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漫画・ライトノベル以外の書籍スレ

162修都 ◆7VC/HIVqJE:2017/07/21(金) 20:09:56 ID:rlvqw/MU
本堂毅「専門的判断の不定性」
 学術誌への掲載は内容の正しさの証明ではない。学術誌に掲載されるかどうかは、その分野の研究者間の相場感覚であって、絶対的な基準は存在しない
 →学術誌掲載を正しさの証明と捉えると、ボタンの掛け違いが生じる
 科学者は普遍性を目指すため、普遍性の邪魔になる価値に関わる問題を削り取っていく。科学という営みは、多様性をそぎ取っていく手法の集積
 しかし科学者の側が、価値判断を含む答えを科学的な答えのように語ってしまう場合はある
 2014年、STAP細胞研究の不正疑惑→再現性の有無が研究不正認定の重要なポイントとなった→ただ、科学で100%の再現性を得ることは原理的に不可能
 →再現性の有無を研究の不正の有無の評価要素とすることには無理がある。しかし、正しい科学的研究は常に再現性が伴うものだという科学観をもつ科学者は少なくない
 STAP細胞に関するさらなる問題→一般社会に向けて研究結果が確実な科学的知識であるような発表をした。科学には不確実性があるものである
 判断・意思決定の場面で確実性が高い科学的知見だけを用いることは一般に困難(例:医学など)
 現在の社会では、価値判断込み、Yes/NOで答えを求められることが多い→科学的真実に誠実な科学者ほど社会的論争となるような問題について発言を躊躇する
 →自分の信念や価値判断も科学的証拠であるかのように装う権威主義的な学者や、科学的営為の本質を理解できない科学者ばかりが社会に発言する状況
 科学技術が関わる問題で対策には確たる科学的証明が必要と主張する科学者や行政は少なくないが、どの精度で対策を取るべきかは科学自体では決まらない
 賠償問題などでも確たる科学的証拠が必要であるかは科学では決まらない→確たる証明が必要だとする科学者は、特定の価値判断に誘導している
 対策に必要な科学的証明度を100%に近づければ永遠に対策を先送りにすることが可能。「科学的に厳密」という主張は特定の価値判断に基づく主張であるとも言える


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