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アルテミス アナザーストーリー byBiBi

1BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 22:46:48
Artemis0000
前書き
アルテミスのアナザーストーリーを書いてみました。文才も更新にかけ
る熱意も、オリジナルストーリーの作者様には遠く及びません。もし投稿
がストップした時は許して下さい。まわりくどい表現が所々に見られます
が、許して下さい。なお、女性性器は『女陰』と表現しています。

2BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 22:48:22
Artemis0001
『プロローグ』
2003年、地球は、宇宙から飛来したネオガイア星人の侵攻を受けた。ネ
オガイア星人の先祖は、地球の古代ギリシア人と言われていた。だからそ
の姿や身体機能は、地球人の白人に酷似していた。あえてネオガイア星人
の特徴を挙げるとすれば、ほぼ全員がサディストだという点だった。

一部の地球人はネオガイア星人に対して抵抗運動を試みたが、両者の科学
力には絶望的なへだたりがあり、多くの地球人が捕虜となった。ネオガイ
ア星人の捕虜収容所では、ある者はおぞましい生体実験のモルモットにさ
れ、またある者は変態的な拷問を受け、地獄の苦しみと絶望の中で命を落
としていった。

ここさざなみ市の郊外にも捕虜収容所があった。そこは、さざなみ刑務所
と呼ばれていた。

3BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 22:49:41
Artemis0002
さざなみ刑務所には、ネオガイア軍白兵戦コマンドの元女士官アルテミ
スが、同胞を裏切った罪で収容されていた。アルテミスは、囚人ナンバー
999号という登録名が与えられていたが、いつも頭に鉄の仮面をかぶって
いるため『鉄仮面』と呼ばれていた。仮面はどんな方法を試みても外れる
ことはなかったが、その下には素晴らしい美貌が隠されていた。

アルテミスは、ネオガイア星人の生体実験の被験者となった。それは、あ
らゆる傷が自然治癒する不死身の兵士『パーフェクトソルジャー』を作る
実験だった。実験は成功し、アルテミスは不死身の肉体を手に入れた。彼
女の肉体は、どんなに破壊されても、あっという間に傷ひとつない元の美
しい姿に戻った。

運命のいたずらか、アルテミスは、どのような拷問も嬉々として受け入れ
る重症のマゾだった。当然のごとく不死身の肉体に対する拷問は、しだい
に歯止めを失っていき凄惨を極めた。そして度重なる拷問によって、アル
テミスのマゾ性は日を追うごとに肥大化し、次第に精神が蝕まれていった。

4BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 22:51:27
Artemis0003
さざなみ刑務所では、今は拷問用奴隷「鉄仮面」に身を堕としたアルテ
ミスが、毎日のように激しい拷問を受けていた。

アルテミスは、さざなみ刑務所の全ての看守のみならず、他のどの囚人よ
りも身分が低かった。誰でも自由に、アルテミスを犯し拷問する事を許可
されていた。しかし実際は、看守たちは各自、お気に入りの奴隷をすでに
所有していたので、アルテミスにあまり興味を示さなかった。囚人たちに
いたっては、いつ自分自身が拷問の対象になるかも知れず、アルテミスを
拷問するような余裕はなかった。

アルテミスに拷問を加えていたのは、主にシンディという元アメリカ軍兵
士の女性だった。シンディは生粋のサディストで、彼女の拷問はどれも、
普通の人間なら100%死んでしまいそうな過酷なものばかりだった。実際、
シンディの手にかかった犠牲者は、すさまじい拷問に耐える事ができず、
彼女が満足する前に全員ショック死してしまった。

シンディにとって、どのような拷問を加えても死ぬことのないアルテミス
は理想的な奴隷だった。重症マゾのアルテミスにとっても、悪鬼の化身の
ようなサディストのシンディは理想的な主人だった。

『プロローグ』おしまい

5BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 22:53:31
Artemis0004
『さざなみ刑務所の独房にて』
アルテミスは、さざなみ刑務所内の自分に割り当てられた狭い独房の中
で、深い眠りについていた。独房の床と壁はコンクリートで覆われていた。
そこにはベッドどころか便器すらなく、睡眠も排泄も硬く冷たい床の上で
するしかなかった。

独房の鉄の扉が音もなく開き、残忍な性格で囚人達に恐れられている女看
守シンディが入ってきた。その手には、硬い芯を入れて拷問用に改造され
た乗馬鞭が握られていた。

連日の過酷な拷問で体力を使い果たしていたアルテミスは、シンディの訪
問にも眼を覚ますことはなかった。

アルテミスは、仰向けのM字開脚姿勢で休息を貪っていた。無防備な睡眠
中の女陰を拷問できるように、M字開脚姿勢で寝る事をシンディから命じ
られていたのだ。どのような悪条件でも休息をとる訓練を積んだ元白兵戦
コマンドのアルテミスにとって、M字開脚姿勢での睡眠など造作もなかっ
た。

アルテミスの姿を見たシンディは、口元に冷酷そうな笑みを浮かべた。そ
して手にした鞭の先端をピチャピチャと音を立ててしゃぶりながら、レザ
ー製のミニスカートに包まれたヒップを大きくくねらせて、生け贄に歩み
寄った。眼下に満開に開かれたアルテミスの女陰を見下ろした。

哀れなマゾ女は、これから自分を襲う過酷な運命も知らず、まだ寝息を立
てていた。

6BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 22:54:56
Artemis0005
シンディはアルテミスの前に仁王立ちになり、真っ赤なルージュで毒々
しく塗られた唇を、これも真っ赤な舌でベロリと舐めた。そして乗馬鞭を
高くふり上げると、光沢を放つブロンドの陰毛に覆われたアルテミスの無
防備な女陰に、全身のスナップを利かせて力いっぱい鞭を打ち込んだ。

空気を引き裂く鞭の音と、それに続く柔らかい肉を打ち据える音が室内に
鳴り響く。

「アヒッ!?」

睡眠中に女陰を襲った激痛に、アルテミスは一瞬にして現実の世界に引き
戻された。全身を硬直させたまま、1秒、2秒と時が経過する。鉄仮面の下
で、大きく見開かれた青い瞳に、次第に驚愕と苦痛の色が混じり始める。

「ひぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」

絶叫がほとばしった。

さすがのアルテミスも、睡眠中に前触れもなく女陰を襲った激痛に、海老
のように身体を仰け反らせ苦痛を訴えた。しかし両脚を閉じることはなく、
女陰を手で庇う事もなかった。それは果たして、白兵戦コマンド時代に鍛
えられた精神力の賜物か、あるいは奴隷としてのメスの習性か……。

7BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 22:56:42
Artemis0006
「いつまで寝てるの、鉄仮面? 今日もタップリと可愛がってあげるわ
よ!」

「ヒィ、ヒィィィ……。は、はい、シンディ様。今日もこの淫乱なマゾを
徹底的に痛めつけて下さいまし」

シンディの罵声に、血を吐くような哀訴で答えると、アルテミスは更に大
きく股を広げ、女陰を突き出した。

その姿に狂喜したシンディは、さらに残酷に鞭を打ち込み始めた。

「ギャッ……ヒィ! ぎひ! きゃあああ……」

「あははは。女陰を軽く鞭で叩かれただけなのに、大げさだねぇ。この程
度でヒーヒー泣いていたら、今から始まる拷問には耐えられないよ?」

シンディは鞭打つ場所と強さをたくみに変えながら、アルテミスの美しい
肉体に鞭痕を刻んでいく。主に鞭を受けるのは女陰だったが、アルテミス
が女陰の痛みに慣れてくると、乳房や腹部を狙った。

陰唇の間から顔を覗かせるクリトリスには、渾身の力をこめて鞭を叩きつ
けた。敏感な女体の急所に直撃を受けたアルテミスの悲鳴は特に大きく、
独房の空気をビリビリと震わせた。

「ぐひぃぃぃ……。い、いいわぁ。そこ、そこがいいのぉ……私のクリト
リスをメッタ打ちにしてぇ」

狭い独房の中に、柔肉を打つ鞭の音と、苦痛と快感を訴えるマゾ女の悲し
い絶叫がいつまでも響いていた。

8BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 22:58:21
Artemis0007
アルテミスの全身がミミズ腫れに覆われるまで、残酷な鞭打ちは続いた。

初めは苦痛のみを訴えていたアルテミスの絶叫は、やがて明らかに苦痛以
外のものを帯びはじめた。それは快楽のあえぎ声となり、更なる苦痛を哀
願するマゾの叫びに変わっていった。アルテミスの女陰から流れ出す淫液
は、とどまる事がなかった。

鞭が柔らかい女体を引き裂く感触を十分に楽しんだシンディは、「カァー」
と喉を鳴らして痰をためると、それをアルテミスに吐きかけた。痰はアル
テミスの鉄の仮面にへばり付き、粘性の尾をひきながら床に垂れた。

重症マゾのアルテミスにとって、他人の排泄物は最高のごちそうだった。
淫液や精液はもちろんのこと、尿、大便、吐物、経血、そして痰も大好き
だった。アルテミスは、床に垂れたシンディの痰を舐めようとして、懸命
に首を曲げ仮面のすき間から舌を突き出した。

「あ、あぅ、と、届かない……」

身体を起こせば簡単に舐める事ができた。しかしアルテミスは『どのよう
な責めを受けても、絶対にM字開脚姿勢を崩してはならない』と徹底的に
調教されている。彼女は、不自由な姿勢のまま、床にこぼれたシンディの
痰に舌を伸ばすしかなかった。仮面の口枷に邪魔をされて、舌は、あと数
センチの距離で床に届かなかった。

なかば無意識のうちに、アルテミスの豊かな腰が、淫らに上下の動きを開
始した。シンディの痰に舌が届かない、そのもどかしさでさえ、この重症
マゾにとっては悦びなのかも知れない。

9BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:00:08
Artemis0008
「どうしたの、お前? そんなに私の痰が欲しいの?」
「は、はい。シンディ様の美しいお口から生まれた唾を、飲みたくてたま
りません……」

「痰を飲みたいだなんて、なんてイヤらしいマゾのメスブタなの? そう
ねぇ……、じゃあ私の拷問に最後まで耐える事ができたら、ご褒美にたっ
ぷり飲ませてあげるよ」
「あぁ……絶対に耐え抜いてみせます」

シンディは、アルテミスの血を吐くような誓いの言葉を聞いて、加虐の興
奮に目を輝かせた。そして鞭を握る右手に再び力を込めた。

それを見たアルテミスは、命じられるでもなく自ら大きく股を広げ、眼前
の処刑者に女体で最も弱い部分をさらけ出した。そして静かに両目を閉じ、
さらなる苦痛と恥辱を待った。縦横に鞭の痕が走った女陰は、ねっとりと
した淫液で潤い始めていた。

シンディは再び鞭を振るい始めた。鞭がアルテミスの女陰に炸裂するたび
に、血と淫液が飛び散る。その間、アルテミスの口からほとばしる悲鳴が
途切れる事はなかった。

「ヒィ! ヒィィィ! あ、あああ……、い、いやぁ! キヒィィィ!」

何発の鞭がアルテミスの肉体に打ちこまれたのだろうか。さすがに疲れた
シンディは、血をたっぷりと吸った鞭を足元のアルテミスに投げつけた。
鞭が当ると、アルテミスは小さく悶えた。

10BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:01:39
Artemis0009
渾身の力をふりしぼって鞭を振るい続けたシンディは、肩で息をしなが
ら、アルテミスの股間を見つめていた。女陰を中心に縦横に刻まれた鞭痕
は、シンディの見ている前で、みるみる消えていった。

「お前、もう鞭の傷が治りかけてるじゃないの! ホントに便利な身体ね」
「は、はい。私は卑しいマゾの分際で、皆さまに不死身の体質にしていた
だきました。どんな傷も治ってしまいます。だから……」

「だから、何?」
「だから、どうぞ私のイヤらしい肉体を徹底的に破壊して下さい」

「ふふふ。いいわよぉ。そんなに壊して欲しかったら、ボロボロにしてあ
げるわ。マゾ奴隷のくせに不死身の肉体だなんて、生意気なのよ!」
「あぁ、ありがとうございます」

今までの女陰の鞭打ちがほんの準備運動でしかないことを、アルテミスは
マゾの本能で気付いていた。これから自分に身に降りかかる苦痛と恥辱を
想像したアルテミスの女陰からあふれ出した淫液が、床に大きなシミを作
っていた。

11BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:03:29
Artemis0010
この時にはすでに、アルテミスの肉体に刻まれた鞭痕は完全に消えてい
た。シミひとつない陶磁器のような白い肌の上に血の飛沫が模様を描き、
ひどくエロティックな様相を呈していた。

その中心で淫液にぬれた女陰の口は、まだ固く閉ざされたままだった。不
死身の体質が処女膜を再生させるため、どんなに犯されても、アルテミス
は処女のままなのだ。

加虐の狂気に血走った眼でアルテミスの女陰を見下ろしていたシンディは、
新しい拷問法を思いついたのか、口元に残忍な笑みを浮かべた。

「お前のようなマゾが処女だなんて……。ほんと生意気ね」
「あ、い、いいえ。許されません。マゾはマゾらしく、女陰はいつもガバ
ガバでなくてはなりません!」

「そうよね。じゃあ、変態マゾにふさわしい女陰にしてやるよ」
「あ、あぁ。ありがとうございます。どうか私の生意気な処女膜をお仕置
きして下さい」

「股を広げな!」
「はい、シンディ様!」

過酷な鞭打ちの間もM字開脚姿勢を続けていたアルテミスの両脚は、今で
も一杯まで広がり、淫液まみれの女陰を晒していた。それでもアルテミス
は両手で左右の膝を掴み、さらに大きく股を開いた。股関節がギリギリと
音を立てそうだった。

そして自分の肉体の中で最も敏感で弱い女体の急所、生殖器官の完全破壊
をシンディに訴えた。

12BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:05:18
Artemis0011
シンディはアルテミスの前に立つと、エナメルブーツを履いた右足を、
まるでゴール前のサッカー選手のように大きく後ろにしならせた。そして
一切の手加減なしに、つま先でアルテミスの女陰を蹴りこんだ。

ブチブチッ!という肉が裂ける音が、シンディの耳にも聞こえた。アメリ
カ軍仕込みのシンディの蹴りは、たった一撃でブーツのつま先から踝(く
るぶし)のあたりまでをアルテミスの女陰にめりこませた。

「いぎゃああああああああああああ! お、女陰が、私の女陰がぁ……」

女陰の部分でシンディの脚とつながったまま、アルテミスは身体をガクガ
クと痙攣させ、すさまじい悲鳴を上げた。悲鳴に耐え切れずに声帯が裂け、
鉄仮面の口の部分から、血の混じった唾液の霧が飛び散った。

「あははは。痛いだろう? ロストバージンしちゃったんだものねぇ。こ
れでお前もオンナになれたのよ? ほら、処女を捧げた私のブーツに礼を
言いな!」
「ひ、ひぎぃぃぃ……。あ、ありがとうございますぅ」

アルテミスの女陰とブーツのすき間から、赤い破瓜の血が流れ出してきた。
シンディのブーツは、アルテミスの処女膜を残酷に引き裂いたのだ。

13BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:06:55
Artemis0012
ブーツのつま先を飲み込んだアルテミスの女陰からは、止めもなく血が
流れ出した。やがて被虐の悦びに再び火がつくと、淫液が混じり始め、破
瓜の血は粘稠度を増していった。

「ギャハハハ! どう? オンナになった気分はぁ?」
「か、感激です。処女を奪っていただき、ありがとうございました」

「そう、嬉しいの? そんなに喜んでもらったら、もっと女陰を拡げてあ
げたくなっちゃうわぁ」
「あ、あぁ……。お願いします。お願いします。お願いしますぅ」

加虐の興奮に狂ったシンディは、女陰に右のブーツをめり込ませたままア
ルテミスの上に乗った。そしてなんと左足を宙に浮かせた。右足だけの片
足立ちの恰好になるわけだが、全体重がかかる右足の先端はアルテミスの
女陰に入ったままだ。当然のように、メリメリと音を立てながら、アルテ
ミスの女陰にブーツがめり込んで行った。

「ぎゃあああ。女陰が裂けるぅ!」
「アハハ、女陰がガバガバだよ、お前。痛いか? 痛いだろう?」
「うぎゃあああ。い、痛いですぅ。でも快感! もっとしてぇ!」
「いいわよぉ? じゃあ、二度と女陰が閉じないように改造してやるよ」

シンディは片足立ちのままで、自分の身体を前後左右に揺さぶった。シン
ディの身体が揺れるたびに、ブーツとアルテミスの女陰のすき間から泡状
になった血が溢れ出してきた。

ブーツがズブズブと女陰に飲み込まれていくさまは、破壊願望のあるM女
性以外が目撃したら、それだけで卒倒してしまいそうな光景だった。

14BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:08:50
Artemis0013
「死ね! 死ね! 死ね!」
「ギャ、ギャアアアァァァ。い、いいわぁ。殺して、嬲り殺しにしてぇ!」

狭い独房の中に、狂気にかられた2匹の牝獣の叫び声が響き渡る。ヒール
のあたりまでを飲み込んだアルテミスの女陰からは、淫液の混じった血が
ドロドロと流れ出し、アルテミスの下半身を真っ赤に染めていた。

「い、いいわぁ。すごい、すごいですぅ。このまま子宮をぶち抜いてぇ」
「女陰に足を突っ込まれて感じてるのかい? このド変態!」

頭の中で火花が飛び散るような凄まじい苦痛と快感に、固く噛み合わされ
たアルテミスの奥歯がギリギリと音を立てる。アルテミスは失神寸前だっ
た。いや実際、アルテミスは何度か失神していた。だがそのたびに、女陰
を襲う激痛に無理やり覚醒させられた。

………。

失神と覚醒を何十回と繰り返し、ついにアルテミスの意識は、女陰が裂け
る激痛でも呼び戻すことができない深い混沌の中に静かに沈んでいった。

アルテミスの両脚は、最後まで閉じられる事はなかった。左右の膝を抱え
る両手の爪が足の皮膚に食い込み、血が流れ出していた。そこには、満開
に広げた両脚を決して閉じない、という強い意志が込められていた。

『ざなみ刑務所の独房にて』おしまい

15BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:10:44
Artemis0014
『さざなみ刑務所の廊下にて』
 さざなみ刑務所の独房の一室では、シンディに処女膜を蹴り破られて失
神したアルテミスが、血まみれの下半身をさらけ出しながら、冷たく硬い
床の上に横たわっていた。

サディストのシンディは、失神した捕虜を強制的に覚醒させるために、い
つもポケットサイズのスタンガンを持ち歩いている。その気になれば、そ
れを使ってアルテミスを今すぐにでも覚醒させることは簡単だった。しか
しシンディは、そうはしなかった。

残酷な拷問にさらされて女陰はすでにボロボロだし、今の状態で拷問を継
続しても、面白みがなかったからである。とりあえずは、アルテミスの意
識が戻り、女陰の傷と処女膜が再生するのを待つことにした。処女膜が再
生したら、次は片足ではなく両足を捻じ込んでやるつもりだった。

そんなシンディのおそろしい思惑も知らず、アルテミスは気を失ったまま
だった。夢でもみているのだろうか……、時々、肉体がピクピクと痙攣し、
鉄仮面から弱々しいうめき声が聞こえる。しばしの休息の中でアルテミス
の見る夢が、地獄の夢か天国の夢か、それは誰にも分からない。

『囚人ナンバー999号に面会です』
その時、独房に備え付けられたスピーカーが、無機質な声でアルテミスの
召喚を告げた。

囚人の拷問を任せられている立場ではあるが、さすがのシンディもネオガ
イア軍の指示には従わざるを得ない。いまいましげに舌打ちをすると、シ
ンディはポケットからスタンガンを取り出し、電源をONにした。

16BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:12:30
Artemis0015
 公式には、ネオガイア軍の白兵戦コマンド隊長アルテミスは殉職したも
のとして扱われている。囚人ナンバー999号は、自分をネオガイア軍の女
士官だと思い込んでいる頭のおかしい地球人、ということになっている。
当然そんなアルテミスにまともな面会など来るはずもなく、面会人の目的
は例外なく、彼女の美しい身体を生贄として生体実験もしくは拷問するこ
とだった。

今シンディは、アルテミスの首に大型犬用のリードを巻き、まるで本当に
犬の散歩をしているかのように、さざなみ刑務所の廊下を濶歩(かっぽ)
していた。さざなみ刑務所内にある武器格納庫が目的地だった。

「はぁはぁ……、女陰がズキズキするわ。気持ちいい。あん、ダメよ。歩
く刺激だけで逝ってしまいそうだわ」

歩を進めるたびに、拷問の傷がいまだ癒えない女陰を内腿が擦る。その刺
激に、アルテミスは必死に耐えていた。

「今日はどんな面会をしてくださるのかしら……。楽しみだわ。あぁ……、
女陰弄りたい。で、でも、我慢しなくちゃ」

アルテミスは霞がかかったような青い目でシンディの後ろ姿を見つめなが
ら、自分で女陰を弄りたい欲望を必死に抑えていた。

17BiBi ◆8cBPUextJk:2008/07/31(木) 23:15:07
Artemis0016
アルテミスは苦痛と快感のため軽い貧血状態に陥り、途中何度も倒れそ
うになった。そのたびになんとか両足を踏ん張り、倒れずにいたのは大し
たものだった。アルテミスはおぼつかない足取りで、足早に歩くシンディ
に必死に追いすがった。

それでも、ついに耐えきれずにアルテミスが大きくよろめいた時は、シン
ディはアルテミスの腹部を思い切りひざで蹴り上げた。

「あ……、ぐはっ」

シンディの軍隊仕込みの蹴りを軟らかい腹部に受けたアルテミスは、廊下
の床に倒れこみ、もがき苦しんだ。内臓がこみ上げてきそうな吐き気に耐
えながら、酸素を貪ろうとして口をパクパクさせた。

