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FFDQかっこいい男コンテスト 〜ファイナルファンタジー8部門〜
1
:
名無しの勇者
:2002/10/18(金) 20:13
FF8の小説専用スレです。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。
*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*
2
:
ラグナ×サイファー
:2003/02/05(水) 22:28
デリングシティを覆っていた曇り空は、夕暮れになって小雨を降らせ始めた。
今夜はカーウェイ大佐邸で行われる非公式の会談のため、警備を依頼されたSeeDが街を巡回している。
サイファー・アルマシーもその一人で、ショッピングモールの巡回を終えて『ガルバディア・ホテル』に入ったのだった。このホテルのロビーで、同じく警備に当たっている風神、雷神と待ち合わせをしていた。
(…あいつら、まだ当分戻ってこないだろうな)
ホテルの入り口付近の窓から外を眺めていたサイファーはため息をついて、地下のバーへと移動した。ピアノから遠くない席に腰掛け、『デリング・ムーン』というカクテルを頼む。
時刻は16時30分を少し過ぎた頃。バーの中央に据えられたグランドピアノは『アイズ・オン・ミー』を奏でている。この曲は20年位前にヒットしたジュリア・ハーティリーのメジャーデビュー曲だ。今では40代以上の大人に懐かしまれる曲となってしまった。
普段歌など聴かないサイファーが知っているのには理由があった。
どたどたと灰色のレインコートを着た男がバーの階段を下りてきたのは、その時だった。外の雨でコートはしっとり濡れている。男はピアノの音の通りが最も良い場所―サイファーが座っている場所に、断りも入れず腰掛けた。
「お久しぶりです」
バーテンが笑顔で近づいてくる。よぉ、と男が声を掛けているところを見ると、二人はどうやら知り合いなのだろう。男が「いつもの」と言うとバーテンは黙って頷き、男が脱いだよれよれのコートを嫌そうな顔もせず受け取って、カウンターへと戻っていった。
「…『アイズ・オン・ミー』か」
男が呟く。コートを脱いだ男は、サイファーが所属するバラムガーデンで流行っている言葉で言うと『美形』で年齢不詳な顔立ちをしており、濃い色の髪を後で束ねていた。ジュリアのデビュー曲を知っているということは、男もいわゆる『中年』なのだろう。
この男の顔をどこかで見たことがあるような気がして、サイファーは落ち着かなかった。
「誰か待ってんの?」
屈託なく男が話し掛けてくる。
3
:
ラグナ×サイファー【2】
:2003/02/05(水) 22:30
「…あぁ」
「実は俺も。っていうか、俺の場合は『会いに行く』なんだけどな」
相手がなかなか来てくれなくてね、と男は笑う。
サイファーは2年前、未来の魔女アルティミシアに意識を操られ、企みに乗せられて以来、仲間二人―風神と雷神―以外と話すことが億劫になっていた。世界に混乱を招いた魔女の手先だった過去は、今のサイファーからかつての傲慢ぶりを拭い去った。
シド学園長の引き止めがなければ、SeeDにすらなっていなかったかもしれない。しかしそんな様子のサイファーに気も留めず、男は話し続ける。
「俺、20年以上前、ガルバディア軍にいてさぁ。その頃、毎日ここのバーへ通ってた…好きな娘がいてね」
「…」
「すごくピアノの上手い娘だったけど…1回話しただけで、気持ちを伝えることができなかった」
俺の人生でひとつめの後悔だよ、とため息混じりに男が呟く。ちょうどピアノの演奏はサビの部分にさしかかっていた。
「…あなたは知っていたかしら、か」
何かを懐かしむように男は一瞬目を細めた。
「今では仲間たちに『傍若無人』って言われるけどよ、20年前の俺は奥手すぎて…ダメだったな」
「何が?」
「ま、お前は後悔するなってことだ」
男の話は要点がよく見えない。が、何か惹かれるものを感じ、サイファーは席を立てなかった。男と話し始めてから、時間は5分しか過ぎていない。
「ふたつめの後悔は、あれだな。…俺にはお前位の息子がいるんだが」
「…そんな歳には見えないが」
「よく言われるよ。ちょうどお前と同じく、額に傷があるんだが…こいつがすごく無口で何を考えているんだか、さっぱり分かんなくてよ」
男の『息子』は、サイファーがよく知る男に似ていた。現SeeD代表でかつてのライバルに――。
「母親そっくりの顔なんだけど、あいつを見る度に死んだ女房を思い出す…俺は、女房の死に目に立ち会えなかったんだ。これがふたつめの後悔」
