[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
避難所スレ
340
:
『ただいま』はまだ言えない
◆/D9m1nBjFU
:2019/03/13(水) 11:54:09 ID:g18NNawM0
「うん。バーサーカーの力押しは確かに強いけどそれ一本じゃ簡単には押し切れない。
わたしたちも戦ってバーサーカーを援護しないと勝てるものも勝てない。
それにマスター狙いの攻撃も多いから守りを固めておくのは大事」
『……そう、ですね』
だがそれでどうなった。
まんまとテンカワ・アキトの術中に嵌り敗北したではないか。
あの敗戦にしてもたまたまアキトに美遊を利用する目論見があったから首の皮一枚繋がっただけで本来なら死んでいる。
美遊がさしたる力を持たない子供のように振る舞おうとも聖杯戦争という現実は誤魔化せやしない。
力を見せつけようがそうでなかろうが他の主従は当然のセオリーとしてマスター狙いを実行してくる。
であれば最早能力の出し惜しみなどしていられる状況ではない。
本気を出し惜しんだまま殺されるようならそんな本気は存在しないも同然だ。
畏怖されようと警戒を招こうと持てる力を出し切らねば生き残ることはできない。
(ホシノ・ルリ……私は貴方が恨めしい)
もし、もしもここに至るまでのどこかで美遊を預けるに足る信頼できるマスターがいたならば。
殺し合いに乗らずに月からの脱出、ないしは聖杯戦争の打破を目的とするような善良な誰かと出会えていれば。
美遊が優勝を目指す意志を固めてしまう事態を避けることができたのかもしれない。
だが結果としてそうはならなかった。
美遊の幼稚園児以下の対人折衝能力も要因の一つではあっただろう。
少なくともアンデルセンから早々に逃げ出したことやアキトに令呪を使わされたことに関してはこちらにも明確な非があった。
しかし彼女―――ホシノ・ルリだけは違った。
◆ ◆ ◆
―――その可能性は予想できていたことだったが、しかし出来ることなら的中してほしくはなかった。
「出来れば───貴女が知っていることを、話してもらえないでしょうか」
昨日の午後から夕刻に差し掛かるあたりの頃、交戦の意思はないと言いながら美遊の前に現れた警察官らしき女性、ホシノ・ルリ。
彼女との対話には常に緊張感が漂っていた。とりわけ美遊の警戒心は過剰なまでに高まっており、あるいはルリは美遊のそういう態度に思うところがあったのかもしれない。
だがサーヴァントを連れたマスターがマスターとして交渉に臨む以上互いが臨戦態勢を取るのは至極当然の話だろう。
あくまで日常の延長で、表向きでも一人の神父として美遊に関わったアンデルセンの時とは会話をする上での前提が違う。
ましてやあの場所はサーヴァント同士が戦闘を行う上で騒ぎになりにくい絶好のロケーションだった。
これで騙し討ちを警戒されないとでも思っていたのだろうか?
