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チームロワイアル
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■ルール■
・全10チームバトル・ロワイアルを行う。
・各1チーム10人、合計100人による戦い
・死亡した場合は脱落エリアにいかれる。全滅した瞬間消滅となる。
・チーム全て全滅させたら優勝。もし死亡した選手が優勝チームなら生き返る。
・優勝者は願い事が叶えられる。ただしMVP一人による。
■参加者&ストーリー■
・>>2から参戦するチームの選手を紹介。
・オープニングストーリーではメンバー集めの様子から書く
■書き方の方式■
・リレー小説式で行う。
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【チーム名】灼熱の紅蓮
【説明】ランクは下から2番目の平凡チーム。主人公焔木 建が所属しているチーム。争いを止めるべく結成したメンバーである。
【メンバー】
・焔木 建…能力は炎。悪魔の混血の青年。更なる強さを求めている。熱血漢で鋼の精神力の持ち主。
・黒薙 颯太…能力は闇。建のライバルであり、悪魔の混血の持ち主。打倒焔木建を目標にしている。冷静で無愛想だが根は優しい。
・内覇 将技…能力は波動。建の後輩にして潜在能力を持つ青年。建を師匠のように慕う。
・望月 彪悟…能力は風。重量の剣を持つ青年。
・雪瀬 悠奈…能力は雪。建に好意を抱く黒髪の美少女。戦いを好まないが覚悟を決めた場合は勇気を出して戦いを望む。
・海道 初美…能力は水。お転婆で恥ずかしがり屋の美少女。元海女。
・ゴクア…能力は雷。内覇の師匠であり、このチームの中では最年長の男。ゴクアは仮の名前であり本名が亜門 雷我。
・緑川 レイ…能力は林。体術、格闘におけてスペシャリストの持ち主。だが、照れ屋さん。
・天野 日頼…能力は光。白髪の小学生の美少女。悪魔の混血者でもある。非常に臆病で争いを好まない。
・神崎 誠吾…能力は神。主にメンバーと行動せずチームワークを無視する青年。物語を鍵を握るキャラクター。
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>>2
ちなみに神崎は裏切る予定です。主人公のチームなので優勝させることを
>>3も紹介してきます。リレー小説の繋ぎおねがいします!!
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【チーム】純白の新雲
【説明】犯罪組織のメンバーを構成したチーム。
【メンバー】
・ホワイ…本体。琥珀を除く8人は分身能力である。最大四人で合体することが可能。
・ジロカ
・マッシ
・ロイ
・グリフォン
・ベルテガ
・ペガサス
・ロッキーニ
・ハクバ
・琥珀…能力は龍に変化する特殊変化。
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【チーム名】マーダーストック
【説明】特になし
【メンバー】
・大笑焔…能力は炎。愉快なピエロを演じているが本質は冷酷な女殺人鬼。気紛れで人を殺すが気紛れで人助けもする歪な性格。
・無銘竿益…能力は時間停止。好き勝手に能力を悪用して自分の欲望を満たす屑。
・高麗麗美亜…能力は吸血鬼化。ゴスロリのロリっ子。典型的な厨二病。
・桜蘭凡…能力は筋力。普段は細身の少女だが本気を出すとマッチョになる。趣味は筋トレ
・白入夏…能力は救済。組長の一人娘。愛らしい仕種の裏に底知れぬ残虐性を秘めた狂人。スプラッターが大好き
・虹三次詩子…能力は腐女子。母性溢れる女性だが性犯罪者一歩手前の性癖の持ち主。幼い少年のお尻が大好き
・ジョセフィーヌ・スターリン…能力は氷結。ロシア系の美少女だが極度の人間不振により友達が少ない。アリシアは親友だが素直になれず喧嘩ばかりするのが悩みの種
・謎乃浄化…能力は気配遮断。影の薄いエルフ耳の少女。陽キャだがクラスメートから名前を覚えてもらえないのが悩み
・アリシア=ヒットラー…能力は扇動。美大志望の少女。ジョセフィーヌとは幼馴染みだがよく喧嘩する
・鈴…能力は鋸。自称サイコパス少女。浄化の幼馴染みだが度々彼女をいじめて楽しむ
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【チーム名】エターナル・フォース・チャンピオンズ
【説明】様々な並行世界から神々の命令により呼び集められた戦士たち。名前とあだ名はサイコロで決定された。
【メンバー】
・"英雄"ドミニコ…金髪緑目で堂々たる体格のサイボーグ戦士。二挺の重機関銃で武装し、プラズマジェットで空を飛ぶ。
・"雌獅子の"テオドーラ…好戦的で淫奔な女傭兵。左目が義眼で体中傷だらけ。火球を吐く巨大なスフィンクスを召喚する。
・"狂人"カルル…鋼の斧を武器とする狂戦士。普段から気が触れているが戦闘力は確かで、巨人やドラゴンの天敵とされる。
・"毒蛇の"ブリュンヒルデ…堕落したヤクザヴァルキュリア。広島弁で喋り、チャカと蛇腹剣で闘う。
・"勇敢なる"マホン…異世界転移した平凡なサラリーマン。実際は臆病者。獰猛な謎の悪魔に取り憑かれており、戦闘はそちらが全て行う。
・"人喰い"ネリス…ダークエルフの血を引く不気味な女。腕が四本ある。ローブを纏っており、その中は毒液を撒き散らす触手に満ちている。
・"賢明なる"キリル…ありとあらゆる魔法を修めた矮躯の老賢者。いかなる魔法や超能力も彼には通用せず、すべて吸収してしまう。
・"善良なる"ロクセラーナ…全能の善神に寵愛されている幼女。極めて運が良い。彼女を迫害する者には神の罰が下される。
・"公平なる"ユースフ…愉快犯のテロリスト。虚空から銃火器や爆薬、地雷などを召喚し、瞬時にブービートラップを仕掛ける。
・"血まみれの"アザール…邪悪な吸血鬼にして女暗殺者。数千年生きており、武術の奥義を極めている。日光に弱いわけではない。
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2チームキタァァァ!!(歓迎)
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【チーム】グリフォン・レイ
【説明】無し
・動脈寺 凶…チーム最強の戦士。能力は運命であり、強大な敵でも一撃で粉砕する破壊獣。
・世木 正呂… チームのリーダーにして次期格闘王候補の高校生。見た目は髭を生やしたムキムキの青年だが人類を破滅する程の戦闘能力を持つ。
・鄭折州 廉…怪速の持ち主の異性人。捕らえきれない俊足力を持つ。
・呪木 授…占い師を営んでいる青年。戦闘能力は持ってないが、呪殺技を持っている。
・儀明 亭挺…超能力の持ち主。無口。
・暗命 徠…能力はヒーラー。チーム全体の回復する能力を持つ。ぶん殴られそうになったときすぐ泣いて他の人に不意討ちしてしまうと言う隙ができてしまう。
・玄妙寺 彬…能力は電光。幼い頃助けてもらったお陰で動脈寺を尊敬している。
・小炎 焔…能力は蛇に変化
・真羅 恭吾…能力は蛙に変化
・芭蕉 欧…能力は蛞蝓に変化
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動脈寺、世木、鄭折州、玄妙寺はとにかく強いので終盤まで残ってほしいです。
玄妙寺はラスボス予定です。
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駄目です
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>>10
一応>>9は>>1の人が決めたことなので無理です。
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【チーム名】ブラッドエンジェル
【設定】ランキング最下位のチーム。最強チームグリフォン・レイやチャンピオンスに比べるとかなり弱い。三兄弟以外は能力不明。
【メンバー】
・ヴォルフ…三兄弟の長男。能力は月光。
・フォックス…三兄弟の次男。能力は変身。
・ポンタ…三兄弟の三男。能力は騙し討ち。
・キャット
・スネーク
・レオ
・エレファン
・ゴリ
・ペガ
・オリオス
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【チーム名】乙国忍女等(をとくにのしのびめら)
【説明】現代日本で暗躍する謎の女忍者(くノ一)たち。名は全て仮名であり年齢も不詳。その体術・遁術は超人の域にある。
【メンバー】
・篝火(かがりび)…超常的な火遁術の遣い手。炎を用いた幻術にも長ける。かなり怒りっぽくガサツ。カンは鋭い。
・真木柱(まきばしら)…樹木を操る木遁術の遣い手。彼女は「柱という概念」をも操るらしく、電柱を操ることすら可能。背が高い。
・梅枝(うめがえ)…天満天神の加護を受けた雷遁術の遣い手。その移動速度はまさに疾風迅雷で、短距離ワープ技「飛梅」も用いる。
・帚木(ははきぎ)…塵芥や粉塵を操る粉遁術の遣い手。普段は巫女姿で竹箒を持ち、箒に乗って空を飛ぶことも可能。巨乳。
・初音(はつね)…音を操る音遁術の遣い手。遠くの目標をソナーで探知し、爆音で敵の鼓膜を破る。クラシックが好きなお嬢様。
・東屋(あずまや)…建築物を操る家遁術の遣い手。家屋の中に潜み、あらゆる家具を罠として作動させる。家事は苦手。
・須磨(すま)…風雨を操る風遁術の遣い手。天候を支配して暴風雨を起こし、突風や竜巻を発生させる。明石という妹がいる。
・鈴虫(すずむし)…虫を操る虫遁術の遣い手。初音の遠縁であるらしく、音遁術も兼ね備える。四つん這いで歩くことが多い。
・澪標(みをつくし)…水を操る水遁術の遣い手。水中を自在に移動し、地面を液状化させる。冷静沈着で方向感覚に優れる。
・総角(あげまき)…髪の毛を操る髪遁術の遣い手。長く伸ばして攻撃するほか、他人の髪の毛を操ったりも可能。嫉妬深い同性愛者。
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【チーム名】ナロー・ソサエティ(Narrow Society)
【説明】なんかそれっぽいのを集めたもの。同じ町内に暮らしている。
【メンバー】
・メアリー・スタートレック…全ての男女を魅了する異能を持つ貧乳ツインテ少女。身体能力は低く、自分では決して戦わない。
・ルシウス・シャイターン…14歳の少年の姿をした魔界の王子。光と闇、炎と氷の力を操る。メアリーに操られている。
・ラインハルト・ビルガメズ…他者の異能を奪い取り、自分の力とする異能者。奪うには接触する必要がある。素の戦闘力も高い。
・"漆黒の男"…影と闇を操る冷笑的な存在。任意の場所にマイクロブラックホールを出現させる。時々服から触手がはみ出る。
・クロニカ・アレクサンドラ…時を司る金髪の女。数秒間だけ時を止め、巻き戻し、先に進める力を持つ。ナイフが武器。
・サウロン・ビホルダー…全身に包帯を巻いた魔眼使い。目から様々な光線を発射し、9体の眷属を使役する。実体は稀薄。
・パズズ・マイルフィック…遺跡から復活した古代の大魔王。核融合の呪文や生命力吸収の呪文を使う。実はアンデッド属性。
・ザ・トマトマッシャー…トゲ棍棒を振り回す血まみれの巨漢。あらゆる防御を貫通して相手を潰し殺す凶悪殺人鬼。ピザが好き。
・毒多銭取(どくた・ぜんとる)…ガスマスクをつけた狂化学者。笑いながらバイオケミカル兵器を撒き散らす。素顔はイケメン。
・無能勝和平(むのうしょう・かずひら)…自分の周囲を平凡な日常に変える異能力者の高校生。あらゆる異能や災厄を無効化する。
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【チーム名】マジック・ブラック
【説明】全員手品使いだがやること全て殺人レベルのマジックである。死者は200人以上を及ぶ残虐な事件を犯したグループ。ピターを除く9人はそれぞれ色の名前が由来となっている。
【メンバー】
ドン・ピエロ・マター…通称『ピター』。指名手配されている殺人犯のマジシャン。ピエロの服装を普段着として着ている。
翡翠…ナイフ使いのマジシャン。金目を貰うために参加する。
玉虫…爆弾使いのマジシャン。片手だけで爆弾を相手に向けて攻撃を仕掛ける。
若草…イリュージョンマジック使い。いたずら好きで変身が得意。
深緋…トランプのマジシャン。刃物のトランプを操る女性。
梅染…人間切断のトリックを持つマジシャン。太ももフェチであり変態。怒ると凶暴になる。
鶸色…鳥使いの女の子のマジシャン。どんな生き物でも鳥葬することが出来るヤンデレ。好きな物はイケメンの骸骨。
水浅葱…セクシーな美女であり水着を着用しているマジシャン。鮫を操る。
南京藤…帽子を被って、顎髭を生やした男性。帽子の中に様々な生き物を出すことが出来る。
錆青磁…機械を操るマジシャン。どんな人間でも監禁する力を持つ。
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【チーム名】天鵞絨
【説明】紅蓮とライバル関係のチーム。悪魔の混血が三人いて、最年少にして最強の特殊刑事の打川 倭が所属している。
【メンバー】
打川 倭…最強の特殊刑事。時間を操る。冷静な性格であり、興味がある人間以外は相手にしない。
暁 幸…悪魔の混血。能力は鋼。敬語で話す。
村崎 英美…悪魔の混血。能力は毒。甘えん坊の男の娘。
畷原 睦美…悪魔の混血。能力は愛。見た目はかわいらしい少女だが怒るとムキムキの女性になる。
須澤 界斗…能力は高圧電流。魔神海賊の末裔であり、そのことを自慢している。
左京 透…二重人格の男。普段はおとなしいが興奮すると性格が攻撃性になる。
柿呉 抱久…相手の記憶を奪う能力を持つ。
九凶 大蛇…ヤマタノオロチから転生された人間。知能を手に入れたことにより戦闘能力が高い。
陣 雲鬼…こころ優しい赤鬼。怒るとぶちギレるほど暴走する。
相野 サプリ…史上最高のIQを持つ学者。能力者の研究をしている。
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全員揃いました。ランキング設定はこんな感じです。
1グリフォン・レイ
2エターナル・フォース・チャンピオンズ
3ナロー・ソサエティ
4マーダーストック
5純白の新雲
6乙国忍女等
7マジック・ブラック
8天鵞絨
9灼熱の紅蓮
10ブラッド・エンジェル
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舞台は人間がいないパラレルワールドの東京が舞台
チームはそれぞれパラレルワールドの世界に移動して殺し合いをする。
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オープニング投下しますけどいいですか?
