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パラレルワールド・バトルロワイアル part2
1
:
◆rNn3lLuznA
:2011/09/23(金) 01:17:06 ID:hUjGYcYM
『バトル・ロワイアル』パロディリレーSS企画『パラレルワールド・バトルロワイアル』のスレッドです。
企画上、グロテスクな表現、版権キャラクターの死亡などの要素が含まれております。
これらの要素が苦手な方は、くれぐれもご注意ください。
前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14757/1309963600/
【外部サイト】
パラレルワールド・バトルロワイアルまとめwiki
http://www45.atwiki.jp/pararowa/
パラレルワールド・バトルロワイアル専用したらば掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/14757/
417
:
悪意と悪夢―聖杯と魔女
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:34:15 ID:E5hoQQIY
◆
「急いで!早くしないとあの影が追っかけてくるんでしょ!?」
「落ち着いて、今はあの影は付いてきてませんわ。だから焦らないで!」
「でもナナリーちゃんは……うわっ!」
泥の上に倒れた木々を踏み台にして進んでいく三人。
例の影をナナリーが引き受けたと言ってもゆっくりはしていられない。
足元の木々はゆっくりと泥に溶かされて消滅していっているからだ。
「あ、やばい!向こうの木、もうほとんど残ってない!!」
「そういえばマリさん、あれ、あの道具!!」
「え!これ?!」
次の木に飛ぼうとした時、その木はほとんど溶け掛けており、人一人乗ることもできそうになかった。
そこで真理はバッグからJの光線銃を取り出し、その木に向かって発射。
すると木はあのときのタケシのように固まり、三人が飛び乗っても大丈夫なほどには頑丈になっていた。
しかし、
「あれ…、次は…?」
そう、それが限度だった。その先の足場は踏み場もないほどに崩れていた。硬化させる以前の問題だ。
ドドドド、ドン
「偶然木が倒れましたわ。行きましょう」
と思っていると、突如木が倒れ新たな足場ができる。
(根元がボロボロだったのが幸いでしたわ)
「あの木もそれで硬くできます?」
「え、ええ。大丈夫、まだ弾は残ってる」
そうしてどうにか次に移ったもののあと少しのところで届いていない。
さらに、ここにきてルヴィアが体の不調を訴え始めた。
「大丈夫ですか?!」
「ええ、大丈夫ですわ…。少し魔力を――いえ、なんでもありませんわ」
「俺に捕まってください。出てこい、グレッグル!!」
タケシはルヴィアの体を支えて歩き、真理の安全をグレッグルに任せる。
が、今迂闊に動くことはできない。先に進めないのだから。
ここはナナリーが追ってくるのを待つしかない。そう思った矢先だった。
「な…、まだ、追ってきますの…?」
泥の中からあの黒い影がまたしても現れる。
「そんな…!じゃあナナリーちゃんは…」
「グ、グレッグル!毒針!!」
グレッグルはタケシの指示に従い口から紫色の針を吐き出すが、その進行を緩めることすらできない。
やがてそれの使役する無数の触手は彼らを捉える。
カイザの変身も間に合わない。
「うわあああ!!」
「リザードン、火炎放射!ピカチュウ、十万ボルト!ゾロアーク、気合玉!」
「グオオオオ!!」「チュウウウウウ!!]
諦めかけた時、影に向けて空から炎と電気と青白い球が降り注いだ。
418
:
悪意と悪夢―聖杯と魔女
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:35:30 ID:E5hoQQIY
その声を聴き空を見上げた時、タケシは走馬灯でも見ているのかと思った。
その時に空を飛んでいたのは、帽子をかぶりリザードンに乗ってピカチュウを連れた、あれは――
「サト――いや、違う」
「N!どうして戻ってきましたの?!」
「この子達がそう願ったんだよ」
それはあの時離れだしてすぐのこと。
ピカチュウはタケシのことを助けたいと、そう言ったのだ。
これ以上仲間を失いたくないと。無理でも全力を尽くしたいと。
それはリザードンも同じだったようで、ボールを通してもその声が聞こえてきた。
だから、体にダメージの残っているリザードンに無理をいってポケモンセンターまで急いでもらったのだ。
それはリザードン自身が望んだ無茶だった。
そして皆の体力を回復させたのち、今に至る。
「そうだったのか…。ピカチュウ、すまなかったな」
「ピカ」
「ポケモンセンターまで向かったせいで、少し遅くなってしまったことは謝るよ」
「私は逃げろ、といいましたのに。まあ今回は礼を言っておきますわ」
「それに僕も何だか嫌だったしね。見捨てるのは」
Nにはもっと早くから大河の運命が見えていた。にもかかわらず止めることはできなかった。
その判断に間違いがあったと思いたくはなかったが少なからず後悔はあった。
だから見捨てられなかったのだ。
その後リザードンの手により泥から抜け出すことができた。しかし依然ナナリーは追ってこない。
どうしたことか、泥自体は少しずつ減りつつあるが彼女が戻らない以上油断はできない。
「マリさん、俺が行きます」
「タケシ?」
「これがあれば、サクラさんを止められるかもしれない。そうですよね?
三人は逃げてください。ここは俺がナナリーちゃんとサクラさんを助けてきます」
「そんな…!なら私が行くわよ!何であんたが行かなきゃいけないの?!」
「ピカ!」「グウウ!!」
「ハハハ…、ごめんな、お前たち。こんな辛いことばかり背負わせて。
でもこういうのは、男である俺がやるべきなんです」
その悲しそうな言葉の中には強い決意があるように見えた。
サトシやヒカリと会うこともできずに自分だけ生き延びてしまったことへの罪悪感もあったのだろう。
それに桜はヒカリに会ったということも気になっていたのだ。
「なるほど、その気概、なかなか見上げたものですわ」
「あなたは――「でも」
と、ルヴィアはそんなタケシの腰を持ち上げ、
「ぐわぁ?!!!」
バックドロップの要領で地面に投げた。
「残念でしたわね。それは私の役割ですわ」
手加減はしたが意識は飛んだようだった。
若干強引だった気がしないでもないが、こうでもしなければおそらく止めることはできないだろう。
419
:
悪意と悪夢―聖杯と魔女
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:36:39 ID:E5hoQQIY
「あなた達、早く行きなさい。その少女は私が助けますわ」
「待ってよ、何でそこであんたが残るのよ?一緒に行けばいいじゃない。
ナナリーもきっと戻ってくるから…」
「あれには少し因縁も残っていますし、何よりこうなったのは私の甘さが原因。
ここから南に下った辺りにカイドウという男と美遊、私の妹がいるはずですわ。詳しい場所はそこにいるキツネが知ってるはず。彼らと合流しなさい」
美遊、そして海堂直也、彼らならば力になってくれるだろう。
特に美遊、そしてカレイドステッキはこの状況を打破しうるかもしれない。もしもアカギ達が第二魔法を使えるというのならば。
「え…、海堂…?それに美遊ちゃんって…、あなたもしかしてルヴィアゼリッタさん?!」
「知ってるなら話は早いですわ。後のことはN、頼みましたわよ」
「―――分かった。あと最後に質問させて。
また、会えるかな?」
「少し厳しいですわね」
「分かったよ。じゃあ、気を付けて」
あるいはその時藤村大河のバッグを受け取った時には、Nにはその先の彼女の運命は分かっていたのかもしれない。
それでも、最後に掛けた言葉は再会を信じての言葉だった。
そうしてNは気絶したタケシを抱え、真理を無理に引っ張ってその場を離れていった。
(巧―――)
真理は、こんな状況で一人だけ何もできていないのが悔しかった。
そんな彼女が今望むことは一つ。巧に早く会いたい。それだけだった。
【C-5/森林/一日目 午前】
【園田真理@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】
[状態]:疲労(中)、身体の数カ所に掠り傷
[装備]:Jの光線銃(2/5)@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:基本支給品一式、支給品0〜2(確認済み)、ファイズアクセル@仮面ライダー555、スマートバックル(失敗作)@仮面ライダー555
[思考・状況]
基本:巧とファイズギアを探す
1:ここから離れる
2:タケシたちと同行
3:南にいる美遊、海堂と合流?
