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マザリア 聖母闘士の伝説

1名無しさん:2007/05/05(土) 00:00:00
*注意点
このスレは基本的に『マザリア 聖母闘士の伝説』を書き込むだけのスレです。
感想等は感想スレにお願いします。

2マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:02:10



宇宙に、戦乱という名の嵐が吹き荒れていた。
その嵐の中、勢力を伸ばし続けるひとつの勢力があった。
その名はグリンラス帝国。
宇宙に侵略の間の手を拡げる軍事国家である。
長きに渡って、激しい戦いが続いた。
そして、星々は次々とグリンラスの軍門に降っていった。

だが、そのグリンラスの攻撃を幾度となく受けながら、その全てを撃退してきた星がある。
惑星マザリアである。
未だ恒星間飛行の技術ももたぬ小さな星が、長年にわたって幾度となく繰り返されてきたグリンラスの攻撃の全てを退けてきたのだ。
惑星マザリア。
青く美しいこの星には、一つの伝説があった。
『星に危機が迫りしとき、胸に大いなる愛を抱きし女、その身に母なる星の力マザリアフォースを宿す聖母闘士(セイントマザー)となりて、人々を守らん』
そう、伝説の美しき女戦士、聖母闘士たちによってマザリアは守られてきたのだ。



ようやく辿り着いた、グリンラス帝国の侵略基地を前にして女はつぶやいた。
「とうとうここまで来たのね・・・」
不気味にそびえる城の門を、ロレーニアは感慨深げに見上げる。
彼女は思いだす。
自分が聖母闘士としての力を授かった時からの、戦いの日々を。

ロレーニアが聖母闘士の力を授かったのは、3年前のことである。
古より幾度となく繰り返されてきたグリンラスの攻撃が、再び始まったあの日のことである。
グリンラスの操る凶悪なモンスター。
情け容赦のない攻撃の前に、次々と倒れていくマザリアの人々。
そして、モンスターの攻撃は、幼い子供たちにまで及ぼうとする。
その光景を目の前にしたロレーニアの脳裏に自らの子供の頃の記憶が蘇る。
それは、彼女が幼い日に見た、先代聖母闘士アルゼニアの姿。
人々を守るため、グリンラスに勇敢に立ち向かっていく、力強く美しい姿。
幼いロレーニアは、聖母闘士アルゼニアに憧れ、彼女のようになりたいと思ったものだ。
彼女のことを思い出しながら、その頃の様にロレーニアは思った。
(私も力が欲しい! アルゼニアのように、グリンラスの攻撃から人々を守る力が欲しい!)

次の瞬間、ロレーニアは自分の体に、かつて感じたことのない力が宿るのを感じた。
(これは・・・まさか、マザリアフォース?、まさか、私が本当に?)
そう思った瞬間、彼女の体は光に包まれた。
そして、光が消えた時、そこに新たなる聖母闘士となったロレーニアの姿があった。

聖母闘士となったロレーニアはモンスターを倒した。
だが、それは長い戦い日々の始まりに過ぎなかった。

長く苦しい戦いの日々だった
聖母闘士となったとはいえ、ロレーニアはいきなり力の全てを使いこなせたわけではない。
始めのうちは、力も弱く、使える技も少なかった。
そんな彼女に対し、グリンラスは容赦なくモンスターを差し向け、卑劣な罠を仕掛けてくる。
何度も挫けそうになった。
だが、その度に、ロレーニアは立ち上がってきたのだ。
星の平和を、人々の笑顔を守るために。

そして今、聖母闘士の力を完全に身に付けたロレーニアがここにいる。

ふと彼女は、昨夜の事を思い出した。

3マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:03:32



「・・・どうして、お母様がそこまでしなくちゃいけないの?」
やや荒げた声で、フレンシアは言った。
「フレンシア?」
突然の娘の問いに、ロレーニアは戸惑うように答えた。
「それは・・・、聖母闘士として、この星の人々を守るために・・・」
「そんなことはわかってるわ! でも、何故、お母様が犠牲にならなくちゃならないの?」
「フレンシア、犠牲って?」
「確かに、歴代の聖母闘士たちは、グリンラスを追い払ってきたわ。でも、その最後の決戦に臨んだ聖母闘士は、誰一人として帰ってこなかった! 
みんなは“彼女らは、尚もグリンラスと戦い続けるために宇宙へと旅立っていった”なんて言うけど、私は知っているのよ。あの人たちはみんな・・・」
「フレンシア!」
「だってそうじゃない! そしてお母様も、その後に続こうとしている。 どうして? どうしてお母様がそこまでしなくちゃならないの? お母様はもう十分すぎるほど戦ってきたじゃないの!」
両目に涙を浮かべながら、娘は母に訴えかける。
「今までだって、お母様が戦う度に、もう2度と帰ってこないんじゃないかって・・・」

堰を切ったように語るフレンシアの言葉を、母であるロレーニアは呆然と聞いていた。
フレンシアは意志の強い、正義感に溢れる娘である。
十年前に父親が事故死したときにも、そして母ロレーニアが聖母闘士になったときにも、彼女はロレーニアを励まし、力になろうとしてくれた
ロレーニアが聖母闘士としてここまで戦ってこれたのも、この娘の助けがあったればこそなのだ。
だが、そのフレンシアが、こんな事を思っていたなんて・・・。
娘が心に秘めてきた思いに気づかなかったことに、母親として心が痛んだ。

「フレンシア・・・」
ロレーニアは、微かな笑みを浮かべながら娘に語りかけた。
「フレンシア、わかってちょうだい。これは私の宿命なの。決して避けて通ることはできないの。聖母闘士になったときから、いいえ、聖母闘士になることを運命付けられたそのときからの、私の宿命なのよ」
「お母様・・・」
「そう、今にして思えば、私が聖母闘士になることは、ずっと前から定められていた運命だったの。何故だか、そんな気がしてならないの。
でもね、私は、この運命を恨んだりはしていないわ。むしろ、聖母闘士に選ばれたことを、誇りに思っているのよ。この星のみんなを、そして、あなたを守る力を手に入れることが出来たから」
「お母様・・・」
「そして、私にはわかるわ。いままでの聖母闘士たちも、決して戦って死んだんじゃないって。断言できる。それは、決して気休めのための嘘じゃないわ。
彼女らは今もこの宇宙のどこかで平和のために戦い続けている。そんな気がしてならないの」
母の静かな語り口の言葉が、不思議な説得力をもって娘の心に染込んでいく。
「お母様・・・」
「だから、私もあなたに約束する。私は決して死んだりしない。必ずあなたの元に帰ってくる。だから、あなたもそんなことを言わないで・・・」
「お母様!」
涙目のフレンシアが、ロレーニアの胸に抱きつく。
母は、泣きじゃくる娘をいつまでも抱きしめていた。

4マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:04:57



(そう、この戦いこそ、聖母闘士たる私の宿命。そして、私は必ず勝つ! マザリアの人々のために。そして、フレンシアのために!)
体全体に漲るマザリアフォースを感じながら、ロレーニアは改めて決意を固める。
城の扉を開け、中に入った。


扉をくぐると、大広間に出た。
あちこちに彫刻が置かれており、壁には絵画が掲げられている。
(敵の気配は感じられないわね・・・)
そう思いながら、ロレーニアは改めて周囲を観察した。
ふと、彫刻の一つに目がいった時・・・、彼女の身は凍りついた。

写実的な女性像。
今にも動き出しそうな躍動感に溢れたそれは、最高級の技巧をもって製作された物だと一目でわかる。
モデルは、アルゼニア。
ロレーニアの先代の聖母闘士だ。
だが、その彼女の姿は・・・。

聖母闘士アルゼニアは陵辱を受けていた。
量感にあふれた双乳を揉みしだかれ、剥き出しにされた秘所を弄ばれている。
彼女を弄んでいるのは、分厚い脂肪を身にまとった、豚に似た醜い怪物。
そう、彼女が戦い、打ち破ったグリンラスの将軍、ポルギオだ。
にやけきった目つきで、あられもない姿の聖母闘士の肉体を弄んでいる。
そして、弄ばれるアルゼニアの表情も、性の悦楽にまみれていた。
淫蕩な笑みを満面に浮かべ、憎むべき敵であるはずのポルギオに顔を向けている。
まるで、彼の唇を求めるように・・・。

ロレーニアは、慌てて他の彫刻や絵画にも目をやった。
(こ、これは・・・)
一瞬、目の前が真っ暗になった。

全ての彫刻と絵画が、彼女らが打ち破ってきたグリンラスに陵辱される、歴代の聖母闘士たちの姿を描いていた。
巨大な肉棒で女陰を貫かれて悶え啼く姿、仇敵の股間に顔を埋めて奉仕する姿、あるいは双臀を割られて剥き出されたアヌスを貫かれ、その身を震わせる姿。
しかも、彼女らの顔もまた、アルゼニアと同じく悦楽にあふれている。
仇敵に辱められる屈辱を、逆に被虐の悦びへと変えた彼女たち。
彼女らは、その心境の変化を、その表情で、いや、全身でもって表している。
そして、そんな聖母闘士たちの姿を満足げに見つめ、弄ぶグリンラスの将軍たち。
それらの姿が、超絶的な技巧をもって、完璧なる臨場感と躍動感をもって描き出されていた。

(こ、こんな・・・、こんなのって・・・)
歴代の聖母闘士たちの屈辱の姿に、ロレーニアはしばし呆然と立ち尽くす。
やがて、彼女の心に怒りがふつふつと湧き上がってきた。
(そうか・・・、おのれ、私を混乱させるために、こんな物を! でも、無駄よ!)
尊敬する先輩たちへの冒涜に、ロレーニアの心はいきりたつ。

だが、怒りに燃える彼女は気づいていない。
淫らな芸術に囲まれる自身の体内で起こりつつある、微かな変化を・・・。
女の喜びを知り、1児を産み落としたその体に、微かに官能の疼きが点ったことを・・・。

5マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:05:46



「ふふふ。気に入ってくれたかな?」
突然の声に、ロレーニアは我に返った。
声の方に目を向けた。
そこに見出したのは、分厚い皮下脂肪に覆われた、豚に似た醜い怪物の姿。
「ペルギオ!」
怒りに満ちた声で、ロレーニアは叫んだ。
そんな彼女に、グリンラスの侵略軍司令官、将軍ペルギオは言った。
「どうだい、僕の自慢のコレクション。君に自慢したくて、ずっとうずうずしてたんだ」
誇らしげに語るペルギオの口調が、ロレーニアの怒りをさらに煽り立てた。
目的のためなら、どんな卑怯な手段でも平然と用いるグリンラス帝国。
その卑劣さを、ロレーニアは戦い日々を通じて十分理解していた。いや、理解していたつもりだった。
(でも、これは・・・。こんなことまで・・・)
こみ上げてくる怒りに声も出ないまま、ロレーニアはペルギオを睨みつける。

そんなロレーニアを、ペルギオはいやらしい目つきで眺めながら言った。
「ふふふ、心配しなくていいんだよ。僕たちの分の準備もちゃんとしてあるから」
「?」
「僕と君が愛し合う姿も、我がグリンラスの超一流の芸術家の手で、こんな素晴らしい美術品にしてもらうのさ。その準備はしてある。どうだい、うれしいだろう」
「な、何ですって!」
予想もしなかった言葉に、ロレーニアは唖然とする。
ペルギオは続けた。
「この日が来るのを、ずっと夢見てたんだ。ほら!」
やおら、ペルギオが股間に手をやるや、巨大な逸物が解き放たれた。
天を突かんばかりの勢いで、ぶるんぶるんと揺れる・
「け、汚らわしい!」
「そうかな。君だって、実はさっきからけっこうその気なんじゃないの?」
「な・・・」
絶句するロレーニアだが、ふと自身の体内に宿る疼きに気づいた。
(ど、どうして・・・、なぜ私はこんな時に!)
彼女とて、かつては人妻として官能の喜びに身を震わせた身である。
自身の体に宿るこの感覚が何であるかはすぐに気づいた。
そういえば、夫の死から十年。その間ずっとひとりだった・・・。
(馬鹿! こんな時に何を考えているのよ、私は! )
浮かんでくる邪念を振り払いながら、ロレーニアはペルギオを睨みつけた。

「まあ、その前に、軽い運動をしてもらおうか」
ペルギオがパチンと指を鳴らすや、モンスターの大群が現れた。
いずれ劣らぬ、強力なモンスターばかりだ。
「そんな、まだこんなに残っていたなんて・・・」
かつて必死の思いで倒してきたモンスターたちが群れをなす姿に、ロレーニアは一瞬たじろいだ。
(勝てるの?)
だが、
「負けるものか!」
自らを奮い立たせるようにそう叫ぶのと同時に、彼女は自身の体内に、強い力が漲るのを感じた。
母なる星の力、マザリアフォースが、かつてないほど強く漲るのを。
(いける・・・、これなら、勝てる!)

「かかれっ!」
ペルギオの号令で、一斉に襲い掛かるモンスターたち。
負けじと、ロレーニアも踏み出した!


轟音とともに、炎に包まれていく侵略基地。

やがて、崩れ去る城の中から、一筋の光が天高く昇っていった。

6マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:07:01



一週間が過ぎた。

カラ〜ン、カラ〜ン・・・。
夜空に、教会の鐘が鳴り響く。
町の広場を埋め尽くす人々の姿。
これは、この町だけの光景ではない。
惑星マザリアの全ての町で、同じ光景が見られるはずだ。

人々は、星空に祈りを捧げている。
グリンラスの侵略から自分たちを守ってくれた聖母闘士ロレーニアへの感謝と、これからの彼女の活躍への願いを込めた祈りを。

人々の中に、ロレーニアの娘、フレンシアの姿もあった。

結局、歴代の聖母闘士たちと同じように、彼女の母親もまた帰ってこなかった。
だが、娘は、不思議と母に裏切られた気持ちにはならなかった。
“聖母闘士たちは死んだのではない。宇宙の平和を守るために旅立っていったのだ”
以前は、単なる気休めにしか思えなかったこの言葉を、今のフレンシアは素直に信じることが出来た。
理由は、彼女自身わからない。
だが、“母は生きている”、その思いは、彼女の心に確固たるものとして存在している。

そして、フレンシアはもう一つの確かな予感を感じていた。

いつか再び、グリンラスはこの星に侵略の手をのばしてくるだろう。
その時・・・。
フレンシアは周囲を見回す。
彼女の周りでは、多くの子供たちが、聖母闘士ロレーニアに感謝の祈りを捧げている。
母ロレーニアがこの子達を守り抜いたように、その時は自分がこの星を守るために戦うのだ。
新たなる聖母闘士となって・・・。
『私が聖母闘士になることは、ずっと前から定められていた運命だったの何故だか、そんな気がしてならないの』
フレンシアは、母の言葉を思い出す。
思えば、あれはこの予感のことを言っていたのだろう。
歴代の聖母闘士たちも、この予感を感じていたはずだ。
そんな気がしてならない。
そして、それが宿命だというのなら、喜んで受け入れよう。
歴代の聖母闘士たちが、そして、母ロレーニアがそうしたように。

フレンシアは改めて星空を見上げ、そのどこかにいるはずの母のことを思った。
「お母様・・・」
小さく、つぶやいた。



少しだけ、時間を遡る。

マザリアの周囲をめぐる衛星軌道上に、一隻の恒星間宇宙船が浮かんでいた。

浴槽に溢れる湯でその身を清めながら、ロレーニアは窓の外を見る。
見えるのは、惑星マザリア。美しい、生命(いのち)と愛に満ちた母なる星。
母なる星を眺めながら、ロレーニアはそこに住む人々の事を思う。
今まで彼女が守ってきた人々の事。そして何より、娘、フレンシアの事。
「フレンシア・・・」
小さく、娘の名を呼んでみた。
そして、彼女は立ち上がる。
滑らかな白い肌を、湯の滴が駆け下りていった。

7マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:07:48



湯上りの肌を拭いた後、ロレーニアは衣装を手に取る。
彼女が、これから身に纏う衣装。
(これを、私が・・・)
手に取ったまま、ロレーニアはしばらく無言のまま立ち尽くす。
やがて、意を決したように、それを身に付け始めた。
“下僕(しもべ)”として、“主(あるじ)”の命に従うために。



「お待たせしました」
ロレーニアは展望室に入った。
「おおっ!待ちくたびれたよ!」
部屋の中央に置かれた豪奢な椅子の上で、ペルギオが身を起こした。
「いい・・・、すごくいい! 似合うよ!」
「・・・ありがとうございます」
らんらんと目を輝かせるペルギオに、ロレーニアは、口惜しさと恥かしさ、そして微かな誇らしさの入り混じった表情で答えた。

彼女は赤いレザー地の衣装を身に纏っていた。
すらりと伸びる足にブーツをはき、ほっそりとした手に手袋をはめている。
上半身はぴっちりとしたジャケットに覆われていたが、胸の部分にぽっかりと穴があけられており、豊満な乳房が剥き出しになっている。
たわわに実った白い盛り上がりの頂で、一児の母とは思えぬほど可憐な乳首が、微かに震えていた。
腹部はまったくの無防備で、その中心では、形の良い臍が、容赦なく注がれるペルギオの視線の前に、なす術もなく蹲っている。
その臍のやや下、ふくよかな腰を取り巻く赤いベルトの中央に取り付けられた金のリングから、一本の細い紐が下りていく。
やがて、黒い飾り毛の茂みに達した紐は、恥辱にそそり立つ絹毛をかき分けて進み、女陰へと至る。
ロレーリアの、微かにぬめる女の源泉を、ほんの申し訳程度に覆いながら、紐は股を潜り、尻の割れ目へと向かう。
剥き出しの豊かな双臀の作る、深い肉の谷間。
その最奥にひっそりと隠れる菊座をかすめながら、紐は谷間を駆け上り、ベルトの背中側に付けられたリングに合流する。
まるで細い褌の様な衣装で申し訳程度に秘部を纏ったロレーニアの下半身は、裸でいる時以上に見る者の劣情を刺激する。

破廉恥な衣装と共に、全裸以上に扇情的な雰囲気を身に纏って立つ聖母闘士ロレーニア。
恥辱に染まる彼女の肌の上を、ペルギオはねっとりと脂ぎる視線でもって嘗め回す。
やおら立ち上がるや、剥き出しの乳房にむしゃぶりついた。
「あ・・・」
乳首から、ロレーニアの全身にむけて漣が走った。
「へへへ、たまんねー」
乳首が、舌に弄り回され、唾液まみれにされていく。
そして、加えられる責めに応え、その身を尖らせていく。
「あ・・・、あぁ・・・」
ロレーニアの口から、喘ぎ声がもれた。
「へへ、本当たまんない。こっちも頼むよ」
ペルギオが、股間の逸物をとりだした。
ロレーリアの肩に手をやり、跪かせる。
目前に突きつけられる逸物をみつめるロレーニア。
「ごくり・・・」
彼女の喉の奥で、微かな音がした。
逸物に口づけ、頬張っていくロレーニア。
カリ首に舌を這わすや、ペルギオが快美の呻きをもらした。
「い、いいよ・・・、最高。それでこそ、苦労して君を手に入れた甲斐があったというものだよ・・・」
快感にだらしなく歪むペルギオの顔を、ロレーニアは上目使いで見上げた。

8マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:08:24



あの日。

ロレーニアは、襲い来るモンスターたちの大群を打ち破った。。
だが、そのために力を使い果たした彼女は、ペルギオとの直接対決に敗れ、捕らえられてしまった。
立ち上がることすら出来ないほど消耗し尽くしたロレーニアを、ペルギオは衛星軌道上に浮かぶこの宇宙船に連れて来た。
そして、生まれたままの姿に剥き、弄んだ。
ロレーニアにとって憎んでも憎みきれない仇敵、侵略者ペルギオ。
その手が、舌が、屈辱にこわばる肌の上を走り、嬲る。
身を震わせ、涙するロレーニア。
だがその時、彼女は自身の胎内である感覚が再び疼き始めたのに気づいた。
そして・・・、
(な、なに?)
自分の肉体の変化に愕然とする。
いつの間にかこわばりを解いた白い肌が朱に染まり、乳房の頂点では乳首が充血し、その身を尖らせている。
ロレーニアは、夫との思い出を大切に守る貞淑な妻であり、子供を守る強く優しい母であった。そのはずであった。
だが彼女の肉体は、主の意思を裏切って、嬲るような愛撫に応え、憎き陵辱者の望むままに昂ぶっていく。
「こんな、どうして・・・、どうして?」
ロレーニアは息を荒げながら、肉体の裏切りへの戸惑いの言葉を漏らす。
そんな彼女に、ペルギオが嘲りながらのしかかる。
「ほおら、君の体はこんなに正直だよ。さあ、もっと素直になるんだ。そら!」
ぬめる女陰に逸物をあてがい、一気に貫いた。
亡夫との行為では感じたことの無い巨大な衝撃が、ロレーニアの全身を駆け抜ける。
「い、いや」
「はっはっは・・・」
ペルギオの笑い声とともに、たちまち追い上げられていくロレーニア。
「い、いや、いやぁあぁあぁぁー!!!」
絶頂の声が響きわたった。


それから一週間、ロレーニアはペルギオに犯され続けた。
絶え間なく絶頂へと追い上げられ続けるロレーニア。
彼女の口腔に、アヌスに、女陰に、ペルギオの白濁が注ぎ込まれ続けた。
戦士としての誇りを打ち砕かれ、母としての尊厳を踏みにじられ、剥き出しにされていくロレーニアの“女の本性”。
そこに、憎きペルギオの精が、被虐の性の悦びを伴いながら染込んでいく。
(私は・・・、私は・・・)
快楽にのたうちながら、ロレーニアは涙する。

そして、そんな彼女にペルギオは、止めを刺すかのように告げた。

グリンラスがマザリアを攻める真の理由。
それは、君たち聖母闘士を捕らえるためなのだと。

9マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:09:22



まだグリンラスが帝国ではなく、今ほど強力な勢力でもなかった頃。
グリンラスのある将軍が惑星マザリアを侵略した。
だが、彼は知らなかったのだ。
マザリアの伝説を。
この生命と愛に満ちた星は、自らに危機が迫るとき、星の力マザリアフォースを宿す守護者を生み出すということを。
特に高度な文明を持つ星でもないと高を括って行われた最初の攻撃は、見事に撃退された。
そう、マザリアの守護者たる、聖母闘士によって。
その後も、彼は聖母闘士の前に敗北を重ねた。
だが、最後の決戦において、将軍は配下の大半を失いマザリアからの撤退を余儀なくされながらも、卑劣な罠によって聖母闘士を捕らえることに成功する。
捕らえた聖母闘士を将軍は陵辱し、調教した。
そして、彼女を自らの下僕とすることに成功したのだ。
戦場においては最強の戦士となり、ベッドの中では麗しき性の玩具となる究極の下僕として。
彼女を従えた将軍は、宇宙の他の勢力との戦いにおいて連戦連勝を重ねた、
そして彼は、その功績を基にクーデターを起こし、グリンラスの皇帝となったのだ。
そう、それが今のグリンラス帝国だ。

皇帝は配下の将軍たちに命じた。
『マザリアを攻撃し、守護者たる聖母闘士を出現させよ・・・』
『戦いの中で鍛え上げた上で捕らえ、下僕とするのだ・・・』
『ただし、聖母闘士を捉えた後は、そのまま撤退せよ・・・』
『くれぐれもマザリアを滅ぼしてはならぬぞ・・・』
『あの生命と愛に満ちた星には、これからも生み出し続けてもらわねばならぬ・・・』
『星の力マザリアフォースを宿す聖母闘士を・・・』
『我らの下僕とするために・・・』


「それじゃあ、私たちは・・・」
「そう。君たちは僕らの計画通りに聖母闘士となり、戦ってきたのさ」


グリンラスの目論見通りに出現し、成長し、捕らえられて調教される聖母闘士たち。
調教され、忠実な下僕となった彼女らは、その身に備わるマザリアフォースをふるって戦い、グリンラスに数多の勝利をもたらした。
彼女らの活躍によって、それまでは宇宙海賊に毛の生えたような弱小勢力に過ぎなかったグリンラスは、現在のような強大な帝国となったのだ。



「そしてね、今じゃマザリアを攻撃して聖母闘士を手に入れないと、グリンラスじゃ一人前の将軍とはみなされないんだ」
「嘘っ! そんなの嘘よっ!!」
ペルギオの腕の中で泣き叫ぶロレーニア。
ペルギオはにやりと笑うと、返事の変わりに彼女を責める腰の動きを加速させた。
たまらず、ロレーニアはよがり狂い、絶頂へと追い上げられる。

10マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:09:54



(それじゃあ私たちは、まるでグリンラスの家畜のような物だったというの・・・)
拠り所を打ち砕かれたロレーニアの心が、絶望で埋め尽くされていく。
嵐のように連続する性の絶頂の中で弄ばれながら、悔し涙を流すロレーニア。
そして、彼女の打ちひしがれた心に、ペルギオの言葉が響く。

「君をここまでの育てるのには苦労したんだよ・・・」
「適度な訓練になるくらいには強く悪辣に、でも君を殺してしまわない程度には弱く単純に、モンスターの強さや作戦を加減してね・・・」
「その甲斐あって、君はこんなに立派な聖母闘士になってくれた・・・」
「戦闘力といい、肉体といい、君は最高だよ・・・」
「ほんと、僕も鼻が高いよ・・・」
「その力と体、僕とグリンラスに捧げるんだ・・・」
「これから君は、僕とグリンラスに尽くすために生きるんだ・・・」
「そうすれば、僕は君を下僕としてずっとかわいがってあげる・・・」
「僕の先輩たちが、君の先輩たちをそうしているように・・・」
「これからずっと、2人で楽しく暮らそう・・・」
「さあ、身も心も僕に捧げるんだ・・・」
「それが、君の宿命なんだから・・・」
「さあ、君も、君の先輩たちがそうしたように、宿命を受け入れるんだ・・・」
「さあ、受け入れるんだ・・・」
「下僕の・・・」
「宿命を・・・」
「さあ・・・」
「泣くのを止めて・・・」
「さあ・・・」
「さあ・・・」
「さあ・・・」

陵辱され、被虐の快感に目覚めつつあったロレーニアの心に、それらの言葉は甘美な誘惑となって染込んでいく。
(ペルギオの、グリンラスの・・・、下僕になる・・・、そうすれば、これからずっとこのように・・・)
その時ふと、ロレーニアはマザリアの人々のことを思い出した。
彼女が命懸けで守ってきた人々の、特に子供たちの顔が脳裏に浮かぶ。
中には、彼女の娘フレンシアの顔もある。
みんな、彼女に尊敬の眼差しを向け、感謝の言葉を述べている。
思えば、挫けそうになる度、フレンシアはこの子らのことを思い、立ち上がってきたのだ。
(そう、私は聖母闘士として、この子達のために戦ってきた。)
だが・・・。
(そう、私は聖母闘士・・・、聖母闘士の・・・、宿命・・・・)
(・・・私は、・・・・・・・・・・・・私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
脳裏に浮かぶ子供たちの顔が、声が、次々と押し寄せる快楽の津波によって揺らぎ、薄れてゆく。
そして・・・。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みんな、ごめんね)

こうして、聖母闘士ロレーニアはペルギオに屈服した。

11マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:10:29

10

「ほんとにうれしいよ。これで僕も一人前の将軍として先輩たちの前でふるまえるよ。いや、君ほどの下僕を持つんだ。もっと大きな顔ができるかも!」
宿命を受け入れ、屈服して下僕となったロレーニアの奉仕を受けながら、ペルギオがはしゃぐ。
「グリンラスの本星に帰ったら、さっそく君を改造してあげる。これからの時間を、ずっと一緒に過ごすためにね。そしたら、いよいよお披露目だよ。僕や君の先輩たちの居並ぶ前で、僕たちの仲のいいところを見せてやろう」

そう、これからペルギオはロレーニアをグリンラス本星に連れ帰り、改造を施すのだという。
ロレーニアに、マザリア人よりはるかに長いグリンラス並みの寿命を与えるために。
マザリア人の感覚では、不老不死とも呼べるほど長い人生を与えるために。
その長い人生を、ロマーリアは下僕としてペルギオに仕えて過ごすことになるのだ。
歴代の聖母闘士たちがそうしているように。
(そう、それが私の宿命・・・)
そして同じ宿命を受け入れた先輩聖母闘士たち、そして彼女たちの主人であるグリンラスの将軍たちの見守る前で、ロレーニアは主ペルギオに抱かれ、愛欲の痴態をさらすのだ。
ペルギオの下僕となり、身も心も捧げたことを披露するために。
かつて、彼女の先輩たちがそうしたように。
ロレーニアの全身を、期待感が漣となって走る。

「それじゃあ今度は・・・」
ペルギオはロレーニアを四つに這わせる。
ロレーニアは命ぜられるまま尻を高く掲げた。
彼女の目に、展望室の窓いっぱいに広がる惑星マザリアの姿が映った。
惑星マザリア、生命と愛に満ちた母なる星。
「・・・いつか」
突然、下僕の口から言葉が漏れた。
「いつか必ず・・・」
「?」
掲げられた尻に逸物を突き立てようとしていた主人は、一瞬動きを止めた。
「いつか必ず、聖母闘士は勝ちます。たとえ私たちが貴方たちに屈しても、マザリアは屈しません。
いつの日か生み出される新たな聖母闘士が、必ず貴方たちグリンラスを滅ぼします。マザリアを裏切り、貴方たちの下僕となった私たちもろとも・・・」
ペルギオの方に顔を向け、涙目で語るロレーニア。
ペルギオも、彼女の顔を見る。
語句とは裏腹に、ロレーニアの目も口ぶりも、確信に満ちてなどいなかった。
むしろ彼女は、必死に自分自身に言い聞かせているようであった。
被虐のスパイスとして、僅かに残された彼女の反抗心。
その、空しい現われとして。

12マザリア 聖母闘士の伝説:2007/05/05(土) 00:11:05

11

『いいかペルギオ。聖母闘士が屈服した時に必ず言う台詞があるんだ。それはな・・・』
先輩の将軍が面白おかしく言っていたことを思い出し、ペルギオはニヤリと目を細めた。
(へ〜、なるほどね。これが・・・)

ペルギオは笑い出した。
ロレーニアの下半身を申し訳程度に守っていた衣装を剥ぎ取ると、彼女の体を引き起こす。
椅子に座る自分の上に彼女を据え、むっちりとした太腿に手をかけ、一気に割り開く。
惑星マザリアに向けて、ロレーニアの濡れぼそる女自身がさらけ出された。
生命と愛に満ちた母なる星。
彼女が守ってきた人々のいる星に向かって。
「あぁ・・・」
恥ずかしげな声を漏らすロレーニア。
彼女の女陰を、背後からペルギオの逸物が一気に貫く。
「さあロレーニア、マザリアに見てやろう! 僕たちの仲睦まじい姿を。マザリアの人々に晒すんだ! ぼくの下僕として生まれ変わった君のすべてを。
そして教えてあげよう! どこかで君に感謝を捧げている未来の聖母闘士の卵に、聖母闘士の真実の姿を! かつて君の先輩たちがそうしてきたように! 」
叫びながら、ペルギオはロレーニアを責め立てる。
たまらず絶頂へと追い込まれるロレーニア。
顔を後ろに回し、主の唇を求める。
そう、かつて、彼女の先輩たちもそうしてきたように・・・。

