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魔術士

1名無しのごんべへ:2021/11/17(水) 18:20:05 ID:Etl59c020
「魔素過多症ですね。」
「はぁ...」
「初めてでしたっけ?
まー一か月後に卵ポーンって産んじゃえばすぐに治るよ?」
ここ数週間熱ぽく魔術の制御が不安定の部分があり魔術士専門の病院にかかった王直轄の魔術部隊の第2王子ルディ護衛部隊に所属している魔術士カール•ハリウェル。

魔素過多症、魔力の高い魔術師がかかる病で魔術士がかかる病で魔力の高い魔術士は1年に1度起きるものである。
この病は1ヶ月間続き体内で消化できなくなった魔素を卵として産み出し放出するのだ。
放出する魔素の量によって卵のサイズは代わり、中流の魔術士なら鶏サイズ、上級魔術士になればダチョウサイズ、カールほどの最上級の魔術士となれば龍の卵、胎児が入りそうな卵を産む。
上級魔術士以上の魔術士が魔素過多症の間に性交すると卵ではなく、胎児になり10ヶ月を経て魔力の高い子供が生まれる。

カール ハリウェル 15歳 魔術士
魔力はこの国でも5本の指に入る将来魔術士長に一番近いとされているハリウェル公爵家3男
ルディとは幼なじみのためプライベートではタメ口で話す。
まだ入隊したばかりだが魔力をかられて王子護衛につく。
魔素過多症時に護衛中に襲われて妊娠する。

ルディ = ロイル 16歳
第2王子 王位に興味はなく兄を補佐できればと思っているが有能。
剣術に優れており魔術もそこそこ使えるため護衛は城の中ではカールだけを連れている。
カールを専属の護衛に推薦した人物。
自分とカールの子なら最強の子供ができるのでは?と襲っ妊娠させた。

2熊猫:2021/12/17(金) 17:11:03 ID:s/BdT2Jk0
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当掲示板管理者の熊猫です。
直近書き込みである「2021/11/17」から1ヶ月が経過しておりますが、
その後の投稿がない状態が続いております。
未だに妊娠出産に関する具体的なシーンと、エロないしグロ要素が出てきておりません。
当掲示板は、エロorグロ要素込みの妊娠出産に関する小説を投稿する場となっております。
一週間後の12/24 0:00まで待ちます。
それまでに妊娠・出産シーン及びエログロ描写が出てこないようであれば、当掲示板の趣旨に反するということで、
この小説は削除させて頂きます。

各位よろしくお願いします。

 くまねこ
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3名無しのごんべへ:2021/12/22(水) 23:36:58 ID:xCymIcGQ0
その胎児は生まれながらにして膨大な魔力を持ち産まれた瞬間から初級魔法を難なく使うことができ天才と言われるようになる。
そのため魔素過多症の間はみな休暇をとり出産に備えるのだ。
また、魔素過多症の間だけは魔術の使用を控え安静にしているように定められている。
「そうですか……ありがとうございます。では」
実はカール、今まで魔素過多症に一度もなったことがなかった。
中級魔術士まで上り詰め、魔力量も多く中級魔術士の中ではトップクラスの実力を持っていたがそれでもまだ足りないと鍛錬を続け今の地位にいる。
そのため魔素過多症にかかることもなく今まできた。
魔素過多症にかかり、しかもそれが初めての体験となると不安にもなるだろう。
「(これからどうしようかなぁ……)」

4名無しのごんべへ:2021/12/23(木) 00:22:05 ID:kEqnQ/DQ0
「カール?」
魔術士専門の病院帰り上司に相談しようと思ってまだ頭がふわふわしているときに城へやってきた。
その時護衛もつけないでルディが歩いていてフラフラしてるカールに気づいて声をかけた。
「あ、ルディさまぁ...」
カールはルディの声の方を向いた。
カールは魔力が溢れ出ており、魔力の相性がよかったルディは甘い錯覚を起こしている。
ルディは鳥肌とともにブワッと全身毛が立つような感覚になり、イチモツが起つ。

5名無しのごんべへ:2021/12/27(月) 14:38:57 ID:qsRu3suM0
「どうしたんだい?カール、今日は体調不良でお休みでは?(目がウルウルして友人だけど、今すぐ押し倒したくなる...)」
「ルディさま?
実は魔力過多症になったみたいで卵産むまでお休みいただくことになって...僕、まだ卵産んだことないんですよね。」
「(カールが魔力過多ってことはその辺の魔術師と違って子を作れる卵だよな?
私とカールの子なら最強の魔術師が作れるのでは?)」
王子はまだ性にも興味が盛んだったこともあり今のカールならと思い、人気のない木陰に連れ出した。

6名無しのごんべへ:2021/12/28(火) 07:12:15 ID:0Z1gbvYs0
「単刀直入に言うが、私と性交をしないか?そうすれば君の卵は命を得て、最強の魔術師となるだろう」
王子は木の幹に片手でカールを押さえつけながら、どこか自信満々に告げた。
「はぁあ?寝言は寝て言ってください」
カールはまだ頭がふわふわしていたので、適当に聞き流した。
「それより、明日から隣国へ偵察に視察に行くんでしたっけ。
私はしばらく休暇をもらいますから、他の護衛をつけて行って下さいね」
そう言ってカールはさっさと行ってしまい、木陰にはルディがひとりポツンと残された

7名無しのごんべへ:2021/12/28(火) 09:40:24 ID:ntlRaxYE0
ただ諦めきれないルディは夜、カールの元へ向かった。
「ふぅー、はぁはぁ、んぅー。」
カールははじめての魔力過多症のせいかはたまた魔力が高いせいか、うまく制御できず
身体が疼き、股間を触っていた。
夜は月の明かりで魔力を増すため日中は制御できても
夜は慣れてる魔術士でもうまく制御できないことが多い。
しかも今日は満月のためより魔力が高まる日なのだ。

8名無しのごんべへ:2021/12/29(水) 00:49:10 ID:t9e3GTyo0
(思った通り、身体が疼いているようだな。私も満月で魔力が高まっているしこれなら確実に受精するだろう)
カールは発情しているルディを面白そうに眺めながら考えた。
(起こして性交を楽しんでも良いが、ちょっと悪戯してやるか)
カールはルディに眠りが深くなる魔術をかけた。
(そうしてこの可愛いお尻に私の精液を注いでやれば…)
「はっ、はっ、はっ、……うっ、出る…っ!」
(…ふう、これで良し!視察には君の言う通り他の護衛を連れて行こう)
(帰るのはちょうど一月後だから、胎児を孕んだことが分かる頃だな)
(次に会う時が楽しみだよ、ルディ。チュッ)
カールはこっそりルディの部屋に忍び込みこっそり性交をしてこっそり帰って行った。
ちなみにルディもカールと同じタイミングで射精していたのだが、朝起きて気づき夢精ししたと思い、こっそり下着を洗ったのだった。

そして一ヶ月後—

9名無しのごんべへ:2021/12/29(水) 00:49:48 ID:t9e3GTyo0
「あ、ルディ様お帰りなさい。ちょっとこれ見て下さい、僕が昨晩ポーンって産んだ卵なんです」
「……はい?」
カールがハンカチに包んで見せた卵は、鶏の卵サイズだった。
「いやー、産みの苦しみってやつを初めて味わいましたけど、何とかなるもんですね。
これで魔素過多症も治ったんで護衛に復帰しますよ。あ、この卵、魔法道具や薬の原料になるらしいんで魔法省に持っていくとこなんです。
じゃあ、そう言うことでよろしくお願いしますね」
そういうとカールはさっさと行ってしまった。
「…何だ、受精しなかったのか。残念だな…。まあ、次のお楽しみに取っておくか」

しかし二人は気づいていなかった。
カールの魔力が大き過ぎた為に、あの時二つの卵が出来ていたことを。
そしてそのうちの一つだけが受精し、一つは無精卵となり排出されたことを。
これで魔素過多症が治ったと、二人と思い込んでしまっていたことを。

未来の最強の魔術師は、15歳の少年魔術師ルディの腹の中で出産間際まで誰にも気づかれることなくスクスクと成長していくのだった。

10名無しのごんべへ:2021/12/29(水) 01:12:53 ID:sjvfGvSM0
「カール、ほんとにお前がこれ産んだのか?」
「はい。昨晩お腹痛いないって思ったらポコって出てきたんですよ。」
魔法省でカールが自分の卵を自慢そうに見せていた。
「お前の魔力ならこれくらいで済まないはずなんだけどな。」
カールの上司であるツィーラーはカールの卵の大きさに違和感を覚えてるようだった。
「でも初めての魔力過多症なので小さかったんじゃないですかね?最近ずっと体がダルくて熱っぽかったので魔力が外の出てたみたいですし。」
カールはここ最近悪阻で体のだるさと眠気の症状があったが、魔力過多症による症状と勘違いしていた。
「カールの髪の色だし間違いないからまーカールの卵だから終わったってことでまた今日から頼むぞ。」
ツィーラーは深入りせず笑いながら卵を預かった。

11名無しのごんべへ:2021/12/30(木) 02:47:37 ID:qSWJ7mJo0
「そう言えばルディは、魔素過多症になったことはないんですか?」

長期の視察が終わったところなので、しばらくの間仕事らしい仕事はない。
ルディとカールは見廻りもかねて城下町をぶらぶらしていた。
「ふ、ないな。なんせ私は魔力のコントロールが完璧だからな」
「へーそうなんですね」
「なんだその顔は…。もしかして初めて卵を産んだから自分の方が大人だと思っていないか?自分の方が魔力量が多いと思ってないか??」
「いえ、別に」

(まったく、カールは幼馴染の気安さか相変わらす王子の私にも塩対応だな)
(まあ、そこが良いのだか)
(それにしても魔素過多症は一年に一度くらいだから、次の楽しみは大分先だな)

そんな事を考えながら、しばらくは平和な日々が続いた。

12名無しのごんべへ:2021/12/30(木) 03:08:19 ID:XZI/A83k0
「カール、最近食べすぎてないか?」
「すぐお腹すいちゃって、へへ。」
ルディの職務室で書類の整理を行っているカールの手には常時お菓子があった。
「最近遠征もないから体動かす機会も少ないせいかカール、太ってないか」
「たしかにちょっと太りましたけど...」
食べて太ったわけではなく胎児が成長してお腹が若干膨らみを持ち始めたのだ。
ただ胎児が成長する過程で魔力をカールが送っている関係で常にお腹が空いている状態になっていた。