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どうぞ、お願いします
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投げやりで草
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チームロワイヤル。最大100人による大乱戦。全てのチームを全滅させれば願い事が叶えられる大会である。
そんな中、強さを求める少年がいた。
建「俺はもっと強くなるんだ!より強い相手を倒すために!!」
自信満々の建は超ご機嫌。
すると手紙が一通届いた。
建「何だろう?」
建はさっそく手紙を読み上げるとなんとバトルロワイヤルの招待状だったのだ。
建「おおお!!バトルロワイヤルかー!!何々?10人揃えばいいのか?」
建はさっそくみんなを誘ったのである。
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黒薙「何のようだ…建?」
集まったのは黒薙、将技、彪悟、初美、ゴクア、レイ、日頼の7人
建「あれ?揃ってないなぁ…残り2人なのになぁ…」
???「雑魚共がうじゃうじゃいるのは当たり前か…?」
建「誰だ!?」
神崎「俺は神崎。全ての王者を目指す神だ。」
建「神崎だと…!?」
神崎「このロワイヤルに全員死亡すれば消滅する…。」
「「「何!?」」」
建「ふざけるな!!こんなふざけたルール等と…!!」
将技「先輩…やめてください…!!暴力は…」
黒薙「それで逆に生き残れば…?」
神崎「報酬は願いだ。」
「「何だって…!?」」
驚く一堂。
建「よし、こうなれば戦うしかない…みんないくぞ!!」
「「おう!!」」
悠奈「待って!!9人しかいないわ!!」
建「くっ…これじゃあ…」
???「おやおや…どうやらお困りでぬね。ヘヒヒヒヒ。」
黒薙「誰だ!?」
塗空「紹介遅れました…。塗空 時限でぬ〜。宜しくでぬ〜。」
神崎「どうやら空間の能力を持つな。10人目の戦士としていれて貰う。」
塗空「おけでーぬ!では!空間オープン!」
塗空は空間を開けて全員乗せる。
塗空「では、目的地のパラレルワールドへgo!!」
建「よし、みんな!!勝つぞ!!」
「「「おう!!」」」
神崎(これで計画通りになるんだな…フフフ…)
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オープニング投下終わりです。
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その頃主催者は紅蓮が全員揃ったか確認した。
主催者「どうやら、メンバーは直々と揃ってます。おや…どうやら他のチームが偵察しているそうですね…」
他のチームの偵察…それはマーダーストックのメンバーの白入夏である。
白入「情報収集完了…。さて我々もチームに合流する…。」
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FFSを感じる…乙
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投下します。
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<削除>
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<削除>
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>>28
ルール無視による荒らしが確認されましたのでカットさせてもらいます。
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最終決定権も一応含めるので
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書き手の人はトリップをつけてはどうでしょうか…
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おけ
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投下します。
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BRTTTTTTTTTTTTTT!!BRTTTTTTTTTTTTTT!!
二挺の機銃が火を噴き、敵航空機兵らを次々に爆煙を噴くジャンクパーツに変えていく。
ツェッペリンに飛び移ると、機銃からプラズマ剣を展開。数秒バックパック噴射を止め、自由落下しながら船体を縦に切り裂く。
ZZZZZZZZZZZZZTTT! ……KA-BOOOOOOOOOM!!
閃光、轟音。有毒の気化燃料に引火し、爆発炎上。
燃え盛りながらゆっくりとツェッペリンは墜落していく。バラバラと飛び降りる連中。悲鳴。
翼やパラシュートを開いた奴だけを狙い、撃ち落とす。血飛沫。生き残りは地上部隊が始末するだろう。
『YO、ドミニコ。スコアいくつだ』
「数えていない。本部の方で集計してくれるだろう」
インカムに答え、次の標的へ。薄汚い金星人どもめ、残らず消し去ってやる。塵になれ。
「HA! 英雄様のお出ましかい!」
耳障りな声。奴か。クソが。
ツェッペリンを突き破り、巨大な有翼スフィンクスが飛び出す。翼を広げ、口を開き、火球を放つ。ジグザグ軌道で回避。
「少しまずい。テオドーラが出た」
『あの阿婆擦れか。ヤバイな、待ち伏せてたか』
スフィンクスは一体ではない。次元が歪み、虚空から次々と召喚される。数えるのも面倒だ。本部が数えてくれるだろう。
「デレク、お前らは撤退しろ。奴の狙いは俺ひとりだ」
『モテる男は辛いねぇ。お前さんが死ぬはずねえさ。ジャー(幸運を)!』
「ジャー」
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黒煙を抜け、スフィンクスの一体が目の前に飛んでくる。その背に、見慣れた顔。
「ドーミーニーコォー! 今日こそあたしの左目の仇、とらせてもらうよォ!」
"雌獅子の"テオドーラ。金星の女傭兵。好戦的で淫奔。次元の彼方からスフィンクスを召喚する術を持つ。
無茶苦茶な術だが、代償はあまりないらしい。戦場でよく使うことから、戦死者の怨念を利用してるって説もあるが。
「妹のことは、もういいのか」
「家族より大事なものがあるっしょォ! 自分自身! あたしの美貌! 視力! プライド! そうゆうの!」
「サイバネティックがあるだろ。前の目よりよく見えるさ」
「それよそれ。サイバネしてンだけどさァー、イマイチ合わなくてウズウズすンの! それが余計ムカつく!」
互いに機銃を撃ち合いながら、友人同士のように世間話を交わす。スフィンクスにはあまり機銃が効かない。岩のように硬いのだ。
テオドーラにも機銃がほとんど通じない。じゃあ、あの傷跡と左目はどういうことだろう。
俺はどうやって、あいつの眼球を潰したんだったか? 記憶を手繰り寄せる。だいぶ前の話だ。
「金星は技術力が低いな。俺のボディはナチュラルボディより調子がいいぞ」
「うっせェーー! 脳みそまで機械になっちまいな! ホモ野郎!」
スフィンクスの火球とテオドーラの機銃を、プラズマシールドでうまく弾きながら解決策を探す。
……と、その時。
周囲の空間が、不意に闇と沈黙に包まれた。テオドーラの術か、次元震か。
いや、テオドーラも唖然としている。スフィンクスがいない。足場がないのに、彼女は空中に立っている。
「……おい! 何しやがった!」
「こっちのセリフだ」
互いに体が動かない。状況が把握出来ない。なんだ、これは。
デレクの援護か。じゃあとっととテオドーラだけ始末してくれ。
そのまま数秒が経ち、俺たちの頭上から光がさした。バサバサバサ、と多数の鳩の飛び立つビジョンと、羽音。
目の前にすっと降りてきたのは、灰色の燕尾服を着た有翼の仮面男。戦場の天使か。殺られた覚えはない。
『どうも、はじめまして。私はヘラルド(使者)。あなたがたを新たな戦場にお招き致します』
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◆
「……なあ、どうなってんだ」
「こっちのセリフだよ。殺し合いの続き、やる?」
「いや、それどころじゃなさそうだ。遠慮しとくよ」
次の瞬間、俺たちがいたのは、高層ビルの屋上。そこから見渡す限り、地平線までビル群が聳え立つ。大都市(メガロポリス)だ。
空気は清浄、空は晴天。地平線の彼方に円錐形の山。逆側の彼方には、青い海が見える。……人間の気配はない。
「ヘラルド、とか言ってたな。説明が欲しいところだが……」
『はい、お待たせしました。「チームロワイアル」へようこそ!』
ぼやいた瞬間、仮面男が逆立ちで目の前に出現する。なんだこりゃ。ヴァーチャルリアリティ・ゲームか?