4:巧以外のオルフェノクと出会った時は……どうしよう?
5:名簿に載っていた『草加雅人』が気になる
6:イリヤと出会えたら美遊のことを伝える
7:並行世界?
[備考]
※参戦時期は巧がファイズブラスターフォームに変身する直前
※タケシと美遊、サファイアに『乾巧』、『長田結花』、『海堂直也』、『菊池啓太郎』、『木場勇治』の名前を教えましたが、誰がオルフェノクかまでは教えていません
しかし機を見て話すつもりです
※美遊とサファイア、ネモ経由のナナリーから並行世界の情報を手に入れました。どこまで理解したかはお任せします
420
:
悪意と悪夢―聖杯と魔女
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:37:18 ID:E5hoQQIY
【タケシ@ポケットモンスター(アニメ)】
[状態]:疲労(中)、背中や脇腹に軽い打撲、身体の数カ所に掠り傷、気絶中
[装備]:グレッグルのモンスターボール@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:カイザギア@仮面ライダー555、プロテクター@ポケットモンスター(ゲーム)
[思考・状況]
基本:気絶中
1:しっかりマリたちを守る。
2:ピンプクとウソッキーは何処にいるんだ?
3:イリヤと出会えたら美遊のことを伝える
4:『オルフェノク』って奴には気をつけよう
5:万が一の時は、俺がカイザに変身するしかない?
6:サトシ、ヒカリの死を元の世界に伝える。
7:並行世界?
[備考]
※参戦時期はDP編のいずれか。ピンプクがラッキーに進化する前
※真理から『パラダイス・ロスト』の世界とカイザギア、オルフェノクについての簡単な説明を受けました
※真理から『乾巧』、『長田結花』、『海堂直也』、『菊池啓太郎』、『木場勇治』の名前を教えてもらいましたが、誰がオルフェノクかまでは教えてもらっていません
※美遊とサファイア、ネモ経由のナナリーから並行世界の情報を手に入れました。どこまで理解したかはお任せします
【N@ポケットモンスター(ゲーム)】
[状態]:疲労(小)
[装備]:サトシのピカチュウ(体力:満タン、精神不安定?)サトシのリザードン(健康、悲しみ)
ゾロアーク(体力:満タン、真理とタケシを警戒)、傷薬×6、いい傷薬×2、すごい傷薬×1
[道具]:基本支給品×2、カイザポインター@仮面ライダー555、タケシのピンプク@ポケットモンスター(アニメ)
変身一発@仮面ライダー555(パラダイスロスト)、不明支給品0〜1(未確認)
[思考・状況]
基本:アカギに捕らわれてるポケモンを救い出し、トモダチになる
1:この場から離れる
2:タイガの言葉が気になる
3:世界の秘密を解くための仲間を集める
4:タイガ、ルヴィアさん…
[備考]
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
※並行世界の認識をしたが、他の世界の話は知らない。
◆
『ぐ…くぅ、はぁ…、はぁ…』
それは真理達の元に影が現れる少し前のこと。
デルタのルシファーズハンマーを受けたネモは衝撃の後倒れるネモを起こして状況を確認していた。
一瞬意識が飛びかけたがどうにか持ち直して周囲を見回す。
まずマークネモの状態。胸部にあの攻撃が直撃したようで、大きな穴が開いて外が肉眼で見ることができてしまっている。
機体の汚染状態もまずい。が、これはこの場から離れ、量子シフトを行えば大丈夫だろう。
ナナリーには何度か呼びかけたが反応がない。さっきの衝撃で気を失ったのかもしれない。
そして自身のコンディションはかなりまずい。こうしているだけでも疲労が溜まり、意識が消えそうになる。
あの拘束を振り切るために力を使いすぎたのかもしれない。
だが、その甲斐はあったようだ。
間桐桜の姿は見えない。しかし足元には黒い強化スーツに覆われた右腕が転がっている。
そしてそれは今、目の前で変身が解除されたかのように桜のものであったそれに戻った。
あの時の太刀に手ごたえを感じたのは確かだ。すれ違うあの瞬間、確かに体を切り裂いた。
あれで死んでいるなら最良、生きていてもデルタの変身は解除され体のダメージを考えても戦闘続行は不可能のはず。
『…はぁ、ああ、まずはここから離れないとな…』
もし死んでいるなら、きっとナナリーは悲しむだろう。だが、それも生きているからこそ感じられることだ。
足元の泥はまだ減ってきているとはいえ広がったままだ。この森にはしばらく誰も近寄らないように他の者にも伝えないといけない。
やることはたくさんある。こんなところで休んではいられない―――
421
:
悪意と悪夢―聖杯と魔女
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:37:57 ID:E5hoQQIY
「 み つ け ま し た 」
次の瞬間聞こえてきたのは桜の声。
それもかなり近い場所だ。今仕掛けられてはまずい。
『…?!何処だ…!』
周囲を見回すが桜の姿は見えない。
すぐ近くから声は聞こえてくるというのに。
すぐ近く、すぐ傍から。
『な…』
「こんなところにいたんですね」
そう、間桐桜はコックピットの中、ネモの背後に立っていた。
服はボロボロであり、肌が露出しているはずの場所からはあの影と同じ色の黒いドレスを纏っているのが見える。
右腕を失い、そこから胸にかけて大きな傷を作っているのは振るった太刀が確実に彼女を切り裂いたという証だ。。
なのに、彼女はどうして平然と動けるのか。
もしあの瞬間、デルタギアがなければ桜とて死んでいただろう。
太刀は確かに彼女に大きなダメージを与えたが、あと一歩のところで心臓に届かなかったのだ。
そして、今の彼女はその傷は動きを阻害するものでこそあれ、行動不能になるほどではなかった。
いつ入り込んだのか分からない。ただ言えるのは、今の自分にはなす術がもうないということだ。
桜は片腕しかない体でネモに抱き着く。
『がっ…!離せ…』
「ねえナナリー、こんな体なんかに頼らずに、私ともっと楽しいことしない?」
桜の抱きついた部分の肌が徐々に黒に染まっていくのが分かる。
さっきの一撃に使った力、加えて核である自分を直接染められている状況。
そして、マークネモは泥に取り込まれつつある。
「ほら、堕ちてしまえば楽しいですよ」
『ぁ…っ、あああああああああ!!!』
そして叫び声を最後に、マークネモは泥の中に沈み、ネモの意識は黒く塗りつぶされていった。
◆
「やっぱり生きてましたのね。本当にしつこいこと」
ルヴィアがその少女を確認したのはNや真理達と別れてすぐのことだった。
そう、間桐桜が目の前を歩いてくる姿を確認したのは。
最も、今の彼女をふつうの人間と呼ぶには大いに抵抗があったが。
右腕を失い、胸から左肩に掛けて大きな傷が見えている。にも関わらずそれを気にする素振りは見せない。
更に服はボロボロで、肌が見えるはずの場所は黒い魔力、あの影と同じ色のドレスに覆われている。
はっきり言ってしまえば、化物だ。
「あの少女、ナナリーという子はどうしましたの?」
「ナナリーなら、変な泥人形と一緒に食べちゃいました。結構魔力溜まったんですよ?