13名無しのごんべへ:2021/12/30(木) 07:18:51 ID:qSWJ7mJo0
「大丈夫ですよ、なんせ僕は成長期ですからね、ちょっと横に増えても、すぐに縦も伸びますよ」
「ルディの身長もすぐに抜きますからね」
そう言いながら、カールは相変わらず食べ続けている。

「なっ、私だってまだまだ成長期で伸び続けてるんだ!」
「そう簡単に抜かされてたまるか」

そう言ってルディの手も菓子に伸び、二人で菓子を食べてその日の職務は終わった。

14名無しのごんべへ:2021/12/30(木) 08:41:18 ID:LTmZAdr.0
「んーまた太ったかな?」
ベルトの穴を見ると先月一つ大きくしたと思ったら今月もまた一つ
大きくする必要があった。
「(身長は伸びたっけ?)」
カールは鏡の前で伸びたかな?の頭に手を置き、考えていた。
この時既に6ヶ月になっていた。

太ったものは仕方がないといつも通り出勤した。
「はぁ…」
珍しくルディはカールに関わってこず、
何度目かのため息と若干顔が赤く見えて明らかに体調が悪そうだ。

15名無しのごんべへ:2021/12/31(金) 00:43:51 ID:JGzQ.DK20
「どうしました?ルディ。風邪でもひきました?」
普段はそっけないが、何だかんだでカールはルディを気にかけて心配しているのだ。
「…ああ、カール。いや、大丈夫だ…なんでも…な……」
ガターン!
言い終わらないうちにカールは派手な音を立ててその場に卒倒した。
「え、ルディ!?どうしたんですかしっかりして!…嫌だ、ルディー!」

第二王子と言えど、王子が倒れたとあっては国の一大事だ。
すぐに国中の優秀な医師や魔道士が集められルディの治療にあたったが、結果は『魔素過多症』だった。
重篤な病ではなく安心したものの、ルディは体質なのか魔素過多症特有の悪阻のような症状が重く、その日から起き上がることも出来なくなってしまった。
国中の関心がそんなルディに向いた為に、誰もカールの体調や身体の変化に気付くものはいなくなってしまった。
カール本人でさえ、必死にルディの看病をするあまり自分のことなど二の次になってしまったのだ。

16名無しのごんべへ:2021/12/31(金) 01:06:33 ID:jPfqkrMA0
「ゔぅー、また、はきそぅ...」
「好きなだけ吐いていいですから。」
起き上がれないルディの為に横を向かせて浅い桶に吐かせる。
ただここ数日食べても吐いてしまっているため、胃液しか吐けていなかった。
そんなルディをカールは背中を擦ったり口を濯ぐための水を用意したりとせっせと世話を焼いていた。

食べられていなくても魔力の卵は成長しているようで気づくとルディの腹はまん丸く膨れていた。
ルディもカールまではいかないとはいえ、充分な魔力の持ち主のため卵は大きくなるだろうと予想されていた。

17名無しのごんべへ:2022/01/09(日) 22:17:08 ID:O7DX2GLI0
「そう言えば、今城下街ではルディが産む卵の大きさの話題で持ちきりですよ」
「こっそり賭も行われてるみたいです」
「うぅう、こっちは大変なのに…」
「それだけ第二王子のルディが愛されてるって事ですよ。今戦争もなく平和ですしね」

ルディが倒れて3週間たつが、相変わらずカールはルディに付きっきりだった。
食事や睡眠を削って看病していたせいか、腹の中の胎児の位置のせいか、
カールのお腹はそれ以上の膨らみを見せる事はなかった。
「はあ…、兄王様が魔素過多症で産卵された時はダチョウサイズの卵で、それはお苦しみだった」
「私はそのお声が恐ろしくて、ずっと布団を被って震えていたのだ」
「ルディは意外と怖がりなところありますよね」
「僕は貴方の護衛なんだから、産卵の時は側に居られるように王様に頼んでみますよ」

カールのはじめての産卵の時は刻一刻と迫っていた。

18名無しのごんべへ:2022/01/09(日) 23:37:43 ID:4o.HpXoA0
「...?」
ルディはまだ朝日が登る前にお腹の違和感を感じて起床した。
なんとも言えない不安にかられ、カールが中庭で1人鍛錬してる時間のため向かうことにした。
「この腹ほんとに動きにくいな。」
ルディはまんまるに膨らんだお腹がいつもより下の位置にある?きがしていたが少しだるいくらいでいつもと調子は変わらないため気にしていなかった。

19名無しのごんべへ:2022/01/13(木) 04:24:32 ID:EECI6L0k0
「おや、ルディおはようございます。今朝は起き上がれたんですか?調子はどうです?」
鍛錬中のカールは薄着だったが、実際に少し背が伸びたおかげか以前の太った印象はなかった。
「おはよう、カール。調子は悪くないが、何だか胸騒ぎがして…」
「そうですか。随分冴えない顔してますね」
カールはルディを促し、ゆっくりと座らせた。
「ふぅ…。お腹に違和感があって、目が覚めてしまったんだ」
「予定日には少し早いですけど、産まれるのかもしれないですね」
「は〜、やはりいよいよなのだろうか。不安だ〜」
ルディはまん丸のお腹をさすりながら、大きな溜息をついた。
「何とかなりますよ。痛みはありますか?」
「まだ朝早いですが、主治医を起こして診てもらいましょう」

20名無しのごんべへ:2022/01/13(木) 06:39:02 ID:5v4pf1XY0
「あ…」
カールがルディを部屋に連れて帰るために支えて立ち上がった時だった。
「ルディさま?」
声の出たルディに不思議そうにルディを見る。
「いや何、たった瞬間尻からなんか出た…っ!」
ルディは戸惑っているが、生まれる合図で卵を守ってた羊水が出たようだ。
そして波打つような激痛に思わずルディはお腹を押さえた。

21名無しのごんべへ:2022/01/17(月) 18:51:41 ID:v/ydrae60
「ルディ様、ゆっくりでいいので部屋へ戻りましょう」

カールがルディを何とか支える形で部屋へ戻ってきた。

「今、主治医を呼んできますから少しここでお待ちください。」
そう言って主治医を呼びに行こうとカールが立ち上がろうとすると、ルディがカールの手を掴んだ。
「ル、ルディさま?」
「…ここに…いて欲しい」

22名無しのごんべへ:2022/01/17(月) 20:53:47 ID:DV0mvrFI0
いつも強気なルディが不安そうにしているのを見てカールはそばにいてあげたいと思った。
ただルディのお腹お膨らみ具合では二人で産ませるのは難しいと思い、カールは使い魔を召喚し医者を呼びに行かせた。
「ふぅーふぅ!」
ルディはうつ伏せになり、大きいクッションを抱きしめて痛みに耐えていた。
「ルディ、下着脱ぎましょう!」
カールはルディの下着をずらしたり汗を拭いたり甲斐甲斐しく世話を焼いている。

23名無しのごんべへ:2022/01/21(金) 17:30:27 ID:ZgS9hQ860
「待たせたな、患者はどこじゃ?」
使い魔によって呼ばれた主治医のアンマがようやくルディの元へやって来た。

「こっちです!」
カールが手を挙げた。
「これはこれはルディ様、もう陣痛がきたのですね。」
アンマは早速ルディのお腹を触ったりして状態を確認した。
「うむ、これはダチョウサイズくらいの大きさがありそうですな。
ルディ様ははじめての魔素過多症ですし、少し時間がかかるかもしれません。」

24名無しのごんべへ:2022/01/21(金) 18:44:22 ID:MJlvqOe60
「はぁ...はぁ....カールくらいのじゃ、ないのかよ....うぅ....」
「僕、そこまでお腹膨らまなかったのでダチョウサイズはあるかなって思ってました。」
ルディ自身はそこまで大きいと思っていなかったが、カールはそこまで驚いていないようだった。
「そういえばカール様は小さかったって聞きましたね。
ツィーラー様が驚いていましたからね。
カール様なら竜級だと。」
「ははは。僕、きっと無意識に魔力放出させれるんじゃないですかね。痛い思いしなくていいのでこれでいいんですよ。竜級って人間の赤ちゃん産むくらいきついって聞きますし。」
カールは痛みに弱い。
なので卵が鶏サイズでホッとしているのだ。
現状もっと大きおモノがお腹に宿っていると走らずに。

25名無しのごんべへ:2022/01/30(日) 12:22:25 ID:RjtxYgik0
「しかし、こんなに立派な卵を作るなんてさすがルディ様ですよ。」
カールがニコニコしながら言った。
そんなカールにルディはイラっとした。
出産の準備を整えている間にもカールはひたすらルディの世話を焼き続けた。
「はぁーはぁー」
「大丈夫ですか?ほら、もう少しですよ」
カールはルディの陣痛の合間に水を飲ませたり、汗を拭いたりと世話を焼いていた。
ルディは本格的な陣痛がくると自分の兄が魔力欠乏症の卵を産むときに出してた低い唸り声を今、自分が出していることに気づく。
「んぁああ!っ、はぁ、はぁ、はぁ……あああっ!」
「ルディ様、息を吐いてください、そうそう、上手いですよ!」
アンマがルディの様子を見つつ的確に声をかける。
「はぁ、はぁ、はぁ……あああ!」
「あとちょっとですよ!ルディ!頑張って!」
「カール、うるさい!黙れ!」
ルディは味わったことのない痛みにイライラを隠せず、カールに向かって怒鳴った。
「す、すみません。」
その様子にカールもシュンとして謝った。
そばにいて欲しいといったのは自分のはずなのに思うように卵が出てこないためカールにあたってしまったのだ。

26名無しのごんべへ:2022/02/03(木) 08:19:57 ID:cKGYkugk0
「じゃあ、僕ちょっと、部屋の外に出てますね」
ルディははっとして何か言いたそうだったけど、お互い落ち着くためにカールはいったん退室した。
「…ふう…」
閉めた扉に寄り掛かり、カールは息を吐いた。
産卵の痛みにうめくルディの世話をしながら、カールも気を張っていたのだ。
でも、怒鳴られてもルディを責める気にはならなかった。
自分が初めて産卵した時、小さな卵で比較的楽に出てきたとはいえ、激しい痛みがあり一人でとても不安だったのだ。
普段の扱いは雑だけれど、ルディはカールが守護する大事な王だ。
苦しんでいる時こそ、寄り添いたいと思う。

