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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

687『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/10(土) 20:28:24
>全体

「……ッ! 危なかったら、避けろ。お前はあいつを殴ることを考えろ、後ろは俺が命張って何とかする」

     「スミノフさん、背後を頼む」



「俺は自分の考えを述べたに過ぎない」

「解釈は君の判断に委ねる」

「それに対して否定も肯定もしない」

「君は俺ではなく俺は君ではない」

「それだけの話だ」

    「俺の『像』の両足は君に斬られて、本来の破壊力を失っている。
     そして片腕は『五十嵐』さんを『保護』する為に使っている。
     『暴力』に使えるのは『左腕』だけだ」


    「だから俺はこの『左腕』で君を殴ろうと思うんだ。
     おそらく『傘』ごと殴る事になるだろう。
     その『傘』をバキバキにしたらきっと『鮫』が俺を襲う。
     凄く怖い。けれどこれしか思いつかなかった」

決着は――――ひと先ずの決着は、次の一瞬には着いていた。


   ドカッ

「ぎ ニャ ゥッ!?」

          ガガガガガガガッ

                     ガカッ 

狗の髑髏が『なにか』をしようとした猫を横合いから弾き飛ばし、
もう片方の髑髏を蹴散らしながら、サメがスミノフの蹴りと激突。

        ガガガガガガガ…ッ!

足裏が削れるような――――しかし痛みはない、異様な感覚。


             ゴガッ!!!!

   『バシュン』

それが恐ろしい『貫通』の感覚になるよりは早く、硯の拳が宗像を吹き飛ばした。
己の身体すら重荷になる重傷ではあったが、やはり硯自身を狙う攻撃ではない、
その『狙いの相違』が――――致命必死の一撃をかいくぐり、拳を届かせられた理由になる。

宗像は――――消えゆく意識の中で、少なくとも黒服は無事である事を捉えた。
練っていた策は、窓から乱入した男の『捨て身』に近い勇猛で防がれ、
猫は生き残ってしまった、が――――今はもう、それについて、何も、出来ない。

                      宗像征爾『アヴィーチー』→『気絶』

  オ

        オ
              オ
                         ォ
                    ォ         ・・・


名も知らない雑居ビルは、久方ぶりに静寂を取り戻す。
猫は廊下の隅で転がっており、ノびているのかどうかは分からない。
髑髏の威力はスミノフ自身の拳よりははるかに劣るものだが、
人間の一撃には遜色ないものだ。猫を打てば十分な結果を出せる。

停止の青年――――『高天原』と、『宗像』の両名は間違いなく息はあるが、意識はない。
故に、ここに残って、立っているのはスミノフと、硯。

「…………」

そして、スミノフが救った命――――あるいは『宗像』の勝利を望んでいた『黒服』だけだ。
スミノフは把握できている事だが、時間が経てば吾妻らもここに乗り込んでくるだろう。
ハッキリ言って、『フリーランス』の二人は今とてもじゃあないが、『自由』に動き回れる身ではない。

「おっ……お前らは……その猫を、どうする気だ…………?」

恐る恐ると言った様子で、黒服が口を開く。猫は今すぐ逃げ出すような様子はない。今なら、どうとでも出来る。


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