会話をしていても、美遊の警戒心が高まるのも無理はない胡散臭さだった。
聖杯に関してルリも考えるところがあったのだろうが、それにしても脱出するつもりなどと嘯きながらその実具体的なことに関しては何一つ触れようとしなかった。
また話し方も美遊から一方的に情報を引き出そうとカマをかけているのがサファイアから見ても手に取るようにわかった。
もっともルリからすればサファイアが聞いていることなど想定していなかっただろうから当然の話ではあるが。
だからその瞬間にも顔色一つ変えずに対処できた。
美遊が月の聖杯の実在について言及していたその時の出来事だった。
ルリの合図とともにライダーが腰に装備していた銃を美遊目掛けて発砲してきたのだった。
……事前にライダーが一瞬銃に目線を向けたことを念話で美遊に知らせておいて正解だった。
おかげで美遊も取り乱すことなくルリの仕掛けた暗殺に対処することができたのだった。
あるいは、ルリも美遊に何某かの警戒の念を抱いたが故の行動だった可能性もないではない。
実際美遊はあの時点で聖杯を獲る方向に心が傾いていたのでそこを感じ取ったのかもしれない。
だが、だとしてもあの程度のことで会話を放棄しサーヴァントに銃を撃たせるようなマスターではどちらにせよ美遊を預けるに足る人間ではあるまい。
あちらから持ち掛けた会話であればなおさらだ。
341
:
『ただいま』はまだ言えない
◆/D9m1nBjFU
:2019/03/13(水) 11:55:38 ID:g18NNawM0
「正直、あそこで撃たれるとは思ってなかった」
「確かにわたしはあの時から聖杯戦争に乗り気になった。でもだからといってあの場でいきなりあの人を殺そうとしたわけじゃない。
第一、まだ彼女からほとんど何の情報も聞けてなかったのにそんなことをする意味がないし論理的に破綻してる。…信じて、サファイア」
ルリとの戦闘を終えたすぐ後、当然サファイアは美遊に真意を問うた。
美遊が他者に過剰なまでの警戒心を抱いていることはわかっていた故に、もしや本当にルリに殺意を向けていたのではないかという疑念もあったからだ。
しかしやはりというべきか、論理を重んじる傾向にある美遊だからこそあの場では警戒心や敵意はあっても行動に移すほど軽率ではなかった。
真に軽率と謗られるべきはやはりあのホシノ・ルリだった。幼子相手に一方的に情報を聞き出して用が済めば即射殺に移るとは。
一応、ルリとの会話から戦闘、そして美遊たちが戦域から離脱するまでの流れはサファイア自身の機能によって動画として録画・保存してある。
これは姉妹機であるマジカルルビーに搭載されているものと同じものだ。
元よりカレイドステッキはクラスカードを回収するために貸し出されたものであり、その記録を得るために有用な機能が同型機のサファイアに搭載されていないはずもない。
とはいえ今となっては戦闘の記録を確認する以外に用途があるとは思えないが。
いや、今の美遊と対話が成立して、かつ記録した映像を見て美遊に同情を示してくれるような都合の良いマスターでもいれば別なのだろうが、そんな者はいないだろう。
ともかく、ホシノ・ルリに関しては脱出を目指しているという言が虚であれ実であれ危険人物であることに疑いを挟む余地はない。
仮に脱出目的だとしてもその過程で他人の命について斟酌するとは到底考えにくい。
加えて彼女は方舟において警察機構に属している人間だ。美遊とサファイアで起こした先ほどの事件についても把握しているかもしれない。
テンカワ・アキトが陥れられた可能性に気づくことも有り得る。十分に注意が必要だ。
◆ ◆ ◆
思案しているうちに、新都と深山町を分けるちょうど境目まで出ていた。
今美遊たちがいるのはA-7、冬木市の最北端の上空を飛行して一日ぶりに深山町エリアへと戻ろうとしていた。
何故このような場所を通ることを選んだのか。その理由は冬木大橋にあった。
地理の関係上陸路で深山町と新都を行き来するには必ず大橋を通ることになる。
つまり現在アキトを追っているはずの警察NPCたちも深山町へ逃げ込まれる前に犯人を確保するために大橋で張り込んでいる可能性が高かった。
そこにノコノコと美遊が通りがかればたちまちのうちに補導、あるいは保護されてしまうだろう。どちらにせよ警察のお世話になるわけにはいかない。
さらに大橋が交通の要所であることを考慮すれば、時間帯も相まってアーチャークラスのサーヴァントが待ち伏せをしているであろうことは想像に難くない。
故に美遊は日が昇る前に空路で、冬木市の北端から深山町へと向かうのだ。
美遊自身も転身して空を飛んで、正確には「跳んで」いけば万一敵の狙撃があったとしても一護共々即応することができる。
「攻撃は……来ない?」
『そのようですね。とりあえずは無事に深山町側に入れたようです』
しかし結果としては杞憂に終わった。
少なくとも結果としては美遊たちが敵サーヴァントの狙撃を受けることはなかった。
一つ引っかかるのは一護が大橋の方を注視していたことだ。
こちらの探知では探り切れない距離の敵が彼には見えていたのだろうか?