テオドーラが変な顔で驚いている。後でサイバネ・アイの記録映像を見せてやろう。
「ああ。説明してくれ。これは俺たちの殺し合いを、火星の命運をかけてるかも知れない防衛戦を、中断させてまでやることかい?」
『左様でございます。なにせ、全宇宙、全並行宇宙の命運がかかっている、かも知れませんので。あと、視聴者の方々の興味も』
俺は眉根を寄せる。何を言ってるんだ、こいつは。視聴者? 腐れマスコミもここまで腐ったか。
「チームロワイアル。ああっと、たぶんだが、古語で『王の部隊』だと? 地球諸国のどっかの王の、傭兵にでもなれってのか」
『ノン。「バトルロイヤル(Battle Royal)」という単語をご存知ないでしょうか。
語源ははっきりしませんが、王位争奪とも、御前試合とも、はたまた単なる「大乱闘」とも。
要は、生き残るための殺し合い勝負ですな。それを昔、どこかの作家がわざと「バトル・ロワイアル」と表記して……』
テオドーラが鼻を鳴らし、親指で俺を指差す。
「なんだ、火星名物のデス・ゲームかい。この英雄様を今からぶっ殺せって?」
『ノン。ノン。あなた方は今からチームの一員です。殺し合ってはいけません。たとえさっきまで仇敵だったとしても』
ヘラルドはヘラヘラ笑う。このクソ阿婆擦れとチームを? 悪い冗談だ。
『それでは、ルールを説明致します。あなた方の他8人、合計10人で1チーム。他に9チームあって全10チーム、100人で殺し合いをしてもらいます。
他のチームのメンバーを全滅させ、自チームの誰か一人でも生き残っていれば優勝です。戦闘で脱落者が出た場合でも、優勝すれば全員復活します。
そして、優勝チームのうちのMVP……最も優れた成績を収めたひとりだけに、なんでも願い事を叶えて差し上げます』
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俺は無言でテオドーラと目を合わせ、互いに肩を竦める。
「あー……OK、理解した。要は、最後まで生き残りゃあいいってことだ。MVPってのは撃墜数で算定されるのかな、たぶん。
じゃ、いくつか質問いいかい。ここは、どこだ?」
コキッ、とヘラルドが首を鳴らし、ぐるぐると肩を回す。
『東京(トーキョー)です。地球の、日本国の首都。時代は21世紀初頭ぐらいですかね。
ここはいわば並行世界でして、住民はいません。思い切り暴れ回って貰って結構です。東京の外へは出られませんけど』
「21世紀だ? 今はまだ火星紀元6世紀……ああ、地球暦か。だとすると、千年以上は昔ってことになる。
で、トーキョー? 数百年前に核攻撃で滅んだっていう、伝説的なメガロポリスか?」
「金星じゃ、バイオ・カイジュウによって破壊されたって伝わってるけど。なかなかいいとこじゃない」
「あー……カイジュウを殺すために核攻撃したってことかな。どうでもいいや。じゃあ次の質問、他のチームメンバーは?」
『この都市のどこかに。探し出してみて下さい。それもゲームのうちです。
チーム名は「エターナル・フォース・チャンピオンズ」とでもしましょうか』
「……制限時間は?」
『特に設定されてませんね。後から決まるかも』
「随分いい加減なゲームねェ」
『そういうもんですよ。質問は以上で? 何かあればお呼び下さい。探索や戦闘の手助けは致しませんが』
そう言うと、ヘラルドは姿を消した。無言でテオドーラと目を合わせ、互いに肩を竦める。二度目だ。
「わけわかんないけど、やるしかなさそうね。あたしの願い事は宇宙征服ってことでいい?」
「あいつらにその願いが叶えられたらな。俺は普通に、元の世界への帰還でいい」
「欲望の乏しい野郎ねえ。そんなだからタマナシになんのよ」
「睾丸は残してある。生殖能力はないがな」
ハンドヘルドCPUを操作し、周辺数キロのマップを表示して生体反応を探る。100人……には満たないが、確かに数十の反応があるようだ。
うちいくつかは、かなり強大。テオドーラよりヤバイ連中もいるってことか。
「メンバーの名前すらわからんとは。どうやって敵味方を見分けりゃいいんだ? あのクソダサいチーム名を言えってのか?」
「ヘラルドに聞いといて。あたしは適当に探すよ。じゃね」
ふわりとテオドーラがビルから飛び降り、スフィンクスを召喚して飛んで行く。慌てて俺もジェットで追う。
「おい、待て!」
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【渋谷区・セルリアンタワー上空/午前08時03分】
【"英雄"ドミニコ@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康
[装備]:長距離飛行用プラズマジェット・バックパック …太陽光により充電可能。肘・膝・踵にも小型ジェットパックがあり小回りがきく。
火星軍制式プラズマ機関銃「マーシア596」二挺 …岩石や土壌や空気から弾丸を精製するため弾切れの心配はない。
[道具]:ハンドヘルドCPU、通信機、携帯食料、その他
[思考・行動]
基本方針:優勝し、帰還する。
1:仲間を探す。敵なら殺す。
【人物紹介】
火星軍航空部隊の軍人。金髪緑目で堂々たる体格のサイボーグ戦士。二挺の重機関銃で武装し、プラズマジェットで空を飛ぶ。
テオドーラとは戦場での奇妙な腐れ縁があるが、互いに仇敵として毛嫌いしている。
【"雌獅子の"テオドーラ@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康
[装備]:火星軍制式プラズマ機関銃「マーシア596」一挺 …鹵獲品、機能はドミニコのと同じ
[道具]:スフィンクス一頭(騎乗して飛行中)
[思考・行動]
基本方針:とりあえず優勝する。
1:仲間を探す。敵なら殺す。
【人物紹介】
金星人。好戦的で淫奔な女傭兵。左目が義眼で体中傷だらけ。火球を吐く巨大なスフィンクスを召喚する。それも多数。
極めて自己中心的だが、戦場での判断力の正しさは折り紙付き。
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「『ハイルゥ……ヒットラァァーーーーッ』!!」
ガオン!ガガガガガガ! 砕け散るコンクリート片!
逆卍型の鋼の斧が自動車を切断し、電柱を切断し、家屋を切断し、ビルを切断して、700mは離れた標的を捉える!
数本の柱を切断され崩れ落ちるピロティ式高級住宅! 欠陥建築!
「うおッ!?」
不運にも標的とされた男―――どう贔屓目に見ても中年のサラリーマンといった風貌だが―――彼は、即座に顔の前で両掌をあわせ、真剣白刃取り!
『いきなり来やがったな、キチガイ野郎め!』
「あっ、危ねえ! なんだ、誰だ!?」
次の瞬間! 頭上からもう一つの斧が! サラリーマンはバックステップで回避し、さらにバック転を繰り返して距離を取る!
「『ジーク……ハァーーーーーーーーイルッ』!!」
斧で切り拓かれた道から、目を血走らせ、口から涎を垂らした髭面の巨漢が飛び出し、斧を拾って追撃! 狂人だ!
「斧は返さねえぞ! な、名前を名乗れ! サイコ・ヴァイキングめ!」
逆卍型の斧を掌で挟んだまま、怯えたサラリーマンが逃げながら叫ぶ!
「そっちから名乗れ! 斧泥棒め! 黄金の斧と白銀の斧のどっちで脳天を砕かれたいんじゃ、アーーッ!?」
「これ鋼鉄だろうが!」『話が通じんのか!?』
サラリーマンは二種類の声音で叫ぶ! 二重人格なのだ!
「クソっ……俺は! 『エターナル・フォース』……なんだっけ、『チャンピオンズ』の! 『マホン』だ! お前はどこの誰だ!」
「なに!? エターナル・フォース・チャンピオンズだと!? ……なんだっけ」
「ダボ!覚えとかんかい!攻撃やめい!」
汚い濁声と共に、上空から有翼馬に乗った女騎士が舞い降りる。姿形は北欧系の美女なのだが、口から出るのはヤクザのような広島弁だ。
彼女は狂った巨漢を掌で制し、マホンと名乗ったサラリーマンに頭を下げる。
「……あー、マホンさん。すまんのう、この通りこいつはキチガイなんじゃ。
わしゃあブリュンヒルデ。こいつはカルル。おまえさんらと同じチームじゃ。よろしゅう」
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【西東京市・田無町/午前08時12分】
【"狂人"カルル@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康、狂気
[装備]:逆卍型の鋼の斧二挺 …投擲武器。大抵の障害物を破壊して標的に到達する。
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:ぶっ殺す。
1:仲間を探す。敵なら殺す。
【人物紹介】
鋼の斧を武器とする狂戦士。普段から気が触れているが戦闘力は確かで、巨人やドラゴンの天敵とされる。
ここがヴァルハラだと信じ込んでおり、まともな会話は成立しにくいが、ブリュンヒルデの言うことだけは聞く。
【"毒蛇の"ブリュンヒルデ@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康
[装備]:オーディン印のチャカ …一般的なトカレフに似た拳銃。魔力の弾丸を射出し、狙った標的には必ずあたる。
蛇腹剣 …複数のセグメントに分割され、ワイヤーで連結された恐るべき剣。射程距離は魔力によって伸びる。
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:優勝する。
1:仲間を探す。敵なら殺す。
【人物紹介】
堕落したヤクザヴァルキュリア。広島弁で喋り、チャカと蛇腹剣で闘う。不本意ながらカルルの保護者というか介護者になっている。
ヤクザヴァルキュリアとはヤクザのヴァルキュリアであり、ヴァルキュリアのヤクザではないらしい。では、堕落していないヤクザヴァルキュリアとは?
【"勇敢なる"マホン@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康、困惑
[装備]:『マホンの悪魔』 …彼に取り憑いている獰猛な謎の悪魔。正体不明。
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:優勝して帰還する。出来ればマホンがもといた、「本来の」世界へ。
1:仲間を探す。敵なら殺す。
【人物紹介】
異世界転移した平凡なサラリーマン。実際は臆病者。獰猛な謎の悪魔に取り憑かれており、戦闘はそちらが全て行う。
トラックに轢かれたわけではなく、寝て起きたら異世界にいたらしい。ここはその異世界ですらないため大いに困惑している。
-
乙です!!チャンピオンズも動きましたね!!
-
「……こんなのでどう? カズ」
「そうだな。文章はめちゃくちゃだが、絵師ガチャでSSR引けばどうとでもなるだろ」
「ダイナミックなアドバイスね。いい絵師探すわ」
「いるかなあ、絵師。こんな世界に」
東京都……を模して作られたらしい、並行世界の町田市。平和なもんだ。
食うには困らねえし(そこらへんの店から持ってくりゃいいしな)、警察も自衛隊もいねえ。
まあ、俺がこんな事態に巻き込まれてることそのものが、異常っちゃ異常だけどな。
「カズ。またなんかモノローグ呟いてるの」
「ああ。心を勝手に読むなって」
勝手にPCでなんか書いてる、こいつはメアリー。メアリー・スタートレック。ふざけた名前だが本名だ。
貧乳でツインテとかいうアホみてえな装備に、クソ低い身体スペック。頭も悪い。ただ「全ての男女を魅了する」って異能を持つ。
パパやママに貢がせりゃ、生活には困らねえって寸法。ガードマンもいる。あのルシウスってクソガキだ。
まあどんだけ異能でも、異能を無効化する俺には無効だけどな。おかげで妙に懐かれちまって、困るぜ。俺ロリコンじゃねえんだ。
「ほら、またモノローグ。あんたロリコンじゃなかったのね」
「るせえ。解説役は必要だろ、俺が最適ってだけだ。お前じゃ読者様まで魅了しかねんからな」
「第四の壁? あんた見えるの?」
「もののたとえだ。見えねえよ」
と、ノックもなしに突然ドアが開いた。金髪の美女。クロニカさんだ。俺はこっちのがいい。胸もでかいし。
「ただいま、無能くん。食料調達してきたわ。サウロンとパズズ、知らない?」
「知りませんよ。あいつらはまあ、ほっときゃいいでしょ。どうせこの世界は無人なんだし……。
あ、無能って呼ばないで下さい、いい加減に。カズとかカズヒラとかでいいでしょ」
「無脳症っぽくて気持ち悪いじゃない。それに、あんた実際無能だし」
辛辣なお言葉。まあ、俺自身は無能だけどもさ。でも、こんな状況でも平和な日常空間を作れるのって、すごいじゃないか。
効果範囲は町田市内だけ。それでも、これだけ安全な結界はないぜ。
-
マジック・ブラックを予約します。
-
「さようさよう。君は大いに有用だ、無能勝くん。結界を動かして、敵を無力化出来ればもっとよいのだが」
"漆黒の男"がぬるりと窓から入ってくる。なぜかこいつだけは無力化出来ない。
「あいつらを日常空間に腐らせておく手はなかろう。この町以外を焼き滅ぼしたって、誰も文句を言わないからな」
銀髪の渋いおっさん、ラインハルト・ビルガメズが天井裏から降りてくる。
「あとはルシウスくんと、トマトマッシャーだな。ああ、彼には『ザ』をつけねばいかんか。これはしたり! 小生、気をつけよう!」
ハイテンションなガスマスクのおっさんこと毒多銭取が、壁からどんでん返しで出現する。普通に出て来い。
こいつらの解説は―――ま、またの機会にな。今明かせるのはこれぐらいだ。
【町田市・某マンション/午前08時15分】
