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善子「私と悪魔のブルーズ」
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書き溜めはないのでごゆるりと
無茶苦茶設定があります
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#1『Crossroad Blues』
私達Aqoursは三年生が卒業して解散していて...それでもみんな音楽が好きだから時々音楽室に集まってはリリーや千歌さんの歌を聞いたりしていた。
善子「二人ともさすがに上手くなったわね」
花丸「失礼ずらよ」
今日も変わらない日常、その一つに過ぎなかった......
梨子「ごほっ、ごほっ」
千歌「どーしたの!?風邪?」
梨子「最近よくあるの...でも大丈夫よ」
善子「ふうん、風邪ね」
ルビィ「伴奏無くなっちゃうね」
梨子「だ、大丈夫だってば。歌お?」
ポロンポロン...
梨子「ごほっ、ごほっ」
曜「無理しちゃダメだよ!」
-
梨子「そ、そうね......今日は早引けするわ」
千歌「お大事にね?絶対だよ!」
梨子「何を絶対?」
曜「とにかく安静に、ね?」
梨子「ええ......」
善子「...」
〜
善子「確か...ここに」ガサゴソ
善子「あった!」
善子「埃被ってるけど...使えるわね、このギター」
バンバン
善子「少しは...ましね」
善子「中学2年で衝動買いしたギターだけど...」
善子「Fはよかったけど、Bが押さえられずにやめちゃったのよね」
-
善子「少しは...弾けるわよね...」
〜
千歌「アハハハハハ!やめてよ善子ちゃん!」
善子「ヨハネよ!」ボローン
花丸「でも下手ずらよ」
善子「むー!」ボローン
梨子「よ、善子ちゃん?もう大丈夫だから。うん、ありがと」
ルビィ「よ、善子ちゃんは頑張ってるよ!」
千歌「そういうルビィちゃんも笑うのすごい我慢してるじゃん!」
ルビィ「うう...」
善子「ヨハネよ!み、見てなさい!弾けるようになってやるから!」ダッ
バン
-
曜「い、言い過ぎだよ。みんな...フフ」
梨子「ギターかあ...カッコいいなあ」
千歌「弾けたらね?」
梨子「...ごほっ」
〜
善子「むきー!なによ、みんなして!」
善子「しかしさすがに今の腕で伴奏は無理ね...」
善子「上手くなる方法、ないかなあ?」
善子「ちょっと調べてみよ...」カタカタ
善子「...なるたけ早いほうがいいわね」
善子「えーと、『ギター 上達 早い』っと」
善子「ビミョーね...」
"
"
-
善子「し、調べ尽くしてやろうじゃない!」カタカタ
〜
善子「はあ、ろくなサイトがないわね...」
善子「もう11時半...そろそろ来なさいよ!」カタカタ
スッ
善子「あら?このサイト、URL が無いわね...」
カチッ
『Crossroad 』
善子「クロスロード?」
パッ
善子「きゅ、急に画面が暗転...」
-
『Where are you from?』
善子「ど、どこから?ええと日本...」
善子「これを選択して...」カチッ
パッ
善子「また画面が!」
『夜、一人で十字路へ行き膝を追って演奏する。どんな曲でも構わない。すると後ろから大きな者に話しかけられギターを取られる。調律をしてその者が1曲演奏する。終わればギターが返される』
善子「な、何これ...」
ガッ
善子「も、物は...試しよ...」
善子「ま、間に合うかな」ガチャ
バタン...
プッ
『ようこそ、『ブルーズ』の世界へ...』
-
タッタッタ...
善子「この交差点でいいかしら...」
善子「人も来なさそうだしちょうどいいわ」
善子「リトルデーモン召喚儀よ!」
ボローンジャラーン
〜
善子「ふう...」キョロキョロ
善子「はあ〜やっぱりガセね。もう」
善子「クロスロードなんて知らないわよ!」ボローン
善子「もう!なんか!もっと!面白いこと!ないの!?」ジャラーン
グオッ
善子「...はあ。帰りましょ」
パシッ
-
善子「え?」
「よお、さっきのなんて曲だ?」
善子「嘘!何!?」
「ちょいちょい!ビビりすぎだぞ!」
善子「だ、誰?」
「あー...俺は...」
『Robert Johnson』
善子「へ、へえ...」
善子(が、外国人?旅行者かしら?)
