したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

烈戦のバトルロワイヤル

1名無しさん:2021/09/26(日) 09:22:19 ID:ln49ykys0


参加者61/61
11/11【チャージマン研!】
○泉研/○バリカン/○吉坂博士/○熊虎次郎/○ジュラルの魔王/○タイガーM/○K-11号/○J-1号/○X-7号/○バリカンの旧友/○大仏
7/7【鬼滅の刃】
○不死川実弥/○胡蝶しのぶ/○胡蝶カナエ/○粂野匡近/○継国縁壱/○継国巌勝/○猗窩座/○童磨
6/6【DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】
○バラン/○フレイザード/○ミストバーン/○キルバーン/○ザムザ/○しびれくらげ
5/5【うろ覚えで振り返る 承太郎の奇妙な冒険】
○空条承太郎/○ジャン=ピエール・ポルナレフ/○ジョセフ・ジョースター/○DIO/○テレンス・T・ダービー
4/4【キン肉マン】
○シングマン/○プリズマン/○ステカセキング/○ミスター・VTR
3/3【ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人】
○人造人間13号/○人造人間14号/○人造人間15号
2/2【ドラゴンボール超 ブロリー】
○バーダック/○ベジータ
2/2【ポケットモンスターオメガルビー】
○グラードン/○コダック
2/2【ポケットモンスターソード】
○ザシアン/○ヌケニン
2/2【ポケモン不思議のダンジョン 時・闇・空の探検隊】
○ディアルガ/○カクレオン
1/1【ポケットモンスター赤緑】
○ケンタロス
1/1【ポケットモンスターウルトラサンムーン】
○アクジキング
2/2【ジョジョの奇妙な冒険】
○東方仗助/○音石明
2/2【冒険王ビィト】
○グリニデ/○ダンゴール
2/2【DELTARUNE】
○スージィ/○ジェビル
1/1【寝起き一発目で振り返った ジョルノの奇妙な冒険】
○ジョルノ・ジョバァーナ
1/1【ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王】
○ガンガディア
1/1【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】
○グノン
1/1【ゴールデンカムイ】
○仲沢達弥
1/1【ランペイジ 巨獣大乱闘】
○リジー
1/1【ゴジラVSコング】
○MECHAGODZILLA
1/1【チーターマンII】
○エイプマン
1/1【スーパーマリオブラザーズ3】
○太陽

主催者
サカキ@ポケットモンスターウルトラサンムーン

見せしめ
鬼舞辻無惨@鬼滅の刃

【まとめwiki】
ttps://w.atwiki.jp/ressenrowa

2名無しさん:2021/09/26(日) 09:24:51 ID:ln49ykys0

1ルール
島に集められた参加者全員で戦い抜いてもらいます。
制限時間は72時間です。
死亡者の放送は8時間ごとにおこなわれます。
開始時に参加者に支給されるのはバックの中に入った以下の道具です、
1地図機能、参加者名簿、時計を兼ね備えたポケナビ@ポケットモンスターオメガルビーと
2ポケナビの説明書。
3ルールの説明書
4食料2日分
5水(2L)
6懐中電灯
7ランダム支給品(0〜3個)
ただし“ある”参加者には支給品がありません。
放送はこのポケナビから聞こえます。
全ての参加者には首輪が装着され強すぎる能力に対して制限が掛けられる場合があります。
この首輪は基本は外れず、無理矢理はずそうとすると首輪が大爆発して跡形もなく吹っ飛んで消滅します。
禁止エリアはありません。
最後まで戦い抜いて生き残った者はレインボーロケット団の新幹部になり、幹部就任記念にどんな願いも一つだけ叶えてくれます。

2:書き手ルール

予約期間は7日まで。報告無しのままでそれ以上経過すると予約は解除となります。
予約期間中に書くことができない時はもう1週間の延長が可能です。

【座標/時間(日数、未明・早朝・午前など)】
【キャラクターの名前@出典作品】
[状態]:体調、精神状態、怪我など
[装備]:手に持ってたり使用できる状態の物
[道具]:基本支給品、不明支給品など
[思考・状況]基本行動方針:ロワ内での基本的指針
1:
2:
現在の状況での行動・思考の優先順位
[備考]参戦時期、その他、SS内での支給品や道具の放置、地形の状況など

【時間表記】
未明(0〜4)
早朝(4〜8)
午前(8〜12)
午後(12〜16)
夕方(16〜20)
夜中(20〜24)

3 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/26(日) 09:26:12 ID:ln49ykys0
>>2 トリップをつけ忘れました。申し訳ありません。
オープニングを投下させて頂きます。

4 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/26(日) 09:29:15 ID:ln49ykys0
どうもなぜか個室に無理矢理座らされて、妙な首輪がついちゃってるDIOです、
えー自分はたしかジョースター一行の空条承太郎くんと、ドカバキな最終決戦をしていて、
いっぱいの投げナイフでぐさぐさのブサブサ先生にしてあげたところで
承太郎が愉快な男だと思った、そんな感じのところで記憶が途切れてる。

なんでこんなところにいるのかすっぱりさっぱりわからん、なにこれ。
何でこんな椅子に座られてんの、目の前にテレビあるけどなんかでかいな、
あと四肢が金具みたいのでくっきり固定されて痛いです。吸血鬼でも痛いもんは痛いです。

「目覚めてくれたかな!ようこそ諸君バトルロワイヤルの世界へ!」

目の間にあるテレビが前触れ無くいきなり映った。
うおっ、びっくりした、なんだこのスーツおじさん、まゆなしだ。

「予告もなくいきなり召喚され、それぞれ狭い個室に閉じ込められたのだ。
さぞかし困惑しているだろうが、諸君らのほとんどは歴戦の実力者だ。
すぐに状況が飲み込めるだろう。」

“それぞれ”ってことは俺以外にも呼ばれて個室に閉じ込められてんのかな、
あと歴戦だけど飲み込めません。

「きみたちを呼んだ理由は一つ!レインボーロケット団の新幹部を決めることだ!」

「バトルロワイヤルという言葉を聞いてすでに
察している者もいるかもしれんがわからない者のために
その決め方もたった今伝えよう」

「それは…バトルロワイヤル!他の言葉に言い換えるなら…戦いだな!」

「君たち全員で生存競争をおこない優秀な生き残った者にこそ
新幹部の座がふさわしい!」

5 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/26(日) 09:30:13 ID:ln49ykys0
「そして新しい幹部が生誕した暁には記念にどんなねがいでも
叶えてあげようではないか!」

まじ?ほんとうに叶えられるとしたらすごいけど、どうやってやるんだろう、
このまゆなしおじさんもスタンド使いなのかな。

「フフ…幹部の座そのものに興味は無くとも願いには
関心がある者もいるだろう?むしろほとんどが願いのことしか頭にないかな?」

「しかし言葉で説明するだけでは緊張感も雰囲気も作れんな…
では景気づけには…そうだ見せしめが必要だな…どれ!」

突如テレビにペイズリー柄の服を着た青年が映し出され
日光のような強い光にさらされると瞬く間に灰になり消滅してしまった。
消滅した男は何が起きたのかわからず動揺と恐怖が表情に強く出でいた。

日光ぽい光で死ぬとか今の日本人みてーなやつ間違いなく吸血鬼じゃん…
このDIO以外にもまだいたのか、つーか日本にも吸血鬼いたんですね、
石仮面って世界中に散らばっているのかね。

「いかがだったかな?これで私の言っていることが
冗談でも嘘でもない真実であることがわかったろう。」

こちらの都合とかお構いなしに個室に
ぶち入れる時点でそれは薄々わかっていました。

「では最後に君たちへの支給品について説明しよう、
君たちに支給されるのは食料、バトルロワイヤルのルールが書かれているポケナビその説明書や一部の参加者には武器や便利な道具などを与えよう」

「景気づけもルール説明も終わったところで諸君らを
戦いの舞台となる戦場へ今飛ばそう。
とその前に忘れていた、私の名を教えるとするか」

「…すべてのポケモンを利用して世界をおさめるロケット団!」

「それすらも超えるのがあらゆる世界に、全ての時代に!存在する生物を支配できるレインボーロケット団!」

「私がそのリーダーサカキだ!生き残った者の上司となる男の名前だ!
忘れることのないようにしたまえ」

「では今度こそ皆を!栄えある新幹部候補たちを!
今戦場へ送ろう!健闘を心から祈っているぞ!」

黒服の男、サカキがそう語った直後に
参加者たちの足下がオレンジ色に
輝き参加者たちを転送させた。

―烈戦のバトルロワイヤルー 開幕

6 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/26(日) 09:31:14 ID:ln49ykys0
以上でOPの投下を終了します。
タイトルは「開幕!烈戦のロワイヤル」です。

7 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/27(月) 06:42:03 ID:OU8hvzmI0
東方仗助、ヌケニンを予約させていただきます。

8 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/27(月) 07:14:39 ID:OU8hvzmI0
まとめwikiにてオープニングを一部修正させていただきました。

ペイズリー柄の服を着た青年が映し出され

白く長い髪で上半身に無数の口がはえた怪物のような男が映し出され



つーか日本にも吸血鬼いたんですね、
石仮面って世界中に散らばっているのかね。

妙に口の多い吸血鬼だったな…食欲旺盛なのかもね。


修正点は以上です。

9 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/28(火) 14:17:05 ID:Ft7mvuWU0
投下をします。

10 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/28(火) 14:17:54 ID:Ft7mvuWU0
「知り合いで呼ばれちまっているのは承太郎さんと…じじいと…音石の3人か…」
ポケナビに記載されている名簿を見ている
リーゼントヘアーで改造学ランを着こなす少年の名は東方仗助。
M県S市杜王町で暮らし時に
町の人々の平和を荒らすスタンド使いと戦うこともある
スタンド使いの高校一年生である。

「年取って弱まっているじじいを呼ぶなんざあのまゆなし親父何考えてんだ」
戦いをスムーズかつ支障なしに進めるのなら
承太郎や自分のような直接戦闘が行える屈強なスタンドを持つ者や音石のような特定の状況になった場合にガンガン戦えるスタンド使いなどをを呼ぶのは理解できる。
しかしスタンド使いとはいえ、ジョセフのような身体能力がすっかり衰えた
年寄りが呼ばれた理由がわからない、戦闘以外の役目を期待されているというのか。

「10年前なら戦えたらしいけどよォ今のじじいに戦うなんざほぼむりだろーよ、」
もし戦えぬジョセフが他の参加者に狙われた場合、
よほど特殊かつすさまじい支給品でも無い限り倒されてしまうだろう。

「じじいをこのままにしちゃいけねぇ、承太郎さんは多分俺が気にしなくても大丈夫かなァ…」
今のジョセフはともかく空条承太郎は凄腕のスタンド使いにして、
的確な判断力を叶え持つ剛健にして頼りになる人物だ。

ネズミのスタンド使いと交戦したときのように
深手を負いピンチになることもあるが、
仮に危機に陥っても乗り越える可能性の方が高いだろう。

仗助が気にしなくともなんとかなると思われるが、
承太郎との合流を目指すのはジョセフを保護してからで良いと判断した。
音石については――

「音石をほったらかしにするのはさすがにまずいな、
目的のためならためらいなく人を殺せる奴だ、何しでかすかわからねぇ」
スタンドを悪用し、最終的には仗助たちに敗れ、
億安に「怪しいと思った奴は片っ端から殴る」という作戦にはめられ
懲役3年の刑が科せられた男。
ぶち込まれた際に承太郎と億泰にスタンドを悪用したら殺すと念入りに釘を刺され
おびえて「刑務所が一番安全」とまで言ったことと、
死ぬほどの恐怖の対象である空条承太郎がこの島にいるので
一切の悪行をしない可能性はあるにはある。


しかし未遂とはいえ実父のジョセフの殺害を試み、
(本当にする気があったのかまでは不明だが)お袋の殺害宣言もした悪党だ。
放っておけばまたなにかやらかすことも十分に考えられる。
そのため放置することはしない。
あとは…

11 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/28(火) 14:20:10 ID:Ft7mvuWU0
「このDIOてっ奴は承太郎さんが10年前に倒した野郎だよな…なんでいるんだ…?同名の別人なら納得はいくがよ…」

ジョースター一族の宿敵にして、虹村億安の父を
実質的に異形の化け物に変異させた元凶でもあるDIO。
もし10年前に討伐された本人がいるのならばなんらかの理由で蘇生したことになる。
蘇生させたのがレインボーロケット団のサカキなる男だとすれば
死者を蘇らせるスタンドや技術力を持っていることになる。

しかし

「死人が生き返るなんてありえねぇ『生命が終わったものはもう戻らない。どんなスタンドだろうと戻せない』そのはずなんだよ…」
かつて仗助の祖父、東方良平が殺人鬼アンジェロに殺害されたときに
クレイジーダイヤモンドで治し生き返らせようとした際に
承太郎から教えられたこの世の真理の一つ。
失われた命の回帰はない、戻ることはない。例外など無いしあるわけがない。

「DIOのことは気にしてもしょうがねぇな、現時点じゃなにもわからねぇぜ」

「そんじゃとっとといくか、どっかにバイクとかあればいいけどな…」

支給品を確認したもののバイクや自転車といった
移動に役に立つ支給品は一切なかったので歩くことにした仗助。

そのまま5分くらい歩くと…

「ん?」

「!!」

「あれもスタンドか…?」

◆◆◆

その生物は首輪を参加者だからつけられ、蝉の抜け殻に
天使の輪に見える三日月状の白い何かが頭に浮き茶色の体表で…


とにかくでかかった。


理由はダイマックス状態だからだ。
その巨大生物の名はヌケニン、ツチニンが進化した際に
最大六つまでの手持ちに一つ以上の空きがあると
なぜか勝手に手持ちに加わっている虫・ゴーストタイプのポケモンである。
彼は恐怖の底に沈んでいた。

巣穴にいるダイマックス状態のポケモンは
体力の増加や追い込まれると発生するバリアによって
粘り強い戦い方ができるが、このヌケニンははっきり書いて例外だ。

ふしぎなまもりという特性によって弱点以外の攻撃を一切受けないが
弱点の攻撃を受ければバリアを展開していてもほんの数回の弱点攻撃で敗北する。
この倒しやすい性質によってこのヌケニンは多くのポケモントレーナーに、
入手すると嬉しいけいけんちアメなどの報酬目当てで狩られまくり、
時には捕獲されそうになってしまったことも多々ある。


そんなヌケニンはこんなよくわからない変な場所に
無理矢理召喚され生き残りの戦いを命令されおびえきっていた。
どうせ俺の弱点を知るトレーナーどもが報酬のために俺をやっつけにくるんだろう。
しかも“生き残り”をかけた戦いのようだから本当に殺害される可能性すらもある。
普段のように巣穴のどこかに逃走するようなこともできにくい。
どうしよういやだな、死んじゃうのはこわいな。


なんてことを考えながら落ち込み気味で
しょんぼりとうなだれながら、移動していたヌケニン。


少し移動したらなんかリーゼントヘアーの男が現れ
俺を見て驚愕の表情を浮かべている。


このリーゼントはなんで俺なんかをみてびっくりしているんだろうか。
いまどきヌケニンを知らない人間なんているのか?
それともこのリーゼントはガラル外出身の人間でダイマックスをしらないから
巨大な俺を見てびっくらこいてんのかな…

12 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/28(火) 14:23:56 ID:Ft7mvuWU0
◆◆◆

「なんて馬鹿でけぇスタンドだ…本体はどこにいるんだ…?」
目の前のスタンドらしき存在に驚愕する仗助、
目の前のでかぶつはスタンドではなくポケモンという生物であるが
今の仗助にそれを知るすべはない。

謎の巨大生物は何もしゃべらずただ仗助を警戒し、じっと見つめている。
一切の音がなく静寂のみが続く、もし音があるとすれば

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

     や

ドドドドドドドドドド
     のような
場に生じた威圧感、緊迫感による効果音が発生しているだろう。

「……」

「……」

互いに様子見に徹してなにもしない。

「…なぁ」

沈黙を先に破ったのは仗助。
このまま黙り込んでいても埒があかないからだ。

「あんたはこのバトルロワイヤルには乗っていないのか?
あともしスタンドなら本体はどこにいるか教えてもらっても良いか?」

本体?どういうことだ?このリーゼントはなにをいっているんだ?
今のところ積極的にバトルロワイヤルに乗るつもりはないが…
あとスタンドとはいったい?少なくともガソリンスタンドや
電気スタンドを示してはいないだろうが…
本体というのは主人のポケモントレーナーを示す隠語みたいなものか?
俺は野生だから主人のトレーナーなどいるわけないぞ…

13 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/28(火) 14:25:12 ID:Ft7mvuWU0
ヌケニンは質問に答えるために首を縦に振った。

「乗っていないと言うことで良いんすか?」

今度は首を縦に振るヌケニン。

「あーそうすっか…なら良いんだけど」


この後に発するべき言葉に困り再び沈黙する仗助。
このスタンドらしき存在にただ困惑する。
(もしかしたらシアーハートアタックのような自動操縦型のスタンドか…?)
(そもそもこいつがスタンドだとしたらなんで首輪がついているんだ?
本体に首輪がつくと連動してスタンドにも首輪がつくのか…?
ならクレイジーダイヤモンドにも首輪がついてんのか?)

