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ネタスレだよ!全員集合@子馬亭

1萌えの下なる名無しさん:2004/06/25(金) 01:29
■オールスター・ストーリー、イロモノ、ご隠居もの、前衛作品、ざれ歌、狂歌・川柳、分類不可能、
そのほか、他スレでやったら迷惑千万なものはこのスレで。
読み手も書き手も、わだつみのごとく広い心で参加せよ。
ただしパラレル、SSは投稿前に相談のこと。

■『萌える子馬亭』の約束(必読)■SS投稿時には必ずお読み下さい。
http://0024.hiho.jp/pony/fellowship_rule.html

■前スレはこちら ネタバレ@豪華絢爛オールスター■
http://0024.hiho.jp/pony/last_log/all_neta.htm

さあー、いってみよー!

2萌えの下なる名無しさん:2004/06/25(金) 01:32
新スレ立てさせて頂きました。
いろいろなネタで盛り上がっていきましょう。

3萌えの下なる名無しさん:2004/06/25(金) 01:41
オイッス!乙です!

4萌えの下なる名無しさん:2004/06/25(金) 02:03
乙ケレさまです!

5萌えの下なる名無しさん:2004/06/25(金) 03:04
乙カラドリエル様です!

歯みがけよ!顔洗えよ!

子どもの頃はこのあとの「寝る」はただ睡眠をとることだったのに
いまや別の意味の「寝る」で萌えているとは。
思えば遠くに来たもんだ。

6バタバー二世:2004/06/25(金) 03:31
>1様
乙カラス・ガラゾンです!
いい湯だな、アハハン

意味深に呟けるお年頃になってしまいました。
これからも多彩な萌えを分かち合ってまいりましょう!

7萌えの下なる名無しさん:2004/06/25(金) 07:18
>1様、乙ケレブリンボールです。

>6
じゃ、「また来週」は、温泉プレイということで!

8萌えの下なる名無しさん:2004/06/25(金) 09:27
ぶっ!温泉って聞いただけでヤバい。

湯煙と、ともに立ち上がる、腰布の(自主規制)

9萌えの下なる名無しさん:2004/06/25(金) 23:22
>1様
乙カラズラス!

吹き替え版を見に行ったときのこと。
シェロブの場面で会場のちびっこから
「後ろ!後ろ!」の声が……。
思わず、土曜の夜8時、渋谷公会堂の熱気を思い出しました。

10萌えの下なる名無しさん:2004/06/26(土) 00:52
>1様 乙ゴクリです。

すみません、替え歌なんですが、書かせてもらっていいでしょうか?
上の「いい湯だな」のフレーズを見てから、
頭の中でこの歌が止まらなくて…。

11萌えの下なる名無しさん:2004/06/26(土) 01:44
>10吟遊詩人様
聞きた〜い!!

「き き たいな♪アハハン!き き たいな♪アハハン!まだ起きてーたら♪よーろーしーくね♪」

12萌えの下なる名無しさん:2004/06/26(土) 01:49
>11様
まだ起きてます。ありがとうございます。
では、未熟ながら新スレへの祝い物として
一曲捧げさせていただきます。

13いい湯だな・中つ国バージョン1/2:2004/06/26(土) 01:55

いい湯だな いい湯だな
湯船ではしゃげば シャボンがはじける
風呂上り ビール待つ
ここはシャイア
ホビットの湯

いい湯だな いい湯だな
細工を凝らした 岩の風呂
おいバルログ 湯を沸かせ
ここはカザド=ドゥーム
ドワーフの湯

いい湯だな いい湯だな
そよ風 かそけく梢を揺らす
川湯でさ 月見酒
ここはロスローリエン
エルフの湯


14いい湯だな・中つ国バージョン2/2:2004/06/26(土) 01:58

いい湯だな いい湯だな
オーク働け 熱くしろ
塔の上 展望湯
ここはオルサンク
イスタリの湯

いい湯だな いい湯だな
御影 大理石 雲母の湯殿
アセラスで 薬湯だ
ここはゴンドール
王家の湯


15萌えの下なる名無しさん:2004/06/26(土) 03:03
>>10吟遊詩人様
起きてて良かった〜〜!
感涙ですた♪
全ての温泉萌えがここに大集合!

