したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

修正SS投下スレ

1名無しさん:2015/08/05(水) 23:25:46 ID:ME8i0ld.0
無かったようなので立てました

2 ◆gsq46R5/OE:2015/08/06(木) 00:32:06 ID:YGK1DL920
スレ立て乙です。本スレで指摘された箇所を微量ですが修正しました

  四方を海に囲まれた島に閉じ込め、一定時間が経過する毎に進入禁止エリアが増えていく。
  ↓
  四方を海に囲まれた島に閉じ込め、主催に刃向かおうすれば殺されるというから参る話だ。

以上のように修正します。

3 ◆7fqukHNUPM:2015/08/07(金) 20:32:36 ID:R0oCJ0Og0
「ネクロウィッチ」での支給品説明を修正しました。

【アスティオン@魔法少女リリカルなのはvivid】
リタに支給。
アインハルト専用の真正ベルカ式のデバイスで、雪原豹のぬいぐるみの形をしている(外装が雪原豹のぬいぐるみなだけで、本体はクリスタル型)。愛称はティオ。
雪原豹とはいっても、実質、ただの猫であり、喋らずに「にゃあ」と鳴いて意思疎通する。表情も豊かで、物凄く喜んだり険しい目をしたりが忙しい。
攻撃補助をしないが、ダメージ緩和と回復補助能力に特化している(ただしそれも限界があるので、ティオ自体の疲労時には使用できない)。
また、本ロワでは仮マスター登録を行う事により、アインハルト以外の参加者でも起動させられるようになっている。ただし制限により本来のマスターが行使した時より性能が低下している可能性がある。

4 ◆eNKD8JkIOw:2015/08/09(日) 10:42:16 ID:4ZXwuHB20
こちらでも一応
本スレでの指摘があったので「あいあいびより おおきなやまをみた」においての杏里の道具に
黒カード:不明支給品0〜2 枚
を追加します

5 ◆KKELIaaFJU:2015/08/10(月) 19:04:06 ID:nBwfPnc20
本スレで指摘された赤と青のカード箇所を以下のように修正します。

「さっきも言った通り俺に武器必要ないし、使い慣れてない武器よりも自分の肉体のほうが信じられるしな。
 ……出来ることなら、もうちょっと食料と水がほしかったかな」
「使わないんだったら、その刃牙君が持ってるその黒カードと私の赤と青のカード交換しない?」
「ん? そういうことならいいぜ!」

 交渉成立。
 にこの持っていた2枚の赤のカードと2枚の青のカードのトレードした。
 そして、その黒カードを見てみる。

 ↓

「さっきも言った通り俺に武器必要ないし、使い慣れてない武器よりも自分の肉体のほうが信じられるしな。
 ……出来ることなら、もうちょっと食料と水がほしかったかな」
「使わないんだったら、その刃牙君が持ってるその黒カードと私の食料と飲み物交換しない?」
「ん? そういうことならいいぜ!」

 交渉成立。
 にこの持っていた赤のカードから刃牙君が食べたいといった炭水化物中心の2回分の食料を。
 青のカードから2回分の水を取り出しての刃牙君の黒カードをトレードした。
 その出てきた食料を刃牙君は勢いよく口にかきこんでいき、水で流し込んでいった。


また、それに伴い刃牙とにこの状態表も以下のように修正します。

【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
[状態]:満腹
[服装]:普段着
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
[思考・行動]
基本方針:勇次郎を倒す
   1:地図の真ん中の方を目指す
   2:出会った人が強い奴なら戦う
   3:勇次郎を探す
   4:銀時、神楽、桂、土方、神威に興味
[備考]
※参戦時期は最大トーナメント終了後

【矢澤にこ@ラブライブ!】
[状態]:健康
[服装]:音ノ木坂学院の制服
[装備]:ヘルゲイザー@魔法少女リリカルなのはViVid
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(8/10)、青カード(8/10)
    黒カード:不明支給品0〜2枚、イヤホン
[思考・行動]
基本方針:皆で脱出
   1:新八と、鉄道を使って音ノ木坂学院に向かう 
   2:μ'sのメンバーと合流したい
[備考]
※参戦時期は少なくとも2期1話以降です
※志村新八と情報交換しました

以上のように修正します。

6正義の在処(修正版) ◆WqZH3L6gH6:2015/08/10(月) 23:27:35 ID:ir45ul8A0
修正版投下します

ほの暗い闇に覆われた映画館が証明によって照らされる。
 外部に明かりがもれない構造なのは衛宮切嗣は確認済みだった。
 何も写していないスクリーンを前に煙草を手に彼は席に腰掛ける。

(どうしたものか)

 煙草を一本取り出し口に咥え、溜息のような息を吐きながら思案に暮れ、自らの腕輪を調べた。
 腕輪やカードに何らかの力のようなものは感知できるが、魔術師である彼がよく知る魔力かと断ぜない不可解な力。
 先ほどの白い部屋といい、催眠術に完全に掛かったか、あるいは何らかの方法で異界に落とされたとしか材料不足で
無理やりでも判断しなければ彼にとって動きようのない状況だった。

(……サーヴァントが3体、僕と元マスターの言峰綺礼を含めマスターが確認出来るだけでも3人か)

 名簿確認しながら切嗣は苛立ちを吐き出すかのように煙草を噛む。
 スタートの場に自らのサーヴァント セイバーの姿が確認したのを思い出し、また煙草を噛んだ。
 切嗣は繭に生殺与奪権を握られているだけに、殺し合いに対して取るべき手段は優勝狙いが一番効率がいいと思っていた。
 仮に切嗣が参加者内で随一の力を持つなら、女子供を含め鏖殺するのに支障などないだろう。
 衛宮切嗣は感情と行動を切り離せる男だ。
 だがサーヴァントが参加者であるなら話が変わってくる。

 切嗣は繭にさらわれる前、聖杯戦争というバトルロイヤルに参加していた。
 奇跡を起こし得うる願望機を使用するために、7人のマスターと7体の英霊――サーヴァントと最悪最後の一組以下に
なるまで殺しあう争奪戦、それが聖杯戦争。切嗣も願望機の使用が参加理由だった。
 切嗣の知る限り願いを叶えるだけの力を聖杯が発揮するには6体の英霊の脱落が条件である。
 ここでセイバー、ランサー、キャスターのうち2体以上が脱落してしまえば、聖杯戦争が成たたなくなってしまう懸念が彼にはあった。
 その理由は死んだ参加者の魂はカードに封じられるという事実。

 聖杯戦争においてサーヴァントが倒されると、その魂が元の場所に戻る際に空間に孔が開く。
 その孔を利用して聖杯を起動させるのに、その魂がカードに封じられてはどうしようもない。
 優勝者には願いを叶えると言っていたものの、初対面ということもあり願いがどれだけの範囲まで適用されるか判断できなかった。
 その上、あの時の繭の楽しそうな様子から察するに、敗者の魂の解放の要求は容易に受託されるものではないと思えた。
 手間が掛からない、例えば優勝者のみ元の居場所への帰還などは、よほど機嫌を損なわない限り叶えられそうな感じだが、
切嗣にとってそれは受け入れられるものではない。

 
 衛宮切嗣は人間的には外道と見なされる魔術師である。だが冷血ではない。
 彼はこれまでの人生で、何年かの休止があったもののより多くの人を救う為に独自に鍛錬を重ね、心を砕きながら戦場や裏社会で活動していた。
 だがその手段と思想は、より多くを救うために必要最小限の犠牲を見極め、容赦なくそれを駆逐するというもの。
 それはかつて災厄になりうる幼なじみを前に選択を放棄したがゆえに、惨劇を引き起こしてしまった負い目が原点であった。
 そうした行為の繰り返しは現実の過酷さと合わせ彼の心を痛めつけ、遂には超常の聖杯を求めるまでに至った。
 そんな彼が聖杯を、自らの意思で願いを叶える事を簡単に諦められる筈がない。
 切嗣は思案の前に腕輪から出した黒のカードを取り出して呟いた。

「詳しく調べさせてもらうよ」

 声を受け1枚の黒のカードが微かに動き、何枚ものファンタジックなイラストが描かれたカードが現出した。
 支給品確認はここに飛ばされた直後に既に行っている。目当ての武器はなかった。
 代わりにあったもので目を引くものは有益とは思えない面倒臭そうなアイテム。
 1枚のカードが蠢き、それを指に挟んで正面へ向けた。

 衛宮切嗣は英雄が嫌いだ。人々のヒロイズムを刺激し戦争を助長する存在であるから。
 それは自らのサーヴァントであるセイバーにも向けられ、一度しかこちらから話しかけた事がないくらいだった。
 故にここに置いても彼がサーヴァントに話しかける気はない。
 だから指に挟んだあれも煩そうなのもあったが、サーヴァントの一種の可能性を考え早々に黒カードに収納していた。

 そのカードに写るは1人の女性。
 茶色のツインテールに、ドクロのような帽子、胸元にでかいリボンという格好の十代前半の少女だった。
 それはただのイラストなどではなく。

7正義の在処(仮投下修正版) ◆WqZH3L6gH6:2015/08/10(月) 23:30:34 ID:ir45ul8A0
>>6はなかったことに ここからが修正稿です

 ほの暗い闇に覆われた映画館が証明によって照らされる。
 外部に明かりがもれない構造なのは衛宮切嗣は確認済みだった。
 何も写していないスクリーンを前に無人の売店から失敬した煙草を手に彼は席に腰掛ける。

(どうしたものか)

 煙草を一本取り出し口に咥え、溜息のような息を吐きながら思案に暮れ、自らの腕輪を調べた。
 腕輪やカードに何らかの力のようなものは感知できるが、魔術師である彼がよく知る魔力かと断ぜない不可解な力。
 先ほどの白い部屋といい、催眠術に完全に掛かったか、あるいは何らかの方法で異界に落とされたとしか材料不足で
無理やりでも判断しなければ彼にとって動きようのない状況だった。

(……サーヴァントが3体、僕と元マスターの言峰綺礼を含めマスターが確認出来るだけでも3人か)

 名簿確認しながら切嗣は苛立ちを吐き出すかのように煙草を噛む。
 スタートの場に自らのサーヴァント セイバーの姿が確認したのを思い出し、また煙草を噛んだ。
 切嗣は繭と名乗った少女に生殺与奪権を握られているだけに、殺し合いに対して取るべき手段は優勝狙いが一番効率がいいと思っていた。
 仮に切嗣が参加者内で随一の力を持つなら、女子供を含め鏖殺するのに支障などないだろう。
 衛宮切嗣は感情と行動を切り離せる男だ。
 だがサーヴァントが参加者であるなら話が変わってくる。

 切嗣は繭にさらわれる前、聖杯戦争というバトルロイヤルに参加していた。
 奇跡を起こし得うる願望機を使用するために、7人のマスターと7体の英霊――サーヴァントと最悪最後の一組以下に
なるまで殺しあう争奪戦、それが聖杯戦争。切嗣も願望機の使用が参加理由だった。
 切嗣の知る限り願いを叶えるだけの力を聖杯が発揮するには6体の英霊の脱落が条件である。
 ここでセイバー、ランサー、キャスターのうち2体以上が脱落してしまえば、聖杯戦争が成たたなくなってしまう懸念が彼にはあった。
 その理由は死んだ参加者の魂はカードに封じられるという事実。

 聖杯戦争においてサーヴァントが倒されると、その魂が元の場所に戻る際に空間に孔が開く。
 その孔を利用して聖杯を起動させるのに、その魂がカードに封じられてはどうしようもない。
 優勝者には願いを叶えると言っていたものの、初対面ということもあり願いがどれだけの範囲まで適用されるか判断できなかった。
 その上、あの時の繭の楽しそうな様子から察するに、敗者の魂の解放の要求は容易に受託されるものではないと思えた。
 手間が掛からない、例えば優勝者のみ元の居場所への帰還などは、よほど機嫌を損なわない限り叶えられそうな感じだが、
切嗣にとってそれは受け入れられるものではない。

 
 衛宮切嗣は人間的には外道と見なされる魔術師である。だが冷血ではない。
 彼はこれまでの人生で、何年かの休止があったもののより多くの人を救う為に独自に鍛錬を重ね、心を砕きながら戦場や裏社会で活動していた。
 だがその手段と思想は、より多くを救うために必要最小限の犠牲を見極め、容赦なくそれを駆逐するというもの。
 それはかつて災厄になりうる幼なじみを前に選択を放棄したがゆえに、惨劇を引き起こしてしまった負い目が原点であった。
 そうした行為の繰り返しは現実の過酷さと合わせ彼の心を痛めつけ、遂には超常の聖杯を求めるまでに至った。
 そんな彼が聖杯を、自らの意思で願いを叶える事を簡単に諦められる筈がない。
 切嗣は思案の前に腕輪から出した黒のカードを取り出して呟いた。

「詳しく調べさせてもらうよ」

 声を受け1枚の黒のカードが微かに動き、何枚ものファンタジックなイラストが描かれたカードが現出した。
 支給品確認はここに飛ばされた直後に既に行っている。目当ての武器はなかった。
 代わりにあったもので目を引くものは有益とは思えない面倒臭そうなアイテム。
 1枚のカードが蠢き、それを指に挟んで正面へ向けた。

 衛宮切嗣は英雄が嫌いだ。人々のヒロイズムを刺激し戦争を助長する存在であるから。
 それは自らのサーヴァントであるセイバーにも向けられ、一度しかこちらから話しかけた事がないくらいだった。
 故にここに置いても彼がサーヴァントに話しかける気はない。
 だから指に挟んだあれも煩そうなのもあったが、サーヴァントの一種の可能性を考え早々に黒カードに収納していた。

 そのカードに写るは1人の女性。
 茶色のツインテールに、ドクロのような帽子、胸元にでかいリボンという格好の十代前半の少女だった。
 それはただのイラストなどではなく。

8正義の在処(仮投下修正版) ◆WqZH3L6gH6:2015/08/10(月) 23:31:50 ID:ir45ul8A0
カード内の少女の、老婆のような声色が入り混じった声が切嗣を咎めた。


「……いきなり閉じ込めるなんて酷いんじゃないすか?」
「……失礼。君が参加者に対する見張りの可能性も考えていたのでね」
「ただデッキを手にした人に協力しろって言われただけっすよ。あのもじゃもじゃ頭に」

 支給品 ルリグ――エルドラはカードの中で手をパタパタ動かしながら口を尖らせ渋々質問に答える。

「君はサーヴァント、英霊ではないんだな」
「わたしゃ召使とも英霊とやらとでも呼ばれる謂れはないっすよ」
「そうか」

 風格も戦意も強い悪意もないことから、英霊や繭の忠実な部下の類ではないという点だけは信用することに決めた。
 しかしエルドラは支給品として役には立つのだろうか?見た感じカードから出られない上にサイズは20センチにも満たない。

「魔術は使えるのかい?」
「ん?。お兄さんは魔法使いかなんかなんですか」

切嗣は言葉に詰まった。彼は魔術師ではあっても魔法使いではない。
彼がいた世界では魔術と魔法はまた別のものだ。
だがエルドラのその反応で切嗣はここが異界である認識をますます強くする。

「まあ似たようなものさ。君は何ができるんだい?」
「何ができるって言われましても……そんな態度じゃ、あ今のナシです。
 カードに説明書が付いていたら読んでみたらどうです?」
「……」
「え、怒った?これくらいで目くじら立てないで下さいよ……」

切嗣は怒ってなどいなかった。エルドラが怒ったと勘違いした切嗣の行動は凝視。
掛かるとは思えなかったが、意思操作の術をエルドラに仕掛けたのである。しかし

(馬鹿な)

魔術を行使するのに必要な体内器官、魔術回路に魔力は通っているのにも関わらず術が発動しなかったのだ。

「…………ひょっとして何かしました?」
「……いや、落胆しているだけさ」

 ジト目でこちらを疑うエルドラに対し、切嗣は魔術を発動させられなかった焦りを隠すように淡々と応える。
 実際、ハズレの可能性が見えてきて落胆しているのも事実なのだが。
 とうに読んだ説明書と腕輪からのエルドラのカードデッキに関する記述は、ウィクロスというゲームのカード説明と、
 そのゲームのルールしか書かれていなかった。殺し合えと言われて何でカードゲームで遊ばなきゃいけないんだ?
 軽くめまいがする。
 だが切嗣にとって興味深い、あるいは少々でも希望を抱かせる材料はある。
 ウィクロスはさて置き、エルドラからはサーヴァント程ではないが、そこそこの魔力のようなものを感じられた。
 現時点では有用であるようには見えないが、ここは未知が溢れる場所。
 例え戦力にならなくても、所持しておけばどこかで役に立つかもしれないとそう切嗣は判断した。
 邪魔になれば黒カードにずっと閉じ込めて置けばいい。黒カードに収納している間の外の事は分からないようだし。

 切嗣は姿勢を正し、今後の方針を考えた。
 助手の舞弥はいない、妻であり聖杯戦争の協力者であり歯車であるアイリスフィールもいない。
 愛用してきた武器も没収された今、ブランクが祟って下手すれば参加者内で弱い方になっているかも知れない。

 だが繭はこうも言っていた、黒のカードを差して『これらを上手く使って、』と。
 なら支給品を上手く使えば殺し合いは勝ち抜ける可能性がそれなりにありえるか。切嗣は席を立った。

9正義の在処(仮投下修正版) ◆WqZH3L6gH6:2015/08/10(月) 23:33:58 ID:ir45ul8A0

「どこいくんです?」
「…………」
 
 第一に情報収集。武器を揃えるまで極力敵を作らず立ち回らなければならない。
 殺しを実行するにしても暗殺が最適か。他の参加者と協力関係を結ぶ必要も出てくるだろう。
 早々に見つかればいいんだが。
 最悪、繭に願いを叶えさせるにしても、自らの帰還と聖杯戦争の再開を確約させなければならない。
 そして、あれだけの非道を働くような繭を野放しにする気もない。
 不本意な願いでも叶えざるを得なくらい追い詰め、成就後殺害しなければ行けない。
 どんな手を使ってでも。

「ねえ」
「――」

 切嗣はエルドラの問いに応えた。

168 名前:正義の在処 ◆WqZH3L6gH6[sage] 投稿日:2015/08/10(月) 07:02:20 ID:joh5PNzo0 [4/5]26
【G-6/映画館内/深夜】
 【衛宮切嗣@Fate/Zero】
 [状態]:健康、僅かな焦り
 [服装]:いつもの黒いスーツ
 [装備]:エルドラのデッキ@selector infected WIXOSS
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:不明支給品0〜2 (確認済み、銃やナイフは無い)
     噛み煙草(現地調達品)
     
 [思考・行動]
基本方針:手段を問わず繭を追い詰め、願いを叶えさせるか力を奪う
   1:エルドラの能力と自らの異変を探る
   2:1の後、情報アイテム収集を優先に行動を開始する
   3:有益な情報や技術を持つ者は確保したい
   4:セイバー、ランサー、言峰とは直接関わりたくない
 [備考]
  ※参戦時期はケイネスを倒し、ランサーと対峙した時です。
  ※能力制限で魅了の魔術が使えなくなってます。
   他にどのような制限がかけられてるかは後続の書き手さんにお任せします

支給品説明
【エルドラのデッキ@selector infected WIXOSS】
ちより(ロワ未参戦の)のルリグ エルドラが収納されたカードゲーム『ウィクロス』のカードデッキ。
外見は茶髪のロングのツインテールの少女。性格は慇懃無礼で軽い調子。
ウィクロスのルールが書かれた説明書付き。エルドラ以外のカードは通常はただの紙切れ。
エルドラ自身、自由意志を持ち会話が可能。繭からロワについての説明は殆どされていない模様。
黒カードに収納されている間は外の事は解らない。
切嗣から見てそこそこの魔力のようなものが感知できるが、セレクターバトルも含めて当ロワにおいて
それがどうエルドラ含めるルリグに影響するかは現在不明。
カードからの脱出ができるかも不明だが、どの道現在の所持者から遠く離れられないように制限が課せられている。
参戦時期は不明。

10 ◆WqZH3L6gH6:2015/08/10(月) 23:34:57 ID:ir45ul8A0
投下終了です
問題がなければ早朝に本投下します

11 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/11(火) 22:28:32 ID:90DSyhJA0
「グリザイアの兎」における風見雄二の黒カード覧を「マグロマン人形」から「マグロマンのぬいぐるみ」に修正します
微妙な違いですが本編と支給品説明ではマグロマンのぬいぐるみになっているので

12 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/11(火) 22:49:33 ID:90DSyhJA0
本編で指摘された矛盾解消も含めた修正版投下します

13グリザイアの兎(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/11(火) 23:06:19 ID:90DSyhJA0
風見雄二は天々座理世と共に夜道を歩いていた。
目的地はラビットハウス。リゼのバイト先であるという店は、どういうわけか地図に載っていた。
この悪趣味なゲームを開催するにあたって、繭が同じ外観の建物を用意したと考えれば説明はつくが、そこまでする理由は現時点では不明である。
ラビットハウスを目的地として選んだ理由はリゼの仲間であれば、そこを目指す可能性が高いため。
この地図には映画館や公園のような誰でも知っている場所から、音ノ木坂学院や万事屋銀ちゃんのような特定の人間しか知らないような施設が記されている。
後者であれば人探しの手がかりになるわけだが、雄二の知っている特定の施設は地図には存在しなかった。
リゼの知っている場所であるラビットハウスは地図に記載されていたため、そこに向かうことになったのである。
入巣蒔菜の居場所に関する手がかりはなく闇雲に探すしかない現状。とりあえず近場にあった万事屋銀ちゃんなる店は探索したが、雄二が調べた時点では誰もいなかった。
蒔菜がラビットハウスにいる可能性もある以上、この行動は雄二にとっても無駄ではない。
加えて現在地からラビットハウスまでの間にはゲームセンターもある。施設を虱潰しに探していくという意味でも決して非効率ではない行動なのだが、その件でリゼは自分の知り合いを優先してもらって済まない、と申し訳なさそうにしていた。

そんなリゼの手には現在、黒光りする暴力の塊、拳銃が握られている。
ベレッタM92。引き金を引くだけで人を殺傷できる武器。一度は雄二が奪いとり、そして返還したものだ。
人を殺すことの重さを過去の出来事もあって雄二はよく理解している。
手にした銃でリゼが誰かを殺せば、彼女の心は傷つくことになるかもしれないし、場合によってはトラウマを負うことになるかもしれない。
これまで雄二は要人警護をしたこともあったが、間違っても護衛対象に武器を渡すようなことはしなかった。
では何故、今回リゼに銃を渡したのかと言えば、それはここが異常な環境だからである。
既に人が一人死んでいることに加え、ゲームに乗った人を殺す意思のある人間が跋扈している空間。
ここと似たような場所を雄二は知っている。それは戦場。彼はアメリカ海兵隊時代に戦地に足を運んだことがある。
殺人が同然のように行われ、それらが罪に問われず、逆に肯定されているという異常な空間。
戦場で人を殺したくないとか、心が傷つくとか、そんな理由で武器を手放すような真似をすれば、待っているのは死である。

14グリザイアの兎(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/11(火) 23:07:46 ID:90DSyhJA0
その武器が入っているという黒いカードの確認は既にリゼと共に済ませている。
殺し合いの空間で自分の武器を把握しておくというのは基本中の基本だ。
雄二の黒のカードは三枚。リゼの黒のカードは二枚。数字の上では雄二の方が多い。
だが多いことが必ずしも良いとは限らない。雄二の黒のカードの一枚に入っていたのはマグロに腕が生えた不気味な人形。
蒔菜が見ていたテレビ番組にこんなマグロが登場していた記憶があったのだが、説明書を読むと案の定、そこにはマグロマンのぬいぐるみと書かれていた。
特別武器が仕込まれているでもない不気味なマグロの人形である。
これが外れの支給品であることは明白だった。とりあえず蒔菜に渡せば喜ぶだろうと思い、捨てずに黒のカードに収納しておいたが。

一見すれば外れに見えてそうでないものも存在する。
リゼの黒のカードからベレッタM92に続いて出てきたのは洋服だった。
ここにはいない美浜学園に通う少女の一人が普段着ているのと同じ柄のメイド服である。
これも外れかと最初こそ雄二は思ったわけだが、説明書を読むとその認識は覆されることになる。
メイド服【暴徒鎮圧用「アサルト」】。同じデザインが数種類存在する中でも防弾使用になっているメイド服らしい。
防弾使用というのであれば、この場では有用な装備品であるためリゼに着用を促し、最初こそ躊躇していたもののリゼも生存率を上げるためならばと受け入れた。
本人曰く私には似合わないんじゃないかとのことだが、別にそんなことはないと雄二は思った。

そして雄二の最後の支給品は装飾の施された刃物だった。
見た目こそ派手だが玩具というわけではなく、武器としては十分に有用なのだが、雄二の目を引いたのは説明書に書かれていた文書だ。
アゾット剣【魔力を充填することによって魔術礼装としても使用可能】
魔力。普通に考えればそんなものは存在しない、あるとすれば何かしらの化学兵器に使用する燃料の隠語と読み取れるが、人をカードにする腕輪の存在を知っていればその解釈も変わってくる。
すなわち本当に魔法のようなものが存在するという可能性。この説明書によれば魔術か。
普通ならばあり得ない。リゼが言ったような米軍の新兵器の方がまだ納得がいく。

15グリザイアの兎(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/11(火) 23:09:05 ID:90DSyhJA0
最初の白い部屋での光景は、最先端のCG技術による立体映像か、或いは参加者全員に薬物を投薬して幻覚を見せていたとも推測できた。
理解の及ばないものを安易に魔法だの魔術だのと決めつけてかかるのは二流の思考であるが、この腕輪とカードだけはどうしても科学では説明がつかない。
目の前に確たる証拠が存在するにも関わらず、その事実から目を逸らし否定し続けるのは三流以下のすること。
腕輪とカードは紛れもない非科学であり、この説明書にある魔術なるものに近いと考えた。
ならば魔術かそれに類する非科学の知識がある参加者と接触できれば腕輪の解除に近づける可能性が高い。
単に腕輪を外すだけならリゼにも言った通り腕を切断するという手段もあるが、それをやった瞬間にカードに封印されては意味がない。
ここで言う腕輪の解除とは白のカードの封印効果を無効化した上で、腕輪を外すことを指している。

非科学の知識を持つものに合えば腕輪を外す手がかりが見つかるかもしれない一方でリスクも存在する。
当初雄二は殺人者であることを隠すことなく堂々とゲームに乗って殺して回る者たちよりも、無害な参加者を装い集団に潜伏して不意打ちや毒殺を狙う人間の方が危険度が高いと考えていた。
だからこそ雄二はリゼと接触する前に彼女の様子を観察して、行動を共にしても問題ない人物かどうかを見極めている。
銃を構えた時点でタイミング良く飛び出して抑え込めたのも、影から様子を伺っていたからに他ならない。
戦う力を持たない女子供であれば堂々と人を殺してまわる人物も十分に危険であろうが、雄二は元軍人であり戦闘慣れしている。支給品でサブマシンガンを引けたのも大きい。
だからと言って油断するつもりもないが、相手が複数いるか薬物でドーピングでもしていない限りは直接戦闘で不覚をとるつもりはなかった。

しかし魔術という非科学の要素が加われば話も変わってくる。
何せ未知なのだ。箒に乗って空を飛ぶのか、口から火を吐くのか、人間離れした身体能力を有しているのか、魔力なるものを動力源にして破壊光線でも撃ってくるのか、現時点ではどれだけ考えようと憶測の域を出ない。警戒することはできても具体的な対策を練ることができないのである。
小説に出てくるような銃弾が通用しない人間がいるかもしれないわけで、そうなれば雄二の直接戦闘での優位性は消し飛ぶ。
参加者を危険度が高い順に並べると、未知の非科学的な能力を有する優勝狙い、脱出派を装って優勝を狙う者、特殊な力、及び人間離れした身体能力を持たない優勝狙いということになる。

16グリザイアの兎(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/11(火) 23:10:08 ID:90DSyhJA0
――その昔、まだこの国に軍隊があったころ、とある将校がこう言った!

――一人十殺! 多勢に対する無勢に際し、一人で十人の敵を屠るまで玉砕は許さんと!

――だが今は時代が違う! そこで一人十衛! 貴様は国民十人の生命を救うことと引き換えに初めて死を許される。

それはかつて、師匠であった日下部麻子に言われたこと。
半人前だから五人にまけてやると言われ、その言葉に従って雄二は五人の少女を救った。

(なあ、麻子。俺はもう半人前じゃないからな。だからあんたが最初に言った通り十人救ってやる)

天々座理世、桐間紗路、香風智乃、保登心愛、宇治松千夜。
丁度五人いる。美浜学園の少女たちに彼女らを加算すれば合計で十人。
全員救えば最初に麻子が言ったノルマを達成することができる。

もちろん分かっている。それが容易いことではないということぐらい。
リゼ以外の四人はこの場にはおらず今この瞬間にでもゲームに乗った参加者に襲われているかもしれない。
リゼの話では彼女らは至って普通の女学生であり、そんな少女たちが殺人者に襲われれば高確率で死亡するだろう。
そしてそれは蒔菜であっても例外ではない。護身術の心得があるとはいえ彼女も普通の女学生であるということに変わりはなく、高い戦闘技術を持つ参加者に襲われれば死は免れない。
戦場で物事を楽観的に考えることがいかに危険であるかを雄二はよく理解している。常に最悪の状況を想定して行動しなければならない。
今この時、この場にいない人間を守ることは、それこそ神とやらでもなければ不可能だろう。
だからせめて自分の隣を歩いている天々座理世だけは、必ず生きて家に帰そうと雄二は胸に誓った。

17グリザイアの兎(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/11(火) 23:11:17 ID:90DSyhJA0
【F-7/道/一日目・深夜】

 【風見雄二@グリザイアの果実シリーズ】
 [状態]:健康
 [服装]:美浜学園の制服
 [装備]:キャリコM950@Fate/Zero、アゾット剣@Fate/Zero
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:不明支給品0枚、マグロマンのぬいぐるみ@グリザイアの果実シリーズ
 [思考・行動]
基本方針:ゲームからの脱出
   1:天々座理世を護衛しながら、ゲームセンターを経由しつつ、ラビットハウスに向かう
   2:入巣蒔菜、桐間紗路、香風智乃、保登心愛、宇治松千夜の保護
   3:外部と連絡をとるための通信機器と白のカードの封印効果を無効化した上で腕輪を外す方法を探す
   4:非科学能力(魔術など)保有者が腕輪解除の鍵になる可能性があると判断、同時に警戒
   5:ステルスマーダーを警戒
 [備考]
  ※アニメ版グリザイアの果実終了後からの参戦。

 【天々座理世@ご注文はうさぎですか?】
 [状態]:健康
 [服装]:メイド服・暴徒鎮圧用「アサルト」@グリザイアの果実シリーズ
 [装備]:ベレッタM92@現実
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:不明支給品0枚
 [思考・行動]
基本方針:ゲームからの脱出
   1:ラビットハウスに向かう
   2:チノたちが心配
   3:風見さんと一緒にチノたちを探す
   4:外部との連絡手段と腕輪を外す方法も見つけたい

支給品説明

【ベレッタM92@現実】
天々座理世に支給。
世界中の警察や軍隊で幅広く使われている銃。

【メイド服・暴徒鎮圧用「アサルト」@グリザイアの果実シリーズ】
天々座理世に支給。
小嶺幸の所有物。入巣家と取引のある軍にもミリタリー用品を納入している会社のオーダーメイド。通常用「インターメディエイト」・運動用「アクティブ」・夏季略装「トロピカル」・冬季寒冷地仕様「ヘビーゾーン」・暴徒鎮圧用「アサルト」・医療従事用「メディック」・冠婚葬祭及び慰霊式典参加用「コンサバティブ」の7種類が存在し、アサルトは防弾仕様となっている。

【キャリコM950@Fate/Zero】
風見雄二に支給。
衛宮切嗣が愛用している銃。原作ではケイネス戦で使用した。

【アゾット剣@Fate/Zero】
風見雄二に支給。
遠坂時臣が言峰綺礼に渡した装飾剣。魔力を充填することによって礼装として使用可能。

【マグロマンのぬいぐるみ@グリザイアの果実シリーズ】
風見雄二に支給。
入巣蒔菜の所有物。マグロに手足が生えたような不気味なぬいぐるみ。

18 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/11(火) 23:12:55 ID:90DSyhJA0
修正版投下終了です

19名無しさん:2015/08/12(水) 00:47:00 ID:iRCetxzQ0
修正乙です。特に問題はないと思いますが

〉自己リレーは絶対という訳ではないが、リレー企画の体裁上は予約する場合は自己リレーと予め言っておく事。
序盤はできるだけ避ける事。

次からは気をつけてくださいね

20 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/12(水) 02:29:58 ID:6LYfuSPY0
申し訳ありません。書き手をやるのはここが初めてだったのでルールについて見落としている点がありました。
自己リレーの意味は調べました。以後気を付けるようにします。

21 ◆Z9iNYeY9a2:2015/08/12(水) 22:01:36 ID:bumYP3xQ0
今日投下したSSの修正版を投下します

22 ◆Z9iNYeY9a2:2015/08/12(水) 22:03:02 ID:bumYP3xQ0
「なるほどな、穂乃果は学校でアイドル活動をして、その集まりでの優勝を目指している、と」
「はい、えっと、だからその…、私自身さっきみたいなゾンビみたいなのとか変な目のあの人みたいなものなんて、見たことなかったし…、それで驚いちゃって…」
「何、それが普通の反応だ。気にすることはない」
「はぅぅ……」

音ノ木坂学院へと向かうランサーは、どうにか落ち着いた様子の穂乃果と会話をしながら歩を進めていた。
人によっては情報自体に有意義といえるものがないと判断するだろうが、ランサーはその会話の中から穂乃果の人となり、そしてそれまでの人生を推察していた。

高坂穂乃果は魔術や聖杯戦争などというものとは無縁の世界を生きていた一般人であるということはすぐに分かった。
問題は、そんな少女を英霊や魔術師も存在するこの殺し合いに巻き込んでいるこの状況だ。

当然人道的に許せる話でないことはいうまでもなく、もし魔術師の観点で見てもおそらく主であるケイネス・エルメロイ・アーチボルトならば卒倒するのだろうことも容易に考えられる。
聖杯戦争や英霊の存在は魔術師にとっては隠蔽せねばならぬもの。それをこうも公にして一般人の少女と共に集めるなど、正気の沙汰ではない。

(魔術師とはまた別の何者、ということか?)

現状名簿にある知った名はセイバー、キャスター、そして衛宮切嗣。
セイバーであればおそらくあの騎士王のこと、このような下衆な催しに乗ることなく騎士として反抗するだろう。
キャスターは先に顔を会わせた通りだ。どのようなものであっても彼奴が己を曲げることはないだろう。穂乃果のこともありあの時は撤退したが、絶対に倒さねばならぬ相手だ。
衛宮切嗣、セイバーのマスター。主に対してのあの策は決して油断できるものではないが、しかしこのような場ではどのような行動に出るか想像もつかない。

少なくとも最優先で探し、協力を要請する相手としてはセイバーだろう。
彼女と合流することができれば、この上ない味方となってくれるはず。

ふと隣を見ると、安心してお腹が空いたのか穂乃果はカードからパンを取り出して口に加えようとし。

「…あ」

が、何故かランサーがその顔を見るとその手と口の動きを止めて、もじもじしながら手を下げた。

「あ、す、すみませんこんなときに!その、…その、えっと…、ランサーさん、食べます?」
「いや、俺はあまり腹が空かない質なのでな。気にせずに食べるといい。食べられる時間があるうちに蓄えておくというのは重要だ」
「その、別に私も――――」
「…静かに。誰か近づいてくる」

と、何者かの気配を感じ取ったランサーは穂乃果の口の前に指を当てて口を止めさせた。
もしその時ランサーが振り返っていれば、顔を真っ赤に紅潮させ慌てふためく穂乃果の顔が見られただろうが、しかし前を見続けるランサーはそのような様子などいざ知らず。

そうして真っ暗な前方から微かな光を灯しながら歩いてきたのは、学校の制服に身を包んだ少女、そしてそんな彼女を背負って歩くさらに小さな金髪の少女だった。

「あなたは?」
「大丈夫だ、俺たちは殺し合いに乗ってはいない。その子は?」
「名前は分からないんですけど、目の前でいきなり倒れて…。あ、私は高町ヴィヴィオっていいます」
「俺はランサー。こちらは高坂穂乃果だ。
 君のような少女には荷が重いだろう。私が背負おう」
「私は大丈夫です…けどやっぱり少し疲れたかな…。それじゃあお言葉に甘えて」

と、少女、ヴィヴィオはランサーに背負った少女を預け。

「…あっ」
「どうかしたか?」
「あ、いえ、何でも」

ふと穂乃果が声を漏らしたことに反応。
一瞬気にかけるも、なんでもないという穂乃果の言葉を信じて流すランサー。

(…あのお姉さん、どうしたんだろう?)

ランサーの視界外にいた穂乃果をずっと視界に収めていたヴィヴィオは、そのときの穂乃果の何とも言えぬ表情が何か気になっていた。

23 ◆Z9iNYeY9a2:2015/08/12(水) 22:03:33 ID:bumYP3xQ0



「ん…十四郎…さん…?」
「目が覚めたか」

ぼんやりした眼を薄く開いた千夜の視界に、一人の男の顔が映り込み。

「ひ、ひゃっ…?!」
「どうやら怪我はない様子だな。名は言えるか?」
「は、わわわ、う、宇治松千夜です!」

真っ赤になる顔を抑えながら、千夜は質問に答えた。

体に傷がないこと、そして自分の名前を言えることから意識と記憶ははっきりしていることを確かめていたランサー。
その後、ランサーは自分とヴィヴィオ、穂乃果について軽い自己紹介をした後、一体何があったのかを問いかけた。

千夜の体に傷はない。ならばその服の血は一体何なのか。
何から逃げてきたのか。

千夜はこれまでにあったことを、分かる限りで話した。


「…金髪で鎧の少女。その娘は確かに金色の剣を持っていたのだな?」
「はい、その人に襲われて、それで十四郎さんが残って…」
「……そうか」
「私が…今どんなことになってるのか何も分かってなかったから……十四郎さんが……。
 私が死ぬはずだったのに…、私のせいで……!」

自分を責めるように顔を押さえて涙を流す千夜。
服の血はその時守られた際に付着したその男のものであるらしい。
出血の量から察するに、おそらくその男は。

「あまり自分を責めるな。その男は君を守るために戦ったのだろう?」
「だけど…そのせいで十四郎さんは……」
「確かにそうかもしれない。だけど千夜はそれで目が覚めたのだ。
 もし償いをしたいというのなら、悔いることよりも彼の守った命を大切に守っていくことが君のため、彼のためにもなる。分かるか?」
「……あっ」

ポン、とその肩に優しく手を置くランサー。
だが、こちらを見つめる千夜の瞳に妙な熱を感じたランサーはすぐさま手を離し、彼女が来たという方に目を向ける。

「ランサー、さん…」
「君はよく頑張った。その土方という男の想いは俺が汲もう。
 …音ノ木坂学院だったな?」

そうしてランサーは、千夜の語った情報に考え込み。

「穂乃果、すまないが音ノ木坂学院に向かうのは少し待ってもらえないか?
 もしかするとまだあそこにその千夜を襲った者がいるかもしれない。
 俺が様子を見てくるから、安全を確認できるまでは待っていて欲しい」

心配するように見つめる穂乃果に対し、そう返答した。

今のランサーは武器はあるといっても元々持っていた自身の2槍が欠けている状態。
並の相手なら遅れを取るつもりもないが、それでも彼女達がいれば万が一、ということもある。
それに―――

「それに、考えたくないことだが、その千夜を襲った者、少し心当たりがある。
 大丈夫だ。もし君の友人と会うようなことがあれば必ず守る。
 ヴィヴィオ、二人のことは任せても大丈夫か?」
「分かりました。でもランサーさんも気をつけてください。もし何かあったら私も向かいますから」
「いや、君には二人のことを守っていてもらいたい。俺のいない間に万が一ということがあっても大変だからな。
 駅の近くで待って、もし俺が2時間以上戻ってこないようなら君たちの判断で音ノ木坂学院から離れる形で移動して欲しい」
「えっと、……」
「…分かりました」

24 ◆Z9iNYeY9a2:2015/08/12(水) 22:04:13 ID:bumYP3xQ0
言いよどむ千夜に対し、穂乃果は不服そうな表情を浮かべつつもランサーの言葉に頷いていた。

「では、ほんの一時の別れだ。必ず戻ってくる」
「ランサーさん、気をt「ら、ランサーさん…!どうか、お気をつけて…!」

ランサーに言葉を投げかける穂乃果をまるで遮るかのように、千夜がランサーに向けて叫ぶ。

そんな3人の少女に見送られながら、ランサーは静かに、しかし素早く音ノ木坂学院へと向けて走っていった。




(やはり千夜も黒子の呪いにかかってしまったか…)

目が覚めた時のあの少女の反応は穂乃果の時のそれと似通ったもの。
きっと穂乃果と同じように、彼女も呪いにかかってしまったのだろう。

だからこそ、あまり自分が傍に居続けるのは彼女のためにもならない。

しかしあのヴィヴィオという少女は自分の呪いに対しても特にこれといって反応をする様子は見せなかった。
おそらく彼女には何かしら魔力的な素養があるのだろう。
あの華奢な体で千夜を背負っていたことといい、その体運びに見られる訓練された者特有の動きといい。
彼女がただの少女ではないことは確かだろう。

無論、いくら彼女が只者ではないといってもそんな子供に二人を任せることが無責任であることも自覚している。
だが、それでもランサーは引っかかりが抜けなかった。

(セイバー、まさか君が外道に堕ちた、などということはないと信じたいが……)

金髪で鎧を着込んだ少女。
それだけではまだ”彼女”と断定する材料にはならない。
黄金の剣を持っていたという点もそうだ。
自分は破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)と必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)を手元に欠いている状態。
逆に言えばこの会場のどこかに別の誰かに配られた可能性だってある。そしてそれはあの騎士王の聖剣とて例外ではないはず。

心境的には信じたい。
だがもしそれが彼女だったならば、あの二人を守りながら戦うことは難しい。千夜を襲ったことから、その何者かは誰であろうと容赦なく斬るつもりでいることは読み取れる。

(せめて、君であったという可能性は間違いであってくれ。セイバー…!!)

それでも、ディルムッドはその少女がセイバー:アルトリア・ペンドラゴンであることだけは間違いであることを願いながら、音ノ木坂学院へと向けて走った。



「ん?どうしたのクリス?」

ランサーが立ち去ってそう時間の経たぬ頃。
ヴィヴィオの横を浮遊するセイクリッド・ハートがヴィヴィオに呼びかけた。

「え、あのランサーさんから変な魔力が出てたって?」
コクリ

ジェスチャーで伝えるクリスはヴィヴィオの言葉で頷くような仕草をとる。
クリスが言うには、あのランサーという男からは何か常時発動型の魔力反応があったという。

ヴィヴィオにも影響を及ぼすものであったため、クリス自身がそれに対する防壁を形成していたため何の影響もなかったらしいのだが。

「それってもし受けちゃったらどんな影響があるの?
 ……え、相手のことが好きになる効果?」

クリスのジェスチャーでそれを聞き取ったヴィヴィオは、笑いながら答えた。

「なーんだ。だったら別に何の問題もないじゃん。
 だってさ、人が人のことを好きになるってことでしょ?それっていいことじゃない。
 それでみんながみんなのこと好きになってくれれば、喧嘩なんて起きないし」



何かおかしい。
そんな自覚はあった。

それに気付いたのは、千夜さんと会って以降のことだ。

ランサーさんが彼女を抱え上げた時。
千夜さんが目覚めてランサーさんの顔を間際で見つめていた時。

何か、とても嫌な気持ちになった。
初めてあったばかりの人にこんな気持ちを持ったことなんてなかったのに。


ランサーさんが、安全のために先に音ノ木坂学院に向かうって言った時。
もしその途中でμ'sのみんなと会ったらちゃんと助けてくれるって言った時。

そんなのいいから私の傍にいて欲しいって思ってる自分がいた。
だって、それでもしかしたらことりちゃんや絵里ちゃん、希ちゃんやにこちゃんが危ない目に会うかもしれないっていうのに。


(…どうしちゃったの、私?)

