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退魔戦士 有子

106退魔戦士 有子:2006/11/15(水) 23:51:37

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「ほら、さっさと入んな!」
隆二が皐月の首根っこを押さえつけるようにして、彼女の身体を部屋の中へ投げ入れた。
おまけとばかりに真理は、皐月の肉厚のある尻を蹴り上げ、げらげらと笑いを浮かべる。

薄暗い部屋。ひんやりとした空気とかび臭い匂いが、しばらくここを使用していないことを物語っている。
「おじさん、明かり点けてよ」
真理に言われた隆二はライターに火を点けると、壁にかかっていた松明にその火を移した。
「まだまだ暗いな。とは言ってもあんまり明るすぎてもあれだが」
そう言いながら壁にかかっている十数個の松明へ次々と火を点けていく。

しだいに部屋の全貌が見え始めた。
洋館にふさわしく部屋全体が石造りだ。綺麗な正方形をした石床が、市松模様に敷き詰めてある。
壁面も同様で隙間無く石が埋め込まれている状態だ。窓も無い。完全に密閉された部屋のようである。
シンプルな部屋の作りではあるが、そこには異様な雰囲気を醸し出している器具類が雑然と並べてあった。

(拷問の器具ね……)
すべての器具を知っているわけではないが、西洋の魔女狩りに使われていたようなものや、時代劇などでも
目にしたことのある道具もあり、おそらくこれらを使って肉体的苦痛を味わわされるであろうことは、
容易に判断できた。

(ふん、見くびられたものね)
肉体的にいくら責められようと、屈するようなことは有り得ない。
人間である以上痛みを感じないわけはないが、悪魔に屈服するわけにはいかないのだ。
とにかく、早くここを脱出して有子たちに、貴裕たちを支配している奴の正体を知らせなければならない。
強大な敵ではあるが倒せないわけではない。現にかつては封印することができたのだ。

そして、この隆二と真理も救わねばならない。
特に隆二は蟲を植え付けられており、事は急を要する。
早くしかるべき処理をしなければ、取り返しのつかないことになってしまう。
問題はいつ隆二が蟲を植え付けられたのか? ということだ。

自分が捕らえられ、魔に魅入られた隆二にレイプ同然に犯されたのが、月曜日だった。
おそらく植え付けられたのは、あの後だろう。いったいあれからどれくらいの日数が経ったのか?
時間の感覚が麻痺し正確な日にちがわからない。
二、三日しか経っていない気もするし、一週間以上が経過している気もする。
だが、もし一週間以上の日数が経過しているとすれば、すでに隆二は蟲に喰らい尽くされている可能性が高い。
そこまでは経っていないということだろう。


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