湯けむり萌えありがとう、ごちそうさまです。

湯をはじくタマのお肌のフロド&ホビッツ
汗を流しながら勝利の湯につかっているミスランディア
湯あたりしてとろ〜んと目がいっちゃってるケレ様
ガンダルフに逃げられヤケ酒星見酒のサルマン様
裸の付き合い♪王様&忠臣達(含むファラミア)

どれも美味しく頂けます、のぞきたい!!
ドワーフはぁ?!しまった!ぜひ離れ山もキボン。

16萌えの下なる名無しさん:2004/06/26(土) 03:15
離れ山…ではないですが(汗
汎用可の替え歌を新スレに捧げます。


ドは親愛なる貴方
レは隠れた臥所にて
ミは私、貴方の私
ファはこれまでの長い長い道のり
ソはさて、始めようか 
ラは思わず出た鼻歌
シはこれ以上ないほどの幸せ
さあ愛しい人、私の為に歌っておくれ


おそまつ。

17萌えの下なる名無しさん:2004/06/26(土) 10:32
では、勝手に続けさせていただきまーす。

♪ ドは(我らの親愛なる貴方の)ドゥナダンのド
by 野伏一同

18萌えの下なる名無しさん:2004/06/26(土) 16:22
>17そう来るなら(笑)

♪レ〜は(隠れた臥所にて)レゴラス王子のレ〜♪
by イシリアンご領地エルフ一同

19萌えの下なる名無しさん:2004/06/26(土) 16:24
↑臥所の中に誰を連れ込んでいるかはご想像にお任せ

20萌えの下なる名無しさん:2004/06/27(日) 00:34
>>13女神様の歌で萌えてみました。
色気が足りませんが、のぞいてやって下さい(w
エルフの湯のケレ様&スラ様です。

旧アプロダのNo.183です。

ttp://souko.s4.xrea.com/fellowbbs1/bbsnote.cgi
ここは直リンOK?

21萌えの下なる名無しさん:2004/06/27(日) 21:29
>13-14
(゚д゚)ノ 同名の入浴剤をお中元に激しく希望

22萌えの下なる名無しさん:2004/06/27(日) 23:07
>20 GJ!

では便乗。

♪ミ〜 は(「私、貴方の私」と言うてくれまいか)ミスランディアのミ〜♪
from サルマン様の手記

23萌えの下なる名無しさん:2004/07/02(金) 10:46
三国○パロのコネタなのでこちらに置き逃げ。
ファラミアファンの方は読まないでください!




「殿、どうなされました?ご機嫌うるわしゅうあらせられぬようですが」
「そなたが国境の小競り合いにすら向かわせてくれぬおかげで大変なことになったぞ、ファラミア」
「行かせませんよ(さらり)。 国境の小競り合いなど我らに任せ、殿は執務に励んでくださりませ」
「だがそのようにそなたが足止めするために馬にもしばらく乗っておらぬではないか。
おかげでこのありさまだ、見よ、ファラミア!!」
「?」
「こんなに腹の肉がつまめるようになってしまったのだ。これではまるでボロミアのようだ!!
そのうえだ、私は戦士として恥ずかしい、こんなにふとももの肉がつまめるようになってしまったのだ!!」
「ボロミアのよう?それはそれは素晴らしい。どれ、失礼いたします」
「待て何をするファラミア!」
「ふむ、この肉のてざわりはまだ我が兄には及びませぬ。もっとふくよかにならなければ
到底あの兄の腹の柔らかさには勝てませぬ」
「誰 が あ の 腹 に な り た い と 言 っ た 。」
「良いではありませんか、ころころ、ふくふくとして可愛らしいあなたも。
王たるもの多少の貫禄がなければいけないと父も日々努力しておりましたし、
ボロミアもそうでした。言わせていただければその方がわたくしの好みでございます」
「お前もしかして○○専だろ?!」
「そのような下賎な言葉は幸い聞き覚えておりませぬ」



ファラミアファンの方すいませんでした!(脱兎

2423:2004/07/02(金) 11:02
>23
間違いました、三国○ネタの指輪パロです

25萌えの下なる名無しさん:2004/07/02(金) 13:20
>>23様〜
GJ〜と申し上げてもよろしいでしょうか?
会社にて、PCを覗き込みながら、肩を震わす怪しい女になっています。
髀肉の嘆ですね。珊瑚串も好きなので、このネタはうれしいです。

