したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

キュトス71姉妹2

1言理の妖精語りて曰く、:2007/05/05(土) 23:10:54
このスレッドは主としてキュトスの姉妹に関する記述を行う場です。

467言理の妖精語りて曰く、:2017/08/21(月) 20:50:52
【コキュートス】は、プリズムの魔女であった。
彼女は、71が定数である【キュトスの姉妹】に影響を与え、同じ番号の姉妹が複数同時に存在するようにしたことがある。

それは、禁じられし言語で『小キュトス』を意味する名を持つ彼女ならではの技であった。
だが、それはまた別の話。
いつかまた、別の機会に話すとしよう。

468言理の妖精語りて曰く、:2017/08/22(火) 20:49:40
【T・リールエルバ族】は、ここに滅亡する。
我々だけではなく、DNAを主体とした生命体は、この災厄によって、全て滅ぶのだ。

そこで私は、この世界の未来を、この赤毛のアンドロイドに託すことにした。
このアンドロイドには、試作型の【世界律変動エンジン】を搭載してある。
さらに、表皮構造に、単純な生命を構成し得るような、あらゆるパターンを刻んでおいた。
上手く行けば、これに接触したRNAは、大きな変化を起こし、DNAに頼らない新たな生物種を組み上げるであろう。
いわば、【RNA生物】だな。
ウイルスには、RNAだけで活動しているものもいる。
決して不可能な話ではないはずだ。

そして、もしかするとこのアンドロイド自体もそれによって生命体として確立を…………
いや、それはあるまい。
元々、趣味で面白半分に組み立てたものなのだ。
過度な期待をかけるのは、止めておくべきだろう。

それにしても、【永劫線図書館】で借りてきた本があまりにベタベタだったので、腹立ち紛れに手近なスクラップを組み上げたことが、ここで役立つとはな…………世の中は、分からないものだ。
そういえば、このスクラップもといアンドロイドは、元々、誰がどんな目的で造ったものなのであろうか?
外見はオンボロなくせに、やけにフレームは頑丈だし、メインシステムのあちこちに解析出来ない部分があるのも解せない。
こいつが出てきた地層は、測定が確かなら有史以前のもののはずなのだが…………?
まあ、どうせこの間の地震で、軍の廃棄物がたまたま古い地層に紛れ込んだだけだろう。
やれやれ、もはや世界の滅亡だというのに、下らない思索に時間を費やしてしまった。
これも、学者のサガというものか。
ともあれ、運が良ければ、このアンドロイドが、新しいRNA生物種の母体となってくれるであろう。
願わくば、こいつが我々【T・リールエルバ族】がこの世に生きた証を残してくれんことを。
オンボロだろうが、元スクラップだろうが、こいつだけが我々に、いやこの世界に残された最後の希望なのだ。
あと我々に出来るのは、祈ることだけだ。
ふむ?そうなると、急にこいつが、女神像か何かのように見えてきたな。
女性型に造っておいて、正解だったか。
どうせなら、バストパーツも追加しておくべきだったかな?

さて、あと少しで【ギ・シティ】の【世界律変動エンジン】も暴走を開始するだろう。
試作型ではない全ての【世界律変動エンジン】は、一定期間の稼働を経た後に、暴走してDNAを分解する波動を発する。
【ギ・シティ】の【エンジン】もその例外ではないだろう。
我々【T・リールエルバ族】の歴史は、これから終わるのではない。
全てのエネルギーを【エンジン】に頼ってしまった時点で、もう既に終わっていたのだ。
まあ、私も、この事態を止めることが出来なかったのだ。
偉そうなことを言う資格など、何も無いのだがな。

お、来たか。



ああ、光が、終末の光が見える…………。

あ、しまった。
あのアンドロイドの本を【図書館】に返し忘れていたな。
『メイドロボットはどこから生物となるか』だったか、異世界人は、奇妙な本を読むものだ。
小説としては色々と失敗しているような本だったが、異世界では、これが売れ筋なのだろうか?
…………最後まで、疑問ばかりだな、私は。
なんにせよ、この世界と私にとっては…………あのぎこちない本だけが、唯一の…………救いだ…………った…………

469言理の妖精語りて曰く、:2017/09/05(火) 18:36:08
ラ=リスキャニアは、落ち目の女優である。

彼女の実家はとあるカルト宗教だったが、ある日壊滅した。
高名な物理学者と乳が無い助手が、カルトの『奇跡』を暴いたためであると言われているが、良くは覚えていない。

まあとにかく、家業が潰れたおかげで、ラ=リスキャニアは、夢である女優になることが出来た。
だが、しかし。
芸能界の荒波は厳しく、彼女は、今や落ちぶれてしまったのだ。
再起のためには、落ち目の芸能人たちが集う芸能人リサイクル企画である特番『雪山☆さばいばー』に参加するしかない。
どう見ても、ヤバい企画ではあるが、残された手段はこれしかないのだ。
あの、副業がアイドルである男性グループでさえ断ったとか、危険だから参加させてもらえなかったとかいうヤバい特番。

だが、今のラ=リスキャニアの立場も、それと同じくらいヤバい。
デビューして早々、枕営業を押し付けられてしまった彼女は…………家業の技術や脱法なキノコを応用し、様々な番組プロデューサーやディレクターをせんの、いや、お友達にしてしまったのだ!
幸い、彼女に繋がる証拠は最後まで出なかったものの、今では、彼女の『お友達』は、みな病院か監獄行き。

ラ=リスキャニアには、もう後がない!

「どうせなら、デスクイーン沖木島とかいう南の島の方が良かったなぁ…………」
選ばれなかった別のステージを羨みながら、食い詰め女優は、一路雪山へと向かうのであった!