その確認のために自らのスタンドを繰り出そうとするが


(いや、やめた方が良いな…、いきなりスタンドを出したらいらねぇ警戒を買うかもしれねぇし…)


スタンドを唐突に出し、襲ってくると思われる可能性を考慮し出現させるのは控える。


「この状況…どうすりゃいいんだ…?」


ポケモンとスタンド使い。
種族、暮らす世界、知る常識
何もかも異なる参加者の二人がであった。


【9-K/未明】

【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康、巨大生物(ヌケニン)への困惑。
[装備]:改造学ラン
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]基本行動方針:バトルロワイヤルには乗らない。
1:こいつはなんなんだ…?
2:もしスタンドなら本体はどこだ?
2:じじいと合流を目指す。
3:音石を探す
4:承太郎さんと合流を目指す。
5:名簿に書かれているDIOは10年前に死んだDIOと同一人物なのか?
[備考]
参戦時期は4部終了後です、ヌケニンをスタンドではないかと考えています。

【ヌケニン@ポケットモンスターソード】
[状態]:健康、殺し合いへの恐怖
[装備]:特になし。
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]基本行動方針:死にたくない。
1:なんだこいつ…
2:こいつもポケモントレーナーなのか?
3:スタンドとは?
[備考]
特にありません。

14 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/28(火) 14:26:57 ID:Ft7mvuWU0
投下は以上です、タイトルは「スタンドはダイマックスができるのか」です。

15名無しさん:2021/09/28(火) 18:04:42 ID:EvOyJFno0
投下乙です
名簿見た時なんでソード出展でヌケニン…?と思ったがこういうことだったか
ダイマックス・野生のヌケニンは確かにソードシールドならではだなあ
この感じだとオメガルビー出展のコダックにも何か理由があるのだろうか

16 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/29(水) 01:44:58 ID:Z87s4oUE0
感想をありがとうございます。
wikiを編集してくださった方もありがとうございます。

修正なのですが、位置と時間情報に【一日目】と
ヌケニンの【状態表】にダイマックスを付け加えさせていただきます。

フレイザードで予約をします。

17 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/29(水) 16:49:21 ID:Z87s4oUE0
投下をします

18 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/29(水) 16:50:08 ID:Z87s4oUE0
「どいつもこいつも俺をコケにしやがってぇ…!!ふざけんじゃねぇ…!」

爆発している火山のような憤怒を見せる怪物は
氷と炎という真逆のエネルギーを一つの体につなぎ合わせている外見だ。

怪物の名は氷炎将軍フレイザード、
大魔王バーン率いる魔王軍六大軍団の一つ
氷炎魔団の団長であった。

フレイザードの最後の記憶はミストバーンの傘下に下ることで授かった
魔影軍団最強の鎧、デッドアーマーに憑依し、アバンの使途どもを叩き潰さんとしたが、
勇者ダイの完成版アバンストラッシュをくらい
目玉だけの状態になってしまい虫の息になり
もう一度チャンスを求めたがミストバーンに踏み潰されて
一年足らずの短くも大炎上したような生涯が終えたはずであった。

しかし今は何事もなかったかのように生きている。
以前の氷と炎を直結させたあの肉体に戻っているのだ。
一つ異なるのは暴魔のメダルの代わりに、かつて完膚無きまでに滅ぼした
オーザム王国にいた家畜たちにもつけられていたような首輪が装着されているくらいだ。

「クソッたれが…!なにが新幹部だぁ…!!?たかが人間ごときがこの俺を配下にしようぅてのか!!舐めり腐るのがそんなに面白いか!!!」


両手の拳を深く握りしめ、燃えさかる怒りは収まることを知らない。
必ず勝てるとミストバーンに言われたにも関わらずダイに敗北したこと、
そのミストバーンに最強の鎧が壊されて負けたのは
相手の技が勝っていたに過ぎないと言われ踏み潰されて死んだこと
そしてどこの馬の骨ともわからぬサカキという男に殺し合いを命じられたこと


これらの要因が氷炎魔団長だったフレイザードの怒りを
限界なく永遠にすら思えるほど燃え上がらせ激怒している。

「ぬぐぐぐぎぃ……!!ちくしょおお……!!!」


怒りのあまり激昂し続け
この世の元は思えぬ憎悪と怒気をぶちまけながら
地面を勢いよくひたすら殴りつけんとしたが


「……」


氷のような冷静さを発揮し殴るのを直前でやめた。


本来ならば激怒の雄叫びをあげつつむしゃらに地面を殴りまくるはずだったが、
そんなことをすれば殴りつける大きな音や叫び声に反応した参加者に警戒されるか狙われて無駄な戦闘が始まり不要な消耗をしてしまう可能性がある。
今の激怒状態で可能な限り理性を回転させ、どうにか落ち着くことができた。


「……」

19 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/29(水) 16:52:30 ID:Z87s4oUE0
「このまま怒っていてもなにか始まるわけじゃねぇ…まず名簿の確認だ。ミストバーンやダイのクソガキもいるかもしれねえしな…」


ほんの少し落ち着いたところで説明書を読み
ポケナビを起動させて名簿を確認したフレイザード。
名簿に記されていた名にはあの憎きミストバーンの名があった。

「なんだなんだあるじゃねぇかよ、この俺にぶち殺されるべき野郎の名がよおお!!」

傘下に加わってやったのにも関わらず、
敵一人も倒せないような不良品の鎧を与えたあげく
自身を見捨て踏み殺した憎き仇敵の名が記されている。

「おい、サカキとやら今だけはてめぇに感謝してやっても良いかもしれんぜ…」


たかが人間の分際で命令してきたことは、
無いはずのはらわたが煮えくりかえるくらいの怒りを感じたが、
ミストバーンを殺害する好機を授けてくれたことに関しては感謝の念がなくもない。


「まっていろよ!ミストバーン!!!この俺に叩き殺される準備でもしておけよぉ!ぐひゃはははははははは!!!!」


極寒と灼熱を兼ね備えた怪物フレイザードが
暴虐と憎悪に満ちた力を魔影軍団長にぶちまけるためにいま動き出した。

【8-B /未明/一日目】
【フレイザード@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】
[状態]:健康、激怒
[装備]:特になし。
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]基本行動方針:ミストバーンを殺す。
1:ミストバーンを探して殺す。
2:ミストバーンを殺した後は参加者も主催者も皆殺し。
3:召喚してきたサカキに対しても怒りがある。
4:ミストバーンを殺す好機をくれたサカキへの僅かな感謝。
5:超竜軍団長のバランについては保留。
[備考]
首輪による制限により再生力が低下していますがまだ気づいてはいません。
他にもまだ制限があるかもしれませんが
それについては後続の書き手様におまかせします。

20 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/29(水) 16:53:16 ID:Z87s4oUE0
以上で投下を終了させていただきます。
タイトルは「魔影狙う氷炎」です。

21名無しさん:2021/09/29(水) 17:22:38 ID:zBD02FMA0
乙です
生前同様、暴虐そのものを体現したようなキャラで短い生涯からくる短絡さや言動も含め実に彼らしい出発点だと思います
同様に取り戻した冷静さとサカキへの僅かな情も、主も思わせる魅力に繋がってて好印象
成長が楽しみになりました

22 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/30(木) 10:44:02 ID:n1Hkt4UY0
感想をありがとうございます。
フレイザードは火炎のように残虐な一方で冷静な判断力を持つキャラであり、そこを常に意識してSSを執筆させていただきました。

ルールの修正なのですが、
書き手様ルールに、予約無しで
すでに予約された以外のキャラクターの
SSを投下の宣言直後に投下できる
「ゲリラ投下」を追加させていただきました。

最後にケンタロスで予約をします。

23 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/30(木) 19:21:20 ID:n1Hkt4UY0
投下をします。

24 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/30(木) 19:23:36 ID:n1Hkt4UY0
8-Bの荒野にて、ケンタロスはしっぽを鞭のように勢いよく地面にたたきつけ、
肉を喰らう獰猛な獣のような威厳あるうなり声を上げながら
バトルロワイヤルに乗る決意をした。

その理由はもちろん己こそ史上最強のポケットモンスターであることを証明するためだ。
ケンタロスは実力を知る多くのトレーナーたちに恐怖の暴れ牛、
あるいは闘神と呼ばれ畏怖されている。

それゆえに多くのトレーナーがケンタロスを
サファリゾーンにて血眼となり求め、
かけがえのない相棒とするのだ。

このバトルロワイヤルの舞台に呼ばれる前にも、
ふぶきだのはかいこうせんだのわざマシンで覚えた殺意に満ちた強力な技を使いこなし、ときにはかげぶんしんで敵の攻撃をよけまくり
その果てに多くのポケモンたちを瀕死に追いやった。同じケンタロス同士の戦いや
ふぶきによりこおり状態にされたことや、かけぶんしんを積まられた結果、
逆に打ち負かされることも少なくはないが。

ここでも変わらず4つの強力な技を使いこなし真の最強であることを証明するがため、
敵対するポケモンは1人残らず瀕死にさせるのだ。

このケンタロス以外のポケットモンスターよ待っていろ、
闘神のとも称されるこの力で貴様らに天と地ほど差を…、
いや、大地と宇宙の果てほどの差を思い知らせ、とことん叩きのめしてくれる、
我が前で敗北しその肉体に永久に尽きぬほどの敗北感と恐怖を刻み尽くしてやろう。


…とはいっても、もしもPPが尽きてその隙を狙われたら、
そのときはわるあがきしかできないのが事実。
PPが尽きた場合は主人のような人間にピーピーエイドのような
技ポイント回復アイテムを使ってもらうのが理想と考えたケンタロスなのであった。

【ケンタロス@ポケットモンスター赤緑】
[状態]:健康、闘争心旺盛
[装備]:とくになし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]
基本方針:最強であることを証明するため他のポケモンを打ち負かす。人間は回復道具使用ために協力してほしい。
1:まずはほかのポケモンをさがす。
2:ポケモンを発見したら瀕死にする。
3:人間には技ポイントの回復を頼みたい。

[備考]
主人公のトレーナーの手持ちになったのが少なくともロケット団壊滅後なのでロケット団とサカキは知らない可能性があります。
使用できる技はかいこうせん、ふぶき、かげぶんしんの三つが判明しています。残り一つの技は後続の書き手様におまかせします。
また制限によりかげぶんしんの回避率上昇効果が弱体化しています。しかしケンタロスはまだその制限に気づいていません。

25 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/30(木) 19:24:53 ID:n1Hkt4UY0
投下は以上です、SSタイトル名は「闘いの神」です。

26 ◆0EF5jS/gKA:2021/09/30(木) 19:33:38 ID:n1Hkt4UY0
すいません、「闘いの神」の修正をさせて頂きます。
位置は8-BではなくG-2で時間帯は【未明/一日目】です。

27名無しさん:2021/10/01(金) 11:15:00 ID:4qLEsKXw0
乙です
乱暴者としておそれられてはいるものの、あくまで競技者のポケモンの範囲内で最強を目指す彼のマイペースぶりがこの場ではどこか微笑ましく見えてしまいました
人間にある種の信頼を寄せているのもよいツッコミどころ
悪党やマジキチ入り乱れる会場に置いて生き様を魅せてほしいところです
がんばれ

28 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/01(金) 12:59:19 ID:8wGaGYb60
感想をありがとうございます、
Wikiを編集してくださった方もありがとうございます。

泉研、熊虎次郎、グノンで予約をさせていただきます。

29 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/03(日) 18:29:05 ID:M28snev.0
投下をします。

30 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/03(日) 18:29:38 ID:M28snev.0
G-7にて、三日月が照らす優美な海を見つめながら
思考を巡らせる少年が佇んでいた。
「あのおじさんはジュラル星人と無関係なのか…?」
チャージマン研に変装し、滅び行く母星を捨て
地球を第2の故郷にせんがために
侵略をするジュラル星人と戦いを繰り返す少年の名は泉研。

このバトルロワイヤルの舞台に呼ばれ研はいつものように
ジュラル星人たちの仕業であると決めつけ怒りを燃やしたが、
ポケナビで参戦者の名簿を閲覧した結果、それは違う可能性があると考えた。

「死んだはずの熊虎…バリカンや吉坂博士もいる…今まで倒したジュラル星人たちだけでなく魔王までいるなんて…」

もしこのバトルロワイヤルが本当にジュラル星人の仕業だとしたら
名簿に魔王の名が記されている時点でまちがいだ。

仮に奴らが主催だとすれば敵対関係に過ぎないバリカンと吉坂博士、
死んだはずの熊虎次郎を参戦させるのは納得できる、
だがその場合首領である魔王や同僚たちを参加させる可能性は
低いのではないかと研は考えた。

ジュラル星人の中にも、研にとって本当の兄のように思えた師範代こと
J-7号のように裏切り者がいて、
その不満を持った裏切り者が仕組んだとなれば話は別だが。

「あのおじさんが殺し合いを開いたのは新幹部を決めるためだと言っていたけど…」

ジュラル星人とは関係が現時点では不明である謎の男サカキ、
レインボーロケット団のボスであると言うが
レインボーロケット団などという組織は一度たりとも聞いたことがない。

「いくら相手が悪党でもやっつけることは…」

研は圧倒的な実力者ではあるが、その力を
人間に向けるようには極力しないようにしている、
以前銀行を襲い罪なき人を銃殺した悪党どもに対しても、
アルファガンで撃たなかった、研はあくまでも人間の守護者なのだ。

「新幹部だかなんだかよくわからないけど、殺し合いを開催するなんて許されないよ」

研がとる選択は殺し合いの破綻とサカキという男を説得することであった。
キャンプ場の小鳥を狩る二人組や
ジュラル星人が銀行強盗で入手した大金をさらに強奪した山村博士。
彼らのように善良とは断じて言えない人間たちも最終的には心を入れ替えた。
そのときのように研はサカキを説得して改心させようと考えたのだ。

「まさかあの嘘つきロボットもいるなんて…」

嘘つきロボットとはジュラル星人が研と
その家族を木っ端微塵にするために
バリカンの旧友と偽って送り込まれた兵器である。
そのときはバリカンのテレパシーによって旧友の正体を見抜き
海原に放り捨てることで対処した。

あのときにバリカンのテレパシーがなければ
泉一家は間違いなく全滅していただろう。
そういった意味ではやつもまた研たちを油断させ
死の寸前まで追い詰めた難敵と言える。

「あのおじさんだけじゃない、ジュラル星人たちもどうにかしなくては!」

殺し合いを食い止め、ジュラル星人たちが殺し合いの場で
振りまくであろう暴虐や悪行を阻止するべく
今、地球を守る幼いながらも屈指の実力を持つ
正義のヒーローが駆け抜け始めようと後ろを振り向くと、

「!!!」


男の生首を左手に持ち、
もう片方の手に巨大なハーケンを持つ
不適に笑い翼の生えて、殺し合いの参加者の証である
首輪を装着している獣人のような男がいた。

31 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/03(日) 18:30:20 ID:M28snev.0
◆◆◆


時間は少し前に遡る。

「い、嫌だまた死にたくはねぇよ!!」
謎の獣人に追跡される上半身裸で、
ボクサーパンツをはいた筋骨隆々で屈強な体の男は熊虎次郎
そんな彼はたくましく頼りがいがありそうな肉体とは裏腹に、
絶望と恐怖と困惑を常人の一生分ほどを感じていた。

試合相手の殺人ボクサーに殺されたはずなのになぜか生きていること、
会場に転送されてから直後に狙われたこと
その狙ってくる存在が明らかに人ならざる存在であること

これらによって彼が平静を失い
逃げ惑うのは異常でも特別でもなんでもない当然のことであった。

プロボクサーとして、普通の人間の中では比較的優れた身体能力があるため
逃げれるはずと望みを掛けたが
さらに強靱な身体能力を持つ怪物を
相手に逃げ切ることができるはずもなく、

バトルロワイヤルの世界にて
哀しきプロボクサーは怪物の持つハーケンで
首を勢いよくはねられ死の奥底へと再び沈んだ。

【熊虎次郎@チャージマン研! 死亡】


◆◆◆

「無力な己を死を確信し、せめて最期は
優美な光景でも見たい…そんなところだろうな。」
獣人は少年が海を見ていた理由を勝手に蔑みながら考察する。
名はグノン、異魔神が率いる四魔王が一人、
獣王グノンである。