【メアリー・スタートレック@ナロー・ソサエティ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:ラップトップ型PC(美品)
[思考・行動]
基本方針:優勝する。願い事は考え中。
1:ルシウスたちを町田市の外へ放ち、威力偵察させる。
【人物紹介】
全ての男女を魅了する異能を持つ貧乳ツインテ少女。身体能力は低く、自分では決して戦わない。
おつむの出来もそれほどいいわけではないが、なにしろ自己中心的だ。web小説を書くのが趣味らしい。
【無能勝和平@ナロー・ソサエティ】
[状態]:健康
[装備]:リトルラージストーン …少し大きめの石。人を撲殺するのに使うらしい。
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:優勝する。願い事は考え中。
1:町田市内を平和に保ち籠城。結界を破れるような奴は、戦闘力の高いメンバーに迎撃させる。
【人物紹介】
自分の周囲を平凡な日常に変える異能力者の高校生。あらゆる異能や災厄を無効化する。現在の異能展開範囲は町田市内。
結界の範囲を動かすには、一度解除せねばならないらしい。いろいろと謎が多い。無能勝明王という密教尊がいるが関係は不明。
-
投下終了です。
-
ここは闇市(ブラックマーケット)。ここの街にはマジックが盛んである。
翡翠「どの奴から狙う?若草?」
若草「さあ、どうだろうか?玉虫。」
玉虫「さあな。」
カチャッ
ピター「待たせたな。お前ら。」
梅染「遅いよ、ピター。」
ピター「ごめん。依頼が来た。チームロワイヤルに参加することをな。」
深緋「チームロワイヤル?あの殺し合いの大会か…」
ピター「勝てば、願いが叶えられる。だから絶対にとろう。」
鶸色「そうだね。勝ったら報酬も貰えるしいいねぇ…」
ピター「我々マジック・ブラックも出陣の時が来た。いくぞ。」
「「「ああ。」」」
10人のマジシャンは戦いの地へ空間に移動する。凶悪マジシャンの恐怖が今始まろうとする…。
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投下終わりました。>>47は>>1が書いた物です。
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投下します。
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音がしない。
自動車や電車や工場の音も、信号機の音もサイレンも、広告音声や音楽も、人間や動物の声もない。
死後の世界のように、どこまでも、静かな東京。貴重な体験だ。したくもなかったが。
拠点に集合し、ルールやメンバーを確認した後、数組に分かれて周辺を調査する。食糧、水、電子機器等の調達も兼ねて。
スマホや電話は通じないが、電気は来ている。水はある。無人のコンビニを漁れば、大概の物資は揃う。戦場が文明国の大都市で良かった。
人間が(ペットとかの動物も)いないから、メンテナンスしないといけない部分がイカれてくれば、いろいろ問題もあるだろう。
それまで生き残れれば、の話だが。
コンビニ弁当をがっつき、ペットボトルの茶を飲んで、腹ごしらえする。腰ポケットにはタバコ。
……タバコ。五年前。寝てる時にアパートで火事が起きて、煙に巻かれて、窒息死した。
誰かのタバコの火の不始末だったらしい。劇的でもない、くだらなすぎる死。死体が焼けなかっただけマシ。
けど、生きてた。違う、死んでるけど動けた。心臓止まってたし、呼吸もしてなかった。
後から出来るようになったけど、今でも私は死体のままだ。法的にも、物理的にも。腐敗しないだけで。
それまでの名前と立場は消えた。それからの私は『篝火』だ。葬儀屋から名を授かり、自分が何になったか教わった。
忍び。偲び。屍乃毘。いろいろ綴りはあるけど、「死延び」ってのが一番近いだろう。死に損ないのアンデッド。
私たちは死延び女(しのびめ)。黄泉醜女。黄泉津大神から異能を受け取り、しばらく動けるだけの死人だ。
腹は減る。喉は渇く。眠くはなる。セックスだってしたい。けど、先輩たちからすれば、それは生前の習慣が脳みそに残ってるだけで。
十年もすれば屍解僊になり、飲食も睡眠も呼吸も必要なくなる。それからが本番だって言われた。けど。
「……私、まだ成って五年だよ。こういうとこ送り込むなら、十年後とかにしてよね」
「才能があるってことでしょ。追い詰められて屍解する奴も結構いるらしいし、この戦場でそれを狙ってるとか?」
「厄介払いって気がしてならないんだけどさ」
私は篝火。こいつが帚木。無駄に巨乳だ。『源氏物語』の巻名から名付けられる、一種の符牒。死延び女の仮名。
仮名の数は決まってて、前の者が死ぬ(壊れる?)か、消えるか、修行と屍解を重ねて神僊に成れば、新たな死延び女が「補充」される。
――――七人ミサキかよ。呪いだ、こんなの。だから私は、生き返りたい。元の人間として。
「上が、私らを処分しようと送り込んだ、って? 殺しの経験はあるっしょ?」
「あるけど。なんか、ヤバそうなんだよね。私ら程度の実力で、『なんでも願いが叶う』殺し合いに参加とかさ……」
「あんたの勘、結構鋭いからねー。あり得る。でも、勝てばいいのよ」
……悪い勘は、すぐにあたった。
-
◆
『GRRRRRR……』
べちゃり。ずるっ。コンビニの奥から、不気味な影が姿を現した。酷い臭いを漂わせて。
全身腫れ物に覆われた、毒々しい紫色の肌。体のあちこちから毒煙をあげている。
ゾンビみたいだ。身の丈およそ4mの、ゾンビ巨人。こっちを見た。そいつは長い両腕を広げ、大きく息を吸う。
「……初音、が、ここの区域のクリアリングは済んだって……」
「逃げろ!バカ!飛ばせ!」
呆然とする帚木の袖を、引っ張る!
BOWOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!
ゾンビ巨人が、口から紫色の毒ガスを吐いた! 私たちは一瞬早く、コンビニのガラス窓を突き破り外へ!
帚木の箒に乗り、空中へ! 毒ガスなら、空気よりは重いはず!
「きょっ、拠点へ!?」
「どバカ! あいつを連れてく気か!?」
【文京区・東京ドーム付近/午前08時11分】
【篝火(かがりび)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:ジッポライター(火遁術の触媒)
[道具]:タバコ(尻ポケット)、コンビニ袋(飲食物)
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:ゾンビ巨人に警戒。可能ならこの場で始末する。
【人物紹介】
超常的な火遁術の遣い手。炎を用いた幻術にも長ける。かなり怒りっぽくガサツ。カンは鋭い。
5年前に死亡したが、「死延び女」篝火となって蘇生した。願いはもとの生きた人間に戻ること。
【帚木(ははきぎ)@乙国忍女等】
[状態]:健康、恐怖
[装備]:箒(飛行中)
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:ゾンビ巨人に警戒。仲間に連絡を取る。
【人物紹介】
塵芥や粉塵を操る粉遁術の遣い手。普段は巫女姿で竹箒を持ち、箒に乗って空を飛ぶことも可能。巨乳。
妙にダルっぽい口調で喋るが割とビビリ。篝火の相方にされている。将来の夢は神僊化。
-
◆
上野恩賜公園、不忍池弁天堂。
長い黒髪の女が、双眸を閉じ結跏趺坐して、意識を集中させている。その傍らに三名の女性たち。
「…………篝火たちのとこで、何かあったみたい。……戦闘ね。……他の子たちは、大丈夫そう」
「そうか。須磨、梅枝、向かえ。初音は篝火たちに連絡し、他の連中を呼び集めろ」
「「「了解」」」
三人の声が和し、傍らの女性二人が消える。残った二人のうち、命令したリーダー格らしき女性が呟く。
「さて、忙しくなるぞ。お手並み拝見と行くか」
【台東区・上野恩賜公園/午前08時13分】
【初音(はつね)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:音遁術によって周囲の情報を集め、敵を感知する。
2:篝火たちに須磨と梅枝が向かっていることを伝え、他のメンバーを拠点に呼び集める。
【人物紹介】
音を操る音遁術の遣い手。遠くの目標をソナーで探知し、爆音で敵の鼓膜を破る。クラシックが好きなお嬢様。
チームの中では古株。既に屍解したことがあるらしく、能力はかなり強い。
-
◆
『……ポイズンジャイアント04が、敵チームと接触した。逃げられたようだが。座標を送る』
そこから6km東。闇の中で、有翼の魔王が呟く。それに応える声。低く、囁くような声。
『眼を一個向かわせる。姿は』
『女だ。二人。飛行して逃走中』
『了解。ポイズンジャイアントを餌にして、集まったところを叩くか?』
『様子見だ。利用できればよし。ルシウスも向かっていようがな』
その上。ごうごうと風が吹きすさぶ、高い高い塔の尖端。
全身に包帯を巻いた黒い影が、強風を意にも介さずしゃがんでいる。その包帯の隙間から、ちらちらと光が覗く。
彼はナロー・ソサエティの魔眼使い、『サウロン・ビホルダー』。連絡をとったのは『パズズ・マイルフィック』。
両者は協力関係にある。狙いは優勝。そして勿論MVPとなり、自分の願いを叶えてもらうこと。
どちらがMVPになるかで最終的に争いはするだろうが、序盤はとにかく点数を稼いでおくにしくはない。
【墨田区・東京スカイツリー/午前08時13分】
【パズズ・マイルフィック@ナロー・ソサエティ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:ポイズンジャイアント(数体) …異次元から召喚された毒ガスを吐く巨人。都内各地にばらまかれている。
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:ポイズンジャイアント数体を各地にばらまき、戦闘状態になったらサウロンの眼を向かわせて観察する。
【人物紹介】
遺跡から復活した古代の大魔王。核融合の呪文や生命力吸収の呪文を使う。実はアンデッド属性。
普段はサウロンともどもメアリーや和平に手懐けられている。ルシウスとは遠い親戚。
【サウロン・ビホルダー@ナロー・ソサエティ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:魔眼の眷属(9体) …自分と同じ姿をした分身たち。都内各地にばらまかれている。
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:眷属を各地にばらまき、敵チームを観察する。可能なら殺す。
【人物紹介】
全身に包帯を巻いた魔眼使い。目から様々な光線を発射し、9体の眷属を使役する。実体は稀薄。
パズズやルシウスとは仲が悪いが、場合によっては手も組む。
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投下終了です。
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投下します。
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「…………」
無人の東京。頭からローブを纏った小柄な人影が、通りを歩む。顔は闇に包まれて見えない。
彼女にとっては完全な異世界。異質であり、不可解な土地。何もかもが不思議。
だが、やることはひとつ。皆殺しだ。ヘラルドとか名乗る存在に、自分のチームがどうとか言われたが、知ったことか。
この広大な廃墟で、動くものはすべて敵だ。息をするものは尽く標的だ。自分は今までそうやって生きてきた。今更変えられるか。
「へえ、堂々としてるのね。アナタはどこのチーム? ひょっとして『エターナル・フォース・チャンピオンズ』ってやつかしら?」
声をかけられた。音源へ目を向けると、高い柱の上だ。女がひとり。奇襲せずに声をかけるとは、随分余裕ではないか。
「………降りてこい」
ボソリと呟くと、女は柱から飛び降り、音もなく私の目の前に降り立った。耳の良い奴だ。
東方風の、肌の露出が少ない衣服。手袋とブーツ。黒髪で、背格好は私よりやや高い。年齢は不明。若くもなく、年寄りでもない。
ニヤニヤといやな笑みを顔に貼り付けている。殺気はないが、しなやかな身のこなしから、相当な使い手。腰に剣を帯びている。
「はい、降りてきたわよ、お嬢ちゃん。名乗ってもいいかしら?」
「死ね」
ローブの内側から触手を伸ばす。二本、四本、七本。音速。超音速。上体を逸らし、膝を丸め、舞い踊りながら、なんなく躱される。
毒液も当たらない。なるほど、少しはやるようだ。
「逃さないわ」
触手を掴まれた。毒液が……消化液が……効かない。かなり格上。
「名乗らせてもらう。私はアザール。"血まみれの"アザール。吸血鬼よ」
吸血鬼。ダークエルフと並ぶ、魔物どもの中でも上位の種族。潤んだ瞳、微笑む唇から牙。
「私と似た雰囲気があったから、呼び止めてみたの。案の定、いい感じ。この雰囲気、ダークエルフね。それも半分」
「……だから?」
「アナタがどのチームでもいいわ。私のしもべになりなさい。女の子の方が好きなのよ、私」
「断る」
ローブの下で、魔力を集積させる。胸元で暗闇石がうごめく。触手だけが私の武器だと思うなよ。
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「やめときな、アザール。キリル爺さまのご命令だ」