470言理の妖精語りて曰く、:2017/09/19(火) 19:34:26
【リールエルバ】とは、ミトコンドリアの異名である。
一説によると、リールエルバは地球外生命体であるという。
それは、外宇宙から地球に飛来した侵略者であり、それまで存在していなかった『酸素で生きる生物』である。
リールエルバは、葉緑体という毒ガス作成工場を用いて、当時酸素に適応していなかった地球上の生物を、大量に殺戮したのだ。

あるいはそれは、宇宙からの難民である彼なりの『環境改善(テラフォーミング)』だったのかもしれない。

リールエルバ、それは原初の寄生体(パラサイト)

471言理の妖精語りて曰く、:2017/09/25(月) 18:12:36
クレアノーズは、痛みの魔女だ
彼女は、痛みで出来ている
クレアノーズは、ある大富豪の秘密の研究所で産まれた
大富豪は、痛みを怖がった
そして死ぬのが、怖かった

だって痛みは、欠けること
自分が侵され、奪われる
そうしたときに、痛みは感じる

そして『死』とは、全ての喪失
だから、それは、何より痛い
何も自由、でなく、何も守れない
叫びも届かず、助けも、来ない

だから、誰もが『死』を恐れる
自由とつながり、求め続ける

そんなところに、彼女は産まれた
そう、それは不老不死のために
痛みを苦痛を、無くすために
クレアノーズは、そうして産まれた
ただ一人の恐怖を、癒すために
未来への痛みを、消すために

472言理の妖精語りて曰く、:2017/10/21(土) 21:11:36
【グリムポーカー】とは、生きた呪文そのものである。
かつて、あるところに愚かな魔女がいた。
魔女は、世界を救えるほどの強大な力、救世の力を追い求めていた。
魔女が世界を救うために力をつけようとしたのか、その逆に、力の証明のために世界を救おうとしたのか、それは不明である。
おそらくは、未来永劫不明のままであろう。

ともかく、魔女は『世界を救える力』を追い求め、そして失敗した。
彼女は、『究極の呪文』だと考えたのだ。
あらゆる神秘は、公開と共有によって零落する。
魔術の根元であり究極の技術である呪文も、またその例外ではない。
ならば、決して共有されることがなく、そして、たとえ公開されても意味を為さない呪文を作ろう。
それこそが、究極の呪文、『世界を救える力』と呼ぶにふさわしいはずだ。
それが、魔女の発想であった。
だが、それは失敗に終わることになる。
彼女は、確かに誰の手も借りずに自律する呪文を作りあげることに成功した。
それは、自動的に自らを組み替え続け、自分自身を再構成し続けた。
不規則かつ、高速で変動し続けるその構造は、確かに、誰にも解読することは出来なかった。
まさにそれは、魔女の目論み通りであり、そうした意味に限れば、確かにそれは成功作であった。
だが、同時にそれは、否定しようもなく限りない失敗作でもあったのだ。
なぜなら、その呪文は、『世界を救える力』であったはずのそれは…………呪文として成立していなかったからだ。
誰にも解読出来ず、誰とも共有出来ない呪文とは、すなわち狂人の繰り言に他ならない。
確かに未知と未踏は、神秘の条件ではある。
だが、誰とも通じ合えない、いわば『誰にも見えない』モノに、一体誰が未知を感じるのだろうか?
そして、そもそも到達の可能性を夢想することすら出来ない地に、一体誰が未踏を想うのだろうか?
魔女の目論みは、試す前から失敗していたのだ。

目論みが失敗し、その愚かさが露になった魔女は、己への絶望と怒りのあまり、狂って死んだ。
あるいは、その行いこそが、彼女の最も愚かなところであったのかもしれない。どれだけ無様な失態を晒したとしても、彼女はまだ生きてたのに。
生きることが、出来たというのに。

ともかく、そうして【グリムポーカー】は生まれた。
そこには何の意味もなく、そして、何の期待もなく。
彼女は、何の未来もなく、何の保証もないままに、ただひたすらにこの世をさまよい続けている。
彼女の旅が、終わることはない。

あるいは、ひょっとしたら愚かな魔女の試みは成功していたのかもしれない。
【グリムポーカー】自体は、呪文として通用しなくても、こうして、【グリムポーカー】についての呪文を紡ぐ(かたる)ことは出来るのだから。
それは、豪雨の中に立つ、透明人間のようなものに過ぎないのかもしれないが。
【グリムポーカー】は、どこかで踊る。
何の期待も、叶えずに。
何の意味も、背負わずに。
世界の全てを救わずにいて、ただ、一人の魔女の足跡を残す。
誰にも、何にも、語れぬままに。
何とも、誰とも、通ぜぬままに。
それこそが、唯一の救いであると、言いたげにして。

473言理の妖精語りて曰く、:2017/10/29(日) 13:43:57
【コルセスカ】は悪魔の花嫁である。
遥か遠い彼方より来た悪魔に見初められた彼女は、自ら望んで悪魔と婚姻し、幸せに生きたとされる。
この悪魔は「竜と戦った」「泥だった」「孤独を好んだ」「隻腕である」などの説があり、
一説には猫騎士ニャー=ラソテプその猫であるとも言われている。

474言理の妖精語りて曰く、:2017/10/29(日) 17:34:17
【コルセスカ】は、自らと結婚した悪魔を氷漬けにした
そして、そのまま棚に飾ろうとしたのだ

ところが、その時その場に突如として、まるで迫撃砲が撃ち込まれたかのような謎の震動が走ったのだ。
更に続けて、ガトリング銃が掃射されるかのような謎の騒音と、ドローンの大群から小型バンカーバスターが投下されたかのような謎の轟音が、その場に鳴り響いた。
更にそこに、謎の人工衛星から射出された謎の戦略級反応弾と謎のソーラーレイが、極めて謎な感じに降り注いだ。
そして、その爆撃跡に、謎のスポンサーに雇われた民間警備会社のシークレット殲滅部隊が、謎の狼型無線誘導ロボット軍団を引き連れ、謎の襲撃を予算の範囲内で実行した。
最後に、これは別に謎でもないコルセスカの結婚式ブーケが、リボン付きの防弾ケースに納められたまま焼け跡に返品されてきた。

ただし、これだけの破壊が行われても、コルセスカには傷一つつかなかった。
彼女は、日頃から用意していた徹ゲー用シェルターに引き込もっていたからだ。
このシェルターは、防弾、耐刃、ゾンビに弾幕、猫リセットに、集金や急な仕事の呼び出し、果ては核やお母さんのごはんコールを想定した頑強な作りであり、それはこの状況においても、十分に彼女を守り抜いた。

しかし、その加護は、冷凍された悪魔にまでは、及ぶことはなかったのだ。
悪魔は、粉みじんになった。
そして、砕け散った悪魔の身体は、全世界にバラ撒かれ、その一つ一つが各地の有力者(ステージボス)に守られるようになったのだ。
衝撃的な状況である。

コルセスカは、この事態にうち震えた。
この状況は…………この状況は、あまりに、そうあまりにも…………楽しそうだったからだ!