研の戦場に幾度となく足を踏み入れた男としての勘が告げていた。
この男は今まで自分が倒してきた有象無象のジュラル星人たちとは全てが違う。

標的を効率よく必ず滅ぼせる手段を
どんなに残酷であろうが一切の迷いもなく選び、
ジュラル星人のように地球の500年先を行く
超越的科学力を持ち続けるがゆえの慢心からくる、
回りくどく非効率な作戦を実行するような油断は断じて無い、
『獅子はウサギを狩るのにも全力』そのことわざを邪悪な意味で体現している。

「何者なんだお前は!ジュラル星人なのか…!?」

「黙れ、蛆にすら満たぬ下等な小童に名乗る名が、
この世のどこに存在するというのだ…?」

グノンはアリアハンを襲った時とは異なり、
当時は暴虐と非道を繰り返す魔王軍の一員である獣王を名乗り、アリアハンの国民を
とことん恐慌状態に陥らせ、「死にたくなければ勇者アルスを差し出せ」という脅しを大々的に伝え、アルスをあぶり出すという極悪な策略を成功させるために
恐怖感をたたき込むことを目的として名乗ったが、
今は我が名を下等な人間に教えても特にメリットはない、

ジュラル星人とは何のことか全く知らないが
メリットもないのに軟弱な人間の質問に答え疑問を解決させるなぞ
獣王としてプライドが許さぬため、今回は名乗りは上げなかった。

32 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/03(日) 18:31:39 ID:M28snev.0
「仮に俺が名乗ったとしても蛆の一生のごとく意味は無い…
貴様はここで滅び、絶望と苦痛の中で死に絶えるからだ!」

殺意にあふれた宣言とともにグノンは
熊虎の頭を剛速球で研に向けて投げ飛ばす。

「!!ちっ!」

投げつけられた頭を
とっさに右方向に転がることで回避する。
投げられた頭はそのまま海面に
激しい勢いで海面に
直撃し巨大な水しぶきをたたき起こした。

(なんて早さだ…あれがぶつかったら…)

成人の頭の重さは約 4〜6kgである。
それを弓から放たれる矢の如く
すさまじい速度で心臓めがけて投げつけてきたのだ。

いくら戦いを繰り返し鍛えられている研でも
今のがまともに当たれば
心臓にとてつもないほどの
ショックを与えられ、最悪死亡する可能性があった。
さすがに戦慄を抑えられない。

「殺すつもりでやったが回避するとはな、
こんな舞台に召喚されるだけあり実力は
ある程度持ち合わせているか…」

目の前の獣人を倒さなくば
多くの者たちが犠牲となる。
研は戦慄とともに深く理解した。

「チャージングGO!!!!!」

33 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/03(日) 18:32:15 ID:M28snev.0
研は両手を広げてからクロスし、
右手をピースしながら勢いよく掲げると、
まばゆい光の渦とKとVの文字が交互に現れ
装備されたビジュームベルトが回転し、
研は赤いVの字が記された黄色い服、白い手袋、そして透明のフェイスシールドが付けられたヘルメットが装備された姿、チャージマン研への変装を完了した。
戦闘態勢に入った研はアルファガンをすぐさま構える。

「さぁ覚悟しろ!!」

「笑わせるな…貴様ごときになぜ覚悟がいるのだ!?」
嘲笑とともにグノンは研をハーケンで切断するべく突進したが
研は目を狙いアルファガンを発射した。

それを見たグノンはとっさに停止し、右翼で顔を覆いガードしたが、
「ぐお!なんだと!!」
アルファガンのあまりの威力に
右翼は紅紫色の光りに包まれ焦げた、
しかしダメージを受けた様子はほとんどなく
多少ひるんだ程度であった。

これには研は内心驚愕してしまった。
いつものジュラル星人相手なら今ので戦闘が終了しただろう。
だがこいつは翼で防いだとはいえダメージがあまりにも無い。
これは何事だ、いったいこいつは本当に何者なのだ。

直ぐに思考を切り替え、ひるんでる隙を突いて研は背にまわりこみ
さらにもう一発撃ち込もうとしたが
グノンはすぐさま振り向き火炎を吐き放った。

「まずい!ビジュームベルト!」

研はビジュームベルトを回転させ
旋風を巻き起こし火炎へ直撃させた。

旋風と火炎のすさまじい押し合いとなり
研もグノンも地に足を力強く踏み込み
押し飛ばされぬために歯ぎしりをしつつ踏ん張っている。
ぶつかり合いによって煙幕が巻き起こり、

それは徐々に濃くなっていき
研とグノンの姿は見えなくなった。
かろうじて見えているのは旋風の線と
直線上に放たれた火炎のブレスだけだ。

34 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/03(日) 18:32:47 ID:M28snev.0
「まずいな奴の姿が見えなくなってきている…」

研が危機を感じた直後に
突然火炎が消えた
ビジュームベルトの旋風はそのまま
一直線に海面を走った。

「ど、どこだ!」
煙幕で周囲が見えなくなり
周りを見渡すがグノンの姿はもちろん
その影すら全く見えなくなった。

「死ねい!!」
前触れ無く背後に現れたグノンが
殺意に満ちたハーケンでなぎ払った。

「うおっ」
研は憤怒に満ちた声に反応し素早くしゃがんで回避し…

「これでどうだ!」

アルファガンとビジュームベルトはほぼゼロ距離で発射した。

「うごおおおおおお!!!」

ゼロ距離であるため回避も武器や翼によるガードもほぼ不可能であり、
高威力の光線と圧倒的な旋風によってグノンは大きく吹っ飛ばされた。

「今のうちに逃げよう!!」

普段であれば敵を殺害するまで戦いをやめない研であった。
今回ばかりは事情が違う、違いすぎる。
あの獣人はジュラル星人とは全てが違う。
あのまま戦い続けていれば研は敗北していた可能性が高い。

ほとんどの敵はアルファガンで一発、まれに二発で撃破できるが
今の戦闘ではアルファガンや隠し球同然のビジュームベルトですら
致命傷を与えるに至らなかった。

何十発か当てることができれば撃破できた可能性はあるが
そこまで戦えば先に研の体力が尽きると思われる。
研の攻撃に平然と耐えたあいつの強さは決して侮ってはならない。

そういう理由で研はG-7をあとにして駆け抜けた。
しかし奴を倒せないことが確定したわけではない。

「そうだあの嘘つきロボットがあれば…」
バリカンの旧友を騙ったあの深紅の顔と真っ青な動態を持つ
時限爆弾搭載のあのロボット。
海中でもみずしぶきだけではなく爆発すらも
ハッキリと見えるくらいの火力があるあいつの大爆発なら
討伐することができるかもしれない。

「そうと決まればあいつを探さなくては!」

外道獣人を打倒するために
研はバリカンの旧友をさがすことにした。
あの嘘つきの同意なんぞしったこっちゃない。

【F-6/未明/一日目】
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(中)、チャージマン研に変装中。逃走中。
[装備]:アルファガン、ビジュームベルト、ヘルメット。
[道具]:基本支給品。
[思考・状況]
基本方針:サカキを説得する、ジュラル星人は倒す。
1:バリカンの旧友をさがす。
2:見つけたらあの獣人(グノン)にぶつけて爆発させる。
4:サカキを説得する。
3:あの(獣人)とジュラル星人は関係があるのか…?
[備考]
参戦時期は63話終了後と最終話開始直前の間です。

【支給品解説】

アルファガン@チャージマン研!
チャージマン研が愛用する銃。
ジュラル星人なら一撃で倒せることが可能であり、
馬車や鉄骨もすぐに消滅するほどの威力がある。

ビジュームベルト@チャージマン研!
チャージマン研が装備するベルト
バックルが回転して強烈な旋風を相手にたたき込む。
一種の切り札的な武器であり、使用することはまれである。

ヘルメット@チャージマン研!
研がチャージマン研!に変装した際に自動で装備されるヘルメット
フェイスシールドはジュラル星人の光線を防ぐほど頑丈。

35 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/03(日) 18:33:19 ID:M28snev.0
◆◆◆

「見失ったか…それなりの実力だったな、あの小童。」

ゼロ距離の猛攻をまともに受けてF-8の南へ
吹っ飛ばされたグノンは起き上がり体につけられたホコリを払う。
周囲を見渡したが既に小童には逃走された。

多少やけどをし、遠くへぶっ飛ばされたが致命傷からは遠い軽いダメージだ。
あの黄色い小童は実力はあるにはある。
しかしこの獣王の命を奪うにはほど遠い。
仮に真の姿で相手をすれば一瞬でカタがつくだろう。

「しかしあの武器は一体…」
グノンが元々いた世界には
あの小童が使いこなしていた。光線を発射する武器と
旋風を放つベルトなど恐らく存在しない、
だからこそ一度も見たこともない。
やつがほざいていたジュラル星人とやらも一切知らない。

「人間どもは我ら魔族が知らぬ超越的技術でも隠し持っているというのか…」
それにあのサカキとか言う黒い服を着て、バトルロワイヤルを命じた謎の男。
あいつも一体何者だ、あらゆる世界だの全ての時代だのほざいていた。
グノンの知る限り世界は二つ存在している、
地上世界とアレフガルドと呼ばれる地下の世界だ。

「あの二つ以外にも世界は無数にあるのか…?」

グノンの疑問に対して答えを明確に示す要素は今の時点ではない。
「あの言葉からするにあの男は、時間の移動もできる能力や道具があるというのか…」
旅の扉やルーラなどの遠く離れた場所を移動する技術または能力ならあるが
さすがに時間を自在に移動できる手段はグノンの知識にはない。

「あのサカキとやら中々面白い物をもっているのかもしれんな…」
グノンの方針にサカキがリーダーの
レインボーロケット団とやらから
未知の技術を奪い尽くし、魔王軍首領である異魔神への
手土産とすることが付け加えられた。

元々あった方針とは人間というウジ虫どもの皆殺しだ。

【F-7/未明/一日目】
【グノン@ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】
[状態]:健康、闘争心旺盛
[装備]:グノンのハーケン。
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2、熊虎次郎の基本支給品とランダム支給品0〜3
[思考・状況]
基本方針:蛆(人間)を皆殺しにしてレインボーロケット団の技術を奪い尽くす。
1:蛆(人間)を探して殺す。
2:レインボーロケット団の技術を奪い尽くす
3:あの小童(研)の使った武器は一体…
4:モンスターの参加者については基本は保留、しかし襲われるか気分を害されたら殺す。

[備考]
参戦時期は少なくともアリアハン国民に
「アルスをさしだせ」と脅した後です。

熊虎次郎の所持品を全て奪いました。
熊虎次郎の首無し死体はF-7に転がっています。

【支給品解説】
グノンのハーケン@ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章

獣王グノンが愛用する武器、
サイ男二人でも持ちきれず落としてしまうほどの重量、
グノンは片手で軽々と扱うことができる。

36 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/03(日) 18:34:13 ID:M28snev.0
投下は以上です、タイトルは「恐怖!極悪な獣人!」です。

37名無しさん:2021/10/03(日) 18:55:27 ID:8hjFB.PQ0
乙です
研の奇天烈な合理性に心地よい目眩がw
グノンの桁外れの戦力と外道ぶりも当然ながら、劣勢の研も強者と分かる戦闘緊張感がありハラハラさせられました
熊虎さんの最期にこれはロワという実感が、合唱
研の思考の最期にどっちも外道だよなぁとちょっと思ってしまいましたw

38 ◆NIKUcB1AGw:2021/10/04(月) 00:27:19 ID:3OUC/Cmw0
投下乙です

グノン、めちゃくちゃ強いなあ
たしかに強敵だった記憶が……

プリズマン、ガンガディア、太陽で予約させてもらってよろしいでしょうか

39 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/04(月) 00:38:36 ID:R53c1iwk0
>>38

予約と感想をありがとうございます。
もちろん大丈夫です。
よろしくお願いします。

40 ◆OmtW54r7Tc:2021/10/04(月) 20:13:55 ID:.I.PFurE0
コダックで予約します

41 ◆EPyDv9DKJs:2021/10/04(月) 20:57:19 ID:cQjb7Ouc0
ポルナレフ、音石で予約します

42 ◆OmtW54r7Tc:2021/10/04(月) 21:00:59 ID:.I.PFurE0
投下します

43コダックはそのままで充分可愛いよ ◆OmtW54r7Tc:2021/10/04(月) 21:02:20 ID:.I.PFurE0
僕はコダック。
ニックネームはまだない。
野生ポケモンだし当たり前だけど。

僕は元々、カントーの野生ポケモンだった。
それが、ホウエンに連れてかれて、サファリゾーンという場所で暮らすことになった。
サファリゾーンでの暮らしに、不満はない。
しかし、一つ疑問があった。
このサファリゾーンには、僕たちの進化系、ゴルダックがいないのだ。
このサファリゾーンにいるコダックは、そこそこの成長度で、もう少し成長すればゴルダックになれそうなのが沢山いる。
それなのに…一匹もいない。

そんな疑問を持って歩いていると、近くを2人の女の子が歩いていた。
おそらくは、このサファリゾーンの参加者だろう。
こちらに気が付く様子もなく、2人の少女は話している。

「ねえ先輩、なんでこのサファリゾーン、コダックは沢山いるのにゴルダックはいないんですかね?」
「うーん…処分されてるとか?」

処分!?
先輩らしき女の子の言葉に、コダックはショックを受けた。

「だってほら、ゴルダックってコダックに比べてあんまり可愛くないじゃない。きっとサファリゾーンのスタッフたちも、可愛くないゴルダックなんて、いらないのよ。キャハハ!」
「うっわあ、ザンコク〜」

笑いながらその場を去っていく少女たちを、コダックは茫然とした表情で見つめていた。

44コダックはそのままで充分可愛いよ ◆OmtW54r7Tc:2021/10/04(月) 21:03:12 ID:.I.PFurE0
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

そして今。
コダックは、サファリゾーンを離れ殺し合いの舞台にいた。

(僕も、処分されちゃうのかな…ゴルダックみたいに)

あの日以来ショックで、生まれつきの頭痛を更に悪化させたコダック。
自分はまだコダックなのに、ゴルダックじゃないのに、処分されるというのか。

(死にたくない、死にたくない、死にたくない)

心の中でそう唱えても、どうしようもない。
なんとか、しなければ。

『ゴルダックってコダックに比べてあんまり可愛くないじゃない』

あの日の少女の言葉を思い出す。
ゴルダックは可愛くないから処分された。
つまり自分は、コダックの段階で可愛くないと判断されたというのか。

(ということは、可愛くなれば処分されない!サファリゾーンに戻れるんだ!)

コダックは思い出す。
ホウエン地方には、ポロックというお菓子があって、それを食べて可愛さをアップすることができるという。
サファリゾーンのポケモンたちも、参加者がエサとして投げてきたポロックをたまに食べることがある。
こんなことになるなら、もっと食べて可愛さをアップしておけばよかった。

(ポロック…この荷物の中とか入ってないかな)

コダックは自身の荷物を探る。

(あ、これは確かポロックケース!)

ポロックケース。
その名の通りポロックを持ち運ぶためのケースである。
ポロックを作るためのきのみブレンダーとセットで、『ポロックキット』として支給されている。
そしてポロックケースの中には、5色のポロックが入っていた。

(確か…ピンクのポロックが可愛くなれるポロックだったはず!)

早速ももいろのポロックを食べるコダック。
コダックのかわいさが上がった!

(ようし、この調子できのみやポロックを集めて、可愛さをアップさせて、サファリゾーンに帰るんだ!)