「とにかく隠れられる場所を探そう」
342
:
『ただいま』はまだ言えない
◆/D9m1nBjFU
:2019/03/13(水) 11:57:01 ID:g18NNawM0
深山町に戻ってきたのはあくまで警察の捜索から逃れるためであって、エーデルフェルト邸に戻るつもりはない。
ルヴィアに心配をかけているであろうことは心苦しいが、だからといってNPCである彼女を聖杯戦争に巻き込むわけにはいかない。
そのため深山町で、日が昇りきる前に人目を避けて休息できる一時の拠点を求めていた。
空を飛んで移動するにも明るい時間帯は目立つリスクが増すためそう簡単には使えない。
美遊が降り立った場所はA-3、空路で一気に移動できる美遊の陣営にとって距離の長さは問題とならない。
通行人がいないこともあり、不意の敵襲に備えることを優先して転身は維持したまま周囲の探索を始めた。
何しろこのエリアは本選開始後はもちろん予選時代にも美遊の行動範囲から外れていたため訪れたことがない。警戒するのは当然だった。
「ここ、は……」
『美遊様?』
けれど、美遊はこの周辺の風景に奇妙な既視感を覚えた。
理由はわからない。けれどわたしは此処を知っている。知っている気がする。
知らず、サファイアの制止も無視して駆けだしていた。
「――――――」
そして見つけた。見つけてしまった。
のどかな住宅街の風景から置いていかれたように建つ、寂れた武家屋敷を。
打ち棄てられて時間が経っているのか、外からも朽ちかけているのがわかる。
表札は掲げられていない。誰も住んでいないのだろう。
『美遊様、一体どうしたのですか?』
相棒の声も耳に入ることはなく、そのまま邸内に進入する。
玄関、風呂場、台所、居間、客間……忘れ得ぬ日々の思い出を拾い集めようとするかの如く屋敷を巡っていく。
美遊・エーデルフェルト、いや、朔月美遊にとってこの武家屋敷は人生の多くを過ごした家だった。
美遊には衛宮切嗣に拾われる以前、生家である朔月家で過ごしていた頃の記憶が殆どない。
だから此処は彼女にとってのもう一つの生家だった。
いつしか、庭と土蔵を見渡せる縁側に足を運んでいた。
今でも鮮明に思い出せる。美遊と士郎が本当に兄妹になった夜のことを。
思い出せるのに、目の前にあるのはただの寂れ、朽ちた屋敷だった。隙間風だけが空しく通り過ぎていく。
水滴が落ちた。美遊の頬から零れ落ちた涙だった。
次いで堪えきれず膝から崩れ落ちた。サファイアの声も届かず、ただ嗚咽を漏らす。
この箱庭に兄・衛宮士郎は存在しない。
それは予選時代に学園の高等部に彼らしき生徒を見ないことやルヴィアからも一切話題に出ないことから察してはいた。
だから住人のいないこの寂れた武家屋敷は「衛宮士郎が存在しないifの世界」を再現したのであれば当然あり得る存在だ。頭ではわかっている。
けれど、美遊にとってこの光景はそれ以上の意味を持っていた。
過程こそわからないが、恐らく美遊の兄である士郎は何らかの方法でクラスカードを集めて自分の下まで辿り着いた。
そうしてイリヤのいる並行世界へ送り出してくれた。……けれど兄はその後どうなったのか?
出来るだけ考えないようにしていたことだった。
最愛の兄の願いに応えるためにも今を精一杯に、幸せに生きる。その思いを胸に新たな世界で生きてきた。
けれど、見たくもなかった現実を予想だにしていなかった形で突きつけられた。
恐らくエインズワースの本拠だったであろうあの洞穴に乗り込んで美遊を逃がした兄が無事でいられるだろうか?
