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【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:01:26
星見駅南口に降り立てば、星々よりも眩しいネオンの群れ。
パチンコ店やゲームセンター、紳士の社交場も少なくないが、
裏小路には上品なラウンジや、静かな小料理屋も散見出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
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             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
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                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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585今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/17(日) 00:31:02

             ブロロロロ…

「…………」

バスに、乗り間違えちゃったんだよ。
大通りに行きたかったんだけど。
早めに気づいて降りられてよかった。

「……」

「よいしょ」

とりあえずフツーに、逆向きのバス停で次のバスを待とう。
待ち合わせより早く家出てよかった。ギリギリ間に合うよね。

他にバス待ちをしてるのは、あの人(>>586)だけかな?

586夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/02/17(日) 05:04:50
>>585

他にバス待ちをしているのは一人だけ――『だった』。
なぜなら、視線を向けた直後に、もう一人増えていたからだ。
その人物とは……??

いや〜〜〜まいったまいった。
『ホシミカイドウ』にいきたかったのに、
まちがえて『ホシミヨコチョウ』にきちまったぜ〜〜〜。
それもこれも、バスのとまるバショがよくない!!
まったく、まえからまぎらわしいとおもってたんだよな〜〜〜!!
まぁ、はやめにきづいておりられたからヨシとするか。
まちあわせじかんより、ちょっとはやくでてきたから、ギリギリまにあうな!!
イズミンは、もうアッチついてんのかな〜〜〜??

「――おん??」

思いがけない場所で『待ち合わせ相手』の姿を見つけて、
ポカンとした表情を浮かべる。
まさか、偶然にも『同じ乗り間違え』をしていたなどとは夢にも思わない。
しかも、それに気付かなかったなどとは、そうそう起こることではないだろう。
さては『スタンド』のしわざか??
『ホンタイ』はどいつだ??

  「イズミン??あれ??」

       「ここ『ホシミカイドウ』だっけ??
        まちがえたとおもったけど、じつはあってた??」

                          「――そんなワケねーしな」

        キョロキョロ キョロキョロ キョロキョロ

辺りを見渡し、現在地を確認する。
もちろん、ここは『星見街道』ではなく『星見横丁』だ。
そのことを改めて把握してから、イズミンに向き直る。

587今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/17(日) 15:08:47
>>586

「あれっ!」

「ユメミン……!? あれ、今日こっち集合でしたっけ??」
「えっ?」「でも」「星見街道ってラインで」「言ってたし」

          キョロ  キョロ

これは、焦ると思う。

「こっちは星見横丁だし」「まぎらわしいけど」

行き先は『大通り』だった。
それは間違い無いはず、なんだけど。

「……あのー」

「ひょっとして」
「ユメミンも、バス乗り間違えちゃった……とか?」

フツーそんなことある?って思うけど、ユメミンはフツーじゃない友達だ。
もしかすると私と同じ間違いを偶然しちゃったってことも、あるのかもしれない。

588夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/02/17(日) 22:21:15
>>587

「――うん」

頷いた。
どうやら本当らしい。
何百億分の一の奇跡が起きたのかもしれない。

「でもまぁ、ちゃんとあえたんだし、よかったよかった。
 よのなか、めずらしいコトもあるもんだ。
 こんな『ミシュランみつぼしクラス』のハプニングがおきるなんて、
 きょうはツイてるな〜〜〜」

「そういえば、イズミンさいきんなんか『かわったコト』とかなかった??
 『バスのりまちがえた』ってコトいがいで」

いい感じに場が和んだところで、気分も新たに話題を変えてみる。
時間は立ち止まらない。
与えられた時間は十分に楽しむべきだ。
いつか自伝を出版した時に、この言葉を忘れずに入れておこう。
なによりも、『きりかえがはやい』のがユメミンのとりえなのだ。

「ユメミンは、やすみちゅうに『こもり』のバイトしてた!!
 とまりがけで『みっかかん』!!うん――まぁそんくらい!!」

589今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/17(日) 23:13:41
>>588

「へええっ」

「珍しい事もあるんですねえ〜っ」
「でも、そうですね、会えてよかったです」
「あは、そこのところはツイてますよね」

                ニコ

ハプニングをツイてるっていうのは、ユメミンらしい。
イズミンらしさは……そうだ。フツーであることだ。

「私は……そうですね、『旅行』行きましたよ!」
「なりゆきで、芽足さんと二人で」

ユメミンは同学年だし名前くらいは知ってるかな。

「日帰りですし」「お土産も買いそびれたんだけど」
「けっこう楽しかったですね」

ユメミンになら話してもいい気はする。
でも、先に向こうの話を聞いてみよう。
こっちの話は、ちょっと長くなるし。

「それにしてもバイト、いいですねえ。青春って感じで!」
「でも、『三日間子守り』って、知り合いのお子さんとかですか?」
「あんまり周りでは聞いた事ない仕事ですけど」

