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シナリオ感想スレッド

57以下、名無しにかわりましてNPCがお送りします:2016/04/02(土) 17:39:28 ID:/pPQ7V8Y
シナリオ名:害毒ドロップ
作者名:鬱者さん
面白い物語を書きたければ悪を描けるようになれ、と言うけれど、それに関して鬱者さんの右に出る人はいない。
この作品に善人なんていない。悪と中途半端な悪があるだけです。
善とは臆病であること、群れ集まる事、真面目であること、弱いことを表し、
悪はその反対、勇気がある事、単独であること、冗談が言えること、強いことを表している。
悪の頂点に位置するPCには人間的な感情が乏しいです。
残酷とも言えるが、気まぐれと言った方がいい。
気ままで残酷なんですね。
登場するキャラクターで重要なのはイルヴァ、カーチス、レイピアの三人だと思うのですが、
個人的に印象に残ったのはイルヴァとレイピアです。
イルヴァは凡人です。情報を集めるという特殊な才能があるだけで、悪人としては凡人です。
だからこそプレイヤーが親近感を抱きやすいキャラクターなのではと思います。
彼女は他人を観察するということに偏執的な人間です。
何でも知りたい、観察したい。
その為には危険の中にだって飛び込むことができる。
いつでも自分の身の安全を考えて生きてかないといけないのだが、
それすらも楽しんでいるように見えます。
臆病なようでいて、追い詰められると妙にふてぶてしくなる。
危機の中でもよく頭が回り、切り抜けることに長けている。
動物で言ったらネズミのようです。
レイピアはこの作品の準主人公だと思います。
このシナリオの核はレイピアとPCの対決ですから。
彼を動物でたとえたら何だろうと思ったのですが、何も浮かばなかったです。
血の通った生き物というより仮足を伸ばして他者を捕食していくアメーバのようだと思いました。
悪人としてPCに対抗できるぐらいには巨大な存在です。
ただ全てにおいてPCより中途半端なんですね。
それ故、どちらが狩られるのか結果は分かりきっている。
対決の前のモノローグの場面は自分が殺られることを予感している。
そこに悲壮感なんてないですが。
レイピアのパートの度に鳴るp_op39-24はこの作品で最も印象的な音楽でした。
無機質な街と群衆、そこに生きる異質な生命。倦怠と無感情な心、
レイピアの世界そのもののように思えました。
この世界の住人は殺すことにも、殺されそうになることにも、何の葛藤も後悔も持たない。
そうして生きていくことが普通なんですね。
シナリオの世界の密度は圧倒的で、全編背筋にくる強烈なシナリオです。


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