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勇者「魔物が女の子に、人間が怪物にしか見えなくなった」
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沙耶の唄?火の鳥?
へえ、そんな名作があるんですか。偶然って凄いですね
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勇者「今日は北側の荒野で魔物退治だ、みんな命を大事にな!」
魔法使い「ねえ勇者、もうこの街に滞在して一ヶ月以上経つわ」
魔法使い「私達は魔物退治のためじゃなく、魔王討伐のために旅をしているのよ?」
魔法使い「あまり一ヶ所に留まるのは、国の命令に背く事になるんじゃないかしら?」
勇者「それも一理あるな」
魔法使い「ならそろそろ次の街に行きましょうよ。ね?」
勇者「だが考えてみてくれ!」
勇者「十分な経験を積まずに次の街に行けば誰かが命を落とすかもしれない!」
勇者「確かに俺達は最高の仲間さ! でも一人欠ければそれはもう最高じゃない!」
勇者「何より大事なのは俺達全員が生きて最後まで旅する事、そうだろ?」
魔法使い「まあ、ね。そう言えなくもないわね」 勇者「だろう!」
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戦士「あー、話は変わるけどよ。最近お前さ、なんだか成長遅くないか?」
勇者「そうか?」
戦士「旅の初めの頃は才能の塊かってくらいガンガン強くなってる感じがしたけどよ」
戦士「なんつーか、今はなんだ、強くなってないわけじゃないが、それほどの勢いは感じねえな」
勇者「はは、もしかして俺って大器晩成型なのかな?」
勇者「旅はまだまだ続くわけだし、今はじっくり経験を積むのが大事ってことだな」
戦士「なるほど、面白い意見だ。さすが勇者だな」 勇者「おう!」
僧侶「……」
勇者「僧侶も何か悩みがあるなら聞くぜ?」
僧侶「ひぇ!? え、ええと……」 チラッ
魔法使い「……」 戦士「……」
僧侶「わ、私からは、特に、何も……ない、と思います……」
勇者「なら準備はオッケーだな? 荒野に行こうや! ははは!」
戦士「……はは」 魔法使い「そうね、行きましょうか」 僧侶「は、はい……」
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魔物「グルアアアア!」 ブン
勇者「よっ、ハァ!」 ザシュ
魔物「グハ……ッ」 バタン
勇者「これで、大体100匹ってところか。今日は結構多めに倒せたな」
勇者「それにしても魔法使い、今日はあんまり魔法使ってなくないか?」
魔法使い「そう?」
勇者「ああ、いつもなら俺や戦士の攻撃の隙間を縫うように、こう、ガーッと魔法打ってるだろ?」
魔法使い「あなた達の動きに付いていけてないのかもね。あなたも戦士も成長してるって事ね」
勇者「はは! 嬉しいこと言ってくれるな! でも今日は俺の方が戦士より多く倒してるよな?」
戦士「ああ、まあそうだな」
勇者「これは案外大器晩成もそう遠くないかもな! はは!」
僧侶「あ、あの!!」
勇者「ん、どうかしたか僧侶?」
僧侶「あ、あ、あっちの茂みの方で、な、何か動いたみたい、なんです……けど……」
勇者「なんだって! よし戦士、俺達で様子を見に行こう!」 戦士「ああ、そうだな」
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勇者「茂みの方、茂みの方……と、あんまりそっちばかり見てると不意討ちが怖いな」
戦士「ああ、俺が後ろから見とくから安心しろよ」
勇者「助かるぜ!」
勇者(急に飛び出してきてもすぐに対応できるように、重心を低く構えるか) スッ
勇者(他に気を付ける事は、相手がヤバそうだったらすぐに魔法使い達の所まで下がる)
勇者(しかし全然気配がないな。よほど気配を隠すのが上手い魔物なのか?)
勇者「なあ戦士、もしかして僧侶の見間違えだったん……!?」 ガギンッ
戦士「おらあああああ!!」 ブンッ 勇者「やめっ」 ガギンッ カランカラン
勇者(なんで戦士が、剣が、まさか操られて、とにかく逃げ……!) ダッ
魔法使い「氷結せよ!」 ガチガチ 勇者「ぐあ!?」 バタン
勇者(足が氷で、クソ、魔法使いまで!?)