サイファーも掛けるべき言葉が見つからず、黙っていた。ピアノは変わらず『アイズ・オン・ミー』を奏でている。
二人の間の沈黙を遮るかのように、「お待たせしました」とバーテンは男が頼んだ『いつもの』を運んできた。
「おい、ただのレモンティーじゃねえか!!」
「あなたはただでさえ酔いやすいですからねぇ。それにこれから仕事なんでしょう?電話がありましたよ」
「ちぇ、バレてたか…上手く巻いたつもりだったのに」
酒でも呑まなきゃやってられない、とのたまう男に耳を貸さず、バーテンはそういう時は紅茶がいいんです、と強引にテーブルに置いて去っていった。
4
:
ラグナ×サイファー【3】
:2003/02/05(水) 22:31
仕方なく紅茶でちびちびやり始めた男に、今度はサイファーが話し掛けた。
「あんた、何の仕事してるんだ?」
男は一瞬目を瞠ると、不思議そうな顔をしているサイファーを見てけらけら笑い出した。
「お前いいキャラクターしてんな。こんなに大笑いしたのは久しぶりだ…あ、俺は今ある国の政府関係者なんだが」
「ある国?」
「あぁ。その国の関係でこれから仕事なんだよ。苦手な演説。あーくそ、もうこんな時間か」
男は壁に掛けられた時計を見る。時刻は17時のちょうど5分前を指していた。
「あと5分しかないけどな。俺のみっつめの後悔、聞きたいか?」
「?」
「さっき話した俺の息子。仕事絡みでこれから会うんだけどな。父親としてちゃんと奴の成長を見守ってやれなかったこと。これがみっつめだ」
だから、プライベートでも強引に会いにいくようにしているんだが。そう言って男は立ち上がった。
「…行くのか?」
「あぁ。面倒だけどな」
バーテンが持ってきたコートに腕を通した男は、サイファーに顔を近づけて呟いた。
「お前は確かに魔女の企みに与して、世界に混乱を招いた。ただ、お前が魔女に選ばれたのは偶然だ。人間なんて、誰もが何かしらの欲望を心に秘めているもんだ」
「でも…」
俺はSeeDになりたかった。皆に認められたかった。魔女に従い、自分の存在を知らしめることが認められることだと思っていた。魔女に自分の醜い心を利用された。その事実がサイファーには許せなかった。
「間違いだって気付いたんだろう?なら、それでいい」
代償は大きかったけどな。男は笑う。
「お前が反省しているのが分かったから、皆もう一度お前を受け入れてくれたんだろう?お前の今後に期待して、シドさんはお前をSeeDに任命したんだろう?」
「…」
「何度も言うが俺みたいに後悔だけはするなよ。若いうちに間違いに気付けて良かったって思っとけ…おーっと、時間だ」
男はちらっと時計に目をやると、すぐにサイファーに向き直った。男の笑みを浮かべた唇が自分のそれに触れたのに気付いたのは、唇が離れた後だった。
5
:
ラグナ×サイファー【4】
:2003/02/05(水) 22:47
「…っ!!何するんだよ!!」
「いや〜、かわいいな、と思って」
へらへら笑う男に悪びれた様子はない。サイファーの顔が朱く染まっていくのを楽しんでいるようだ。しかし恥ずかしくはあったが、男にキスされたことに嫌悪は感じなかった。
「息子もお前みたいに素直な反応をしてくれるといいんだけどな」
笑いながら男は階段を駆け上がる。一番上まで上りきったところで、もう一度サイファーの方を振り向いた。
「また会おうぜ、サイファー。こっちから連絡する…あ、俺はラグナ・レウァールな」
それだけ言って、サイファーの返事も待たずに走っていった。
(…サイファー、また会おう?名乗ったか、?ラグナ?)
サイファーは今頃、男がやたらと自分のことを知っていたことに気付いた。魔女アルティミシアが世界を支配していた頃のことは、彼女の消滅により、人々の心に影響を及ぼしていた魔力が消え、おぼろげになっているはずなのだ(と魔女だった学園長夫人のイデアが話していた)。
それなのに何故、男はサイファーの心中を知り…名前を知っていたのだろう?
「サイファー、ごめんだもんよ」
「御免」
男と入れ違いに階段を駆け下りてきたのは待ち合わせをしていた風神と雷神。雷神の方はなにやらひどく興奮しているらしく、風神にたしなめられている。
「い、入り口でスゴイ人とすれ違ったんだもんよ。な、風神?」
「…大統領」
「そう、エスタの大統領!!ホテルの入り口にデッカイ車が迎えに来てた。補佐官に怒られてたんだもんよ。カーウェイ邸に行くらしいもんよ」
雷神はまだ話し続けているが、サイファーの耳には入っていなかった。
「エスタの大統領の名前って…」
サイファーの呟きは、風神の耳に届いたようだ。
「ラグナ・レウァール」
「…ラグナ?ラグナって」