「いつまで苦しんでるのさ? さっさと立ちな!」

拷問を途中で中断されて、シンディはご機嫌斜めだった。罵声とともに、
シンディは再びアルテミスの鳩尾(みぞおち)に蹴りを入れる。

アルテミスの口から黄色い胃液が噴き出した。半ば窒息状態のアルテミス
は、それでも、口から汚液を垂らしながら必死に立ち上がった。

アルテミスは、シンディの理不尽な虐待に耐えながら、懸命に歩いた。や
がて2人は、目的地である武器格納庫にたどり着いた。アルテミスの上半
身は胃液まみれになっていた。

アルテミスが歩いた廊下の床には、女陰から滴り落ちた血と淫液が、赤い
斑点模様を描いていた。あとで彼女が、床を汚した罰をタップリと受ける
のは間違いないだろう。

『さざなみ刑務所の廊下にて』おしまい

18BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:09:41
Artemis0017
『モクバ3号 前編』
武器格納庫で全裸のアルテミスを迎えたのは、かつて『キュクロプス』
開発計画で陣頭指揮をとっていたメビウス博士だった。キュクロプスとは、
ネオガイア星人と敵対関係にあるタイタンの巨人族に対抗するために開発
された、有人の巨大ロボット兵器の名称である。天才的な白兵戦のプロで
あるアルテミスは、以前キュクロプスのテストパイロットを務めたことが
あった。

「久しぶりだね、アルテミス君。元気にしていたかね? いや……、拷問
の毎日を送っているキミには、これは愚かな質問だったかな」

「お久しぶりです、メビウス博士。私はマゾ奴隷として、毎日がとても充
実しています。全て皆さまのおかげですわ」

「それは良かった。たしかにここの生活は、キミのようなマゾには天国の
ようだろうね。毎日たっぷりと痛めつけられているそうじゃないか」

メビウス博士は好色そうな笑みを浮かべながら、全裸のアルテミスの肉体
をしげしげと観察していた。

「さて、早速だが本題に入らせてもらおう。今日キミに来てもらったのは
他でもない。現在、新型のロボット兵器を開発中なのだが、キミにテスト
パイロットをお願いしたいのだよ」

「そ、そんな、お願いだなんて……、おそれ多いですわ。こんな私でお役
に立てるのなら、なんなりと申し付けて下さい」

キュクロプスは操縦方法が個性的で、特に1号機はコクピットの座席に2
本の操縦桿が生えていて、パイロットはそれを女陰とアナルに挿入して機
体を操るのだ。また機体がダメージを受けると、それがそのままパイロッ
トに痛覚として伝えられる。

アルテミスは、かつて自分が敏感な2つの穴に操縦桿を咥え込み悶え狂っ
たときの苦痛と快感を思い出し、ひそかに女陰を濡らしていた。

19BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:11:23
Artemis0018
メビウス博士がテーブルのパネルを操作すると、壁の一部が横へスライド
し、その奥に1台のメカが姿を現した。

「モクバ3号だ」
「キュクロプスと比べて、かなり小さいですわね」

「うむ。キュクロプスは、対巨人用の戦闘ロボットだからな。モクバ3号
は、それ自体は戦闘ロボットではなく、白兵戦コマンド用の乗り物だ」
「なんだか、馬みたいだわ」

モクバ3号は形も大きさも馬そっくりだった。ただし胴体部分は馬という
よりも、SM用の三角木馬に似ていた。そして背中の部分には、キュクロプ
ス1号機同様、2本の操縦桿が生えていた。

「すでに気づいていると思うが、操縦方法はキュクロプス1号機と同じだ。
この操縦システムの最大のメリットは、搭乗者の白兵戦コマンド隊員が両
手を自由に使えるという点だ」

(ネオガイア軍技術なら、他にもっと実戦的な操縦システムを開発できる
と思うんだけど。もしかしてパイロットが悶えるのを見たくて、わざとこ
んな機体ばかり開発しているのかしら……)

アルテミスは疑問に思ったが、それを口にする事はなかった。今のアルテ
ミスにとって、そんな事はどうでも良かったのだ。この2本の操縦桿を敏
感な肉の穴で咥えて思う存分悶え苦しみたい、その願望しかアルテミスの
頭の中にはなかった。

20BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:13:39
Artemis0019
「ただ問題が一つある。覚えているかね? 以前にキュクロプス1号機の
テストをした時、ジャンプだけがどうしてもできなかっただろう?」
「はい」

鉄仮面に隠れて見えないが、アルテミスは頬を羞恥でピンクに染めながら
返事をした。かつてアルテミスがキュクロプス1号機のテストパイロット
を務めた時、操縦桿が淫液で滑ってしまい、ジャンプの操作ができなかっ
たのだ。

「このモクバ3号は、その弱点を克服するための新型の操縦桿を備えてい
る。もっと近くで操縦桿の表面を見てみたまえ」

言われたとおり機体の近くに寄って操縦桿を見たアルテミスは、思わず息
を呑んだ。2本の操縦桿の表面は、長さ5ミリほどの小さな針でびっしり
と覆われていたのだ。

「これなら、いくら淫液にぬれても操縦桿が抜け落ちることはないだろう。
ただ、この新型操縦桿はまだ開発途中なのだ。今日はキミに、これを実際
に挿入して試乗してもらいたいのだ」

メビウス博士が説明している間、アルテミスは、そそり立つ2本の凶悪な
棒から目を離すことができなかった。短いとはいえ、針の数は100を超え
る。モクバ3号は形態から判断すると、車輪ではなく4本の足を使って本
物の馬のように走行するのだろう。当然かなりの振動があるはずだ。もし
も針で覆われた操縦桿を女陰とアナルに挿入し全力疾走でもしようものな
ら、腟と直腸の粘膜はボロボロになってしまうだろう。

モクバ3号に跨って2つの穴から血を垂れ流す自分の姿を想像しながら、
もっと長い針にしてほしいと密かに思うアルテミスだった。

21BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:15:20
Artemis0020
「さっそく実験に取りかかろうと思う。だがその前に、キミの健康状態を
チェックしておきたい。キミの体調に問題があったら、正確な実験データ
をとれないからね。ではそこに立って、両足を広げたまえ」

メビウス博士に命じられると、アルテミスは両足を肩幅の倍以上に広げ膝
を曲げ、ガニ股になった。それは相撲でいうところの四股(しこ)に似て
いて、肛門まで丸見えという女性にとって最も恥ずかしい姿勢だった。

シンディに調教されたアルテミスにとって『足を広げて立つ』とは、大股
開きガニ股姿勢なのだ。アルテミスは、この姿勢のままでシンディに股間
を鞭で打たれるのが大好きだった。

「わ、わかっているとは思うが、これは正確な実験データを取るためだぞ
……。決して下心などないからな」

自分自身を納得させるかのように独り言を呟きながら、メビウス博士はア
ルテミスの肉体を調べ始めた。なぜか女陰を触診するときのメビウス博士
の鼻息は荒く、目も血走っていた。

(マゾで不死身体質の私が搭乗しても、一般兵士のための実験データには
ならないと思うんだけど……。やっぱりこの実験の本当の目的は、メビウ
ス博士が自分の欲望を満たすことなのかしら……)

クリトリスから伝わってくる強烈な感覚に耐えながら、アルテミスはふと
疑問に思った。

(あぁ、でもそんな事はどうでもいいわ。お願い、早くあの太い棒を私の
淫乱な肉穴にちょうだい……)

22BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:17:13
Artemis0021
女陰を指で広げられると、アルテミスの口から切なげな声が漏れた。陰裂
のすき間から顔を覗かせるピンク色の柔肉の突起をメビウス博士の指が擦
り始めると、アルテミスの太股はブルブルと痙攣し始め、内股に青い血管
が浮き出てきた。

もとから人並みはずれて大粒なクリトリスが、メビウス博士の指に刺激さ
れて、大人の人差し指の第一関節ほどに膨れ上がり、ピクピクと脈うつ。
止めどなく溢れる淫液がポタポタとしたたり落ち、床に小さな水たまりを
作りはじめた。豊満な乳房の頂点に生える乳首は、クリトリスを犯す指に
自分の存在をアピールするように、硬く勃起していた。

毎日のようにシンディから受ける拷問によって、アルテミスのクリトリス
の感度は、以前とは比較にならないほどに高められていた。敏感な肉の突
起を指で軽く擦られるだけで、アルテミスは絶頂の一歩手前まで追い込ま
れてしまうのだ。一歩手前でなんとか踏みとどまっていられるのは、白兵
戦コマンド時代に培った(つちかった)精神力のおかげだった。

「ぐひぃいいいいいいいいいい!」

甲高い悲鳴をあげ、アルテミスの顎があがった。メビウス博士が充血した
アルテミスのクリトリスを爪でひねったのだ。女体で一番敏感な部分を襲
う無慈悲な恥痛に、アルテミスの膝はガクガクと震えて、今にも崩れそう
だった。

「は、博士……、ま、まだ身体検査は、お、終わらないのですか? わ、
私はもう立って、い、いられませ……ん」

「まだだ。まだ検査は終わっていない。よ、良いか? これは科学的な実
験のためにやってることなのだ。決して卑猥な目的のためではないぞ?」

そう言って、興奮で鼻息を荒くさせたメビウス博士は、指先にさらに力を
込めた。

23BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:20:32
Artemis0022
 30分近くアルテミスに悲鳴をあげさせて、ようやく満足したのか、メビ
ウス博士は変態的な身体検査を終了した。敏感な急所をさんざん弄られ続
けたアルテミスは、息も絶えだえの状態だったが、大股開きガニ股の姿勢
は最後まで崩さなかった。

「健康状態に問題はないようだな。ではモクバ3号のテストを開始しよう。
アルテミス君、機体に跨りたまえ」
「は、はい、博士」

これから味わう苦痛への期待に目を潤ませながら、アルテミスはモクバ3
号の背中によじ登った。

実際に登ってみると、機体の座席部分は見た目以上に鋭角に尖っていて、
まさにSMの三角木馬のようだった。座席の左右には鐙(あぶみ)のような
ステップが備え付けられていて、どうやらパイロットはそこにつま先を乗
せて体重の何割かを足で負担するのだろう。

アルテミスは左右のステップにつま先をのせて立つと、舌なめずりをする
ような表情で、針で覆われた凶悪な操縦桿を愛しげに手で撫でまわした。
シンディに引き裂かれた女陰と処女膜は、すでに完治している。いつでも
処女膜を引き裂く準備はできている。

アルテミスはステップに乗せた両足で体重を支えながら、操縦桿の真上に
腰を移動させた。操縦桿の先端が大陰唇と肛門に触れる。それだけで声が
漏れそうだった。

「ふむ、ステップの高さも、操縦桿の間隔も問題ないようだな。ではアル
テミス君、操縦桿を挿入したまえ。ただし操縦桿は針で覆われているから、
ゆっくりと入れ……あ!」

メビウス博士が驚きの声をあげた。メビウス博士の説明が終わるのを待た
ずに、アルテミスが左右のステップから足を浮かせたのだ。体重を支える
物がなくなったアルテミスの身体は、当然そのままモクバ3号の背中の上
に落下した。

アルテミスの身体が鋭角の座席に落ちるドスンという音と、ブチブチッと
いう肉が引きちぎるような音がした。

「ひぎゃぁぁぁあああああああああ!」
それに続いて、アルテミスの絶叫が響いた。

24BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:23:57
Artemis0023
「ひぐぅぅぅぅぅぅ……、お、女陰とお尻が……。ギィィィ……」
アルテミスの全体重をのせた垂直落下。100本以上の針で覆われた2本の
棒が、弱い粘膜を引き裂きながら女陰とアナルに根元まで突き刺さる。

アルテミスは秘裂と肛門のすき間からダラダラと血を流し、股間から脳天
に突き上がってくる激痛に必死に耐えた。股下に全体重がかかるように、
両手と両足は宙に浮かせたままだ。可愛らしい足の指が、苦痛のために開
閉を繰り返す。

やがて脳内に快楽物質が分泌し始めると、苦痛が快感に変わっていく。

「はぁはぁ……、い、いいわぁ。この操縦桿、わたし大好きですぅ!」

アルテミスは嬌声をあげながら、モクバ3号の上で腰を前後に振り始めた。
たちまち座席が血で真っ赤に染まる。

「ううむ……、さすが重症マゾだけの事はあるな」
アルテミスの痴態を見ながら、メビウス博士は苦笑いを浮かべた。

「さて、アルテミス君、お楽しみはそこまでだ。ここに来た目的を忘れて
はならんぞ?」

「は、はい博士。も、申し訳ありません。もう大丈夫ですわ」

下半身を襲う苦痛に半ば理性を失いかけていたアルテミスだったが、そこ
は元白兵戦コマンド隊長である。すぐに気を引き締める。

「うむ、よろしい。では、最初の実験だ。まずは今回の課題、操縦桿の滑
り止め効果をテストしてもらう」
「はい」

「方法は簡単だ。その操縦桿には摩擦係数を測定するセンサーを取り付け
ている。2本の操縦桿を女陰とアナルに挿入したまま、腰を上下に動かし
てくれたまえ」

「つまり騎乗位スタイルのオナニーをお見せすれば良いのですね? 分か
りましたわ、メビウス博士」

針で覆われた棒を挿入したまま腰を上下するという、とんでもない要求だ
ったが、アルテミスは嬉々として返事をした。

25BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:25:52
Artemis0024
「メビウス博士。この素敵な操縦桿の正確なデータを得るには、実戦での
動きを想定した腰の動きが必要だと思いますわ? 少しだけ腰の動きを激
しくしてかまいませんか?」

「うむ、それもそうだな。荒れた地面を走ることだってあるかも知れんか
らな。では少し強めに腰を上下させてくれたまえ」

「はい。では始めます」

マゾの口上を言い終えるや否や、アルテミスは再びステップに両足を乗せ
ガニ股になると、狂ったように腰を上下し始めた。それは『少しだけ激し
く』などという生易しいものではなく、凄まじい腰のグラインドだった。

「ぎゃっ、ぎゃっ、ひっ、ひっ、ぐひぃ! あぐあぐあぐっ! あひぃ!」

アルテミスの悲鳴が鳴り響いた。腰のグラインドにあわせて、血しぶきが
飛び散った。すでにモクバ3号の背中は血まみれで、床にも真っ赤な水た
まりができていた。

「あ、あぁ! い、いいわぁ! す、素敵です。最高ですぅ! ひっ! ア
ヒィ、アヒィ、アヒィ!」

「おお、なんとも凄まじい。とんでもないマゾだな。これが、ネオガイア
軍きっての美貌を誇っていたあのアルテミスとは、とても信じられん」

メビウス博士は、血しぶきをあげるアルテミスの下半身を食い入るように
見つめながら、呟いた。右手はズボンのポケットに差し込まれ、なにやら
ゴソゴソ動いていた。

26BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:30:23
Artemis0025
アルテミスの腰のグラインドはさらに激しくなった。全身の筋力の全てを
使い一気に腰を持ち上げたかと思うと、ステップから足を浮かせて全体重
をかけて一気に落下させた。操縦桿の表面を覆う針は粘膜にしっかりと食
い込み、これを蹂躙し引き裂いた。

腰が落下するたびに、2本の血まみれの棒に引きずられた大陰唇と肛門が、
体内へめり込んだ。そして腰が突き上げられるたびに、小陰唇と直腸が体
の外側へ引きずり出された。

腟と肛門をメッタ突きにする操縦桿の表面には、小さな肉片までこびり付
いていた。表面の針が、柔らかい粘膜を削り取っているのだ。

「ぐひぃ! ひっ、ひ、ひ、ひくっ! い、イクッ! イグゥゥゥ!!」

何度目かの腰の突き上げが肥大したクリトリスをえぐり取った瞬間、アル
テミスは全身を硬直させて激しい絶頂を迎えた。この淫乱なマゾのネオガ
イア星人は、苦痛だけで絶頂を得る事ができるのだ。

「うぅむ、すごい出血だ。大丈夫かね? アルテミス君」
「は、はい。大丈夫です。ご心配していただきありがとうございます」

あまりの出血に焦るメビウス博士に対して、アルテミスは妖艶な笑みを浮
かべ応えた。しかし残念ながら、どんな男でも勃起させてしまうアルテミ
スの媚笑は、鉄の仮面で隠れて見ることはできなかった。

27BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/01(金) 21:34:37
Artemis0026
「とりあえず1つめの実験は成功だ。操縦桿を針で覆えば、君のような重
症マゾが操縦しても抜けないことが分かったよ。これもキミのおかげだ。
ありがとう、アルテミス君」

「と、とんでもありません。私のような罪人が博士の研究のお役に立てる
なんて光栄ですわ。これでモクバ3号も完成に一歩近づき、キュクロプス
1号機の弱点も克服できますわね」

「うむ。だがこの実験の成果が軍に採用されるかどうかは、私には決めら
れんのだよ」

「そうですわね。軍の司令部が決定しないと……。残念ですわ」

「ん、そ、そうだな……」
メビウス博士はアルテミスから視線をそらし、曖昧な返事をした。

(軍の司令部か……。軍などに決定権はないのだよ、アルテミス君)

メビウス博士は神妙な顔になって、そのまま黙り込んでしまった。

(我々の世界の森羅万象は全て、創造主サクシャ神の意思によって存在し
動かされているのだ。ネオガイア軍も、ネオガイア政府も、あのグレイで
すら、この世界で生きていられるのは全て、サクシャ神のおかげなのだ)

無言のメビウス博士を見て、何も知らないアルテミスは自分が何か無礼な
発言をしたのではないかと勘違いし、モクバ3号の上でオロオロしていた。

『モクバ3号 前編』おしまい

28BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/07(木) 18:04:19
Artemis0027
『モクバ3号 中編』 (注意.スカトロ描写あります)
 さざなみ刑務所の武器格納庫に悩ましい女の声が響いていた。明らかに
苦悶の声だが、どこか快感のあえぎが混ざっているようにも聞こえる。

「あ、ぐぅぅぅ……は、博士、やはり操縦桿を入れたままでは……、む、
無理なのでは……」

アルテミスが馬そっくりなロボットに跨り、上半身をやや前屈させて、肩
で息をしている。なだらかなラインを描くうなじが脂汗でじっとりと濡れ
て、ひどく艶かしい。よく見ると、無駄な贅肉などないはずのスリムな腹
部が、妊婦のように少し膨らんでいた。

彼女が跨っているのはモクバ3号。白兵戦コマンド部隊用の乗り物として
開発中の、4本足走行型のロボットである。モクバ3号には新型の操縦桿
が装備されていて、アルテミスはその操縦桿の開発実験に従事している。
実験の指揮を執るのは、モクバ3号の生みの親にして、ロボット工学の第
一人者メビウス博士である。

現在、1つめの実験を終え、2つめの実験の真っ最中だった。

モクバ3号の操縦法はキュクロプス1号機と基本的に同じで、パイロット
は座席の2本の操縦桿を女陰とアナルに挿入しなくてはならない。

これには大きな問題があった。排泄である。

とりあえず尿に関しては、女陰に挿入する操縦桿に吸水機能を持たせれば
大丈夫だろう。問題は大便である。名誉あるネオガイア軍人が戦闘中に大
便をたれ流すようなことは、絶対にあってはならないのだ。

ネオガイア軍の戦略コンピューターは過去のさまざまな記録を元に、実戦
にモクバ3号が配備された場合、戦闘に要する時間は最大で1時間になる
という結果を導き出した。

今回の実験の目的は、アナルに操縦桿を挿入したパイロットが便意を1時
間我慢できるか調べることだった。

29BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/07(木) 18:06:57
Artemis0028
アルテミスはすさまじいの便意に必死に耐えていた。事前に彼女は規定
薬用量をはるかに上回る大量の下剤を飲み、さらに数リットルものグリセ
リン原液を浣腸されていた。下腹部は妊婦のように膨らみ、すぐに腹痛に
襲われた。

この状況で排便を1時間我慢できれば、モクバ3号が実戦配備される可能
性は、ぐんと高くなる。

肛門には操縦桿が根本まで挿入されていて、これが肛門栓の役目を果たし
た。とはいえ、さっき操縦桿で肛門括約筋を破壊され締まりを失ったアナ
ルで、浣腸液の1滴さえも漏らさずにいられるのは奇跡に近かった。

キュルルル……ゴロゴロ……と、アルテミスの腸が悲鳴をあげる。

「はぁ、はぁ……、は、博士。もうダメです。も、漏れちゃいます!」

アルテミスも悲鳴をあげた。肉体的なダイレクトな苦痛には桁外れの耐性
をもつ重症マゾのアルテミスだったが、快楽や便意に耐えるのは少し苦手
らしい。貧乏揺すりのように、膝がガクガクと震えだす。

「まだダメだ。残り30分だ。我慢したまえ」
「は、はい。絶対に耐えてみせます」

この実験を始めてすでに30分ほど経過していた。残り時間も約30分であ
る。しかしこの2つには天と地ほどの違いがあった。これからの30分間は、
きっと永遠の時間に感じられるに違いない。

耐えがたい苦痛の中、アルテミスは、ヒクヒクと痙攣する肛門にメビウス
博士の熱い視線を感じて、さらに被虐願望を強めていった。そして……。

「は、博士。一つ、わ、私から提案があ、あります……。パ、パイロット
が便意に耐えなくてはいけ、ないの……は、むしろ、せ、戦闘中なのでは
あ、りませ……んか?」

「うむ、たしかにそうだな。あぁ、ふふん、なるほど……」

メビウス博士は一瞬、アルテミスが何を言おうとしているのか分からず、
キョトンとした表情を作った。しかしすぐにその真意を察して、口元をニ
ヤリと歪めた。

30BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/07(木) 18:08:48
Artemis0029
「キミの言う通り、パイロットが排便をしたくなるのは、なにも待機中ば
かりとは限らん。もしかしたら戦闘中に便意に襲われるかもしれん」