初めて自分の中に生まれたその感情に、戸惑うことしかできない。

近くで、ランサーの向かっていった方に熱のこもった視線を向けている千夜を見て。
心の中で渦巻く黒い感情に。

25 ◆Z9iNYeY9a2:2015/08/12(水) 22:04:55 ID:bumYP3xQ0


【B-2/一日目・深夜】

【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:健康
[装備]:キュプリオトの剣@Fate/zero
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:不明支給品0〜2枚
[思考・行動]
基本方針:騎士道に則り、戦う力のない者を守る。
0:穂乃果、千夜に「愛の黒子」の呪いがかかったことに罪悪感。
1:音ノ木坂学院に向かい、千夜を襲ったという危険人物の存在を確かめる。
2:セイバーは信用できる。しかしそのマスターは……?
3:キャスターはいずれ討伐する。
4:まさかセイバーが…?
[備考]
※参戦時期はアインツベルン城でセイバーと共にキャスターと戦った後。
※「愛の黒子」は異性を魅了する常時発動型の魔術です。魔術的素養がなければ抵抗できません。



【B-2/駅/一日目・深夜】

【高坂穂乃果@ラブライブ!】
[状態]:健康、ランサーへの好意(中)、千夜に対する疎み
[服装]:音ノ木坂学院の制服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10)
     黒カード:不明支給品0〜2枚
[思考・行動]
基本方針:誰も殺したくない。生きて帰りたい。
1:μ'sのメンバーを探す。
2:ランサーさんを見てるとドキドキする……。
3:ランサーさんが戻ってくるまで駅にて待つ。
4:何、この感情……?
[備考]
※参戦時期はμ'sが揃って以降のいつか。
※ランサーの「愛の黒子」の効果により、無意識にランサーへ好意を抱いています。時間進行により、徐々に好意は強まっていきます。


【宇治松千夜@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:疲労(大)、ランサーへの好意(軽)
[服装]:高校の制服(腹部が血塗れ、泥などで汚れている)
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:ベレッタ92及び予備弾倉@現実 、不明支給品0〜2枚
[思考・行動]
基本方針:心愛たちに会いたい
1:ランサーが心配
2:十四郎さん…
[備考]
※現状の精神はランサーに対する好意によって自責の念を抑えられ一旦の落ち着きを取り戻しています。
※ランサーの「愛の黒子」の効果により、無意識にランサーへ好意を抱いています。時間進行により、徐々に好意は強まっていきます。



【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはVivid】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:セイクリッド・ハート@魔法少女リリカルなのはVivid
[思考・行動]
基本方針:皆で帰るために行動する
1:駅でランサーさんを待つ。それまでの間は私が二人を守る。
2:もし2時間経ってランサーさんが戻ってこなかったら移動する。
3:アインハルトとコロナを探す
[備考]
※参戦時期はアニメ終了後です。
※ランサーの黒子の呪いについて大雑把に把握しましたが特に重要なことだとは思っていません
※黒子の呪いの影響は受けていません

※各々の知り合いについての情報交換は済ませています。

※ランサーが離れたことで黒子による好意が薄れるかどうかは不明です。

26 ◆Z9iNYeY9a2:2015/08/12(水) 22:08:37 ID:bumYP3xQ0
投下終了です

27 ◆KYq8z3jrYA:2015/08/17(月) 21:46:07 ID:d6Dlj6Pw0
修正投下します。

横暴にして上から目線。初めて会う相手にこうも威圧しているのは、ここがバトル・ロワイヤルならば自然なことかもしれない。
カードは参加者にとって生命線と言っても過言ではない物であるのだが、入巣蒔菜にとっては
不要な物でしかなく元々捨ててしまったカードの所有権は誰の物でもなかった。
赤のカードは壊れて、黒のカードは持てやしない傘一つと既に所持済みのヤブイヌポーチ。青のカードに未練はあったが、逆らうと大変な事になりそうなので我慢。
さっきまでいたベンチに置いてあるカードと地面に落ちている赤いカードを指す。
もちろん、顔を上げないまま。

簡単に手放すことに纏流子は首を傾げたが、どうでもいいかとベンチに向かいカードを拾う。
彼女としては別に殺してから奪っても良かったのだが(というか、そうするつもりだった)少女を見て気がそれてしまった。
赤、青、黒。合計6枚のカードを手にして、煮えたぎっていた体の中の熱が冷めていくのを感じる。
それは鮮血を着た纏流子だった頃の戦いの記憶が微かにだが残っているのかもしれない。

「これは傘、か。こんなもんが支給品かよ。ついてねぇな」

カードと同じベンチに置いてある日傘を見て纏流子は同情するような声を出す。

「こんなんで勝てると思ってんのか。あたしを殺すつもりなら、少なくともこの世にある全ての武器でも持ってこなくちゃ話にならねぇ」

日傘を手に取る事はなく入巣蒔菜を見る。

「これはありがたく頂いていく。それと、ここに来てから他の人間と出会ったか」

ふるふる。地面に顔を付けたままであるので、入巣蒔菜は体ごと否定の意味を込めて振る。
彼女はここで目を覚ましてからというもの、纏流子と出会うまではずっとベンチの上にいた。

「そうかよ、じゃあな」

唐突にーーいや、纏流子にとってカードも情報も得るものは得た。ならばもう入巣蒔菜に用はなく生かしておく理由などない。
本来なら流子の顔など見ることもなく命を散らしていた筈なのだ。それが何の気まぐれかここまで生きている。
けどそれももう終わり。時間切れ。ゲームオーバー。短い間だったが鼓動が鳴り自由に体が動かせる期間を伸ばせた。もっとも、最初から最後まで彼女は動かなかったのだが。
体に風穴を開けようと纏流子は入巣蒔菜に足を伸ばしていく。そうなれば、彼女はこのまま自分が死んだと気がつくこともなく生き絶えてしまうことだろう。
迷いなど欠片もなく一息で踏み抜こうとしてーー

後方に無視のできない存在を感じて振り返った。

「ーーああ、もう始まっていたのか。俺も混ぜてほしいな」

そこには、

傭兵三大部族の一つ、夜兎族の一人である男ーー神威がいた。




28 ◆KYq8z3jrYA:2015/08/17(月) 21:47:08 ID:d6Dlj6Pw0
陽の欠片も見当たらない時間帯。
鉄をぶつけたような大きな音が街中に響いていた。発生源は暗闇を照らすように白い服装をして線路の上を走る女。
体のラインを隠そうともしない服を着た女は、踏み抜く足音を気にもせず東へ向かっている。
東へ、東へ。足取りに迷いはなく、かつ尋常ではない速度で闇を駆ける。

前髪に入った赤いメッシュ。髪を切るのが面倒なのか肩にかかるまで伸ばしきった黒髪。端正とも言えるだろう顔はひたすら前を見つめていた。
女を表す全体的な象徴は白。白い生地に青い装飾が入った服。穢れなき純白……とは全く別の、襟の眼の模様が一層異質さを引き立たせている。
下には服と同じ装飾のブーツ。それを目視出来ない程の速さで交互に動かしており、女が去った後の線路には何事もなかったように残らない。
その姿は日常とはかけ離れた異常というべき存在だと誰もが気づいてしまう。
獰猛な表情を隠そうともせず周囲に自分の存在を主張させているのは一体何の為であるのか。
女と同じ道に踏み込んでいる者ならば、殺気をばら撒いている事が分かっていたであろう。
纏流子は力強く足を踏み抜き、目的地である駅へ進む。恐らく、人の集まるであろう駅へ殺戮の手を伸ばすために、純白の服を血に染めようと更に加速する。
そこには神衣鮮血を着ていた彼女は居らず神衣純血を纏った纏流子がいた。

羅業と針目縫の策略によって神衣純血を着させられた纏流子が、繭による主催のゲームに否応なしに巻き込まれてから一時間と少し。人が消えた街を彷徨い彼女はここまで参加者の誰とも会わなかった。
苛立ちが彼女を支配していたがある事を思いつき、こうして電車を使わずに直接線路の上を走っていた。
理由とは“広い舞台を闇雲に探すより移動手段として駅を利用する者は多いだろう” という判断のもとである。
では、進行上に電車が来てしまったらどうするのか。回答は単純で“電車ごと叩き潰す”
どう考えても不可能と思えるが神衣純血の力を持ってすれば、途端に可能となる。
道を遮る者は何であろうと破壊して取り除く。それが纏流子のバトル・コロシアムでの指針。
後、数分もすれば駅が見えてくるであろうか。参加者がいれば、そこで繰り広げるのは一方的な蹂躙に他ならない。
生命繊維を限界まで引き出した纏流子は何者もを凌駕する。体の中から溢れ出る力が彼女を包み込み、神衣鮮血を纏っていた頃より圧倒的な実力を持つ。
故に、敗北などあり得ないことは一寸も考えず、纏流子は行く。

そして、現在地はC-6の駅のホーム近く。近年では珍しい一両編成の鉄道。
ただ真っ直ぐに線路上を進んでいた流子の視界に映ったものは遠くに微かに見える列車後部。
追いかけるか、と加速の姿勢を取ろうとした瞬間に改札口より先から何かを叩くような音が聞こえてきた。
数秒だけどちらを取るか迷ったが、改札口の先の方で女の声が続いた事によってそちらを選択した。
列車の方は移動手段に使う者がいるというだけの情報で満足する。これで纏流子の狩場は広がり、スムーズにこの椅子取りゲームを制する事が可能となったのだ。

さて、方針が決まったのならすぐに行動を起こさねばならない。
薄暗いホームに降りて狭い改札口を抜けると夜の闇が纏流子を迎える。
辺りを見回すとすぐに音の発生源であろうと思われる者を見つけた。

ーーそれはベンチに寝転がっている少女の姿だった。







ゲームの宣言から時計の短針が一つ進んだ頃。バス停前の駅の黄色いベンチに一人の少女がいた。
大きめの真っ赤なリボン。黒色の線が入った白色の襟に襟濃紺のスプライトスカート。クルリとした丸い目。保護欲を生じさせる小さな体躯。
茶色の髪は高く左右に縛ってある。が、癖っ毛は纏まりきれていないのか縛った先先から飛び出ていた。
柄の違うニーソックスとスカートの間から白い肌が覗かれる。だらりと力を抜いて座っている姿は無防備という他はない。
身長と容姿は一般的から外れているやも知れないが、それを除けばなんら特別なことはない学生の少女。

少女の名前は入巣蒔菜という。

29 ◆KYq8z3jrYA:2015/08/17(月) 21:48:27 ID:d6Dlj6Pw0
「いけすかねぇな、その顔」

流子は呟く。返事を期待してのものではない。

「俺の流儀なんだ。これから死んでいく者に対して最後は笑顔でーー」

言葉は最後まで続かなかった。両者は立っていた車をバネにして同時に踏み込む。
乾いた音と共に二人の�茲に拳が叩き込まれる。どちらも口元は三日月に曲がっていた。破壊の衝動を抑えきれないのか、今も相手の顔をミンチにしようと力を入れている。
今この時、この舞台でどこまでも自由である二人は、殺し合いを加速させようと更に力を込める。
仕掛けたのは神威。拳を引き、片手に持つ傘をアスファルトに叩きつけた。トラックが落ちた轟音にも劣らずアスファルトが砕け散り破片が散らばる。
これは避けきれないと判断し流子は後ろに飛び退く。驚きが支配したのはすぐ後。飛び退いた流子を追っての追撃。
弾丸が流子を襲うその前に、転がっていたアスファルトの破片を拾い発射口である傘の先端に投げつける。小気味いい音がした直後、逸れた弾丸はあらぬ場所へと飛び散っていく。
しかし、向かって来たのは弾丸だけではない。弾切れなのか用済みになった傘を手放した神威は、いつの間にか流子の間近にまで踏み込んでいた。
その姿、まるで虎のよう。全身が地面に付いてしまいそうな姿勢から突き上げるように掌底。銃弾に意識を持っていかれていたとはいえ、反応する事が出来ず顎に喰らい仰け反る。
人体の急所を狙ったのであろう。重い脳震盪が流子を襲うが歯を食いしばり強引に抑えた。抑えられるものではないのだが、霞がかろうとしていた視界は戻る。
神衣純潔の力が影響を及ぼしているのだろうか。だが、そんなことはどうでもよく。こうして動ける体があれば問題はない。

「ふんっ!!」

続けて首を刈ろうと目の前にまで迫って来ていた手刀を叩き落として、流子は神威を見据える。
やはり笑っていた。このような状況にも関わらず、日常と変わらないような笑みでもって流子を見ている。
腹立たしい。この男を見ているといつでも余裕をこいてる鬼龍院皐月を思い出す。皐月をぶちのめす前に不幸にも下らない催しに呼ばれてしまったが、しかしそれも時間の問題だ。
幸いにも皐月も同じく巻き込まれている。ならば、モブ共々皆殺しにすれば一石二鳥で苦労も減る。
だからまずは目の前の男を殺してから初めて纏流子のバトル・ロワイヤルは始まる。�茲に一発、顎に一発、拳を食らった恨みも当然忘れていない。
なによりこのままやられて終わるたまではない。やられたらやり返す。それはどんなに頭を弄られて記憶を改ざんされていようとも変わることはなかった。
本気も本気。純潔の最大限の力を出そうとした瞬間、男は後方に引き構えを解いた。
何かしようとしている流子に恐れをなしたのだろうか。否、闘争本能の塊である神威が恐怖することなどあり得ない。
では、どういう意図で自ら退くような真似をしたのか。直前まで殺意は継続していた筈だ。
気にせずブチ殺せばいいと思ったが、あんなにも闘志をむき出しにしていた奴が戦闘の手を止めるのが、どうしてか気になった。
そうして場は固着状態に陥る。服に付いた埃を叩いて神威は口を開いた。

「どうやら、君は俺とは違うようだ」





30 ◆KYq8z3jrYA:2015/08/17(月) 21:49:02 ID:d6Dlj6Pw0
投下終了します

31 ◆KYq8z3jrYA:2015/08/17(月) 22:17:20 ID:d6Dlj6Pw0
修正追加します

【Cー6/市街地 南/一日目 黎明】

32 ◆KYq8z3jrYA:2015/08/18(火) 01:21:22 ID:vpJGZ/2c0
何度も申し訳ありませんが、修正及び状態表の追加です。

【Cー6/市街地 北/一日目 黎明】


浮かれ喜んでいた彼女は、そこでポーチの横にもう一つ何かが出ていたことに気がつく。
傘である。正確に言うならば紅紫色の日傘。地面に突き刺す大型の物ではなく、雨を避ける用途に使う物でもない。なの通り、日を遮るためにある傘。
持ち上げようと手にするがほんの少ししか浮き上がらない。
重たいんじゃ、ぼけぇ。罵る声も力は出ず傘を手放す。握っていた手は赤く染まっていた。
ポーチを腰に巻き、さて、この役立たずの傘はどうしてやろうかと悩む彼女だがそこで限界が来た。


【ヤブイヌポーチ@グリザイアの果実】
小峰幸が作成した手づくりのポーチ。ラインストーンが貼り付けてアレンジしており、十種類の鳴き声の機能がある。
アルゼンチン北東部に生息する後ろ向きに走るという、別名プッシュドッグことヤブイヌをモチーフにしている。
制作時間は20分(フタマルマル)


【日傘@銀魂】
夜兎族が苦手とする日光を防ぐ為、常に持ち歩いている。
銃が仕込まれており、弾丸をも防ぐ頑丈さを持ち、それ自体で相手を殴り飛ばせる頑丈な傘。

33 ◆7fqukHNUPM:2015/08/20(木) 03:16:31 ID:s9EeEbTY0
「殺人事件」について、小鞠の支給品の行方が状態表から抜けていたのでwikiにて修正を行わせていただきました

このたびは雑談スレでのご指摘と無断修正、大変申し訳ありませんでした

34交わらなかった線 (修正) ◆WqZH3L6gH6:2015/08/20(木) 07:00:06 ID:5IlSAFHw0
本スレでご指摘を受けたので該当箇所を修正します
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1438182076/530は以下に差し替えでお願いします


 森を抜け、彼女は神社の前に立った。
 そこにはタイヤ跡や不自然な土の盛り上がりがあった。参加者の姿はない。
 タイヤ跡をたどり、先の森の荒れた茂みの方へ入ったが、参加者の姿は見当たらなかった。
 確認できたタイヤ跡からバイクで立ち去ったと推測、追跡した所で追いつけそうにない。
 彼女は神社前に戻り思わず嘆息する。
 真っ暗闇に覆われた山の中、またもや彼女の手刀が空を切った。



□ ■ □ ■ □ ■ 
□ ■ □ ■ □ ■ 


――ほんとは会って話をした方が良かったかも知れない。でも……


 やけに低いエンジン音と微妙にサイズの合わないヘルメット。
 それらに少々困惑しつつもるう子はスクーターを走らせる。
 ぶっつけ本番だったが事前に説明書を読んだこともあり、るう子は支給品のスクーターを扱えつつあった。
 咲の死を前にしてもるう子の志は揺るがない。むしろよりやる気を出たといえる。
 セレクターバトルを主にした数々の修羅場を乗り越え、ここに置いては宮永咲の決死の奮闘を心に刻んだるう子はこれで挫けるはずがなかった。
 さっきは車椅子の少女がやったような不意打ちを警戒しあえて接触は避けたが、ずっとそうしている訳にもいかない。
 以前の自分ならできそうにない選択だけど、こちらから他参加者を発見し接触を試みてみよう。
 そう気持ちを引き締めた。

――さっきの人とは会う勇気はなかったけど……

 舗装された道路を頼りに目的地へと向かう。
 舞台の南東の市街地へ。
 殺し合いを阻止する手立てを探るために。


□ ■ □ ■ □ ■ 
□ ■ □ ■ □ ■ 


 盛り上がった土の下にはヴァローナより数歳年下と思わしき少女の遺体があった。
 状態からして直後ではないと推測できる。傷からして下手人は銃を持っている。
 血痕を辿り、不意を打って銃器を強奪できればと彼女は考えた。
 

「……その、あの人をそのままにしておくんですか?」


 手にしたカードから少女の静かなる問いがかけられた、
 カードには緑の長髪を極端に逆立たせた細身の少女の姿があった。
 名は緑子。生きたカードルリグの1人でヴァローナの支給品の1つ。
 ヴァローナの身体能力を若干ながら上昇させているのは緑子の力アーツの『奇々怪々』の力ゆえ。
 本来はルリグの力の大半はウィクロスというカードゲームの中でのみ発現されるもの。
 だがこのゲームに置いてはある意味創造主である繭の力もあり、事情が多少違っているようだった。

35交わらなかった線 (修正) ◆WqZH3L6gH6:2015/08/20(木) 07:03:38 ID:5IlSAFHw0
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1438182076/531-532の状態表は以下に差し替えでお願いします



【E-3/道路/一日目 深夜】
 【小湊るう子@selector infected WIXOSS】
 [状態]:健康、スクーター運転中
 [服装]:中学校の制服、チタン鉱製の腹巻
 [装備]:黒のヘルメット着用
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(9/10)
     黒カード:黒のスクーター@現実、チタン鉱製の腹巻@キルラキル        
          不明支給品0〜1枚、宮永咲の不明支給品0〜2枚 (2枚とも確認済)
     宮永咲の魂カード
 
 [思考・行動]
基本方針: 誰かを犠牲にして願いを叶えたくない。繭の思惑が知りたい。
   1: 最低限の警戒を忘れず、南東の市街地へと向かい協力者を探す。
   2: 浦添伊緒奈(ウリス?)、紅林遊月(花代さん?)、晶さんのことが気になる
   3: 魂のカードを見つけたら回収する。出来れば解放もしたい。
 [備考]
※参戦時期は二期の8話から10話にかけての間です


【F-3/森/一日目 深夜】
 【ヴァローナ@デュラララ!!】
 [状態]:健康、『アーツ 奇々怪々』により若干だが身体能力上昇中
 [服装]:白のライダースーツ
 [装備]:手に緑子のカードデッキ
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)
     黒カード:グリーンワナ(緑子のカードデッキ)@selector infected WIXOSS
黒カード:不明支給品0〜2枚(武器と判断できるものはない)
 [思考・行動]
基本方針: 武器を集めた後、強者と戦いながら生き残りを目指す。優勝とかは深く考えない。
   1: 緑子から情報を収集した後、武器になりそうなものを探す。
   2: 強そうな参加者がいれば戦って倒したい。特に静雄や黒ヘルメット(セルティ)。
   3: 弱者はなるべく手を掛けたくない。
 [備考]
※参戦時期はデュラララ!!×2 承 12話で静雄をナイフで刺す直前です。

・支給品説明

【黒のスクーター】
小湊るう子に支給。
ヘルメット付きで、照明とエンジン音に多少の改造が施されている原付きバイクの一種。
トゥデイっぽい。照明はかなり細かい調整が効き、エンジン音も無音に近いくらい静か。
若干ステルス使用。最高速度は時速60キロまで。説明書付き。ガソリンはほぼ満タン。


【グリーンワナ(緑子のカードデッキ)@selector infected WIXOSS】
ヴァローナに支給。
植村一衣(ロワ未参戦)のルリグ 緑子が収納されたカードゲーム『ウィクロス』のカードデッキ。
外見は逆立った緑の髪の毛をした露出度の高いボーイッシュな衣装と雰囲気のした少女。物静かな性格。
少年口調で一人称は僕。使用可能なアーツについて説明は受けているが、ロワの説明はどれだけされているかは不明。
本来ならカードゲーム内のみで使用できるアーツ『奇々怪々』が使用可能。
他の能力が使えるかは不明。

※アーツ『奇々怪々』について
本来ならカードゲーム内においてシグ二(将棋で言う王将以外の駒のようなもの)を複数強化するのみだが。
当ロワにおいては黒カードから出してカードデッキを手に所持した場合にのみ、身体能力を若干上昇させる効果がある。
デッキを落としたり、カードを損傷させてしまうと効果は失われる。
元はコスト無しに使用できるアーツだけにエナコスト(魔力消費)はないが、もし別のアーツを使ってエナコストを消費した場合、
消費した分すべてが回復するまで奇々怪々は使用できない。
エナコストの回復は通常1コストにつき1時間。何らかの要因でエナコストが補充されればその限りではない。

36交わらなかった線 (再修正) ◆WqZH3L6gH6:2015/08/20(木) 07:08:27 ID:5IlSAFHw0
すいません>>35は間違いです
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1438182076/531-532の差し替えはこちらです


【E-3/道路/一日目 深夜】
 【小湊るう子@selector infected WIXOSS】
 [状態]:健康、スクーター運転中
 [服装]:中学校の制服、チタン鉱製の腹巻
 [装備]:黒のヘルメット着用
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(9/10)
     黒カード:黒のスクーター@現実、チタン鉱製の腹巻@キルラキル        
          不明支給品0〜1枚、宮永咲の不明支給品0〜2枚 (すべて確認済)
     宮永咲の魂カード
 
 [思考・行動]
基本方針: 誰かを犠牲にして願いを叶えたくない。繭の思惑が知りたい。
   1: 最低限の警戒を忘れず、南東の市街地へと向かい協力者を探す。
   2: 浦添伊緒奈(ウリス?)、紅林遊月(花代さん?)、晶さんのことが気になる
   3: 魂のカードを見つけたら回収する。出来れば解放もしたい。
 [備考]
※参戦時期は二期の8話から10話にかけての間です


【F-3/神社前/一日目 深夜】
 【ヴァローナ@デュラララ!!】
 [状態]:健康、『アーツ 奇々怪々』により若干だが身体能力上昇中
 [服装]:白のライダースーツ
 [装備]:手に緑子のカードデッキ
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)
     黒カード:グリーンワナ(緑子のカードデッキ)@selector infected WIXOSS
黒カード:不明支給品0〜2枚(武器と判断できるものはない)
 [思考・行動]
基本方針: 武器を集めた後、強者と戦いながら生き残りを目指す。優勝とかは深く考えない。
   1: 緑子から情報を収集した後、武器になりそうなものを探す。
   2: 強そうな参加者がいれば戦って倒したい。特に静雄や黒ヘルメット(セルティ)。
   3: 弱者はなるべく手を掛けたくない。
 [備考]
※参戦時期はデュラララ!!×2 承 12話で静雄をナイフで刺す直前です。

・支給品説明

【黒のスクーター】
小湊るう子に支給。
ヘルメット付きで、照明とエンジン音に多少の改造が施されている原付きバイクの一種。
トゥデイっぽい。照明はかなり細かい調整が効き、エンジン音も無音に近いくらい静か。
若干ステルス使用。最高速度は時速60キロまで。説明書付き。ガソリンはほぼ満タン。


【グリーンワナ(緑子のカードデッキ)@selector infected WIXOSS】
ヴァローナに支給。
植村一衣(ロワ未参戦)のルリグ 緑子が収納されたカードゲーム『ウィクロス』のカードデッキ。
外見は逆立った緑の髪の毛をした露出度の高いボーイッシュな衣装と雰囲気のした少女。物静かな性格。
少年口調で一人称は僕。使用可能なアーツについて説明は受けているが、ロワの説明はどれだけされているかは不明。
本来ならカードゲーム内のみで使用できるアーツ『奇々怪々』が使用可能。
他の能力が使えるかは不明。

※アーツ『奇々怪々』について
本来ならカードゲーム内においてシグ二(将棋で言う王将以外の駒のようなもの)を複数強化するのみだが。
当ロワにおいては黒カードから出してカードデッキを手に所持した場合にのみ、身体能力を若干上昇させる効果がある。
デッキを落としたり、カードを損傷させてしまうと効果は失われる。
元はコスト無しに使用できるアーツだけにエナコスト(魔力消費)はないが、もし別のアーツを使ってエナコストを消費した場合、
消費した分すべてが回復するまで奇々怪々は使用できない。
エナコストの回復は通常1コストにつき1時間。何らかの要因でエナコストが補充されればその限りではない。

37 ◆gsq46R5/OE:2015/08/22(土) 10:26:07 ID:X1XIFuz60
拙作『本能字の変』の、宮内れんげ状態表の修正版を投下します。


【宮内れんげ@のんのんびより】
[状態]:健康、魔力消費(中)
[服装]:普段通り
[装備]:アスクレピオス@魔法少女リリカルなのはVivid
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:満艦飾家のコロッケ(残り五個)@キルラキル、バタフライナイフ@デュラララ!!
[思考・行動]
基本方針:うち、学校いくん!
   1:うちも、みんなを助けるのん。強くなるのん。
   2:こまちゃん、ほたるん、待ってるのん。
   3:あんりん……。
[備考]
※骨が折れない程度に手加減はされました
※杏里と情報交換しましたが、セルティという人物がいるとしか知らされていません。
 また、セルティが首なしだとは知らされていません。
※魔導師としての適性は高いようです。

へ修正させていただきます。

38 ◆gsq46R5/OE:2015/08/22(土) 19:51:14 ID:X1XIFuz60
精霊関連とDIOの日光問題について指摘を受けましたので、該当レスの修正を投下します。

(本スレ>>595


 「で、誰が誰の足元にも及ばないのだったか?」

  DIO目掛け、桂が飛び込む形で袈裟斬りを放つ。
  彼はそれを『世界』の拳でもって迎撃したが、もう一人の侍にまでは対処が追いつかない。
  DIOが殴られている間を縫って背後から接近を果たしていた銀時が、DIOをそのまま聖剣で貫いていた。
  血反吐を吐きながら、DIOは怒りに震える。
  何故だ。
  何故この帝王である自分が、こんなにも追い詰められている……!


 「許さん……許さんぞ! このクズにも劣るゴミ糞どもがッ!!
  貴様らは必ず――必ずこのDIOが殺す! 一人残らず、恐怖に慄かせた上でだッ!!!」


  怒りを爆発させながら、DIOは『世界』の力を使う。
  時止めの疲労は、既に戦闘に支障が出るレベルにまで達していた。
  認めたくはないが、今の自分は連中に押し切られかけている。
  このまま戦いを続けたとして、仮に一人二人を殺せたとしても、残り一人までを仕留めきれるかは怪しいとDIOは冷静に判断した。それに、今でこそ注意が反れているが、神威の存在もある。

 「此処は、退く……」

  だが、決して忘れるな。切断されて転がっていた片腕を拾いながら、彼は呟く。
  突き刺さった聖剣を抜き、DIOは停止した世界の中を駆ける。
  
 「(頭痛がする……吐き気もだ。なんてことだ……このDIOが、気分が悪いだと……)」

  スタンドを酷使した代償の体調不良に見舞われながら、彼は校庭を後にし、そこで時が動き出した。
  これ以上時間停止を使いすぎるのは不味い。
  それに、今はまだ幸い日が射していないが――直に夜が明けるだろう。
  日光は吸血鬼にとっての最大の敵だ。
  如何に人外の体といえど、あれに曝されただけでDIOは呆気なく霧散霧消してしまう。
  早急に此処より離れ、休息の出来る建物を探さなくては――。

 「必ず殺してやるぞ、侍と小娘よ。
  このDIOが再び貴様らの前に現れる時を、精々待っているのだな……!」

  程なくして停車させてあった自動車の車内へ戻ると、腕の切断面に切り落とされた腕を合わせる。
  吸血鬼の再生能力は、みるみるうちにそれを治癒させていき、完璧でこそないが、ひとまず形を保つ程度に繋ぎ合わせた。これで、後は放っておくだけで遠からぬ内に傷が癒えるはずだ。
  屈辱の撤退に憤激しながら、DIOは安息の地を目指す。


【B-6/早朝/本能字学園周辺】

【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:疲労(大)、右腕切断(癒着済、再生中)、胴体へ貫通傷(再生中)、全身にダメージ(大)、運転中
[服装]:なし
[装備]:蟇郡苛の車@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:不明支給品0〜1(本人確認済み)
[思考・行動]
基本方針:主催者を殺す。そのために手っ取り早く他参加者を始末する。
   1:ホテルへ向かい、体を休める。
   2:銀髪の侍(銀時)、長髪の侍(桂)、格闘家の娘(コロナ)、三つ編みの男(神威)は絶対に殺す。
   3:優先順位は銀時=コロナ=桂>神威。
   4:言峰綺礼への興味。
[備考]
※時止めはいつもより疲労が増加しています。一呼吸だけではなく、数呼吸間隔を開けなければ時止め出来ません。
※車の運転を覚えました。
※疲労による運転への支障はとりあえずありませんが、あまり無茶な運転をすると事故を起こすかもしれません。


支給品説明
【サバイバルナイフ@Fate/Zero】
DIOに支給。
元は衛宮切嗣が使用していたもので、通常のナイフに比べて殺傷能力が高い。

39 ◆gsq46R5/OE:2015/08/22(土) 19:52:18 ID:X1XIFuz60
(本スレ>>596



  勇者の拳が真っ向から夜兎を狙い打つ。
  それを正々堂々拳で迎え撃ちながら、神威は破顔した。
  勇者の少女、友奈は思う。
  ――強い。
  今まで戦ったどの敵よりも貪欲に食らいついてきて、その癖身体能力さえ勇者のそれを凌駕している。
  あまりにわかりやすい強敵だ。それだけに、生半可な気持ちで挑めば返り討ちに遭うのは見えていた。

  何より厄介なのが、敵の速度。身体能力。
  勇者を守る精霊の自動防御すら突破して余りある速度と精度を両立しているのだから堪らない。

 「おおおおぉぉぉっ!!」

  夜兎の青年、神威は楽しんでいた。
  技術に粗はあり、まだまだ未熟と言う他ない拳だが――その愚直さは嫌いではない。
  そう言いながら、しかし彼は一切の手加減をしてはいなかった。
  
 「うぐっ……!」

  強烈なボディーブローが、友奈の体を真下から打ち上げる。
  かはっと胃液を吐き出して打ち上げられた勇者を、両手を組み合わせて真上から叩き落とした。
  地面とキスを余儀なくされ、直感的に体を逸らす。
  その判断は正しかった。
  一秒前まで彼女の頭があった場所に、神威の足が振り落とされたのだ。
  もしも急所を逃していなければ、勇者は此処でゲームオーバーとなっていたに違いない。

 「ま、だ、ま……だぁぁぁ!」

  耐える。
  立ち上がり、拳で神威を殴りつけんとする。
  止められた。
  腹を蹴られ、地を転がった。
  あまりにも一方的な戦いに、後方の絵里が時折悲痛な声を漏らしている。

  強い。
  本当に、強すぎる。
  けれど、それでも、不屈の勇者は諦めない。

 「やぁぁぁぁッ!」
 
  体重を乗せた拳が躱される。
  当然、大振りの技は必然的に大きな隙を生じさせるものだ。
  神威は、そんなところを見逃してくれるほど易しい相手ではない。
  蹴り上げで顔を強打し、友奈の前歯が折れる。
   
 「ぶ、がっ、ぐぅ……」

  止む気配のない暴力の雨。
  勇者の顔を、手足を、打ち付けていく。
  危うく意識が飛びかけるが、ここで投げ出すようなら勇者は名乗れないだろう。

  満開ゲージ。
  それへ目をやる。
  あと一枚だ。
  その矢先に飛んできた拳を回避の構えで受け止めると、最後の一枚が点灯した。

  これが齎すデメリットも、友奈は承知している。
  しかしここで出し惜しみをすれば、まず間違いなく自分は倒されるに違いない。
  そうなれば、後ろの二人にも危険が及ぶ。
  何より――せっかく格好つけたのに、真っ先に倒されるなんて……あんまりかっこ悪すぎる。




 「───────満開」

40 ◆eNKD8JkIOw:2015/08/22(土) 22:20:19 ID:O0BGh2kc0
こちらも精霊関連の修正案を投下します

(本スレ>>480)

「あなた、よっわーい!飽きちゃった☆」

そんな絶望に囚われかけていた樹が、突然回転を止めこちらに飛びかかってくる縫のスピードに、対応できるはずもなく。
慌てて正面に集中させたワイヤーが潜り抜けられた、と知覚した瞬間。
目の前に、針目縫の顔があった。

「っく……!」

身を捩るも、身体のあちこちが何度も切り刻まれる。
防御しようとした木霊は、邪魔だといわんばかりに、瞬時に針目の片手で鷲掴みにされていた。
その隙に少しでも距離を開けようとバックステップを踏む、が、無駄だった。速さが違いすぎる。
左脇腹が浅く切り裂かれたかと思えば、右肘が骨ごと抉られていた。
その痛みを我慢しながら死ぬ気で後ろに下がった瞬間、お臍の表面に刃が突き刺さる。
あと数センチ下がっていなければ内臓までズタズタだ、なんて他人事みたいに考えた。
とにかく体勢を立て直さなければ。もう一回、気合で後ろに飛ぼうと足に力を籠め。


「はい、ばんざーい」


両腕が、ひょい、と背後から持ち上げられた。
針目縫の姿は、もう正面にはない。
つまり、樹の気合の全力後退をあざ笑うかのように、回り込まれたのだ。
思わず、振り返る。そんなことをしている暇などないというのに。
振り返ったところで、どうしようもないというのに。
だけど、樹は振り返った。もはや勝ち目がないと悟ってしまったからこそ、振り返り。
わけのわからないスピードで自分の背後に居座った針目縫の笑顔を。

「貴方は、間違っています」

「ぐさぁー☆」

睨み返すことしか、できなかった。



「…………んっ」


「あ、丁度良いや」


そんな悪夢から目を覚ました樹を迎えたのは、またしても悪夢だった。
縫に切り刻まれた身体のあちこちが焼けるような熱を発している。
特に、自分の頭の上でクロスに組まれている両掌の痛みがひどい。

「はい、おはよ〜」

「う、ぐ、ああああああああぁぁ!?」

ぐじゅり、ぐじゅり、ぐじゅり。
掌に突き刺さっている異物が、抜き差しされ、抜き差しされ。
爪が、小指が、掌の一部と思しき部分が、上から降ってくる。
あまりの痛みに視界が赤く染まり、気を失いかけるも、もう一度引き抜き、差し込まれ、痛みで現実に引き戻される。
視界の隅に移った落ちていく『中指』を見て、私の手が欠損していくという現実に、引き戻される。

41 ◆eNKD8JkIOw:2015/08/22(土) 22:23:50 ID:O0BGh2kc0
また、その後の場面でも精霊は防御しようとしていた、ということにはなっていますが、樹の一人称視点なため、精霊の描写を入れると不自然な形になってしまいます
よってこれ以上の描写はしないことにしようと思うのですが、よろしいでしょうか?

42名無しさん:2015/08/22(土) 22:31:04 ID:9Ts/Sofg0
修正乙です

両氏どちらの修正も問題ないと思います

43 ◆X8NDX.mgrA:2015/08/23(日) 13:02:11 ID:rNqkLMx20
(本スレ>>550




 舗装された道は、当然ながら山道と比べて段違いに移動が楽だ。
 他の参加者と遭遇することもなく、温泉に到着した東郷は、玄関の前で停止した。
 より正確に言うならば、そこは温泉旅館だった。
 東郷が外観を見ただけでそれと分かったのは、この旅館に来たことがあったからである。
 大赦が勇者部への褒美として、合宿先を手配してくれたときのことだ。

「これもご褒美とでも言うの……?だとしたら酷い皮肉」

 東郷は吐き捨てるように言うと、旅館を後にしようとした。
 勇者部の、ひと夏の思い出が詰まった温泉旅館。
 殺し合いの場で再び訪れることになるとは予想していなかったし、見たくもなかった。
 仕方ない、どこか木陰で作戦を練ろう、と東郷が考えた矢先。

「はあああああああっ!!」
「っ!?」

 突如、頭上から聞こえた気合に、東郷は体が固まった。
 星空を背に、大剣を振りかぶりながら、勢いよく飛び降りてくる影。
 まごうことなき奇襲、それも、そこまで周囲を警戒していなかったタイミングでの奇襲である。
 それでも、気付くのが早かったために、常人ならどうにか飛び退いて躱すくらいはできたかもしれない。
 だが、急加速のできない車椅子ではその回避が不可能。
 東郷は思わず目を瞑った。
 その直後、東郷の身体を風圧が襲う。
 だが、それだけだった。

「……」

 回避する術は確かになかった。
 しかし、防御する術はあったのだ。
 卵のようなフォルムをした精霊・青坊主が東郷の頭上に出現し、眉間を叩き割らんと迫った大剣を止めていた。
 東郷は粉塵が舞う中でゆっくりと目を開けて、精霊の防御が働いたことに感謝した。
 この島に来てから、精霊の動きが平常より鈍いと感じていたものの、最低限の防御に問題はないらしい。
 それと同時に、襲撃者の顔を見て驚愕する。

「……やっぱり精霊に防がれちゃうか」
「風先輩、ですか……?」

 眼帯をしていない方の目を、少し悲しげに歪ませながら。
 讃州中学勇者部部長、犬吠埼風がそこにいた。




44 ◆X8NDX.mgrA:2015/08/23(日) 13:10:09 ID:rNqkLMx20
また、拙作を読み返していて描写の不十分に感じられる点があったので、
勝手ながらそこも修正させていただきます。




 温泉から脱兎のごとく飛び出してきた風は、しばらく走ってから道端の木にもたれかかった。
 額に浮かぶ汗は、全力疾走したことだけが原因ではない。

(東郷……)

 風が東郷を発見したのは、本当に偶然だった。
 勇者部の仲間に、どうして接触しようと考えたのかは分からない。
 しかも、大剣で襲いかかるという最悪の方法での接触を選んだわけも分からない。
 せめて奇襲に失敗してから、すぐに逃走していればよかったのだ。
 そうすれば東郷との会話を経て、より心が不安定になることはなかっただろう。

(アタシ、どうして……?)

 風はぐらぐらしている脳でどうにか考えようとする。
 自分自身のとった妙な行動、その意味を。
 そうして数分後、あることに気付く。
 自分は勇者部の中でも一際冷静な東郷と交流することで、安定したかったのかもしれない、と。

(そっか、アタシ……不安だったんだ)

 考えるうちに、風は自身の不安定さに気付いた。
 そしてその不安定を埋めるために、誰かと接触したがったのだということにも。
 友奈や夏凜の『勇者』であろうとする姿は、今の自分には眩しすぎる。
 樹のことは心配ではあるが、姉である自分を信頼してくれている少女の前に、今は姿を出したくない。
 ならば、彼女らと比較して東郷はどうか。
 部活動中も、戦闘時にも、沈着冷静な態度で判断を下す。
 そんな東郷美森という後輩は、先輩である風からしても頼れる存在だった。

(もしかしたら、とは思っていたけど)

 そこに「東郷も優勝を目指すかもしれない」という偏見が重なる。
 勇者システム=死ねないシステムだと発見したのは東郷だ。
 友奈や樹、夏凜と違って、最初から大赦に懐疑的だったのは東郷ぐらいだ。
 風の知る限りの東郷の今までの行動が思い起こされ、風は東郷にある期待を抱いた。

 すなわち、「東郷なら自分を理解してくれるんじゃないか」という身勝手な期待。

 勇者部の中で、大赦を潰すという目的を理解してくれるのは東郷だけであろうという期待。
 それがあったからこそ、風は東郷に奇襲をしかけたのだ。
 殺し合いに乗ったことを宣言せずに、けれども確実に相手に伝えるには、襲うのが手っ取り早い、と考えてのことだ。
 もちろん、その後のことを風が深く考えていたのかどうかは定かではない。
 東郷に具体的にどういう対応を求めていたのかも、風自身が分かっていない。
 そして結果は、散々なものだった。

「はぁ……自己嫌悪よ、もう……」

 奇襲、言い逃れ、そして逃走。
 我ながら、支離滅裂な行動にも程がある。
 風はもたれかかっていた木に背中を預けて、力なく座り込んだ。
 つい先程の会話が、テープで再生したかのように脳内に浮かんでくる。

45 ◆X8NDX.mgrA:2015/08/23(日) 13:11:40 ID:rNqkLMx20



 勇者部の五人が泊まった部屋で。
 東郷は星空を見上げながら、あの日の夜を思い出していた。
 友奈と二人で、この窓から空を見上げたこと。
 交し合った言葉も、友奈の温もりも、東郷の胸に深く刻まれている。

(友奈ちゃんを、これ以上、苦しい目に遭わせるわけには――)

 皆の解放を強く願うからこそ、東郷は優勝すると決意した。
 であるならば、求めるものは確実に勝ちに行ける力。
 それは勇者としての力だけでは不十分なのではないか、東郷はそう思い始めていた。

 繭はこの殺し合いをゲームだと言っていた。
 それならば、ゲームにおける常識や定石も当てはまるのではないか。
 例えば、将棋には、強力な駒は存在しても、最強の駒は存在しない。
 戦術や盤面次第では、角や飛車が歩や香車に討ち取られることもある。
 そこから予想できることがある。

(私たち『勇者』より強い存在がいる……?)

 侵略者バーテックスと戦うための存在である勇者は、普通の人間とは比べ物にならない強さを持つ。
 しかし、その勇者を殺せる存在がいなければ、この殺し合いは成立しないのだ。
 その事実に改めて気づき、東郷は方針をやや変更する。

(自分の強さを過信しない。確実に参加者を減らすことを考えないと)

 その為にとるべきは、謀略、暗殺、隠密。
 勇者部随一の思慮深さを持つ東郷は、そうした戦術を次々に考えだす。

 例えば謀略。
 車椅子という足枷を、他の参加者の良心に訴えかける道具として利用する。
 最初に出会った少女達が、東郷を気遣うそぶりを見せたことからも、成功する確率は高いだろう。

 例えば暗殺。
 戦闘方法が射撃である東郷は、ビルの屋上から参加者を狙撃すれば簡単に殺害できる。
 標的が一人なら問題ない、ならば二人以上で行動している場合はどうか。

 例えば隠密。
 建物などで遮蔽物の多い市街地であれば、容易に姿を隠すことができる。
逃げる必要ができたときに、脚の悪さからくる移動の遅さを補うことにも繋がる。

(そうなると、一人逃がしてしまったのが痛い)

これらの作戦の不安要素となるのが、麻雀少女が命を賭して庇った少女だ。
 「るう子ちゃん」と呼ばれていたことから、東郷は名簿の「小湊るう子」だと判断していた。
 小湊るう子には姿を視認されており、それを東郷は重く見ていた。
 他の参加者に「車椅子の少女が銃を撃ってきた」などと伝えられては、行動に支障が出る。
 だが、現状では対策を講じようがないのも事実であった。
 接触から既に一時間近く経っており、また遭遇する見込みは低い。
 小湊るう子に関しては、保留にするより他になかった。

 ここまで考えて、東郷はふと振り返る。
 どれも奇跡とか神秘とか真実とか夢とか、そんな『勇者』のイメージとはかけ離れた戦術だ。
 しかし、非道な戦術でさえ取らなければならない事情が、東郷にはある。
 最終的には自分以外の全員が死亡していなければ、目標が達成できない状況。
 この場にあって、手段を清濁で選り好みすることは不可能。
 そう東郷は判断した。

――風先輩、一緒に協力して、優勝を目指しませんか。

 誰の目から見ても不安定に映るだろう風に、東郷が声をかけたのもまた必然だった。
 自分と同じく殺し合いに乗り、自分と同じ勇者の力を持つ人物。
 戦闘経験はそれなり、互いの武器の愛称も充分。
 二人一組で殺し回るという提案は、相手にとっても悪い話ではないはずだった。
 しかし、返答はノー。
 更に妥協案を述べていたところ、風は走り去ってしまった。

 つまるところ、東郷美森は犬吠埼風を見誤っていたのだ。

 感情に任せて行動するタイプの風は、理性でもって行動する東郷よりも脆い。
 大赦を潰そうとしたときの風は、友奈と夏凜、そして樹の説得で思い止まった。
 しかし、神樹を倒そうと壁を破壊したときの東郷は、他の勇者と対立しても尚、行動を止めなかった。
 そこには明らかな違いがある。
 覚悟――そう言ってしまえば話は早い。
 風は東郷よりも覚悟がなく、東郷は風よりも覚悟があった。
 それだけのことだった。

「風先輩……私は私で、頑張ります」

 思わぬ形での再会に、それほど影響を受けていない自分に驚きつつも。
 東郷は、星空に向けて呟いた。
 一歩を踏み出し、覚悟を決めた東郷の目には、いつかの麻雀少女にも劣らない光が宿っていた。

46 ◆X8NDX.mgrA:2015/08/23(日) 13:17:06 ID:rNqkLMx20
以下の三点について追記修正をさせて頂きました。

・精霊の防御
・風の心理描写
・東郷のるう子への対処

既にwikiに収録されているので、数日間問題が指摘されなければ自分でwikiを編集したいと思います。
指摘して下さった方、ありがとうございました。

47 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 21:40:20 ID:gKbZfmN60
修正版投下します

48優勝をめざして(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 21:42:09 ID:gKbZfmN60
高坂穂乃果にとって現在の状況は到底受け入れられるものではなかった。
小汚い男に意識を奪われ、目を覚ましたら信頼していたはずのランサーが傍にいない。
本部とか名乗った小汚い男の話では、ランサーは穂乃果を彼に任せて去ったらしいが、そんな言葉を信用することはできない。
口では何とでも言えるのだ。元より、この浮浪者のような中年はランサーを害していた男。
そんなホームレスの言葉など一片たりとも信じるに値しない。
しかし、ならばどうしてランサーはこの場にいないのであろうという疑問が穂乃果の胸に沸き起こる。

(ランサーさんが、こんな小汚いおじさんに私を任せるわけがないよ)

まず本部の発言は考えるまでもなく嘘と判断。
このような小汚い中年にランサーともあろうものが、穂乃果を任せるはずがない。

(じゃあ、何で。何でランサーさんは私の傍にいないの?)

ランサーが離れたことによって薄れていた愛という名の感情が再燃し始める。
同じくチャームの影響を受けていた千夜はと言えば、ランサーのことなど忘れたかのように、土方十四郎とかいう男の死について悔やんでいるようだった。
薄情な女だと穂乃果は思った。結局、あの女はランサーをボディーガードとして利用する気しかなかったのだ。
だからいなくなれば、ランサーのことなどどうでもよくなる。

(私は違う。私のランサーさんに対する思いは本物だもん)

穂乃果と千夜。ランサーのチャームによって感情を歪められた二人であるが、両者に違いがあるとすれば、それはランサーと行動を共にした時間、そして出会った際の状況である。
千夜よりも長くランサーと行動していた穂乃果の方がチャームの影響を強く受けていることに加え、襲われていたところを助けられたという、ドラマティックなシチュエーションが穂乃果の偽り恋心を強固なものにした。

49優勝をめざして(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 21:43:16 ID:gKbZfmN60
(何で、何でランサーさんはここにいないの?)

ランサーは決してこんな薄汚れた中年男に穂乃果を預けていなくなるような人物ではない。
とすればこの中年男は穂乃果をランサーの手から奪い取った誘拐犯ということになる。
だがそうなると新たな疑問も沸いてきた。どうしてランサーは穂乃果のことを助けにきてくれないのか。
何故、この場に颯爽と姿を現して薄汚れたホームレス中年男、本部を打倒しないのか。

(まさか……!)

最悪の可能性が穂乃果の頭をよぎる。
それはこのホームレスによってランサーが既に殺害されたという可能性。

(違う! 違う! 違う! そんなことあり得ない!)

必至に否定するが、ランサーがこの場に現れない理由が他に思い浮かばないのだ。
穂乃果はランサークラスが最速のサーヴァントであるということは知らないが、その速さについては共に行動していたのでよくわかっている。
この浮浪者が穂乃果を攫ったとしても、彼なら容易に追いつけるはずなのである。

(……あの小汚いおじさんが卑怯な方法でランサーさんを殺したんだ)

最終的に穂乃果はその結論に至らざるを得なかった。
無論、正々堂々戦えばあんな浮浪者にランサーが敗北するなどまずあり得ない。
おそらく前と同様に卑劣極まりない手段を用いて、ランサーを死に至らしめたのだ。

「あ、あああああああああ、ああッ!!!」

両膝をつき拳でドンドンと地面を叩く。両目から涙がボロボロと零れた。

50優勝をめざして(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 21:44:45 ID:gKbZfmN60
「ど、どうしたんですか!」

ヴィヴィオとかいう小娘がこちらに寄ってきた。心配しているような素振りを見せているが、こいつは合流後あの浮浪者と親しげに会話をしているのを確認している。信用することはできない。

「何でも、ないよ」

笑顔を作ることがこんなにも難しいことであるということを穂乃果は初めて知った。
大丈夫だから、とヴィヴィオに言いながらも、その心中はとても穏やかとは言えなかった。

(こんな浮浪者にランサーさんが、こんな生きていても意味がないホームレスにランサーさんが、ランサーさんの百万分の一の価値もない薄汚い中年の分際でッ!)

ドス黒い感情とはまさにこのことか。自分でも驚くほどに口汚い暴言が心中に飛び交った。
本来、高坂穂乃果という少女はこのような思考を行う人物ではない。
穏やかで、優しく、真っ直ぐな心根を持ったスクールアイドルのはずだった。

(……殺す。あのホームレスも、ランサーさんを見捨てた奴らも全員殺してやる)

しかし魅了の魔貌が彼女の心を歪めた。それに様々な要因が重なり合った結果、ここに新たな殺人者が誕生することになったのである。
三人の内、女二人は容易に殺害が可能と判断。油断させて後ろから首を絞めれば済む。
しかし、本部はそうはいかないだろう。卑劣な手段を用いたとはいえ、ランサーを倒すということは、認めたくはないが実力者ということになる。
直接的な手段で殺害を試みたところで、返り討ちにされるのは目に見えている。
もたもたしていたら本部がこの場から去ってしまう。キャスターを倒しにいくそうだが、穂乃果からすれば嘘くさいことこの上ない。おそらくまた何か悪事を働くのだろうと推測する。

(そうだ、黒のカード!)

ヴィヴィオにはお手洗いだと言ってその場を離れてから残りの黒のカードを確認する。
出てきたのは小袋と説明書。内容に目を通した穂乃果の口元がぐにゃりと歪んだ。
青酸カリ。刑事ドラマなどで犯人が被害者を殺害する際によく用いられるあれである。
この毒薬を使用すれば力で劣る女であろうとも男を容易に殺害することが可能。
3人を殺すことが第一目的。では、その後はどうするのか。本部を殺したところでランサーが生き返るわけではない。

(生き返る……ああ! そうかッ! 優勝すればいいんだよ!)

あのモジャモジャのカリフラワー頭が言っていたではないか。優勝すれば願いを叶えてやると。
ここに来て魅了の魔貌による歪みは最大限に達する。本来の彼女であれば絶対に行わないであろう決断は歪められた愛情によってなされた。

(待っててね、ランサーさん。優勝してすぐに生き返らせてあげるから!)

穂乃果は知らない。ランサーは死んでなどおらず、自らの意思で穂乃果を本部に託したということを。
そして、穂乃果が抱く感情は魅了の魔貌によって植えつけられた偽りの愛情だということを。

51優勝をめざして(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 21:45:46 ID:gKbZfmN60
【B-2/駅構内/一日目・黎明】

【高坂穂乃果@ラブライブ!】
[状態]:額にたんこぶ、本部に対する憎悪
[服装]:音ノ木坂学院の制服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10)
     黒カード:青酸カリ@現実
[思考・行動]
基本方針:優勝してランサーを生き返らせる
1:青酸カリを用いて本部たちを殺害。優先順位は本部、千夜、ヴィヴィオ
2:参加者全員を皆殺しにする
3:μ'sのメンバーは……
[備考]
※参戦時期はμ'sが揃って以降のいつか(2期1話以降)。
※ランサーが本部に殺されたと思い込んでいます。
※ランサーが離れたことで黒子による好意が少々薄れましたが、上記の理由によって現在では好意が暴走して、それが本部たちへの憎悪に変わっています。

【本部以蔵@グラップラー刃牙】
[状態]:確固たる自信
[服装]:胴着
[装備]:黒カード:王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)@Fate/Zero、原付@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:こまぐるみ(お正月ver)@のんのんびより、麻雀牌セット@咲-Saki- 全国編
[思考・行動]
基本方針:全ての参加者を守護(まも)る
1:南下してキャスターを討伐する
2:騎士王及び殺戮者達の魔手から参加者を守護(まも)る
3:騎士王、キャスターを警戒。
[備考]
※参戦時期は最大トーナメント終了後

【宇治松千夜@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:疲労(大)、十四郎を見捨てて逃げたことへの罪悪感
[服装]:高校の制服(腹部が血塗れ、泥などで汚れている)
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:ベレッタ92及び予備弾倉@現実 、不明支給品0〜2枚
[思考・行動]
基本方針:心愛たちに会いたい
1:十四郎さん…

[備考]
※現在は黒子の呪いが消えて土方に対する自責の念に駆られています。

【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはVivid】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:セイクリッド・ハート@魔法少女リリカルなのはVivid
[思考・行動]
基本方針:皆で帰るために行動する
1:穂乃果さんの様子がおかしいので心配。千夜さんも落ち込んでいるようなので励ましてあげたい
2:アインハルトとコロナを探す
[備考]
※参戦時期はアニメ終了後です。
※ランサーの黒子の呪いについて大雑把に把握しましたが特に重要なことだとは思っていません。
※黒子の呪いの影響は受けていません。
※各々の知り合いについての情報交換は済ませています。


支給品説明

【青酸カリ@現実】
高坂穂乃果に支給。
刑事ドラマなどでよく用いられるメジャーな毒物。

52 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 21:46:24 ID:gKbZfmN60
修正版投下終了です

53名無しさん:2015/08/24(月) 22:15:41 ID:p19MN2C20
>>52
μ'sに関する言及が抜けたことで、より穂乃果の思考が短絡的になってしまったように感じます

以前◆DbK4jNFgR6氏は、ロワに参加するのはこの企画が初めてだとおっしゃられてましたが
修正された方がいいと思いますという意見が来ていて、氏もまた修正されたいというご意思があるようでしたら
(この手の企画での修正案の出し方として)「指摘された問題点が解決するような補足、理由づけをした上での修正版を投下する」
というのが、定石とはいかないまでも、無難な解決策としてあります
(これまでの修正スレや議論スレでの会話でもそういったやり取りは何度かありました)

今回の場合だと「穂乃果の豹変が唐突すぎる」という指摘が来ているわけですから
「(可能な限り)穂乃果が仲間を殺してでも優勝しようとするに至った心境の変化を捕捉する」
(なぜ他の参加者を殺しても構わないというほど追いつめられてしまったのか、の描写など)
というような修正の仕方もあったのではないでしょうか

私も氏の作品は雄二リゼのコンビを描いておられた頃から面白いと思っていましたし
今回の作品も、フラグの結果や穂乃果が危険人物化したことによる影響などとても思っておりますので
要らんおせっかいではありますが、「こういう対応もできる」と考えていただけたらと思います

54名無しさん:2015/08/24(月) 22:17:05 ID:p19MN2C20
×とても思っておりますので

○とても面白いと思っておりますので

55 ◆KKELIaaFJU:2015/08/24(月) 22:18:20 ID:VbWZXo5k0
トリ付きで失礼します。
修正版拝見いたしました。
状態表だけで修正するのではなく、
本文で『優勝するにはμ'sのメンバーも殺さなくてはない』
という思考がごっそり抜けているのは修正になっていないです。

修正するなら修正するでもう少し描写不足です。

それと議論スレに意見が出ているのですが、それでも無理に通すのですか?

語彙不足ですんません。

56名無しさん:2015/08/24(月) 22:25:44 ID:jV7TxNWw0
そうなのですか?

57 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 22:25:58 ID:gKbZfmN60
二度目の修正版出します。加筆するので少々お待ちください。

58 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 22:52:01 ID:gKbZfmN60
再修正版投下します

59優勝をめざして(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 22:53:44 ID:gKbZfmN60
高坂穂乃果にとって現在の状況は到底受け入れられるものではなかった。
小汚い男に意識を奪われ、目を覚ましたら信頼していたはずのランサーが傍にいない。
本部とか名乗った小汚い男の話では、ランサーは穂乃果を彼に任せて去ったらしいが、そんな言葉を信用することはできない。
口では何とでも言えるのだ。元より、この浮浪者のような中年はランサーを害していた男。
そんなホームレスの言葉など一片たりとも信じるに値しない。
しかし、ならばどうしてランサーはこの場にいないのであろうという疑問が穂乃果の胸に沸き起こる。

(ランサーさんが、こんな小汚いおじさんに私を任せるわけがないよ)

まず本部の発言は考えるまでもなく嘘と判断。
このような小汚い中年にランサーともあろうものが、穂乃果を任せるはずがない。

(じゃあ、何で。何でランサーさんは私の傍にいないの?)