勢いづいた彼女は、リュックに大きなパンとムチとツルハシと妖精捕獲用の瓶を詰め込むと、とりあえず青いツナギに緑の帽子をかぶって旅立つことにした。
武器は、道々檜の棒でも拾うとしよう。

こうして、長い彼女の旅が始まった。
一方その頃、別の魔女は無花果の樹と犬の骨から悪魔を再構成しようとしていたのだが、そんなことは、コルセスカには関係無い。
彼女は、出発前から二週目の以降の攻略プランを立てながら、まだ見ぬ明日へ向かって思いを馳せるのであった!

そう、彼女にとっての、人生の門出(うらすてーじ)は、今この瞬間にこそ始まったのだ。

475言理の妖精語りて曰く、:2017/10/30(月) 05:48:09
そう、コルセスカとは、光の屈折が形成する竜なのだ
それは、東の氷原にも、西方砂漠の上空に漂う蜃気楼にも見出だすことが出来る
コルセスカとは、ゆらぎのを骨格となし、観測する者の気分を外装となす、光の竜である

476噂神エーラマーン、語りて曰く:2017/11/07(火) 05:48:29
「リールエルバには、【パンドラフォーム】という必殺技があるんだって」

「ぱんどらふぉーむ?」

「そう。リールエルバは、ふだん引きこもることで己を『封じられた不幸の化身』と化して厄鎮めの財宝を捧げられているわけなんだけど、その財宝をあえて投棄することによって通常の数倍の力を発揮するんだよ」

「それが【パンドラフォーム】?」

「そうそう。そして、その強化率は、手放す財宝の量と質に比例する。つまり――――」

「つまり?」

「彼女は、脱げば脱ぐほど強くなるのだ!」

「オイ、それって、らしんかっさつけ」

477言理の妖精語りて曰く、:2017/11/07(火) 18:39:08
【リールエルバさん】とは、『箱魔女』である。

それは、女の子の間だけで語られる怪談の登場人物であり『つねに頭に段ボール箱をかぶっている』という奇妙な少女なのだ。
怪談が主に語られているのは、制服がブレザーのきゆら第二中学校だが、【リールエルバさん】は、真っ白な夏服のセーラー服を着ているという。
そして、そのスカーフは血のように赤いのだ。

【リールエルバさん】は、旧校舎の二階、一番奥の女子トイレの向かって一番右の個室に『出る』
彼女は、まるでランプの魔神のように、呼び出した者の願いを叶えるのだ。

彼女を呼び出すには、そのトイレで

「リールエルバさん、リールエルバさん、ひとつお願いしたいのです」

と三回唱え、三・一・二・四の順で個室のドアをノックすれば良い。
そうすれば、彼女はあなたの前に現れ、何でも一つだけ願いを叶えてくれるだろう。

ただし、【リールエルバさん】にお願いする際には、三つのルールがある。
そのルールを守らねばならないことを、決して忘れてはならない。
そのルールは、以下の通りである。

・一つ、【リールエルバさん】に願いを叶えてもらったことを、誰にも言ってはいけない

・二つ、【リールエルバさん】のところへ、大勢で押し掛けてはいけない

・三つ、【リールエルバさん】のかぶっている段ボールを『絶対に外してはならない』

以上の三つのルールを破ってしまった者には、恐ろしい災いが降りかかるであろう。

もう一度言う。
【リールエルバさん】のルールを、決して破ってはならない。
もし、破ったりしたら……………………







「ねえ、知ってる?この間見つかった『首無し死体』のこと。あれって…………」

478言理の妖精語りて曰く、:2017/11/08(水) 05:34:13
リールエルバは、町をさまよう箱をかぶった少女だ。
そう、彼女は、箱男ならぬ箱魔女なのだ。

479言理の妖精語りて曰く、:2017/11/11(土) 11:20:11
リールエルバとは、瓶詰めの魔女だ
彼女は、大型艦隊や台風、誰かの初恋の思い出に、歴史に隠された禁断の秘密を瓶詰めにすることもある。
だが大抵の場合、彼女は、自分自身を瓶詰めしている。
彼女は、自分が入った瓶を揺さぶって、ミニチュアの町に雪を降らせ、桜を舞わせ、木の葉を踊らせる。
そして、それを見ながら干したナツメや杏をつまんで、まだ見ぬ新たな季節に思いを馳せるのだ。

480言理の妖精語りて曰く、:2017/11/13(月) 18:54:08
ラ=リスキャニアは、商売中だ
なにせ、彼女には金がない
ついでに言えば、家もない
少し前までは、タレント用の女子寮(という名のボロアパート/コンサートホールより音が響く)にちゃんと住んでいたのだが、先頃の番組編成によって彼女は、職にあぶれてしまった。
よって今のラ=リスキャニアは、住所不定無職の魔女タレントである。

そこで追い詰められた彼女は、自ら起業することを決意したのだ。

かの有名な魔女アイテム【究極美肌洗顔フォーム・フラウ・キリエ・桜子】のようなヒット商品を売ることが出来れば、自分でも一発逆転を狙えるかもしれない。
苦心惨憺の末、どうにかそれらしい製品を開発した彼女は、どうしたことか、アイドルのライブ会場に足を運んだ。
なぜ、ライブ会場、それも女性アイドルのライブに足を運んだのか?
それには、彼女ならではの目のつけどころがあった。
有名な例え話に、『靴を履かない国に派遣された二人のセールスマン』というものがある。
片方のセールスマンは
「誰も靴を履かないなんて、靴が売れるわけがない!」
と悲嘆して帰国した。
しかし、もう一方のセールスマンは
「まだ靴を履いていない人がこんなにいるなんて!ここはなんて素晴らしいフロンティアなんだ!」
と欣喜雀躍したという。
粗雑な例えではあるが、ラ=リスキャニアは今回、そこにヒントを得た。
ライブ会場であろうと、いや、だからこそ男性アイドルのファンは、確実に化粧をしているだろう。
だが、女性アイドルのファンは、どうだろうか?
彼らは、グッズを買い漁るだろう、法被を着るだろう、応援グッズを用意するだろう。
だが、待ちに待ったライブのために興奮したその体は、グッズやCDの購入のために不摂生を続けたその肌は、激しくオイリーなのではないか?
むしろオイリッシュ、著しくオイリスト、脂まみれのロウソク男になっているのでは?
そして、女性アイドルといえば握手会だ。
待ちに待った憧れの彼女との触れ合い。
しかし、そこに向かうファンは、興奮でオイルキング、いや邪神オイルゴッドとして降臨してしまうのでは?

