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【7月6日 補講日報告②(中川・溝口)意見・感想】
授業に出席された方はこちらに意見・感想を書き込んでください。 なお、こちらに書き込むことで出席とみなします。〆切は7月6日(土)23:59までとします。これを過ぎると出席点に加算されませんので、〆切厳守でお願いいたします。
3回生の報告に入りましたので、以下の条件での書き込みをお願いいたします。
*報告者2人分(1コマ分)で1投稿 ・報告順に従い、
①―さんへ
②〜さんへ と宛名を明示してから本文を書き込む。
河嶋直:2024/07/06(土) 16:37:29
報告お疲れ様でした。4回の河嶋です。
①中川さんへ
今回は、大阪の「私娼」に焦点を当てられていましたが、史料の状況によるとは思いますが、明治期以降にも焦点を当てるのも良いのではないかと思いました。講義内でも言いましたが、酒井潔『日本歓楽案内』彩流社、2014年5月(初出:1931年)の「大阪私娼記」、雑誌『犯罪科學』(復古版)、不二出版、1930年6月〜1932年12月には、大阪私娼について書かれているので参考になると思います。以下、参考文献です。
〇寺脇隆夫企画・監修『戦前日本の社会事業・社会福祉資料 第6期第6巻・7巻』柏書房、2020年7月
〇山本俊一『梅毒からエイズへ―売春と性病の日本近代史―』朝倉書店、2010年2月20日
〇佐賀朝・吉田伸之編『シリーズ遊廓社会. 2 (近世から近代へ)』吉川弘文館、2014年1月
②溝口さんへ
率直になぜ1920年代の台湾に於ける公娼制度が研究されていないのか、ここが最大で一番のポイントであると感じ、講義内でもありましたが、1920年代の、導入・全島統一段階と慰安婦(戦争期)段階との「連続性」・「非連続性」を見る必要があると思いました。
報告お疲れ様でした。4回生の塚本です。
①中川さんへ
ご自身の興味をもとに、資料を通して大胆な仮説を立てていたのは、大変興味深かったです。
質問の際にも伺いましたが、大阪における私娼の範囲、ないし特徴について着目する必要があるかと思います。東京以上に江戸時代から芸能等の文化が栄えていたことから、公娼以外にも、芸妓や飲食店における酌婦も花街に多くいるかと思います。
またそれに関して、下の方で提示する文献の中で加藤政洋氏は、明治期以降の各段階で、芸妓と娼妓の分離が進み、芸妓を主とする純粋な「花街」と娼妓本位の「居稼」の遊郭の二分化が進んでいたと述べています。そのため、こうしたことも考慮に入れると、より当時の状況も鮮明になってくると思います。
◦加藤政洋『花街:異空間の都市史』朝日新聞社、2005年
→大阪の「花街」の事例を取り上げる以外にも、「花街」というものの概念についても言及しており、今後都市の方にも目を向けていく必要がある場合、役に立つのではないかと思います。
②溝口さんへ
台湾の公娼制について、先行研究をもとに1920年代という時代設定を行なった上で、その内実を史料から上手くまとめられていたと思います。
質問の際に伺った、本島人と内地人との間に公娼制の実態に差があったという事実は、台湾統治の方式が大きく変化した1920年代を見ていく上で極めて重要であるように思います。台湾総督府が公布した「遊興税」の結果、内地人の貸座敷の多くが廃業していることから、本島人と内地人への対応が異なっているように感じましたが、台湾総督府に何あら化の意図があったかどうかに着目されると、当該期の特徴が見えてくると考えます。
また質疑応答時に述べましたが、明治39年〜昭和5年にかけての『田健次郎日記』が、芙蓉書房出版から刊行されています。台湾総督時代(1919〜1923年)の日記もあるため、「遊興税」に関する情報の手掛かりになるかと思い、ここに提示させていただきます。
中川さんへ
発表お疲れ様でした。3回生の鈴木です。
売淫減少についての考察で、梅毒のことが出てきましたが、この場合の患者と看做された人間の病の進度がどのような段階であったか推測できれば、増加時との関連性がより明確になるのではないかと思います。梅毒は、局所的な皮膚症状発生から表面上の症状治癒、全身の症状発生から表面上の治癒、という段階を踏んで移行するため、この時にどのような人が患者と看做されていたかによって、前後の売淫増減との関連がさらに見えるのではないかと思います。
溝口さんへ
発表お疲れ様でした。
実際の自由廃業が困難であった一方で、待遇改善に役立つという背景が非常に興味深いと思いました。遊行税と、花柳界の依頼はあまり関連が見られないとのことでしたが、税を施工した側の目的と併せて状況を見るとより当時の娼妓の立場が明確になるのではないかと思います。
報告お疲れ様でした。3回生の溝口です。
中川さんへ
台湾の公娼制度に関心がある身として、今回の報告は非常に興味深いものでした。公的な制度に組み込まれていない私娼の研究はかなり難しい部分もあると思いますが、独自の観点から人口増減の要因を考察していらっしゃったのはとても良かったと思います。梅毒に関しては1896年に公娼制度が導入された台湾においても一番に問題視されていたのですが、私娼は梅毒に感染していることを認識しながらも稼業をやめなかったということは考えられないでしょうか。
報告お疲れ様です、3回生の中川美祈です。
溝口さん
台湾の花柳界において自由廃業を推奨する活動が行われていたが、自由廃業を辞めたり、裁判沙汰になっており、娼妓の自由廃業が困難であったという部分にまず興味を持ちました。その後、遊興税の導入により、花柳界は打撃を受けたことをきっかけに国際的に廃娼が高まっていたことも加わり芸娼妓達が自由廃業を選ぼうとしたという流れが非常に分かりやすかったです。最後の十河先生との会話の中で、私娼を公娼にしようとしたというお話がありましたが、今回私が発表した大阪でも私娼や他の場所の公娼を松島遊廓に移そうとする同様の動きがあったので、そのお話をもっと聞いてみたいなぁと思いました。
あと、梅毒にかかりながらも稼業をやめなかったということもありえるのではないかというご指摘は、そうとも捉えられると思います!患者の内訳や、鈴木さんがアドバイスくださったように患者の状態がどのようであったかが分かればそこが明確になると思いました!溝口さん、鈴木さんアドバイスありがとうございました!