どこまでもずれた目的を胸に、コダックは歩き出した。

45コダックはそのままで充分可愛いよ ◆OmtW54r7Tc:2021/10/04(月) 21:04:02 ID:.I.PFurE0
【8-E/未明/一日目】

【コダック@ポケットモンスターオメガルビー】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ポロックキット(あか、あお、みどり、きいろのポロック1つずつ)@ポケットモンスターオメガルビー、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本方針:ももいろポロックで可愛さを上げてサファリゾーンに帰る
1:ももいろポロック、またはももいろポロックを作れるきのみを探す
[備考]
殺し合いの舞台にいるということは理解していますが、自分が可愛くないから連れてこられたと思い込んでおり、可愛くなれば免除されて脱出できると思っています


【支給品解説】

ポロックキット@ポケットモンスターオメガルビー
きのみからポロックを作るきのみブレンダーとできたポロックを保存するポロックケースのセット。
初期時点で5色のポロックが1つずつ入っている。

46 ◆OmtW54r7Tc:2021/10/04(月) 21:05:02 ID:.I.PFurE0
投下終了です

47 ◆NIKUcB1AGw:2021/10/05(火) 21:07:12 ID:C7iLb0F20
投下します

48レインボーは空だけじゃない、胸にもかかるぜ ◆NIKUcB1AGw:2021/10/05(火) 21:08:07 ID:C7iLb0F20
「ここは……人間の街か……?」

視界に広がる町並みを確認し、思わず呟く魔物が一体。
彼の名はガンガディア。
ボストロールの変異種である「デストロール」と呼ばれる存在であり、魔王ハドラーの側近を務める魔物の一体でもある。

(いくら深夜とはいえ、人間の気配がまるでない……。
 かといって建物の状態を見ると、放棄された街というわけでもなさそうだ。
 そうなるとつい最近まで住んでいた人間達を追い出したか、あるいは住む者のいない街を一から作り上げたか……。
 どちらにせよ、そこらの人間にできる行いではないな)

自分を殺し合いに参加させたあの人間は、何かしらの強い力を持っているらしい。
ガンガディアは、そう認識する。

(だからといって、この私に殺し合いを強制するなど許されるはずがないがな……!
 別に人間を殺すこと自体はかまわんが……。
 最後にはあの男もぶち殺してくれる……!)

こみ上げる怒りに、ガンガディアの表情が険しくなる。
だが彼はすぐに深呼吸をして、心を落ち着ける。

(いかん、熱くなってしまえばヨミカイン遺跡の時のように、不覚を取る事態になりかねない。
 ここはあくまで冷静に……。まずは、状況の確認だ)

ひとまずガンガディアは路傍に座り込み、自らに支給された物品を確認する。
最初に手をつけたのは、ポケナビ。説明書を見ながら操作し、参加者名簿を確認する。
先ほども述べたように人間を殺すことに躊躇はないが、同じハドラーの配下であるバルトスやブラスがいればさすがに殺すわけにはいかない。
キギロは再生できるから、最悪の場合はぶちのめすが。

(どうやらハドラー様の配下で参加させられているのは、私だけのようだな……。
 覚えのある名前はない。
 なぜしびれくらげごときが参加者に含まれているのかは、少し気になるが……。
 何か、特別な力を持った個体なのかもしれんな)

今、魔物の社会は群雄割拠。
頂点に立つべく、数々の強豪がしのぎを削っている状態だ。
そんな中で、無名ながら強力な個体が生まれたとしても不思議はない。
いや、やっぱりどうだろう。

(とにかく、味方はいない。
 基本、他の参加者は殺していくことになるが……。
 何せ、人数が多い。それぞれの戦闘力も不明だ。
 話が通じそうな魔物がいたら、一時的に同盟を組むことも考えた方が良さそうだ)

方針を固めたガンガディアは、続いて武器がないかの確認に移る。
その結果出てきたのは、鎖で鉄球に繋がれた斧という奇妙な武器だった。

(発想としては鎖鎌に近いが、このような武器は見たことがないな……。
 おそらくは、本来の持ち主の特殊な戦闘スタイルに合わせて作られたものなのだろうな。
 使いこなせるかどうかはわからんが、とりあえず私の筋力なら振り回すことはできる)

風変わりな武器をしっかり装備すると、ガンガディアは立ち上がる。
準備の時間は終わった。ここからは動くときだ。

「む?」

ガンガディアは、数歩歩いたところで立ち止まる。
その視線の先には、全身が透明な物質でできた奇妙なモンスターがいた。

49レインボーは空だけじゃない、胸にもかかるぜ ◆NIKUcB1AGw:2021/10/05(火) 21:09:04 ID:C7iLb0F20


◆ ◆ ◆


「いったい何がどうなってるんだ……。
 ここは超人墓場なのか? いや、とてもそうは見えん……」

プリズマンは困惑していた。
彼の最後の記憶は、キン肉星王位争奪戦の決勝でラーメンマンと対決していたときのものだ。
ラーメンマンの必殺技である九龍城落地(ガウロンセンドロップ)でマットに叩きつけられ、プリズマンはおのれの死を覚悟していた。
だが彼は死なず、気がつけば見知らぬ男によって殺し合いに参加させられてしまっていた。

「殺し合い……と言われてもな……。
 リングの外で戦うのは超人レスラーの仕事じゃないぜ」

プリズマンは試合であるならば、相手の命を奪うこともいとわない。
というか必殺技が文字通り必ず殺す技なので、殺すつもりで戦うしかない。
だがそれは、超人レスリングというお互いの命をかけた戦いの場だからだ。
リングの外で、無力な人間を殺戮するなど超人レスラーのやることではない。
II世の悪行超人? 都合の悪いことは忘れよ。
それに、あれは未来の話だし。

「だいたい、あの男は何様だ!
 この俺に命令できる存在など、知性の神とその代行者であるフェニックス様くらいだ!」

主催者への怒りを募らせ、プリズマンは殺し合いへの反逆を決意する。
とはいえ、具体策はまだ何もない。

「とりあえず、仲間はいた方がいいな……。
 誰かいるかな」

ポチポチとポケナビを操作し、プリズマンは名簿を確認する。
知っている名前は飛翔チームにいたミスター・VTRと、悪魔超人のステカセキング。
それと名前からして、シングマンというのも超人であろう。
まったく聞いたことがないので、おそらく無名の雑魚超人であろうが。

「うーむ、協力できそうなやつはいないな……」

VTRもステカセも、名前を知っているというだけで面識はない。
VTRに至ってはいちおう敵対チームのメンバーなので、この場でも敵視される可能性すらある。
というか、こいつも死んでたような気がする。

「仕方ない、手当たり次第に声をかけてみるか……」

とりあえずの方針を固め、プリズマンは移動を始める。

そして数分後、プリズマンは斧を手にした巨漢のモンスターに遭遇した。


◆ ◆ ◆


「なんだ、この状況……」

とある民家の一室で、火の玉のような物体が困惑していた。
彼の名は「太陽」。
知らない人はなんのこっちゃと思うかもしれないが、それ以外に表現のしようがないのだから仕方ない。

「なんで俺がこんなところに連れてこられてるのか、さっぱりわからねえが……。
 要するに、ここにいる連中を全員ぶっ飛ばせばいいんだろ?
 やってやろうじゃねえか!」

戸惑いながらも、彼は即座に殺し合いに乗ることを決意する。
何せ自分は偉大なる存在・太陽なのだ。
矮小な人間や動物ごときに負けることなど、あるはずがない。
でも亀の甲羅だけは勘弁な。

「とりあえず、外に出るか。
 太陽が部屋の中にいたんじゃ、格好がつかねえ」

玄関のドアを突き破り、太陽は夜の屋外へと飛び出した。

50レインボーは空だけじゃない、胸にもかかるぜ ◆NIKUcB1AGw:2021/10/05(火) 21:10:05 ID:C7iLb0F20


◆ ◆ ◆


(どうしたもんか……)

プリズマンは、目の前の大男にどう対応するか迷っていた。
相手が殺し合いに乗っていないのであれば、是非とも交渉して仲間になってもらいたい。
しかし無表情な男の姿からは、乗っているかいないかの判別がつかない。
知性チームの一員とはいえそこまで頭のよくないプリズマンには、どう対応すべきか考えが浮かばないのである。
そんな彼に助け船を出すかのように、大男……ガンガディアが先に口を開く。

「私の名はガンガディア。君の名前も聞かせてもらえるかな?」
「え? お、おう。俺はプリズマンだ」
「プリズマンか……。出会った瞬間に襲いかかってこなかったところを見ると、少なくとも君は無差別に戦うつもりはないようだ。
 話し合いの余地はあると思うのだが、どうかね?」
「ああ、俺としても望むところだ」

ガンガディアが話の通じそうな相手だったことに、プリズマンは内心安堵する。
だがここで、運命のいたずらが発生した。
プリズマンの背後にあった民家から、太陽が飛び出してきたのである。
予期せぬタイミングでプリズマンの体に大量の太陽光が浴びせられ、その結果……。

「あっ」

太陽光をエネルギー源とする彼の必殺技・レインボーシャワーが暴発してしまった。

「っ!」

突然自分に向かって発せられた虹色の光線を見たガンガディアは、とっさに回避行動を取る。
その結果レインボーシャワーは彼に命中することなく、近くの民家に注がれる。
非生物に対してはすさまじい威力を見せるレインボーシャワーは、民家の壁をドロドロにとかしてしまった。

「なるほど、友好的な態度で油断させ、隙を突くつもりだったのか……。
 私としたことが、策にハマるところだったよ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! そんなつもりは!」
「ヒャッハー! なんだかよくわからんが、おまえら二人ともぶっ飛ばしてやるぜーっ!」

前には怪物。後ろには太陽。
開始早々、いきなり大ピンチを迎えるプリズマンであった。


【7-J/未明/一日目】
【プリズマン@キン肉マン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:仲間を集め、殺し合いに反逆する
1:なんとかこの場を切り抜ける
[備考]
参戦時期は王位争奪戦の決勝で、ラーメンマンに粉砕された直後。


【ガンガディア@ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王】
[状態]健康、若干の怒り
[装備]悲鳴嶼行冥の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本方針:優勝し、その後主催者も殺す
1:眼前の魔物達を殺す
2:話が通じそうな魔物がいれば、一時的な同盟を組む
[備考]
参戦時期はヨミカイン遺跡で、アバン一行と戦った後。


【太陽@スーパーマリオブラザーズ3】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:全員ぶっ飛ばす
1:まずは目の前の連中をぶっ飛ばす


【支給品解説】
【悲鳴嶼行冥の日輪刀@鬼滅の刃】
日光を吸収する鉱石で作られた、鬼を殺すことができる刀。
悲鳴嶼のものは、「鎖で鉄球と繋がれた斧」という形状をしている。
「どこが刀やねん」というツッコミは、もはや無粋と言えよう。

51 ◆NIKUcB1AGw:2021/10/05(火) 21:11:09 ID:C7iLb0F20
投下終了です

52 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/06(水) 01:12:42 ID:PPAdGzMs0
皆様SS投下をありがとうございます、感想を投下させていただきます。最後に基本ルールと書き手様のルールで追加と修正のお知らせをさせていただきます。

>コダックはそのままで充分可愛いよ
SS名通りコダックはそのままでも十分可愛いと私も思います。
ゴルダックがサファリで出現しない理由や
ホウエン特有のポロックを
SS内で面白くいかしているのが
すごいと思いました。
ゴルダックがサファリに不在という理由が
処分というのが目から鱗です。

>レインボーは空だけじゃない、胸にもかかるぜ
太陽のせいで襲うと誤解された
プリズマンに幸あれ、
ガンガディアが悲鳴嶼さんの日輪刀を
装備している場面を想像すると
ものすごくしっくりきました。
人を守る人間の武器が人を襲う人外の武器に
なってしまう逆転現象でもあると思いました。

改めましてSSの投下をありがとうございました。

また最後に書き手様ルール、基本ルールを一部追加または修正させていただきます。

(基本ルール)
・参加者を助けたり妨害したりするNPCが会場内のどこかに最大5人まで存在しています。


(書き手様ルール)
・マップ内に追加したい施設がありましたら無理の無い範囲であれば追加してもOKです。追加次第に企画者が地図上に追加させていただきます。
・どんなNPCを登場させるかについては烈戦ロワに採用された作品のキャラなら誰でも良いですが、あくまでもロワのメインは首輪を付けられた参加者たちですので、極力活躍させすぎない程度でお願いします。
追加ルールは以上です。

ご質問等ございましたら何でも遠慮なくお申し付けください、長文失礼しました。

53 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/06(水) 14:19:00 ID:PPAdGzMs0
空条承太郎、エイプマンを予約させて頂きます。

54 ◆EPyDv9DKJs:2021/10/07(木) 18:15:13 ID:fELlu/eo0
投下します

55 ◆EPyDv9DKJs:2021/10/07(木) 18:16:03 ID:fELlu/eo0
 音石明は控えめに言っても善人ではない。
 殺された虹村形兆にも報いを受けるような謂れはあれども、
 自分の目的のために人を殺し、億単位まで行く程の窃盗の繰り返し。
 最低のゲスとなる片桐安十郎や街に潜む殺人鬼吉良吉影と比べれば、
 どうやったって霞んでしまうものの、とても善人と呼べるような人柄ではない
 ではこの殺し合いに彼は乗るかどうかと言われると、そういうわけではなかった。

(や、やべえ。)

 願いを叶えられるなら真っ先に欲望に忠実になりそうな性格ではあるし、
 事実最初は他者を殺すことに躊躇いのない彼は乗ろうかな、なんてことは考えた。
 ジョセフを殺せたとしても名前も顔も知られていて、スタンドもボロボロの状態。
 そんな実質的な詰みだった中でこの殺し合いに飛ばされたのなら、そう考えるのは必定。
 生活に不自由ない財でも貰ってしまうか、と言うそんな程度の低いものを考えていた。
 これだけのことができるロケット団ならば、スピードワゴン財団相手でも逃げ切れるはず。
 そんな皮算用をしているところは、調子に乗りやすい彼の性格を分かりやすく表現してくれる。
 (ウルトラスーパーギタリストについては、自分の腕でなれると信じて疑わないので当然除外。
  と言うよりも彼はギターについては真摯なので、そういう願いについては考えてすらいないのだが)
 スタンドがあればボロボロだとしても、相手に見えなければ全参加者に勝てる見込みがあるので、
 決して大した勝算がないのにイキってると言うわけでもない。
 しかし、そんな彼は今顎が外れそうなほどに口を開いていた。

(東方仗助に空条承太郎、しかもジョセフ・ジョースターだとぉ〜〜〜ッ!?)

 ふたごじまを繋ぐ橋の近く。
 広々とした場所で思わず叫びそうになったが、何とかこらえる。
 前者は難敵だし、承太郎は相手にしちゃいけない筆頭であるが今はそれどころではない。
 何よりも困るのはジョセフ・ジョースター。先の二人は此処でも殺し合いを打破すべく、
 行動する上にその強さはよく知っている。しかしジョセフは老いぼれでとても戦えない。
 確実に無力な参加者であり、音石が参加してる中彼が死んでしまえばどうなるか。
 理由は勿論お分かりなことだ。

(殺そうとしていた俺が真っ先に疑われちまうじゃあねえかッ!!)

