸ってしまう。
キャストは皆素晴らしく、ポランスキー監督の演出もキマっているし(ニコルスン演じる主人公の鼻を切り裂く男として出演もしていたが
あのシーンは一度観たら忘れられないだろう)、ジョン・ヒューストンの名演も観れて良かった。
B級映画のノリだから保存まではしないが、真に面白い映画を観たという満足感は残る。
レイモンド・チャンドラーのあの名作映画2本が、この映画の直後に撮られたということで
またあの2本を観たくなったりもした。

274korou:2021/09/04(土) 23:30:12
「白い恐怖」を鑑賞。

ヒッチコックの1945年制作のモノクロ映画。
フロイトの夢分析をふんだんに織り交ぜて、極め付きは、主人公の夢の映像で
そこではダリの創造した夢が、不穏で刺激的な雰囲気を醸し出している。
イングリッド・バーグマンとグレゴリー・ペックという美男美女のラブロマンスと単純に読み解くこともできるし
今となっては古臭いフロイトの精神分析をそのまま受け取れば
この時代らしい先鋭的な心理描写に長けた映画という風にも観ることができる。
その後、こうした精神分析っぽい映画、それも何の工夫もせずにそのまま精神分析の理論を展開する映画など
あまり観たことがないので
その意味では意外なほど新鮮だった。

今の基準で言えば、かなりムリな設定もある。
特にラストは、あまりに急展開で納得できないだろう。
そもそも真犯人がそういうことだとすれば、あまりに突飛で
でも死因を考えるとそうならざるを得ないわけで
そうなると、もう少しかみ砕いてラストを演出する必要があったはずだ。
だが、そういうムリな設定も、ナマな精神分析の新鮮さとか、主役の美しさなどでかき消されてしまう映画だと思う。
それと、文豪チェーホフの甥にあたるマイケル・チェーホフという名優を観ることができてラッキーだった。
ペックもバーグマンも、このチェーホフに演技指導してもらったことがあるらしいが
その存在感は抜群だった。

個人的には好みの映画だった。「断崖」よりはずっと良い。

275korou:2021/09/06(月) 23:05:35
「禁断の惑星」を鑑賞。

最初に観た時は途中までで、かなり面白かった展開の記憶があったが、なぜか最後まで観終わることができなかった。
2度目は2000年代で、ダイスポ氏の豊富なSF映画の知識に刺激されて、ストーリーを把握できていなかった自分のために観始めたが
最初に観た印象と違いすぎて、同じ映画だろうかと疑念が深まる。そもそもが全然面白くない事務的な映画に思えたし、またしても
最後まで観ることができなかった。
そして、今回が3度目。今度は最後まで全部観た。驚くべきというか、またしてもというか、今回も1回目と2回目に観た印象と
全く違っていた。一体どうなっているのか?見覚えのあるシーンは何一つなかった。

まあ、それはともかくとして、観終わった印象から言えば
あまりにもドラマの深みがないので今観る映画としては最低レベルと言えよう。
登場人物の一人一人の行動の動機があまりにも浅はかで単純で、設定もムリすぎてついていけない。
その反面、制作の1956年という年代を考えると、実によくできた美術、セット、特撮、デザインであり
確かにその意味ではSF映画の古典という名に恥じない名作だ。

内面的に何も語るべきものがないので、批評としてはこれで終わり。
1回は観ておくべき素晴らしい美術、デザインだが
1回観れば十分だろうし。

276korou:2021/09/09(木) 15:58:10
「スパイの妻」を鑑賞。

突然、BSプレミアムで放映され、どういういわくつきのものか判らないまま録画していたものを
一気に鑑賞した。
BS8K用のドラマとして黒澤清が監督した作品で、その後劇場用映画として編集され
ヴェネツィア国際映画賞で銀獅子賞(監督賞)を受賞したということのよう。
完成度の高いTVドラマを観たときに受ける感銘と同じ種類の感動を覚えたので、
この経緯は納得できる。
allcinemaの素人評をみると結構手厳しい評価が並んでいたが
そこまでヒドい印象は受けなかった。
むしろ、蒼井優がキャストとしてある意味ハマリ役といえたし
高橋一生の物静かな佇まいも役柄にピッタリだったということで
主役2人のキャスティングの良さがこれほど光った映画は
なかなか観れないと思ったほどだ。
撮影も音楽も時代の雰囲気をよくとらえていたし
戦前日本のセットも「いだてん」のセットを借用したということで
なかなか本格的だった。
ということで、テレビドラマとしては最上級の部類に属するように思われた。
映画として最上級かどうかは、出品映画のレベルによるはずなので、何とも言い難いが
受賞作として恥ずべきところは何一つないように思う。
時代考証の甘さ、描写不足はもちろんあるのだが
それよりもラストの蒼井優の慟哭について、もう少し深めることのほうが重要だっただろう。
ラストはやや甘いと言わざるを得ない。
でもいい映画だった(主演俳優の演技を満喫するという意味において)

277korou:2021/09/15(水) 17:20:43
「レベッカ」を鑑賞。

既に観ていたかどうかあやふやな記憶だったが
(いつもの通り)全然観ていない、つまり初めて観た映画だった。
ヒッチコック監督の最高傑作の1つと言えよう。
本人は、映画製作の上でセルズニックに過剰に口出しされて不満足な出来だったらしいが
いかに本人がアカデミー作品賞はセルズニックに与えられたものとふてくされたコメントを出していようと
この作品に漂う不気味な雰囲気、イギリス郊外の不自然に豪華な建物が醸し出す不穏な雰囲気などは
後年のヒッチコック作品の最大の特色となったサスペンス、ミステリーといった要素を十分に含んでおり
まさにヒッチコック作品そのものの魅力と言えるものだ。
その不自然、不気味、不穏、何ともいえないミステリーな味という点において
「サイコ」と並ぶ傑作だと思った。
唯一の欠点は、これは皆指摘していることだが、序盤からのゆったりとした良い感じが
最後のほうで真相が暴かれるシーンに至って、あまりにも拙速で、雑で、つまらない感じになってしまったことだ。
観ている間は素晴らしいのに、これでは観終わった後の余韻というものがない。
このところ、この時期のヒッチコック作品を集中して観ることになったのだが
共通してこうした欠点が見受けられる。
誰もが認める巨匠なのに、アカデミー作品賞がこの作品だけというのも
案外、ラストの安易さが響いているのではないかと思われた。
しかし、それ以外は文句のつけようのない映画だ。
原作のストーリーの鮮やかさ、キャストの適切さ、出演する俳優陣の演技の上手さ、音楽・美術の秀逸なこと、
何よりも、ショーン・フォンティーンの可憐さ・美しさ・弱さと、ジュディス・アンダーソンの怖さ・不気味さ・強さが
あまりに好対照で、もうそれだけで画面にひきつけられてしまう奇跡のビジュアルだった。
DVDで要保存の映画である。

278korou:2021/09/16(木) 14:51:51
今日捨てたDVD
「道」
「十二人の怒れる男」

279korou:2021/09/16(木) 15:37:54
観るのを止めた映画「オブリビオン」

2013年公開のトム・クルーズ主演のSF映画。
CG、特撮を駆使した近未来の画面の美しさがウリの映画で
ストーリー、設定は、これまでのSF映画の名作からいろいろとパクって、
何とか娯楽映画に仕立てている感じだ。
それにしても、30分ほど観ても、何にも頭に入ってこないこの空虚さは
何なのか。
そもそもが、もう余程よく出来たSF映画でないと観続けることは難しくなってきている自分の感性なので
こういう映画はもうムリである。
人間というより、人形がアクションシーンを演じている感じだ。
人形と架空の乗り物、建物に溢れている空疎な映画。
最近の人はこういうのが良いのかもしれないが(素人映画批評ではなかなか好評)
自分はとても2時間も続けて観ていられない。

280korou:2021/09/26(日) 15:53:21
ネットフリックスで「あの頃。」を鑑賞。

半年前に音楽ブログで取り上げたこともあり
今現在、音楽ブログのネタに困っていることもあってww
ネットフリックスで観れることを発見して以来
視聴機会をうかがいながら観続けて、今回やっと観終わった。
ハロプロオタクの話なので、この映画の概要を知っている者にとっては
最初から期待することなく気楽に観られるというのが
この映画の最大の美点だろう。
そして、その低い要求度を十全に満たすかのような巧い会話劇によって
映画は進行していき
最後に陳腐な青春物としてのエンディングに至っても
まあ、こんなもんだろうという諦めも容易につくわけだ。
細かいキズを一つ一つ取り上げても仕方ないのだが
ただ1つだけ、エンディングはやはり松坂桃李のエピソードで締めて欲しかった。
後半は仲野大賀のドラマが中心になりつつあったので
最後のシーンでやはり仲野だと、映画全体のバランスが崩れてしまうように見えるのだ。
青春群像劇ではあるけれど、全体をアイドルへの憧れというトーンでまとめて欲しかったのである。
それ以外のキズは期待度の点でほぼ見逃せるレベルで
ある意味、非常に上手い映画作りと言えるだろう。
松浦亜弥役の山崎夢羽は本当によく似ていたし
ハロプロファンならほぼ満足のいく出来栄えの映画だったに違いない。
(とはいえ、名作映画の類でないことも確かである。所詮特殊なジャンル内での佳作ということで)