ペルギオと唇を重ねるロレーニア。
そんな彼女の視界に、惑星マザリアが映った。
『お母様・・・』
(フレンシア?)
絶頂の果ての白い闇に飲み込まれようとする直前、ロレーニアは一瞬、娘が呼ぶ声を聞いたような気がした。
娘のことを思うロレーニア。
(フレンシア、ごめんなさい。私は・・・)
だが、その思いも、怒涛のように押し寄せる悦楽の津波に飲み込まれ、すぐに消えていく。

狂ったようにペルギオと舌を絡めあい、貪りあう。
促すように、自ら腰を激しく振る。
そして・・・
「あぁあぁ〜、い、いく、いっちゃう〜〜〜〜!!!」
聖母闘士ロレーリアの絶叫が、展望室の中に響き渡った。

<おわり>

13名無しさん:2007/05/30(水) 18:59:34
惑星ブライル。
かつて宇宙に覇を唱えたこの星も、長きに渡る激しい戦いの末グリンラス帝国に降った。
今では、グリンラス帝国の属領として、兵力や物資を供出する立場である。
そのブライルの都の一角。
とある広場で、訓練に励む少年たちの姿があった。
皆、思春期に入りたてといった年頃の少年たち。
いずれの顔にも、育ちのよさから来る気品が表れている。

「それでは、始め!」
「はい、先生!」
凛とした号令に対し、少年たちは一斉に返事をすると、2人一組になって分かれ、訓練用の光剣を用いて模擬戦を始めた。
鋭く剣を振るい、受け止める。
なかなか堂に入った動作だ。

(様になってきたわね・・・)
少年たちの様子を観察しながら、聖母闘士(セイントマザー)セルリアは、その硬質の美貌に微かな笑みを浮べた。
少年たちは、ブライルの貴族の子弟である。
彼らによって、グリンラス指揮下のブライル軍の中に新たに編成された部隊。
主(あるじ)たる将軍トリギオの命に従い、セルリアは彼らの訓練を行っている。

セルリアは、黒いビキニ状の衣装を身に纏っている。
小さめの乳房を、ピッチリとしたタンクトップ状のトップが覆っている。
だが彼女の下半身には、ハイレグのボトムを穿いているのみである。
飾り毛や女性自身こそかろうじて覆われているものの、後方は完全なTバックで、肉付きのいい双臀の肉が剥き出しになっている。
露出の多い衣装。
だが、不思議と淫靡さは感じさせない。
むしろ、健康的に日に焼けた肌理の細かい肌、柔らかいながらも引き締まった筋肉と相まって、すらりとしたセルリアの長身に精悍なイメージを与えている。

「?」
ふとセルリアは、下半身に視線を感じた。
視線を辿っていくや、ある少年に行き着いた。
(もう、ビルったらまた・・・)
激しい剣戟の合間を縫うようにして、ビルと呼ばれる一人の少年が、彼女の腰まわりにチラチラと覗く様な視線を送っているのだ。
いや、よく見れば、他の少年たちも、ビル程では無いにしても、彼女の方を覗き見ている。
セルリアは、心の中で肩を竦める。
(この子たちったらまた・・・。ま、しょうがないか。みんなお年頃の男の子なんだし・・・。そういえば、あの子もそうだったしね・・・)
彼女は、息子ハウルのことを思い出す。

かつてセルリアには、息子がいた。
名を、ハウルという。
ちょうど、目の前の少年たちと同じ年頃だった。
ハウルもやはり、女の体に興味津々といった様子で、聖母闘士となる以前のセルリアは、よくその事でからかった物だ。
やがて、グリンラスの侵略が始まった。
セルリアは迎え撃つために、聖母闘士となった。
そして、あの日。
最後の決戦に赴く母を、涙をこらえながら、父と共に見送るハウル。
不安な感情を必死で抑えて母親を励ます健気な息子の姿に、セルリアは改めて心に誓った。
“自分は必ず勝つ。必ずこの子のもとに帰ってくる”、と。

そして・・・。

14マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち・2:2007/05/30(水) 19:00:21
あれから、長い年月が経った。

聖母闘士の宿命に屈し、グリンラスの下僕(しもべ)となってからも、セルリアの脳裏にはその時のハウルの顔が刻まれている。
セルリアが彼のことを思わなかった日はない。
どれほど、会いたいと思ったことだろう。
だが、そうしなかったのは、彼女の主たる将軍トリギオが許さなかったから、だけではない。
彼女自身の中に、息子との再会を望まない気持ちがあったからだ。
息子に、グリンラスの下僕となった自分の姿を見せたくなかったからだ。
『せめてあの子の思い出の中でだけは、誇るべき母であり続けたい』
『あの子にだけは、淫らな性奴隷となった姿を見せたくない』
再会への望み以上に強いその気持ちが、彼女の中には厳然として存在した。

そして、年月は経っていった。
改造され、不老不死にさえ思える肉体を与えられたセルリアと異なり、ハウルは普通のマザリア人である。
成長して青年となり、愛する人と出会い結ばれ、人の親となり、そして年老いて死んでいったのだろう。
“宇宙のどこかで、平和のためにグリンラスと戦っている”母親のことを誇りに思いながら。
彼の誇りである母が、そのグリンラスの忠実な下僕となっているなどとは、夢にもおもわないまま。
そんな息子のことを思い、セルリアの心は痛んだ。
そして、悲しみを紛らわすかのように、戦いに、そして主への淫らな奉仕に励むセルリアであった。

そんなセルリアに、ブライルの少年たちの訓練が命ぜられる。
素直で気品あふれる少年たち。
かつての息子と同年代の少年たちの中に、セルリアは息子ハウルの面影を見出した。

正直、年端もいかぬ少年たちを戦士として訓練することには抵抗もある。
だが、命令に逆らうことは出来ない。
それに、セルリアには気がかりなことがあった。
少年たちは、以前から訓練を受けていたらしく、基礎は出来上がっていた。
だが、彼らの技の中にはどこか捨て鉢な、そう、まるで身を捨てて敵を倒すことを前提とした自爆テロリストのそれのような雰囲気が感じられた。
『これではいけない。この子たちには、より正統的な戦士の技を身に付けさせねばならない。彼ら自身が、これからの戦いの中で生き延びていくために』
そう考えたセルリアは、少年たちを熱心に訓練した。
厳しいが愛情のこもったセルリアの指導に、いつしか少年たちも、かつての敵国の女戦士を慕うようになっていった。

セルリアの訓練によって、めきめきと力を付けていく少年たち。
彼らは皆、彼女を師として敬い、慕っている。
その少年たちが、彼女のむき出しの肌に熱い視線を送っている。
セルリアは思った。
(みんな、お年頃の男の子なんだし、仕方がないと言えば、仕方がないよね。でも・・・)
今は訓練中。気を抜くことを許してはならない。
邪念に惑わされず集中することを叩き込んでおかねば、将来必ず悔いを残す。
自分を慕ってくれる少年たちだからこそ、こんな時は厳しくあらねばならない。
それが、彼ら自身のためなのだから。
彼ら自身が、運命の中で生き延びる力を身に付けるためなのだから・・・。

「みんな、どこを見てるの!」
セルリアは怒声と共に、手にしていた鞭を鳴らした。
あわせる様に、剥き出しの臀肉がブルンッと揺れる。
「す、すみません! 先生!」
少年たちが、慌てて目を逸らした。

15マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち・3:2007/05/30(水) 19:01:05



重なっていた唇と唇が離れ、今まで絡み合っていた舌と舌との間に、唾液の糸がツーと引かれた。
「では、訓練は順調なのぢゃな」
「はい。あの子達は皆優秀です。立派な戦士に育ちつつありますわ」
問いに答えながら、セルリアは、ベッドに腰掛けた主の股間へと裸身を沈めた。
眼前の逸物を愛しげに見つめるや、そっと口づける。
そして、唇を開き、含んでいく。

そんなセルリアの奉仕を、老いた猪に似た顔が見下ろしていた。
セルリアの仕える主、グリンラス帝国の老将トリギオである。
長命で知られるグリンラスの中でも、トリギオは最長老として知られている。
もはや、誰も知らない古い時代から、一貫してグリンラスのために戦ってきた百戦錬磨の将。
グリンラスに帝政を布いた、独裁者として知られる皇帝でさえ、この老将には一目も二目も置いて敬意を払い、その意見に耳を傾けるのだ。
そのトリギオが、彼の下僕たる聖母闘士セルリアの口唇奉仕を見下ろしている。

口いっぱいに、半勃ちの逸物を頬張るセルリア。
頬を窄め、喉を締め付けて、懸命に主の逸物を愛撫する。
彼女の努力の甲斐あって、トリギオの逸物は隆々とそそり立つ。
セルリアは口を離し、うっとりと見つめる。
そして、トリギオはいったん立ち上がると、改めてベッドの上に横たわる。
天を衝く逸物。
セルリアは跨ると、ゆっくりと腰を下ろしていく。
彼女の“女”が、トリギオによって満たされていく。
「あ・・・」
セルリアは、微かに吐息を漏らした。

彼女は、自身の中をトリギオに満たされるこの感覚が好きだった。

いかなグリンラスとはいえ、さすがに本当に不老不死なのではない。
他の種族に比して圧倒的に長い寿命を誇るとはいえ、やはり老いは訪れる。
老将トリギオとて例外ではなく、他の若い将軍たちに比べ、体力などはかなり劣っている。

そのトリギオの下僕となってからの長い年月。
セルリアは性奴隷として、他の将軍たちや聖母闘士との乱交を数え切れないほど経験し、また、グリンラス配下となった他種族の有力者たちを懐柔するための恩賞として、その肉体を提供させられたこともあった。
彼女を抱いた将軍や有力者たちは、皆、トリギオより若く体力に勝り、中には性の技巧においてもトリギオを上回る者も存在した。
だが、若々しいペニスも、超絶的な技巧も、彼女を完全に満たすことはなかったのだ。
どんな激しい交わりの中でも、セルリアはどこか物足りなさを感じていた。
むしろ、乱交の際、他の聖母闘士と交わるトリギオの姿が目に入る度、セルリアは胸が締めつけられる思いになる。
そして、他者との行為が終わった後、セルリアは2人きりで改めてトリギオに抱かれる。
すっかり馴染みきった肉と肉との、静かな交わり。
だが、大いなる安心感と共に、セルリアの心身は昂ぶっていき、やがて、他者とのセックスでは決して得られなかった快楽の絶頂へと昇りつめていく。

これが何を意味するのか、セルリアは理解している。
(自分は完全に征服されてしまったのだ・・・)
(身も心もすっかりトリギオに心服し、彼の物になってしまった・・・)
すっかり馴れ親しんだトリギオの肉塊を体内に感じる度、セルリアはそう思う。
だが、彼女はもはや、そうなってしまった己の身を不幸とは思わない。
むしろ、幸福感すら感じている。
今の彼女にとって、トリギオこそが最愛の主なのだから。
そして、そんな下僕の思いを知ってか知らずか、近頃は、トリギオがセルリアを他の者に抱かせることは無い。

トリギオの腹の上で、セルリアの裸身がゆっくりと上下し、乳房がゆるやかに揺れる。
「あ・・・、あぁ・・・、あ・・・」
身を揺らすセルリアの口から漏れる吐息が、微かに早まりだした。

16マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち・4:2007/05/30(水) 19:01:35
トリギオの傍らに添い伏していた裸身が、急に起き上がった。
驚きの表情を浮べて、セルリアは言う。
「あの子達を・・・、あのトルパ要塞に向かわせる、のですか?」
「そうじゃ」
あくまで無表情のまま、トリギオは答えた。

トルパ要塞。
それは、外宇宙から惑星ブライルに至る航路の一つを扼すため、かつてのブライル軍によって築かれた要塞である。
強力な兵器を連ねた堅い守りで、かつての、グリンラスによるブライル侵攻時には、セルリアたち聖母闘士を連ねた最強部隊の攻撃をも退けたほどだ。
結局、トリギオの作戦で、グリンラス軍は別ルートを使って惑星ブライルを攻撃。
ブライル本星の降伏とともに、要塞もまた、不落のままグリンラスの軍門に降った。
そのはずだったのだが・・・。
最近になって、ブライル軍内部の反グリンラス派反乱部隊によって占拠されてしまった。
ブライル政府軍は、幾度と無く反乱部隊の討伐を試みたが、要塞の前にことごとく敗退。
今では、トルパ要塞は立てこもる反乱部隊のみならず、旧ブライル領全域に広がりつつある反グリンラス活動の象徴のような存在にまでなっている。

その難攻不落の要塞を攻略する為の攻撃隊として、セルリアの訓練した少年たちを使おうというのだ。
要塞の手強さを身をもって知るセルリアは、必死で訴える。
「いけません。危険すぎます。いくらあの子達が優秀でも、あの要塞は手に余ります」
「ゲデルが是非にと頼んできたでな。それに、このことは既に皇帝陛下にも奏上済みぢゃ。今更変更は出来ぬ」
顔色ひとつ変えずに、トリギオは言った。
(ゲデル!)
セルリアは、ブライル政府首班ののっぺりした顔を思い出す。


かつて、グリンラスの侵攻によって壊滅寸前にまで追い込まれたブライル。
徹底抗戦による名誉ある破滅か、それとも恥を忍んで降伏し、生き延びるか。
ブライルは混乱していた。
そんな状況下でブライルをまとめ、グリンラスへの降伏に導いたのがゲデルだ。
未だ侮れない力を持っていた徹底抗戦派を抑えつつ、かつての敵国であるグリンラス帝国への服属の道を選んだのだ。

星そのものの破滅を避けるために、それは正しい選択だったのだろう。
だが、問題はその後だった。
傀儡政権の首班となったゲデルは、グリンラスの威光を笠に着て全ての利権を独占した。
そのことで、ブライル人の各層の不満は高まる。
そして、その不満の高まりを背景に、各地で反グリンラスの蜂起が続いた。
トルパ要塞に拠る反乱部隊も、そうして蜂起した反グリンラス派の一つだ。

セルリアも勿論、ブライル政府首班ゲデルには何度も会っている。
ゲデルは、セルリアに出会う度に、言葉を連ねて彼女を賞賛する。
『さすがは、ご高名なる聖母闘士セルリア殿。そのお美しさも、想像以上ですな・・・』
だが、美辞麗句を並べた言葉とは裏腹の、セルリアの全身に向けられる舐めるような眼差し。
まるで蛞蝓に這い回られるような嫌悪感を感じ、セルリアは総毛立つ。

そのゲデルが何を考えているか、セルリアにはわかる。
彼女の教え子たちは、皆、ブライルの名門貴族の子弟である。
彼らの家系は名将や優れた戦士を数多く輩出しており、その中には、英雄として反グリンラス派の尊崇の対象になっている人物も多い。
そのブライルの英雄の子孫たちの手で、反グリンラスの象徴となりつつあるトルパ要塞を討つ。
ゲデルにとっては、内外に対する大きな政治的アピールとなるであろう。

17マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち・4:2007/05/30(水) 19:02:13
セルリアの脳裏に、少年たち一人一人の顔が浮かんだ。
『先生』
『セルリア先生』
セルリアを呼ぶ彼らの声が思い出される。
素直で気品溢れる少年たちだ。
皆、セルリアの事を敬い、慕ってくれている。
そして、セルリアもまた彼らの事を愛するようになっていた。
かつて別れた、彼女自身の息子のように。