26萌えの下なる名無しさん:2004/07/02(金) 18:27
>>23
笑えましたー!
ただ、どちらかというと、ファラミアより
「ボロミア好きの人は苦笑するかも」と思いましたw

このファラだったら、ホビッツを捕まえたのは、
「さ、さわってみたい…!」という動機からだったのではと
疑ってしまいそうです。

27萌えの下なる名無しさん:2004/07/11(日) 13:40
旧館のエオメルスレを見て、なんだか子供のころに読んだ
「少年少女向け冒険物語シリーズ」を読んだときのような
血沸き肉踊る喜びを思い出しました。
(ほら、ポプラ社などから出てたような
有名な冒険もの、SFもの、ミステリーものの子供向けダイジェストのシリーズです)

そこで、架空シリーズ「青年王エオメルの冒険」の各巻紹介文というものを
捏造してみました。
お目汚しを。

28萌えの下なる名無しさん:2004/07/11(日) 13:41
「青年王エオメルの冒険」

第1巻「海底王国」
ベルファラス湾の海水浴場で遊んでいた青年王エオメルは
ある日浜で子供たちにいじめられていたイルカを助けた。
そのイルカは人語を解するウルモのイルカの末裔であった。
その訴えを聞いたエオメルは愛馬をイルカに乗り換えて謎の海底王国へと向かう。
そこは海中に没したヌメノールの末裔が支配する国だった。
謎の物質オリハルコンをエネルギー源とする永久機関の開発に没頭する
ヌメノールたちは、海中からUFOを飛ばし、地上の馳夫朝の滅亡を企んでいた。
果たして、エオメルはヌメノールの陰謀を阻止することができるのか!?

第2巻 「火星のプリンス」
海底での冒険を終えたエオメルは故郷のローハンの草原で昼寝をしていた。
目覚めたエオメルはなんと、火星にワープしていたのである!
乾燥した火星の大地を一人行くエオメルの前に現れたのは
義弟のファラミアにそっくりな火星の亡命王子。
その王子との灼熱の恋を背景に、エオメルは火星を支配する王族のクーデターに巻き込まれる。
六本足の馬に乗る緑色人の戦士、タルス・タルカスとも友情を結び、
感情を持たぬ彼に、「笑い」と「不機嫌」という感情を教える……。

第3巻 「銀星号事件」 付:「エドラスの醜聞」
そうこうしているうちに再びワープしてローハンに帰ってきたエオメルに
ふりかかったのは「馬泥棒」の嫌疑。
谷間の国が誇る競走馬「銀星号」がブランド王の厩舎から忽然と姿を消し、
調教師が殺された。
数日後、「銀星号」は黄金館の厩舎で馬草を食んでいたところをみつかった。
犯行を疑われたエオメルは、ある夜、覆面をし、身分を隠して
ベイカー街221Bを訪れた……。

(付録として、昔のささいな色事をネタに脅されたエオメルを救う諮問探偵の冒険もお楽しみください。)

第4巻 「凍土の帝国」
ある日、アンドゥインの岸辺を散歩していたエオウィンとファラミア夫妻が忽然と姿を消した。
わずかな手がかりから、二人がノースコリアドールの工作員に拉致されたことが判明。
二人を救うためエオメルは意を決して、北方の謎の国に潜入した。
そこは、書割セットのような建物が並ぶ都から、
一人の将軍様が全土を支配する独裁国家だった。
愛馬「火の足」を飢えた人民に食べられそうになりながらも、
人民を将軍様の独裁から解放するために立ち上がる青年王。
果たして、空腹にも負けずエオメルは妹夫婦を助け出すことができるのか……?

以下、続刊。

終わり

29萌えの下なる名無しさん:2004/07/11(日) 22:49
>義弟のファラミアにそっくりな火星の亡命王子。
>その王子との灼熱の恋を背景に

も、萌えー!
三巻の付録読んでみたいなあw

30萌えの下なる名無しさん:2004/07/12(月) 12:16
>28
素晴らしい!メルスレがなかなかお引っ越しして下さらない寂しさを癒して
くれました。各巻の詳しい内容もぜひ読んでもたいです。

31萌えの下なる名無しさん:2004/07/13(火) 00:33
27さん、あんた最高だよ…!
イルカに乗った青年王エオメルを想像してプッとふきだし、
火星の王子との別れに思いを馳せ、
将軍様との対決を想像して微妙な気分になりました(笑

か、火星の王子様と青年王は関係をもったのでしょうか…。
どっちにしてもモエ!
戻ってからファラミアに会って胸を痛めるメルとかもモエ!