RJ「それとさ、ギター下手すぎんだろ?」
善子「な!し、失礼ねえ!」
善子「こ、これからよ!これから上手く...」
RJ「あーご託はいいから。あーあチューニングも狂わして...」ガッ
-
善子「ちょっと!何!?」
RJ「貸せ、ほら」グッ
善子「あ...」
RJ「ふうん、いいギターだな?」ジャラーン
善子「返してよ!旅の人!」
キュイィィン!
善子「へ?」
RJ「I went to the crossroad. Fell down on my knees!」
善子(す...)
ジャラーン!
善子(すごい!!)
-
RJ「ふう...」
善子「...」
RJ「あん?どした?」
善子「...すごい」
RJ「ふ、そりゃどーも」
善子「...教えて!ギター!」
RJ「は!?いきなり!?」
善子「そ、そのジャンル...えーと何て言うの?」
RJ「今のか?...ブルーズだ」
善子「『ブルーズ』......」
RJ (こいつクロスロードで来たんだよな?)
善子「ほら、教えなさいよ!」
RJ「まてこら!えーと名前は?」
-
善子「あれ?私?」
善子「ヨハネよ!」
RJ「ヨハネ?お前イタリア人か?」
善子「違うわ!日本人よ」
RJ「日本人?あーサムライ?それぐらいしか知らねえ」
善子(観光じゃないの?)
RJ「それと俺が教えられるのはギターの弾き方だけだ」
善子「どういうこと?ブルーズは?」
RJ「あれは教えられるもんじゃない...」
善子「何それ!教えなさいよ!」
-
RJ「あのなあ...ブルーズってのはなあ教えられるもんじゃないだよ」
善子「?」
RJ「これはサンの...俺の師匠の受け売りだが...」
RJ「ブルーズは俺の中にも、ええと、ヨハネ?の中にもある」
RJ「それをつかんで...表現するだけだ」
善子「い、意味わかんないんだけど...」
RJ「すぐに...すぐに分かるさ」
RJ「まずてめえはギターの弾き方すらなってねえからな。そこからだ」
善子「むきー!すぐに!教えなさいよ!」
RJ「へいへい...」
ジャラーン
RJ「ちげえ!そうじゃねえ!聞いてたのかタコ!」
善子「ちょ...」
善子(き、厳しすぎるわよ!)
-
〜
RJ「ふう...お前時間は?」
善子「え?」スッ
5:30am
善子「嘘!?早く帰らなきゃ!」
RJ「あーそういえば...お前、何のためにギター弾くんだ?」
善子「リリーの変わりよ!」
RJ「リリー?」
善子「友達よ!」
善子「あ、ありがとう!旅の人!日本語上手いわね?」
タッタッタ...
RJ「あいつ...英語喋ってなかったのか...」
RJ「友達ねえ...」ニヤ
RJ「お前の絶望(ブルーズ)はこれからだよ、ヨハネ」
-
続き気になる
-
しおりエクスペリエンスみたいだな
ロバートジョンソンも27クラブだし
-
#2 Me and Devil Blues
チュンチュン
善子「結局寝れなかったわね...」
善子「昼休みには音楽室で練習しましょ」
ガラ
善子「あら?誰も...いない?」
善子「音楽室に行ってみよ」
タッタッタ
善子「いない...」
善子「もしかして今日休校日!?それなら不幸だわ...」
善子「なら...」ガッ
キュイィィン!
ガッ
ジャラーン!
-
鞠莉「ん...?」
鞠莉「ミュージックルーム?」ガラ
鞠莉「!?」
善子「あら?鞠莉さん!?アメリカの大学に...」
鞠莉「な、何で!?」ガッ
バタン
善子「ええ?行ったわね...」
善子「どうしたのかしら...」
ドタドタ...
善子「...騒がしいわね...?」
バアン!
-
ルビィ「善子ちゃん!?」
善子「ヨハネよ!」
花丸「善子ちゃん!何してたずら!?」
善子「はあ?」
善子母「善子!」
善子「お母さん!?どうしてここに...」
パアン!
善子「...へ?」ヒリヒリ
善子「あんたどこにいたのよ!?」
善子「どういう...」
ルビィ「ルビィ達探し回ったんだよ?それで...」
-
善子母「今は私が話しています!!」
ルビィ「!...ごめんなさい」
バタバタ
曜「ホントにいた...」
善子「みんな揃って何よ?卒業生まで...」
善子母「この半年...私達はあなたを探し回りました...」
善子「は?半年...?」
善子母「どこかで事故に遭ったんじゃないか...夜どこかで暴漢に遭ったんじゃないか...」
善子母「探し...回ったのよ?」ポロポロ...