さっきまで自分と一緒にいたあの男。ある国の政府関係者だと話していた、子持ちの男。
(…大統領だったなんて)
「ははっ…はははは」
サイファーの低い笑い声に、風神と雷神の話し声が止まる。サイファーもこんなにおかしかったのは久しぶりだった。
「大統領、か」
ラグナはまた会おうと言った。
(ガルバディアの一兵士が、どうやってエスタの大統領になったのか、今度聞いてみよう)
『息子』のことも。そして自分のことを何故詳しく知っていたのかも。
ラグナと話したのはわずか30分。彼と交わした会う約束を心待ちにしている自分の気持ちに、この時のサイファーはまだ気付いていなかった。
6
:
雫夜
:2003/02/05(水) 22:49
…FF8の壁は高かった…。
7
:
Breathless―ため息も吐かせない―1
:2003/02/09(日) 03:07
デリングシティにある『ガルバディア・ホテル』。地下のバーでは今日も、ジュリア・ハーティリーのデビュー曲『アイズ・オン・ミー』が奏でられている。
サイファー・アルマシー―バラムガーデンのSeeD―は、このバーの名物カクテル『デリング・ムーン』が注がれたグラスを片手に、向かいに座る男を見つめていた。
「怖い顔して…どうした?」
男はサイファーに屈託なく笑いかける。自分の睨みが意図した効果を発揮しないことに、サイファーは苛立った。
「この前の帰り際、オレが言ったことは覚えているか」
「ん?あー、この前俺たちが会ったのは」
エスタの大統領執務室だ。そう答える男は自分が手にしているグラスの中の酒が気になるらしい。サイファーの言葉にも上の空だ。
「ラグナ!!聞けよ!!」
「分かった、分かった。そんなコワイ声出すなって」
男―ラグナ・レウァール―は驚いて、サイファーを見る。瞬間、頭から『デリング・ムーン』を浴びせられた。
サイファーはというと、右手に空のグラスを持ったまま、呆然としていた。
8
:
Breathless―ため息も吐かせない―2
:2003/02/09(日) 03:08
「あ、の俺…」
「…サイファー?」
ラグナの呼びかけで、サイファーは我に返った。空のグラスを見て、自分がラグナにしたことを知る。
「―っ、すまない」
苦手な謝罪の言葉を口にして、サイファーは立ち上がる。
「部屋に戻る」
「おい、待てって」
ラグナのサイファーを呼ぶ声が背中越しに聞こえたが、サイファーは無視してロビーにあるエレベーターへ向かった。
―2年前に魔女の事件以来、こんなに感情を爆発させたことは無かったのに―
サイファーはひとりごちる。自分の感情を制御できなかった理由は分かっていた―自分の告白をラグナにはぐらかされたこと。
2年前に起こった魔女アルティミシアの時間圧縮の事件で、サイファーは手先として活動していた―正確に言うと、心の隙に付け込まれ操られていたのだが。
事件解決後、操られた自分を許せず、シド学園長に任命されSeeDとして活動していた中、ラグナに出会った。先日、彼はこの街で行われた首脳会談にエスタ大統領としてやって来た。そしてこのバーで偶然出会ったのだ。
後悔だらけの自分に、後悔に囚われるな、と背中を押し、唇を奪った彼。自分の内面を理解してくれたのは、彼が初めてだった。
そんな彼への自分の気持ちが『恋』だと気付き、前回ふたりで会ったときにラグナに伝えた。女から告白されたことは何度もあるが、自分から、それも男にするのは初めてである。でも後悔はしたくなかったから、自分なりに精一杯伝えたつもりだった。
が、ラグナは微笑んだだけで何も言わなかった。
今日は彼の気持ちをはっきりさせたかったのに。
「…バカみたいだ。オレ」
サイファーの頬に涙が零れる。男を想って泣いたのも初めてだった。
エレベーターのベルが、サイファーの宿泊している階に止まったことを告げても、彼は長身を屈めたまま、しばらくの間動けずにいた
9
:
雫夜
:2003/02/09(日) 03:11
>>2-5
の続きでつ。
>>2-5
があまりにもアレなので、挽回しようかと…コソーリ。
10
:
サイゼルってみる
:2003/02/16(日) 17:12
その日の朝。
体育祭の準備の真っ只中でガーデンの外に生徒達は集中していた。
ゼルもその例には違わず、ガーデンの体育館近くで看板作りの作業をしていた。
のだが。
準備をサボろうと実行委員長のセルフィの目の届かぬところへと
移動していたサイファーが、偶然作業中のゼルを見つけたのだった。
「ええと…ここが…こうで…」
何やら一生懸命に熱中するゼルを見るのが楽しくて、
そのまま見守っておこうかと考えたサイファーだったのだが、突然。
ビリリリリッ!!!