まあそれでもサーヴァントには敵いませんけど」
「そうですのね。もう戻る気はありませんのね」
こうなったのはあの時殺せなかった自分の甘さのせいだ。
タイガは死に、ナナリーも取り込まれたらしい。それらの責任は自分にもある。
今の桜はデルタに変身していない。よく見ると、腰に巻いているデルタギアは時折火花を散らしている。あの少女もただでは食われなかったということか。
確かに今の自分は魔力を消耗しすぎている。だが変身していないなら魔術抜きでも戦えるだろう。
――そんな言葉で自分を言い聞かせる。
地面の泥は大分引いているが、彼女の足元には僅かに残っている。
あの時感じた恐怖は未だに克服できていないのだから。
「ミストオサカの縁もあります。これ以上の犠牲を起こさせないために私が止めて差し上げますわ」
「怖いんですか?足が震えてますよ?」
そんな強がりも、この女は見抜いている。姉に似て嫌らしい女だ。
「ふふふふっ。私、いつも姉さんの影に隠れて、先輩まで取られそうになっても何もできなくて。
そんな私でもやっと、姉さんの上に立てるんですから」
やたら高めのテンションで話す彼女。だがルヴィアはもう話を聞く気はない。
気圧されていては負ける。速攻でやらなければ。
そう思い走って近づいていく。
「でも、残念です。もう、姉さんはいないんですから」
不意に声のトーンが下がる。
それと同時に背後から衝撃、ルヴィアの足も止まった。
422
:
悪意と悪夢―聖杯と魔女
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:39:14 ID:E5hoQQIY
「あなたなら姉さんの代わりになるかもって思ったりもしましたが、それは無理でした。
似てるだけであなたは姉さんじゃないんだから。
だから―――さようなら」
ルヴィアは視線を下ろす。その腹部からは
――――――巨大な太刀が生えていた。
同時に襲いかかる激痛。
口から吹き出そうになる血を抑え、首を動かして後ろを見る。
背後の泥、いや、影に近い何かから黒く巨大なものが頭と腕らしきものを見せていた。
言うまでもない。あの時のナナリーという少女が変化した巨人だ。
だがその姿は元の色よりさらに暗く変色し、全身に赤い筋が這っている。
何よりその魔力、先ほど感じたものよりはるかに澱んでいた。
ルヴィアが思い出すのはあの最初の空間。
あの大勢の参加者が集められたあの場で、なお目立っていた存在があった。
バーサーカー。かつて最も手ごわかったと言えるクラスカードの英霊。
だがその姿は遠目から分かるほどの異常な姿をしていた。
そして、今背後にいるそれはまさしくそれと同じ様相をしている。
(この、娘は、一体何を体に…、宿してますの…?)
だが今更それに気づいても遅い。
さらに巨人は、頭についたワイヤー、その先のナイフをこちらに向けている。
ああ、こんな時でもあの女のことが頭をよぎってしまうのはなぜなんだろう。
「全く、こんな有様では…、ミストオサカのことを、笑えませんわね――」
次の瞬間、一斉に発射されたナイフがルヴィアの体を真っ二つに吹き飛ばした。
【ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 死亡】
◆
そう、どうでもよかったのだ。
いくらこの女が姉さんに似ていたとしても、それだけなのだ。
私の継げなかった遠坂の家を受け継ぎ、父にも愛された姉さんも。
ずっと蟲に犯され続ける私を助けてくれなかった姉さんも。
私の好意を知りながら先輩を奪おうとした姉さんも。
もういないのだから。
だから、こんなに虫けらのように殺せる。
胸の辺りから真っ二つになった体を影の中に沈める。
人間を食べたにしてはそれなりに魔力を摂ることができた。しかしまだ足りない。
「あなたにはもっと働いて―――あれ?」
そうして、空腹を満たす走狗にしようと呼び出したマークネモだったが、それはたった今光となって消滅してしまった。
残ったのは黒いスーツを着たナナリー。しかし車椅子には座っておらずしっかり二足で立っており、目もはっきり開いている。
最もその姿は普通というには程遠いが。目には光がなく、全身にあの機体と同じ赤い筋が入っている。
桜は彼女達のことを何も知らない。
マークネモのこと。ギアスのこと。それらにかかった制限のこと。何一つ知らない。
「もう少し経ってから試してみようかしら?」
そして、彼女のことも使い勝手のいい人形を手に入れたくらいの認識しかしていなかった。
もしもそれらのことを知っていたら、彼女はまた別の利用方法を考えただろう。
だが、それでよかったのかもしれない。少なくとも他の参加者にとっては。そしてネモ本人にとっても。
今彼女にとっての他の参加者のほとんどは、空腹を満たすための餌と大して変わらない存在だ。
唯一そこから外れていた人は三人。
衛宮士郎、遠坂凛、そして、藤村大河。
「藤村先生」
その中で、たった今自分が殺してしまった存在に、一つの言葉を投げかける。
後ろ、今まで通った道に目をやる。今は見ることができないが、もう少し進めばそれは目に入ることだろう。
あの場において、唯一泥が侵さなかった場所に残された死骸。手足は吸収してしまったがその部位だけは取り込むことを拒絶したモノ。
藤村大河。自分に笑顔というものを教えてくれた存在。
423
:
悪意と悪夢―聖杯と魔女
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:40:06 ID:E5hoQQIY
薄まりつつある間桐桜の人格の中で、言っておかなければならないと感じた謝罪の言葉を口にする。
「ごめんなさい。私、やっぱり悪い子でした。先生までこんなことに巻き込んでしまって。
せめて先生には生きててほしかった。何も知らずにいて欲しかった。
でも安心してください。先生のところには行けないかもしれないけど、ちゃんと罰は受けます」
他の人間なら開き直れた。だが彼女だけは駄目だった。
だから、他のところで開き直ってしまった。
「先輩、待っててくださいね。
みんな、みんなみんなみんなみんなみんなみんな殺しますから。
真理さんもタケシさんも、イリヤさんもみんなきちんと殺して、思いっきり悪い子になりますから」
「だから先輩。ちゃんと、私を殺してくださいね」
それが間桐桜としての最後の願い。
正義の味方であり、自分にとってのヒーローであるエミヤシロウに殺されること。
そのために、己の体に溜まりかけているもの、この世全ての悪を受け入れたのだから。
「あはは、あっははははははははははは!!
あはははははははははははははははははははは!!!!」
笑い続ける間桐桜。そして彼女は気付かない。
その眼から一筋の涙が零れ落ちたことに。
そして、そんな彼女をナナリー、いや、ネモはじっと光のない瞳で見つめ続けた。
その体が泥に沈みゆく間、ずっと。
【C-5/橋付近/一日目 午前】
【間桐桜@Fate/stay night】
[状態]:黒化(大)、『デモンズスレート』の影響による凶暴化状態、溜めこんだ悪意の噴出、喪失感と歓喜、強い饑餓
ダメージ(頭部に集中、手当済み)(右腕損失、胸部に大きな切り傷、回復中)、魔力消耗(大)、ジョーイさんの制服(ボロボロ)
[装備]:デルタギア@仮面ライダー555(戦闘のダメージにより不調)、コルト ポリスポジティブ(6/6)@DEATH NOTE(漫画)、黒い魔力のドレス
[道具]:基本支給品×2、呪術式探知機(バッテリー残量5割以上)、自分の右腕
[思考・状況]
基本:“悪い人”になる
0:いずれ先輩に会いたい
1:“悪い人”になるため他の参加者を殺す
2:先輩(衛宮士郎)に会ったら“悪い人”として先輩に殺される
3:空腹を満たしたい
[備考]
※『デモンズスレート』の影響で、精神の平衡を失っています
※学園に居た人間と出来事は既に頭の隅に追いやられています。平静な時に顔を見れば思い出すかも?