少年たちの部隊が反グリンラス活動鎮圧のために使われるだろうという事は、彼らの訓練を命ぜられた時から、セルリアも予想していた。
それは、彼らのような家系に生まれた者が背負う宿命。
だが、だからこそせめて、戦いの中で自ら生き延びることの出来る力を身に付けさせるために、セルリアは少年たちを鍛え上げてきたのだ。
彼らが、自分自身の手でこれからの運命を切り開いていけるように。
深い愛情のこもった厳しさでもって。

だが、その彼らが送り込まれようとしているトルパ要塞は、地獄という言葉でも言い足りない程の過酷な戦場。
まず生還は期待できない、絶対の死地。
セルリアがわが子のように愛する少年たちが、そんな場所に向かわされるのだ。
あのゲデルの失政の後始末のために。
(許せない。こんなことが許されるはずが無い。必ず止めなければ!)
少年たちの顔を思い浮かべながら、セルリアは思った。

必死になって、セルリアは主を説得した。
だが、長時間に及ぶ必死の懇願にも、トリギオは眉一つ動かすことは無かった。
そして・・・。
「・・・私の教え子たちを、あのような場所に送り込むことは出来ません。あの要塞は、私が刺し違えてでも陥としてみせます。ですから・・・」
「セルリア!」
それまで黙って下僕の訴えを聴いていたトリギオが、低く響くような声を発した。
「え・・・」
久しく聞いたことの無かったトリギオの声音に、一瞬セルリアは凍りついた。
(こ、これは・・・)
改めて、主の顔を覗き見るセルリア。
「・・・!」
そこに怒りの感情を見出し、おもわず顔を強張らせる。

それまで横たえていた身を起こしながら、トリギオは言った。
「セルリアよ・・・、お前は儂の何ぢゃ?」
「・・・」
彼の怒りの前に、セルリアは、ただうずくまり、震えるのみ。

身を起こしたトリギオに命ぜられるまま四つに這い、臀を掲げさせられる。
そこに・・・、パシーン。
臀肉を打つ音が響きわたった。
パシーン、パシーン、パシーン・・・。
トリギオはその掌でもって、セルリアの臀を打ち続ける。
打たれる臀から、痛みと共に別の感覚が全身に拡がっていく。
(・・・あぁ、そ、そんな・・・)
痛みと共に昂ぶっていく自らの肉体に、セルリアは思い知らされる。
(そう・・・、私は・・・、私は・・・)

18マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち・4:2007/05/30(水) 19:02:45

スパンキングが終わると、トリギオはセルリアに、そのまま自らの手で臀を広げるよう命じた。
赤くはれた臀肉に指が食い込み、肉の谷間を左右に割り開く。
ひっそりと隠れていたアヌスが、トリギオの前に晒される。
そこに自らの逸物をあてがいながら、トリギオは言った。
「もう一度問うぞ。セルリア、お前は儂のなんぢゃ?」
セルリアは震えながら答える。
「私は・・・、聖母闘士セルリアは・・・、貴方の、将軍トリギオの忠実な下僕です」
返事を聞くや、トリギオは逸物を下僕のアヌスに突き立てた。
「ううぅっ・・・」
セルリアは呻く。
だが、長年に渡って馴致され続けた彼女のアヌスは、主の逸物を楽々と受け入れていく。
逸物を根元まで埋め込むや、トリギオは腰を使い出す。
肉体の中心に太い杭を打ち込まれ、内臓を揺さぶられるような感覚に、セルリアは翻弄される。
そして、次第に速まっていくトリギオの腰使いと共に、燃え上がっていくセルリアの官能。
しだいに侵食されていく意識の中、セルリアは思った。
(そう、これが私の、聖母闘士セルリアの真の姿。私は、淫らな性奴隷・・・)
さらに、少年たちの顔を思い浮かべる。
名門貴族出身の、気品溢れる子供達。
セルリアのことを師として敬い、慕う少年たち。
彼女がわが子のように愛する教え子たち。
(ごめんね。私、あなたたちを・・・)
(あんなに私のことを慕ってくれるあなたたちを・・・)
(ううん、違うの。最初から私には、あなたたちに慕われる資格なんてなかったの・・・)
(だって・・・、私は・・・、私は、こんなに淫らな性奴隷なんだから・・・)
(被虐の悦びに塗れた淫らで卑しい性奴隷・・・、それが私・・・)
(そんな私が・・・、偉そうに・・・、あなた達に戦士として生きる術を教えるなんて・・・)
(あなた達のことを、まるで自分の子のように愛するなんて・・・)
(おかしいよね・・・)
(笑っちゃうよね・・・)
(ごめんなさい・・・)
(ごめんなさい・・・)

「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」
四つに這った裸身を揺らしながら、うわ言の様にセルリアは呟く。
その目は、涙で溢れている。
彼女を見下ろすトリギオ。
彼の息遣いも荒い。
だが、かまわずトリギオは、腰使いを早める。
そして・・・、
「ごめんなさいーーー!!!」
全身を震わせながら、一際大きな絶叫を放つ。
同時に、トリギオの精が、彼女の直腸に放たれた。

そのまま突っ伏し、気を失っていくセルリア。
彼女の口から、かすかな呟きが漏れた。
「・・・みんな・・・、ごめんなさい・・・」

そんなセルリアを、トリギオは肩で大きく息をしながら見下ろす。
そして、ぽつりと呟いた。
「セルリア。儂はな、お前を失いたくはないんぢゃよ・・・」

19マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:7:2007/06/07(木) 10:50:34

少年たちの出撃を翌日に控えた夜。
ブライル政府主催の盛大な壮行会が開かれていた。

「・・・諸君らの活躍が切り開く、ブライルの輝かしい未来のことを思えば・・・、諸君らはブライルの英雄として必ずや歴史にその名を・・・」
政府首班ゲデルの長々と続く演説に、すっかり座は白けきっている。
来賓席からは、うんざりしたようなざわめきが聞こえる。
本来の主役であるはずの少年たちはというと、さすがに退屈そうではあるものの、一応、行儀良く演説に聞き入っている・・・、ように見える。
だが、よく見ると、彼らもまた、チラチラと視線を動かして周囲を探っているのがわかる。
少年たちはある人物を捜しているのだ。
彼ら全員が、ぜひこの場にいて欲しいと願う人を。
政府首班などよりも、ずっと敬い慕う人の姿を。
そう、何故かこの場に姿を見せない師、彼らの敬愛する聖母闘士セルリアの姿を探して、少年たちは視線を動かす。

ようやく演説が終わり、舞台の上からゲデルが下りた。
ゲデル本人を除く全ての出席者の間に、ほっとしたような空気が流れる。
そのまま、立食形式のパーティーとなった。

突然、奏でられていた音楽が変わり、舞台の上にスポットライトが当たった。
注目する全員の目前で照らし出される人影。
深紅のドレスに身を包み、黒いピンヒールを履いた美女。
「先生!」
「セルリア先生!」
うれしそうに教え子たちが呼ぶ声に、聖母闘士セルリアは優しい微笑を返した。

「みんな、おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
セルリアの祝辞に、少年たちはどぎまぎしながら礼の言葉を述べる。
だが彼らは、とかく視線を彼女から外そうとする。
普段のセルリアは、少年たちの前では、せいぜい薄化粧した顔しか見せない。
だが、今夜の彼女は、妖艶な濃いメイクをしている。
形は良いが小ぶりで控えめな乳房が、胸の盛り上がりを強調するようなデザインのドレスによって、いつもと異なりその存在を強くアピールしている。
括れた腰から広がるスカートが、彼女の普段と異なる女ぶりを際立たせる。
いままで少年たちに見せたことの無い、艶めいた雰囲気のセルリア。
いつもの彼女の、ずっと露出の多い衣装を見慣れているはずの少年たちが、目のやり場に困っている。

そんな教え子たちの様子を、セルリアは微笑ましく眺めながら言った。
「みんな。改めて、おめでとう。これから私が見せるのは、私からあなた達への贈り物よ。さあ、受けとって!」
彼女の言葉と共に、流れる音楽が再び変わった。

20マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:8:2007/06/07(木) 10:51:34

艶やかさを感じさせる音楽に合わせて、セルリアは舞う。
軽やかなステップと共に、スカートが舞い拡がる。
その度に覗く、むっちりとした生足に、見る者の目は釘付けになる。
その足が時折大きく上がり、スカートがふわぁっと舞い上がる。
一瞬だけ剥き出しになる太腿の付け根には・・・、ひょっとして、何も穿いていない?
プリプリと肉付きの良い尻が晒される度、観客の間からは歓声のようなどよめきが起こり、よりはっきり見んがための、突き刺すような視線が飛ぶ。

セルリアの舞を唖然として見つめる少年たち。
彼らの視線もまた、師の下半身に釘付けになっている。
先ほどからの戸惑いがますます大きくなっていく。
(ど、どうしたんだよ・・・)
甘く疼く自らの下半身に、困惑する少年たち。
普段のずっと露出の多い衣装を前にした時でさえ、ここまでの気持ちになったことは無い。
時折露な肌を盗み見てはセルリアに叱られるが、彼らにとってそれは、他愛の無い悪戯のようなものだ。
むしろそれは、叱られる事までも含めて、彼女とのコミュニケーションの一つになっていると言って良い。
それが、今は・・・。
少年たちは、敬愛する師に対して劣情を抑えられず、身を悶えさせている。
(ど、どうなさったんです、先生?)
セルリアの顔へと目を向ける少年たち。
そこに見出したのは・・・。

妖艶なメイクに彩られた、セルリアの凄艶な表情。
小さな仕草の一つ一つが、淫蕩さに溢れている。
観客がどよめく度に、彼らに向かって蠱惑的な微笑を送る。
それがまた、男たちの劣情を奮い立たせる。

凛とした誇り高き女戦士としての姿しか知らない少年たちにとって、男への媚態に満ちたセルリアの姿はあまりに衝撃的だった。
彼らは、ただ圧倒されるのみだ。

そんな教え子たちの姿を見ながら、セルリアは思う。
(さあ、見て。これが私の本当の姿・・・)
(本当の私は、あなた達が思っているような立派な戦士なんかじゃないの・・・)
(聖母闘士は、誇り高き戦士なんかじゃないの・・・)
(あなた達に、偉そうに教えを説けるような存在じゃないの・・・)
(本当の私は・・・)
(みんな、ごめんね・・・)
心の中で少年たちに詫びながら、セルリアは身をくねらせ、舞い踊る。

唖然としながらも、食い入る様にセルリアを凝視する少年たち。
やがて、彼らの痛いほどの視線を浴びながら、セルリアは背中に手を回す。
ドレスのファスナーを、ゆっくりと下ろしていく。
「!」
「先生・・・?」
見守る観客たちの、そして少年たちの間に、どよめきが走る。
彼らの視線を感じながら、セルリアは思った。
(見て! これが私の、聖母闘士セルリアの真の姿よ・・・)
(さあ見て、淫らで卑しい性奴隷の姿を! そして嗤って、自惚れていた愚かな私を!)
彼女の纏っていたドレスが、肩から滑り降りる!

21マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:9:2007/06/07(木) 10:52:24

その時、
「やめてください!」
少年の甲高い声が響き渡った。
とっさにセルリアは、滑り落ちようとするドレスを胸もとで押さえ、蹲った。
声の方を見やり、呟く。
「ビル・・・」
セルリアの、そして他の全ての人々の視線の交わる先に、少年はいた。
その少年、ビルは固い表情で訴える。
「やめてください、先生。そんな、ご自分を貶める様な事はなさらないで下さい」
そんな彼に、ゲデルが笑いながら言った。
「おいおい、セルリア殿は・・・」
「わかっています!」
ゲデルを睨みながら、ビルは叫んだ。
「聖母闘士がどういうものなのか、僕らも噂は聞いています。正直、直接お会いするまでは、よからぬ妄想を抱くこともありました。
けれど、セルリア先生は、少なくとも僕らの前でのセルリア先生はそうじゃなかった。僕らの前では、この上なく誇り高く美しい戦士だったじゃないですか!」
少年の目に、涙がにじむ。
「戦士としての在りかたを、先生は僕らに教えてくださいました。この上なく厳しく深い愛情を込めて・・・。あの先生の姿は、まるっきり嘘だったんですか? 違うでしょう!
僕らの前での、誇り高き戦士としての姿もまた、本当の先生の姿なんでしょう」
「ビル・・・」
圧倒されたかのように、セルリアは呟く。

ビルは言葉を続ける。
「先生、ご存知ですか? 僕が、僕たちがこれまでどのように育てられてきたかを? 
“ブライル貴族の名を汚さぬように勇敢に戦い、一人でも多くの敵を道連れにして死ぬこと”、“ブライルの英雄となって死ぬこと”、それが、僕たちの教えられてきた全てでした。
でも、僕たちはそのことに疑問を抱いたことは無かった。だって、それ以外の生き方があるなんて、誰も教えてなんかくれなかったから・・・。そう、実の両親でさえ・・・」
「ビル・・・」
「でも、先生は違いました。先生は僕たちに、戦士として生きるということを、戦って死ぬ以外の生き方を教えてくださいました。最初のうちは、僕らも戸惑いました。
反発もしました。けれど、そんな僕らを、先生はしっかりと受け止め、導いてくださいました」
「・・・」
「そのための先生の教えは厳しかった。けど、辛いなんて思ったことはなかったんです。だって、その厳しさに込められたセルリア先生の思いをいつも感じていたから」
「・・・」
「始めのうちは、その、暖かく包み込むような感じが何なのか、僕らにはわかりませんでした。だって、そんな思いを向けられたことは、それまで一度も無かったから。
そう、実の母からも・・・。でも、今はわかります。あれは、先生の愛情なんだって。
僕たちのことを、まるで御自分の子のように思ってくださるがゆえの、先生の深い愛情なんだって!」
仲間の少年たちを見回すビル。
「そして今では、そんなセルリア先生のことを、僕らは皆、自分の母親のように思っているんです。なあ、みんな!」
ビルの言葉に、少年たちが頷く。
「あなたたち・・・」
震える声で呟くセルリア。

22マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:10:2007/06/07(木) 10:53:08

涙を溢れさせながら、ビルは言う。
「だから、先生・・・、そんなに御自分を貶める必要なんて無いんです。
他ではどうであれ、僕たちの前での先生は、間違いなく、誇り高き戦士であり、厳しくも優しい先生であり、そして慈しみ深い母であったのですから」
「みんな・・・」
セルリアの頬を、涙が伝った。

少年たち一人一人の顔を眺めるセルリア。
彼らは皆、両目に涙をため、セルリアへの感謝の表情を浮べていた。
“戦死して英雄となる”、という宿命を背負った自分たちに、愛情に包まれた日々の思い出を与えてくれたセルリアへの感謝の表情を浮べていた。
(ビル・・・、みんな・・・、それほどまでに私のことを・・・)
湧き上がる思いで、彼女の胸は一杯になる。

ふとその時、ビルの股間の様子がセルリアの目に入った。
もっこりと膨らんでいる。
他の少年たちに目をやると、彼らも同様だ。
セルリアの頬が、微かに緩む。
(男の子だもんね・・・。お年頃だもんね・・・。しょうがないね・・・)
セルリアの表情に、少年たちも、自分たちの体の変化に気がついた。
慌てて股間を押さえる。
彼らに向かって、ゲデルが茶化すような声をかける。
「なーんだ、君たち・・・、!?」
ゲデルは背後から殺気の様なものを感じ、言葉をとぎらせた。
恐る恐る振り返るや、トリギオの凍てつく様な視線を浴び、その身を固まらせる。
トリギオは暫くゲデルを睨みつけていたが、やがて少年たちに、そしてセルリアに顔を向けた。
それまでとはうって変わった、穏やかな表情だ。
そんな主に、セルリアは懇願するような視線を向けた。
「・・・」
トリギオは、無言で頷いた。

23マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:11:2007/06/07(木) 10:53:55

部屋の中心に置かれた大型ベッドの周囲に、少年たちがたたずんでいる。
全員バスローブ姿の少年たちは、どこかきまり悪そうな風に、もじもじと互いを見やっていた。
部屋の中に、セルリアが入ってきた。
「みんな、待たせたわね」
彼女もまたバスローブ姿だ。
居並ぶ少年たちの前に立つや、にっこりと微笑む。
「さあ、ありのままの私を見て」
彼女の足元にバスローブが滑り落ち、全裸の肉体が露になった。

今まで浴びていたシャワーの湿り気を残す、健康的に日焼けした肌理の細かい肌。
やや小ぶりだが形の良い乳房と、その頂に佇む乳首。
よく手入れされた股間の飾り毛と、豊かさを感じさせる肉付きの良い臀。
ムッチリと張った逞しい太腿。
セルリアの全てが、少年たちの目前に晒される。
彼女は言った。
「さあ、みんな見て。これが、何の偽りも無い私の姿よ。」

「先生・・・」
「セルリア先生・・・」
言われるまでも無く、少年たちの視線はセルリアに釘付けになっている。
いつも、厳しくも深い愛情をもって自分たちを鍛えてくれる師の裸身に。
そんな彼らに、セルリアは言う。
「みんなも、私に見せて。あなた達のありのままの姿を」

言われるまま、少年たちも全裸となっていく。
その間も、彼らの視線はセルリアから離れない。
先程までの、男への媚態に満ちた姿とは異なる、自然体のセルリアの裸身。
だが少年たちの目には、より魅力的に映る。
自分たちにありのままをさらし、また、ありのままの自分たちを受け入れてくれようとするセルリアの姿は、神々しいまでの輝きを放って、少年たちを惹きつける。
“けっして拒まれることは無い”、そんな安心感を抱きながら、自身をさらけ出していく少年たち。
瑞々しさ溢れる彼らの裸身の中心で、初々しいペニスが天を衝かんばかりにそそり立っている。

そんな教え子達を、セルリアは愛しげに眺める。
そして、ベッドに腰掛けながら言った。
「最初は、そうね・・・、ビルから・・・。さあ、来て」
招かれるままに歩み寄ろうとするビルだが、後一歩のところで躊躇する。
そんな少年に向けられる、セルリアの微笑み。
「いいのよ、ビル。さあ、来て・・・」
「・・・・・・、先生!」
永遠にすら感じられる一瞬の後、ビルはセルリアに抱きついた。
やや薄めの胸板が乳房を押し潰し、微かに湿る肌同士が重なる感覚が、ビルを興奮させる。
セルリアも、教え子を優しく抱きしめる。
固く抱き合いながら唇を重ねあい、音を立てて吸いあう。
そして、少年はセルリアの乳房にむしゃぶりつく。
「先生、セルリア先生!」
セルリアを呼びながら、ビルは激しく乳首を吸う。
少年の様子を、暖かく見守るセルリア。
そう、かつて、自身の息子ハウルに授乳したときのような慈愛に満ちた眼差しで・・・。

24マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:12:2007/06/07(木) 10:54:54

やがて、少年は本能に導かれるままセルリアを押し倒し、幼いいきり立ちをぬめる女陰にあてがう。
そのまま、一気に貫こうとするが・・・、
「・・・っ!」
思うようにいかない。
「大丈夫よ、焦らなくてもいいの・・・」
セルリアは優しく微笑むや、ビルのペニスに手をそえ、自らの秘唇に導く。
「ビル。さあ、来て」
呼びかけに対して、少年は腰を突き出すことで応えた。
「うぅっ!」
生まれて初めて感じる熱い肉の感覚に、ビルが感動の呻き声を漏らした。
セルリアもまた、女肉越しに少年の熱い血潮を感じ、全身に漣を走らせる。
彼女の目じりから、一筋の涙が流れ落ちた。

「うぁぁ・・・」
ビルが腰を振り出す。
不器用な、だが懸命な腰使い。
そんな彼を、優しく抱きしめるセルリア。

そして、2人の交わる姿を見守る、他の少年たち。
ビルの腰使いと共に、彼らの呼吸も速くなっていく。

「うあぁぁー!」
叫びと共に、セルリアの中に迸りを放つビル。
そのまま脱力する彼の肩に、手が掛かり、脇へと押し退けられる。
「つ、次は僕だ!」
「ちょ、ちょっと、ディル。ディルったら!そんなに慌てなくても・・・」
セルリアの言葉を無視して、少年ディルは彼女にのしかかっていく。
そして、他の少年たちも・・・。

先を争うようにして、セルリアと交わる少年たち。
伸し掛かってくる彼らの体重。
セルリアの体内に次々と放たれる、彼らの精の熱さ。
それらを感じながら、セルリアは身も心も昂ぶっていく。
心身を昂ぶらせながら、セルリアは思う。
(そうよ、そう。さあ、刻んで、 私の体に。あなた達が生きてきた証を!)
(英雄として迷い無く死んでいくために作り上げられた人生ではなく・・・)
(あなた達一人一人が、それぞれ一人の少年として、ありのままの生を生きた証を・・・)
(私の心に、そして体に刻み込んで・・・)
(私は、忘れないから・・・)
(世の人々が、あなた達を英雄としてしか記憶しなくなっても、私は忘れないから・・・)
(ありのままのあなた達と過ごした日々を、私は忘れないから・・・)
「さあ、来て! もっと、もっとよ!」
心と体を燃え立たせながら、セルリアは叫んだ。



数日の後。
トルパ要塞への総攻撃が開始された。
少年たちの部隊は先鋒として突撃した。
彼らは勇敢に攻めかかり、大損害を受けながらも要塞の一角に取り付き、突破口を開くことに成功する。
そして、そこから要塞の中心部へ突入した後続部隊が、反グリンラス派反乱部隊を撃滅。
要塞は陥落した。
少年たちが、セルリアの教え子たちが、不落を誇った要塞を攻め落したのだ。
自分たちの全滅と引き換えに・・・。

25マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:13:2007/06/07(木) 10:55:46

月日が流れた・・・。

ブライルの都に建つ、巨大な記念塔。
夕日の照らす中、その前に跪く聖母闘士セルリアの姿があった。

トルパ要塞の陥落後、象徴を失った反グリンラス活動は急速に下火になっていった。
今では、ブライル内にグリンラスに反抗する者は殆んどいない。
そして、グリンラスの威光のもと、政府首班ゲデルの力も強まった。
彼はグリンラスへの協力体制を強化し、更に多くの兵力や物資の供給を行っている。
それらを背景に、グリンラス軍内部でのブライルの、いや、ゲデルの存在感は増していった。
その上でゲデルは、近年衰弱の激しい老将軍トリギオを差し置いてグリンラス皇帝へ直接取り入り、篤い信頼を得ることにも成功している。
彼の地位はすっかり磐石な物となった。

少年たちの死から最大限の利益を引き出した男、ゲデル。
彼は少年たちを英雄として祭り上げた。
彼らを讃える巨大な記念塔を建設し、少年たちの戦死した日を国家の記念日と定め、毎年盛大な式典を催している。
今日もまた、朝から様々な催しが行われた。

夕方となり、式典も終わって人気の無くなった記念塔の前。
跪いたセルリアが、教え子達の霊に語りかける。
「世の人々の記憶には、あなた達はあくまで“国のために迷うことなく命を捧げた英雄”として刻まれていくのでしょうね・・・」
記念塔に刻まれた少年たちの石像を見上げながら言う。
「でも、私は忘れないわ。本当のあなた達を・・・」
教え子たちと過ごした思い出の日々が、セルリアの脳裏に蘇る。
年相応に、様々に迷い、怒り、そして笑った少年たちの姿。
彼女のことを、本当の母親のように慕ってくれた少年たちの顔。
そして、彼らと交わした肌のぬくもりと、体内で受け止めた熱い生命の迸り。
心と体に深く刻み込まれたそれらの全てを改めて思い起こしながら、セルリアは少年たちのために祈る。

そんなセルリアの姿を、車椅子に乗ったトリギオが無言で見守っていた。



その日の夜。
ある高級ホテルの最上階。
広い部屋の中央に置かれた豪奢なベッドの上で絡み合う、2つの裸体があった。

「それにしても、トリギオ閣下のご容態があれほどお悪いとは・・・。あの御様子ではもはや、夜の営みも満足には出来ますまい。セルリア殿、貴女もさぞ肉体を持て余して・・・、っつ! いてて・・・」
伸し掛かるセルリアの股間に顔を埋めながら軽口を叩いていたゲデルの脳天が、セルリアの膝で小突かれた。
「無礼な!口を慎みなさい!」
ゲデルの逸物から口を離したセルリアが、厳しい口調で言った。
彼女の口元には、今まで舐めしゃぶっていたゲデルの逸物が、唾液に塗れながらそそり立っている。
それを握る指にも力が入り、ゲデルは小さく呻き声を漏らした。
しばらくゲデルの顔を睨んでいたセルリアだったが、やがて眼前の逸物への奉仕を再開する。
彼女に与えられた命令に従うために。
ゲデルの逸物に舌を這わせながら、セルリアは思う。
(皇帝の命令でさえなければ・・・)

26マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:14:2007/06/07(木) 10:56:38

先程まで続けられていた宴を、将軍トリギオは体調不良のため途中退席した。
本来なら彼に付き従い看護しているべきセルリアだが、ここでこうしてゲデルと肌を重ねているのは、皇帝の命令があるからだ。
最近、お気に入りの臣下であるゲデルへの褒賞として、皇帝はセルリアへ彼への肉体奉仕を命ずる事が多くなったのだ。
彼女の、本来の主たるトリギオを差し置いて。
だがセルリアに、そして老い衰えグリンラス内部での影響力を急激に失いつつあるトリギオに、皇帝の命に逆らうことなど出来ない。
そのために、セルリアは心ではトリギオの容態を案じながらも、その身はゲデルへ奉仕することに甘んじているのだ。
彼女の教え子達の命を踏み台にして地位を固め、今又、愛する主の地位を脅かしつつある男、ゲデル。
口惜しさを押し殺しながら、セルリアは彼の逸物への奉仕に励む。

加えて、最近セルリアには不安に感じていることがあった。
トリギオとの行為でしか、決して満たされないはずの彼女の肉体。
それが、ゲデルとのセックスにおいては、容易に絶頂へと追いやられるようになってきたのだ。
(よりによって、こんなやつの手で・・・、こんなやつ相手に・・・)
自身の肉体の変化に、恐れ戦くセルリア。
(そういえば、こいつの言うとおり最近は・・・)
『・・・貴女もさぞ肉体を持て余して・・・』
ゲデルの言葉が脳裏に蘇る。
(だめ! 何を考えているのよ、私は! と、とにかく、今はこれを早く終わらせないと・・・)
目の前の亀頭を含もうとするセルリアだが、
「ひゃあ! な、何?」
股間から駆け上がってきた甘美なる衝撃に、背筋を震わせた。
彼女の肉襞を掻き分けたゲデルが、剥きだされた肉芽をざらりと舐めあげたのだ。
「あ・・・、だめ、そんな・・・」
「ふふふ、喜んでいただいて光栄です」
嬉しげに呟くや、ゲデルは愛撫の勢いを増した。
巧緻を極めた舌使いに弄ばれ、身も心も昂ぶっていくセルリア。
彼女の脳裏に、主トリギオのさびしげな顔が浮かんだ。
(そう・・・、私は・・・、でも、だめ・・・)
「あ、あぁ、ああぁぁ・・・」
思わず身を起こし、ゲデルの顔に股間を押し付けるセルリア。

(へっへっへ、体は正直なものだ・・・)
聖母闘士の悶える様を見上げ、にやけながらゲデルは思った。

27マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:15:2007/06/07(木) 10:57:43
思えば、最初に出会った時。
セルリアの蔑む様な視線を浴びながら、密かに自分は誓ったのだ。
この女を必ず手に入れて見せると・・・。
それには、グリンラスの彼方此方に、そして何より皇帝に取り入る必要があった。
そのために、今までずいぶん無理も重ねてきた。
ブライル人の反発を買い、しばしばセルリアに、そして将軍トリギオに蔑まれながら。
そう、将軍トリギオ。あの老いぼれ。
最初に皇帝に拝謁した時、彼と皇帝とのやり取りから、自分はあることを感じた。
実は皇帝は、この老将のことを疎ましく思っているのではないか?
表向きは、あくまでトリギオに敬意を表しているように見せながら、内心では煙たく思っている。
そんな皇帝の真意に、この自分だけが気づいた。
そしてある時、トリギオ不在の折に、密かに打診を試みた。
ある意味でそれは、危険な賭けだった。
だが、その賭けに自分は勝った。
皇帝は、誰にも明かしたことの無い自らの真意を察し、またグリンラス帝国への協力の労を惜しまない、このブライル政府首班ゲデルに対し、篤い信頼を寄せるようになったのだ。

そして今、この女はこうして自分の上で喘いでいる。
“ゲデルの相手をせよ”、という皇帝の命に従って。
あの将軍トリギオが愛してやまない聖母闘士セルリアが、散々蔑んできたこのゲデルの上であられもなくよがっている。
そして皇帝は、更なる密約を自分と交わしてくれた。
そう、“将軍トリギオ亡き後、聖母闘士セルリアをお前に下賜する”、という約束を。
グリンラス以外の種族で、初めて聖母闘士を下僕と出来る名誉。
そしてなによりも、このセルリアを自分の物に出来る喜び。
勝利感と期待感が湧き上がる。
(あの老いぼれももう長くないしな。そうなれば・・・。こいつとは今までいろいろあったから少々反抗的だろうが、体の方はこの通り出来上がっているし・・・)
様々な妄想が膨らむ。

28マザリア 聖母闘士の伝説  セルリアと少年たち:16:2007/06/07(木) 10:58:27
その時、ゲデルはふと、あの少年たちのことを思い出した。
彼に多くの成功をもたらしてくれた、セルリアの教え子たちのことを。
そして、彼らの言葉も。
『・・・僕らの前での、誇り高き戦士としての姿もまた、本当の先生の姿なんでしょう』
(そうだな、君たちの言う通りだ)
ゲデルは思った。
(完全な淫乱女に仕立てたんじゃつまらないよな。そう、聖母闘士セルリアはあくまで誇り高く美しい女戦士でなくちゃ・・・)
(その誇り高き戦士様が、このゲデルの腕の中でだけヒィヒィよがりまくり、淫らな痴態を晒す。そうでなくちゃ面白くない・・・)
ゲデルは起き上がった。

「な、何?」
愛撫を中断されたセルリアが、不満げな声を上げる。
ゲデルは改めてベッドの縁に座ると、膝の上で彼女を背後から抱きかかえた。
さらに、リモコンを操作して、締まっていた窓を開け放った。
窓の外に見えるのは、巨大な記念塔。
そう、セルリアの教え子たちの霊の眠る、聖なる場所。
そして、ゲデルはセルリアの太腿に手を掛けるや、一気に割り開いた。
少年たちの霊に対して、セルリアの濡れぼそる女自身がさらけ出される。
「い、いや・・・、や、やめて!」
抵抗するセルリアの女陰を、背後からゲデルの逸物が一気に貫く。
「あうぅっ!」
セルリアの口から、声が漏れる。
彼女を激しく責め立てながら、ゲデルは少年たちの霊に語りかける。
(少年たちよ、安心して眠ってくれ。君たちが母のように慕ったセルリア先生は、これからはこのゲデルが末永くかわいがってあげるから。それが、君たちへの、私なりの感謝の証だよ)
語りかけながら、セルリアを責め立て続けるゲデル。
たまらず絶頂へと追い込まれるセルリア。
顔を後ろに回し、ゲデルの唇を求める。

ゲデルと唇を重ねるセルリア。
そんな彼女の視界に、記念塔が映った。
脳裏に蘇る教え子達の顔。
『先生』
『セルリア先生』
教え子達の声が聞こえた。
(みんな・・・、ごめんなさい。私は・・・)
だが、それらの全ては、怒涛のように押し寄せる悦楽の津波に飲み込まれ、消えていく。

狂ったようにゲデルと舌を絡めあい、貪りあう。
促すように、自ら腰を激しく振る。
そして・・・
「あぁあぁ〜、い、いく、いっちゃう〜〜〜〜!!!」
聖母闘士セルリアの絶叫が、部屋の中に響き渡った。

<おわり>

29マザリア 聖母闘士の伝説  ある夏の出来事:2007/06/28(木) 11:31:50

いつもと変わらぬ、夏の夜の風景。
いや、よく見ると変だ。
奇妙に流れ星が多い。
一つ、二つ、三つ・・・、気がつくと、数え切れぬ数の流れ星が、次々と星々の間を駆け抜けていくのが見える。
この夜空のどこかで、何かが起こったのか?

