幼馴染「………」
男「まだ、駅着いてないよ？」
幼馴染「着いたら降りるんだ？」
男「降りなきゃ帰れないからね」
幼馴染「そうだね、帰れないね」
"
男「うん？」
幼馴染「こうやって話すの久しぶりだね」
男「毎朝、一緒に登校してるけどね」
幼馴染「そうだけど！えと、こう…本音を話すというかさ」
男「本音で話せてなかったの？」
幼馴染「男だって私に言わないことあるでしょ」
男「それは、まぁ…」
男「いきなり、どうしたの」
幼馴染「本音トークタイムです」
男「何それ…好きな子はいるよ」
幼馴染「告白しないの？」
男「それは……」ﾁﾗ
幼馴染「………」
男「まだ心の準備か」
幼馴染「意気地無し」
男「うぐっ！」
幼馴染「いるよ」
男「っ…そうなんだ」ｽﾞｷ
男「告白しないの？」
幼馴染「するよ、心の準備が出来たらね」ﾆｺ
男「それ、僕と一緒だよね」
幼馴染「あはは、私も意気地無しだね」
"
男「別に嫌じゃないけど…」
幼馴染「ふーん…」
男「………」
幼馴染「私は嫌だけどね、男に彼女が出来たら」
男「え？！」
幼馴染「すごーく、嫉妬する」
男「そ、そうなんだ…」
男「…嫉妬は、するかも」
幼馴染「へぇ、急に素直」ｸｽ
男「幼馴染こそ、何か変だよ」
幼馴染「本音トークタイムだからね」
男「何か恥ずかしいんだけど」
幼馴染「いいじゃん、こういうこと話せるのも幼馴染特権でしょ？」
男「そうなのかなー？」
男「そうだね」
幼馴染「降りないの？」
男「ここじゃないよね」
幼馴染「……ふふ、そうだね」
男「暗くなって来たね」
幼馴染「うん、真っ暗」
幼馴染「どうだったかな」
男「昔もこうやって二人で電車乗って遊びに行ってたね」
幼馴染「あは、懐かしいね」
幼馴染「ほんとどこ行っても一緒だったね」
男「うん」
男「え？今、夏だよ？」
幼馴染「そうだけど…クーラー強いから」
男「そういえば、少し寒いかも」
幼馴染「風邪引いたら困るでしょ」ﾋﾟﾄ
男「ち、近いよ」
幼馴染「あったかいでしょ」ﾆｺ
男「…うん」
ｷｭｯ
幼馴染「何年振りだろ、何か嬉しいかも」
男「繋ぐの久しぶりだね」
幼馴染「うん、ほんとにね」
男「………」
幼馴染「………」
男「ねぇ」
幼馴染「んー？」
男「……幼馴染の手」
男「凄く冷たいね」
男「………」ｷｭｯ
幼馴染「男？」
男「僕の体温あげるよ」
幼馴染「そしたら男が冷えちゃうよ？」
男「それでもいいよ」
幼馴染「優しいね、男は」
男「あれ？」
幼馴染「どうしたの？」
男「携帯の画面、ひびが入ってる」
幼馴染「どこかに落としたりとか？」
男「覚えはないけど…」ﾋﾟｯ
男「……朝の時間で止まってる」
ｽﾞｷﾝ
男「っっっ？！！」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ？！！」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ！！」
ﾄﾞﾝ！ｸﾞｼｬ
「い……たい……よ」
「何も……見えない…」
ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ
「ここから出してよ！！」
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ！
ﾄﾞｻ
「あ…あぁ…ぅ…ああ…」
ｽﾞﾘｽﾞﾘ
「生きてる…？」
「うん…」
「痛い？」
「うん」
「大丈夫だから、きっと助かるから」
「うん」
「そばにいるからね」
「うん」
「ありがとう…」
「……男」
幼馴染「大丈夫、男？」
男「あっ、うん」
男「何で割れちゃったんだろうね」
幼馴染「……思い出した？」
男「え？」
幼馴染「ううん、何でもない…」
男「…………」