――――――――本当に、それで良いのか?


いや、良いわけがない。
そこにこそ、ラ=リスキャニアの商機はある。
もはや、彼女に作られたステージはいらない。
出番も、スポットライトも、欲しくはない。
今、必要なのは、ただひたすらに――――――――

「売って、売って、売りまくることじゃー!!!」

ラ=リスキャニアは、走る。
西にヒョロガリなアイドルオタクがいれば、行ってチークを塗りつけ。
東にふくよか(業界的な表現)な応援団がいれば、石鹸の山が出来るまでマジカル洗顔フォームで脂を搾り取り。
北に転売屋がいれば、通報中断と引き換えに、洗顔フォームの販売ノルマを押し付けた(奪ったチケットは、タダでそこら中に配りまくった)

不法投棄CDの山にあえば、投棄犯と一緒に実家へ送り返し。
札束の殴り合いによる応援合戦にあえば、行って、まず身綺麗にするのが先だと言い。

(人いきれで)暑さの時は、オタク積乱雲に消臭スプレーを吹きつけ。
(暖房がケチられてるせいで)寒さのときは、防寒効果を訴えながら化粧クリームを売った。

ドルオタ・スウェット・レインにも負けず。
ドルオタ・大移動・ストームにも負けない。
ヤキ入れにも、ナッツなバカどもにも負けない丈夫な触手ボディを持ち。
欲は大海のように深く。
ひたすら怒り。
いつも金勘定ばかりしている。

誉められたいし、(憎いライバルの)苦悩の源でありたい。
そんなラ=リスキャニアは、今日もどこかで、元気に生きている。
いまも、そしてこれからも。

481言理の妖精語りて曰く、:2017/11/16(木) 19:36:47
「ミヒトネッセ>>トーカーズ」とは、演劇の一形式である。

それは、舞台に座る人形に様々な役者が話しかけるだけのものであったが、それだけに、多様で豊かな演劇空間をもたらすことになったのであった。

生活に疲れた主婦が、家出娘が、帰る家のないサラリーマンが、筆を曲げたゴーストライターが、性別不明の不思議な人物が、姫キャラをやめようか迷う女子大生が、酔った税務署職員が、様々な役者が、様々な役が、ミヒトネッセに話しかける。
誰ひとりとして同じ人間はおらず、誰ひとりとして同じ話をする者もいない。

こうして、ミヒトネッセは聞き続け、沈黙の中に語り続ける。
今日、ここにしか
舞台と客席、この空間にしか現れることのない物語を

482言理の妖精語りて曰く、:2017/11/20(月) 19:46:48
コルセスカの悪魔とは、野菜の一種である
【猫の国】には「空心菜」という野菜があるそうだが、こちらはその近縁種なのかもしれない。
その俗称を「空魂菜」という。

この野菜は、寄生虫がつくことこそ多い。
だが、その処理さえ誤らなければ、どんな料理にも使うことが出来るうえに、大層美味しいのだ。

?????「天ぷら、炒めもの、塩漬けに丸焼き!叩いて、刻んで、ねじって、串刺し!どんな風に料理するか、今から楽しみだね!」

483言理の妖精語りて曰く、:2017/11/24(金) 19:14:44
リールエルバとは、黄金色の果実である

東国では、真冬にこれを湯船に浮かべ、健康を祈願する習慣がある

484言理の妖精語りて曰く、:2017/11/27(月) 19:10:36
【セリアック=ニア】は、朝を招く猫である。
彼女が、夜の女王である巨大ネズミを食べ尽くすと、この世に朝がやって来るのだ。

485言理の妖精語りて曰く、:2017/11/28(火) 20:00:03
ラクルラール教育TVが、赤字で動画配信企業に買い取られてから、もう何年になるだろうか…………。
相変わらずTVはメディアの中心ではあるが、もはやその様相はすっかり様変わりしてしまった。

486言理の妖精語りて曰く、:2017/12/06(水) 18:27:09
【吸血血族(きゅうけつふぁみりー)リールエルバ一家】とは、献血キャンペーンのマスコットたちである
最初は美少女キャラクターの【吸血徴税リールエルバちゃん】(「ちゃん」までが名前)しかいなかったのだが、後から設定されたイケメンの「兄」が一部の層に大ブレイク。
そのまま、どんどん「家族」が増えることになった。
キャラクターの背景としての「家族」の物語も、当初は「血の繋がった家族」の絆だけがテーマであった。
しかしそれも、いつしか人気の高まりと社会情勢の変化に合わせて「知り合った人はみんな家族」「家族の知り合いもみんな家族」とそのカバーする範囲を大きく広げることになった。

もちろん、そのほとんどがイケメンである。
こうして、多種多様なイケメンを集めながら、今日もまた【吸血血族】は、拡大し続けるのであった。

487言理の妖精語りて曰く、:2017/12/16(土) 08:39:50
◯ラプンシエル・タワー
展望台までの高速エレベーター利用料:500円
衣装レンタルによる「可愛そうなお姫さまごっこ」の記念撮影料金:5000円
思い出:プライスレス

専属契約のクレジットカードは、常時受付中

488言理の妖精語りて曰く、:2017/12/18(月) 18:30:13
フィランティア金融は、墓場の金貸しである
それは死者と生者、陰と陽の間を取り持つ境界の守護者
二つの世界の循環を維持するその店は、死と生の月下氷人であると語り伝えられている

489言理の妖精語りて曰く、:2017/12/21(木) 23:16:01
魔女コルセスカの名は悲恋花「コルセーク」に由来するものだ、という説がある。
実際にはこれは後世の画家や作家、吟遊詩人の創作であるらしいが、芸術作品において描かれるコルセスカが
多くの場合「コルセークの花」とセットになっているのは紛れもない事実だ。
なお、コルセークの名は「月の涙」を意味し、その花言葉は「忘れえぬ想い」である。