報告お疲れ様です。3回生の下山です。
中川さん
資料をもとに、自身の観点を踏まえた発表をしており、とても興味深かったです。
大阪に焦点を当てていましたが、②の松方デフレに関しては大阪に限らず、日本全国に起こっている話なので確かにそこが少し気になりました。
一緒に頑張りましょう!
溝口さん
お疲れ様でした。新聞を史料として引用し、同時の時代背景を探していく手法がとても参考になりました。ありがとうございます。
一つ疑問に思ったのが、なぜ1920年に税金を取り始めたのかという点に関してです。
台湾での資料調査の結果楽しみにしてます!
① 中川さんへ
報告お疲れです。三回生の泉です。大阪における売淫にクローズアップしていましたが、関西地区に目を向けるのであれば、別に大阪に限定しなくてもよいのではないかと思いました。特に、売淫の増加の原因を松方デフレといった大きな政治の流れの延長と位置付けるのであれば、大阪に限らずもっと関西地域全体の傾向を調べる必要があるのではないかと思いました。大阪以外にも、売淫が行われてそうな場所や、遊郭は存在すると思うので、大阪に限らず研究の対象を広げればよいのではないかと思いました。
② 溝口さんへ
報告お疲れさまです。三回生の泉です。四限目にも補講があったので途中で退席しました。突然申し訳ございませんでした。そのため、レジュメを少し見ただけの感想ではありますが、台湾の公娼制度と日本の公娼制度の違いはどのような点にあるか、なぜ台湾の公娼制度には目が向けられてこなかったのかなどの観点も研究するとよいのではないかと思いました。特に、植民地における日本の公娼制度に注目が集まったのが1990年代であるとのことですが、戦後かなりの隔たりを経て注目が寄せられたようなイメージを持ちました。なぜそのようになったのか、理由を考察してみるとよいのではないでしょうか。
報告お疲れ様でした、3回生の鬼木です。
【中川さん】
報告、本当にお疲れ様でした。これまで度々研究相談に乗っていた身としては、私娼の増減に対しての考察が具体的な歴史事象をもとに導き出されていた点を見て、非常に嬉しく思いました。個人的にはこの研究が社会風俗史的な一面のみならず、「地方行政史」や「中央政治史」、「医療衛生史」や「災害史」をはじめとして、様々な歴史的視座から捉えることができる点に大きな魅力を感じ、これが本研究におけるオリジナリティでもあるように思われました。個人的な所用の影響で質疑まで見届けることはできませんでしたが、塚本さんが上のログで挙げられている加藤政洋氏の書籍は自分が相談に乗りはじめた際にお送りした文献リストにも確か含まれていたはずですので、初回報告を終え、皆さんからの貴重なご意見を頂いたいま、もう一度あのリスト見直してみることをお勧めします。きっと、さらに視野を広げるための手助けになるはずです。
何はともあれ、お疲れさま!