看板の骨組みに出ていた釘にひっかかり、ゼルのTシャツの背中が破れてしまった。
「あーーーーーっ!」
ゼルの叫びに黙々と作業していたアーヴァインが顔を上げる。
そしてゼルを見て一言。
「くすくす…ゼル…背中丸見えだね?」
心配するでもなく心底楽しそうに呟くアーヴァインにゼルは文句を言おうとする。
しかしその瞬間。
ゼルはサイファーの肩の上に抱えあげられていた。
「あっ!サイファーっ!てめっ!なにするんだよ!」
「シャツが破れちまったんだからなあ?着替えなきゃなんねぇだろ?」
「ばっ…!そんなの理由になんねえよ!自分で行くよっ!」
顔を真っ赤にして反論するも、抱えあげられている以上なす術も無い。
「いーからおとなしくしてるんだな」
じたばた暴れているゼルやその場の全員を無視し、
サイファーはどこかへ行ってしまった。
「あ〜あ。まだ作業途中だったのになあ…」
ゼルは体育倉庫の中に連れて来られてしまっていた。
「なんでココなんだよっ!部屋じゃねえのっ?!」
嫌な気配を感じて大声をあげるが、サイファーがガチャリと鍵をかけてしまう。
「これで思う存分楽しめるなあ?ゼル?」
にやりと笑みを浮かべてそう言ってくる瞳に、ゼルは
予感が的中―――してしまったことを悟った。
11
:
サイゼルってみる
:2003/02/16(日) 17:14
「はぁっ…あっ…!ん………あっ……!」
静かで真っ暗な倉庫の中に響く湿った音。
プレハブに似た単純な作りのせいで、動くたびに壁ががたがた音を鳴らしている。
「あっ………んんっっ!」
ゼルは、いつも以上に猥らな声をあげていた。
…といっても正確には「あげさせられていた」といったほうが正しいのだが。
「おい…テメェ…いつもより感じてやがるな?」
ゼルを乱れさせているこの男―――サイファーは、
苦笑しながらゼルの耳たぶを噛む。
「…っそんなことっ…ねぇっ…くっ……んっ…あっっ!」
口ではそう言いつつも更なる刺激を求めているかのような肌の熱さ。
暗くて見えないが、本人は顔を真っ赤にして抵抗しているのだろう。
その熱さに答えながら、サイファーは手をだんだんと下腹部のほうへ移らせてゆく。
「あっ……!!!」
突如ゼルの口から大きな悲鳴が漏れる。
サイファーの指がゼルの一番敏感な部分にたどり着いたのだ。
「んっ…!いぁっ…やっ…サイ…ふぁっ…んっ!!!」
サイファーがその部分を掻いてやると、たちまち声は大きくなる。
自分の名を呼びながら喘ぐ獲物に満足し、さらに言葉で責める。
「…テメェは暗闇のほうが感じるみてぇだな…?ああ?」
そう言って手の動きを速くする。
撫ぜる、擦る、掴む。その度にゼルは鳴き声をあげる。
鍵はかけてあるといっても、防音などあるわけがない体育倉庫の中。
ましてや今は体育祭の準備中。いつ誰が何を取りに来ようともおかしくはなく、
外に聞こえはしまいかと不安になるゼルだった。が、
いつもとは違う快感に声が全く抑えられない。
「あっあっ…んっ…いっ……っ!もうっ…あっ…あああっっっ!」
やがてゼル自身は限界を超え、サイファーの手の中で果ててしまう。
「いつもより速かったなあ?チキン…?」
「…チキンじゃ…ねェ…」
一度果ててしまったので反論しようにもどうも力が出ない。
12
:
サイゼルってみる
:2003/02/16(日) 17:15
「なんで…急に…こんなことするんだよ…」
ぜいぜい言いながら、薄れゆく意識の中で、ゼルは疑問を口にしようとする。
その瞬間。ゼルの後ろになにかをまさぐるような感触。
やがてそれが止まったかと思うと、
急にとてつもない衝撃が走る。
「っ……!!くぅ…ああああっ…!」
まだ濡らしてもいないゼルの後ろに、サイファーがじかに入ってきたのだ。
「…いっ…てぇ……!な…にす…んだよっ!」
あまりの痛さに気を失いそうになりながら、それでもなんとか反抗する。
「お仕置きだ。」
そう言って、一気に腰を揺する。
「へ?…!!!っあっ…っ!!んんっっ!」
ゼルは全く意味がわからないまま、サイファーに激しく突き上げられる。
サイファーは腰を支えながら、リズム良く内部に打ちつける。
いつもよりキツく締まったソコは、互いの欲望を煽るのには充分過ぎるほどだ。
サイファーが何度か律動していると、
一度果てたはずなのに、ゼル自身もまた熱を帯び始めてくる。
片方の手で乳首を弄くりながら、わざと音を立てて首筋に跡を付ける。
耳を甘く噛みつつなにかを囁き、さらなる快感を誘う。
サイファーのそんな煽り方にはゼルは慣れている筈だった。
しかし暗闇の中では予測がつかず、思いの外興奮してしまう。
「あっあっあっ…!んんっ!ぁっ…」
サイファーは後ろでゼルを高速で突き上げつつ、前にももう片方の手を添えてやる。
やはりいつもと違う場所しかも暗闇、というのが恰好の刺激になっているらしく。
、ゼルの先端に液が先走っているのがわかる。
壁に手をつけてなすがままにされていたゼルだったが、やがて崩れ落ちそうになる。
「ひぁっ!さい…ふぁっ…!もう…だめっ…だ…っ!!!!」
「…っまだだ…まだイかせねえ…」
自分も掠れた声でそう言うと、サイファーはゼルを支えつつ腰の動きを止め、手探りで何かを探す。
「っっ…サイ…ふぁー…?」
悩ましげな声で続きをねだるゼル。このままでは自分で手を使って達してしまいかねない。
急いで探すと、暗がりにだんだん慣れた所為でそれは簡単に見つかった。
「くくっ…あったぜ…」
ゼルにはサイファーが何を言っているのかよく分からなかった。