281korou:2021/09/26(日) 16:06:14
地上波(CX)放映で「鬼滅の刃 無限列車編」を鑑賞。

これは未整理な人間関係(柱関係?)が表に出ず
夢を次々と解読するような幻想的なシーンとか、アニメの特性を生かした戦闘シーン、成長する少年の心を象徴するようなシーンなど
いかにもアニメらしいシーンで統一されていて、見事に出来上がった映画だと思った。
この無限列車編の直前には、蝶屋敷・機能回復編がTVアニメで放映されていたわけだが
あまりにも雑な「柱」の描写に辟易させられたのも事実。
そこまでのジュブナイルとしての出来栄えは破綻なく盛り上がっていただけに
あれで一気に熱が醒めてしまったのだが
この「無限列車編」では、そういう雑な描写が入る隙間はなかった。
今回のアニメの出来映えを観続けて
夢のような模糊曖昧としたものを表現するときにはアニメほど最適なものはないと実感させられた。
そして、あくまでも”煉󠄁獄杏寿郎”に焦点を絞って2時間余り引っ張っていったのも正解で
そのことで逆に竈門炭治郎のジュブナイルとしての厚みが増していったのも上手いやり方だった。
だから、最後のほうの、杏寿郎の死を知ったそれぞれの柱の嘆きのシーンなどは、無意味な絵の羅列に思え
とはいえ、娯楽映画として全部の柱をスクリーンに映し出す必要もあったのだろうと推測できるのである。

まあ、柱同士の人間関係などという煩雑なものも含めて
”鬼滅の刃”なのだろうけど・・・

282korou:2021/09/27(月) 19:44:34
昨夜、テレ朝系で放映された「007/スぺクター」を鑑賞。

007シリーズ最新作が公開直前なので、前回作の「スペクター」が放映された。
久々に007シリーズを観たが、いろいろと分からない点も多く
やはりWikipediaのお世話になりながら鑑賞。
さすがにアクション部分とか風光明媚な景色を映したシーンなどは見応えがあって
2時間弱(CM挿入でかなり削られたのでカットされたシーンも多かった感じ)の映画でも
あっという間に観終わった。
現在のボンド役のダニエル・クレイグになって以来
ほぼ続き物のような体裁になっているようで
「カジノロワイヤル」「慰めの報酬」「スカイフォール」「スペクター」「ノー・タイム・トゥ・ダイ」が
悪の組織の根源に迫っていく5部作のようになっていて、登場人物の関係など
Wikiの記述を読んでおかないとよく分からないくらいだった。
また007シリーズ初期に発生した権利関係のトラブルが21世紀になってから解決し
この「スペクター」から猫を抱いた悪役スペクターが復活したという裏事情もある。
それらを含めて、思ったよりも面白く観ることができた。
今回は、字幕・副音声などのデジタル信号が完璧に付いていたので
再生装置側で字幕スーパー映画として観ることができたのだが
以前録画した分については、必ずしも字幕信号が付与されていないようで
日本語を喋る007となると、まさに昔観ていた時の感覚を思い出すしかない。
20年ほど前に007シリーズを観た時には
逆に英語で聞き取る007なんてと思った記憶があるのだが
感覚なんて変われば変わるものだ。

283korou:2021/10/05(火) 16:49:44
「アリー/スター誕生」を鑑賞。

ブラッドリー・クーパーが監督・主演した映画で
レディー・ガガをヒロインにした、かつて何度も映画化された作品の現時点での最新リメイクということになる。
クーパーもガガも歌は素晴らしく、また演技も申し分なかった。
ただし、その割には映画としての感銘度はそれほどでもなかったのは何故なのか。
脚本の完成度が低いので盛り上がりにくいというのはあるだろう。
あえて「スター誕生」にオマージュする必要はなかったのだ、これほどの歌唱と演技力があれば。
元のストーリーにひきずられて、映画そのものが内包していたストーリーを展開できず
中途半端な印象になってしまった。
映像面でも、これはallcinemaの素人批評のとおりで、クローズアップを多用し過ぎて息苦しかった。
演出として、主人公2人の愛情劇としたかったので、そういう手法になったのだろうが
これは愛情劇とした演出のミスだろう。
どうにでもなる劇というか、完成度の高い演技でどう演出しても大丈夫なはずで
ここは、もっと劇として深めてほしかったところだ。
となれば、クローズアップも多用せずに済み、息苦しさもなかっただろう。
結局、企画の段階で失敗だったということか。
元の案どおりに、ビヨンセで撮っていたらどうなっただろう。
ディカプリオ、ウィル・スミスなどが主演していたら、クーパーのあのハイレベルな歌唱には至っていないはずで
全然別の映画になっていただろうし。
イーストウッド監督が捕っていたら、これも別の映画になっていた。
結局、企画はまずかったのだけれど、最終的に主演に人を得て
話題の映画としてはまずまずの内容で収めた、感動を与えたということなのだろう。
個人的には、企画の段階でのミステイクを、観ていて痛切に思った映画だった。

284korou:2021/10/07(木) 20:28:44
BSプレミアムで1943年制作の「無法松の一生」が放映された。
録画予約までしてみたのだが
実際に映像を目にして、あまりの画像の不鮮明さに唖然となる。
白黒映画でコントラストも弱く、何より輪郭がぼやけているのが致命的。
阪妻は観たいのだが、ちょっと目が疲れすぎる恐れがあるので、録画を中止。

285korou:2021/10/13(水) 15:38:59
最初の30分観て、止めた映画・・・「ノスタルジア」(タルコフスキー監督、1983年作品)

独特の映像美は分かる。
信仰の問題を取り上げる真摯さも伝わってくる。
ただ、長尺のカットに耐えられない。1分以上、何も起こらない室内の風景を観続けることが苦しい。
昔だったら、これも芸術だと思っていたのだが。
すでにDVDを整理する段階になっている以上、興味が続かない映画は観続けられない。

286korou:2021/10/14(木) 17:33:11
最初の30分ほど観て止めた映画・・・「ゲームの規則」(ジャン・ルノワール監督の1939年の作品)

フランスに20世紀最初の時期まで存在したであろう貴族の物語である。
裕福な貴族と、その周辺で生きる友人、愛人たちが
いろいろな人間関係を繰り広げ、複数の恋愛のもつれをメインに演出した
最近ではほぼ見られないジャンルのモノクロ映画というべきか。
それにしても、時代ばなれした言動、振る舞いが続き
今の自分としては、こうした特殊な階級のみに存在する特殊な人間関係を描いた作品には
どうしても感情移入ができないのである。
allcinemaなどでは、結構高評価を与えている人も居るのだが
自分には観続けることはできなかった。

287korou:2021/10/14(木) 22:07:38
「セレンディピティ」を鑑賞。

お気楽なラブコメディなので、特に書くべきことはなく
ただひたすら主演2人のスターのオーラに浸っていればいい映画である。
特に、ケイト・ベッキンセイルという女優の美しさには惹かれるものがあった。
アジア系の血が入っているらしいので、どこかでそれが引っ掛かっているのかもしれない。
偶然性というものを取り上げた映画だし、細部のツメはデタラメだらけだし
人物描写は主役2人とあと数人以外はむちゃくちゃだし
いくらでもツッコミどころのある映画だが
そこは黙って見過ごすのが大人の映画鑑賞だろう。
2001年公開のアメリカ映画(まあ、こんなお気楽な映画はハリウッドでなければ作れない)

288korou:2021/10/26(火) 15:12:21
「ケイン号の叛乱」を鑑賞。

1954年制作のハリウッド映画で、その年のアカデミー賞に数部門でノミネートされた作品(受賞はナシ)。
出だしから恐ろしく古臭い感じの映画丸出しで
音楽はマックス・スタイナーの重たい感じ、映像もモノクロ映画に後から色彩を足したような感じ、
俳優陣も男臭い男優をこれでもかこれでもかと集めて渋く演技されており
脚本に至っては、女優の混ぜ方が素人同然、全体の作りもかなり古風だった。
それでも映画を前へ前へ進めていく推進力は抜群で
2時間もの間ずっと飽きさせずにストーリーを進める手際は見事。
(もっともこういう軍隊モノの映画は嫌いな人には無意味なのだが)
確かにハンフリー・ボガードの演技は世評通りで素晴らしい。
精神は病んでいるのだけれども、頑張って普通にふるまっている人物を演じるという演技は
この時代にあっては珍しい類なのだが
それをボギーのような大物俳優がちゃんとこなしている、全く違和感なく演じているのには
驚かされた。
主役っぽく演出されたロバート・フランシスは
この映画の直後に飛行機事故で急死しているので全く馴染がなかったが
その事故がなければ、西部劇などで活躍していたに違いない。
全体に俳優の演技がハイレベルで、そこが飽きずに観れる最大の要因なのだろう。
まあ、あまり興味のもてないストーリーだったけれど
そのなかではまあまあ観るに値するといったところだろうか。

289korou:2021/10/27(水) 20:56:48
「ブラックレイン」を鑑賞。

何度も観かけて最初の数分で止めていた映画。
「タクシードライバー」「スティング」と並んで、その止めた回数は尋常でないので
映画(映像)をずっと観続けていられる視力を維持している今、ぜひ観ておかなくてはと思い鑑賞。
もともと、高倉健、松田優作、若山富三郎といった大物俳優がハリウッド映画にそろって出演したということで
その演技が、マイケル・ダグラスなどの名優とどう拮抗していたのかと確かめたかったわけだが
案外、松田優作のセリフ、人物描写あたりがいい加減で、そこは残念でならなかった(まして遺作になるわけだから)。
高倉健も、外人には「健さん」の重みが分からないせいか、どうも不自然な動きになってしまう。
若山富三郎だけは、そんなテキトーな脚本であっても、十分な重みを感じさせ、これは適役だったと思う。
何よりも、この映画は評価が難しい。
リドリー・スコット監督が考えた猥雑な日本風景というものが
すでにその当時の日本では消滅していたにもかかわらず
結果的に、単なる日本への異国趣味に止まらず、これだけの映像美に凝縮して見せたのだから
さすがである。
しかし、肝心の本筋のアクション部分がいかにも雑で、人物描写は都合よく処理されていて
全体に低レベルなB級映画感が拭えない。
しかし、それにしては、妙に惹き付ける魅力があって、それが何なのかはよく分からないまま
一気に2時間ほどの映像を観続けることができるのである。
人によって評価は異なると思うが、普通のアメリカ人にとってはリドリーにしては不出来な感じを受けるだろうし
逆に、日本の映画ファンにとっては、
作品の出来栄え以前に、不思議な日本の風景と、日本の大物俳優の共演だけで
かなり惹かれるものがある映画だと言えるだろう。

