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【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:02:24
今世紀に建造された『東海地方』を対象とする集約電波塔。
低層エリアには『博物館』や『ショッピングモール』が並び、
高層エリアの『展望台』からは『星見町』を一望出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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365今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/11/01(木) 05:15:37

ここに一人で来るのは珍しいんだけど、そういう時もある。
だってこのあたりで一番大きなショッピングモールだから。

「……」

          ガサゴソ

  シュルル

          『今泉サン。浪費ハ ヨクナイデスヨ』

「わっ、先生。浪費じゃないですよ」
「ちょっと買い過ぎ感はありますけど」
「無くなってからじゃ困りますし」

雑貨屋さん、ファンシー小物屋さん、画材屋さん。
それから文房具屋さんをめぐってマスキングテープ集め。

今はそれの途中で、ベンチで休憩中。

「っくしゅ!」

          『風邪デスカ? イケマセンヨ』
          『冬着モ 買ッテ帰ルノハ ドウデスカ?』

「フツーに今くしゃみ出ただけですよ」
「誰かが噂してるのかな」「良い噂だといいなあ」

よく考えたらこんな公共の場で、先生とお喋りするって……
それがもう『変な噂』の原因になるかも。周りには独り言に見えるんだよね。

366小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/11/01(木) 18:34:10
>>365

歩いている途中で、不意にくしゃみをする声が聞こえた。
つばの広い帽子を被った頭を軽く動かし、その方向に反射的に視線を向ける。
まず、一人の少女が見えた。
次に、その傍らに立つ『見覚えのあるスタンド』が――。

       コッ コッ コッ ……

緩やかな足取りで、少女に近付いていく。
少女には、見知らぬ喪服の女の姿が見えるだろう。

  「――こんにちは……」

ベンチの側で立ち止まり、少女に向けて軽く会釈する。
それから、『マスキングテープのスタンド』に向き直る。

  「また……お会いしましたね」

  「――『コール・イット・ラヴ』さん」

『コール・イット・ラヴ』に向けて、少女にしたのと同じように頭を下げる。

  「その節は、お世話になりました……」

以前、このスタンドには歓楽街で出会ったことがある。
『傷を補修する能力』によって、『自傷』で生じた傷を治してもらった。
その時は本体が分からなかったが、この少女がそうなのだろう。

367今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/11/02(金) 06:39:24
>>366

「へ? あ、こんにちは。どーもです」

        ペコ

「??」

何だか分からないけど挨拶を返した。
返しちゃった、って言った方が良いのかな。
初対面なのにまた会ったとか、フツーじゃないし。

              『コンニチハ。〝小石川〟サン』
              『アノ後 経過ハ イカガデスカ?』

「えっ、先生は知り合いなんですか!」
「うーん、謎。そんなことあります?」「いや、あるのかも」
「先生、たまに勝手に出てどこか行きますもんねっ」

              『スミマセン、〝習慣〟的ナモノデス』
              『今泉サン、コチラ〝小石川〟サンデス』

          イマイズミ ミライ
「あっ、えーと」「『今泉未来』です」
「先生がおさきにお世話になったみたいで」

        ニコ

「せっかくなので」「私の方もよろしくお願いしますね!」

よくわかんないけど、先生の知り合いらしい。
そうなると、私も知り合いって事になるし、
せっかくなのでよろしくしておくことにしたわけだった。

368小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/11/02(金) 20:22:29
>>367

  「いえ、そんな――」

  「親切にしていただいたのは、私の方ですから……」

少女の言葉を聞いて恐縮し、困ったような微笑みを浮かべる。
事実、自分は傷を治してもらっただけなのだから。

  「はじめまして、今泉さん……」

  「私は、『小石川文子』と申します」

  「こちらこそ……どうぞよろしくお願いします……」

挨拶と共に、先程よりも深く頭を下げる。

  「はい――あの時はありがとうございました」

  「綺麗に治してくださったお陰で、以後も変わりはありません」

あの時の傷は、もちろん治っている。
跡も残っていない。

  「――……」

その代わり、今は新しい傷が右腕にあった。
昨日の夜、自分で付けた傷だ。
包帯が巻かれている腕は、袖に隠れていて見ることはできない。

369今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/11/02(金) 23:58:58
>>368

治すって言ってるから怪我してたのかな。
先生も私も、怪我したり物が壊れたらなんとなく『わかる』。
怪我を『してる』のは分からなくて、『した』のがわかる。
フツーじゃない感覚でなんとも言えないけど、直感みたいにわかる。

「へーっ、先生お手柄ですねえ」

            『先生デスカラ。怪我人ハ ホウッテオケマセン』

先生はそれを感じたら治しに行っちゃうから、そういう事なんだろうな。
なんで怪我してたのかとかは、フツーに聞くべきじゃないやつだよね。
こけたとかなら良いんだろうけど、デリカシーっていうのもあるし。