ただ感じるのは、漠然とした不安と、はやく自分の熱を静めて欲しい――。
それだけだった。
サイファーは突如自身をゼルの中から引き出すと、変わりに何かひんやりとしたものを入れる。
「…っぁ……っ…!!!」
中に入れたのはマラソンのスタート時に打つ、音の出るピストル―――つまり競技用の紙雷管だった。
サイファーのモノで慣れているゼルのソコは、ずぶずぶと先をくわえ込む。
先のものよりは大きくないが、ごつごつした感触がよりいっそうゼルの欲望を煽る。
何が入ってきたのかはわからなくても、新たな快感が生まれたことは確かだ。
「くぅっ……んっ…あああっ…!」
涙目ながら、必死に快感を得ようと動くゼルがサイファーを刺激し、
サイファーのモノもどんどん硬さを増してゆく。
「おらよ。くくっ…打っちまおうか…?」
「っ…!」
一体自分の中に何を入れられたのだろう。わからないながらも、
ニヤニヤ笑いながら言っているだろうサイファーの顔が、ゼルにはしっかりと浮かんでくる。
しかし、イきたいけど、最後はサイファーのモノで果てたい。
そう思っているゼルは限界ぎりぎりのところで我慢していた。
ゼルのそんな気持ちは彼にはわかりきっている。
ぎりぎりまで追い詰めてから再び犯してやろうと、ピストルの先端をぐりっと回転させてねじ込む。
「…あああっっ!!!…サイ……ぁっ!も…うだめ…だっっ…」
その声を聞いてから一気にそれ引き抜くと、再び限界にきている自身をあてがい、一気に貫いた。
「ひぁっ!!!」
「イイぜ…?イっちまえ…」
「ひっ…!!あああっ…イイっ…!サイ…ふぁっっ!!!あっ…あっあああああっっっ!!」
13
:
サイゼルってみる
:2003/02/16(日) 17:15
気がつくとゼルはサイファーの部屋のベットの中にいた。
頭がぼんやりしていて、少し前のことがはっきりしない。
やがてバスルームからサイファーが出てきた。
「あ?起きてやがったのか。」
「俺なんでココに―――って、あっ!!!」
ゼルは急に覚醒して大声を出す。
「思い出しやがったか…くくっ」
「なんで急に…あんなことしたんだよっ!」
食って掛かろうとするゼルに、サイファーはにやにやしながら言う。
「それでも感じてやがっただろうが?暗闇のせいでいつもの倍くらいな。」
「っっ……!!!」
「まあ、俺も楽しませてもらったからな。教えてやるよ。」
そう言うとサイファーはゼルの方に一歩近づき、耳元で低音で囁く。
「俺以外の野郎に…肌見せんじゃねえ…って事だな…わかったかチキン?」
「……!!!なっ…なっ…そんなことでアンタっ…」
そんな、第一さっきのはアクシデントじゃないか…。
そんなことでこの男は自分をあんなところで―――しかもあんなもので――
襲ったのか。ゼルはそんな思いでいっぱいになり、思いきり赤面して絶句する。
サイファーはそんなゼルを見て口の端を上げて笑う。
「俺は独占欲が強いんだ…まあこれからも…覚悟しとけってこったな?ゼル?」
たったそれだけのことで。
ニヤニヤしながらゼルを見下ろすサイファーに、もう何も言えないゼルなのだった。
14
:
10〜13
:2003/02/16(日) 17:17
うわーゴメンナサイ。
あまりにカコイイ小説のあとにしかもサイ攻め書いてしまった…。
はじめて書いた…からへたれでも許してください(w。
15
:
a
:2003/08/21(木) 16:05
10〜13ステキーーーーーー!!!
やっぱゼルは受け!!
16
:
名無しの勇者
:2003/09/29(月) 02:20
職人さま、萌々作品ありがとうです。
スコールからみのもきぼんします。
よろしくどぞ〜♪
17
:
FUMI </b><font color=#FF0000>(vIy/tsx2)</font><b>
:2005/05/11(水) 00:16:04
えーと、前のFF10からものすごく間あきましたが、ずっとFF8やってまして…
……サイゼル投下します…
18
:
サイゼル・1
:2005/05/11(水) 00:20:01
「疲れたぜ…」
バラムガーデンのカードリーダー前にたどり着いた途端、どっと襲ってきた疲労感に思わず座り込む。
「…こんな所に座り込むな」
「もう、疲れて動きたくねーよー…」
頭上からかけられた当たり前の注意にゆっくりとスコールを振り返ると、呆れかえった顔して見られてて少しへこんだ。
自分も疲れてるのか、素っ気無い口調で俺を促す。
「とにかく、…中に入ってからにしてくれ」
チラッと流した目線の先でおっさんが眉をしかめてこっち見てるのを見て、仕方なくダルイ体でカードリーダーをくぐりぬける。
それにしても、今回の任務はきつかった。
難しい事なんて何一つないただのモンスター討伐及び新種モンスターのサンプル採取。
言葉にすればそれだけの事だけど、キャンプ張って延々エスタ周辺のモンスターを倒して採取して倒して採取して…。
いくら体動かすの好きな俺でも、限界ってもんがあるだろ。
二週間だぞ、二週間!
おまけに新種ってか亜種モンスターが、ちょっと厄介な特殊攻撃してくるようなやつもいて、ホントきつかったぜ。
「あ、おかえりっ、スコール!」
とりあえず報告のためにエレベーターに向かってたら、スコールが何かに突進されて前のめりになった。
…まあ、何かって、リノア以外にスコールにこんなことするやついないんだけどよ。
「…ただいま」
振り返りながら微笑むスコール見てっと、ホント感心しちまう。
だってよー…、微笑んでんだぜ…?