「は、はい。わ、私も元白兵戦……コマンドの経験から、せ、戦闘……中
を想定した……はぁ、はぁ、より実戦的な……実験を、て、提案します」

「そうだな。たしかにその通りだ。フムフム」

メビウス博士は何度も大きくうなずくと、ポケットから小さな機械を取り
出した。それには小さなレバーが付いていた。

「モクバ3号には、パイロットが操縦不能な状態に陥った時のために、遠
隔操作の機能がついている。これはそのコントローラーだ。このレバーで
キミの乗る機体を自由に操作できるのだよ」

メビウス博士が今からしようとしている事に気付いたアルテミスは、内臓
をかき回されるような腹痛も忘れて、淫らな期待に潤んだ瞳でその小さな
機械を見つめた。

そんなアルテミスの期待に応えるように、メビウス博士はレバーを少し手
前に倒してみせた。すると、アルテミスを乗せたモクバ3号の機体が、4
本の足を器用に使って一歩後ずさりした。

「きゃん! ぐふぅぅぅ……」
操縦桿から女陰とアナルに伝わる衝撃に、アルテミスは短い悲鳴をあげる。
便意に耐えるアナルがつらい。

「あううう……、も、漏れちゃいそう……。で、でも耐えてみせるわ」
歯ぐきが真っ白になるほど奥歯を噛みしめて、アルテミスは排泄の欲求に
抵抗した。

ガクガクと膝を揺すり必死に耐えるアルテミスを、粘りつくような目で見
ながら、メビウス博士はコントローラーのレバーに指を添えた。

31BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/07(木) 18:10:47
Artemis0030
「キミの提案はとても参考になるよ。たしかに戦闘時の激しい振動の中で
も、排便を我慢することができなければ意味がない。さっそく実験を再開
しよう」

「は、はい。わ……私はすでに準備……でき……ひぁあああ!」

アルテミスが言い終えるのを待たず、メビウス博士はレバーを上下左右に
動かし始めた。それにあわせて、アルテミスを乗せた機体が、ガチャガチ
ャと金属的な足音を響かせながらタップダンスを始める。

「あひぃぃぃぃ! い、いやぁ! きゃあああああああああ!」
モクバ3号の足音をかき消すほどの大きな悲鳴が鳴り響いた。

コントロールレバーを上下左右に動かすメビウス博士、その両目は赤く血
走り、ズボンの前の部分は露骨に膨らんでいた。

「どうだね? キュクロプス1号機を実際に操縦した立場から、答えてく
れたまえ。実戦中の機体の揺れはこんなものかね? それとも、もっと激
しかったかね?」

アルテミスの答えは決まっていた。

「は、うぅぅ……、は、はい。こ、こんなものじゃありませんわ。も、も
っと、もっと激しかったと、お……思います」

「そうか、もっと激しいのか。これくらいか? それとも、これくらいか?」
興奮のあまり口から唾をとばしながら、メビウス博士はレバーをガチャガ
チャと動かし続けた。

「アヒィィィ! も、もっと、もっと激しかったです。もっと激しかった
ですぅ! 激しくして、激しくして! お願いよぉ!」

狂ったように前後左右に機体をゆするモクバ3号の上で、美しい女体が壊
れた操り人形のように踊り続けた。

32BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/07(木) 18:12:30
Artemis0031
アルテミスはすでに限界だった。規定薬用量を無視した大量の下剤と浣
腸液。敏感な2つの肉穴に差し込まれた杭から伝わる激烈な振動。

最初の実験と比べると、今回はピストン運動がない分だけ、いくらかダメ
ージは少ない。とはいえ、操縦桿の表面を覆う針に擦られて、女陰とアナ
ルは血まみれだった。仮面の下では、涙と涎が美しい顔を汚していた。も
はや悲鳴すらあげられず、固く噛みあわせた奥歯の間から獣のような呻き
声がもれていた。

早く楽になりたい。いや、このまま苦しみ続けたい。苦痛と快感で朦朧(も
うろう)となった頭の中を、相反する2つの気持ちが交錯する。

(で、出ちゃう。ウンチが出ちゃう)
操縦桿を根本まで咥えこんだアナルが、ヒクヒクと痙攣し始めた。

(ううう。だめよ。た、耐えなくては)
1つめの実験で、肛門括約筋はズタズタに破壊されていた。耐えられるは
ずがない。でも耐えてみせる。

(あ、もう、もう限界……。ゆ、許してください)
操縦桿のすき間から、褐色の液が滲み出てきた。それは血と大便のにおい
がした。

(くぅ。い、いけない! 我慢しなくては)
使い物にならない肛門括約筋の代わりに、お尻の筋肉に力を込めてアナル
を閉じる。これなら、なんとか耐えられるかも……。

快感、苦痛、快感、苦痛、快感、苦痛……。意識が遠のいていく。

(だめだわ。あ、う、ご、ごめんな……さ……)
ついにアルテミスは意識を失った。

33BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/07(木) 18:14:53
Artemis00312
アルテミスが失神した瞬間、ステップから左右の足が滑り落ちた。両足の
支えを失って、アルテミスの全体重が股間を貫く2本の棒にかかる。

敏感な女陰とアナルを襲う衝撃。強制的に引き戻される意識。

「ふぎゃぁあああああああああ」

それが快感と苦痛どちらを訴えているのかはわからないが、アルテミスの
口から凄まじい絶叫が迸った。

次の瞬間、アルテミスのアナルは火山の噴火口のように盛り上がり、操縦
桿を咥えこんだまま、その隙間から多量の下痢便を吐き出した。ブビビビ
という、女性なら死んでも他人に聞かれたくない恥ずかしい音が、アルテ
ミスの悲鳴と混じりあう。

モクバ3号の胴体を伝って、不浄の固体と液体が床にボタボタとこぼれ落
ちる。あたり一面に異様な臭気が漂ってきた。それと同時に、妊婦のよう
に膨らんだアルテミスの下腹部は、みるみる小さくなっていった。

「ひ、ひくぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

やがて腸にたまった下痢便の大半を放出すると、突然アルテミスは全身を
小刻みに痙攣させた。女陰とアナルを襲う苦痛に、排便の開放感と羞恥心
が加わり、絶頂に達したのだ。痙攣する間、アルテミスは血で赤く染まっ
た潮を噴きつづけた。

1分以上痙攣と潮噴きを続けて、アルテミスは再び失神した。モデルのよ
うに長い美脚は完全に弛緩し、モグラ3号の両脇にダラリとぶら下がって
いた。仮面に隠れて見えないが、整った顔は涙と鼻水まみれで、両目は反
転し、口からは泡が溢れ出ていた。それでもアルテミスの表情は、どこと
なく安らかだった。

結局アルテミスは最後まで我慢できなかった。実験終了まで、残り3分だ
った。

34BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/07(木) 18:17:06
Artemis00313
「女陰とアナルを針で擦られるモクバ3号の操縦は、マゾヒストでなくて
は務まらん」
アルテミスの痴態を見ながら、メビウス博士は呟いた。
「だから実験にはアルテミス君が適任だと思ったんだが……。まさかその
苦痛で、逆に果ててしまうとは……」

「はぁ、はぁ、はぁ……、1時間、私はもたな……かったのです……ね」

アルテミスが弱々しい声を出した。さすが元白兵戦コマンドの猛者だけあ
って意識はほぼ回復していたが、絶頂の余韻からはまだ醒めないでいるら
しい。

「お役に立……てなくて、申し訳……ありま……せん。博士」

「気にするな。私も十分に目の保養をさせて……じゃなくて、興味深い実
験データをとる事ができた」

「で、でも、戦略コンピューターの提示した1時間をクリアしなければ、
モクバ3号の採用は……」

今ではすっかり身も心もマゾになってしまったアルテミスは、本心からメ
ビウス博士に申し訳なく思い、目に涙を浮かべていた。

「大丈夫だ。早い話が便意さえなければ良いのだ。今回はできるだけ悪条
件で実験をするために下剤や浣腸の処置をしたが、実際の戦闘でわざわざ
そんな真似するような物好きはおらんよ。」

「……」
「いや、一人いるか……」

メビウス博士は、自分をじぃっと見つめるアルテミスの視線に気付いて、
訂正した。

35BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/07(木) 18:19:07
Artemis00314
「実戦でモクバ3号が使われることがあったら、パイロットには下痢止め
を飲ませよう。それで大丈夫だ。うむ、これで2つめの実験も成功だ」

「げ、下痢止め……ですか?」

(そんなので大丈夫なのかしら……)

さっきまで自責の重みにさいなまれていたアルテミスは、メビウス博士の
科学者とは思えないアバウトな性格を知り、今度はネオガイア軍の将来に
一抹の不安をおぼえていた。

「アルテミス君、とりあえず一度モクバ3号から降りて、身体を洗ってき
たまえ。臭くてかなわん」
「はい」

アルテミスはステップに乗せた足を踏んばり、少し腰をあげた。赤い粘液
の尾をひきながら、2本の操縦桿が女陰とアナルから引き抜かれていく。
それさえも快感なのか、アルテミスの口から悩ましい吐息がもれた。

操縦桿が完全に抜かれると、支えを失ったアルテミスの身体は、下痢便が
たまった床に落ちてしまった。足には力が入らなかった。

アルテミスは、自分が垂れ流した汚物にまみれながら、しばらく横たわっ
ていた。そしてヨロヨロと立ち上がると、おぼつかない足取りでシャワー
室に歩いていった。

『モクバ3号 中編』おしまい

36BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 00:54:31
Artemis00315
『モクバ3号 後編』
 30分ほどしてシャワー室から戻ってきたアルテミスの身体は、全身の汚
れが落とされ、これまでの実験で受けた傷もすでに完治していた。それは、
メビウス博士も思わず見とれてしまうほど美しかった。

そのままアルテミスを押し倒してしまいたい気持ちを抑えるのに、メビウ
ス博士はかなりの努力を要した。

「さて、次が一番大事な実験だ」
「はい」

「これからモクバ3号に乗って、模擬戦闘を行なってもらう。相手はこの
刑務所の囚人どもだ。いずれも格闘技の経験者で、それにふさわしい武器
を携帯している」
「はい。私も白兵戦コマンドの出身です。素人の方が相手では、模擬戦闘
にすらなりませんわ」

「あと一つ、全員サド化薬を投与されている。かなり凶暴だぞ」
「サド化薬ですか……」

サド化薬というのはネオガイア軍が開発した、人間をサディストに変えて
しまう薬品である。どんなに気の優しい人間も、サド化薬を打たれたら、
一瞬にして凶暴な性格の持ち主に変貌してしまうのだ。

アルテミスは以前、サド化薬を投与された原田真理子という地球人の奴隷
になったことがあった。アルテミスは真理子のことが大好きだった。

逆に人間をマゾヒストに変えるマゾ化薬というものもある。もっともマゾ
化薬は効力が強すぎて、最初の被験者はサディストが大半を占めるネオガ
イア星人ですら手に負えず、最後は地上に廃棄されたという。その被験者
の後の消息は不明だが、もしかしたら今でもご主人様を求めて地上のどこ
かを彷徨っているのかもしれない。

「では準備をしたまえ」
「はい。博士」

モクバ3号に向かおうとしたアルテミスは急に立ち止まり、メビウス博士
にふり返って妖艶な笑みを浮かべた。

「あの、メビウス博士。私の相手にサド化薬を打ってくださってありがと
うございます」

メビウス博士は苦笑いを浮かべるしかなかった。

37BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 00:57:27
Artemis00316
 アルテミスはモクバ3号に跨った。ステップに両足を乗せ中腰になる。
背中にメビウス博士の好色な視線を感じたアルテミスは、口元に笑みを浮
かべると、わざと前かがみになり豊かな腰を後ろに突きだした。これでメ
ビウス博士からは、女陰も肛門も丸見えのはずだ。

鈍い金属の光沢を放つ操縦桿の先端が、女陰とアナルに触れた。操縦桿の
表面をびっしりと覆う針が、室内灯を反射しているのだ。

女陰はすでに濡れていた。まるで、これから自分を襲う苦痛を想像して、
泣いているようだ。白濁した粘液の嬉し涙。

アルテミスは、最初の実験のように一気に腰を落として女陰を串刺しにし
ようと考えたが、寸前で思いとどまった。せっかく女陰とアナルの傷が回
復したのだ。処女膜も再生しているに違いない。今回は一気に貫くのはや
めて、柔らかい粘膜を削りながら侵入してくる異物の感触をゆっくりと味
わうのも悪くない気がした。

「挿入を開始します」

少し鼻にかかったような声でそう告げると、アルテミスはゆっくりと腰を
下ろし始めた。針で覆われた2本の操縦桿が、女陰とアナルの入口を押し
広げていく。

女陰に侵入した操縦桿の先端が処女膜に当たった。一瞬アルテミスは動き
を止める。口元に淫蕩な笑みが浮かべ、赤い舌で唇を濡らす。そして息を
深く吸い込むと、まるで破瓜の痛みを確認するかのように、ゆっくりと腰
を沈めていった。

「はぁあああ。痛い。でも、気持ちいいわ」

苦痛がたちまち快感に脳内変換されて、アルテミスは切なげな喘ぎ声をも
らしはじめた。今すぐにでも腰を激しく上下させて、腟と直腸をズタズタ
に引き裂いてしまいたかった。

凶暴な欲望を必死に抑えて、アルテミスは完全に腰をおろした。2本の操
縦桿は根本まで女陰とアナルに飲みこまれた。アルテミスが少し腰を動か
すと、血の混じった淫液がドロリと流れ出てきた。

38BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 00:59:28
Artemis00317
 サド化薬を打たれた囚人は全部で4人いた。いかつい顔の中年男が1人。
寄り添うようにして立つ2人組の若い男。この2人は顔がそっくりだった。
残る1人は、気の強そうな顔立ちをした東洋人の女だった。

全員が凶暴なオーラのようなものを発していた。中年男と2人組は、お互
い威嚇するように睨みあっていた。しかし相手も自分と同じサディストだ
と本能的に気付いているのか、実際に手を出すことはなかった。東洋人の
女は、男たちを無視して、ボソボソ独り言をつぶやいていた。

そこへモーター音と金属的な足音をさせて、アルテミスを乗せたモクバ3
号が現れた。モクバ3号は、4人の真正面で停止した。

全裸のアルテミスを見あげる2人組の男。遠慮のない視線が豊かな乳房に
注がれる。よく似た2つの顔に、同時に下卑た笑いが浮かぶ。2人は笑っ
た顔もそっくりだった。

中年男は表情こそ変えなかったが、やはり全裸の女体が気になるのか、横
目でアルテミスの裸身を見ていた。

「囚人諸君、今日は私の実験に協力ありがとう。その女性が、今回のキミ
達の相手だ。囚人ナンバー999号、通称は鉄仮面という」

スピーカーからメビウス博士の声が流れた。博士は別室でモニター越しに
実験を観察しているのだ。

「キミ達も噂で聞いた事があると思うが、彼女は重度の真性マゾだ。彼女
は自ら志願して、今回の実験に参加している。むろんサディストのキミ達
に拷問される危険性は承知の上だ」

4人から滲み出るオーラは、さらに凶暴性を増した。

39BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:01:43
Artemis00318
「今日はこのマゾ女を好きにしてかまわない。殺してもいいぞ。ただし、
彼女も無抵抗というわけではない。彼女の身体を好きにしたければ、力で
ねじ伏せなくてはならん」

メビウス博士はサディストたちを巧妙にあおり立てた。

「ちなみに彼女は白兵戦のプロだ。本物の実戦格闘技を身につけている。
キミ達がやっているようなスポーツ格闘技とは違うぞ。せいぜい返り討ち
にあわないように気をつけたまえ」

「なんやとぉ? こらぁ!」
「出てこいや! 宇宙まで吹っ飛ばしたるわ」
メビウス博士の挑発に、2人組が口々にわめき始める。

(ふふふ、単純なやつらだ)
ヒステリー状態の2人組を無視して、メビウス博士は、アルテミスの仮面
に事前に取り付けておいた通信機のスイッチをONにした。

「アルテミス君。見ての通り、相手は極めて凶暴だ。しかもキミには武器
は与えられない。モクバ3号の利点を活かし、自由な両手を使って敵と戦
わなくてはならない。覚悟はいいかね?」
「はい、博士」

アルテミスは、操縦桿に貫かれた下半身から湧き上がる快感をぐっと抑え
て、意識を戦闘モードに切り替えた。元ネオガイア軍の白兵戦コマンド隊
長として、地球人ごときに負けるわけにはいかないのだ。

アルテミスは白兵戦コマンドの冷静な目で、敵を観察し始めた。3人の男
達は拳に鋼鉄製のナックル――メリケンサック――を装着していた。

メリケンサックとは、鋼鉄製の指輪を4個つなげたような形をした武器で
ある。これを拳に装着して殴れば、通常のパンチ以上のダメージを相手に
与える。

(メビウス博士は、全員が格闘技の経験者で、それにふさわしい武器を携
帯していると話していたわね。つまりこの3人は打撃系の格闘技を使うっ
てことね)

次に東洋人の女に目を移したが、武器は確認できなかった。

40BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:03:26
Artemis00319
「さぁ囚人諸君、戦いを始めたまえ。1人ずつ戦うも、複数で戦うも、キ
ミ達の自由にしてかまわん」
メビウス博士の声が実験の開始を告げた。

すっと中年男が前に出た。
「私1人で十分だ。世界最強の実戦空手を見せてやろう」

男の名は犬山培達。さざなみ刑務所の囚人になる前は、小さな空手道場を
経営していた。道場経営だけではなく、自伝の同人コミックを自費出版し
ている、なかなか商売熱心な武道家であった。

犬山は両手を顔の前に構えた。どうやら1人で戦う気らしい。

「コルァ、オッサン。お前ナニ勝手にしゃしゃり出てるねん。年寄りは引
っ込んどれ!」
それを見た2人組の1人が、口汚く犬山に噛みついた。

「年功序列だ。お前たちは私の実戦空手を見物していろ」
犬山も負けてはいない。

「め、めんこ序列? めんこ序列ってなんや?」
「え? あ、あぁ……、そうやな。このオッサンはタダの前座っちゅう意
味や。俺らの試合がメインディッシュってことや」
「そういう意味か。さすが頭エエなぁ」
「当たり前や」
「おいオッサン、まぁせいぜい前座試合がんばれや」
2人組は勝手に納得しておとなしくなった。

ちなみに2人組が本当に言いたかったのはメインディッシュではなく、メ
インイベントである。

41BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:05:13
Artemis00320
犬山は両手を構えたまま、モクバ3号との間合いをじりじりとつめていく。
滑らかなすり足で運ばれる犬山の身体は、まるで小川を流れる木の葉のよ
うだった。かなりの達人に違いない。

モクバ3号の1メートル手前で犬山は歩を止めて、アルテミスを見上げた。
モクバ3号はサラブレットよりも更に一回り大きい。犬山は大柄な体格の
持ち主だったが、それでもアルテミスの顔面やボディにはリーチが足りな
かった。

「うぉりゃあああ! 一撃! 一撃! 一撃必殺!」
犬山は見事な気合いとともに、正拳突きをモクバ3号の脚に打ち込んだ。
犬山の狙いは、モクバ3号の脚を折ってアルテミスを落馬させることだっ
た。鋼鉄のナックルがモクバ3号の装甲板に当たるたびに、火花が飛びち
り、金属がぶつかり合う音が鳴りひびいた。

しかしモクバ3号の脚は、一撃必殺の正拳突きを何発もくらったにも関わ
らず、かすり傷ひとつ付かなかった。

正拳突きでは効果なしと判断した犬山は、「せやぁああああ!」と怪鳥のよ
うな気合いを発すると、なんとモクバ3号の脚にローキックを浴びせた。

骨の砕けるいやな音を響かせて、足はあっさりと折れてしまった。もちろ
ん折れたのは、モクバ3号ではなく犬山の足である。

「ひぇえええ〜。俺の足がぁあああ」
折れた片足を抱えて泣き叫ぶ犬山。

「少し期待したんだけど……。全然ダメだわ、アナタ」
アルテミスは前かがみになり姿勢を低くすると、犬山の顔面を裏拳でコツ
ンと打った。

たった1発で犬山は脳振盪を起こし失神した。まさに一撃必殺だった。

「が……、顔面攻撃は反則だよぉ……」
失神の直前に犬山が呟いた言葉の意味は不明である。

42BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:08:10
Artemis00321
2人組の若い男は兄弟だった。兄が亀山興助、弟が大助という。兄弟の
夢は、ボクシングの世界チャンプになることだった。父が集めてきたボク
シングマンガやアニメを教科書に、幼いころから毎日、厳しいトレーニン
グに励んでいた。

「兄ちゃん、見てくれや。あのオッサン鼻血ふいてダウンしよったわ」
「ほんまやな。まぁアイツはただの前座や。俺らがメインディッシュや」
「そうやな。めんこ序列ってやつや」
「そうや、めんこ序列や」
「それより兄ちゃん、あの裸の女むちゃエエ身体してるわ」
「ホンマやで、たまらんわ。こいつ好きにしてエエらしいわ」

もとから知性を微塵も感じさせない顔が、ドロドロとしたどす黒い性欲を
湛えて(たたえて)、正視に耐えないほど醜く歪んでいた。

「あぁ、もうガマンできへんわ。やってエエやろ? 兄ちゃん」
「待たんかい、ボケ! この試合のギャラはどうなってんねん! なんで
TV局がおらんのじゃ! ほう……ほうナンタラはどうなってるねん!」
亀山兄は、放映権という単語を知らなかった。

