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ーーー リョナ2板 SS総合スレ 第6巻 ーーー

536名無しさん:2024/01/10(水) 12:22:03 ID:???
少し汗ばんだ様子のこころが、ほのかをきっと睨みつける。
どこか自分の方が格上だと、心の底のどこかで思い込んでいたせいなのだろうか。
少なくともDOA初出場のほのかに負けるのは、こころのプライドが許さないのかもしれない。

(こころさん怒ってる……どうしよう……!)

ほのかは格闘技が大好きだ。
正々堂々と勝負することが好き。
ただそれだけなのだ。
しかし、こころは勝つことを重んじているらしい。負けることは絶対に嫌だと言わんばかりの様子だ。
これ以上こころを怒らせないためにも、ここはギブアップをするべきだろうか……?
そんなふうに悩んでいる矢先に、こころが再びほのかの懐へ入り込んだ。

「あっ!?」
「隙だらけや!」

ガードするも衝撃を抑えきれずに、ほのかは後ろに倒れて尻もちを付いてしまう。その倒れたところに追い打ちを重ねるこころ。
ほのかはすぐに立ち上がり反撃に転じた。
二人は激しい攻防を繰り広げながら会場を盛り上げていく。こころの闘志はさらに増していき、決着に向けて動きが加速していく……。

1分が経過した。

「こ、こころさん……ごめんなさい……」

外から見て優勢なのはこころだった。
ほのかの制服は、こころの足裏によって付けられた足跡で汚れができていた。
ほのかの白いニーソックスにも黒ずんだ汚れが付いている。こころはほのかを倒そうと必死で攻撃を畳み掛けてくる。
京都で修行した成果をこれでもかとほのかに見せつけてくる。
ほのかはこころの怒りと気迫に圧されて、防戦一方のまま何も反撃をしないでいた。

「ね、ねえ……こころさん……顔が、こ、怖いよぉ」

対するこころは……疲労を溜めていた。
激しいラッシュをほのかに叩き込み続ける。
自分の八極の舞は美しく完璧なもののはずだ。
それなのに致命的なダメージが与えられない。
なぜ自分の攻撃が通用しない……!?
汗で自分の髪が首に張り付いて鬱陶しい。
ほのかの制服は汚れてはいないが、襟元やニーソックスに汗が染み込んでいた。
少し息を切らしながら、顎の先からポトポトと汗の雫が落ちるのを掌で拭い取る。


「何いうてんの、うちは怒ってなんかいまへんっ」

そういってこころは足を振り上げて蹴りを放った。

「きゃあっ!?」

顔面に迫るこころの蹴りに、ほのかは思わず顔の前に腕を構えてガードした。


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