【溝口さん】
報告お疲れ様でした。個人的な所用により報告を拝聴できなかった点をまずはお詫びいたします。その後、報告レジュメを一読させていただきましたが、重要な部分が端的に整然とまとめられており、非常にレベルの高いレジュメであったように思われます。内容について疑問であった点は河嶋さんのログと同じ部分で、1920年代の台湾公娼制度研究の欠落についてです。一見するとただの欠落のようにも思えるのですが、これは単純にして大きな問題であるようにも思われました。報告に居合わせなかったため詳しい部分は分かりかねますが、とても重要な部分であることだけは間違いないように思われます。中川さんと合わせてお二人とも似通った研究内容でありますので、今後は情報提供もしつつ、お互いにインスピレーションを刺激し合って研究に勤んでいただければと思います。
報告お疲れ様でした。4回のシュです
①中川さんへ
大阪における売淫をテーマとして、とても興味深かった発表でした。発表内では梅毒の増加と売春の減少について話しましたが、ほかの方が取り上げた通り、性病などにも関わらず売淫を続けることが存在し、代わりに売淫が減少するのは性病にかかる恐れがあって需要が下がったではないかと?逆に、この時期の大衆が売淫に対する認識から研究しても良いと思いました。引き続き研究を頑張ってください。
②溝口さんへ
台湾の公娼制についての報告でした。植民地政策との関係、そして河嶋さんが取り上げた通り、公娼制が各段階におけるの連続性が重要だと思います。引き続き研究を頑張ってください。
報告お疲れ様です。3回生の三木詩織です。
①中川さんへ
大阪の私娼についての研究ですが、やはり民間のものであるが故に、史料は少なそうだなと感じました。
また、発表されていた年代とは少しズレていますが、同年代に生きていた与謝野晶子が、【私娼の撲滅について】という題名で文章を綴っています。これが果たして参考文献になるかは分かりませんが、与謝野晶子は堺市の人間、広く見れば大阪の人ですし、青空文庫で検索すれば手軽に読めますので、一度目を通してみてもいいのかなと思います。
②溝口さんへ
まず、レジュメが綺麗に整理されていて凄いなと思いました。また、個人的な疑問ですが、台湾の公娼と日本の公娼では具体的に何が違うのだろう、と感じました。
報告お疲れ様でした。4回生の木全です。
①中川さん
大阪の私娼について取り扱った研究で、売淫増加の要因についても考察されていて3回生前期の報告としては十分であったと思います。
史料1が取り締まりの数で私娼の実数ではないとのことだったので、今回の考察が必ずしも当てはまっているとは言えない状況ではあると思いますが、売淫取締規則のような大阪を中心とする法令のようなその土地の状況を反映したものにフォーカスが当てられると大阪における私娼についてみることができる余地はあると思います。ただ、やはり私娼ということで中々史料も少なく苦労される可能性もありますので取り締まる側の視点や行政を担っていた存在、地方新聞などその土地に着目した情報から大阪という土地の独自性を見つけて私娼の存在につなげていくことができれば十分な意義が見いだせると思いますので、頑張ってください。
②溝口さん
非常に丁寧かつ簡潔にまとめられており、個人的に3回生の前期の段階でここまでよく出来ているなと、とても感心させられた研究でした。
台湾における内地人宛ての法令が出てきたり、台湾花柳界の自由廃業の件など興味深い点が多くありましたが、遊興税の存在及び導入背景についての深堀をしていくことで台湾の公娼制をより鮮明に描きあげられるのではないかと思います。
あと今回の報告では、台湾の公娼制と本土である日本の公娼制との差異といった部分にはあまり手を付けられていなかったように感じたので、(そもそも僕自身がよく知らないだけなのであまり明確な違いがないなど、何かしらの理由があって記載していないというケースであれば聞き流してもらって結構です。)日本の影響を何らかの形で受けていた時代の台湾における公娼制がどういった独自性のある特徴があるのかといった点をもう少し鮮明に描くと同時にこれまで先行研究で描かれてきた公娼制のどこに溝口さん自身の研究のオリジナリティが見いだせるのかというところまで記載できるとよりレベルの高い研究になると思います。
非常に面白い研究内容だったのでこれからの成果を期待しています。
報告お疲れ様です。4回生の横山です。
①中川さん
大阪の売淫の研究、よく調べられていて興味深かったです。
梅毒患者との関連性が気になったのでもう少し調査の範囲を広げて、先行研究なり史料なりを調べていけたらもっと研究に広がりが生まれると思います。
②溝口さん
台湾の公娼ということで、当時の時代背景をもう少し追えていければこれから良くなると思います。
報告お疲れ様です。3回の森倉です。
仲川さんへ
報告お疲れ様です!
公に営業許可を与えられていない私娼は史料が残りにくいという側面があり、難しい部分も沢山あったとは思います。しかし、今回の報告では仲川さんが史料を見つけ出し、自らの考えを考察で示していた事が非常に興味深く、良い報告であるなと感じました。また、お互い助け合って、頑張りましょう。
溝口さんへ
自由廃業が推奨されても、自由廃業の選択ができない現実があったことは厳しい女性の生活があったことを理解できました。また、今回の報告から日本に植民地化された国の厳しい現実が、公娼制度の確立から見る事ができました。
報告の質が高く、今後の研究がどのように進んでいくのか興味がもてる内容でした。次回の報告を楽しみにしています。
報告お疲れ様でした。3回生の高井です。
①中川さん
本や資料だけに頼って論点を出すのではなく、自分独自の論点を持って発表しているところや、所々難しい語句を説明している点が良かったと感じました。他の方も言っていた通り今回はエリアを大阪に限定していましたが、もっと広めてみるとより興味深い研究になるのではないかと感じました。
②溝口さん
資料や発表が分かりやすくまとめられていて、かつ質問にも的確に答えられていてとても素晴らしいと感じました。ぜひ自分の発表の時に参考にしたいと感じました。ただ他の方も言っている通り、日本と台湾の公娼制の違いについてもっと知りたいと感じました。
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