泊まりのバイトは、センパイで行ってた人がいた。
リゾートバイトっていうんだったかな。ユメミンのはちょっと違いそうだけど。

590夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/02/18(月) 00:16:44
>>589

「『チダリ』――??『チダリヨロズ』!!」

「まちがいなく『ウサギ』だな。よにもめずらしい『ロボットのウサギ』だ」

うんうんと納得したように首を縦に振る。
じつは『ロボット』だとかいうウワサをきいたことがある。
そのハナシがマジかどうか、いつかたしかめねばならんとおもってたところだ。
ちなみに『ウサギ』というコトバは、『キョーミのたいしょう』をイミする。
『アリス』は『ウサギ』をおうものであり、わたしは『アリス』だからだ。

「いや、ぜんぜん。しょたいめんで、カオもナマエもしらんかったコたち。
 わたしとサトリちゃんってコがいっしょにやったんだけど」

「じつをいうと、ちょっと『ワケありなシゴト』ってヤツでさぁ。
 イズミンの『センセー』とか、そういうカンケイのヤツっていうの??」

「かいつまんでいうと、『スタンドもってるコドモ』のせわをするっていうバイト。
 そこのシゴトは、ちょっとまえにも1かいやったコトがあってさぁ。
 そっちは『こもり』じゃなくて、『しあい』だったけど」

『試合』の方は、詳しく話さなくてもいいだろう。
そこからはなしだすと、スゲーながくなるからな……。
まぁ、それはそれとして――。

「コドモたちとあそんだりゴハンつくったりキョーボーなニワトリとたたかったり、
 あいまあいまにちょっとしたトラブルもありつつ、
 さいごに『ワルいヤツ』もでてきたけど、
 ふたりがかりでビシッとやっつけてハッピーエンド!!」

「――ってカンジ??」

バイトの流れを大雑把にダイジェストで語る。
だいたい説明できたと思う。
イズミンの日帰り旅行の話も気になるところだ。

「あ!!ふつかめのディナーはわたしがつくった!!
 『トマトとツナのパスタ』と『セロリとレモンのヨーグルトドリンク』!!」

「――イズミンは??いや、メシのハナシじゃなくて『リョコー』のハナシ」

591今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/18(月) 01:19:57
>>590

「そうそう、『ロボット』の芽足さんです」
「楽しい人ですよね」

ロボットじゃないかもしれないけど、ロボットなんだ。
ウサギ?っていうのはよくわからないけど。
ユメミンのことだし、なにか面白いことなんだろうな。

「えーっと」「話せば長くなるんですけど」
「『見たことのない町』にいきなり迷い込みまして」
「そこから出るためにいろいろ頑張ったりしたんですよね」
「あと、砂浜でお城作ったりとか」「クレープ食べたりとか!」

「『フツーの旅行』ではなかったわけなんですけどね」
「フツーじゃない部分がちょっと語りづらい感じでして」

カレンさんとタマキさんのことは言い触らす気はしない。
多分、それはフツーに、やるべきじゃない気がするから。

「それにしても」「ほんとワケありって感じですね」

ユメミンはフツーじゃない世界に飛び込んでいける。
それにしたって、なんだか危なそうな話だ。

「試合ってたしか、『地下闘技場』でしたっけ」
「まんがみたいな」「最初に会った時話してたやつでしょ?」
「フツーじゃないですよねえ」

闘技場が『子供のお世話』を依頼するなんて、フツーじゃない。
お客さんの『託児室』とか、そういう話でもなさそうだし。
それ、闘技場をする会社とかじゃ、ない気がするんだ。

なにか私が知らない『フツーじゃないもの』があるんだろう。

「……」

「ね。パスタ、今度私にも食べさせてくださいよ」
「私も」「そこじゃないけど、おすすめのクレープとか教えますから」

ユメミンはそういう世界を夢見てるんだろう。
私は……私は、じゃあ、どういうきもちに、フツーになるべきなんだろう?

592夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/02/18(月) 02:08:28
>>591

「きづいたら、『みたコトのないマチ』にいたって??
 つまり『フシギなセカイ』にリョコーしてたってコトか〜〜〜」

興味深そうな表情で、イズミンの言葉に耳を傾ける。
『不思議な世界』の香りを受けて、サングラスの奥の瞳は輝いている。
同時にバスに乗り間違えるよりも珍しいかもしれない。

「でも、ここにイズミンがいるってコトは、ぶじにだっしゅつせいこう!!」

「――ってことて、よかったよかった!!」

もうちょっと突っ込んで聞いてみたいけど、なんとなくイズミンの歯切れが悪い。
それを察知して、あえて深く質問はしなかった。
フシギなハナシはスキだ。
だけど、イズミンはトモダチだし。
せっかくこれからあそぼうってときに、
イズミンをイヤなキブンにさせてまでききたいハナシでもない。

「あ〜〜〜そうそう、ソレソレ。そのへんのつながりで、ひきうけたってカンジ??
 『しあい』のほうは、やるコトなくてヒマだったら、またいつかやろっかな〜〜〜」

「お??じゃ、こんどつくろっか??わたしんちでもいいし、イズミンのトコでもいいし。
 それか、ガッコーのカテイカシツでもいいけど。
 けっこうコウヒョウだったからな!!イズミンもきにいるハズだ!!」

「――しかし、なんつーかアレだな……。
 こうやってイズミンとしゃべってると『ホッとする』っていうの??
 『フツーのセカイ』にかえってきたってカンジがするんだよね〜〜〜」

「『フツーのセカイ』があるからこそ『フシギなセカイ』があるっていうか。
 わたしは『フシギなセカイ』がスキだけど『フツーのセカイ』もあってほしいんだよね。
 だって、『フツー』がなかったら『フシギ』もないワケだし」

「――って、ユメミンがいってたよ」

593今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/18(月) 02:42:39
>>592

「そうなんですよ、多分『スタンドの世界』?」
「詳しい事は全部はわかんないんですけど」
「でられたから、いいかなって」

白い本の正体とか。
これからどうなるのかとか。
あの世界は跡形もなくなっちゃったのかな、とか。

「うーん、どうせならユメミンの家でやりません?」
「キッチンとか、使い慣れてるでしょうし」
「まあ場所はともかく――――楽しみにしてますねっ」

分からない事はあるけど。
こうして出られて、友達と『今度』を約束できる。

「……もしですよ」「もし、また『試合』とか出たりするなら」
「フシギの国に行ったりするなら」「そうしたら」
「ちゃんと最後は、こっちの、フツーの側に帰ってきてくださいね」

「イズミンは、いつでもこっち側で待ってるんで!」

『今度』。
いずれユメミンは、また別の『不思議の世界』に行ってしまうに違いない。
だから友だちの私は、フツーの『日常』のひとつであるべきなんだ。
不思議の国のアリスは……フツーの現実に帰るまでが物語だから。

私は、そういうふうに思うんだ。

「……」

「あはは、大袈裟な事言っちゃった」

私は、こっち側にいるのでせいいっぱいだから。

「あっ、そういえば……今日は最初どこ行くんでしたっけ?」

そういえば予定とか決まってたっけ。ライン見たらわかるんだけど、一応聞いてみる。

594夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/02/18(月) 20:44:48
>>593

「おう、まかしとけ!!こんどのやすみ、あけとくから!!
 イズミンも、あけといてくれよな!!」

何はともあれ楽しみだ。
ユメミンのいがいなイチメンがあきらかに!?
こんしゅうまつのランチタイムをみのがすな!!