 前科がある以上冤罪でも信用は皆無。
 スタンドによる優位も崩れているこの状況。
 故に彼は乗る、乗らないを考えてる場合ではなかった。
 まずジョセフを見つけて保護しておかなければ最悪の展開になる。
 ただでさえ承太郎と仗助からは敵と認識されてるのは当然の帰結。
 他の参加者に自分が危険な奴と吹き込まれて警戒する奴が増える筈。
 もたもたしていてはジョセフが死んでしまうし、余計な敵も増えて地獄絵図が見える。
 どっちのスタンスで行くにしても、今はまず敵を増やさないことが生き残るための最善策。
 自分が身の潔白を証明するなら、今の音石はジョセフを見つけて同行するしかないのだ。
 自分にとっての知り合いは、この場において仗助と承太郎だけなのだから。
 (まあまだ仲間と言える間田がいたところで、どうにかなるものでもないが)

「! そうだ!」

 サカキは武器や便利な道具を入れたと言っていた。
 それなら何か移動に便利なものがあるのではないか。
 信じて漁った結果、出てきたものを一瞥して音石は空を仰いでいた。

「……まじかよ。」

 いや冗談だろと疑いたくなる。全部円形の物体ってどういうことだ。
 一応それぞれ完全な外れでもないし、有用なアイテムでもあるにはある。
 移動手段も目の前に転がる、デイバックの容量を超えたそれがあるにはある。
 その宇宙船はどのエリアの施設でも今いる場所から短時間で移動できると言えば聞こえもいい。
 しかし、彼にはジョセフが何処の施設を目指すかもわからないし、一度操作したら変更はできない。
 ついでに連続しての移動もできない。彼の欲しいものと呼べる水準のものではなかった。

「足使うしかねえってことだよな……」

 困ったことに武器がない。
 スタンドがあの状態では自衛もかなり難儀するので、
 可能なら武器も欲しかったが、それもその用途の使い道がない。
 アイテムを回収して、移動を優先することにする。
 まあなんだかんだ使い道があるだけよし。
 前向きに行こうじゃあないか。

「あー、もしもーし───」

「ギニャ───ッ!!」

 そう思った矢先突然声を掛けられたのもあって、
 素っ頓狂な声を挙げながら咄嗟に開けたままにしてたポッドに入りこむ。
 急いでどこでもいいから移動先を指定しようとするが、
 焦る気持ちでうまく座標が指定できないままでいる。

56 ◆EPyDv9DKJs:2021/10/07(木) 18:16:29 ID:fELlu/eo0
「おいおい落ち着きなって。ガム食うかい?」

 柱のような長い奇抜な髪型と、
 気の抜けるような声とともに差し出されるガム、
 ではなくどうみてもチェリー。

「間違えた。ガムじゃなくてチェリーだったぜ。」

 その飄々さのお陰か、緊張がほぐれた音石は、
 何とも言えぬ表情で出てきてそのチェリーをなんとなくで受け取った。


 ◇ ◇ ◇


 心臓が月までぶっ飛ぶかと思ったこの衝撃。
 しかし乗ってない参加者に安堵の息を吐きつつ、
 出しては放置していたアイテムをデイバックへと戻していく。

「やれやれ、大変なことになっちまったなお互い。
 いきなり首輪付けての殺し合いは単純☆明快☆大ピンチだったが、
 最初に敵じゃない奴に会えたのは本当にラッキーだったぜ。」

「俺は頭がいてーよ……」

 『サカキの野郎ムカツクゥ〜』なんて背後でポルナレフは何か言ってたが、
 正直なところ会話はしてても音石の頭には余り会話の内容が入ってこない。
 とりあえず彼がポルナレフと言う名前で、乗ってない人物程度としか。
 直ちに身の危険はないものの、根本的なジョセフの問題は未だ健在だ。

「すげー落ち込んでるけど嫌なことあった? チェリー食うかい?」

「ふつーに考えりゃこの状況そのものが嫌なことだと思うが、
 今となったら頭痛の方がひでーよ……というかなんでチェリー推すんだよ。」

「俺の支給品だぜ☆ それと、知り合いにチェリー不足で狂っちまう奴がいるんだ。」

 そんな奴と同等の扱いを受けているのか、
 と言うよりチェリーで狂うって何かやばいのキメてるのか。
 次から次へと湧き出てくる疑問に頭が付いていけず余計頭痛が酷くなる。

「頭いてぇ。」

「疲れてるのか? 頭痛は肩こりからくるって言うから気を付けろよ〜。
 それとも、第七回肩もみグランプリフランスカップシード権獲得初戦敗退の俺の力を使うときか?」

「いやなんだよそれッ!? そんなのあるわけねーだろーがッ!!」

「いやいや本当のことだぜ? 俺の腕ならババアも若返っちまうほどだ。一度やってみるか?」

「やらねーよッ! おめーの頭みてーにふざけてんのかッ!?」

 デッサンでも狂ったか、と言うよりさっきよりなんか伸びてるようにも見える柱の髪型。
 仗助の髪型には魂を感じなかった髪型だが、今相対する髪型と比べれば十分センスあるなと、
 褒めてるのか貶してるのか分からない感情に囚われていた。
 (伸びてる気がすることは一先ず気にしないでおく)

「ひでえぜ。デーボといいセンスが伝わらない世の中は切実だぁ〜……」

 理解されないことに嘆きつつも、
 『お、本物のサイヤ人のP☆O☆Dだ』と勝手に音石の支給品に乗り込んでいる。
 操作方法は知らないので、本当にただ入っただけで特に意味はない。

「おめーといると余計頭痛くなってきたぞ……」

 チェリー食っとる場合かと言われたら、そのとおりではある。
 最初こそ乗ってないし手を組むには十分信用できる相手ではあるが、
 根本的な危機を脱しているとは言い難い状況に加えて、別の意味で謎の男。
 今のやりとりだけでも軽く二、三点は突っ込みどころがあるのにさらに突っ込みを増やしていく。

「ま、一先ず仲間を探しに行くとすっかぁ。
 DIOのやろーもいるなら、此処はジョースターさん達に合流したいしな。」

 倒すべき敵がこの場にいる。
 全員がこの場にいないのは気掛かりだが、
 こうしてる間にも他の参加者に身の危険が迫る。
 不意打ちが得意と騎士としては腐りまくってるが、
 一応は原典たるポルナレフの言う白側になるだろう……多分。
 そんな彼がいれば少しは信用になる……のかは少し不安だが、
 少なくともましに思う音石だった。

【I-11/1日目/未明】

【音石明@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:不安(大)、精神疲労(大)、頭痛(ただの考えすぎ)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、どんそくだま×1@ポケモン不思議のダンジョン時・闇・空の探検隊、五星球@ドラゴンボール
[思考・状況]基本行動方針:ジョセフを探す。話はそれからだッ!!

1:ジョセフ・ジョースターを探すついでにポルナレフの仲間を……ん?
2:いや、おい、ちょっと待て。
3:今こいつなんつった?

[備考]
・参戦時期は億泰に敗北する直前からの参戦です。
・レッド・ホット・チリ・ペッパーの射程の制限は後続の書き手にお任せします。
・ポケナビの電力がスタンドの体力の足しになるかは後続にお任せします。

57 ◆EPyDv9DKJs:2021/10/07(木) 18:17:10 ID:fELlu/eo0
・スタンドがボロボロだったのが元の状態になってることに気付いていません。

・ジョセフのことに今気づきました。










「今、お前さんなんつった?」

 半ばうわの空で返事をしていたが、
 今何か凄く聞いてはならないワードを前に思考が固まる。

「ジョースターさんだよ。
 ジョセフ・ジョースター。
 俺の仲間で、他には空条承太郎に花───」

 静止。
 承太郎はこの場にはいない。
 しかし今、音石明は時が止まったかのように固まる。
 開始十分で出会ってはいけない、ジョセフを知る参加者。
 それに出くわしてしまい、最早彼の頭に情報が何一つ入ってこない。

「そういえばそっちの名前とか知り合いを聞いてなかったな。名前───」

 ポッドの中へ入ったまま尋ねるポルナレフ。
 それを機と見た瞬間、一目散に逃げだした。

「えぇー!? ちょっと待てよなんで逃げるんだよぉ!?」

 上ずった困惑の声を背にとにかく走る。
 ジョセフの仲間ならまず情報を共有しているはず。
 相手が何者かは知らないが、名前を聞かれれば終わりだ。
 偽名でやり過ごすなんて手段もあったかもしれない。開始数分、
 本物に出会う確率はそう高いとは言えないし十分に誤魔化せるだろう。
 だが、いかんせん今の音石は承太郎と仗助に目を付けられたくない。
 その一心が強い状態で行動しており、信用を落とす行為はとにかく避けたかった。
 今逃げてるのは信用が落ちるだろ? その通りでございます。
 一応は死にかけて死の危険も味わった影響が彼の判断力を鈍らせる。

「おいおいおいおいちょっと待へ、やっべ噛んだ。待てって言ってるだろうがよぉ───ッ!」

 ポッドから出た後すぐに追いかけようとするが、音石の物。
 置いていくわけにもいかず、収納用のホイホイカプセルが残ってたのでそれで回収。
 少し遅れる形でポルナレフは音石の後を追いかけ始めた。

 音石が心配することは何一つとしてなく、
 恐らくこの会場で最も意味のない逃避行が始まった。
 逃げきっても掴まったとしても、後に影響のなさそうなレベルのものが。

【I-11/1日目/未明】

【音石明@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:不安(大)、精神疲労(大)、頭痛(ただの考えすぎ)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、どんそくだま@ポケモン不思議のダンジョン時・闇・空の探検隊、五星球@ドラゴンボール

[思考・状況]基本行動方針:ジョセフを探す。話はそれからだッ!!
1:ポルナレフから逃げるんだよぉ───ッ
2:承太郎にも仗助にも今は会いたくねえ!

[備考]
・参戦時期は億泰に敗北する直前からの参戦です。
・レッド・ホット・チリ・ペッパーの射程の制限は後続の書き手にお任せします。
・ポケナビの電力がスタンドの体力の足しになるかは後続にお任せします。
・スタンドがボロボロだったのが元の状態になってることに気付いていません。

【ジャン=ピエール・ポルナレフ@うろ覚えで振り返る 承太郎の奇妙な冒険】
[状態]:サカキの野郎むかつくぅううう〜、困惑
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2、チェリー(個数不明)@うろ覚えで振り返る 承太郎の奇妙な冒険、ホイホイカプセル(宇宙船入り)@ドラゴンボール
[思考・状況]基本行動方針:少なくとも乗らない
1:ぇぇ〜なんで逃げ出しちゃったのぉ。(困惑)
2:とりあえず追いかける。センスが分からないとは言え乗ってないんだし
3:ジョースターさんたちと合流したい。
4:ってかあれ? さっきアイツ(音石)回収してたのドラゴンボールじゃね?
5:ついでに言えばさっきのポッド本物だったんじゃね?
6:DIOとか敵に気を付けたいぜ。
[備考]
・参戦時期は少なくともアヌビス神戦以降です。
・肩もみによる物理的な若返り効果は制限されてます。でもその技術そのままなので効果は抜群
・髪は一応伸び縮みします。
・ドラゴンボールの知識は作中で出たワードのみ知ってる扱いにしてますが(ポッドやドラゴンボールなど)
 どの程度知識があるかは後続の書き手にお任せします



【どんそくだま@ポケモン不思議のダンジョン時・闇・空の探検隊】
使用すると視認できる範囲にいる参加者全員の移動速度を一時的に下げる。
味方と認識してる場合は対象から外れる。

58 ◆EPyDv9DKJs:2021/10/07(木) 18:17:44 ID:fELlu/eo0
【五星球@ドラゴンボール】
七つ集めると願いを叶える神龍を呼ぶことができるドラゴンボールの一つ。
一つではなんの意味もないが、集めれば意味はあるかも。ただし七つ全部ある場合の話。

【フリーザ軍の宇宙船@ドラゴンボール】
フリーザ軍の兵士が少人数で移動する際用いていた一人用のポッド。
このロワでは施設の近くに移動するワープに近い移動アイテムと言う扱いになる。
持ち運び用にホイホイカプセルもあるが、これ以外を収納することはできない。

【チェリー@うろ覚えで振り返る 承太郎の奇妙な冒険】
ポルナレフが花京院を落ち着かせるときに割と持ってる(おそらく)ただのチェリー
原作でも存在してるが一応うろジョジョ出典。個数不明

59 ◆EPyDv9DKJs:2021/10/07(木) 18:18:02 ID:fELlu/eo0
以上で『ひとりよがりの逃避行』投下終了です

60 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/08(金) 02:44:25 ID:HC9lyxrU0
感想を投下させて頂きます。
>>ひとりよがりの逃避行
うろジョジョの空気や雰囲気の再現度が
ほんとうにすごくて作品愛を感じました。
本家のジョジョキャラである音石との絡みも
面白いギャグパートで夢のコラボにもなっていると思います。
ジョセフを抹殺対象から一転して生存のために保護しようとする
音石は思わず応援したくなりました。

他にはwikiの編集や拙作への感想もありがとうございます。

最後にSSを投下します。

61 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/08(金) 02:45:20 ID:HC9lyxrU0
茶色の毛並みに猿そのものな面構え、
一見そいつは手足が長いだけで妙なステップを繰り返す猿にしか見えない
しかし実際は悪の軍団を率いて世界支配をもくろむ
Dr.モービスという邪悪な科学者が
チーターマン兄弟を滅ぼすべく作り出した恐ろしい生物兵器。

それがサル型戦士エイプマンなのである。

バトルロワイヤルに召喚されたエイプマンは説明書を読みながら
ポケナビで参加者名簿を閲覧して
にっくきチーターマン3兄弟どもがいるか確認したが
なんと一人もいなかった。
このことにエイプマンは憤りを見せ怒りのあまりに般若のごとく顔を歪ませ
地団駄を踏んで怒りの叫びを上げた。

だがこのまま怒っていても何も進展はないと
直ぐに我に返って冷静になり
このバトルロワイヤルの世界で何をすべきかの判断を下した。
その判断とは優勝し、新幹部とやらに就任し記念の願いで
チーターマン兄弟をやっつけてもらうことである。

そうと決まれば話は早い。

邪悪な笑みを浮かべ、自分が優勝する場面を思い浮かべながら
エイプマンは見る者を高確率で困惑させる
トリッキーかつ珍妙なステップを刻みながら
悪しき願いのために出発をした。

出発し、自分が優勝してチーターマン兄弟が全滅するビジョンを明確に
イメージしながら悪意にみちた笑い声を上げるエイプマン。
少し移動すると学ランを着た大男の背中がエイプマンの凶悪な瞳に映った。

ちょうど良い、背中からだけでも伝わる強者としての気迫と威厳。
実に狩りがいにあふれた犠牲者第1号ではないか。
我が体当たりの餌食にして苦痛と恐怖に溺れた最期を与えてやろうじゃないか。
このバトルロワイヤルの世界に呼ばれた不幸を、
足の裏から頭のてっぺんの毛穴までとことん呪い尽くすが良い。

◆ ◆ ◆


「俺の名は空条承太郎、バトルロワイヤルに召喚されちまったぜ、やれやれだぜ。」
現在一人であるにも関わらず、誰に向けたのかわからない自己紹介を行った
スタンド使いの名は空条承太郎。

現在高校生であり、やばくなった母の空条ホリィを救うため
邪悪の化身(仮)DIOを討伐するべく
仲間とともにエジプト出発した少年だ。
しかしこの空条承太郎は本来の承太郎とはいろんな意味で違う。

「こんなやばいイベントに巻き困られちまったら、
生き残って、とにかくとりあえずサカキとか言う
あのおっさんをぶちのめしたいぜ。」

主催者のサカキへの敵意が燃えゆく
たしかに彼は真の承太郎ではない。
自分もよく噛むくせに敵が台詞をかんだらここぞとばかりにつっこむし、
怪しい奴は問答無用でスタンドのラッシュを直ぐにかますような
無慈悲すぎてそれでも主人公なのかといいたいが
内に秘めた正義感と理不尽と暴虐をぶちまけ続ける
吐き気を催す悪への怒りは確かに渦巻いているのかもしれない。

「それにしてもあの大量のナイフ…
すげぇちくちくしていて痛すぎたぜ、
直前で止まる原理なんて気にしている場合じゃなかったな」

承太郎の最後の記憶はDIOのスタンド、ザワールドに時間を止められ、動けぬ隙にとてつもない量のナイフを投げられ、スタープラチナの超速ラッシュを持ってしても捌ききることはできず、全身グサグサのブサブサ先生にされた状況であった。
しかしどういうわけか今はナイフの刺し傷がすべて回復している。

「じゃあまずは名簿を見てみるぜ、じじいやみんなが巻き込まれているのは…嫌。」

名簿を閲覧しようとした承太郎、
仲間の名前が記されていないことを祈りつつ、
DIOがもしもいたらぶちのせるチャンス到来だから良いなと考えていた。

名簿確認の直前に、暴虐をまき散らす宣言のような雄叫びをあげながら
猿のような怪物が背後から襲いかかってきた。

62 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/08(金) 02:46:17 ID:HC9lyxrU0
「うおっ!!やべっ!!とりあえずスタープラチナ!!」

びっくりして冷や汗をかいたがとっさに振り向き
古代ローマの強靱な剣闘士を思わせる外見のスタンド
スタープラチナを繰り出し、両腕を縦に構え怪物の体当たりを防ぐ。

こいつは単なる猿にしか見えないが
百獣の王ライオンのような闘志に
獲物を必ず仕留めんとする毒蛇のような殺意を持つ
本物の怪物であることだけは確かだ。

この怪物を仕留めなければ犠牲者は増える一方となるだろう。

「オォラア!!」

次の動作へ無駄なく移ったスタープラチナは素早く上半身をひねり右の拳を引っ込め
バズーカ如くの勢いでエイプマンをぶん殴り、
あまりにも強烈な威力で吹っ飛んでいく前に、左手で猿の右足を迅速につかんだ。

「!?」

エイプマンは何が起きたのかわからず
口をあんぐりと開けながら深く動揺している。
強いてわかったことは目の前の男はただの高身長の学生ではない、
背後霊のような存在を操り、その背後霊は想像を絶する膂力を持っている。

戦場に足をつけんとする怪物として本能が
次の内容をエイプマンは理解する、
それはあの恐ろしいパンチでも明らかに手加減をしていることだ。
手加減したのはおそらく自分から何らかの情報を吐かせたり
全く知らないがあの主催の男についてなにか聞き出したいのだろう。

それらの用がもしも済めば自分はどうなるか?
死あるのみの可能性が非常に高い。なにせ襲いかかってきたのはこちらからであり
正当防衛などの目的や、生かしたら被害が広がると考えられてそうなる前に
殺される可能性があるからだ。

こんな屈強すぎる背後霊が本気で殴れば
自分は間違いなく死に絶えるだろう。

「おい。」

「……」
主催の黒服野郎のことも知らないし、
Dr.モービス軍団のことを
仮に教えたとしても、死を免れる状況になるのか
ほぼ確定でそれはない。

「おめー本体はどこだ?」

「…?」

本体?なんのことだ?
「なんとか言え!!俺はモンキーが黙るとむかつくんだ!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラァ!」