32萌えの下なる名無しさん:2004/07/13(火) 05:40
エオメルってたしかに、ああいう系の主人公に似合いそうだよ!
熱血、単純(ごめん)、正義感の強いいい漢だもんなー。

ポ プラ社…なにもかも懐かしい…。
自分が幼少の頃よりSF&ミステリ好きだった一環はぜったいこの会社にあります。
名探偵アラゴルンとその助手ファラミア&ホビット団、
怪盗二十色相(サルマン)vs名探偵ガンダルフ、
読んでみたいなー。

33萌えの下なる名無しさん:2004/09/04(土) 06:31
PCのデータを整理していて、以前書いていたものを発見しました。手直ししたものを、
このスレに捧げさせていただいてよろしいでしょうか。上方落語とのダブルパロです。

ただ、なぜ以前に投下しなかったかというと、元ネタが男女ものなので、キャラの一人が姫扱いなうえ、
相手を「婿養子にもらいたい」などというセリフが飛び交う始末でして(女体化にはしていないのですが)。
またオチが弱い…。

もし、それでもいいとおっしゃってくださる方がいらっしゃれば、以下6レスをおつきあいいただければ幸いです。

元ネタ 植木屋娘
主な登場人物
ビルボ、サム、エルロンド、ドゥナダン(=馳夫)、フロド

カプはいちおう、ドゥナダン×フロド
直接的な汁気は皆無です

341/6:2004/09/04(土) 06:32
















ここにおりますホビットの旦那さん、名前をばビルボ・バギンズと申します。エルフの住まいます裂け谷の門前に、
袋小路屋敷というまことに裕福なお家をかまえて、甥のフロドとともに住んでおります。
この甥が、性格よければ頭も見目もよいという、ビルボ自慢の種でございます。

このビルボ、冒険はするわ詩は詠むわと、世間には少々変わり者のホビットとして知られております。
裂け谷の王エルロンドとはいたって昵懇でございまして、今日も表より……

ビルボ「エルロンドはん、こんにちは」
エルロンド(以下エル)「おお、誰やと思たらビルボやないか。どぉしたな?」
ビルボ「詩を作りましたんでな、一つ添削を頼んますわ」
エル「してやらんこともないが、ここ二、三日は闇の森との宴会の準備でちょっと手が離せん。
置いといてくれたらまた暇にでも……」
ビルボ「そんな悠長な。詩てなもん、気分を逃したらお仕舞いでんがな。
そんなこと言わんと頼んまっさ、頼んまっさ、頼んまっさ!」
エル「おまえさん、いつも急に来ては、無茶を言う……困ったなあ。そおじゃ、ドゥナダンに代わりをさせることにしよか」
ビルボ「居候はんの? 詩なんか分かりまんのか?」
エル「これこれ、『分かりまんのんか』どころの騒ぎやないがな。あれは事情があってこの地で預かってはいるが、
いずれ世間へ出て王位を継ぐ身じゃ。詩に学に武芸に、なんでも立派にこなす」
ビルボ「さよか、ほなドゥナダンで結構だす。すぐに来てもろとくなはれや。
屋敷で準備して待ってますよって、頼んまっせー!」
エル「相変わらずバタバタと騒々しいホビットじゃ。……ドゥナダン、ドゥナダンや」
ドゥナダン(以下ドゥナ)「お呼びでございますか?」
エル「ビルボが詩を添削してほしいというで、済まんがこなた代わりに行ってやってはくれんかな?」
ドゥナ「かしこまりました」
エル「それからな、ビルボは賑やかじゃが、いたって腹のさっぱりしたえぇホビットじゃで、
何を言われてもどぉぞ気にせんよぉにな」
ドゥナ「心得ております。それでは行て参じます」