490言理の妖精語りて曰く、:2017/12/22(金) 22:49:20
ヘリステラは多くの記述において「小さい」と言われるが、これはキュトスの姉妹の平均値が高すぎるだけで相対的に小さく見えるだけなのだ、という説がある。
また、ヘリステラは”執行形態”になる際には姉妹の力を自身に集めるため、
いわば疑似キュトスとなる。
この形態が戦闘力において極めて強大なのはもちろんのことだが、プロポーションも大層巨きく豊か、かつ細くくびれているとかであるらしい。

491言理の妖精語りて曰く、:2017/12/30(土) 05:45:56
東方の鉱山では、採掘した宝石の横領を防ぐために、全裸での身体検査が義務付けられている。
そして、それは同時に、鉱山の守り神である嫉妬深い魔女【リールエルバ】への誠実さを示す行為でもあったのだ。
毒ガス、水脈の流出、落盤、そして地中に眠る古代の竜や怪物など、鉱山での作業は危険に満ちている。
その危険を乗り切る団結力を養うために、いかなる信仰体系にも属していない「鉱山だけの信仰対象」が必要とされたのだ。
魔女への信仰は、鉱山で働く男女の結束を強め、危険な作業に取り組む力を与えたのである。

やがて鉱山の時代は過ぎ去った。
しかし、魔女への信仰は無くならなかった。
職を無くした元鉱山労働者たちは、生き延びるために、魔女信仰を基盤とした秘密結社「セリアック=ニア姉妹団」を結成したのだ。
ただ、鉱山の外では常時全裸になるのは流石に厳しかったので、彼らは幻像や仮想によって【猫】などの獣に扮することで全裸を代用した。
そして、その姿で自分たちの窮状を世界に訴えかけたのだ。

それから多くの時が流れた。
いまや彼らは、猫語と猫の衣装を特徴とするアイドルとなり、融管放送で世界制覇を狙っている。
そして、その放送の背景には、常に全裸の魔女像があった。
そう、魔女リールエルバは、今もなお彼らの庇護者となっているのだ。

492言理の妖精語りて曰く、:2018/01/01(月) 05:23:57
【ラクルラール麺】とは、一年の最後に食べる縁起物の料理である。
これは、魔女ルスクォミーズが、同じくキュトスの姉妹であるラクルラールを丸呑みにしたという逸話を由来としている。

だが、その逸話の内容は、各地方によって微妙に異なる。
魔導国家ヘクセンでは、ルスクォミーズが丸呑みにしたのは、ラクルラールが身代わりにした彼女の髪の毛であり、
トロス三国では、同じく髪の毛を飲みこんだが、それは蜥蜴の尻尾のように危うくそこで逃れたからであるし、
ハイダル・マリクに至っては、ラクルラールこそが、髪でルスクォミーズを丸呑みにしようとしたことになっている。

他にも、自治領ではラクルラールの髪の毛が、本体から独立するために他の魔女を呑みこもうとしていたり、
東方諸国では、ラクルラールが、姉の飢えを満たすために自分の髪の毛を差し出したことになっている。
また、チャカ大陸などでは、逸話自体は東方諸国と同じでも、その理由が違う。
そこでは、ラクルラールが髪の毛を妹に食べさせたのは、自分の苦行のためであり、
それは世界人類の魂のステージを上昇(アセンション)させるためでもあったという。
そうした逸話の中で、一番得意なのは、天空の「空を飛ぶために軽量化したかった」であろうか?

ともかく、逸話こそ様々であるが、ラクルラール麺は世界各国において愛され続けている伝統料理である。
これからも、一年の終わりにはこの料理は欠かせないものであり続けるであろう。

493言理の妖精語りて曰く、:2018/01/09(火) 21:50:59
【バイナリライフ】とは、多脚の魔女である。
あまりに脚が多いため、人に脚を貸す「脚貸し屋」を経営するほどの余裕があるほどだ。

他にも飛脚、脚専門の部位モデル、義肢装具師などをやっていたり「多脚」と「多客」のごろ合わせから商売繁盛の神としても崇められてもいる。

494言理の妖精語りて曰く、:2018/01/10(水) 19:56:02
バイナリライフの脚はあまりに多いため、一番前の脚が胴体を連れてピクニックから帰宅した時も、一番後ろの脚はまだ家から出かけることが出来ていなかったといわれている。

495言理の妖精語りて曰く、:2018/01/12(金) 17:50:23
キュトスの姉妹の50番は、成長するごとに形態が変わり、名前も変わる。
いわば彼女は「出世魚」の一種であるといえる。
彼女は、基本的に世界を周遊しているため、その成長をつぶさに知る者は、そう多くない。
そのため、彼女は立ち寄る各地で、それぞれ「別の魔女」だと認識され、地方ごとに別の名前で呼ばれるのだ。

しかし、かといって彼女のその全ての形態に、名前が付いているというわけでもない。
50番の魔女は、成長段階を積み重ねた果てに、また最初の形態へとその姿を戻すこでは分かっているのだが、その段階にはまだ謎があるのだ。
彼女の「6番目」の形態は【マーチン】であり、狂気と暗黒の悪臭を放つ魔女である。
また、彼女の「8番目」の形態は「リスカミスカ」であり、善意と奉仕の化身と言える最高の善女である。
そこまでは、有名なのだ。

問題なのは、その間「7番目」だ。
7番目、「悪」と「善」の間に何があるのか?
それは魔女研究が進んだ今もって、謎のままなのだ。
この問題については、多くの冒険家が「7番目の」形態が棲むといわれる深海に挑み、無数の魔術師がその秘術の極みを尽くし、数多の学者が頭を悩ませた。
だが、その真実は未だに謎のままである。

50番の魔女のことが記載された書物は、それがどんな由緒正しい大図鑑であろうとも、その「7番目」の項目は記載されていない。
一番信頼性が高い【永劫線】の大百科でさえ、そこには「?」が三つ並んでいるだけである。
この「?」この「?」こそが、我々魔女学者にとっての究極の屈辱なのだ。
この世に解き明かせぬ真実はない、埋められない空白はないという我々の真理、いやもはや本能といっていいそれに、この項目は真っ向から反逆している。
これほどの屈辱があるだろうか?

