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修正SS投下スレ
44
:
◆X8NDX.mgrA
:2015/08/23(日) 13:10:09 ID:rNqkLMx20
また、拙作を読み返していて描写の不十分に感じられる点があったので、
勝手ながらそこも修正させていただきます。
◆
温泉から脱兎のごとく飛び出してきた風は、しばらく走ってから道端の木にもたれかかった。
額に浮かぶ汗は、全力疾走したことだけが原因ではない。
(東郷……)
風が東郷を発見したのは、本当に偶然だった。
勇者部の仲間に、どうして接触しようと考えたのかは分からない。
しかも、大剣で襲いかかるという最悪の方法での接触を選んだわけも分からない。
せめて奇襲に失敗してから、すぐに逃走していればよかったのだ。
そうすれば東郷との会話を経て、より心が不安定になることはなかっただろう。
(アタシ、どうして……?)
風はぐらぐらしている脳でどうにか考えようとする。
自分自身のとった妙な行動、その意味を。
そうして数分後、あることに気付く。
自分は勇者部の中でも一際冷静な東郷と交流することで、安定したかったのかもしれない、と。
(そっか、アタシ……不安だったんだ)
考えるうちに、風は自身の不安定さに気付いた。
そしてその不安定を埋めるために、誰かと接触したがったのだということにも。
友奈や夏凜の『勇者』であろうとする姿は、今の自分には眩しすぎる。
樹のことは心配ではあるが、姉である自分を信頼してくれている少女の前に、今は姿を出したくない。
ならば、彼女らと比較して東郷はどうか。
部活動中も、戦闘時にも、沈着冷静な態度で判断を下す。
そんな東郷美森という後輩は、先輩である風からしても頼れる存在だった。
(もしかしたら、とは思っていたけど)
そこに「東郷も優勝を目指すかもしれない」という偏見が重なる。
勇者システム=死ねないシステムだと発見したのは東郷だ。
友奈や樹、夏凜と違って、最初から大赦に懐疑的だったのは東郷ぐらいだ。
風の知る限りの東郷の今までの行動が思い起こされ、風は東郷にある期待を抱いた。
すなわち、「東郷なら自分を理解してくれるんじゃないか」という身勝手な期待。
勇者部の中で、大赦を潰すという目的を理解してくれるのは東郷だけであろうという期待。
それがあったからこそ、風は東郷に奇襲をしかけたのだ。
殺し合いに乗ったことを宣言せずに、けれども確実に相手に伝えるには、襲うのが手っ取り早い、と考えてのことだ。
もちろん、その後のことを風が深く考えていたのかどうかは定かではない。
東郷に具体的にどういう対応を求めていたのかも、風自身が分かっていない。
そして結果は、散々なものだった。
「はぁ……自己嫌悪よ、もう……」
奇襲、言い逃れ、そして逃走。
我ながら、支離滅裂な行動にも程がある。
風はもたれかかっていた木に背中を預けて、力なく座り込んだ。
つい先程の会話が、テープで再生したかのように脳内に浮かんでくる。
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