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顔合わせ

90PON:2016/08/02(火) 23:12:32 ID:QNOKRAdo
『ねぇねぇ、中川さんたちはいつ頃から?』
『えっと、付き合ってそろそろ・・・』
『そっちの話じゃないよぉ〜。怪盗に目を付けられてからどれくらい?って話だよ』
『あ・・・』
勝手な勘違いに、菜穂はボッと顔を真っ赤にする。
『アハハッ、一気に赤くなっちゃって。中川さんてば可愛い一面もあるのね』
麗那も、桃美と一緒になって明るく笑う。
『僕たちは、半年近いですね。中川さんと一緒に居た所で、怪盗に出くわしてしまって。付き合い始めたのも、それとほぼ同時です』
『アンタは、何事も無かったように冷静に話してんじゃないわよ!』
『イテッ!』
恥ずかしさに上塗りをされ、菜穂は大和に蹴りを入れた。
『さっきもうそうだったけど、随分と過激な愛情表現ね・・・』
『あっ、いえ。これはその・・・』
行き過ぎたスキンシップに、麗那も幾分引き気味だ。
『そう思いますよね?僕も、スカートの中が見えてしまうからやめた方が良いって何度も言っているんですが』
『えっ・・・と、気にするのはソコなんだ?』
大和は、日常の事と平然としている。そんな関係を見た桃美も、麗那と共に呆れ気味だった。

『それで、平井さんは?』
『私は、友達から失恋旅行に誘われた頃に・・・その時、怪盗の罠に落ちた大和くんが私のクラスメイトに変装させられちゃってて、図らずもその旅行に付き合わされる結果になったんだよね』
『付き合わされたなんて思ってないですよ。ただ、やっぱり春佳先輩が傷心している中に居るのは申し訳ないというか、心苦しさがありましたね』
『もう、過去のことだし気にしてないよ』
二人がそのような状況に陥っている時、菜穂は蚊帳の外だった。それだけに、気持ちを共有できないことに歯痒さを覚える。
『私は、家に来たセールスレディが怪盗の変装で、そこで恥ずかしい目にも遭わされたわ。そういえば、その時に怪盗ってば中学の時の後輩にまで化けてみせたんだけど、その子がセレストの2年生なの。平井さん、栗原千波って名前、知らない?』
『千波さん!?』
『千波ですか!?』
『何で、大和の方が先に反応してるのよ!』
すかさず、菜穂の突っ込みが入る。先程の麗那たちの反応を気にしてか、軽く小突いただけだった。
『千波のこと、知ってるのね』
『知ってるも何も、クラスメイトですよ』
『さっき話題に挙がった、春佳先輩の失恋旅行を計画してくれた一人が栗原千波さんでしたから』
麗那と春佳の意外な接点が見つかり、話が膨らんでいく。それは自然の流れなのだが、そこに大和まで加わるのが、菜穂には解せず表情が曇り始める。
『中川さん、どうしたの?』
浮かない様子の菜穂を気遣ってか、桃美が声を掛けてきた。
『いえ、何も・・・』
『前にミレーズに来てくれた時から、中川さんのこと注目してたんだよね〜。綺麗だし、可愛いし、スタイルも良くって・・・本物のアイドルみたいだもん』
実際、怪盗の策略に嵌められて短期間アイドル活動をした経験もある。その時に良き友達ができたが、触れられたくない苦い思い出でもあった。
『そ、そんな・・・止めてください』
『ねぇ、中川さんのニックネームとかで呼ばせてもらって良い?』
『どうぞ、ご自由に・・・』
親しげに話し掛けてくる桃美に対し、菜穂は大和たちの話の方が気になってつれない素振りだ。傍からは、鬱陶しがってすら見える。
それを気にした春佳が、チラチラと振り返っては申し訳なさそうにしていた。
『もう、桃美ってば・・・』
春佳の視線を気にした麗那が、菜穂に絡む桃美を窘めようとする。すると、後ろで佐伯麻衣と歩いていた須永優子が、スタスタと歩きだして菜穂の腕を掴んだ。


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