だが、それでも、今はここで筆を置くしかない。
確証が無いことを記すなど、学者のするべきことではないからだ。

だが、だが、それでも、それでもなお・・・・・・・・。
私の目の前に、今見える、この「7番目」らしき魔女が「どうぞ貴方のお好きになさって下さい」とペンを差し出して命名を求めているという、ありえない幻覚が消えないのだ!
なぜだ!お前はどこまで私を愚弄すれば気がすむのだ!!
この、この・・・・・・・・魔女め!

496言理の妖精語りて曰く、:2018/01/12(金) 22:52:31
アリス・アインシュタインは番号を知られていないキュトスの姉妹である。
元は猫の国にいたらしいが、現在はパンゲオン世界にいる
亜大陸をさ迷っていたところをヘリステラに保護され、イングロールなどから結構かわいがられているようだ。
かつての世界で保護者からの虐待を受けていたという点が、他の姉妹の庇護欲をそそるらしい。
数法体系、論術体系、近代魔術を主に得意とする。
まだ実戦経験はほとんどなく、この点も多くの姉妹から大事にされていることをうかがわせる。
キュトスの姉妹の中でも特に「人間らしい平凡さ」を外見でも性格でも特徴とする。

497言理の妖精語りて曰く、:2018/01/13(土) 13:41:06
アーザノエルによれば本来のキュトスの姉妹として完成した魔女アリス・アインシュタインは
「光よりも速く移動し、時間と空間に干渉しながら22キロトン以上の熱量攻撃ができるはず」
とのことである。

498言理の妖精語りて曰く、:2018/01/14(日) 08:53:55
【ヘリステラーザノエル・ノナスメギストス】または【偽ヘリステラ】は、実際のところただの少女だった。
彼女は、ただロザンディン教授に気に入られたかっただけなのだ。
そのために彼女は、新たな名を自らに名付け「新しいヘリステラ」としてのアイデンティティを演じていたのだ。

だが、全ては潰え、彼女は行き場を失った。
教授は亡くなり、彼女の居場所も、また無くなったのだ。

ところが、そこで話は終わらなかった。
彼女のために立ち上がる者たちがいたのだ。
その名も「全世界おっさん連合」である。
それは「全世界」とは名ばかりの数人の集まりであり、そのメンバーも善人ばかりというわけでもなかった。
だが、彼らの手によって、偽ヘリステラは救われたのだ。

彼らは、仲間を増やし、智恵を絞り、あらゆるツテを辿って彼女を救う手段を模索した。
そうして膨れ上がった【連合】は、彼ら自身も予想だにしなかった力を持っていたのだ。
ひたすらに魔女について調べたおっさんがいた、考察したおっさん、討議したおっさん、さらには自ら「プレ・キュトスの姉妹」となったおっさん達がいた。
元ひきこもり、ニート、ホームレス、マフィアくずれや行き場のないエリートもいた。
宣伝する者、仲間探しをするもの、とにかく偽ヘリステラを慰めようとする者、組織運営に専念した者。
おっさん達の数は多く、その内実もバラエティ豊かであった。
そんなおっさん達が奔走しているうちに、いつの間にか、かつて偽ヘリステラであった少女は救われていたのだ。

あるいは、それは誰かのおかげではなく、彼女自身が「自分が救われても良い」と許したからなのかもしれなかったけれど。

499言理の妖精語りて曰く、:2018/01/14(日) 08:55:12
【バイナリライフ】とは、薬剤を患部だけに届けるナノマシンである。
それは、その性能から「長い脚を持つ魔女」に例えられる。

500言理の妖精語りて曰く、:2018/01/14(日) 16:57:35
【カーミラ】はキュトスの姉妹の11番目である。
クレアノーズ以前の11番であり、別サイクルのクレアであると考えられる。
寂しがり屋の同性愛者であり、女性(または雌)からのみ吸血する。
吸血によって性的快楽を与える(カーミラ本人も得る)。
日光下での活動は苦手だが、不可能ではない(肌が病的に白いので日焼けしやすい)。
強靭な不死性と高度な変身能力を併せ持ち、黒い霧になって瞬時に移動と回避を行う。
また、華奢な美貌からは想像もつかないような握力で近接戦闘を得意とする。
鍛えられた戦士であっても、鎧の上から手首を一瞬で握りつぶしてしまうカーミラの前では敵にならない。
女性の血液以外で好物はチョコレートなどの甘いもの。
吸血されそうになるので一部の姉妹からはちょっぴり距離をおかれていたらしい(ルスクォミーズ、イングロール、ムランカ、宵は友好的だった)。
インクルーザとも交流があったようだ。

501言理の妖精語りて曰く、:2018/01/14(日) 17:39:34
キュトスの姉妹11番目【ルサルカ】はミルトラの次の代にあたる魔女である。
吸血鬼であると同時に水の精霊であり幽霊でもある彼女は水辺で特に活発になる。
夏は森の中や木の上にいることを好むが、冬は概ね川や沼などの水中に潜む。
霊体である彼女の身体に対して、物理的な攻撃は意味をなさない。
透けるような薄い布地の白い衣をまとい、長い金髪で愛嬌のある美少女の姿をしている。
あと胸がだいぶ巨きい。
歌や踊りが得意で、月夜の彼女の歌舞を見たものはよほどの呪的抵抗力や魔術の素養を持たない限り魅了され、
敵対や抵抗の意志を奪われる。最悪の場合は絶対服従の奴隷とされてしまうだろう。
一方で豊かな実りと恵みを与える豊穣の権能を持ち、芸術的なインスピレーションを与えることもできる。
ミュリエンティやムランカと仲良し。
シュトラールの恋愛相談に乗っていたとか。

人間との悲恋の末に心中し、水底に沈んだ、という説があり、現在消息不明。

502言理の妖精語りて曰く、:2018/01/14(日) 20:59:16
キュトスの姉妹11番【ミルトラ】は姉妹のバランサーである。
太陽を司り、法の権能を持つ公明正大な吸血鬼の魔女で、姉妹の中でも特に背が高く、また輝くような美貌をしている。
インクルーザ曰く「英雄のような振る舞いをする女」で「しかもそれが嫌味にならない」ために、
「後代のクレアノーズよりも姉妹から人気があった」という(この記述が見つかったインクルーザはクレアノーズに三日間追いまわされた)。
空を走る大型の武装戦車を所持しており、移動や戦闘時はこれに騎乗することが多い。
司法の知識が豊富で、契約魔術を得意とする。
契約に背いたものに対して非常に強い力を発揮することができ、この特性と公平無私な性格から姉妹のバランサー役に最適とされた。
近接戦闘では焔の剣を両手から生み出す。