ランサーが離れたことによって薄れていた愛という名の感情が再燃し始める。
同じくチャームの影響を受けていた千夜はと言えば、ランサーのことなど忘れたかのように、土方十四郎とかいう男の死について悔やんでいるようだった。
薄情な女だと穂乃果は思った。結局、あの女はランサーをボディーガードとして利用する気しかなかったのだ。
だからいなくなれば、ランサーのことなどどうでもよくなる。

(私は違う。私のランサーさんに対する思いは本物だもん)

穂乃果と千夜。ランサーのチャームによって感情を歪められた二人であるが、両者に違いがあるとすれば、それはランサーと行動を共にした時間、そして出会った際の状況である。
千夜よりも長くランサーと行動していた穂乃果の方がチャームの影響を強く受けていることに加え、襲われていたところを助けられたという、ドラマティックなシチュエーションが穂乃果の偽り恋心を強固なものにした。

60優勝をめざして(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 22:56:14 ID:gKbZfmN60
(何で、何でランサーさんはここにいないの?)

ランサーは決してこんな薄汚れた中年男に穂乃果を預けていなくなるような人物ではない。
とすればこの中年男は穂乃果をランサーの手から奪い取った誘拐犯ということになる。
だがそうなると新たな疑問も沸いてきた。どうしてランサーは穂乃果のことを助けにきてくれないのか。
何故、この場に颯爽と姿を現して薄汚れたホームレス中年男、本部を打倒しないのか。

(まさか……!)

最悪の可能性が穂乃果の頭をよぎる。
それはこのホームレスによってランサーが既に殺害されたという可能性。

(違う! 違う! 違う! そんなことあり得ない!)

必至に否定するが、ランサーがこの場に現れない理由が他に思い浮かばないのだ。
穂乃果はランサークラスが最速のサーヴァントであるということは知らないが、その速さについては共に行動していたのでよくわかっている。
この浮浪者が穂乃果を攫ったとしても、彼なら容易に追いつけるはずなのである。

(……あの小汚いおじさんが卑怯な方法でランサーさんを殺したんだ)

最終的に穂乃果はその結論に至らざるを得なかった。
無論、正々堂々戦えばあんな浮浪者にランサーが敗北するなどまずあり得ない。
おそらく前と同様に卑劣極まりない手段を用いて、ランサーを死に至らしめたのだ。

「あ、あああああああああ、ああッ!!!」

両膝をつき拳でドンドンと地面を叩く。両目から涙がボロボロと零れた。

61名無しさん:2015/08/24(月) 22:58:05 ID:u8NnlyNk0
修正お待ちしております。
必要なら明日までかかっても構わないので、じっくりと執筆活動に専念してくれれば幸いです。

62名無しさん:2015/08/24(月) 22:59:27 ID:u8NnlyNk0
……リロ忘れでの割り込み失礼しました。

63優勝をめざして(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 23:06:19 ID:gKbZfmN60
「ど、どうしたんですか!」

ヴィヴィオとかいう小娘がこちらに寄ってきた。心配しているような素振りを見せているが、こいつは合流後あの浮浪者と親しげに会話をしているのを確認している。信用することはできない。

「何でも、ないよ」

笑顔を作ることがこんなにも難しいことであるということを穂乃果は初めて知った。
大丈夫だから、とヴィヴィオに言いながらも、その心中はとても穏やかとは言えなかった。

(こんな浮浪者にランサーさんが、こんな生きていても意味がないホームレスにランサーさんが、ランサーさんの百万分の一の価値もない薄汚い中年の分際でッ!)

ドス黒い感情とはまさにこのことか。自分でも驚くほどに口汚い暴言が心中に飛び交った。
本来、高坂穂乃果という少女はこのような思考を行う人物ではない。
穏やかで、優しく、真っ直ぐな心根を持ったスクールアイドルのはずだった。

(……殺す。あのホームレスも、ランサーさんを見捨てた奴らも全員殺してやる)

しかし魅了の魔貌が彼女の心を歪めた。それに様々な要因が重なり合った結果、ここに新たな殺人者が誕生することになったのである。
三人の内、女二人は容易に殺害が可能と判断。油断させて後ろから首を絞めれば済む。
しかし、本部はそうはいかないだろう。卑劣な手段を用いたとはいえ、ランサーを倒すということは、認めたくはないが実力者ということになる。
直接的な手段で殺害を試みたところで、返り討ちにされるのは目に見えている。
もたもたしていたら本部がこの場から去ってしまう。キャスターを倒しにいくそうだが、穂乃果からすれば嘘くさいことこの上ない。おそらくまた何か悪事を働くのだろうと推測する。

(そうだ、黒のカード!)

ヴィヴィオにはお手洗いだと言ってその場を離れてから残りの黒のカードを確認する。
出てきたのは小袋と説明書。内容に目を通した穂乃果の口元がぐにゃりと歪んだ。
青酸カリ。刑事ドラマなどで犯人が被害者を殺害する際によく用いられるあれである。
この毒薬を使用すれば力で劣る女であろうとも男を容易に殺害することが可能。
3人を殺すことが第一目的。では、その後はどうするのか。本部を殺したところでランサーが生き返るわけではない。

(生き返る……ああ! そうかッ! 優勝すればいいんだよ!)

あのモジャモジャのカリフラワー頭が言っていたではないか。優勝すれば願いを叶えてやると。
ここに来て魅了の魔貌による歪みは最大限に達する。本来の彼女であれば絶対に行わないであろう決断は歪められた愛情によってなされた。
頭の片隅にμ'sの仲間たちの顔が浮かんだ気がした。これまで共に歩んできた掛け替えのない友人たち。
けれども駄目なのだ。ランサーと共に過ごした時間の記憶が仲間たちとの思い出を塗り潰してしまう。
それはまるで甘い蜜のよう。ランサーのことを思い出すと幸福感で胸がいっぱいになる。
ランサーを救うためならμ'sを切り捨ててもいいと思わせる程に、彼の存在は穂乃果にとって大きなものとなっていた。

(待っててね、ランサーさん。優勝してすぐに生き返らせてあげるから!)

穂乃果は知らない。ランサーは死んでなどおらず、自らの意思で穂乃果を本部に託したということを。
そして、穂乃果が抱く感情は魅了の魔貌によって植えつけられた偽りの愛情だということを。

64優勝をめざして(修正版) ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 23:07:58 ID:gKbZfmN60
【B-2/駅構内/一日目・黎明】

【高坂穂乃果@ラブライブ!】
[状態]:額にたんこぶ、本部に対する憎悪
[服装]:音ノ木坂学院の制服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10)
     黒カード:青酸カリ@現実
[思考・行動]
基本方針:優勝してランサーを生き返らせる
1:青酸カリを用いて本部たちを殺害。優先順位は本部、千夜、ヴィヴィオ
2:参加者全員を皆殺しにする
3:μ'sの皆を殺すのは残念だけど、ランサーさんを生き返らせるためなら仕方ないよね
[備考]
※参戦時期はμ'sが揃って以降のいつか(2期1話以降)。
※ランサーが本部に殺されたと思い込んでいます。
※ランサーが離れたことで黒子による好意が少々薄れましたが、上記の理由によって現在では好意が暴走して、それが本部たちへの憎悪に変わっています。

【本部以蔵@グラップラー刃牙】
[状態]:確固たる自信
[服装]:胴着
[装備]:黒カード:王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)@Fate/Zero、原付@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:こまぐるみ(お正月ver)@のんのんびより、麻雀牌セット@咲-Saki- 全国編
[思考・行動]
基本方針:全ての参加者を守護(まも)る
1:南下してキャスターを討伐する
2:騎士王及び殺戮者達の魔手から参加者を守護(まも)る
3:騎士王、キャスターを警戒。
[備考]
※参戦時期は最大トーナメント終了後

【宇治松千夜@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:疲労(大)、十四郎を見捨てて逃げたことへの罪悪感
[服装]:高校の制服(腹部が血塗れ、泥などで汚れている)
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:ベレッタ92及び予備弾倉@現実 、不明支給品0〜2枚
[思考・行動]
基本方針:心愛たちに会いたい
1:十四郎さん…

[備考]
※現在は黒子の呪いが消えて土方に対する自責の念に駆られています。

【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはVivid】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:セイクリッド・ハート@魔法少女リリカルなのはVivid
[思考・行動]
基本方針:皆で帰るために行動する
1:穂乃果さんの様子がおかしいので心配。千夜さんも落ち込んでいるようなので励ましてあげたい
2:アインハルトとコロナを探す
[備考]
※参戦時期はアニメ終了後です。
※ランサーの黒子の呪いについて大雑把に把握しましたが特に重要なことだとは思っていません。
※黒子の呪いの影響は受けていません。
※各々の知り合いについての情報交換は済ませています。


支給品説明

【青酸カリ@現実】
高坂穂乃果に支給。
刑事ドラマなどでよく用いられるメジャーな毒物。

65 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 23:09:13 ID:gKbZfmN60
再修正版投下終了します

66名無しさん:2015/08/24(月) 23:19:04 ID:p19MN2C20
>>65
修正たいへん乙です
仲間を思う気持ちを忘れたわけではなく、仲間を思う気持ちを好意が塗りつぶしているという解釈ですね
穂乃果の心境には説得力が増したと思いますし、自分はこれで問題ないと思います
何度も対応をいただきありがとうございました

ちなみに、◆DbK4jNFgR6さんがご存じないようなので老婆心ながら付け加えさせていただきますが、
スレに書き込む際は「sage」を使った方がいいですよ
E-mailの欄にsageと打ち込んで書き込むと、名前が緑ではなく青く表示されます
これをしないと、スレッドの順番が繰り上がって掲示板の一番上に変わってしまうので。

つまり、掲示板に書き込む際の礼儀みたいなものです
詳しくは、「sage」でぐぐってみてください

67 ◆DbK4jNFgR6:2015/08/24(月) 23:34:19 ID:gKbZfmN60
>>66
ご指摘ありがとうございます。今後は気を付けるようにします。

68名無しさん:2015/08/24(月) 23:52:03 ID:7bT2wFoI0
ちょいとすいません
千夜って確か前の回で睡眠(仮眠?)取ってませんでしたっけ
それとももう起きたってことでいいのでしょうか

69名無しさん:2015/08/24(月) 23:54:15 ID:p19MN2C20
>>68
戻って来るまでの間で起きたということでいいのではないでしょうか
別に修正要求というほどのものではないと思います

70名無しさん:2015/08/24(月) 23:56:47 ID:7bT2wFoI0
>>69
了解です

71名無しさん:2015/08/24(月) 23:58:28 ID:MUSvC7ys0
そうなると、別のスレで議題になってたアキラッキー達の行動との食い違いが無視できなくなるような
物凄い短時間で寝て起きるという前話の内容ほぼぶん投げの解釈になるか、ちゃんと寝て起きたのに未だに着かない謎状態になるか

72名無しさん:2015/08/25(火) 00:01:49 ID:/ixUjGgc0
寝付く前に本部と穂乃果が帰ってきたから慌てて目を覚ましたとかで各自補完すればよいのでは

73名無しさん:2015/08/25(火) 00:03:27 ID:o7MLwonc0
本部と穂乃果がランサー別れた直後に黎明(2時)になったなら何も問題はない

74名無しさん:2015/08/25(火) 00:05:04 ID:SuY6E9G60
元から明確に時刻を決めてないんだから時間なんて大雑把でいいでしょうに

75名無しさん:2015/08/25(火) 00:13:01 ID:QQYtRbGo0
>>73
それより前の深夜に、隣のB-3にいるアキラッキー組が駅を目指すことになってるんで逆に問題が
これ以上はスレ違いなんで議論スレの方に書きますが

76名無しさん:2015/08/25(火) 00:16:54 ID:WzwF.tWI0
>>75
1エリア移動するのに時間帯にして1つかかるのは別に不自然でも無いと思います
ただでさえアキラッキー組はラヴァレイと合流したことで情報交換の時間を繰り返しているわけですし

77 ◆X8NDX.mgrA:2015/08/25(火) 15:32:07 ID:O5gzKPj.0
一日以上間が空いてしまいましたが、自作の修正案を投下します。




「いやー、精霊の守りのこと思い出してさ、どの程度まで守ってくれるのかを試したかったワケよ」
「いくらなんでも、やりすぎじゃないですか?」
「はは、ごめんごめん。でも結果的にはよかったよ、防御は固いみたいで」

 勇者部の二人は、成り行きで旅館の中に入って会話をしていた。
 東郷の車椅子を押すのは風。スーパーのカートを押すかのように、ぐいぐいと前進させている。
 土の付いた車輪が回るたびに廊下が汚れるが、この際は気にしてもいられない。

(友奈ちゃんと比べると雑)

そんなことを思っていると、風は先程の奇襲を謝罪し始めた。
 曰く、偶然にも旅館の屋根にいた風が、東郷を発見したのが発端だという。
 精霊によって死なないようになっている筈の勇者が、死ぬことがあるのか試したかったとのだ、と。
 生きるか死ぬかの殺し合いの中では重要なことだ、確かめられてよかった、と。
 明るく言う風だが、東郷の顔には影が差す。
 確かに精霊の防御が確認できたことは、大胆な行動が可能になった点でプラスだ。

「それにしても、驚きました」
「ん?あー、私も驚いたよ、殺し合いなんて信じられないよな。現実味ゼロっていうか」

 しかし、東郷が気にしているのは何もその点だけではない。
 むしろ精霊の防御のことよりも、今後の方針に関わるという意味では重要なことだ。
 東郷は深呼吸をしてから、妙に元気な声を出す風に向けて言った。

「いえ、先輩“も”優勝を目指していることに、です」

 瞬間、東郷は時が凍りついたかのような錯覚を受けた。
 車椅子がぴたりと止まり、それまで明るくしていた、明るくしようと努めていた風が黙り込む。
 風が車椅子から手を離したのが分かった。

「……先輩“も”ってことは、東郷も?」

 十数秒後に返ってきた風の声は、すこし掠れていた。
 いくら片耳が聴こえなくとも、それが図星であったことは理解できた。
 この時点で、東郷が嘘をつく理由はなくなった。

「ええ。勇者部の皆を解放するために、殺し合いに乗りました」

 「勇者部の皆を解放する」というフレーズに、風が反応したことが分かった。
 満開の後遺症、散華。強大な力の代償として、勇者は身体機能を失う。
 それが、風の場合は左目の視力であり、風の大事な妹の場合は、声だった。
 後遺症が治らないものだという考察を東郷が友奈と風に聞かせたとき、風は大きなショックを受けていた。
 故に、風が殺し合いに乗るとしたら、原因はそれだろうと踏んでいた。

「風先輩にお願いしたいことがあります」

 無言なのは図星だからだろうと考えながら、東郷は更に話しかけた。
 車椅子を自分で動かして、風と面と向かって話し合おうという姿勢を見せる。
 そうして、東郷は交渉を開始した。

「一緒に、来てくれませんか」




78 ◆X8NDX.mgrA:2015/08/25(火) 15:33:27 ID:O5gzKPj.0



「いや、止めとくよ」

 東郷に、二人で行動しようと誘われたとき、風は一瞬迷ってからこう答えた。
 その理由は理屈じゃなかった。理屈を重視したなら、断る理由がない。
 千載一遇、とまでは行かずとも、それなりの大きいチャンスだったはずだ。

「勘違いしないでほしい、東郷が嫌いだからってわけじゃない」

 風の武器は大剣。近距離で薙ぎ払うのが主な攻撃方法になる。
 東郷の、狙撃銃をはじめとした遠距離武器と協力すれば、相当に有利だ。
 どんな言い訳をしたところで、その事実は確定的だ。

「ただ、一緒に戦うとなると、勇者部の皆を思い出しちゃう、っていうか」

 それは理解できていたのに、口から出た返事は拒否だった。
 自分と同じ理由で殺し合いに乗っている相手なのにも関わらず、だ。
 自分自身の言葉に、同じ状況で協力を申し込んできた東郷との意志の差を痛感させられた。
 そこには感情に流されてしまう甘さがある、とも言える。

「……分かりました。では停戦協定だけということで。
 私はこれから、地図の南東の市街地に行くつもりです」

 東郷は断られてもすぐに、風に代案を出してきた。
 これはつまり、断ることも想定済みだったということだろうか。
 同じ目的の自分と比べても、随分と作戦を考えていると、風はそう感じた。

「共同戦線は不可能だとしても、別の形で協力はできるはずです。
 私も先輩も、目的はこのバトルロワイアルで優勝して、願いを叶えること」

 淡々と話し続ける東郷が怖くなったのは、この頃だ。
 風の顔を見据えた東郷の目線は、まっすぐ揺るぎない。
 もしかして、と風は考えた。
 もしかして東郷は、既に参加者を殺しているのでは?と。

「ですから、参加者を殺し回る場所を互いに分けて――」

 いろいろなことが渦巻く混沌とした心中。
 そんな中でも東郷は、淡々と話し続けていた。
 それは効率を考えれば、いい作戦であることに違いなくて。
 そんな作戦を立てられる東郷が賢いのは、とうに分かっていたけれど。
 だけど、それが、覚悟の違いを見せつけられているようで、どうにも辛かった。
 だから風は、東郷に背を向けた。




【G-4/道路/一日目・黎明】
【犬吠埼風@結城友奈は勇者である】
[状態]:腹部にダメージ(小)、精神不安定
[服装]:普段通り
[装備]:風のスマートフォン@結城友奈は勇者である
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:なし
[思考・行動]
基本方針:繭の力で、世界を正しい形に変えたい
   1:勇者部の皆には会いたくない。
2:出会った参加者は殺す
3:東郷に言われたように、南東の市街地には行かない?
[備考]
※大赦への反乱を企て、友奈たちに止められるまでの間からの参戦です。
※優勝するためには勇者部の面々を殺さなくてはならない、という現実から目を背けています。
※東郷が自分と同じ理由で殺し合いに乗ったと勘違いしています。

79 ◆X8NDX.mgrA:2015/08/25(火) 15:37:07 ID:O5gzKPj.0

 ここまで考えて、東郷はふと振り返る。
 どれも奇跡とか神秘とか真実とか夢とか、そんな『勇者』のイメージとはかけ離れた戦術だ。
 しかし、非道な戦術でさえ取らなければならない事情が、東郷にはある。
 最終的には自分以外の全員が死亡していなければ、目標が達成できない状況。
 この場にあって、手段を清濁で選り好みすることは不可能。
 そう東郷は判断した。

――風先輩、一緒に協力して、優勝を目指しませんか。

 誰の目から見ても不安定に映るだろう風に、東郷が声をかけたのもまた必然だった。
 自分と同じく殺し合いに乗り、自分と同じ勇者の力を持つ人物。
 戦闘経験はそれなり、互いの武器の愛称も充分。
 二人一組で殺し回るという提案は、相手にとっても悪い話ではないはずだった。
 勿論、今まで共闘していた先輩を利用するような真似は、東郷の本意ではない。
 本意ではないが、取ろうとすれば取れる。
 東郷は風を利用するために、ある事実を言わなかった。

(風先輩はまだ、壁の外の世界のことは知らないはず。だとしたら言う必要はなかった。
いや、むしろ言っていたら、いたずらに絶望させただけだった……私がそうだったように)

 風の目的と東郷の目的は、厳密には少し異なる。
 風は後遺症を治すことを目的としているのだろうが、東郷は神樹を滅ぼすことを目的としている。
 だが、風は東郷がそう考えるに至った理由をまだ知らないし、教えても事態が混乱するだけだと考えた。
 だから、東郷はあえて「勇者部の皆を解放する」という言い回しをしたのだ。
 それならば嘘はついていない。
 その上「東郷も自分と同じ目的だ」と風に勘違いさせて、協力を得られると考えていた。

(でも、そんなに甘くはなかったわね)

 とはいえ、結局のところ、返答はノー。
 更に妥協案を述べていたところ、風は走り去ってしまった。
 つまるところ、東郷美森は犬吠埼風を見誤っていたのだ。

 感情に任せて行動するタイプの風は、理性でもって行動する東郷よりも脆い。
 大赦を潰そうとしたときの風は、友奈と夏凜、そして樹の説得で思い止まった。
 しかし、神樹を倒そうと壁を破壊したときの東郷は、他の勇者と対立しても尚、行動を止めなかった。
 そこには明らかな違いがある。
 覚悟――そう言ってしまえば話は早い。
 風は東郷よりも覚悟がなく、東郷は風よりも覚悟があった。
 それだけのことだった。

「風先輩……私は私で、頑張ります」

 思わぬ形での再会に、それほど影響を受けていない自分に驚きつつ。
 また、親しい先輩を利用しようとした自分に些か嫌悪感を抱きつつ。
 東郷は、星空に向けて呟いた。
 一歩を踏み出し、覚悟を決めた東郷の目には、いつかの麻雀少女にも劣らない光が宿っていた。


――――
以上、修正箇所の周辺を抜粋しました。
ご指摘等あればよろしくお願いします。
数日間何もなければ自分でwikiの方は直しておきます。

80 ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 21:58:54 ID:YZvBNIe60
修正版仮投下します

81それはあなたと雀が言った(修正版)  ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:00:12 ID:YZvBNIe60
――Who killed Cock Robin?

――I, said the Sparrow,

――with my bow and arrow,

――I killed Cock Robin.

  * * *

真っ暗な空間。
何かから逃げるように走っていた。

私はこの光景を、よく覚えている。
あの時だってそうだった。鎧の女の人に襲われて。
私を庇って、十四郎さんは……。

『手前の所為だ』

どこからか、そんな声が聞こえて来る。
少しの間だったが、同行していたから分かる。紛れもない土方十四郎の声。

(え?)

声も出せず、ただひたすら走り続ける。

82それはあなたと雀が言った(修正版)  ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:00:55 ID:YZvBNIe60
『手前が銃を出さなかったから、俺は死んだ』

(違う。だって、あれは、モデルガンで)


『いいや本物だ。あれを出していれば、結果は変わっていたかも知れねぇ』

(違う。だとしても、襲ってきたのはあの鎧の女の人で)


『手前が現実を認めてさえいれば、違う結果が見えていた』

(違う。やめて。私は何も悪くない。私は、私は……)


『俺を殺したのは……』


「ッ……」

宇治松千夜は、そこで目を覚ました。
荒い息を吐きながら、辺りを見回す。

「あ、起きましたか。随分うなされてましたよ」
「ごめんなさい……夢、だったのかしら」

ヴィヴィオが話しかけてくる。クリスも心なしか心配そうにこちらを見ている。
時計を見る限り、本当に1時間程度しか眠れなかったらしい。
夢は深層心理の表れとも言う。彼はあんなことを言いそうな人ではないと思っていたのだが……。

「十四郎さんを、殺したのは……」

自責、後悔。そんなことを考えているうちに、どうやら本部たちが帰ってきたらしい。
笑顔で出迎えようかとも思ったが、今の自分には出来そうになかった。

  * * *

83それはあなたと雀が言った(修正版)  ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:01:46 ID:YZvBNIe60
足首が痛い。
カイザルとラヴァレイ。2人の騎士をボディーガードに付けたことによる少しの精神的な余裕が招いた結果。
こういうのを、『慢心』とでも言うのだろうか。

「アキラ嬢、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよー。問題なく歩けま……痛っ!」

カイザルが馴れ馴れしく駆け寄る。気持ちは分かるが、非常にむさ苦しい。

「(あーあ。確かにあいつら盾にするために弱者のフリをして行こうとは思ったけどさぁ。
流石に派手にすっ転んで足いためるのってどうなの、ホント。
こんな姿、ウリスには見せたくないなあ)」

「どうしますかね。地図を見る限り、駅とやらまでそんなに遠くはないでしょうが。
少し休んで行かれますか、アキラ君」
「出来ればそれでお願いしまーす。はぁ、あきらアンラッキー……」

支給品に湿布や氷などがあれば良かったのだが、そこまで甘くはないらしい。
青いカードから冷凍スポーツドリンクを出し、それでしばらく冷やすことにした。

「(へぇ、こんなのもきちんと出てくれるんだ。感心感心)」


半時間ほど経ち、流石にこれ以上やると霜焼けになってしまうためスポーツドリンクを足から離す。
だが、それでもすぐには歩けそうにはない。
無理をすると余計に酷くなるのが、この手の怪我にはつき物だ。

「ふむ……なら、少し地下闘技場とやらを見て来るか。
何か役に立つ物が置いてあるかも知れない」
「ラヴァレイ殿、1人では危険です。私も一緒に……」

スポーツドリンクを飲む晶の傍らで、騎士2人が何か相談をしている。

「君にはアキラ君の護衛をお任せしたいのだ。何、私1人でも十分だ」
「はぁ……。それでは、お気をつけて!」

「(いちいち敬礼してんじゃないわよ。流石は上司と部下ってか)」

今ここで油断させ、2人を殺すことは可能だ。だが、それでは何ら面白くない。
なるべくいい気にさせたところを、一気にどん底へ突き落とす。
この時の心の折れる音と言ったら――。

「(あの2人はまだまだ泳がせておくに相応しい)」

それにしても。

「(私でさえもこの殺し合いの場に放り込み、私が封印を解こうとしていたバハムートを召喚して見せたあの小娘……)」

一体何者なのか。まさかベルゼヒュート如きにこんな真似が出来るとは思えない。
考えても答えは出そうにない。今は闘技場に向かうしかないようだ。


数十分後。

「……ラヴァさん、遅いですね」
「ええ。やはり、私も付いていくべきだったか……」
「(いや、あんたは私の盾でしょ。今私襲われたらどうするつもりなのよ)」

なかなか帰ってこないラヴァレイの身を案じていると、彼の向かった方から何かを引きずるような音が聞こえてきた。

この音は何だと言うが早いか、カイザルは走り出していた。

「ラヴァレイ殿、御無事でしたか! それは……」

無事に帰ってきたラヴァレイは、猫車を持っていた。

「薬の類などは見当たらなかったが、支給品にあったのでな。
これならアキラ君も移動出来るだろう」
「そう……ですね! アハハ……(マジで言ってんのこいつ……私は荷物じゃないっつーの! いや悔しいけど今はお荷物か)」

こんな2人に肩を持たれるよりはこちらの方が精神的に楽だと考え、晶は何も追及しなかった。非常に不本意ではあったが。

  * * *

84それはあなたと雀が言った(修正版)  ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:02:43 ID:YZvBNIe60
駅に戻ってきてからというもの、千夜はずっと土方十四郎という男のことを悔やんでおり、ヴィヴィオはそれに付きっ切り。
本部とかいう浮浪者は、少し様子を見てくるとか言って一旦駅の外へ出て行った。
チャンスは今しかない、私はそう判断した。
3人まとめて殺してしまおう。そして、優勝して、ランサーさんを……。

手元にある青酸カリのカプセルは、カプセルを開けると毒の液体が出てくるようだ。
咄嗟に打ち立てた計画はかなり短絡的ではあるが、事態は一刻を争う。
私は、赤いカードを取り出した。


「2人とも、差し入れだよ〜」

駅のホームのベンチで休んでいる千夜とヴィヴィオに、穂乃果が駆け寄る。
2人の横に座った彼女の手には、サンドイッチが3つ。

「いいんですか? 私たちもまだ赤いカードあるのに」
「いいのいいの。好きなの選んで頂戴」
「好きなのって……全部タマゴじゃないですか、具」

そう言いつつもヴィヴィオはそれを2つ受け取り、1つを千夜に渡した。
千夜も短く「ありがとう」と告げると、再び黙りこくってしまった。

「その子は食べるの?」
「クリスは食べなくても大丈夫だよ」
「そっか。じゃあ本部さんにも差し入れして来る」

そう言い残し、穂乃果は本部の居る方へ走り去る。


「……あれ。千夜さん、食べないんですか?」
「御免なさい。今、そんな気分じゃなくて」
「もうすぐ朝ですし、食べないと今後どうなるか分かりませんよ。
とりあえず穂乃果さんにも悪いですし、私が食べましょうか」
「じゃあ……お願いするわね」

ヴィヴィオに手渡し、直後に違和感を覚えた。
無論、かなり早い朝ご飯と言ってしまえばそれまでなのだが。
何故、高坂穂乃果はこのタイミングで差し入れをしたのだろう。
わざわざ自分の赤カードを使ってまでする理由などない筈なのに。

まさかと思った時には。
ヴィヴィオは既に、受け取ったサンドイッチを口に入れた後だった。

85それはあなたと雀が言った(修正版)  ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:03:32 ID:YZvBNIe60
「美味しい、かしら」

やや引きつった顔で尋ねる。

「普通に美味しいで……あれ、ちょっと味が……ぅぐ……」

ヴィヴィオの顔が徐々に青ざめてゆく。様子が変だ。
まさか本当に、このサンドイッチには。

気づいた時には、ヴィヴィオは痙攣し、口から血を吐いていた。

「ヴィヴィオちゃん!?」
「ぢや……さ…ん……」

喉を掻きむしりながら千夜を睨み、ベンチから転げ落ちる。

「ち、違うの、これは……」

何故ヴィヴィオは、私をここまで恨めしそうな目で見るのだ。
私は何もしていないのに。悪いのは、きっと、穂乃果ちゃんで。

「ぢや、ざん……なん…で…」

違う違うちがう私のせいじゃない私は悪くない私は関係ないきっと彼女のサンドイッチにも毒がしこまれていてけっきょくかのじょはしぬことになるんだやめてちがうわたしのせいじゃないわたしはわるくないおねがいだからそんなめでみないで――



バァン! と大きな音がホームに響き渡る。
我に返った時には、既にヴィヴィオは動かなくなっていた。
そして、手には、ベレッタが握られて。

「あ……れ?」

ヴィヴィオの口元だけでなく、胸元からもじわりと赤い染みが広がってゆく。
引き金は……引かれていた。

「いやあああああああああ!!」

すべてを悟り、千夜は逃げるように走り出した。
後に残されたのは、口にされることはなかったもう1つのサンドイッチと1つの死体、それらの傍でじっとしているクリスだけだった。


【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはVivid  死亡】
【残り56人】

86それはあなたと雀が言った(修正版)  ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:05:12 ID:YZvBNIe60
単純な割に合理的。穂乃果はそう結論付けた。

水などの飲み物に毒を仕込んだ場合、飲んで貰えない可能性だってある。
だから食べ物なのだ。それも、サンドイッチのように片手が塞がり、かつ手軽に食べられる代物。
そうすることで、捨てるか手早く食べるかの2択を相手に迫る。
ヴィヴィオたちに差し出した3つのうち最後の1つは、自分で食べるものではない。
本部以蔵を殺すために毒が仕込んである3つ目だ。
彼は駅周辺の様子を確認したらすぐに出発するだろうし、タイミングを見てそれを渡せばきっと食べる。


「本部さーん。差し入れで……」
「待たれよ」

穂乃果の言葉を遮ると、本部は顎で少し遠くを指し示す。
見ると、複数の影がこちらに向かって来ている。

邪魔が入ったか。思わず舌打ちしそうになるのを堪え、影を注視する。
本部ほどではないがかなりガタイの良い男が2人、何故か猫車に乗せられている小柄な少女が1人だ。

「(ちょっと……これどうするの? このままじゃコイツを迂闊に殺せないじゃない)」

今の高坂穂乃果は、『好意を抱いていたランサーを奪われた』という思い込みによる殺人衝動によって突き動かされている。
ここまで淡々と計画を実行に移せているのも、第三者の乱入が無かったからというのが非常に大きい。
計画の破綻に苛立っても仕方がない。とにかくこの場を切り抜けるしかないようだ。


「(あのさー。何で私、ゴツいおっさんたちばっかりに遭うの?)」

ラヴァレイに押してもらっている猫車に乗りながら、思わず顔をしかめる。
正直、晶にとってこれ以上の道具(ボディーガード)は不要だ。
何とかして2人に駅の前で仁王立ちしている男を消してもらいたいところだが。

「(ん……? 何だ、女もいるじゃないの)」

こちらの存在に気づいたらしく女は物陰に身を隠し、男はこちらをじっと見ている。

「我々に敵意はない! ここを通してもらおうか!」

カイザルが叫ぶと男がこちらに歩み寄り、じっと晶を睨む。
苛立ちを隠し、察してくれと言わんばかりに腫れている足首を指差した。

「そのお嬢ちゃん、足を怪我しておるのか」
「ええ。そちらはお2人で?」
「いいや、向こうにあと2人――」


突如耳に届いて来た銃声と悲鳴。
数秒ほど互いに顔を見合わせ、彼らは黙ってホームへ向かう。

既にホームは蛻の空。生きた人間は残っていない。
それに彼らが気づいた時、何が起こるのだろうか?

87それはあなたと雀が言った(修正版)  ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:06:05 ID:YZvBNIe60
【B-2/駅付近/早朝】

【高坂穂乃果@ラブライブ!】
[状態]:本部に対する憎悪、動揺
[服装]:音ノ木坂学院の制服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(6/10)、青カード(10/10)
     黒カード:青酸カリ@現実
[思考・行動]
基本方針:優勝してランサーを生き返らせる
1:この場を何とかして切り抜け、本部を殺害する
2:参加者全員を皆殺しにする
3:μ'sの皆を殺すのは残念だけど、ランサーさんを生き返らせるためなら仕方ないよね
4:い、今のって!? それにこの人たちは……?
[備考]
※参戦時期はμ'sが揃って以降のいつか(2期1話以降)。
※ランサーが本部に殺されたと思い込んでいます。
※ランサーが離れたことで黒子による好意が少々薄れましたが、上記の理由によって現在では好意が暴走して、それが本部たちへの憎悪、殺人衝動へ変わっています。

【本部以蔵@グラップラー刃牙】
[状態]:確固たる自信
[服装]:胴着
[装備]:黒カード:王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)@Fate/Zero、原付@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:こまぐるみ(お正月ver)@のんのんびより、麻雀牌セット@咲-Saki- 全国編
[思考・行動]
基本方針:全ての参加者を守護(まも)る
1:南下してキャスターを討伐する
2:騎士王及び殺戮者達の魔手から参加者を守護(まも)る
3:騎士王、キャスターを警戒
4:急いでホームへ向かう
[備考]
※参戦時期は最大トーナメント終了後


【カイザル・リドファルド@神撃のバハムートGENESIS】
[状態]:健康、動揺
[服装]:普段通り
[装備]:カイザルの剣@神撃のバハムートGENESIS
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:不明支給品1〜2枚(確認済、武器となりそうな物はなし)
[思考・行動]
基本方針:騎士道に則り、繭の存在を挫く
0:この2人(本部と穂乃果)から話が聞きたい。
1:俺と、ファバロが……。
2:アキラ嬢を守りつつ、アナティ城へと向かう。ラヴァレイ殿も居る以上、体制は万全だ。
3:リタ、聖女ジャンヌと合流する(優先順位はリタ>>>ジャンヌ・ダルク)
4:アザゼルは警戒。ファバロについては保留
[備考]
※参戦時期は6話のアナティ城滞在時から。
※蒼井晶から、浦添伊緒奈は善良で聡明な少女。小湊るう子と紅林遊月は人を陥れる悪辣な少女だと教わりました。
※ラヴァレイから、参戦時期以後の自身の動向についてを聞かされました。

【蒼井晶@selector infected WIXOSS】
[状態]:健康、左足首捻挫(軽度)、猫車に乗せられている。
[服装]:中学校の制服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(9/10)
    黒カード:不明支給品1〜3枚(武器があるらしい?)
[思考・行動]
基本方針:ウリスを勝ち残らせるために動く
0:利用できそうな参加者は他の参加者とつぶし合わせ、利用価値が無いものはさっさと始末する。
1:カイザルとラヴァレイを利用しつつ、機会を見て彼らと他の参加者を潰し合わせるなり盾にするなりする。
2:ウリスを探し出し、指示に従う。ウリスの為なら何でもする
3:紅林遊月、小湊るう子は痛い目に遭ってもらう
4:カイザルたちに男(本部)を始末してもらいたい
5:何よ今の……こいつらから話を聞く?
[備考]
※参戦時期は二期の2話、ウリスに焚き付けられた後からです
※カイザル・リドファルドの知っている範囲で、知り合いの情報、バハムートのことを聞き出しました。

【ラヴァレイ@神撃のバハムートGENESIS】
[状態]:健康
[服装]:普段通り
[装備]:軍刀@現実 、猫車(蒼井晶乗車中)
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:不明支給品0〜1枚
[思考・行動]
基本方針:世界の滅ぶ瞬間を望む
1:蒼井晶の『折れる』音を聞きたい。
2:カイザルは当分利用。だが執着はない。
3:本性は極力隠しつつ立ち回るが、殺すべき対象には適切に対処する
4:さて、どうしたものか……。
[備考]
※参戦時期は11話よりも前です。
※蒼井晶が何かを強く望んでいることを見抜いています。

支給品説明
【猫車@現実】
ラヴァレイに支給。
工事現場などでよく見かける手押し車。


  * * *

88それはあなたと雀が言った(修正版)  ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:06:42 ID:YZvBNIe60
夢の中も合わせれば、ここに来て3度目の疾走。
目的地はない。誰かに会いたいという気分でもない。
普段なら既に動けなくなるほど走っているのに、体は止まろうとしなかった。

穂乃果たちは追ってくるだろうか、そんなことはどうでも良かった。
ただただ、逃げたかった。
ランサーという一時的な心の支えを失い、目の前で散った命を見て、千夜の精神は既に限界に近かった。

「私が、彼女、を……」

絞り出すように呟く。

毒を仕込んだのは恐らく高坂穂乃果。その上彼女は、私や本部以蔵をも殺そうとしていた。
結果的に、高町ヴィヴィオが死んだ。私がトドメを刺す形になった。
ここにおける『悪』が誰か、なんていうのはどうでもいい。

穂乃果から受け取る前に気づいていれば。
もっと早く「食べちゃいけない」と教えてあげていれば。
彼女が死んだのは、私のせいだ。それは、土方十四郎も同じ。
自分が2人を殺したと言っても、何らおかしくはない。


随分と走り続け、いつの間にか倒れていた。最後の気力を振り絞り、物陰に身を潜める。
当分動けそうにない。何より、しばらく一人になりたかった。


――誰が殺した? クック・ロビン。

――それは……。


【B-2とC-2の境界付近/早朝】

【宇治松千夜@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:疲労(極大)、情緒不安定
[服装]:高校の制服(腹部が血塗れ、泥などで汚れている)
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:ベレッタ92及び予備弾倉@現実 、不明支給品0〜2枚
[思考・行動]
基本方針:心愛たちに会いたい
1:私が、殺した……。
2:しばらく1人で居たい。

[備考]
※現在は黒子の呪いは解けています。

89 ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:07:59 ID:YZvBNIe60
投下を終了します。
(変更点)
・クリス、穂乃果に関しての描写の追加
・若干の修正

指摘等あればお願いします。

90名無しさん:2015/09/02(水) 22:20:00 ID:WWER8C0E0
投下乙です
クリスの描写追加に関しては問題ないと思いますが
ヴィヴィオが倒れたというのにクリスがただじっとしているというのは違和感があるので、
もっと動転した描写をするなりした方が良かったかもしれません

91 ◆DGGi/wycYo:2015/09/02(水) 22:34:08 ID:YZvBNIe60
>>90
ここに関しては機能停止させるかどうか迷っていました
これ以外に指摘が無ければそのまま動転した描写を加えたものを本投下する予定です

92名無しさん:2015/09/02(水) 22:35:16 ID:WWER8C0E0
>>91
クリスはレイハさんと同じで自分の意思があるので、
マスターが死んでも機能停止することはありませんよ

93 ◆KKELIaaFJU:2015/09/03(木) 00:15:56 ID:qAR8.MjY0
すみません。
拙作を読み返した際に誤字と状態表にミスを発見したので以下のように修正します。

✕綺礼が微差した先には……

○綺礼が指差した先には……

【言峰綺礼@Fate/Zero】
 [状態]:健康
 [服装]:僧衣
 [装備]:なし
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10)
     黒カード:不明支給品0〜2、神威の車輪@Fate/Zero
 [思考・行動]
基本方針:早急な脱出を。戦闘は避けるが、仕方が無い場合は排除する。
   1:少女(東條希)から事情を聞く。
   2:DIOの言葉への興味&嫌悪。


【ジャン=ピエール・ポルナレフ@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
 [状態]:肋骨、胸骨体、胸骨柄に罅(応急処置済み。行動、スタンド操作に支障はなし)
 [服装]:普段着
 [装備]:なし
 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)
     黒カード:不明支給品0〜3、縛斬・餓虎@キルラキル(一時預かり)
     不明支給品1枚(希の分)、ヴィマーナ(6時間使用不能)、
     スパウザー@銀魂、不明支給品2枚(ことりの分、確認済み)
 [思考・行動]
基本方針:DIOを倒し、主催者を打倒する。
   1:少女(東條希)から事情を聞く。
   2:DIOを倒す。
   3:キャスターに怒り。

以上が修正点です。推敲不足ですみません。

94『タカラモノズ』(修正版)  ◆KKELIaaFJU:2015/09/03(木) 19:21:43 ID:qAR8.MjY0

 その時である。
 
 二人は東の方から僅かだが光の残滓を目撃した。
 この時間帯、太陽の光にはまだ早すぎる。
 
「なんだ、今の光は?」
「それは……分からぬ」

 いくら博識の本部だろうとなんでもは知らない。
 だが、ここにセイバーがいなかったことを考えると何か関係があるのかもしれない。 
 そこでランサーは一つ、本部に提案する。

「俺が東に向かい、何があったかを見に行く」

 あの光が何を示すか分からない。
 しかし、ランサーがあの光から嫌な予感が感じたのは確かだ。
 それを確かめるべくランサーは一人で東へと歩を進めること選んだ。

「モトベ殿には穂乃果を皆のところに頼みたい……彼女は連れて行けない」
「ああ、任された」
「それと、もしここから南の墓地にいるであろうキャスターが何か事を起こしたとしても……
 モトベ殿の実力であれば……あるいは……」
「……別に倒しちまっても構わんねぇだろ?」

 その自信がどこから出てくるのか、わからないが本部の確固たる自信は崩れない。
 だが、その言葉にランサーは少しばかり安心させられる。
 この男なら……『託せられる』と。

「……互いにご武運を!」

 そしてランサーは穂乃果を本部に託して、自身は東に駆け出した。
 それを確認して本部は気絶した穂乃果を背中に縛り付けて、原付で来た道を戻る。
 
「……嬢ちゃん、ヘルメットっていうのは普通はこういう風に使うもんだぜ」

 本部は穂乃果が持っていたヘルメットを穂乃果の頭部にかぶせた。

 正しいヘルメットの使い方は人を殴るのではない。
 ヘルメットは着用者の頭部を危険から守るものである。
 今、このように本部や穂乃果の使用方法こそが正しい用途なのだ。


【A-3/一日目・黎明】
【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:ダメージ(小)
[装備]:キュプリオトの剣@Fate/zero、村麻紗@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:不明支給品0〜2枚
[思考・行動]
基本方針:『ディルムッド・オディナ』としてこの戦いを戦い抜く。
0:東に向かい、何があったかを確かめる
1:穂乃果、千夜に「愛の黒子」の呪いがかかったことに罪悪感。
2:セイバーは信用できない。そのマスターは……?
3:キャスターはいずれ討伐する。
4:俺がセイバーに勝てない……? 否、勝利する!
5:本部を全面的に信頼
[備考]
※参戦時期はアインツベルン城でセイバーと共にキャスターと戦った後。
※「愛の黒子」は異性を魅了する常時発動型の魔術です。魔術的素養がなければ抵抗できません。
※村麻紗の呪いにかかるかどうかは不明です。

95 ◆KKELIaaFJU:2015/09/03(木) 19:22:38 ID:qAR8.MjY0
以上が修正版となりますが、意見等があったらお願いします。

96名無しさん:2015/09/04(金) 01:00:10 ID:oyjmlVOc0
やっぱり、修正前だとセイバーが東にいると半ば確信していたから別行動も納得できましたけど、
確信ができないのにランサーだけ別行動しちゃうのは違和感ありますね……

帰り道にセイバーとばったり遭遇っていう普通にありうる展開が全員の頭からすっぽり抜け落ちてるというか

97名無しさん:2015/09/04(金) 01:29:31 ID:EgBbCvbU0
違和感なんて感じませんけどね
そういう考えもあるかもしれませんが、エクスカリバーの光源地の近くでセイバーが暴れている可能性も十分考慮できます千夜が襲われた場所も含めて考えれば尚更です

それに本部はランサーが保護すべき弱者でもありませんしセイバーとの鉢合わせの事をスルーしてもおかしくないでしょう
キャスターの討伐を任せると言ったように実力は認めてるんですから自力で対処可能と考えてもおかしくありません

もうこれは人それぞれの考え方の違いとしか言いようがないですよ
貴方の言うようにランサーが確信を持てないので東に行かないのも矛盾はないですしその逆もです
だから指摘するような事ではないと思いますよ

98名無しさん:2015/09/04(金) 02:02:51 ID:oyjmlVOc0
千夜が襲われた場所はA-2ですけど、それを含めて考えたらどうしてそう考慮できるんです?
「学院から公園へ東に向かっている途中に正面から鉢合わせた」ことを含めたら、むしろセイバーは東から西へ進んでいたと考えられそうなものですが
修正案では「エクスカリバーの」光源地であることは分からなくなっていますし

気絶した穂乃果を連れ帰っているのに元部なら大丈夫というのも変でしょう
それに宝具特化のサーヴァントで本人には何の戦闘能力もないキャスターを任せられるからといって、
セイバーを任せられるのがおかしくないというのは流石にどうかと
あとランサーはロワにおける風王結界の有無を確信できるほどの情報を得ていないので、
参戦時期直前のキャスター戦で見せた風王鉄槌を使われたらいくら元部が盾になってもMAP兵器状態で穂乃果ごと即肉片になる、というのは想定の範囲内でしょうし

99名無しさん:2015/09/04(金) 02:12:37 ID:sbLAIoo.0
「この場面でこの行動を取るのはおかしい」ってのは大なり小なりどんなSSだろうが出てくるし、それを一々修正しろってのはワガママ過ぎるような…

100名無しさん:2015/09/04(金) 02:19:58 ID:oyjmlVOc0
それともうひとつ、ランサー視点ではなく元部視点で見た場合ですが、
現行版の「騎士道」でランサーがセイバーに勝つために「機関銃(マシンガン)、いやバズーカ砲の用意を」と言うくらいなのに、
ろくな武器もなく気絶した穂乃果を運んでいるハンデ付きで「セイバーは自力で対処可能」と考えるんでしょうか……?

>>99
「小なり」の方ならまだしも「大なり」なら修正対象にしない方が問題かと

101名無しさん:2015/09/04(金) 02:22:57 ID:sbLAIoo.0
>>100
この程度ならまったく「大なり」とは言えないような…

102名無しさん:2015/09/04(金) 02:24:34 ID:oyjmlVOc0
>>101
喩えるなら、ポルナレフがザ・ワールドの謎の能力に対抗できる根拠が全く無いキャラに「お前ならDIOも対処できる」と送り出すようなものですが…

103名無しさん:2015/09/04(金) 02:29:02 ID:sbLAIoo.0
>>102
その喩えの場合でも、既にリレーされているのにわざわざ修正要求するような問題点には思えませんが……

104名無しさん:2015/09/04(金) 02:30:28 ID:RKWKnasM0
ポルナレフは世界の謎を解明もしてないのにしかも夜中に追って倒そうとか言う馬鹿なんだけど

105名無しさん:2015/09/04(金) 02:37:44 ID:oyjmlVOc0
>>103
この修正案をリレーに組み込むというのはまだ決定事項じゃありませんよ?
いわばまだリレーされていない内容に対する修正要求です

>>104
タイムリミットまでもう一日も残ってない状態でしたからね、確か
ホリィさんが死ぬまで50日でラストバトルがその50日目

106名無しさん:2015/09/04(金) 02:53:22 ID:sbLAIoo.0
>>105
失礼、「既にリレーされているのに」の部分は色々ごっちゃになってました

改めて言いますと、この程度の問題点で一々突っかかっても切りがないのでは?ということです

107名無しさん:2015/09/04(金) 03:04:56 ID:RKWKnasM0
>>105
どう見てもポルナレフは仲間の死に駆られ、逃げ出すことに強い拒否感を抱いているだけですよ
実際ジョセフもチャンスを待つと言ってるのに逃げたくないの一点張りでしたし
タイムリミットの事に関しては、あまり考えてないんじゃありませんか?