「先生は『治す』事のプロですからね〜」
「私もたまにお世話になってるんです」
「フツーにちょっとすりむいた時とか」

            『怪我ヲ シナイノガ 一番デスガ』
            『シテシマッタナラ 私ハ 必ズ助ケマス』
            『ソレガ〝ラヴ〟デスカラ』

「頼りにしてますよ、先生」
「まあ先生的には、頼らず平和で済むのが一番なんでしょうけど」

            『モチロンデス』

「ですよね」「そういえば、えーと」
「小石川さんは今日はお買い物ですか?」

服とか買いに来たりしたのかな。
いきなり黙るのもどうかなって思うから、
とりあえず世間話を切り出してみる事にした。

370小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/11/03(土) 17:39:16
>>369

二人の話に耳を傾けながら、心の中で考える。
『治す』能力――改めて、自分のスタンドとは対照的だと感じた。
『スーサイド・ライフ』は自分自身を傷付けることが能力のきっかけになるからだ。
ただ、似ている部分も少しだけあった。
『スーサイド・ライフ』で切り落とされた身体の部位は、解除すると『再生』される。
見方によっては、それも『治る』と呼べないこともないのかもしれない。

  「ええ――今泉さん達のおっしゃる通りだと思います」

  「怪我をすることなく過ごせるのが何よりですね……」

穏やかな微笑と共に、二人のやり取りに同意を示す。
その言葉に嘘はなかった。
けれど、自分は『自傷』を必要としており、実際に行っている。
そのことを考えると、内心では複雑な思いを感じずにはいられない。
しかし、それを表情には出さないように努めていた。

  「私は……花の種と苗を買いに来たんです」

  「自宅でラベンダーを育てているものですから……」

そう言って、腕に下げている小振りの紙袋を軽く上げてみせる。

  「少し前に、向こうの方に新しい花屋さんができたんです」

  「とても素敵なお店ですから、見ているだけでも楽しいですよ」

言葉と共に、慎み深い笑みが口元に浮かぶ。
そこに限らず、町の花屋には時々足を運んでいる。
先ほど言ったような品物を購入することが主な目的だ。

  「――お隣に座ってもよろしいでしょうか?」

言いながら、視線を少女の隣に向ける。
不思議なスタンドとの奇妙な再会と、その本体である少女との出会い。
挨拶だけで済ませてしまうよりは、もう少し話をしてみたい気持ちがあった。

371今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/11/03(土) 23:43:14
>>370

「痛いですもんね、怪我すると」
「フツーに嫌ですよね」

          『痛クナクテモ デスヨ』

「そうですね先生、痛くない怪我ってわかんないけど」
「ともかく、小石川さんも今は元気みたいで何よりです」

           ニコ ニコ

元気なのは喜ぶのがフツーだ。
なんとなく、元気じゃなさそうな顔だけども。
大人だしなにか悩みとかあるのかもしれない。

「へ〜、お花ですかっ」
「いいですねえ、オシャレで」
「お花屋さんって外から見るくらいしかないです」
「花より団子ってわけでもないんだけども」

「あ、どーぞどーぞ。すみません、荷物どけますね!」

       ススッ

マスキングテープがたくさん入った紙袋。
それから、脱いでいたブレザーを膝の上に。
先生にも後ろに回ってもらって座る場所を開けた。

「種や苗って事は、一から自分で育てるんです?」
「ガーデニングって、フツーどうやるものなのか知らないんですけど」

おしゃれな話だし、フツーにちょっと興味があった。
なので隣に座ってそれきりじゃなくて、お話をしてみようと考えた。

372小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/11/04(日) 00:59:33
>>371

  「――ありがとうございます……」

お礼を言って、少女の隣に腰を下ろす。
邪魔にならないように、紙袋は自分の横に置いた。

  「ええ――私も専門家ではありませんが……」

  「苗から育てる時は、まず植木鉢と土が必要になります。
   それから鉢の底に敷くネットと……底に敷き詰める石ですね」

  「花を咲かせるための基本的な手入れは、水やりと肥料です……」

  「種から育てる場合は、まず発芽を待たなければいけませんから……
   もう少し準備と時間がかかることになりますが……
   開花してくれた時の喜びは、とても大きなものですよ」

  「――私は、ラベンダーの香りが好きなんです……。
   優しい香りに包まれていると、気持ちが落ち着くので……」

  「だから、私はラベンダーを育てているんですよ」

一通りの話を終えて、隣に座る少女に微笑んだ。
そして、ハンドバッグの中から小さな布袋を取り出す。
その小袋からは、ほのかにラベンダーの香りが漂っていた。

  「この中には、ドライフラワーにしたラベンダーが入っているんです。
   こうすれば、いつも持ち歩くことができますから……」

心が乱れた時も、この香りが気分を鎮めてくれる。
けれど、それでも気持ちを抑えられない時もある。
以前、『コール・イット・ラヴ』に出会った時と同じように。

373今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/11/04(日) 02:55:53
>>372