「――――うん」

「わたしはイロんな『フシギ』をみつけたいからさ。
 そのためには、いっかいもどってこなきゃいけない!!
 ひとつのばしょへいったきりじゃあ、ほかのトコいけなくなるし」

『フツーのセカイ』は、わたしにとって『中継地点』みたいなものだ。
たくさんの『フシギなセカイ』に繋がってる特別な場所。
ある日アリスが『ウサギ』を追いかけて別の世界に行ったみたいに、
時々『フツーのセカイ』に転がっている『ウサギ』を追いかけていくと、
こことは違った『フシギなセカイ』へ行くことができる。

「『こんなコトがあった!!』って、イズミンともオシャベリしたいしさ。
 だから、かえってくるよ。そんときは、またハナシきいてね!!」

      ニッ

そう言って、明るく笑った。
なんだか安心できた――――ような気がする。
上手く説明できないけど、なんとなくそう感じていた。

「『あそびにいこう』ってハナシはしてたけど、バショきめてたっけ??
 そういえば、『たまにはノープランもイイよね』って、ユメミンがいってたきがする。
 イズミン、どっかいきたいトコある??」

「あ!!じゃあさじゃあさ、『ざっかやめぐり』する??
 ざっかやさんって、かわったモノがイロイロあってオモシロイからさぁ〜〜〜。
 『マスキングテープ』もケッコーおいてあったりするし!!」

スマホを取り出して、近そうな雑貨屋を調べてみる。
『星見街道』だけじゃなくて、今いる『星見横丁』の方も当たってみよう。
こういうトコに、いがいな『あなば』があったりするもんだしな!!

「――――『かわったモノ』っていったら、
 『こもり』と『しあい』のあいだぐらいのタイミングでみかけたんだけど」

「『かわったほん』でさ、『しろいほん』だったんだよね〜〜〜。
 なかもそともまっしろだった」

「よくわかんないけど、『スタンドをつくるほん』だってカンケーシャがいってたよ」

595今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/18(月) 22:49:26
>>594

「それじゃ、次の休みはそれに決まりで!」

スケジュール帳にちゃんとメモしとこう。

「あは」「きっと、また聞かせてくださいね」
「ユメミンの……不思議の国の冒険の話」

フツーじゃない旅をする友達がいる。
私は……私はやっぱり、フツーの私でいよう。

「あ、決めてませんでしたっけ」
「どうりで記憶にないと思った」

         キョロキョロ

「それなら『横丁』で遊ぶのもフツーにありですね」
「この時間から、怖い感じでもないですし」

夜に来たことがないわけじゃない。
けど、あんまり来たいって思う感じではなかった。

「雑貨屋さんも、ちょっと珍しいのがありますよ」
「今日は私が案内しちゃおっかなっ」
「ネイル用品とかも置いてますし」「……?」

でも、昼にユメミンと遊ぶならすごくいい場所なのかも。
だから意気揚々ってきもちになって辺りの地図を思い浮かべてた。

「……本?」

そしたら。

「スタンドの白い本って」「え」「またすごい偶然ですねえ」
「私が『旅行』した世界を作ってたのも、白い本だったんですよ」

偶然にしては出来すぎてる、フツーじゃない話。

「まあ、真っ白ではなかったんで……別本かもしれませんけど」

とりあえず、雑貨屋さんに歩き出そうかな。
ユメミンが話に集中したそうなら、もう一回ベンチに座ろう。

596夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/02/19(火) 00:53:54
>>595

「うんうん、イイカンジに『ノープラン』っぽくなってきたぞ。
 じゃ、このヘンをテキトーにブラブラしようぜ!!
 ちょうど、あたらしいネイルパーツもほしいとおもってたし!!
 きょうはイズミンのオススメのみせをショウカイしてもらおっかな〜〜〜??」

スマホをポケットにしまう。
イズミンが歩き出したのに合わせて、こっちも歩き始めた。
その道すがら、話を続ける。

「え??マジ??
 バスのりまちがえたコトといい、きょうはグーゼンがおおいひだな〜〜〜。
 『ミシュランみつぼし』をこえた『レジェンドクラス』のひとさらじゃないか??
 『なんびゃくおくねん』にいちどの『チョーなんかスゲーきねんび』ってなづけよう」

「――――なるほど!!『ベツのほん』ってカノウセイはあるな!!
 わたしがきいたハナシだと、ひとつじゃないっぽいらしいし」

少なくとも複数あるという話は聞いていた。
だから、イズミンが見たのはユメミンが見たのとはベツのヤツだったかもしれない。
まぁそれでもスゴいグーゼンなんだろうけど。

「ユメミンがみた『しろいほん』は、ちっちゃいコがもってたんだ。
 このマチで、そのコをおいかけてる3にんぐみがいて、
 オモシロそうだったからユメミンも4にんをおいかけた」