アザールの背後から、影が滑るように大柄な男が出現した。褐色の肌。髭面で禿頭で酷薄そうな、いかにもな悪人。
「よう、お嬢様、オレはユースフ。"公平なる"ユースフだ。ここらへんはオレのトラップまみれだから、気をつけたがいいぜ。
でだ、あんたは『エターナル・フォース・チャンピオンズ』のお仲間。そうだろ。そういうの、わかる奴がいるんだよ」
男はべらべらと一方的に喋る。息が臭い。酒、のようだ。他にも未知の薬草や煙臭いにおい。薬物をやっている目。悪党だ。強い。
「さあ、お嬢様。オレたちは名乗ったぜ。そっちも名乗るのが礼儀ってもんだろうがよ。
こういう場でなきゃあ、ぶん殴って言うこと聞かせてもいいんだぜ。オレはおめえみてえなのを何人も奴隷や娼婦に……」
「あんたこそ、やめときな。そーいうのは。……ねえ、『マホン』って知ってる? そいつもウチのチームなの。言いたいことわかる?」
アザールが男を制した。マホン。ああ、マホンか。よりによってこっちでも出会うとは。しかも、仲間だとは。
―――生き方は今更変えられないが、ま……たまには変えてもいいだろう。今だけは、この異世界でだけは。
「ネリス。"人喰い"ネリスだ。そう呼ばれている」
ため息をつき、名乗る。たぶん、これも識られているのだろう。そのキリルとやらによって。
「だいたい、お嬢ちゃんだの、お嬢様だの呼ぶな。私はたぶん、そこの男よりは年上だ」
「あら、私よりは年下ってことね。ま、私より年上なんてそうそういないもの」
【杉並区・高円寺南/午前08時18分】
【"人喰い"ネリス@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康
[装備]:ブラン・カガンのローブ …上古の帝王が纏っていた魔法の外套。毒液を放つ触手が内側に潜む。
[道具]:ジュガシヴィリの暗闇石 …闇の力が凝縮した魔石。所持者の魔力を高める。
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:マホンに会う。
【人物紹介】
ダークエルフの血を引く不気味な女。腕が四本ある。ローブを纏っており、その中は毒液を撒き散らす触手に満ちている。
マホンとなんらかの関係があるようだが、いまのところ不明。少なくとも恋仲では断じてない。
-
【"血まみれの"アザール@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康
[装備]:妖刀アポカリプシス …隠れているものを露わにする魔力を秘めた刀。周囲の罠や生命反応を察知する。
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:ネリスをキリルのもとへ連れて行く。
【人物紹介】
邪悪な吸血鬼にして女暗殺者。数千年生きており、武術の奥義を極めている。日光に弱いわけではない。
チームの中ではキリルに次いでおそらく最強と思われる。バイセクシャル。
【"公平なる"ユースフ@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康
[装備]:不明(虚空から武器弾薬を召喚可能)
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:各地に地雷やブービートラップを仕掛け、引っかかったアホを殺す。
【人物紹介】
愉快犯のテロリスト。虚空から銃火器や爆薬、地雷などを召喚し、瞬時にブービートラップを仕掛ける。
彼自身の戦闘力は大したものではないが、誰かとコンビを組むと恐ろしい。かつてはムスリムだったが戦場で無神論者になった。
◆
「……これで、揃うかの」
水辺の森。矮躯の老人は、ぽつりと呟いた。栗毛色の幼女がベンチに座り、指を折って数える。
「えー。アザール、ユースフ、マホン、ネリス、あたしたち二人。……六人しかいないよ」
「あと四人は、こっちへ向かっとる。まずは集まらねば話が始まらぬ。他のチームを探すのは、それからじゃ」
-
【練馬区・石神井公園/午前08時20分】
【"賢明なる"キリル@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康
[装備]:ティラワ・アティウス …光明神より授かりし魔法の杖。
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:対主催。手段は問わない。
1:ロクセラーナを傍らに置いておく。
2:チームメンバーを集結させる。
【人物紹介】
ありとあらゆる魔法を修めた矮躯の老賢者。いかなる魔法や超能力も彼には通用せず、すべて吸収してしまう。
チームの事実上のリーダーであり、主催者の思惑をある程度察している。いくらか能力に制限がかかっているようだ。
【"善良なる"ロクセラーナ@エターナル・フォース・チャンピオンズ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:見慣れぬ土地を観光する。
1:チームメンバーに挨拶する。
【人物紹介】
全能の善神に寵愛されている幼女。極めて運が良い。彼女を迫害する者には神の罰が下される。
無邪気で善良だが肝が座っている。彼女自身の戦闘力は無きに等しい。
-
投下終了です。
>>58
おっと、栗毛色の「髪の」幼女でした。
-
投下します。
-
「……早速か。篝火はともかく、帚木は大丈夫かねー」
「須磨と梅枝が行ったいうンなら、大丈夫やろ」
背の高い女と四つん這いの女が、物陰を疾走する。乙国忍女等の二人、真木柱と鈴虫だ。
鈴虫の周囲には無数の羽虫が群がり、彼女の命令を受けて八方に散って行く。
初音の音声探査ほど広範囲には行けないが、これも索敵だ。
この異世界の東京に、人間はいない。動物もいない。犬猫は勿論、鼠や昆虫、ミミズさえも。
植物は生き生きとしているし、おそらく細菌程度はいる。そういう世界として作られた、あるいは『写し取られた』のだろう。
なので、鈴虫の使役する羽虫らは全部自前だ。彼女が自分の肉体の中に飼っている。
生命反応を探知する奴がいれば、誘蛾灯めいて誘き寄せることもできよう。
「東屋と総角は?」
「拠点へ近づいてる。澪標は初音と一緒やね」
「は。総角のやつ、嫉妬しないかな」
「どっちに? 澪標と初音の」
「さあ」
総角の性指向についてとやかくは言わないが、見境なく恋慕や嫉妬されても困る。
戦場での愛憎は、チーム全員の生死に関わる。誰かが人柱になってくれれば話は早いのだが。
「あんた、なる? あいつの人柱」
「厭。あたし、ノーマルだから」
操を立てる、というのもアレだが、あたしの願いは『彼氏』を生き返らせること。
あたしだけ生きてて(死んでるが)あいつが生き返らないのは、なんか、不公平だ。そう思っている。
周囲に敵の気配はない。二人は東屋、総角と合流し、拠点に還ってきた。
-
◆
上野恩賜公園、不忍池弁天堂。
長い黒髪の女が、双眸を閉じ結跏趺坐して、意識を集中させている。その傍らに五名の女性たち。
「さて、どう出る」
「初音。どうだ」
「……ゾンビ巨人だとかは、使い魔のたぐい。篝火たちのところへ、別の音が向かってる。飛んでる。釣りかしら」
「上等。こっちも釣りやってんだ、どの程度か見させてもらおう」
リーダー格の女……澪標が低く口笛を吹くと、池の水から霧が生じ、うっすらとあたりに漂い始める。
篝火たちで対処できればよし。そうでないなら、こっちを突く可能性もあるだろう。結界を張っておく。
霧に紛れて、初音を除く他の女たちは身を隠す。待ち伏せて、一網打尽だ。
【台東区・上野恩賜公園/午前08時18分】
【真木柱(まきばしら)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:小枝(触媒)
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:敵を待ち伏せて迎え撃つ。
【人物紹介】
樹木を操る木遁術の遣い手。彼女は「柱という概念」をも操るらしく、電柱を操ることすら可能。背が高い。
願いは、自分が死延び女になる時、一緒に死んでしまった彼氏を生き返らせること。
【鈴虫(すずむし)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:羽虫の群れ(体内)
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:敵を待ち伏せて迎え撃つ。
【人物紹介】
虫を操る虫遁術の遣い手。初音の遠縁であるらしく、音遁術も兼ね備える。四つん這いで歩くことが多い。
関西圏出身なので広域関西弁で話すが、故郷を離れて長いので割と適当。
-
【東屋(あずまや)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:敵を待ち伏せて迎え撃つ。
【人物紹介】
建築物を操る家遁術の遣い手。家屋の中に潜み、あらゆる家具を罠として作動させる。家事は苦手。
家屋自体もゴーレムとして操るが、高層ビルとかは流石に無理。
【総角(あげまき)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:敵を待ち伏せて迎え撃つ。
【人物紹介】
髪の毛を操る髪遁術の遣い手。長く伸ばして攻撃するほか、他人の髪の毛を操ったりも可能。嫉妬深い同性愛者。
性格面に難があるものの、術は強力で戦闘力も高い。
【澪標(みをつくし)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:敵を待ち伏せて迎え撃つ。
【人物紹介】
水を操る水遁術の遣い手。水中を自在に移動し、地面を液状化させる。冷静沈着で方向感覚に優れる。
初音と共にチームのリーダー格。屍解したこともあり、遁術は練れている。
-
◆
「梅枝、右」
「分かってら!」
雷と風に乗って空中を駆けるは、梅枝と須磨。瞬時に着くかと思えば、立ちふさがる者あり。
「……ヤバイね、ありゃ。なんとかなるか、ならないか……」
「やっぱ始末されようとしてんじゃないの、あたしら。上に……」
空中で背中合わせ。遮るものなし。いや、風雲が彼女らにまとわりつく。
平然と、空中を歩み寄ってくるのは―――額からヤギの角を生やし、眉間に第三の目を持つ、冷たい美貌の青年。
その輪郭は陽炎のごとくゆらめき、筋肉は泥のようにうごめく。この世に在ることが苦痛であるかのように。
「お初にお目にかかる。僕はルシウス・シャイターン。あなた方の命を貰い受ける」
ぎしり。ルシウスの言霊が二人をとらえ、重力を増す。蛇に睨まれた蛙のように、身動き一つ取れない。
いきなりか。チームの精鋭二人を、こともなく。梅枝と須磨は、引き攣った笑いと脂汗を浮かべる。
ルシウスは悠然と歩み寄り、十数歩離れて手刀を向ける。須磨が睨み返す。
「生憎、あたしらに『命』はないんだよ」
「理解している。仮初の命を…… ……!!」
ルシウスが言葉を切り、下を見る。
GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO……!!
揺れている。大地が、街が、大都市が、激しく震動している! ガラスが割れ、ビルが揺れ、電柱が倒れる!
「なんだ、これは!」
「さあね!」
拘束が緩んだ。天祐だ。梅枝と須磨は咄嗟に遁術を使い、互いに別方向へ瞬間移動した。
ルシウスは舌打ちし、震動の源を探る。これは、自然の地震ではない。ごく近く、地表で起きている。何者かの仕業だ!
-
【千代田区・神田神保町/午前08時25分】
【梅枝(うめがえ)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:篝火と帚木のもとへ向かう。
【人物紹介】
天満天神の加護を受けた雷遁術の遣い手。その移動速度はまさに疾風迅雷で、短距離ワープ技「飛梅」も用いる。
何度か屍解した実力者。背が高いが胸が小さいのが悩みのタネ。福岡県出身。
【須磨(すま)@乙国忍女等】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:篝火と帚木のもとへ向かう。
【人物紹介】
風雨を操る風遁術の遣い手。天候を支配して暴風雨を起こし、突風や竜巻を発生させる。明石という妹がいる。
何度か屍解した実力者。雷をパワーソースとする梅枝とのコンビは鉄板だが、私生活では別に仲良くない。
【ルシウス・シャイターン@ナロー・ソサエティ】
[状態]:健康、動揺
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:謎の地震の源を探る。
【人物紹介】
14歳の少年の姿をした魔界の王子。光と闇、炎と氷の力を操る。メアリーに操られている。
肉体が現世の物質で構成されていないため存在が不安定。定期的に血肉を貪らないと力が弱まる(要するに腹が減ると力が出ない)。
-
◆
「■■■■■!!?」
地上。ザ・トマトマッシャーは、突然の地震に驚き、広い場所へ逃げ出した。
自分の仕業じゃない。地震を起こすようなパワーは自分にはない。ルシウスか、パズズか、サウロンか、漆黒の男か。
震動が続く。これは、ただの地震じゃない。何度も何度も、怪獣が地団駄を踏むように、地面を揺らしている!
DOOONN!!DOOONN!!DDDDOOOONN!!
◆
「ナメやがって……!」
地震の源は……ひとりの男。髭を生やした、筋骨隆々の逞しい青年。その戦闘力は『人類を破滅する』と評される。
それは、空言ではない。彼は実際に『人類を破滅させる』ことが可能だ。素手で、格闘技で、膂力によって!
