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山崎先生の教育実習視察記

1 : 中村 凌太郎 :2018/05/22(火) 18:06:07
教育実習視察記〜阿部君編

さて2018年教育実習視察の旅、今回は東京の東村山第二中学校にやって参りました。東村山と言えば、ドリフターズ「8時だよ!全員集合」を見て育った私たち世代でいえば聖地のようなところ。「東村山音頭」で一世を風靡された、あの志村けんさんの故郷でございます…というような話をしていたら、「ここ志村けんさんの母校ですよ」といわれてびっくり。なかなか凄いところに来てしまったようです。

さて授業は2年3組の社会科。日本史分野で「貿易奨励から鎖国へ」。近世初頭の国際関係渦巻く、なかなかダイナミックなところです。このあたりどうさばかれるのか、阿部先生の手腕に期待です。

さあ先生が登場して参りました。平生を装っておられますが、あきらかにゼミの時より緊張したご様子。無理もありません。これが実習で行う最初の授業なのだそうです。

「先生はこれが最初の授業なので緊張しているんですけど…」という挨拶から入った瞬間、生徒から「先生頑張れ〜!」という声が飛びます。なんていう、素直で思いやりのある子供たちでしょう。毎年の実習生に極めて難しい質問をしていじめるのを楽しみとしていた私たちの子供時代とは大違いです。

いやいや、緊張しているとは言うものの、声はゆっくりと語られ、なかなか堂々としていましたよ。

さて最初に1枚の絵が掲げられます。「これはどこだと思う?」何となく日本的な町の様子から、「長崎?」「大阪?」など日本の地名が。また「台湾?」とか「香港?」とかアジアじゃないか感を出して攻めてくる子、「ロンドン?」とか思いついたことをとにかく言ってみる子などいろいろです。
「えーこれはベトナムのホイアンです。日本っぽいでしょう。ここには昔「日本町」というものがあり…」
なかなか素晴らしい切り口です。アユタヤとか出さないところが渋いです。ただこの絵、しわしわになっているため、光を変な風に反射してしまって、後ろの方からは良く見えないんです。残念、惜しい。
すると女の子がさっと立って、カーテンを閉めます。ナイスです!あの気配りなら、将来社長秘書とかになれそうです。

阿部先生なかなか上々の滑り出しでしたが、その後調べてきたいろいろなことを盛りだくさんにお話しされるので、話の筋が若干見えにくくなってきます。
また独特の優しい声で穏やかにお話しされるため、後方では睡魔に負けて、うとうとし始める子が!

阿部先生が動きます。
「お昼過ぎだけど、みんな頑張ろう!」
…いやそれ、授業の中身で勝負しましょうよ(笑)。とっておきのネタを入れるとか。声のトーンを変えてみるとか。まあでもとても初々しく微笑ましい光景です。

さて物語はキリスト教禁令に進んでいきます。とここで阿部先生何やら取り出そうとしています。じゃーん!「これが絵踏に使われた踏絵です!」
おー!そんなものどこで入手されたのでしょう。凄いです。ドヤ顔です(笑)。
(後で聞いたところ、長崎から通販で取り寄せたとのこと。三千円自腹だそうで、この実習に賭ける阿部君の意気込みがうかがいしれますね!)

さて、少し持ち直したところで、四人班を作らせて課題(オランダが選ばれたわけ)を考えさせます。そして机間巡視をしながら生徒たちに的確に声をかけていきます。なかなかの先生ぶりです!

ただ生徒には課題が少し難しかったのか、キリスト教のところは気が付くのですが、貿易のところがわからないみたいです。

あ〜時間がありません。阿部先生、慌ててまとめに入ります。
「では最後の鎖国の要因を三つ書くのでメモしてくださ〜い!」

①「キリスト教を排除するため」ふむふむ
②「貿易の利益を幕府が独占するため」そんな話、一度もしてないのですけど!(笑)
③「海外情報を幕府が独占するため」情報の話、一度も出てこなかったぞ、おい!

というわけで生徒さんたちやや面食らっているようですが、「起立、礼!」ということで授業は無事に終わりました。
まあ初めてにしては、良く頑張られたのではないでしょうか。これからの活躍に期待したいと思います。


2 : 中村 凌太郎 :2018/05/22(火) 18:09:05
こちらのスレッドは山崎先生の教育実習視察記です。

来年、教育実習に行かれる3回生の皆様も参考になるところがたくさんあると思います。
ちなみに後日、僕のやつもアップされるそうです (笑)


3 : 堀場祐希 :2018/05/23(水) 10:20:37
>>2
とても参考になります!ありがとうございます!


4 : 阿部勇仁 :2018/05/24(木) 22:27:15
>>1
初回の授業で滑った阿部です、

本日も4コマ連続で授業を行いましたが、お陰さまで、寝る生徒がほとんどいなくなるような授業を行うことができました。
あと、約1週間ですが気合い入れてがんばります!