そんなわけがない。当然、もう帰ることのない元の世界の武家屋敷だっていずれはこの方舟によって再現されたこの場所のように朽ちていくのだ。
いや、それだけでは済まない。
元より美遊のいた世界は滅びに向かって進んでいた。
命と引き換えに世界を救済するはずだった美遊が消えた以上、いずれは世界全てがこの武家屋敷のように朽ち果てるのみ。
誰かを救うということは他の誰かを救わないということで、美遊が救われたということは他の全てが救われなかったということだ。
343
:
『ただいま』はまだ言えない
◆/D9m1nBjFU
:2019/03/13(水) 11:57:48 ID:g18NNawM0
サファイアはただ困惑していた。
美遊がこの屋敷を見るや迷わず中に入っていってしまい、そして理由は不明だが今はこちらの呼びかけも耳に入らずただ泣いていた。
サファイアは美遊の過去を知らない。別段無理に詮索する必要もないと思っていたから。
しかし今の美遊の様子を見ればこの屋敷が美遊の過去と密接に繋がっていることは間違いない。
ただでさえ命の懸かった極限状況だというのにタイミングが悪すぎる。
『美遊様、美遊様!しっかりしてください!』
「あ、サファイア……?ごめん、わたし……」
ようやく返事を返してくれたが酷く憔悴した目をしている。
駄目だ。美遊当人に自覚があるかは定かでないがこの有り様ではとても戦うどころではない。
今他の主従に捕捉されるようなことがあっては不味い。とにかく隠れられる場所が今すぐ必要だ。
『美遊様、向こうに土蔵があります。ひとまずはあそこに隠れて警察の捜索をやり過ごしましょう』
幸いにしてこの屋敷の庭には人一人が隠れるにはうってつけの土蔵がある。
サファイアの提案に美遊は無言で頷き土蔵に移動、戸を閉めて座り込んだ。
もしかするとこの屋敷そのものから離れた方が良いのかもしれないが、サファイアにはこの屋敷と美遊の具体的な関係性がわからないため迂闊なことは言えない。
「…ありがとう、サファイア。ここなら多分大丈夫。
ここに目を向ける人は誰もいないから」
膝を抱えて座り込む。ようやく涙も止まり、思考力が戻ってきた。
霊体化しているが一護の存在も確かに感じられる。気遣ってくれていると思うのは考え過ぎだろうか。
図らずもここは当座の拠点とするにはうってつけだった。食糧や飲料水は十分あるし、他の主従はもちろんNPCもここに目を向けることはない。
唯一サーヴァントの気配を察知される可能性だけが気がかりではあるが、そんなリスクは何処にいようと付きまとうので仕方ない。
警察にしても深山町まで範囲を広げて捜索するのはまだまだ先の話になるはずだ。
一息ついてさらに思考を巡らせる。
やるべきことは明確だ。いや、この場所を訪れたことで明確になった、といった方が近いか。
―――聖杯を獲る。獲らなければならない。
方舟における聖杯が有機物であれ無機物であれ確かに願望器としての機能を有するのであれば真贋は問わない。
聖杯を手に入れ置き去りにしてしまった元の世界を救う。
自分が犠牲にならない限り不可能とされていた奇跡が手を伸ばせば届くところにある。
なら手に入れよう。きっとそれが救われてしまった者の義務であり責任だから。
そうすれば、あるいは兄もどこかで生きてくれていれば、救うことができる。
―――“自分”らしく付き合える人かな。面倒なこと考えず、素のままの“自分”で会える人。
―――そうだな――兄貴みたいな人だったよ、あたしにとってみれば。
「………っ!」
決意を固める。固めようとしているのに先ほど新都で言葉を交わしたあの女性の言葉が頭の中でリフレインする。
誰かは知らない。恐らくNPCだとは思うがそれでもあの女性の言葉が焼き付いて離れない。
聖杯を獲らなければならない以上、当然彼女の言葉だって振り払わなければならなというのに。
彼女はテンカワ・アキトを兄のようだと言った。
冷徹で勝機に貪欲なあの男にそんな一面があるなどとは信じ難い話だったが、女性が嘘をついていたとも思えない。
願いのために誰かを殺すということは、つまり他の誰かにとっての大切な人を奪う行為だ。
もしかするとあのホシノ・ルリにさえ彼女を大切に想う誰かがいるとでもいうのだろうか。
ピンとこないのは自分の人生経験が足りないせいだろうか?