善子「な、何いってんのよ!私は昨日夜に少しだけ十字路にいただけよ!」
善子「確かに...帰る時間は遅くなったけど、半年なんて...」
ガッ
-
善子「ちょっと!果南さん!?」
果南「外を見なよ...」
ダイヤ「果南さん!乱暴は!」
果南「今はもう9月...」
善子「え...」
果南「世間じゃ秋って言うんだよ?」
善子「そんな...何で...」
千歌「...何ではこっちのセリフだよ...」
善子「ち、千歌さん...?」
千歌「何で!梨子ちゃんの墓にも行かなかったの!?」
善子「は、墓...」
-
千歌「梨子ちゃん...死んじゃったよ。肺の何かで...善子ちゃんはそんなのも知らんぷりだったなんて!」
善子「リリーが...死んだ?」
善子母「...親として...言ってはいけないのでしょうけど...」
善子母「何であなたじゃなく...梨子さんが死んだんでしょうね...?」
善子「お...母さん?」
ダッ
善子「お母さん!」
花丸「流しのアーティスト気取りだったの?」
善子「違っ!私はリリーのために...」
花丸「こんな子を...本気で心配しちゃった...丸はいけない子ずら」
善子「ちょっと...何言って...」
花丸「もう2度と顔見せないで!!」
-
〜
善子「どういうことなの...?」
善子「曜さんからの地図は...」
善子「墓地...か...」
ザクザク...
善子「ここね...」
『桜内家の墓』
善子「リリー...」
RJ「調子は?」
善子「!?あんたは!」
RJ「代償だからな。これがブルーズだ」
善子「何...いってんのよ!」ガッ
-
善子「あんた、私とリリーに何したわけ!?」
RJ「掴むなよ。お前はブルーズを知りたがった。だから教えた」
善子「半年って何!?どうなってんの!?」
RJ「んー...ちょっとお前。ブルーズ弾いてみろ」
善子「何言って...」
RJ「いいから。ほれ」スッ
善子「...ふん!」チャッ
キュイィィン!
ジャッ!ガッ!
RJ「まだ気付かないのか?」
善子「は?」
-
RJ「お前、いつから...」
RJ「そんなにギター上手くなったんだ?」
善子「え......?」
RJ「ギターっつうのは...」
RJ「五時間ぽっちで上手く弾けんのか?」
善子「あ...あ...」
RJ「そういうこった。つまり...」
RJ「俺がクロスロードで降りてきた悪魔だってわけだ」
善子「クロス...ロード...」
RJ「俺は悪魔だ。今になっちゃあな。だから教えるには代償がいる」
-
善子「リリー...」
RJ「そうだ。お前はあの時何のためにギターをひくかという問いにリリーと答えた」
RJ「ブルーズってのはなあ...大事なものをなくし、悲しみの淵に立たされたものしか歌えない。いわば救いの叫びだ」
RJ「お前が大事だった親友はいない。これがブルーズを知るってことだ」
善子「や...止めてよ...嘘だと...」
RJ「逃げるな」
善子「...」
『善子ちゃんみたいにカッコよくなりたいなあ』
『善子ちゃんと同じユニット!頑張っていこうね!』
『ありがとう、善子ちゃん...』
善子「り、リリー...」フラッ
バタン
RJ「うおっと!?ヨハネ、何も倒れるこたあねえだろうが...」
-
〜
善子「...ここは...?」
RJ「気付いたか...」
善子「!まだいるの!?」
RJ「俺はお前が死ぬまで離れられない。今までもそうだった」
善子「...悪魔」
RJ「そうさ?俺は悪魔だ」
善子「...どうすりゃ良いのよ...」
RJ「捨てろ」
善子「は?」
RJ「全てを捨てて、ここを去るぞ」
善子「何言ってんのよ!そんなこと...」
RJ「しなきゃならない。お前はもうブルーズマンだからだ」
-
善子「...なら」
善子「...質問があるわ、悪魔」
RJ「悪魔だが悪魔って呼ぶのはやめろ。ロバートかRJで呼べ」
善子「...ロバート。私以外でクロスロードの儀をしたのは過去にいたの?」
RJ「ああ。死ぬほどいたぜ?大体の奴は俺らが出てこずにのたれ死んだがな」
善子「!?」
RJ「クロスロードは覚悟を持ったやつの物だ。失敗は死だ」
