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ライトノベル総合

944めんたい:2018/08/23(木) 22:41:12 ID:xSoXLvgQ
◆マインド・クアンチャ

「ヴォイドシェイパ」シリーズ第五巻。マインドクアンチャとは「心を癒やす人」という意味です。誰の事かは今までのシリーズを読んできた人ならお分かりですよね。

主人公が謎の集団に襲われ、戦いに敗れケガを負い記憶を無くしてしまう。人里離れた山奥で暮らす姉弟に掬われた主人公はそこで記憶を無くした代わりに、刀の奥義である「無の心」を習得する。都で待ってる人がいることを知った主人公ゼンノスケは姉弟の所を旅立つ。そして都で待っていたものは・・・。というストーリーです。
ネタバレが嫌な人はもう読まないで下さい。感想を書く上でネタバレしないとかけないので。


感想:凄く良い終わり方だった。多分最終巻でしょう。途中で別れた賑やかな旅のお供である三味線のノギさんの行動が意地らしくて、ウルっときました。主人公に会うために何度も城へ通ったり、手紙を出して寺で何日も待ったり主人公のため三味線を弾いたり・・。一方記憶を失ったゼンノスケはノギさんなのか分からないって所がミソですね。
また、記憶が無いのに、数ヶ月前に自分を斬った相手を見た途端、勝手に体が動いて勝負を挑むシーンが凄く劇的で読んでいて心が震えましたね。数ヶ月前までは自分より腕が上だった相手、しかし記憶と大怪我と引き替えに会得した「無の心」を身につけての再戦。そして天下人へ。

天下人となった主人公は裕福・身の安全・権力という物を得た換わりに自由を失い退屈な毎日を過ごす。それは贅沢な事ではあるが、世の中の平和のために、今までの自由な生活を捨て、いきなり飾られる人形になれと言うこと。誰だって無理だよなあ、年を取って色んな経験をして体力が追いつかず動く事がおっくうになった人ならまだしも、まだ20代(多分)で色んな事に挑戦したい若者が、民衆のための偶像(アイドル)なって、いままでの知り合いにも会えず、城に閉じ込められるってのは残酷だよなあ。
まあ、いつかは気持ちを切り替えて良き賢い国王を目指すって新たな目標に向かうことに気付いてくれるでしょうね。貧しい者から観ればこんなシンデレラストーリーは羨ましい限りだしね。

そしてラストシーン、全てを思い出して、必死で城を抜け出して、ノギさんと駆け落ちするのか、それとも自分の運命を受け入れ国王になるのかって所で終わるのは言い終わり方だったですね。何とも言えない感動がありました。読後感が良かったし、うん、良い小説でした。




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