344
:
『ただいま』はまだ言えない
◆/D9m1nBjFU
:2019/03/13(水) 11:58:32 ID:g18NNawM0
(……もしそうだとしても、関係ない)
そうだ。躊躇したところで聖杯戦争のルールが変わることは有り得ない。
何より自分は既に顔も知らない誰かを殺している。
予選でバーサーカーが斃したランサーにアキトに強要された令呪によってB-4へ向かったバーサーカーが討ったサーヴァント。
彼らにもマスターがいて、契約したサーヴァントを失った以上はマスターもとうに死んでいる。
直接顔を見ず、手を下さなかったというだけでわたしは既に殺人者だ。
ここで足踏みをして聖杯を手に入れられないなどということがあっては、自らが出してしまった犠牲が無駄になる。
だから進み続ける。それこそが唯一最良の道だから。
世界と兄の二つと天秤にかけるなら、わたしの個人的な感傷の何と軽いことか。
幸いにして見習うべきマスターがいる。
ホシノ・ルリ。あの女性の氷のような怜悧な眼差しは忘れようとしても忘れられるものではない。
彼女のライダーに撃たれた時は自分でもよくポーカーフェイスを保てたものだと思う。もちろんバーサーカーを信じていたこともあるが。
わたしに会話を持ち掛け必要な情報を得るや即座に始末に移ったあの冷徹さ、残忍さこそ今のわたしに必要なものに違いない。
彼女が善人か悪人かで言えば紛れもなく悪人だろう。しかも警察に属する以上その情報網さえも活用できる強敵だ。
だからこそ見習うべき点が多い。目的のためなら何であれ利用し何であれ切り捨て前に進む柔軟な思考力と意志力こそ重要なのだと彼女が示している。
その一点についてだけは、彼女との邂逅に感謝すべきかもしれない。おかげで進むべき道が定まった。
とはいえやはり危険な存在には違いない。
警察の情報網があるということは、戦いが長引くほど多くの情報が手に入る彼女が有利になることを意味する。
どこかで居場所の手掛かりを掴んで早めに倒したいところだ。
…そうなるとサファイアが言っていた、アキトの独り言の中に出たサナエなるマスターと接触を図るのが得策かもしれない。
アキトはサナエを指して自分のような子供を保護すると言い出してもおかしくないと口にしたという。
当然サファイアの自律行動機能を知らないアキトにとっては正真正銘の独り言だっただろう。だからこそ信じる価値がある。
サナエを利用すれば早期にホシノ・ルリを討伐する目途が立つかもしれない。
ともあれ今は雌伏の時だ。
今からの時間帯は登校、出勤で人通りが多くなるので出歩くのは上手くない。
登校の時間帯を過ぎて人通りが少なくなるまではこの土蔵でやり過ごすことにした。
「聖杯に辿り着く。辿り着かなくちゃ、いけない。誰を犠牲にしても、絶対に」
自身に言い聞かせるように呟き、固く膝を抱いた。
外はもう陽が昇る頃だけれど、この土蔵からはそれも見えなさそうだった。
【A-3 武家屋敷の土蔵/二日目 早朝】
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]健康、他者に対しての過剰な不信感 、魔法少女に転身中
[令呪]残り二画
[装備]普段着、カレイドステッキ・マジカルサファイア
[道具]バッグ(衣類、非常食一式、クラスカード・セイバー)
[所持金] 300万円程(現金少々、残りはクレジットカードで)
[思考・状況]
基本行動方針:『方舟の聖杯』を求める。
0.登校、出勤の時間帯を過ぎるまで土蔵に潜伏する。
1.全員で戦う。どれだけ傷つこうともう迷わない。
2.ルヴィア邸、海月原学園、孤児院には行かない。
3.自身が聖杯であるという事実は何としても隠し通す。
4.ホシノ・ルリは早めに倒す。そのためにサファイアから聞いたサナエというマスターを利用したい。
5. 今後は武家屋敷を拠点にして活動する。
[備考]
※アンデルセン陣営を危険と判断しました。