RJ「お前は運良く俺と組めた。ありがたいと思え」
善子「ちょっと待って。あなたさっき俺らって言ったわね?つまり悪魔は複数?」
RJ「...ゆくゆく会えるさ」サッ
善子「ちょっと待って!置いてかないで!」タッタッタ
RJ「他の悪魔ねえ...『ウィリー』は元気にしてんのかね...?」
-
#3 Walking Blues
善子「それで?どこに行くの?」
RJ「は?んなもんしるか」
善子「ちょっと!無責任でしょ!」
RJ「決められて行くもんでもねえよ」
善子「...じゃあ、まずは東京にでもいくかしらね」
RJ「どっちだ?」
善子「東よ」
RJ「ふーん...」
善子「じゃあ携帯...も時間の問題ね...」
RJ「なんだそりゃ?」
-
善子「スマートフォンってやつよ...」
善子「そういえばさ?あなたって実在?」
RJ「ああ?当たり前だろ」
善子「ふーん...」ポチポチ
RJ「何してんだ?」
善子「ちょっと、ね」
善子「あった。ロバートジョンソン...」
RJ「あら?俺って有名人?」
善子「みたいね...『ロバートリロイジョンソンは1911年生まれで1938年死んだ伝説的ブルーズマン』」
RJ「なんか照れるな...」
善子「あんた27歳でしんでんのね...若いわね」
-
RJ「くっくっく...」
善子「どうしたの?」
RJ「いいや、なんでも。それより俺の事はいいから早く行こうぜ。その...トーキョーとやらに」
善子「分かったわよ...」
〜
善子「さすがに...疲れた...」
RJ「まだ3時間しか歩いてねえぞ?」
善子「3時間も!よ!」ドカッ
善子「ふー石があってよかったわ...」
RJ「おい、こういうときこそ、だろ?」
善子「ん?あー...そうね!」
ガチャ
-
キュイキュイ...
ジャラーン!
キュイィィン!ガッ!
善子「I woke up this morning, feeling round for my shoes!」
RJ「良いね〜...」
善子「ふー...」
RJ「上等だな」
善子「ありがと。ってこのために私はリリーを...」
RJ「それ以上言うな。いいな?」
善子「うん...」
RJ「今ここは?」
-
善子「えーと、伊豆半島のうえ...まだまだ先ね...」
RJ「へえ...夜は野犬が出るからな、気を付けろよ」
善子「いつの時代よ...」
善子「でも確かにどこで寝ようかしら?」
RJ「野宿に決まってんだろ?」
善子「イヤよ!?考えられないわ!」
RJ「はあ...ならあそこに光があるぜ?」
善子「こんなど田舎に民家!?ありがたいけど...」
RJ「決まりだな」
善子「そうね、イイ人であることを祈るわ」ザッ
-
RJ「そうだな」
『現在のニュースです。静岡県静岡市において...』
ザクザク...
善子「結構山道ね...」
RJ(裸の...足跡?)
善子「ふう!着いた!」
RJ「さっそく呼べよ」
善子「意外としっかりとした家ね...」
ピンポーン...
善子「...いないのかしら」
ガチャ
男「はい?どちら」
-
善子(わ!意外とカッコいい...)
RJ (...)
善子「す、すいません。今日1日泊めてくれると嬉しいんですが...」
男「はあ...あっ!少しお待ちを...」パタン
善子「あっ...」
善子「まあ、普通の人だったわね」
RJ「ほーん...」
ガチャ
男「すいません!どうぞ!」
善子「え?いいんですか?」
男「ええ!もちろんですよ...」
-
善子「やった!」
男「ギターですか、それ?持ちますよ?」
善子「ありがとうございます!...あれ?右手に怪我が」
男「ああ大した事はないですよ、どうぞ」
善子「お邪魔します!」
RJ(日本人ってのは家にはいんのに靴脱ぐのか...)
RJ(他の...靴は?)
善子「段ボール多いですね?引っ越しですか?」
男「へ?ああ...明日にはね」
善子「そんな忙しそうなのに良かったんですか?」
-
男「ああ!大丈夫です!」
善子「ありがとうございます」
男「いいんですよ...」
RJ(あんな派手な花柄のスリッパ良くはけんな...)