「うわぁあああああっ!? 痛い痛い痛いっ! カール、カーールーッ!!」
「!?」
突然ルディの絶叫が聞こえて、カールは慌てて部屋に飛びこんだ。
王族らしい豪華なベッドの上でルディは脚を大きく開き、肛門からは卵の頭が見え隠れしていた。

27名無しのごんべへ:2022/02/03(木) 11:01:58 ID:0v4o/vqM0
だが、卵が大きいせいかルディが息んだら卵の頭が見える限りで息むのを止めると引っ込んでしまう。
「(見える先っぽだけでももう僕の時よりおっきい...)」
ルディはカールは卵のサイズに圧倒されていた。
「産むのを補助するためにお腹を押しますね。カール様、ルディ様の脚を閉じないように抑えててください。」
アンマが指示を出し、カールは言われた通り脚を押さえつけた。
「ぐうぅぅ、ぐぅぅぅ!! いだぃ、いだだだだ!」
ルディは今まで感じたことの無い激痛に涙を流しながら、歯を食い縛っていた。
カールは必死に痛みに耐えるルディをみて涙が出そうになった。
産卵をはじめてから1時間程たつと、ルディは体力の限界なのか、 お腹の中の胎児が動いたのか、 またお腹の痛みで意識が飛びそうになっていた。
卵は漸く引っ込まなくなりルディの髪色を持つ卵の先端がみえている。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ」
「ルディ、頑張れ!」

28名無しのごんべへ:2022/02/04(金) 10:17:41 ID:AWL0JL4Y0

「も…も、だめ…。私には無理だったんだ…こんな、大きな、たまご…」
ルディは随分頑張っていたが、終わりの見えない苦痛にすっかり弱気になっていた。
「そんな…、ここまでとっても順調ですよ」
カールはルディの汗を拭きながら励ました。
日が高くなってきてメイド達も起き出し、産卵を手伝うためにルディの部屋に集まっていた。
アンマの助手をしたり汚れ物を片付けたりとせっせと働いてくれたので、カールはルディを寄り添って励ますことだけに集中出来た。
(こんなに苦しむなんて…、私が代わってあげられたらいいのに)

「やあ、ルディが産卵してるんだって!」
「…あ、兄王さま…?」
そんな膠着状態の中、爽やかに部屋に入ってきたのは、ルディの兄である第一王子のラドフォートだ。
弟王が初めての産卵中だと言うのを聞きつけて、公務の合間を縫って見舞いに来たのだ。
「なんだい、随分情けない顔をしてるじゃないか。我が弟君にはまだ産卵は早かったかな?」
「はあ…はあ…、いえ、こんなの、何でもないです! すぐに、産んでみせます…っ、ううっ」
ルディはこの歳の離れた兄をとても大好きで尊敬しているので、認めて欲しくていつも強がってしまうのだ。
ついでに言うと、この兄とルディの間に五人の姫がいて、ルディは末っ子の第二王子なのだ。
「ははっ、それは頼もしい。…私の時と変わらないくらいの大きな卵だね」
「立派に産卵出来れは、ルディも最高魔術師に一歩近づけるだろう」

それから暫く兄王に見守られながらルディは必死に息んだ。
「うぅうううーーんっ、はあっはぁあっ! …ふ、んんんんーーーーっ、ぐぅううううううっっ!!!」
痛いとは、一度も言わなかった。
「あ、ルディ! もうすぐ一番大きな所ですよ!」
ルディの肛門は、信じられない程広がり今にも切れそうだった。
「少しでも出やすいように、油を使いましょう」
「はっはっはっはっはっ! デカいのがはまってるのが、はっきり分かる…っ」
ルディは真っ青で全身汗だくだったが、シーツを握りしめて息み続けた。
「はぁあっ、ふぅうーっ、もうちょっと…………ぅ…うぶっ、うえっ、ゲェエエエッ!?」
「ルディ!?」
突然の嘔吐に受け皿が間に合わず、寝巻きとシーツが吐瀉物まみれになってしまった。
「ゲ…げほ……、気持ち…わる………」
ふーとルディの意識が遠のく。
気持ちは負けていないのに、身体の限界が先に来てしまったのだ。

29名無しのごんべへ:2022/02/04(金) 13:39:18 ID:4s036D3Q0
「ルディ様! しっかりしてください! もう少しですからね……!」
「はぁ、はぁ……うぅ……っ」
「……っ」
その様子を見て、兄王は唇を噛んでいた。
兄王も初めの産卵で卵が大きかったため、毎年起こる魔力過多症の近くでなるべく魔力を発散し卵のサイズを抑えているのだ。
当時の自分と全く同じサイズの卵を産めと言われて産める者は少ない。
だから、目に入れても痛くないと思っている末弟のルディの産卵が始まったと知らせが入り、兄王も不安で仕方がなく、公務をずらして様子を見に来たのだ。
しかし、当の本人からすれば自分のことを心配してくれるのは嬉しいが、そんなことで尊敬している兄の手を煩わせる訳にはいかないという意地があった。
「はぁ、はぁ……っ、まだ……私は……大丈夫……っ」
「ルディ様……っ」
「……ふんっ、ふんっ…………はぁ……はぁ……、……ああぁあぁぁあーーーーッ!!!」
力いっぱい息むと同時に、肛門が一気に開いた。
ミチィイイッと音を立てて卵の1番大きい部分がゆっくり出てくる。
「はぁっはぁっ……っ、ああぁぁああぁぁあーーーーー!!!!」
ズルン!
「はぁーーっはぁーーっ……っ! はぁ、はぁ……あぁぁ……」
最後の力をふり絞り、卵の1番太い部分を排出した。
これでやっとルディの産卵が終わった。
ルディの肛門は大きい卵を産んだ反動でパックリと開いてしまっており、アンマが慌てて軟膏を塗り込んだ。
「ルディ様! やりましたね! お疲れさまでした!」
「はぁ、はぁ……は……い……」
ルディはそのまま気絶してしまった。
「ルディ、寝てしまったようだな。よく頑張ったな。」
兄王は気を失っているルディの頭を撫でると公務に戻ることにしたようだ。
「そういえばカール、お前も魔力過多症だったか?カールはルディや私よりも大きくなるって入団時代騒がれてたが。」
戻ろうとしていた兄王がふとカールの少し膨らんだお腹周りを見て聞いた。

30名無しのごんべへ:2022/02/05(土) 17:02:52 ID:AiOikJIA0
「あ、はい。半年…、いえ、もう七ヶ月以上前に。鶏サイズの卵を産んで終わりました」
「そうなのか、鶏サイズだったとは意外だな」
「はい、この話をすると、よくそう言われます。きっと無意識に魔力を放出していたんでしょう。それと、このお腹周りなんですけど…」
「うん?」
カールはラドフォート王子の目線がずっと自分の腹部にあることに気がついて、恥ずかしそうに言った。
「あの、職務中にお菓子を食べ過ぎて、太ってしまいまして…。これでも、大分絞ったんですが」
「ははっ、そうなのか! 菓子に夢中になるなんて、君にもそんな子供らしい所があったんだな!」
王子は余程ツボに入ったのか、愉快そうに笑って、カールは顔が真っ赤になった。
「はー、とにかく、魔素過多症のルディの世話をして産卵に寄り添ってくれて有難う。これからも弟の事を宜しく頼むよ」
「はっ!」

ルディはそれから3日ほど高熱を出して寝込んだ。
産卵による身体のダメージは勿論だが、卵がダチョウサイズだった為に逆に魔力が枯渇状態になりそちらが深刻な問題だったのだ。
だが一ヶ月たった今ではそれも回復し、職務を再開している。
「はあ…、それにしても大変だったな…。もし次があったら兄王様のように上手く魔力を発散して卵のサイズを抑えることにするよ」
「そうですね。僕も鶏サイズ以上の卵を産むなんて絶対無理なんで、そうします」
そう言うカールの腹部は、一ヶ月前よりたるみがなるなっていた。
ラドフォート王子に改めて指摘されたのが物凄く恥ずかしかったので、魔術や剣の鍛錬に加えて筋トレをしまくったのだ。
お陰で、くびれこそ無いものの腹筋がうっすら割れる程引き締まっていた。
そのせいか最近は常に腹が硬く張って苦しい感じがしたが、それは腹筋が付いたせいだと思っていた。
腹筋の鎧の下で、カールの胎児は順調に成長を続けていたのだ。

「…ダチョウサイズであんなに大変だったんだから、胎児なんて絶対無理だ。あのときカールが受精しなくて良かった…」
ルディはかつての自分の迂闊な行動を恥じてボソリと呟いた。
自分のせいで、大事なカールを苦しめることにならなくて本当に良かったと思っているのだ。
「ん? 何か言いましたか、ルディ?」
「いや、何も!」

しかし事態は既に手遅れだった。
この約二ヶ月後、正確には8週と3日後に壮絶な出産が待ち構えているとは誰にも想像出来ていなかった。

31名無しのごんべへ:2022/02/05(土) 18:53:34 ID:IGiVX2sY0
「そういえばまた2ヶ月後の隣国への偵察だがカールでいいか?」
「え、あ、はい!前回は魔力過多症で行けませんでしたが次の月だと若干微妙でしたが2ヶ月後なら大丈夫です。」
スケジュールを見ながら魔力過多症が発症しそうな月を確認してカールは答えたがその間に産み月を迎えるとは思ってもいなかった。
ただこのところカールには不安ごとがあった。
朝合同訓練を受けてからルディに合流することがあるが、最近魔力コントロールが上手くいっていないのだ。
ぽんっ