勇者「僧侶、助けてくれ!! 二人は魔物に操られてるんだ!!」
僧侶「わ、私は、あ、あなたの、死後の安寧を、い、祈りますから、だから、う、恨まないでください……」
勇者「何言ってるんだ!? とにかく早く手を貸してくれ! 僧侶!! 早くしてくれ僧侶!!」
戦士「うるせえよ」 スパッ 勇者「かひゅっ」 ブシャアアアア
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勇者(喉から血が噴き出して、寒っ、何が起きて)
戦士「くたばれよ」 ザクッ
勇者(剣が、俺の、頭に……) バタン
魔法使い「一応……しゃ……しら……」
僧侶「死……で……すか……」
戦士「装備……は……回しゅ……」
勇者(聞こえない……何も、聞こえない……)
勇者(暗い……寒い……)
勇者(消える……俺が、消える……)
勇者(嫌だ……誰か……助け……)
勇者(死に……たく……な……)
ポワッ
勇者(白い……光……)
勇者(天……ご……く……)
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勇者「う……う……」 ズリ ズリ
勇者(頭が、重い。二日酔いみたいだ。何があったんだ?)
勇者「こ、こは……荒野……?」
勇者「うぐ……そ、そうだ、俺は戦士達に……殺され……た……?」
勇者(いや待て、俺はここにいるじゃないか。なら俺は生きてるって事だ。じゃああれは)
勇者「夢、なのか? ってうわ!? な、なんで俺は裸なんだ!?」
勇者(ま、まずい! 裸なのもまずいが、今魔物に襲われたら戦えないじゃないか!)
勇者「どどど、どうしよう!? だ、誰か助けてくれそうな通りすがりの人がいたり……!」 キョロキョロ
青髪の少女「……」 ジィ
勇者「……や、やあ!」 シュタ
青紙の少女「……!」 タッタッタッ
勇者「ちょ、違うんだ! 本当に! 変質者とかじゃないから!! 違うんだ、違うんだぁぁ……!!」 ガクリ
勇者「ぐ、ぐぅぅ……ま、まさかいきなり、少女に全裸を見せつける変質者にジョブチェンジしてしまうなんて……」
勇者「ぐ、ぐう……彼女に謝りたいが、今追いかけたら変質行為の上塗りだよな……」
勇者「今は大人しく、街を目指すか……」 トボトボ
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勇者「あーあ、どこの世界にフルチン姿で歩く勇者がいるんだよ」 トボトボ
勇者「ってここにいたか! あはは!」
勇者「……いや全然笑えないな。どうしてこうなった」
勇者「誰かのイタズラかなー。でもイタズラにしてはやりすぎだよな、魔物に襲われてたら死んでるぜ俺」
勇者(死……いや違う、あれは夢だ。夢を気にしてどうするんだよ、俺)
勇者「うんそうだ、街に戻って着替えて、また魔物倒して強くなって、それで魔王を倒すのが俺の仕事だ!」 タッタッタッ
勇者「きっと戦士達も心配して待っててくれてるさ!」 タッタッタッ
勇者「はあ、はあ……お、ようやく街が見えてきたぞ」 タッタッタッ
勇者「これでフルチン状態からもおさらばでき……!?」 ピタッ
勇者「な……んだ、あれ……」 ゾクッ サササッ
怪物A「マサ&ニセモ$ノユウシ#ダッ@ナンテ、ビッ#リシ%ゼ」
怪物B「アア、%ンダフトド&モノダ@マッ*ク」
勇者「ば、化物2匹が街の方から……?」
勇者「ま、まさか街はもう……!?」 スタタタタ
勇者「あ……ああ……あああ……あああああ……」 ガクリ
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勇者は高台に上がり、遠くから街の内部の様子を覗いた。
そこにいたのは、怪物の群れ。
おぞましい肉塊のような姿で蠢き、街の中を我が物顔で進む異形。
人間の姿は影も形もなく、街が怪物達の住処であるのは一目瞭然だった。
勇者「うぐ……うげぇ……!」 ビチャビチャ
遠目にとはいえ、醜悪な怪物達を直視した勇者は精神的ショックもあり吐いた。
だが、勇者はやはり勇者だった。
怪物に支配された街を解放する手段は、今の自分にはない。
だから勇者は今の自分に何ができるかを考え始めた。
勇者「……いきなりこの怪物の大群に包囲されて全滅した、なんて事はないはずだ」