あの、スコールが。
リノアの偉大さっていうか、恋ってスゲーっていうか、いろいろ感心するってもんだろ。
なんて考えてたらいちゃいちゃくっつきだしたから参る、…もっかい言うけどスコールがいちゃいちゃしだしたんだぜ…、本気で参る。
まあ…、この変化はいいことなんだろうけどよ…。
ふか〜いため息ついてから、諦めの滲む声で言葉をかけつつエレベーターを呼ぶ。
19
:
サイゼル・2
:2005/05/11(水) 00:21:17
「あ〜…、先戻っていーぜ?」
二人ともきょとんとした顔で見てくる。
「報告、俺ひとりで大丈夫だからよ…。行っていーぞ」
「…俺も行く」
「そーだよ、私ここで待ってるよ?」
当たり前みたいな顔してそう言うけどよ、…でもさ。
「久しぶりだろ?」
二週間ぶりだ。
「ゆっくり話したいこととかあんだろ? 大丈夫だって! 兼任責任者なんだから学園長もごちゃごちゃ言わねーだろ」
今回の任務は厳密にどっかから依頼されたもんじゃなくて、ほぼバラムガーデンの独断で行なったモンスター調査だ。
基本的には討伐もある程度しとくけど、新種・特に亜種モンスターの進化を調べる為にエスタも自主的に解析してくれるだけで、正式に依頼者ってわけじゃない。
ようはアレだ、月のなみだの影響で変化したモンスターの中に、厄介な毒とか持つやつがでてたら困るからってハナシ。
今の解毒剤とかだけで間に合わなくなってたらいざってとき厄介だからな。
だからしいて言えば依頼主は学園長で、リーダーも『君達ならどちらでも構わないでしょう』とか適当なこと言われて出発した。
「でも…」
口ぶりでは迷ってるけど、やっぱり嬉しさは隠せない感じでリノアがスコールを見上げる。
スコールも迷ってるみてーだ。
…ったく、しょうがねーなー…。
「ほら、さっさと戻れよ。 …いつ次の任務はいっかわかんねーんだから、居られる時は好きなだけくっついてろよ」
仕上げにできる限り意地悪に笑ってやると、リノアは真っ赤になってスコールも苦笑する。
「わかった。じゃあ、報告は頼む」
「おう!」
「じゃ、またね! ゼル!」
「お〜! またな〜」
嬉しそうに、楽しそうに、寮に戻ってく二人に軽く手を振ってエレベーターに乗り込む。
…自分でも呆れるお人好しぶり。
『ばっかじゃねぇのか?』
「うっせー…」
小馬鹿にするアイツの声が聞こえた気がして、思わず声がこぼれた。
静かに上昇するエレベーターの中でおもわず俯く。
…待ってる人間は俺にもいる。
とっとと済ませて早く部屋に向かいたいけど、報告は結構大量だ。
「夜までにおわっかな…」
さすがに深夜までは勘弁して欲しい…、そんなぼやきを打ち消すみたいに開いたエレベーターを抜けて、学園長室のドアをノックした。
20
:
サイゼル・3
:2005/05/11(水) 00:22:22
みんな夕飯も済んで、各々好きなことして過ごしてる時間。
やっと報告から解放された俺は、盛大に不満を告げる腹も…胸んとこの鈍い痛みも無視して自室の前にいた。
確かに腹も減ってるし…会いたいけど、今はとにかく眠りたい。
アホみたいに酷使した頭が煙噴きそうなんだよ!
こんな状態で会いに行ったら、最悪大喧嘩とかしそうだ。
会いたい気持ちをねじ伏せて、だるい腕をやっと上げて暗証番号を打とうとした瞬間。
「おせぇんだよ! 今まで何してやがった!」
後ろから腹にまわされた腕に持ち上げられて、ビックリして言葉も出てこない。
「きぃてんのか? こら」
後ろから抱えられたままどっかに向かって歩かれても、俺はまだ固まったままだった。
…いや、『どこ』に向かってんのかはわかってるんだけど…。
あんまり突然すぎて反応できなくなったっつーか…。
「おい、チキン、聞こえてんなら返事しやがれ」
「…チキンてゆーな…」
なんか、いろいろ、脱力する。
何でこいつが人の部屋の前にいんのかとか、せっかく我慢してたのにとか、二週間振りだってのに顔も見ねーで後ろから持ち上げんなとか…。
ぽつぽつすれ違うやつらビックリしてんじゃねーかよ…。
「おい……、降ろせよ…」
「却下だな」
一言で斬られてさらに脱力だ。
「そんな事より質問に答えろ」
…『そんなこと』かよ。
ため息を噛み殺してぼそぼそ口を開く。
「…報告してた…」
「スコールは昼には戻ってたぜ?」
「……、…リノア迎えにきてたから、…」
「ああ?」
急に止まって降ろされる。
「…で?」
やっと正面から顔見れてほっとしたのもつかの間、凶悪な面で覗き込まれて仰け反った。
21
:
サイゼル・4
:2005/05/11(水) 00:23:40
「だ、だから…、先戻っていーって言ったんだよ、俺が…」
額に手をやって盛大なため息をつきながら首を振る。
ス、スゲーむかつくッ!!!