「エエやん。世界とったらナンボでも金儲けできるんや。オレ行くわ!」
若い亀山弟は、兄の制止を振りきって飛び出した。

亀山弟はモクバ3号の2メートル手前で立ち止まると、両腕で顔面をガー
ドし、前かがみになる。フットワークはほとんど使わない。父がボクシン
グマンガで見つけた、最強のファイティングポーズだ。

その構えから、亀山弟はシュッシュッと息を吐きながら、鋭いパンチを繰
り出した。鋼鉄のナックルがモクバ3号の脚に当たって、カンカンと金属
性の打撃音を発する。

ジャブ、ジャブ、ストレート、ジャブ、ジャブ、ストレート。

「大助、エエぞ! 手数かせげ! このラウンドはもらったでぇ!」
亀山兄も興奮状態だった。

しかしモクバ3号の頑強な装甲には、かすり傷ひとつ付かなかった。犬山
の戦いから何も学んでいない兄弟だった。

43BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:10:26
Artemis00322
ただでさえ長身のアルテミスがモクバ3号の上から見下ろすと、亀山弟が
本物の亀に見えた。モクバ3号の脚を必死に叩いている姿は、なんとも滑
稽で、また哀れだった。

「モクバ3号のボディは装甲車並みに頑丈よ? あなた格闘家でしょ? 
やめておきなさい。大事な手首を傷めるわよ?」
「やかましいわ! ボケ!」

アルテミスは親切で言ったのだが、亀山弟の耳にはそうは聞こえなかった
らしい。さらにムキになってモクバ3号の脚を必死に殴り続けた。

「メビウス博士、全く私にパンチが届いていません。これでは実験になり
ませんわ。何か指示をください」
「ううむ、なんという学習能力のない兄弟だ。仕方がない。パンチが届く
ように、機体を低くしてやれ」

アルテミスが操縦桿を操ると、モクバ3号は脚を屈曲させて『ふせ』の姿
勢になった。これなら亀山弟のパンチもアルテミスに届くだろう。

「やったでぇ! ダウンしよったわ」
脚を屈曲させたモクバ3号を見て、亀山弟は歓声をあげた。

「よっしゃ! タマ打て! タマや!」
後ろから亀山兄が喚く。
「コイツ女だからタマなんかあらへんわぁ、兄ちゃん!」

「目に指入れたれ! 目や!」
再び亀山兄が吠える。
「コイツお面被ってるから、指なんか入らへんわぁ、兄ちゃん!」

亀山弟は兄の指示を聞いて、オロオロし始めた。

「もういいんじゃ! 俺がチャンピョンなるんじゃあ!」
そう叫ぶと、なんと亀山弟は、アルテミスではなくモクバ3号の脚にしが
みついた。そしてそのまま両足を踏んばり、モクバ3号を投げ飛ばそうと
した。

しかしモクバ3号の重量は1トン以上ある。グキッという不気味な音をた
てて、亀山弟の背骨は折れてしまった。

「せ……、切腹なんかできへんわぁ……」
意味不明の言葉を残し、亀山弟はダウンした。

44BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:13:12
Artemis00323
弟の倒れる姿を目撃した亀山兄は、牡牛のような雄叫びをあげながら、
モクバ3号に突撃した。しかしモクバ3号の手前まで来ると、ピタリと足
を止めて、弟と同じファイティングポーズをとった。モクバ3号はふせの
姿勢のままだ。これなら亀山兄のパンチはアルテミスに届く。亀山兄はじ
りじりと間合いをつめた。

アルテミスまで距離1メートル。亀山兄は渾身の力を込めてアルテミスの
顔面にストレートパンチを放った。鋼鉄製のナックルと鉄仮面がぶつかり、
金属性の甲高い音が鳴り響く。

グラマラスな全裸の女性の顔面を殴った行為に、サド化薬を投与された亀
山兄は、我を忘れるほど興奮した。
「殴ったるで。ボコボコじゃ。女ボコボコにしたる。ヒヒヒ」
ボクシングの世界タイトルなんかどうでも良かった。今は目の前の女をサ
ンドバックにして……。

「に、兄ちゃん……助けてぇな……」
その時、足元で亀山弟の弱々しい声が聞こえた。

「じゃかましいんじゃ! クソボケ!」
興奮状態の亀山兄は、弟の身体に蹴りを入れた。
「お前にはこの女は渡さんからな。試合のギャラも俺のもんじゃ! お前
はそのまま死んでまえ!」

「うぎゃ、うぎゃ! やめてくれ兄ちゃん。痛い痛い痛いってぇ」
仲の良かったはずの兄に全身を蹴られて、亀山弟は泣き叫んだ。しかし背
骨が折れているので、逃げる事もできなかった。

「やめなさい、アナタたち兄弟でしょ?」
さすがに見かねたアルテミスが制止した。

「やかましいんじゃ! おめこ女! おめんこ序列じゃ!」
父親以外から叱られた事のない亀山兄は、アルテミスの言葉に逆上した。
弟を蹴るのをやめて、アルテミスに右ストレートを放った。

アルテミスは襲いかかるパンチを左腕で楽々とガードし、右の掌底で亀山
兄の鼻を下から突き上げた。

たった1発で亀山兄の鼻はへし折れた。噴水のように鼻血をまき散らしな
がら、亀山兄はその場に崩れ落ちた。

「ぎ……、疑惑の判定や……」
そして意味不明の言葉を残し、そのまま息絶えた。

45BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:14:32
Artemis00324
「ふふふ。サド化薬を投与された格闘家も、モクバ3号にかかれば所詮こ
んなものだ。この調子でいけば、この実験も成功だな」
これまでの戦闘をモニター越しに見ていたメビウス博士は、この結果にか
なり上機嫌だった。
「アルテミス君、キミの協力には大変感謝しているよ」

「は、はい……」
アルテミスは少し戸惑い気味に返事をした。どちらかというと犬山と亀山
は勝手に自滅したようなもので、戦闘の結果はモクバ3号の性能と関係な
いのだが……。もちろんアルテミスは、その疑問を口に出すことはしない。

「これで残りは1人だ。この相手も格闘家で武器を携帯している。油断す
るな」
「はい、博士。おまかせ下さい」

アルテミスはモクバ3号を操り、最後の1人と向かい合った。今度の相手
は、サド化薬を打たれて真性サディストと化した東洋人の女だ。

46BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:16:38
Artemis00325
格闘技においては、体格の優劣は勝敗に大きく影響する。アルテミスは
注意深く女の身体を観察した。

女の体格は、一般的な東洋人の女性と比べて、身長は平均的だが、骨格は
がっしりとしていた。白兵戦コマンド部隊を除隊して久しいアルテミスと
比べても、身長こそ頭一つぶん低いが、横幅はかなり上回っている。決し
て美人とは言えないが、つり上がった細い目と小さな黒目、エラの張った
顔が、気性の激しさを感じさせた。これは手強いかも知れない。

地球の東洋人は感情表現が乏しいと、アルテミスは聞かされていた。この
女も例外ではなく、無表情な顔からは心理を読み取ることはできなかった。
サド化薬によって間違いなく真性サディストと化しているはずだが、シン
ディや原田真理子とは違うタイプのサディストなのかもしれない。

アルテミスと視線が合うと、無表情だった女の顔に変化が生じた。キツネ
のような目はさらに細くなり、口元には上品とも不気味ともとれる笑みが
浮かんだ。

女は笑みを浮かべたまま、アルテミスに近づいてきた。

「すごいわ、あなた。女の身で、男の格闘家を3人も倒すなんて。同性と
して尊敬するわ」

「ありがとう。でもアナタとも戦わなくてはいけません」

「もちろん分かってるわ。お互い正々堂々、全力で戦いましょう。でもそ
の前に握手をしてくださらない? 私はヨン・ソバ。よろしくね」
そう言うと、ヨンは片手を差し出した。

「こちらこそよろしく」

現役の白兵戦コマンド時代のアルテミスなら、ヨンの握手には応じようと
はしなかっただろう。しかしマゾ奴隷生活の長い今のアルテミスは、戦士
としての勘と慎重さを失っていた。

差し出されたヨンの手に、条件反射的に自分の手を重ねるアルテミス。そ
の手を、ヨンの指が握手以上の力で固く握り締めた。

47BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:24:17
Artemis00326
風を切るような音と、閃光がきらめいた。赤い飛沫をあげながら、宙に白
い棒が舞った。棒は地面に転がった。見るとそれは人の腕の形をしていた。

「ぎゃあああああああああ!」
失われた右肘の付け根から噴水のように血を噴き出しながら、アルテミス
は絶叫した。左手で傷口を押さえると、指の間から一定のリズムで血がほ
とばしる。アルテミスの鼓動のリズム。

ヨンの片手には剣が握られていた。アルテミスから見えないように、背中
に隠し持っていたのだ。足元に転がる、かつてアルテミスの肉体の一部だ
った物を足で踏みにじりながら、ヨンは楽しそうにケラケラ笑った。

「ギャハハハ。バカかお前。敵と握手なんかするんじゃねぇよ!」

「ぐぅぅぅ……。わ、私の右腕が……」

「へぇ〜、腕を切り落とされても喋ることできるのか。面白いじゃねぇか。
これならたっぷりと悲鳴を聞けそうだよ」
さっきまでの無表情からは想像もできないほど、ヨンの顔は醜く歪んでい
た。真性サディストというよりも、狂人に近いかった。

「どう? 痛い? もしかしてマゾだから気持ちいいか?」
「はぁはぁはぁ。き、気持ちいいわ。貧血で少し頭が変な感じだけど」

真性マゾのアルテミスにとっては、腕を切り落とされることさえ快感なの
だ。これが模擬戦闘実験でなかったら、残る1本の腕も差し出しているだ
ろう。

「呆れたね。ホントにマゾなんだ。仮面を被ったマゾのメス犬さんだね。
ねぇ知ってる? 私の国では犬の肉を食べるんだよ。だからメス犬のお前
の肉も食ってやるよ」

そう言うと、ヨンはアルテミスの右腕を拾いあげ、なんとそれに噛りつい
た。人間の歯と顎の力で新鮮な皮膚を噛み破るのは容易なことではないの
だが、驚いたことにヨンはアルテミスの右腕の一部を噛み千切ってしまっ
た。

目に狂気の色を湛え(たたえ)ながら、ヨンはクチャクチャとアルテミス
の肉を咀嚼し、飲み込んだ。

48BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:26:27
Artemis00327
カニバリズム。人間が人間の肉を食べる行為をいう。宗教儀礼の一つとし
て行われることもあるが、異常性欲が行為の理由となることもある。異常
性欲によるカニバリズムの多くは、サディズムの延長上にある。

「色んな奴の肉を食べてきたけど、やっぱり白人女の肉は美味しいねぇ。
特にお前の肉は絶品だよ」

「はぁはぁ……、た、食べてきた? サド化薬を投与される前から?」

「そうさ。私はね、もとからサディストなんだよ。それも人間の肉を食う
のが大好きなのさ」
口の周りについたアルテミスの血を舌で舐めとると、ヨンはクチャクチャ
とそれを咀嚼し始めた。
「まぁ、あの薬、サド化薬だっけ? あれを打たれてからは、私のサド性
が強くなったような気もするけどさ」

アルテミスは貧血で今にも倒れそうになるのを必死にこらえながら、ヨン
の話を聞いていた。もしかすると、早く自分の肉を食べてもらいたがって
いるのかも知れない。

「毎日毎日、あの女看守に拷問されてるてめぇの悲鳴を聞かされてさぁ。
ずぅっと欲求不満だったのさ」

さざなみ刑務所では、囚人たちに恐怖を与えるために、アルテミスの悲鳴
を館内放送しているのだ。

「そうそう、知ってるかい? 犬の肉はね、できるだけ恐怖を与えた方が
美味しくなるんだよ。だから犬はこうやって棒で殴り殺すんだよ」
そう言うと、ヨンはモクバ3号に飛び乗り、手にしたアルテミスの切断さ
れた右腕で、腕の持ち主の身体を殴り始めた。

鞭や棍棒で殴られるのと違って痛みはたいした事なかったが、切断された
自分の腕で殴られる異常な体験に、アルテミスは興奮した。モクバ3号の
背中を、アルテミスの淫液が流れ落ちてきた。

49BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:28:23
Artemis00328
(あぁ、気持ちいいわ。この貧血の感覚もたまらないわ……)

「痛いか! マゾ犬!」
興奮したヨンは、アルテミスの右腕を投げ捨てて、今度はアルテミスの身
体を無茶苦茶に蹴りはじめた。
「ぎゃははは、どうだ! 私のテコンドー蹴りの味は!」

鉄仮面を蹴ると足を痛めると判断したヨンは、アルテミスの首から下をボ
カボカと蹴り続ける。そのたびにアルテミスの身体は振り子のように揺れ
て、右腕の傷口から血が飛び散った。

「あぐ、あぐぅ……き、気持ちいいわ。も、もっと本気で蹴って!」

ヨンの蹴りは、見た目はカンフー映画のように華麗だが、軸足の踵(かか
と)を浮かせているため、威力はさほど強くなかった。白兵戦コマンド時
代に何度となく生死をかけた戦いを経験し、さざなみ刑務所の囚人となっ
てからは毎日のようにシンディの虐待を受けてきたアルテミスにとって、
ヨンのテコンドー蹴りは少し物足りなかった。

すでに本気で蹴っていたヨンは自尊心を傷つけられ、顔を真っ赤にさせて
逆上した。興奮で鼻の穴が広がり、口からは唾液の飛沫が噴き出した。

「ふ、ふ、ふざけるんじゃねぇ! 殺してやる! 殺してやる!」

ヨンは手にした剣を高々と上げると、そのまま力いっぱい振り下ろした。

また1本、白い棒が宙に舞った。

50BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:30:24
Artemis00329
アルテミスの左腕の付け根から血が噴き出した。絶叫が周囲の空気をビリ
ビリと震わせる。アルテミスは両腕を失ってしまった。

「殺してやる。殺してやる。嬲り殺しにしてやる。私を馬鹿にした奴は皆
殺しだ。食ってやる。内臓を引きずり出して食ってやるよ。ヒヒヒ」

ヨンはアルテミスと向かい合う形でモクバ3号の背中に跨った。そして両
腕を失って反撃のできないアルテミスに、平手打ちやパンチを手当たり次
第に浴びせては、口汚く罵り、唾を何度も吐きかけた。

アルテミスの両腕は、再生にはまだ時間がかかるが、出血はすでに止まっ
ていた。見ると、切断面は薄皮に覆われている。貧血もかなりひどかった
が、意識は保たれていた。もしかしたら不死身の体質は、造血能力も高め
るのかも知れない。全身に受けた打撲の痣は、見るみる治っていった。

自慢のテコンドー蹴りでできた痣が消えていく光景を見たヨンは、ますま
す逆上して、両手でアルテミスの首を絞めた。

「てめぇ! また私を馬鹿にするのか!」
「う……、あぐぐ。な、なんの事かわから……ない、わ」
「私のテコンドーが弱いって思ってんだろぉ!」
「ぐぐ……、あ、あなたは……サディストとしては凄いわ。でも、さっき
のキック……、た、たいしたこと、なかったわ……」

「キィィィィィィィィィ!」
アルテミスの言葉を聞いたヨンは怒り狂って、怪鳥のような絶叫をあげる
と、アルテミスの顔面、すなわち鉄仮面を素手で力いっぱい殴った。

「うげぇっ! い、痛いだろ! このクソ馬鹿女! ○△×△×◎!」
素手で鉄の仮面を殴ったら、拳の方が痛いのは当たり前である。ヨンは自
分で殴っておきながら、アルテミスを罵倒した。あまりの興奮状態のため、
後半は何を言っているのか分からなかった。

サディストにサド化薬を投与した副作用か、それとも元からの性格なのか
は不明だが、ヨンという女は異常にプライドが高く怒りっぽかった。

51BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:33:28
Artemis00330
全身を血と唾液で汚され、両腕を失ったアルテミスの肉体は、ヨンです
ら一瞬見とれてしまうほど美しかった。仮面を被ったミロのビーナス像。

明らかに自分よりも美しい女性を前にして、ヨンの心の中に芽生えた感情
が、羨望から嫉妬、そして怒りに変化するのに数秒とかからなかった。

「このクソ女、むかつくんだよ! 整形して男の目を惹こうとしやがっ
て! この胸だって豊胸したニセモノに決まってるよ」

狂ったようにわめきちらすヨン。世界中の美女は例外なく美容整形を受け
て男に媚を売っている、というのがヨンの持論だった。もちろんアルテミ
スは美容整形など全く受けていないのだが……。

ヨンは剣先をアルテミスの胸のふくらみに当てると、一気に突き刺した。
アルテミスの身体がビクンと痙攣する。

「今から胸につめたシリコンを引きずり出してやるからな!」
そう言うとヨンは、アルテミスの胸に作った傷に指を突っ込んだ。そして
グリグリとかき回して、中身を穿り(ほじくり)出した。

「ふぎゃあああああああああ! む、胸がぁ!」
アルテミスの口から悲鳴がほとばしった。

ヨンの指が血にまみれた脂肪をかき出した。当然シリコンなどどこにもな
かった。

「な、なんでシリコンがないんだよ! そ、そうか! 腹の脂肪を入れて
豊胸しやがったのか! なら脂肪を全部引きずり出してやるよ!」

そして再び、アルテミスの豊満な乳房の中に指を突っ込んだ。
「ぎゃああああああ!」
再びアルテミスの悲鳴がひびき渡る。

カニバリズム趣味をもつヨンは、何度も何度もアルテミスの乳房に指を突
っ込んでは脂肪と乳腺をかき出した。そして、それを口に放り込むと、味
わうようにクチャクチャと音をさせながら咀嚼して、少しずつ飲み込んだ。
最初につけた傷口から食材がとれなくなると、新しい切開をくわえて、食
事を再開した。

ヨンの指に乳房を侵されるたびに、アルテミスは悲鳴をあげ続けた。

52BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:36:13
Artemis00331
 30分ほどしてヨンが満腹になる頃には、哀れなアルテミスの乳房は原形
をとどめていなかった。血まみれで、空気の抜けたゴム毬(まり)のよう
になっていた。先端の乳首が見るからに痛々しかった。

貧血も手伝って、アルテミスは息も絶えだえの状態だった。しかし女陰か
らは淫液が湧き水のようにあふれ出していた。自分の肉体、しかも最も女
性的な部分である乳房を他人に食われる体験は、アルテミスのマゾ性を刺
激するには十分だった。

これが模擬戦闘実験でなかったら、今すぐにでもヨンの足元に跪き、足の
裏にキスをしたに違いない。しかし元白兵戦コマンドとしての意識が、な
んとかアルテミスを踏みとどまらせていた。

「ぎゃははは。自慢の整形巨乳も台無しだよ。さて、もう一方の巨乳はど
うしようかねぇ……」
ヨンは楽しそうに、アルテミスの無事な方の乳房を弄りまわした。
「両方よりも片方だけ貧乳になる方が惨めだよね。だからこっちの整形巨
乳の脂肪吸引は許してやるよ」

「そのかわり、こっちの胸は乳首を取ってやるよ」
ヨンは血まみれの口を大きく開けると、アルテミスの乳房に噛みついた。
そして犬のような唸り声をあげながら、アルテミスの乳首を乳輪ごと噛み
千切った。

「きゃあああ! ち、乳首が、私の乳首が……」
敏感な乳首を襲った激痛に、アルテミスの口から悲鳴があがったが、そこ
には快感を訴える響きが含まれていた。

「ひひひ。胸の一つは貧乳で、もう一つは乳首がなくなっちゃったよ。ざ
まぁ見ろ、このマゾの整形女! これからバラバラにして殺してやる!」

「はぁ、はぁ……。す、好きにすればいいわ。で、でも、私は整形、なん
かしていないし……、たぶん、バラバラになっても、し、死なないわよ」

「きぃぃぃ! う、うるさいうるさいうるさい! こ、殺してやる!」

逆上したヨンは、狂ったようにアルテミスを殴り始めた。とくに傷ついた
両胸を執拗に狙った。ヨンの拳が当たるたびに、アルテミスの胸は傷口か
ら血を噴き出した。

ただでさえ興奮で紅潮したヨンの顔は、アルテミスの返り血をあびて、ト
マトのように真っ赤に染まった。それに加えて、血走った両目、むき出し
の前歯、大きく広がった鼻孔。まるで赤鬼のような形相だった。

(あぁ、き、気持ちいいわ。このまま食い殺されたら幸せなのに……。で
も負けるわけにはいかないわ……)
被虐の快感で今にも気を失いそうになりながら、アルテミスはわずかな勝
機を待った。

53BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/21(木) 01:38:17
Artemis00332
アルテミスの胸から流れ出した血は腹部をつたって、下へこぼれ落ちてい
った。

「あ、も、もったいない」
ヨンはアルテミスの乳房から滴り落ちる血にしゃぶりついた。そして、少
しずつ下腹部のほうへピチャピチャと音をたてながら舌を這わせて、血を
すすった。

アルテミスの形の良い臍(へそ)に溜まった血を口に含むと、ヨンはのど
を鳴らしながら胃へ流し込んだ。飲み終えると、ヨンの顔がさらに下に移
動した。

アルテミスはこの時を待っていた。ヨンの顔が下腹部のあたりに来たとき、
アルテミスはモクバ3号のステップから右足をはずして、ヨンのこめかみ
に渾身の膝蹴りを叩き込んだ。

アルテミスの両腕を切り落として、ヨンは完全に油断していた。顔面に強
烈な打撃を受けて軽い脳振盪を起こしたヨンの手から、剣をこぼれ落ちた。

アルテミスはモクバ3号のステップから残る左足も浮かせると、ヨンの首
を太股で挟んだ。そして渾身の力を込めて締めつけた。

両足の支えを失ったために、アルテミスの全体重は操縦桿で貫かれた女陰
とアナルにかかる。拘束から首をはずそうとヨンがもがくたびに、アルテ
ミスは女陰とアナルを襲う強烈な刺激に耐えなくてはいけなかった。