290korou:2021/11/02(火) 18:30:04
「フリック・ストーリー」を鑑賞。

1975年のフランス映画。アラン・ドロンとジャン=ルイ・トランティニアンが共演。
ドロンが刑事役でトランティニアンが悪党役なのだが
どちらかというと逆の配役のほうが普通に観れるはずである。
ドロンもトランティニアンも演技力はあるので
そのあたりは新鮮に見せていてそれなりに説得力も出ていたが。
ストーリーはこれ以上ないほどシンプルで
少々雑に観ていても話が分からなくなるということは(絶対に)ない。
まさに名優2人に映画の魅力を預けているようなスタンスで
話の展開も、2021年の今となってはかなりスローモーに見える。
この種の映画は今まで何度も観てきたので(「ボルサリーノ」とか)
もういいかなと思いつつ
アラン・ドロンほどの名優でも意外と代表作というものが少ないことにも気づいたので
結局最後まで観てしまった。
もう何度も味わった60年代フランス娯楽映画の静かな佇まい、オーソドックスな劇展開、
今回もまたまた味わって、他の国の映画とは違う何とも言えぬオシャレな印象が残った。

291korou:2021/11/04(木) 14:17:32
「博士の異常な愛情」を鑑賞。

1964年のスタンリー・キューブリック監督作品で
もう何度も観かけて止めて観かけて止めて観かけて止めた作品だ。
観終わって分かったことは
題名の「博士の異常な愛情」はしてはいけない意訳で
核兵器を題材にした映画で”異常な愛情”とくれば、そういう嗜好の科学者が社会を混乱させたという類の
サイエンスへの風刺映画かもしれないという誤解を生むだけだろうということだ。
これは登場人物にストレンジラブ博士という人が居るだけの話で、それ以上の意味はないのに
こんな邦題をつけてしまっては鑑賞以前に台無しである。
キューブリックはこのことを知らなかったに違いない(知っていたら激怒だろう)。
自分もサイエンス関係の風刺映画だとずっと思っていたので
今までこの映画をブラックコメディ映画とは知らず、ひたすら慎重に扱い、
うっかり観てはいけないシリアス物だと誤解していた。
物凄く損をした気分である(僕もこのアホな意訳に激怒だ)。

観終わった後、映画の解説をざっと読んでみて
ピーター・セラーズの一人三役には驚かされた(観ている間は全然気づかなかった)。
それと、演出が雑なので、解説を読んで初めてストーリーの細部が分かり
これもマイナス点である。
ブラックコメディとしては確かに良く出来てはいるが
これは20年以上前にこの監督の特集映画祭を敢行したときに気付いたことではあるが
自分にはこの監督の感性は合わないということをさらに感じた。
もっとシャレたやり方はあるだろうけど、キューブリックはそういう演出はしないのである。
残念だけど、自分にはこういうタイプの名作は
名作であることは直感で判るのだけれど、それ以上の感想は出てこない。

292korou:2021/11/08(月) 20:43:36
観るのを止めた映画。
「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」

1942年の米映画、同年のアカデミー賞で主演のジェイムズ・ギャグニ―は主演男優賞を受賞している。
ギャグニ―の個性は目ざましいものがあるが
全体にセリフ回しの古臭さが感じられ、微温的なストーリー(予定調和?米舞台の大物コーハンの伝記映画だが成功は約束済み)
と相俟って、観ていて非常に退屈する。
ギャグニ―がコーハンを見事に演じていることに高評価が集中している映画だが
これはカラーで踊り中心に観たかった。
モノクロで古風な会話が続くミュージカル映画は、ちょっとねえ・・・

293korou:2021/11/15(月) 17:22:10
観るのを止めた映画、機会があればまた観るかもしれない映画。

まず、観るのを止めた映画「戦火の馬」。
スピルバーグの2011年制作の映画で、いくらか期待して観始めたが
結局、馬が中心の映画のようで、そうなると全く興味が持てなくなった。
映画がどうのこうのというより題材への好みの問題。

「エド・ウッド」は、1950年代にカルトな映画ばかり作ったヘンな映画監督の伝記映画。
ただし映画は正攻法で作られているため、思ったほど怪奇趣味ではなく、ガッカリ感が強い。
モノクロ映画を観たくない気分でもあるので後回し。

294korou:2021/11/15(月) 17:36:00
「ワーキング・ガール」を鑑賞。

3本ほど鑑賞中止が続いたので、どうなることかと観始めた映画だったが
これはオーソドックスな、いわゆるベタな娯楽映画だったので、すぐに観終わることができた。
ベタな展開だが飽きさせないのは、シガニー・ウィーヴァーのがっちりとした堅い感じのコミカルな演技と
観る者を安心させない中途半端な魅力のヒロインを演じたメラニー・グリフィスとの対比が見事だからだろう。
働く女性についての問題提起とかそういう方向ではなく
純粋に娯楽映画に振り切ったところも
無難に成功を収めた要因だろう。
ただし、それ以上の中身はないのも確かで
人物像がストーリー展開に都合よく描かれていたり
やや安易なラストの急展開などもいかにもハリウッド娯楽映画といった趣きだ。

295korou:2021/11/22(月) 17:14:51
「カラマーゾフの兄弟」を鑑賞。

全部で4時間弱ある大作で、かつてBSプレミアムで全三部作として3日連続で放映されたのだが
それを録画した際(録画はしながらも)こんな長時間の大作を観る機会があるだろうかと
自分でも怪しい感じだったのは記憶していた。
それが、今月になって、Eテレの「100分de読書」で「カラマーゾフの兄弟」が特集され
著名な翻訳者である亀井郁夫氏の鮮やかな解説、伊集院光の率直で小気味いい感想などを観ているうちに
原作を振り返りたくなり、それならば映画が最短でレビューできると気づいたので
半信半疑で観始めた。
第一部は、全体の設定とか前提となる事実、環境、人物描写などてんこもりな部分を
短時間で消化しなければならないので、さすがに説明不足の部分も見られたが
それはなんとかネットを駆使して補うことができた。
そして、第二部からは怒涛の演出というべきか、もともとミステリー要素もあるストーリーなので
そこをきっちりと映像化して、映画としての魅力十分なものに仕上げているのが分かり
第二部、第三部は、全く退屈せず一気に観ることができた。
俳優陣の演技は、このところ観続けているハリウッド映画の俳優たちの演技とは少々異なり
軽み、ユーモア、ペーソスなどはないものの、熱意、雄弁、的確な性格描写に全く違和感なく
この哲学的な要素も大きい物語にふさわしい演技で、十分に堪能できた。
また、原作が原作だけに、巧みに映像化された魅力が最優先の映画であっても
そこには宗教、神といった日本人には難解な内容を含むセリフが、ごく普通に出てくるのも、ある意味新鮮だった。
とはいえ、それでも、どう演出しようとも、原作が言葉で突き詰めた世界には到達できていないだろうことは
十分に推測できたのである(やはりここまでくると映像表現の限界ということを思わざるを得ない)。
しかし、そういう不十分さがあっても、俳優の演技から伝わるものはかなりのもので
感銘深い映画であることは間違いない。
この原作の映画化でこれほど成功しているとは、想像を超えていた。

296korou:2021/11/23(火) 16:19:24
「羅生門」を鑑賞。

「カラマーゾフの兄弟」を観終わったので
文藝モノという共通項で、以前から観切れていなかった「羅生門」を観たくなり鑑賞。
1時間半という短い映画なので、一気に観切れたが
意外というか何というか、肝心なところでダラダラとしたカメラの長回しが多く
何か所かは睡魔で見逃してしまったのも事実。
あと、セリフの何か所は何を喋っているのか聴き取れず、これも古い映画なので仕方ないのだが
総合的に評価する場合、こうした古さはかなりマイナスになるだろう。
時代を超えて素晴らしいと思うのは
やはり宮川一夫のカメラワークが完璧というか、これほどモノクロの光と影を駆使した映画は
他になかなか見当たらないのではないか。
音楽も良いのだが、途中でラベルの「ボレロ」を真似たようなものを挿入したのは
クロサワの失敗ではないかと思う(しなくてもよい余計な遊び心。でもクロサワだから誰も止められない)。
俳優陣の演技は、皆演技力ある人ばかりだから、期待通りというか
世界にミフネの実力を示すには、この映画の演技で十分だっただろう。
クロサワの昭和20年代の映画としては可もなし不可もなしといったところだが
昭和30年代の作品のようなダレた感じが、この映画あたりから出始めているのも間違いなく
なかなか安定した作品作りができないのがクロサワのクロサワたるゆえんだ。
まあ永久保存するほどの映画でもないかな。

297korou:2021/11/30(火) 17:21:58
「私の頭の中の消しゴム」を鑑賞。

以前から気になっていた映画だったので、今回BSプレミアムで放映されたのを機に録画、そして一気に観た。
記憶喪失がテーマの映画という予備知識だけあったので
それが1時間経過しても出てこない展開には驚いたが
逆に、この映画を「お涙頂戴が露骨」「演出過剰」という風にとらえる人たちは
この映画の前半をしっかりと観ていないということになる。
前半の展開はチョン・ウソン演じるチェ・チョルスの物語であり
実をいうとこの部分の演出はぎくしゃくとしていて、かつ突飛でもあり説明不足の感が強い。
後半は、若年性アルツハイマーのせいで記憶を失いつつあるソン・イェジン演じるキム・スジンの物語になり
この部分は物語の展開が早くて、しかも劇の要となる部分だけに、観る者の心を惹き付けるものがあった。
こうして考えると、allcinemaのコメント欄に書いている全員が浅い気持ちでこの映画を批評していることが分かる。
その原因は前半の部分の未整理感に由来する。この部分を皆忘れている。

