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奇妙な浮世絵「地獄の夢」考察
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奇妙な浮世絵こと「地獄の夢」の考察スレです。
https://www.youtube.com/watch?v=rnOiQ3LUR1E
https://www.youtube.com/watch?v=Q5EE_C_uqZ4
まず私から始めさせていただきますと、この作品はキリスト教が関係しているのではないかと考えています。
根拠は「祭壇と首の画」です。
まず、祭壇の上に2つの把手がある縦長の器が見受けられます。仏具に把手付きの器は無いはずなので、これは聖杯と思われます。
次に首の数です。祭壇の前に並んでいるものと画面右方で切り落とされた直後のものを合わせると26個になります。
以上から、この画は豊臣秀吉によるキリシタン弾圧で命を落とした日本二十六聖人を暗示していると思われます。
ここから、他の画に聖書の解釈を当てはめてみます。
「黒い目の少年の画」:黒い目の少年をエホバ、女性をカイン、男性をアベル、子供たちを子羊とすると創世記の最初の殺人
「火にくべられる子供たちの画」:ダニエル書のシャドラク・メシャク・アベドネゴが火の炉に落とされるも生還した逸話(動画のコメント欄からいただきました)
「海の画」:出エジプト記のモーセの海割りもしくは福音書の海の上を歩くキリスト。雷雲があることと海の上を飛んでいることを考慮するとおそらく後者
「電車の画」「地獄の画」:後述
上記の解釈が正しいとするとキリスト教を批判、というより攻撃する意図が感じられます。エホバが禍々しい姿で描かれており、生還するはずの少年たちはそのまま火で焼かれているということになるからです。また、海の上を渡った先が地獄であったとするとこれも聖書に対する皮肉になります。
そして地獄の画ですが、これはキリスト教における地獄ではなく仏教における地獄と思われます。キリスト教における地獄は際限無い火の海であり、鬼や釜は存在しないはずだからです。
つまり、キリスト教を信仰したものが最後は(仏教における)地獄行きとなった、というストーリーが読み取れます。
「電車の画」が地獄に連れ去られる場面だとすると、画面左上の老人は在来宗教(神道・仏教)の代表者としての「神」(黒い目の少年のエホバと対照的に神々しく描かれている。また、阿弥陀来迎図を思わせる)でありキリスト教徒に対して審判を下していると考えられます。
ただ、相当ガバい解釈です。以下のような矛盾があります。
1.「祭壇と首の画」の聖杯の隣にご飯が山盛りのクソデカ仏飯器のようなものもある
2.カインによるアベルの殺人はエホバが指示したわけではない
3.「火にくべられる子供たちの画」はどちらかと言えばモレクへの人身供儀の方が適当な気がするが、だとすると聖書的にも間違ったことをしていることになる
というわけで皆さんのこれじゃないか?という考察があれば是非お聞かせください!
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素晴らしい考察だと思います。これが描かれたとされる年代にキリスト教に通じ、それに仏教のエッセンスを加えつつ換骨奪胎して浮世絵にするというテクニックは可能なのでしょうか?
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>>2
ありがとうございます!
明治6年には禁教令が解かれているので一般人でもキリスト教の知識にアクセスすることは可能と思いますが、当時このレベルで精通しているとなるとキリスト教徒か元キリスト教徒である可能性は高いと思います
他はともかく火の炉の話などはかなりマイナーな知識だと思われますので…
対して仏教に関しては当時の一般的・大衆的な知識があれば十分かと思います
地獄絵や如来・菩薩の図像は地域の寺院でも見られるものだったはずだからです
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