「ぐげぇぇぇ……。は、はなしやがれ!」

ヨンは拳でアルテミスの太股を必死に殴るが、首を挟まれた姿勢では、ほ
とんど威力はなかった。殴っても無駄だと悟ると、今度は首を必死に曲げ
て、手当たり次第にアルテミスの内腿に噛みついた。

内腿の肉を噛み千切られる苦痛と快感に、アルテミスは歯を食いしばって
耐えた。しかしヨンの前歯がクリトリスを噛み切ったときには、大きな絶
叫をあげた。それでもアルテミスは、太股の力を弱めはしなかった。

数分後、意識を失ったヨンの身体が、地面にドサッと落ちた。

そしてアルテミスも、勝利を確認すると、そのまま意識を失った。

『モクバ3号 後編』 おしまい

54BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/26(火) 18:12:53
Artemis00333
『格闘家たち その後1 〜 犬山と亀山弟』(注意.非エロです)
 モクバ3号の実験終了後、メビウス博士は、アルテミスの治療をさざな
み刑務所の医療班に命じた。本来は不死身のアルテミスには治療など不要
で、普段なら、どんな重傷を負っても独房に放り込まれて終わりである。
今回は例外中の例外で、実験結果に満足したメビウス博士が、アルテミス
の労をねぎらったのだ。

現在アルテミスは、腕と乳房の再生医療と輸血処置を受けている。ネオガ
イア文明の高度な医療技術は、またたく間にアルテミスの傷を回復させる
だろう。そして傷が完治したら、また拷問の毎日が始まるのだ。

メビウス博士はというと、自室に閉じこもり、実験データの解析を始めて
いた。しかしモクバ3号に跨って悶えるアルテミスの悩ましい姿が頭から
離れず、なかなか仕事に没頭することができなかった。

モクバ3号は一時的に武器格納庫に収納された。実戦配備されるかどうか
は、今回の実験データを分析してから決定されるだろう。針で覆われた操
縦桿に関しては、パイロットの肉体へのダメージが大きすぎるので、もし
かしたら採用は見送られるかも知れない。

犬山と亀山兄弟、それからヨン・ソバの身柄も、どこかへ運ばれていった。
亀山兄はアルテミスの掌底を受けて絶命したが、あとの3人は生きていた。
兄の死に加えて、亀山弟の背骨の損傷もはげしかったので、ボクシングの
世界チャンプになるという兄弟の夢がかなう事はないだろう。犬山とヨ
ン・ソバの傷は比較的軽傷で、適切な治療さえ受ければ現役復帰の見込み
は十分にあった。ただしそれは彼らがもと居た世界での話であって、ここ
さざなみ刑務所内で、囚人の身の彼らを待つ未来が幸福で満ちたものにな
るはずもなかった。

アルテミスが医療班のもとで治療を受けている間、ここで物語は少し脱
線する。しばし、犬山、亀山弟、そしてヨン・ソバの、その後の数奇で悲
惨な運命にスポットが当てられる。

55BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/26(火) 18:15:06
Artemis00334
さざなみ刑務所内の一室に、金属製のベッドに革のベルトで拘束された
犬山と亀山弟の姿があった。寝心地を一切無視した固いベッドと革の拘束
具を見ただけで、この部屋が病人を治療するための場所でないことは一目
瞭然だった。

ベッドの周囲を、白衣を着た数名の男たちが取り囲んでいた。ネオガイア
軍の科学者達だ。

「ここはどこだ! なぜ私を縛ってるんだ? 早くベルトを外してくれ」
「はよ治療せぇや! お前ら医者やろ! 何チンタラしとんねん!」
すでに意識を回復させていた犬山と亀山弟は口々に喚いた。

拘束ベルトをギシギシ鳴らして暴れる2人の地球人を冷ややかに見下ろし
ながら、白衣のナオガイア星人たちは好き勝手なことを話していた。

「うるさい地球人だ。サド化薬を投与されると、ここまで性格が荒っぽく
なるのか……。噂には聞いていたが、すごい効き目だな」
「いや、この2人は元格闘家だそうだ。薬の投与前から、気性は激しかっ
たらしいぞ」
「なるほど。それにしても、こっちの若い方からは知性の欠片も感じられ
ないな。サド化薬は知能を低下させるのか?」
「それについては分からない。ただこの男の知性レベルは、投与前からか
なり低かったらしい」
「たしかに顎のあたりの骨格は、ホモサピエンスのものとは思えないな」

「誰がホモじゃ! ボケ!」
亀山弟が吠える。

これには、ネオガイア星人たちも思わず失笑し肩をすくめた。

56BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/26(火) 18:16:55
Artemis00335
やがて、科学者のリーダーと思しき人物が、犬山と亀山弟に話しかけた。

「メビウス博士の実験が終了したので、用済みのお前たちは廃棄処分とな
る。だがその前に少しだけ我々の役に立ってもらおう」

「は、廃棄処分だと……。それはどういう事だ!」
「はいきしょぶん? どういう意味やねん!」
犬山は自分が廃棄処分になる理由を、亀山弟は『廃棄処分』という単語の
意味を知りたがった。

「早い話が、死ぬまで人体実験の材料となり、死体は焼却されるのだ」

「な、な、なんですとぉおおお!」
「そんなんイヤや! 助けてぇな。すんません。頼むから助けて下さい!」
犬山は骨折した足の痛みも忘れて、驚きの声をあげた。亀山弟も『焼却』
という単語の意味は分からなかったが、さすがに『人体実験』の意味は分
かったらしく、大声で泣きわめいた。

2人は必死にもがいたが、革のベルトは人間の筋力でどうこうできる代物
ではなかった。しかも犬山は足を、亀山弟は背骨を傷めている。2人は身
をよじることすらできなかった。

「ふふふ、格闘家のくせに情けないやつらだ」

「か、格闘家でも死ぬのは怖いのだ!」
「父ちゃん、兄ちゃん助けてくれぇ!」

「ふふふ、あきらめるんだな」
「お喋りは終わりだ。実験を始めよう。別の部屋で、残る1人、たしかヨ
ン・ソバといったかな。活きのいい実験材料が私の訪問を待っている」
「そういう事だ。はっきり言って、醜い男の身体を使った人体実験など、
私は早く終わらせたいのだ。やはり実験材料は女に限る」

白衣のネオガイア星人たちは、工具とも手術器具ともとれる、見るからに
恐ろしげな道具を準備し始めた。

57BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/26(火) 18:19:02
Artemis00336
ネオガイア星人の1人がやや大きめの機械を手に持ち、犬山と亀山弟を
見下ろした。哀れな元格闘家2人は、その機械を見て、顔を恐怖で引きつ
らせた。それはどこから見てもチェーンソーだった。

そのネオガイア星人は地球映画のマニアだった。中でもスプラッター系の
ホラーが大好きで、最近観た『テキサスチェーンソー』という作品が一番
のお気に入りだった。この映画で、レザーフェイスという名の殺人鬼がチ
ェーンソーを使って殺人を犯すシーンを見てから、自分も同じ事をやって
みたいと思っていた。

チェーンソーは、電源をONにすると、凄まじいモーター音を響かせながら
刃の部分を回転させ始めた。映画『テキサスチェーンソー』ではボロ着を
まとった大男がチェーンソーを振り回すのだが、知能が高そうな白衣を着
た科学者がチェーンソーを構える姿は、映画以上に不気味だった。

唸りをあげるチェーンソーが、2人の元格闘家に迫る。

「あわわわ、助けてくれぇ!」
「ひぃぃぃ! せ、切腹なんかイヤやあ!」
泣き叫びながら必死でもがく2人。しかし鍛えられた筋肉は、手足を拘束
するベルトにギシギシと音を立てさせることしかできなかった。

「うぎゃあああああああああ!」
回転する刃が腰のあたりに接触した瞬間、おびただしい量の血が噴きあが
り、犬山の絶叫が周囲の空気をビリビリと振動させた。手足がガクガクと
痙攣し、首が千切れそうなくらい前後左右に振られる。

「ぐぇええええええええええ……」
犬山の筋肉の鎧を豆腐のように切り裂きながら、チェーンソーの刃はその
自重だけで犬山の腹部に沈んでいった。犬山の胴体が2つに分離するまで
10秒とかからなかった。

胴体の切断面から大量の血液と内臓がドロリと流れ出てきた。すでに犬山
の心臓は停止していた。すかさずネオガイア星人の科学者達が、止血と蘇
生処置を開始した。

おそるべき殺人を行なったネオガイア星人は、血みれのチェーンソーを片
手にレザーフェイスになりきって、独り悦に浸っていた。

亀山弟は恐怖のあまり声も出せなかった。

58BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/26(火) 18:22:30
Artemis00337
亀山弟が胴体を切断された部位は、背骨の骨折箇所よりもかなり下だっ
た。骨折による脊髄損傷で下半身の感覚が麻痺しているため、亀山弟はほ
とんど痛みを感じることがなかった。それでもチェーンソーが胴体を切り
裂いている間の亀山弟の泣き声は、犬山よりもすさまじかった。

幸か不幸かネオガイア星の医療技術は地球のそれをはるかに上回って
いたため、上半身だけになっても犬山と亀山弟は生かされてしまった。

2人の胴体切断が完了すると、室内に円筒状の機械が2つ運び込まれてき
た。直径は約30センチ、高さは約80センチ、ほぼ成人男性の腰あたりの
高さである。見ると、機械の上には数本のチューブが生えていた。

ネオガイア星人の科学者達は、犬山と亀山弟の上半身を機械の上に乗せる
と、なれた手つきで2人の胴体の切断面にチューブをつなげ始めた。2人
は極度の貧血のため意識が朦朧とし、されるがままだった。

作業を始めてから30分ほど経過した頃、ようやく白衣の男たちは手を休め
た。見ると、円筒状の機械の上に犬山と亀山弟の上半身が生えている。一
見すると胸像のようにも見えなくもないが、上に乗っているのは生身の胴
体である。それはなんとも不気味な姿をしていた。

科学者の1人が、血のついたゴム手袋を外すと、まるで汚物でも扱うよう
に床に投げ捨てた。そして自分たちの作業の成果を見て、呟いた。
「スパーリングマシンの完成だ」

スパーリングマシンとは文字通り、打撃系格闘技のトレーニング装置だっ
た。プレーヤーは、格闘技術を駆使して攻撃してくる犬山や亀山弟の上半
身と、スパーリングを行なうのだ。

2体のスパーリングマシンは、兵士の格闘訓練用として、ネオガイア軍基
地に輸送された。

しかし数日もしない内に、不良品として返品されてきた。犬山マシンは顔
面を全くガードしようとせず、亀山弟マシンはスパーリング終了後に勝手
に歌いだすらしい。これらの誤作動の原因は最後まで分からなかった。

結局2体は焼却処分となった。

『格闘家たち その後1 〜 犬山と亀山弟』おしまい

59BiBi ◆8cBPUextJk:2008/08/26(火) 18:37:26
通し番号にタイプミスがありました。
書き込みナンバー33から58が、Artemis00312からArtemis00337と
なっていますが、正しくはArtemis0032からArtemis0057です。
次回は、Artemis0058から始まります。

60なつめ:2008/09/08(月) 00:13:01
作者様 いつも楽しくよませていただいております。 次は由梨香編を是非お願いします。

61BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/11(木) 21:07:51
Artemis0058
『格闘家たち その後2 〜 ヨン・ソバ 前編』
 犬山と亀山弟の改造実験が行なわれている頃、別室では、女剣士ヨン・
ソバの受難が続いていた。足や背骨を骨折した犬山亀山と違って、アルテ
ミスとの戦いでほとんど傷を負わなかったヨンは、驚くべき早さで回復し、
自分を連行した看守に襲いかかったのだ。

すでに看守2名が血まみれになって、床に倒れていた。喉の肉が、まるで
肉食獣に噛み千切られたかのようにえぐられていた。見ると、ヨンの口の
周りも血まみれだ。

看守2名の肉を味わったヨンだったが、直後に駆けつけた別の看守3名か
ら特殊警棒の洗礼を受け、取り押さえられた。この特殊警棒は、相手に電
気ショックを与えるスタンガンのような機能を備えていた。

「触るんじゃねぇ、クソ野郎! ぶっ殺すぞテメェ! はなせ、ボケ!」
ヨンは悪鬼の形相でわめき散らした。警棒で何度も殴られ、電気ショック
まで受けていながら、ヨンの凶暴性は一向に衰えることはなかった。

「なんて女だ! これじゃ、格闘家というよりケダモノじゃないか!」
「こいつ人肉を喰うらしいぞ」
看守たちは、血まみれになって床に倒れている同僚の姿を見て、軽く身震
いした。

「だめだ。手がつけられん! おい、電気ショックでおとなしくさせろ」
「え? 我々も感電しないか?」
「そんなこと気にしてる場合か。この女に食い殺されるよりはマシだろ」
看守たちも必死だ。

看守が警棒をヨンの腹に押し当てて、スイッチを押す。放電のスパーク音
がして、ヨンの身体が大きくそり返った。

「ぎえぇぇぇ! このクソボケが! ぶっ殺してやる!」
電気ショックは、ヨンに悲鳴をあげさせる事は成功したが、おとなしくさ
せる事はできなかった。

62BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/11(木) 21:09:50
Artemis0059
「ダメだ。全然効いてない。なんてヤツだ」
「もっと敏感な所をやれ! 口だ。口の中に警棒を突っ込め」
「うわっ! だめだ。俺の手を食おうとしやがった」
「じゃあ股間だ。口がダメなら女陰だ!」
「ダメだ。コイツは服の上からじゃ効かないぞ。パンツを脱がせろ!」
「り、了解!」

凶暴な食人サディストとはいえ、ヨンも一応は女だ。パンツを脱がされま
いと、必死に抵抗した。しかし今までに幾度となく受けた電気ショックの
せいで、身体に力が入らなかった。

それでも看守はかなりの苦労を強いられた。女のヨン1人に、大の男が3
人がかりだ。ようやくヨンのパンツをずり下ろしたときは、息もたえだえ
だった。ヨンの陰毛はかなり濃かった。

むき出しになったヨンの女陰に特殊警棒が押し当てられる。そして放電。

「ウギャァアアアァァアアァアアアァァアァァァアアァアアア!」
すさまじいヨンの絶叫が響いた。今までの悲鳴の中で一番大きかった。

いくら凶暴なサディストでも、女である以上、女陰が最も敏感な急所であ
ることに変わりはない。そこに数十万ボルトの電気ショックを叩き込まれ
たら、耐えられるはずがない。しかし……。

耐えた。

「ぎぃぃぃ! がだぜ! ごどぶだだろお!(はなせ このブタやろう)」
電気ショックで痺れる手足を、ヨンは人並みはずれた精神力で動かした。
頭の中は怒りで満たされていた。自分以外の全ての存在にむかついた。

怒りにまかせたヨンの蹴りが看守の股間に吸い込まれた。睾丸を潰されて、
看守はその場で悶絶した。3人目の犠牲者だった。

63BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/11(木) 21:12:13
Artemis0060
「この人食い女め! よくもやってくれたな!」
別の看守が怒りをあらわにした。今しがたヨンに睾丸をつぶされたのは、
彼の親友だったのだ。彼は警棒でヨンの腹を力いっぱい殴った。

鳩尾(みぞおち)に直撃を受けたヨンの口から、空気と胃液が噴き出した。
それでもヨンの狂乱は止まらなかった。まさしくケダモノのタフさだ。

「ぐぞぉ! 放しやがれ! おめぇら全員ぶっ殺してやる!」

「うわ、また噛みつこうとしやがった」
「ダメだ。この女、バケモノか!」

「くそ、もう容赦しないぞ。これでも喰らいやがれ!」
看守の1人が特殊警棒を握りしめると、それをヨンの女陰に突っ込んだ。
大の男が手加減なしで押し込んだ警棒は、ヨンの秘裂をあっさりと突き破
り、その先端は腟を貫き子宮の入口にまで達した。

「ぎゃ!」
電気ショックを受けた時とは違う、短いが甲高いヨンの悲鳴が響いた。

看守の指が、警棒の柄の部分にあるダイヤルを時計回りに回転させる。放
電出力、最大にセット。60万ボルトだ。

「死ね! 人喰い女!」
そう叫ぶと、看守は警棒の放電スイッチに指を重ねた。

「げぎゃあ! ぎえぇぇぇ! ぐぎゃあああああああああ」
腟と子宮に直撃を受けて、ヨンの身体が弓なりにそり返る。手足がガクガ
クと痙攣した。股間からは生温かく黄色い液が噴き出して、看守の腕を濡
らした。

看守は、ヨンが完全に失神するまで、何度も何度もスイッチを押し続けた。

64BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/11(木) 21:54:46
Artemis0061
 ヨンの腟と子宮は、60万ボルトの電撃で徹底的に蹂躙された。おそろし
い苦痛に屈服し弛緩したヨンの身体を、看守たちは大急ぎでベッドに縛り
つけた。ヨンは完全に失神したわけではなく、時々「うぅぅぅ」と獣のよ
うな唸り声をあげた。そのたびに、看守たちは身がすくむ思いをした。

ベッドにヨンの身体を拘束し終えると、看守たちはホッとため息をついた。
さざなみ刑務所で数多くの囚人を見てきたが、ヨンほど凶暴な女は見たこ
とがなかった。

ヨンに噛みつかれて重傷を負った2人と睾丸をつぶされた1人は、医療班
に運ばれていった。室内の惨状を見て、医療スタッフは言葉を失っていた。

ようやく一息ついた看守たちは、手足を広げた状態でベッドに拘束された
ヨンの姿を見て、ゴクリと唾を飲み込んだ。ヨンの下半身は露出したまま
である。

さっそく男たちは、残りの衣服を剥がしにかかった。素肌が露わになって
いくたびに、ヨンは身を捩って(よじって)抵抗した。凶暴な性格に似合
わず、羞恥心は強い方なのかも知れない。

ほどなくしてヨンの肉体を守っていた布切れは、全て剥ぎ取られた。ヨン
の体型は典型的な東洋人型で、いわゆる洋梨体型だった。胸は小さく、尻
が大きく、両脚は太く短かった。

看守の1人がヨンの秘裂を指でこじ開けると、大ぶりなクリトリスが顔を
覗かせた。それだけで、ヨンは身体を強張らせた。意外と敏感な女陰の持
ち主らしい。

「あらあら、さっきは電気ショックによく耐えていたから、もしかして不
感症なんじゃないかと思ったけど、意外と敏感なんだな」
「こんな敏感なクリトリスだと、この後が辛いだろうなぁ」
「ホントだ。なんといっても、これから恐ろしい生体実験が始まるからな」
「生きたまま地獄巡りできるぞ? そんな経験、めったにできることじゃ
ないぜ。アハハハ」

薄暗い室内に、男たちの哄笑が鳴り響いた。

『格闘家たち その後2 〜 ヨン・ソバ 前編』おしまい

65BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:08:38
Artemis0062
『格闘家たち その後2 〜 ヨン・ソバ 中編』

薄暗く狭い室内に女の怒声が響いていた。

「放しやがれ、このクソ野郎! ぶっ殺すぞ、テメェ!」

女は手足を拘束された状態で、無機質なベッドの上に仰向けに寝かされて
いた。その姿勢のまま、ベッドの周りをぐるりと取り囲み自分を見下ろし
ている白衣の男たちを、狂犬のような目で睨みつけていた。さきほど犬山
と亀山弟の身体を切り刻んだ、ネオガイア星の科学者たちである。

女の顔は興奮で真っ赤に紅潮し、まるでトマトのようだ。眉間には深い皺
が刻まれ、細い目は充血し顔色に負けないくらい赤い。エラの張った顎を
一杯に広げ、近づくもの全てに噛みつかんとばかりに歯をむき出しにした
顔は、まるで悪鬼のようだ。

両腕はバンザイをするように頭の上に真っすぐに伸ばされ、両脚は股関節
の可動領域限界まで割かれている。その姿勢は逆Y字というより、逆T字
に近かった。全ての衣類は剥ぎ取られて、他人の目に晒したくない箇所ま
でむき出しになっていたが、女は気にしている様子はなかった。怒りが羞
恥心を飲み込んでいるのかもしれない。

女の名はヨン・ソバ。さきの戦闘実験でアルテミスに敗れた、人肉食嗜好
を持つサディストの女剣士である。

「スケベな目で人の裸見るんじゃねぇ! 見るなら金払え、ドケチ!」

日常的に拷問が行なわれている刑務所で、全裸でベッドに縛りつけられ、
白衣を着た男たちに周囲を囲まれたら、通常の人間なら恐怖で頭がおかし
くなっても不思議ではない。いくらサド化薬を投与されているとはいえ、
この状況でなおも攻撃的な態度を失わないでいるとは……、ヨンの凶暴性
おそるべし。

「なんて地球人だ。地球の東洋人というのは感情の起伏が少ないと聞いて
いたが、あれはウソだったのか?」
「私もここまでキレやすい地球人は見たことない」
「これだけ活きが良かったら、きっと実験にも十分耐えてくれるだろう」

そんなヨンを見下ろす科学者たちの目は、どこまでも冷ややかだった。

66BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:11:42
Artemis0063
ヨンの体型はいかにも東洋人らしく、胴が長く、足は短かった。胴体は
洋梨型で、乳房は手の平にすっぽりと隠れてしまいそうなくらい小さい。
いっぽう乳首は、乳房に似合わず大ぶりで、成人男性の人差し指の第一関
節ほどもあった。もとから地黒だったヨンの乳首は、色素が色濃く沈着し、
赤銅色をしていた。全身が脂汗でぬらぬらと濡れていた。呼吸は不規則で
速く浅かった。