11番目のキュトスの姉妹でも特に強大であった彼女がなぜ代替りしたのかは詳細不明。

503言理の妖精語りて曰く、:2018/01/16(火) 18:43:18
「あなたが犯人です71」

それは、唐突に【星見の塔】を襲った「キュトスの姉妹迷宮殺人事件」の終幕を告げる言葉であった。
箇条書きにしてしまえば、それは笑い話にしかならない話だ。
不死身で有名なあの【キュトスの姉妹】が、殺された。
それも、連続殺人であり、犯人の手がかりがいっこうに掴めなかった不審な殺人事件であったというのだから。
おまけに、その犯行が行われた場所と言うのが、またふるっていた。
迷宮である。
姉妹たちは、突如として現れた「謎の迷宮」に閉じ込められ、力を封じられて次々と殺されてしまったのだ。
無力な魔女として、最後まで見逃されていた【ワレリィ】が、犯人を見つけなければ、この事件は文字通り「迷宮入り」となっていたかもしれない。
色々な意味で、笑えない話であった。

504言理の妖精語りて曰く、:2018/01/18(木) 21:41:11
キュトスの姉妹11番【ミルトラ】はパンゲオンで初めて裁判所を建設し、史上初の司法裁判を行った魔女であるという説が存在する。
このため、魔女でありながら司法機関において尊崇篤く、信仰を集めているという奇妙な状態である。
裁判所ではミルトラを称える碑文や美しい絵画などが飾られていることも多い。
地域によっては「魔女を信仰している」とは言えないため、「法の女神ミルトラ」と言った言い換えを行っているところもあるようだ。

505言理の妖精語りて曰く、:2018/01/20(土) 19:44:28
【迷宮姉妹連続殺人事件】略して【迷殺】では、多くの姉妹が殺された。
だが、彼女たちは、最後まであがき続け、犯人打倒のための手掛かりを残したのだ。

506言理の妖精語りて曰く、:2018/01/21(日) 00:12:35
ヘリエステラの執行形態は全てのキュトスの姉妹の力を集め、疑似キュトスに変身するものである。
この際、容姿も全ての姉妹のキュトス性を集めることで女神キュトスに近いものに変わる。
具体的には背が伸びて胸が巨きくなり、大人びた美女に変貌する。
この変身は元々初代バランサーであるコキュートスが使用していたものだった。
コキュートスとは即ち「小キュトス」のことでもある。
その後、コキュートスの代替りに伴い、ヘリステラがこの「キュトス化」を受け継いだらしい。

507旧時代の男性植物学者、語りて曰く:2018/01/23(火) 18:13:55
魔女草(ヘクセン)の一種である【ミヒトネッセ】は、育ちによってその性質を変える。

これは、成長すると【猫の国】の戯曲を歌い出す不思議な草なのだが、養殖とそうでないものでは、歌う戯曲が異なるのだ。
まず、養殖のものは、くるみ割り人形の恋と冒険を歌う。
だが、そのなかでも、植えられた環境に満足しないものは温室から抜け出し、人形であることを辞めた女性の物語を歌い始めるのだ。
また、こうして養殖ルートから外れたミヒトネッセは、呼び名を変える。
彼女が歌うイプセンの戯曲の主人公から名を取り、これを俗に【ノラ・ミヒトネッセ】と呼ぶのである。
なんとも、奇妙な話ではないか。

508言理の妖精語りて曰く、:2018/01/24(水) 17:46:13
ミヒトネッセ土偶は、元々安産を祈願する由緒正しい呪具であった。
しかしそれは、いつしか恋のまじないに用いられるようになっていった。
意中の女性の住まう軒下に、この土偶を埋めておくと思いが通じるというのだ。
このまじないは大いに流行ったため、意外な組み合わせのカップルが誕生するとそれはみな、ミヒトネッセのせいだとされた。

そんな中には、自分から、軒下にミヒトネッセを埋める女性さえも現れたという。
まだまだ離婚が難しく、女性が家に束縛されることも多かった時代の話である。

509言理の妖精語りて曰く、:2018/01/25(木) 20:46:06
「ホットプリンには、やっぱりホットレモネードが一番ですの〜」
ノエレッテは、気の抜けた叫び声を上げた

510言理の妖精語りて曰く、:2018/01/26(金) 19:51:55
【ラプンシエルの塔】は、思考実験の名前だ。

あるところに少女がいて、彼女は【塔】の上にいる。
この【塔】は、宇宙そのものであり、時間が経過するごとに肥大化する。
そして、少女が歩くことは、そのまま時間の経過を意味するとされている。
すなわち、少女が階段を降りれば降りるほど、【塔】は大きくなり、【塔】を降りるのが困難になっていくのだ。
少女が動かなければ時間は経たないが、そうなると当然【塔】を脱出することも出来なくなる。

果たして、少女はこの【塔】を降りられるのだろうか?

511言理の妖精語りて曰く、:2018/01/27(土) 19:33:52
外へ出たい

けれど、私はなかなか外へと出ることが出来なかった
いつもこうだ
別に、私はひきこもりというわけではないが、いったん何かにハマると動き出せない
だが、私には動くことが必要だ
どんな独創性も、比較する対象がなければ意味をなさないように
どんな共感(イメージ)も、所詮は自分と言うコップの中の嵐でしかないように
動かないまま、行動を起こせないままでは、そこからは・・・何も始まらない
あと、心筋梗塞とかメタボもごめんだ
フォアグラのような身体になって体力を弱らせたままでは、ロクな精神活動も出来ないに違いない
心身は、一体なのだ

そんな私の窮地を救ってくれたのが、ワレリィだった
正確に言うと、自分の『視界の外』へと道を拓こうと試行錯誤しているときに、彼女に会ったのだ
自分の意志力の無さと、想像力のチープさに嫌気がさしていた私は、空中に無数のレイヤーを幻視した
【幻視魔術】により、それは幾重にも重なる氷の壁となり、それは私自身でもある私の『視界』を固定することに繋がったのだ
やった。後は、ここに・・・
私は、続けてドアノブをイメージして、それを掴んだ
私が掴みとった『未知なるドアノブの感触』の幻視(イメージ)は、何も無いはずの『ドアノブ』を具現させ、続けて氷の壁に閉じ込められた風景の中央に、長方形のドアを浮き上がらせた。
カチリ、とドアが開く音を幻聴した
ドアが開く


「あなたは、どこへ行きたいのか?」

512言理の妖精語りて曰く、:2018/01/27(土) 20:06:25
その時、そんな声が聞こえた気がする
それとも、それは、事後的に生成された私のイメージに過ぎないのだろうか・・・?