352/6:2004/09/04(土) 06:33
















袋小路屋敷にドゥナダンが訪ねて参りまして、ビルボと頭をつきあわせて立派に詩を完成させます。
感激したビルボは、酒、肴、パイプ草などでもてなしをいたします。
そんなことがきっかけになりまして、ドゥナダンがちょいちょいと袋小路屋敷へ遊びに来るようになる。
ビルボも、それまでは何かというと「エルロンドはん、エルロンドはん」言ぅてのが、このごろはもぉドゥナダン一本槍。
ドゥナダンのほうもあんじょう親切に相談に乗ってやるもんですから、すっかりドゥナダン頼りに思うようになります。

ビルボ「サム、サム、こっち来い。ちょっと話があんねん。実はうちのフロドのことやけどな。あれも年頃で、
町内の若い奴ら、寄ったらフロドの噂や。「折があったら押し倒そか、いてまおか」てな物騒なことも耳にする。
そうならんまえに、あれにええ婿養子を迎えて、わしは隠居しようと、こう考えてるんや」
サム「そらまた、けっこうなお話で。その婿養子さんのあてはありまんのんか?」
ビルボ「話っちゅうのはそこじゃ。あの裂け谷のドゥナダンな、あれなかなか人間しっかりしてるで」
サム「馳夫さんでっか。そら、あのお人やったら、こんな結構なことはあらしまへん。
そやけど、フロドの若旦那のお気持ちは?」
ビルボ「フロドの気持ちも糞もあるかい。わしがあんなええ婿探して来たってるのに、
ぐずぐず言わさんぞ。なんぞ言うよおなら、フロド放り出してしまうぞ」
サム「フロドの若旦那放り出して、どないしなはんねん?」
ビルボ「フロド放り出してドゥナダン養子にもらうがな。わし、ドゥナダン好きやがな」
サム「ほな何でっか、実の甥放り出して赤の他人にこの屋敷譲るんですか?」
ビルボ「そおなったらしゃあない、お前に暇やるがな」
サム「お暇をもろて、おらどこ行ったらええんです?」
ビルボ「どこも行かいでええ、ドゥナダンと一緒になれ。夫婦になってわしを養え」
サム「……やっぱり、フロドの若旦那のお気持ちを確かめんことには」

363/6:2004/09/04(土) 06:35
















サムがフロドを呼びに行きます。ビルボがフロドに、ドゥナダンを婿養子に迎えたいと考えていることを告げますと、
フロドは顔を赤くして下を向いたきり。そうかそうかと合点して、ビルボは裂け谷へ駆け出しよった。

ビルボ「エルロンドはん、こんちわ。実はちょっと話があって来ました。ほかでもない、フロドのことで」
エル「ふんふん、近所若いもんが寄ったらフロドの噂を。下手な虫がつくまえに婿養子を迎えたい
……なかなかええ話やないかいな」
ビルボ「ええ話か?」
エル「結構な話やないか」
ビルボ「ホンマに結構か? ほんまのホンマに結構か? ……もらいまひょ」
エル「なんやて?」
ビルボ「もらいまひょ。ドゥナダン養子にもらいまひょ」
エル「なんじゃいな、相手はドゥナダンかいな。そらあかん。こないだも言ぅたやろ、
あれはいずれ世間へ出て王位を継ぐ身」
ビルボ「そんなこと言わんと、ドゥナダンおくれぇな。いま、結構ちゅうたやないかいな。おくれ、おくれ、おくれ。
ドゥナダン好きや、おくれぇな」
エル「あかんと言うておろうが」
ビルボ「そんなこと言わんと。エルロンドはんかて、いつも不死のモンの世話ばっかりせんと、
たまには定命のモンの世話しなはれ。みんながみんな、あんたらエルフみたいに、いつまでも生きてられるんとちゃうんやで」
エル「この話だけはきっぱりと諦めてもらおう」

374/6:2004/09/04(土) 06:36
















とりつく島もないエルロンドに、ビルボはがっくり袋小路屋敷に戻ります。

サム「どないでした?」
ビルボ「エルロンドが、本人に確かめもせんと断るんや。
 ……これぐらいのことでは諦めんぞ。これからドゥナダン呼んで来て、酒呑ましてフロドと二人きりにしよ。
ドゥナダンかて、わいのためだけやったら、あぁ再々遊びに来るかい。フロドが居ればこそ来るんやないか!
 わいは用があるっちゅうて中座する。そやけど裏から二人の様子を伺うねん。二人っきりで酒の一杯も呑んだら、
フロドの手ぇのひとつも握るわ。そこ見といて、「ドゥナダン、何ちゅうことしなはんねん」、「ビルボ、これは酒の上」、
「酒の上も糞もあるか、好きやと思やこそ手ぇにぎったんやろ。手ぇ握ったら子どもが生まれるぞ、うちへ養子に来い!」」
サム「そんな無茶な」
ビルボ「やったるねん。酒・肴用意せぇ。わいは裂け谷に行ってドゥナダン呼んで来る!」