ヨンの肉体は、決してスタイルに恵まれているとは言えない。しかし薄暗
い部屋でベッドに全裸で拘束されてうごめく女体は、脂汗に濡れた色黒の
肌、呼吸に合わせて上下する未発達な乳房、人並みはずれて大きな乳首の
おかげで、なんとも卑猥な光景を醸し出して(かもしだして)いた。

「てめぇら、アタシに何しようってんだい! 変なマネしたら、アタシの
子供も孫もひ孫も、この先ずっと恨み続けるからね!」

「安心したまえ。我々は科学者だ。学術的研究のために、これから少しの
間だけ、キミに協力してもらいたいだけなのだ」

「き、協力? 何をすればいいのさ? 協力するってことは、お、お金は
もらえるだろうね?」
自分を見下ろす男の口調が予想に反して穏やかだったので、ヨンはやや戸
惑いながら訊きかえした。とくに金の話をするときの声は、卑屈なほどに
裏返っている。

「ハハハ、残念ながらギャラは出ない。キミは囚人だからね」
「ただ、協力といっても簡単なことだよ。キミは何もしなくていいんだ。
そうやって寝ていてくれればOKだ。必要なことは全て我々がする」

「何をするんだよ……」
金をもらえないと聞いたとたん、ぶっきらぼうな口調になる。

「そんなことも分からないのか? 地球人というのは知能が低いようだな。
簡単なことだ。キミの肉体を使って、生体実験をするだけだよ」

「せ……生体実験!?」

「心配しなくていい。実験やデータの解析は我々がする。キミは痛みをひ
たすら我慢するだけで、他は何もする必要はない。簡単だろう?」

「バ、馬鹿言ってんじゃねぇ!」
ヨンの怒声が響きわたった。

67BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:13:42
Artemis0064
ヨンは手足を拘束するベルトを引き千切ろうと、必死に身を捩った(よじ
った)。生体実験になど供されてたまるものか。

自分の手足を縛りつけているのは、もともと一般人を拘束するためのベル
トのはずだ。鍛え抜かれた格闘家の自分ならば、きっと引き千切れるに違
いない。このベルトさえ外せたら、こんな白衣を着た軟弱な連中、あっと
いう間に血祭りにあげてやる。

手足の筋肉がブルブルと痙攣する。こめかみに青い血管が浮かび上がる。
顔が紅潮し、鼻の穴が倍ほどに広がる。武術の修行で身につけた、呼吸法
の奥義を思い出す。息を吸って……吐いて……吸って……吐いて……。全
身に気のエネルギーが満たされていく。

ベルトはギシギシと音を立てただけだった。

「はぁ、はぁ、はぁ……。く、くそぉ……」

「無駄だよ。そのベルトは人間の筋力では絶対に引き千切る事はできん」
「そんな事も分からないとは……。やはり地球人は知能が低いようだな」

「まぁそう言ってやるな。なんでも地球人には『火事場のクソ力』といっ
て、普通では考えられないようなパワーを出す能力があるらしい。もしか
したら、この女はそれを発揮しようとしていたのかも知れないぞ?」
「ほぉ。それは興味深いな。その力は、どうすれば出せるんだ?」

「通常は棲み処(すみか)が火で燃えた時に発揮するらしいが、棲み処が
燃えなくても、何らかの極限状態に置かれれば力が発揮されるらしい。ち
なみに私が以前に読んだ資料によると、牛丼という食料を摂取すると、さ
らに強力なパワーが生まれるらしいが」

このネオガイア星人の科学者が読んだという資料が何かは不明である。

68BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:16:52
Artemis0065
「この女を使った生体実験のテーマなんだが、どうだろう。これは私個人
の提案なのだが、その火事場のクソ力というのを調べてみないかね? 人
体の限界を超える未知なるパワー、その秘密を解き明かせば、きっと我々
ネオガイア星にとっても大きな利益となるだろう」

「賛成だ。問題は、どうやってこの女に火事場のクソ力を出させるかだ」
「うむ。ここの囚人である以上、棲み処を燃やすのは無理だからな。何ら
かの形で極限状態に追い込めばよいのだが……」
「極限状態というと、やはり耐え難い苦痛を与えるのが一番ではないか?」
「うむ。私も同感だ」

「な、なに滅茶苦茶なこと言ってるんだ! 火事場のクソ力なんて、アタ
シは知らないよ!」
男たちの会話を、信じられないといった顔で聞いていたヨンは、ベッドに
拘束されたまま喚き散らした。たしかに滅茶苦茶な会話であるが、ネオガ
イア星人の科学者たちはいたって真面目だった。

「くそぉ! なんでアタシがこんな目に遭わなきゃならないんだ!」
ヨンが細い両目から悔し涙を流しながら叫んだ。

「なんで? 今の話を理解できなかったのか? やはり地球人というのは
知能が低いな」
ネオガイア星人の1人が、馬鹿にしたような目で全裸のヨンを見下ろして
言った。彼はさきほど、亀山弟の肉体をチェーンソーで真っ二つにした科
学者だ。
「キミに苦痛を与えて、火事場のクソ力を発揮させるためだよ」

もちろんヨンはそんな事を訊いているのではないが、ネオガイア星の科学
者は勝手にヨンの質問の意味を解釈して、それに答えて、自分で納得して
しまった。どこの世界でも、ずば抜けた知能をもつ科学者はどこか浮世離
れしているのかも知れない。

「キミに苦痛を与えるための道具は色々揃えているぞ? キミの心臓が停
止するまで、じっくりと実験を続けよう」

そう言うと彼は、傍らに置かれたステンレス製のワゴンを顎でしゃくった。
その上には金属製の様々な器具が整然と並べられ、天井の灯りを受けて鈍
い光沢を放っていた。

69BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:19:29
Artemis0066
ワゴンの台上を見て、ヨンは息を呑んだ。そこにある物の大半が、見るの
も初めてだった。中には、どうやって使うのか推測することさえできない
物もあった。そんな器具で、これから自分の肉体が責められようというの
だ。これ以上の悲惨な運命はないだろう。

さざなみ刑務所の館内放送で、拷問を受ける鉄仮面の嬌声を聞くたびに、
ずっと心の中で淫乱なM女を蔑んできた。しかし今は、鉄仮面が羨ましく
て仕方なかった。きっとあの真性マゾなら、今の自分と同じ状況に置かれ
ても、期待に胸を膨らませているに違いない。

ヨンは両目でせわしなく周囲を見回した。先程までは気がつかなかったが、
室内の壁には赤や黒の染みがあちこちに付いている。全て血のあとだ。古
い染みの上に新しい染みが重なり、まるで壁をキャンバスにしたモダンア
ートのようだ。その染みの一つ一つが、過去この部屋で繰り返されてきた
阿鼻叫喚の歴史を物語っていた。

ネオガイア星人の科学者たちは、ワゴンの上に並べられた禍々しい器具を
物色している。ずば抜けた知性を持ちながら、人間性をほとんど持ち合わ
せていないマッドサイエンティスト達。彼らにとって地球人は、単なる実
験材料に過ぎない。

女剣士ヨン・ソバの肉体は、恐ろしい生体実験の材料として供されたのだ。

やがて科学者の1人が、右手にボールペンのようなものを持って、ヨンの
前にやってきた。その器具からは電気コードが伸びていて、ワゴンの下段
に置かれた小さな四角い機械につながっている。それはヨンも見るのは初
めてだった。

「これは電気メスという機械だ。実はあのワゴンに載っている器具は全て、
地球人が使っている医療器具なんだよ。大半が手術器具だがね」

「で、電気メス!?」
電気と聞いて、ヨンは、さっき看守から受けたスタンガンによる電気ショ
ックの痛みを思い出した。

「や、やめろ! 何する気だ、触るんじゃねぇ! ぶっ殺すぞテメェ!」
ヨンは必死に暴れた。手足を拘束するベルトがギシギシと音をたてた。

70BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:22:16
Artemis0067
薄暗く狭い室内にヨンの悲鳴が響いた。断続的に聞こえる放電のスパー
ク音と、その音をかき消すように空気をビリビリと震わせながら迸る(ほ
とばしる)絶叫。

1人のネオガイア星人の右手に電気メスが握られている。さきほどから聞
こえるスパーク音の正体がこれだ。

電気メスというのは、手術で用いられる機械の一種で、切開や止血に用い
られる。当然ではあるが、麻酔なしで使用するとかなり痛い。そして、ネ
オガイア星人は、生体実験に麻酔など使用しない。ちなみに今では、電気
メスは、活躍の場の多くをレーザーに譲っている。

「うぅむ、これが地球の手術で使われているという電気メスか。医療器械
としては原始的だが、なかなか面白いな」

すでにヨンの肉体には、焼き切れたような傷がいくつも刻まれていた。出
血は少なかった。電気メスの刃が、皮膚を切り裂くと同時に、止血したの
だろう。電気メスを使った経験のないネオガイア星人の科学者が、メスの
出力の調整を誤ったせいで、切開面の所々が黒くこげて炭化していた。

「では最大出力で皮膚を切ってみよう」
「テメェら、いい加減にしやがれ! この変態やろう! それ以上やった
らホントにぶっ殺すからな!」

ネオガイア星人が機械についたダイヤルを目一杯回すのを見て、ヨンは歯
を剥いて必死に威嚇する。しかし手足を拘束された状態でいくら凄んでも、
いかんせん迫力に欠ける。ネオガイア星人は平然とした顔で、目だけを興
奮と好奇心に輝かせて、電気メスをヨンの腹部に近づけていった。

手足を拘束されて逃げることのできないヨンは、徐々に腹筋に近づいてく
る電気メスを大きく見開いた目で追いながら、刃の接触を避けようと必死
に息を吐いて腹をへこませる。もちろんそんな事をしても無駄である。

「あ、あぁ……や、やめ、やめろ! やめ……ぎ、ぎゃぁああああ!」
刃が腹の皮膚に触れると、ヨンはすさまじい悲鳴をあげた。電気メスの刃
がヨンの皮膚に1センチほど突き刺さっていた。刃と皮膚のすき間から、
ジジジと皮膚の焼ける音を発しながら煙がたちこめた。

「焦げ臭いな。私は菜食主義者でね。肉が焼けるにおいをかぐと、吐き気
がするんだ」
「そうなのか? それは気の毒に。この電気メスというのは肉が焦げるの
が一番の欠点だな」
「うむ。もっとも、焼き肉好きの私には、なんとも香ばしいがね……」

ネオガイア星人の科学者達は、楽しそうに談笑しながら、一人ずつ交代し
て電気メスの切れ味を試した。そのたびにヨンの口からは、悲鳴と哀願の
叫びが迸った。

71BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:24:39
Artemis0068
冷酷な科学者達が電気メスの切れ味を一通り体験し終えた頃、腹の皮膚
を傷だらけにしたヨンは、半ば放心状態で天井を見上げていた。出血こそ
少なかったが、電気メスの扱いに慣れていないネオガイア星人が切開した
痕は、あちこちで皮膚が焦げていた。そのためヨンは、切り傷と火傷の両
方の痛みを味わわなければいけなかった。

「も、もう気が済んだだろ? もうやめてくれ……」
少し時間がたって意識がはっきりとしてきたヨンは、弱々しい声を出した。
悲鳴を上げすぎて、声が少しかすれている。

「何を言ってるんだ? まだ実験は始まったばかりだ。実験が終わるのは、
お前が死んだときだ」

「そ、そんな……。ひどい。アタシの人権はどうなるんだ!」
「人権? やはり地球人というのは知能が低いようだ。考えてみたまえ。
我々ネオガイア星人が、地球人の人権など気にする必要あるのかね?」
「お前たちは、同じ地球人同士でさえ人権を無視しているではないか」
「この刑務所には、元アメリカ兵の女が看守として雇われているがね。彼
女に聞いた話では、一番人権にうるさいはずのアメリカも拷問や虐殺をさ
んざんやってるらしいじゃないか」
「わ、私はアメリカ人じゃないよ!」
「ふん」

ネオガイア星人達は、必死に懇願するヨンを無視して、新しい手術器具を
物色し始めた。やがて1人が、ハサミに似た器具を手に取った。それは形
はハサミに似ているが、先端は刃ではなく、何かを挟むような形状をして
いて、その部分を見るとペンチのようでもあった。

「さて、これは何に使う器具だ?」
「ふむふむ、カタログによると、止血鉗子(かんし)という器具だな。切
れた血管を挟んで止血するらしい」
「ほぉ? 地球人はこんな物で止血しているのか……。原始的だなぁ」
「まぁ試しに、少し挟んでみよう」

鉗子はいくつもあったので、ネオガイア星の科学者全員に、1本ずつ配ら
れた。科学者たちは、手にした鉗子を興味深げに見回しながら、ヨンが拘
束されているベッドの周りにぐるりと立ち、哀れな生け贄を見下ろした。

不気味な金属製の器具を手にして自分を取り囲む白衣の男たちを、仰向け
の姿勢のまま見上げたヨンは、怪鳥のような甲高い悲鳴をあげた。

72BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:26:52
Artemis0069
ネオガイア星人達は各自、好き勝手に鉗子でヨンの皮膚を挟み始めた。鉗
子の先端はペンチのようになっていて、柄を握る指に少し力を加えただけ
で、挟まれた皮膚は潰れて内出血を起こした。そのたびにヨンは身を捩っ
て(よじって)、泣き叫んだ。

「ぎゃっ! ひぃ! い、痛い! や、やめ……うぎゃあ! ぎぃぃぃ!」
ヨンの顔は、涙と鼻水でグチャグチャだった。ただでさえ細い目は、瞼が
腫れて、糸のようだ。

ネオガイア星人達は、ヨンの左右の乳首を鉗子で挟んだ。敏感な乳首を挟
まれて、ヨンは身を強張らせる。鉗子の柄を握る指に、少しずつ力が加え
られていく。

「うぎゃぁああああああ! や、やめろぉおおおっ」
ヨンは悲鳴をあげながら、必死にもがいて鉗子を外そうとした。動くたび
に、千切れるのではないかと思えるほどの激痛が、左右の乳首を襲う。

「どうだ? 火事場のクソ力というのは生まれそうか?」
「ひぃっ! そ、そんなもの、な、ない! 頼むからや、やめてくれ!」
「そうか……。やはり棲み処が燃えるのと同レベルの極限状態には、もっ
と苦痛が必要か……」
「な、なに言ってるのか分からないよ! もうやめ……ぐぎゃあ!」

右の乳首を襲う鉗子にさらに力が加えられた。もとは大ぶりだった乳首は、
3ミリ程度の薄さに潰れていた。先端が鬱血(うっけつ)して、表面から
は血を含んだピンク色の液が滲み出している。

右の乳首が潰されているかたわら、左の乳首は、まるでネジかコルクのよ
うに捻られた。すでに哀れな乳首は360度以上も捻れている。これがアル
テミスの乳房のように豊かな膨らみを持っていたら、乳房ごと捻られて、
乳首への負担は軽くてすんだだろう。しかしヨンの乳房は小さかったので、
残酷な回転の全てを乳首が受けなくてはならなかった。

「ぎゃあああ。や、やめ、やめてくれぇ!」
ヨンの悲鳴はますます甲高くなっていった。鉗子を握るネオガイア星人の
科学者は、ヨンの必死の哀願などお構いなしに、さらに回転を加えた。

「ぐあああああああああ。ち、乳首がぁ……、ぎゃあああ!」

そして、ブチッという小さな音をたてて、ヨンの乳首はねじ切られてしま
った。

73BiBi ◆8cBPUextJk:2008/09/30(火) 00:31:04
Artemis0070
「お、つい力を入れすぎた。乳首が千切れてしまった。血が止まらん」
「ちょうどいい。早速この電気メスとやらで止血してみよう」

乳首をねじ切ったネオガイア星人が、電気メスの取扱説明書をペラペラと
めくり始めた。
「なになに……? 出血した血管の端を鉗子で挟んで、その鉗子に電気メ
スを当てると止血できるそうだ」

しかしヨンの千切れた乳首の断端からはドクドクと血が流れ続けていて、
血管の端を確認することはできなかった。面倒くさくなったネオガイア星
人は、ヨンの乳輪を引っぱり上げると、その根本を鉗子で挟んでしまった。
そのおかげで出血は止まったが、乳輪の付け根を鉗子に潰されたヨンは更
なる苦痛を味わわねばならなかった。

左右の胸を血まみれにしながら、息もたえだえのヨンを冷ややかに見下ろ
しながら、白衣の男たちはため息をついた。

「ううむ。乳首をねじ切られても火事場のクソ力は発揮されないのか……」
「これはやはり、乳首以上に敏感な部分を責めるしかなさそうだな」
「そうだな」

ネオガイア星人達の視線が、大きく広げられた自分の股間に一斉に向けら
れるのを見て、ヨンは真っ青になった。

「や、やめろぉ! 頼むからやめてくれぇ! な、何でもするから、他の
場所は好きにしていいから、そ、そこだけはやめてくれぇ!」
必死にもがくヨン。

ヨンの一番女らしい場所、最も敏感な女体の弱点に、鉗子や電気メスなど
様々な器具を持つ手が近づく。ヨンの地獄は、まだ始まったばかりだ。

『格闘家たち その後2 〜 ヨン・ソバ 中編』おしまい

74BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:10:37
Artemis0071
『格闘家たち その後2 〜 ヨン・ソバ 後編』
(注意.後半に残酷で猟奇的な描写があります)

 ベッドの上で全裸の女が悶えていた。両脚は限界まで広げられ、黒々と
した陰毛も露わになっている。その股間を、白衣の男たちが数名、食い入
るように覗きこんでいる。その光景は一見すると、ありきたりなSMビデ
オの撮影現場のようだった。しかし実際にそこで行なわれている行為は
SMなどではなく、惨たらしい生体実験だった。

実験の目的は、『地球人が持つといわれる火事場のクソ力の究明』という、
当の地球人からすれば甚だ(はなはだ)馬鹿げたものだった。しかし白衣
の男、ネオガイア星人の科学者たちは真剣だった。

ネオガイア星人は、地球人――古代ギリシア人――の末裔だといわれてい
るが、長い進化の歴史を経て、今では地球人と似て異なる存在となってい
る。彼らの思考パターンは地球人とは微妙にずれていて、生体実験の目的
も地球人の常識では理解できないことが多い。

地球人に耐えがたい苦痛を与えることで、この未知なるパワーを発揮させ
る事ができると、科学者達は考えていた。彼らはその旺盛な学術的探究心
の命じるがまま、それこそ真剣に、真面目に、徹底的に犠牲者に苦痛を与
えた。

****************************************************************
(参考までに)
■ お話の中に登場する手術器具の実物はこんな感じです。
1. 止血鉗子
ttp://home.att.ne.jp/surf/km/3ka722.htm
2. 有鈎鑷子
ttp://home.att.ne.jp/surf/km/4pn701.htm
3. タオル鉗子とスケーラー
ttp://www.shoei-sangyo.co.jp/product/surgical-instruments.html
4. 開胸器
ttp://www.e-tanaka.co.jp/products/display_detail/25-17


■ 火事場のクソ力については、何の事か分からない方は「火事場のクソ力」
「キン肉マン」をキーワードに検索して下さい。
****************************************************************

75BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:12:13
Artemis0072
この悲惨な生体実験の犠牲者となった女、ヨン・ソバは、身体中を電気メ
スで切り刻まれ、皮膚を鉗子で挟まれた。乳首の一つは無残にねじ切られ、
もう一つもひねり潰されてしまった。

ヨンは必死に実験の中止を懇願した。悲鳴をあげ続けたために、声が嗄れ
て(かれて)いる。血の気を失った顔は、涙と鼻水でベトベトだ。毛穴は
肉眼でもわかるほどボツボツと開き切っている。

乳首という女にとってあまりにも大事な急所を破壊され、ヨンは苦痛に泣
き叫んだが、それでも火事場のクソ力は発揮されなかった。科学者たちが
期待している火事場のクソ力は、超能力のような人外の力だったから、発
揮されないのは当たり前である。

そこで業を煮やした科学者たちは、攻撃の標的を、女体最大の急所である
女陰に移した。

「地球人の女陰は初めて見るが、形はネオガイア星人とほとんど変わらな
いんだな」
「しかし色素の沈着がかなり強いようだ」
「この女は東洋人だからな。白人の女陰は色素沈着が少なく、ネオガイア
星人にそっくりらしい」

地球人の女陰をはじめて目の当たりにしたネオガイア星人は、興味深げに
ヨンの女陰を指で弄り回して観察し始めた。目的はあくまで、初めて見る
異性人の生殖器官の観察だったので、指の動きに好色な意図はこめられて
いなかった。しかし、そのために反って(かえって)、女陰の扱いは手加減
を知らない事務的で遠慮のないものだった。

76BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:14:17
Artemis0073
「地球では白人が、我々ネオガイア星人に比較的近い身体的特徴を持って
いるらしいじゃないか」
「なるほど。その話を聞くと、地球人の富裕層や支配者階級に白人が多い
というのも、十分に納得できるな。我々に似ているだけあって、地球人の
中では白人が最も優秀なのだろう」

「う、うぐぅぅぅ」
ネオガイア星人たちが敏感な性器を弄り回している間、両脚を拘束された
ヨンは股を閉じることすらできず、女陰を襲う刺激に歯を食いしばって耐
えていた。さっきまでの威嚇と怒りの言葉が発せられることはなかった。
もしかしたら、拷問されるくらいなら、このままおとなしく女陰を弄らせ
ておいた方がいい、という考えがあったのかもしれない。

「陰唇にすこし火傷の痕があるぞ?」
「あぁ、さっきこの女が暴れた時に、看守が女陰に電気ショックをあびせ
たらしい。聞いた話では、それでもこの女は暴れつづけたそうだ」
「おぉ! それこそ火事場のクソ力だな。この女、さっきは知らないと言
っていたが、やはり嘘だったのか」
「うむ。これは徹底的に苦痛を与えなくてはいけないようだ」