108名無しさん:2015/09/04(金) 03:19:22 ID:RKWKnasM0
あとあれ
ランサーってID:oyjmlVOc0さんが言うようにそこまで深く考えるキャラじゃないですよ
でかい光が上がればセイバーが関わってるかもと飛び込んでいっても全然普通
むしろ情で流されやすいキャラですからね
「あれがセイバーなら必ず倒さねば」と使命感に駆られて細かいことは忘れてもおかしくありません
しかもランサーはセイバー関係なく穂乃果から離れたがってますし

本部も本部でランサーは騎士道捨てれば大丈夫だって思ってますから

作中のキャラは誰もがID:oyjmlVOc0さんほど頭も良くないし冷静でもないです
何処かしら主観的になりますし感情的に動いたりもします
さっき言ったポルナレフみたいに

109名無しさん:2015/09/04(金) 03:30:03 ID:oyjmlVOc0
>>106
「元部はほんの少し前にランサーに向けた忠告を完全に忘却」
「あるいは、最低でもマシンガンが必要で可能ならバズーカを用意すべきと見定めた相手に、気絶した穂乃果を連れて原付と麻雀牌のみで対処可能と高を括る」

「ランサーは何十体もの魔獣を一撃で肉片に変える宝具を持っている(かもしれない)セイバーの脅威を軽視」
「更に、前話で『仮に突き放したところで彼女はランサーを追うだろう』と考えた上で同行を許したにも関わらず、気絶から回復した穂乃果が一人で自分を追いかけてくることは考えない」

いくらなんでも、結論ありきで登場人物をお馬鹿にするのは「この程度の問題点」では済まないでしょう
最後の1つの場合、修正前なら最大の脅威であるセイバーが遠くにいると確信できていたので万が一穂乃果が飛び出してもリスクは低いと言えなくもなかったですが、修正案だとそういう解釈ができなくなっています
また、セイバーが風王結界を使って超高速移動できることをランサーは身を持って知っていますので、原付に乗っているから大丈夫と楽観視したと考えても不自然です

>>107
その場合も自分自身の問題であって、他人を無責任に送り出すわけじゃありませんからね
修正案のランサーは無責任に送り出している状態です

>>108
>ランサーってID:oyjmlVOc0さんが言うようにそこまで深く考えるキャラじゃないですよ
ランサーが持つ心眼(真)スキルは「鍛錬によって培った洞察力」を表す保有スキルなので、洞察力に欠けると描写するのは設定無視といえるかと
そもそも、そこまで深く考えるキャラじゃないと言うのは何を根拠にしているんでしょうか

>しかもランサーはセイバー関係なく穂乃果から離れたがってますし
上の方でも書きましたが、仮に突き放したところで彼女はランサーを追うだろう、というのがこのリレーにおけるランサーの判断です

110名無しさん:2015/09/04(金) 03:39:27 ID:sbLAIoo.0
>>109
なんというか「本部以蔵」というキャラクターを理解していないと話にならないような…
登場話から描写されていた確固たる自信を最大限に汲み取った作品だと思いましたが…

ランサーのスキルについては、アニメ版のみの設定で書いても問題はないので、心眼云々は的はずれだと思います

111名無しさん:2015/09/04(金) 03:44:20 ID:RKWKnasM0
>>109
確かに心眼(真)がありましたね
ただ心眼(真)のスキルがあればむしろ光の方にセイバーが居ないと思うことの方が不自然ですね
「鍛錬によって培った洞察力」があれば光の方にセイバーが居ると推理しても良さそうなものです

>上の方でも書きましたが、仮に突き放したところで彼女はランサーを追うだろう、というのがこのリレーにおけるランサーの判断です

穂乃果はランサーを追うからこそ気絶してる今が絶好の機会だと踏んだんじゃありませんか

112名無しさん:2015/09/04(金) 03:49:16 ID:Wt1tXK020
「Anemone Heart」の時点で、相応の実力者とはいえ幼女であるヴィヴィオに、自分がいなくても留守を任せられるとあずけているのに
キャスター討伐を任せられると判断した相手を駅に送り返すのが問題だというのは、重箱の隅をつつきすぎだと思います

状況が違うかとおっしゃられるかもしれませんが、
あの時点で「ランサーが音乃木坂に向かっている間に、セイバーが公園から交通の要所である駅へとやって来る可能性」もありましたよね
それをいちいち大きな問題と指摘していたら、ランサーパートだけ毎回修正の議論をしなければならない状態になると思うのですが

113名無しさん:2015/09/04(金) 03:52:56 ID:RKWKnasM0
>>109

>修正案のランサーは無責任に送り出している状態です

無責任じゃないですね
本部の判断ではランサーは騎士道を捨てれば大丈夫だと思ってるんですよ
バズーカーも騎士道に拘るのならバズーカーを持てって話です
それを捨てたランサーならセイバーとも戦えるだろうと考えてるわけです

ついでにポルナレフも自分自身の問題とは言ってますが、作戦も立てずに独断先行は仲間の足を引っ張ることになります
承VSDIO戦なんか一人で行動してたせいで、時止め能力にも気付かず、結局チャンスを待ってた承りの邪魔してます
これも無責任な動きといえば無責任ですよ

114名無しさん:2015/09/04(金) 04:13:19 ID:oyjmlVOc0
>>111
目を覚ましたら同じ結果になるのにとは考えずに、ですか

>>112
自分が言っているのは、駅に戻るまでの移動中のことと穂乃果が目を覚ましてからのことです
駅に着いてそこに居続ける間のことを不安視しないのはおかしい、とは言ってません

特に後者の場合ですが、
「仮に突き放したところで彼女はランサーを追うだろう。一人で独断先行させるよりも、彼女のそばに付き護衛した方が安全だろうとランサーは考えたのだ。」
とあるように、前話におけるランサーは自分と離れたら穂乃果は一人で追いかけてくるだろうと考えていて、そうなるのは危険なので傍について護衛したほうが安全と考えています
送り返したら目を覚ました後で『突き放した』と同じ状況になるのは明白なのに、二行目の思考が何の説明もなく消え失せているのは変なのでは、という指摘です

>>113
>無責任じゃないですね
気絶した穂乃果とそれを連れた元部がセイバーと遭遇するかもしれないのに送り出したことを、そう言っているんですが
下の3行、ぜんぶ元部がランサーを送り出したことについて言及してません? 逆ですけど

115名無しさん:2015/09/04(金) 04:29:12 ID:RKWKnasM0
>>114

>目を覚ましたら同じ結果になるのにとは考えずに、ですか

穂乃果程度本部なら抑えられますから

>気絶した穂乃果とそれを連れた元部がセイバーと遭遇するかもしれないのに送り出したことを、そう言っているんですが

前から思ったんですが、そもそも本部とセイバーの遭遇自体無理があります
ランサー達に見えるような光をセイバーが見つけて何でわざわざ本部とかち合うような方角へ向かうんですかね

>下の3行、ぜんぶ元部がランサーを送り出したことについて言及してません? 逆ですけど

これはポルナレフの話です
ランサーも本部も関係ありません
貴方が変な例えを出したんで否定してっただけです

116名無しさん:2015/09/04(金) 04:32:12 ID:Wt1tXK020
>>114
一度音乃木坂から送り返されたのに、しかも今度は音乃木坂(当初の目的地)への偵察ではなく
自分から危険人物の可能性が高い光を放ったもの(セイバーであれ他の誰かであれ)のところへ赴こうとするのに
さらに言えば、ランサー自身本部という人物を信用しているのに
それでもランサーは穂乃果が自分を追って来ると考えるのでしょうか
結果的には「優勝をめざして」で違った形に暴走しましたが
あの時点のランサーに穂乃果が似たように暴走することを懸念しろというのは不可能でしょう

>(どうする……確かに音ノ木坂学院は危険だ。だが一人なら……。
 ヴィヴィオも戦闘の心得はあるが、流石に気絶した中年男性に無力な少女二人を任せるのは酷か。
 なら、穂乃果は連れて行った方が……)

こういった要因が、「タカラモノズ」の時点とは変わっているわけですから
ランサーが穂乃果をそれでも連れていくかどうかなんて、書いた書き手の判断によるとしか言えないと思います

117名無しさん:2015/09/04(金) 04:53:04 ID:oyjmlVOc0
>>115
>穂乃果程度本部なら抑えられますから
それと同じことは只者ではないと見抜いていたヴィヴィオにも言えますが、
それでも「ランサーを追うだろう」と考えていたのが前話までのランサーでは

>セイバーが見つけて何でわざわざ本部とかち合うような方角へ向かうんですかね
セイバーが目撃されたエリアなのだから遭遇する可能性は十分にあるという話であって、光のせいで遭遇という話はしていません
そもそも音ノ木坂学院に向かったこと自体、あの辺りにセイバーがいるかもしれないと予想してのことですし
前から思っていた、ということは、ずっと勘違いなさっていたんですか……?

>これはポルナレフの話です
下の3行とは「無責任じゃないですね」から続く3行分のことですが……?
本部の判断では〜中略〜考えてるわけです、のところですよ

>>116
穂乃果はついて行こうとした理由について、ランサーに危ない目に遭って欲しくないからだとランサー本人に明言しています
音乃木坂学院に行きたいからではありません
ランサーが自分から危険人物の可能性が高い光を放ったもののところへ赴こうとするのであれば、余計に独断専行を招くのは明白では?

118名無しさん:2015/09/04(金) 05:03:40 ID:Wt1tXK020
>>117
大の大人である本部(大人として穂乃果にランサーに付いていくのがいかに適切な行動ではないかを説きながら抑えることもできるわけです)を実力者とはいえ10歳児のヴィヴィオと同列に扱うのはさすがにどうなんでしょう
それに、ランサーが改めて自ら危険人物のところに赴くにあたって除外されたのなら、それは(目覚めた後の穂乃果視点でも)穂乃果が足でまとい、自分が付いて行かないほうがランサーのためになると分かることですよね

119名無しさん:2015/09/04(金) 05:16:35 ID:RKWKnasM0
>>117



それと同じことは只者ではないと見抜いていたヴィヴィオにも言えますが、
それでも「ランサーを追うだろう」と考えていたのが前話までのランサーでは

ヴィヴィオと本部では体格が違いますし、抑えるには変身しないと難しい
その間に逃げられる可能性が高いでしょう
ですが本部なら咄嗟に抑えられます

>セイバーが目撃されたエリアなのだから遭遇する可能性は十分にあるという話であって、光のせいで遭遇という話はしていません
>そもそも音ノ木坂学院に向かったこと自体、あの辺りにセイバーがいるかもしれないと予想してのことですし

既に数時間経って、それで学校を探してもセイバーが見つからない以上、近くには居ないと考えるんじゃないでしょうか
殺し合いに乗っているのですから一箇所にじっとしていることもないでしょうし
これで鉢合わせの確立はかなり低くなりましたね

>前から思っていた、ということは、ずっと勘違いなさっていたんですか……?

別に光のせいで遭遇とかこちらは言ってませんし、貴方が勘違いしてるんじゃないんですか

>下の3行とは「無責任じゃないですね」から続く3行分のことですが……?

分かり辛い

あと言葉が足りず文章も打ち間違えてましたが、ようは本部の会話を見る限りバズーカーが必要なのは騎士道ランサーだけです
騎士道など元よりない本部なら騎士道を捨てたランサーと同じくセイバーに対処可能と言いたかったんです

120名無しさん:2015/09/04(金) 06:43:30 ID:oyjmlVOc0
自分が言うのも難ですが、議論は向こうのスレでやるべきでしたね

>>118
>自分が付いて行かないほうがランサーのためになると分かることですよね
この先は危険だから連れていくわけにはいかないと直接言っても拒否しているんですから、
足手まといになると察して追ってはこないだろうと考えたとするのは無理があるのでは

>>118>>119
>実力者とはいえ10歳児のヴィヴィオと同列に扱うのはさすがにどうなんでしょう
>ヴィヴィオと本部では体格が違いますし、抑えるには変身しないと難しい
穂乃果と身長が同じ(どちらも157cm)千夜を背負って歩き回っていたのはランサーも確認済みですね
また訓練された者特有の動きも見て取っていますが、変身能力(?)があることは知らない様子です
(ヴィヴィオのスペックを分析するモノローグでもデバイスやバリアジャケットについては一切言及されていません)
変身で強くなることは知らず、現時点での評価だけでも二人を任せられるくらいの能力はあると判断し、それでも穂乃果は自分を追ってくるだろうと考えていたわけです

>殺し合いに乗っているのですから一箇所にじっとしていることもないでしょうし
開始直後に墓地でキャスターと遭遇し、数時間後に本部へ『南の墓地にいるであろうキャスター』の討伐を頼んでいるので、
この話のランサーは「殺し合いに乗っていても1箇所にじっとしている」可能性を普通に考慮しているようですが
そもそもセイバーがいたのは学院の近くであって学院ではないので、学院を探しただけで近くにいないと判断できるものではないですし

>別に光のせいで遭遇とかこちらは言ってませんし、貴方が勘違いしてるんじゃないんですか
>前から思ったんですが、そもそも本部とセイバーの遭遇自体無理があります
>ランサー達に見えるような光をセイバーが見つけて何でわざわざ本部とかち合うような方角へ向かうんですかね
こう仰っていますよね
つまり、こちらが「『セイバーが光を見つけ、その上でわざわざ本部とかち合うような方角へ向かい、本部と遭遇する』可能性を考慮していないのはおかしい」と主張していたのだ、と思っていたということでしょう?
もちろんこちらはそんなこと主張していませんが

>騎士道など元よりない本部なら騎士道を捨てたランサーと同じくセイバーに対処可能と言いたかったんです
前に放てば数十体は下らない怪魔の肉壁をバラバラに粉砕し、後ろに放てば音速の数倍で突進できる風王結界を持っているかもしれないセイバーに、ですか
ランサーは支給された宝具には一度もお目にかかっていませんので、どれくらいの制限が掛かっているのか、そもそも制限があるのかも知りませんしね
当然ながら、実体のない風の魔術の宝具が没収されるのか、特殊能力扱いで保持したままなのかも理解の埒外のはずです

121名無しさん:2015/09/04(金) 06:55:53 ID:oyjmlVOc0
ああ、何か引っかかってたと思ってたのを今思い出した

本部なら咄嗟に抑えられます、といいますけど、ランサーって本部にキャスター討伐を依頼してるんですよね
穂乃果を届け次第墓地に向かう手筈になっているんだから、本部に引き止め役を期待するのは無理なんですよ

122名無しさん:2015/09/04(金) 12:21:53 ID:RKWKnasM0
>>120

>穂乃果と身長が同じ(どちらも157cm)千夜を背負って歩き回っていたのはランサーも確認済みですね
また訓練された者特有の動きも見て取っていますが、変身能力(?)があることは知らない様子です
(ヴィヴィオのスペックを分析するモノローグでもデバイスやバリアジャケットについては一切言及されていません)
変身で強くなることは知らず、現時点での評価だけでも二人を任せられるくらいの能力はあると判断し、それでも穂乃果は自分を追ってくるだろうと考えていたわけです

千夜はその時気絶してました
意識のあった穂乃果とは話が違います

変身については確かに話しているのが描写されていませんが、逆に教えていたと後付で解釈することも可能です
パロロワではよくありますからね
教えていると断言するほどの材料もなければ、教えていないと断言する材料もない以上、地の文でランサーは変身を知らないと書かれていない限り、変身を知らないとは言い切れません

>つまり、こちらが「『セイバーが光を見つけ、その上でわざわざ本部とかち合うような方角へ向かい、本部と遭遇する』可能性を考慮していないのはおかしい」と主張していたのだ、と思っていたということでしょう?
もちろんこちらはそんなこと主張していませんが

貴方はずっと本部がセイバーと遭遇すると考えてましたが、そもそもそれ自体可能性が低いだろうと言いたかったんです
光がセイバーと無関係でそれをセイバーが見つけた時、駅に向かうより光の方へ向かうほうがセイバーとしては自然なはずです
何せ光のあった地では確実に近くに人が、少なくともそれを引き起こした人物が居るからです
これで本部の帰り道とかち合うと考え、警戒するのは無理があります

>前に放てば数十体は下らない怪魔の肉壁をバラバラに粉砕し、後ろに放てば音速の数倍で突進できる風王結界を持っているかもしれないセイバーに、ですか
ランサーは支給された宝具には一度もお目にかかっていませんので、どれくらいの制限が掛かっているのか、そもそも制限があるのかも知りませんしね
当然ながら、実体のない風の魔術の宝具が没収されるのか、特殊能力扱いで保持したままなのかも理解の埒外のはずです

音速くらいバキキャラなら対処可能なんですよね
見えない攻撃をするものもいました
貴方はfateキャラを過大評価して本部を過小評価しすぎです
それは本部と戦ったがランサーが一番分かってるはずです

>>121
ヴィヴィオが抑えるのが難しいといいましたが、本部からの前情報があれば別でしょう
常に変身しておくという手立ても取れましたから
それに本部も状況を見極めて動くでしょうから、状況の変化によってはそう簡単に穂乃果から目は話さないでしょう
いくらなんでもその言い方ではキャスター討伐に本部が拘りすぎです

123名無しさん:2015/09/04(金) 20:45:09 ID:1pGa0PjY0
>>122
>千夜はその時気絶してました
生きた人間を背負う場合は動きや重心を合わせてくれるので簡単ですが、気絶した人間はとてつもなく重く感じます
千夜の体重を40kg程度としても、10kg米袋4つ分、重い重いと言われるフルプレートアーマー一式分、ママチャリ2〜3台分にクロスバイク4台分、2リットルペットボトル20本分の重さを自分の腕力だけで持ち上げて自力で背負って歩きまわったわけですね

>逆に教えていたと後付で解釈することも可能です
「しかしあのヴィヴィオという少女は自分の呪いに対しても特にこれといって反応をする様子は見せなかった。
 おそらく彼女には何かしら魔力的な素養があるのだろう。
 あの華奢な体で千夜を背負っていたことといい、その体運びに見られる訓練された者特有の動きといい。
 彼女がただの少女ではないことは確かだろう」
知っていたならこんな考察にはなりませんので、それは無理でしょう

>光がセイバーと無関係でそれをセイバーが見つけた時、駅に向かうより光の方へ向かうほうがセイバーとしては自然なはずです
光が見える範囲は『近隣エリアまたは高所なら見えるかもしれない』とされています
音ノ木坂学院は周辺と比べて普通の建物の2階分以上に相当する高所に建てられているので見えても不思議ではありませんが、
それ以外の場所にいたとしても確実に見つけられたという前提で動くというのは、洞察力に欠けた動きなのでは

>音速くらいバキキャラなら対処可能なんですよね
マッハ突きくらいですし、勇次郎でも麻酔銃を回避できませんでしたね。刃牙も時速270kmの短距離タックルが自己最速みたいですし
それに風王鉄槌の方はどこへ

>ヴィヴィオが抑えるのが難しいといいましたが〜 以降
本部の状態表は修正されていないので、
>0:駅に戻り、穂乃果をヴィヴィオに預け、自身は南下してキャスターを討伐する
というのが修正後の話におけいても本部が最も優先する行動方針ですが?

124名無しさん:2015/09/04(金) 20:49:59 ID:Wt1tXK020
あとは書き手同士に任せませんか?

125名無しさん:2015/09/04(金) 21:19:09 ID:RKWKnasM0
>>123
わざわざID変えての自演でしょうか?

>生きた人間を背負う場合は動きや重心を合わせてくれるので簡単ですが、気絶した人間はとてつもなく重く感じます
千夜の体重を40kg程度としても、10kg米袋4つ分、重い重いと言われるフルプレートアーマー一式分、ママチャリ2〜3台分にクロスバイク4台分、2リットルペットボトル20本分の重さを自分の腕力だけで持ち上げて自力で背負って歩きまわったわけですね

ですが、重いだけで動きません
穂乃果は動いて尚且つ頭も使えます
千夜と同じ扱いにするのは無理があります


>「しかしあのヴィヴィオという少女は自分の呪いに対しても特にこれといって反応をする様子は見せなかった。
 おそらく彼女には何かしら魔力的な素養があるのだろう。
 あの華奢な体で千夜を背負っていたことといい、その体運びに見られる訓練された者特有の動きといい。
 彼女がただの少女ではないことは確かだろう」
知っていたならこんな考察にはなりませんので、それは無理でしょう

ヴィヴィオが魔法の説明を省いて変身だけ話した可能性は十分にあります
なのはの娘ですし、魔法のない世界の住人の可能性も考えられるでしょう


>音ノ木坂学院は周辺と比べて普通の建物の2階分以上に相当する高所に建てられているので見えても不思議ではありませんが、
それ以外の場所にいたとしても確実に見つけられたという前提で動くというのは、洞察力に欠けた動きなのでは

サーヴァントであるセイバーは人間以上に優れた視力を持っていますし他の参加者以上に光を見つける可能性が高いです
逆に何故貴方はセイバーが確実に本部と鉢合わせるという前提が考えるのかがむしろ洞察力に欠けるのでは?

>マッハ突きくらいですし、勇次郎でも麻酔銃を回避できませんでしたね。刃牙も時速270kmの短距離タックルが自己最速みたいですし

本部は超実戦柔術を極めた男です
いかにセイバーの風王鉄槌だろうとそれに対処できずに無残に敗北すると言いきるのはfateを贔屓目に見すぎですね
特にここの本部は異能を知りましたし、セイバーと対峙してもそれに応じた戦闘を行えるでしょう


>本部なら咄嗟に抑えられます、といいますけど、ランサーって本部にキャスター討伐を依頼してるんですよね
穂乃果を届け次第墓地に向かう手筈になっているんだから、本部に引き止め役を期待するのは無理なんですよ

それを状況によって対応を変えるだろうと言ってるんですよ
本部は機械じゃありません、一度頼まれた事を何が何でも実行するはずがありません
駅に着いて穂乃果の様子を伺いキャスター討伐に向かうぐらいの配慮はするはずです

126名無しさん:2015/09/04(金) 21:19:41 ID:RKWKnasM0
おっと自演の煽りは消し忘れです
すいません

127名無しさん:2015/09/04(金) 21:40:43 ID:1pGa0PjY0
>>125
>>124で苦言を呈されてるのにまだ続けるんですか……
内容にもかなり元部贔屓入ってますし

128名無しさん:2015/09/04(金) 21:50:36 ID:uJt26QG.0
本部を元部とわざと間違える人って前にも居ましたねえ・・・?

129名無しさん:2015/09/04(金) 21:53:32 ID:1pGa0PjY0
GoogleIMEだと「本部」が変換候補にでないみたいなんですよね
その代わり「元部」が先頭に出る

130名無しさん:2015/09/04(金) 22:29:07 ID:RKWKnasM0
>>127
逆に貴方にはランサー、セイバー贔屓が入ってますけどねぇ
まあ苦言もありますし
これ以上は止めておきますか

131 ◆gsq46R5/OE:2015/09/05(土) 14:46:57 ID:RSAAdCuA0
最後のヴァニラパートに文章を少し足しただけですが




  花京院典明の予想は、的中していた。
  姿の見えないスタンド使い――より正しくは、この世界とは別の空間に存在するスタンド使い。
  ヴァニラ・アイスは、執念深くも未だ彼と彼女を追尾している。
  『法皇の緑』による感知の盲点として、警戒を解きつつある彼らを嘲笑いながら、彼は尚も追う。
  正直なところ、迷いはした。
  此処で花京院と神楽を殺し、駅へ北上してDIO様の館を目指し右側の島へ向かうべきか。
  それか、当初の予定通り花京院達がもっと大きな集団になった所で事を起こすか。

 (DIO様の身を案ずるなど、おこがましい考えだ)

  直接命を下されずとも分かる。
  彼は殺し合いの中で他者の命を吸い取り、頂点へ立つことを目指していると。
  ならば、そんな彼に対し自分が出来る一番の孝行とは何か?
  ――言うまでもない。より多くの参加者を、可及的速やかに殺してゆくことだ。

  警戒が薄れてきていることも含めて、実に好都合だ。
  鼠同士で寄り固まったところを、皆まとめて始末してやろう。
  日が昇るまでに誰とも出会うことがなければ、その時はその場で片付けてしまえば良いだけのこと。
  少し猶予を持って取りかかれば、幸い屋内施設には事欠かない会場だ。
  それから適当な施設に目星をつけて潜り込み、また日が沈むまで潜伏していればいい。

 (DIO様、もう少々だけお待ち下さい。このヴァニラ・アイス、貴方の道に転がる犬の糞どもを掃除して参ります)

 
【ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康
[服装]:普段通り
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、黒カード:不明支給品0〜3、範馬勇次郎の右腕(腕輪付き)、範馬勇次郎の不明支給品0〜3枚
[思考・行動]
基本方針:DIO様以外の参加者を皆殺しにする
   1:花京院と神楽を追い、殺す
   2:承太郎とポルナレフも見つけ次第排除。特にポルナレフは絶対に逃さない
   3:花京院達が他の参加者と接触しているところを見計らい、皆まとめて始末する
   4:日が昇るまでに誰とも出会えないようならば、その時も早々に見切りをつけて始末。
[備考]
※死亡後からの参戦です
※腕輪を暗黒空間に飲み込めないことに気付きました

132名無しさん:2015/09/05(土) 22:35:24 ID:lMP38Dnw0
本投下されたLibraについての話はここでいいのかな?
無理が出てなかっただけに仮投下のと変えなくても良かったのではと思うんですが
問題なしと認知されていたのは仮投下での内容でしたし


>>131
修正お疲れ様です

133名無しさん:2015/09/06(日) 01:51:59 ID:qMc3mitg0
このままあのランサーの話通していいのかねえ

134 ◆zUZG30lVjY:2015/09/06(日) 02:09:45 ID:g52.veoE0
>本スレ
願いを叶える願望機が本当に存在し、勝者にそれを与えるという主催者の建前が信じられて戦っている世界観なので、
主催者が御三家から繭に変わっただけで疑いを差し挟む余地があまりなかったという解釈です
現に、セイバーも切嗣も願いを叶える力の実在に関しては疑いを抱いていませんし、切嗣も願いによっては渋られるかもしれないという程度の疑いです
優勝狙い云々に関しては、いわゆる奉仕型マーダーに近いものとして考えていました(聖杯を献上すると誓ったのと同じというのはそういう意味です)
先に挙げた部分ともども誤解を招く表現になっていたのは間違いないので、加筆修正で対応したいと思います

>>132
前の話が修正議論対象だったので結果が出る前に本投下するのは拙い、という認識での仮投下でした
また、問題がないというリアクションもなかったので、議論待ちで先送りされているだけで問題なしと認知されていたわけではないと考えていました

今回の投下で仮投下を挟まなかったのは、投下ルール改訂で「リレーは本投下から36時間後」とされたため、
ただでさえ議論待ちでキャラ拘束が長くなっているのに再び仮投下を挟んで解禁時期を延ばしてしまうのは良くないと思ったからです
実際はまだ改定案に差し替えられていないので、こちらの早とちりだったようですが

135名無しさん:2015/09/06(日) 07:56:50 ID:NPNukExM0
ただの屁理屈と自分勝手な言い訳にしか見えない。

136名無しさん:2015/09/06(日) 10:29:05 ID:63m2ZyFg0
>>134
>議論待ちで先送りされているだけで問題なしと認知されていたわけではないと考えていました
不安なら確認取ればいいだけの話では?
北西方面は展開や能力制限でナーバスになっていたにも関わらず、わざわざ時間をかけてまでランサーの黒子の悪用を容易にしかねない内容に変えて投下したのはどうかと思います

>再び仮投下を挟んで解禁時期を延ばしてしまうのは良くないと思ったからです
解禁時期延びましたね
そこまで配慮するなら微修正に留めてさっさと投下すればよかったのでは?

137名無しさん:2015/09/06(日) 12:58:06 ID:UKz0SIqk0
仮投下に何も言わず、今になって問題ないと思ってたって言い出すのもちとアレだがな
それはそうと、黒子の悪用を容易にってのはどういうこと?

138名無しさん:2015/09/06(日) 13:00:47 ID:eJoetGsg0
仮投下の内容を勝手に変えて本投下するのがおかしいんだろ

139名無しさん:2015/09/06(日) 13:13:17 ID:UKz0SIqk0
あれ、議論スレで管理人に申告してなかったか

140名無しさん:2015/09/06(日) 14:25:48 ID:WDDjvd.A0
修正する、と申告しただけで本投下の許可は得てないな

141名無しさん:2015/09/06(日) 14:28:51 ID:YEFW6PEA0
本スレに投下するかの判断は書き手本人次第でしょ
加筆修正を宣言してるんだからあんまりわーわー言わずに待ったほうが良いかと

142名無しさん:2015/09/06(日) 16:52:38 ID:.nQq2HeMO
>>137
議論スレで他ニ作品と同様に容認されてたよ

143名無しさん:2015/09/06(日) 21:27:17 ID:0JyZ9fpo0
仮投下スレでの再投下はした方が良かったとは思うけど、もう本スレに投下した以上はそこを論じても仕方ないので
とりあえずランサーの思考の整合性が取れてるかどうかだけ判断すれば十分ということでいいかと思います

144Libra(本スレ>>864差し替え) ◆zUZG30lVjY:2015/09/06(日) 21:41:09 ID:g52.veoE0
「…………」

疾走を続けるランサーの脳裏に一抹の不安が過ぎる。
考えたくもない可能性、あっては欲しくない結末だが、取り返しの付かない事態が既に起こってしまっていたとしたら。
「彼女達のために戦う」「彼女達を護る」程度では到底間に合わない状況に陥っていたとしたら。

――主催者の少女が告げていた、勝者の特権。願いを叶える権利。
最悪中の最悪が起こってしまったとしたら、ランサーはきっと『それ』を得ることを選択肢の内に入れるだろう。
無論、これは最後の生き残りになりたいと考えていることを意味しない。
一例を挙げるなら、駅の面々が一人を残してみな息絶えていたとして、その一人のために最後の"二人"にまで勝ち残り、己は自刎して優勝を捧げるという場合もありうる。
むしろランサーにとっては、万が一の場合はこのように自己犠牲を以って優勝を捧ぐことになるだろう、という思いの方が強かった。
いずれにせよ、これは最悪の状況において選ばれ得る選択肢の一つに過ぎず、現時点では積極的に狙うつもりなど毛頭ないのだが。

総勢七十名に及ぶ参加者の中には、あらゆる願いを叶える力の実在を疑う者もいるかもしれない。
ランサーがそうした発想に至らなかった理由は、聖杯戦争という魔術儀式(ころしあい)に当事者として参加していたからに他ならない。
次元論の頂点にあり時間軸を超越した英霊の座から七体の英霊を招き寄せ、七人の魔術師と共に万能の願望機・聖杯を勝ち取るべく殺し合わせる――
数的な規模こそ違えど少なからぬ点がこの殺し合いに類似している。
繭と名乗る主催者は全くの素性不明だが、ランサーから見れば御三家と呼ばれる魔術師達も得体の知れなさでは同じこと。
"本当に権利を与えてくれるのか"という疑わしさについても同程度で、そもそもシステム構築者が相手である以上、不正を疑い出せばキリがない。
故にランサーは、現状この点に関して疑うことは全くの徒労であると認識していた。
懐疑的に立ちまわるのは疑わしい根拠が見つかってからでも遅くはない。

「(……彼女達の身にもしものことがあれば……例えどのような形であろうと、俺の責任だ)」

もしもこの場に中立の第三者がいたなら、きっと「君が悪いとは言えない」「暴走して窮地に立つのは自業自得ではないか」と評したかもしれない。
だがランサーは――否、ディルムッドはそう考えることができない質だった。
つねに我が身の苦難よりも相手の心の痛みに想いを致す。それがディルムッド・オディナという男の本質。たとえ騎士道を捨てようと消え失せない生まれ持った色である。
彼が"マスターに従うサーヴァント"として戦う心積もりでいたなら、あくまでも忠節を尽くす道を優先し、このような思考は心の奥底に押し込めていたかもしれない。
しかし、サーヴァントとしてではなくディルムッド・オディナとして戦い抜くと決めたのなら話は別だ。

彼は己に背臣の聖誓(ゲッシュ)を課したグラニア姫のことを生涯――死後でさえも恨むことはなかったが、決して苦悩がなかったわけではない。
栄光への未練もあった。主を裏切ることへの葛藤もあった。背徳に苦悩し続けた。
それでもなお、家族との絆も王女としての誇りも約束された未来も捨て去る決意を固めたグラニアとの逃避行を選んだのだ。
裏を返せば、仮に栄えある騎士団も忠を尽くすべき主君も存在しない状況だったとすれば、彼はグラニアの心の痛みに思いを巡らせ、迷わずその手を取っていたに違いない。
たとえ当代最強を謳われるフィオナ騎士団を敵に回すと分かっていようとも。

そして今、ディルムッドには仕えるべき騎士団も主も存在しない。
一切のしがらみを捨て一人の男として戦場に立つと決めた以上、あの少女達から心の痛みを訴える声と共に手を伸ばされたなら、きっとその手を取ることだろう。
たとえ多くを敵に回すことになろうとも――

145Libra(本スレ>>864差し替え) ◆zUZG30lVjY:2015/09/06(日) 21:42:15 ID:g52.veoE0
【B-3/市街地/一日目・早朝】
【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:ダメージ(小)
[装備]:キュプリオトの剣@Fate/zero、村麻紗@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:不明支給品0〜2枚
[思考・行動]
基本方針:『ディルムッド・オディナ』としてこの戦いを戦い抜く。
1:一旦B-2の駅に戻って情報を共有し、セイバー追討ルートを含めた今後の方針を決める。
2:穂乃果達から離れたことに対しての後悔。
3:状況が許す限り、セイバーの追討を優先。場合によっては鉄道も活用する。
4:穂乃果、千夜に「愛の黒子」の呪いがかかったことに罪悪感。
[備考]
※参戦時期はアインツベルン城でセイバーと共にキャスターと戦った後。
※「愛の黒子」は異性を魅了する常時発動型の魔術です。魔術的素養がなければ抵抗できません。
※村麻紗の呪いにかかるかどうかは不明です。
※A-4の橋の消滅を確認しました。
※セイバーの行先に関しては、向こう岸へ渡った場合とこちら側に残った場合の両方を考慮しています。

146 ◆zUZG30lVjY:2015/09/06(日) 21:44:39 ID:g52.veoE0
修正箇所の投下を終了します。
ちなみに「つねに我が身の〜」の一文は原作小説でランサーの性格を描写してた部分からの借用です。

147名無しさん:2015/09/06(日) 22:15:22 ID:osYbTF5k0
修正乙です

本スレで指摘されていた問題点が解消されているので大丈夫だと思います

148 ◆zUZG30lVjY:2015/09/06(日) 22:27:08 ID:g52.veoE0
一箇所、内容には全く関係のないところを訂正

誤:次元論の頂点にあり時間軸を超越した英霊の座から七体の英霊を招き寄せ、七人の魔術師と共に万能の願望機・聖杯を勝ち取るべく殺し合わせる――
正:時間軸を超越した英霊の座から七体の英霊を招き寄せ、七人の魔術師と共に万能の願望機・聖杯を勝ち取るべく殺し合わせる――

根源の説明も軽くしようとした名残りが残ってた

149Stairway to... ◆zUZG30lVjY:2015/09/12(土) 01:37:06 ID:C2/tay0M0
目の前の死体から回収していないのは確かに不自然なので、そのあたりを中心に修正しておきます

・冒頭部分差し替え

本能字学園における死闘からしばらくの時が経過した。
すぐ近くで斃れていた二人のカードは回収され、体質的に多くの食料を必要とする神威が赤と青のカードを独占、代わりに流子が黒のカードを多めに確保する形で分配された。
少し離れたところには園原杏里の死体も転がっているはずだったが、それを知るはずの神威はそちらからの回収を提案しなかった。
カードから呼び出されるのではなく、どこからともなく現れた謎の刀。神威は戦いの中でそれを『絶対に触れてはならぬもの』と理解した。
妖刀の中には持ち主に取り憑き操るものも存在する。不用意に近付いて、流子あたりが魅入られでもしたら大事だ。
故に神威は、その刀を持ち主の亡骸と他の所有物もろとも捨て置いておくことにした。
やがて栄養(エネルギー)の補給と小休止を終えた二人は、神威が要求したとおりC-7エリアの「DIOの館」を目指して南下を始めた。
エリアひとつ分の縦断に相当する移動だが、周囲を警戒して慎重に進みでもしない限り、さほど時間の掛かる距離ではない。
当然のことながら、圧倒的強者たる二人が草食動物のように辺りを気にかけるわけもなく、驚くほどにあっさりと目的地までたどり着くこととなった。


・状態表差し替え

【C-7/DIOの館 門前/1日目・早朝】

【神威@銀魂】
[状態]:疲労(小)、胴体にダメージ(中)、右掌に切り傷(軽度)
[服装]:普段通り
[装備]:日傘(弾倉切れ)@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(8/30)、青カード(8/30)、電子辞書@現実
     黒カード:不明支給品1〜3枚(初期支給)、不明支給品1枚(回収品)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを楽しむ。
   0:俺が全員相手をするから、君は下がってていいよ。
   1:本物の纏流子と戦いたい。それまでは同行し協力する。
   2:勇者の子(結城友奈)は面白い。
   3:纏流子が警戒する少女(鬼龍院皐月)とも戦いたい。
   4:DIOとも次に出会ったら決着を着けたい。
[備考]
※DIOおよび各スタンド使いに関する最低限の情報を入手しました。


【纏流子@キルラキル】
[状態]:疲労(小)、全身にダメージ(中)、顔が若干腫れている
[服装]:神衣純潔@キルラキル、破魔の紅薔薇@Fate/Zero
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(19/20)、青カード(19/20) 、黒カード1枚(武器とは判断できない)
     黒カード:神衣純潔@キルラキル 黒カード:使用済み。  不明支給品2枚(回収品)
[思考・行動]
基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す 。
   0:いいや、あたしが全員殺す。てめぇが下がってな。
   1:次に出会った時、皐月と鮮血は必ず殺す。
   2:神威を一時的な協力者として利用する。
   3:手当たり次第に暴れ回る。
   4:他の島にも足を伸ばしてみる。
[備考]
※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。
※DIOおよび各スタンド使いに関する最低限の情報を入手しました。


【電子辞書@現実】
ジャンヌ・ダルクに支給。電池式で電池寿命120時間。
社会人向けの製品で、ジャンルを問わず膨大なデータが登録されている。
国語辞典や和英辞典だけでなく、他の外国語や大百科事典、果ては防災辞典や家庭医学辞典まで網羅。
暇つぶしに最適なワードパズルのアプリケーションまで用意済みと至れり尽くせり。
市場価格で3万円は軽く超える高級品である。


[備考]
・本能字学園における死者のうち、間桐雁夜とジャンヌ・ダルクの全カードが回収されました。
・園原杏里の所持品は罪歌を含めすべて死体と共に放置されています。
・C-6施設内に存在した英語で書かれた手記は読解に英語能力を必要としましたが、他のケースにおいては不明です。
 他の現地調達文書や参加者が書いた文章、支給された電子機器の画面表示がどのように読解されるかは、後の書き手にお任せします。

150名無しさん:2015/09/12(土) 08:05:57 ID:DHeTfEZ.0
修正乙です

個人的には問題ないと思います

151名無しさん:2015/09/12(土) 10:25:12 ID:FlRHQIDA0
修正乙です
修正されていない箇所が議論スレで出ていますので反応お願いします

152 ◆zUZG30lVjY:2015/09/13(日) 04:14:05 ID:9lKrPfsk0
>「それにしても――"天国"に行きたがる吸血鬼ってのも、妙な話だよね」
ひとまず、この一文を削除して原作の特定要素を想起させる要素を削減しておきます

それと、以下の部分に追記(中央5行分)



まず、DIOは吸血鬼と呼ばれる存在であること。
次に、名簿にある名前のうち、空条承太郎、花京院典明、ポルナレフの三人はDIOを討たんとする者達で、ホル・ホースとヴァニラ・アイスはDIOの配下であること。
そして、DIOを含む彼ら六名はスタンドなる特異な能力を身に付けていること。

書かれていたのはそれだけだ。どうやらこの手記は、徹頭徹尾『事情を把握している者』が読むことを想定しているらしい。
五人については名前と大まかなスタンス以外は分からず、スタンドに関してもそういう名称の特異能力が存在するということだけ。
吸血鬼であるということにも詳しい説明はなく、日光や十字架、大蒜や流水、心臓への杭打ち、家主に招かれなければ建物に入れないといった、一般的に吸血鬼の弱点とされるものがどれだけ当てはまっているのかも定かではない。
つまるところ、DIOの致命的な弱点を割り出すには記述が全く足りていないのだ。
とはいえ、館への破壊工作が外壁周辺を中心に行われているあたり、日光を苦手とする――それが致命的かどうかは一切不明だが――のは間違いないだろう。

「ハンッ! 面白ぇ。スタンドだか何だか知らねぇが、まとめてブチ殺してやるだけだ」
「いい顔してるじゃない。たまには寄り道もいいものだろ?」

153名無しさん:2015/09/13(日) 08:34:35 ID:rnRoJ9.U0
修正乙です
これで問題はないと思います

154 ◆ottfjEMthc:2015/09/17(木) 16:09:48 ID:2oXnuXDI0
本スレでヴァローナの遺品についての記述が必要との指摘を受けましたので

※放送局周辺に、ヴァローナの死体(下顎から上を消し去られた状態)が倒れています。
の一文を

※放送局周辺に、ヴァローナの死体(下顎から上を消し去られた状態、カードデッキを握り締めたまま)が倒れています。
 傍らにはビームサーベルが転がっており、この話の時点では彼女の所持カード、支給品は回収されていません。

のように増文させていただきます

155名無しさん:2015/09/18(金) 06:53:08 ID:vu5SdaTg0
>>154
乙です
問題無いと思います
敵を見下す言動に反し高い観察力を持つのがヴァニラの怖いところ

156 ◆3LWjgcR03U:2015/09/18(金) 09:12:15 ID:uuZQ87FI0
本スレで指摘のあった「越谷小鞠のカード」部分を修正したので投下します

157 ◆3LWjgcR03U:2015/09/18(金) 09:12:39 ID:uuZQ87FI0
まだ確認していなかった3人分、合計6枚の黒のカードの中身を取り出し、テーブルの上に並べる。
とりあえず、武器になりそうもないものから調べていく。

「これ、シャロさんのお店の制服です」

一際目を引いたのは、白黒を基調に、垂れた兎耳をあしらったヘッドドレスが特徴の制服一式。
スカート丈は短く、見ようによっては少々破廉恥にも思えてしまう。

「蛍さんに似合うと思います」
「着ませんよ!? 恥ずかしいですから!」
「……おい香風、そのフルール・ド・ラパンってのはまさか、いかがわしい類の店じゃ……」
「いかがわしい……? なんでしょう?」
「……いや、分からないならいい」

そんな問答もありつつ、結局は一番サイズが合いそうという理由で、制服は蛍が持っていることになった。
そのほか、ライオンの装飾がある大きなベルトは智乃が持つことになる。攻撃を避ける足しくらいにはなるかもしれない。
「勇者部五箇条」と書かれたポスターは、特に使い道もなさそうで、名簿に載っている誰かに関係するものかもしれないということもあり、店の中に貼っておくことにした。
次に武器――カッターナイフ、そして拳銃を承太郎が手に取る。

158 ◆3LWjgcR03U:2015/09/18(金) 09:16:16 ID:uuZQ87FI0
【G-7/ラビットハウス/一日目・早朝】
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康
[服装]:普段通り
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 噛み煙草(現地調達品)
     黒カード:越谷小鞠の白カード
[思考・行動]
基本方針:脱出狙い。DIOも倒す。
   0:切嗣一行を待ちつつ休む。
   1:切嗣と臨也への疑念。
   2:ゲームセンター行き組が戻ってきたらきっちり問い詰める。その後はDIOの館に向かいたいが、状況次第で他の選択肢も視野に入れる。
   3:平和島静雄と会い、直接話をしたい。
   4:静雄が本当に殺し合いに乗っていたなら、その時はきっちりこの手でブチのめす。
   5:「ジル・ド・レェ」について詳しいことを知りたい。
[備考]
※少なくともホル・ホースの名前を知った後から参戦
※折原臨也、一条蛍、香風智乃と情報交換しました(衛宮切嗣、蟇郡苛とはまだ詳しい情報交換をしていません)
※龍(バハムート)を繭のスタンドかもしれないと考えています
※一部の参加者の記憶が操作されている可能性を考慮に入れました

【一条蛍@のんのんびより】
[状態]:健康、睡眠中
[服装]:普段通り
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:フルール・ド・ラパンの制服@ご注文はうさぎですか?、カッターナイフ@グリザイアの果実シリーズ、ジャスタウェイ×2@銀魂
[思考・行動]
基本方針:れんちゃんと合流したいです。
   0:zzz…
   1:ここでみんなを待ちます。
[備考]
※空条承太郎、香風智乃、折原臨也と情報交換しました。

【香風智乃@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:健康、睡眠中
[服装]:私服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:果物ナイフ@現実、救急箱(現地調達)、チャンピオンベルト@グラップラー刃牙、グロック17@Fate/Zero、ジャスタウェイ×2@銀魂
 [思考・行動]
基本方針:皆で帰りたい
   0:zzz…
   1:ラビットハウスの店番として留守を預かる。
   2:蟇郡さんに早く戻ってきてほしい。
   3:ココアさんたちを探して、合流したい。
   4:衛宮さんと折原さんには、一応気をつけておく。
   5:シャロの状態に違和感。記憶が消されているかもしれない?
[備考]
※参戦時期は12話終了後からです
※空条承太郎、一条蛍と情報交換しました

※G-7、ラビットハウスの店内に勇者部五箇条ポスターが貼られました

159 ◆3LWjgcR03U:2015/09/18(金) 09:16:59 ID:uuZQ87FI0
支給品説明

【フルール・ド・ラパンの制服@ご注文はうさぎですか?】
空条承太郎に支給。
ロップイヤーの兎耳が特徴で、少々いかがわしさを感じさせるデザインである。

【ジャスタウェイ×4@銀魂】
空条承太郎に支給。
ジャスタウェイとは、ジャスタウェイである。それ以上でもそれ以下でも、それ以外の何物でもない。
……その実態は高度にユニット化され、組み立てが簡便かつ携行も容易な小型高威力の対人・対物殺傷・破壊用爆薬である。

【カッターナイフ@グリザイアの果実シリーズ】
一条蛍に支給。
榊由美子がいつも振り回しているカッターナイフ。

【チャンピオンベルト@グラップラー刃牙】
一条蛍に支給。
最大トーナメントの覇者に贈られるチャンピオンベルト。時価10億円。

【グロック17@Fate/Zero】
一条蛍に支給。
1980年に登場し、今では世界中で最もポピュラーな拳銃の一つ。
プラスチックが多用されており非力な者でも扱いやすい。
Fate/Zero劇中で久宇舞弥が使用。

【勇者部五箇条ポスター@結城友奈は勇者である】
香風智乃に支給。
勇者部に貼られているポスター。内容は以下の通り。
一 挨拶はきちんと
一 なるべく諦めない
一 よく寝て、よく食べる
一 悩んだら相談!
一 なせば大抵なんとかなる

160 ◆3LWjgcR03U:2015/09/18(金) 09:17:36 ID:uuZQ87FI0
修正投下を終了します

161 ◆ottfjEMthc:2015/09/21(月) 19:51:55 ID:B7NG6eqM0
取り急ぎ修正箇所の修正を行ったのでご確認をお願いします

 そう、彼が考えた矢先の出来事だった。

 まず、花京院が跳ねるようにその場を飛び退いた。
 それから一瞬遅れ、奇妙な音がした。

「あ?」

 最初に、ファバロが怪訝な顔をした。
 眉間に皺を寄せて、つい先程まで自分と戦っていた女の方を見つめている。
 
「どうしたネ、おちゃらけたツラを余計に――」

 いつも通りの辛口で彼の視線を追った神楽も、その表情を凍らせた。
 天真爛漫を絵に描いたような彼女が、持ち前の辛口もそこそこに、ただ茫然と〝それ〟を見つめている。
 花京院は、地に片膝を付いて視線を追った。
 彼もまた、目を見開く。それから、ぎりりと歯を軋ませた。

「え? ……え? 嘘、だろう?」

 彼女の手に握られたままの緑子が、引き攣った笑顔を浮かべ、冗談だろうと問うていた。
 彼女の持ち主であるはずの美女は、今や美女である所以を失っていた。
 下顎より上の頭部が、まるでごっそりと〝削り取られた〟かのように消失して、白い歯がずらりと並んでいる。
 どくどくと溢れだす血が地面を濡らして、生臭い死臭をじわじわと漂わせ始め。
 やがて強い潮風が吹くや否や――その体がぐらりと揺れた。べしゃり。水っぽい音と共に、それはやがて崩れ落ちた。
 生死の確認など、するまでもない。

 ハイエロファントの拘束を解く。ファバロの体が自由になる。
 次の瞬間、花京院典明は大声で叫んだ。

 ――何を隠そう、最初に〝そいつ〟に狙われたのは彼だったのだ。
 彼は『法皇の緑』の結界でそれを感知し、緊急回避したが……しかし、それを伝えるには間が空いた。
 何故かなど、問うまでもない。
 その敵は、自分だけが潜伏できる空間から不意を突いて姿を現し――一切の無駄な動作なく、花京院をまず殺しにかかったのだ。彼はそれを避ける為に半ば反射的に跳躍し……難だけは逃れた。そう、難だけは。
 いかに花京院が優れた知能と判断力の持ち主であろうと、その敵に関してだけは気を抜きかけていた。そこをまんまと突かれたのだから、こうなるのは必然だったといえる。

「下がれッ! 『奴』だッ!! 『姿の見えないスタンド使い』が居るッ!!!」


 ガオンと、音がした。
 放送局の扉が、まるで〝削り取られた〟かのように消失していた。
 それはまさしく、『姿の見えないスタンド使い』がその内部へ踏み入った証だった。


【ヴァローナ@デュラララ!!  死亡】
【残り53人】

162名無しさん:2015/09/21(月) 21:10:37 ID:dtArb5PY0
修正乙です
問題ないかと

163 ◆X8NDX.mgrA:2015/09/23(水) 21:29:20 ID:xctkfBII0
wikiに収録されていた拙作の「寸善尺魔」の誤字等を修正させて頂きました。
展開等に変更はありません。

164 ◆DGGi/wycYo:2015/10/03(土) 15:09:27 ID:W6Ol8.IM0
投下スレの方で指摘があったので、79話の該当部分のココアのセリフを次のように差し替えます

変換前:
「…………それでね、チノちゃんったら私の居ない間にマヤちゃんメグちゃんと内緒でプールに行ってたんだよ〜。あ、リゼちゃんも一緒にね」

変換後:
「…………それでね、私の制服が見当たらなかったから何かあったのかなーってなっちゃったんだけど、マヤちゃんとメグちゃんが遊びに来ててね〜」

165 ◆3LWjgcR03U:2015/10/04(日) 22:14:36 ID:tuGjYCxU0
拙作「変わりゆく平和」の以下3点を修正します

・支給品を既に確認していたことについての描写を追加
・放送の『女の声』→単なる『声』に修正
・禁止エリアに関する記述→他の文章に差し替え

166 ◆3LWjgcR03U:2015/10/04(日) 22:16:11 ID:tuGjYCxU0
修正前:
操作し電話帳の項目を片っ端から調べるが、入っているのはまるで意味不明の見知らぬ番号だらけ。

修正後:
携帯電話が支給されていること自体は最初に確認したものの、中身までは見ていない。
操作し電話帳の項目を片っ端から調べるが、入っているのはまるで意味不明の見知らぬ番号だらけ。

167 ◆3LWjgcR03U:2015/10/04(日) 22:17:04 ID:tuGjYCxU0
修正前:
耳障りな女の声が聞こえてきた。

修正後:
耳障りな声が聞こえてきた。

168 ◆3LWjgcR03U:2015/10/04(日) 22:18:56 ID:tuGjYCxU0
修正前:
爆発が爆発を呼ぶような数刻前の精神状態のままであったら、放送も聞かずに禁止エリアへと突入していき、そのまま魂と胴体が永遠におさらば、という事態もあり得たのだ。

修正後:
爆発が爆発を呼ぶような数刻前の精神状態のままであったら、放送局の場所も分からないまま、再び彷徨う羽目になったかもしれない。

169 ◆3LWjgcR03U:2015/10/04(日) 22:19:20 ID:tuGjYCxU0
修正投下を終了します

170名無しさん:2015/10/23(金) 16:43:17 ID:pADGw2xc0
拙作「誰かの為に生きて」の修正部分を投下します。
本スレで指摘のあった「ワープ直後のランサーの描写」をより詳細なものに改変し、その後の箇所も合わせて都度修正しています。

171 ◆3LWjgcR03U:2015/10/23(金) 16:43:50 ID:pADGw2xc0
旭丘分校。
その教室の一つの中に、絶世の美青年とでもいうべき容貌を持つ男の姿があった。
青年――ランサーは、所持していたIDカードの効果により、意思に反して土方の遺体とともにここまで連れてこられた。

「旭丘分校、ここか……。……くそっ、遠すぎる!!」

本来ならば、残してきた少女――穂乃果たちのもとへ、すでにたどり着いていてもおかしくない頃合い。
地図を確かめてはっきり分かるのは、駅との間に横たわる絶望的なまでの距離。
それでも、槍兵は歩みを止めるわけにはいかない。
無力な少女たちが自分を待っている限り。

「……う……」

しかし、窓を飛び越え走り出そうとするランサーの目に映るのは、横たわる侍の亡骸。
元々ここに来る直前は、彼を弔おうとしていたのである。

「改めてになるが、トウシロウ。君とは話したこともない……だから仇を取るとは言わない」

魔道に堕ちたかつての好敵手に敗れた彼に、何の配慮もなく立ち去るのはどうしてもできない。
体に直接日があたらないようにカーテンを閉める。今はこれだけしかできないのが心苦しかった。

「だが無念は晴らす……行くぞ、穂乃果」







校庭から飛び出した直後。
ランサーの耳に女の声が飛び込んできた。

(放送……もうそんな時間になってしまったか)

たじろぎながらも、その足は止めない。
サーヴァントとしての優れた感覚をもってすれば、走りながら放送を聞き取ることは容易。
しかし、死者の名前が読み上げられていくにつれ、焦りに満ちた顔にさらに汗が伝っていく。

「馬鹿な……!」

死者発表の衝撃は、彼の足を思わず止めさせるに十分すぎるものだった。

172 ◆3LWjgcR03U:2015/10/23(金) 16:44:25 ID:pADGw2xc0
「犠牲者が17人……17人だと……!?」

ここに来る直前までサーヴァントとして参加していた聖杯戦争。
戦闘に長けた者同士が争うあの戦いですら、最初に脱落者が出るまでは相応の時間がかかった。
それがこの島においては、たった6時間のうちに全参加者の2割を超える数の命が刈り取られたのだ。
考えられないような速度でこの殺し合いは進んでいる。
さらに。

(ヴィヴィオ……!)

黒子の呪いをはねつけた魔力的素養。さらにあの訓練された者に特有の体さばき。
それは明らかに無力な少女のものではなかった。
しかも彼女の傍らには、自分を圧倒してみせたあの本部もいる。
にも関わらず彼女は死んだ。

(やはり離れるべきではなかった……っ!)