左手でつかんでいるため右手だけなのと手加減を恐らくしているため
本気の威力ではないがスタープラチナの脅威のラッシュが
ガトリング銃じみた速度でエイプマンを襲う。
痛い、痛すぎるまたこんなラッシュをたたき込まれたら死ぬ。
この威力で本気ではないようだからマジで恐ろしい。
猿が嫌いだからって、いっきに怒鳴りキレて
ぼこぼこにしてくるのもいろんな意味で恐ろしい。

「とぼけんじゃねーぜ、てめーの本体はどこにいるんだぜ。」

いや、わからないけど…

「まさかてめーがスタンドの本体でスタンドそのものはどっかに隠しているってことか?」

だからわかんねーよ。

空条承太郎は以前に海上にて
オランウータンのスタンドを操る貨物船を
たたきのめしたことがある。
そのときと同じようにこの猿もスタンドの一種ではないかと考えたのだ。
もしこの場にいたのが真の空条承太郎であれば
この猿を本体と解釈して、スタンドを見せない理由を問い詰めていた可能性が高い。

「!!!」
激しい身振り手振りや首を全力で横に振ることで
スタンドなんざ知らないことを
必死に伝えようとする哀れでずたぼろのエイプマン。

「嘘だったまたオラを打ち込むが…
まさかそもそもスタンドを知らないのか?
そうだとしたらちょっと殴りすぎたごめん。」

その言葉を聞いて
首を縦に故障した人形のように振りまくる。
激しく振りすぎて少しの風圧すら発生している

「知らない振りしてんじゃー無いだろうな?」

さらに首を早く振る、こんな速度で首を振れば
一般人であれば間違いなく折れるだろうが
仮にも侵攻を目的とする生物兵器なので折れることはまず無い。
みっともなくおびえようとも彼もまた屈強であり
スタープラチナに比べればさすがに劣るが
強靱なる戦士であることには変わらない。

63 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/08(金) 02:50:37 ID:HC9lyxrU0
「まじかどうか怪しいが知らないで御座いますか…、
でもさっき襲いかかったと言うことは
バトルロワイヤルに乗ったと言うことで良いんだな。」

あ、やべ、スタンドとやらを知らないことをわかって
もらえたのは良いが、俺がゲームに乗ったのは事実
こんな強いのがいるなら願いのことなんざ考えるのは間違いだった。

「…本当はお前のような奴はやっつけたいんだが…
恐怖で錯乱して生き残りたいために死にたんん、噛んだぜ。
死にたくない死にたくないと殺し合いに乗った
みたいな理由ならさすがにかわいそうだから
俺の監視付きでなら生きていても良いぜ」

一回噛んだがやたら具体的な解説を付けてエイプマンに一種の情けを掛ける。
それを聞いたエイプマンはにっこり笑いながら
敬礼のポーズをとり了承したようだ。

「よしよし、それが正しいんだ、いくら追い詰められて
やべーことになってもそんなことをしちゃうと
殺人事件に発展するからな」

そう言うとスタープラチナが足を離した瞬間に

エイプマンは超高速で奇妙かつ謎なステップを刻みながら全速力で逃げ出した。

「あ、おいこら逃げんじゃねーぜ!!」

64 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/08(金) 02:51:12 ID:HC9lyxrU0
冗談じゃないお前みてーな意味不明で台詞も噛むし、
連続のパンチはすげー痛いし
よくよく見たら髪と帽子が一体化しているようにも見えるし
誰がお前のような意味不明の塊見てーな奴と同行するか

「待つんだぜ!!待たないと…えっとその…ひどいぜ!!」

いきなり逃げられた動揺で言葉が上手く出ずたどたどしくなってしまう。
とりあえず追いかけるために全力で走る。一応ゲームに乗っているから
放置すると犠牲者が発生しても不思議ではない。

「おい待っ…!!!けむり!!!」

以外、それは煙。どこにも火や煙出すような
器具などもないのにも関わらずいきなり煙が発生した。
煙の原因はエイプマンの支給品である煙玉にある。
逃走の際に深い煙を巻き起こしてとても逃げやすくなる効果がある。

「…ちょおいおいお、げほぐぇっごほほええぼ!!」

あまりにも多くて深い煙に
承太郎はむせてしまいひるんでしまった。

「スタープラチナ!!!よしプラチ菜も…あれでないぜ」

煙を手早く払うべく、スタープラチナとそのスタンドをそのまま女性にしたような外見の
プラチ菜を使おうとするがなぜか出ないし使えない
いつもならスタープラチナ一人では難しい問題を速解決するために活用したり
観察や偵察に使えるプラチ菜がなぜか使用できない。

「明らかにおかしいぜ!!どういうわけだこれ!?」

早い内に制限に気づけたのは間違いなく幸運ではあるが
殺し合いに乗ったサル型戦士エイプマンの逃走を許してしまった。

「しょうがねぇ!!とにかく今は煙を払うぜ!!」

手のひらを広げ豪快に煙を仰ぎスタープラチナは煙を払った。

「この煙…深いっ!!」

スタープラチナの強大なパワーを持ってしても逃走を
100%許してしまうほどの煙を
払い尽くすのにはあと少し時間がかかりそうだった。

【空条承太郎@うろ覚えで振り返る 承太郎の奇妙な冒険】
[状態]:あのサルむかつくんだ!
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、1〜3、
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らない、サカキをぶちのめす。
1: 煙を払うぜ
2: あのサルは放っておけないぜ
3:プラチ菜が使えないぜ…
4: まだ名簿を見てないぜ!見たいぜ!
[備考]
プラチ菜(スタープラチナの女性版)は制限で使えません。
参戦時期はパート59の終了直後です。


◆ ◆ ◆

逃走に成功したエイプマンは現在にいた。
うかつだったまさかあんなに強くてよくわからなすぎる実力者がいるとは
あんな強すぎるやつがいたら、モービスの動物戦士軍団がいても
世界征服なんぞほぼ無理ではないか、
方針を変えようどんな異常な強者がいるのかわかったもんじゃない
少しでも怪しかったり、変だったりする奴からはとにかく逃げよう。

世界を支配する悪の軍団としての誇りや意地だとか
そんな綺麗事をほざいている場合ではない
なんとしてでも生き延びて願いを叶えなくては
とにかく逃走に徹していれば
その内参加者たちが徐々に死んでいって
漁夫の利を狙う作戦もありだ。

優勝してチーターマン兄弟打倒の願いだけはなんとしてでも叶えたい
その一点だけはぶれないぼろぼろなエイプマンであった。

【エイプマン@チーターマンII】
[状態]:重傷、全身に打撲痕、疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、2〜3、煙玉@ポケットモンスターオメガルビー
[思考・状況]基本行動方針:優勝を目指す
1: 今は少しでも怪しい奴からは逃げる。
2:あの学ラン男はいろんな意味でやばい。
3:そういえば煙がなんか出たな…
4:スタンドとはなんなんだ?
5:あの背後霊がスタンドというのか…?
[備考]
煙玉に制限があり、煙玉を持った状態で5回逃走すると玉が壊れます。
あと4回で壊れます。

【煙玉@ポケットモンスターオメガルビー】
持たせると野生のポケモンから必ず逃走できる便利な道具。
今回のロワでは制限が掛けられており、5回使用すると
壊れて使用不可になる。

65 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/08(金) 02:55:07 ID:HC9lyxrU0
すいません位置と時間を書き忘れました。
時間は【未明/一日目】であり、
承太郎の位置がK-2で、エイプマンの位置がK-3の南あたりです。
以上で投下を終了します

66 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/08(金) 02:57:33 ID:HC9lyxrU0
申し訳ありません、SS名は「兵器だが平気じゃないモンキー」です。

67 ◆NIKUcB1AGw:2021/10/08(金) 22:30:39 ID:xpiCooa60
投下乙です
根っこの性格や強さはオリジナルと大差ないのに、いろいろぐだぐだな承太郎がひどいw

不死川実弥、予約します

68 ◆NIKUcB1AGw:2021/10/09(土) 23:18:01 ID:A6FwS69s0
投下します

69今はわからないことばかりだけど ◆NIKUcB1AGw:2021/10/09(土) 23:19:02 ID:A6FwS69s0
不死川実弥は、混乱していた。
鬼殺隊が総力を上げて討伐したはずの無惨が再び目の前に現れ、そして再び死んだ。
何が起きたのか、まったく理解できない。
実弥にとって、それは殺し合いだの願いを叶えるだのがどうでもよくなるほどの衝撃だった。
しかし、だからといっていつまでも呆けているわけにはいかない。
曲がりなりにも柱の一角である実弥である。
素早く平静に立ち戻れる程度の精神力は、当然持ち合わせている。

(とりあえずは、現状の確認だな……)

実弥はまず、支給された荷物を確認することから始めた。
殺し合いに巻き込んだ張本人から与えられたものに頼るなど屈辱だが、今はプライドよりも情報と武器の方が優先だ。

(なんだこりゃ。西洋の新しい道具か?
 名簿はこの中に入ってるって……。
 こんなめんどくさいことしなくても、紙に書いて渡せばいいだろうに)

不満を抱きつつも、説明書を読みどうにかポケナビを操作する実弥。

「は……?」

実弥の口から、図らずもまぬけな声が漏れる。
画面に表示された名簿。そこには、信じがたい名前が並んでいたのだ。
「胡蝶しのぶ」。無限城での決戦で戦死したはずの仲間。
彼女はまだいい。いや、決してよくはないが、それに続く二人に比べればつい先日まで顔を合わせていただけ衝撃が少ない。

「胡蝶カナエ」。しのぶの姉であり、実弥が密かに慕っていた女性。
「粂野匡近」。実弥を鬼殺隊に導いてくれた恩人であり、かけがえのない親友。

二人とも、とうの昔に鬼との戦いで命を落としたはずの人間だ。

(ありえねえだろ……。なんでこの三人が……)

ポケナビを持つ実弥の手が震える。
一人ならまだ同姓同名の別人で納得できたかもしれないが、実弥に縁の深い故人が三人もいては偶然と思うことなどできない。

(生き返らせたのか……? あの野郎が……?
 わざわざ生き返らせて、殺し合いに放り込んだ……?)

実弥の胸の奥に、じわじわと怒りがこみ上げる。
自分の大切な人たちが本当にそのような扱いを受けているとしたら、断じて許せるものではない。

(それに……死人がもう一人……。
 いや、もう一匹いやがる……)

名簿にあった実弥の知る名前は、もう一つ。
「猗窩座」。冨岡と炭治郎が討ち取ったはずの、上弦の参の名前だ。

(こいつも生き返らせたってのか?
 いや、そもそも無惨が死んだなら、他の鬼も生きてられねえはずだ……。
 あの男が、無惨とのつながりを断ったのか?
 無惨を殺して、他の鬼を参加させるためだけに?)

サカキと名乗ったあの男は、いったい何者なのか。
死者を蘇らせ、鬼の性質を変化させる。
本当にそれができるとしたら、鬼以上の化物ではないのか。
実弥の頬を、冷や汗が伝う。

70今はわからないことばかりだけど ◆NIKUcB1AGw:2021/10/09(土) 23:19:52 ID:A6FwS69s0

(どんな力を持ってるか知らねえ……。
 だが、殺し合いなんぞ開催してる時点で外道なのは間違いねえ!
 命まで奪うかは別として、懲らしめてやらなきゃいけねえよなあ!)

顔つきも言動も凶悪な実弥だが、その内面は紛れもなく善性の人間である。
ここまで非道な行いを、自分だけ助かればよいと見過ごすことなどできはしない。
明確な主催者への反逆の意志が、彼の中で固まった。

(それにこの場には、少なくとも一匹は鬼がいる。
 ひょっとしたら、他にも俺が名前を知らねえ鬼が混ざってるかもしれねえ。
 俺にはもう一度、鬼殺隊の柱として戦う義務がある!
 ……つっても、日輪刀がなけりゃ話にならねえ。
 この中に入ってねえのか?)

日輪刀を求め、カバンの中をあさる実弥。
そのうち刀のようなものを見つけ、すぐさま取り出す。
だがそれは、彼の求めていたものではなかった。

(竹刀だぁ!? これで殺し合いしろってのかよ。
 そりゃ素手よりはましだが……。
 他に何かねえのか!?)

とりあえず竹刀を脇に置き、実弥はさらに荷物を調べる。
そして、二つ目の支給品をつかんだ。

(これは……あいつの……)

それは、一丁の銃だった。
その銃は、実弥にとって特別なものだった。
兄より先に逝ってしまった、弟の形見なのだから。

(とことん俺の神経を逆なでするつもりかよ……。
 絶対に後悔させてやるぜ、サカキとやらよう……)

サカキへの怒りを改めて燃やしながら、実弥は銃を懐にしまい込んだ。


◆ ◆ ◆


「そんじゃ、そろそろ行くかねえ」

とりあえずの得物として竹刀を携え、実弥は歩き出す。
当面の目的は二つ。
鬼、並びに殺し合いに乗った参加者を倒すこと。
そして死んだはずの三人を探し出すこと。
仲間たちが生前そのままの状態で蘇生されていたのなら、気持ちは複雑だがそれはそれでよし。
共に主催者の打倒を目指してくれるはず。
だがもしも、鬼のような人ならざるものとして蘇っているのなら……。

(その時は俺の手で、もう一度……)

竹刀を握る実弥の手に、ひときわ力が込められた。

71今はわからないことばかりだけど ◆NIKUcB1AGw:2021/10/09(土) 23:20:59 ID:A6FwS69s0

【5-J/未明/一日目】
【不死川実弥@鬼滅の刃】
[状態]健康
[装備]ストロング・ザ・武道の竹刀@キン肉マン、玄弥の銃(残弾30)@鬼滅の刃
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本方針:サカキを倒す
1:鬼、及び殺し合いに乗った参加者を倒す
2:シノブ、カナエ、匡近を探す
3:日輪刀を手に入れたい
[備考]
参戦時期は無惨討伐後


【支給品解説】
【ストロング・ザ・武道の竹刀@キン肉マン】
ストロング・ザ・武道が持ち歩いていた竹刀。
落下の勢いが加わっていたとはいえ超人の体を貫くほどの硬度があるのを見ると、
見た目が竹刀なだけで竹ではない素材でできているのかもしれない。


【玄弥の銃@鬼滅の刃】
全集中の呼吸を会得できなかった玄弥が、日輪刀の代わりに使用していた武器。
弾丸は日輪刀と同じ鉱石でできているため、鬼にも有効。

72 ◆NIKUcB1AGw:2021/10/09(土) 23:21:39 ID:A6FwS69s0
投下終了です

73 ◆ytUSxp038U:2021/10/10(日) 13:42:51 ID:huRbDf8M0
皆様投下乙です。

仲沢達弥を予約します

74 ◆ytUSxp038U:2021/10/10(日) 14:21:56 ID:huRbDf8M0
投下します

75愛が呼ぶほうへ ◆ytUSxp038U:2021/10/10(日) 14:23:46 ID:huRbDf8M0
今でも覚えている。
彼に抱かれた温もりを。
そそり立った彼のモノに貫かれた時の快感を。
自分の乳首を色っぽいと、耳元で囁いた彼の声を。
全てが昨日の事のように思い出せる。

覚えているのは幸せな記憶だけではない。

自分の体を噛み千切られる激痛。
愛する彼が目の前で傷つき、腸を引き摺りながらも羆に立ち向かう勇姿。
繋いだ手の力強さと、徐々に失われていく温もり。
余すことなく覚えているのだ。

「親分…」

自然と口を出る、愛する男の名。
返事は帰って来ない。
当たり前だ、彼は死んだ。
自分と一緒に死んだ。なのに自分だけ生き返ってしまった。
ポケナビとかいう機械を、説明書を読みながらどうにか操作し、表示された名簿を読んだ。
知っている名は自分のものだけ。
愛する男の、若山輝一郎の名はどこにも無かった。

あのサカキとかいう男は、きっとロクでもない性格に違いない。
よりにもよって自分一人を生き返らせるなんて、あんまりじゃないか。
彼のいない世界に生き返った所で、喜びなんて有りやしない。

けれど、彼に会う方法が一つだけある。
それは優勝すること。
サカキの部下の座など興味無いが、願いを叶えるという言葉には大きな意味がある。
自分を生き返らせたのなら、もう一人くらい生き返らせるくらい簡単だろう。

「親分、私やるよ。だって親分のいない世界に価値なんて無いんだもの」

強く握り締められる右手。
そこに握られているのは一本の長ドス。
見間違えるはずも無い、生前の彼の愛刀があった。
これが自分の傍にあるだけで、まるで彼が近くにいてくれているかのように感じられる。
この刀がある限り、自分はどこまでも戦える気がした。