ベッドの傍らに置かれたワゴンの上に、整然と並べられた様々な手術器
具。ここさざなみ刑務所では、手術器具は恐ろしい拷問道具に姿を変え、
哀れな犠牲者の口から悲鳴をしぼり出すために使用される。数え切れない
生け贄の血と怨念を吸ってきたそれらは、妖気ともいえる不気味で禍々し
い光沢を放ちながら、自分たちの出番を静かに待っていた。

「何か陰唇を広げるものはないか? この女の陰唇は分厚すぎて、腟口や
クリトリスが見えないんだ」
「少し待ってくれ。色々と良さそうな器具があるんだが……。どれがいい
かなぁ」

ネオガイア星人は生まれてはじめて見る地球の医療器具を、まるでオモチ
ャ売場に連れてこられた子供のような目で、あれこれと物色し始めた。

77BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:16:25
Artemis0074
しばらくしてネオガイア星人が見つけたのは、奇妙な形をした器具だった。
どうやら鉗子の一種みたいだが、先端の形状が特徴的で、クワガタの角に
そっくりだ。先端も角のように鋭く尖っている。

「カタログによるとタオル鉗子という器具らしい。手術の時に、滅菌した
布を挟んで固定するそうだ」
「ほぉ……。よく分からんが、それならピアスとクリップ両方の役割を果
たせそうだな」

「あとこれも使えそうだ」
そう言って取り出したのは、一見するとピンセットのようだが、先端の物
を挟む部分に小さなトゲのようなものが付いている。これで皮膚をつまま
れると、トゲが食いこんで痛そうだ。カタログには有鈎鑷子(ゆうこうせ
っし)または鼠歯鑷子(そしせっし)と書かれている。

「な、何する気だ!? や、やめろぉ! 火事場のナントカなんて、本当に
アタシは知らないんだよ!」
男が手にした器具の禍々しさを見て、ヨンは叫んだ。

「とりあえず大陰唇を反転させて、クリトリスを露出させてくれ。たぶん
クリトリスを責めれば、相当な苦痛を与える事ができるはずだ」

ヨンの抗議など全くおかまいなしに、ネオガイア星人は有効鑷子でヨンの
大陰唇をつまむと、外側に向かって引っぱった。先端のトゲが陰唇の皮膚
に食い込むと、ヨンは悲鳴をあげた。さらにタオル鉗子の先端を広げると、
ヨンの大陰唇と内腿の皮膚を一緒に挟んだ。アイスピックのように鋭い鉗
子の先端は、分厚い大陰唇の肉をあっさりと貫通し、内腿に縫いつけてし
まった。

「ぎゃあああ! な、何しやがる! いい加減にしやがれ!」
有鈎鑷子で挟まれたとき以上の痛みを大陰唇に味わって、ヨンは細い目を
つり上げて怒声を響かせた。

78BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:18:55
Artemis0075
その後も三度(みたび)、ヨンの大陰唇は引き伸ばされ、内腿に縫い付け
られた。敏感な性器の一部を鉗子が貫くたびに、ヨンの悲鳴と精一杯の
怒声が、冷たい部屋の空気をビリビリと震わせた。ヨンの必死の抗議も虚
しく、4本の鉗子によって、大陰唇は左右に大きく広げられた状態で固定
されてしまった。続いて5本目の鉗子が、有鈎鑷子で引き千切れそうなく
らいに引っぱられたクリトリスの包皮を、下腹部の皮膚に固定した。

こうして、女体の中で最も敏感で弱いクリトリスと腟口は、大陰唇と包皮
というささやかな盾さえも失って、冷酷な科学者たちの前にその姿を晒す
こととなった。むき出しになったクリトリスは、これから自分を襲う悲惨
な運命に怯えるかのように、小さく震えていた。

「陰唇は色素が濃いのに、ここは普通の粘膜の色をしているな」
「うむ。大きくて、なかなか敏感そうなクリトリスだ。これなら相当な苦
痛を感じてくれそうだ」
男たちは口々にヨンの性器を品評しながら、まるでモノでも扱うかのよう
に、無遠慮にヨンの敏感な部分を弄り回した。

「あうっ! う、ぐぐぐぐぐぐぐぐぐ……」
ヨンは女陰を襲う刺激に、歯を食いしばって耐えた。悲鳴をあげようとは
しなかった。すでに精神が限界に近づいていることは、自分でも分かって
いた。声を出せば、一気に心が砕けてしまう。今はひたすら耐えて、反撃
の機会を待つしかない。この状況でも、ヨンの脳裏には、自分の反撃にあ
ったネオガイア星人たちが血まみれで倒れている光景があった。

「おや? この女、嫌がっているくせに濡れてきたぞ?」
「あぁ、それは単純な生理現象だ。感じているとは限らんよ」
「そうなのか……。女の身体というのは不思議だな」
「いやいや、男の身体も不思議だぞ。あのシンディが以前、地球の中東と
いう地域で、アメリカ軍の捕虜収容所で看守をしていたことは知っている
だろう?」
「あぁ、なんとか刑務所という名前がついた施設だな」

「そこでアメリカ軍は、同性愛の趣味を持たない男の捕虜同士に、強制的
に性交をさせていたんだが……。なんと勃起も射精もしたらしいよ」
「ほぉ、それはすごい」
「うむ、その話は聞いた事がある。たしかフェラチオで制限時間内に射精
させることができなかったら、罰として睾丸をペンチで潰されたらしい。
まぁ、捕虜の男たちも必死だったんだろう」

ネオガイア星人たちは談笑しながら、ヨンの女陰を執拗に弄りまわして、
地球人の女の生理現象を観察していた。ヨンのクリトリスは、ネオガイア
星人たちの指姦をうけて、屈辱的な勃起を始めていた。

79BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:20:58
Artemis0076
「では始めるよ。あらかじめ言っておくが、これから責める場所は生殖器
だ。おそらく相当な苦痛を伴うと思うよ」
「我慢する必要はない。好きなだけ悲鳴をあげてもかまわないからね」
「なに、心配することはない。すぐには死なない。ここは医療設備も整っ
ているから、仮に心臓が止まっても、蘇生してあげられるよ」
「最後には死ぬことになるが、それはまだ先の話だ」
話している内容はとんでもないものだが、ネオガイア星人たちの口調は、
幼稚園で保母が園児に語りかけているように優しかった。それが、むしろ
恐ろしく不気味である。

「うぐぉおおお。ば、馬鹿なこと言うな。今すぐやめろ!」
冗談じゃないとばかりに、ヨンが拘束ベルトをギシギシ鳴らしながら、大
声をはりあげた。たしかに冗談じゃない。

「ではこれでキミのクリトリスを少し責めてみようかな?」
ヨンの抗議など耳に入らないとでも言わんばかりに、ネオガイア星人の1
人が箸(はし)のような長細い器具を手に持った。箸と違うのは、先端が、
『ピーターパン』に登場する海賊フック船長の義手のような、鋭いカギヅ
メの形をしている点だ。

「スケーラーという、歯石を削り取る器具らしいよ」
「ひっ! そ、そんな物で何する気だ! 変なマネしたら殺すぞ!」
医療器具のカタログをめくりながら、まるで子供にオモチャの説明をする
かのように、ヨンに話しかけるネオガイア星人の科学者。それを鋭い目で
睨みつけながら、ヨンは大声を上げた。この状況下で、なおも相手を威嚇
するとは、たいした気の強さだ。

「別に変なマネはしないよ。この器具の先端をこうやって……」
ネオガイア星人はスケーラーのカギヅメの部分を、陰唇と包皮を広げられ
むき出しになったクリトリスに引っかけた。ヨンの身体が強張るが、頑丈
な拘束ベルトが股を閉じる事を許さない。

「チクッとしたかね? 痛かったら好きなだけ泣き叫んでかまわんよ」
そう言うと、ネオガイア星人はスケーラーを、そのカギヅメにクリトリス
を引っかけたまま上に持ち上げた。クリトリスは2センチほど引き伸ばさ
れたが、それ以上伸びる事はなく、鋭く尖ったスケーラーのカギヅメはプ
ツリと小さな音を立てて、クリトリスを刺し貫いてしまった。

80BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:22:35
Artemis0077
「ぎゃああああああああああ!」
電気メスで腹部の皮膚を切り刻まれた時よりも、鉗子で乳首をねじ切られ
た時よりも、その悲鳴は大きかった。

ネオガイア星人はヨンの悲鳴などおかまいなしに、そのままスケーラーを
強く引っぱりながら、グイグイと左右にひねった。そのたびに哀れなクリ
トリスは引き伸ばされ、血を流した。

「血が出てきたな。止血してやろう」
拷問を見物していた別のネオガイア星人が、電気メスの電源をONにする
と、クリトリスを引っかけたままのステンレス製のスケーラーに、その先
端を押し当てた。

「うぎゃああああああああああ! や、やめてくれぇえええ」
ジジジという肉の焼ける音がしたが、すぐにヨンの絶叫にかき消された。

ヨンの苦しむ様を見たネオガイア星の科学者は、これならば火事場のクソ
力を引き出せるに違いないと考え、何度も何度も電気メスをスケーラーに
押し当てた。その度にヨンは、顎の関節がはずれそうなほど大きく口を開
き、絶叫をふりしぼった。

クリトリスが半ば炭化するほど焼け焦げた頃、ようやく拷問が中断された。
すでにヨンは、声が嗄れて(かれて)、息も絶えだえの状態だった。

「うぅぅぅ……。も、もうやめて。お願いだから、やめてよぉ……」
初めてヨンの口から、女言葉が発せられた。さすがの食人サディストも、
恐怖と苦痛で精神が折れかけているようだ。

恐怖で歪んだその顔には、アルテミスと戦ったときの猛々しさは微塵も残
っていなかった。それは天敵に追いつめられた小動物、あるいは遊園地の
ホラーハウスに入りこんだ子供の目のように、恐怖と混乱の色を湛えてい
た(たたえていた)。

81BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:24:30
Artemis0078
「かなりの苦痛を与えたはずだが、まだダメか……。なかなかしぶといな。
さすがはサド化薬を投与された元格闘家だけのことはある」
「クリトリスはほとんど焼けてしまって、これ以上やっても十分な痛みを
生むのは無理みたいだ」
「そうか……。なら邪魔だから切り取ってしまえ」

手術用のハサミをクリトリスに当てられると、ヨンは嗄れた(かれた)喉
をふるわせて、狂ったように中止を懇願した。
「や、やめて! お願いだからやめて! もうこれ以上痛くしないで!」
もはや怒声も威嚇の言葉も出てこない。今のヨンは、マッドサイエンティ
ストに性器拷問を受ける、哀れな1人の女だった。

ハサミの2枚の刃が少しずつ、しかし確実に間隔を狭めていった。その中
心では、スケーラーのカギヅメで限界まで吊り上げられたクリトリスがピ
クピクと小刻みに痙攣している。

しかしヨンは動けずにいた。クリトリスはスケーラーの先端で刺し貫かれ
ているのだ。ヘタにもがけば、ハサミの刃を待つまでもなく、クリトリス
が千切れてしまうだろう。ヨンの急所は、もがけば千切れ、じっとしてい
たら切り取られる運命にあった。女にとって、これほど悲惨な事はあるま
い。

「やめて! な、何でもするから! なんだって言う事きくから!」
必死に哀願するしかない。痛いのはもう嫌だ。

「や、やめて、助けて、たすけ……」
刃が1枚に重なった瞬間、股間から脳天に電撃が走った。視界が一瞬、真
っ白になる。悲鳴も出なかった。ヨンは大きく目を見開いて、口をパクパ
クと開閉していた。

しばらくして、ようやく声が出るようになったのだろう。ケダモノのよう
な絶叫が部屋の空気をビリビリと振動させた。

女剣士ヨン・ソバはクリトリスを失ってしまった。

82BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:26:51
Artemis0079
目がかすんで、息も苦しい。部屋の気圧が下がったのか? でもここは
山の上じゃなかったはずだ。ということは、どこかでガス漏れか火事が起
きているのかもしれないな。早く換気扇を回さないと、自分も目の前の男
たちも酸欠で倒れてしまうよ……。

あれ? おかしいな……。男たちは平気な顔をしている。なぁんだ、酸欠
状態なのは自分だけか。火事なんか起きていなかったのか……。

なんか股の間がズキズキと痛みだしたぞ。

ズキン……ズキン……ズキン……。これはアタシの脈のリズムだ。けっこ
う速い。

眩暈(めまい)がする。貧血か? おかしいなぁ、生理でもないのに……。
なんだか気持ち悪くなってきた。あ、吐きそう……。

……。

朦朧(もうろう)とした意識のなか、ヨンは激しく嘔吐した。そして何度
もむせ返り、何度も吐しゃ物を噴き上げた。極度のストレスが、内臓の生
理機能を狂わせ始めたのだ。

吐物の中に小さな肉片が混じっていた。もしかしたらアルテミスの肉かも
知れない。腹いっぱいに啜った(すすった)アルテミスの血は、赤銅色に
変色し、コーヒーの残りカスのようになっていた。今のヨンには、アルテ
ミスの肉を噛み千切った時の凶暴性も、不屈の闘争心もなかった。

83BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:28:34
Artemis0080
突然ヨンがビクンと身体を強張らせた。
「あ、あうぁあああ……あ……ぁぁあぐわうぁあ……」
眉間にシワを寄せて、吐しゃ物で汚れた口をOの字に開けて、胃液のニオ
イを乗せたうめき声を発する。

下半身を見ると、ネオガイア星人がヨンの女陰に、奇怪な形をした金属製
の器具を装着しようとしている。それは開胸器といって、心臓や肺の手術
をするときに肋骨をこじ開ける器具だった。2つのフックを切開部位に当
てて、付属のハンドルを回転させると、フックが固い肋骨を押し広げてい
くしかけになっている。そんな物を女陰に装着されて、フックを広げられ
たら……。

女陰を引き裂く凶暴な力に、筋肉と皮膚が必死の抵抗を試みるが、開胸器
は確実に柔らかな秘裂をこじ開けていった。内腿の筋肉がピクピクと痙攣
し始める。生暖かい尿がジョロジョロと流れ出し、それは床に大きな水た
まりを作った。

陰唇が限界まで引き伸ばされ、腟の内側が完全に姿を現すまで、開胸器は
一度も止まることなく女陰をこじ開けていった。その頃になって、その痛
みでようやく目を覚ましたヨンは、仰向けの不自由な姿勢から自分の股間
の惨状を見て、悲鳴をあげた。

色濃く色素が沈着した陰唇とは対照的に、ヨンの腟の中はピンク色をして
いた。どちらかというと赤みは薄い方だ。もしかしたら軽いショック症状
を起こして、血圧が下がっているのかも知れない。

哀れな生殖器はこじ開けられ、冷酷なマッドサイエンティストの前に、腟
の内側まで完全に姿を晒してしまった。ネオガイア星人達は、各自さまざ
まな手術器具を手に取り、ヨンの生殖器を責め始めた。

手足を拘束されたヨンは、股間を手でかばう事も、足を閉じる事もできな
かった。哀れな生け贄に許されたのは、唯一、悲鳴をあげ泣き叫ぶことだ
けだった。

84BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:30:36
Artemis0081
生殖器への責めは1時間以上におよんだ。もっとも、ヨンには永劫の時
間に感じられたに違いない。

大陰唇には出力を最大にした電気メスが押し当てられた。クリトリスを切
り取られた痕も、止血と称して、電気メスの洗礼を受けた。メスの先端が
肉を焦がすたびに、陰唇の皮膚がピクピクと不規則な痙攣をした。

小陰唇の柔肉は、止血鉗子で少しずつ潰され、そして引き千切られた。腟
の壁面には小さな突起が密集していたが、それらも止血鉗子で1つずつ丹
念に潰されていった。

その間、ヨンの口からは悲鳴と絶叫が交互に迸り(ほとばしり)、途切れる
事はなかった。悲鳴はもはや言葉になっておらず、絶叫は人というよりも
ケダモノのそれに近かった。

手足の狂騒は狂った操り人形のようだった。手首の皮膚は、ベルトに擦れ
て血まみれだ。逞しい太股の筋肉は、大きく広げられた股を閉じようとし
て、その持てる力の全てをふりしぼった。それでも足を拘束するベルトは、
ヨンを嘲笑うかのようにギシギシと音を立てるだけで、女体で最も敏感で
か弱い急所を隠す事を許してはくれなかった。

腟や肛門の奥、果ては尿道にまで電気メスの先端をねじ込まれた。直腸の
粘膜を焼き尽くしてから引き抜かれた電気メスは、先端になかば炭化した
大便を付けていたが、その大便が拭き取られることもなく、尿道に突き立
てられた。

狭い尿道に固い異物がグリグリとねじ込まれる間、柔らかい粘膜は血を流
し、ヨンは甲高い悲鳴をあげ続けた。そして電気メスの電源が入れられる
と、悲鳴はさらに大きくなった。

たっぷり時間をかけて尿道の中を焼いてから、電気メスは引き抜かれた。
その後も尿道の入口は少し開いたままで、そこから尿が流れ出てきた。

尿は赤色をしていた。

85BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:32:52
Artemis0082
 女陰から……、いや、かつては女陰だったはずの、今はただの肉の洞窟
と化した部分から血を垂れ流しながら、ヨンは息も絶えだえで横たわって
いた。目は霞がかかったようにくもっている。唇は軽いチアノーゼ状態を
起こして、紫色に変色している。

「はぁはぁはぁ……。お、お願い、せめて水を飲ませて」
弱々しい声がもれた。

「生体実験の検体のくせに水を欲しがるとは、生意気な女だな」
「まぁいいじゃないか。こちらとしても、火事場のクソ力の謎を解き明か
すまでは、この女に死なれては困る。水分補給はさせた方が良い」
「うむ。それもそうだな」
「よし、なら私の尿を飲ませてやろう」

そういうとネオガイア星人の1人がペニスを取り出して、それをヨンの口
にねじ込んだ。彼は、犬山と亀山弟の胴体を真っ二つにした、チェーンソ
ー男だった。

女の口に排尿する行為に、科学者という立場を忘れて、男の心にサディス
ティックな欲望がじわじわと湧きあがってきた。ネオガイア星人の大半は
サディストで、このチェーンソー男も例外ではなかったのだ。

「あぐ……あぐぐ……」
一方、ヨンはというと、口の中で次第に容積と硬度を増していくペニスの
感触に、一度は失われた憎しみと怒りの炎を再燃させ始めた。

「うぎゃあああああああ!」
突然ネオガイア星人の口から、恐ろしい悲鳴が迸った(ほとばしった)。見
ると、両手で自分の股間を押さえ、指の間からはボタボタとおびただしい
量の血がこぼれ落ちている。

「この変態のクソ野郎! 思い知ったか!」
ヨンは口の中に残ったチェーンソー男のペニスの先端を、噛まずに一気に
丸飲みした。

86BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/10(金) 21:34:43
Artemis0083
ペニスを噛み千切られたチェーンソー男は、すぐさま駆けつけた医療チー
ムによって止血されて、一命は取りとめた。

飲み込まれたペニスの先端を取り出すため、ヨンは麻酔の処置無しで腹を
裂かれた。呼吸に合わせて腹腔内の臓器が押し出されてきた。その時のヨ
ンの苦悶は凄まじく、絶叫をふりしぼる顔はまさに鬼の形相だった。

想定外の事故のため、生体実験は中断された。用済みとなったヨンはさざ
なみ刑務所で飼われているドーベルマンたちの檻に、生きたまま放り込ま
れた。もちろん開腹された腹部は縫合される事もなく、腹腔内をさらけ出
したままである。

血と内臓のニオイに狂喜した犬たちは、先を争って、ヨンの身体にキバを
立てた。もはやヨンには抵抗する力は残っておらず、自分の内臓が咀嚼さ
れる音を聞きながら、息絶えた。

犬の肉を食べる民族に生まれ、食人嗜好のあるヨンの最期が、犬に食い殺
されるというのは、なんとも皮肉な話である。

チェーンソー男はというと、なんとかヨンの胃からペニスの先端は回収さ
れたが、残念ながら元通りにくっ付ける事はできなかった。形はどうであ
れ、最後の最後に、女剣士ヨン・ソバは、憎いネオガイア星人に一矢報い
る事ができたのである。

余談ではあるが、切開されたヨンの胃の中からは、明らかに人間の肉体の
一部とわかる指や耳、その他にはピアスや人毛などが見つかったらしい。

『格闘家たち その後2 〜 ヨン・ソバ 後編』おしまい

87BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:13:10
Artemis UY0000
 梅本由梨香にまつわるアナザーストーリーです。文頭の番号をArtemis
UYにして、アルテミスのアナザーと区別しています。

オリジナルストーリーでは由梨香は数多く登場していますが、このアナザ
ーの時代設定は、由梨香がマゾ化薬を投与されてから、ケチャ族の住む孤
島に流れ着くまでの期間に限定されます。つまり、次の4話と時期が一致
します。
第13話 マゾ化薬臨床実験
第32話 マゾ化薬被験者その後
第55話 M女の末路
第128話M女漂流記

現時点でオリジナルストーリーを読んだ限り、由梨香はアルテミスやシン
ディとの接触がなさそうです。したがって、このアナザーでも3人が同時
に登場するシーンはなくて、少し話題に出てくる程度です。またアルテミ
スと違って由梨香は不死身ではないので、肉体改造などの身体の一部が欠
損あるいは変形するようなハードな拷問やSMは登場しません。

由梨香に関するアナザーの投稿は断片的で、ストーリーが一段落せずに長
期間ストップする事もあると思いますが、許して下さい。投稿が由梨香編
かどうかは、文頭の番号にUYが付いているか否かで判断して下さい。

なお他の登場人物はすべて架空の存在です。

88BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:14:56
Artemis UY0001
『梅本由梨香に関する資料 〜 八谷早苗の回想 1』
(注意.エッチシーン、SMシーンはありません)
 その日、さざなみ刑務所で最も恐れられている女看守シンディの元に、
客が1人訪れた。正確には客ではなく、囚人としてシンディに呼び出され
たのだが……。