彼らを上回る力を持つ敵の襲撃を受け、本部をもってしても全員は守り切れなかったのか。
あるいは、懸念していた通り魅了の影響ではぐれてしまった穂乃果をヴィヴィオが追ったところを襲われたか。
どちらにせよ、自分が傍に付いていれば避けられたかもしれない事態だった。

(穂乃果、千夜……)

幸いにも、黒子の呪いにかけてしまった2人の名前は呼ばれなかった。
しかし彼女たちは戦える力を持たない。
襲われ傷付き、今もどこかでただ1人でさまよっているのかもしれないのだ。
何としてもあの場所、駅に戻らなくてはならない。

(ぐずぐずしている場合ではない、今すぐ帰る…… !そうだ、このカードをまた使えば……)

死者の名を聞いて思わず立ち止まったことが、皮肉にも、最初は全く考慮されていなかった選択肢を呼び起こしたのか。
IDカードを取り出し、たった今ひらめいた駅までの最短ルートを反芻する。
分校を飛び出してきてからはまださほどの距離を走っていない。地図にある、やたら長い名前の大砲らしきものの姿も見えていないくらいだ。
先ほどは意図せず使用されて混乱の原因になったが、分校に戻り再びこれを使えば、説明を信じるなら本能字学園にワープする。
そこからは駅が近い。そして穂乃果たちのいる場所に戻るには、電車を待ちはせず、線路の上を走っていく。
その発想は常人ならば狂気の沙汰かもしれないが、ランサーの身体能力をもってすれば十分に可能なことである。

(放送で言っていた禁止エリアを通ることになるが……それまでにはまだ3時間もある。すぐに行くぞ)

最初にワープしてきた教室に急ぎ引き返す。
校舎の姿が再び見えてきた、その時だった。

「だ、誰か! 誰か助けて下さい!」

悲鳴が聞こえ、校庭には少女らしき人影が見えた。

173 ◆3LWjgcR03U:2015/10/23(金) 16:53:27 ID:pADGw2xc0
「ふぅ……」

そして一人残った眼帯の少女、犬吠埼風は汗をぬぐいため息をつく。
樹の遺体を埋葬し、校庭に戻ってきた時に、校舎の中の人影にはすぐ気付いた。
その人物はすぐに校舎から走り去っていったが、校庭でそのまま朝食を取ろうとしていたところ、再び戻ってくる気配を感じた。
この場では隠れてやり過ごすこともできた。
だが、あまりにも早く巡ってきた「魔王」としての初陣の機会。
犬吠埼風は、戦いを仕掛ける道を迷わず選んだ。

(怯える女の子を装って、近付いてきたところを一気に仕留める。――ここまでうまく行くとはなあ)

作戦は極めて単純。しかし結果的には大成功。
あろうことか自分から武器を捨ててくれた時は、あまりに理想通りの展開に内心あぜんとしてしまった。
バーテックスとは何度も戦ってきた風だが、人との本格的な戦いの経験はほとんどないと言っていい。
加えて、ここから走り去った時の男の猛スピード。
あれを見れば、速さのみならず、自分たち勇者と同等以上の力を持っているかもしれないという想像はすぐにできた。
それゆえ、正面から当たるのは避ける。
今後のことを考えると、ここで「満開」を使用するような事態になるのは特に避けねばならないと思っていた。
男が自分と同じような殺し合いに乗っている人物ではなかったことも手伝い、不慣れななりに考えた末の不意打ちの一撃がこの場では功を奏したのだ。

174名無しさん:2015/10/23(金) 16:56:54 ID:ttwq4dG.0
ここから本スレの>>221に繋がるのかな?

だとしたら、風側の描写にも微修正をしておいた方がいいかと思います
一度ランサーが学校の敷地から出て行く形になっていて、後者の姿がサーヴァントの視力でも見えないくらい遠くに行ってから戻ってきているので、
風は学校からすごい速さで立ち去って見えなくなった人が戻ってくるのを校庭で待ち伏せている状況になってしまってるようです

175 ◆3LWjgcR03U:2015/10/23(金) 17:03:42 ID:pADGw2xc0
>>174
ありがとうございます。
ランサーが戻ってくる間の風の描写をもう少し詳細なものに微修正したものをあとで投下します。

176名無しさん:2015/10/23(金) 17:12:11 ID:ttwq4dG.0
っと、書いてる間に続きが来てた

>>175
以前の話の矛盾といえる部分は直されていると思います
ただ「別の誰かがやって来た気配」ではなく「戻ってくる気配」と断じてスタンバイしてるのがちょっと気になりました

177 ◆3LWjgcR03U:2015/10/24(土) 22:45:58 ID:kgunERZY0
ご指摘を考慮し、以下のように修正いたします。



その人物はすぐに校舎から走り去っていったが、校庭でそのまま朝食を取ろうとしていたところ、再び戻ってくる気配を感じた。



その人物はすぐに校舎から走り去っていったが、校庭でそのまま朝食を取ろうとしていたところ、誰かが近付いてくる気配を感じた。
そしてそれはスピードからいって、九分九厘走り去っていった人物のものとわかる。

178名無しさん:2015/10/25(日) 12:55:41 ID:uENuPESo0
修正乙です
もう特に問題はないかと思われます

179まだ見えぬ未来の先にーーInter section ◆KYq8z3jrYA:2015/10/25(日) 16:43:59 ID:1c/GhGtM0
まだ見えぬ未来の先にーーInter section の修正、及び追加の投下します

180まだ見えぬ未来の先にーーInter section ◆KYq8z3jrYA:2015/10/25(日) 17:06:27 ID:1c/GhGtM0

タイトル修正

まだ見えぬ未来(よる)の先にーーInter sectionーー




ドーム地下に光圀水戸黄門が設えたという闘技場の存在があった。
公にはその存在は秘密にされており、観客も特別な方法によって選ばれた絶対に秘密を守る。
そこにあるという噂も本来の用途でやって来た、表の観客の熱によって流されていく。
最強と謳われながらも地上では満足したりないそれぞれの分野で活躍している超一流の格闘家たちと、それらを観戦するために訪れてくる方向は違えど同じように渇望しているファン。
求めるものは最強の称号。男ならば一度は思ったことがあるであろう強くなりたいという意思を最大限に活かせる格闘家の聖地。
ルールは単純。武器以外ならばなにをしても問題はなし。目潰しだろうが金的だろうが頭突きだろうが噛みつきだろうが、強さを縛るものは何もない。
己の体こそが完成されている、己こそが最も力を持つもの。何処までも汚れなき欲望を秘めている者たちは闘技場に集ってくる。
胸に宿る渇きを潤すために。ただ、強者と戦いたいがために。
その闘技場の王者。設立から300年。もっとも若く、もっともエキサイティングな王者。
世界中から集まってきた猛者を蹴散らして頂点に達し、最強の称号を手に入れた人物。





旦那の手前、ああいう荒っぽいことをやるのはヒヤヒヤとしたが、結果として上手くいってよかった。
銃を向けた俺を助けたお人好しの旦那に現状を正しく認識して貰うため、チョイと芝居を打たせて貰ったが、慣れないことはするもんじゃないな。
もちろん、坊主に向けた銃の殺意は本物で、飛び出してこようものなら即座に撃っていた。
撃たなかったのは坊主には危険がないと判断していたからと旦那とのこれからを考えていたからだ。
共に縫い目のバケモンに立ち向かった仮初めの相棒だったとはいえ、俺には前科がある。"こんな危険な男は早いうちに処分したほうがいいだろう" と思わないなんて誰が証明できる。
加えて、仮に旦那を相棒として手を組んだとしよう。縫い目みたいなバケモンとの戦いの中、俺にしたみたいにその甘さが出てきたら、そん時は共にお陀仏になるかもしれねぇ。
相棒にして貰うための"信用" と俺の生存率を上げる"甘さ" を少しでも消す。これぞ正に一石二鳥ってやつじゃねぇかよ。そんなチャンスをみすみす見逃すわけがない。
縫い目から離れるためにバイクを飛ばしての逃走の途中で現れたのは筋骨隆々な坊主。
俺の劇を飾るためのタイミングとしては完璧な登場。脅威としても低く、敵意はないときた。

一に自分の生存優先。そのためにはプライドなんてドブにでも捨てる覚悟よ。

山を見れば斜面に建っている家が割と多くある。ついでに、旦那の首を覆うヘルメットを探すにも丁度いいと判断して、神社に続く山道だろうと思われるに方に向かう。

道中、セルティの旦那が『これを何処かに埋葬したい』と影で作った(どうやってんだ?)籠を掲げた。
そんなもんその辺に捨てておけばいいのによ。誰が感謝するわけでもなく、荷物にしかならねぇもんを持ち歩くなんて意味が分からねぇ。
それに火種の原因にもなり得る。そいつの知り合いなり何なり"首" を持っていることがバレたら、言い訳なんか効かなくなる。
『神社ってここを道なりに沿っていけば着くかな?』 一本道だし着くんじゃねーの。そう、答えたら旦那は『そこにしよう』と歩く速度を上げた。
一刻も早く楽にしてあげたい、ってところが心情か。本当、俺には一ミリも理解が出来ない。死んだ後なんてどうでもいいだろうに、残るもんなんて空っぽの肉だけなのによ。

それにしても神社、ね。ここは一体"どこ" なんだろうな。




ーー土の中は暗くて寂しいだろうが、すまない。

181まだ見えぬ未来の先にーーInter section ◆KYq8z3jrYA:2015/10/25(日) 17:27:15 ID:1c/GhGtM0

「で、何処に向かうよ。俺としちゃあ、終了間際まで何処かに隠れていたいもんなんだが……」
『あなたは何処に行きたい? 私は特には目的とする場所はない』
「え……ないのか、じゃ、どうするよ?」
『どうしよう』
「んー、縫い目は追いかけて来てる気配はないしな。セルティの旦那が何処でもいいってなら、ここは一つ、俺の意見を……」
『その縫い目って言うのは、鋏の女のこと?』
「ん? あぁ、なんか変な眼帯……か? 付けてるからな。ひょっとしたら、直接縫ってるんじゃねーかと思ってよ」
『それで縫い目、か。なるほど、そっちの方が呼びやすいな』
「……確認のために言うけどよ、このホル・ホースと組んでくれるんだよな」
『ああ、しばらくの間はよろしく頼む』
「へっへ、いい返事だぜ、セルティの旦那ぁ! 俺たちが組めば無敵のコンビ! 敵なしよ!!」
『ちょっと待ってくれ』
「お、おい? ま、まさかコンビ結成した瞬間だってのに解散なんて言うんじゃないだろうな!」
『違う、これに見覚えはないか』
「あん? こりゃあ携帯電話か? 随分と古いタイプだな」
『私の支給品の一つなんだが、知らないならいい。それより早く行き先を決めよう』
「もう、放送も間近だから居座るってのも一つの選択肢だが……あ〜、神社にでもするか、近いしよ」
『構わない、それじゃ、出発進行だ』





「ところで気になってたんだが、旦那は鎌だったり色んなもんを作れるんだよな」
『そうだが、何が言いたい?』
「いやな、ヘルメットぐらい作れねぇのかなーと思っただけだ……って、どうしたよ、セルティの旦那、旦那?」



【Fー3/山道/一日目/早朝・放送直前】
【セルティ・ストゥルルソン@デュラララ!!】
[状態]:疲労(中)、胴体にダメージ(小)、背中に切り傷(軽度) のんのんびより@宮内ひかげの携帯電話。
[服装]:普段通り
[装備]: V-MAX@Fate/Zero ヘルメット@現地調達
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、
    黒カード:PDA@デュラララ!!
[思考・行動]
基本方針:殺し合いからの脱出を狙う
0:(……忘れてた)
1:神社に向かう。
2:ホルホースの相棒として行動する。
3:知り合いとの合流。臨也には一応注意しておく。
4:縫い目(針目縫)はいずれどうにかする
5:旦那、か……まあそうだよな……。
[備考]
※制限により、スーツの耐久力が微量ではありますが低下しています。
 少なくとも、弾丸程度では大きなダメージにはなりません。

【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:疲労(小)
[服装]:普段通り
[装備]:デリンジャー(1/2)@現実
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
[思考・行動]
基本方針:生存優先。女は殺さない……つもり。
1:セルティの相棒として行動する。
2:ジョースター一行やDIOには絶対に会いたくない。出来れば会う前に野垂れ死んでいてほしい。
3:刃牙を相棒の候補として引き入れたい……が、無理はしない。
4:何処かに引きこもる、ってのも手だよなぁ〜〜

[備考]
※参戦時期は少なくともDIOの暗殺に失敗した以降です
※犬吠崎樹の首は山の斜面にある民家の庭に埋められました。




【のんのんびより@宮内ひかげの携帯電話】
宮内ひかげの使用していたもの。ペールミント色。
買ったばかりで大事に扱ってきたためピカピカの新品に近い。
「音ノ木坂学園」「公園」「駅」「ガソリンスタンド」「研究所」「病院」「本能時学園」「ホテル」「ショッピングモール」「DIOの館」「放送局」「ラビットハウス」「万屋銀ちゃん」「ゲームセンター」「旭丘分校」の施設の番号が入っている。



【Eー3/道路/一日目・早朝】
【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
[状態]:体に擦り傷・切り傷多数
[服装]:普段着
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)
[思考・行動]
基本方針:勇次郎を倒す
   1:分校に赴きホルホースたちが出会ったとされる少女(針目縫)と戦う。
   2:出会った人が強い奴なら戦う
   3:勇次郎を探す
   4:銀時、神楽、桂、土方、神威に興味
   5:勇次郎より強いやつがいる・・・・・・?

182 ◆KYq8z3jrYA:2015/10/25(日) 17:29:41 ID:1c/GhGtM0
投下終了します

183 ◆KYq8z3jrYA:2015/10/25(日) 17:57:12 ID:1c/GhGtM0
すいません
追記、修正します

『ここで、悲痛な叫びをしている男、ホルホースが何を企んでいたのか解説しよう!』

「万が一、セルティの旦那と決裂しちまった時の保険は必要だよなぁ」

184名無しさん:2015/10/25(日) 18:06:23 ID:JXgvZVYs0
修正乙です

指摘というほどでもないのですが、80年代に生きているホルホースが、ひか姉の携帯を「古いタイプ」扱いしているのが気になりました

185名無しさん:2015/10/25(日) 18:50:41 ID:1c/GhGtM0

指摘の方ありがとうございます。


以下、修正になります。



「で、何処に向かうよ。俺としちゃあ、終了間際まで何処かに隠れていたいもんなんだが……」
『あなたは何処に行きたい? 私は特には目的とする場所はない』
「え……ないのか、じゃ、どうするよ?」
『どうしよう』
「んー、縫い目は追いかけて来てる気配はないしな。セルティの旦那が何処でもいいってなら、ここは一つ、俺の意見を……」
『その縫い目って言うのは、鋏の女のこと?』
「ん? あぁ、なんか変な眼帯……か? 付けてるからな。ひょっとしたら、直接縫ってるんじゃねーかと思ってよ」
『それで縫い目、か。なるほど、そっちの方が呼びやすいな』
「……確認のために言うけどよ、このホル・ホースと組んでくれるんだよな」
『ああ、しばらくの間はよろしく頼む』
「へっへ、いい返事だぜ、セルティの旦那ぁ! 俺たちが組めば無敵のコンビ! 敵なしよ!!」
『ちょっと待ってくれ』
「お、おい? ま、まさかコンビ結成した瞬間だってのに解散なんて言うんじゃないだろうな!」
『違う、これに見覚えはないか』
「あん? こりゃあ、携帯電話……か?」
『私の支給品の一つなんだが、知らないならいい。それより早く行き先を決めよう』
「もう、放送も間近だから居座るってのも一つの選択肢だが……あ〜、神社にでもするか、近いしよ」
『構わない、それじゃ、出発進行だ』


修正終了します。

186 ◆KYq8z3jrYA:2015/10/25(日) 18:53:05 ID:1c/GhGtM0
とり

187 ◆KYq8z3jrYA:2015/10/25(日) 18:59:36 ID:1c/GhGtM0
再度申し訳ありませんが、以下修正します。

【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:疲労(小)
[服装]:普段通り
[装備]:デリンジャー(1/2)@現実
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0〜3
[思考・行動]
基本方針:生存優先。女は殺さない……つもり。
1:セルティの相棒として行動する。
2:ジョースター一行やDIOには絶対に会いたくない。出来れば会う前に野垂れ死んでいてほしい。
3:刃牙を相棒の候補として引き入れたい……が、無理はしない。
4:何処かに引きこもる、ってのも手だよなぁ〜〜

188 ◆zUZG30lVjY:2015/10/27(火) 18:24:34 ID:Ikl5OmUY0
以下の加筆修正をします

>>286
必死に自分に言い聞かせる。
あのときよりも遥かに凄惨で、直視するのも躊躇われる有り様だが、今の自分なら絶対に耐えられる。

>>288
嘔吐感が喉の奥を灼く。朝食をろくに取っていないのは不幸中の幸いだった。
うどんを啜った程度では大した量ではない。

>そこで調子に乗って駅にまで足を伸ばさなければよかったのだ。
そこで調子に乗って、下調べもせず駅にまで足を伸ばさなければよかったのだ、
駅やショッピングモールに行って殺し回るのは予定通りでも、そこにいる相手がどんな奴か見定めもしなかったのは失敗だった。

189 ◆zUZG30lVjY:2015/10/28(水) 04:33:04 ID:gYHjG9Bg0
追加の修正です

>>287
>「オレは別に生き残れなくていいけど、できるだけたくさん殺したい。君は殺して生き残りたい。
> ほら、カッチリ噛み合うだろ? だからさ、オレを殺すのは最後にしてくんないかな。君も楽になると思うしさ」
「オレは別に生き残れなくていいけど、できるだけたくさん殺したい。君は殺して生き残りたい。
 ほら、カッチリ噛み合うだろ? だからさ、オレを殺すのは最後にしてくんないかな。君も楽になると思うしさ。
 さっきの二人だって、もうちょっと来るのが遅かったらオレが殺してたんだぜ?」

>>293
>※村麻紗と罪歌の呪いは、現時点では精霊によって防がれているようです。
※村麻紗の呪いは精霊によって防がれるようです。
※罪歌はただの日本刀だと考え、黒カードにして詳細を確認せずしまい込んでいるようです。

190 ◆DGGi/wycYo:2015/11/04(水) 22:27:32 ID:HHnQtNkE0
該当箇所を修正します

>>330
「それでもモトベ殿は、行くのだろう? 君の言う、“守護るため”、とやらに」

>>333
放送局へ向かうついでに確認しようとして――しかしその足を止めた。

地下通路という空間は少々狭い。その上、防音設備も碌に整っていない。
大きな音を出せば、かなりの距離があっても辛うじて耳に届くことがあるだろう。

僅かに聞こえて来たのは、明らかに誰かが暴れているような音だった。
この地下を訪れた時には気にも留めなかったが、意識すると気のせいではないと判る。
場所は……ラヴァレイが向かわなかった、ホテルへ向かうルートからだ。

理由として考えられるのは、一個人の暴走か、或いは戦闘が起こっているか。
どちらにしても、このまま放っておくとこちらに向かって来る可能性は無いとは言い切れない。
背後からグサリ、なんて展開は真っ平御免だ。

進路を変更しながら、彼は考える。
どんな理由にせよ、話の通じる相手が居るとは考えにくい。
“処理”をしている間にヘタをすれば放送局での事は済んでいるかも知れない。
だが……その時はまた、然るべき対処を取ればいいだけのことだ。


【B-3/地下通路/朝】
【ラヴァレイ@神撃のバハムートGENESIS】
[状態]:健康
[服装]:普段通り
[装備]:軍刀@現実
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:猫車
[思考・行動]
基本方針:世界の滅ぶ瞬間を望む
0:音の正体を探ったのち、放送局へ向かう


また、状態表からDIOを削除します

191 ◆DGGi/wycYo:2015/11/15(日) 16:39:14 ID:P91Vq.VE0
以下の箇所を加筆修正します

>>373

駅に戻って、全てを話さなければ。

首を絞められていた間に聞こえていた叫び声の主を探すかという手もあったが、遠ざかったのか知らない間に聞こえなくなっていた。
なので、素直に駅へと直行する。
クリスも気にはしていたようだが、自分が駅に向かっていると分かると素直に付いて来た。

「あら?」


駅周辺を見張りついでに探索いたら、こちらを少し警戒するように近づいて来る人間が居た。
黒い長髪に、白い花の髪飾り。

>>374

実のところ、心愛のためにラビットハウスに向かう予定だった2人は彼女を喪ったことで方針が定まらなくなっていた。
無論、リタにはカイザルとファバロを探すという方針があるが、手掛かりがない以上ここでは意味を成さない。


ハァ。ここに来て一番大きな溜め息を吐き、一度傍のベンチへと腰掛ける。
このままどこかへカイザルたちを探しに行ってもいいのだが、仕方ない。

大方ろくでもないことを始めるのだろうが、無理に止めなくたっていいだろう


“お茶会”の始まりだ。


……この時雨生龍之介は、致命的なミスを犯した。
殺し合いの中で作るアートという今まで経験したことのないCOOLな状況に初めて直面した結果、いつもの慎重さが少々抜け落ちたのだ。
その影響は、不十分な戸締りなど様々な箇所に示されていた。


*  *  *


>>376
龍之介が心愛の首を持っていたのは想定外だったが、そう考えるとまあ当然の結末だったと言えよう。

やはり彼は想像していた通り、或いはそれ以上に厄介な人間だった。
死体をあんな風に弄んで、何が楽しいのかリタには全く理解出来ない。
自分も死人を扱うことはあるが、あくまでその場を切り抜ける以外の用途には使わないのだ。

そういう意味では、危険人物を消してくれた千夜に感謝しなくてはいけない。
とはいえこのままでは、千夜がこちらに危害も加えてくる可能性がある。

彼女には悪いがひとまず退散し、落ち着いてから死体の埋葬に取り掛かるとしよう。
もしこの近辺にカイザルたちが居たなら、それはそれで儲けものだ。

>>377
元々殺す予定だった少女が、名前を聞いただけでここまで価値が上がるとは。
最早カイザルなんて眼中に無いくらいの素晴らしい逸材。
千夜の逃走間際に急いでガムに付けて投げた盗聴器だったが、無事に成功。

192名無しさん:2015/11/15(日) 20:34:23 ID:BvA5.EEU0
修正乙です
特に問題はないかと

193 ◆3LWjgcR03U:2015/11/17(火) 20:36:22 ID:ShdtZv4c0
ごく些細な箇所ですが、拙作「195×(144+164)」に前話との矛盾がありましたのでWiki上で修正を加えました。

電気を消し、2人は布団に寝転がる。

電気を消し、2人はベッドに寝転がる。

194 ◆KYq8z3jrYA:2015/11/26(木) 01:29:11 ID:8ZxBwAHg0
仮投下した作品に追記します




(刃牙、お前はどんな選択をする)


『怪物』は一歩を踏み出す。





ジャック・ハンマーの願いは『父、範馬勇次郎を生き返す』
そして、死より舞い戻った父を倒す。
そのためにはこの島に集められた競争相手を殺して最後の一人にならなくてはいけない。
この矛盾、彼は気づいているのだろうか。
範馬勇次郎を殺した存在は確実に島の中にいる。
その存在より上に立つという結果が齎すのは、父、範馬勇次郎の強さを超えているということに。

195 ◆3LWjgcR03U:2015/11/29(日) 00:37:24 ID:7K.LntH60
「高坂穂乃果の罪と罰」の、カイザルの台詞を以下2点修正します。


「どこへ行ってしまわれた……」

「どこへ行ってしまったのだ……」

「ホノカ嬢! 私は味方ですぞ! どうか、どうか落ち着いてくだされ!!」

「ホノカ嬢! 私は味方です! どうか、どうか落ち着いてください!!」

196 ◆3LWjgcR03U:2015/11/30(月) 21:33:29 ID:Oj7GaaTM0
議論スレにてご指摘があったので、本部の状態表を以下に修正します

【D-2/墓地付近の道路/午前】
【本部以蔵@グラップラー刃牙】
[状態]:全てを守護る強い決意、背中に刀傷(処置済み)、ダメージ(中)
[服装]:胴着
[装備]:黒カード:王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)@Fate/Zero、紅桜@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(9/10)
    黒カード:こまぐるみ(お正月ver)@のんのんびより、麻雀牌セット@咲-Saki- 全国編、
    カイザル・リドファルドの不明支給品1〜2枚(カイザルが確認済、武器となりそうな物はなし)
[思考・行動]
基本方針:全ての参加者を守護(まも)る。
1:放送局に行き、キャスターを討伐する。
2:放送を行い、高坂穂乃果の説得を試みる。
3:騎士王及び殺戮者達の魔手から参加者を守護(まも)る。
4:騎士王、キャスターを警戒。
[備考]
※参戦時期は最大トーナメント終了後。

197 ◆3LWjgcR03U:2015/11/30(月) 21:53:39 ID:Oj7GaaTM0
以上、Wiki上にて修正しました。

198 ◆zUZG30lVjY:2015/12/12(土) 01:14:55 ID:rGgUVZrc0
説明不足だった点の加筆と、自分で気づいた間違いなどの修正を以下のようにします

>>564
>あの女が承太郎の知る紅林遊月であることは間違いない。
あの女が承太郎の知る紅林遊月でないことは間違いない。
ラビットハウスに引き返しにくくなるのは痛いが、正体不明の女が「一度ラビットハウスに戻ってみる」などと言い出す場合を考え、リスクを承知で二人を車内に拘束することを選んだのだ。

>(前略)分校を目指した一条蛍やラビットハウスに残った面々に牙を剥かれる恐れがある(折原臨也は割とどうでもいい)
>
>それらの要素を考慮した結果、目の届くところに引き留めて正体を見抜くのがベストという考えに至ったのだ。(後略)
(前略)分校を目指した一条蛍やラビットハウスに残った面々に牙を剥かれる恐れがある(折原臨也は割とどうでもいい)

仮に操られているのだとしたら、下手に手を出すべきではない。遊月の肉体を人質に取られているも同然だからだ。
こちらに危害を加えようというならスタープラチナで容易く制圧できるが、砂漠で戦った水のスタンド使いのときのように、自害を試みられたら防ぎ止めるのは難しい。
また支給品か操っている奴の能力によって、緊急時の自害手段を備えさせられている可能性も否定しきれない。
正体がバレたことで開き直られ、「自害されたくなければいうことを聞け」とストレートに人質に取られる展開もありうる。
しかも肉の芽のように物理的手段で解除できる可能性がある洗脳ならまだしも、そうでないなら取り押さえた後が大変だ。
自害を防いだ上で閉じ込められる場所を探すにせよ、拘束したまま連れ歩くにせよ、こちらの行動が大いに阻害されてしまう。

仮に姿を変えた偽物だとしても、やはり安易に手を出すことは躊躇われる。
遊月を手にかけてなり変わったというなら容赦はしない。DIOとその配下と同様に叩きのめすだけだ。
だが、放送で遊月の死がバレて偽装が露見することを恐れ監禁しているだけだとしたら。
叩きのめして監禁場所を吐かせることができれば問題ないが、それに失敗したら遊月の救出は事実上不可能になってしまう。
何の備えもなく「お前は偽物だ」と指摘し、捕縛に失敗して逃走や自害を許すのも、何もせず取り逃がしてしまうのも同じこと。
次から次に襲い掛かってくるDIOの刺客を撃退して、状況次第で尋問を試みるというのとは訳が違う。
奴等のように一度失敗しても次が襲ってくるわけではなく、あの女が唯一無二の手がかりなのだから。

いずれにせよ、紅林遊月の身の安全を気遣えばこそ、あの女への不用意な干渉は避けざるを得ない。
これが紅林遊月ではなく衛宮切嗣や折原臨也に起きた事態だったなら、洗脳だろうと偽物だろうと構わずブチのめして、捕まっていた場合は自力での脱出を期待していたところだ。
しかし、遊月には独りでラビットハウスから送り出した責任と負い目がある。故にここは彼女の安全を第一に考えなければならない。
それらの要素を考慮した結果、目の届くところに引き留めて好機を窺うのがベストという考えに至ったのだ。(後略)

199 ◆zUZG30lVjY:2015/12/12(土) 01:15:56 ID:rGgUVZrc0
>>569
>折原臨也の本性。それが衛宮切嗣の証言通りだというなら看過はできない。
>ただの虚言と見做すこともできなくはないが、それにしては異常性が強すぎる。(後略)
折原臨也の本性。それが衛宮切嗣の証言通りだというなら看過はできない。
確かに承太郎は衛宮切嗣のことを疑っていたが、その発言を頭ごなしに否定するつもりも毛頭なかった。
そうでなければ、わざわざ呼び止めて対話によって話を聞き出そうと考えたりはしない。
説得力次第で切嗣の証言を信じる余地があったからこその行動であり、信じる気がないのなら黒と断定して二人きりの間に強硬策に訴えるべきだ。
犯行を認めたり悪意を白状したりすればそれを信じて対処し、そうでない返答があったなら絶対に信じず対応するというなら、改めて問い質す意味はない。
そして幾つかの理由から、臨也に関する切嗣の証言にそれなりの説得力を感じられた。

まず、少なくとも「DIOが犯人だと推理していた」という話については、検証が極めて容易である点が理由として挙げられる。
臨也のスマートフォンに連絡を入れて問い質せば一発だ。
もちろん臨也も自分の非を軽くするために些細な嘘を交えてくるかもしれないが、それはそれ。
臨也がDIO犯人説を推理し、どちらが言い出したにせよ二人の同意の下で伏せていたということさえ裏付けられればいい。
嘘であれば簡単に見抜くことができるという時点で、ひとまずこの点については信じられる可能性が高い。
悪餓鬼の言い訳ではあるまいに、こんなお粗末な嘘を付くとは思えなかった。

次に、繭に対する臨也の言及についてだが、こちらはただの虚言にしては異常性が強すぎる。(後略)

200名無しさん:2015/12/12(土) 01:38:11 ID:hilnvZF60
>説得力次第で切嗣の証言を信じる余地があったからこその行動であり、信じる気がないのなら黒と断定して二人きりの間に強硬策に訴えるべきだ。

前の話でまさしく強攻策に出ようとしていたんですけどね
そもそも承太郎は切嗣を信じようとしていないのにこの行動自体が不自然

201名無しさん:2015/12/12(土) 01:50:08 ID:BAeE14Xs0
前話で切嗣に問いかけたのも、別に対話を求めたわけじゃなく恫喝とかこれから糾弾を始める等のニュアンスですよね
(既に他の方が指摘されている通り、承太郎は切嗣のことを信用していないので)

急に承太郎が切嗣のことを対話の余地がある人間だと見なしたことになっているような印象を受けました

202 ◆zUZG30lVjY:2015/12/12(土) 02:20:54 ID:rGgUVZrc0
>チノに語った通り、衛宮切嗣と折原臨也が帰ってきたら、即時にでも尋問を始める予定だった。
>集団の話し合いを無視して切嗣たちを問い詰めるというわけにはいかなくなる。
>多人数を前にしながらうまく誘導尋問に持っていくようなこともできるのかもしれないが、あいにくそんなテクニックも持ち合わせていない。
>2人を集団から遠ざけ、危険の及ばない場所で尋問すること。
前話で承太郎がやろうとしていたのは、尋問=口頭で問いただすことや問い詰めで、切嗣がそれに応じたという形ですね

また以前の話でも、
>折原と衛宮は、帰ったら真っ先に問い詰めたい。DIOの館に行くかどうかは、2人を見極めた後に決める。
とあるように、二人を見極めることが承太郎の尋問・問い詰めの目的とされています
この話の後で切嗣(と臨也)と接触したのは前話に入ってからで、前話でもこの方針が覆された描写はないかと思います
(DIOの館に行くか決めるのは見極めた後、というのは状況の問題で覆されましたが)

更に以前の話(こちらも「殺人事件」〜「和をもって尊しとなす」の間の留守番期間)でも、
>無論、折原臨也と衛宮切嗣が『シロ』だという可能性もある。
>もし俺の考えが何もかも杞憂だってんなら、てめーらにいくらでも詫びてやる。
とあり、ここから切嗣への疑いを確定的にする要素が増えているわけではないので、
現時点でも切嗣=シロの可能性もあるという思考を引き継いでいるようです

以上の理由から、
「承太郎は切嗣(と臨也)がシロである可能性も捨てずに引き続き考慮している。
 そして彼(ら)を見極めるために尋問や問い詰めをしたがっている。
 だが人数が増えすぎたので、トラブルを避けるために比較的疑惑の濃い切嗣を連れ出して尋問することにした」
という流れを引き継いで書いています

203 ◆zUZG30lVjY:2015/12/12(土) 02:26:40 ID:rGgUVZrc0
ちなみに>>200で引用されている強攻策とは暴力などを用いた手段という意味合いで書いたものです

204名無しさん:2015/12/12(土) 07:00:03 ID:Dm2b8Iq20
臨也のスマホに連絡出来るのって仮に今後承太郎が電話見つけても午後6時以降になるんだけあつ

205名無しさん:2015/12/12(土) 07:26:56 ID:Dm2b8Iq20
途中送信(´・ω・`)

臨也のスマホに連絡出来るのって承太郎が電話見つけても午後6時以降になるんですけど、それまでは切嗣は放置って形になるんでしょうか?
あと、承太郎の状態表に切嗣に関しての記述がありませんが、結局承太郎は切嗣の対処をどうするのか、切嗣を信用したのかしていないのかは書いておいた方が、次の書き手さんが繋ぎやすいと思いました

206名無しさん:2015/12/12(土) 07:34:00 ID:Qx8qGzFs0
承太郎は現在おいそれと臨也のスマホに連絡できないのですから
「こんなに簡単に確かめられることで嘘はつかないだろう」という部分にも修正が必要かと

207名無しさん:2015/12/12(土) 08:04:39 ID:BAeE14Xs0
>>202
承太郎が切嗣に尋問しようとしていたのは、臨也と切嗣が『シロ(越谷小鞠を殺したかどうか)』かどうかという点です

仮に切嗣の『臨也が怪しい』という発言に信ぴょう性を感じたとしても、『切嗣が小鞠殺しの容疑者筆頭である』という点は変わりません
智乃の持っていた探知機の情報(あのエリアには8人しかいなかった)がある以上、『衛宮切嗣と平和島静雄以外の人物に犯行は限りなく不可能』だと思われます
(また、切嗣はDIOに操られた平和島静雄の犯行説に疑問を呈しています)

にも関わらず、筋の通った証言をしたからというだけで、
既に電車に乗っており早急な対応が不可能となった折原臨也と、目の前にいる切嗣の警戒度を比較して

>過去の出来事に固執してこれから起きる出来事を防げなくなるのでは本末転倒である。

と切嗣の警戒度を引き下げるのは不自然かと思います

208 ◆zUZG30lVjY:2015/12/12(土) 08:36:44 ID:rGgUVZrc0
>>204-206
いずれ確実にバレる嘘をつくなんて、という意味合いでしたが、他の部分と併せて分かりやすくする訂正をしておきます

>>207
>切嗣の警戒度を引き下げるのは不自然かと思います
切嗣の警戒度を下げたのではなく臨也の警戒度を上げた形になりますね
またそう誘導することで、切継への猜疑に思考を割く時間を減らすことが切嗣の目的だというのは、文中に示してあります

それとちなみに、
>智乃の持っていた探知機の情報(あのエリアには8人しかいなかった)がある以上、『衛宮切嗣と平和島静雄以外の人物に犯行は限りなく不可能』だと思われます
>(また、切嗣はDIOに操られた平和島静雄の犯行説に疑問を呈しています)
『衛宮切嗣が目撃したのは平和島静雄ではなく別人で、折原臨也はその誤解に乗じて平和島静雄に罪をなすりつけた』という可能性も文中で提示しています

209名無しさん:2015/12/12(土) 09:17:11 ID:hilnvZF60
今居ない人物の警戒度上げたところで結局承太郎にとっては目先のことを片付けるのが先なんだよなあ
前の話の状態表で「衛宮切嗣への疑念にここで決着を着ける」と言ってたくらいだし

210名無しさん:2015/12/12(土) 10:11:00 ID:BAeE14Xs0
>>208
>『衛宮切嗣が目撃したのは平和島静雄ではなく別人で、折原臨也はその誤解に乗じて平和島静雄に罪をなすりつけた』という可能性

それは『警戒度を下げたわけではない』衛宮切嗣の目撃証言からの可能性ですよね
夏色の風景で『そもそも平和島静雄の人となりだって、よく考えりゃあいつらが勝手に言っているだけだぜ』と言っていた承太郎が、ここでまた切嗣が勝手に言っているだけのことや臨也に気を取られて切嗣を保留するでしょうか

211名無しさん:2015/12/12(土) 10:19:15 ID:Dm2b8Iq20
そもそも針目への対処を先伸ばしにするのもやはりおかしいかと
今後、他の参加者と遭遇したら針目がそいつらを人質に取っちゃう可能性もあるわけじゃないですか
そうなると遊月ちゃんどころか他の参加者までもに危険が及んでしまいますよね?
なのに、電車という密閉された空間で、近くにいるのも別に守る対象でもない切嗣だけという絶好の機会にも関わらず手を出さないのはおかしいでしょう

212名無しさん:2015/12/12(土) 12:27:36 ID:hilnvZF60
メタい話するとマーダー北東に固まりすぎな

213名無しさん:2015/12/13(日) 00:25:56 ID:Chd5vsjI0
そろそろ氏の反応が欲しいところ

214 ◆zUZG30lVjY:2015/12/13(日) 00:58:18 ID:bXWLwseQ0
日中家にいなかったので遅くなってしまいました。以下の加筆修正をします

>>199
>臨也のスマートフォンに連絡を入れて問い質せば一発だ。
合流してから直接確かめたり、機能の解禁後に臨也のスマートフォンに連絡を入れて問い質せば一発だ。
こんな嘘を吐いても、臨也が生きている限りいずれ必ずバレるのは最初から分かりきっている。

投下スレ>>569
>衛宮切嗣への疑念が完全に晴れたわけではない。
>しかし、過去の出来事に固執してこれから起きる出来事を防げなくなるのでは本末転倒である。
そこまで考えたところで、さり気なく例の女を見やる。
この女の出現で計画が狂ってしまった。
残念だが、衛宮切嗣がシロかどうかを断定するのは当分の間先送りだ。
この女は紅林遊月を利用して他集団へ巧みに潜り込もうとした知能犯である。
そんな輩の前で衛宮切嗣との『不和』――即ちこちらの『弱み』を露わにすれば、たちどころに付け込まれてしまうだろう。
改めて衛宮切嗣だけ呼び出して尋問の続きをするというのもナシだ。
奴を独りにした隙に逃げられたり、近くにいた第三者を人質に取られたりしたら目も当てられない。
危険から保護するという名目で、衛宮切嗣共々、常に目の届くところに置いておかなければ。

「(……ったく、骨が折れそうだぜ)」

承太郎は思考の矛先を折原臨也の件に戻す。
衛宮切嗣への疑念が薄らいだわけではなく、平和島静雄を除いて最も怪しい人物であることは依然として変わらない。
しかし、過去の出来事に固執してこれから起きる出来事を防げなくなるのでは本末転倒である。
再び折原臨也と対峙したときのためにも、今のうちに対応策を練っておく必要があるだろう。
最も疑わしいのは衛宮切嗣だが、折原臨也もまたそれに次ぐレベルの相手なのだから。

215 ◆zUZG30lVjY:2015/12/13(日) 01:00:02 ID:bXWLwseQ0
投下スレ>>570 状態表の変更
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康
[服装]:普段通り
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10) 噛み煙草(現地調達品)
[思考・行動]
基本方針:脱出狙い。DIOも倒す。
   1:駅に着き次第、DIOの館に向かう。
   2:自称遊月の正体と目的を探りつつ、間近で監視する。
   3:衛宮切嗣への疑念の決着は遊月の件が片付くまで先送り。こちらも監視する。
   4:折原臨也の行動と人間性に懸念。一緒にいる一条蛍が心配。
   5:平和島静雄と会い、直接話をしたい。
   6:静雄が本当に殺し合いに乗っていたなら、その時はきっちりこの手でブチのめす。
   7:午後6時までにラビットハウスに戻る。
[備考]
※少なくともホル・ホースの名前を知り、ダニエル・J・ダービーと交戦した後から参戦。
※折原臨也、一条蛍、香風智乃、衛宮切嗣、天々座理世、風見雄二と情報交換しました(蟇郡苛とはまだ詳しい情報交換をしていません)
※龍(バハムート)を繭のスタンドかもしれないと考えています。
※風見雄二から、歴史上の「ジル・ド・レェ」についての知識を得ました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞き、意図的な誤情報である可能性を認識しました。

216名無しさん:2015/12/13(日) 01:11:18 ID:lA20wPPE0
修正乙です
しかし、結局『承太郎が針目に対処しないのはおかしい』という疑問は解決されていないのでは…
現段階では偽遊月に手を出すことが危険だというのなら
この3人で他の参加者と接触するなり、DIOの館にDIOがいて交戦することになったりした時に針目が本性をあらわした場合はなお一層危険ですよね

217 ◆zUZG30lVjY:2015/12/13(日) 01:29:44 ID:bXWLwseQ0
>>216
作中での理由付け(>>215で明記した監視も含め)は既にしてありますが、それでもというなら、>>198の最後に以下の文章を挿入します


電車内は逃げ場がないので攻撃を加える絶好の機会だ、という考えはすぐに捨てていた。
もしも奴が自分の能力や支給品で『車内からでも容易く離脱できる手段』を備えていた場合、こちらだけが脱出困難な電車内に取り残され、追跡不可能に陥る危険がある。
また、単純に奴が自分達二人がかりでも勝てないほどの強さや、例えば毒ガスのように対処が困難な切り札を隠し持っていたなら、逃げ場のない車内という環境は一瞬にしてこちらの命を危険に晒す。

それらの要素を考慮した結果、目の届くところに引き留めて正体を見抜くのがベストという考えに至ったのだ。
切嗣にこのことを打ち明けたのも、切嗣の身の安全を考えたからではなく、不用意な言動で台無しにされるのを避けたかったためである。
無論、あえて泳がせて監視し続けることにもリスク――第三者の懐柔や戦闘中の寝返りなど――もあるが、どんな手を打っても何かしらのリスクは絶対に生じてしまう。
今回の選択は、種々の要因を秤にかけて導き出した妥協案のようなものである。

218名無しさん:2015/12/13(日) 01:38:34 ID:CGn2DxXM0
それだと電車内までわざわざ連れ込んだ描写と矛盾してるんですけど
そもそも、自分たち二人で勝てない相手かもしれないから放置するって、一般人が合流したら更にヤバい状況になるんですけど

219 ◆zUZG30lVjY:2015/12/13(日) 02:01:00 ID:bXWLwseQ0
>>218
>それだと電車内までわざわざ連れ込んだ描写と矛盾してるんですけど
>>198に書いたように、ラビットハウスに赴かれる危険を減らすためです

>そもそも、自分たち二人で勝てない相手かもしれないから放置するって、一般人が合流したら更にヤバい状況になるんですけど
このメンバーで行動している状態で、一般人と合流(一時的な接触ではなく、同じ集団として行動を共にする)をしようとするのかな?と思います
縫だけでなく『殺人犯では?』と疑う切嗣を連れているわけですし、合流したらヤバい以前に、そもそも不用意に合流しようと思わないシチュエーションでは
わざわざ明記するまでもないかなと思っていましたが、分かりにくいようなら追記します

それと微修正
>無論、あえて泳がせて監視し続けることにもリスク――第三者の懐柔や戦闘中の寝返りなど――もあるが、どんな手を打っても何かしらのリスクは絶対に生じてしまう。
無論、あえて泳がせて監視し続けることにもリスク――第三者との接触や戦闘中の寝返りなど――もあるが、どんな手を打っても何かしらのリスクは絶対に生じてしまう。

220 ◆zUZG30lVjY:2015/12/13(日) 02:04:55 ID:bXWLwseQ0
というわけで微修正のところに再追記

無論、あえて泳がせて監視し続けることにもリスク――第三者の懐柔や戦闘中の寝返りなど――もあるが、どんな手を打っても何かしらのリスクは絶対に生じてしまう。
もっとも道中で別の集団に出会ったとしても、殺人の疑惑がある男や正体不明目的不明の人物を連れて和気藹々と『合流』するつもりは毛頭ない。
一時的な『接触』――情報交換程度に留めるつもりだし、こちらに遊月のフリをして穏健に接触してきたことを考えれば、この女が短時間の接触で本性を露わにするとは考えにくい。

221 ◆zUZG30lVjY:2015/12/13(日) 02:05:20 ID:bXWLwseQ0
×懐柔 ○接触
コピペする方間違えた……

222名無しさん:2015/12/13(日) 02:07:58 ID:lA20wPPE0
>>219
>(一時的な接触ではなく、同じ集団として行動を共にする)
一時的な接触だったとしても、一般人と同席するだけでも充分にリスクのある行為なのでは

>無論、あえて泳がせて監視し続けることにもリスク――第三者との接触や戦闘中の寝返りなど――もあるが、どんな手を打っても何かしらのリスクは絶対に生じてしまう。
そこまでして針目を泳がせておくメリットがあるのでしょうか
泳がせておけば針目の弱点が露呈したり攻撃する隙が見つかるという保証もないのに、悠長が過ぎるのでは

遊月の命が掛かっているからこそのように描写されていましたが、遊月がどこかに拘束されているのならばそれこそ時間の猶予はないのでは
(メタ的に言えばジャックは回避できましたが、拘束されているところを殺される危険もあるのですから)

223名無しさん:2015/12/13(日) 02:11:11 ID:RWwPzzWA0
承太郎が嫌だといっても針目のほうが一般人と一緒に行動すると言い出したらどうするつもりなんでしょうか
嫌なら承太郎だけ抜ければいいじゃないかと言われてしまって、それから「実は針目は悪いやつで」などと言い出せばそれこそ一般人が危険ですよ
普通に考えて、針目の危険性を知らない人からしたら(偽)遊月をDIOの館という危険な場所に連れて行くよりは他の一般人と一緒に別の場場所に保護するほうが良いという判断になりますよね

それに切嗣と決着つけようとしたのも「ここまでくればラビットハウスに危険は及ばない」と判断したからなのに、いきなり「ここでやりあうとラビットハウスが危険だ」という発想に変わるのもおかしいですよね?
全体的に「針目という危険分子を排除するためには最初の出会い頭に攻撃するのが最適」なはずなのに、承太郎の思考を捻じ曲げてまで無理やりそうならないように行動させようとしているように感じます

224名無しさん:2015/12/13(日) 02:22:37 ID:RWwPzzWA0
不用意に合流しないも何も、もしもほかの参加者とばったり会ったら逃げるってことでしょうか
ですから、そもそも承太郎がこの三人で行動しようとするのがリスクだらけでおかしいんですよ

225 ◆zUZG30lVjY:2015/12/13(日) 03:06:31 ID:bXWLwseQ0
>>222
>一時的な接触だったとしても、一般人と同席するだけでも充分にリスクのある行為なのでは
これについては>>220参照で

>遊月がどこかに拘束されているのならばそれこそ時間の猶予はないのでは
文中にあるとおり、拘束されているというパターンの想定は「放送で遊月の死が告げられて偽物とバレないように」というものです
「既に殺されているか、あるいは放送で名前を呼ばせないために当面は死なないように監禁されているか」という2パターンを考えている場面ですね
わざわざ殺さずに監禁する目的を考えると逆に時間の猶予がある、という感じです

>>223-224
>いきなり「ここでやりあうとラビットハウスが危険だ」という発想に変わるのもおかしいですよね?
どこにもそんな発想は書いていませんけど……?