「テメェは早く戻りたい用事が無かったってか?」
ビックリして俯きかけてた顔を上げたら、静かにこっちを見てる碧色の瞳にぶつかる。
胸のあたりが急に苦しくなって白い袖口をきゅっと握った。
「ち、違う…。気持ち、わかるから…、…」
あの二人を見てて、自分も早く戻りたかったけど、譲ってやりたかった。
長く会えなくてやっと会えたらすごい嬉しい。
一回見ちまったら、たかが報告といえどまた何時間か離れるのは、やっぱり寂しいんだ。
それを上手く口から言葉にして出せなくてじっと見つめる。
バカみてーに口パクパクしてたら、今度は正面から持ち上げられた。
「お、わッ…」
慌ててしがみつく。
「ばっかじゃねぇのか? テメェはなんでも自分を後回しにしすぎだ」
エレベーターで聞こえた空耳と同じこと言われて、…上手く言えない気持ちがちゃんと伝わって、嬉しくなって顔が勝手に笑う。
「ヘラヘラしてんな、チキン」
「だから! チキンて呼ぶなよ!!」
「やかましい! 耳もとで叫ぶんじゃねぇっ!」
下らない言いあいがバカみたいに楽しくてヘラヘラは止まらない。
扉を何個か通り過ぎて、ようやく目的地に到着する。
片手で暗証番号を入力する音の後、静かな音と一緒に入り口が開いて室内の空気がふわっと香る。
それが自分を抱き上げてる人物から香るコロンと同じで、自分の部屋と同じ安堵感を感じるのが不思議だ。
そうだ、すっかり忘れてたぜ!
降ろしてくれないみたいだから、そのまま。
周囲に人がいないかしっかり確認して、顔をしっかり見合わせる。
入り口をくぐりながら、碧色の瞳がゆっくり近づいてくる。
「ただいま」
額を合わせて笑う。
「おせぇよ」
ぐりぐり額で押されてまた笑う。
22
:
サイゼル・5
:2005/05/11(水) 00:24:25
静かに閉まる扉をチラッと見て、自分から口を寄せていく。
「…おかえり」
告げられた言葉に胸の奥がくすぐったくなって、こんな当たり前の事が凄く嬉しくて、泣きそうになった。
くっつける寸前、静かに、確かめるみたいに、大事な名前を口にする。
「ただいま…、サイファー」
不安定な態勢が怖くて必死につかまりながら、慣れたタイミングで呼吸をあわせる。
「…、は、ぁっ…」
すぐ奥にベッドがあるのに、何でこんなとこでヤッてんのかっていうと…、盛ったからとしか答えようがない…。
ホンワカ温かい気持ちになったまんまキス続けてたら、いつの間にか背中をドアに押し付けられてて、どんどん深くなるのにやめ時わかんなくなって…、あとは大盛り上がりだ。
いつの間にか下脱がされてたと思ったら、両足抱え上げられてドアに背中預けたままサイファーにしがみついた。
途端、持ち上げられた体重のぶん深く入り込まれて…。
やっぱこの格好は深くまで入ってくんなぁ、って軽く感心する。
「…ずいぶん、余裕だなっ?」
「ウアッッ!!」
別んとこに意識いってたのが気に入らなかったのか、いきなり揺さぶられてデカイ声がでた。
ヤッ、ヤベーッて!
「ッばっ…、聞こえちまうだろッ!」
わかってんのかっ、コイツっ!
防音されてるとはいえ、こんな風にドアに密接した状態じゃ声が漏れないっていう保証は無いってこと…。
…その憎ったらしい嫌味な笑いは、わかっててやってるんだな…。
「ま、せいぜい頑張って声抑えるこった」
軽く宣言されたあと、問答無用で突き上げられ始める。
「ッ、く、ァ、っっあっ、ッ…」
我慢なんてできっかーッ!!!
「アアッぁあっャ、…や、ッゥあっっア、ア、あっっ」
「おいおい、聞こえまくりじゃねぇのか? イヤラシイ声が、よっ!」
「ィアアッッ!!!」
23
:
サイゼル・6
:2005/05/11(水) 00:25:23
抜けそうなほど引かれて肉を掻き分けて押し入ってくる乱暴さに声を抑えることも、その久しぶりの感覚に拒否することもできない。
…本当に久しぶりなんだよ…。
俺の二週間の任務の前にサイファーの三週間の長期任務があったせいで、最後にシタのはなんだかんだで一月半ぐらい前だぜ。
そりゃ、俺だって普通にタマルし。
ほぐれきってないその痛みすら気持ちよく思えてヤバイ。
「んんんっ、さいふぁ、あっぁ…、ふ…ゥん…」
伸ばした舌に犬歯を舐められてそのまま深いキスになる。
おもわず目を閉じたけど、どうせコイツはやらしい眼つきで人の顔見まくってんだろうなぁ…。
余裕なんかないくらい翻弄されてんのに、やっぱり慣れたリズムってのはあって、惰性とはまた違うリズムの合わせかたっつーか…、とにかく、今はまだ少しの思考を保つくらいの波だ。
…や、十分激しいんだけどな…、慣れた…慣らされた……、フホンイながら…。
「…ん、っはぁ…、アアッ」
キスから解放された途端背中の支えを失って、いきなりの浮遊感にビックリして目開いたら…。
………ぎゃー!!