※ライダー、バーサーカーのパラメータを確認しました。
※搦め手を使った戦い方を学習しました。
また少しだけ思考が柔軟になったようです。
※テンカワ・アキトの本名を把握しました。
※サファイアを通じて「サナエ」という名のアーチャーのマスターがいると認識しています。
※アキトの使う転移の名称が「ボソンジャンプ」であると把握しました。
※ホシノ・ルリを悪人かつ危険人物と認識しています。また出会った際の会話や戦闘をサファイアが動画として撮影・保存しています。
【バーサーカー(黒崎一護)@BLEACH】
[状態] 健康、不機嫌
[装備]斬魄刀
[道具]不明
[所持金]無し
[思考・状況]
基本行動方針:美遊を護る
0.美遊を護る。
1.危険な行動を取った美遊への若干の怒りと強い心配。
[備考]
※エミヤの霊圧を認識しました
345
:
◆/D9m1nBjFU
:2019/03/13(水) 11:59:27 ID:g18NNawM0
投下終了です
前述の通り本SSはサーヴァントへの魔力供給に関する問題をはじめこの企画における設定面について踏み込んだ内容となったこと、原作で明らかになっていない設定について描写していることからまずは避難所へ投下し、皆様の意見を伺うべきと判断しました
以下に現時点における私自身の見解を記します
サーヴァントに対する聖杯のバックアップについては、一般人マスターのサーヴァントが描写上かなり動けていることに対する私なりの理由付けです
無論これはリレーを重視したことによって生じたことではありますが、今後も視野に入れてざっくりとでも何か作中における理由付けを行った方が気兼ねなくキャラを動かせるのではないかと考えました
次に上記の聖杯のバックアップに伴う美遊組への恩恵ですが、これは過去のリレーにおける美遊組の魔力消費に関する描写を参考にして描写しました
「サツバツ・ナイト・バイ・ナイト」で美遊がアキトにサファイアを奪われてから令呪で一護をB-4へ差し向けてから「少女時代「Not Alone」」で美遊の下まで帰還するまでの状態表において美遊が魔力消耗(小)のまま変化なし、一護が健康→魔力消耗(中)となっています
本SSにおける美遊の戦闘時における魔力消費の考察全般はこのリレー内容を基に私なりに作中に反映したものです
過去、議論スレで美遊と一護の魔力消費について議論があったことは承知しておりますが、本SSの内容が私なりの解釈となります
またサファイアに動画撮影・保存機能があると描写しましたが、原作ではこの機能はルビーの方にのみ確認されており、サファイアに同じ機能があるか否かは明言されておりません
故に本SSにおける描写は多分に独自解釈が含まれます
ただ私の解釈として、カレイドステッキがクラスカードの回収を目的として貸し出された以上戦闘の記録を保存するためにこうした機能があった方が自然ではないかと判断しました
少なくとも姉のルビーにある以上サファイアにはないと考える方がむしろ不自然ではないかと(ルビーの動画撮影機能も基本ギャグでしか使われていませんが)
最後に美遊、サファイアによるルリへの評価ですが、これは「近似値」において美遊とルリの会話から戦闘を経て美遊と一護が離脱するまでの間が一貫してキリコ視点でのみ描かれていたことを踏まえた上での同シーンでの美遊側の心情描写の補完となります
あくまでも「美遊とサファイアからはルリとキリコがこう見えていた」という程度の意味合いであり彼女たちのバイアスが強くかかったルリ評となります
長文失礼しました
皆様のご意見、感想等をお待ちしております
346
:
◆/D9m1nBjFU
:2019/03/15(金) 05:46:44 ID:Vp.s6YIQ0
特に反対意見もないようなので本スレに投下してきます
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板