男「すいません、私は2階で作業がありますからここで休んでいてください」
善子「はい!大変そうなのに申し訳ありません...」
男「いえいえ...」タッタッタ
RJ「おい、ギターのチューニング直しとけよ?」
善子「ああそうね...」
ボーン
善子「イイ人そうで良かったわ」
RJ「イイ人、ねえ...」
-
善子「ほら、またギター教えてよ!」
RJ「その前にほれ」ヒョイ
善子「何これ?」
RJ「サムピックってやつだ。良く考えればスライドバーを渡してたのにサムピックがないとなって」
善子「ふーん、ブルーズに必要なの?」
RJ「いや...手でもいいが俺に必要だ」
善子「良く意味わかんないけどもらっとくわ...」
RJ「じゃあリリーにブルーズでもあげてやれ」
善子「え?」
RJ「お前にブルーズを教えてくれたのはそいつだぜ?」
善子「...そうよね」
-
善子(リリーからしたら私が悪魔だものね...)
善子「...」スッ
キュイィィン!
善子「Oh, why did you leave me alone!」
善子「Mmm.I got a summer time lily blues!」
RJ(こいつ...もうここまでブルーズを...)
善子「Mmm, where are you now. Baby!」ポロポロ...
RJ「すごく...いいぜ?ヨハネ」
男「ど、どうしました!?」
善子「あ...ごめんなさい」
男「...何か辛い事でもありました?」
善子「いいえ、大丈夫です」
-
男「...お風呂入ります?」
善子「え?」
男「そこでしっかり泣いたら大丈夫です!」ニコッ
善子「あ、ありがとう...ございます」ポロポロ
〜
サーッ
善子「はあ...リリー...」
RJ「くよくよすんな。お前が望んだことだ...」
善子「ドアにいるのね...そうね私のせいね」
RJ「ああ...」
善子(リンスは...これね)
善子(うわ!椿のプレミアムリンス!やったね)
-
RJ「さてと...」
スッ
RJ (おっと...やっぱりか)
『静岡県でおきた婦女強姦殺人の犯人は現在も行方が...』
男「...くそっ」
ガチャ
善子「ふー...ありがとうございました...?」
『犯人は赤井玉雄、37歳で...』
善子「え?...え?」
男「...ちぃぃ!」スッ
ガッ
善子「キャアッ!?」バン
-
男「悪いな...死んでもらうぜ?」
善子「ちょっと!?むぐう...RJ...」
RJ「これもまたブルーズ...ってか」
男「いい顔してますねえ!ヤらせろよ!」スッ
善子「あっ...やぁ...ん!?」ゴソゴソ
男「中々可愛いなあ、嬢ちゃんいくつよ?」ゴソゴソ
善子「ああ!やん!」ブンブン
男「答えろよ!おら!」
RJ「気付くべきだったなあ!靴がない玄関に花柄のスリッパ。段ボールだらけの部屋もだし山道の裸足の足跡もな」
善子「!?」
男「ほら、いい声で泣けよ!なあ?」ゴソゴソ
-
男「ほうら...入れるぞ?」ゴソゴソ
善子「やあ!!RJ!!」
男「はあ?誰に向かっていってんだ?」
RJ「チッ、しゃあねーな...」
RJ 「サムピックをしっかり握れ!!そしてクロスロードと叫べ!!」
善子「!?」
男「はあはあ...いくぜ!?」ボロン
グッ
善子「クロスロード!!」
ブン
男「お前...何言って...?」
バキィ
RJ「おー生身は久々だな...」
RJ「テメエはヨハネのブルーズを奪う資格はねえんだよ」
-
#4 When You Got a Good Friend
男「いってえ!」ガシャ
RJ「走れ!善子!」
善子「う、うん!」ダッ
男「だ、誰だ!?お前なんかいなかっただろ!?」
バキィ
RJ「うるせえ、クソヤロウ」
RJ「善子を追おう」ダッ
男「ぐう...くそっ、逃がすか!?」
-
善子「はあっ!もうっ最悪!」
RJ「大丈夫か?」
善子「ロバート...どういうこと!説明しなさい!?」
RJ「バカか!今は逃げるぞ!」
善子「ふうっ!ふうっ!」ポチポチ
プルルルル...
善子「かかった!」
男「待て!メスガキ!」
善子「もうきた!?」
『こちら警察です』
善子「!すいません、今追われてて、殺人鬼です!」
-
『え!?現住所は!?」
善子「え!?えーと、伊豆半島の上あたりよ!」
『近くに目印かなにかは?』
男「くそっ!殺してやる!」
善子「ああ!もうダメ!」
ブチッ
RJ「このままじゃ埒空かねえぞ!」
善子「分かってるわよ!」
男「貴様、待て!」
RJ「仕方ねえ!山に入れ!」
-
善子「くっ!」キュッ
ダッダッダッ
ガサガサ
善子「うわっ見えない!」
RJ「真っ直ぐ進め!」
男「くそっ!山に入ろうが無駄だぞ!」
善子「ふうっふうっ」
男「どこだ!?待て!」
RJ「そこの穴に飛び込め!」
善子「はあっ!えい!」ダッ
ドサッ
-
善子「はあっ!はあっ!」
RJ「静かに!」
ザッザッ
男「くそっ!どこだ!?」
男「出てきやがれ!」
善子(早く行ってよ...!)