>「針目という危険分子を排除するためには最初の出会い頭に攻撃するのが最適」なはずなのに
これまでの話では、承太郎は自分の行動がもたらす今後への影響まで熟考して行動しています(切嗣だけを選択的に連れ出したのもその一環)
それを踏まえて続きを書くとなると、四の五の言わずにいきなり戦いを挑んで、まだ生きていて囚われている可能性のある遊月の手がかりを失うリスクを犯すのは不自然と考えました

>承太郎が嫌だといっても針目のほうが一般人と一緒に行動すると言い出したらどうするつもりなんでしょうか
>不用意に合流しないも何も、もしもほかの参加者とばったり会ったら逃げるってことでしょうか
監視しながら移動して尻尾を掴めればベスト、そのような状況になって続けられなるまでがタイムリミット、という想定で書いていました
はっきりと明記した一文が必要そうなので>>220を再度訂正します。ツギハギになって申し訳ない




無論、あえて泳がせて監視し続けることにもリスク――戦闘中の寝返りなど――もあるが、どんな手を打っても何かしらのリスクは絶対に生じてしまう。
もっとも道中で別の集団に出会ったとしても、殺人の疑惑がある男や正体不明目的不明の人物を連れて和気藹々と『合流』するつもりは毛頭ない。
一時的な『接触』――情報交換程度に留めるつもりだし、こちらに遊月のフリをして穏健に接触してきたことを考えれば、この女が短時間の接触で本性を露わにするとは考えにくい。
裏を返せば、無力な一般人を巻き込まないようにするのが難しくなったり、理由をつけて自分達から離れようとされるまでが、隠密に尻尾を掴むタイムリミットということだ。
運悪くそうなってしまったら、多少強引にでもタイマン、あるいは切嗣を交え二体一の状況を作ってケリを付ける。
切嗣には「最初からそうしておけばよかった」と愚痴られるかもしれないが、最初からそうしないのは、諸々の手がかりを掴みやすくしたいがためだ。

226名無しさん:2015/12/13(日) 03:28:05 ID:DZel8JiU0
>どこにもそんな発想は
いや、「ラビットハウスを巻き込まない距離だ」と判断して切嗣と決着をつけようとしたのに
ラビットハウスへの安全を考慮して場所を移すのは明らかに不自然でしょう

227名無しさん:2015/12/13(日) 03:55:25 ID:WQHOf94A0
なんかもう「自分だったらこう書くからこう直せ」ってレベル
思い通りの内容になるまで「違和感がある」の主観一本で押し切るつもりなんだろうか
違和感以外の理由がないならもう通しでいいんじゃね

228名無しさん:2015/12/13(日) 08:56:51 ID:CGn2DxXM0
>そのような状況になって続けられなくなるまでがタイムリミット
そのような状況ってことは針目が一般人と一緒に行動するような状況ですよね
つまり、その時点で一般人と接触してしまっているわけで、それから

229名無しさん:2015/12/13(日) 09:00:17 ID:CGn2DxXM0
途中送信失礼

それから針目に対処しても、一般人を危険に晒すことに変わりはないのでは
つまり、一般人にまだ接触していない最初の段階で事を起こす方がリスクは明らかに少ないはずです

230名無しさん:2015/12/13(日) 10:38:09 ID:Chd5vsjI0
違和感も何もこのままの展開だと承太郎というキャラガン無視だからな
組みなおした方がよっぽどマシなレベル

231名無しさん:2015/12/13(日) 10:58:16 ID:lA20wPPE0
高速かつ超精密なスタープラチナでも、もしかしたら取り逃がしたりうっかり自害させる隙を作ってしまうかもしれないから、
放送で遊月の名前が呼ばれるかどうかの数時間後までは本物遊月はまぁ猶予があるだろうと鷹をくくり、
本物遊月の手がかりを掴むために、本物遊月のいるだろう市街地から電車で遠ざかってDIOの館に向かいつつ、
露見すかどうかも分からない偽遊月の居場所や針目の隙が露見するのを待って泳がせながら危険地帯に向かうというのは

いくらなんでも承太郎が消極的すぎて違和感のレベルではないと思います

232 ◆zUZG30lVjY:2015/12/13(日) 22:16:34 ID:bXWLwseQ0
申し訳ありません、予定していたより土日に時間が取れないまま二日が過ぎてしまいますので、投下した物の扱いは管理人氏等に委任させて下さい
修正要求が成立していて対応不足と見るなら修正未了で破棄、そうでないならこのままという形でお願いします

233 ◆gsq46R5/OE:2015/12/15(火) 22:23:02 ID:k/cB89ZE0
拙作「Spread your wings」の修正稿になります。
本スレ>>618~>>619

  落ち込んだって仕方がない。
  今はいいカードを二枚も引き込めたと喜んでおくことにしよう。
  首なしライダーの背に抱き着くあまり嬉しくない姿勢で、ホル・ホースはやっと一息をついた。
  考えを整理したことで、随分心が落ち着いた実感を得つつ。

 (……? 何だぁ? こいつ、バケモンの癖してやけに柔らけえ体してやがんなあ)

  ふと抱いた疑問を確かめるように、ライダースーツ越しに首なしライダーの体を触診してみた。
  やはり柔らかい。もう少し上へ手をやってみよう。
  柔らかさが増したような気がする。ホル・ホースは首を傾げた。

  ……まるで女みてえな体してんだなあ、こいつ。

  彼は知らない。
  その感想が至極正しく、的を射たものであることを。
  更に言えば、首なしライダー。
  セルティ・ストゥルルソンは運転をしながらずっと拳骨を振り上げたい衝動を堪えるのに必死だったことも。

  V-MAXは高速機だ。あまりの速さに、主催者の手で運転が出来るレベルまでチューンが加えられたほどの。
  バイクに乗り慣れたセルティも、これが愛馬でないこととスペックが高いことが災いし、運転しながら彼へお約束の体罰を加えることが出来なかった。
  本人は知らないことだが、一方的に「いいこと」が出来ていた訳である。

  そのことを未だ知らないことも、ホル・ホースの小さな不運と言えたかもしれない。

  
 「止まれ」


  疾走を制する声をあげたのは、先を進んでいた悪魔アザゼルだった。

の部分を、


  落ち込んだって仕方がない。
  今はいいカードを二枚も引き込めたと喜んでおくことにしよう。
  首なしライダーの背に抱き着くあまり嬉しくない姿勢で、ホル・ホースはやっと一息をついた。
  考えを整理したことで、随分心が落ち着いた実感を得た、その時。

  
 「止まれ」


  疾走を制する声をあげたのは、先を進んでいた悪魔アザゼルだった。

のように修正します。

234拙作「黄金の風」の修正です ◆45MxoM2216:2015/12/19(土) 12:27:12 ID:OMSMsr6k0
本スレ>>648
さらに、チャットにある"M”の文字も、東郷美森(Mimori)を彷彿とさせた。

(夏凜と友奈を混乱させようとしてるのかしら……?それとも、残りの参加者にプレッシャーを与えようと……?)
東郷のような頭脳派なら、自分の思いつかないような策もいくらでも思いつくだろう。

この部分を

さらに、東郷と遭遇した温泉と樹の亡骸があった旭丘分校の近さも、この書き込みの信憑性を上げていた

に修正します
さらに本スレ>>649

まず第一に、位置関係だ。
樹の亡骸があったのはB-6の本能寺学園。
先ほど東郷と遭遇したのはG-3の温泉施設。

いくらなんでも遠すぎる。
自分のようにワープ装置を使えば距離は関係なくなるかもしれないが、今はまだIDカードがないとワープ装置は使えない。

仮に東郷もIDカードを持っていたとしよう。
本能寺学園で樹を殺した後にろくに探索もせず、スマホすら奪わない。
その後旭丘分校にワープ、市街地へ向かう前にひとまず温泉へ向かい、自分と遭遇した後に市街地へ……というのは流石に違和感がある。

の部分を

普通に考えれば東郷が樹を殺害した場面を目撃した第三者が書き込んだことになる。
しかし、東郷の名前と樹の名前の両方が分かるような目撃の仕方をした上で東郷から逃げ切り、さらにはその人物がチャットに書き込める電子機器を持っていなければそれは成り立たない。

そんな出来すぎなことが起こったとは考えにくい。

チャットにある"M”の文字は東郷美森(Mimori)を彷彿とさせるが、では東郷が自分で書き込んだのかと言われると疑問が残る。
自分からゲームに乗っていると流布する必要はないからだ。


(夏凜と友奈を混乱させようとしてるのかしら……?それとも、残りの参加者にプレッシャーを与えようと……?)
東郷のような頭脳派なら、自分の思いつかないような策もいくらでも思いつくだろうが、それでも違和感は拭えない。

のように修正します
大幅な修正になってしまい、申し訳ありません

235名無しさん:2015/12/19(土) 15:15:33 ID:EAMGWeOE0
修正乙でした、全く問題ないと思います

236 ◆gsq46R5/OE:2016/01/03(日) 12:28:30 ID:6l9.RnDE0
拙作において、該当部の修正をします

千夜はココアの死を知っている、という指摘については

  最初の放送では、幸いにも千夜の友人達の名前が読み上げられることはなかった。
  しかし次は同じようはいかないだろうと、そう思う自分が心のどこかに居る。
  ココアか、チノか、リゼか、シャロか。
  誰がそうなるかまでは分からないが、その全員が無事で事が運ぶとは、今の千夜には到底思えない。
  誰も死なずに皆で日常へ帰るという夢を抱くには、宇治松千夜という少女は現実を知りすぎてしまった。



  最初の放送では、幸いにも千夜の友人達の名前が読み上げられることはなかった。
  しかし次は同じようはいかないだろうと、そう思う自分が心のどこかに居る。
  チノか、リゼか、シャロか。
  誰がそうなるかまでは分からないが、その全員が無事で事が運ぶとは、今の千夜には到底思えない。
  ……少なくとも、もう一人は死んでしまったのだから。
  誰も死なずに皆で日常へ帰るという夢を抱くには、宇治松千夜という少女は現実を知りすぎてしまった。

に修正します。
本部のパートの箇所については、「亡き戦友との盟約を後回しとしてまでも、」の箇所を削除して修正とさせていただきます

237 ◆45MxoM2216:2016/01/03(日) 22:37:59 ID:LNkRD4zI0
悪魔と吸血鬼!恐るべき変身!のラヴァレイの状態表を以下のように修正します

【ラヴァレイ@神撃のバハムートGENESIS】
[状態]:健康
[服装]:普段通り
[装備]:軍刀@現実
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:猫車
[思考・行動]
基本方針:世界の滅ぶ瞬間を望む
0:地下闘技場へ戻り、放送局へ向かう
1:本部の末路を見届ける
2:蒼井晶の『折れる』音を聞きたい。
3:カイザルは当分利用。だが執着はない。
4:DIOの知り合いに会ったら上手く利用する。
5:本性は極力隠しつつ立ち回るが、殺すべき対象には適切に対処する
[備考]
※参戦時期は11話よりも前です。
※蒼井晶が何かを強く望んでいることを見抜いています。
※繭に協力者が居るのではと考えました。
※空条承太郎、花京院典明、ジャン=ピエール・ポルナレフ、ホル・ホース、ヴァニラ・アイス、DIOの情報を知りました。
ヴァニラ・アイス以外の全員に変身可能です。

【ラヴァレイ@神撃のバハムートGENESIS】
[状態]:健康
[服装]:普段通り
[装備]:軍刀@現実
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
    黒カード:猫車 拡声器@現実
[思考・行動]
基本方針:世界の滅ぶ瞬間を望む
0:地下闘技場へ戻り、放送局へ向かう
1:本部の末路を見届ける
2:蒼井晶の『折れる』音を聞きたい。
3:カイザルは当分利用。だが執着はない。
4:DIOの知り合いに会ったら上手く利用する。
5:本性は極力隠しつつ立ち回るが、殺すべき対象には適切に対処する
[備考]
※参戦時期は11話よりも前です。
※蒼井晶が何かを強く望んでいることを見抜いています。
※繭に協力者が居るのではと考えました。
※空条承太郎、花京院典明、ジャン=ピエール・ポルナレフ、ホル・ホース、ヴァニラ・アイス、DIOの情報を知りました。
ヴァニラ・アイス以外の全員に変身可能です。

238拙作「心の痛みを判らない人」の修正です ◆45MxoM2216:2016/01/21(木) 19:39:49 ID:/.MonXSY0
「元々は、放送局か研究所に向かう予定だったわ
でも研究所はともかく、放送局に2人だけで向かったとは考えにくいわね」
言葉に詰まったアインハルトに代わり、夏凜が後を継いで喋る。

つまりこういうことだ。
2人はるう子とシャロが近いうちに禁止エリアになるF-3を北に向けて離脱したのは見えた。
しかしその後に東か西か、はたまたどちらにも動かずにじっとしているのか、その後の動向は掴めていないのである。
非力な少女2人が危険人物もそうでない者も多く集まるであろう放送局のある西へ向かった可能性は低いが、それ以外の情報はほぼ全くないと言っていい。

「悪魔の旦那、これで放送局へ行く理由はなくなりやしたね」
(ふぅ〜、これでトップレベルに危険な場所に行かなくてすんだぜ)
ホル・ホースとしては当然トップレベルに危険な放送局へなど行きたくない。
探し人は未だ見つからないが、この状況では戦闘を覚悟して放送局へ進むよりもまだ近くにいるはずの探し人を探す方が賢明なはずだ。

「ふむ、そうとも限らんぞ」
「そうだよな、そうとも限らない…………………………───は?」
呆気に取られるホル・ホース。
なんかまたデジャブを感じる。

(そういやぁ、放送局へ向かうと聞かされた時もこんな感じだったっけか……)

「確かに放送局へ行く可能性は低いが、放送局ならばこちらから呼びかけられるだろう?」

の部分を

「ちょっと待って、チャットに新しい発言があるわ。
……!これは―――」
「夏凜さん?どうしたんですか?」
スマートフォンの場面を凝視する夏凜。
一体どうしたというのか?

「え、ええ!どうやら2人はラビットハウスに向かってるみたいね。
『義輝と覇王へ。フルール・ド・ラパンとタマはティッピーの小屋へ』
分かる人にしか分からない、ちょっとした暗号ね」

つまりこういうことだ。
るう子とシャロは近いうちに禁止エリアになるF-3を北に向けて離脱した。
その後、逸れてしまったアインハルトと夏凜を探し回るよりもシャロの知り合いがいる可能性の高いラビットハウスへ向かったということだ。

「悪魔の旦那、これで放送局へ行く理由はなくなりやしたね」
(ふぅ〜、これでトップレベルに危険な場所に行かなくてすんだぜ)
ホル・ホースとしては当然トップレベルに危険な放送局へなど行きたくない。
探し人は未だ見つからないが、この状況では戦闘を覚悟して放送局へ進むよりも行き先がはっきりしている探し人を探す方が賢明なはずだ。

「ふむ、そうとも限らんぞ」
「そうだよな、そうとも限らない…………………………───は?」
呆気に取られるホル・ホース。
なんかまたデジャブを感じる。

(そういやぁ、放送局へ向かうと聞かされた時もこんな感じだったっけか……)

「確かに小湊は放送局へは向かわんだろうが、放送局ならばこちらから呼びかけられるだろう?」
のように。

さらに
「いや、そうは言っていない。次善の策と言っただろう。
行方は掴めていないが、近くにいることは確実だからな」



「いや、そうは言っていない。次善の策と言っただろう。
行く先が分かっているのだから、追わない理由はあるまい」
のように。

さらに

夏凜の後ろにいつの間にか回り込んでいたアザゼルが、彼女の手元のスマートフォンを覗き込む。
慌ててスマートフォンを隠す夏凜。



夏凜の後ろにいつの間にか回り込んでいたアザゼルが、彼女の手元のスマートフォンを覗き込む。
慌ててスマートフォンを隠す夏凜。
先ほど暗号を発見しただけにしては不可解な反応を見せていたが、そういうことかと得心するアザゼル。

のように。

さらに
「了解だ、悪魔の旦那。
じゃあアインハルトの嬢ちゃん、まずは目的地の一つだったっていう研究所にでも行ってみっか。」



「了解だ、悪魔の旦那。
じゃあアインハルトの嬢ちゃん、早速ラビットハウスとやらに行ってみっか。」

のように。

さらにアインハルトの基本方針を以下のように修正します。

基本方針:殺し合いを止める。
   0:ホル・ホースと共にラビットハウスへ向かう
   1:紗路たちと合流し、謝る。
   2:私が、するべきこと――わかりました。
   3:コロナを探し出す。
   4:余裕があれば池田華菜のカードを回収したい。

さらに、アザゼルの状態表の上に以下の文を追記します。

【F-2/一日目 昼】

239拙作「心の痛みを判らない人」の追記です ◆45MxoM2216:2016/01/21(木) 22:48:50 ID:/.MonXSY0
申し訳ありません、描写不足な点が判明しましたので、追記させていただきます。

「そいつらも小湊程ではないにしろ……いや、浦添に至ってはどちらの場合でも小湊と同程度の実力があるのだろう?
呼びかけておいて損はあるまい」

の一行下に、以下の文章を加えます。


そう、アザゼルは小湊るう子一人に執着するのではなく、他のセレクターも捜索することにしたのだ。
先ほどまでるう子に拘っていた彼がそのような考えに至ったのには理由がある。
それは―――

(曲がりなりにもこの俺に勝利した小娘2人……
そんな小娘と同等の力を持つ者までもこの殺し合いでは塵に等しく死んでいる。
あまり好ましい事態ではないが、既に小湊が野垂れ死んでいる可能性も考えた方がいいな)

年端もいかない少女からの敗北。
それは彼に慎重な思考をさせるのには充分すぎる衝撃であった。
彼は慎重に、最悪のケース―――既に小湊るう子が死んでいる可能性をも考慮する。

つい先ほどまで一緒にいた?
離れた一瞬で死なないと何故言い切れる。

チャットに連絡があった?
その後に死んでいないと何故言い切れる。

(そも、セレクターというのは身体的には非常に脆い―――
流石に全滅はしていないと思うが、あと何人残っているか怪しいものだ)

そして彼はこう考えた―――「質より量」であると。
それは、命を物としか考えていない故の、まさに悪魔的発想。
彼には人の心の痛みなど判らないのだ。
だから小湊るう子を、いざとなれば紅林遊月で、蒼井晶で、浦添伊緒奈で代用できる物としか考えられない。

240拙作「心の痛みを判らない人」の追記です ◆45MxoM2216:2016/01/23(土) 13:27:35 ID:E0j4oPck0
何度もすいません、本スレにて指摘された箇所の追記、修正です


(結城とやらと合流した時に問い質せば、面白いことになりそうだ)
今となってはたった一人の仲間。
夏凜がそこまで言う少女の前で、知己の相手が潰し合っていたという可能性を暴露する。
その時、あの小娘は一体どんな顔をするのだろうか―――



(結城とやらと合流した時に最悪のタイミングで問い質せば、面白いことになりそうだ)
自分たちの仲間が殺し合いに乗り、他の仲間を殺したという可能性。

結城友奈がチャットでの不確定な情報しか持ち合わせていないのか、はたまた事実を知っているのかは不明だが、三好夏凜は東郷美森と犬吠埼風が殺し合いに乗っているのは紛れもない事実である事を知っている。
話題が話題だ、おそらく2人の小娘は互いに最大限気を使いながらその事を確かめようとするだろう。
そこであえて空気を読まずに発言し、小娘共の気遣いを無碍にする。

結城友奈が事実を知っていればただ空気を悪くするだけだろうが、もしもチャットでの妄言としか受け止めていなかった場合は、面白いことになる。

今となってはたった一人の仲間。
夏凜がそこまで言う少女の前で、電子の海の中の妄言などではなく、事実として知己の相手が潰し合っていたという可能性を暴露する。
その時、あの小娘は一体どんな顔をするのだろうか―――

のように修正します。
既にWikiに収録されているにも関わらず、再三に渡る追記修正をしてしまい、申し訳ありません。

241  ◆eNKD8JkIOw:2016/02/12(金) 23:40:59 ID:gxGntrtk0
本スレpart2の>>956より

>坂井雄二は、そもそも一緒にいた時間が短すぎた。

を、

>風見雄二は、そもそも一緒にいた時間が短すぎた。



>>962より

>もしもここにいたのが俺じゃなくて空条君、もしくは坂井君だったとしたら、どうなっていたと思う?



>もしもここにいたのが俺じゃなくて空条君、もしくは風見君だったとしたら、どうなっていたと思う?



また >>948 の

>にいちゃんは、何でも出来るのになぜか今一つ影が薄い。もう少し長男として前に出ても良いのに。



>おにいちゃんは、何でも出来るのになぜか今一つ影が薄い。もう少し長男として前に出ても良いのに。

に修正いたします。
誤字、勘違い、誠に失礼いたしました。

242  ◆eNKD8JkIOw:2016/02/14(日) 01:42:14 ID:DLZt9SEA0
何度もすみません。
数が多すぎるので書き連ねることは出来ませんが
拙作「キルラララ!!」における「蒲郡」を全て「蟇郡」に修正いたします。

243 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/23(火) 15:14:23 ID:WRsEYxOo0
本スレ>>63
>針目が遊月に変身していたということは、針目は遊月と出会い、情報を引き出したということ。

→縫が遊月に変身していたということは、彼女たちは出会い、情報を交換したということ。 に修正

同時に、同じレス内にある地の文の「針目」→「縫」 に修正(他と統一)

>>64
>そして数秒後、縫が力ずくで高速を解くよりも早く、戦車が眼前に迫ったところで、雄二は飛び退いた。
「高速」→「拘束」 に修正

>>84
「ジャン・ピエール=ポルナレフ」→「ジャン=ピエール・ポルナレフ」 に修正

自分で見つけた部分の修正は以上です。
次のレスからは、本スレ>>88以降の差し替え分になります。

244 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/23(火) 15:32:46 ID:WRsEYxOo0




「オラァッ!!」

 承太郎は一つの分身をスタンドで捕らえると、その身体を力任せに引き千切った。
 普通の人間には困難な芸当でも、スタープラチナの桁外れなパワーにかかれば、普通の服を割くのと同じように千切れる。
 ペラペラな身体は、やはり耐久力では本体に劣るらしい。
 本体もこれだけ簡単に引き千切れれば楽なんだが、と承太郎は考えた。

(しかし……何がしたい?)

 はっきりしないのは、縫がこのような行動をする理由だ。
 分身を含めた縫は、承太郎たち三人だけを標的にしている。ラビットハウスの店内にいる、非力な少女たちを狙おうとはしていない。
 存在を知らないはずはない。雄二と戦闘になっていた以上、縫は殺意を抱いてあの店に入ったはずだ。
 それなのに、今この場で遊月たちを狙わないのはなぜか。

(分からねえ……狙われたらそれはそれで困るが、な)

 三人は、ラビットハウスに入られないように戦闘していた。
 扉の前に近づこうとする縫を、優先的に追い払う。数の上で劣勢なのもあり、戦況は非常に危うい状態だった。
 承太郎は、雄二をしようとした縫の一体をむんずと掴んで、自分の元へ引き寄せた。
 殴って吹っ飛ばしてから、鋭い視線を周囲に向ける。しかし、分身が交錯する状態では、本体だけに狙いが付けられない。

「てめえ、何が目的だ!」

 苛立つ承太郎は、再び一体の縫を殴りつけながら問いかけた。
 これで本体だけが反応してくれれば、と期待するが、なんと五つの同じ口が同時に開いた。

「「「「うーん、それを言ったら面白くないでしょ?」」」」

 まともに答えるつもりはないらしい。承太郎は再び周囲を確認した。
 現状、五体の分身のうち、雄二と綺礼が二体ずつ引き付けており、もう一体は少し離れた場所にいた。
 その一体が、勢いをつけて跳躍すると、ラビットハウスの屋根に立った。

「っ……てめえ!」

 やはり遊月たちを狙うつもりはあったようだ。
 帽子の向きを直した承太郎は、屋根の上に向けてスタンドを放った。
 隆々たる筋肉での一撃は、縫にひらりと躱された。しかし承太郎は諦めず、次の一撃を見舞おうと試みた。

「あれれー?いいの、まっすぐ向かってきて?」

 背後から奇襲されることは考えていない。雄二と綺礼が対処してくれると信じているからだ。
 事実、綺礼が分身を拳で吹き飛ばす音は、背後から何度も聞こえてきた。
 雄二による銃声も同様に、長い間を置かずに何度も響いていた。
 二人は必死にラビットハウスを守ろうとしている。ならば承太郎は、頼れる仲間に背中を預ける。
 そんな承太郎の行動に、縫は煽るように問いかける。

「だけど、まっすぐすぎると――」

 明らかに挑発であると理解できた。それでも承太郎は、スタンドの勢いを止めることはしなかった。
 走ることを止めては、絶対に拳は届かないからだ。

「オラアァッッ!!」

 ポルナレフを殺された怒りが、心の力までも強くする。
 ブチのめす。その激情を拳に乗せて、承太郎は化け物の顔面を殴らんとした。

「――罠に嵌まっちゃうぞ☆」

 その瞬間、承太郎の視界から、縫の姿が掻き消えた。
 同時に、攻撃対象を見失ったスタンドも消えた。

「承太郎、後ろだ!」
「オラァッ!!!」

 すぐ背後から聞こえた雄二の声に、承太郎は自分が振り向くより早く、スタープラチナを放った。

245前レスの訂正 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/23(火) 15:37:40 ID:WRsEYxOo0




「オラァッ!!」

 承太郎は一つの分身をスタンドで捕らえると、その身体を力任せに引き千切った。
 普通の人間には困難な芸当でも、スタープラチナの桁外れなパワーにかかれば、普通の服を割くのと同じように千切れる。
 ペラペラな身体は、やはり耐久力では本体に劣るらしい。
 本体もこれだけ簡単に引き千切れれば楽なんだが、と承太郎は考えた。

(しかし……何がしたい?)

 はっきりしないのは、縫がこのような行動をする理由だ。
 分身を含めた縫は、承太郎たち三人だけを標的にしている。ラビットハウスの店内にいる、非力な少女たちを狙おうとはしていない。
 存在を知らないはずはない。雄二と戦闘になっていた以上、縫は殺意を抱いてあの店に入ったはずだ。
 それなのに、今この場で遊月たちを狙わないのはなぜか。

(分からねえ……狙われたらそれはそれで困るが、な)

 三人は、ラビットハウスに入られないように戦闘していた。
 扉の前に近づこうとする縫を、優先的に追い払う。数の上で劣勢なのもあり、戦況は非常に危うい状態だった。
 承太郎は、雄二をしようとした縫の一体をむんずと掴んで、自分の元へ引き寄せた。
 殴って吹っ飛ばしてから、鋭い視線を周囲に向ける。しかし、分身が交錯する状態では、本体だけに狙いが付けられない。

「てめえ、何が目的だ!」

 苛立つ承太郎は、再び一体の縫を殴りつけながら問いかけた。
 これで本体だけが反応してくれれば、と期待するが、なんと五つの口が同時に開いた。

「「「「「うーん、それを言ったら面白くないでしょ?」」」」」

 まともに答えるつもりはないらしい。承太郎は再び周囲を確認した。
 現状、五体の分身のうち、雄二と綺礼が二体ずつ引き付けており、もう一体は少し離れた場所にいた。
 その一体が、勢いをつけて跳躍すると、ラビットハウスの屋根に立った。

「っ……てめえ!」

 やはり遊月たちを狙うつもりはあったようだ。
 帽子の向きを直した承太郎は、屋根の上に向けてスタンドを放った。
 隆々たる筋肉での一撃は、縫にひらりと躱された。しかし承太郎は諦めず、次の一撃を見舞おうと試みた。

「あれれー?いいの、まっすぐ向かってきて?カッコいいー♪」

 背後から奇襲されることは考えていない。雄二と綺礼が対処してくれると信じているからだ。
 事実、綺礼が分身を拳で吹き飛ばす音は、背後から何度も聞こえてきた。
 雄二による銃声も同様に、長い間を置かずに何度も響いていた。
 二人は必死にラビットハウスを守ろうとしている。ならば承太郎は、頼れる仲間に背中を預ける。
 そんな承太郎の行動に、縫は煽るように問いかける。

「だけど、まっすぐすぎると――」

 明らかに挑発であると理解できた。それでも承太郎は、スタンドの勢いを止めることはしなかった。
 走ることを止めては、絶対に拳は届かないからだ。

「オラアァッッ!!」

 ポルナレフを殺された怒りが、心の力までも強くする。
 ブチのめす。その激情を拳に乗せて、承太郎は化け物の顔面を殴らんとした。

「――罠に嵌まっちゃうぞ☆」

 その瞬間、承太郎の視界から、縫の姿が掻き消えた。
 同時に、攻撃対象を見失ったスタンドも消えた。

「承太郎、後ろだ!」
「オラァッ!!!」

 すぐ背後から聞こえた雄二の声に、承太郎は自分が振り向くより早く、スタープラチナを放った。

246 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/23(火) 15:49:34 ID:WRsEYxOo0
「オラオラオラオラ――っ、いない!?」

 幾人ものDIOの刺客を殴り倒してきたラッシュは、しかし、縫を捉えずに空を切った。
 承太郎は振り向いたが、そこに縫はいない。

「ぐああああっ!?」
「どうした、風見!」

 承太郎が視線を横にずらすと、雄二が天を向いて声を上げていた。
 といっても猛々しい鬨の声ではない。むしろ苦しげな声だ。それは次第に、凶暴なものへと変化していく。

「じょう、たろ……おおおおおおおおおっ!!!」
「何っ!?」

 承太郎は白く染まり凶暴化していく、雄二と綺礼の姿を見た。
 二人の背後には、分身が消え去り一人きりとなった縫の笑顔が見えた。
 口に手の平をかざして、アハッと笑っている。

「ゴメンね、この二人、ボクがちょっと洗脳しちゃった☆」
「洗脳だと……!?」

 そんな搦め手まで使えるのかと驚いていると、雄二と綺礼が腕を押さえてきた。
 がっしりした体つきの二人に抑えられ、承太郎もすぐには拘束を解くことができない。
 その間に、縫は悠然と近づいてきて、承太郎の額に手を置いた。
 必死にもがく承太郎は、頭の中に何かが侵入してくる感覚に襲われた。
 脳内に糸が入り込んでいくような、生々しい感覚。

「承太郎くん、君も洗脳させて貰うよ!」

 この言葉が聞こえるか聞こえないか、といったところで、承太郎の意識はいよいよ朦朧としてきた。

 ――壊せ――暴れろ――壊せ――暴れろ――
 ――ラビットハウスを――安住の小屋を――
 ――暴れろ――壊せ――暴れろ――壊せ――

 脳内に響く声。それは破壊を強制してくるものだった。
 承太郎はその声を、自然と受け入れていた。とてつもない衝動に襲われていた。
 破壊する。壊滅させる。ラビットハウスの全てを壊す。

「オラァ!」

 手始めにドアを蹴破った。承太郎に次いで、雄二と綺礼も店内に入る。
 店内を滅茶苦茶にしろ、そう響く脳内の声を、承太郎は自然に受け入れていた。
 雄二が椅子を投げて、綺礼がテーブルを叩き割り、承太郎が食器の入った棚を倒す。
 破壊の限りを尽くせという言葉通りに、三人は抗うことなく従った。
 しかし、次の命令に、承太郎の動きが止まった。

 ――殺せ――殺せ――遊月を殺せ――
 ――刺し殺せ――殴り殺せ――撃ち殺せ――
 ――惨たらしく殺せ――痛めつけて殺せ――

 それを聞いた承太郎は動けない。否、動かない。
 雄二と綺礼は辺りを見回してから、二階へ向かおうと歩き出した。
 それでも承太郎は動かない。ポケットに手を突っ込み、淡々と語り始めた。

「俺は――この空条承太郎は、いわゆる不良のレッテルを貼られている」





247 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/23(火) 16:06:18 ID:WRsEYxOo0



 破壊活動を店の外で見ていた縫は、動かない承太郎に不審を抱いた。
 店内に入ると、何やらブツブツと呟いていた。

「ケンカの相手は必要以上にブチのめすし、能無しの教師には気合を入れてやる」

 近付くと、そんな言葉が聞こえてくる。縫は嫌な予感に襲われた。

「だが……仲間を傷つけること……まして殺すことは絶対にしない……それは『悪』だからだ」

 まさか、洗脳が解けている?ここまで短時間で解けるはずはない。

「そんなことをしたら、俺は自分自身を許せねぇ」

 現に雄二と綺礼の洗脳は解けておらず、二階に向かおうとしている。
 しかし、承太郎からは反抗する意思が感じ取れた。

「たとえ洗脳されていたとしてもな!!!」

 承太郎はスタープラチナを発動させ、自らの脳から僅かに出た糸を、一瞬で抜いた。
 縫は驚きで目を真ん丸にした。承太郎が振り向いて、縫を指さした。

「改めて理解したぜ……てめーは正真正銘、吐き気のする邪悪だ!」

 縫は驚愕と屈辱に顔を歪めた。
 鬼龍院羅暁が纏流子を洗脳した際、流子は己の意思で洗脳に抗い、断ち切ることに成功した。
 承太郎もまた、仲間を殺さないという強い心が、洗脳に抗ったのだ。
 ほつれた糸を抜き取るくらい、精密動作性の高いスタープラチナには雑作もない。
 針目縫の『精神仮縫い』は、ここに敗れた。

(これは予想外だなぁ……)

 承太郎は洗脳された二人のことも抜糸した。二人は頭を押さえて呻いているが、洗脳は完全に解けていた。
 こうして、数十秒も経たない間に、縫は圧倒的優位な状況を失っていた。
 洗脳が失敗した以上、三人は同じ轍は踏まないように行動するはずだ。となれば、戦闘は今まで以上に面倒になり、長引いていく。

「俺がてめーという邪悪を裁くぜ」
「ゴメンだね!」

 縫は後ろ向きに跳び、店内から勢いよく出た。
 承太郎は眼光鋭く、超然と歩いて出てくる。縫はじっと承太郎の動作を注視しながら、次の策を考えた。

(とりあえずもう一回、数の差を作ろっかな!)
「それじゃ、モンミニヨ……なあぁっ!?」

 分身を作ろうとした直後、縫の身体を衝撃が襲った。
 その衝撃は、疲労した身体にはあまりに強烈で、縫はぶっ飛んで行った。
 縫に体当たりを食らわせたのは、誰あろう『飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)』――神威の車輪を担う、一頭の神牛である。

「……お前、どうして」
「Mooooooooooo!!!」

 もはや二頭で大地や空を駆け回ることはできないと悟り、神牛は悲しみに暮れた。
 征服王イスカンダルの戦車(チャリオット)として、二匹揃って駆けた過去に思いを馳せた。
 そうして数分後に立ち直り、憎むべき敵が棒立ちになっているのを見たとき、怒りのあまり突進することを抑えられなかったのだ。

「……そうか、相棒をやられたお返しってことか」

 承太郎の言葉に、神牛は短く啼いた。





248 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/23(火) 16:09:18 ID:WRsEYxOo0



 ラビットハウス前での戦闘から離脱した縫は、再び市街地を歩いていた。
 肩を落としながら、よろよろと力なく。それでも口もとには笑顔を忘れずに。

「あぁ〜疲れた〜」

 いかに生命戦維といえども、長時間の戦闘を繰り広げたために、疲労は蓄積されていた。
 特に、牛の強烈な突進を二度も食らったのが、相当なダメージになっていた。
 支給品を確認すると、食料カードは殴られて吹っ飛ばされたときの衝撃で落としてしまったようだと分かった。
 食事は絶対必要なものでもないが、あるに越したことはない。

「まっ、誰かから奪えばいっか☆」

 食事については思考を打ち切り、自らに課せられた制限について考えた。
 元々の身体能力に課せられた制限に加えて、『モンミニヨン・プレタポルテ』と『精神仮縫い』にも制限が課されていると判明した。
 前者は作れる分身の数。その気になれば十体も二十体も作れるが、それではかかる疲労が乗算的に増していく。
 無理せずに作れる数は五体が限度だと分かった。

「もー、制限かけすぎだよ。男三人を操ろうと思ったら、その技も制限されてるなんて!」

 それは、鬼龍院羅暁が本能寺学園の生徒たちを洗脳した際に使った技だった。
 『精神仮縫い』――人間の脳を生命戦維で縛りつけて、強制的に支配する技術。
 縫のスタンスを考えると厄介極まりない技だが、実はこの殺し合いの主催者である繭により、ある制限が課されていた。
 その制限とは、生命戦維を脳に侵入させるには、侵入させたい相手の頭に、直接触れていなければならない、というもの。
 更には時間制限もある。十分もすれば洗脳は解け、元の精神に戻ってしまう。

「ほんっとうにムカつく!!」

 繭による制限は、縫のポテンシャルを封じているも同然だ。
 勝手に呼び出して勝手に制限をかけて殺し合わせて。縫の怒りは更に増したといってよい。

「……でも、洗脳を自力で解かれたのは、予想外だったなぁ」

 『精神仮縫い』で洗脳して、ラビットハウスを破壊させたのは気まぐれだった。
 ウサギがのうのうと暮らしていた場所が破壊されていく経過を見るのは、なかなかに愉快なものではあった。
 しかし、縫は悠長にやりすぎた。
 遊月を殺す機会はあったのに、承太郎たちを上手く洗脳できたことで欲が出てしまった。
 より遊月が苦しみ、絶望しながら死んでいくように、承太郎たちに遊月を嬲り殺させようとしたのが、全ての失敗だった。

「失敗失敗☆」

 しかし、悩んでも仕方ない。
 この先も固執しすぎない程度に、遊月の殺害は視野に入れておくことにした。
 承太郎に成りすまして悪事を働くことも忘れていない。
 ただし、成りすますのは綺礼や雄二、あるいは女子たちでも構わないとも思い始めていた。

「これからどうしよっかな〜」

 ラビットハウスから離れたことによって、行動の方針を一旦失った縫。
 当てもなく歩き続ける化け物は、その果てに、何を見るのか。

249 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/23(火) 16:10:05 ID:WRsEYxOo0


【G-6/市街地/一日目・昼】
【針目縫@キルラキル】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、繭とラビットハウス組への苛立ち
[服装]:普段通り
[装備]:片太刀バサミ@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、黒カード:不明支給品0〜1(紅林遊月が確認済み)
[思考・行動]
基本方針:神羅纐纈を完成させるため、元の世界へ何としても帰還する。その過程(戦闘、殺人など)を楽しむ。
   0:どこへ向かうか考える。
   1:紅林遊月を踏み躙った上で殺害する。 ただ、拘りすぎるつもりはない。
   2:空条承太郎は絶対に許さない。悪行を働く際に姿を借り、徹底的に追い詰めた上で殺す。 ラビットハウス組も同様。
   3:腕輪を外して、制限を解きたい。その為に利用できる参加者を探す。
   4:何勝手な真似してくれてるのかなあ、あの女の子(繭)。
   5:流子ちゃんのことは残念だけど、神羅纐纈を完成させられるのはボクだけだもん。仕方ないよね♪
[備考]
※流子が純潔を着用してから、腕を切り落とされるまでの間からの参戦です。
※流子は鮮血ではなく純潔を着用していると思っています。
※再生能力に制限が加えられています。
傷の治りが全体的に遅くなっており、また、即死するような攻撃を加えられた場合は治癒が追いつかずに死亡します。
※変身能力の使用中は身体能力が低下します。少なくとも、承太郎に不覚を取るほどには弱くなります。
※疲労せずに作れる分身は五体までです。強さは本体より少し弱くなっています。
※『精神仮縫い』は十分程で効果が切れます。本人が抵抗する意思が強い場合、効果時間は更に短くなるかもしれません。
※ピルルクからセレクターバトルに関する最低限の知識を得ました。





250 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/23(火) 16:16:15 ID:WRsEYxOo0
以上が本スレ >>88 から >>90 までの差し替え分です。

また、>>91

 深々と頭を下げる雄二。帽子で目元を隠す承太郎。じっと目を閉じる綺礼。
 縫による『精神仮縫い』が解けるまでの、およそ十分間。
 洗脳された三人の男たちは、ラビットハウスの店内を荒らしまわったのだ。
 ちなみに、荒らされたのは店舗部分だけであり、二階のチノやココアの部屋などには被害は及ばなかった。
 当然、二階にいた遊月たちも怪我などしていない。



 深々と頭を下げる雄二。帽子で目元を隠す承太郎。じっと目を閉じる綺礼。
 縫の『精神仮縫い』で洗脳された三人の男たちは、ラビットハウスの店内を荒らしまわったのだ。
 荒らされたのは店舗部分だけであり、二階のチノやココアの部屋などには被害は及ばなかったので、遊月たちは怪我していない。
 しかし、その代わり店の部分は壊滅的な状態だった。

のように修正します。
以上で一通り修正し終えましたが、今後も誤字脱字や指摘があればお願いします。

251名無しさん:2016/02/23(火) 19:56:35 ID:h11qmds2O
修正乙です
問題ないかと思います
牛さんの奮闘に敬礼

252名無しさん:2016/02/24(水) 00:13:17 ID:qJMG1UjI0
(ものすごく細かいけど)ココアの部屋は3階です。

253名無しさん:2016/02/24(水) 01:39:13 ID:sHZxj1B60
本当に細かいですね

254 ◆X8NDX.mgrA:2016/02/24(水) 02:14:09 ID:uQ44q2t.0
>>252
ご指摘ありがとうございます。
拙作の該当する箇所は「上階」に修正します。

自分も細かいところにこだわる人種なので、ミスを指摘したくなる気持ちはわかります。作品で何か矛盾していること等あれば、些細なことでも指摘して頂いて結構です。

255 ◆NiwQmtZOLQ:2016/03/28(月) 21:51:26 ID:8IZ.m1Yc0
事後報告になりますが、wikiの拙策「■■■■ your enemies」のウリスの状態表に消し忘れがあったので、少しばかり修正させていただきました。

256名無しさん:2016/03/28(月) 21:53:53 ID:leaUDov20
乙です。

257 ◆Oe2sr89X.U:2016/04/15(金) 14:52:40 ID:5/XeB0Ak0
修正稿投下します

1:本スレ>>345 の冒頭に以下の文を追加します


  
 午後のラビットハウスに、ある放送が響いた。
 今度は危険人物ではなく、三好夏凛という"乗っていない"参加者によるものだった。
 目的は人探しと、特定人物への警告。
 特に前者は、紅林遊月の名も挙げられており、一行にとって無関係とはとても言いがたい内容であった。
 時が止まったように安穏とした時間が流れるこの場所を置いて、殺し合いは徐々に加速しつつあると、そう感じずにはいられない――そのことに歯噛みしたのは、一人や二人ではなかった。



    ◆    ◆    ◇    ◇    ◇    ◇

258 ◆Oe2sr89X.U:2016/04/15(金) 14:54:43 ID:5/XeB0Ak0
2:本スレ >>346 を、以下のように改稿します



「……だったらてめーが面倒を見ておくんだな。俺がうっかり怒鳴り付けたりしないようによ」
「分かっている。お前の療治が荒いのは、此処まで過ごしてよく理解しているからな」

 承太郎は何も、傷付いた少女に八つ当たりのような形で鞭を打ちたい訳ではない。
 訳ではないが、現状を憂えばこそ、激情を露わにして智乃と遊月に接してしまう懸念があった。
 彼がもう十年も人生経験を重ねていたならば、思うところはあれども合わせられたろう。しかし空条承太郎は、こんな成りをしていても高校生だ。まだ子供と呼んで差し支えのない年齢なのだ。
 要は承太郎は、この手のことに関しては不器用な男なのである。
 神父である言峰があの様子なのだし、尚更自分がこの五人を纏め上げねばならないな――そんな風に風見は強く思った。彼ら、彼女らの命運を握っているのは自分だと言っても、全くの誤りではないだろう。

「話を戻す。此処は確かに快適な場所だが、俺達にはやらねばならないことがまだ山積みだ。探さねばならない人間も居る。承太郎と言峰の体力も、もう大分充足しているだろう。
 ……それに何より、先の放送が気になる。
 ――言峰、チノ、遊月、リゼもだ。全員聞いてくれ。そろそろ、此処を出ようと思う」

 ラビットハウスに辿り着くまでの間に起こった戦いで、雄二以上の戦闘要員である二人は少なくない疲弊を負った。
 こうして長い休憩を取っていたのは、元々彼らの体力を回復させるためだったのだ。
 そしてその目的は既に果たされた。軽微な疲労は残っているかもしれないが、後は歩いているだけでも十分クールダウンできる程度のものだろう。
 そう来ればいよいよ、動かねばならない時が来たと言わざるを得ない。ラビットハウスという安全地帯を捨て、再び心休まることのない殺し合いの舞台へと上らねばならない。
 暖かくて落ち着く兎の巣から巣立たなければならない。

「それは……全員で、ってことでいいんだよな?」

 理世がそう問いかけてから、一瞬だけ智乃達の方へとその視線を向けたのを、雄二は見逃さなかった。
 
「そうなる。戦力を分散して何人かは残り、何人かを外に出すことも考えたが、少なくとも針目縫という危険人物にはこの場所は割れているんだ。奴が戻ってこないとも限らないからな」
「……なるほどな」

 ラビットハウスに色濃く残された破壊の跡を見て、その方針に異を唱えられる人間はいなかった。
 承太郎、言峰、雄二の三人がかりでさえしてやられた針目縫。彼女や、そうでなくとも殺し合いに乗った人間が一人やって来るだけでも、非戦闘員だけ残したのでは十分全滅に繋がる。
 犠牲など、一人も出さないに越したことはないのだ。その点で一番理に適っているのは、やはり全員で行動することだと雄二は考える。
 
「目下の目標はリゼとチノの友人、宇治松千夜の保護。
 それと並行して、対主催派だと分かっている参加者にも積極的に接触、あるいは再会していきたいところだな――チノ、リゼ。一応聞いておくが、此処に端末やパソコンといった道具は?」

 千夜、という名前が出た時に理世と智乃はやはり反応した。

「ん……多分、無いと思う。少なくとも私は見たことがないな」
「となると、まずは手近なゲームセンター辺りにその手の物がないかを調べてみるべきだな。それで駄目なようなら、こちらも放送局へと向かってみよう。
 もしタイミング悪く三好夏凛に会えなくても、その時は放送で連絡する手がある」

 智乃は心配そうにしていたが、理世の顔には安堵の色が浮いている。彼女がずっと、今となっては唯一安否の知れない友人である千夜に会いたいと望んでいたのは伝わっていた。
 いつ一人でもいいから探しに行くなどと言い出さないか、内心冷や冷やしていたほどだ。

「言峰も、それでいいか」
「ああ。私は構わない」

 そう言って、歪みを抱えた神父は頷く。
 彼の内心が複雑に怪奇しているだろうことは察せられたが、それでも種子が芽吹くより先に手を打てたのは不幸中の幸いだったと、そう言う他ない。
 言峰ほどの実力者がその願望を実現させるべく蛮行に出たならと考えると、流石に背筋の冷えるものがある。
 彼はこのメンバーの中では、承太郎と並ぶかその上を行く程の重要な戦力なのだ。闇の誘惑を跳ね除け、迷いを晴らし、敬虔な聖職者として力を貸してくれたならこれ以上心強いものもない。
 承太郎は何も口にしていないが、異論を今まで口にしていないということは、賛成と言うことで間違いあるまい。
 第一彼は、此処で分散をしたいなどと言い出す人物ではないとも思えた。だから後は、二人だ。

259 ◆Oe2sr89X.U:2016/04/15(金) 14:55:51 ID:5/XeB0Ak0
3:状態表にいくつか修正忘れを確認したので、状態表を以下のように変更します



【G-7/ラビットハウス/一日目・午後】
【香風智乃@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:健康、現実逃避、遊月への依存
[服装]:私服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(8/10)、青カード(9/10)
   黒カード:果物ナイフ@現実、救急箱(現地調達)、チャンピオンベルト@グラップラー刃牙、グロック17@Fate/Zero
[思考・行動]
基本方針:皆で帰りたい……けど。
   0:千夜さんに会いたい
   1:"ココアさん"と……
[備考]
※参戦時期は12羽終了後からです。
※空条承太郎、一条蛍、衛宮切嗣、折原臨也、風見雄二、紅林遊月、言峰綺礼と情報交換しました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。

※紅林遊月の声が保登心愛に少し似ていると感じました。
※紅林遊月を保登心愛として接しています。



【天々座理世@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:健康、精神的疲労(中)
[服装]:メイド服・暴徒鎮圧用「アサルト」@グリザイアの果実シリーズ
[装備]:ベレッタM92@現実
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(10/10)
    黒カード:不明支給品0枚
[思考・行動]
基本方針:ゲームからの脱出
     0:……しっかりしないと。
     1:外部との連絡手段と腕輪を外す方法も見つけたい
     2:平和島静雄、DIO、針目縫を警戒
     3:チノと遊月が心配
[備考]
※参戦時期は10羽以前。
※折原臨也、衛宮切嗣、蟇郡苛、空条承太郎、一条蛍、香風智乃、紅林遊月、言峰綺礼と情報交換しました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。


【紅林遊月@selector infected WIXOSS】
[状態]:口元に縫い合わされた跡、決意、強い不安、チノへのシンパシーと軽度の依存心
[服装]:天々座理世の喫茶店の制服(現地調達)
[装備]:令呪(残り3画)@Fate/Zero、超硬化生命繊維の付け爪@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(18/20)、青カード(19/20)
黒カード:ブルーアプリ(ピルルクのカードデッキ)@selector infected WIXOSS
[思考・行動]
基本方針:叶えたい願いはあるけれど、殺し合いはしたくない
   0:ラビットハウスを出、まずはゲームセンターへ向かう
   1:シャロ……。
   2:るう子には会いたいけど、友達をやめたこともあるので分からない……。
   3:衛宮切嗣、針目縫を警戒。
   4:“保登心愛”としてチノと接する。今は、まだ。
[備考]
※参戦時期は「selector infected WIXOSS」の8話、夢幻少女になる以前です
※香風智乃、風見雄二、言峰綺礼と情報交換をしました。
※ピルルクの「ピーピング・アナライズ」は(何らかの魔力供給を受けない限り)チャージするのに3時間かかります。

※チノの『演技』に気付きましたが、誰にも話すつもりはありません。
※チノへの好感情、依存心は徐々に強まりつつあります

260 ◆Oe2sr89X.U:2016/04/15(金) 14:56:27 ID:5/XeB0Ak0
【風見雄二@グリザイアの果実シリーズ】
[状態]:右肩に切り傷、全身に小さな切り傷(処置済)
[服装]:美浜学園の制服
[装備]:キャリコM950(残弾半分以下)@Fate/Zero、アゾット剣@Fate/Zero
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)
   黒カード:マグロマンのぬいぐるみ@グリザイアの果実シリーズ、腕輪発見機@現実、歩狩汗@銀魂×2
[思考・行動]
基本方針:ゲームからの脱出
     0:ゲームセンターへ向かう
     1:天々座理世、香風智乃、紅林遊月を護衛。3人の意思に従う。
     2:宇治松千夜の保護。
     3:外部と連絡をとるための通信機器と白のカードの封印効果を無効化した上で腕輪を外す方法を探す
     4:非科学能力(魔術など)保有者が腕輪解除の鍵になる可能性があると判断、同時に警戒
     5:ステルスマーダーを警戒
     6:平和島静雄、衛宮切嗣、DIO、針目縫を警戒
     7:香風と遊月は――
     8:言峰には注意をする
[備考]
※アニメ版グリザイアの果実終了後からの参戦。
※折原臨也、衛宮切嗣、蟇郡苛、空条承太郎、紅林遊月、言峰綺礼と情報交換しました。
※キャスターの声がヒース・オスロに、繭の声が天々座理世に似ていると感じました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。
※言峰から魔術についてのおおまかな概要を聞きました
[雄二の考察まとめ]
※繭には、殺し合いを隠蔽する技術を提供した、協力者がいる。
※殺し合いを隠蔽する装置が、この島のどこかにある。それを破壊すれば外部と連絡が取れる。


【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康、胸に刀傷(中、処置済)、全身に小さな切り傷
[服装]:普段通り
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)、噛み煙草(現地調達品)
[思考・行動]
基本方針:脱出狙い。DIOも倒す。
   1:動く。
   2:平和島静雄と会い、直接話をしたい。
   3:静雄が本当に殺し合いに乗っていたなら、その時はきっちりこの手でブチのめす。
   4:言峰には注意をする。だが、追い出したりするつもりはない
[備考]
※少なくともホル・ホースの名前を知った後から参戦。
※折原臨也、一条蛍、香風智乃、衛宮切嗣、天々座理世、風見雄二、言峰綺礼と情報交換しました(蟇郡苛とはまだ詳しい情報交換をしていません)
※龍(バハムート)を繭のスタンドかもしれないと考えています。
※風見雄二から、歴史上の「ジル・ド・レェ」についての知識を得ました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。



【言峰綺礼@Fate/Zero】
[状態]:健康、全身に小さな切り傷
[服装]:僧衣
[装備]:神威の車輪(片方の牛が死亡)@Fate/Zero
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(18/20)、青カード(17/20)
黒カード:不明支給品0〜1、各種雑貨(ショッピングモールで調達)、不明支給品0〜3(ポルナレフの分)、スパウザー@銀魂
    不明支給品1枚(希の分)、不明支給品2枚(ことりの分、確認済み)、雄二のメモ
[思考・行動]
基本方針:早急な脱出を。戦闘は避けるが、仕方が無い場合は排除する。
   1:雄二の方針に従って動く。
   2:DIOの言葉への興味&嫌悪。
   3:希への無意識の関心。
   4:私の、願望……。
   5:自分の処遇は承太郎と雄二に任せる。集団を追い出されるならば、それもやむなしか。
   6:私は……


[全体備考]
※針目縫が落とした持ち物は、風見雄二と紅林遊月が回収しました。
※ポルナレフの遺体は、ラビットハウス二階の部屋に安置されています。
※ポルナレフの支給品及び持ち物は、言峰綺礼が全て回収しました。まだ確認していないものもあります。
※神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)は、二頭のうち片方の牛が死んだことで、若干スピードと火力が下がりました。
※ラビットハウスの内装は軽くではありますが、掃除されて綺麗になりました。
※ラビットハウスに端末、PCといった道具は無いようです。

261 ◆Oe2sr89X.U:2016/04/15(金) 14:56:41 ID:5/XeB0Ak0
修正は以上です

262名無しさん:2016/04/15(金) 18:49:11 ID:NqpXTcHsO
修正乙です。
これで間違いはないと思います。

263 ◆3LWjgcR03U:2016/04/18(月) 22:59:52 ID:tdkLzcVI0
本スレ>>371を以下のように改稿いたします。

「ほう」

青ざめた顔の中でも、その目に宿る炎。

「……好きにするがいい」

それを品定めするように見ると、アザゼルはそれ以上の興味を失ったかのように顔をそらす。

「それでは、別れると仰りましたが、道はどういたしますかな。私はお嬢さんのお傍に付きましょうか」

夏凛の傍らに、ラヴァレイが立つ。

「うむ、三好は2人で先ほど別れたホル・ホースどもに追い付き合流し、そのまま東の市街地を探索し、遅くとも次の次の放送までには戻ってこい。
 デュラハンは同様に北の島を探索。蒼井晶の死体と白カードも回収してこい。
 全員、有事の際はこのPCに連絡をしろ。
 ――小湊! そいつをいつまでも寝かせておくな。そろそろ水でも掛けて起こせ」

