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避難所スレ
340
:
『ただいま』はまだ言えない
◆/D9m1nBjFU
:2019/03/13(水) 11:54:09 ID:g18NNawM0
「うん。バーサーカーの力押しは確かに強いけどそれ一本じゃ簡単には押し切れない。
わたしたちも戦ってバーサーカーを援護しないと勝てるものも勝てない。
それにマスター狙いの攻撃も多いから守りを固めておくのは大事」
『……そう、ですね』
だがそれでどうなった。
まんまとテンカワ・アキトの術中に嵌り敗北したではないか。
あの敗戦にしてもたまたまアキトに美遊を利用する目論見があったから首の皮一枚繋がっただけで本来なら死んでいる。
美遊がさしたる力を持たない子供のように振る舞おうとも聖杯戦争という現実は誤魔化せやしない。
力を見せつけようがそうでなかろうが他の主従は当然のセオリーとしてマスター狙いを実行してくる。
であれば最早能力の出し惜しみなどしていられる状況ではない。
本気を出し惜しんだまま殺されるようならそんな本気は存在しないも同然だ。
畏怖されようと警戒を招こうと持てる力を出し切らねば生き残ることはできない。
(ホシノ・ルリ……私は貴方が恨めしい)
もし、もしもここに至るまでのどこかで美遊を預けるに足る信頼できるマスターがいたならば。
殺し合いに乗らずに月からの脱出、ないしは聖杯戦争の打破を目的とするような善良な誰かと出会えていれば。
美遊が優勝を目指す意志を固めてしまう事態を避けることができたのかもしれない。
だが結果としてそうはならなかった。
美遊の幼稚園児以下の対人折衝能力も要因の一つではあっただろう。
少なくともアンデルセンから早々に逃げ出したことやアキトに令呪を使わされたことに関してはこちらにも明確な非があった。
しかし彼女―――ホシノ・ルリだけは違った。
◆ ◆ ◆
―――その可能性は予想できていたことだったが、しかし出来ることなら的中してほしくはなかった。
「出来れば───貴女が知っていることを、話してもらえないでしょうか」
昨日の午後から夕刻に差し掛かるあたりの頃、交戦の意思はないと言いながら美遊の前に現れた警察官らしき女性、ホシノ・ルリ。
彼女との対話には常に緊張感が漂っていた。とりわけ美遊の警戒心は過剰なまでに高まっており、あるいはルリは美遊のそういう態度に思うところがあったのかもしれない。
だがサーヴァントを連れたマスターがマスターとして交渉に臨む以上互いが臨戦態勢を取るのは至極当然の話だろう。
あくまで日常の延長で、表向きでも一人の神父として美遊に関わったアンデルセンの時とは会話をする上での前提が違う。
ましてやあの場所はサーヴァント同士が戦闘を行う上で騒ぎになりにくい絶好のロケーションだった。
これで騙し討ちを警戒されないとでも思っていたのだろうか?
会話をしていても、美遊の警戒心が高まるのも無理はない胡散臭さだった。
聖杯に関してルリも考えるところがあったのだろうが、それにしても脱出するつもりなどと嘯きながらその実具体的なことに関しては何一つ触れようとしなかった。
また話し方も美遊から一方的に情報を引き出そうとカマをかけているのがサファイアから見ても手に取るようにわかった。
もっともルリからすればサファイアが聞いていることなど想定していなかっただろうから当然の話ではあるが。
だからその瞬間にも顔色一つ変えずに対処できた。
美遊が月の聖杯の実在について言及していたその時の出来事だった。
ルリの合図とともにライダーが腰に装備していた銃を美遊目掛けて発砲してきたのだった。
……事前にライダーが一瞬銃に目線を向けたことを念話で美遊に知らせておいて正解だった。
おかげで美遊も取り乱すことなくルリの仕掛けた暗殺に対処することができたのだった。
あるいは、ルリも美遊に何某かの警戒の念を抱いたが故の行動だった可能性もないではない。
実際美遊はあの時点で聖杯を獲る方向に心が傾いていたのでそこを感じ取ったのかもしれない。
だが、だとしてもあの程度のことで会話を放棄しサーヴァントに銃を撃たせるようなマスターではどちらにせよ美遊を預けるに足る人間ではあるまい。
あちらから持ち掛けた会話であればなおさらだ。
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