な、なにッ、な、ななな、ナンナンダヨ!!??
「ッヒ…!」
あまりの怖さに変な音が喉から鳴ったぞっ、いまっ!!
「な、…なんで、そん…な顔して、んだ…?」
声が震えてなさけねーとかいう奴、殴ってやっからでてこいっ!
マジでこえーってっ、…なんでいきなり怒ってんだよっ…。
サイファーの口元が嫌なかんじで笑みをつくる。
「ホントに余裕あるみてぇだな? あ?」
いやいやいやいやいやっ!
ゼンッゼン眼が笑ってねーからっ。
「ちがっ…ッああぁっっ」
慌てて口開けたらスゲーやらしい声がでた。
こんな不安定な格好なのに、サイファーが的確に奥に擦りつけてくる。
「うァ、あっ、…ゃ、ッはぁ…」
「そんなに余裕あんなら、もっとイケルよな?」
…だから!
24
:
サイゼル・7
:2005/05/11(水) 00:26:06
別に余裕があったわけじゃねーんだってっ、……言いてーのにっ。
「…っク、ァあっあっ」
口からは意味不明の音しか出ないから必死で首を振る。
…ゼンゼン振れてねーけど……。
わかってんだ、こんなの無駄な抵抗なんだってことは…。
ただ奥に擦りつけるだけの動きに、だんだん俺のほうが我慢できなくなってきてるってのもわかってる。
でも、…でもよぅ……。
目尻に唇寄せられて体が震える。
「イケル、だろ?」
「…は、ァ、んんっ…」
コイツ、ホント、きたねーんだよな…。
こんな時ばっかり。
「なぁ? ゼル」
そんな優しい声で、名前呼ぶなんて。
たった今まで凶悪な面してたくせにどっからそんな声でんだ、バカ。
「もー…、ホント信じらんねー…、ヘンタイ…」
どこもかしこも力はいんねーよ…。
「うるせぇなぁ、いつまでぶつくさ言ってやがんだ」
………。
誰かコイツをドツキ倒してくれー!!
おおおおお、俺にあんなカッコさせて、あまつさえそんなことやこんなことまでやらせておいてっ!
『うるせぇなぁ』?
フザケンナーッッッ!!!
盛大に掠れて声が出ないのも、関節やら節やらが痛いのも、みんなお前のせいだぞっ、こんにゃろうっ!
いま俺に出来る精一杯の鋭い眼光を浴びやがれっ!!
「…おら、いつまでも不貞腐れてんじゃねぇ」
あらん限りに睨んでるってのに、まったく意に返さず俺を深く抱きこむ。
……くそ。
25
:
サイゼル・8
:2005/05/11(水) 00:26:54
許したわけじゃねーんだぞ…。
疲れてんだ、長い任務のあとに頭酷使して、さらに無理やり肉体奉仕させられて…。
許してねーんだけど…、眠いし…、人の体温と心音は落ち着くんだ…。
「…ぅー……、……ぅー…」
理不尽な眠さに抗えなくて唸ってたら、頭の上からでっかいため息が聞こえた。
「とっとと寝ろ。………起きても覚えてたら、メシ奢ってやる…」
スゲー理不尽そうな言い草に、怒ってるのに噴き出しそうになる。
あぶねーあぶねー、おもわず許しちまうとこだった。
「…パンがいい」
眠気の中からとっさに返した言葉にでかいため息が返事するのを聞いて、つい。
「やったー!」
手を振り上げて、あ?、と思ったときには、……もう遅かった。
最中の凶悪顔以上に犯罪的な顔したサイファーが、片手で顎を覆って笑ってる。
口元はひくついてるけど。
「あ…れ……?」
もしかして…、もしかして俺……。
「まだまだ元気みてぇだなぁ…」
顎をおさえてた手に素早く拘束されて身動きできなくなる。
「え? え?」
ベッド脇に落ちてたベルトで両手を拘束され始めて、やっと血の気が引く思いと共になにをしたのか理解した。
殴った?
俺、殴っちまったのかっ!?
「ごめっ、ぶっっ」
口を塞ぐ手に見開いた目の前、はじめて見るほどの怒りを携えた顔が寄せられる。
その顎は、赤い。
「人の顔殴ってただで済むと思ってるわけじゃねぇだろ?」
「ヴーーーッ」
だから謝ろうとしてんじゃねーかよっ!
これからされるだろう理不尽な行為に涙で視界が霞んでくる。
「たっっぷり、オシオキだ」
なんとかしねーと!!
な、なんとかーーー!!!
「なぁ、ゼル?」
だから、その声どっからでてんだー!!!!!
26
:
FUMI </b><font color=#FF0000>(vIy/tsx2)</font><b>
:2005/05/11(水) 00:43:24
以上でございます
短めに、さらりと読める長さを目指したんですが、成功してますかね…
では、失礼します
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