その未整理感を自分なりに整理して思い直してみると
これは見事な青春映画なのだと改めて実感できる。
決して、アルツハイマーを材料に聴衆の涙を露骨に誘おうとしている低級映画ではないのである。
チェ・チョルスはもっと立体的に描かれるべきで、後半のスジンの物語のなかでは勘違いでも人を殴ったりしてはいけないはずだった。
また、スジンの父親にも、心の在り方を変えた自分を、それなりの言葉で説明して、
変わり果ててもスジンを引き受けるということを、劇的な展開で演出してほしいところだった。
その点、ソン・イェジンは、粗雑な演出のなかでもきっちりと感情表現を見せていて
さすがの名女優だなと思わせた(その後「愛の不時着」の主演女優であることを再確認し、やはりというか驚き)。

こうしてみると、名作には違いないし、ソン・イェジンの名演は光るが、永久保存のレベルではないと納得。
とにかくスタッフのレベルがイマイチ。

298korou:2022/01/13(木) 17:41:45
「岸辺の旅」を鑑賞。

2015年の黒沢清監督の映画、主演は深津絵里、浅野忠信、原作は湯本香樹実。
いきなりのファンタジー風味で
そのテイストに深津絵里はどっぷりとハマるのだが
肝心の浅野忠信がどうにもハマらない。
それでも、オムニバスのような構成の第一話の作り方はオーソドックスで
カメラワークも納得できたのだが
第二話の話は陳腐な感じがして、いかにファンタジーといえども
辻褄が合わなさ過ぎて醒めてしまう。
そこから第三話の間の短いエピソードに蒼井優演じる女が登場し
ここでのカメラワークが(多くの人が語るように)この映画で一番怖かった。
考えようによっては嫌悪感を催させるほどの怪演だったが
それをこの映画の風味に落とし込んだのは
深津絵里の演技力と脚本の妙だろう。
第三話はこの物語の肝なのだが、それにしては決め所が弱かった。
浅野演じる主人公の生前での慕われぶりの描写については
演出の方向を間違っていると思えるし
クライマックスで暴れそうになる男の演技も
取ってつけたような嘘臭さで白けてしまう。
そんなボロボロの演出の末に、夫婦が抱き合うクライマックスなのだから
この時点でこの映画は物語としては破綻している。
しかし、この映画がカンヌで絶賛され賞を受賞したりすることについては
非常に納得できるのだ。
この静かな佇まい、西洋のそれとはテイストが異なるファンタジー風味、映像からにじみ出る死生観、
どれをとっても外国で高評価されて当然だと思う。
そして、物語としては破綻しても、それだけの要素を自然に詰め込むことができるクロサワの技量も
同じ日本人として絶賛に値すると言わざるを得ないのである。
空気、質感、テイストを味わう佳品映画。

299korou:2022/02/03(木) 13:54:46
観るのを止めた映画「ミザリー」

一般的には評価が高い映画なのだろうけど
何しろ狭い室内でかなりのケガを負った男性作家が
狂気に近い女性ファンに脅されまくるという設定のせいで
作品世界へ没入できない(これは個人的な感覚の問題なのだが)。

さらに言えば
(そのマイナス部分を明確な言葉で指摘できないのだが)
この映画は、重要な何かを平気で打ち破ってしまっていて
そのことに気付かない無責任さが画面からにじみ出ているようで
観ていて不快なのである。
あまり滅多に感じない不快感なのだが、何だろう、これは・・・

300korou:2022/03/08(火) 14:27:13
ほぼ2カ月ぶりに映画を全部観た。
「天河伝説殺人事件」(1991)

内田康夫原作の人気シリーズを市川崑監督が演出し
角川春樹によってシリーズ化される予定だった浅見光彦モノの第1作。
角川春樹が逮捕されることになったため
シリーズ化は見送られたものの
原作者が榎木孝明の浅見役を気に入ったため
その後テレビでシリーズ化されたという経緯がある。
市川崑が脱力感満載であっさりと撮り
それでもさすがの美しい画面満載で
さらに能の世界の暗い荘厳さと、当時の東京の街の猥雑さ、吉野の里の鄙びた感じを
見事にコントラストとして描き分けたあたりは
巨匠の面目躍如といったところ。
ただし、相変わらずセリフ部分の工夫の無さとか
ミステリーを扱っているのにすぐに展開が読めてしまう演出の稚拙さなどは
金田一シリーズ同様、物足りない(序盤で観続ける意欲がなくなるくらい拙い)。
俳優陣の演技はさすがで、これだけのキャストなのだから
もっとセリフの場面で工夫があっても良さそうなものだが
そのなかでも、日下武史、岸田今日子、神山繁の演技は落ち着いていて見応えがあり
何よりも岸恵子がうまく映画の急所を救っていたと思う。
皆が皆上出来と思える映画ではないのだが
楽しめる人には十分満足できる映画だと思った(序盤の拙さだけ我慢できれば、という話)

301korou:2022/03/10(木) 13:55:55
途中で観るのを止めた映画
「A.I.」

部分的には面白いところがあって、最初の50分ほど観続けたが
母親がA.I.を森の中に捨てるシーンがあって
これは絶対にあり得ない展開なのでそこで終わり。
何たる雑なアメリカ映画、この設定ならもっと良い展開は可能なはず。

302korou:2022/07/22(金) 16:30:11
「燃えよドラゴン」を鑑賞。

興味本位で観始めたが、案の定低レベルなB級映画だったので
観続けるかどうしようか迷ったが
2倍速で観るという最近のトレンドを試そうと思いつき
倍速、3倍速を混ぜながら、後半の1時間20分ほどは40分くらいで観終わった。
映画撮影の基本的なパターンを無視した素人っぽい撮影とか
お約束でもあるリアリズムの無視とかが続くので
映画としては評価はムリである。
ブルース・リーの佇まい、動きは
確かにあの流行った時代を想起させる見事さがあった。
それだけの「動画」である。

303korou:2022/08/27(土) 15:51:48
「スティング」を鑑賞。

どんでん返しで有名な映画なのだが
最近は大抵の意外な結末ドラマについては
見当がついてしまうようになったので
かつて初めて「情婦」(ワイラー作品)を観て驚いたときのような
強烈な印象までには至らなかった。
しかし、それ以上に印象的だったのは
実に凝った作り、丁寧に作られた脚本の質の高さである。
今のハリウッド映画には、この緻密さなどまるでないのだが
この時期の映画には、時々このような丁寧さが感じられるものがあった。
最初から惜しみなく「騙し」のテクニックを駆使してくるので
観る側も緊張感を持って観続けることができ
一気に観終わってしまうわけである。
文句なしの傑作と言ってよいだろう。
巧い配役、渋い演技、レトロな色調、ノスタルジックな音楽、ハラハラドキドキの展開、
いろいろな賛辞の言葉が可能だ。
決してレッドフォードとP・ニューマンという二大スターの名声に寄りかかった
プログラムピクチャーではないのである。

304korou:2022/11/16(水) 20:44:12
観るのを止めた映画・・・「天地明察」

全部で2時間20分程度の映画で
1時間20分ほど観続けて止めることにした。
そこまでの間でも平凡な出来ばえにうんざりはしていたが
我慢して観続けていた。
しかし、ふと暦を家業とする貴族の連中が改暦へ示した拒否感について
ほとんど説明がないことに気付いた。
なぜ彼らはそこまで改暦を嫌悪するのか?
話の核となる部分なのに、そこが全く描かれないのは
あまりにも不自然。
さらに、幕府の事業であるのに簡単に夜襲に遭い
その後、そのことが由々しき事態として論議されないのも不自然。
何事もなかったかのごとく、次の天体観測が始まっている。
このへんで、もう観続けられなくなった。
平凡で何の工夫もない演出の上、主役の岡田クンには不似合いな静かな主人公でもあり
さらに不自然な話が連発となると
もうどうにもならない。
原作も平凡だったけど、辻褄だけは合っていたという記憶がある。

305korou:2022/12/01(木) 21:28:28
「蜜蜂と遠雷」を鑑賞。

ふと過去ログを見ると、今年は全然映画を観ていないことが判明。
まあ、この映画も、鈴鹿央士クンが出ていなかったら観ていないかもしれなかったが。
鈴鹿クンは、初映画というかほぼ芸能界初仕事のようなものに
大きな役を与えられていて、驚くほど無難にこなしていた。
主役の松岡茉優は、こういう映画の主役には向いていないと思った。
結構大変な役なので、演技力の引き出しが必要だが
そのへんが十分でなかった。まあまあ好きな女優なのに、これは残念。
全体に、劇を見せるというより、人間模様を淡々と描く感じで
その割にはエピソードが単調で、サッパリ盛り上がらない、というか起伏に乏しい。
流れてくる音楽が美しいので、飽きは来ないが
映画を観たという充実感には程遠い。
終わってみれば、新人鈴鹿クンの存在感が意外だったという映画。