だが、少年にとっては、夜空の異変よりも、もっと重大な関心事があった。

「美美・・・」
「敢敢・・・、だめよ・・・」
隣に座る少年の呼びかけに、少女は恥じらいに頬を染めながら、かすれた声で答えた。
少年は、かまわず少女の肩を掴む。
「美美、いいだろ・・・?」
不安げな少年の声色と、すがるような眼差し。
「・・・」
一瞬の沈黙の後、少女はこくりと頷いた。
少年は瞳を輝かせ、少女に顔を寄せていく。
2人の唇がそっと重なろうとした、ちょうどその時・・・、急に周囲が光に包まれた。

とっさに固まった2人の耳に空を引き裂くような音が入り、体には地面を揺らす振動が伝わってくる。
「な、なんだ?!」
「あっちよ。敢敢、行って見ましょう!」
「ちょ、ちょっと、美美!」
少年と少女は立ち上がり、音のした方角へ歩き出した。

遠くに半鐘の音が聞こえる中、敢敢と美美は村はずれの雑木林を抜けて、裏山へと登っていった。
「このあたりのはずだけど・・・、うわっ!」
尾根筋に達した敢敢が、驚きの声を上げた。
彼らが登ってきたのと反対側の斜面の木々が、なぎ倒されていたのだ。
何かの爆発によるものらしく、木々は放射状に倒れており、中心部では、炭化した木がプスプスと白煙を立てていた。
「・・・一体、何が起こったのよ・・・?」
呆然と呟く美美。
「流れ星が・・・、いや、違う! 別の何かが空から降ってきたんだ・・・、あっ、あれは!」
周囲を見回していた敢敢が、何かを見つけた。

「これって・・・」
傍らに立つ敢敢の腕を掴んだ美美の腕に、思わず力が入る。
「・・・」
その敢敢は、呆けたような表情のまま立ち尽くしていた。
2人の前に、一人の美しい女が横たわっていた。
それも、その身に一糸も纏わない全裸で・・・。
敢敢と美美の目の前に、まだ若い、だが十分に成熟した美女が全裸で倒れ伏していたのだ。
敢敢の目の前で、月明かりが女の肉体の全てを照らし出す。
「ごくり・・・」
敢敢が唾を呑み込む音が、妙に大きく響いた。

美美が、はっと我に返った。
女の傍らに駆け寄り・・・、ほっとしたように呟いた。
「良かった・・・、気絶しているだけみたい・・・」
さらに美美は敢敢に言った。
「敢敢!」
「あ、ああ・・・」
「上着脱いで!」
「え?」
戸惑い顔を浮べる敢敢。
「この人に何か着せなきゃ!」
「あ・・・、ああ」
言われるままに、上着を脱いで美美に与える敢敢。
美美はそれを受け取るや、女の剥き出しの肉体の上に被せた。
だが、ふと、あることに気づいた少女は、背後に立つ少年の方に振り向いた。
「敢敢・・・、あなたさっきから・・・、何・・・、見てるの?」
「え!?」
少年は青ざめる。
少女の言葉と視線に込められた怒りで、彼は周囲の気温がいきなり低下したように感じた。
「美美・・・、こ、これはね・・・」
慌てて言い訳する少年。
だが、その間も、彼の視線は美美を通り越し、彼女の背後に倒れる女体へと、無意識の内に流れていく。
「敢敢・・・」
美美の言葉が、更に冷たさの度を増す。
「美・・・、美美? わ、わー!」
パチーン!
乾いた音が、周囲に響き渡った。

その時、
「ううっ・・・」
女が、微かな呻き声を上げた。
同時に、
「おーい!!」
麓の村から登って来た人々の声が聞こえた。

30マザリア 聖母闘士の伝説  ある夏の出来事:2007/06/28(木) 11:32:49

突然の出来事に、山間の小さな村は大騒ぎとなった。
敢敢たちが見つけた女は、自らの名をタルミアと名乗った。
大人たちとのやり取りの末、彼女は村長の家に身を寄せることとなった。
そう、敢敢の父、泰泰の家に・・・。




数日の休息ですっかり体力を回復したタルミアの所に、村の少年少女たちが押し寄せた。
彼女はたちまち人気者となった。
太陽を思わせる、陽性の美貌。
真っ白い歯を覗かせながらの、人を惹きつける朗らかな笑顔。
いつも野山を飛び回って遊んでいる子供たちすら驚かせる、驚異的な身体能力。
そして、そんな彼女の語る、村の外の世界の様々な出来事。
片田舎の山村で、刺激の無い退屈な日常を送っていた少年少女たちは、みるみる彼女に魅了されていった。

敢敢ももちろん、タルミアに魅了された一人である。
だが、彼には忘れることの出来ないことがあった。
そう、あの夜のこと。
あの夜、彼の目に焼きついた、タルミアの豊満な裸身。
月明かりに照らし出される、むっちりとした肉付きのいい肉体。
焼け焦げた地面に横たわる、シミ一つ無い滑らかな白い肌。
まるで、夢の中のような光景。
それが、少年の脳裏にこびりついて離れない。
普段、タルミアの笑顔に接していても、あの時の光景が突然脳裏に蘇り、少年を戸惑わせる。
そして、気がつくと固く膨らんでいる股間のこわばりを、慌てて周囲の目から隠す破目になる。
まして、夜、寝床に入ろうものなら・・・。
(あのタルミアさんが、この家の同じ敷地の中で・・・)
様々な妄想が、とめどなく膨らんでいく。
ここ暫らく、敢敢は寝不足の日々を過ごしていた。

そして、ある朝のこと。
蒸し暑い明け方だった。
いつものように、悶々と眠れない夜を過ごした敢敢は、気分を紛らわそうと早朝の散歩に出ることにした。
母屋を出て、庭を横切る。
タルミアの宿泊する離れの脇を過ぎる。
風通しを良くする為だろう、窓が開け放たれていた。
「?」
不意に、少年が足を止めた。
その場に立ち尽くしたまま、耳をそばだてる。
「・・・・、ぁ、・・・・」
微かな、かすれた様な声が耳に入った。
少年は、その声に聞き覚えがあった。
(タルミアさん?)
とっさに離れを覗こうとする敢敢だが、あわてて踏みとどまる。
(そんな、いけないよな、やっぱり・・・)
だが、彼の足は声に惹かれるかのように、主の意志に背いて窓辺へと向く・・・。

開け放たれた窓から、恐る恐る部屋の中を覗き見る敢敢。
次の瞬間、彼の目は大きく見開かれる。
彼が目にした物、それは・・・。

31マザリア 聖母闘士の伝説  ある夏の出来事:2007/06/28(木) 11:33:57

タルミアは、その身を臥所に横たえていた。
彼女は、横たえたその身を、悩ましくくねらせていた。
しどけなく身に纏った寝巻き。
大きく開いた懐では、豊かな双乳の作り出す深い谷間が覗き、下半身では、乱れた合わせ目から、むっちりした太腿が露となっている。
そして、タルミアは自らの両手を寝乱れた衣の中に差し入れていた。
片手を懐に差し入れて乳を揉み、もう一方の手で股間をまさぐっている。
寝巻きの薄い布越しに、乳房を揉みしだく指使いが、そして、揉まれて張りを増した乳房と、その頂に屹立する乳首の形が透けて見えた。
さらに、彼女の股間。
敢敢のような年頃の少年たちが夢想してやまない、神秘の場所。
柔らかい太腿の肉の合わせ目にひっそりと隠れる、男のそれとはまったく異なる未知の部位。
差し込まれた手が思わしげな動きを見せる度、タルミアの白い柔肌の上を、艶めかしい漣が走る。
そして、その時にタルミアが見せる顔。
目をつぶり、うっとりと喘ぐその表情。
昼間の彼女が見せる、どこまでも陽気な、まるで太陽のような笑顔とはまったく異なる、婀娜めいた表情。
いつもはきはきと歯切れの良い言葉を放つ口からは、艶やかにかすれる喘ぎ声がこぼれ、白い歯の間からは、艶然とうごめく舌が覗く。

初めて目の当たりにする、成熟した大人の女の自慰の光景。
敢敢は瞬きすら忘れ、食い入る様に見つめる。
いつの間にか、苦しげなまでに盛り上がっている彼の股間。
少年は半ば無意識のうちに手をやる。
解放された若い強ばりが、自らもまた大人であることを主張するかのように、天を衝く。
敢敢は宥めるかのように撫で擦る。
揺れる強ばりの頂から、透明な先走りが滲み出す。

敢敢の耳に、タルミアの喘ぎ声が早まっていく様子が聞こえる。
その声に合わせるように、彼の呼吸も荒くなっていく。
強ばりを擦る彼の手も、その動きの忙しなさを増していく。
そして・・・、
「あぁぁ!」
絶頂に達した女が一際大きく喘いだ瞬間、少年もまた達した。
「!!」
かろうじて声を出すのだけは堪えた敢敢。
股間から、白い迸りが勢い良く宙に舞った。

32マザリア 聖母闘士の伝説  ある夏の出来事:2007/06/28(木) 11:35:11

それから一日中、敢敢は悶々とした時間を過ごしてきた。
昼間、友人たちと一緒に、いつものようにタルミアと過ごしている間でさえ、朝見た光景が事あるごとに脳裏に蘇った。
(この人が、今朝はあんな姿で・・・、あんな顔で・・・)
いつものように快活でさばさばした様子のタルミアを見ていてさえ、そんな思いが頭をよぎる。
目の前にいる女が見せる、まったく異なる2つの顔。
大人の女の持つ、彼の理解を超えた二面性が、敢敢を弄び、戸惑わせる。
だが、同時に少年は、実は少しだけ誇らしげでもあった。
(誰も知らない、タルミアさんのもう一つの顔。それを知っているのは、僕だけなんだ)
そんな思いが、快活なタルミアしか知らない友人たちに対する微かな優越感となって、敢敢の胸の中に湧き上がってくる。
戸惑いと優越感。
この2つが絡み合った複雑な心境の下に、少年は一日の時間を過ごしてきた。



その日の夜。
ちょうど日の暮れたばかりの時分。

この村の近くの山では、温泉が湧いている。
温度が高く、量も豊富なその湯を、村の人々は各自の家の浴室にひいている。
村長の家である敢敢の家の浴室は、他の家屋から半ば独立した立派な物である。
それはもはや浴室というより、湯殿と呼ぶべき物だ。

その湯殿の前に、敢敢はいた。
窓の下に腰をかがめ、ひっそりと潜んでいた。
ザー・・・
湯船から湯が溢れる音が、少年の耳に入った。
今入浴している人のこと思い、敢敢は目を血走らせ、目の前の窓を見上げる。
「この向こうでタルミアさんが・・・」
微かな声で呟いた。

耳に入ってくる湯の音が、彼の脳裏に様々な妄想をかきたてる。
しっとりと濡れた髪。
湯に温められて、微かに朱に染まった白く滑らかな肌。
その上を、競うように滑り降りていく湯の滴たち・・・。

無意識のうちに、呼吸は荒くなる。
少年は、窓から中を覗こうと立ち上がった。

「何してるの?」
「!?」
突然の、背後からの声に、少年は慌ててしゃがみこむ。
「ねえ、何してるの?」
問いかけてくる、彼の良〜く知っている声。
「・・・」
恐る恐る振り返る敢敢。
「・・・美美・・・」
背後にかがみこむ幼馴染の少女を見出し、そのまま硬直する。

「ねえ、敢敢。今、ここで何してるの?」
抑揚の無い、妙に平坦な口調で美美は問いかける。
一見笑っているかのような彼女の口元。
だが、その眼差しは違っていた。
見るもの全てを凍らせる、絶対零度の怒りの炎で満ちていた。
その目で睨みつけられる敢敢は、体を動かすことも、喋ることも出来ず、ただ口だけを、ぱくぱくと動かしていた。
そんな少年に、幼馴染の少女の、血の気の引いた蒼白の顔が迫る。
「答えなさいよ!」
「わ・・・! し、しー! 美、美美! 声が大きい!」
慌てて美美の口を塞ごうとする敢敢。
「ちょ、ちょっと、敢敢!」
「だから、美美、静かに!」
揉みあう少年と少女。
その時・・・、
「何してるの?」
上のほうから声がした。
とっさに頭上を見上げる2人。
目に入ったのは・・・、一対の巨大な乳房であった。

33マザリア 聖母闘士の伝説  ある夏の出来事:2007/06/28(木) 11:35:53

上半身裸のまま窓から身を乗り出したタルミアが、呆気にとられて見上げる少年少女を見下ろしながら言った。
「ねえ君たち、そこで何してるの?」
こちらの方は、本心から穏やかな口ぶり。
敢敢は釣られるように答える。
「い、いえ。これは・・・」
だが、その間も彼の目は、頭上の乳房に釘付けになったままだ。
「・・・!」
はっと気がつき、慌てて目を逸らす。
逸らした視線が向いた先は、傍らの少女の胸元。
まだまだ肉付きの薄い、少女の胸。
「・・・」
無意識のうちに、敢敢の視線は、再びタルミアの胸へと向かう。
大きく盛り上がる胸乳と、その頂のやや大きめの乳首。
「・・・!」
自分の行為に気がついた敢敢が、再び慌てて視線を逸らす。
そのはずみに、美美と目が合った。
「敢敢・・・、あなたって人は・・・」
目にうっすらと涙を浮べた美美が、低い声で呟く。
「ち、違うんだ! 美美、これは・・・」
慌てて釈明しようとする敢敢。

少年と少女の様子を見下ろしていたタルミアの口元が、微かに緩んだ。
穏やかな口ぶりのまま、2人に言う。
「ねえ、このままでもなんだから、2人とも、一緒に入らない?」
「え!!!」
少年と少女の驚きの声が、きれいに重なった。
しゃがんだままの姿勢で、しばし固まる敢敢と美美。
まるで、周囲の全てが静止したような時間の中で、2人の眼球のみが目まぐるしく動き、互いの、そしてタルミアとの間に視線を飛ばしあう。
「・・・」
「・・・」
とてつもなく長いようで、実は短い時間が過ぎた。
沈黙に焦れた様に、タルミアが口を開いた。
「だから、3人で一緒にお風呂に入りながら話しましょうって・・・」
「い、いえ。いいです! 結構です!」
敢敢は立ち上がった。
「ちょ、ちょっと! 敢敢!!」
叫ぶ美美を無視して、少年は飛ぶように逃げ去っていった・・・。