※ルヴィアの名前を把握してません
※アンリマユと同調し、黒化が進行しました。戦闘行為をするには十分な魔力を持っていますが知識、経験不足により意識して扱うのは難しいと思われます。
※精神の根幹は一旦安定したため、泥が漏れ出すことはしばらくはありません。影の顕現も自在に出すことはできないと思われます。
※デルタギアがどの程度不調なのかは後の書き手にお任せします
もう変身できないかもしれませんし、変身しても何かしらの変化があるかもしれません。また、時間経過で問題なく使用可能かもしれません。
424
:
悪意と悪夢―聖杯と魔女
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:40:34 ID:E5hoQQIY
◆
『ナ…―リ―、ナナ……、ナナリー…』
「ん…、ね、ネモ…?ネモなの?」
『ナナリー、きっとお前とこうやって話せるのはこれが最後だ』
「え…?何を言ってるの?」
『全てはお前を守るためだ。お前が受ける呪いは、全て私が引き受けたからな』
『だが、この先は賭けのようなものだ。もしかしたら私の行動はただの時間稼ぎにしかならないのかもしれない』
「待って、そんな!じゃあ桜さんは?!」
『だが最後にこれだけは伝えておく。
ナナリー、何があっても―――あれを受け入れるな』
◆
「ハッ…」
目が覚めた。
しかし分かったのはそこは気持ち悪いほどわけの分からない何かが辺りを埋め尽くす空間ということだけ。
気配だけでも吐き気のしそうな空間。そして吐き気の原因は辺りを埋め尽くす濃厚な悪意。
「こ…、ここは…何なの?
え…?ネ、ネモ!!」
手探りで周囲に触れると、地面に巨大なきのこのような形の柔らかい物体が手に当たった。
それはあの時新宿で出会った時のネモの姿そのものだった。
「ネモ!しっかりして、ネモ!!」
『全くバカな人形さん』
ネモに呼びかけると不意に背後から声が聞こえる。
視覚を失った代わりに他の感覚が優れているはずのナナリーが察知することができなかったその存在。
それは桜を模したかのような声で話しかける。
『全部を自分で受け止めるなんて。そのせいで自分の意志すらも失って本当に人形さんになっちゃうんですから』
優しいように聞こえるその声はまるで悪魔の誘惑のようだった。
『ねえナナリーちゃん、私たちを受け入れない?』
まるで深層心理に語りかけるように話しかけるそれ。
『あなたを捨てた父親が、国が憎くないの?
お兄さんを殺した人に復讐したくないの?
私なら全部やってあげること、できるんですよ?』
「そんなの…、私望んでません…!!」
『そう、でもいいのよ。すぐに決めなくても。
あなたが私たちを受け入れてくれるの、ずっと待ってますから』
そう言ったのをきっかけに声が遠ざかっていくのを感じる。
そして最後に―――
『でも忘れないでくださいね。あなたはもう、人を殺したんですから』
「え…?」
そう言い残した言葉が、ナナリーの中にずっと残り続けた。
(ネモ…、兄様…、…アリスちゃん…。私は……)
そうしてナナリーは、この得体のしれない空間の中で一人、答えを探し続ける。
周囲の悪意に流されることに耐えながら。
【C-5/橋付近(桜の泥内部)/一日目 午前】
【ナナリー・ランペルージ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:健康(精神)|黒化、自我希薄(肉体、ネモ)、マークネモ召喚制限中
[装備]:
[道具]:
[思考・状況]
1:私は………
[備考]
※ネモの黒化について
アンリマユに吸収されたことでネモは黒化しました。
その際、ナナリーの精神を肉体から隔離したため自我が薄く、現在はほとんど桜の操り人形のようになっています。
ナナリーがアンリマユを受け入れた時を除き、アンリマユがナナリーの精神まで侵すことはないでしょう。
※マークネモの制限は黒化前と変わりません。
※B5〜6にかけての森の木々が消滅し、一部更地と化しました
425
:
◆Z9iNYeY9a2
:2012/08/31(金) 16:41:20 ID:E5hoQQIY
投下終了します
426
:
名無しさん
:2012/09/01(土) 00:23:52 ID:kQunr/rs
投下乙です
桜のキル数がまたもや上がってしまったw
こいつ止めれるやついるのかw
あとタケシがまた終了しそうでハラハラしました
427
:
名無しさん
:2012/09/01(土) 01:36:22 ID:viPUbc0k
投下乙です
桜……ついに戻れないトコロにいってしまったか……
はたして士郎は彼女を止められるのだろうか
あと状態表の指摘ですが、桜は完全に黒化したのであれば、影の使い魔は自由に召喚できますし、魔力も無尽蔵に使えますよ
428
:
名無しさん
:2012/09/01(土) 08:41:10 ID:Tcul8bG2
やっちゃったぜ☆
黒桜爆誕と爆走、もうほんとどうしてこうなった!
とにかくはやく士郎来……いや来てどうにかなるのかコレ。そんな絶望感あふれる投下乙です
>>427
完全に黒化したら無理ゲーじゃないですかやだー!
まあ真面目に考えれば主催が細工をしてないはずもありませんしね。なによりここにはもうひとつの……
429
:
名無しさん
:2012/09/01(土) 10:25:09 ID:viPUbc0k
投下乙
桜は完全に(?)黒化し、セイバー、バーサーカーに変わる新たな僕をゲットですか・・・・・・
これにセイバーまで付いたらマジで手をつけられないなw
>>428
使い魔をどうにかできれば、別に無理ゲーってほどでもない
事実、宝石剣という反則があったとはいえ、凛でも簡単に追い詰めれたし
と言っても、その使い魔(サーヴァントなどを含む)をどうにかするのが困難なわけだけどw
430
:
名無しさん
:2012/09/01(土) 17:13:14 ID:VBZt8SM.
久々の投下乙です。
タイガー・・・ルヴィア・・・南無三
桜は原作士郎と違う意味で「止まれなく」なった感じですね
もはやカレーっていうより代行者呼ばないと討伐不可なレベル
431
:
名無しさん
:2012/09/02(日) 17:17:00 ID:SSkVBLCI
投下乙です
432
:
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/02(日) 17:50:23 ID:OpWLlmG.
>>427
指摘ありがとうございます
その部分は正直今回やりすぎた感があったのでこんなこと何度もできないよー的な意味合いだったのですが
今読み返したらその下の部分の備考と被ってました
混乱させてしまいすみません、wikiに収録された際には直しておきます
433
:
名無しさん
:2012/09/04(火) 01:33:00 ID:ik6cSOJA
投下乙です!相変わらずヤンデルタは酷いなぁwまあ相性ゲーで倒せそうな面子が少なからずいるのが救いか?
434
:
名無しさん
:2012/09/13(木) 17:25:07 ID:Q2lNGKt6
予約キター!