DOOONN!!DOOONN!!DDDDOOOONN!!
口から泡をこぼし、目を血走らせ、額に血管を浮き出させ、憤怒の表情を浮かべる男。彼は繰り返し、凄まじい膂力で地面を殴り続ける。
そのたびに地面が揺れ動き、大地に亀裂が走り、溶融し、クレーターが広がり、無人の東京を地震が襲う! 怪獣が暴れるように!
なにゆえ、彼はこんなにも激怒しているのか!?
「クソが! クソが! クソが! 壊れっちまえ! こんな場所ァ!!」
クレーターが拡大! その中心に……おお、なんたること! マイクロ・ブラックホールが生じようとしているではないか!
-
【新宿区・防衛省付近/午前08時25分】
【ザ・トマトマッシャー@】
[状態]:健康、困惑
[装備]:素晴らしい棍棒「トマト潰し」 …職人が一本松から彫り出した特注品。あらゆる防御を貫通してダメージを与える。
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:地震にびっくり。原因を突き止め、敵ならぶっ殺す。
【人物紹介】
トゲ棍棒を振り回す血まみれの巨漢。あらゆる防御を貫通して相手を潰し殺す凶悪殺人鬼。ピザが好き。
顔は常にマスクを被っていてうかがい知れず、言葉も話せないが人語は通じる。普段は花壇の世話とかしている心優しい狂人。
【世木正呂@グリフォン・レイ】
[状態]:健康、激怒
[装備]:鍛え抜かれた肉体。拳や蹴りにはプラズマを纏い、威力は核融合級。頑張れば反物質とかブラックホールとかも出せる。
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:無人の東京を壊滅させ、真っ平らにしてから敵を皆殺しにする。
2:なんかパワーが異常に制限されてて腹の虫の居所が悪い。
3:チームメンバーは都内へバラバラに散らばっているようだが、まあどうでもいい。
【人物紹介】
チームのリーダーにして次期格闘王候補の高校生。見た目は髭を生やしたムキムキの青年だが人類を破滅する程の戦闘能力を持つ。
本当に地球上の人類を破滅させるほどの(サイヤ人とかアンスラサクス級の)戦闘能力の持ち主。現状ではかなり制限がかかっている。
そのレベルの「格闘王」ってたぶん太陽系レベルの格闘王だと思う。銀河系級なら平気で恒星とか破壊するだろう。
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投下終了です。
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乙です!!
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投下します。
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ほの暗い空間。
バサバサバサ、と多数の鳩の飛び立つビジョンと、羽音。
目の前にすっと降りてきたのは、灰色の燕尾服を着た有翼の仮面男。ヘラルドだ。
「……いやあ、どうしましょうね。『書き手』がこれだけでは、物語としての重層性とか、そういったものが……」
がちゃり。暗闇からぬうっと現れたのは、暗闇よりも黒い男。"漆黒の男"だ。
「さようさよう。三十人を描写するだけでも骨であるのに、百人を一人でどう動かせというのだ。舞台も広いぞ」
ばたん。光と共に現れたのは、特徴のない長身の男。眉間にシワを寄せている。神崎だ。
「このままでは俺の計画にも支障をきたす。この世界の創造主にも、少し働いてもらわねばな」
三人の男たちはパイプ椅子に座り、膝を突き合わせて、当てつけがましく会議する。
「舞台をこしらえ、規則を創る。参加者を呼び込む。そこまではいい。動かし続けねば世界は維持できぬ」
「デミウルゴスが『ヒマな神(デウス・オティオースス)』であっても、うまく回るように手入れは必須なんですがねえ。
田園も、ほおっておけば荒れ野原。それでそのまま滅んだ世界が、今までどれほどあったやら」
「キャラクターが自由意志を持ち、勝手に動いてくれれば苦労はいらないのにねえ。このままでは破滅か、虚無か」
「とりあえず創造主よ、トリップ(電子掲示板)でもググってくれ。君もそれをつけて介入し給えよ。
いま『書いて』いる存在も、いつまでこれを続けられるかわからんのだ。あれは気紛れで、いろいろ仕事も抱えている」
「やれやれ。ほおっておけば無事消えた世界なのに、おせっかいにも介入なんぞするから、いらぬ苦労を背負い込むんだ」
メタフィクショナルなトリオは、好き勝手なことを言う。
「で、どうするね」
「今までよりペースを落として、少しずつやらせてみましょう。飽きたら終わりで爆発オチさ」
「ああ、誰か来てくれないかなあ。今の連中を殺して、入れ替わらせてもいいし」
「決定権は創造主にある。そこはわきまえないとな。我々は間借りしているに過ぎんのだから……」
フェードアウト。
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投下終了です。
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投下します。
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「……ブヒヒ……」
無人の東京。電気の消えたデパートの地下を、豚めいた半裸の、大柄な中年男性が歩く。
スキンヘッドに、下卑た顔と表情。鼻は低く唇は分厚く、体は脂肪に弛み、体毛は濃いが毛髪は薄い。
右手にはサブマシンガン、懐には拳銃。完全に危険人物だ。
―――彼の名は、無銘竿益(むめい・さおやく)。空間的限定とインターバルはあるが、数分間もの時間停止能力を持つ犯罪者。
生まれつきの能力者ではなく、何者かに能力を与えられた。それを用いて好き勝手してよいと言われた。
だから、彼は欲望を満たすために行動した。窃盗、強姦、殺人。何をしても自由だった。別の能力者に出遭うまでは。
彼女らは、竿益の能力を知っていた。だから決して、竿益の半径10メートル以内に近づくことはなかった。
彼女らは、竿益の自由を制限した。寝ている間に拉致し、脳内に制御装置を埋め込み、自分たちを襲わないようにさせた。
気に食わないが、殺されないだけマシだ。能力を封じられた竿益は、ただの中年男性に過ぎない。服従を強いられ、手下となった。
そして今、竿益は……彼女らと共に戦場にいる。チームとして優勝すれば、その中のMVPだけが、なんでも願いを叶えられるという。
竿益の願望は、この制御装置からの解放。それにより自チームの女どもを無理やり犯し尽くし、最後に惨たらしく殺してやる。
大笑焔。高麗麗美亜。桜蘭凡。白入夏。虹三次詩子。ジョセフィーヌ・スターリン。謎乃浄化。アリシア=ヒットラー。鈴。
自分以外は全員女。性格はクソばかりだが、美女と美少女揃いだ。想像するだけで勃起し、涎が出る。
この時間停止空間は、いわば最強の盾、結界だ。ナイフを投げようが銃弾をブチ込もうが、暴走トラックが突っ込んで来ようが止められる。
たとえ核攻撃を受けようとも止められる。数分間しか持続しないから、能力を解除した瞬間に死ぬだろうが。
竿益の役割は、斥候かつ鉄砲玉。『ご主人様』どもの代わりに敵陣へ突っ込んで行き、暴虐の限りを尽くせとの仰せだ。
女なら犯して殺し、男なら殺せ。美少年とかなら犯して殺してもよい、と。そっちの趣味はないが、まあいい。
自分が見る光景、聞く音声は、制御装置を通じて『ご主人様』の誰かに伝わっている。ならばせいぜい、愉しませてやろうではないか。
「ブヒヒヒ……けど、腹減ったな……朝飯食ってねぇもんな……」
時刻は朝の八時過ぎ。食糧はそこら中にある。腐らないうちに調達して、食ってしまおう。時を止めずとも無人だ。
-
◆
「シューッ……なんか、来たみてえだぜ」
デパートの地下の、そのまた地下。地下駐車場の車内。大男が頭をもたげ、上を見る。気配、体温、呼吸。手に取るようにわかる。
男は……蛇めいた瞳を瞬膜で瞬かせ、鼻をひくひくと動かす。男だ。それも薄汚く、脂臭い。つまらん。
食うならやはり美女、美少女に限る。稚児も悪くはないが、穢れなき処女に勝るものはない。あとは、酒だ。
「そうですか。能力者ですかね?」
「そこまではわからんよ。捕獲するか?」
「お願いします。能力者でなければ、始末していただいて結構です」
「おう」
メガネをかけた痩せぎすの男が、ウイスキー瓶を携えた大男に依頼する。
彼は『能力者』の研究者、相野サプリ。史上最高のIQを持つ学者で、いわゆる……世間的には、マッドサイエンティスト扱いだ。
けれども彼は狂ってなどいない。狂っているというなら、世の中すべて狂っている。その狂気の一側面を、世間が正気と呼んでいるに過ぎない。
そして戦闘力のかけらもない彼が、この戦場に好き好んで来たのは、能力者の研究をするために他ならない。
大男の方は、九凶大蛇(くきょう・おろち)。ヤマタノオロチの転生体、と称する。
正確には八つの頭のうちの一人だ。神代のそれには遠く及ばぬが、人知を超えた戦闘能力と、人間のチンピラ並みの知能を兼ね備える。
そんな彼がここにいるのは、チームのリーダーである打川倭(うちかわ・やまと)に屈服させられたからだ。
そうだ、なにしろ相手は―――ヤマトなのだ。
大蛇は標的の方を向いたまま、指先から無数の蛇を放つ。それらはエアダクトに侵入し、標的へ忍び寄る。
殺しはしない。毒で麻痺させて捉えるだけだ。厄介な能力者で手に負えないなら、ヤマトたちに連絡する。
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【武蔵野市・東急百貨店吉祥寺店/午前08時12分】
【無銘竿益@マーダーストック】
[状態]:健康
[装備]:サブマシンガン&拳銃
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:殺し、犯す。あわよくばMVPになりたい。
1:食糧を調達する。敵は殺す。
【人物紹介】
能力は時間停止。好き勝手に能力を悪用して自分の欲望を満たす屑。
マーダーストックの残り9人によって制御装置を埋め込まれ、逆らえない。彼が見聞きしたものは彼女らに伝達される。
【九凶大蛇@天鵞絨】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:ウイスキーの瓶
[思考・行動]
基本方針:優勝する。
1:入り込んできたアホを捕獲する。
【人物紹介】
ヤマタノオロチから転生された人間。知能を手に入れたことにより戦闘能力が高い。
アルコール中毒で寒さに弱い。幼い子供の肉が好物。
【相野サプリ@天鵞絨】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:医療道具一式
[思考・行動]
基本方針:能力者を研究する。
1:大蛇が捕らえた標的を研究する。彼の言う研究には、外科的解剖も含まれる。
【人物紹介】
史上最高のIQを持つ学者。能力者の研究をしている。
メガネをかけた痩せぎすの男で、典型的マッドサイエンティスト。戦闘力は皆無。
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無人の東京の、どこかのビル。
「……でも、こっちは二人だよ?」
「あんたが九人ぶん働くからいいじゃない。この世界のシステムも認めてる。私はあんたら全員より強いしね」
琥珀がタフに笑う。ホワイは、小首を傾げて無邪気に笑う。あどけないほどに。
琥珀の瞳は神秘的な琥珀色。長身、長い黒髪、黒いチャイナ服。彼女にも望みがあり、願いがある。こんな奇跡にすがらねば叶わない願いが。
ホワイは、白いシルクハットを被った、美しい純白の少年。何を考えているのか分からない。何も考えていないのかもしれない。
彼は「タブラ・ラーサ」、純白の板だ。極端に言えば、意志を持った道具に過ぎない。
琥珀は、龍だ。龍に変化する人間だ。永く生き、様々な武術と仙術を修め、欲望を満たしてきた。現世では犯罪組織の黒幕。
ホワイは、雲だ。雲は風のままに動く。龍は雲を呼び、雨を降らせる。彼女と彼の場合は、血の雨を。二人は十人の犯罪組織。
ホワイの背中から、手足が突き出す。うねうね、ぐねぐねと動き、雲が分かれるように新たなホワイとなる。ホワイはホワイを生み、次々に増える。
彼の能力は「分身」。最大で八人を生み出し、自在に操る。最大四人で合体し、戦闘力などを上げることも可能。
分身同士の記憶は共有され、全てを一度に破壊しない限り、滅ぼすことは出来ない。
琥珀に比べれば戦闘力は及ぶべくもないが、便利な能力と言える。
「えーと、こいつはジロカ。こっちはマッシ。ロイ、グリフォン、ベルテガ、ペガサス、ロッキーニ、ハクバ。まあ、どれでも同じだけど」
「見分けつかないから、名前はどうでもいいわ。全部ホワイよ」
「それだと、僕のアイデンティティが分散しちゃう。だから名付けるのさ。個性は名付けから!」
乾いた笑い、九人前。八人のホワイたちは、背中から翼を生やし、思い思いの方向へ飛び去っていく。無人の東京の青空へ。
「まずは偵察、情報収集だね。手強いようなら君の出番。もしくは、他のチームの奴らを巻き込もう」
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【足立区・某所/午前08時21分】
【ホワイ@純白の新雲】
[状態]:健康
[装備]:白いシルクハット
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:優勝する。
1:まずは情報収集。
【人物紹介】
本体。琥珀を除く8人(ジロカ、マッシ、ロイ、グリフォン、ベルテガ、ペガサス、ロッキーニ、ハクバ)は分身能力である。
最大四人で合体することが可能。琥珀によって造られた能力者。
【琥珀@純白の新雲】
[状態]:健康
[装備]:黒いチャイナ服
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:優勝する。
1:まずは情報収集。
【人物紹介】
数千年を生きてきた能力者の女。能力は龍に変化する特殊変化。人間の姿のままでも極めて高い戦闘力を発揮する。
犯罪組織の黒幕として、ホワイを用いて暗躍していた。なぜこのゲームに参加したかは謎。
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投下終了です。
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乙です。書いてないチームとかありますか?