5 : 小林希 :2018/06/06(水) 00:59:26
 2018教育実習視察の旅、第2弾は大阪高槻の青凌高等学校。副ゼミ長中村凌太郎君の実習フィナーレを飾る研究授業です。日本史Bで単元は「平安遷都と蝦夷との戦い」。高校二年生のこの授業、我らが凌太郎君はどのように授業してくれるのでしょうか?
 研究授業とあってビデオカメラも用意され、多くの先生方が詰めかけるなど、いつもとは一味違う雰囲気です。
 さあ凌太郎先生の登場です。さほど長身でもない凌太郎先生ですが、教壇にすっくと立って、両手を腰に当て仁王立ち、そして大きな声で号令を飛ばします。なかなかの先生っぷりです。これは期待できそうですね☆
 「えー、なぜか足のふるえが止まりません…」おっと、意外にも弱気な言葉から入ります。頑張れ〜みんなから声にならない声が飛びます。暖かな良い雰囲気です。
 「えー実は僕は大学でよさこいをしています。踊ります」むむむ、これと平安遷都がどのようにつながるのでしょうか?
 「そのよさこいで平安時代をテーマに踊ろうとなり、内容をどうするか悩んだのですね。みんなは平安時代ってどんなイメージかな?」おお、素晴らしい!流れるように平安時代へと導いていったぞ。平家物語!とか平安京!とか声が上がります。
 「なるほど、そう来ますか?うちらは結局陰陽師をテーマに踊ったのですが、いずれにせよイメージは宮廷とか貴族とかですよね。でもそんな人は人口の2%もいなくて、大部分は民衆だったわけです。…というわけで今日の主役は民衆です!」おー何という素晴らしい展開でしょう!流れるような導入から平安時代の民衆へといざないます。またその切り口が面白い!凌太郎先生、この視点をどのように展開していくのでしょうか?
 「それでは今日の主人公、桓武天皇です!」おーい、民衆どこへ行った〜?!
 若干ガクッと来ましたが、気を取り直して先生の言葉に耳を傾けます。
 「桓武天皇を理解するには、お母さんをよく理解せねばなりません。そのお母さんは高野新笠と言って、朝鮮系渡来人、そして下級役人の子供でした。この出自ゆえに桓武天皇はコンプレックスを背負うことになります」凌太郎先生良く調べています。研究授業に向けて相当多くの文献にあたられたのでしょう。
 「おっと、今の世の中ではそんな差別はあってはいけないし、気にする必要もまったくないですよ〜」うん、フォローも完璧です!大阪、在日の子も多いしね。流石です。
 「山城国は渡来人系の仲間が多くいた。さらに彼らは新技術に優れている…ということが平城京を離れたこの地に新たな都を造営する原動力となったのですね」なるほど。
 「しかし長岡京は造営の責任者が殺され、しかもその黒幕が桓武の弟、早良親王とされたことから揉めます。早良親王は、俺は無実だと食を断って抗議、しかし衰弱死してしまいます」そうだよね。
 「みんなはそんな抗議の仕方できるかな?ちなみに僕は2日目くらいにカツ丼とか出されたら、一発で食べちゃいますね〜」おっ、女子から笑いが起きています!凌太郎先生、笑いをゲットです。気分をよくしてたたみ掛けます。
 「平安京遷都は794年。鳴くよウグイス、ホーホケキョ〜じゃなくって、鳴くよウグイス、ヘイアンキョーですね〜(笑)」
 …はい、完全にスベリました。ちょっと調子に乗りすぎてしまったようです。
 あわてて話を蝦夷との戦いにスライドします。
 「征服した蝦夷を朝廷は強制的に関東以西に移住させます。それで反乱がおきました」
 生徒たちがちょっと分からないな?という顔をしています。


6 : 小林希 :2018/06/06(水) 01:00:04
 「○○さん、もし君が今政府からパプアニューギニアに移住しろと言われたらどんな気分ですか?家族や友達とも連絡取れなくなりますよ〜?」
 「えーそんなんイヤや〜」
 「ですよねー。そうやって朝廷は蝦夷を分断し、弱らせようとしていたのですね〜。これは酷いやり口じゃ許せん!というわけで、彼らは朝廷と命がけの戦いに突入するのです」
 「なるほど〜」とうなずく生徒たち。上手いですね〜具体的な例を出して生徒たちを感情的に引き付けていきます。凌太郎先生、なかなかのテクニシャンです。
 その後蝦夷最強の戦士アテルイと、朝廷最強の将軍坂上田村麻呂との戦いへと進んでいきます。生徒たちは引き込まれて、凌太郎先生を見つめます。見事です!
 さあ残り10分です。
 「さてこの間民衆は…」おーやっと出ました民衆!これまでの話とどうつなげるのでしょうか?
 「民衆はみんな軍事遠征と都の造営で疲弊しきっていました。桓武天皇は、税を半分にするなど民衆思いの一面もあったのですが、蝦夷征伐と平安都造営の二つだけは止めませんてした。なぜでしょうか?」これは難しいらしく答えが出ません。そこで凌太郎先生が解説されます。
 「桓武天皇はコンプレックスの塊でしたから、自分の正当性を示すために、実績を残さないといけなかったのですね〜」えーと、それだと民衆全く救われませんよね?しかもそれが一人の男の個人的出自コンプレックスからとなると死んでも死にきれないのでは?今日桓武天皇のイメージだいぶ悪くなったのは、私の気のせいでしょうか?
 そこで鐘がなります。完璧な時間配分で研究授業は終了となりました。随所に突っ込みを入れる余地はあったものの、上手にストーリーを構築したことといい、話の展開の見事さといい、なかなか素晴らしい授業だったといえるのではないでしょうか。
 以上で教育実習視察記第二弾は終わりでございます。


7 : 小林希 :2018/06/06(水) 01:04:48
山崎先生の教育実習視察記、中村凌太郎くん編です!長編の視察記だったため、1回では文字数が多いというエラーが出てしまい投稿できなかったので、前後編の2部に分けさせていただきました。


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