「あれ?もう一回!(ぼおぉおおおおー)わあ!?」
「カール珍しいな、お前が失敗するなんて。」
「すみません...。」
「大人びてるがまだまだ普通は魔力が不安定な年頃だ。気にすることはないよ。」
簡単な魔法なら無意識にできていたが、意識しないと不発で終わったり、極端に強い魔法を暴発させているのだ。
ツィーラーは気にすることはないと言ってくれるし、意識すればいつも通り制御できるため訓練の時は特に意識して魔力コントロールをして問題がないように装っていた。
そのためルディが寝静まって宿舎に戻る前に何時間も訓練所で自主トレして帰っているのだ。
「……どうしたの、カール? この頃変だよ」
「そ、そんなことないですよ。」
「そうかなあ……、なんか思い詰めてるみたいだけど」
「大丈夫ですから」
ルディは最近カールが何か隠しているようだがそれ以上追求しなかった。
8ヶ月になり胎児も身体と共に魔力の成長も著しく成長する時期なのだ。
そのため魔力を少しずつ分け与えてるカール自身は魔力が不安定になっているのだ。
本来パートナーがいればパートナーも送ることができるがそもそも孕っていることも気づいていないため、カールが無意識に供給するほかなかった。
本来魔力が枯渇するはずがカールの魔力の高さで不安定なだけで終わっていたので倒れることもなかった。

32名無しのごんべへ:2022/02/06(日) 11:51:28 ID:jfqYOnco0
ツィーラーには気にするなと言われたしルディには隠し通すつもりだったが、やはりまだ15歳のカールは思い詰めてしまった。

ある朝、暗い顔で執務室に来ると、挨拶もそこそこにルディに告げた。
「ルディ王子、専属の護衛を辞めさせて下さい…。僕は、護衛部隊相応しく無い、魔術士として失格です」

「ええっ!? な、なな、何でそんなこと言うんだ! やっぱり何かあったのか!?」
晴天の霹靂とばかりにルディは慌てた。
悩みがあれば話して欲しいと思っていたけれど、いきなり辞めると言い出すとは思わなったのだ。
「……………………最近、魔力のコントロールが上手く出来なくて………」
カールが重い口をやっと開いた。
「…そんなこと…、この年頃には良くあることなんだから、気にするこ」
「いえ、ダメです! 今まで天才と言われてきた僕がこんなんじゃ! 将来魔術士長になんかなれないし、王子の護衛も出来ません!」
ルディはカールの前に立ったままぎゅっと拳を握りして下を俯き、今にも泣きそうに見えた。
本当に些細な悩みだけれど、カールにとっては深刻らしい。
ルディはそんなカールの心を少しでも軽くしてあげたいと思い、ふと思いついた。
「…魔力が安定すれば、専属護衛を辞めるなんて言わないな?」
「………はい…」
「じゃあ、こんなのはどうだ?」
ルディはカールの両手を取ると優しく握り、自分の魔力を少しずつ注ご込んだ。
「…あっ、ルディ、これは…?」
「私とカールの魔力は相性が良いし、これで過不足なく安定してくるんじゃないかな?」
王家の魔力には、慈しみと癒しの効果もある。
暖かな魔力が、カールの全身を巡った。
「…ルディ、身体と気持ちが、少し落ち着いてきました…」
カールはやっと顔を上げた。
「それは良かった。魔素過多症の予防にもちょうど良いし、これから定期的にカールが満足するまで魔力を分けてやる。だからもう辞めるなんて言うなよ」
「…はい、ありがとうございます、王子。僕はこれからもずっと、第二王子ルディの専属護衛です」

ルディのおかげでカールの悩みは少し軽くなり、誰にも知られていない胎児も身体と魔力をスクスクと成長させていった。

33名無しのごんべへ:2022/02/06(日) 12:50:43 ID:64DOnuPM0
毎朝夕2回ルディに魔力を供給してもらい、カールの魔力はだいぶ安定した。
「ルディの魔力を貰ってるとお腹がぐりゅぐりゅお腹が動くんですよね。魔力の流れが感じられます。」
「そうか。ならよかった。
私の方も魔力コントロールのトレーニングになってありがたいな。
にしても慣れてきたせいかカールの方から魔力を吸い取ろうとしてるみたいだ。」
カールのお腹の子はルディからの魔力も供給されどんどんキャパを高め身体も成長してきていた。
基本的カールのお腹の中で息を潜めて動かないが父親からの魔力と母親からの魔力が合わさり供給され気持ちが良くなるせいかルディに魔力を貰ってる間だけよく動いていた。
それが魔力の流れと勘違いされていただけだ。

34名無しのごんべへ:2022/02/08(火) 11:22:35 ID:vob/FDlU0
魔法と剣の訓練をし身体を鍛えながら、隣国への偵察の準備は順調に進んでいった。
そうしていよいよ出発すると言う前日の夜、珍しくルディがハリウェル家を訪ねてきた。

「どうしました、ルディ。何か忘れ物ですか?」
「あ〜、そうだな。どうしても渡したいものがあって…」
そう言ってルディが少し恥ずかしそうに取り出したのは、魔法石が美しく装飾された見事な剣だった。
「ルディ、それは…」
「私の初めての卵を加工して造らせたんだ。どうしてもカールに渡したくて…。遠征に間に合うよう急いで造らせて、さっき出来上がった」
「…そんな、貴重なもの…。僕はてっきり、初めての卵は兄王さまに献上されるんだと思っていました」
「まあ、それも考えたが、カールにはいつも世話になってるし、最近特に頑張ってるから、褒美をやりたくてな!… 受け取ってくれないだろうか…?」
カールは感激で胸がいっぱいになって、目の前にいる幼馴染の王をじっと見つめた。
魔力を貰っている訳ではないのに、腹の奥ががきゅんきゅんする。
「…有り難く頂戴します、ルディ王子」
カールは膝を突きしゃがむと、両手を差し出した。
「これからもよろしく頼むよ、魔術士カール・ハリウェル」
「この命に替えても、誠心誠意、王子にお仕えすると誓います」
ルディは受け取り、深く深く頭を下げた。
そうすると腹が圧迫されとても苦しく腰も痛んだが、そんなこと今は全く気にならなかった。

明日は早朝から隣国へと発つ。
その旅で、カールとルディの運命が大きく変わることになるのだ。

35名無しのごんべへ:2022/02/08(火) 13:22:30 ID:vMMtCVYU0
「お願いします!」
カールはルディに手を差し出すとルディはその手に魔力を流す。
「んんぅ...あぁん!....あ、すみません....」
ルディの魔力に反応したお腹の子がカールの前立腺をたまたま蹴ってしまい、カールは色っぽい声が出てしまった。
お腹の子は成長していつ産まれてもおかしくないサイズになったため、少し動くだけで強く胎動を感じるようになったのだ。
ツィーラーや魔術師の仲間もえ?って顔でカールをみたため、カールは恥ずかしくて顔を真っ赤にした。
そして隣国へは1週間ほど馬車に乗って移動したところに関所があり、まずはそこを目指すことになる。
ルディの乗った馬車と並走してカールが馬に乗り護衛に当たる。
「(ん?昨日くらいからルディの魔力を貰わなくても魔力を貰った時みたいにお腹がキュうんってなるけど、ルディにもらった剣を持ってるからかな?)」
カールは昨日あたりから胎動が激しくなっていたが、嬉しすぎて抱きしめて寝た剣を抱いて寝たため気にしていなかった。

それから数時間経ち、休憩を挟みながら馬を休ませている間に食事をとる。
その時だった。
ーーグゥルルルルーー!!︎ 獣のような低い鳴き声とともに、地面が揺れ始めた。
ーーズシンッ!!!ーー
「ワイルドウルフだ!戦闘準備!」
ルディも馬車から降りてきていたが、森の中からワイルドウルフが現れたのだ。
ワイルドウルフはこの辺りでは中堅の魔物ではあるが体長が3mあり、黒い毛並みは硬く剣が通りにくく、スピードもあるためこの辺りでは重要警戒魔物にしていされている。
「ルディは僕の後ろにいてください!」
カールは剣を構え、戦闘の準備をする。

36名無しのごんべへ:2022/02/11(金) 21:50:44 ID:a0iRtTyg0
「ルディは馬車にいてください!」
カールは剣を構え、戦闘の準備をする。
「ああ、分かった」
ルディは言われた通りに馬車に戻り待機する。
「ガウッ!!」
1匹目が飛びかかってきたところを、カールが切りつけるが、やはり硬い毛に阻まれてしまう。
しかしそこは想定内なので、素早く後ろに下がり2撃目に備える。
もう1匹のワイルドウルフは、馬車の方へ向かっていた。
「くそっ!こっちにも来ていたのか!『ファイヤーアロー』……ぐあっ!?」
「カール!」
2匹目のワイルドウルフが馬車に向かって行ったことに気がついたカールはそちらに目がいき、火の矢を放つと2匹目のワイルドウルフは息の根を止めれたが、馬車に気を取られてる隙に1匹目が襲いに来ておりカールは腕を噛まれてしまった。
「ガウウゥゥ……」
ワイルドウルフは噛み付いたまま、鋭い爪でカールの服の上から腕を切りつけていく。
「くっ……うぅ……あぁ……痛いっ……!」
「グルルァ……ガアッ!!」
痛みで力が抜けてしまい、カランと剣が地面に落ちる音がしたと同時に、ワイルドウルフは勢いよく腕を離すと、今度は脚に狙いを定めてきた。
「『サンダーボルト!』カール!!」
カールがもうダメだと思った瞬間雷がワイルドウルフに当たり、丸焦げになってカールの近くに倒れた。
「カール!大丈夫か!?」
「あ……ルディ……」
カールが振り返るとそこには、魔法を放った後のポーズのままこちらを見ているルディがいた。

37名無しのごんべへ:2022/02/15(火) 14:33:41 ID:0CA5hbek0
ルディが助けてくれたのだ。
カールは助かった安心感からその場に座り込んでしまった。
それをみたルディは慌てて駆け寄る。
そして傷口を見ると血まみれになっており、ルディはカールを抱き抱えて馬車まで運んだ。すぐに治療担当がやってきてカールに治癒魔法をかけていく。
「ひとまず止血はできたが、血がかなり出ているので貧血を起こるかもしれないから気をつけてくれ。腕は動くか?」
「ちょっと痺れてる感覚と違和感が残ってるけど大丈夫。
ルディも助けてくれてありがとうございます。」
カールは自分の腕を確かめるように動かしている。
「ああ、無事で良かった。」
ルディはほっとした表情で微笑みカールに抱きついた。
「ルディ、ご心配をおかけしました。」
「ん?」
「ルディどうかしました?」
「カールのお腹辺りから違和感した気がしたけど、鞘でも当たったかな?」
ルディが抱きついた際にカールのお腹の子が蹴ったわけだが、カールも腕に気を取られてるせいか気づかずルディも近くにある剣の鞘だと思い、気にしなかった。
腹筋を鍛えたせいで窮屈になっていた胎児がそろそろ出てくる準備を始めていたことに誰も気付くものはいなかった。
お腹も元々常に張っている感覚は続いていたためさらに気付くのが遅れるのだった。
こうしてカールが怪我をしたもののなんとか隣国との国境へと到着することができた。