435
:
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:22:46 ID:RPFA1MiA
これより投下します
436
:
Lost the way
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:26:15 ID:RPFA1MiA
どれだけの間飛び続けただろうか。
もう美遊から充分離れることができただろうか。
怖い。
誰かを殺し、傷つけてしまう自分が。
怖い。
そんな自分を木場さんや海堂さんに見られるのが。
先の放送で呼ばれた名前。その中には木場勇治や海堂直也の名こそなかったが、菊池啓太郎の名前があった。
こんな自分を、正体は知らないまでもよくしてくれた。周りの人間に虐げられてきた結花にとってその存在は大きなものだった。
どうして彼が死ななければならないのだろう?私のような化物が生きて啓太郎さんのような優しい人間が死んでいって。
何も考えたくなかった。ただもう、それこそ鳥のように飛び続け、やがて朽ちてしまいたいとまで思ってしまうほど飛び続けた。
時間ももう分からないほどに。
だからだろうか、彼女は近くにいた存在すらも知覚することができなかった。
「っ!?」
急に翼を焼くような痛みが襲う。
「うああっ!!?」
バランスを崩し地面を転がる結花。
翼の痛みは消えず、恐怖のあまりオルフェノクの姿で辺りを見渡す。
そしてそこに立っていたのは――
「乾…さん?」
◇
『美遊様、焦る気持ちも分かりますが少し休まなければ…』
「分かってる、分かってるけど…!」
痛みを堪えつつも前に走ろうとする美遊。その腕には銃弾による傷がつき、歩いた後の地面を血で濡らしていた。
それは今より時間を遡り、第一回放送の直後まで戻る。
飛び去った長田結花を追う中、突如始まったアカギの放送に思わず足を止めた美遊とロロ。
『凛様が…?!』
「まさか…、そんな…!」
何かとても大きな鈍器で殴られたかのような衝撃。
サファイアの中には信じられないというような驚愕が、美遊の中には大きなショックが生まれる。
長田結花を追わねばならないということをすっかり忘れてしまいそうになる。
「兄…さん……?」
そして隣にいたロロも、信じられないといった表情を浮かべて立ち尽くしている。
437
:
Lost the way
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:28:32 ID:RPFA1MiA
兄さん。
確かロロ・ランペルージの兄、ルルーシュ・ランペルージ。その名は遠坂凛の名が出る前に呼ばれたためまだ記憶に残っている。
つまり、彼の兄も死んだということだ。
(兄……)
「ロロさん、その―――っ?!!」
話しかけている最中、腕に激痛が走った。
混乱の中で左腕に目をやると、いつの間にか銃で撃たれたかのような痕がついている。
『美遊様!大丈夫ですか?!』
「これは…っ、ロロ……さん…?」
「あ…、う…、くっ!!」
「ロロさん!!」
状況も掴めぬまま、美遊の前から走り去るロロ。
追おうとするが腕から激しい痛みが伝わりその場に蹲ってしまう。
「サファイア…、今のは…」
『分かりません。話しかけられた美遊様だけが急に止まってロロ様が銃を向けてきたのです。
私が気付いて気をそらしたので大事こそは避けられましたが…、申し訳ありません』
「ううん、いいの。これは私のミスだから…、っ」
『美遊様?!』
兄さんが、死んだ。
そんなの嘘だ。
兄さんは強いんだ。これまでどんな危機も乗り越えてきたんだ。
そう、僕の自慢の兄なんだ。こんなところで名前を呼ばれるはずはないんだ。
自分の中にどれだけそう言い聞かせてもロロの中から不安は、動揺は消えなかった。
そう、兄さんが死ぬはずはないんだ。あのナナリーやユーフェミアですら生きているのに。
でも、もしも本当だったら?
もし、あの時ナナリーに構わず兄さんを探すのを優先していたら、兄さんと合流できたかもしれない。
ナナリー。
どうしてあいつはまだ生きているんだろう?
「ロロさん」
そんなことを考えていると、ふと声が聞こえた。
それは美遊の発した声。だが今の不安定な状態にあるロロには、
(―ナナリー!!)
それが憎きナナリーの声に聞こえてしまった。
そこからの反応は早かった。
ギアスを発動させ、確実に殺すために銃を向け、
『美遊様!!』
438
:
Lost the way
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:29:48 ID:RPFA1MiA
発砲したところであの喋るステッキの体当たりにより妨害されてしまった。
ロロにとって幸か不幸か、狙いであった心臓を反れた銃弾は美遊の左腕を撃ちぬいていた。
それと同時にギアスが解除され、ロロ自身も我に返った。
そして呼び止める美遊の声を無視して走り出して今に至る。
(兄さん…、兄さん……!!)
今のロロにはあのナナリーの声色を感じる美遊と一緒にいることはできなかった。
それがあいつのことを、まだ生きているナナリーのことをどうしても意識してしまう。
普段のロロであれば美遊を殺すこともあるいは選択できたかもしれない。
だがそんな発想もできないほどに取り乱していた。それは美遊、そしてもしかしたらロロにとっても幸運だったのかもしれない。
ただ、何かに我慢できなくなってしまった。
何かとは何だ?分からないまま、自分の心も定まらないまま、ロロは走り続ける。
兄の死を受け入れたくないという思いを抱いて。
◇
「くっ…!」
腕にはできる限りの治癒魔術をかけたにも関わらず、成果は芳しくない。
出血量こそ抑えられたものの未だに少しずつ血は流れ、痛みも美遊から体力を奪っていた。
『美遊様、このまま行かれては危険です』
「分かってる。でもロロさんと長田さんが…」
失念していた。彼が失ったのは自身の兄なのだ。
そんな状態にあるロロへの気配りを疎かにしてしまった。
遠坂凛が死んだという事実は、表にこそ出していないが美遊に大きなショックを与えていた。
ともすれば彼女の存在に関わるほどの。
それは彼女に無意識の内に強い罪悪感と責任感を植えつけていたのだった。
己の状態すら見えなくなってしまうほどの。
そんな状態で動き続けていれば体力を普段以上に消耗してしまうのも当然だろう。
歩く足取りはふらついている。どころか視線すらもはっきりしているようには見えない。
熱を持つ腕、少しずつではあるが流れ出る血液、そして削られる体力。
『もうこれ以上はいけません…!せめて血が収まるまでは――』
「大丈夫だから。私の体のことは私がよく分かってるから」
『…。美遊様、申し訳ありません』
「え、サファ――――」
言いかけた言葉を最後に、美遊の意識は落ちていった。
439
:
Lost the way
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:33:05 ID:RPFA1MiA
催眠音波を流し、美遊の意識を奪ったサファイア。
そもそもこうなってしまったのも自分の責任だとも、サファイアは考えていた。
バーサーカーの戦いのダメージもさほど時間を掛けずに治癒することができたはず。にもかかわらずこの銃創の治りは遅い。
それはなぜか。
バーサーカーの戦いの際は、サファイアが付きっきりの状態で、美遊も十分な警戒を払い戦っていた。
しかしロロの放った銃弾はロロ本人ですら予測しえなかったもので、ギアスの効果も合わさり完全な不意打ちであった。
さらにその時対応すべきだったサファイアはロロの暴挙を止めるため美遊の手から離れてしまっていた。
結果、バーサーカー戦のように障壁や保護を張ることができず、もろに銃弾を受けてしまったのだ。
あの時美遊様の手から離れさえしなければ、あるいはもっと早く対応できていれば――
そう考え始めてしまいそうになるのを抑えて全魔力を治癒に注ぐが、治癒の進行は普段と比べて格段に遅かった。
(これは…どうしたら―――)
その時だった。
近くに人の気配を察知したのは。
◇
北崎、Lと別れて鹿目邸へと向かう草加雅人と鹿目まどか。
まどかが迷いの中発するべきかと考えた言葉は、ついに発せられることはなかった。
それは移動の最中、空を飛ぶ灰色の怪人を見たことがきっかけだった。
「草加さん、あれってやっぱり…」
「ああ、オルフェノクだ。
まどかちゃん、君は先に家に向かっていてくれ。あれを放ってはおけない」
「えっと…、分かりました。気をつけてください」
草加さんはオルフェノクを放っておけないと言っていた。それはきっと正しいのだろう。
最初に会ったあの馬のようなオルフェノク。そして先ほどのあの北崎という男。
共に恐ろしい存在だった。
まどかを襲った方はもちろんのこと、一時的に協力していた彼もまるで戦いを楽しんでいるかのようだった。彼が自分を見ていたあの目は人に向けるものではなかった。
正直まどかとしてはあの時草加の近くにいるべきではないかと思っていた。
だが、馬のオルフェノクに襲われたときの彼の出していた、自分へ向けた殺気。それはまどかに恐怖を植え付けていた。
今まで魔女に殺されかけたことこそあれ、あそこまで明確に殺意を向けられたことなどなかった。それも憎しみからくるものなど。
だから、怖くて逃げ出してしまったのだ。オルフェノクという存在から。
(結局私って足手まといなのかな…?)
