先日、トイレの便座に座って用を足していた時に、注意不足で自分の性器の亀頭の部分が、便座の内側に当たってしまいました。
見たら便座の内側が汚れており、これでHIVに感染したらどうしようと不安になってしまいました。
先生の鉄人レター017号で、今回のようなことでは感染はないと書いて頂いてますが、そのように考えられる理由を教えて頂けたら幸いです。
精液などが体外に出ても、一定時間はHIVが感染力を維持しているというのを知り、間接的な感染もあり得るのではないかと心配です。
本来HIVは感染力が非常に弱く、コンドームなしの膣性交と肛門性交を
しなければ感染することはないと言っても間違いはありません。
HIVの疫学調査でも日常生活でのHIVの報告はありません。
体液や血液が身体の外に出ても時間が経過して変質しない限り、これらに含まれる
HIVはすぐには死滅しませんが、単に接触するだけであれば付着する量が少ないこ
ととHIVの感染力が非常に弱いことからして感染は起こりません。
従って今回のようなことからの感染報告も一切ありません。
今回のようなことはいわゆる「日常生活」の一部と思ってもよろしいでしょうか。
また、便器に体液がついていても検査の必要も全くないでしょうか。同じことを仮に鉄人先生様がご経験されても、検査はされないでしょうか。
私であれば無視して検査も受けません。
安心しました。今回のことを心配するのはやめにします！
参考までに、精液や血液が空気中に出て何かに付着してから、それに含まれるhivが感染力をなくす（変質する）までの時間はどのくらいなのでしょうか。
また、空気中に出た体液中のHIVは出た瞬間から徐々に感染力が弱まっていくものなのでしょうか。
10分もあれば変質しますので中に含まれるHIVは死滅しています。
多量の場合は表面は10分で変質していますが、内部はなかなか変質しません。
空気中に出た体液中のHIVは出た場合直ぐに死滅しません、含まれている
体液や血液が変質するに連れて感染力が弱くなり、やがて死滅してしまいます。
大変勉強になります。
例えばですが、壁面や便器の側面などについて、薄く伸びてしまっているような比較的少量の体液であれば、全体が空気に暴露されるため、10分よりも早く感染力を失うのでしょうか。
関連して、コンドームを外す際に、コンドームについた体液が亀頭について感染することはありますでしょうか。空気にふれてすぐに感染力をなくしているためありえないでしょうか。
この場合亀頭部分につく量が少ないことと、亀頭部分や尿道口に擦り込むことがないので
感染力の非常に弱いHIVの感染はまず起こりません。
HIV単独で体の外には出てきません、体液や血液の中にいるわけですから、
HIVその物が空気に直接触れることはありませんので、体液や血液が変質乾燥しない限り
感染力をなくすることはありません。
最後に今回ご相談させて頂いたことをまとめましたので、理解の確認をさせてください。
①体の外に出た体液の中のHIVはすぐに感染力を完全には失わないが、体の外に出た瞬間から徐々に感染力が弱まっていき、早ければ数分、遅くても10分以内で感染力がなくなる。
②何かに付着した体液と粘膜との間接的な接触であれば、粘膜に付着する体液の量も感染に足る量からは程遠い。
③従ってトイレや銭湯などで、仮に自分の性器や傷口に、まだ乾いていない体液や血液がついても、全く心配はいらない。（間接的な接触による感染は起こらず心配する必要はない）
上記の理解で正しいでしょうか。
②間接的接触からは付着する体液等の量が少ないことから感染はまず考えられない。
③その通りです。