306korou:2022/12/05(月) 16:26:43
「バニラ・スカイ」を鑑賞。

難解な映画だった。事前の情報を間違って読んでしまい、近未来へ行ってしまう男の話だと思い込んでしまったのも失敗だった。
というか、近未来へ行ってしまったということが確実であれば、それなりに解釈は可能なのだが
必ずしも近未来へ行った話とは言い切れない、どこまでも夢と現実が交錯して解釈が多様になってしまう映画なのだから
始末が悪い。
ペネロペ・クルス演じるソフィアの家を出て、いったん自分の家に戻って寝てしまうシーンさえあれば
もっと面白い想像も可能だったが、そんなシーンはなく、いきなりキャメロン・ディアス演じるジュリーの車に乗ってしまうので
そこまでは、どう考えても現実ということになる。
そして、悶々として家に閉じこもっている間に、夢が始まるという設定であれば
最後のシーンはソフィアの声ということも可能だが
やはり、ソフィアはそこまでトム・クルーズ演じるデヴィッドに尽くすはずもなく(出会ったばかで、一度しか会っていない。しかも
恋人が居るので、そう簡単に乗り換えたりはしないだろうと想像できるので)、となれば一体誰だということになり
この想像はリアリティに乏しい。
ゆえに、映画のなかで説明される設定通りに考えるしかなく、あとはLEという会社の説明通り150年後に現実に戻ったのか
あるいはデヴィッドの潜在意識が、ソフィアとジュリーの取り違えという「バグ」を生んで、さらに「バグ」が「バグ」を生む暴走の結果
150年経つ前のはるか以前に目が覚めてしまったのか。
すでに「バグ」を生じた以上、後者と考えるほうがリアリティがある。
150年後という設定になれば、全く新しい世界でデヴィッドが生きることになり、そこにはジュリーへの贖罪を具体化するきっかけはない。
しかし、わずか数日後という設定であれば、ソフィアとその恋人ブライアンは現実の世界で生きているので
その関係性からジュリーのことを真剣に考え直すことは可能になる。さらに自殺未遂ということで、社長職からも追われることになるが
それもデヴィッドという人間には大きな試練となり、彼の人生はそこで大きく変われる可能性がある。
まして夢の中で苦しみ抜いたのだから、変わる方向のほうにリアリティがある。
彼は、自身のルックスも富も自慢にできない境遇になり、そこでジュリーへの仕打ちへの反省を胸に秘め
新しい人生を歩むことになる(ソフィアに対して感じた自身初の真の恋愛感情がその人生の出発点)。
やっと、この映画の核心をつかむことができた。
それにしても複雑怪奇で、ネットのネタバレ解説サイトを観ないと、ストーリーさえ全く分からなかった。
映画技術としては平凡だが(シーンの組み込み方が下手くそ過ぎ)、映画全体が訴えてくるものは深いものがあった。

307korou:2023/01/15(日) 12:43:40
「ニューヨークの恋人」を鑑賞。

典型的な”お手軽ラブコメ”で
一言で言って、ヒュー・ジャックマンのセクシーな男の魅力を楽しむ映画だ。
男性の視聴者としては、ヒロインのメグ・ライアンのキュートさを楽しみたいところだったが
彼女の配役設定があまりにも平面的なキャラで
かつ、残念なことに加齢によるキュートさの減退も見えてきて
男性にはあまり楽しめない映画になってしまっている。
それでも何とか最後まで観続けれたのは
さすがに同性でも納得せざるを得ないジャックマンの美貌のせいであり
演技も見事だった。
無茶苦茶というか、いい加減というか、こんなデタラメなストーリー、設定なのに
ジャックマンだけは落ち着いた感じで説得力ある演技を続けていて
それが、設定の伯爵っぽくもあり、しっくりきたということでもある。
とはいえ、恋愛が成就するという結末にするのであれば
いかにラブコメでも、もっと丁寧に恋愛シーンを作り込んで欲しかった。
この男女がどうして恋に落ち、片方は仕方なく失恋したかのごとく過去に戻り、片方はキャリアを捨ててまで
男を追いかけて過去に旅立ったのか、何の説明もなく、それが映画の核心なのだから、とんでもない映画になってしまっている。
設定がデタラメなのはラブコメなのでどうでもいいが、そこは作り込んで欲しかった。
ということで、1回観ればそれで終わりの”現実離れしていてリアル感ゼロだが美男美女なのでついつい観てしまう二流ラブコメ”
という評価となる。

308korou:2023/01/29(日) 21:14:47
「ボルサリーノ」を鑑賞。

かつて観た時は、その静かでカッコ良い二大スターの立ち振る舞いに感服したものだが
今回観て、そのテンポの遅さに驚いてしまった。
途中から二倍速で観て、それでちょうど良い速さになり観やすくなったくらいである。
もともと単純なストーリーなので、案外その古さが目立ってしまうのだろう。
ベルモントもドロンも当時は大変なスターだったが
今や古(いにしえ)の映画スターでしかない。
ファッションも髪型も表情も喋り方も
残念なことだが
とても古臭い。もはや現在のスターではないという
残酷な真実。

309korou:2023/02/23(木) 15:55:09
「ゼロの焦点(2009年・東宝)」を鑑賞。

二度映画化されているこの小説の2回目のほうの作品である。
以前BS朝日で放映され、それを録画してDVDにおとしてはいたが
今回BSプレミアムで放映されたので、様子見で最初のほうだけ観ようと思い観始めたところ
スムーズな流れで観やすかったので、ついつい一気に全部観てしまった。
部分的に惜しいところが数か所があるが(鹿賀丈史演じる会社社長がムダに冷酷に描かれていて、その冷酷さの必然性に乏しいことや
ラスト近くで流れる「オンリー・ユー」が不自然なこと)
全体として納得できない描写が少ないことや
ストーリーが把握しやすいようにテンポよく演出されていたことは
大いに評価できる。
原作を上回る感動こそないが、こうした適切な視覚イメージがあれば
原作を読む際に大いに役立つだろうと思われる。
昭和32年という時代を表現することは
2009年という時期にあっては至難に近く
その意味では、よくここまで再現できたなと思った。
ただし、なぜ「ゼロの焦点」なのかもっと演出で強調してほしいし
人物描写がスムーズすぎて当たり前すぎて、後にひっかかるものに乏しい点などは
文芸映画として、どうしてもB級と評価せざるを得ないのも事実である。
観ていて十分惹き込まれたし、致命的欠点もないのだが
永久保存の名画かと言われると疑問符がつく、そんな映画である。

310korou:2023/04/01(土) 10:38:08
観るのを断念した映画 「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」(2017)

ゲイリー・オールドマンがチャーチルを熱演し、アカデミー賞主演男優賞を受賞し
その巧みで綿密な(長時間を要する)メーキャップ効果で高評価を得たカズ・ヒロ(辻一弘)も
アカデミー賞メーキャップ賞を受賞している作品。
しかし、それ以外では特に観るべきところもない凡作である。
この種の映画だと、主人公が敵対する相手のことも描写しなければならないはずなのに
ドイツ側の描写が全く描かれずナレーションによる説明だけで
もっぱら英国内の政治事情だけが描かれ
単なる孤独な名首相というイメージで終わっている。
そして、ルーズベルトがチャーチルにはどう見えていたのか
それが映画の肝になり得るはずなのに
最初の30分で同盟国の動向など描写が皆無だ。
もう戦後70年以上経っているのだから、そんな平板な映画を作ってどうするのか。
そうした映画が、日本の映画サイトのコメント欄で結構な高評価を得ているのだから
(米国でさえアカデミー賞で多くノミネートという有様)
この種の映画が育たないわけである。
やはり政治映画は、その直後でないと緊迫したものができないのだろうか。
主演のオールドマンは見事だけに残念。

311korou:2023/05/22(月) 22:37:40
BSプレミアムで5/3に放送していた「イエスタデイ」を鑑賞。

2019年に公開された作品で、ビートルズが存在しないパラレルワールドへ偶然行ってしまった主人公が
ビートルズの楽曲を自作と偽り大成功を収めるという設定が、微妙にファン心理を突いていて話題となった映画だ。
主役はアフリカ系俳優で、素人映画評では皆インド系と勘違いしているが、確かにインド系の顔つきでもある。
その相手で、ラブコメでもあるこの作品でのヒロインは、「シンデレラ」の実写映画でシンデレラを演じたのだから
結構有名な女優なのだと思う(ただし、それは観終わった後に調べて知ったことで、観ている間は普通に可愛い人くらいに思っていた)
allcinemaのコメントで、ことさら脚本の酷さを次々に書きまくっていた人がいたが
そこまで酷評されても仕方ないほど、ツッコミどころ満載のテキトーなストーリーだとは思った。
しかし、随所に流れるビートルズの楽曲、それも曲全体を流さずにこま切れに聴こえてきてすぐに消えるので
聴こえてきた瞬間の嬉しさがいつまでも脳裏に残り、その積み重ねがストーリーの酷さなどを忘れさせてくれるのである。
結果としてよくできた映画だと思った。ビートルズの楽曲を断片的に使うだけで佳作映画が出来上がるのだから
この映画のプランを考案した人は大したものだ。
個人的には、上記ヒロイン、リリー・ジェームズが可愛くて、まあまあファンになってしまった。
「シンデレラ」でも観ようかと思ったくらい。
まっ、永久保存というわけにはいかないが・・・

312korou:2023/06/27(火) 17:05:14
「イージー・ライダー」を鑑賞。

いわゆるニューシネマの代表作だが、他のニューシネマと違って
徹底的に当時の若者の気分、トレンドを深く取り入れていて
まさに60年代後半を代表する映画と言ってよい出来栄えだった。
映画全体に漂う閉塞感、孤独感、焦燥感が
いかにも60年代後半ぽくって懐かしい。
観ようによってはツッコミどころ満載の素人作品ともいえるが
そうでもないと、これだけ突っ込んだ映画にはならなかっただろう。
トリュフォーが
クロード・ルルーシュの真似としてこの映画の独創性を否定しているらしいが
彼にはアメリカの闇が理解できていなかったのか。
この映画での頻繁なカットは、ルルーシュのシンプルな映像技巧とは似て非なるもので
この映画が描きたかった精神模様とリンクしている映像なのだと思う。
全体に贋物っぽいのも、青春の贋物っぽさとリンクしている。
だから、分からない人には絶対に分からない映画で
感覚としてつかめなければ、ニューシネマの特徴だけをつまんで批評するしかないだろう。
自分には、感覚として実感できるので、この映画の多くの欠陥に目をつむることは可能だ。

でも2023年に永久保存する映画ではないな。

313korou:2023/06/30(金) 10:29:13
「メジャーリーグ2」を鑑賞。

前編「メジャーリーグ」は未見だが
こちらは石橋貴明が出演している続編である。
石橋がこの映画のタカ・タナカ役で有名なこともあって
ジャッジやトラウトとも簡単に会うことができたらしいが
その様子をABEMAの番組で視聴できるようなので
予習を兼ねてこの続編のほうだけ観ることにした。
(映画は昨日全編鑑賞済み、ABEMAの番組は昨夜視聴できた)

