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武具・道具・祭具

429言理の妖精語りて曰く、:2017/07/21(金) 05:58:37
彼は、どれほど過酷な「仕事」 にも耐えるつもりであった――――実際には「仕事」と呼べるようなものは、ほとんど無かった。
彼は、多少の犯罪や悪事にも、その手を染める覚悟はあった――――しかし、求められていたのは、むしろ慈善行為に近い「仕事」であった
彼は、接触対象が小さな組織であり、カルト化した閉鎖的な集団となっていることも覚悟していた――――しかし、まさかその「秘密結社」が家族経営だとは、予想もしていなかった。
彼は、どんな厄介な上司や同僚をも、覚悟していた。
靴をなめさせられようが、どれだけ理不尽な命令をされようが、耐えるだけの備えと対応力は身に付けてきた。
だが、
だが、
だが――――彼の上司は、どこにでも居そうな主婦であり、彼に与えられた部下も、またどこにでも居そうな小娘であった。
確かに、彼には神具鍛冶としての技能は求められていた。
しかし「結社」の予算や、準備の関係のため、今のところそれらを振るうことは出来なかった。
どれほど腕の良い技術者でも、素材が揃わねば、その力を見せることは出来ない。

かくして――――陰惨でハードボイルドな「仕事」に従事するはずだった扶桑崎鷲太郎は、「上司」であり「首領」である話好きな主婦の身の上話と、ワガママで小生意気な「部下」子守りに付き合い続けるハメに陥ったのであった。

――――どうして、こうなった?


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