38名無しのごんべへ:2022/02/21(月) 13:43:30 ID:dO1XkRAY0
隣国に入る前に1週間ほど国境の砦で滞在することになっている。
「ふわぁ....」
砦に来て5日、カールはツィラーと2人で夜のルディの部屋警備当番を終え1日休みの予定だ。
道中怪我したこともあり夜当番は免除されるはずだったがカールが別に大丈夫だと当番シフトに入ったのだ。
夜当番をした担当は一日休みを取る仕組みになっているのだ。
そのため明け方、早朝当番の交代の仲間に引き継ぎをしてカールは寝るために部屋に帰ってきた。
「...なんか、変なもの食べたかな?」
カールは夜当番中、正確には0時を回ったあたりからお腹に違和感を感じていた。
定期的にお腹が張ったかと思えばお腹を下したときみたいにお腹がきゅうーと締め付ける感覚が何度かあった。
何度かツィーラーに許可を得てトイレに立ったが用は出なかった。
「とりあえず午後からナツジカ狩りに行くしそれまでに収まっててほしいな。」

カールは休みに怪我で大人しくしていた体の訛を回復すべく魔法の特訓も兼ねて一人で森に出かける計画をしていた。
ルディに聖剣のお礼としてナツジカの角ので何か作り、肉はカール自身大好物のため血抜きして明日の夜に焼いて食べようと考えていたのだ。
休みの日はツィーラーに申請書を出せば砦での滞在でも外に出れるのだ。
そのため既に陣痛の兆候はでているのだが、カールはこのときそんなことも考えずに狩りにでかけて行くのだった。

39名無しのごんべへ:2022/03/16(水) 13:33:53 ID:7C.XK6Rk0
護衛の為の鎧を脱ぎ軽装になった。
弓と獲物を捌く為のナイフ、携帯食と水をリュックに詰める。
森を歩くのでなるべく荷物は減らしたいが、悩みに悩んでルディから貰った剣も持っていく事にした。
魔法の訓練もしたいし、何より最近この剣を身につけていると魔力が安定して心と身体がとても落ち着くのだ。
「ではツィーラー、行って参ります。日暮れまでには戻りますから」
「ああ、気をつけて。ルディ様には適当に誤魔化しておくから」
「お願いしますね」
ルディにはサプライズでプレゼントしたいと思っているので、狩りに行くことは秘密なのだ。

険しい森を一人で歩くが、気持ちとは裏腹になかなか足が進まなかった。
実は昨夜からの腹痛とは別に、偵察に出てから抱えていた腰痛が、ここ数日悪化しているのだ。
既に臨月になっていた身体に乗馬の振動が響いていたのだが、腰痛なんてなんだが恥ずかしいので隠して我慢していたのだ。
「ふう、いたた…。やっぱり怪我のせいで安静にしてたから、鈍ってるのかなあ」
カールは自分の拳で腰を叩きつつ、息を吐き痛みを誤魔化した。
実はとうとう40週となった胎児が下がり始めた為に骨盤が広がり股関節が緩む為の痛みなのだが、カールはそんなことが自分の身体に起こっているなんて全く気づいていなかった。
それでも何とか一時間ほど歩くと、ナツジカの餌場を見つけた。
お腹の違和感と腰の痛みを気にしながら岩陰に身を隠して、獲物が来るのを待つ事にした。

40名無しのごんべへ:2022/03/16(水) 18:14:48 ID:yPKnmSec0
しゅんっ
「っ!?あーまた逃げられた!」
狙いを定めて矢を放っているのだが、打つタイミングで腹痛が酷くなり手元が来るってしまうのだ。
「ふぅ〜いてて....」
カールは痛む腹を撫でながら次の獲物を待っていた。
お腹の子はカールとルディから豊潤に魔力を貰っていたせいか普通の胎児より大きく成長している。
本来医者にみせていたら2週間も早く出産したほうが良かったと言われるくらいすくすく成長していたのだ。
今もルディからもらった剣とルディから魔力を供給してもらってるため居心地がいいのか陣痛の進みは遅かったが、2時間もすると集中できないくらい陣痛は強くなっていた。

41名無しのごんべへ:2022/04/16(土) 11:57:55 ID:.Y477.B.0
「ふぅー….腹痛ぃ。」
カールは定期的にくる痛みにお腹を摩りながら耐えていた。
それでもルディのためにナツジカを獲りたく、草むらに息を潜めていた。
しゅんっと弓を打った。
「やった!」
そして漸く一頭のナツジカを仕留めることができた。
昼間に出かけたが何度か失敗し、もうすぐ夕方になろうとしていた。
カールは早速仕留めたナツジカをさっさと回収し砦に戻ろうと立ち上がった時だった。
「ゔぁあ!?」
今までにないくらい強い痛みに思わずカールはその場に蹲った。

42lyuvrMtU0:2022/05/01(日) 01:23:29 ID:bIIhN4M.0
「っつ….(お腹痛いしまるで魔素過多症の時みたいだけど。でもまだ過多症の時期じゃないし)」
カールは腹痛が10ヶ月前に来た魔力過多症に似てるとは思いつつもまだ過多症の時期ではないと首を振って否定する。
ただお腹が痛くて砦に戻れる気がしなかった。
カールは這って近くにある木の窪みのところに移動した。

「ふぅー、うぅ…この腹痛じゃ…砦にかえれないな….。」
カールはお腹を摩りながら痛みがさってくれることを願っていた。
「うぅ…あれ?召喚できない….」
助けを呼ぶためにカールは使い魔を召喚したかったが、召喚できなかった。
出産に向けて魔力が出産準備に回っているようだ。
気づいていなかったが出産準備のために出てくる潤滑液が肛門を濡らし始めていた。

43名無しのごんべへ:2022/06/30(木) 17:37:41 ID:4B7/DJZ20
「や、やばい…、漏れる…っ、うぅうーーっ!」
カールは出産の進行に伴う激しい娩出の痛みを便意だと勘違いしていた。

44名無しのごんべへ:2022/06/30(木) 21:29:11 ID:xVOD44Zs0
「んんーー!!」
カールは一瞬服を汚すことに抵抗があったが、我慢できずに四つん這いになり、踏ん張り始めた。
まだこの時点では出口が開いておらず踏ん張ってもただ体力を消費するだけだった。

45名無しのごんべへ:2022/07/16(土) 02:40:55 ID:lvF5kwMs0
「はあっ、はぁっ、だめ、も、もれちゃうっ!っっっーーー!!!!!はぁっ、はっ、はっ」
カールは焦りと痛みで涙を流していた。
便意はあるが一向に出る気配がなく、痛みにも波があるが今のカールには
陣痛が来てるのか治ってるのか分からず、軽くパニックになっていた。
「はっ、はっはっ、で、出ないっ、でも、もぉ、も、もれるっっ!」
カールは暫く息んでいたが出てくる気配もなく、ただただ体力を消費してしまい、
四つん這いから身体を横になった。
カールは今自分がどうなっているかも分からないほど混乱していた。
「いたいよぉ、いたいよっ、だれかたすけてぇっ、」
カールは陣痛の痛みと排泄の痛みのどちらが強烈かわからなかったが、涙が止まらなかった。
「…る、•••••ール!」
遠くから誰かがカールを呼ぶ声が聞こえた。

46名無しのごんべへ:2022/07/27(水) 08:29:27 ID:HEhDnfbg0
「ル、ルディ……?」

いつに間にか日が沈み、辺りはすっかり暗くなっていた。
ルディが、予定の時間になっても戻らないカールを探しに来てくれたのだ。
自分のピンチに、それこそ王子様のように助けに来てくれたのだ。

「ルディ! ここで…」
嬉しくて嬉しくて、大声でルディを呼ぼうとしたが、カールは今の自分の状況気がついた。
森の中で横になってのたうち回っていたので泥だらけだし、服も乱れている。
腹痛と便秘で子供にように泣いていたなんて、何て恥ずかしい!
こんなみっともない姿、絶対にルディに見せられない!
そう思い、急いて身なり整えた。
ルディが持つ松明の灯りが、森の木々の隙間からチラチラ見えくる。

「はあ、はぁあっ、…、う、ううううん゛、ぐ、うぐぅううう!」 

カールは激痛を堪えて、剣を杖代わりにし、気力を振り絞って立ち上がった。

47名無しのごんべへ:2022/07/27(水) 10:07:29 ID:3MR.vfUU0
歩くたびにお腹に刺激が入り、ギューと締め付けられる痛みがあったが
それでもヨロヨロと灯りの方へ歩いていく。
「ん?カールか!?カール!!」
近づいてく足音に気づいたらしく、ルディの声が近くなってきてるのがわかる。
「ぅううう!ひぃいいい!!」
その声に反応したのか一層強い陣痛がきて我慢ができず、声が漏れる。
カールは目を見開き、内股で腰を落とし剣を支えにして
倒れないように踏ん張った。
「カール!!」
ルディは俺の苦痛な声で確信したようで走ってくる音がどんどん近づいてきた。

48名無しのごんべへ:2022/07/28(木) 03:27:58 ID:Ce3fbd3U0
そしてルディはカールを見つけてくれた。
ルディは急いで駆け寄り、抱きかかえてカールを支えた。
「大丈夫か!?カール!?」
「はぁっ、はぁっ、る、るでぃ……おみぐ、るしいぃ、とこを、ぅうう!」
カールはルディの腕の中で痛みを訴え、お腹を摩っていた。
「あ、ああ、腹がいたむのか?おい、救護班!!」
ルディが慌てて救護班を呼んだ。カールが時間になっても戻ってこず怪我したんではないかと心配して救護班も連れてきていたのだ。カールは痛みが治まらず、脂汗を流しながらルディにすがりついていた。
「カール!!しっかりしろ!!」
「ぅうううっ」
ただの便秘のはずが大ごとになっちゃってどうしようかとカールはまだこの時思っていた。
「これは……!まずいな。ちょっと失礼しますよ。3cmか……」
「っ!」
救護班の1人がカールのお腹を直診し、異常を感じて呟く。
この時救護班すらもまだ魔力過多症の症状だと思っており、
出産による陣痛だとは思っていなかった。
救護班はズボンの中に手を入れて出口の確認をして呟いた。