「は、はい」

アザゼルが青のカードから出した水瓶を受取ったるう子が、伊緒奈さんごめんなさい……と謝りながら水を掛けて起こす。

「う……」

冷たい感触に目覚めたウリスが、頭を抱えながら周囲を見渡す。

「ここは、――っ!」

アザゼルの存在を視界に認め、憎々しげな表情を露わにする。

「ようやくお目覚めだな、女」

アザゼルがウリスを見下す。

「この悪魔……!」

睨み付け、くってかかろうとし――そこで、自分の腕が黒い影に拘束されていることに気付く。
それだけではない。5人もの男女が、自分を取り囲んでいる。
再び周囲を見渡し、諦めたようにうつむく。
ウリスは、異常者ではあっても馬鹿ではない。
今の状況で下手にあがけば、即、死に繋がることくらいは十二分に理解できる。

「……何だか分らないけれど、大人しくしてればいいんでしょ」

「うむ、阿呆は物分りが肝心だ」

さらに、黒のカードを全て出させ、ナイフとスタングローブを没収する。

『それじゃあ、そろそろ行くぞ。
 それから、ここにあった遺体を埋葬しておきたいが、構わないか』

「……私も、東郷をちゃんと弔ってあげたいんだけど。いいかしら」

「好きにしろ。小湊、忘れずにホル・ホース共に連絡を入れておけ」

命令を受けたるう子が、ノートPCを立ち上げてメールを送る。
文面はこうだった。「夏凛さんたちがそっちに行きます。合流したら、詳しい話を聞いてください」

264 ◆3LWjgcR03U:2016/04/18(月) 23:01:40 ID:tdkLzcVI0
>>372、アザゼルと伊緒奈の状態表を以下のように修正します。

【アザゼル@神撃のバハムート GENESIS】
[状態]:ダメージ(中)、脇腹にダメージ(中)
[服装]:包帯ぐるぐる巻
[装備]:市販のカードデッキの片割れ@selector infected WIXOSS
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(9/10)
    黒カード:不明支給品0〜1枚(確認済)、片太刀バサミ@キルラキル、弓矢(現地調達)
         東郷美森のスマートフォン@結城友奈は勇者である、ホワイトホープ(タマのカードデッキ)@selector infected WIXOSS、市販のカードデッキ@selector infected WIXOSS
         ナイフ(現地調達)、スタングローブ@デュラララ!!
[思考・行動]
基本方針:繭及びその背後にいるかもしれない者たちに借りを返す。
0:さて、セレクターどもをどうするか。戦わせてみるか?
1:三好…面白い奴だ。
2:借りを返すための準備をする。手段は選ばない
3:ファバロ、リタと今すぐ事を構える気はない。
4:繭らへ借りを返すために、邪魔となる殺し合いに乗った参加者を殺す。
5:繭の脅威を認識。
6:先の死体(新八、にこ)どもが撃ち落とされた可能性を考慮するならば、あまり上空への飛行は控えるべきか。
7:『東郷美森は犬吠埼樹を殺害した』……面白いことになりそうだ。
8:デュラハン(セルティ)への興味。
[備考]
※10話終了後。そのため、制限されているかは不明だが、元からの怪我や魔力の消費で現状本来よりは弱っている。
※繭の裏にベルゼビュート@神撃のバハムート GENESISがいると睨んでいますが、そうでない可能性も視野に入れました。
※繭とセレクターについて、タマから話を聞きました。
 何処まで聞いたかは後の話に準拠しますが、少なくとも夢限少女の真実については知っています。
※繭を倒す上で、ウィクロスによるバトルが重要なのではないか、との仮説を立てました。
※東郷美森が犬吠埼樹を殺したという情報(大嘘)を知りました。

【浦添伊緒奈(ウリス)@selector infected WIXOSS】  
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(中)
[服装]:いつもの黒スーツ
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(18/20)、青カード(17/20)、小湊るう子宛の手紙
    黒カード:うさぎになったバリスタ@ご注文はうさぎですか?、ボールペン@selector infected WIXOSS、レーザーポインター@現実
         宮永咲の不明支給品0〜1(確認済、武器ではない)
[思考・行動]
基本方針:参加者たちの心を壊して勝ち残る。
0:今は従うふりをする。
1:使える手札を集める。様子を見て壊す。
2:"負の感情”を持った者は優先的に壊す。
3:使えないと判断した手札は殺すのも止む無し。    
4:可能ならばスマホを奪い返し、力を使いこなせるようにしておきたい。
5:それまでは出来る限り、弱者相手の戦闘か狙撃による殺害を心がける
[備考]
※東郷美森が犬吠埼樹を殺したという嘘をチャットに流しました。
※変身した際はルリグの姿になります。その際、東郷のスマホに依存してカラーリングが青みがかっています。
※チャットの書き込み(3件目まで)を把握しました。

265 ◆3LWjgcR03U:2016/04/18(月) 23:05:37 ID:tdkLzcVI0
>>373の本文部分を以下のように修正いたします。


夏凛らと手分けして放送局とその外に転がっていたいくつもの遺体を埋葬し、白のカードは集めているという小湊るう子に託した後。
首なしライダーは、海の上の道を走っていた。

(――やれやれ)

内心で、またしてもため息をつく。
アザゼルの支配下から一時だけでも逃れたのは僥倖だが、彼に比べたらいくぶん御しやすいとはいえ、新たに火種を抱え込んだ。
悪魔と共に残してきてしまった小湊るう子については――もちろん心配ではあるが、実を言えばそれほど不安ではない。
彼にとっては少なくとも、るう子は待ち望んでいた保護する対象であり、必要もなく追いつめる意図はないということが、会話の端々から理解できたからだ。
巨犬を斬り捨てようとした所を止められた際に、彼女が傷付かないように振り払ったことを見ても分る。
ついでに言えば、自分には扱いづらいと言って自分に銃を渡しもした。
むしろ、不安なのは。

(夏凛ちゃん)

騎士とともに、東の市街地に向った勇者の少女。
出会った時からずっと、彼女が無理をしていることは明らかだった。
そして、仲間だという結城友奈。これも、正直に言ってアザゼルの言う通り、生存の望みは正直いって薄いと感じた。
今の彼女は、僅かな希望にすがりついていることで何とか自分を保っているような状態だ。
……そして、悪魔と同類だというあの騎士。
出会った直後から紳士然とした態度を貫いていたが、彼は本当に信頼のできる人物だったのか。
そもそも、どんな理由があろうと、この殺し合いの場で正体を隠していること自体が、疑わしいといえば疑わしい。
アザゼルの手前、余計な不和は避けるためにあえて何も言いはしなかったが、考え出すと疑念は湧く。

(今さら考えても仕方ないが、それに……)

小湊るう子の話していた、会場のちょうど中央付近で見かけたというバーテン服の男。
特徴からいって、間違いなく平和島静雄だろう。
だがあろうことか、彼はその場にいたもう一人の巨漢と何やらプレイに興じていたらしい。
直情的な男だが馬鹿ではない。静雄のことはそう思っていたが、一体何をやっているのだろうか。

(……まあいい、できればあまり面倒事を起さないでくれよ……)

手の届く場所にいる人々を守るために、そして愛する人の元へ戻るために。
不安を抱えながらも、首なしライダーは進んでいく。

266 ◆3LWjgcR03U:2016/04/18(月) 23:11:37 ID:tdkLzcVI0
最後の一文を以下に修正します。

※神代小蒔、満飾艦マコ、南ことり、ヴァローナ、キャスター、花京院典明、東郷美森の遺体が放送局付近に埋められました。

267 ◆3LWjgcR03U:2016/04/18(月) 23:42:01 ID:tdkLzcVI0
るう子の状態表も以下のように修正します。

【小湊るう子@selector infected WIXOSS】
[状態]:全身にダメージ(小)、左腕にヒビ、微熱(服薬済み)、魔力消費(微?)、体力消費(中)
[服装]:中学校の制服、チタン鉱製の腹巻 @キルラキル、
[装備]:定春@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)
    黒カード:黒のヘルメット、宮永咲の白カード、キャスターの白カード、花京院典明の白カード、ヴァローナの白カード
          風邪薬(2錠消費)@ご注文はうさぎですか?、ノートパソコン(セットアップ完了、バッテリー残量少し)
[思考・行動]
基本方針:誰かを犠牲にして願いを叶えたくない。繭の思惑が知りたい。
0:どうしよう。
1:シャロさん、東郷さん………
2:夏凜さん、大丈夫かな……
3:遊月のことが気がかり。
4:魂のカードを見つけたら回収する。出来れば解放もしたい。
[備考]
※チャットの新たな書き込み(発言者:D)にはまだ気付いていません。

268 ◆3LWjgcR03U:2016/04/18(月) 23:43:00 ID:tdkLzcVI0
修正は以上です。

269 ◆3LWjgcR03U:2016/04/19(火) 22:37:05 ID:mMhtGsBY0
追加の修正分を投下します。


「……私も、東郷をちゃんと弔ってあげたいんだけど。いいかしら。
 それから、このスマホは……」

僅かに迷ったように、言葉を切る夏凛。

「……やっぱり、私が持っていていいかしら。アインハルトみたいな子なら、うまく扱えるかもしれない」

270 ◆3LWjgcR03U:2016/04/19(火) 22:37:59 ID:mMhtGsBY0
さらに、黒のカードを全て出させ、ナイフとスタングローブ、さらに移動手段の車を没収する。

271 ◆3LWjgcR03U:2016/04/19(火) 22:38:36 ID:6RpFKn6w0
【アザゼル@神撃のバハムート GENESIS】
[状態]:ダメージ(中)、脇腹にダメージ(中)
[服装]:包帯ぐるぐる巻
[装備]:市販のカードデッキの片割れ@selector infected WIXOSS
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(9/10)
    黒カード:不明支給品0〜1枚(確認済)、片太刀バサミ@キルラキル、弓矢(現地調達)
         東郷美森のスマートフォン@結城友奈は勇者である、ホワイトホープ(タマのカードデッキ)@selector infected WIXOSS、市販のカードデッキ@selector infected WIXOSS
         ナイフ(現地調達)、スタングローブ@デュラララ!!、スクーター@現実
[思考・行動]
基本方針:繭及びその背後にいるかもしれない者たちに借りを返す。
0:さて、セレクターどもをどうするか。戦わせてみるか?
1:三好…面白い奴だ。
2:借りを返すための準備をする。手段は選ばない
3:ファバロ、リタと今すぐ事を構える気はない。
4:繭らへ借りを返すために、邪魔となる殺し合いに乗った参加者を殺す。
5:繭の脅威を認識。
6:先の死体(新八、にこ)どもが撃ち落とされた可能性を考慮するならば、あまり上空への飛行は控えるべきか。
7:『東郷美森は犬吠埼樹を殺害した』……面白いことになりそうだ。
8:デュラハン(セルティ)への興味。
[備考]
※10話終了後。そのため、制限されているかは不明だが、元からの怪我や魔力の消費で現状本来よりは弱っている。
※繭の裏にベルゼビュート@神撃のバハムート GENESISがいると睨んでいますが、そうでない可能性も視野に入れました。
※繭とセレクターについて、タマから話を聞きました。
 何処まで聞いたかは後の話に準拠しますが、少なくとも夢限少女の真実については知っています。
※繭を倒す上で、ウィクロスによるバトルが重要なのではないか、との仮説を立てました。
※東郷美森が犬吠埼樹を殺したという情報(大嘘)を知りました。

272 ◆3LWjgcR03U:2016/04/19(火) 22:41:02 ID:mMhtGsBY0
【三好夏凜@結城友奈は勇者である】
[状態]:疲労(大)、精神的ダメージ(極大)、顔にダメージ(中)、左顔面が腫れている、胴体にダメージ(小)、満開ゲージ:最大、低空飛行中
[服装]:普段通り
[装備]:にぼし(ひと袋)、夏凜のスマートフォン@結城友奈は勇者である
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(16/20)、青カード(15/20)
    黒カード:不明支給品0〜1(確認済み)、東郷美森の白カード、東郷美森のスマートフォン@結城友奈は勇者である
[思考・行動]
基本方針:繭を倒して、元の世界に帰る。
0:南回りで東の市街地に向かい、ホル・ホースらと合流し紅林遊月らを探索する。
1:友奈を探したい。
2:樹のことも弔いたい。
3:アザゼル……
4:風を止める。
5:東郷のスマホはアインハルトに渡してみる。
[備考]
※参戦時期は9話終了時からです。
※夢限少女になれる条件を満たしたセレクターには、何らかの適性があるのではないかとの考えてを強めています。
※夏凛の勇者スマホは他の勇者スマホとの通信機能が全て使えなくなっています。
 ただし他の電話やパソコンなどの通信機器に関しては制限されていません。
※東郷美森が犬吠埼樹を殺したという情報(大嘘)を知りました。
※小湊るう子と繭について、アザゼルの仮説を聞きました。
※セルティ・ストゥルルソン、ホル・ホース、アザゼルと情報交換しました。
※チャットの新たな書き込み(発言者:D)にはまだ気付いていません。

273 ◆3LWjgcR03U:2016/04/19(火) 22:41:23 ID:mMhtGsBY0
再修正は以上です。

274 ◆X8NDX.mgrA:2016/04/26(火) 12:52:26 ID:xUwH68O60
wiki収録に際して、拙作「リボルバーにくちづけを」の最後に確認の意味も込めて備考を加えました。

[全体備考]
※メルセデス・ベンツは針目たち二人がいる付近に放置されています。
※本人の魂カードを含めたアインハルトとジャックの所持品は、描写がないものに関しては本人の死体と共に放置されています。

それに応じて、本編ではホル・ホースがアインハルトの支給品の全てを確認していない、という描写を加えました。
何か問題やミスがあればご指摘お願いします。

275 ◆3LWjgcR03U:2016/05/05(木) 21:13:04 ID:HAYmp13I0
本スレ>>405の差し替えです。


これは、どういうことか。
分るのは、小鞠を殺害した人物と街の破壊を行った人物は、恐らくは間違いなく別人であるということだ。

(……)

風見雄二に教えられた、自分にはあえて話さなかったという折原臨也の『推理』が頭をよぎる。
DIOに肉の芽を埋め込まれた平和島静雄が、小鞠を殺害したという説。
非常に納得のいく説だが、ゲーム開始直後に言峰はDIOと会っている。
すなわち、DIOがその頃に静雄に肉の芽を不可能なのだ。
『殺人事件』の犯人候補。衛宮切嗣、平和島静雄、DIOらのうち、少なくともDIOは候補から外れることになる。

「……そろそろ、行くぜ」

承太郎は言峰を促す。
こうして現場にやって来たが、結局のところ『殺人事件』の解明どころか、大きな手がかりを掴むこともできなかった。
だが、承太郎は決して、それで落胆するような男ではない。
別にある目下の目標に向かい、2人は歩んでいく。










階下のコーナーでは、場違いにも思える矯正が響いていた。

「チノ、もっと上だ!」

276 ◆3LWjgcR03U:2016/05/05(木) 21:15:06 ID:HAYmp13I0
本スレ>>426の差し替えです。


ああ、そうだ。
今の自分は曇っている。
殺し尽すことを決意しながら、都合よく騎士王であろうとしている。

中途半端な者は何も掴めない。
ならば。

柄を持つ手に再び力がこもる。

5人を殺し尽せば、待っているのは纏流子との対決。
一度目は退けたが、再び勝てる保証はない。

――だがセイバーは、心を揺さぶられながらも、冷静に見抜いてもいた。
彼女の着る純白の花嫁衣装。それに、一度目の対決では確かになかったはずの綻びが生じていることを。
そこを突き、服を断ち切れば力の源を断てるはず。

どのみち、この怪物と再び会いまみえるのは必定だった。
曇りを振り払い、矛盾を踏み越えていく好機は、今しかないのだ。










「おう、やる気になったかよ」

「……」

不可視の剣を振りかぶったセイバーを、流子は満足気に見る。

「やり合う前に一つ聞いておくぜ。空条承太郎ってのはそこの学ランで間違いねえな」

水色の人形を傍らに携えた不良に、番傘を突きつける。

「手前は妹が世話になったみてえだからなあ……? おい、私の獲物でいいよな」

「構わん」

277 ◆3LWjgcR03U:2016/05/05(木) 21:16:12 ID:HAYmp13I0
本スレ>>427の差し替えです。


流子は改めて、5人を見渡す。
時代錯誤な学ランの空条承太郎に、神父、スカした男、くだばった子兎と同じような小娘、極めつけはふざけたコスプレメイド。

たわい無い面子だ。
こんな連中に、縫の野郎は不覚を取ったのか。
仕方ない。出来の悪い妹に代わって、自分が狩り尽してやる。

「いくぜ、騎士王さんよ」

「――ああ」




「「皆殺しだ」」








【香風智乃@ご注文はうさぎですか? 死亡】

278 ◆3LWjgcR03U:2016/05/05(木) 21:18:25 ID:HAYmp13I0
雄二と承太郎の状態表を差し替えます。


【風見雄二@グリザイアの果実シリーズ】
[状態]:右肩に切り傷、全身に小さな切り傷(処置済)、?
[服装]:美浜学園の制服
[装備]:キャリコM950(残弾半分以下)@Fate/Zero、アゾット剣@Fate/Zero、神威の車輪(片方の牛が死亡、後部にリヤカー付き)@Fate/Zero
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)
   黒カード:マグロマンのぬいぐるみ@グリザイアの果実シリーズ、腕輪発見機@現実、歩狩汗@銀魂×2、旧式の携帯電話(ゲームセンターで入手、通話機能のみ)
[思考・行動]
基本方針:ゲームからの脱出
   0:――っ!
[備考]
※アニメ版グリザイアの果実終了後からの参戦。
※折原臨也、衛宮切嗣、蟇郡苛、空条承太郎、紅林遊月、言峰綺礼と情報交換しました。
※キャスターの声がヒース・オスロに、繭の声が天々座理世に似ていると感じました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。
※言峰から魔術についてのおおまかな概要を聞きました
[雄二の考察まとめ]
※繭には、殺し合いを隠蔽する技術を提供した、協力者がいる。
※殺し合いを隠蔽する装置が、この島のどこかにある。それを破壊すれば外部と連絡が取れる。


【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康、胸に刀傷(中、処置済)、全身に小さな切り傷、?
[服装]:普段通り
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)、噛み煙草(現地調達品)
[思考・行動]
基本方針:脱出狙い。DIOも倒す。
   0:――っ!
[備考]
※少なくともホル・ホースの名前を知った後から参戦。
※折原臨也、一条蛍、香風智乃、衛宮切嗣、天々座理世、風見雄二、言峰綺礼と情報交換しました(蟇郡苛とはまだ詳しい情報交換をしていません)
※龍(バハムート)を繭のスタンドかもしれないと考えています。
※風見雄二から、歴史上の「ジル・ド・レェ」についての知識を得ました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※越谷小鞠を殺害した人物と、ゲームセンター付近を破壊した人物は別人であるという仮説を立てました。また、少なくともDIOは真犯人でないと確信しました。

279名無しさん:2016/05/06(金) 08:58:56 ID:y/QNCRSM0
修正乙です
特に問題はないと思われます

280 ◆3LWjgcR03U:2016/06/08(水) 21:44:09 ID:IZU84l4A0
本スレ>>450の修正です。


同じころ、東條希の姿は同じD-4エリアの正反対の方向にあった。
彼女は、走っていた。

「はあ、はあ……」

親友、絢瀬絵里との再会を果たすべく彼女が目指すのは、北西にある音ノ木坂学院。
確証があるわけではないが、2人だけになったμ'sならば、そこにいるかもしれないという希望に縋りたかった。
そして、そこに至るまでの道のりは禁止エリアによって阻まれている。
が、左側のエリアが禁止エリアとなるのは午後3時からだ。
今の彼女には悠長に大回りをしている時間はなかった。
可能性があるならば、一刻も早く会いたかった。

「間に合った、みたいやね……」

今の時刻は午後3時の前。
禁止エリアとなる前に通り抜けるには、十分な時間がある。

(……よし!)

もしも焦って転んで怪我をして、そのまま動けなくなって時間が過ぎたら――。
そんな最悪の想像を振り払うい、息を整えると、意を決してD-3エリアへと踏み込む。

(――!!)

その瞬間――。

(どうやら、無事みたいやね……)

魂を抜かれる、という感覚がどのようなものなのかは、全く想像も付かない。
だが、予期していた万が一の事態は起きることなく、東條希はエリアを斜めに通り抜けた。



--------------------------------------------------


また、描写を「禁止エリア間を通り抜ける」から「禁止エリアに指定される前に該当エリアに通り抜ける」に変更したことに伴い、東條希の状態表のあとの一文

※禁止エリア同士の斜めの繋ぎ目は通り抜けが可能なようです。

を削除いたします。

281 ◆WqZH3L6gH6:2016/07/18(月) 01:30:13 ID:ARHCUqqY0
本スレ635の修正です。

-----------------------------------------------------------------------------------------


空は既に夕暮れ。
校舎内の探索を終えた二人は途方にくれた顔で手頃なサイズの岩に腰掛けていた。


「……」


蛍は赤カードから出した蜜柑の皮の匂いを嗅ぎながら、蜜柑の実を口に放り込む。
彼女が校舎内の惨状でかろうじて嘔吐せずに済んだのは、
注意を払っていたのと同時に匂いのきつい果物をカードから現出させたからだ。
静雄は青カードから缶コーヒーを出すや、勢い良く中身を飲み干した。
彼は疲れと怒りが入り混じった渋い顔をしていた。


「私はここでれんちゃんを待った方がいいのでしょうか?」


蛍は静雄ほど虚無感はなかった。
静雄は空き缶を片手で握りつぶし、更に変形させていく。
やがて、ほぼ球状になったそれを適当に放り投げる。
返答はしなかった。そして何枚かの黒カードが擦れる音がした。


「何なんだったんだ、あいつはよ……!」


静雄はようやく声を上げた。さっき見つけたのだ。
許せない敵と認識し、探そうとしていた衛宮切嗣の死体と彼の遺品とおもしき黒カードを。


「……」
「くそっ」


小鞠殺しに関してある程度は心に整理つけていた蛍と違って、静雄は切嗣に対する敵意は以前強いままだった。
見つけ次第、締めあげて小鞠殺しの真相を明らかにさせて、ぶちのめすつもりだった。
その上、単独行動を取っていた伝聞ではあるが自称反主催と聞いた衛宮切嗣がよりにもよって、6枚もの黒カードを所持。
それは静雄でなくとも切嗣が他参加者の所持品を奪いとったのではと推測してしまっても仕方のない事実だった。

もし仮に小鞠の関わらず、切嗣と生きて対面していたとしたら。
それでもその6枚のカードを確認してしまえば、静雄は強引にでも黒カードの入手経路を白状させようとしていただろう。
そこまで静雄の逆鱗に触れざるを得ない対象だったのに、既に何者かに惨殺されていたのだ。
静雄は目標の一つを予期せぬ形で失って、途方に暮れた。


「クソっ」


やり場のない感情を建物に対しぶつけようと静雄は立ち上がった。


「平和島さん!!」


だが、それを察した蛍は大声で止める。
バツの悪い顔し、静雄は無言で座り込んだ。

「…………」
「…………平和島さん、そろそろいいですか?」


手持ちぶたさにいじっていたカードを静雄に見せる蛍。
支給品の確認作業だ。
彼女がカードを発見し、回収するだけ気を回せたのは頭が冷えたから。
さっきと同じように校内で暴れようとする静雄を止めたのが切っ掛けだった。



「ああ、頼む」
「えい」


蛍が念じるとカードは1羽の蝙蝠へと変わった。
羽根をパタ付かせて低く飛空するとすぐに蛍の横に止まって大人しくなった。
その様子に二人は和んだ。表情を和らげてもう1枚のカードに注目した。


「えい」
「……?!」


次に出たのは同じくカード。
ただそれは1枚のカードではない。
数十枚ものカードのセット、いわばデッキ。
所謂、トレーディングカードという名称のそれは種別こそ特定できないものの二人とも知っている玩具であった。


蛍は首をかしげながらも蝙蝠に手を伸ばしてカードに戻した。
カードの裏面を見て、効果を確認する。

282 ◆WqZH3L6gH6:2016/07/18(月) 01:32:00 ID:ARHCUqqY0
本スレ637の修正です。

-----------------------------------------------------------------------------------------

「あの人は上手く行ったら私らルリグに悪いようにしないって言ったんですよ」
「……参加者にはどうこうするとは」
「言ってなかったですね」


静雄はしばしば頭に血管を浮かばせながらもエルドラの情報交換を割合上手に進めていた。
蛍は今は2人の会話を聞きつつ、回収品の文房具を用い手紙を書いている。
残った4枚の黒カードの確認はもう終えていた。
中には見た目にも物騒な武器もあったが、それらは蛍の希望もあり静雄が預かる事にし
あと2枚は蛍が所持することにした。


少し前、静雄は怒りを紛らわせるべく会話を中断し、蛍とエルドラと共にまだ立ち入っていない場所を調べていた。
その途中、エルドラが何かの力を感じたのを同行者に伝え、ランサーのバラバラ死体を発見した。
静雄は頭部のみが瑞々しいそれを不気味に思いつつ人目のつかない場所に移動させた。
埋葬しなかったのは、拒否感があった……からでなくエルドラが切嗣の死体からも力みたいなのを感じると発言したからであった。
切嗣ともども後で調査してから弔うに事に決めた。
更に魂が封じられたカードからも微小だが力が感じるとエルドラが発言。
こちらは回収する事にした。その際、エルドラはルリグの気配を察知できる事も伝えた。


当初エルドラは飄々とした感じで会話を進めようとした節があった。
だが2人の真剣さを察してか途中から真面目に対応している。
作業を終えた蛍も対話に復帰していた。


「衛宮さんは誰に殺されたのかも」
「解らないですね、私嫌われたのかカードから出してもらえなかったですし」
「……どうしてでしょうか?」
「冗談めかしてですが、一度正義の味方みたいですね、て言ったのがどうもまずかったのかなっと……」
「何だよ……それ!」


静雄の怒りに任せた足踏みが地面をたたき、陥没させた。

283 ◆WqZH3L6gH6:2016/07/18(月) 01:34:52 ID:ARHCUqqY0
本スレ640の修正です。



【F-4/旭丘分校付近/一日目・夕方】

【平和島静雄@デュラララ!!】
[状態]:東條希への苛立ち、全身にダメージ(中)、疲労(小) 、やり場のない怒り(小)
[服装]:バーテン服、グラサン
[装備]:コシュタ・バワー@デュラララ!!(蟇郡苛の車の形)
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(7/10)
    衛宮切嗣とランサーの白カード
    黒カード:縛斬・餓虎@キルラキル、 コルト・ガバメント@現実
         軍用手榴弾×2@現実、不明支給品0〜1(本人確認済み)
[思考・行動]
基本方針:あの女(繭)を殺す
  0:蛍を守りたい。強くなりたい。
  1:急いで南下し、ラビットハウスに向かう。
  2:小湊るう子と紅林遊月を保護する。
  3:テレビの男(キャスター)とあの女ども(東郷、ウリス)をブチのめす。
  4:1と2を解決できたら蟇郡を弔う。
  5:余裕があれば衛宮切嗣とランサーの遺体、東條希の事を協力者に伝える。

[備考]
※一条蛍、越谷小鞠と情報交換しました。
※エルドラから小湊るう子、紅林遊月、蒼井晶、浦添伊緒奈、繭、セレクターバトルについての情報を得ました。
※東條希の事を一条蛍にはまだ話していません。
※D-4沿岸で蒼井晶の遺体を簡単にですが埋葬しました。
※D-4の研究室内で折原臨也の死体との近くに彼の不明支給品0〜1枚が放置されています。
※衛宮切嗣、ランサーの遺体を校舎近くの草むらに安置しました。
 影響はありませんが両者の遺体からは差異はあれど魔力が残留しています。

【一条蛍@のんのんびより】
[状態]:全身にダメージ(小)、精神的疲労(中)、静雄に対する負い目と恐怖(微)
[服装]:普段通り
[装備]:ブルーリクエスト(エルドラのデッキ)@selector infected WIXOSS
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(7/10)、青カード(10/10)
    黒カード:フルール・ド・ラパンの制服@ご注文はうさぎですか?、カッターナイフ@グリザイアの果実シリーズ、
    ジャスタウェイ@銀魂、越谷小鞠の白カード 折原臨也のスマートフォン
    蝙蝠の使い魔@Fate/Zero、ボゼの仮面咲-Saki- 全国編、赤マルジャンプ@銀魂、ジャスタウェイ×1@銀魂、
    越谷小鞠の不明支給品(刀剣や銃の類ではない)、筆記具と紙数枚+裁縫道具@現地調達品
[思考・行動]
基本方針:れんちゃんと合流したいです。
   1:ラビットハウスに向かって、承太郎らと合流する
   2:何があっても、誰も殺したくない。
   3:余裕ができたら旭丘分校へ行き、れんちゃんを待つ
[備考]
※旭丘分校のどこかに蛍がれんげにあてた手紙があります。内容は後続の書き手さんにお任せします。
※セレクターバトルに関する情報を得ました。ゲームのルールを覚えている最中です。
※空条承太郎、香風智乃、折原臨也、風見雄二、天々座理世、衛宮切嗣、平和島静雄、エルドラと情報交換しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。現状他の参加者に伝える気はありません。
※衛宮切嗣が犯人である可能性に思い至りました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。

※エルドラの参加時期は二期でちよりと別れる少し前です。平和島静雄、一条蛍と情報交換しました。
 ルリグの気配以外にも、魔力や微弱ながらも魂入りの白カードを察知できるようです。
 黒カード状態のルリグを察知できるかどうかは不明です。






以上で修正作業を終了します。

284 ◆WqZH3L6gH6:2016/07/18(月) 02:21:36 ID:ARHCUqqY0
恥ずかしながら修正追加です。

>>281
その途中、エルドラが何かの力を感じたのを同行者に伝え、ランサーのバラバラ死体を発見した。


その途中、土方十四郎の遺体を発見し蒼井晶の遺体と同じように埋蔵した。
それから校舎の探索を再開し、今度はエルドラが何かの力を感じたのを2人に伝え、
ランサーのバラバラ死体を発見。

に修正します。


>>283の静雄の状態表にある

 影響はありませんが両者の遺体からは差異はあれど魔力が残留しています。
の後に

※校庭に土方十四郎の遺体を埋葬しました。

を追加します。

285 ◆DGGi/wycYo:2016/07/19(火) 19:55:01 ID:MHBXryNw0
すいませんスレ間違えました
本スレの方で少し修正したのでこちらにも連絡しておきます

286 ◆WqZH3L6gH6:2016/08/25(木) 22:57:17 ID:23vPvAEk0
雑談スレの382以降でご指摘があったので、第三回放送のファバロの文を以下のように修正します。
まとめwikiの人、お手数ですけどよろしくお願いいたします。




アフロ男は拙速に過ぎた。
あの緑のルリグの急かしに完全に流されなければ、あんな最期は避けられたのに。
追跡するにしてもゾンビの少女の遺品くらいは回収すると思っていたのに。
賢い男だと思えていたけれど、結局は初見通りのばかだったのだろう。


アフロ男は拙速だった。
あの緑のルリグの急かしにあそこまで流されなければ、あんな最期は避けられたのに。
彼らしくもっと用意周到に仕掛けてさえいれば充分生き残れる目があっただろうに。
賢い男だと思えていたけれど、結局は詰めの甘い凡人だったのだろう。

287 ◆WqZH3L6gH6:2016/08/25(木) 23:43:03 ID:23vPvAEk0
編集してくれた方ありがとうございました。

288 ◆WqZH3L6gH6:2016/09/15(木) 05:59:22 ID:OYkuRX5U0
私の著作『交わらなかった線』の支給品説明に以下の間違いがありました。
お手数ですが確認と訂正をお願いします。

(誤)
※アーツ『奇々怪々』について
本来ならカードゲーム内においてシグ二(将棋で言う王将以外の駒のようなもの)を複数強化するのみだが。

                        ↓

(正)
※アーツ『奇々怪々』について
本来ならカードゲーム内においてシグ二(将棋で言う王将以外の駒のようなもの)を一体強化(+5000)するのみだが。

289 ◆WqZH3L6gH6:2016/09/18(日) 21:26:31 ID:xJBN3FU.O
Wikiまとめの方ありがとうございました。

290 ◆X8NDX.mgrA:2016/09/28(水) 02:05:12 ID:9TYGz2y20
本スレ>>750の途中から差し替えます





『この書き込みは犬吠埼風さんのスマホからです。
 スマホは風さんが亡くなっていた場所から拝借しました。
 狂乱の貴公子とブランゼルは、万事屋から南東の市街地を探索します』


「書き込みをしたのは“F”。内容から見て風のスマホで間違いないわ。
 たぶん、るう子の書き込みを真似たんでしょうね……どちらも名簿にはないし、あだ名なんじゃないかしら」


 夏凜は自身で確かめるように、チャットの新しい書き込みを読み上げた。
 既にチャットを見たアザゼルにとっては無意味である。
 しかし、アザゼルは考察を話す夏凜をじっと見つめてから、唐突にこう指摘した。


「狂乱の貴公子は分からないけど、ブランゼルは確かアインハルトがそんなことを――」
「三好……貴様、左目の視力が落ちているな?」


 話を遮られた夏凜は、数拍置いて頷くと、左目に手をかざした。
 隣で見ていただけのアザゼルでも気づいたのだ、自覚がない筈もない。
 自らそのことに触れずにいたのは、心配をかけまいとでもしたのか。
アザゼルはそう考えて少し苛立ちを覚えた。


「片目を失ったのは、風のことを受け止めてやれなかった罰よ」


 しかし、どうやら苛立ちは増していきそうだ。
 夏凜は敵を恨むでもなく、自ら必要のない責任を負い、そして前へ進もうとしている。
 悲嘆に暮れているようでは前進できないと考えているからだろう。


「……」


 悪魔はそれが気に食わない。
 人間は、ひたすら己の無力さに打ちひしがれていれば、それだけで娯楽としては上々。
 苦悶の声を上げさせるなり、絶望に命を捨てさせるなり、楽しむ方法はいくらでもある。
 それなのに、己の弱さを認めてなお立ち上がるなど、まるであの――


(――聖女のことを思い出している、というのか?この俺が)


 アナティ城を襲撃した際に眼にした、強く気高き乙女ジャンヌ・ダルクの姿は、鮮烈にアザゼルの脳裏に焼き付いていた。
 そして悪魔は無意識に、しかし確実に、その仇敵の姿を三好夏凜に重ねていた。
 勇者と聖女。「勇気」あるいは「信仰」を拠り所として生きる人間として、類似した部分がある二つの存在。
 健気にも前を向き続ける女勇者に聖女を重ねるのは、全く不自然なことではない。
 ただし悪魔が勇者や聖女に対して向ける感情は、好意や憧れとは対極に位置するもの。
 当然、無意識に聖女を思い浮かべたことを自覚して生まれる感情は、嫌悪のみ。


「チッ」


 舌打ちをして、アザゼルは夏凜を見つめた。
 年端も行かない少女が、急激に聖女のような心を持てるものか。
 倒壊した放送局に訪れた、傷だらけの姿と絶望した表情は記憶に新しい。
 何があったのかは結局聞いていないが――あれだけの傷を、二時間弱の睡眠程度で完全に回復できるものか。
 目覚めてすぐに、聖女の如く前向きに気丈に生きられるものか。
 ありえない。アザゼルはそう断言する。


「それで、話の続きだけれど」


 アザゼルは、もはや夏凜を弄ぶことで悦に至ろうとは考えなくなっていた。
 今現在の夏凜は、必死に勇者であろうとすることによって、精神の安定を図っているだけ。
 いわば現実を見ずに逃げている状態だ。
 完全無欠な勇者になることで、苦悩や悔恨といったマイナスの感情から逃れようとしている。
 むしろ勇者として前向きにしようとしているだけ、気丈だと言えるのかもしれない。
 少なくとも、周囲からはそう見えるだろう。


(つまらん)


 しかし、アザゼルに言わせれば、現実を見つめられずに放心しているのと大差ない。
 勇者の皮を被った抜け殻のような存在――今の夏凜をアザゼルはそう評価した。
 必死にもがく人間ならまだしも、抜け殻などに興味はない。
 興が冷めたと言わんばかりに溜息をついて、アザゼルは今後のことを考えることにした。





291 ◆X8NDX.mgrA:2016/09/28(水) 02:08:09 ID:9TYGz2y20
以上で修正とします。
本スレで述べた解釈でも納得できない、という意見はぜひ頂きたいです。

また、この終盤ですので、リレーして頂く可能性のある書き手の方々の意見も頂きたいです。
特に「この話をリレーできるかどうか」についてのご指摘を頂ければ、率直に受け止めるつもりです。

292 ◆X8NDX.mgrA:2016/09/28(水) 23:55:30 ID:9TYGz2y20
ウィキ編集をされている方へ。
反応があるまで収録等は控えて頂きたいです。

293 ◆NiwQmtZOLQ:2016/09/29(木) 23:14:32 ID:itm/hk56O
返信が遅くなって申し訳ありません。
自分はこれで大丈夫かと思います。

294 ◆WqZH3L6gH6:2016/09/30(金) 08:33:24 ID:z.molzrs0
>>291-292
投下&修正乙です。
こちらもレスが遅くなってすいません。
夏凛の状態表を作中の精神状態に反映させた方はいいかなと思います。
あとは大丈夫と思います。

295 ◆X8NDX.mgrA:2016/09/30(金) 20:46:25 ID:Jn6gB.mk0
>>293,294
ご意見ありがとうございます。
では、夏凜の状態表を以下のように修正して、修正を終えます。

【三好夏凜@結城友奈は勇者である】
[状態]:疲労(中)、顔にダメージ(中)、左顔面が腫れている、胴体にダメージ(小)、満開ゲージ:0、左目の視力を『散華』、「勇者」であろうとする強い意志(現実逃避)
[服装]:普段通り
[装備]:にぼし(ひと袋)、夏凜のスマートフォン@結城友奈は勇者である
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(16/20)、青カード(15/20)
    黒カード:不明支給品0〜1(確認済み)、東郷美森の白カード、東郷美森のスマートフォン@結城友奈は勇者である
[思考・行動]
基本方針:繭を倒して、元の世界に帰る。
1:『勇者として』行動する。
2:アザゼルと今後の行動を話し合う。
3:仲間たちのことは……今は考えない。
[備考]
※参戦時期は9話終了時からです。
※夢限少女になれる条件を満たしたセレクターには、何らかの適性があるのではないかとの考えてを強めています。
※夏凛の勇者スマホは他の勇者スマホとの通信機能が全て使えなくなっています。
 ただし他の電話やパソコンなどの通信機器に関しては制限されていません。
※東郷美森が犬吠埼樹を殺したという情報(大嘘)を知りました。
※小湊るう子と繭について、アザゼルの仮説を聞きました。
※セルティ・ストゥルルソン、ホル・ホース、アザゼルと情報交換しました。
※チャットの新たな書き込み(発言者:F)、友奈からのメールに気づきました。

296 ◆3LWjgcR03U:2016/11/22(火) 11:07:17 ID:SZFxQUsQ0
拙作「serious and normal girls」を以下に修正します。



放送は聞き逃したが、脱落者と禁止エリアの確認は既に済んでいる。



放送は聞き逃したが、脱落者と禁止エリアの確認は既に済んでいる。
衛宮切嗣。越谷小鞠殺人事件の容疑者筆頭。もっともあの場から逃げた時点で「クロ」だともいえるが、自らが裁く機会を逸したまま終わりを迎えてしまったのが惜しい。
ホル・ホース。DIOの配下であり、自分たち一行を二度に渡って襲撃してきた相手。打算で動くタイプであり、この場ではDIOと組んではいなかったのかもしれないが、ひとまずDIOの戦力の一つを削れたのは僥倖といえる。
宇治松千夜。理世と智乃の友人がどこかで命を落とし、理世はとうとう一人になってしまったことになる。……このことは理世には、できれば今の戦いにケリがついてから教えたい。

297 ◆3LWjgcR03U:2016/12/16(金) 13:56:10 ID:6g4QChMo0
拙作「195×(144+164)」について、蛍の両親に対する呼び名に原作との齟齬があったため修正を行いました。
その他に大きな変更点はありません。

298 ◆WqZH3L6gH6:2017/02/22(水) 01:06:05 ID:nQzrVxIA0
『New Game』の本投下の際、指摘された箇所を主に加筆修正、状態表を全面的に修正いたしました。
あとセルティの台詞の一部に『緑子』と呼び捨てにしてしまった箇所があるので、もし宜しければ収録の際はちゃん付けでお願いします。
この度、仮投下と本投下が遅れてしまいすみませんでした。

299 ◆WqZH3L6gH6:2017/02/22(水) 01:46:26 ID:nQzrVxIA0
『New Game』の本スレ979の状態表にミスがありました。
以下の通り訂正します。

【D-1/橋/一日目・夜中】→【E-1/橋/一日目・夜中】

【D-1/放送局跡付近/一日目・夜中】→【E-1/放送局跡付近/一日目・夜中】

300運命の廻り道(修正) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/04(土) 15:20:42 ID:ptdgmZU60
――点滴までは望めないか。
赤カードは参加者が手に持ち念じればイメージした食事をそのまま具現させる事ができる。
浦添伊緒奈――ウリスがやったように食器もろとも。だが点滴を具現させることは無理だったようだ。
内臓のダメージを用心しての判断だったが仕方がない。
鬼龍院皐月は赤カードからのど飴を現出させ、一口舐めた。

「……」

唾液に混じった飴成分が喉を通し胃に落ちたが痛みはない。
安心した皐月は残った飴をれんげに渡した。

針目縫との決戦の後、宮内れんげの治療を受け休憩を取っていた。

そして一息つけた皐月達はやがて針目の遺品の回収を始める事にする。
皐月とれんげ、そして皐月の衣服――神衣鮮血と、れんげの守護精霊――木霊の4者は
針目が斃れた場所へ進み、目的のものを早々に見つけ出した。

紫色の刃――片太刀バサミ
他に支給品は落ちてないようだ。

皐月の亡父、纏一身こと鬼龍院装一郎が開発した対生命戦維用武器 断ち切りバサミの片割れ。
針目に強奪され、この場に置いても悪用されていた紫色の片刃を皐月は拾い上げるべく手を伸ばす。
元は赤色だった片刃が未だ紫色である事に、針目の影響を危惧し微かな警戒を抱きながら、皐月が柄の部分を掴んだ。

「!」

片刃は瞬く間に元の赤色へと変化した。
れんげが「おお、色が変わったん!」と感嘆に近い声を上げる。
鮮血はそれを感慨深げに見つめた。

「……」

皐月は強度では罪歌に勝る可能性が高い片刃をどう扱うかしばし思考していたが、
汎用性に勝る罪歌をメインに使用すると判断し黒カードへと変化させた。
やや強い風が吹き、荒れ地の砂を少量ながらも巻き上げる。
皐月のダメージもある程度は癒え、全力には遠いが戦闘行為も可能にはなっている。
先の戦闘で中断されたれんげとの約束、旭丘分校行きの件がある。
――行こうかと判断しようとする直前、風に煽られた銀色の物体がコロコロと転がる音を耳にした。

「……腕輪なん?」

それは目ざとく針目縫の腕輪を発見したれんげの呟きだった。

「……」

皐月は転がる腕輪を拾い上げる。見た腕輪の内側には何の汚れもなく綺麗だ。
まるで誰も身に着けていなかったように。針目縫の遺体は無い。
断たれた両腕も、両断された残った身体も大量の血しぶきを上げた後、ばらけた赤い糸と化し
血液と共に空気に溶けたかのように消えた。

化物の奇怪な最期にれんげは怪訝な面持ちで辺りをきょときょとと見回す。
皐月は腕輪を自らの神衣 鮮血に渡す。腕輪の状態を見て好都合だなと皐月は思う。
参加者への枷である腕輪を解析し易いと考えたから。死した参加者の腕を切り落とすリスクを背負うよりはと。

「さっつん、さっつん向こうにカードと髪の毛が落ちてるん」
「ん」

301運命の廻り道(修正) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/04(土) 15:21:06 ID:ptdgmZU60
れんげが軽く皐月の腕を掴み、東の角を指差す。
4者は指された方へ向かい、盛り上がった土と数本の髪の毛、そして参加者の白カードを発見する。
髪の毛はウェーブがかかった栗色の長髪で目立ち、カードは月光を微かに反射に目に付きやすかった。
白カードを見る。彼女らはそこは死した参加者が埋葬された場だと理解した。
皐月はまたも白カードを見る。映し出された少女の顔は喜怒哀楽をほぼ出していない普通の表情をしていた。
そこからは人間性や最期の感情を読み取ることはできない。

皐月はふと針目が斃れた方へ向いた。そのまま無言でそっちへ向かう。
眉をちょっとしかめながら。

「…………」

先程の戦いをする前なら、気にも留めなかっただろう。
彼女はこれまで死した参加者の白カードを何枚も見てきている。
それらはどれも同じ表情をしていた。
皐月の直感と経験が針目縫の白カードを拾わせるべく脚を動かさせる。
そして拾った。

「……それがお前の本当の貌か?」

その呟きには納得の色が含まられていた。
対外的には針目はほとんどを笑顔で過ごしていた。口調も戦闘時以外は陽気そのものので。
しかし白カードに映し出せれている表情はそれとは全然違うものであった。

痩せ衰えた狂犬のような、余裕のかけらもない愛らしさとは無縁の表情。
目元に隈があると錯覚してしまいそうなギョロっとした両眼。
開くとすれば歯よりも牙が似合うであろう口元。眼帯が無い以外は髪型等に変化はない。
だが皐月にはそれは私情を抜きにして、無理やり着飾られた頭のネジが飛んだ肉食獣に見えた。

れんげがすたすたとこちらに近づいて来るのが解る。
皐月はカードを見られる前にそれを破り捨てる。見ていて気分の良いものでは決してないから。

カードの欠片が地面に届く直前、破片が音も無く集まり真新しいカードへ復元した。

「「『!』」」

4者は差異はあれど目の前の現象に驚愕する。
皐月はとっさに復元したカードを拾い、端っこを千切った、破片は摘んだままで。
摘んだ破片は消え、また復元する。皐月はその現象に針目の執念のようなものを感じ危機感を募らせる。
れんげがそれを察したのか、足早に盛り土の近くのカードを拾い皐月に渡した。
皐月は蒼井晶のカードの上部分を千切る。それもさっきと同様復元された。

「……参加者のカードはどれも復元されるか」
「なるほど」

皐月達は落ちた髪の毛と晶のカードを埋め黙祷した。
そしてまた地面に座り、れんげもそれに続いた。
休憩の合間にどう分校に向かうかを話し合い、10分近く過ぎた後4者は一先ず分校に向かう事にした。
付近の研究所や、道中のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲に興味はあったが後回し。
れんげは木霊から生成した糸を針目の腕輪を括り付けている作業をしながら言う。

「それ持っていくん?」
「ああ……」

皐月の手には針目の白カードがある。

埋めようかと思ったが、魂のみでも災いを起こす可能性があると見て持ち歩く事にしたのだ。

302運命の廻り道(修正) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/04(土) 15:21:26 ID:ptdgmZU60

「……」
『相変わらず電話は通じないのか』
「ああ。チャットは可能なんだが、他の電話を確保しなければな」

鮮血の問いに皐月は軽く緊張感の含んだ声で返す。
勇者スマホ同士での通話ができないのは元からである。
念の為、他の勇者スマホに通話を試みていたが甘くなかった。

『心配か?』

皐月は黙って頷く。
――絢瀬絵里
ここで出会った志を同じくとした皐月と同年代の仲間。
彼女は先の放送で名を呼ばれ無かったが、同行者の坂田銀時は呼ばれていた。
絢瀬の現況は不明だが、善意の参加者に保護されているなんて楽観ができる状況でもない。
一般人である彼女をそのままにしておくのは拙い。
仲間との連絡がまともに取れない以上、皐月は分校に到着次第放送局に向かいたい心境だ。
だが皐月は焦る気持ちを己を縛る前に心の何処かに置き、れんげの横に並んだ。

「ほんとにいいん?」
「疲れたら休むさ」

皐月は笑った。
旭丘分校までは少々遠く、遮蔽物がない道も通る。
時間が惜しく、ゲームに乗った者の情報も多くない現状、早々に向かう必要がある。
れんげは走る。勇者の力を得て常人離れをしたスピードで。
皐月も走る、れんげと同じ速度で。ふたりは軽やかに走った。
皐月はちらりと針目の腕輪を見る。

「……」

母であり、人類の大敵である生命戦維の地球上の実質的な首魁である鬼龍院羅暁の3人目の子供――針目縫。
死した今でも長姉の皐月は彼女に対する愛情は持ち合せてなどいない。
初めて会ってから今に至るまで、針目に良感情を抱く出来事など無かったのだから。
強靭な精神を持つ皐月でさえ親族という認識を抱く余地さえないくらいに。

羅暁に育てられたという偽の記憶を植え付けられた2人目の子供――纏流子を見れば、
母の価値観によって歪められたから外道になったと推測ができる。だが皐月はあえてそう考えない。
自分の知るだけの範囲でも針目の悪行は目に余っていたのだから。

針目縫には母や生命戦維に対し愛情はあったかも知れない、だが信用はしていなかったと皐月は今でも思う。
針目との決戦を経て、共感できない何か以外を否定する情念をこれまで以上に感じ取った今より強く。

皐月は溜息をついた。彼女にしてはらしくもなく。
昔からの敵を駆逐しただけ。流子ならともかく、自分が針目を仇敵などと位置付けるなどおこがましい。
纏一身を父と解らなかった自分が。
空を見ると雲が増えてきたのがわかった。明日の日中は雨が降るだろうか?

