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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

691『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/11(日) 23:06:25
【フリー】
>>688(スミノフ)
>>690(硯)
(★双方のレスを自由に確認して構いません)

スミノフが脚を見ると、足裏から血が溢れ出していた。
歩こうとすると、上手く力が入らなかったが、
なんとか動く事は出来なくもない。這うなら容易だ。

         バサッ

             「…………」

        ゴソ

猫は動いているが、抵抗の意思はないのか、
それとも命の危機はひとまず去ったと理解したのか、
ともかくスミノフから逃げ出そうとする様子はない。

「あ、ごめん、マナビちゃんに連絡してもらえるか? 約束した……見てない場所で捕まえたら、すぐ連絡することって」

「あと多分下から上がってくる奴がいる。さっきの光るヤツを投げ込んだ男だ」

「あー……マナビちゃんに連絡つかないかもしれねぇけど。好きにしてくれ」

そしてやるべきことも伝える。

                ドザッ

「2vs1だ。勝ち誇れはしない。
 スミノフさん、とにかく助かった。ありがとう。
 猫ちゃんにはとてもとても悪い事をしてしまったが」

伝えられる硯は五十嵐の身体を、安置するような形で地に下ろす。
そして、頭を下げる――――残ったのは、黒服だが。

「ま、まて。揉める気はない。というか揉めても勝てないって分かる」

       サッ

「お前ら2人、何者かは知らないが…………こっちが5人いても無理だ」

黒服は、両手を挙げる。『警棒』も捨てている。『武装解除』だ。
硯が『倉庫街』で偽った『アリーナの漣』の遣いである件は、
この黒服には伝わっていないか、何かの事情で把握できていないらしい。

「ノコギリザメ…………ああ、その男は『アリーナ』の所属じゃあない。
 『藤原しおん』とかいう女の手先で……一応、目的の一致があった。
 俺の上司には、『殺す』か『生け捕り』と言ってたらしいし、
 ここで遭遇した最初は、生け捕りにして俺達に引き渡す話だったから」

       「頭から殺すしか考えてなかったわけじゃない、はずだ」

作業服の男は、この場で一番の『重態』と言えるだろう。
血に伏して倒れ、目を覚ます気配は――――少なくとも、今はない。
命は保っているだろう。死に直結するような負傷部位ではない。

   アリーナ
「……俺達もその猫の『処分』か『管理』を望んでる。
 手なずけて力を使おうとしてる派閥もあるらしいし、
 誰も使えないよう管理し続けようとしてる派閥もある。
 憂いを断つために……もしくは『エクリプス』の猫だから、
 処分して済ませてしまおうと考えている連中も、当然いる」
 
「俺達のトップ『桜島』さんは『懐柔派』だし、
 もう一つ動いてる派閥も同じだ。それは伝えとく。
 つまり、お前らと『猫を殺すか』揉めるつもりは……無い」

その言葉は彼個人というよりは、組織とか、何か大きな物が背後にあった。
やらなければならない、という『大儀』が彼を縛り、あるいは支えている。

「出るのは……賛成だが、上に俺の仲間がいるし、下から俺の上司が来る。
 その猫をオリなりなんなりに入れてからにするのが、賢明じゃないか?
 もちろん、お前らを悪いようには扱わない。……少なくとも、俺たちの派閥は」


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