映画としてはB級映画の最たるもので
ただ単に面白いだけの映画、野球のシーンをできるだけリアルに撮った映画ということになるが
もちろん、それでいいのである。
続編として最悪という評もあるらしいが
まあ、例えばチームの敗北を願うヘンチクリンなオーナーの存在など
映画としてどうかと思いつつ
こういうのは第1作で作ってしまった設定なので
もはやどうにもならないだろうし
続編だけが俗悪というのは当たらない。
ただ、タナカ(石橋)の活躍シーンが、案外少なかったかなという印象。

そういえば、高倉健の出演もあったはず。今調べたら、違う映画だった(ミスター・ベールボール)。

314korou:2023/09/12(火) 12:34:18
「キング・コング」(1933年)を鑑賞。

放送大学の「231オーディトリアム」という講座内で放映された映画。
(この講座では、こうした古い年代の映画が放映され、その後、映画の解説が為されるという構成になっている)

特撮という面でもちろんエポックメ-キングな作品であるが
それに加えて
(今や知る人も少ないであろう)1930年代前半に流行した動物映画の最後の輝きとして
歴史的価値も高い映画でもある(個人的には、今回初めて、そういうジャンルの流行について知った)。
とにかく、サイエンス全盛の当時としては
このような説明不能な存在が大暴れするというストーリー自体が
観客の興味をそそったのだろう。
それは70年代のオカルト映画の流行と似ている。

ただし、動物映画の流行末期であったため
冒頭からしばらくは、別の要素で客を引きつけようとするあまり
(今となっては陳腐な)恋愛要素、サスペンス要素が続くことになったのが残念なところ。
ここはセルズニックの意向通り、早めにキング・コングを出現させる展開のほうが
スピード感があってベターだっただろう。

それにしても、想像以上に特撮は見事だった。
映画産業が軌道に乗り出して20年足らず、トーキーになって14、5年ほどしか経っていないのに
これほどのクオリティで摩訶不思議な世界を映し出してみせたハリウッドのパワーには
脱帽の他ない。

315korou:2023/09/17(日) 17:06:26
「美女と野獣」(1946年)を鑑賞。

前回と同様、放送大学231オーディトリアムで放映された映画で
ジャン・コクトーがジャン・マレーという男優の可能性を信じて撮った作品。
有名な寓話ではあるが、視覚イメージとしては具体的な描写、あるいは挿画は皆無だということ。
つまり、すべて想像の上で視覚化しなければならない物語らしく
(映画の後の解説のなかで紹介された)この寓話につけられた挿画の例をみると
実にいろいろなイメージが考えられたことが分かる。
そんな状況において、コクトーは、信頼できるスタッフと相談の上
この映画のようなライオン風の顔に、それ以外は人間としてのイメージを残した「野獣」像を
想像し、あえて実写映画としてそれを実現することで
コクトーの「野獣」を創造していったということになる。
そして、それは後年、ディズニーのアニメのモデルとして有名なイメージとなっていく)
さらに、この映画では、
原作にないヒロインの兄の友人で、ヒロインと叶わぬ恋をしている男性を新たに登場させ
それを野獣の声の主(当時はその声だけでジャン・マレーと分かったらしい。このことは重要)、及び野獣の元の姿である王子と
同一人物(ジャン・マレー)で演じさせたことで
男性のいろいろな側面を表現し得ているということも、解説により知り得た。
もともとが、あるべき女性像として書かれた寓話だけに
それに男性像も追加されて、一層ふくらみのある物語となったわけである。
(ディズニーでは、そこのところが単なる乱暴な男として描かれ、野獣がその男から美女を救うというシンプルな話に置き換わっている)

とはいえ、そういう解説を知って、やっと以上のことが分かるわけで
普通に観れば、なかなか観づらい映画であることも確かである。
これは、ジャン・コクトー、ジャン・マレーという人物への憧れ、そして皆がその存在を知っているという周知度は前提にあって
はじめて名画として成り立つ映画であり
21世紀の今、この映画を解説抜きで鑑賞することは
なかなか困難な作業であるように思えた。

316korou:2023/09/26(火) 18:26:14
「オルフェ」を鑑賞。

ジャン・コクトーの映画の遺作は、この映画の続編の「オルフェの遺言」だった。
それくらいコクトーにとって、この西洋神話を映画化することは大きな意義があったことなのだろう。
そうしたコクトーの意図、情熱、意欲については
この映画を放映した放送大学の解説者による解説を聞いていろいろと教えられ、知るところが多かった。
やはり古い映画には解説が必要だと思った。

それほど難解でややこしい映画だった。
観ていて何度も訳が分からなくなり、大筋を追うだけで精一杯だったが
後半になって、やっと全体の流れがつかめ、そうなると
細部の演出についてもじっくりと観察できるようになった。
その意味で、この映画の最後の着地地点は心地よく見れたのだが
考えてみれば、必ずしもこうした終わり方でなくても納得できるわけで
ハッピーでもアンハッピーでもどちらでもOKという珍しい作品のように思えた。

マリア・カザレスのようなタイプの女優は
現代だとそれほどの人気は得ないだろうと思った。
一方、ジャン・マレーは
今でもかなりの人気を博す男優になるのではないかと思った。
そのへんのアンバランスさも
この映画の評価を難しくさせている遠因になっている。
やはり男女とも感情移入できる存在でないと
恋愛映画としてイマイチな印象になるわけで。
恋愛映画として観れないとなると
単なる古めかしいファンタジー映画ということになってしまう。
それでは、この映画の価値は半減だろう。
その意味では、賞味期限の切れた名作という評価にもなり得る。
まあ、コクトーの知名度自体、今やかなり怪しいのだが・・・

317korou:2023/10/18(水) 15:34:42
「42 〜世界を変えた男〜」を鑑賞。

野球映画なので、最後まで退屈することなく観れた。
特に、メジャー昇格直後に受けた差別行為を再現したと思われる後半部分は
史実とは知っていても、実際に映像で再現されると
より具体的で生々しく、考えさせられるところが多かった。
それにしても、ジャッキーはもちろん、レイチェル、リッキーなど
本人によく似た俳優をよくぞこれだけ集めたものだと感心する。
「小説 吉田学校」を観た時と同じ感想で
こういうのは、あまり似てない俳優を使った場合と比較して
(なかなか評価されないことだが)現実の話を再現する映画では
実は非常に重要なことだと思った。

当時の黒人差別の実情を
もっと広範囲に描いていれば
さらに優れた映画になったように思われた。
1947年に集中したストーリーで
しかも野球のエピソードだけを切り取った構成なので
全く何も知らない人には伝わりにくい内容だったかもしれない。
もちろん、それらのことを教養として補える人であれば
何が描かれているのかはよく分かる映画にはなっている。

318korou:2023/11/03(金) 21:53:42
「大いなる幻影」を鑑賞。

戦前のフランス映画。かつての感性であれば恐らく相当の感銘を受けたと思われるが
今や感性も随分と変貌し、
かつアメリカ映画鑑賞の影響も大きくなっている現在の自分には
かなり鑑賞の難しい映画となった。

そもそも、ドラマの展開方法が今風ではなく
かつて映画の巨匠クラスにだけ許された鷹揚な演出と思われ
映画の前半はかなり退屈な出来に見えなくもない。

もっとも観る人が観れば、いろいろと見どころ満載なわけで
高倉健が絶賛したジャン・ギャバンの「食べるシーン」の上手さとか
戦争間近な時期の映画として
こうした捕虜収容所でのヒューマニズムあふれるエピソードの描写などは
当時としては画期的なことだったということが
映画鑑賞後に調べてみて分かってきた。

となれば、もう一度観てそのあたりを確認したいと思い
この映画はDVD保存することにした。
今の段階で、この映画について語ることはできないが
それはこの映画のもついろいろな意味を
すべて理解してこそその真価が分かるという
21世紀での映画鑑賞の困難さのせいなのである。

319korou:2023/11/09(木) 12:02:09
「ジュディ 虹の彼方に」を鑑賞。

BSプレミアムで11/3朝に放映されたのを録画、ジュディ・ガーランドの伝記映画と思われたので
期待大で観始めたが、その期待以上の素晴らしい映画だった。
最近、映画を観ていて、これほど感情を揺さぶられたことはない。
主演のレネー・ゼルウィガーの演技(アカデミー主演女優賞受賞)はもちろん
脇役で少しだけ出てくる同性愛の男たちとか、ジュディを診察する医者など
見事な演技で、涙腺決壊が止まらなかった。

素人批評では、
ジュディの他の年代の出来事のほうが面白いのに何故晩年のエピソードだけ取り上げるのかと
書いている人がいたが
これは、やはりその直後に自殺同然の死が待っているから胸に迫るのであって
普通に面白いエピソードを並べても感銘度は薄くなるだけである。
こういうのは、やはり年齢を重ねないと映画の本質には迫れない(ジュディについての知識だけあっても仕方がない)
また、ゼルウィガーが自身で吹替なしで全編歌っていることについて
ジュディの歌唱力には程遠いと不満を述べている人もいたが
こればかりはジュディの歌唱を聴いたことのない自分としては
どうしようもない。
むしろ、知らないほうがより深くこの映画を鑑賞できるとも言えるだろう(ゼルウィガーの歌唱には何の不満も残らなかった)

もう1回観るかどうかは別として
とりあえずDVDには残しておくことにしようか。

320korou:2023/11/10(金) 17:30:19
「恋をしましょう」を鑑賞。

マリリン・モンローの主演作としては「荒馬と女」の一つ前の作品で
そろそろ撮影スケジュールに大きな支障が出るほど、
モンローの精神状態が危機的な状況にまで陥っていたらしい。
もっともこの映画でのモンローにそんな危うさは感じられず(今思えば「荒馬と女」のモンローは異様だったかもしれない。
それは特に前半の際立った美しさで誤魔化されてしまったが)
むしろ女優としてキャリアを積んだことによる余裕のようなものさえ
感じられた。
相手役のイヴ・モンタンは、一般的にはミスキャスト、不評とされているが
個人的にはそれほどの違和感は覚えず
2023年の今観る映画の主役として観れば
ある種の気品さえ感じられ、この映画の設定にピッタリのように思われた。