さやかちゃんやほむらちゃん、マミさんや杏子ちゃん、草加さん達のような力もなければ。
ユーフェミアさんやLさん、夜神さんのように自分を貫ける確固たる意志もない。
そもそもどうしてこんな何のとりえもない私なんかがこんなところにいるのか。それすらも分からない。
440
:
Lost the way
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:34:35 ID:RPFA1MiA
『君は途方もない魔法少女になるよ。恐らくこの世界で最強の』
『まどか。いつか君は、最高の魔法少女になり、そして最悪の魔女になるだろう』
ふと思い出すのは、キュゥべえの言葉。
もし、あの時契約していれば、皆の力になれたのだろうか?
最高の魔法少女。
あの時は魔法少女の真実を知ってしまった直後であり何も感じなかった。
だが、今のまどかにはとても甘美なものに思えた。思えてしまった。
そんなことを考えつつ家までもうすぐというところに着いたあたりのこと。
『すみません、そこの方!』
「え?」
何者かの声がまどかの耳に届く。
『お願いします!力を貸してください!』
「え、どこ?誰?」
周囲を見回しても人の姿は見えない。実際まどかの視界には人の姿はなかった。
「え?何これ…」
まどかに話しかけていたのは輪っかに羽が生えて真ん中の星が印象的な何か。
何かとしか言えなかった。あえて言うなら魔女の使い魔に見えなくもない。
「つ…使い魔、ならどこかに魔女が…!」
『驚かせてしまって申し訳ありません、お願いします!美遊様を…!』
「え?」
謎の物体に案内された場所、そこはまどかの家からさほど離れている所ではなかった。
そしてそこに倒れていたのは小学生ほどの少女。
「これは…、大変!早く手当てしなきゃ!」
腕にできた大きな怪我。そしてそこから流れる血がただ事でないことはまどかにも分かる。
『お願いします!美遊様を…!』
「う、うん!とにかく家に運ぶから!」
自分にできることがあるかは分からない。もしかしたらただの足手まといなのかもしれない。
それでも、目の前で倒れる少女を助けることくらいはできるかもしれない。
そんな思いを胸に、自身の家を模した建物の扉を開いた。
441
:
Lost the way
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:36:44 ID:RPFA1MiA
◇
草加雅人。
彼はオルフェノクを憎む存在と考えている。それが例え共に戦う仲間であろうと、かつての同級生であろうと。
そして、育ての親であろうとその心自体は変わらない。
だから偶然見つけた長田結花に対しても、一切の情けも加えることはなかった。
「うぁっ!」
クレインオルフェノクの顔面にファイズの拳が突き刺さる。
吹き飛ばされる結花をさらに蹴り付ける。
もうかなりの攻撃を加えていたが、彼女からの反撃は一切なかった。
どうやらファイズの中にいるのが乾巧だと思っているようだ。
だからあえて声を発することなく、乾のスタイルの真似をして攻撃を加えていたのだ。
(全く、どうしようもない奴だな。君は)
北崎のこともあり、今の草加はかなり機嫌が悪かった。
そこで現れた長田結花は彼にとっては格好の獲物だった。忌み嫌う化物である彼女の存在は。
だが、それを指しおいても、彼はこの女のことは気にいらなかった。
化物でありながらまるで弱者であるかのように振る舞い、木場や乾に守られて過ごすこのオルフェノクが。
こういうやつに限って木場の知らないところで人間を襲っているのではないかとさえ思えてくる。
(お前ら化物がそうやって弱い者みたいなふりして、気持ち悪いんだよな)
さらに気にいらないのは彼女が自分の攻撃を受け入れているということだ。
まるで自分を裁かれたがっているかのように、こちらの攻撃を受け入れている。
あの時の乾巧のようだった。
何があったか知らないが、もう少し抵抗くらいはしてくれないと倒しがいもない。
(そんなに死にたいんだったら、望みどおりにしてやるよ)
蹴り飛ばされた長田結花を見ながら、オルフェノクに止めを刺すための武器を手にとる。
左腰に装着されているツールを右手に取り付け、ファイズフォンのスイッチを押す。
右腕に紅い光が流れ込んだ。
と、その時だった。
「……!」
背後で響く微かな足音。
誰だ、と振り返ったところにいたのは銃を持った一人の少年。
声を出すわけにはいかない。出してしまえばお膳立ては台無しだ。
周囲を注視すると、長田由香は逃げようとしているのかそれとも迎え撃とうとしているのかはっきりしない。
だが少なくとも彼女を味方する存在、というわけではないようだ。
442
:
Lost the way
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:39:35 ID:RPFA1MiA
声を出したくはない。出してしまえばお膳立ては台無しだ。
周囲を注視すると、長田由香は逃げようとしているのかそれとも迎え撃とうとしているのかはっきりしない。
だが少なくとも彼女を味方する存在、というわけではないようだ。
(はぁ…、せめてこの化物を見て逃げてくれたら楽なんだが――何!?)
思わず声を出しそうになってしまう。
その少年は確かに離れた場所でこっちを見ていたはずだった。
なのに一息ついた瞬間、目の前でその手に持った銃を放ってきたのだから。
もし北崎やファイズアクセルフォームのような高速移動であればそこまで驚きもしなかっただろう。
あるいは何らかの前触れのようなものがあればワープのようなものと判断できただろう。
だが、目の前の少年はいきなり目の前に現れた時には既に銃を構えていたのだ。
訳の分からぬ現象に思わず後ずさる草加。
幸い変身中だったおかげでさほどのダメージこそなかったものの、もしベルトを盗られることがあれば二重の要素で危ない。だから迂闊に動けない。
(チッ…、どうする…、このガキと長田結花、どうするべきか…)
◆
僕はどうしたらいいんだろう。
兄さんはもういない。僕の全てだった兄さんは、いないんだ。
もしかしたら放送が嘘だったかもしれない。そう言い聞かせることもできたかもしれない。
あれさえ見なければ。
それは道をがむしゃらに走っている時に見つけてしまった。
平地に不自然に広がった大量の灰。その中に埋まったカチューシャとリボン。
その瞬間、これが誰のものか分かってしまった。
篠崎咲世子。
さっきの放送で名前を呼ばれた一人だった。
彼女の死自体に別段特別な思いというほどのものはない。せいぜい、あああいつは死んだんだな〜といった感想程度だ。
しかし、ここで彼女の死を知ったことにはある種重要な意味があった。
あの放送が間違っている可能性はかなり低いということ。ここにある咲世子だった何かのように、ルルーシュ・ランぺルージもどこかで物言わぬ骸と化しているのだろう。
もちろん、放送で流した真実の中に嘘を交えることもできたかもしれない。
しかし、ロロはそうやって自分を誤魔化せるほど心を保てている状態ではなかった。
力なく歩いていると、見えてきたのは謎の強化服のようなものを着た誰かが長田結花を殴りつけている光景があった。
もう兄さんもいないのなら、いっそみんな殺してしまうか?そんな投げやりな思いが浮かぶ。
こっちを認識したことに気付いた瞬間、ロロはギアスを発動させて至近距離から銃を撃った。
しかしその装甲はロロの銃弾を弾き傷一つ残していない。
ああ、僕じゃこいつを殺せないのか、と弱気な考えも浮かんでくる。
後ずさる彼(?)を見ながら力のない目は周囲を見回す。
(兄さん、僕はどうすればいいの?)