「へーっ、確かに良いにおいですね!」
「自分で育てたら愛着も湧きそうですし」
「でも、愛着湧いたら勿体なくて使えないかも」

        エヘヘ

「私も今度買ってみようかな〜」

本当に買うかはちょっとわからないけど。
でも、花を育てるとしたらいつ以来かな。
覚えてないや。朝顔は育てた気がする。

       『買ウナラ キチント、水遣リシナイト イケマセンヨ』

「買ったらちゃんとしますよ、先生!」
「私フツーに朝顔とか枯らさない方でしたし」
「甲斐甲斐しく世話すると思います」

「買ったらですけど」

いつか買うかもしれない。
そーいうのは大事な気がする。

「ちなみに私はマスキングテープを買いに来たんです」
「今日買ったのは、特に良い匂いがしたりはしないですけど」

       すっ

「色とりどりなのは、お花と同じですよねっ」
「見せあいっこしましょう!」

袋を開けると、いろんな柄のテープ。
見せびらかしてもしょうがない気もする。
けど、お花を見せてもらったしお返しみたいなものだ。

374小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/11/04(日) 22:53:34
>>373

  「――『マスキングテープ』が、お好きなんですね」

少女の後ろに立つ『マスキングテープを巻いたスタンド』に視線を向ける。
スタンドは、本体の精神に根ざした性質を持つと聞いていた。
自分に『ナイフ』のスタンドが発現したことからも、それは納得できる。
おそらくは少女と『コール・イット・ラヴ』にも、そのような関わりがあるのだろう。

  「ええ……お花のように素敵な色合いだと思います」

袋の中に視線を落とし、素直な感想を告げる。
自然物と人工物という違いはあっても、
それぞれが様々な色を持つという点では共通している。
人と人の間にも、それと同じことが言えるように思えた。
違う人間同士でも、それぞれがそれぞれの色を持っている。

  「今泉さんは、どのような使い方をされているんですか?」

マスキングテープというものは知っているし、使うこともある。
けれど、そんなに頻繁に使うというほどではない。
袋の中に見える沢山のマスキングテープ。
それらは、どのような用途に使われるのだろう。

375今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/11/05(月) 02:51:31
>>374

「好きですね〜っ。便利ですし、可愛いので」
「フツーに物に貼ったり、飾りにしたり」
「あと壁用のやつとかもありますね」

太いテープをいくつか出して見せた。
ついでにカバーをデコったスマホも。

          ゴソ

「これです! 綺麗でしょ」
「部屋の壁に貼ったら壁紙みたいでおしゃれですよっ」

マスキングテープが好きだ。
テープはなんでも綺麗に覆ってくれる。
汚れとか割れとかも『補修』して、フツーにする。

             『今泉サン』

「あっ、そうだそうだ」

「すみません、まだ買い物がありまして」
「スマホで思い出しちゃった」「ちょっと行って来ますね」

「その前に」

               スッ


「よかったら連絡先交換しません?」
「せっかくですし」「もしよかったら、ですけど」

ちょっと休憩のつもりだったけど、話し込んじゃった。
新しい『無地カバー』も買うの思い出したし、もう一回雑貨屋さんかな。

376小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/11/05(月) 22:31:02
>>375

  「色んな使い方があるのですね……知りませんでした」

自分の知らない話を聞かせてもらえるのは興味深い。
穏和な微笑と共に、少女の言葉に耳を傾ける。
時折、軽く頷いて相槌を打ちながら。

  「お引止めしてしまいましたね」

  「楽しいお話をありがとうございました……」

感謝の意を告げて、バッグから落ち着いた色合いのスマートフォンを取り出す。

  「ええ……構いませんよ」

  「縁のある方が増えるのは、とても嬉しいことですから……」

連絡先の交換は、すぐに終了した。
そして、ベンチから立ち上がる。
座ったまま見送るというのは、失礼に当たってしまう。

  「今泉さん、『コール・イット・ラヴ』さん……」

  「またお会いできる時を楽しみにしています」

別れの言葉と深いお辞儀で、少女とスタンドを見送る。
その後は、彼女達と反対の方向に立ち去っていった。

377今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/11/06(火) 05:23:49
>>376

「意外と万能なんですよ〜」
「フツーのテープと違って見た目が綺麗なので」
「やろうと思えば何にでも使えるんです」

      ニコ

「登録、っと」
「こちらこそ! 楽しかったですよ」
「お花に詳しい友達って、あんまりいなくって」

スマートフォンをポケットに。
小石川さん、スマホの色が『っぽい』なあ。

          『エエ、マタ オ会イシマショウ』

「ありがとうございます小石川さん」
「それじゃ、また!行きましょう先生」

          『ホドホドニ 買イマショウネ』

そういうわけで、買い物の続きに向かった。


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