ドゥナ「お呼びでございますかいな」
ビルボ「いや、今日はちょっと暇ができたんで、あんたと一杯呑もと思て」
ドゥナ「それはありがたいことにございます。これはまたみごとな肴の数々で」
ビルボ「ホビットをなめたらあかんで。背ぇや力比べではともかく、食べることにかんしてやったら、
他の種族に勝りこそすれひけはとらんぞ。ささ、食べてぇな。
フロド、そこ座れ。今日はドゥナダンと一杯呑むんやさかい、そばへ座って酌をせないかんぞ。

あっ、思い出した! 大事な用があったんコロっと忘れてた。じき帰るよってそのまま呑んでてくれたらええし。
じきに帰ってくる……、じきと言うても直ぐのじきと違うで、なんやかやする間くらいはあるじきや。
そこんとこ二人ともよぉ考えといてや」

ビルボは表へ飛び出すとすぐ指輪をはめて、窓辺から二人の様子を伺います。

ビルボ「わぁ、こぉして見るとドゥナダンえぇ男やなぁ。フロドもそれに負けてへんぞぉ。
二人とも恥ずかしそぉにモジモジしてるがな。フロドが、「ビルボは慌てもんで」……何をぬかしてけつかんねん。
わしは慌てもんでも、養子はええのをもろてあるわい。「馳夫さん、おひとついかがでございます」
……うわぁ、あんなこと言ぅよぉになったんやなぁ、教えもせんのに。

ドゥナダン、恥ずかしそぉに呑んでるわ。「フロド、あんたもひとついかがでございます」。
うわぁ、ドゥナダンも言うなあ。よしよし、そこで受け取ってグッと呑め……何?
「わたくしは、いたって不調法で」おい、酒のひとつもよぉ呑まんのか。それ呑むところから事が起こるねんやないか。
それでもホビットかい。

みてみぃなドゥナダン、テレてるがな。「ビルボ、なかなかお帰りやございませんなぁ」…当り前じゃ、なかなか帰らんぞぉ。
起こる事が起こるまで帰ったるかい……

えぇ何や?「それではわたくしは、これでぼちぼち失礼を」……何を言うねん。ここで帰ったらあかんがな。
はよフロドが止めんと……「さよおならば、そおいうことに」って、送りに立ってけつかる。おいおい、なにしてんねん!」

385/6:2004/09/04(土) 06:37
















やきもきするビルボをよそに、その日はそれきりとなりました。
この一件、いくらビルボが一人で悶々としてもどうにもなりません。

さて、それからほかに二、三縁談もございましたが、フロドの方が気が進まんと、それなりになる。
袋小路屋敷の養子は叔父同様の変わり者や、誰にもなびかんという噂がたちはじめた、
そんなある日のことでございます。

サム「ビルボの旦那……。最近フロドの若旦那を見てて思いますんやけどな、
若旦那にはどうやら肌を合わせた方がおいでかと」
ビルボ「なんやと!」
サム「このところ、前にも増してこう、しっとりとした色気があるような。かと思えば潤んだ目でせつない顔して
空を見てらっしゃる。加えて、どこにいてはるのか分からん時間が増えたとなれば、これはもう」
ビルボ「わしがあんだけドゥナダンとくっつけたろうと思てたのに……。
よっしゃ分かった。フロド捕まえて相手が誰か聞いたる」
サム「いやいや、ビルボの旦那が相手やったら、申し訳のうて、なんもおっしゃらへんかもしれません。
おらが聞いてまいりますよって」