怪物の動きは勇者のよく知る魔物達より遥かに鈍く、街の兵士達がそこまで遅れを取るとは思えなかった。
ならば他の街への報せは送られていて、運が良ければ住民の避難にも成功しているはず。
自分がするべき事は、他にあるはずだ。勇者はそう思った。
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勇者「そうだ、あの女の子!」
勇者(避難民から逸れたのか、それとも街から離れて一人で住んでるのか分からないけど)
勇者「このままじゃあの子が危ない!」 ダッ
勇者「はあ、はあ……た、確か、この辺りの、はあ、はず、なんだけど……」 キョロキョロ
怪物A「ニガ#ナイヨウ$マワリ%メ!」
怪物B「ヤレヤ#、コンナザ$モン$ターヲ&カクシテ、ナニ@ナル*ダカ」
怪物A「イラ#ハイ$イダ、シッ%リヤレ」
青髪の少女「……っ」 ブルブル
勇者「その子から今すぐ離れろ、この怪物!!」 ダダダッ ゴスッ
怪物B「グギャ!?」 カランカラン
勇者(これは、剣!? この怪物、いったいどこに剣を隠してたんだ!?)
勇者「好都合だ!」 ガシッ
怪物A「ナニ#ス$ンダ、%メロ!」
勇者「死ねぇ!!」 ザシュ
怪物B「ギャア#アア%アア&アアッ!!」 バタン
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勇者「はあ、はあ……!」
勇者(まずは1匹倒した、残り1匹は、あの鋭い触手に気を付けよう!)
怪物A「#クモ$ッテクレタナッ、コノ%オ!!」 ブン
勇者「でりゃあああ!」 ガギッ
勇者(触手を受け流してそのまま返す剣で、斬る!) ザシュッ
怪物A「グア#ア$アッ!!?」 バタン
勇者「ふう、大丈夫だったかい?」
青髪の少女「……っ」 ブルブル
勇者(どうやら酷く怯えてるみたいだな。って、そういえば俺、裸だったんだ!)
勇者「ち、違うんだ、この姿は……え、ええと、と、とりあえず剣を置くから落ち着いてくれ!」 カランカラン
青髪の少女「……」 ジィ
勇者「わ、わかってくれたかい? 服がないのは、ええと、とにかく僕の意思じゃないんだ。お願いだ、信じてくれ!」 ペコリ
青髪の少女「……」 フヨ
青髪の少女「……」 スタスタ
勇者(一応分かってくれた……のかな?)
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青髪の少女「……」 スッ
勇者「あ、気を付けて! まだ化物が死んだかどうか確かめてないんだ」 スタスタ
怪物A「……」
青髪の少女「……」 フルフル
怪物B「ウ……ゥ……ッ」
青髪の少女「……!」
青髪の少女「……っ」 ポワッ
勇者「それは、回復魔法?」
怪物B「ウ……ゥ……ッ」
勇者「や、やめるんだ! その化物が回復したらまた襲い掛かって来るぞ!」
青髪の少女「……っ」 フルフルッ
勇者「なんで……なんで、そんな悲しそうな顔をするんだ、君は?」
勇者(化物の傷を治してやった所で、化物にそれを理解する知性なんてあるわけないじゃないか)
勇者(無駄な事をしてるだけだって言うのに……)
青髪の少女「……っ」 ポワァァ
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怪物B「フウ……フウ……」 グタリ
青髪の少女「……」 コクリ
勇者「俺は、君のした事を肯定はしないよ」
青髪の少女「……?」 フヨ
勇者「君がその化け物を助けたせいで誰かが怪我をしたり死んだりするかもしれない」
勇者「俺は、俺達は、そういう人を助けるために戦ってるんだ」
勇者「だから俺は君のした事を肯定はしない」
勇者「でも、それを否定もしない。結果はどうあれ、君のその想いは尊いものだ。うん!」
青髪の少女「……?」 フヨ
勇者「はは! まあ俺が勝手にそう思ったってだけの話さ!」
勇者「それより、君はどこに住んでるんだい?」
勇者「街の方はさっきの化物がウヨウヨしてる、よければ一緒に避難しないか?」
青髪の少女「……」 フルフル
勇者「そうか。この辺りの住んでる所があるのかな?」
青髪の少女「……」 コクリ
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勇者(もしかして俺が知らないだけでこの辺りに村があるのか?)