ともかく、私は彼女のイメージに接続(コネクト)したから、あそこから出られたように思うのだ
それこそ、彼女に言わせれば、それは私の思い込みの結果であり、忖度と大差のない暴力的なことなのかもしれないが

そして、私は彼女と話をした気がする
魔女と世界の索引、そして『外』へ出る話を

しかし、今は時間が無い
その話は、また次の機会にするとしよう
そう、私が『その機会』への『扉』を開くことが出来たときに

513言理の妖精語りて曰く、:2018/01/28(日) 13:43:48
【ミヒトネッセ・デンタータ】は、食虫植物の一種である。

だが、実は彼女は、虫を食べなくても、生きていくことが出来る。
ミヒトネッセが虫を食べるのは、土壌にかなり栄養が不足している時だけであり、普段は有名な溶解液を出すこともあまりない。
むしろ、どこかの隅でのんびりしているのが、性に合うくらいだ。

そして彼女は、その外見から色々言われることはあるが、本当は恥ずかしがり屋の花なのだ。
彼女をホラー映画などに出演させるのは、勝手なイメージの影響に過ぎないのである。

514言理の妖精語りて曰く、:2018/01/30(火) 18:39:06
アウロラは、闇の中にて語る
それは、光の下には出せぬ物語

それは、最大の反逆を引き起こせし、毒花の魔女の心の底
それは、消し去られし迷宮殺人事件での、知られざる14女の活躍
それは、全てをカッティングする氷の魔女の、地獄の如き末路の話

あるいはそれは、今ここにいる貴方の話だったりするのかもしれない
アウロラは、語る
どこまでもいつまでも語り続ける
それは、闇の中に開かれた本に似て
暗がりへ広がり、染みわたる

515言理の妖精語りて曰く、:2018/02/04(日) 20:09:49
ヘリステラとサンズのどちらがキュトスの姉妹において最強なのか?
という議論はキュトスの姉妹の中でも意見の分かれるテーマである。
確かにサンズは恐ろしく強い。しかし、こと棒術と槍術に限って言えば、ヘリステラはサンズを上回る。
加えて反則ではあるが、執行者形態のヘリステラは「多数決」や「万色」といったサンズの技も使用できる。
しかし、これらを除けばやはり、ヘリステラ相手にもサンズが勝つだろうという意見もある。
実際のところ、この二人は友好的であり、直接全力で戦った事が無いのでわからないのだ。

516言理の妖精語りて曰く、:2018/02/05(月) 22:17:56
キュトスの姉妹、ディオリオーについての勘違いや誤解を解いておこうと思う。
彼女はディオルとは別人だ。
また、彼女を呪ったのはエトラメトラトンではない。
この二点は私、インクルーザが保証する。

517言理の妖精語りて曰く、:2018/02/09(金) 21:02:57
ミスカトニカの死骸は、千々に分かれて世界各地に散らばっているという
ある者は、それは【人類】の魔法の触媒として用いられたと言い
またある者は、地上に降り注いだミスカトニカの欠片こそが、人類に智恵と詩才を与えたのだという
ノエレッテの永劫図書館の基盤、宇宙鉄道パンゲオンのエンジン、クレアノーズの箱の中やルスクォミーズの腹の中に至るまで、その在り処は諸説あり、定まらない
あるいは、時折道端で見つかる小さな船状の石【遺跡船】こそが、ミスカトニアカの欠片なのかもしれない

518言理の妖精語りて曰く、:2018/02/10(土) 20:38:13
ワレリィが常に背負っている斧には、二つの権能がある
一つは、開拓の権能であり、これは世界を切り拓くことで、自分の好きな幻想世界を拡大させることが出来るというものだ

そしてその斧には、それとは真逆の権能も、また存在している
それは、世界を「遮断」する機能である
ワレリィの持つ名も無き斧は、幻想と現実、実在と不在、更には幻想と幻想の間を「切り分ける」ことが出来るのだ
キュトスの姉妹の間で【ケーキ・カッター】の名で通っているこの権能は、前者の【開拓】の権能の形を変えたものであり、これは一種の「領域作成」であると言える
前者では、己の独断と偏見で関連性を見出すことで前進し、後者では、同じ独断を「境界の確定」に用いることで各々の領域を固定し、安息を得るのである

しかし、この名も無き斧は、強大な力をもっているせいか扱いが難しく、ワレリィもしばしば難儀している
というより、普段から背負っているために、その権能を、ついド忘れてしてしまうことも多いようだ
口さがない者などは、ワレリィは、その斧を小鬼に盗まれてしまったと言う始末である


まあ、名も無き斧の権能は、元を正せば、ワレリィ自身に備わっていたものだ
彼女がそれを自覚すれば、別に斧が無くとも権能を使えるはずなのだが・・・・・・・・

ともかく、ワレリィになぜ【門番】(ゲートキーパー)の異名があるかと言えば、それは、この後者の権能のためなのである
この権能ゆえに、彼女は境界の管理者たる【門番】と呼ばれるのだ

519言理の妖精語りて曰く、:2018/02/18(日) 01:39:58
雪の降る季節から、
魔女たちの間では、適当な孤児を拾って弟子にする事が流行ってた。
それはいつしか誰が一番良い弟子を見つけるか競争になり、
魔女たちは集会を開いて弟子自慢をし合うようになった。

520言理の妖精語りて曰く、:2018/02/18(日) 10:51:47
そうして星見の塔に迎えられたものが番号を持たない姉妹たちである。
ディオリオーやアリス・アインシュタインのような。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板