それでも気になるビルボは指輪をはめて、こっそりサムの後をついていきます。

サム「フロドの若旦那、若旦那はなんぞ隠したはりまんな。そやけど、サムの目はごまかせません。
若旦那には、だれぞ心通わせたお方がいたはるんとちゃいますか」
笑ってごまかそうとしたフロドですが、じいっとこっちを見てるサムに居心地悪そうに視線をそらせます。
辛そうな顔をして、首筋をほんのり赤らめて、ぽつんと言いました。
フロド「……ビルボに知られたら、なんて言われるか……」
サム「それはおらがおとりなしいたします。そやから、正直に答えておくれやす。どなたはんですか」
フロド「あのな、あの。……あのな」
サム「あのな、では分かりません。どなたはんです?」
フロド「あの……」
サム「はい」
フロド「あのな……裂け谷の馳夫さん」

まさかと思てた名前が耳に入った。ビルボはうっかり指輪をはめたまま、「ドゥナダンー!?」と叫んだ。
フロドとサムの驚いた顔に、指輪を抜いてフロドをゆさぶります。

ビルボ「フロド、フロド、ビックリせんでええ。よぉ取った、よぉ取った。あの取り難いドゥナダンをよぉ取った。
こうなったらあのエルロンドにグゥの音も言わさんぞ。よっしゃ、安心しとれ。わしがこれからドゥナダンもろてきたる!」

396/6:2004/09/04(土) 06:38
















ビルボ「エルロンドはん、こんちわ、こんちわ、こんちわ」
エル「しばらく来んから静かやったんじゃが……、どぉしたんじゃ?」
ビルボ「へぇ、ドゥナダン養子にもらいまひょ」
エル「まだそんなこと言うてるんかえ、何べん言うたら分かる。あれは将来……」
ビルボ「そら、もぉいけまへんねん。うちのフロドに手ぇ出した♪ うちのフロドに手ぇ出した♪」
エル「ほたら何かいな、ドゥナダンがおまえとこのフロドと……」
ビルボ「いくとこまでいきましたんや。さ、ドゥナダン養子にもらいまひょ」
エル「なんとまあ。そやけど言ぅてる通り、あれは石の国を相続せんならん」
ビルボ「それも成るよぉな話にしまひょ。よろしぃか、とりあえずドゥナダンをうちへ養子にもらいます。
それから、国を継ぐときには、フロドともどもわしを石の国とやらに連れてってもろたらよろし」
エル「これこれ、一国の将来を左右するようなことをそう簡単に言うんやない。
しかし、ドゥナダンには、身を慎むよう、重々命を下しておったのになあ」
ビルボ「そんな命を下してたんでっか? でも、それは、しゃあないわ。
     命は食にありと申します。食は、ホビットの領分にござります」

40萌えの下なる名無しさん:2004/09/04(土) 06:41
お読みいただいてありがとうございました。
ビルボのドゥナダンへのスキスキぶりが甚だしいと思われた向きもおられるでしょうが、
原作通りです、というか原作のほうが激しいです(苦藁 
おかげで801アンテナに引っかかり、心に残っていた演題でした。
分かりにくいサゲで申し訳ありませんでした、力不足をお詫びいたします。

それでは、女神様方のご降臨をお待ちさせていただきます。

41萌えの下なる名無しさん:2004/09/04(土) 13:50
ビルボ可愛いー!
>>33-40女神様、GJですた♪

ドゥナダン、スキスキー。

42萌えの下なる名無しさん:2004/12/04(土) 11:32
>>33-40女神様
上手いッ!ビルボの野望はどうなっちゃうかと、
ドキドキしながら読んでしまい、
最後のサゲに思わずリアルで盛大な拍手してしまいました。
上方落語ってば柔らかくて下品ですなあ

43萌えの下なる名無しさん:2005/09/18(日) 14:20:38
上方落語、ええなぁ……ユビワがこんなに関西弁にぴったりはまるやなんて。
「闇の森との宴会」とか「居候はんの」とか、そこらじゅうニヤニヤ(・∀・)で
またフロドがしっとり色っぽくて馳夫さんとさしつさされつ、な〜んか初々しくもエろっぽくていいな〜
ビルボの実況聞いてドキドキしちゃったです。脳内ではみんな和服着てるし……♪
初読みから一年過ぎてやっと 感想書かせていただくなんてのろまだなぁ自分……
女神さまのPCにはもっと、データ残ってたかも知れないのに!
すてきなお話、ほんとにほんとにありがとうございました。

44萌えの下なる名無しさん:2005/10/16(日) 21:25:06
強制sage設定の為スレ移動します。

45萌えの下なる名無しさん:2005/10/16(日) 23:08:54
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