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えーと、幕間を除けば
灼熱の紅蓮 10名
ブラッド・エンジェル 10名
マジック・ブラック 10名
グリフォン・レイ 世木以外 9名
マーダーストック 竿益以外 9名
天鵞絨 大蛇・サプリ以外 8名
がまだですね、たぶん。まだ半分以上残ってます。
灼熱の紅蓮とブラッド・エンジェルは書くかも知れませんが、ご自由に。
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投下します。
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葛飾区・亀有公園……を見下ろす、建物の屋上。
眉毛が炎の形をした赤髪の青年『焔木 建(ほむらぎ・たける)』が、メンバーの数を確認する。
「ひのふのみ……おい、神崎はどこ行った?」
「さーな。塗空がいるから大丈夫だろ、ほら」
「でぬー」
彼とは対象的な、黒尽くめで長身の青年『黒薙 颯太(くろなぎ・そうた)』が、冷ややかに答える。
肩を叩かれたのは、矮躯で怪しい顔の怪しい男『塗空 時限(ぬりそら・じげん)』。空中に浮かんでいる。
黒髪の美少女『雪瀬 悠奈(ゆきせ・ゆうな)』は周囲を見回し、指を折り、頭を抱える。
「……いや、ちょっと待って。これ『11人』にならない? 神崎って人を入れて、合計でさ」
「悠奈が『9人しかいないわ』とか言っただろ。ひょっとしてお前、自分自身を人数に入れてなかったんじゃね」
「神崎を抜けばいいだろ。なんかあいつ、イベントとか戦闘に参加したがらないタイプっぽかったし」
「中二病とか高二病じゃねーの? いるよなークラスにひとりは、ああいうの」
金髪を角めいて尖らせ、巨大な剣を背負った青年『望月 彪悟(もちづき・ひょうご)』が会話に加わる。
「いや、いねえし、お前が言うなよ彪悟。それ言ったらここにいるほぼ全員が……」
かしましく騒ぐ一行に、壮年の髭面男……『ゴクア』こと『亜門 雷我(あもん・らいが)』が低い声で呟く。
「なんでもいい。戦って勝ち残ればいい。神崎のことは思考の外へ置け」
その一言に、一行は静まり返る。最年長者の一言には、有無を言わせぬ重みがあった。
「……で、お師匠様と焔木師兄。どうしますか、これから」
短髪の青年『内覇 将技(ないは・しょうぎ)』が、内なるオーラを循環させつつ、丁重にたずねる。ゴクアが顎をしゃくる。
「おれはリーダーじゃねえ。焔木、てめえが決めろ」
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焔木は顎に手をやり、目を閉じて唸り、しばらくして刮目する。
「……全員固まって行動する」
「その心は?」
緑色の髪をした空手少女『緑川 レイ(みどりかわ・れい)』が問う。焔木は一瞥し、答える。
「レイはともかく、悠奈、初美、日頼は戦闘力が低いしな。殺し合いの場に連れて来ちまったのは謝るが……」
レイはむっとするが、水色の髪のスク水少女『海道 初美(かいどう・はつみ)』、白髪の美少女『天野 日頼(あまの・ひより)』は微笑む。
「気にしない気にしない。いつものことですよ。あっちにわたしたちだけで残されてた方が危険でしたし」
「…………戦いは数だよ兄ぃ、とかそういうの……」
それを聞いて、レイは拳をぱしんと掌で叩く。
「そうそう。全員で各個撃破してきゃいいのよ。『囲んで棒で叩けば死ぬ』は戦いの基本!」
「やな基本だな。実戦的だけどさ」
ふん、と焔木は鼻を鳴らす。
「とにかく、全員で勝ち残る。あの世界の争いを止めるために、こっちで戦うんだ」
「おめーは『強くなるため』だろ。まあ動機はなんでもいいか」
◆
「うふふ、楽しそう」
そこからある程度離れた、ビルの屋上。一匹の野良猫が人語を話した。
野良猫。ここには、この無人の東京にはいるはずのない存在。すなわち、参加者の一人だ。
名は『キャット』。無論仮名であるが、彼女はそれ以外の名を忘れた。それゆえ本名と言えばそうだ。
能力は「猫に変化すること」。大した能力ではない。このゲームに集った連中の中にも動物変化能力者は何人もいる。
巨大化するわけでも、戦闘力が上がるわけでもない。ただ、この「猫」は……「チェシャ猫」だ。シュレディンガーの猫にあらず。
すうっ、とキャットの姿が消え、「猫のない笑い」が残った。笑い声ではない、笑いという概念、現象をそこへ設置する。
「うふふ」「うふふ」「うふふ」「うふふ」「うふふふふふ」
笑いは増え、ビルに染み入り、地面に染み入り、罠となる。人を笑わせる程度の罠。
-
◆
「……いいか、確かに俺たちゃ弱え。他のチームと比べても最弱だろう。だがな」
少し離れた、小学校の中。
ヴォルフ、フォックス、ポンタの三兄弟が、額を突き合わせて相談している。喋っているのは、次男のフォックス。
「頭を使うんだ。俺たちゃ、自分たちの弱さを知ってる。他の奴らは慢心してる。そこが狙いだ!」
「そりゃそうだがよ、フォックスの兄貴」
末弟ポンタが反論する。
「俺だって『騙し討ち』の能力者だ。言いたいことはわかる。けどよ、そううまくはいかねえ」
「弱気だなァお前は。そんなこっちゃあ……」
「ヴォルフ兄貴は黙っててくれ。夜になって月光が出ねえと、素のままじゃ最弱だろ」
「ぐぬぅ……」
遠巻きに彼らを見ているのは、スネーク、レオ、エレファン、ゴリ、ペガ、オリオス。全員がごつい男性。
安直でおざなりな名の通り、それぞれが動物に変身するか操る程度の能力者。獣じみたその姿でもバレバレだ。
言ってしまえば三下。彼らはなぜ、死が高確率で待ち構えている、この戦場へ参加したのだろうか?
「おい、キャットはどこ行った」
「キャットだからなァ、気紛れなんだろ」
「偵察に出てるってよ。さっきフォックスが言ってた」
「ここよ」
声がして、キャットが戻ってきた。チームの中では紅一点。挑発的なボンデージに身を包み、ぼんくらどもを睥睨する。
「ただいま、坊やたち」
悠然と、艶然と、キャットは歩き、笑う。その笑いが一同に感染する。魅了される。
「へ、へへ」「ふふ、うふふふ」「あは、あは」「うふふふふ」
キャットの尻に、二本の尾。これは彼女が二つの能力を持つことを示す。猫への変身と、笑いによる魅了。
彼女がこのチームのリーダーで、女主人だ。
-
彼女の目の前に、彼女の目にしか見えない、仮面の男が舞い降りる。
『おかえり、キャット』
「ただいま。ねぇヘラルド。こいつらどうする?」
『誰か適当な奴にぶつけて、噛ませ犬にしちゃいな。そのために集めたんだから。うふふ』
「そう。―――あっちにチームがひとつ固まってたわ。『灼熱の紅蓮』とか言ってたっけ」
【葛飾区・亀有公園付近/午前08時20分】
【焔木 建@灼熱の紅蓮】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:優勝する。
1:チーム全員で固まって行動し、襲ってきた奴を全員で叩く。
【人物紹介】
能力は炎。悪魔の混血の青年。更なる強さを求めている。熱血漢で鋼の精神力の持ち主。
赤髪を逆立て、もみあげや眉毛が炎のような形をした、暑苦しい顔の暑苦しい男。要はダイナミックプロな風貌。
主人公なので主人公補正がかかっているが、飛び抜けて強いわけではないので仲間と協力して戦う。脳筋だが弱い者いじめは嫌い。
ゴクアは師匠、黒薙はライバル、内覇は後輩、望月は友人。悠奈・初美・レイ・日頼からは好意を寄せられる。神崎・塗空とは初対面。
【キャット@ブラッド・エンジェル】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:舞台を気紛れに引っ掻き回す。
1:「ブラッド・エンジェル」を「灼熱の紅蓮」にぶつけて様子を見る。
【人物紹介】
チェシャ猫の化身。猫に変身し、笑いを残す。主催者の使者である「ヘラルド」の手下で、場を引っ掻き回すのが趣味。
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投下終了です。
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投下します。
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「やあ、ヤマトくん」
「やあ、神崎さん」
何処とも知れぬ空間。黒髪の青年『神崎 誠吾』が、年端も行かぬ少年と会話している。
少年の名は『打川 倭(うちかわ・やまと)』。時間を操る最強の特殊刑事であり、チーム『天鵞絨(ビロード)』の最年少者にしてリーダー。
「焔木たちをここへ連れて来た。黒薙や、例の『ゴクア』もいる」
「そうですか。僕らのライバル関係を利用しようと?」
「そのつもりさ。君たちの因縁がぶつかり合い、ゲームを面白くしてくれればそれでいい」
「こっちは、大したメンバーじゃないんで……お楽しみいただけるかどうか」
ヤマトは苦笑する。大蛇はともかく、ほかは……戦闘力という面では、カス札だ。手練はみなゴクアたちにやられてしまった。
今の天鵞絨は、良くて出がらし。それでもなお、挑まねばならぬ。勝利せねばならぬ。何を利用しても。
「私は全ての王者を目指す神。君は、その後継者足り得る存在だ。挑戦したまえ」
「わかっていますよ。でも僕は、神ではない。神にもならない。王者を目指す人間です」
神。この神崎という男に、ヤマトは幾度も試されて来た。気に入られた、と言ってよい。別に稚児趣味はないだろうが。
能力を与えられ、英才教育を施され、秩序を保つ尖兵『特殊刑事』として活動し。その全てが彼の手の内。
父なる神にでもなったつもりか。恩義はあるが、そろそろ……自立せねば、巣立ちせねば。そのたびに手玉に取られても、なお。
「期待しているよ」
-
◆
「…………」
薄く目を開く。
「おはようございます、ヤマト様」
鉄仮面から響く、くぐもった声。
「おはよう、暁。様子はどうだ」
「ご命令通り、手駒を配備しました。未だ戦闘は始まっていません」
デパートの高級家具売り場。そのベッドの上で、ヤマトは15分だけ寝入っていた。激務で疲れた心身には休息が必要だったからだ。
簡単な指示を暁に与えてはおいた。陣を敷け、と。このデパートは城だ。東京という戦場を睥睨するには低く狭いが、充分だ。
BBBBBBB……ヤマトの携帯が震動した。
「……大蛇から、連絡が」
敵が来たようだ。数は一。問題なし。この城に入り込んだら、生きては返さぬ。
◆
「ねえねえ睦美ちゃん。これ、あたしに似合う?」
「似合うよお、英美ちゃん。私が塗ってあげる」
可愛らしい少女たちが、化粧品売り場で戯れている。彼女ら、否、彼と彼女は、共に悪魔の混血者。
女装少年は『村崎 英美(むらさき・ひでみ)』。能力は毒。あらゆる毒を操り、解毒する。
少女は『畷原 睦美(なわてはら・むつみ)』。能力は愛。標的を魅了し、無力化する。
悪魔。にわかに信じがたいが、悪魔は実在し、人間と混血する。かつては天使であった、堕天使たち。
聖書にもあるとおり、堕天使は人間の女を孕ませ、巨人族を産ませた。神話にうたわれる巨人たちを。
人が地のおもてにふえ始めて、娘たちが彼らに生れた時、神の子たちは人の娘たちの美しいのを見て、自分の好む者を妻にめとった。
そこで主は言われた、「わたしの霊はながく人の中にとどまらない。彼は肉にすぎないのだ。しかし、彼の年は百二十年であろう」
そのころ、またその後にも、地にネピリムがいた。これは神の子たちが人の娘たちのところにはいって、娘たちに産ませたものである。
彼らは昔の勇士であり、有名な人々であった。
―――旧約聖書『創世記』6章1-4節
-
現代では……巨人は生まれない。堕天使の力も人間の霊力も弱まり、もはやそのような者は生まれなくなった。