囚人の名は八谷早苗。化粧で若作りをしているが、目じりと鼻下のシワだ
けは、42歳という実年齢をごまかしきれない。早苗は大阪でSMクラブを
経営する女実業家だった。

早苗は、自分にあてがわれた小さな椅子に、緊張した面持ちで座ってい
た。それはスチールパイプを組み合わせただけの、折りたたみ式の粗末な
椅子だった。早苗の正面には、それとは対照的に革張りの豪華なソファが
置かれ、シンディが悠然と足を組んで腰掛けていた。

かつては『SMクラブにこの人あり』とまで言われた早苗も、目の前の白
人女が恐ろしくて仕方がなかった。SMクラブの経営者として数多くのサ
ディストを見てきた早苗には分かるのだ。この女は危険だと。もしもシン
ディが自分の店にS女として就職を希望して来たら、果たして採用する
か? 答えは「否」である。恐ろしくて、同じ店で働くことなどできない。

「オマエの過去は調べさせてもらったわ。随分と面白い経歴じゃない?」
おもむろにシンディが口を開いた。口調は穏やかだが、早苗の事は『オマ
エ』呼ばわりだ。
「SMクラブを経営していたそうじゃない? どんな店?」

「は、はい。ハードなプレイ専門の店です。乳首の針刺し、食糞プレイも
可能です。あ、で、でも大した店じゃないです」
「ふぅん。けっこうハードじゃない?」

シンディの返事はただのお愛想だ。ハード専門といっても、所詮はSMク
ラブである。針責めや食糞がハードプレイとされるのは、塀の外でのお話
だ。そんなもの、さざなみ刑務所では看守の退屈しのぎにもならない。

89BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:16:35
Artemis UY0002
「今日オマエが、なぜ私に呼ばれたか分かるかしら?」
「い、いいえ。分かりません、すみません」

「私には重症マゾの奴隷が1人いるんだよ」
もちろんアルテミスの事である。
「でも最近、そいつの拷問が少しマンネリ化してきたんだよね」

「それはまた、もったいないですね」
シンディの機嫌を損なわないように、早苗は慎重に言葉を選んだ。

「原因は分かってるわ。その奴隷の少し変わった体質のせいさ。不死身な
のよ。不死身といってもタフという意味じゃなくて、本物の不死身。わか
る? ふ・じ・み。その女、どんな傷も治ってしまうのよ」

「はぁ……そうなんですか」
おもわず曖昧な返事をしてしまい、あわてて早苗は口をつぐんだ。さざな
み刑務所に収監されて日が浅い早苗は、アルテミス、すなわち鉄仮面の事
を知らない。早苗にとって不死身の人間というのは、SF映画に登場する架
空の存在でしかなかった。
(不死身の人間などいる訳ないじゃない。こいつ頭おかしいのかしら)
もっとも、そんな心の内を表に出すような事はしない。したら大変だ。

「そんな時にオマエがこの刑務所に送られてきたわけ。オマエに関する資
料を読んで、マンネリの打開に役立つかも知れない、そう思ったのよ」

「わ、私なんかでお役に立てるかどうか……」
「フフフ。役に立つかどうかは話をしないと分からないわ。役に立てば良
し、そうでない場合は……」
『場合は』の後に続く言葉を推測して、早苗は恐怖で失神しそうになった。

90BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:19:16
Artemis UY0003
早苗の恐怖に引きつった顔を楽しみながら、シンディは話を続けた。

「オマエのSMクラブに1人、相当なマゾがいたそうね? たしか名前は
……UME……、梅本由梨香っていうの? この女の事を教えてほしいの」

「由梨香……」
早苗の脳裏に、1人の女の記憶がよぎった。それはかつて、早苗の経営す
るSMクラブに籍を置いていた真性マゾ女の名前だった。

「私の想像では、その女はある種の薬を投与されているわ。それはマゾ化
薬といって、人間をマゾにしちゃう薬なんだけどさ。どれくらい効果があ
るのかを知りたいのよ」

「そんな薬があるんですか……」
人間をマゾに変えてしまう薬など、SMクラブを経営していた早苗も聞い
たことがなかった。

「さっき、拷問がマンネリ化している原因が、奴隷の不死身体質のせいだ
と言ったわよね。不死身のマゾ奴隷っていうのは、どんなに激しい拷問で
もできちゃう点はとても便利なんだけどさ。1つだけ決定的な欠陥がある
のよ。それが何だかわかる?」
シンディは妖しい輝きを湛える(たたえる)目で、早苗を見つめた。

「い、いいえ。分かりません」
「殺すことよ」
「ひっ……」
「地獄の苦しみの末、奴隷の心臓の鼓動が次第に遅くなって、最期に止ま
る。この時の興奮がたまらないのよ。不死身の奴隷では、この興奮は味わ
えないわ」

「もしもマゾ化薬が私の期待通りの薬なら、それを囚人に投与すれば、好
きなだけ私好みの奴隷を量産できるって事でしょ? アイツに匹敵するマ
ゾで、しかもきちんと死んでくれる素敵な奴隷」
「は、そうですね……」

「ねぇ、この梅本由梨香って女の事を聞かせてくれないかしら?」

早苗は、自分がそのマゾ化薬を投与されるのではないかと怯えながら、由
梨香のことを静かに語り始めた。

91BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:20:32
Artemis UY0004
梅本由梨香は、ネオガイア星人の開発したマゾ化薬の最初の実験台に供
された、元イベントコンパニオンだった。

マゾ化薬というのは、どんな人間もマゾヒストに変えてしまう薬である。
アルテミスと戦闘実験を行なった格闘家、ヨン・ソバ、犬山、亀山兄弟に
投与されたサド化薬とは、正反対の効果を示す薬品である。

薬のせいで重症マゾとなった由梨香は、初めのうちはサディストが大半を
占めるネオガイア星人に苛めてもらっていたが、それもすぐに飽きられて、
最後には地上に廃棄されてしまった。

廃棄後は、自分を苛めてくれるサディストを求めてあちこちをさまよった
が、病的に重度なマゾ性を満足させてくれるような相手にはなかなかめぐ
り会う事ができず、悶々とした日々を過ごしていた。しかもその頃には、
身も心もマゾ化薬に完全に侵食されていて、まともな仕事に就く事もでき
なくなっていた。そんな彼女が趣味と実益を兼ねてSMクラブに居場所を
求めたのは、ある意味、当然の結果といえた。

しかし由梨香のマゾ性は、どこのSMクラブでも持て余すほど凄まじかっ
た。結局どの店でも、しばらくすると由梨香は解雇され、新しい居場所を
探す悲しい毎日がまた始まった。

早苗の経営する店も、そんな由梨香がたどり着いたSMクラブの1つだっ
た。

92BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:21:51
Artemis UY0005
ここで、八谷早苗に雇われた梅本由梨香がどのような境遇にあったかを
理解するためには、早苗という女について、少し説明しておいた方がいい
かもしれない。

早苗は今でこそSMクラブの経営者だが、以前は宝石販売のチェーン店で
販売員をしていた。

小さい頃から早苗は、金に対する執着が異常に強かった。中高生の頃は、
ブルセラショップに下着を売ることなど当たり前だった。高校を卒業して
宝石店に就職してからは、金に対する執着はますます強くなり、年老いた
親から年金を取り上げることにも良心の呵責はなかった。

玉の輿に乗ろうとして、常に金持ちの男を狙っていた。しかし早苗は、容
姿にも教養にも恵まれなかった。しかも性格は、醜くねじ曲がっていた。
そんな女が玉の輿になるほど、世の中は甘くはない。結局、独身のまま42
回目の誕生日を迎えることとなった。

そこで早苗は、金持ちの男をゲットするために、美容整形で美しく生まれ
変わることにした。しかし医療保険が適用されない美容整形には高額な費
用がかかる。早苗は金を稼ぐため、宝石を買ってくれそうな男になら誰に
でも股を開いた。デート商法なんて当たり前のようにやってのけた。美人
局(つつもたせ)まがいの手を使った事もある。

そんな折に訪れたのが、バブル崩壊と、それに続く平成大不況である。不
況の中で宝石など売れるはずもなく、以前から詐欺まがいの営業をつづけ
てきた宝石店は多額の負債を抱えて倒産し、早苗は職を失ってしまった。

93BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:24:52
Artemis UY0006
客に股を開いて宝石を売ることしかできない、それでいて金に対する執着
が異常に強く、容姿と教養には恵まれない40過ぎの女。そんな早苗のそ
の後の職歴は、安キャバレーのホステス、ファッションヘルス、ソープラ
ンド、AV出演と、お決まりのコースを辿って行った。そして最後に行き
ついたのがSMクラブである。

意外にもこれが当たった。40過ぎの美人とも言えない早苗に客などつくは
ずはなかったが、SMクラブで定期的に開催されていたSMショーでは、
予想に反して早苗は人気を得たのだ。それはステージの上でS女がM女を
責めるものだったが、早苗が採用されたのはS女役だった。ステージ上で
繰りひろげられる、早苗自身の性格を反映するかのような陰湿で執拗な責
めが、観客の人気を博したのだ。

実のところ、早苗自身にはSMの嗜好はなかった。しかしギャラさえ払え
ばどんな事でも平気でやってのける早苗は、その点でも店から重宝された。
あまり魅力的とはいえない顔やスタイルは、SMショー用のマスクとラバ
ースーツ、そして異常にヒールの高いブーツでごまかす事ができた。

早苗が好んだ責めは、M女の恥ずかしい写真をステージの上から客にばら
まくプレイだった。その写真には、全裸のM女が写っているのはもちろん
の事、ご丁寧に写真の裏にはM女の運転免許証がフルカラーで印刷されて
いた。

早苗の責めにショックを受けて店を去っていったM女の数は、1人や2人
では済まない。それはそれで店としては損失だったが、早苗のステージの
人気は、その損失を補ってお釣りが来るほどだった。

SMショー専門のS女として不動の地位を築いた早苗は、様々な『努力』
を積み重ねて店のオーナーと愛人関係になることに成功した。そして更な
る『努力』の結果、オーナーの妻子を追い出して、オーナー夫人の座を手
に入れ、店の経営を任せられるまでになった。医者か弁護士、あるいはIT
社長と結婚するつもりだった早苗の人生設計とは大きく外れてしまったが、
少なくとも一番好きな物――金――は手に入れる事ができた。

以上が八谷早苗という女の、さざなみ刑務所に送られてくるまでの、半生
である。

こんな毒婦としか表現しようのない女の所有物に身を堕とした、由梨香の
生活は、当然のように悲惨なものとなった。

94BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:27:15
Artemis UY0007
 ここで話は再び、早苗の回想に戻る。

 早苗が由梨香と出会ったのは、由梨香が何軒めかのSMクラブに勤めて
いる時だった。ある日、早苗のもとに、別のSMクラブを経営している男
から1本の電話が入った。電話の内容は、紹介したいM女がいるから会い
に来てくれ、というものだった。

約束の場所につくと、物陰から電話の主が1人の女を連れて姿を現した。
女の年齢は20代半ばくらいだろうか。周囲が薄暗くてはっきりとは見え
ないが、同性の早苗から見ても、無条件に美女の部類に入る顔立ちをして
いた。早苗の顔に、嫉妬と憎しみが浮かぶ。

女を憎々しげに睨みつける早苗を無視して、男はおもむろに話し始めた。

「こいつは破壊願望のある真性マゾなんだ」
「破壊願望?」
「普通のSMでは満足できなくて、一生消えない傷や肉体改造を望む真性
マゾのことさ。見なよ、こいつの身体」

男はそういうと、女の着ているコートを剥がした。女は抵抗せず、少し嬉
しそうな表情さえ浮かべた。コートの下は全裸だった。

女の身体を見た早苗は、思わず「あっ」と声を漏らした。

女体は激しい陵辱と暴力の痕跡に包まれていた。赤や青や紫といった色と
りどりのアザ、縦横に走るミミズ腫れ、それに煙草の火を押し付けられた
ような火傷の痕。乳房に点々を散らばるホクロのように見える小さな斑点
は、針で刺された痕なのかも知れない。

古い傷の上に新しい傷が重ねられ、それはまるで女体をキャンバスにして
描かれた、退廃的な現代アートのようだった。

傷だけではない。身体のあちこちには、大小さまざまなピアスが取り付け
られていた。卑猥な文字や絵柄のイレズミもされている。中には見た事も
ない文字で書かれたイレズミもあったが、他のイレズミを見る限り、それ
が猥褻(わいせつ)な意味を持つ単語であることは間違いないだろう。

95BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:29:59
Artemis UY0008
「これは凄いわね。こんな身体はじめて見たよ」
「この女、しばらくうちで働いていたんだよ。しかも無給でな」
「無給?」
「ああ、ハードなサディストの客の相手をさせてくれたら給料は要らない
と、自分から言ってきたんだ」
男は苦笑いを浮かべて話を続けた。
「ところが、うちは比較的ソフトなSMを好む客が多くてよ。コイツみた
いな真性マゾは人気がないんだよ」
「あら、もったいないわねぇ……」

「まぁそれでも、こんなドスケベな身体の持ち主だ。物珍しさが手伝って、
初めのうちは客寄せになってたんだが……。それも次第に飽きられてきて
さ。正直言って今では店のお荷物なんだわ」
男の苦笑いが更に濃くなる。

「なんで? 無給で働くって言ってんだろ? 客はつかなくても、お荷物
にはならないだろ?」
「まぁそれはそうなんだが、他のM女が嫌がるんだよ。こんな真性マゾと
同じ店でM女をやっていると、自分にも同じようなハードなプレイを要求
してくる客がいるらしいんだ」
「へぇ……。そういうもんなのかねぇ……」

早苗は値踏みをするような目で、女の全身を見回した。視線を感じて、女
の両目に淫蕩な光が宿り始めた。女の焦点の定まらない虚ろ(うつろ)な
目に気付いた早苗は、もしかしたら何かの薬中かも知れないと思ったが、
その程度のことで臆していてはSMクラブの経営者は務まらない。

それでも一応、早苗はその点を男に尋ねたが、男は早苗の疑惑を否定した。
男が経営するSMクラブはソフトプレイ専門で、勤める女たちは前科なし
ヒモなし性病なしという、この手の業界の中では健全な部類に入る店だっ
た。薬中の従業員など1人もいないはずだ。

もっとも男は知らなかったのだ。女が実は、地球上のいかなる媚薬よりも
はるかに強力で絶望的な薬品を、ネオガイア星人の手によって投与されて
いた事を。

96BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/12(日) 19:31:43
Artemis UY0009
「そこで相談なんだが、こいつを引き取ってもらえねぇか?」
「売ってくれるの?」
「いや、金は要らねぇ」
「ほ、ホント? ホントにタダなんですか?」
恩師や上司にさえ敬語を使ったことがない早苗の口調が、タダと聞いたと
たんに敬語に変化した。その顔には下卑た笑いが浮かんでいる。

「あぁ、タダだ。この女も、きっと俺の店よりは、アンタの所のようなハ
ードプレイ専門の店にいる方が嬉しいに決まっている」

女を気遣うような台詞を吐きながら、実は男は厄介払いをしたかったのだ。
このままでは、いつプレイの度が過ぎて、女が死んでしまうか分からない。
M女がプレイで死んだりしたら、間違いなく店は営業停止に追い込まれる
だろう。男はそれが心配だったのだ。

いっぽう早苗はというと、この降って沸いたような話に、内心ほくそえん
でいた。真性マゾの美女、しかも給料を払う必要がないのだ。強欲な早苗
にとっては、まさに理想的な存在といえた。

「アンタ、名前は?」

「私の本名は梅本由梨香といいます。でもお好きなように呼びつけて下さ
い。由梨香とでも、メスブタとでも、お好みの名前をつけて下さい」

女――梅本由梨香――は、潤んだ瞳で新しい主人を見つめながら、答えた。

『梅本由梨香に関する資料 〜 八谷早苗の回想 1』おしまい

97BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/13(月) 13:02:27
八谷早苗の年齢と、バブル崩壊およびネオガイア星人襲来の年号が矛盾し
ていたので、Artemis UY0005とArtemis UY0006を以下のように修正さ
せてください。申し訳ありません。

98BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/13(月) 13:07:05
Artemis UY0005
 ここで、八谷早苗に雇われた梅本由梨香がどのような境遇にあったかを
理解するためには、早苗という女について、少し説明しておいた方がいい
かもしれない。

早苗は今でこそSMクラブの経営者だが、以前は宝石販売のチェーン店で
販売員をしていた。

小さい頃から早苗は、金に対する執着が異常に強かった。中高生の頃は、
ブルセラショップに下着を売ることなど当たり前だった。高校を卒業して
宝石店に就職してからは、金に対する執着はますます強くなり、年老いた
親から年金を取り上げることにも良心の呵責はなかった。

玉の輿に乗ろうとして、常に金持ちの男を狙っていた。しかし早苗は、容
姿にも教養にも恵まれなかった。しかも性格は、醜くねじ曲がっていた。
そんな女が玉の輿になるほど、世の中は甘くはないのだ。結局、独身のま
ま二十代と別れを告げた。

そこで早苗は、金持ちの男をゲットするために、美容整形で美しく生まれ
変わることにした。しかし医療保険が適用されない美容整形には高額な費
用がかかる。早苗は金を稼ぐため、宝石を買ってくれそうな男になら誰に
でも股を開いた。デート商法なんて当たり前のようにやってのけた。美人
局(つつもたせ)まがいの手を使った事もある。

そんな折に訪れたのが、バブル崩壊と、それに続く平成大不況である。不
況の中で宝石など売れるはずもなく、以前から詐欺まがいの営業をつづけ
てきた宝石店は多額の負債を抱えて倒産し、早苗は職を失ってしまった。

99BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/13(月) 13:09:30
Artemis UY0006
客に股を開いて宝石を売ることしかできない、それでいて金に対する執着
が異常に強く、容姿と教養には恵まれない中年の女。そんな早苗のその後
の職歴は、安キャバレーのホステス、ファッションヘルス、ソープランド、
AV出演と、お決まりのコースを辿って行った。そして最後に行きついた
のがSMクラブである。

意外にもこれが当たった。若くもなく美人とも言えない早苗に客などつく
はずはなかったが、SMクラブで定期的に開催されていたSMショーでは、
予想に反して早苗は人気を得たのだ。それはステージの上でS女がM女を
責めるものだったが、早苗が採用されたのはS女役だった。ステージ上で
繰りひろげられる、早苗自身の性格を反映するかのような陰湿で執拗な責
めが、観客の人気を博したのだ。

実のところ、早苗自身にはSMの嗜好はなかった。しかしギャラさえ払え
ばどんな事でも平気でやってのける早苗は、その点でも店から重宝された。
あまり魅力的とはいえない顔やスタイルは、SMショー用のマスクとラバ
ースーツ、そして異常にヒールの高いブーツでごまかす事ができた。

早苗が好んだ責めは、M女の恥ずかしい写真をステージの上から客にばら
まくプレイだった。その写真には、全裸のM女が写っているのはもちろん
の事、ご丁寧に写真の裏にはM女の運転免許証がフルカラーで印刷されて
いた。

早苗の責めにショックを受けて店を去っていったM女の数は、1人や2人
では済まない。それはそれで店としては損失だったが、早苗のステージの
人気は、その損失を補ってお釣りが来るほどだった。

SMショー専門のS女として不動の地位を築いた早苗は、様々な『努力』
を積み重ねて店のオーナーと愛人関係になることに成功した。そして更な
る『努力』の結果、オーナーの妻子を追い出して、オーナー夫人の座を手
に入れ、店の経営を任せられるまでになった。医者か弁護士、あるいはIT
社長と結婚するつもりだった早苗の人生設計とは大きく外れてしまったが、
少なくとも一番好きな物――金――は手に入れる事ができた。

以上が八谷早苗という女の、さざなみ刑務所に送られてくるまでの、半生
である。

こんな毒婦としか表現しようのない女の所有物に身を堕とした、由梨香の
生活は、当然のように悲惨なものとなった。

100BiBi ◆8cBPUextJk:2008/10/16(木) 20:11:54
Artemis0084
『医療室にて 前編』
 女剣士ヨン・ソバの肉がドーベルマンたちの食欲を満足させた頃、鉄
仮面ことアルテミスは、医務室のベッドで静かに横たわっていた。仮面の隙
間を通って気管の奥にチューブが挿管され、麻酔ガスと酸素が最適な比率
で肺に送られている。

アルテミスはヨンとの戦いで両腕と乳房に重い傷を負ったが、もとから彼
女自身が備えている再生能力に、ネオガイア星の優れた医療技術の後押し
が加わったおかげで、すでに傷は完全にふさがり、失われた器官もほぼ再
生していた。

本来なら、治療を施される事なく独房に放り込まれて、腕と乳房が再生す
るまでの時間を苦痛に悶えながら過ごすのだが、今回はメビウス博士の取
り計らいによって、医療班にアルテミスの治療が委ねられたのだ。もっと
も、重症マゾのアルテミスにとって、麻酔を施されて治療を受けるのが、
必ずしも幸せなことだとは限らないようである。

(あぁ、傷がどんどん治っていくわ。やっぱりネオガイア星の医療技術は
たいしたものね)
アルテミスは頭を上げて、自分の腕と乳房を静かに見つめていた。気管に
挿入されたチューブから肺に送られてくるガスは全身麻酔薬だが、失われ
るのは痛覚のみで、意識は保たれたままだ。身体を動かす事もできる。ネ
オガイア星の医療技術は進んでいるのだ。
(でも、少しもったいないわ……。せっかく食べてもらったのに……)

自分の肉体の一部を他人に食べられても喜ぶ、アルテミスの病的に重度な
マゾ性だけは、ネオガイア星の医療をもってしても治しようがなかった。


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