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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

239ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2017/07/04(火) 23:26:49 ID:PM3/LMsM0
クレイトンが喜びの声を上げるのを耳で聞きつつ、ロージアは平静さを保ちながら次の指示を下していく。

「夜間着水になる。訓練通りに、慎重にやってくれよ」
「勿論です。では、行きますよ!」

クレイトンの掛け声とともに、機体が母艦の近くに向けて速度を上げていく。
程無くして、母艦上空に到達すると、クレイトンは愛機の速度を緩めつつ、上空を旋回する。
2度、3度と旋回を繰り返すうちに、速度は更に緩まり、クレイトンは慎重に期待を操りながら、着水準備に入った。
エンジンのスロットルを絞り、機体を水平に保ちながら、ゆっくりと下降していく。
着水の瞬間は最も緊張する時だ。
着水事故が起きた時のために、2人は風防ガラスを開ける。
外から冬の冷たい風が容赦なく吹き込み、2人の体が急速に冷えていく。

「今回も、上手く行ってくれよ」

ロージアは寒さに震えつつも、小声で着水成功を願う。
空母に乗っていた時は、着艦時に着艦フックがワイヤーを捉えてくれれば、強制的に減速する事ができた。
しかし、水上機は、常にうねりを伴い、安定しているとは言えない海上に降りなければならないため、着水は非常に難しい。
訓練中に、僚機が着水に失敗して全損事故を起こしたのを見ているロージアは、空母艦載機とは違った難しさがある事を、真に理解していた。
機体の右手に、母艦が見えてきた。
真っ暗闇の中にサーチライトで位置を知らせるキャッスル・アリスの姿は、心の底から頼もしいように思えた。

「着水します!」

クレイトンからそう伝えられると、ロージアは万が一の時に備えて、体を身構えた。
唐突に機体下部から突き上げるような衝撃が伝わる。周囲からは、フロートが海水を切り裂く音が響いて来る。
ドスンという衝撃が伝わると、次は機体が一瞬だけ浮いて軽やかな浮遊感を感じたが、すぐにまた下部から衝撃が伝わり、そこからこすり続けるような音と
振動が機体を震わせ続ける。


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