「親分ほど強くはないけど、今の私にはこの力もある」

おもむろに周辺の草むらへ掌をかざす。
すると突然、赤い塊が掌から飛び出し、草むらへ火を付けた。
この力は長ドスとは別にに支給されていた、奇妙な花の力だ。
まるで火のような形の花を食べた途端、こうして火の玉を発射する力を手に入れたのだった。

「親分、私のおかげで生き返ったんなら、もう一生私に頭が上がんないね。
 そうなりゃ他の男と浮気何て絶対できなくなるなろうね」

男は今、愛の為に修羅と化すのだった。


【J-4/未明/一日目】

【仲沢達弥@ゴールデンカムイ】
[状態]:健康、ファイア仲沢
[装備]:若山の長ドス@ゴールデンカムイ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本方針:優勝し親分を生き返らせる。
1:参加者を探して殺す。
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※ファイアフラワー@スーパーマリオブラザーズ3を食べた為、ファイアボールが出せるようになりました。

【若山の長ドス@ゴールデンカムイ】
入れ墨囚人の一人、若山輝一郎の愛刀。
羆の鼻を斬り落とし、処女ケツを奪った。

【ファイアフラワー@スーパーマリオブラザーズ3】
取るとファイアボールを出せるようになる花。
今ロワではマリオ以外の人物にも効果が現れる。

76 ◆ytUSxp038U:2021/10/10(日) 14:24:42 ID:huRbDf8M0
投下終了です

77 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/10(日) 16:39:09 ID:SeXsx3iM0
皆様SSの投下をありがとうございます、
感想は私の次の拙作を投下終了直後に投下させて頂きます。
遅くなり申し訳ありません。

wikiの編集をして頂いた方々もありがとうございます。

最後にバリカンの旧友、シングマンで予約させて頂きます。

78 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/13(水) 16:06:26 ID:bW6btogQ0
投下をします。

79 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/13(水) 16:07:23 ID:bW6btogQ0
「今日か明日か、または3日目の午後に7時になるか、
とても強い衝撃を与えられることであなたは…爆発する、か、
日にちがわからない以外は前と変わんないな。」

バックをあさり、自分に植え込まれた爆弾の情報が記された
ポケナビのある項目を読み終えたロボットの名は…正確に言えばない。

「それにしても研のやつ〜!!良くも俺にあんな仕打ちをやらかしてくれたなぁ!!」
ミナモデパートの屋上にてひたすら憤り、元々赤い一色であった顔は
さらに真っ赤に染まっているようにも見える。
このロボットの正式名称は不明である。(そもそも付けられていない可能性もある)
だがポケナビの参加者名簿にはバリカンの旧友と記載されていた。

バリカンの旧友と書かれているがこれは顔と同様真っ赤な嘘である。
正体はジュラル星人の時限爆弾搭載の兵器であり、
バリカンの旧友と名乗って泉家に潜り込み
全員の爆殺をもくろんだ己の生き死にすら省みぬ恐怖の殺戮マシーンである。

彼の激怒の原因は簡潔に言えば目的を達成できず、
研に爆弾であることがバリカンのテレパシーでバレてしまい
大海原に放り捨てられそのまま爆死し
邪悪な命を無意味かつ哀れでむなしく砕け散ってしまったことだ。

なぜ生き返ったのか、サカキという地球人は何者か
そんな疑問など憎しみと怒りの2色に染まりきった旧友にとっては
無関心な問題に過ぎなかった。

「ほんとーーにあと少しだったのに…!!おまけに夕食も食えなかった!!
俺にとっては最後の晩餐だったのにひどすぎる!!」

自らがしでかそうとした悪行を棚に上げ
夕食が食べられなかったことと任務の失敗による負の感情が
怒れる龍のように禍々しく渦巻いていた。
この醜く極悪な思いは研の命を奪うことだけで
綺麗さっぱり晴らすことができる。
それ以外の手段で晴れることは天地が逆になろうとあり得ない話。

「この島に研はいるのか…!!?もしいなかったら…ひひひひひひひひひ…」

説明書を読了し、ポケナビを操作しながら研の参加を心底願う、
もし居なければやけを起こし最悪の行動を仲間の
ジュラル星人だろうがリーダーの魔王であろうが
ただひたすら無差別に暴虐を重ねまくるだけのモンスターとなり、
邪悪な思考と絶望しか感じられない機械となるだろう。

…重ねるも何も自爆は一度だけしかできないため
その自爆以外に旧友に攻撃手段は無く
本当に何回も悪事を重ねるのであれば強力な支給品や
他の参加者の利用が必須になると思われるが。

ポケナビを操作した結果、名簿を閲覧し、仲間のジュラル星人のナンバーや
おじいさんロボットバリカンの名、
我らが首領のジュラルの魔王の名も並ばれていた。
そして憎き泉研の名を発見した彼は…

「なんだいるじゃんか〜!!け〜ん!!」

憎悪の対象である泉研の見つけたことで
狂喜と高揚感のあまりにバッタのようにはねながら小躍りをした。

「研!!必ず見つけて殺してやるぞ!!」

「ギラギラギラ、さっきから物騒なことばかり好き放題しゃべりおって、
その研とやらに何をされたんだおまえは?」

「えっ!?」

エスカレーターから現れたそいつは自分と同じく無機物であるようにみえた。
身長3Mはかるくあろうその生物は
全身が金属で肩は出っ張っており、
ジュラル星人はもちろん、我らがジュラルの魔王すら
超越するほどの気迫と威厳があった。

80 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/13(水) 16:07:46 ID:bW6btogQ0
「な、なななんだこいつ!!」

見た目からしてジュラル星人とは無関係だろう
かといって、決して地球人でも無かろう
全身金属の地球人など聞いたことも見たことも無い
おそらくこいつはまた別の宇宙人のはず。

「事情でも無い限り感心せんぞ〜、下等超人のような
愚か者がもくろんだ下劣な催しに乗るまねは!」

「まず名乗れ!いったい誰なんだお前は!」

「シングマンだ。この世の秩序がために、イレギュラーを食い止め真の平和を保つ完璧超人始祖…その一人 完璧・捌式(パーフェクト・エイス)のシングマンだ。」

「い…一体何を言ってるんだ…?」

◆ ◆ ◆

「主催のサカキとかいう超人…いや、神であること一応も
考えられるか?とにかくいったい何がやりたいのだ?」

完璧超人始祖シングマンはレインボーロケット団のサカキを
能力を持たない普通の人間であるとは一切考えない。
無数の参加者を気づかぬ間に多く拉致して、
抵抗すらもさせず妙な首輪まで付けさせる。
こんなまねができるのは実力にあふれた超人や
はるか太古に超人という種を創造した神くらいであろう。

「この名簿も妙すぎるな…」

そして参加者の中でシングマンが知る超人たちも
参戦させられていたが選択があまりにも妙すぎる。
脱退したゴールドマンの一派の一人である悪魔超人ステカセキング
キン肉王位争奪のデスマッチに参加した飛翔チームのミスターVTR
そして知性チームのプリズマンであった。

彼らに共通点などないはず、自分を含めた
この4人の超人たちそれぞれには交流や
正面から戦った経験も無い。所属の違う超人たちを
競い合わせるのが目的ならつじつまは合うが
それならほかの所属が異なる超人でも成り立つのでは無いか?
疑問は解決することなく尽きることも無い。

そして完璧超人始祖の中でどのような理由があり、
自分だけが参戦させられたのかいったいなんの理由があるか
それも今はわからない。

「とにかく何かしないことには始まらんな。」

<研のやつ〜!!

「ん?」

開始早々誰かの怒れる声が上の階で聞こえた。
上の階である屋上に上がったシングマンは
どんな人物かわからぬためまずは様子見をするべく
階段の手前で隠れながら、こそこそするまねは
好まないが盗み聞きをすることにした。

◆ ◆ ◆

「研!!必ず見つけて殺してやるぞ!!」

ここまで聞いたシングマンは
あの赤顔の怒り狂うおもちゃのようなロボットを
放っておく選択しは消えた。

殺すなど物騒な言葉をはいて研という人物の
存在を名簿で見て確認したら狂喜しうきうきと殺害宣言をする。

ロボットが研とかいう者にどんな仕打ちを受けたまでは不明だが
怒りのあまりまわりが見えていないように思われ
仮にその通りであれば、何をしでかすかわからない。

こいつが下等超人たちのような多々暴れて傍若無人を
体現したかのような悪党であれば
何の罪も無い者まで暴虐の巻き添えになるかもしれない。

そのためシングマンは会話し、
様々な事情を聞き出そうとしたのだ。
彼の復讐や憎悪にも正当な理由がある可能性がある。

「ギラギラギラ、さっきから物騒なことばかり好き放題しゃべりおって、
その研とやらに何をされたんだおまえは?」

「えっ!?」

81 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/13(水) 16:09:27 ID:bW6btogQ0
◆ ◆ ◆

「なるほどな、お前たちジュラル星人は
故郷が住めなくなり、そこで地球を第2のふるさとにしたいわけか
そのためには原住民である地球の人間が邪魔だと。」

「そうそうそうだよ!」

旧友は研を大悪党など自分たちは何もしていない無実な
被害者だの嘘をついて目の前の謎の生物を欺き
味方に付けることもしなかった。

こいつは何かやばい、そしてスケールも違う。
もしうそがばれたらどうなるかわからない
その恐怖が真実を吐き出す理由となった。
多少の誇張表現はあれど、嘘は一切ついていない。

「…本当に感心せんな」

「うっ!」

「ジュラルの平和と繁栄のため言えば聞こえが良い、
だが話を聞く限りではただの侵略以外の何物でも無かろう」

「超越的な技術や圧倒的な力を持つ者が無力を虐げる…
お前たちはどれほどの大罪を犯しているのかわかっているか?」

「…」

シングマンの表情が険しくなる。
こいつらのやっていることは移住のためとはいえ
残酷極まりない虐殺でしか無い
その残酷さは、古代にて欲にまみれ
悪行を繰り返す下等超人たちのようではないか。

シングマンの中で改めて下等超人への怒りが渦巻き燃え上がる。
この世の秩序と平穏が乱れたのも
そして何より完璧超人始祖が心から敬愛するザ・マンが
下等超人のあまりにもえげつない暴挙によって
ほぼ見切りを付け慈悲を失い、超人閻魔という
破壊と創造を繰り返す怪物と化したのも
全ては下等超人が元凶なのだ。

そしてジュラルどももその過ちを重ねている。
許せるはずなど無い。

「うるせぇ。」

「ん?」

「いちいちうるさいんだよ!お前に何がわかるんだ!
もとの星で死にかけている仲間の苦しみが!
その彼らを救うには少しでも早くあいつらから
地球をうばわなくちゃならないんだ!」

「…」

82 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/13(水) 16:10:21 ID:bW6btogQ0
「大罪を犯そうが知ったことか!
だがこれだけは言っておく!
俺は研さえ殺せればそれで良い!
他の奴らは邪魔しなければ危害は加えない!」

「もう行くからな!お前の説教なんざ聞きたくないんだよ!」

旧友は屋上からプロペラを強く回転させて飛び去って行った。

「お前たちが侵略する理由は種が生きるためだ…
だがそれでも罪は罪…なぜ侵略以外の手段を
見つけられなかったのだ…」

ジュラル星人は地球を奪うことで種の存続を目指す
だが侵略という手段を選び、なぜわかり合おうとはしないのか
彼らは事情により対話ができないのか、
真実と思われる出来事が一つある。

以前地球人はジュラル星人の母星に
苗を植え込みそれによって生態系が狂い
母星崩壊につながった。

それが真実であれば故郷を間接的に滅ぼされ
そんな仇敵どもとは対話などしないのは当然であり
ジュラル星人の侵略は新たな住処の獲得と
故郷を滅ぼされた復讐でもあるのかも知れない。

ゆえにジュラル星人は復讐と侵略を同時に行うために
あえて回りくどく敵の苦しみの時が
長引くだけの策略を選択することもある。
多くの赤子を先天性異常にするために妊婦の食事に工場廃液を混ぜた作戦は
その最もたる例の一部である。

シングマンこの事情を知ればどう思うのだろうか
だが今は真実を知る手段など存在しない。

支給品を確認し屋上になにか変わったものが無いか確認すれば
もう特に用はなくこの場を後にし、シングマンは下の階へ降りたのであった。

【5-I(ミナモデパートの屋上)/未明/一日目】

【バリカンの旧友@チャージマン研!】
[状態]健康、憤り
[装備]特にない。
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:研を殺す。
1:研を見つけて時限爆弾と首輪ぼ爆発で殺すぞ!
2:あいつ(シングマン)事情も知らないで言いたい放題しやがって…
3:魔王ほかのジュラル星人たちと合流を目指す。

[備考]
死亡後参戦です。
体内の時限爆弾は一日目、二日目、三日目のどれかの午後7時か
強い衝撃を加えられることで爆発します。
首輪が爆発すると時限爆弾も誘爆します。

【シングマン@キン肉マン】
[状態]健康
[装備]特にない。
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める
1:サカキをとめる手段を探す。
2:殺し合いに載っている者は倒す。
3:あいつ(旧友)の言い分もわからなくは無いが罪は罪だ。

[備考]
少なくともサンシャインに敗北する前からの参戦です。

83 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/13(水) 16:11:15 ID:bW6btogQ0
SSの投下は以上です。
タイトルは「侵略の大義」です。
次にほかの書き手様による
SSの感想を投下させて頂きます。


>今はわからないことばかりだけど
風柱の怒りは本当にもっともだと思います。
サカキにもてあそばれているのに
殺すとは断言しないのには
人を守護する鬼狩りとして
なによりも実弥の持つ根っからの慈悲が
よく表れていると思いました。

>愛が呼ぶほうへ
文字通り燃える恋のような戦士となったファイア中沢。
どこに行こうが浮気されようが微塵もぶれぬその愛は
「親分、私やるよ。だって親分のいない世界に価値なんて無いんだもの」
この台詞にすべて集約されていると思います。


投下は以上です。

84 ◆1BeqrubzsA:2021/10/13(水) 16:16:31 ID:6WwPE5PA0
継国巌勝 予約します

85 ◆1BeqrubzsA:2021/10/19(火) 07:44:34 ID:ermKTyYg0
>>84の予約を破棄します

86 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/19(火) 15:36:03 ID:dgh3QVEA0
ゲリラ投下をさせていただきます。

87 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/19(火) 15:36:29 ID:dgh3QVEA0
緑色の体表にして屈強な肉体の男、七つ星のヴァンデル、
深緑の智将グリニデが静かに震えていた。
震えの理由は蘇ったことによる歓喜でもなければ、
バトルロワイヤルの主催のサカキに対する恐怖でもない。

「なるほどな」

「サカキとやら…目的はどうあれ生き返らせてくれたのはまぁ良いとしよう」

「化け物の姿では無く、トラキラの薬草に
浸かれた状態で蘇らせたのも本当にGOODだな」

グリニデの本来の姿は茶色のカブトムシを
人型にアレンジしたような見た目であり、
今の姿よりもさらに怒りやすく、ヴァンデルの凶暴さを象徴する存在である。
この激怒しやすい本性を忌み嫌い、少しでも怒りを抑えるためにトラキラという
薬草を液化したプールに浸かり、翠色の体表を構成しているのである。

「だがお前が本当にただの人間であり、ヴァンデルではないとしたら…」

グリニデの全身に溢れんばかりの力が込められ
額の角が伸び体中に青筋が浮き出る。
激怒や怒濤天をつくという言葉は今この瞬間のために作られたような物だ。

「もしも人間だとすれば…とてつもない屈辱だ…」

グリニデも一部の参加者と同じく
サカキをただの人間であるとは考えない。

恐らくヴァンデルであろう。人間どもも天撃や才牙などの
科学だけでは到底説明できないような能力を持つが
さすがにこんな大規模なバトルロワイヤルを開催し、
死者を蘇らせる能力など聞いたことがない。
ゾンビ化程度なら聞いたことがあるかもしれないが。

「うごおおおおおおおおあああああああああああ!!!!」

火山の噴火音のような雄叫びをぶちまける。
でかい音をたてればもし周りに参加者やNPCに気づかれてしまい
無駄な警戒やターゲットにされることが考えられるが
怒りのあまり落ち着いていられない彼にとっては
そんな問題は目にうつらない。

「ふざけてんのかぁあああ!!!確かにっっ!!
キッスの裏切り野郎のように獲物に過ぎない人間でも
使えるなら配下にしてやってもいい…」

「だぁが逆が許されるなんざ本気で思ってんのかアアアアア!!」

「グリニデ様ぁぁ〜〜!!」

涙を滝のように流しながら
ダンゴムシに手足が生えたモンスターが
猛ダッシュで近づいてきた。
その名はダンゴール。
グリニデからの信頼が非常に深く副官を担当する。
玉型になると防御が優れ、数少ない知性を持ったモンスターである。


「その声…ダンゴールか…!」

「グリニデ様!!グリニデ様〜〜〜!!」

「本当に良いタイミングで現れてくれたな…いつもの奴頼むぞ!」

「はいっ!」

ダンゴールはダンゴムシのように丸まった。

「うおおおおらぁあああ!!

