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平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ2
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「じゃ、そろそろ行きますか。城戸さん、キバット」
津上が壁に掛けられた時計をちらと見た。
時刻は七時を回る少し前だった。結構な時間休んでいたなと、ここで初めて認識する。
そう考えて、身体をぐっと伸ばしてみると、先程よりは随分と体調も良くなったように思う。
受けた傷の痛みは癒えぬものの、溜まった疲労はほぼない。これならば、戦闘行為も問題はない筈だ。
自分よりも津上の方が元気そうに動き回っているのは、恐らくアギト故に回復も早いのだろう。
仲間の死による心の痛みも相当なものだけれど、それでも津上のお陰で幾分か楽にはなった。
それに、津上だって表には出さないが、木野や北条の死に心を痛めているのだろう。
なれば、自分だけが弱音を吐く事などは許されない。
津上のように強く。仮面ライダーとして、誰かを守る為に戦い抜いてやろうと、先程よりも強く思う。
新たな決意を胸に、先にアパートを出ようとしていた津上を呼び止めた。
「なあ……やっぱ俺、絶対こんな殺し合い止めさせたいって、改めて思ったよ。
世界がどうなるのか何て分からないけど、それでも、目の前で人が死んで行くのは、止めたい。
俺、こんなだからさ、もしかしたら無茶な事もするかも知れないけど……それでも、一緒に戦って欲しい」
同じ志を持つ仲間として。守る為に戦う仮面ライダーとして。
関わった時間は短いけれど、ここで繋いだ絆は、きっと深いものだと思うから。
真司は、少しだけ気恥ずかしい気もしたけれど、強い目で以てそう告げた。
津上はやや考えるような素振りを見せたが、すぐにニッと笑った。
「やだなあ城戸さん。今更何言ってるんです。俺達、もう仲間じゃないですか。
俺も城戸さんも、同じアギト……じゃなくって、何ていうんでしたっけ」
「仮面ライダーの事か?」
「そうそう、それです。じゃあ、俺が仮面ライダーアギトで、城戸さんが仮面ライダー龍騎ですね。
かっこいいじゃないですか、人を守る為に戦う仮面ライダーって。なんかヒーローみたいでいいなあ、こういうの」
「……ああ、そうだな、お前の言う通りだよ。誰かを守る為に戦う、かっこいい仮面ライダーなんだよな、俺達」
津上の笑顔を見ていると、思わず微笑ましくなってしまう。
子供が憧れるような本物のヒーローを、津上は自分達で体現しようというのだ。
ずっと人間の汚い面だけを見て来た気がするが故、真司は久々に心が温かくなる気がした。
こいつが一緒なら、こいつと力を合わせれば、こんな殺し合いだって今度こそ止められる。
そう信じさせるだけの何かが、津上にはあった。
「ありがとな、翔一。お前のお陰で、俺はまた迷わずに済んだよ」
「何言ってるんです、俺は何もしてません。迷わずに済んだなら、それは城戸さんが強いからです」
そう言ってくれるだけで、何処か激励されているような気がして、気が楽になる。
自分よりも翔一の方がずっと強いと思うが、これ以上照れ臭い話をするのも気恥ずかしかった。
それに、自分達はもう仲間だ。本当に伝えたい事は、もうお互い十分に伝わっているのだから問題ない。
同時に、いつの間にか呼び方が「津上」から「翔一」へと変わっていた事に、自分自身、果たして気付いているのか。
何はともあれ、仮面ライダーとしての使命を改めて認識した二人の心は、これまでよりもずっと強い。
月の淡い光は、そんな二人を激励するように優しく降り注いでいた。
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