ただ、稀に超常的な能力を持った混血児が生まれる。人間たちは、それを単に『能力』、あるいは『異能』と呼んだ。
アビリティ、キャパシティ、ディナトーティタ、クドラ、クシャマタ……それぞれの言語で。
あるいはより詳しく、直截に、『悪魔の能力(アビリティーズ・オブ・ザ・デヴィル)』と呼ぶ者すらいる。
混血者は、『天鵞絨』にもうひとりいる。先程の鉄仮面の男、『暁 幸(あかつき・こう)』。能力は鋼。
チーム『灼熱の紅蓮』にも同様に悪魔との混血者がいる。焔木、黒薙、天野の三名。幾度かヤマトらは苦渋を飲まされてきた。
能力を、与える者すらいる。ヤマトに能力を与えた神崎は、能力者……混血者どころか、本物の悪魔だろう。
悪魔と呼ぶのが不適切なら、神。神々、神霊……そうしたもの。あるいは、単に異様な能力を持つだけの人間、知的生命体。
大蛇のような、神代の存在の転生者すらいる。彼は一体どう呼べばよいのだろうか。
能力者を研究する『相野 サプリ』なら、何日でも飽きずに講義してくれるだろう。―――今は、語るべき時ではない。
【武蔵野市・東急百貨店吉祥寺店/午前08時15分】
【打川 倭@天鵞絨】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:優勝する。ライバルである焔木やゴクアらと決着をつける。
1:このデパートを拠点として、襲撃者を迎え撃つ。
【人物紹介】
最強の特殊刑事。時間を操る。冷静な性格であり、興味がある人間以外は相手にしない。
チームでは最年少であるローティーンの少年だが、神崎に英才教育を施され、秩序の尖兵として育てられた。
【暁 幸@天鵞絨】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:ヤマトに従い、敵を殺す。
1:このデパートを拠点として、襲撃者を迎え撃つ。
【人物紹介】
悪魔の混血。能力は鋼。敬語で話す。顔は鉄仮面、肉体は鉄の鎧で覆われ、その下はうかがい知れない。
神崎により見出され、ヤマトに忠誠を誓っている。鍛え上げられた刀の如き武人。
-
【村崎 英美@天鵞絨】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:優勝する。
1:このデパートを拠点として、襲撃者を迎え撃つ。
【人物紹介】
悪魔の混血。能力は毒。甘えん坊の男の娘。睦美とは友達感覚で、恋愛感情はない。
【畷原 睦美@天鵞絨】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:優勝する。
1:このデパートを拠点として、襲撃者を迎え撃つ。
【人物紹介】
悪魔の混血。能力は愛。見た目はかわいらしい少女だが怒るとムキムキの女性になる。
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東久留米市・多聞寺。
「……動脈寺、さま」
正座する虹色モヒカン頭の男、『玄妙寺 彬(げんみょうじ・あきら)』は……本堂で坐禅を組む大男に呼びかける。
チーム「グリフォン・レイ」として十人を集め、このゲームに参加したはいいが、転送時に散らされたか、現状この二人しか確認出来ていない。
グズグズしている暇はないはずだ。早く合流し、全員で―――
「彬。泰然としていよ」
「は、はい」
『動脈寺 凶(どうみゃくじ・きょう)』は……赤黒い道着に身を包んだ巌(いわお)の如き男は、目を閉じたまま告げた。
彼は、最強チーム「グリフォン・レイ」の中でも最強。すなわち、この戦場における最強者。あの世木よりも強いのだ。
運命を操り、捻じ曲げ、いかなる強大な敵でも一撃で粉砕する破壊獣。いったい彼はなぜ、そのような力を持ちながら、この戦場に来たのか?
「運命よ。運命がワシをここへ導いた。ならば、来ねばならぬ」
動脈寺は、彬の心を読んだ。否、そう考えているであろうと推測して言い当てたのだ。
運命を操るほどの男が、運命に導かれるなど。彬はそう言おうとして、ぐっとこらえた。
自分の師匠、恩人である、この底知れぬ男の底を知ろうとしてはならぬ。呑み込まれ、破壊される。
彼は尊敬すべき方だ。神や仏にも等しい。いや、それ以上だ。彼に従っていればよい。
「彬。そなたは既に強い。世木にも匹敵しよう」
「は、いえ、そんな。私はまだまだ……」
「見えるのだ。この戦場において、最後に立っているのはそなたと、何者かであろう」
「……え?」
-
動脈寺の言葉に、彬は動揺する。最後に、この自分が? それはつまり、動脈寺が……?
「そんな! では、あなたは!?」
「それは、見えぬ。ワシは己の運命を見ることはない。他人のそれが見えるというだけよ」
運命。その場、その時のカルマの流れを読み、従い、沿い、捻じ曲げ、そして……破壊、破滅の運命へ自ずから導く。
動脈寺の武は、その域に達している。戦う前に、相手は敗北している。それゆえに彼はめったに戦うことはない。
彼は己を、運命の調整者とみなしている。そうでなければ、こんな大それた能力は使えない。ましてや悪用など。
「よいか、彬よ。ものごとの流れを見よ。合一し、しかして呑まるるなかれ。それを我が物とし、かつ我が物ではないとせよ」
これは、インストラクションだ。教え導き、『運命』の能力を自分に伝えようとしているのだ。
彬は滂沱の涙を流し、合掌して平伏する。ああ、師よ。尊い師よ。
◆
「……ふむ。流石に彼ほどのタツジンとなれば、我々の動きも読まれてしまうか」
「読んだ上で、彼は自分のつとめを全うしているのだよ。とはいえ、彼を倒せるような奴がどれほどいるか」
何処とも知れぬ空間から、神崎と"漆黒の男"が彼らを見下ろし、語り合う。……と、動脈寺が上を向いた。
「おう、そこの。降りて来られい」
神崎と"漆黒の男"は、顔を見合わせて片頬で笑い、彼らのもとへ移動した。
◆
「な、これは……!?」
彬は驚愕する。師の呼びかけに応えて、虚空から二人の男が出現したのだ。
「客人(まろうど)よ。ワシと同等か、それ以上に、運命については知っておろう」
-
"漆黒の男"が笑う。顔もないのに、笑っている。
「そういうこと。まあ運命は実際流動的なもので、最初から定められているっていうのは少ないけど……。
この世界を定義した存在が、君の運命を定めている。そうとしか言いようがない。ならば、しょうがない」
神崎は笑わない。ただ無感情に、彬を見据える。
「どういう流れでそうなるか、までは決まっていない。私も決めていない。君が決めることだ。
どこで、いつ、誰と戦うか。誰を排除し、誰を生かすか。何を託すのか……」
託す。彬は訝しんだ。自分と何者かが最後まで残る。ならば、自分は……?
【東久留米市・多聞寺/午前08時15分】
【動脈寺 凶@グリフォン・レイ】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:運命の流れを見極め、己のなすべきことをなす。
1:玄妙寺に『運命』の能力を伝える。
【人物紹介】
チーム最強の戦士。能力は運命であり、強大な敵でも一撃で粉砕する破壊獣。
巌の如き武道家にして求道者。ほどんど神仏に匹敵する力を持つが、高い人間性ゆえ滅多に戦うことはない。
【玄妙寺 彬@グリフォン・レイ】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:?
[思考・行動]
基本方針:師に付き従う。
1:動脈寺の教えを心身に刻み込む。
2:謎の二人の男に警戒。
【人物紹介】
能力は電光。幼い頃助けてもらったお陰で動脈寺を尊敬している。ラスボス予定。
虹色モヒカンの怪しい男だが実力は本物。手刀や蹴り足に雷電を纏い、世木とも互角に戦える。メンタルがやや弱い。
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投下終了です。
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残り
天鵞絨 4名 須澤、左京、柿呉、陣
グリフォン・レイ 7名 鄭折州、呪木、暗命、小炎、真羅、芭蕉
マーダーストック 9名 竿益以外
マジック・ブラック 10名 全員
合計 30名
誰か書いて下さい…
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投下いきまーす
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【練馬区・立野公園/午前08時30分】
一人で土を運ぶ本の姿。どこかで見たようなそうでないような。
???「ねえ、なんで私が支給品として転送されたの?」
主催の誰か「エース、きみは確かロワイアル嫌いだったよね?だからここに飛ばしたんだ。」
エース「わけがわからないし。」
【Ace Book(エース)@支給品】
[状態]:健康
[効果]:マーダーが近くにくると警告。死亡すると練馬区全体が自動的に即死カウント0の禁止エリアになる。
[設定]
ゴーグルをかけた顔があって喋る本。うっかり迷い込んでしまったようだ。
主催の手で支給品扱いにされる。
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投下終了です。
>>1さん、ある程度紹介頼むよ
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サブタイ忘れてた;「TikTok 練馬の一角で」でお願いします;
*Ace Bookの人からの支給品の一覧*
【Ace Book(エース)@支給品キャラ】
[効果]:前述済+練馬区全体が禁止エリアになった場合、彼女は退場します。
[破壊可能?]:〇、ただしその過程で殺すことになる。
【殺意のサイレン】
[効果]:鳴らすと近くにいる参加者がマーダー化する。
[破壊可能?]:〇
【幻想殺しのサイレン】
[効果]:鳴らしている間近くにいる参加者は『分身以外の』能力が使えなくなる。
[破壊可能?]:〇
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>>1さんは全部人任せで自分で書く気はないんですか?
それなら最初から「僕の考えた設定のキャラクターを使って、僕が読んでて楽しいパロロワを皆さんで書いてください。ただし僕が望んでいない展開にはしないでください」とでも言えばいかがですか?
高校ロアの頃から何の成長もしてませんね。そんな甘ったれにかまってくれる優しい人が増えればいいですね。
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投下します。
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4年の時を経てあの男が帰ってきた!
赤間「俺は赤間!!貴様らのように欲望に忠実な奴を優勝させるわけにはいかない!!」
赤間の髪が赤く燃え上がる。そして自然発火した。
赤間「炎神魔法陣『滅』」
ドン・ピエロ「ぐわあああ!」
翡翠「ぐわあああ!」
玉虫「ぐわあああ!」
若草「ぐわあああ!」
深緋「ぐわあああ!」
梅染「ぐわあああ!」
鶸色「ぐわあああ!」
水浅葱「ぐわあああ!」
南京藤「ぐわあああ!」
錆青磁「ぐわあああ!」
マジック・ブラック、全滅!
赤間鐵機よどこへ行く…。
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投下終了します。
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高校ロワ?はて、何でしょうか?
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