丸くなったダンゴールをグリニデは渾身の力で
踏みつけながら激怒の叫びをあげた。

88 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/19(火) 15:37:59 ID:dgh3QVEA0
「ぐぅがああああああ!!!!!!!」

事故で建築現場から落とされた鉄骨とは
比べものにならない威力で何回も踏みつける。
こんなことをされれば並の存在では耐えることはできない。

「うおあああああああああああああ!!!!!」

しかしこの球体となったダンゴールは
並に当てはまらぬ例外の一つである。
丸くなった際の耐久力は折り紙付き。
だからこそこのようにストレスや怒りを解消するための
サンドバックにもなれる。…例外的状況はあるが。
これこそグリニデがダンゴールを側近にした理由である。

「でりゃあああああぁぁぁ!!」

湧き出る憤怒のまま暴力を振るい続ける。

「今はまだ!!!仮定の話に過ぎんが!!!!
クソ人間ごときが何様でヴァンデルを!!!!
ゲームの駒みたいに扱ってしまうのだ!!!
幹部を新しく決めるだとおお!!!
願いを叶えるうううう!!!???」

「願いがを叶えられるとすれば!!!!
確かに魅力はある!!!その魅力は爆発すらしている!!!
だがそれでもヴァンデルを!!!
点稼ぎの玉でしかない人間ごときががああああ
利用しやがってぇええええええ!!!!」

「ふざけるなぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!」

片足を高くあげ最後の一発を
思い切り踏み込みストレス解消は完了した。
グリニデがいる地点を中心に
大きなクレーター作られた。

「……ふぅぅーうぅ」

「よし…もう良いぞ戻れ。」

「はい」
ダンゴールは球体の形態から元の二足の姿に戻った。

「あいかわらず悪いなダンゴールよ、
本当に素晴らしくありがたいタイミングできてくれたな。」

「いえ!グリニデのためならば地の中水の中たとえ業火の中であろうが駆けつけます!!」

「その意気だ…自分の役割を全うするのは大切なことだ、お前はそれをよく理解している」

「はいっ!!」

「では、今後の方針についてだが…とりあえず優勝をめざすことにする。」

「えっそれって…」

「そうだ優勝を目指し願いを叶えるのだが…どうかしたのか」

「と…言うことは…私は死ななくてはならないのですか…」

生き残り幹部に就任し願いを叶えられるのはただ一人、
優勝を目指すと言うことはグリニデ様以外の者は全て死ななくてはならない。
おそらく自分も例外では無い。

「ん?」

「わかりました!!このダンゴール!
グリニデ様の大いなる願いのため命すら省みぬ所存であります!!」

死亡したはずのグリニデと再会できたのは非常に嬉しく幸福であったが
その矢先に今度は自分が後で死ななくてはならない展開となった。
せっかく尊敬する上司と再会できたのになぜこんな事態になったのか。
しかしダンゴールは忠誠を誓った身、
尊敬する主人の利益に反する行動は絶対にするわけには行かない。

震えながらビシッと敬礼を決め、死の恐怖に涙を流しつつも
主人のために命を燃やし尽くす決意を固めるが、その直後
グリニデから思いもよらぬ言葉が発せられた。

89 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/19(火) 15:38:42 ID:dgh3QVEA0
「はははははは…!ダンゴールよ、その考えは違うな…」

「え?」

「最後に生き残った一人のみ願いを叶えるなどと…サカキは言っていたか?」

「ん…あ!確かに生存競争だの戦い抜けとは行っていましたが…!」

「そう!確かに “一人”とは一言も言っていない…」

「最低何人が優勝できるのかはわからん、結局一人しか優勝できぬことも考えられる。」

「だがもし、二人以上からの優勝ができればそのときは共に生き残ろうじゃないか」

「はいっっ!!!もちろんです!!目指しましょう優勝を!」

「ふふ…言われるまでも無い」

「ところで願いはどうなさるのですか?やはり八輝星になることですか?」

「確かにそれも悪くは無いな…だが私自身の願いは…」

「この私自身の性格…過剰な怒りと癇癪癖を綺麗さっぱり消し去ってもらうのだ」

「この性格のまま八輝星になったとしても、
ひとときの癇癪で台無しになることもありえる。
私はあくまでCOOLなヴァンデルとして頂点に立ちたいのだよ…」

「はい了解です!!じゃあ私の願いは
グリニデ様を八輝星にさせていただくことにしますね!」

「なるほど…それは良い、八輝星に昇格しその上
常にCOOLでいられるようになる…最高ずくめもいいところだ。」

「中々冴えているじゃないか、ダンゴールよ、
それでこそ深緑の智将の側近にふさわしい。」

「ありがとうございます!うれしゅうございます!」

「よし、ではいくぞ。闘いに生き残り願いを叶えるためにな…!」

再臨した血に塗られた獣を本性とするグリニデ。
冷静沈着にして頂点のヴァンデルになるがために今歩み出した。
しかしこの舞台にはグリニデの知らぬヴァンデルでもない異形種や
生物ですら無い強者も存在している。
生き残れるかまでは誰にもいまはわからない。

【E-11/未明/一日目】
【グリニデ@冒険王ビィト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、1〜3、
[思考・状況]基本行動方針:優勝を目指す
1:優勝をめざす。
2:優勝できるのは一人だけでは無いかも知れない。
3: 一人しか優勝できん場合はダンゴールも…

[備考]
優勝できる人数が一人では無い可能性に気づきました。

【ダンゴール@冒険王ビィト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、1〜3、
[思考・状況]基本行動方針:優勝を目指す
1: 優勝をめざす。
2: 二人以上優勝できる可能性にびっくり。
3: 一人しか優勝できない場合は死ぬ覚悟。
[備考]
優勝できる人数が一人では無い可能性に気づきました。

90 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/19(火) 15:40:23 ID:dgh3QVEA0
ゲリラ投下は以上です、SS名は「再臨の智将」です。

91 ◆4k6/pvQRrE:2021/10/20(水) 01:02:00 ID:Y4d4V4mE0
継国縁壱でゲリラ投下します。

92 ◆4k6/pvQRrE:2021/10/20(水) 01:03:04 ID:Y4d4V4mE0


涼しい風が心地よい、静かな夜だ。
飾り気ない感想を胸に闇の中を恐れなく歩む男が一人。
彼の名は継国縁壱。
先程息絶えた鬼舞辻無惨を斃すために剣を取り、鬼殺隊なる組織に属していた男。
殺し合いの場に放り込まれたにも関わらず、彼はあまりに平静に見える。
だがその内心は、生涯例のないほどにざわついていた。


(やはり私は、何の価値もない男だったな)


縁壱の剣の技量は、客観的に見ても鬼殺隊で最も優れたものだった。
鬼舞辻無惨と対峙してなお、その強度は鬼の首魁さえ超越した、異境の域にあった。
自分にしか無惨は倒せない。その直感と共に振るった赫刀は、しかし空振りに終わったのだ。
仕留めそこねたあの鬼が、この先どれだけの被害を市井に齎したか想像さえできない。
鬼舞辻無惨を捕らえ、座興のごとくに殺したサカキに対し縁壱は感服の極みの感情を覚えている。


(鬼の首魁である無惨を討ったのはどれだけ称賛しても足りない。だが、この催しはどうかと思う)

93 ◆4k6/pvQRrE:2021/10/20(水) 01:03:59 ID:Y4d4V4mE0

主催者・サカキと名乗る男の声を思い出しながら、縁壱は首を傾げた。
無惨を葬った彼にならば、生涯仕えてもいいとすら彼は考えていた。
しかし、そのサカキが行うこの選抜試験にはいくつかの問題がある。
レインボーロケット団?なる組織の幹部を求め、優秀な人材を決める為の殺し合い。
人数に対して会場が広すぎたり、武器を無作為に支給しているのは不確定要素を与え、それに対応できるかを見るためなのかもしれない。
袂を分かち、鬼となったはずの兄が参戦しているのは……あくまで自分の問題だ。
それよりなにより、縁壱が問題視するのは参加を承諾した記憶が無いことである。

(他の参加者にも同様に参加を強いているのはあの口ぶりから明白。ならば、人品の質は無惨と変わらないのだろう)

結論に至り、縁壱はサカキへの敵対を決めた。
首輪を付けられている現状を打開する為に、好戦的な参加者からの防衛と人探しの手段、交流・交渉の準備も整える必要がある。
縁壱は歩みを止め、腰を下ろす場所を探す。
彼の呼吸はゲーム開始から今に至るまで一度の乱れも起こしていない。
数秒の沈黙の後。縁壱は進む方向を変え、再び迷いなく歩み始めた。
いかなる原理か、その進行方向に一つの建物があることを……否、このエリアの空間を全て識覚したかのように。





縁壱が拠点と定めたのは、実に奇妙な建物であった。
人間の顔と言うにはあまりに滑稽なデザインの掘っ立て小屋。
室内は非常に狭く、汗と牛肉と知性が混ざりあったかのような独特な臭いではあったが縁壱は気にせず座っている。
支給品の確認をしていたにしては、少し長めの時間が過ぎていた。
それもそのはず、縁壱は己の支給品である一冊の本を読み耽っていたのだ。

94 ◆4k6/pvQRrE:2021/10/20(水) 01:04:44 ID:Y4d4V4mE0

(他人から見れば何を悠長な、と思うだろうな)

と彼自身思ってはいても完読してしまう魅力がその本にはあった。
『アバンの書』。それが彼の支給品の一つであり、勇者アバンが手書きの逸品である。

「名著だ」

ポソリ、と呟く縁壱。
アバン流殺法と名付けられた、刀剣だけではなく槍から拳まで様々な武器を扱う武芸が術理・状況による使い分けまで細かく記された地の章。
人間の身体に眠る闘気や魔力なる超自然的エネルギーを扱う戦技やまじないが記載された海の章。
極めつけは、それらを扱う人間としての心の有り様を諭した空の章。
前者二つも素晴らしい内容だったが、最後の章が縁壱の心を最も強く揺らした。

(柱の剣士たちに呼吸を教え、鬼狩りを進歩させたと自負していた事が恥ずかしい。私はアバン殿ほどに、真摯に指導者として在れたといえるのか)

縁壱にとっての剣術とは鬼を狩る為の緊急の手段に過ぎない。
実家から出て剣士の道を諦めた自分が刀を振るうのを、内心で早く止めたいとさえ思っていた。
兄への遠慮もあったが、何より戦いの中で命を奪い合う剣術の理を知り、幼少の憧れは現実に塗りつぶされていたのだ。
自ら定めたとはいえ、義務の為に刀を握る自分とアバンは明白に違う。
彼は未来を見据えていたが、自分は現在しか見ていなかったのではないだろうか? なればこそ、兄の心を悟ることさえ……――――。

「……空裂斬」

心に浮かんだ兄の顔を振り払うように、アバン流刀殺法の空の技を放つ。
もう一つの支給品、妖刀・アヌビス神の刀身を光の闘気が走り抜け、キン肉ハウスの壁に極小の穴を開ける。

『わんわんおっ!? 旦那ァ! いきなり俺を使うのはやめてくだせえよ……なんかぞわっとしましたよりいちィ〜〜〜〜〜?』

「すまない」

95 ◆4k6/pvQRrE:2021/10/20(水) 01:05:19 ID:Y4d4V4mE0

意思を持つ刀に謝罪しながら、縁壱は気落ちした声を隠しきれない。
空の技とは邪念なき心で心眼を開き、悪の本体を討つ裂帛の闘気を放つ技。
心を静かに保つ呼吸の技術と通じる面もあったので縁壱も修得できたが、この技に相応しい使い手とならねば意味がない。
アバンは遺した書物にさえ、その温かい人間性を後世に伝える稀代の勇者だ。
自分は無惨との戦いでさえ、綴った手紙で上手く伝えられた自信がない。(何せ、手紙を送った炎柱から返信がなかった)
彼の万分の一の素養でも自分にあれば。
母に、兄に、妻に。自分を愛してくれた者たちに何かをあげる事が。
同胞に、お館様たちに、守るべき人たちに何かを遺す事が、できたのではあるまいか。

「…………」

深く呼吸して、アバンの書を再度開く。
今は自分の至らなさに落ち込んでいる場合ではないと理解するがゆえに、最も心を打たれた一文を読み返す。

『傷つき迷える者たちへ』
『敗北とは傷つき倒れることではありません。そうした時に自分を見失った時のことを言うのです』
『強く心を持ちなさい。あせらずにもう一度じっくりと自分の使命と力量を考えなおしてみなさい。自分にできることはいくつもない』
『一人一人がもてる最善の力を尽くす時!たとえ状況が絶望の淵でも……必ずや勝利への光明が見えるでしょう!』

縁壱の表情に、暖かさが広がっていく。
心に熱が生まれる感覚がある。人はそれを勇気と呼ぶ。
今また一人の男が、一人の勇者に救われた。

「アバン殿、教えを賜わります」

『旦那はオレが認めた超スゴイ剣士なんだ! そんな謙虚な事言ってちゃあいけませんぜーーーッ……コホッ』

自分を気に入り、過大評価する妖刀を腰に差し、縁壱は立ち上がる。
その心に、もはや迷いはない。
かつて自らを価値なき者と卑下した至高の剣士が、今バトル・ロワイアルの戦場に躍り出した。

96 ◆4k6/pvQRrE:2021/10/20(水) 01:06:39 ID:Y4d4V4mE0


【K-5 キン肉ハウス/未明/一日目】
【継国縁壱@鬼滅の刃】
[状態]:健康 闘気修得
[装備]:アヌビス神@うろ覚えで振り返る 承太郎の奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、アバンの書@ドラゴンクエスト ダイの大冒険
[思考・状況]基本行動方針:サカキの打倒
1:アバン師父に恥じぬ行いを。
2:仲間を探す。
3:兄は見つけ次第斬る。
[備考]
・参戦時期は無惨を取り逃がし、兄が鬼化して鬼殺隊を追われた後。
・アヌビス神を装備していますが、剣士としての実力に心酔されている為操られてございません。
・アバンの書を読破し、アバン流刀殺法及び闘気技などを修得しています。魔力が無いため呪文は使用不可。
・日輪刀はありませんが、闘気の応用で赫刀化や日の呼吸の技は問題なく使用できるようです。

【支給品解説】

・アヌビス神@うろ覚えで振り返る 承太郎の奇妙な冒険
 一億二千年前に生まれた荒巻スカルチノフなる刀匠が打った刀。
 そこに宿ったアヌビス神のスタンドは持った者を志々雄にするなどして操る。
 物質を透過する斬撃、一度見た技やスペックを見切る能力などを持つ。
 しかしバトル・ロワイアルで出会った縁壱の輝く才能に魅了され、能力を使わず
 ただの刀として力を貸すことを決意したのであった。DIOへの忠誠は消えている。

・アバンの書@ドラゴンクエスト ダイの大冒険
 勇者アバンが書き残した世界にただひとつの本。
 後世の為に書かれた内容は、読むものに勇気を与える。
 普通は読んですぐに技とか覚えられません。

97 ◆4k6/pvQRrE:2021/10/20(水) 01:08:33 ID:Y4d4V4mE0
以上で投下終了です。
SSタイトルは「縁壱よ立ち上がれ!勇者の道は永遠に!」でお願いします。

98 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/20(水) 11:44:12 ID:dbfHDKOM0
SSの投下をありがとうございます。
感想を投下させていただきます。

>>縁壱よ立ち上がれ!勇者の道は永遠に!

縁壱が書を読んでアバンの使途になった…!
空裂斬とか闘気まで覚えて
すごいパワーアップを果たしたと思います。
とても読み応えのあるクロスオーバーでした。
アバンの書を読んだだけで
直接出会ったわけではありませんが
縁壱が炭吉に救われたように
アバン先生の教えで救われて立ち向かう決意を
固めたのをを見て、改めてアバン先生も
真の勇者であると実感しました。

感想の投下は以上です。

まとめWikiの編集や修正をしてくださった
方々もありがとうございました。

99 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/21(木) 05:23:46 ID:Qvex817k0
継国巌勝、ジョセフ・ジョースターで予約します。

100 ◆0EF5jS/gKA:2021/10/25(月) 10:27:19 ID:x/T6cvNk0
投下をします。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板