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【第1回放送〜】平成漫画バトル・ロワイヤル【part.2】

728『大東京ビンボー生活マニュアル ぬーぼ』 ◆UC8j8TfjHw:2025/06/11(水) 00:21:09 ID:rmwPsVaY0
私はもやもやに包まれながら、吉野屋に馳せ参じた現在に至ります。


「はぁ〜〜〜……」


野咲ちゃん、…大丈夫かな………。
あの少年、ちゃんと野咲ちゃんの面倒を見てくれているのかな…。ヘンなコトはしてない…よね………?
そして、何より私自身も、…大野ちゃんとどう接するのが正解なのかな………。

……分かりやすくほっぺを膨らます大野ちゃんを横に、私は自問自答の波に飲み込まれ続けていました…。



と、そのときです。


「……ん?」

「……………………………!!」


何かが視界の端でゴソッと動いた気がしたのです。
…え? なんだろう〜〜…?? って、私はちらっとをカウンター席を見ました。
店内には私と大野ちゃん、そして気絶中のうっかり事故さんの三人しか現状いない筈。
車が突っ込んで以降、人の気配はなかったので、「なんだろ…??」と疑問符で一杯だったのですが………、

視界に入る彼を認識した途端、ありゃビックリ!!


 がつがつ……

「…………」


大野ちゃんに殴られてグッタリだった筈の男の人が…いつのまにやら。
なんと、何事もなかったかのように牛丼を食べていたのです…!!!


「……………………………!」

「ええっ!? 食べてる!!? だ、大丈夫なんですか?!!」


「あ、ども(がつがつ…」


 もう、ビックリおったまげですよ!!!
アンパンのように腫れ上がった頬は、彼からしたら蚊に刺された程度なのでしょうか…?!
彼はお椀の中の肉だけをつまんで、瓶ビールと一緒に流し込んでいたのです……。


「ちょ、ちょっと…!! …“ども”じゃなくて〜…。だ、大丈夫なんですか?!」

「…………」


男の人はなぜだが返事をしませんでした…。
ただ静かに、驚くほど丁寧な手つきで牛丼の肉だけをつまみ、ビールで流し込む……。
まるで料亭の板前が季節の八寸を扱うように、肉一切れ一切れを慎重に選び、慎重に噛んでいたのです…。

…私は大野ちゃんをチラリと見ました。
とりあえず、大野ちゃんパンチが彼にとって大したダメージじゃなく(…ようには見えませんがともかく…)、そこは安堵すべきなのでしょうが〜…。

彼女も心做しかやや引いた様子で、男の人の動きを見つめていました…。


「………………………………っ」

「………うん、ウマいなぁ(じゃっじゃっ、がつがつ…」


…えーと。
と、とにかくこの人、いったい何者なのでしょう……。
…彼の予想外すぎる行動に私も大野ちゃんも立ち尽くすしか選択肢が選べません……。
あ。…とりあえず大野ちゃんの非礼を謝るのが先なのでしょうが、…彼の予想外なマイペースに飲まれて動きを封じられた私たちでした……。

…だけど、うーん、なんなんでしょうか………。この気持ち……。
彼の「はふはふ」と心の底から美味しく食べてる様子を見た時、だんだんとなんだか不思議なもので〜…、
あたたかい気持ちというか、癒されるに似た思いで満たされてきたんです…!
ハハハ〜、ヘンなこと言ってますよね〜〜…。私〜…。

えーと、これはつまりですね〜〜…。


「大野ちゃん!」

「………………………………?」


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