443
:
Lost the way
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:40:16 ID:RPFA1MiA
【D-6/鹿目邸/一日目 午前】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:擦り傷が少々
[装備]:見滝原中学校指定制服
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0〜3(確認済み)
[思考・状況]
1:目の前の少女を助ける
2:さやかちゃん、マミさん、ほむらちゃんと再会したい。特にさやかちゃんと。でも…
3:草加さんが追ってくるのを待つ
4:乾巧って人は…怖い人らしい
5:オルフェノクが怖い…
[備考]
※最終ループ時間軸における、杏子自爆〜ワルプルギスの夜出現の間からの参戦
※自分の知り合いが違う人物である可能性を聞きました
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:ダメージ(小)、左腕に銃創、意識無し
[装備]:カレイドステッキサファイア
[道具]:基本支給品一式、クラスカード(アサシン)@プリズマ☆イリヤ、支給品0〜1(確認済み)、タケシの弁当
[思考・状況]
基本:イリヤを探す
1:気絶中
2:結花、ロロを追いかける
3:知り合いを探す(ロロの知り合いも並行して探す)
3:結花の件が片付いたら、橋を渡って東部の市街地を目指す(衛宮邸にも寄ってみる)
4:真理の知り合いと出会えたら、真理のことを伝える
5:ナナリー・ランぺルージには要警戒。ユーフェミア・リ・ブリタニアも、日本人を殺す可能性があるので警戒。
6:『オルフェノク』には気をつける
7:凛さん…
[備考]
※参戦時期はツヴァイ!の特別編以降
※カレイドステッキサファイアはマスター登録orゲスト登録した相手と10m以上離れられません
【D-5/一日目 朝】
【草加雅人@仮面ライダー555】
[状態]:負傷(中)、疲労(中)
[装備]:ファイズギア@仮面ライダー555(変身中)
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0〜1(確認済み)
[思考・状況]
基本:園田真理の保護を最優先。儀式からの脱出
1:真理を探す。ついでにまどかに有る程度、協力してやっても良い
2:オルフェノクは優先的に殲滅する。そのためにLと組む
3:長田結花は殺しておく。目の前の少年に対処
4:鹿目家に向かった後、流星塾に向かう。その後、Lとの約束のため病院か遊園地へ
5:佐倉杏子はいずれ抹殺する
6:地図の『○○家』と関係あるだろう参加者とは、できれば会っておきたい
7:可能なら長田結花には俺(ファイズ)を乾巧と思わせておくのも面白いかもしれない
[備考]
※参戦時期は北崎が敵と知った直後〜木場の社長就任前です
※自分の知り合いが違う人物である可能性を聞きました
【長田結花@仮面ライダー555】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、怪人態、仮面ライダー(間桐桜)に対する重度の恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜3
[思考・状況]
基本:???
1:仮面ライダー(間桐桜)から逃げる
2:仮面ライダー(間桐桜)に言われた通り、“悪い人”を殺す?
3:木場さんの為に、木場さんを傷つける『人間』を殺す?
4:乾さんに倒されるなら―――
[備考]
※参戦時期は第42話冒頭(警官を吹き飛ばして走り去った後)です
※目の前にいるファイズが乾巧だと思っています
【ロロ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:ギアス使用による消耗(中)、精神的に疲弊
[装備]:デザートイーグル@現実、流体サクラダイト@コードギアス 反逆のルルーシュ(残り2個)
[道具]:基本支給品、デザートイーグルの弾、やけどなおし2個
[思考・状況]
基本:????
1:僕はどうしたらいいんだろう?
?:ロロ・ヴィ・ブリタニアを陥れる方法を考える?
?:ナナリーの悪評を振りまく?
[備考]
※参戦時期は、18話の政庁突入前になります
※相手の体感時間を止めるギアスには制限がかかっています
使用した場合、肉体に通常時よりも大きな負荷がかかる様になっており、その度合いは停止させる時間・範囲によって変わってきます
444
:
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:41:40 ID:RPFA1MiA
投下終了です。中途半端なところで終わってすみません
おかしなところがあれば指摘お願いします
445
:
◆Z9iNYeY9a2
:2012/09/18(火) 00:43:36 ID:RPFA1MiA
一か所ミスがありました
草加達の現在地、時刻のところですが【D-5/一日目 午前】に変更でお願いします
446
:
名無しさん
:2012/09/18(火) 19:22:54 ID:NakvvV4c
投下乙。草加ェ……というかロロェ……
全員が精神的にアレなせいでどうあがいても絶望……あ、草加さんはいつもどおりですね
447
:
名無しさん
:2012/09/18(火) 20:25:05 ID:ljlq49C6
投下乙です
ロロ、やはりこうなってしまったか・・・
そして全くブレない草加さんさすがです
448
:
名無しさん
:2012/09/21(金) 17:43:24 ID:QwF5ZzgQ
草加さんは平常運転!
449
:
名無しさん
:2012/09/21(金) 20:37:15 ID:gLfBW6UE
投下乙です
なんかもうねえ…
らしいといえばらしいけどお前らェ…
巻き込まれる側もたまらんなあ…
450
:
名無しさん
:2012/10/03(水) 21:01:33 ID:dv4hG/vw
草加さんがいつもどおりでむしろ安心した俺がいる
451
:
◆Z9iNYeY9a2
:2012/10/17(水) 00:08:37 ID:TV1III3A
事後報告ですみません
自作「Lost the way」において、銃がデザートイーグルということを失念していました
結果威力の方におかしな部分が出てしまったので腕に直撃ではなく掠めたという形に修正させていただきました
あと、死亡者名鑑の項目を作成しておきました
とりあえず雑談スレの過去ログに貼られていたものを載せさせてもらい、残りは暇があれば順次更新していこうかと思います
また、もし項目を作成していただけるなら幸いです
452
:
名無しさん
:2012/10/17(水) 10:02:53 ID:rXdYHxDc
この上なく乙!そして感謝!
453
:
名無しさん
:2012/10/28(日) 17:50:15 ID:Om1xJQew
一応移転報告
パラレルワールド・バトルロワイアル part2.5
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1351176974/
今後は仮投下等を除いてこちらに投下してください
454
:
名無しさん
:2012/11/30(金) 23:30:26 ID:BI5oKLLY
このメンツは波乱の予感
455
:
<削除されたのは乾巧って奴の仕業なんだ>
:<削除されたのは乾巧って奴の仕業なんだ>
<削除されたのは乾巧って奴の仕業なんだ>
456
:
<削除されたのは乾巧って奴の仕業なんだ>
:<削除されたのは乾巧って奴の仕業なんだ>
<削除されたのは乾巧って奴の仕業なんだ>
457
:
名無しさん
:2014/04/01(火) 00:03:33 ID:PjojCqEk
暗い通りの中、一組の足音がまどかの耳に響く。
カツ、カツ、カツ
まどか「あなたは…?」
???「私は美国織莉子」
見慣れない学生服を着た少女はまどかを見下ろしながらそう名乗り―――
織莉子「あなたのような存在を、魔法少女として認めるわけにはいきません!」
襲い来る大量の使い魔達を前に、織莉子は手を掲げる。
織莉子「はっ!変身!」
キピーン
◇
N「パラレルワールドの皆は完全に僕達の敵に回ったようだ…」
ゆまとニャースを後ろに連れた士郎の前で、Nは語る。
そこにあるのは仁義なきバトルロワイヤル。
ぶつかり合うガブリアスとミュウツー。
セイバーオルタの刃とオーガのオーガストランザーがぶつかり合い火花を散らす。
◇
使い魔を前にファイズエッジを振るうファイズ、その後ろには車椅子の少女と黒髪で細身の少年。
「お前、パラレルワールドの人間だったのか、なら次は」
ゼロ「俺が相手だ」
困惑するファイズに対し仮面を被る細身の男―――ゼロ。
その強打がファイズの体を捕える。
458
:
名無しさん
:2014/04/01(火) 00:04:08 ID:PjojCqEk
織莉子「次はあなたの番よ」
ほむら「あら、どうして?」ファサ
キリカ「別世界の君たちは許されないんだよ」
刃を振るうキリカと球体を飛ばす織莉子のコンビネーションに苦戦する美樹さやか。
――――そして現る、パラレルワールドの管理者とは?