映画としては、飛び切り上等なB級映画ということになるだろう(観終わった後に何も残らない)。
ジョージ・キューカーが映画史上に残る名作を撮れるわけがないし
それは彼の得意分野ではない。
職人監督らしく娯楽作品に徹した作りで、これはこれで安心して観れて素晴らしいわけだ。
惜しげもなくコール・ポーター作の名曲などを散りばめ
ビング・クロスビー、ジーン・ケリーをカメオ的ながら巧みに配役するあたりは憎いところ。
古き良き時代をストレートに見せてくれるあたり、21世紀の今こそ再評価されるべき
偉大なB級映画というべきか。

321korou:2023/11/27(月) 22:29:16
「ジャングルブック(実写版)」<2016年>を鑑賞。

ディズニー・チャンネルを観れる環境になったので、さっそく家族で鑑賞したのがこの映画。
動物が中心の設定なのでVFX撮影ばかりなのだが
さすがに技術の進歩は目覚ましく、人工的な印象は全く感じない。
ストーリーは子供向きでもあり分かりやすく
大人向けの深みなどは一切無視していて逆に清々しいくらい。
それでも子供だったら前半は退屈するかもしれないが
猿の王国での大活劇あたりからはずっとハラハラドキドキの展開で
エンタメ映画としては無難にまとまっている。

まっ、それだけだけど。

322korou:2023/12/04(月) 16:51:55
「太陽がいっぱい」を鑑賞。

何かと映画本を読んでいると登場してくる名作だけに
今回のBSプレミアムでの放映を機会に
今度こそ鑑賞し切ろうと思って観た。

最初は、
モノクロ映画に無理やり色を施したような独特の古い感じの映像に戸惑ったが
その古い画質を通して浮かび上がってくるアラン・ドロンの何とも言えぬ孤立感、静かな悲愴感というものが徐々に伝わってきて
ドロンの魅力の一つを知ったような気がしてきた。
登場人物が少なく、ドロン以外はそれほどの名演でもなく
しかし思った以上にドラマの展開が面白く
最後まで一気に観ることができた。
最初の殺人は計画的、意図的で、いかにも完全犯罪モノという趣向だったが
二度目の殺人は衝動的、無計画な殺人で
その対比が、観終わってみれば見事なコントラスト、ドロン演じる殺人者の胸中が
2通りに伝わってくるところなど
さすがに名匠ルネ・クレマンという感じ。
最後の電話で呼び出され海岸を歩くドロンについて
多くの人が「何も知らずに呼び出されている」と解釈しているが
その直前に顔色の悪さを売店の女に見抜かれているわけで
自分としては、これは覚悟して出頭していると解釈した。
まさに皮肉なほどの”太陽がいっぱい”なのだ。

いろいろと指摘できる箇所も多いが
やはり名画と言わざるを得ない。
フランス映画らしい静かな佇まいも備えている。
この映画が退屈で観れない人は、20世紀の多くの名画、特にフランスの名画を味わえない
不幸、というか残念な人というしかない。

323korou:2023/12/17(日) 16:49:51
「エデンの東」を鑑賞。

やっとこの映画、そしてジェームズ・ディーンを観た(何度も観かけては途中止めになっていた)。
また、カインとアベルの伝説から採られた題名とは
薄々知ってはいたものの
今回その題名の由来について真に知ることができた。

映画そのものは傑作と言えるかどうか微妙だが
ジェームズ・ディーンの迫真の演技には感銘を受けた。
やはり、原作の最後だけを切り取った映画化という経緯の悪い面が出てしまって
映画の前半は説明っぽく展開しているのが
退屈する原因になっている(途中止めになった理由。今回も何度も途中で止めようと思ったくらい)
後半はきっちりとドラマが進行していき素晴らしいのだが。
それから主演女優が物足りない、ディーンの兄(伝説をなぞれば弟になるが)役の俳優も苦渋が足りない。
特に、主演女優のジュリー・ハリスは、この映画のときに30歳なのだから
映画の設定からして年を取り過ぎで
他に適当な女優は居なかったのだろうかと疑問に思う。
なかなか面白い設定の役柄で
演技力があれば十分にその設定を生かした名場面が期待できたのだが・・・

でも、この映画はジェームズ・ディーンに尽きる。
もろもろの欠点をすべて補えるだけの見事な存在感、スターのオーラだ。

324korou:2023/12/19(火) 23:01:49
「めまい」を鑑賞。

ヒッチコックの映画は大抵観ていると思っていたが
この映画は見逃していた(観終わってそう思った)。
前半はやや退屈な展開ながら、何かヒッチコック魔術ともいうべき
当時傑作を連発していたこの巨匠独特のオーラに圧倒されるかのように
観飽きることもなく、不思議に次へ次へと観続ける羽目になった。
そして、後半は、えっ?えっ?の連続で
特に1時間25分でほぼドラマが終わってしまった(一番の主役のヒロインが死ぬ!)とき
残りの45分がどんな展開になるのか全く予想がつかなかった。
そして、最後のほうで種明かしされ、結末も悲劇的で
この映画に終始感じられた暗さ、不気味さ、怖さなどが凝縮したようなエンディングとなった。
撮影も音楽も見事という他ない。
こんな平凡なシーンの連続を、これだけ雰囲気を醸し出せるのは
この撮影と音楽を採用したヒッチコックの才覚だろう。

もっとも、ストーリーには無理がある。
妻を殺害するまでの仕掛け、殺害してからの仕掛け、自殺に至る流れを共犯を察知する仕掛け、それらについて
納得のいく描写は一切ないので
観た人が想像するしかないのだが、なかなかこれが難しい(というか無理ではないかと思う)。
当時それを指摘した人は居ないようだし、この映画の評にもそれに言及したものは見当たらない。

しかし、そこさえうまく説明できれば
これはなかなかのサスペンス映画だと思う。
この撮影の技巧は
ブライアン・デ・パルマに受け継がれているようにも思った。

325korou:2023/12/20(水) 21:40:56
録画したが観るのを止めた映画

「お早よう」・・・小津映画。出だしがいかにも地味。
「東京タワー、オカンとボクと、時々オトン」・・・出だしが貧乏臭くて愉しめない

どちらも名画っぽい雰囲気は感じられるのだが
残り少ない自分の視力を削ってまで観る映画とは思えなかったので
視聴中止。

326korou:2023/12/27(水) 15:25:07
「第三の男」を鑑賞。

不思議な映画だった。
細かく観れば雑でいい加減な設定の映画で
まず主人公の行動が理解できない、その主人公といきなり行動を共にするヒロインの心理も無茶苦茶、
終盤になっても、コロコロ心変わりする主人公がストーリーを引っ張っていく都合の良い演出に腹が立つし
警察がバックにいるはずの場所へ、悪の大立者がのこのこ単身で無警戒に乗り込むわけがないし
こんなに辻褄の合わない話を2時間近く撮り続けて、どういうつもりなのかと思う。

ところが、である。
普通なら、最初の10分で
アホ丸出し映画と判断して観るのを止めるはずなのだが
最初の20分でそこまで判断できず
次の20分で最後まで観ようと思ったのだから
実に不可解な話なのだ。
そして、後半に至っては全く退屈せずに観終わることができた(ほぼ一気に観た)。
何がそうさせるのだろうか?
感動したわけではないし、むしろもう二度と観ないだろうと思ったにもかかわらず。

音楽は素晴らしい、特にシーンの内容に関係なく、流しっ放しというのが良い。
映像も、今なら鼻につくかもしれないが、当時としては画期的な撮影だっただろうし
これみよがしの才気あふれるショットも、一笑に付してしまえばそれで終わり。
でも、それだけなら、「もう古くなった映画」という感想で終わるのだが・・・

ハッキリ言えることは
一昔前とは違って、もはや映画史上に残る名作とは言えないということ。
やはり「古さ」がこの映画を次第次第に蝕んでいることは間違いない。

327korou:2023/12/29(金) 10:46:04
2023年に観た映画一覧

ニュ―ヨークの恋人
ボルサリーノ
ゼロの焦点(2009年)
イエスタデイ
イージーライダー
メジャーリーグ2
キング・コング(1933年)
美女と野獣(1946年)
オルフェ
42 〜世界を変えた男〜
大いなる幻影
ジュディ 虹の彼方に
恋をしましょう
ジャングル・ブック
太陽がいっぱい
エデンの東
めまい
第三の男

(計18作品)

328korou:2023/12/30(土) 17:05:13
今年、アマゾンプライムビデオで途中まで観た映画

「スーパーマリオブラザース」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」
「憧れを超えた侍たち」
「レジェンド・アンド・バタフライ」
「忍びの国」
「肉体の門」
「千夜一夜物語」
「余命10年」
「戦争と人間」
「あいつと私」
「ジャングル大帝」
「スラムダンク」
「火の鳥」
「PLAN75」

329korou:2024/01/01(月) 18:12:40
元旦早々に「カサブランカ」を鑑賞。

年末に放送大学から放映されたものを視聴。
最初のほうだけチェックしようと思い観始めたが
実にテンポが良く、さすがアメリカ映画の傑作と思っているうちに
最後まで一気に観てしまった。
映画の一気見など何時以来のことか。

このところ古いフランス映画ばかり観ていたので
同じ古い年代の映画とはいえ
アメリカ映画のテンポの良さ、分かりやすさには
驚嘆する思いだった。
知らぬ間に感覚がアメリカナイズされてしまったのだろうか。
いいことなのか、どうなのか?