男「ふうっ、畜生!」ダッ
ザッザッ
善子「...行った?」
RJ「俺が見てこよう」
善子「え?」
-
RJ「お前はそこでじっとしとけ」
ザッ
RJ(チイッ、まだ遠くに行ってねえな)
男「くそっ、くそっ!」
男「どこに消えやがった?」ガサガサ
男「おっと、こっちは崖か...」
男「つまりはめられたか?」
RJ「まずっ!」ダッ
男「まだ山道の近くのはずだ!」
ダッダッダッ
RJ「善子!」
RJ「な、なんでいねえんだ!?」
-
善子「やっぱりギター取らなきゃ...」
ガサガサ
善子「ひっ!早く行かなきゃ!」ダッ
RJ「ヨハネ!!」ザッ
善子「!ロバート...」
ザッ
男「よお...やっとみつけたぜえ!」ダッ
善子「逃げなきゃ!」ダッ
男「坂道を登って行くってのはどんな気分だあ?」ダッ
善子「くぅぁ!」
-
待ってる
-
男「あと少し!」
善子「くっ...」
RJ「くそっ!」ブン
ガッ
RJ「当たったな...木の棒」
男「だ、誰だ!?」ブン
善子「今!」ダッ
男「あ!」
善子「開いて!」スッ
ガチャ
バン
カチャン
善子「これで時間が稼げる...」
-
善子「ギター!」ダッ
善子「あった!」
バンバンバン
善子「ひっ!?」
善子「何とかしなきゃ...」
男「くそっ、あいつ鍵閉めやがったな!」
善子「ここは給湯システムじゃなかったのね...」
善子「ここもどうせあいつの家じゃないでしょうね」
ゴソゴソ
善子「ゴミ...袋...」
ガサガサ
ゴトッ
-
善子「キャアアア!?手!?」
男「気付きやがった!?まだ開かねえのか!」バンバン
善子「ひっ...」
善子(殺される...殺らなきゃ...死ぬ!)
ダッ
善子(給湯じゃないということは...)
善子「あった!灯油」
善子(後は火を!)
バキィ
男「やっと...開きやがった...!」
男「奴は...殺す!」
-
善子「!?」
善子(開けたのね!でもこっちは火も見つけた!このライターで...)
男「2階か?」スッ
善子「...えいっ!」クルッ
ジャバア!
男「ぐあっ!?何だこれは!?」
シボッ
善子「...死になさい!」ヒュッ
ボォオオオ
男「ギャアアアアア!?」バンバン
善子「早く逃げなきゃ!」ダッ
善子(飛び降りても死にはしないでしょ!)
スッ
-
ドサッ
善子「いった〜!」
RJ「お前も無茶するねえ...」
善子「ロバート!」
RJ「ついてこい!」ダッ
善子「うん!」ダッ
男「に、逃がすかぁぁああああ!」ダッ
善子「ひっ!」
RJ「気にするな!走れ!」
男「ぬおおおおお!」
キラッ
RJ「!?」
RJ「横に避けろ!」スッ
善子「へ!?」
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善子「くっ!」スッ
男「あああああああああ!」ダッ
バン
男「!?」
『警察だ!赤井玉雄!婦女強姦殺人の容疑で逮捕する!』
男「な!?」
『こいつ、燃えてるぞ!?』
『そのまま取り押さえろ!』
男「くっ、くっそ!」ダッ
ガッ
『確保!手錠!』
男「くっ、離せええええええ!!!」
-
〜
善子「...はあ」
RJ「山の上で吸うタバコってのはうめえなあ...」
善子「なんで警察から逃げたの?」
RJ「てめえ、自分がなにしたのか覚えてるだろ?」
善子「う、うん...」
RJ「はあ...タバコ、いるか?」
善子「ヨハネは未成年よ?」
RJ「殺人未遂よりは軽いけど?」
善子「ふう...それもそうね...」スッ
シボッ
ハァアアア
善子「ロバート...あんた良いやつね。さすが私のデビルだわ」
RJ「そりゃどーも...」
善子「これも...ブルーズ?」
-
待ってる
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あく
"
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