勇者「よければ案内してくれないか? またあの化物達が襲って来ないともかぎらないしね」
青髪の少女「……」 ジィ
勇者「ダメ、かな?」
青髪の少女「……」 コクリ スタスタ
勇者「ありがとう。それにしても君、すごく無口なんだね」
青髪の少女「……」 スタスタ
勇者「はは、俺は仲間からお喋りだってよく言われるんだ。あいつらも無事だといいんだけどな」
青髪の少女「……」 フヨ
勇者「……? どうしたんだい、こんな何もない所で立ち止まって」
青髪の少女「……」 フヨフヨ
勇者「え? ま、まさか、その岩陰で寝泊まりしてるのかい!?」
青髪の少女「……」 コクリ
勇者(じょ、冗談だろ? こんな女の子が、岩を屋根にして魔物だらけの森で寝泊まり!?)
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勇者「こ、こんな生活をしていちゃダメだ!! いつ命を落とすか分からないぞ!?」
勇者「生活できるように俺がどうにかするから街に行こう! 君みたいな女の子がこんな生活をしちゃダメだ!」
青髪の少女「……」
青髪の少女「……」 フルフル
勇者(なぜだ? なぜ頑なに街での生活を拒むんだ? まさか、街に住めない理由が?)
勇者(係累に重罪人がいて迫害されているのか? いや……よく見れば、髪の先が金色じゃないか)
勇者(染めているわけではないのか? まさかどこかの少数民族? それが理由で街に住めないのか?)
勇者「すまない、デリケートな問題にずけずけと踏み込んでしまった……」
青髪の少女「……」 フルフル
勇者「その、家族は……いない、のかな?」
青髪の少女「……」
青髪の少女「……」 フルフル
勇者「いるってこと?」
青髪の少女「……」 コクリ
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勇者「そ、そうか。なら家族と一緒に住んではどうだろう?」
青髪の少女「……」 フルフル
勇者「何か理由があってできない、そういうことだね?」
青髪の少女「……」 コクリ
勇者(彼女の意思は固いようだ。俺が何を言ってもここから離れるつもりはないんだろうな)
勇者(俺が彼女のためにできる事は、何かないだろうか)
勇者「よし、決めたぞ。俺はここに、君のための家を建てよう!」
青髪の少女「……!」
勇者「もちろん俺は本職の大工ではないから、そんな立派な家にはならないかもしれない」
勇者「でも、今のまま君を野ざらしで生活をさせるわけにはいかない」
勇者「できるだけ頑丈な家を建てて、そして君に戦い方を教えよう」
青髪の少女「……! ……!」 フヨフヨ
勇者「君が魔物や山賊に襲われても生き残れるようにする。それが俺のするべき事だ!」
勇者「よし、今日からよろしく頼むよ。って、ははは、裸のままこんな事を言っても締まらないが、許してくれ」
青髪の少女「……!」 フルフル コクコク
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胸糞系なんだろうか
でもずっとフルチンなのかと思うと笑ってしまうw
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化け物(人間)の反応からして、勇者本人は人間のままなのか
装備はPTの連中がかっぱらったくせぇが、それにしたってパンツまで……
アレか、パンツも装備品だったのか。ステテコパンツだったのか。
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火の鳥でも沙耶の唄でも無いなら輝夜姫@清水玲子版のパクリだな!
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序盤のステテコパンツ以外と守備力高いからな
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期待
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シルバートレイだけでも装備しないと……
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乙期待はよ
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靴下だけでも履いて防御あげないと……
期待
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>>22
丸腰勇者か
片手で股間をガードしつつ戦いをするとかめっちゃハラハラしそう
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>>25
大丈夫、世の中には両手で股間を押さえて潜入任務する金髪がいるから
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この業界では全裸になった方が強いなんて職種もあってですね
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はよ
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はあよ
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ほ
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