逃げ去っていく敢敢を、唖然として見送る女2人。
「行っちゃった・・・」
「敢敢・・・」
タルミアの呟きに、美美の今にも泣き出しそうな声が応じた。
タルミアは美美の方を見るや、くすりと微笑みながら言った。
「しょうがないわね・・・。じゃあ、美美。あなただけでも、一緒に入りましょ」
「えっ! え・・・ええ」
年上の女の無邪気な笑顔に気圧されて、少女は承諾した。

34名無しさん:2007/07/02(月) 23:32:44

しばらく走り続けた後、ようやく敢敢は立ち止まった。
大きく肩で息をする。
そんな彼に、声をかける者がいた。
「敢敢、こんなところで何やってんだ?」
「父ちゃん」
父の声に、敢敢は振り向いた。

「あの年頃の男の子にはよくあることよ。私も、少し無防備すぎたしね。だからね、少々のことは大目に見てあげないと」
湯船に満々と張った湯に身を委ねながら、タルミアは言った。
「で、でも・・・」
やはり肩まで湯に浸かった美美が、言い返そうとタルミアの方を向く。
少女の眼に、湯にたゆたう堂々たる女体が映る。
しみ一つ無い、脂の乗った滑らかな肌。
豊かな盛り上がりを見せる双の乳房。
きゅっと引き締まった腹部。
たっぷりとした肉付きの良い腰まわり。
どこまでも白いその中心では、やや濃い目の飾り毛が、黒々とそよぐ。
ふくよかであり、それでいて、微塵もだらしなさを感じさせない体つき。
成熟した、大人の女の裸身。
その圧倒的な豊穣さは、同性である美美ですら魅了する。
しばし見とれる少女。
(きれい・・・、でも、それに比べて私は・・・)
見比べるように自分の体を見る。
肌の瑞々しさこそ負けてはいないものの・・・。
膨らみ始めたばかりの、薄っぺらな胸。
まるで西瓜を抱えたようなタルミアのそれに比べたら、薄い煎餅のようだ。
腰まわりも細く肉付きも薄く、股間で微かに萌え始めた絹草も、なにやらみすぼらしく見える。
目前の女体の豊かさに比しての、自らの体のあまりの貧弱さに涙が出そうになる。
(これじゃあ、やっぱり敢敢だって・・・)
美美の中の劣等感が大きくなっていく。

「大丈夫よ、美美。今の敢敢は、一時的に気持ちが迷っているだけなの」
少女の内心を見透かしたように、タルミアは言った。
「タルミアさん・・・」
「私にはわかるわ。あの子が本当に好きなのは、あなただけなんだってことが」
美美の目を覗き込むようにして、タルミアは語りかける。
彼女が穏やかに語る言葉は、不思議な説得力をもって少女の心に染込んでいく。
「だからね、美美、敢敢を許してあげなさい。彼が謝ってきたら、受け入れてあげるのよ」
「で、でも、それじゃあ・・・」
美美は反論する。
といって、別にタルミアの言葉に、心から反対というわけではない。
彼女自身、そのことは良くわかっている。
(タルミアさんの言うことは、おそらく正しい。でも・・・)
半ば意地になって、少女は反論する。

35名無しさん:2007/07/02(月) 23:33:31

そんな美美を、タルミアは、まるで昔の自分自身を眺めているかのような懐かしげな眼差しで見つめる。
そして、ニコリと笑うと、両手を伸ばして美美を引き寄せ、胸に抱きしめる。
「だめよ〜、美美〜。そんなに意地を張ってたら!」
「ちょ、ちょっと! タルミアさん!」
柔らかい乳房に顔を埋めながら、美美は湯の中の体をばたつかせる。
彼女の頭上で、タルミアの声がする。
「もっと、自分の心に正直にならないと・・・」
「タルミアさん?」
美美は、タルミアの声色が、急に変わったのに気づいた。
豊満な乳房に埋まっていた顔をおこし、タルミアを見上げる。
「タルミアさん!?」
彼女の顔に、今まで一度も見たことの無い表情を見出し、少女は驚く。
深い悔悟の念に溢れた顔。
普段のどこまでも陽気で快活なタルミアからは、想像もつかないようなその表情。
美美は、言葉を失った。
「・・・」
呆然と見上げる少女に、タルミアは言った。
「そう・・・、意地を張ってはだめ・・・。自分の心に正直にならないと・・・」

しばらく沈黙の時間が過ぎた後、タルミアが口を開いた。
「ねえ、これから少しだけ、お話を聞いてくれる? ある一人の女の子のお話を・・・」
あくまで穏やかな調子の、しかし有無を言わさぬ力のこもった彼女の口調。
「え、ええ・・・」
思わず頷いた美美に、タルミアは語り始めた。
「昔ね・・・」

36名無しさん:2007/07/02(月) 23:34:02

昔ね、あるところに、男の子と女の子がいたの。
幼馴染の2人は、とても仲良しで、いつも一緒にいたの。
月日は流れ、成長した2人は結ばれたわ。
そして、女の子のお腹には、2人の愛の結晶が宿った。
女の子はとても嬉しかった。
愛する男の子の子を宿すことが出来たから。
そして、彼女は改めて決意した。
(私は、いいお嫁さんになるんだ)
(産まれて来るこの子の、いいお母さんになるんだ)
これからの幸せな暮らしを夢見ながら、女の子は誓ったわ。




249 :マザリア 聖母闘士の伝説  ある夏の出来事・9:2007/07/01(日) 22:00:41 ID:IiTB/+xv
でもね、その頃、2人はちょっとしたことでけんかを始めたの。
きっかけは、とても些細なこと。そう、2人ともすぐに忘れてしまったくらいの。
でも、若かった2人は互いに意地を張り合ってね、とうとう、暫らく別れて暮らそうって事になったの。
いざ別れて暮らし始めると、女の子はすぐに後悔したわ。
日に日に大きくなっていくお腹の中の赤ちゃんのこともあったし、何よりも、別れて暮らすことで、自分がどんなに男の子のことを愛しているかが、改めてわかったから。

そんな女の子のところに男の子がやってきたの。

女の子に、男の子は言ったわ。
『ごめん。すまなかった。僕が悪かったんだ。これからまた2人で、いや3人で一緒に暮らそう』
彼の目は、心からの後悔と、女の子への愛情で溢れていた。
彼の言葉を聞いて、女の子は内心では、とても喜んだの。
(また、一緒に暮らせるんだ)
(この人の赤ちゃんを産んで、幸せな家庭を作れるんだ)
女の子は嬉しくてたまらなかった。
でも、それなのに、彼女はそこでまた、つまらない意地を張っちゃったのね。
『今更何よ!』
そう言って、女の子はその場から立ち去ろうとした。
本心では、男の子が引き止めてくれることを期待しながらね。
女の子の予想通り、男の子は追いかけてきた。
そして、男の子が、女の子の肩に手をかけたちょうどその瞬間・・・。


「タルミアさん・・・?」
話の途中で言葉を詰まらせたタルミアの顔を、不審に思った美美が覗き込んだ。
「タルミアさん!?」
血の気の引いた顔で、目にはうっすらと涙さえ浮べたタルミアの様子に、美美は驚きの声を上げた。
そんな少女に、タルミアは言った。
「ごめんなさい、美美。話を続けるわね・・・」
言葉を一つ一つ搾り出すようにして、再び語り始めた。


伸し掛かってくる何かの重さを感じて、女の子は目を覚ましたわ。
(たしか、急に周りが光に包まれて・・・、私は気を失って・・・)
そんなことを考えながら、ゆっくりと目を開いた女の子が目の前に見たのは、倒れている自分に伸し掛かっている、男の子の顔。
男の子は言ったわ。
『良かった・・・、君が無事で・・・、ぐほっ!』
微笑みながらそう言うなり、男の子はむせて血を吐いた。
「!?」
女の子が驚いて周囲を見回すと、辺りは爆発でメチャメチャになっていたの。
ひどく壊され、煙を上げている建物。
あちらこちらで、血を流して倒れ、苦悶の声を上げている人々。
そんな中、倒れた女の子を庇うように、男の子は覆いかぶさっていた。
そして、彼の背中には、するどく尖った大きな金属片が突き立っていた。
慌てて起き上がった女の子は、男の子を抱きかかえた。
でも、あまりの衝撃に言葉が出ない。
無言で、ただ男の子の体を揺さぶるだけ。
そんな彼女に、男は言った。
「良かった・・・、本当に、君が無・・・」
その時、女の子は、男の子の体が急に軽くなったように感じた。
彼女にはわかったわ。
男の子が、永遠に自分のもとから去っていったんだって。
もう2度と、一緒の時間を過ごすことは無いんだって・・・。

37名無しさん:2007/07/02(月) 23:34:48

女の子は泣いたわ。
次第に冷たくなっていく男の子の体を抱えたまま、女の子は泣き続けた。
そしてね・・・、そのうちに、女の子は自分の体にある変化を感じたの。
下腹部が、ある種の痛みを発するのを・・・。
痛みは、次第に大きくなっていく。
それの意味を悟ったとき、女の子の心は恐怖に凍りついたわ。
(だ、だめ。だめよ! 今産まれて来たら、あなたは死んじゃうの!)
(早いわ。まだ早すぎるのよ! 誰か! 誰か助けて!)
(お願い! この子まで連れて行かないで!)
(誰かこの子を助けて! 私は、私はどうなってもいいから!)
『お願い! 誰か助けて! お願い!お願いよーー!!!』
女の子は泣き叫んだわ。
でも、助けは来なかった。
そして、彼女のお腹の痛みはどんどん大きくなっていった・・・。

「結局、その女の子はいいお嫁さんにも、お母さんにもなれなかったのよ。つまんない意地なんか張ったばかりにね・・・」
極力感情を抑えた平坦な口調で、タルミアは語り終えた。
だが、美美には、彼女の口ぶりの中に、抑えようとして抑え切れなかった悲しみが滲みだして来るのがわかった。
「タルミアさん・・・」
美美は呟いた。

ふいに、タルミアは口元に笑みを浮かべ、口調を変えた。
「やれやれ、つまらない話を長々としちゃったわね。だから、美美! くだらない意地なんか張っちゃだめよ。もっと自分の気持ちに正直にならないと・・・・、!」  
急に語るのを中断し、タルミアは顔をこわばらせた。
カンカンカン・・・。
半鐘の音が聞こえる。
「これは・・・、村の緊急事態のときに鳴らす・・・、でも、一体何が?」
呟く美美。
タルミアが、勢い良く湯船から飛び出す。
脂の乗った白く滑らかな肌の上を、無数の湯の滴が滑り降りていく。

38名無しさん:2007/07/02(月) 23:35:30

「貴様、ここで何をしている!」
猟銃を構えた男が叫んだ。
構えた銃口の先に立つ人影が答える。
「芸術活動さ」
「何?」
人影は、自分の足元を指差す。
彼が立っているのは、巨大な堰の上。
堰きとめられた谷間が、大量の水を満々と湛えている。
「これをこらから爆破するのさ。そうすれば、あふれ出した水が、たちまち川下の村をごうと飲み込んでいく。どうだい、このスペクタクル。これぞまさに芸術だ!」
「な、なんだと!」
「せっかくだから、その光景を君も一緒に鑑賞しようよ」
「馬鹿を言うな! 儂の村には、指一本触れさせん!」
男は叫ぶと、構えた猟銃の引き金に指を掛けた。
だが、一瞬早く、人影が指を鳴らす。
男の手元で、ボゥッと小さな爆発が起こった。
「ぐわっ!」
男は銃を取り落とし、手首から血を流してうずくまる。
「まったく・・・。やっぱり君たちみたいな田舎者には、僕の高尚な芸術は理解できないんだな・・・」
人影は、呆れたように首を振った。
「まあいいさ。君はそこで見ているといい。君は運がいいんだよ。この爆発の芸術家、ナルタリの芸術活動を目の当たりに出来るなんて。ほんと、君みたいな田舎者にはもったいないくらいさ」
「や、やめろ!」
「それじゃあいってみよー! そ〜れ、爆発は、芸術だー! ・・・、って、待てよ?」
叫びかけた途中で、ふと、あることに思い至ったナルタリは、男に尋ねた。
「ねえ。何故君はここにいるんだい?」
「・・・」
「何故、こんなところの見回りなんかしてたんだい? わざわざ銃まで持って・・・」
「そ、それは・・・」
口篭る男の様子に、ナルタリの顔色が変わった。
「まさか! ねえ、この前、君たちの村の近くに流れ星が落ちただろ。ひょっとして、その時・・・、君たちは、まさか知らない女を拾ったりしなかったよね?」
男は無言で目を逸らす。
「答えたまえ。 怒らないからさ・・・」
と言いつつ、厳しい目つきで男を問いただすナルタリ。

その時、
「お察しの通りよ!」
凛とした声が響きわたった。
2人は、慌てて声の方を見やる。
月の光に照らし出されて、1人の女が立っていた。
ナルタリは青ざめる。
「馬鹿な・・・、お前はあの時・・・」
「お生憎様。私はぴんぴんしてるわよ!」
その女タルミアは、不敵な笑みを浮べて言った。

39名無しさん:2007/07/09(月) 20:19:48

タルミアは、傷ついて蹲る男に声をかけた。
「村長、ご苦労様でした。後は私に任せて、貴方は退っていてください」
「あ、ああ・・・」
村長、泰泰は頷いた。
よろよろと立ち上がり、退っていく彼の様子を確認するや、タルミアは人影の方を向いた。
「観念なさい、ナルタリ。あなたの悪行三昧も、今夜限りで終わりよ!」
「そんな、酷いよ。僕の芸術を悪行だなんて・・・」
ナルタリは、目に涙を浮べる。
が、次の瞬間、タルミアに向かって両手を突き出し、指を鳴らした。
タルミアの体が爆発に包まれる。
「タルミアさん!」
思わず立ち止まって叫ぶ泰泰。
「やったか?」
呟くナルタリ。
だが、その彼の視線の先で、タルミアを包んだ爆発の炎が、内側から発せられる光によって切り裂かれていく。
「!」
「な?」
思わず目を見張るナルタリと泰泰。
彼らの目の前に姿を現した者。
それは、戦闘衣装に身を包んだ、聖母闘士(セイントマザー)タルミアの姿であった。

ナルタリの目を見据えながら、タルミアは言った。
「私を誰だと思っているの? 聖母闘士を甘く見ないことね」
そして、ゆっくりと歩を詰めていく。
「くっ!」
ナルタリが、狂ったように指を鳴らす。
タルミアは光剣を抜き、ナルタリの指の動きに合わせるかのように振るう。
剣の一振りごとに、ボゥッ、ボゥッと小さな爆発が起こる。
良く見ると・・・、ナルタリの指からタルミアに向かって放たれる極小型の爆弾が、光の刃に切り裂かれ、目標に届くことなく空しく爆発を起こしているのだ。
「無駄よ。観念なさい」
ナルタリを睨みつけながら、タルミアは静かに言った。
ナルタリの目に、恐怖の色が浮かぶ。
逃げるように視線を泳がせるが・・・、ふと、ある者を見つけ、すばやく右手を伸した。
「危ないっ!」
ナルタリの意図に気づいたタルミアが、とっさに跳んだ。
薙ぎ払う様に光剣を振るう。
ボゥッ、ボゥッ、ボゥッ・・・
剣の軌跡をなぞる様に、次々と爆発が起こる。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ・・・」
タルミアの言葉に、青ざめた顔の泰泰が答える。