49名無しのごんべへ:2022/08/13(土) 12:44:52 ID:.AMaEQBg0
「恐らく魔力過多症ですね。」
「カールの予定では来月だったはず!」
「前回予定より小さい卵だったとかないですか?」
「確かにカールの魔力にしては鶏サイズだった。」
「魔力がうまく貯められず今回早く溜まってしまったっていうのは充分考えられます。」
救護班に言われてルディが青ざめていく。
「とにかく早く砦で医師に見せるのが先です!」

50名無しのごんべへ:2022/08/30(火) 14:39:04 ID:9G2giUys0
「カール!砦まで歩けるか!?」
「ぅうう、む、むり、おなか、いたい、」
「よし、私が抱くぞ「いえ、ルディ様、我々が連れて行きますので。」」
ツィーラーが慌てて申し出た。
「そうだね。」
ルディも冷静さを取り戻し、同意する。
「カール、すぐ砦へ連れてくからな!」
カールはツィーラーに抱かれて砦に戻ってくるとすぐ医務室の個室に通された。
「リカン!すぐに診てくれ!」
リカンと呼ばれた医者がカールの診察が入る。その間ツィーラーもルディも外に出された。今はリカンとカールしか部屋にはいない。
「うーん?ん?まさか、いや、ん?」
魔力過多症の卵の大きさを確認しようとリカンは固有魔法でカールのお腹を透視して確認し、お腹に胎児がいることに驚きと困惑をしていた。
「なるほど、ん??いや、しかし。カールくん、誰かと寝屋を共にしたことあるかい?」
「えっ、な、ないですよ。」
「うーん。そうか。」
「あの、何か問題が……?」
「んー、んんん、んー、んんんん。んー。」
「先生?」
「あー、うん、君のお腹は卵ではない。胎児がいるんだよ。しかももういつ産まれてもおかしくないくらいの子が!」
「えっ!?」
「君妊娠しているんだ。」
「!?」
カールは信じられない言葉を聞いて、一瞬頭が真っ白になった。

51名無しのごんべへ:2022/10/18(火) 08:25:55 ID:gY0FngV.0
「そ、そんなっ、どうして!? 僕が、 妊娠… ? わ、わからない………」
ショックで呆然とするカールに、容赦なく陣痛は襲ってくる。
「…あ、また、痛くなって……っ、ああっ、痛い痛いっ! んんっ、んぐぅうーーーーっ!!」
「カールくん! まだ息んじゃだめだ!」
激しい腹痛と便意に似た感覚に、カールは本能の赴くままがむしゃらに息んだ。
夜当番中に違和感を感じてからすでに24時間経っていたが、子宮口はまだ十分には開いてはいない。
このままやたらに息み続ければカールと子の命に関わるが、息みの逃し方など知らなかった。
「ぅううゔゔゔゔーーーーっ! っはっはああ、お腹いたい!痛いよーーっ」
カールは妊娠の事実と激しい痛みに、完全にパニックになっていた。

52名無しのごんべへ:2022/10/18(火) 09:34:49 ID:VPhh/AWM0
「カールくん、落ち着いて!まだ出口が完全に開いてないせいで赤ん坊は出てこないから。ふぅーふぅーって痛いのまだ我慢して!」
リカンは慌ててカールに声をかける。
「はぁはぁ、痛い痛い!無理ィーー!なんで?なんで俺?」
カールは涙をポロポロ流し、なんで自分がこの状況に陥ってるか理解できずにいた。
「仕方ない。体調に相談するか。カールくん、すぐ戻ってくるから。痛くなったらふぅーふぅーだよ。」
守秘義務があるとはいえ、カールが出産となればシフトの変更も必要となってくるため、ツィーラーには早めに話す必要が出てくるのだ。
リカンは外で待ってるであろうツィーラー状況を説明しに行く。

部屋の外に出るとツィーラーだけでなく、ルディも待っていた。

53名無しのごんべへ:2022/10/28(金) 07:42:05 ID:w6Wax4qE0
「リカン! カールは大丈夫なのか!?」
ルディが掴みかからんばかりの勢いでリカンに尋ねてきた。
「あ、あー、ルディ王子もいらっしゃったんですか。守秘義務があるので、ツィーラー隊長にだけ伝えたいのですが…」
リカンは王子が相手なのでしどろもどろだった。
「守秘義務!? カールは私の大切な部下だ。 私が知らないで誰がカールの事を知るというのだ!?」
「ルディ王子、落ち着いて…」
ツィーラーが諌めるが、ルディは一歩も引かない。
「うう、し、仕方ないですね…。実は、カールは、にん……」

—ドサッ
— あ゛っ! ああああーー!ああああーーーっ! いだいーーーっ!!

ルディの勢いに根負けしたリカンが妊娠の真実を告げ良ようとした時、何かが落ちるような物音と、カールの一際大きな悲鳴が聞こえてきた。
「カール!?」
ルディが医務室に飛び込むと、ベッドの下にカールかうつ伏せに蹲っていた。
「ううううーーーっ、うぐうううーーっ、ゔゔゔゔゔーーーーっ!!」
カールは痛みにのたうち回るうちにベッドから落ちたのだが、その時に腰を強打してしまっていた。
うつ伏せでお腹を抱えながら、自分で必死に腰をさすっている。
そして、下半身は診察のために下着まで脱がされており、その剥き出しの股間からは血液混じりの液体がビシャビシャと噴き出し、大きな水溜りを作っていた。

54名無しのごんべへ:2022/10/28(金) 10:15:24 ID:rHMJbOMM0
「腰を打った衝撃で破水してしまったか。
カールくん、ベットに戻すよ。ツィーラー隊長、手伝ってくれますか?」
「あぁ。」
ツィーラーとリカンで身体と足を支えてベットに戻した。
「腰は···打撲だけだからこっちは治癒魔法で治すね。」
リカンは出産の妨げにならないように腰は魔法で治した。
「もう一度内診させてね。」
リカンはまだ羊水が流れているカール秘部に指を入れる。
「うぅうう、いだぁあ!やぁあ!」
陣痛に加えて内診の痛みでカールは声を上げる。
「終わりましたよ。破水したことでだいぶ進んでますね。今一気に8cmまで来たのでこれなら早ければ明け方には産まれますね。」
リカンはカールに声をかけるがカールは痛みで声が届いていない。
「ん?リカン、今産まれるって言わなかったか?卵が出てくるんじゃないのか?」
結局原因を聞かされてなかったツィーラーはリカンの言葉が気になった。
「ふぅーあ”あぁ!もぉ、むり"ぃいいい」
「カール、だ、大丈夫か?」
ルディは痛がるカールを見てオロオロしており気づいていなかった。

55名無しのごんべへ:2023/04/12(水) 05:33:10 ID:8yWaBTI20
「しっかりするんだ、カール。私が側にいるから大丈夫だ」
魔素過多症の産卵にしては様子がおかしく、カールの痛がり方は尋常では無い。
ルディはとにかくなんとかしてやりたくて、カールの腹を優しくさすってやった。
「はあっ!はぁ…、ああ、ルディ、痛みが和らぐ…、もっと、さすって下さい…」
カールは涙を流しながらルディを見上げ、弱々しく懇願した。
「そうか! 良かった。ずっとさすってやるからな。 他にして欲しい事はないか?」
ルディがさするカールの平たい腹は、異常なほど硬く、張りつめていた。
「う、うぅうう〜〜、ルディ、怖いです、助けて…。僕のお腹の中に、あ、赤ちゃんがいるなんて…。いやだぁ、怖いよ〜〜ぅ」
「………………え、いま、何て……?」
カールは怖い怖いと言いながら、幼い子供のように泣きじゃくっている。
「ルディ様、実は…」
カールの腹をさするのも忘れて、茫然とベッドの横に立ち尽くすルディに、リカンがとうとう事実を告げた。
「カールは、胎児を孕んでおり、今、産まれようとしています。魔素過多症の間に性交しなければ胎児にはならない筈なので、何があったかまでは分かりませんが…」

ルディはリカンの告げる事実を聞きながら、十ヶ月前のあの夜の事を思い出していた。

56名無しのごんべへ:2023/04/12(水) 09:36:46 ID:zKpBp4.k0
「ルディ様、何か心当たりあるんですか?」
ルディの表情を見てツィーラーがまさかという言葉に声をかけた。
「い、いや、あの時は、私とカールの子ならいい魔術師になれるな、と、あ!?」
ルディは思わず呟いて、言ってしまっっと口を押さえた。
「はぁ〜〜。第二王子とはいえ、ルディ様に子ができるのであれば王へ報告する必要が
ありますね。あとカールの家にも早馬で通達します」
ツィーラーは大きくため息をついてルディに言い、部屋を出ていった。
「カール、すまなかった。
あの日、君に断られてもやっぱり気になってしまって」
ルディは不安そうにカールに謝る。
「ぅう、じゃあ、この、赤ちゃん、ルディさ、ま、との子?なんです?」
カールは驚いたような顔をして聞いてきた。

57名無しのごんべへ:2023/04/14(金) 05:22:33 ID:W9nMBIlc0
「ああ、多分…、いや、絶対にそうだ! カールが本当に妊娠しているというのなら、お腹の子は間違いなく私の子だ!」
ルディははっきりと言い切った。
「あの夜…、前回の偵察に行く前の晩だ。君の部屋に忍び込んで、魔法で眠らせた君の尻に私の精液を注ぎ込んだんだ…」
「ほんのいたずら心で…、でも、君は直ぐに産卵したから、受精しなかったと思ったんだ。それが今、君をこんなに苦しめているなんて、本当にすまない…」
ルディはベッドの横に跪き、カールの手を取り懺悔した。
「はあ、はあ、…じ、じゃあ、僕のお腹に、10ヶ月、ずっとルディの赤ちゃんが、いた…? …まだ、信じられない…、でも、…あっ、ああああっ! またっ、痛いのが、来たぁ…っ!!」
前回から5分もしないうちに、激しい陣痛がカールを襲った。
「ゔゔゔゔーーーんっ、でもっ、僕の中から、何かが出てこようとしてるっ、ぅううう〜〜〜〜ん〝っ!」
「カールくん! まだ息んじゃダメだって!」
がむしゃらに息むカールをリカンが必死に止めるが上手くいかない。
「ハアッハアッハアッ! …こ、これが、赤ちゃんだなんて…、赤ちゃんが、産まれ、ちゃう…っ」
「そうだよ、私とカールの子供だよ? どうか頑張って産んでおくれ」
ルディは、苦しむカールの腹や腰を必死にさすった。
「ぅうう…、る、ルディの赤ちゃんでも、ダメです…、こわい…、こわいです…っ」
「そ、そんな…」
頑なに怖がるカールに、ルディは途方に暮れてきた。
「……ぼ、僕、まだ子供なのに、あ、赤ちゃん産んで、人の子の親になるなんて…、無理ですこわい…出来ない…、助けて、ルディさまあ…」