――お前が見た世界は我々のとは違うものが見えていたんだろうな

自身が持つカードを意識して皐月は決心する。
これから針目縫の魂がどうなるにしろ、最後を向かえるまでは責任を持って対処しようと。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

出立から一時間も経たない内に4者は旭丘分校の前に着いた。
少々息を切らしながられんげは目の前の光景に唖然とする。
皐月と鮮血は気まずそうに眉間に皺をよせた。

303運命の廻り道(修正) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/04(土) 15:22:00 ID:ptdgmZU60
2人とも何事もなくそのままでいると考えていた訳ではない。
殺し合いの舞台の一部である以上ある程度の惨状は覚悟していたが、それはあんまりな光景だった。

建物は半壊状態で、血のようなものが分かりやすく飛び散っている。
死者が埋められたと思しき2つ隆起がある。
そして極めつけは遠くから見ても解る草むらに隠れている何か。
それらの異常が合わさり、夜というのを差し引いてさえなお、
旭丘分校はれんげが知る学び舎とは程遠い雰囲気の戦場跡となっていたのだ。

れんげは両手を頭に当て、あーあーと途方に暮れたように呻いた。
皐月は注意をはらいながら草むらに隠れている何かへと近づく。
その行動にれんげは我に返り、少し離れて皐月の後に続いた。

何かは一人の成人男性の死体と、顔立ちが整った生首だった。
皐月は手で、精霊はれんげの目の前に塞がることで直視させないように動いた。

「平気なん?」

先の友奈達以上に凄惨な遺体を前に平然としている皐月に疑問の声が飛ぶ。
皐月はあえてちょっとだけ渋い顔を形作って疑問を返した。
皐月は無感情でも常人とかけ離れすぎた価値観の持ち主でもない。
崩れない精神の持ち主であるがゆえに、心的負担がほぼない為に奇異に見えるだけ。
もし代わりに検死を行うに足りる味方がいたら迷わず任せていただろう。
必要だからするだけだ。

「……」

致命傷と思しき刺傷と無数の傷を負った死体――衛宮切嗣。
皐月は彼の遺体を調べる。
最初に遭った仲間、間桐雁夜に僅かに似ていると皐月は思った。
格好からして堅気でもなく、肉体の造りと人相からして善良とは程遠い人物と推測できる。
れんげが両目を指で隠しながらじりじりと近寄ってくるのがわかった。
息を呑む声がする。皐月はなぜか違和感を感じたがそれに作業を中断させず次を行く。
皐月は生首――ランサー ディルムッドを両手で抱えた。

「…………」

ここで皐月は何故れんげが息を呑んだか理解した。
れんげが言った。

「さっつんその人達生きてるのん?」
「……」

死後どれほど時間が経ったかは解らないが、どちらの遺体も状態がいい。
皐月は生首を観察する。端正で少々の猛々しさを感じさせる顔立ち。
そして不気味なのは状態だけでなく右目元にある物体だった。
赤黒く干しぶどうに似た腫瘍。脈打ってるような色と大きさのそれは
顔以上に存在をこれでもかとアピールしているようだ。

「そ、その2人から何か力を感じるん?特にさっつんが持ってる方のん」

治癒術を会得したのが切っ掛けだろう、れんげには魔術師的な感覚も備わり始めたと皐月は推測する。


「……」

皐月は次に首の断面を見ようと角度と、自分の首を動かした。
もし断面から糸を出されても回避できるように。見るとただの断面だった。

「……。新種の生命戦維の仕業では無さそうだな」
「? 生命戦維ってなんなのん?」

「……」

皐月は長い説明を省くべく、幼少の頃の記憶を頼りに語彙を選び出す。

「地球侵略を目論むインベーダーみたいなものだ」
「うちゅうじんと違うん?」
「……あいつとは別のものだ」

神威の事を指しているのだろうと皐月は判断する。
どういう意図があって遺体を埋葬しなかったのか推測しながら。

「わかったん。それでその人達どうするん?」

遺体は一向に動き出す気配はなく、これ以上検死ができる人材もいない。

304運命の廻り道(修正) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/04(土) 15:22:27 ID:ptdgmZU60

害意ある物体なら破壊して焼却するのが最善ではあるが。
もしただの参加者の遺体だったら不憫ではある。
なら自分にできる事は何か……と皐月は考えた。

「……埋めるか」

れんげ達は即座に同意した。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

切嗣とランサーの遺体を弔った後、2人はスマホと建物の周囲を一通りチェックし休憩している。
そして今、2人はチャットに書き込みをしていた。

I:『犬吠埼樹さんのスマホから書き込んでいます。
   鮮血とアスクレピオスは目的地に到着しました。
   途中針目縫と交戦し倒しました』

――次の連絡待ちか

皐月は他のチャット文を見ながら緊張した面持ちで息を吐いた。
れんげも少々だが顔色を悪くしている。

『一番目のMと、五番目のD。今夜、地下闘技場で話がある』

頭文字Dは強敵DIOしか該当する者はおらず、書き込んだ頭文字Iに該当すると思われる
参加者も死去した樹を別にすれば遭遇さえしていない。スタンスが読み取れず敵かどうかも判断できない。
チャットから得られた情報で一番拙いのは場所だった。
ルートからして絢瀬は地下闘技場付近にいるかも知れないから。
DIOの言動から察するに性格的に誘いに乗る可能性も高いと推測できた。
銀時の死を知らぬれんげからしても悠長に構えていられる状況ではない。
だがれんげは蛍とまだ再会していない。そのジレンマがれんげの元気を徐々に奪ってゆくのがわかる。

「行こう」

後は校舎の探索だけだ。4者は気を取り直して中に入った。

「「『……』」」

校舎の内部も酷い有様だった。
流子と針目の戦闘による破壊痕は廊下と教室の大半を破壊し、無事である教室が少ないほど。
一行はれんげの案内に従って、慎重に進みながら彼女が授業を受けている教室へ向かう。
探し人、一条蛍の行方の手がかりを求めて。

「……」
『……』
「なあ……ここはれんげの通う学校だったのか?」
「……よく似ているけど、違うん」

何も彼女らはこの島にある母校が本物だとは思っていない。
愛着はあれど待ち合わせの場所として利用しているに過ぎない。
しかし不自然なほどに似すぎていた。落書きやかすり傷さえ再現しているのだ。
皐月は赤カードと青カードの事を思い出す。
間桐雁夜との情報交換の際、彼は赤カードから流動食を出していた。
その時、流動食のパックに書かれた文字に目を奪われた。
皐月の知らない病院名が日付ごと書かれているもの。保存のきかない何年も前のものだった。
それを察した雁夜は苦笑しつつ言った「昔の物も再現できるんだぜ、これ」。

皐月は天井を見上げながら、本能字学園もこの分校も赤と青と同質の力でコピーされたものだろうかと考えを巡らせた。

「お」

いつの間にか目的の教室の前に着いたようだ。
教室の扉の脇に1枚の白い封筒が落ちている。

305運命の廻り道(修正) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/04(土) 15:23:26 ID:ptdgmZU60
れんげはそれを拾って白カードを利用して読んだ。
いつものポーカフェイスながら喜色の含んだ声を上げた。

「ほたるん無事なん。無事なん!」

嬉し涙を浮かべはしゃぐれんげと手紙を交互に見ながら皐月は柔らかく微笑み、頷いた。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

《れんちゃん無事ですか?お元気ですか?
 私は承太郎さんや平和島さん達のおかげで何とかがんばっています。
 これから私達はラビットハウスに向かいます。
 もし禁止エリア指定などで行けなくなった場合は放送局に行こうと思います。
 あとここに使っている電話の番号を書きましたので
 できれば連絡をしてくれるとうれしいです。待ってます
   

×××-××××-××××

                               ほたるんより》



れんげは教室の中に入っている。電灯はどの教室も点けられない。
皐月は拾った鉛筆2本を仕舞い、今後どうするか思考する。
とにかく絢瀬との連絡を取れる手段が必要だ。その機器がありそうな施設は近くにない。
なら先に一条蛍に電話を掛けてから連絡方法を探ろうか。
皐月がれんげに声をかけようとした。


その時、教室に青白い光が溢れた。

「な、ななッ」
「『れんげ?!』」

れんげの驚愕の声にすぐさま皐月は教室へ駆ける。そこには青白い光の帯があった。
帯から手紙を持ったれんげの右手が突き出ている。
皐月は迷わず光の帯へ飛び込む。手紙がはらりと地面に落ちた。
2人とも光の帯の内側にいた。れんげは驚きにへたり込んでいたが無事だ。
外に突き出ていた腕は怪我もなくするりと帯の内側に戻されている。
皐月は少々安堵しながらも、異変から脱出すべく蹴りを光の帯に叩き込んだ。
びくともしない。光は増していく。皐月は一瞬で単純な攻撃は通じないと判断する。
光に覆われていない床ならばと今度は帯の足元を蹴りつけた。床に亀裂が入り光が若干弱まっていく。

「!」

皐月はそれを好機と見、床を破壊すべく強く息を吸う。

「「『……!』」」

その時、地響きがした。校舎全体が揺れているかのように。
皐月達はそれに気を取られてしまった。光の帯の発光が再び強まった。
地響きに注意を払った皐月をあざ笑うかのように。
鮮血は皐月を庇うように、皐月と木霊はれんげを庇うように抱きかかえた。
そして旭丘分校のある一室から4者の姿は消えた。
破壊された教室前の壁に転送装置の説明文が書かれていた事を知らないまま。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

光が収まれば其処は見覚えのある場所だった。
最初の戦闘の場、本能字学園の校庭。
一行は誰も欠けていないのを確認する。そしてこの異常な事態も。

程なく一行は行動を始めた。皐月はれんげのスマホを受け取る。
鮮血はれんげに話しかけ焦りの色を見せつつも相談を始める。
精霊以外の3者の思考は少しの時間で一致した。

306運命の廻り道(修正) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/04(土) 15:25:37 ID:ptdgmZU60
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【B-2/本能字学園・校庭/夜中】
【鬼龍院皐月@キルラキル】
[状態]:疲労(小)、全身にダメージ(中)、袈裟懸けに斬撃(回復中)
[服装]:神衣鮮血@キルラキル(ダメージ小)
[装備]:体内に罪歌、バタフライナイフ@デュラララ!!、犬吠埼樹のスマートフォン@結城友奈は勇者である、
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(5/10)、青カード(8/10)
    黒カード:片太刀バサミ@キルラキル
    白カード:針目縫
    針目縫の腕輪、鉛筆2本
[思考・行動]
基本方針:纏流子を取り戻し殺し合いを破壊し、鬼龍院羅暁の元へ戻り殺す。
0:これからの行動を決める。まずは一条蛍へ電話をかけてみる?
1:絢瀬絵里が心配。
2:鮮血たちと共に殺し合いを破壊する仲間を集める。
3:纏流子を取り戻し、純潔から解放させる。その為に、強くなる。
4:ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を調べてみたい。
5:襲ってくる相手や殺し合いを加速させる人物は倒す。
6:神威、DIOには最大限に警戒。また、金髪の女(セイバー)へ警戒
7:針目縫の魂(白カード)が最後を迎えるまで監視する。
[備考]
※纏流子裸の太陽丸襲撃直後から参加。
※【銀魂】【ラブライブ!】【魔法少女リリカルなのはVivid】【のんのんびより】【結城友奈は勇者である】の世界観について知りました。
※ジャンヌの知り合いの名前とアザゼルが危険なことを覚えました。
※金髪の女(セイバー)とDIOが同盟を結んだ可能性について考察しました。
※罪歌を支配しました。支配した場合の変形は身体から実際の刀身以上までの範囲内でなら自由です。
※ヴァニラ・アイス(I)の書き込みまでチャットを確認し、自身も書き込みました。

【宮内れんげ@のんのんびより】
[状態]:魔力消費(中)、勇者に変身中
[服装]:普段通り、絵里のリボン
[装備]:アスクレピオス@魔法少女リリカルなのはVivid
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(8/10)、青カード(9/10)
    黒カード:満艦飾家のコロッケ(残り三個)@キルラキル
    飴の入った袋(残り8割)
[思考・行動]
基本方針:どうするん!?
1:うちも、みんなを助けるのん。強くなるのん。
2:ほたるん、待ってるのん。
3:えりりん心配のん。
4:あんりん……ゆうなん……。
5:きんぱつさん、危ないのん?
[備考]
※杏里と情報交換しましたが、セルティという人物がいるとしか知らされていません。
 また、セルティが首なしだとは知らされていません。
※魔導師としての適性は高いようです。
※【キルラキル】【ラブライブ!】【魔法少女リリカルなのはVivid】【銀魂】【結城友奈は勇者である】の世界観について知りました
※ジャンヌの知り合いの名前とアザゼルが危険なことを覚えました。
※金髪の女(セイバー)とDIOが同盟を結んだ可能性について考察しました。
※放送を聞いていません。

【追記】
※旭丘分校のれんげ達の教室内に一条蛍の手紙が落ちています。
※蛍の手紙には臨也のスマホの電話番号が書かれています。
※分校のワープ装置が使用されました。6時間は使用不可です。使用の際、地面が揺れるようです。
※光の帯の内側を破壊すればワープを阻止できる可能性があります。
※衛宮切嗣の遺体とランサーの生首は埋葬されました。
※旭丘分校からの転移先は本能字学園の校庭です。装置に関する説明文の有無や細かい場所は後の書き手さんにお任せします。

307 ◆WqZH3L6gH6:2017/03/04(土) 15:28:01 ID:ptdgmZU60
修正版投下終了です。

308名無しさん:2017/03/06(月) 19:46:24 ID:cnYQ4KAE0
すみません、今になって気付いたのですが、『姉/芝居と姉弟』を見る限り、
ほたるんは分校を出た後、リゼの捜索中に初めて臨也のスマホを確認したような描写があります

また、仮にほたるんが分校にいる時点で臨也のスマホを確認して電話番号まで書き写していたのだとしたら、
その時にほたるんは臨也のメモを見つけなかったのだろうか、という疑問も出てきてしまいます
(臨也のメモには『衛宮切嗣犯人説』も書かれていたので、ほたるんと静雄は『夜に急ぐ』の時点で衛宮切嗣が小鞠殺しの犯人だとおよそ特定できることになります)

ですので、手紙に書かれている電話番号を
『使っているスマホの番号』ではなく『いざという時に連絡するように(臨也から)覚えこまされていた番号』として表記するのはいかがでしょう
慎重な臨也ならば、生前に自分がスマホを持ったまま蛍とはぐれた時の対策のために、
『(語呂合わせなどを使って)蛍にスマホの番号を暗記させておく』ぐらいのことはしてもおかしくありません
(『和を以って尊しと為す』から『One after another endlessly』までの間に、それだけのことをする時間は十分にありました)

その時点では、まだほたるんは『折原臨也の死』について整理がついていなかったので、
れんげの手紙には電話番号を書いてしまったけれど、肝心のスマホそのものを確認することはなかった、とすれば一応の辻褄は通るかと思います

309 ◆WqZH3L6gH6:2017/03/07(火) 00:59:19 ID:xH5quXGw0
>>308
ご指摘とご助言ありがとうございます。
今の予約分の作品でそういった文を書かせていただきます。

310 ◆WqZH3L6gH6:2017/03/07(火) 16:03:54 ID:xH5quXGw0
wikiにて支給品関連でNew Gameの状態表を修正しました。

311 ◆7fqukHNUPM:2017/03/09(木) 22:20:10 ID:jsLiMdYg0
すみません、拙作『姉/姉妹と姉弟』の中で、『スマイルメーカー』で一度接触している遊月と蛍が初対面であるかのように書いてしまいました

現在、後続のパートを◆WqZH3L6gH6氏が予約されていることもありますので、
そのお話の中で蛍がどう描写されても矛盾が生じぬよう、
『やはり面識があった』という形ではなく『(少なくとも『姉妹と姉弟』の時点ではまだ)思い出せなかった』という形で、以下のように修正を行いたいと思います

>紅林遊月は、一条蛍を知っていた。

>最初にラビットハウスを訪れた時に、その場にいた程度の面識しかないけれど、よく知っていた。


>蛍は、飛び込んできた彼女の名前を知らない。

>蛍は、飛び込んできた彼女の名前をとっさに思い出せない。
>十八時間近く前の接触だったし、最初に会った時からは服装が大きく変わっていたし、大量の血を流してやつれた顔は、すっかり面影をなくしていたから。

312 ◆WqZH3L6gH6:2017/03/19(日) 16:19:05 ID:gWHM6Pfg0
wikiで運命の廻り道再修正版を直接投下しました。
ラストと状態表の変更、描写の追加を行いました。
確認をお願いします。
描写の追加等に問題がありましたら修正させていただきます。

313有為転変(修正案) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/22(水) 16:06:48 ID:JFgDyVwk0
有為転変を修正します。
以下の通りです。

※仮投下スレの849
>エルドラは半ば放心している蛍に聞こえるように呟いた。より下を以下のように訂正します。

エルドラは半ば放心している蛍に聞こえるように呟いた。

「紅林遊月……」
「……っ」

蛍は思い出した。18時間近く前に会った"お姉さん"の名前を。
遊月にコーヒーを運んでた時に互いに軽く自己紹介した事を。
遊月がすぐ喫茶店から去った事もあり、これまで蛍は彼女の動向をあまり意識できていなかった。
まさかこんな形で再会するなんて……。蛍は絶句せざるを得ない。

>自身を庇い命を落とした人はこれで2人目。この行からは修正なし。


※仮投下スレの850
>「……。平和島さんどこに?」より下を以下のように訂正します。

「城に行こうと思っただけどよ……エルドラ、向こう魔力とやらが弾けて危険なんだよな」
「今は収まっていると思いますけど、ところであの城には行ったことあるんですか?」
「いや、ねえ」
「休憩場所として選ぶにゃどうかと思いますね。山に入ったら迷いそうな気がしますし」

>「……温泉方面に行こうと思う。途中に家の幾つかはあるだろ」ここから修正なし。


※仮投下スレの854
>静雄は湧き出す感情を抑えながら、柔らかい笑みを浮かべ照れくさそうに言う。より下を以下のように訂正します。


「俺さ、あの時繭がやった事に腹が立って暴れてたんだ」
「……」
「その時、小鞠ちゃんに遭ったんだ。怖がらせて気絶してしまった」
「!?」

314有為転変(修正案) ◆WqZH3L6gH6:2017/03/22(水) 16:07:29 ID:JFgDyVwk0

蛍は思わず顔を近づかせる。

「最初、訳が解らなかったけどよ……」
「?」
「話して見て解ったんだ」
「……。小鞠ちゃん、乱暴者の俺を受け入れてくれたんだ」
「!」
「間違いなくいい子だったよ。上級生として君達の事を守ろうと頑張ろうとして」

蛍の左目から涙が流れた。
静雄は表情を変えずに続けようとする。それがぎこちないものと自覚していても。

「……もっと話を小鞠ちゃんの話を聞きたいか?」
「お願いしますっ」

掠れた声で蛍は言う。鼻水を吸った音がした。静雄は話を続ける。
会話にはやがて蛍による小鞠の思い出話が入り始めた。それでも2人の会話が中断する事はない。
襲撃者も来客もない心からの対話。エルドラは黙って2人のやり取りを聞いている。
その対話は静雄が蛍に対しての隠している感情に気づいても尚続いた。

----------------------------------------------------------------------------------------------------

I:『犬吠埼樹さんのスマホから書き込んでいます。鮮血とアスクレピオスは目的地に到着しました。
途中針目縫と交戦し倒しました』

それはスマホのチャット画面に新たに加わった文章。
3人はそれを意識しながら支給品の再点検を行っていた。
これからの方針についての相談は粗方終えている。
写真立てにはエルドラが立たされていた。
蛍は上目つかいで静雄を見て「主催者は……」と言った。

静雄は黙ったまま真剣な眼差しを蛍を見つめている。
それは繭に対する非道による怒りから来るもの。繭殺害は今の蛍の主義には反する。
だがその根源から来る怒りを蛍は否定できない。だから彼女なりの熟考からきた主張を口出すタイミングを待った。

「俺はあの女のやった事はどうしても許せねえ」

拳を握る音が聞こえた。

「だからアイツに……報いを与えたい」

さっきと同じように殺すとは言わない、それは嘘を付きたいから言葉を変えたのとは違う。
さっきの対話の途中で殺す殺す……発言を蛍に咎められたのが原因だから。
"繭に怒りをぶつける"それだけは誰が相手でも譲れなかった。

「分かりました」
「……」

蛍が強いショックを受けた様子はない。
無理を通した罪悪をちょっと感じながら静雄は安堵する。

「ただ……」
「!」
「もし……主催者に限りませんけど、機会があったら私、話してみたいんです」
「……」
「……」
「解った、できるだけ協力する。だから無理だけはしないでくれ」
「……」
「俺はそこらの銃で撃たれても、……ちょっとの怪我くらいで済むくらい頑丈だから。
 頼っていいんだぞ」
「はい」

蛍はようやく元気を含んだ返事をした。そしてエルドラの方へ顔を向けた。

>「……へ?私はおふたりがする事に反対はしませんよ。何せ支給品ですからねー」この行から訂正なし。

※仮投下スレの861の蛍の基本方針を以下のように訂正します。

基本方針:できる範囲で自分も含めて誰も死なないように行動していきたい。

                ↓

基本方針:誰かを死なせて悲しむ人を増やしたくない。自分の命についてはまだ分からない。


以上です。
これ以上問題がなければ明日にでも本投下させていただきます。

315 ◆WqZH3L6gH6:2017/03/24(金) 15:36:38 ID:ZGOdlsAs0
有為転変をwiki編集の際に状態表と一部の文を微修正しました。
テキストモードで編集してしまった……orz

316目覚めたその部分(修正):2017/05/07(日) 12:41:07 ID:3wUER77g0
❖?と??達

何日か前。天気は曇り。
真っ白な洋室で何人もの年配の男と2人の少女がテーブルを囲んで雑談をしている。
テーブルの中央には小道具があった。今は休憩時間。あるゲームの。
男達は時折少女の機嫌を伺いながらそれぞれの仕事についても話し合い、
特徴的な髪型をした朧気な少女はそれに耳を傾けながら数枚のカードを見つめていた。
残されたもう1人の少女は居心地が悪そうにしつつ、一冊の本を読んで気を紛らわせている。

休憩時間が残り3分になった時、窓のような扉から1人の男が入室してきた。
一同は男に視線を向け報告を待つ。
男はその部屋の中にいる者――本を持つ少女を除いて明らかに立場が下の者。
男は挨拶を一通り終えるや、抱えた紙束の中から正確に報告書を選別するやその内容を告げる。

朧気な少女は報告に眉をひそめつつも眼は好奇に彩られた。
男達は1人を除いて神妙な顔で報告を聞き、例外の老齢の男も顔をひきつらせながらも黙って報告を聞いている。
報告を終えると、男達は苦笑と取れるような曖昧な表情で顔を見合わせた。

一番立場が上の男は朧気な少女に顔を向け、意見を求める。
朧気な少女は手を顎に当てしばし考え、答えが閃くや入室した男に声を掛けた。
もう1人の少女は尚もこの状況に慣れる事無く、ただただ困惑をし続けていた。


・雄二1

山を器用かつ俊敏に駆けながら、風見雄二は一瞬後ろを振り返る。
当面の敵、蟇郡によれば纏流子という名の敵が誤って炎上させた車の煙が空に昇っているのが見えた。
先程までの突き刺すような殺気が迫る気配は無い。

爆発に巻き込まれて追撃できなくなったか?
……などと物事を楽観視できるほど雄二の頭は目出たくない。
更なる体力の消費を覚悟しつつ神経を聴覚に集中させる。

「……」

今は迫る気配はないようだ。
彼は黒カードから腕輪探知機を出し起動させた。
現在地はG-4の山の低所、腕輪の数は一つ。
纏流子はまだ立ち止まっているようだ。
彼は速度をやや落とし、今後の事を深く考え始める。
優先すべきは空条承太郎を始めとする仲間との合流と、もう一人の敵、騎士王――セイバーとの戦いへの加勢。
彼は赤カードからゼリーを現出させ口に入れ、補給をしながらどうすれば戦いを有利に運べるか思案する。

「……!」

油断なく目を配らせていた腕輪探知機の腕輪の数が2に増えたのに気づいた。
緊張を他からのものと錯覚せぬよう、気持ちを落ち着かせ神経を集中させる。
雄二はまたもや速度を上げると、何メートルか横に移動し敵からの逃走を再開した。
微かだがまた死の匂いがしたから。

「……」

武器のベレッタM92の弾丸が尽きた今、雄二が単独で流子に勝てる見込みは殆ど無い。
彼女が着用している装甲服のようなものは露出部分を狙わぬ限り、銃弾でさえ通さない防御力を保持し、
どういう理屈か力なのかは知らないが銃撃をも傘などで弾く技術のようなものさえ持つ。

317目覚めたその部分(修正):2017/05/07(日) 12:41:30 ID:3wUER77g0
それにムラはあれど彼女の攻撃も、まともに喰らえば一撃必殺と言っても過言で無いくらい威力があるもの。
自動小銃のキャリコM950では弾数が少ない上に、取り回しにやや不便で狙撃も困難。
余程の策を持ち要らない限り戦う事さえままならないだろう。
せめて短剣があればと彼は思い山を駆ける。

「……?」

探知機の数は変わらない。
だが追手との距離が開いているような気がしないでもない。
先の戦闘で彼は彼女の左太ももに銃弾を撃ち込んでいる。
この事が原因で彼女の走行速度が落ちたと解釈はできるが、彼の見解は違う。
戦闘の直前、人間離れした勢いで飛空しながら突っ込んで来たのを彼は覚えているから。
その上、彼女は損壊した眼球をも1分も経たずに再生させた針目縫の妹と名乗っていた。
同族なら針目と同等の異常再生力を持っていてもおかしくないし、
それを見越せば被弾した弾丸の摘出も容易に実行できるだろう。

もし仮に再生能力がそれ程でなくても、先の襲撃手段を用いれば――たとえ脚を損傷していても
一気にこちらへの距離を詰める事ができるはず。何故しない?
そう疑問を抱きながら、彼は敵への対応策を練りつつ北上を続けた。

「……」

しばらくして、下腕輪探知機の腕輪の数が1に減じた。
背後に危険な気配はない。

「!」

横目に茶色い建物が目に入る。
雄二は方向転換をし、注意を怠らぬよう身構えつつ山小屋の方へ走った。


・流子1

纏流子は抑えきれぬ苛立ちを募らせながら走る。標的の風見雄二を殺す為に。
だがその速度は先の気絶から覚醒した時からと比べ明らかに遅く、進路も徐々にずれてゆき、
このまま行けば完全に見失ってしまうのは時間の問題だった。

「……」

ギリッ……と歯ぎしりをしながら流子は速度を落とし思案を始める。
まず流子は飛行形態で追跡しようと考えたが、ある事に思いあたりやめる。
言動はどうあれ彼女も雄二や承太郎を侮れない敵と見なしている。
もし仮に強力な飛び道具を持っていたらと警戒しての判断だった。
遮蔽物が無いなら回避してやるが、こういう場所だと承太郎の全力に匹敵する攻撃を空中で回避するのは無理だろう。

彼女は表情だけでも落ち着かせると自らの神衣の袖を目を細めて見た。
小さな焦げがあった。それは炎上した車から脱出する際ついた焼け跡。

「があッ!」

彼女は地団駄を踏み、怒りで身体を震わせる。
車を誤爆させた時の火の粉が付着したのだろう、生命繊維からの快楽に酔いしれている流子にとってその事実は恥ずべき事。
森林に八つ当たりしたい衝動を抑え、どうすれば雄二を発見できるか知恵を働かせる。
彼女は左肩・左太ももを見た。埋め込まれた弾丸はいまだ体外に排出されずにいる。

「どうなってんだ……これは!?」

そう、生命繊維の化物と化した流子にしてみれば、今の状態は今後の活動に差し支えがあるほどおかしい事。
先のセイバーとの戦いの際、彼女は昏倒するまでの重傷を負った。それも傷口から魔力を放出されるという髄まで及ぶ程の。

318目覚めたその部分(修正):2017/05/07(日) 12:41:54 ID:3wUER77g0
そんなダメージを流子は3時間未満の睡眠で全快してのけた。
なのに針目縫との戦闘後それ以上の休憩を取ったに関らず、蟇郡との戦闘からのダメージさえも回復しきっていない。
ゲーム序盤の皐月戦でのダメージからの回復具合からしても、明らかに回復速度が落ちている。

流子は顔を上げ睨みつけるように空を見上げる。
縫が言っていた主催から課せられた能力制限を嫌でも思い出してしまう。
最後に殺す相手と決めている繭の存在がここに来て更に強く印象つけられる。
彼女は忌々しそうに2つの銃創を睨み続けていた。


・雄二2

雄二は今、アナティ城付近の山小屋の中にいる。
先程、キャリコM950から一発の銃弾が発射された。
銃身には数枚のタオルが簡易に巻かれており、いずれのタオルには銃痕がある。
元から発射音は大きい方ではなかったが、雄二は小屋の破損部分から目当てのものをいくつか回収する。
破れたタオルは処分し、入手した間に合わせの武器は接近戦で使おう。徒手よりはましだ。
彼は窓の外を見る。

「……」

流子らしき気配や物影はなく、腕輪探知機の表示にも変化はない。
治療に役立ちそうなタオルなどは回収し終えた。
小屋には他に刃物を突き立てたような刺し傷が床に数か所ある他、微量だが血痕も発見。
擦ると跡形もなく消えた不思議な現象があったが、雄二にとってもう用はない場所。
早く離れねばと考える。
雄二が知る由はないがその小屋は早朝に針目縫が立ち寄った小屋だった。

雄二は鉛筆サイズの金属片数枚と木片数枚を仕舞うと、早急にその小屋を離れ北へ向かった。


・流子2

左肩と左太ももの痛みを意識しながら流子は北へと走る。速度はそのまま。

「……」

流子はさっきその場で弾丸を摘出するのを考えいた。
手術の中、襲撃でもされたら面倒と思い止めたのだ。
いずれの銃弾も深く食い込んでいる、独りである以上屋外での手術は避けようと彼女は判断した。

「!」

流子は小屋を発見した。雄二がいる可能性に気づき思わず口元を歪ませる。
だが、すぐに表情を引き締めると、走行を止め小屋の壁に聞き耳を立てた。
仮に家に入った所で長居する程奴は暢気でないと思えたから。

「……」

気配は感じない。
もっとも他参加者がいた所で神威とセイバー以外はブチ殺すだけだが。
そう思いながら流子は小屋の中に入る。

内部はテレビなどはなく、最低限の生活が出来る程度の物品しか見当たらない。
流子の目からして床にある幾つかの刺し傷と、ある一箇所以外は何の変哲のない家に過ぎなかった。
彼女は落胆したように息を吐いた。だが好都合と気持ちを切り替え、適当にタオルを2枚掴んで腰を下ろす。
青カードからペットボトルを取り出し、中の水を飲む。
そしてペットボトルを床に置き、黒カードから短刀 縛斬・蛟竜を取り出した。

「……」

流子は刃を見つめ考える。セイバーに追い詰められた際、体内の力がこれまで以上に活発化していたような気がした。
なら自身を追い込めば衰えた再生能力も幾分戻る可能性はあるのではと。
刃を胸の方に向けるが止めて、床に置き。今度は両手で首を掴んだ。
本来なら縛斬で身体をかっさばいて体内の重要器官をむき出しにしても再生能力で元に戻るが、
ここではそれを実行するにはリスクが高すぎる。
なら取れる方法は……。

「グッ……グゥ……」

流子は自分の首を強く締め始める。
道具抜きで自殺(の一歩手前)を実行するにはこれがてっとり早いから。
針目縫でさえ制限なしでも完全に斬首されれば命を落とす。流子も例外ではない。

「…………ッ!! …………ッ、ッ」

首は引き絞られるように歪み、顔には血管が浮かび上がり変色もしている。
それに反し肉体は熱を帯びている。いくつかの傷が閉じ治り、銃創も蠢き出血を始める。
しかし。

――たま、が出ねえ

本来ならここでの針目縫のように、再生能力で持って銃弾も自然に排出されただろう。
だがここに置いてはそれ程の力は発揮できない。仮に先のセイバー戦で被弾していても排出はされなかっただろう。
流子の意識が真っ黒い空間に落ちていく。
顔の穴から体液をダラダラと流しながら、流子は死ぬ2歩手前くらいの状態で白目を向き、手を首から離した。

うつ伏せに倒れ、しばし痙攣を繰り返しながら顔を上げる。
両手を床につき、激しく呼吸を繰り返す。

「ゼぇ……ゼェ……」

ごく小さな傷は完治したかも知れぬが、銃創や骨折は完治できる見込みは無い。
――割に合わない。流子は自殺未遂は再生能力の活性化にさして効果ないと判断する。
流子は残りの水を飲み干すと、黒カードから再び縛斬を取り出し刃を左肩へと向けた。
息をつき、周囲を見る。視界は薄暗い。体温はまだ高く妙な高揚感さえ湧き出る。
弾丸を摘出するなら今の内だ。流子はそう決断すると短刀の切っ先を左肩の銃創へ突き立てた。

319目覚めたその部分(修正):2017/05/07(日) 12:42:37 ID:3wUER77g0

「………………………………………………」

弾丸の摘出は終わった。
切開した傷は短時間で閉じられ、完治には遠いもののさっきよりは動かせるだろうと推測できるくらいまでは
ましになったと思える。傷口には生命繊維がきつく巻かれていた。

「……はぁ」

流子は疲労からの溜息をつく。
天井を見る。何の変哲もない、きれいな天井。
すぐに起き上がり風見雄二への追跡を再開する気も起こらない。
それほどまでに疲れていた。疲労感と共にもどかしさが流子の胸中を廻る。
首を横に向ける。小綺麗な壁と家具が見えた。
流子の耳に砂が混じるような音が聞こえた。何度も何度も。
煩わしいと思う間もなく、夜の帳が降りるように流子の意識は落ちていく。
それを拙いと思い流子はしばし考えた。彼女は独り、頼れる相手は……。
彼女はひと声かけた。

「純潔、見張ってくれ」

純潔が動いたような気がした。
ここに来て初めて己の神衣に話しかけた流子は瞼を落とし眠りに着く。
アイツん家と違ってきれいな家だなと思いながら。

----------------------------------------------------------------------------------------------------

いつか見た光景がそこにはあった。もう何年も前の事のように思える。
明らかなボロ家の中で4人と1匹の家族が少女に対し土下座をしている。
それはもうすがすがしいまでのあやまりっぷりで。

「……」

少女は彼女等を切り捨てようかと思った。もう自分は人ではないから。
でも口に出た言葉はあの時と同じものだった。

「今度あんなことしたら容赦しないよ」

少女は苦笑いで応えている、一家は「ははー」と応えると顔を上げ夕食に取り掛かる。
ひとりを除いて一家はあの時と変わらなかった。

「……」

少女は胸のむかつきを覚えつつ、何の拒絶の言葉も言い出せないでいる。
――堂々巡り。そんな単語が脳裏に浮かんだ。
思えばあの時も自分が強く出られなかったからあの一家は暴走した。
今はさっさと切り捨てればいいと思っているのに、私はそれができないでいる。
おかしい。何でだ? これではこれまでと同じじゃねえか……。

少女は顔をしかめつつ思わずアイツの姿を探した。

「?!」

少女は一瞬アイツの姿を見た。だが次の瞬間掻き消えるようにいなくなった。

320目覚めたその部分(修正):2017/05/07(日) 12:43:05 ID:3wUER77g0

少女は絶句する、数秒遅れて慌てたようにアイツの父親に声をかけた。
だが彼は始めっから娘がいないかのように振る舞っている。他の家族も同様だった。
少女は声を張り上げようとした、だが薄気味悪さに震え声を出せない。

少しして窓の向こうに巨大な人影が見えた。
少女は顔を歪ませ窓の方へ向く。一家はそれをきょとんと見つめている。
すると巨大な人影は家から離れていった。
困惑と動揺が少女の胸中を駆け巡る。なんだあいつは?
少女は思わず走り出した。
大男の後ろ姿が見える。彼は徒歩とは思えぬ速度である建設物が存在する方角へ向かっている。
本能字学園に。
少女は怒りと焦りが混じった形相で大男を追いかける。
追いつけない。途中、大男は半透明と気づく。
けどそれに構わず走った。

「!!?」

突然、何かに掴まれたように足の動きが止まった。
たまらず転倒する。信じられないような表情で少女は地面を見る。
そこには1枚の何も描かれていないカードがあった。
大男がさらに遠ざかるのを気にしつつ、少女は怒りを込めてカードへ向かい拳を振るう。
だが、拳がカードに触れた瞬間、地面から白と黒の触手のようなものが現出し少女を捕らえた。
脱出しようともがくが、まるで通じない。自分を遥かに超える力かも知れない……!
自分にはもう無くなった筈の感情をむき出しにしながら、少女は巨大なカードに吸い込まれていった。

----------------------------------------------------------------------------------------------------

・流子3

「?!」

驚愕の表情で流子は目を覚ました。純潔が何事かと身じろぎをする。
流子はなんとか気を落ち着かせようとする。

「……ハァ、ハァ、ハァ」

流子は青カードからスポーツドリンクを出して飲む。
苛立ちと焦りのような感情は消えないが、多少は落ち着いた。
現状を把握すべく頭を働かせる。
……睡眠時間は数分かあるいは数時間か?

「……」

すごく嫌な夢を見た。それは恐れる物は無くなった筈の彼女が恐怖を感じさせる内容。
闇か光のような不定形のものが自身を予想もつかない遠くに連れ去っていくもの。
他にも何かがあったかも知れないが流子が覚えているのはそれだけだった。
流子は額の汗を手で拭う。

「……」

数秒の間を開けた後、彼女は純潔に話しかけた。

「見張りありがとよ」
『……』

純潔の双眸が怪訝そうに歪んだ。
だが流子はそれに構わず自らの神衣を見つめる。
胸元を見る。従来なら固く閉じられているはずの前面が、胸元だけ不自然にはだけていた。
良くないなと彼女は思った。そこを狙われると拙いと思えるほどの隙間だ。
支給品の生命繊維の糸束はまだ充分にある。
それを使って修繕できないだろうかと流子は思った。
裁縫道具を見つけるべく小屋内の物色を始める。

「……………………………………チッ!!」

見つからなかった。
もっとも仮にあったとして神衣を修繕できる道具はおいそれとして存在しないが。

「……クソッ」

他に方法はないかと考える内に縫の顔が浮かぶ。流子は脳裏からすぐに縫の顔を消し吐き捨てた。
針目縫なら純潔の修繕も可能かも知れない。だが先にこちらが敵対行動を取ったのでそれはもう後の祭だ。
流子は手が出るよりも気が滅入り、思わず仰向けに寝転がった。



・雄二3

雄二は入手した布で応急処置を終えるや、北東の方角を見る。
小屋から離れてだいぶ時間が経つ。纏流子からの逃走を始めて3時間は過ぎたか。
遠くから白い物体が北上しているのが見えた。結構な速度だ。

321目覚めたその部分(修正):2017/05/07(日) 12:43:32 ID:3wUER77g0

「……」

現在、雄二はF-4の南西にいる。白い物体――纏流子からは結構距離が離れている。
雄二は北上しF-4のほぼ中央まで移動した時、流子を撒けたと判断し仲間と合流すべく南下していた。
白い物体は纏流子か。ツイてないのかな。彼は一瞬渋い顔をし見つからぬよう観察を始めた。

「……」

相手はこちらに気づく様子はない。
だが雄二は彼女の様子がさっきまでとだいぶ違う事に気づき、更に注意深く観察する。
流子は手にボールのようなものを持っている。
武器以外の支給品を使用してきたかと雄二は推測した。
人かどうか怪しいが言葉を解するなら知能を持つ生物なら道具に頼るという選択は当然だろう。
ただその試みは向こうにとって成功かどうかはまでは読み取れない。

「……立ち止まった?」

やがて彼女は足を止め、出したボールを仕舞った。
流子は途方に暮れたように周囲を見回している。
今の内に西か南に行けば完全に引き離せるかも知れない。雄二はそう考えた。
流子は更に1枚のカードを出し、首をひねりながら考え始めた。
……奴の支給品の内容を確認したい気はある、だが集中している今なら逃走は確実と思える。
どうする?



【F-5/南西/夜中】

【風見雄二@グリザイアの果実シリーズ】
[状態]:ダメージ(中、処置済み)疲労(小)右肩に切り傷(処置済み)、全身に切り傷 (処置済み)
[服装]:美浜学園の制服
[装備]:キャリコM950(残弾半分以下)@Fate/Zero、ベレッタM92@現実(残弾0)
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(7/10)、青カード(7/10)
   黒カード:マグロマンのぬいぐるみ@グリザイアの果実シリーズ、腕輪発見機@現実
   歩狩汗@銀魂×2、旧式の携帯電話(ゲームセンターで入手、通話機能のみ)
   小さな木杭3本、小さな鉄杭3本、タオル2枚、包帯代わりの布2枚、包丁一本(低品質)
[思考・行動]
基本方針:ゲームからの脱出
   0:承太郎達と合流する為にすぐに南か西に向かうか。
     あるいは纏流子の出方を見てから行動するか。
[備考]
※アニメ版グリザイアの果実終了後からの参戦。
※折原臨也、衛宮切嗣、蟇郡苛、空条承太郎、紅林遊月、言峰綺礼と情報交換しました。
※キャスターの声がヒース・オスロに、繭の声が天々座理世に似ていると感じました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。
※言峰から魔術についてのおおまかな概要を聞きました
※纏流子の純潔の胸元に隙間があるなどの異変に気づいています。
[雄二の考察まとめ]
※繭には、殺し合いを隠蔽する技術を提供した、協力者がいる。
※殺し合いを隠蔽する装置が、この島のどこかにある。それを破壊すれば外部と連絡が取れる。
※第三放送を聞いていません。
※城近くの山小屋から武器になりそうなものを入手しました(鉛筆サイズの即席の木杭3本、即席の鉄杭3本、包丁一本(低品質))



・流子4

流子は遠見の水晶球を苛立たしげに見つめると黒カードに収納する。
風見雄二捜索に役立つと思い初めて使用したが、どうも有効範囲が広くない上に視点のコントロールも練習が必要なくらい不便な物だった。

322目覚めたその部分(修正):2017/05/07(日) 12:43:52 ID:3wUER77g0

逃走中の相手を探すのには向いていないと流子は判断した。
睡眠を取る前の彼女ならそのまま水晶球を破壊していたかも知れない。
だが自ら死ぬ直前に追い込んだショックと悪夢を見たショックもあってか、
少々ではあるが慎重な行動を取れるくらいにまでには抑制が可能になっていた。
残る支給品で捜索に役立つものはないかと流子は焦りとともに考えを巡らせる。

「……!」

流子は1枚のカードを取り出し裏面を確認する。
そしてカードを振る。草木をかき分けなぎ倒す音と共に一台のトラックが出現した。
流子は表情を変えないまま、手元にあるPDAの画面を見る。PDAはトラックとセットになっている支給品の一部。
画面には会場図が表示されており、ランドマークも表示されている。
だが通常の地図と違う点があった。

「……放送局がぶっ潰れたのか」

ランドマークは通常は青色の丸印で位置が解るようにされている。
その中で破壊された施設は灰色で表示される。
流子は放送局に少々興味を持つが、頭を振りすぐに当座の目標に意識を戻すと今後の作戦を練る。

……悔しいが風見雄二は見失ったと思わざるを得ない。
睡眠を取った事で大きなロスが生じてしまった。それは受け入れよう。
だが諦めた訳ではない。当面においても。
流子は若干たどたどしい手つきでPDAの操作を始めた。その目は座っている。

操作を終えるとトラックからくぐもったような音声が聞こえた。

『目標地はどこに設定いたしますか?』

流子はPDAの地図を見る。
主催の都合次第で破壊できない施設があるという説明文があったが、現在は禁止エリアを除いて
全てのランドマークか指定エリアの中央を破壊対象に設定できるようだ。
流子は考える。
辛気臭い分校か、南東の駅か、あるいは……。
彼女は熟考の末、目標を決定しスイッチを押した。
間桐雁夜の支給品で説明文いわく、支給品の中でも最大級の破壊力を持つ武器。
――自動車爆弾の標的を決めた。

『……を目標へ設定いたしました』

音声とともにトラックは独りでにエンジンをふかし、草木の抵抗を物ともせ比較的低速で移動を始める。

「……」

流子は黙ってカードから番傘を出すと、車体の横に突きを繰り出した。
固いものに阻まれた感触がする。流子は次に傘を振りかぶり4度本気で打ち据込んだ。
いずれも固いものに阻まれる感覚。傘の方がきしんだ。
縛斬を取り出し二度斬りつける。今度は車体に傷が入ったが。それはごくごく薄い傷だった。

「……へえ」

流子は軽い感嘆の声を上げた。
戦闘力が低下しているとは言え、そこらの車なら簡単に穴を開けたり、豆腐のように切ったりできる攻撃を受けてもダメージは殆どないのだ。
説明文にはどんな強い参加者でも容易に破壊できないとの記述があった。
真偽を確かめてみたが、偽りは無さそうだ。

『警告です。当自動車が機能停止しますと■分後に爆発いたします』

323目覚めたその部分(修正):2017/05/07(日) 12:44:10 ID:3wUER77g0

流子は遅れたその警告を鼻で笑うと、縛斬と番傘を黒カードに収納する。
草木をなぎ倒して進むトラックにしがみつき、上まで登る。
警告は一度きりだった。運転席には乗り込まない。これは手動で運転できる機能はないから。

自動車爆弾を起動させた流子の目的は爆弾を用いて参加者を直接葬る事ではない。
自動車爆弾での会場全体に響き渡るとされている爆発によって、参加者をおびき寄せるのが狙いだ。
今なら雄二もそれほど遠くに行ってはいないだろう。ただの爆発なら近寄ろうとするのはいないか僅かだろうが。
想定以上の大規模破壊なら少々タイミングを遅らせて調査に出向くはず。
万が一誰も来ずとも、爆発を見ればこちらの気が多少は紛れるかも知れない。
状況次第では停車させれば済む話。何の問題もない。

流子はトラックの屋根に座り、獲物がいないかと注視する。
見当たらないが、見つけられなかったなら爆発の範囲内に移動するまでに下車すればいいだけの事。
流子は口元に笑みを浮かべ下方を見つつ索敵を続ける。

機嫌が少々良くなったからか、流子は先程の夢の内容をちょっとだけ思い出していた。
ただそれは満艦飾一家のではなく、マコが消えたという内容だけを。

「……」

潰れた顔をしたマコの生首を思い出し、流子は顔をしかめ耐える。
所詮、生前のアイツと関係の無い生ゴミに等しい残骸と尚も自分に言い聞かせる。

「……」

少しだが吐き気がした。流子にはその原因は分からなかった。
原因は戦闘による疲労によるものと強引に解釈し、マコの事は胸に押し込め忘れようと決める。
あの時、できる事は何も思い浮かばなかった。だから放送局をすぐに去ったのだ。
声を上げずに笑った。辛いことを吹き飛ばすように、母親 鬼龍院羅暁の栄光を頭に思い描きながら、こっそりと。
流子は所持しているそれぞれの黒カードの裏を確認し始める。
これまでと違い、使えるすべてを活用し優勝を確実なものにする為に。
その姿は大きな流れに乗って楽しんでいる子供のように見えた。


【F-5/中央/夜中】

【纏流子@キルラキル】
[状態]:全身にダメージ(中)、左肩・左太ももに銃創(糸束で処置済み)、疲労(中)、精神的疲労(極大)、
    数本骨折、説明しきれない感情(恐怖心?)
[服装]:神衣純潔@キルラキル(僅かな綻びあり)
[装備]:縛斬・蛟竜@キルラキル、自動車爆弾@現実?
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(19/20)、青カード(17/20) 、黒カード×1(ジャンヌ、確認済み、武器とは取れない)
    黒カード:生命繊維の糸束(一割消費)@キルラキル、遠見の水晶球@Fate/Zero、花京院典明の不明支給品0〜1枚(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す
   0:自動車爆弾を爆破させ、引き寄せられた参加者を狙う。
   1:次に出会った時、雄二と皐月と鮮血は必ず殺す。
   2:神威を一時的な協力者として利用する……が、今は会いたくない。
   3:消える奴(ヴァニラ)は手の出しようがないので一旦放置。だが、次に会ったら絶対殺す。
   4:針目縫は殺す。
   5:純潔の綻びを修繕したい。
   6:マコの事を忘れたい。

324 ◆WqZH3L6gH6:2017/05/07(日) 12:44:49 ID:3wUER77g0

[備考]
※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。
※DIOおよび各スタンド使いに関する最低限の情報を入手しました。
※満艦飾マコと自分に関する記憶が完全に戻りました。
※針目縫に対する嫌悪感と敵対心が戻りました。羅暁への忠誠心はまだ残っています。
※第三放送を聞いていません。
※肉体のダメージは前の話よりは良くなっています。
※雄二が比較的近くにいるのに気づいていません。
※現在自動車爆弾は屋根に乗った流子と共に健在のランドマークか各エリアの中央のいずれかにへ向けて移動しています。
 妨害がなければ一定時間後に標的の施設は爆破されます。


・支給品説明

【自動車爆弾@現実?】
間桐雁夜に支給。
操作用のPDAとセットになっている。爆弾の形状はトラックで細かい所は書き手さん任せ。
自動操縦のみで手動での運転は不可。運転席にはコンピューターがあり上手く操作できれば停止も可能(ただし困難)。
PDAはタッチパネルと地図が表示されており、ランドマークやエリアを指定する事により爆弾の行き先を決定できる。
ただし禁止エリア及び主催が破壊に不都合と判断した施設等があった場合標的に指定はできない。
破壊された施設は灰色で表示される。禁止エリア等の細かい所は書き手さん任せ。
エリア中央に行くかランドマークと接触すればその場で爆発する。なお爆発範囲はカードの説明に記載されている。

爆弾の威力は至近距離で爆発に巻き込めばどの参加者も死に至らしめるほど。
少なくとも放送局やホテル、病院は確実に破壊できる。範囲はそれほど広くない。爆発音は会場全体に響くほど大きい。
同時に車体の強度も異常でセイバーや針目縫、神威といった最強クラスの武器持ち参加者でも容易に破壊できないほどのものである(原理は不明)。
仮に移動不可になるまで破壊してしまった場合、数分後に爆発するようになっている。
欠点は起動者以外の参加者が一定距離まで接近するとトラックから退避の警告がされる事。
爆発の範囲外に逃れると警告はストップする。速度は人の徒歩より多少早い程度。ひき逃げには向いていない。
爆弾の停止方法はPDAを破壊するか、起動者が停止のスイッチを押す。コンピューターを操作し停止させる、主催が遠隔操作で停止させるのがある。
一度停止した場合、再設定には1時間の間隔が必要。

モデルは原作Fate/Zeroで触れられた衛宮切嗣発案の対言峰綺礼用の自動車爆弾。
ロワの主催はそれを元案にして対最強クラスの参加者用にこの爆弾を制作したものと思われる。

325 ◆WqZH3L6gH6:2017/07/01(土) 12:56:36 ID:dsk5bgjY0
題名未定(黒き呪縛は灰色の祝福)の本投下の際、状態表を全面的に修正しました。
本文も仮投下の>>887のご指摘を受けて少々加筆修正しました。

326 ◆WqZH3L6gH6:2017/07/03(月) 08:45:23 ID:IBLxajLQ0
黒き呪縛は灰色の祝福内の桂、コロナ、神威の現在位置を以下に修正します。

【G-6/道路/夜中】から【G-7/道路/夜中】


【?/?/夜中】※G-6の駅のホームか、G-6/道路で桂と同行。
を【?/?/夜中】※G-6の駅内か、G-7/道路で桂と同行。

327 ◆WqZH3L6gH6:2017/07/03(月) 09:08:11 ID:IBLxajLQ0
>>326はミスです

G-7/道路→H-6/道路

328 ◆WqZH3L6gH6:2017/08/19(土) 07:48:06 ID:g6SNAVaY0
本スレ98の纏流子の[思考・行動] が抜けていたのと、本スレ97の承太郎の状態表の記述に間違いがあったので以下を追記、及び訂正します。



[思考・行動]
基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す
   0:さっき殺したヤツ(香風智乃)がいる場所に向かいつつ獲物を探す
     自動車爆弾が爆発したらそちらに向かう。
   1:次に出会った時、雄二と皐月と鮮血は必ず殺す。
   2:神威を一時的な協力者として利用する……が、今は会いたくない。
   3:消える奴(ヴァニラ)は手の出しようがないので一旦放置。だが、次に会ったら絶対殺す。
   4:針目縫は殺す。    
   5:純潔の綻びを修繕したい。
   6:マコの事を忘れたい。


【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大?、ある程度回復した可能性あり)、精神的疲労(小)、胸に刀傷(中、処置済)、全身に小さな切り傷、
    左腕・左肩に裂傷(処置済み)、貧血(大)、強い決意、焦り(小) 、神代の酒による酔い(小)。
[服装]:普段通り
[装備]:レッドアンビジョン(花代のカードデッキ)@selector WIXOSS(解放中)
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(37/38)、青カード(35/37)
黒カード:約束された勝利の剣@Fate/Zero、不明支給品0〜1(言峰の分、確認済み)、スパウザー@銀魂、
         キュプリオトの剣@Fate/zero 、不明支給品1枚(ことりの分、確認済み)、神代の酒@Fate/zero (3分の1消費)
    現地調達品:雄二のメモ、噛み煙草、各種雑貨(ショッピングモールで調達)


本スレ98の神代の酒の記述に以下の文を追加
南ことりに支給。完全に効果を発揮するには全部飲み干す必要があり。

酒。を酒なのである程度以上飲むと酔うので注意。に訂正。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板