「3にんは『しろいほん』にようがあったんだけど、なんかカンチガイされてたみたいで、
 『しろいほん』をもってるコににげられてたんだって。
 それで、ユメミンは3にんのテツダイをして、そのコをつかまえた。
 あとは、4にんがはなしあってゴカイがとけて、いっけんらくちゃく!!」

『スタンドを作る本』を使って、誰かが何かをしようとしているらしい。
そして、夢見ヶ崎こと『アリス』は三人に協力すると約束した。
その約束は、まだ続いている。

「そのコのナマエ、なんていったっけ」

「ああ、そうそう――――たしか『カレン』だった」

597今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/19(火) 01:40:37
>>596

「マスキングテープとネイルのパーツだと〜」
「確かこっちの方にそれっぽいお店があったような」
「ファンシー雑貨みたいなお店で」
「確かほかのアクセも売ってましたよ」

ノープランだし、立ち止まって調べたりはしない。
ほんとに迷っちゃったらフツーに調べるけど。

「ね、すごい運命って感じしますねえ〜」
「今朝の占いは『6位』だったんですけども」

べつに運がいいってわけでもないけどね。
バスに乗り遅れたのはフツーに失敗だし。
雨降って地固まる、って感じの日なんだよね。

それから、歩きながら本の話を続ける。

「えっ、たくさんあるんですかっ!?」

大切なものって聞いてたからてっきり一つかなって。
でも、たくさんあるものでも『自分の』は大切か。

それに、結構危ないものだし。
いや……それよりその話の、子供って。

「カレンさん……やっぱり」

カレンさんを追ってた人たちは危なくないのかな。
普通に元気そうだったし、そこは心配いらないか。

「私もたぶん、そのカレンさんと知り合いですよ」
「例の『旅行先』で会いましたし」
「そうなると本自体は同じもので」
「後から表紙に文字が出てきた……のかな?」

「なんだか、本当にフツーじゃない本ですよねっ」

スタンドを作るだけじゃなく、生きてるみたいな本。
その仕組みもまた別の誰かのスタンド、だったりするのかな。

         スタスタ

「あっ、あったあった。ここですよユメミン!」

そうこう話してると、目当てのお店に着いていた。
あとのことは……ここで買い物しながら考えればいいかな。

598夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/02/19(火) 19:33:20
>>597

「カレンって、ソラにうかんだりできるカレンのコト??
 じゃあ、やっぱりイズミンのいうとおり、おんなじホンなんだろーねー」

まさか名前が一緒の別人ってことはないだろうし。
あの時に見た本が、イズミンの『旅行』した世界を作ったってことなんだろう。
ソレがどういう世界だったのかは分かんないけど。

「いくつあるかはわかんないけど、サイテーでも『2つ』はあったみたいだよ。
 さっきいった3にんぐみも、おなじホンをもってたみたいだから」
 
「『ふるほんや』からてにいれたとかナントカ。
 その『ふるほんや』は、このマチのはずれにある『おやしき』からしいれたって。
 カレンは、その『おやしき』のシュジンから『しろいホン』をあずかったんだってさ」

「わたしがみたときは、ナンもかいてなかったハズだから、
 『あとからでてきた』ってスイリがユウリョクだな!!
 3にんぐみも、おなじようなコトいってたし。
 『とつぜんモジがうかんできてバケモノがでてきたからたおした』って」

「その3にんは、ホンをみつけしだいショウキャクするきだったとか。
 だから、ジブンたちのもってたブンは、もうショブンしちゃったんじゃない??」

「――――で、3にんのハナシだと、そのホンはまだあるっぽくて。
 それをさがしてるみたい。ほら、ナニがおこるかわかんないモノだし。
 レンラクがあったら、またてつだおうとおもってるんだー」

「ね〜〜〜!!ホントに『フシギ』だよね〜〜〜ッ!!」

イズミンが言うように、確かに全然『フツーじゃない』本だ。
だからこそ、興味を惹かれる。
その不思議な香りに、好奇心を煽られる。
また、いつかあの本と遭遇したい。
イズミンの話を聞いて、改めてそう思った。

「――――おっ、なかなかセンスイイみせじゃない??
 イズミンもやるな〜〜〜。どっからみてこっか??
 せっかくだから、ゼンブみてまわりたいな!!」

でも――――今は『フツー』を楽しもう。
気の合う友達と街に出かけて、一緒に買い物したり遊んだりする。
それも、『フシギ』を楽しむのと同じくらい大切なことだから。


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