ハンフリー・ボガードは、与えられた役を完璧にこなして
役柄なのか、彼自身の個性なのかも、もはや判別し難いほどサマになっていた。
イングリッド・バーグマンは、もっと深い内容なら良かったのだが
このレベルの娯楽映画だと彼女の演技力を堪能というわけにはいかなかったのだが
それでも十分美しく魅力的だった。
まあ、演出が完璧で、ストーリーも分かりやすく
主演俳優が万全とあれば、傑作にならないわけがない。
元旦から
昨年1年間に観た映画全部よりも感銘を受ける映画を観るとは
夢にも思わなかった。

330korou:2024/01/10(水) 22:54:35
「生きる」を鑑賞。

珍しいことにNHK総合で昼間に放映があったので録画。何度も観かけては途中で止めていたので、ちょうどいい機会だった。
名画であることは間違いない、観終わった後もその評価は変わらない。
ただし、文句なしの名画ではないことも事実。

細かいところの辻褄が合っていない。それもいたるところで綻びが見られる。
ヤクザが乗り出すような繁華街構想と言えば、中心街の一角で広い敷地をイメージするが
この主人公が頑張って作った公園は、団地の隅っこの狭いスペースに過ぎない。
話の流れから、公園作りのほうが辻褄があっているのだが
そうなるとヤクザが頑張るわけがなく、せっかくの加東大介も宮口精二も
無意味な出演ということになる(映像としては素晴らしい存在感で忘れられないのだが・・・)
また、実際の役所の対応としては、陳情のたらいまわしなどはあり得ず
必ず窓口となる課が応対するわけで
その上で事態が一向に進展しないというのがこのストーリーであればキモになるわけだが
完全に役所に関する陳腐なイメージに脚本家が目を曇らせている。
それから、小説家が現れ主人公を繁華街に連れ出すのだが
あまりにも設定が強引で、黒澤明の悪い癖が出ている。
まだまだ綻びは多いが、もう映画としてはムリ過ぎて、
この時点で破綻していてもおかしくない。

にもかかわらず名画と言い切れるのは
中盤での小田切みきの好演によりで主人公の心が開かれるシーンが秀逸なこと、
それから随所にクロサワらしい美しいカットがちりばめられていて映像として見事なこと、
こういうのは黒澤明の映画でないと味わえない美点だ。

惜しいのはラストシーン。
葬儀で目覚めたかにみえた役人の面々が全然目覚めてなかったというエピソードがあまりに安易、その後の公園のシーンも安易。
最後で一気に普通の名画のレベルになってしまった。
ここを丁寧に描くと不朽の名画だったのに、やはりクロサワは繊細さが足りない。

331korou:2024/01/16(火) 21:57:45
「塔の上のラプンツェル」を鑑賞。

数年前にフジテレビで放映分をDVD録画したもので鑑賞。
全く期待していなくて
最初のほうで飽きたら、途中は飛ばしてWiki中心で筋を追う予定だったが
観始めると、全く飽きるどころではなく
ディズニー映画としては珍しく
個人的に満足のいく鑑賞となった(一気観!)

とにかく、ストーリーが破天荒で面白い。
無茶苦茶な設定も多いが
もともとCGアニメなので
あまり気にならないという利点もある。
元々はグリム童話らしいが
そのグリムの改作をさらにディズニーが巧みに改作していて
そのあたりは上手く作ったものだと思う。

ティーンの女子が観れば、また別の感想があるのだろうけれど
60代のお爺さんが観ても十分面白い。

332korou:2024/01/31(水) 16:39:40
「隠し砦の三悪人」を鑑賞。

またまたNHKが昼の時間に映画を放映、今度はBSだったので
昨年末のBS改編で映画放映が激減した償いのようなクロサワ映画オンパレードというべきか。
まあ、今の自分には悪くない。映画再見で発見するところも多いので。

とはいえ、これは再見ではなく初見の映画だった(最初は「蜘蛛巣城」と勘違いしていた。となれば初見)
最初のほうは(小林信彦氏も書いているように)画面が重たく
これは黒澤が苦手な純粋コメディを導入しているせいだろうが
黒澤映画のエース三船敏郎が登場した場面で
やっと画面が締まってきた。
そして、観る側が、三船と百姓役の2人を対比できるようになってから
この映画は一気に動き出す。
いろいろと見辛い点も多い
やはりヒロイン上原美佐のセリフ回しは苦しく(何で素人を使うのだろう?)
藤田進の槍さばきもイマイチ(何で槍なんて見栄えしない武器で決闘をさせるのか)。
ただし、ストーリーの流れは
黒澤が娯楽映画としての演出に徹していたのでスムーズで
雪姫が安易に祭りに参加してしまう不可解なところと
終盤の雪姫の歌が退屈なこと、そして序盤のコメディの重たさなど
まあ致命的とは言えず、目をつむることもできる。

しかし、所詮、これは娯楽映画で、黒澤の才能を見せつけられただけのこと。
この題材ならカラーで撮ってほしかったという思いもあり
抜群の傑作とは言い難い(でも一見の価値はあるクオリティだとも思う)

333korou:2024/02/06(火) 22:20:34
「七人の侍」を鑑賞。

やっと全部観れた。何せ3時間28分の大作なので。
そして、複雑な感想を抱いた。面白い、それは間違いないのだが・・・
とはいえ後半、実際の戦いの場面になると、今となっては脚本のせいで緊迫感がどっと無くなり
ハッキリ言って、それまでの是が非でも観る者を惹き付けてしまう魔法がなくなったように思えた(率直に言えば退屈した)。
映画的には撮影技術、演出の教科書のような場面の連続なのだろうが
自分としては、その類のアクション演出には全く興味ないので致し方ないところ。

黒澤映画独特の脚本のお粗末さは、この映画でも例外ではない。
しかし他の黒沢映画と違って(少なくとも前半は)そのお粗末さ、整合性のなさ、ドラマとしての不自然さといったものが
全然気にならない。
やはり次々と練達の士が現れて、それぞれ芸達者な名優が演じているわけで
だんだんと豪華な顔ぶれになっていくというストーリー自体に魅力が満ちているのだ。
そして、七人の侍に関してだけは、いつもの黒沢に似ず、ちゃんと性格づけが出来ているのも見逃せない。
なので、農民などの描写に不自然さがあっても、それらはサイドストーリーなので
あまり気にせずに観続けることができる。

それが後半になると、そういった面白さが無くなり
単純なアクションにミニドラマが添付されるという形になり
アクションに惹かれない自分としては、ミニドラマの嘘臭さに閉口するということになる。

まあ、この名画に難癖つけている人は、映画ファンの中でも超少数派だろうけど。
個人的には、普通に前半だけが面白い映画ということでしかない。

334korou:2024/02/13(火) 17:24:56
「蜘蛛巣城」を鑑賞。

観ている間には、特に中間の1時間経過時点の前後など、完全に退屈してウトウトしてしまっていたが
観終わってみると、そこの部分のドラマが平板なだけで
それ以外はなかなか得難い箇所の多い映画だったという感想になった。
観ている間はそれほどでもないのに
観終わったら名画だったという体験は
滅多にないことで
これが最初で最後かもしれない。

とにかく画面が綺麗、考え抜かれたクロサワ映画の美学が
これほど映画全編にわたって感じられる映画は他にないだろう。
「羅生門」も宮川さんの撮影が抜群だったが
「蜘蛛巣城」は撮影以外にも、全体の能仕様、甲冑の造形美、森の幻想美(白い霧が美しい)、
そして相変わらずの乗馬シーンの疾走場面、話題となった山田五十鈴演じる狂気の場面の演出など
他にも数多くの黒澤ならではの、黒澤映画でないと観ることのできない究極の美が
映画全体に散りばめられている。
「マクベス」をベースとしたストーリーそのものの展開は平板で
それが観ている間の退屈を生むわけだが
終わってみれば、細部の究極の美の印象がじわじわと脳裏に広がっていくという
他に例のない奇跡のような映画なのである。

最近は黒澤映画の欠点ばかり感じてしまうことが多かったが
とはいえ、同時に他の映画では感じられないいくらかの美点も同時に感じていたわけで
その意味で、この「蜘蛛巣城」は、その美点が最大限に発揮されている以上
DVD保存したいと思い、保存作業を行った。

335korou:2024/03/16(土) 23:05:22
「タクシードライバー」を鑑賞。

何度も観始めては断念した映画。
そういうのを何とか退職後に何作か最後まで観終わり
そのたびにいろいろな感想をもつことになったが
この映画については
「ブラックレイン」並みのガッカリ度かもしれない。

とにかくバーナード・ハーマンの音楽が素晴らしくて
そのおかげで最後まで観れたようなものだ。
これが平凡な音楽だとしたら最後まで観れただろうか。
ロバート・デ・ニーロの演技も素晴らしいのだが
さすがにこの脚本、設定、ストーリーでは
観続けるのがしんどかっただろう。
とにかく主人公に感情移入できない、なぜそう思ったのか
なぜそう行動したのか全く分からない。
周りの人たちの反応はしごくまっとうなのに
主人公に不可解さのせいで全てが台無しになっている。

これ以上何も語れない不可解な映画。
自分には合わない(でもハーマンの音楽は超絶素晴らしい)

336korou:2024/04/09(火) 14:54:13
「すずめの戸締まり」を鑑賞。

最初の20分ほどを観て、観るのを止めようかと一度は思ったのだが
なぜか、その後も観続けて、結局最後まで観終わったという次第。
やはり絵がキレイなので、ついつい観てしまうということなのだろうか。

新海作品としては
だんだんとよく分からない物語になっているようで
「君の名は」は荒唐無稽とはいえ辻褄は合っていたのだが
「天気の子」になると、もうある程度の設定のムリさ加減には
目をつぶるしかないような感じになり
今作に至っては、
限りなく普通のように語られるムリ過ぎる話という印象が強い。
観終わって、それで?どういうこと?という疑問ばかり残る。

もう1回観たら、少しは違うのかもしれない。
そんな気にもさせられるのが不思議だ。
とりあえずDVDに落としておこうか。


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