魔力の詰まった卵と違い、赤ちゃんは人間の子供であり、命なのだ。
その責任の重さに、15歳の少年カールは恐怖していた。

58名無しのごんべへ:2023/04/14(金) 19:38:18 ID:p6WVpNOc0
「子供はカール1人で育てなくてもいいんだよ?
私もいるし、王家も全面的に助けるよ。
それに君を育ててくれたハリウェル夫妻だってきっと助けてくれる。
だからまずは赤ん坊を生もう、な?」
ルディは不安がるカールに自分の浅はかな行為でこうなってしまい、申し訳なく
感じていたが、今はカールの出産を全面的にサポートすることが
最優先だと気合を入れ直す。
「ふぅ…ふぅ…うぅ…ほんとに?
でも‥僕、うぅううう!」
カールはルディの真剣な様子に少し心開いたがすぐに陣痛がきた。
ルディより年下のカールだが、出産、親になるということに対して痛みで朦朧とする中
必死で考えていた。

59名無しのごんべへ:2023/04/17(月) 03:47:05 ID:c/uSjUXI0
「ああ、本当だ! カールも子供も私が守ると誓うから!」
「うぅう…、ま、守る…?」
「そうだ、絶対に、命を懸けて君たちを守るから! だから、今は産むことを…」
「はあはあ…、ち、違います…、守るのは、ルディ様の護衛である、僕の、役目です…!」
痛みを堪えながら、カールはルディをまっすぐに見上げて言った。
「もし、僕のお腹の中に、本当に、ルディ様の赤ちゃんが、いるなら…、あぅうっ、いたいっ、あぁあーーー!」
陣痛は休みなくカールを襲い、カールはお腹を抱えてベッドの上で痛みにのたうち回った。
「ゔゔゔーーっ、…こ、こんな、狭くて窮屈なところ、出たいに決まってるっ、んぐうう〜〜…っ!」
カールは歯を食いしばって陣痛を耐えた。
「ハアッハアッハアッ…! …きっと苦しい思いをしてるだろうから、早く、出してやらないと…、はあはあ…」
「…え、だ、出す? 産んで、くれるのかい…?」
カールの言葉に、ルディは慎重に聞き返した。
「は、はい…、お腹の、外に出して…、あ、赤ちゃんも、ルディ様も、僕が守ります…!」
優秀な魔術師であるカールは親になる覚悟はまだないが、王子に対する忠誠心は本物なのだ。

「ああ、ありがとうカール…。うん…、今はそれで良い…良いよ。頑張って、赤ちゃん出してあげようね」
カールの言葉と気持ちに感激したルディは、両手でカールの手をとり、口づけた。
「るでぃさま…、でも、本当はやっぱり、お腹から赤ちゃんが出てくるなんて怖くて恐ろしくてたまらないんです…、ずっと、手を握っていてくださ…、…あ、ああっ! また、痛いっ…、いたいいたいっ、やぁあああーーーっ」
「ルディ、しっかり! 大丈夫だ、ずっと握っていてやるからな! …っつ!」

60名無しのごんべへ:2023/04/17(月) 09:48:26 ID:/wYx41Vc0
陣痛に耐えるカールにぎゅっと強く手を握られたが、
王子は手を離さず、握っていた。

「カールくん、まだ子宮口全開じゃないからまだいきんじゃダメだよ。
はぁーはぁーって赤ちゃんに酸素送ってあげようか?」
リカンはカールを内診し、痛みで息を止めてしまっているカールに声をかけた。

「うぅーー、いたぁああ!はぁ、はっ、いただぁあい!」
出産に向けてどんどん痛くなってくるカールはなかなかうまくいかない。
「カール、私との子に酸素送ってあげようか?はぁーはぁー」
ルディもカールの苦しむ姿に少しでも力になりたくて声をかける。
「はぁは、ぁあああーーー!はぁーあ、ひぃー、いたぁーーい!!」
ルディの子というワードで必死に呼吸をしようとするが痛みでどうしても
呼吸が詰まってしまうのをルディが繰り返し呼吸するように声をかけていた。


暫くして、ツィーラーも戻ってきた。
「王家とカールの実家には早馬を送ってきた。
恐らく半刻もなくつくだろう」
ツィーラーは王家とハリウェル家に隊で1番早い馬を使いに出させた。

61名無しのごんべへ:2023/10/17(火) 02:01:27 ID:3umZQGH.0
「…っはあ、はあ…っ、ツィーラー隊長…、僕の家にも、使いを…?」
「ああ、君が出産の真っ最中だとね。知らせが届けば、父君や母君がきっとすぐに駆けつけて下さるだろう」
「良かったな、カール。ご両親が側に居てくれたら、君も安心して赤ちゃんを産めるだろう」
そう言ってルディは、一つ肩の荷が降りたように安心してカールの手を握った。
「はあっ、はぁあっ、…だ、ダメです、そんなの…!」
だがカールは、怯えた顔で首を振っていた。
「ど、どうしたんだ、カール。君はあんなにご両親と仲が良いじゃないか」
「と、父様も母様も、15歳の僕が立派に王子の専属護衛を勤めていると信じて下さっているのに…、そ、それが王子の子を妊娠して、…し、出産、しようとしてるなんて…っ」
「カ、カール、それは全て私の所為だから…」
「父様と母様の、信頼と期待を、裏切ってしまう…っ、や、やだあ〜…、うぅうう! 痛いぃいいっ!」
「カール! そんな事ないから! 大丈夫だから!」
ルディは痛みに身をよじるカールの腰を必死にさすすが、何と声をかけて良いかわからない。
「カールくん、落ち着いて。呼吸を忘れないで」
リカンもカールを落ち着けようと、優しく声をかける。
「ぅうう〜、はあっはあーっ、やだ…言わないで…、痛い〜っ、はあーっ、っはっはっ、はぁああっ、はぁああっ、ハアッ!ハッハッハッハッハッハアッ!!」
「…え、カール、どうしたんだ! カール!」
カールは突然呼吸を乱したかと思うと、手足を強張らせて痙攣し始めた。

62名無しのごんべへ:2023/10/17(火) 09:22:27 ID:t7pq7Chw0
「過呼吸から痙攣が起きてる!!
ほら、カールくん、呼吸できるかい??」
リカンは慌てて近くにあった紙袋でカールの口を覆い、
呼吸が楽になるように体勢を変える。
「はっはっ、ひゅーひゅー、はっ」
「ルディ様、カールくんが落ちないように抑えてください」
「あぁ。」
カールは無意識に苦しさで痙攣しつつも逃れようとするが
リカンとルディがしっかり抑えてる。

63名無しのごんべへ:2023/10/21(土) 04:49:39 ID:B6C19Yps0
「…ひっ、…ひゅ…っ、…いき、苦し…っ、…し…死ん…じゃう…っ、ひゅ……ぅっ」
「そんな…! …カール、大丈夫だ、私が絶対に死なせないから!」
咄嗟にルディはカールに覆い被さり、口で口を塞いだ。
そうして深く舌まで絡み合わせ、ゆっくりと、息と一緒に魔力を注ぎ込んだ。
「…んん…、ん…、ちゅ……、んん、んふぅ…、ちゅぅ……」
『カコキュウ』とやらの対処法は知らないが、そうしてやりたいと思ったのだ。

やがてカールの痙攣は治り、息もある程度整ってきた。
「ああ、良かったカール。顔色も戻ってきたな」
「はあ…はあ…、…ル、ルディ、今のは…」
真っ青だった顔が、今度は耳まで真っ赤になっている。
「ああ、すまない。咄嗟だったから…?」
さっきまでとは違う意味で、またカールの様子がおかしい。
両手で口を押さえて顔どころか全身真っ赤にし、痛みからではなく羞恥から小刻みに震えている。
「こ、こんなの…、結婚する男女がする、大人のキスじゃないですかぁ」
「……ええ?」

15歳のカールは魔術師としては一人前だが、恋愛ごとには初心で奥手で夢見がちだった。
挨拶以上のキスはした事がなかったのだ。
そして自分が妊娠したのはルディの性液を尻に注がれたからだとは理解出来ていたが、それが所謂『セックス』という、大人の男女がするエッチな事だと言う事には結びついていなかった。

64名無しのごんべへ:2023/10/21(土) 07:08:27 ID:VVLNEQ3Q0
「き、キスだけで、こ、こんなに……気持ちいいなんて……、こ、こんなの僕の身体変ですっ!」
『大人のキス』とやらで快感を得てしまい、カールは混乱していた。
だが、そんなカールをルディは不思議そうに見下ろした。
「変じゃないよ? 気持ちよくなってもらえて、私も嬉しいよ」
そして優しくカールの頬を撫でた。

「ひぁあ、さ、触らないで……っ」
ルディの手が触れた途端、カールはビクンッと身体を跳ねさせ 両手で口を押さえた。
「……?どうしたんだい?」
「ああぁ……、そんな耳許で……っ」
吐息がかかるように囁かれると、カールはゾクゾクと感じてしまった。
『大人のキス』のせいで敏感になっていたのだ。
「……ぁううぅ……」
ルディは、また苦しそうになるカールを心配して顔を覗き込んだが、
カールは身体を屈めて顔を背けた。
「カール……?」
「ぅう……、なんで……、ぼ、僕の身体おかしい……」
涙目で顔を真っ赤にさせ、羞恥に耐えながらカールはルディに訴えた。
「……キスだけでこんな気持ちになるなんて、知らないです……っ」
ルディはその言葉に一瞬呆けたが、すぐに嬉しさに破顔した。
「そうか……、カールは私の魔力を受け入れるのが気持ちいいんだね?」
ルディはもっとカールを気持ち良くさせたくて、嬉しそうにカールに確認した。