空間を切り裂く謎の一撃が、周囲の大量の黒き巨人を吹き飛ばす。
◇
巧、士郎、Nの向こうから現れる7人の戦士たち。
彼らは皆、パラレルワールドの住人。
士郎「パラレルワールドの人間…、戦うしかないのか…!」
「変身!」ファイズフォンを掲げる巧。
腕の聖骸布を剥ぎ取る士郎。
モンスターボールを構えるN。
全身を光に包ませ魔法少女衣装に着替えるほむら。
QB「全ての世界の力を結集させるんだ!」
まどか「パラレルワールドの皆が戦うっていうなら…、私も戦わなきゃ…!皆を守るために!」
―――変身!
魔法少女が、サーヴァントが、オルフェノクが、仮面ライダーが走る。
多くの力が入り混じる混戦。
バーサーカーが駆け抜け、マークネモがその巨大な刃を振るう。
ピカチュウの電撃とドラゴンオルフェノクの青い炎がぶつかり合う。
どちらが勝つかを賭けて傍観する死神達と、真相解明に奔走する探偵達。
459
:
名無しさん
:2014/04/01(火) 00:05:41 ID:PjojCqEk
「天幕よ、落ちよ!花散る天幕(ロサ・イクトゥス)!」
「ニコ、サキ!行くわよ!」
赤きセイバーが剣を振るってKMFをなぎ倒し。
プレイアデス聖団が並び立ち。
イリヤ、美遊、クロの三人のコンビネーションが巨大な魔女を吹き飛ばす。
パラレルワールドで分かれ並び立つ総勢57人。
「問答無用!」
パラレルワールド・スーパー大戦feat.赤セイバーとプレイアデス聖団
2114年4月1日ロードショー――――
入場者には特製QBステッカー、プレゼント!
どちらの世界が勝つか、映画の結末を決めるのは君だ!
詳細はパラレルワールドバトルロワイヤルwikiにて!
460
:
名無しさん
:2014/04/01(火) 13:05:05 ID:7RHAc4Es
なんか混じってるー!?
今年もまた4月ネタ乙ですww
461
:
名無しさん
:2014/04/02(水) 19:22:28 ID:e/gPo9nQ
パラロワならではのパラレルな4月馬鹿ネタだったw 乙w
462
:
名無しさん
:2015/04/01(水) 00:52:59 ID:laXkM7ak
新シリーズ予告
――――――――今、世界の命運をかけたレースが開幕する。
『さーて始まりました、最速のレーサーの栄光は一体誰の手に!パラレルワールドGP!!
実況は私、カレイドステッキ・ルビーちゃん。そして解説は』
「え、あれ?私って確か殺し合いの中にいたんじゃ」
『お馴染み、私のマスター、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンさんです!』
「ちょっと待ってルビー。一体何がどうなってるのか分からないよ?!」
『全くもー、ボケるには早すぎますよイリヤさん。仕方ありませんね、説明してあげましょう』
カクカクシカジカ
「えっとつまり、並行世界から集めた人たちでレースをして誰が一番速いかってのを決めるってことだよね。
それでここはルビー達が作ったレース用の固有結界…だっけ?みたいなものだって」
『理解していただけたようで何よりです』
「全然分かんないよ!?そもそもどうしてレースなの!?レースに一体何がかかってるっていうの!?」
『それはですね―――――』
テーン
『おっと、選手の皆さんが入場してきたみたいですね』
「まだ何も聞いてないんだけど!」
『さぁ、選手の皆さんはこちらになります!』
①暁美ほむら:サイドバッシャー
②ナナリー・ランペルージ:マークネモ
③北崎:ジェットスライガー
④草加雅人:オートバシン
⑤クロエ・フォン・アインツベルン:ガブリアス
⑥ロロ・ヴィ・ブリタニア:ヴィンセント
⑦N:リザードン
⑧美遊・エーデルフェルト(ライダー):ペガサス
⑨ゼロ:ガウェイン
『さぁ、最速の称号は誰に与えられるのか!』
「待って!ロボットとか怪獣とか明らかに車に見えないものたくさん見えるんだけど!
ていうか美遊とクロ何やってるの?!」
『あ、そうそう。このレースは攻撃・妨害・乱入何でもありの特別ルールとなっています。速さだけを競っていては勝てませんから注意してくださいねー。
あとイリヤさん、ツッコミポイントはちゃんと押さえた上で突っ込まないと疲労が溜まってしまいますよ』
「ルビーがそうさせてるんでしょーーーー!!」
3
2
1
テーン
463
:
名無しさん
:2015/04/01(水) 00:57:25 ID:laXkM7ak
突如始まった大規模レース。
KMFが、ポケットモンスターが、神獣が、バイクが走り互いの速さを競い合う。
ミサイルが弾け、宝具が飛び交い。
大気が凍てつき、時間が止まる。
「あれ?どうして私たちって時間停止してても動けるの?」
『解説者権限ですね』
「北崎!お前だけはぁ!!」
「しつこいやつは嫌われるよ…っと」
「私のジ・アイスのギアスで凍り付け!」
「くっ、ガブリアス!!」
白熱するレースの中でやがて発生する死者。
「魔女の力は…俺が――――」
「ステルスロックを進行上に撒いておいたわ」
ドーン
「ほむらーーーー!!」
カチッ
そしてレースの中、一つの異変が。
『さーて始まりました、最速のレーサーの栄光は一体誰の手に!パラレルワールドGP!!』
「あれ?これ、前にも同じことがあったような…」
「これから始まるレースで誰かが死ぬ度に時間が戻ってるっていうの?イリヤ」
「うん、信じてもらえないかもしれないけど、このレース絶対何か変…」
「その死んでるやつってのは…」
「ぐああ!」
「草加ぁ!!」
「どうしてあの人だけ普通のバイクなの?」
『あれ、一応変形するんですけどね』
『まもなくだね。時間を繰り返す度に積み重ねられていく因果は高いエントロピーを生み出す』
「この件から手を引け、乾」
「海堂?!」
そして明かされる、レースの裏に隠された、真実。
バトルロワイヤルというゲーム。
「なるほど、これが真相ってことだね」
「ピカッ」
死にゆく者に対する後悔の想い。
「もうたくさんだ、誰かが犠牲になるのは」
少女の葛藤と、死にゆく仲間達。
「美遊!」
「イリヤ……、あなたは、生きて…!」
「今でも信じてる!意味なく死んだやつは、いないってな…!」
彼らの戦うべき本当の敵は――――
『止めろアリス!これ以上加速すると―――』
「構わない!これがナイトメア・オブ・ナナリーだ!」
アリスのゴッドスピードがぶつかり合う。
その相手は―――――――――
パラレルワールドGPの真の開催目的とは――――
スーパーGP in パラレルワールド
魔法少女大戦
PaRRW掲示板にて投下予定
464
:
名無しさん
:2015/04/01(水) 01:28:44 ID:G6hh4CIM
早速のGPネタwww
465
:
名無しさん
:2015/04/01(水) 02:31:17 ID:CTgzrjMI
早いよwけど毎年乙!
466
:
名無しさん
:2016/04/01(金) 22:58:07 ID:z884J6VE
今年はないのかな……
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