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最近読んだ本を晒すスレ

23シバッキー:2020/11/20(金) 22:37:38 ID:SdGkpnxI
『折りたたみ北京 -現代中国SFアンソロジー』ケン・リュウ編 中原尚哉 訳
2018年2月早川書房
単行本でも文庫本サイズでもない、どちらかというと新書に近い、「ポケットブック」サイズ。

いろいろな現代中国の作家の作品の、分野に偏らないSFアンソロ。
ある人は初期筒井康隆のような風刺の効いた作品で、ある人は星新一のようなほのぼの系作品、
ある人は内田百閒のような幽玄的な、中国四千年の歴史を感じさせる、SFでありながら幽霊的な作品もあり、
また表題作「折りたたみ北京」のように、現代の中国社会の格差問題を鋭く作品もあり、

ファンタジー小説が幅を効かせ、SFがほぼ衰退してしまった日本としては、
荒削りではある物の、まだまだこれから発展するであろう「中国SF」をうらやましく思う作品。

で、むかし日本でSFが流行し、中国でこれだけSFが発展しそうな勢いというのは、
・社会が混沌としていること
・社会が発展しそうになっていること
・発展したとしても社会が発展するのであって、個人が発展するのでは無いこと

その社会全体として未来志向でありながら、個人は何ら変わらないという点が
SFの題材として向いて居た(そういう時代であった)ということだったのかと。
で、ある意味成熟して、「未来志向」が無くなった日本ではSFはブームになり得ず
これからさらに発展して行くであろう中国がSFの題材として向いて居るのかも
というのが気になった。


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