65名無しのごんべへ:2023/10/24(火) 04:19:31 ID:sgDjMAQI0
「き、きもちいいなんて、ダメです…、はあ、はあ、だって、こんなの、大人がするエッチな事みたいじゃないですか〜」
カールは恥ずかしさから、全身湯気が出そうに真っ赤だ。
「カールが気持ち良いって感じてくれたら、それで良いじゃ無いか。それに今から赤ちゃん産むんだから、もう大人でしょ」
「それっ! それです!」
「え、どれ?」
カールは自分に覆い被さっていたルディの胸ぐらを掴んだ。
「ぼ、僕、まだ15歳なのに、お腹にルディの赤ちゃんがいて、お尻から出てくるって言うだけでもありえないのに、…はあはあ、キスと魔力で、気持ちよくなっっちゃうなんて…」
「う、うん」
ルディはカールの勢いに圧倒されて、黙って聞くことしか出来ない。
「お腹も腰もお尻も凄く痛いのに、気持ち良くなっちゃうなんて…こんなおかしな身体になっちゃったら、…も、もう、大人になっても、お嫁さんもらって、結婚することなんて、きっと、出来ないです…っ」
「なんだそんな事か。それなら私と結婚すれば…………………。えぇえ!? 私とカールが結婚するのか!?」
ルディは自分の発言にびっくりしていた。
カールは幼馴染として好意は持っているが、恋愛感情は持っていないし、その対象として見たこともない。
魔素過多症のカールの尻に精液を注いて妊娠させたのだって、魔力の強い最強の子供が出来るのではないかと、ふとした思いつきだったのだ。

66名無しのごんべへ:2023/10/24(火) 15:14:08 ID:TtKrTKUs0
だからルディは、カールと結婚する未来など想像もしていなかった。
だが……
「カールは私と結婚したいか? 私は別に構わないが……」
ルディはカールと産まれてくる赤ちゃんを想像し、なんだか心が温かくなるような気がした。
「はあ!? じょ、冗談ですよね!?」
「いや、別に私はカールとなら結婚してもいいと思っているが……?」
ルディはけろっとした顔で答えを返す。
「……っ!!? ……もっ、もういいです! もぉおおおお〜〜〜〜〜!!あ“あ”あ“〜〜〜〜〜っ!うぐっ!」
ちょうどまた陣痛が来たようで、カールは悶絶して丸まってしまった。
「いたぁい! もぉお!ほんとにっ!もぉおおお!」
「ほらほらカールくん落ち着いて……はいはい、大丈夫ですよ〜。しっかり呼吸しましょうね〜」
リカンはカールの背中をさすりつつ声をかけた。
「うぅう〜〜っ!ぅうう〜〜〜っ!!……はあはあ、ハアハア……、痛い……いたいぃい……痛いよぉ〜、もうやだあ〜……」
「うんうん、痛いね。でも、赤ちゃんは元気いっぱいだから安心して」
カールの全身から汗と涙が流れ、リカンはその汗を拭ってやりながら宥める。
暫く陣痛に耐えていたカールだったが、出したい衝動に駆られる。
「あ、あの……、お手洗い行ってきても良いですか……」
「うん?もしかして踏ん張りたい?息みたいの?」
リカンは優しくカールに確認する。
「はっ、はい……。何か急に、その、排泄したくなってしまって……」
「ちょっと待ってね。んーそれは赤ちゃんを出したいっていう合図だよ。
ただまだ全開じゃないから辛いだけだから息んじゃダメだよ」
リカンはカールの内診をして、子宮口がまだ全開でないことを確認した。
カールにとってここから更に地獄が待っていた。

67名無しのごんべへ:2023/10/29(日) 00:29:19 ID:jsPRRs/20
「はぁっ、もぉお……、いたぁいぃいいっ!」
「大丈夫。痛かったら吸って〜吐いて〜って繰り返して」
陣痛に悶えるカールの腰をさすりながら、リカンはリラックスさせるように声をかけ続ける。
「ひっ、ぐぅう〜〜っ!いだいぃいっ!いたいいたいいたいっ!だぢたぁああいぃぃい!もれりゅぅうう!!」
カールはリカンに言われるままに息を吸って吐いてを繰り返すが、段々とその間隔が短くなり、息みたい衝動も強くなっていた。
「ぃいだいぃい!いたい〜っ!ぁあああ〜〜っ!!だすぅうう!だしたぁああ“あ”!!」
「ダメですよ。まだ全開じゃないから、息んだら赤ちゃんも苦しいし、カールくんも辛いだけだよ」
リカンに止められ、カールは半狂乱で訴えるが、それでも我慢させる。
「あ“あ”〜っ!いだいっ!いだぁあいいぃい!」
カールは全身汗だくで、下肢を突っ張らせて限界を訴え続けるが、リカンはまだダメだと止めていた。
「ハアッ!ハアッ!ハァアアア!!もぉお!もう出るぅうう!!」
「ダメだよ。赤ちゃんにはまだまだ負担になるからね」
「あ“あ”〜っ!!いやだぁああ“あ”〜〜っ!」
胎児の大きさも充分過ぎるほどあるせいか全開までは息ませるわけにはいかない。
しかし8cmからなかなか開かず、カールの悲鳴が徐々に悲壮になっていく。

68名無しのごんべへ:2024/02/14(水) 13:29:58 ID:64/ioXeI0
「これ以上はカールくんの体力が持ちません。この環境だと帝王切開も出来ないので子宮口マッサージをして無理やり広げてみようと思います。」
リカンがそう言うと、色々準備をしカールを仰向けに寝かした。

「ルディ様 ツィーラーさん、カールくんの足閉じないように後ろから押さえててくれる?
暴れるだろうからしっかりとお願いします。」
「わかった。」
ルディ達ははカールのベットに登り背後から足をがっちり抑えた。

69名無しのごんべへ:2024/02/14(水) 15:24:11 ID:EaabqDFQ0
「ふぅーふぅー、いたぁああ!!な、何するのぉ!?」
カールはルディとツィーラーに固定させられて足をガバっと広げられており、身動きが取れず怖くて声が出る。
「早く出産を終わらせるためだからね?
ちょっと我慢してね。」
リカンは医療用手袋を嵌めた右手にオイルを塗りたぐっている。

70名無しのごんべへ:2024/03/01(金) 22:10:36 ID:ouGGk2Ko0
「はぁ...はぁ....うぅ!きたぁあああ
ゔゔぅぅぅ〜ぎゃぁああ!!あゔぁあぁ、うぅ!」
陣痛が来たタイミングで、リカンがカールの中に手を入れて子宮口グリグリ押した。
最初は強烈な痛みで泣き叫んでいたが、何度か続くと暴れすぎて陣痛とともに体力が底をつきかけ、暴れる元気がなくなってきた。

71名無しのごんべへ:2024/03/02(土) 04:21:19 ID:oxJMcGjI0
「ほぼ全開だね。もういきんでいいからね」
リカンはふぅと汗を拭い、カールに声をかける。
「ふぅ、ぅうう、もういやぁ」
カールは暴れる気力もなく、痛みに耐えていた。
「どの体制でいきみたい?」
リカンはカールに水を飲ませつつ、陣痛の短い間隔の間にカールの息みやすい格好を取らせることにした。

72名無しのごんべへ:2024/03/18(月) 10:45:32 ID:nBTEUcZY0
持ってきた荷物を重ね簡易的な分娩ベッドのような物を作り、そこに横になった。
「よーし、次陣痛が来たら思いっきりいきめ、
一気に頭まで出すからな!」
体力に限界を感じたリカンは、少し強引でも一気に頭まで出しできる限り早く出産が終わるようにしようと考えていた。

「…っんん゛、うぅおぉぉぉぉお!ぎゃあぁぁぁぁあ!!」
再び陣痛が来て息んだ瞬間、リカンが鉗子で赤ん坊の頭を引っ張った。
陣痛の痛みと胎児を無理やり出そうとする痛みで一瞬気を失いそうになったが、
それと同時に再び強烈な痛みが襲い悲鳴をあげることしか出来なかった。
しかしそのおかげで、赤ん坊の頭が一気に現れたのであった。

73名無しのごんべへ:2024/03/18(月) 15:31:17 ID:f/ig6N/.0
「ゔぁ、ぁああ、また、あつ、いだぁあああ!
ぬいでーーっl!!」
カールの股に頭が挟まり、その拡張される痛みにカールは暴れようとする。
「頭が出かかってるだけです。もう一息で頭全部出ますから。
頭が出ればだいぶ楽になるはずだから」
リカンは痛みから逃れたくて暴れようとするカールに声を掛けるが、
痛みでパニックになっている。

74名無しのごんべへ:2024/03/19(火) 15:09:58 ID:yItr25ts0
「ルディ様とツィーラーさん、再びにカールくんを抑えててもらいますか。」
暴れては介助ができない為、再びカールを固定するよう指示を出した。
「ぐはっっっ、ゔゔぅぅぅ〜ぎゃぁああ!!あゔぁあぁ!」
リカンはカールの陣痛に合わせて胎児を引っ張り、漸く頭が全て出てきた。

75名無しのごんべへ:2024/03/20(水) 01:30:57 ID:bLdiehTk0
「カールくん、頭がでましたよ!!」
リカンは優しく頭を支えつつ声をかける。
「はぁはぁ、でた?」
「まだ首から下が出てないですけど、もう少しです。
肩がハマってそうなので膝を胸元にくっつけてもらえますか?

76名無しのごんべへ:2024/04/06(土) 11:14:22 ID:nTVVbbZk0
「うわあぁぁぁぁっ!いたたたた……痛てぇ……あぁぁ!」
自力では身体を動か事も困難になっているカールに変わりルディ達が無理やり体勢を変えた。
そのおかげで、胎児が見えやすくなった。
「次の陣痛で、肩を出します!
もう一息ですので頑張ってください!」
そう言って次の陣痛の波を待った。

77名無しのごんべへ:2024/04/06(土) 14:01:56 ID:rVxAqzJI0
「うぅ、ひぃいいい!ひぎぃいいいいだぁあああ!」
カールの陣痛が来るとリカンは頭の隙間に入り肩をぬことする。
「本当に立派な赤ん坊だ」
リカンは関心しながらもカールに負担がないようにゆっくりと
胎児の腕をひっぱた。
「片手ででましたよ!次で反対の手を出しましょう」

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