40名無しさん:2007/07/09(月) 20:20:22
その隙に、ナルタリは走った。
彼の走る先には、いつの間にか現れた小型転移装置が作り出す、異空間への入り口が・・・。
「さすがは聖母闘士。いくら僕でも正面切っては戦えないね。それじゃあ、また会おう!」
「おのれ! 待て、ナルタリ!」
タルミアの叫びに、にやりと笑って応えると、ナルタリは異空間へ飛びこむ。
だが、彼が飛び込むより一瞬早く、銃声が鳴り響いて転移装置が打ち砕かれ、異空間は消滅した。
「な、何だとっ!」
後一歩というところで異空間に飛び込みそこね、立ちすくむナルタリ。
「一体誰が?!」
3人の視線が集まった先にいたのは・・・、
「敢敢!」
タルミアと泰泰が、驚きの声を重ねた。
父親の取り落とした猟銃を構えた少年の姿がそこにあった。
彼は叫んだ。
「タルミアさん!」
はっと、我に返るタルミア。
ナルタリの方へ向き直るや、光剣を構えて走った。
構えた剣に、彼女に、すなわち聖母闘士タルミアに宿る力、マザリアフォースが集い、光の剣はその輝きを増していく。
そして・・・、
「ナルタリ、あなたに殺された者たちの悲しみと怒りを、今こそ思い知りなさい! セイントクラッシャー!!」
技の名を叫びながらタルミアが振り下す剣から、幾筋もの光の奔流が放たれる。
「う、うあぁわぁぁぁ・・・・」
断末魔の叫びと共に、ナルタリは微細な粒子となって、光の奔流の中に消えていく。

ナルタリの滅した跡に、タルミアは無言で立った。
「・・・タルミアさん?」
恐る恐る声をかけた敢敢は見た。
彼女の頬を流れ落ちていく涙を・・・。



数日後。
タルミアが村から旅立つ日が来た。

迎えに来た宇宙艇の前に立ったタルミアが、見送りに来た一団の中の一人に声をかける。
「敢敢。あなたのおかげで、ナルタリを倒すことが出来たわ。改めてお礼を言わせて。ありがとう」
「えへへっ・・・」
タルミアの礼の言葉に、敢敢は照れて頭を掻いた。
そんな少年を、周囲の少年少女たちは、うらやましげに眺める。
微かに誇らしげな敢敢。
ふと、タルミアは、悪戯っぽい微笑を浮べた。
「本当にありがとう。これは、ほんのお礼よ」
いうなりタルミアは、敢敢の額にチュッと口づけた。
「おお〜〜!!!」
少年少女たちが、一斉にどよめきの声を上げた。
一方敢敢は・・・、大きく目を見開いたまま、その場に立ち竦んでいる。
彼の頭の中は真っ白になり、さっきまでとは比べ物にならない激しさで突き刺さってくる羨望の視線も気にならない。
いや、その中に一つだけ他とはまったく異なる視線がある。
それを感じて、敢敢は振り向いた。
「美、美美!」
幼馴染の少女の、ジトリとした視線に、少年はたじろぐ。
「ち、違うんだ! こ、これは・・・」
慌てて釈明する少年。
周囲が、どっと笑い声を上げた。

41名無しさん:2007/07/09(月) 20:20:54

やがて、タルミアは別れの言葉を告げ、宇宙艇に乗り込んだ。
敢敢と美美の、そして村の人々の見送りを受けながら、宇宙艇は空のかなたへと飛び去っていった。


「美美、待ってよ!」
すたすたと歩く少女を、少年は呼び止める。
「なによ・・・」
「だからあれは違うんだってば・・・」
ややふくれ顔の美美に、必死で言い訳する敢敢。
しばらく、無言で聞いていた美美だったが、ふいに呟くように言った。
「じゃあ、目をつぶって・・・」
「え?」
「しばらく目をつぶってて。 いい、絶対に明けちゃだめよ!」
「え、ええ」
言われるままに、両目をつぶる敢敢。
次の瞬間・・・、チュッ!
「わ! え! な、何!」
唇に、柔らかい感触を感じ、敢敢は慌てて目を開けた。
彼の目に飛び込んできたのは、自分の唇に人差し指をあてて悪戯っぽく笑う少女の顔。
「敢敢、今回はこれで許してあげるわ」
美美は、そう言うなり足早に立ち去っていく。
慌てて追いかける敢敢。

追いかけてくる少年の声を背中に聞きながら、美美は空を見る。
タルミアが去っていった、遠い空のかなたを。
少女は呟いた。
「タルミアさん。さようなら。そして、ありがとう・・・」



同じ頃。
敢敢や美美たちのいる惑星の衛星軌道上に、ゆっくりと加速しながら外宇宙に向かいつつある恒星間宇宙船があった。
その宇宙船の展望室に置かれた豪奢なベッドの上で、聖母闘士タルミアとグリンラスの将軍デルギオは、互いの裸身を絡めあっていた。

「すまない。迎えに来るのがこんなに遅れちまって」
タルミアの豊満な乳房を揉みながら、デルギオが言った。
「いいのよ、気にしないで。私が勝手に一人で飛び出したのが悪いんだから。ろくに連絡も入れなかったし」
「・・・」
タルミアの返事に、デルギオはやや訝しげな顔をした。
「あら、何か御不満?」
悪戯っぽい声で問うタルミアに、デルギオは慌てて答える。
「と、とんでもねえ! 俺はむしろ嬉しいんだ。普段はあんなに他人行儀な態度しかとらないお前が、今日はこんなに打ち解けてくれて・・・」
うろたえた様に話すデルギオだが、彼の腕はタルミアの体を抱きしめ、離さない。
そんなデルギオの豚に似た顔を、タルミアは微笑を浮べて見つめる。

42名無しさん:2007/07/09(月) 20:21:25

夫と子供を喪ったタルミアが傷心の日々を送っていた頃、惑星マザリアにグリンラス軍を率いて攻め込んできたのが、この将軍デルギオだった。
聖母闘士に選ばれたタルミアは、悲しみを忘れようとするかのように、デルギオに立ち向かった。
そして、激しい戦いの末、タルミアはデルギオに捕らえられ、下僕(しもべ)とされたのだ。

グリンラス帝国の若手将軍たちの中でも、一二を争う武闘派として知られるデルギオ。
だが、いざ下僕となったタルミアに対する彼の態度は、意外な物だった。
皇帝の前などの公の場ではともかく、2人だけの時、デルギオはタルミアに優しかった。
他の将軍たちのように、下僕の聖母闘士同士を交換し合って乱交にふける事もなかった。
その扱いは下僕へのものではない。そう、まるで・・・。
不審に思うタルミアに、デルギオは顔を真っ赤にして言った。
「まあ、その・・・、何だ。俺たち2人きりのときは、主人と下僕なんて上下関係ではなくて・・・。今までお前にした事を思えば、虫が良すぎるどころじゃない話なんだが・・・。つまりだな、俺は、お前と恋人同士みたいにイチャイチャと・・・」
自己の身勝手さに自分自身で呆れ果てた様な口調だが、その眼差しは真剣そのもの。
だが、彼の言葉を聞くうちに、タルミアの眉毛がしだいに釣り上がってく。
そして・・・、バキッ、と音が鳴り響くとともに、デルギオの体が吹っ飛んだ。
「ふざけないで! 確かに私は貴方の下僕になることを誓ったけど、恋人になってあげるなんて言った覚えはないわ!」
啖呵をきるタルミア。
「やっぱりな・・・」
拳の形に痣のついた顔を押さえて、デルギオはしみじみと呟いた。

その後も、デルギオはタルミアの心を優しく解きほぐそうと努めた。
根気良く。ただ、根気良く。
そんな日々が続くうちに、タルミアの心にも変化が生じ始めた。
(ここまで本気なら、受け入れてあげても・・・。だ、ダメよ。私の方からなんて・・・)
自らの気持ちの変化を、必死に押し殺すタルミア。
そして、あえて必要以上に卑屈な態度をとる。
“自分は貴方の下僕であって、恋人ではない”、とデルギオに思い知らせるために。
(大体何よ、私に散々あんな事をしておいて! それを今更、勝手よ!・・・)
(それならいっそのこと、有無を言わさず命令してくれればいいのに・・・)
(それなら私だって・・・)
負けず劣らず、勝手なことを考えてしまうタルミアであった。

デルギオにナルタリ討伐の勅命が下ったのは、ちょうどその頃だった。
ナルタリ。
宇宙をまたにかけ、芸術活動と称して愉快犯的な爆弾テロを繰り返す、狂気のテロリスト。
その被害は、グリンラス、反グリンラスを問わす、宇宙の到る所に及んでいる。
そう、タルミアから夫と子供を奪ったあの爆発も、マザリアに立ち寄ったナルタリが起こした物だったのだ。
グリンラス帝国としても放置しておけなくなり、本格的な討伐が決定された。
デルギオは、その任を皇帝に願い出、許されたのだ。
(あの子の、あの人の仇が討てる!)
喜びに身を震わせるタルミア。
だが、いざ討伐が開始された直後・・・、デルギオが重症を負ったのだ。
かつて、タルミアの夫がそうしたように、ナルタリの爆弾からタルミアを庇って。

43名無しさん:2007/07/09(月) 20:22:00
幸いなことに、デルギオは一命を取り留めた。
そして、逃走するナルタリの宇宙船を探知したタルミアは、周囲の制止を押し切って、一人追跡に飛び出した。
長い追跡行が続いた。
その間、グリンラス帝国から逃亡しようと思えば出来たのかもしれない。
だが、そんな考えはタルミアの頭にはまったく浮かばなかった。
その間、彼女の脳裏にあったのは、かつて彼女から夫と子供を奪い、いままたデルギオを奪おうとしたナルタリへの憎しみ。
そして、今、窓の外に見えている辺境の惑星にナルタリを追い詰めたタルミアは、卑劣な罠で搭乗船を破壊される等のアクシデントがありながらも、ついに彼を倒したのだ。



デルギオの、爆弾で受けた傷の未だ癒えきれぬ顔を眺めながら、タルミアは思う。
(デルギオ、貴方は私のために、この任務を願い出て、こんな傷を・・・)
彼女は追跡行の間ずっと、このデルギオの肌の温もりを思い、一人悶々と夜を過ごしてきたのだ。
そして、その間に出会ったある少女に語った言葉。
『くだらない意地を張ってはいけない。自分の心に正直になれ』
そう、彼女が美美に語った言葉は、半ば彼女自身に向けられた物だったのだ。
(美美・・・、私も、自分の気持ちに正直になるわね)
抱きしめるてくるデルギオの腕の力に、“もう決して離さない”、という意志を感じながら、
タルミアは思った。

彼女の心中も知らずに、デルギオは話題を変えた。
「それでな、タルミア。これから俺たちはグリンラス本星に帰るんだが、途中、マザリアにも寄っていくんだ」
「え?」
「いや、何。マザリアの様子を色々と観測する必要があるんだ。それで、衛星軌道上に何日か滞在することになると思う」
「・・・」
「だから、その間に、タルミア、お前はマザリアに降りて行って来るといい。子供と・・・、その、旦那の墓参りに」
「!」
タルミアの目が大きく見開かれた。
「それで、ナルタリを倒した事を報告してくるといい。お前にとっては今でも一番大事な2人なんだろ。その、なんだ・・・、まあ、俺にだって、そのくらいの度量はあるってことだから・・・」
鼻の脇を指で掻きながら、目を逸して言うデルギオ。
「じゃあ、貴方も一緒に来て」
「え?」
顔を向けたデルギオの目を見ながら、タルミアは言う。
「その時は、デルギオ、貴方も私と一緒に来て」
「おいおい、俺なんかが一緒じゃ・・・」
戸惑う様子のデルギオに、タルミアは語りかける。
「貴方と一緒じゃなきゃダメなの。だって、あの子とあの人に、私の新しい大切な人を紹介したいから・・・」
「タルミア・・・」
呆然と呟くデルギオの目が、次第に大きく見開かれていく。
タルミアは彼の顔を両手ではさみ、目を覗き込みながら微笑みを浮べる。
「お願い、デルギオ・・・」
「タルミア!」
デルギオは叫ぶなり、タルミアの胸に顔をうずめる。
「ちょ、ちょっと、デルギオ」
「タルミア、タルミア、・・・」
目に涙を浮べて、タルミアの名を呼び続けるデルギオ。

44名無しさん:2007/07/09(月) 20:22:34

「もぉ、デルギオったら・・・」
彼の頭を撫でながら、タルミアが呆れたように言った。
「許してくれ、タルミア。俺は最初にお前を捕らえたとき、あんな酷いことを・・・。でも、わかってくれ。俺は、何としてもお前を手に入れたかった。そのためには、ああやって一旦捕らえて下僕にするしかなかったんだ。タルミア、すまなかった」
豚に似たその顔を申し訳なさで一杯にして、デルギオは言う。
「いいのよ、そんなことは。気にしないで。でも、デルギオ。これだけは約束して」
「な、何だ?」
「お願いだから、私を置いて一人で逝ったりしないで。貴方まで亡くしたら、私は・・・」
「・・・わかってる! わかってるさ!!」
デルギオは叫ぶように言うと、涙を浮べながら乳房に顔を擦り付ける。
そんな彼を抱きしめながら、タルミアは思いうかべる。
デルギオと2人で、子供と夫の墓の前に立つ自分の姿を。
そして、彼の事を紹介するのだ。
かつて最も愛した2人に、今の自分が最も愛し、そして、これからの人生を共に歩んでいく人のことを。
そして、亡き子供と夫の見守る前で、2人は唇を重ねるのだ。
(きっとあの子は、あの人は祝福してくれるわ・・・)
そう確信しながら、タルミアは言った。
「さあ、来て、デルギオ」
返事の代わりに、彼女のぬれぼそる女陰に、デルギオの逸物が突き立てられた。
「あぁ・・・」
タルミアの口から、甘い喘ぎが漏れた


様々に体位を変えながら、2人は激しく交わり続ける。
そんな中、デルギオが、タルミアを膝の上に乗せ、両足を大きく割り開いた。
窓の外に輝く満点の星々に向かって、タルミアの濡れぼそる女自身がさらけ出された。
「いやっ」
タルミアは恥じらいの声を上げる。
彼女の女陰を、背後からペルギオの逸物が一気に貫き、一気に責め立てる。
まるで、自分たちの仲睦まじい様を、宇宙の星々に見せつけるように。
たまらず、絶頂へと追い込まれるタルミア。
顔を後ろに回し、愛しいデルギオの唇を求める。

デルギオと唇を重ねるタルミア。
彼女の目に、窓の外の光景が映った。
しだいに遠ざかっていく辺境の惑星が見える。
漂白されていく意識の中、タルミアは、そこで出会った少年と少女のことを思った。
敢敢、そして、美美。
敢敢がいなければ、自分はナルタリを取り逃がしていたに違いない。
そして、美美との出会いが無ければ、自分はここまで正直にはなれなかっただろう。
(敢敢、美美。ありがとう。2人とも幸せにね・・・)
怒涛のように押し寄せる悦楽の津波に飲み込まれながら、2人の未来に幸あれと願うタルミア。

狂ったようにデルギオと舌を絡めあい、貪りあう。
促すように、自ら腰を激しく振る。
そして・・・
「あぁあぁ〜、い、いく、いっちゃう〜〜〜〜!!!」
聖母闘士タルミアの絶叫が、展望室の中に響き渡った。

<おわり>


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