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男「・・・・・・百物語か」
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深夜、旧校舎・空き教室
男「・・・・・・百物語か」
女「なに、ここまできて怖いの?」ニヤ
男「そういう訳じゃないけど、喜ぶ程縁起の良いものでもないだろ」
幼馴染「なにも起こりはしないさ」
友「なんでもいいけど、早くやっちゃわないと蝋燭の火消えちまうぞー」
幼馴染「そうだ、夜警がきても面白くない」
後輩「じゃあ私からいきまーす!」
女「いいねー!」パチパチ
幼馴染「拍手、はちょっと変じゃないだろうか」
友「雰囲気が大事だからなァ」
後輩「えーっとこれは二年前だから、私がまだ中学生の頃の話なんですけど――」
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第1話「人形」
放課後、教室
「――魂の重さって知ってる?」
「なにそれ」
「人が死ぬと、何故か21グラム軽くなるんだって。それが・・・・・・魂の重さって話」
「うわ、なんか怖くない?」
後輩「うーん。ガスとかじゃないの?」
「後輩は夢がないなぁ」
後輩「だって嘘っぽいじゃん」
「ひどーい!」
後輩「あはは、ごめんごめん」
「あ! じゃあこれは? 髪が伸びる人形!」
「それは有名すぎ」
後輩「毎日話しかけたり大事にすると――ってやつでしょう? これも嘘っぽい」
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「本当だよ! 友達の友達の人形も変になったって聞いたもん」
後輩「ああ。友達の友達、ね」
「信じてないでしょ! 夜喋ったり、髪が伸びたり・・・・・・ほんとに魂が入ったみたいだって言ってたんだから!」
後輩「わかったったら」ニコ
「――あ、じゃあそういう人形って、21グラム重くなってるの?」
後輩「え?」
「だってさっき言ってたじゃない。魂の重さは21グラムだって」
「・・・・・・そっか。そうだね! そういうことだと思う!」
後輩「馬鹿らしいってば」
「じゃあ後輩試してみてよ!! 毎日話しかけたら人形が重くなるかどうか」
後輩「な、なんで私が?」
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「だって信じてないんでしょう?」
後輩「・・・・・・やるっていっても、私、人形なんか」
「私、誕生日に貰った人形あるから持ってくる! いらないし」
後輩「えー、いいよそんな」
「後輩が信じてないのが悪いの! もしかして、怖いの?」ニヤ
後輩「・・・・・・あーもう分かった。やるよ」
「やったー!」
「じゃあ明日持ってくるからね」
後輩「・・・・・・うん」
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翌日の夜、後輩の部屋
後輩「・・・・・・あ、既読無視しちゃってた」
後輩「・・・・・・」ピコン ピコン
後輩「――あ、そうだ。人形」スタ
ガサゴソ
後輩「・・・・・・これ、フランス人形? なのかな。・・・・・・気持ち悪いなァ。本当にもってこなくていいのに」
(いーい? ちゃんと毎日話しかけてね? 重さを書いた紙も渡しておくから)
人形「・・・・・・」
後輩「・・・・・・こんばんは」ボソ
人形「・・・・・・」
後輩「――ぷッ。馬鹿らしー。なにやってんだろ」
人形「・・・・・・」
後輩「・・・・・・毎日、ね」
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深夜、旧校舎・空き教室
友「――で、どうなったんだよ!」
女「毎日話しかけたんでしょ?」ワクワク
後輩「はい。馬鹿っぽいなーって思ったんですけど、なんか習慣になっちゃって」
男「それで、重くなったのか?」
後輩「・・・・・・さあ」
幼馴染「ん? どういうことだ?」
後輩「あれから計ってないんですよ、一度も」
友「おいなんだよそれー! どうなったか分かんないじゃないか」
後輩「今日持ってきたんです」
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男「・・・・・・は?」
後輩「だからー、今日持ってきたんですよ、その人形。百物語にぴったりだなァって」
女「・・・・・・そのカバンに入ってるってこと?」
後輩「はい」ゴソ
友「・・・・・・」
幼馴染「・・・・・・」
男「・・・・・・」
後輩「じゃあ、計りましょうか」ニコ
女「い、いや・・・・・・それはいいかなー・・・・・・なんて」
後輩「どうしてですか?」
友「ほ、ほら。楽しみは後にって言うだろ。な?」
後輩「――そうですか。なら後で、ということで」ニコ
幼馴染「なかなか気味が悪いな。ほら、蝋燭を消してくれ」
後輩「はい。・・・・・・あれ? もう、一本消えてる」
第1話「人形」終
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※1日1話くらいで書いていきます。
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ていうか後輩誰と喋ってんだ乙。
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ほうほう、いいね
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だんだん恐怖が深くなってくるのかな…?
期待
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おつおつ!続きはまだか…?
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