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中・長編SS投稿スレ

22earth:2011/02/01(火) 19:11:52
未来人の多元世界見聞録 第5話『最後の希望』


 大日本帝国帝都京都。長い歴史と伝統を持つ帝国の首都であったが、その首都を行き交う人々の顔色は悪かった。
 あの忌々しいオルタ6の発動とその後の『大崩壊』によって、日本は大打撃を被った。幸い隕石の直撃こそなかった
ものの世界経済の破綻、気象変動と津波の被害は大日本帝国を蝕んでいた。
 さらに大混乱の中、北米に新たなハイヴが建設されたとの情報が、国民の士気をさらに下げていた。

「何でこんなことになったんだろうか……」

 世界の誰もが一度はそう呟く。
 1998年1月1日、天空より飛来した未確認物体群は、光線属種の執拗な迎撃をものともせずに全てがハイヴに
落着。そのあと、ハイヴは全て消滅した。
 この報告を聞き、そしてそれが真実であると知った人類の多くは歓喜した。何しろあの忌々しいBETAがこの星から
消え去ったのだ。これほど喜ばしいことはなかっただろう。
 だがBETAが消えたからと言って、平和が訪れることはなかった。
 BETAの脅威を理由に押さえ込まれていた様々な問題が噴出した。さらに一気にユーラシアが解放されたことで
ユーラシア諸国がその後の国境線や残された資源を巡り対立を開始した。
 そんな状況下で、アメリカは自国の圧倒的な宇宙戦力を持って各国を威圧し、事態の沈静化に動いた。
 米軍の圧倒的武力やBETAを駆逐した謎の存在への対応のために各国は一旦矛を収めたものの、いつ戦火が再びあがるか
判らない状況だった。
 そんな中、アメリカは各国をまとめて月の奪還を主張した。彼らからすれば宇宙、特に近場の月から来るであろう
BETAを迎え撃ちつつ、地上の各国の相手をするのは面倒だった。故に彼らはG弾によって一気にBETAを片付け
地球の問題にじっくり取り掛かることを考えたのだ。また同時に月から速やかにBETAを駆逐することで、BETAを
駆逐した謎の存在(恐らく異星人)にも備えようと考えいてた。
 しかしそれはさらなる悲劇の始まりであった。
 G弾を集中して使用した結果、月の一部が崩壊。これにより月が本来の軌道を外れた結果、地球は未曽有の異変に襲われた。
そして月から落ちてきた隕石がトドメを刺した。地球の総人口はすでに6億人を切っている。
 そんな混乱の中、再び現れたBETA。それは人類に滅亡を予感させるに十分なものであった。




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