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善子「私と悪魔のブルーズ」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 22:22:29 77c8XgQs
書き溜めはないのでごゆるりと
無茶苦茶設定があります


"
"
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 22:33:57 77c8XgQs
#1『Crossroad Blues』

私達Aqoursは三年生が卒業して解散していて...それでもみんな音楽が好きだから時々音楽室に集まってはリリーや千歌さんの歌を聞いたりしていた。

善子「二人ともさすがに上手くなったわね」

花丸「失礼ずらよ」

今日も変わらない日常、その一つに過ぎなかった......

梨子「ごほっ、ごほっ」

千歌「どーしたの!?風邪?」

梨子「最近よくあるの...でも大丈夫よ」

善子「ふうん、風邪ね」

ルビィ「伴奏無くなっちゃうね」

梨子「だ、大丈夫だってば。歌お?」

ポロンポロン...

梨子「ごほっ、ごほっ」

曜「無理しちゃダメだよ!」


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 22:39:54 77c8XgQs
梨子「そ、そうね......今日は早引けするわ」

千歌「お大事にね?絶対だよ!」

梨子「何を絶対?」

曜「とにかく安静に、ね?」

梨子「ええ......」

善子「...」



善子「確か...ここに」ガサゴソ

善子「あった!」

善子「埃被ってるけど...使えるわね、このギター」

バンバン

善子「少しは...ましね」

善子「中学2年で衝動買いしたギターだけど...」

善子「Fはよかったけど、Bが押さえられずにやめちゃったのよね」


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 22:52:12 77c8XgQs
善子「少しは...弾けるわよね...」



千歌「アハハハハハ!やめてよ善子ちゃん!」

善子「ヨハネよ!」ボローン

花丸「でも下手ずらよ」

善子「むー!」ボローン

梨子「よ、善子ちゃん?もう大丈夫だから。うん、ありがと」

ルビィ「よ、善子ちゃんは頑張ってるよ!」

千歌「そういうルビィちゃんも笑うのすごい我慢してるじゃん!」

ルビィ「うう...」

善子「ヨハネよ!み、見てなさい!弾けるようになってやるから!」ダッ

バン


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 22:56:46 77c8XgQs
曜「い、言い過ぎだよ。みんな...フフ」

梨子「ギターかあ...カッコいいなあ」

千歌「弾けたらね?」

梨子「...ごほっ」



善子「むきー!なによ、みんなして!」

善子「しかしさすがに今の腕で伴奏は無理ね...」

善子「上手くなる方法、ないかなあ?」

善子「ちょっと調べてみよ...」カタカタ

善子「...なるたけ早いほうがいいわね」

善子「えーと、『ギター 上達 早い』っと」

善子「ビミョーね...」


"
"
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:01:55 77c8XgQs
善子「し、調べ尽くしてやろうじゃない!」カタカタ



善子「はあ、ろくなサイトがないわね...」

善子「もう11時半...そろそろ来なさいよ!」カタカタ

スッ

善子「あら?このサイト、URL が無いわね...」

カチッ

『Crossroad 』

善子「クロスロード?」

パッ

善子「きゅ、急に画面が暗転...」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:10:12 77c8XgQs
『Where are you from?』

善子「ど、どこから?ええと日本...」

善子「これを選択して...」カチッ

パッ

善子「また画面が!」

『夜、一人で十字路へ行き膝を追って演奏する。どんな曲でも構わない。すると後ろから大きな者に話しかけられギターを取られる。調律をしてその者が1曲演奏する。終わればギターが返される』

善子「な、何これ...」

ガッ

善子「も、物は...試しよ...」

善子「ま、間に合うかな」ガチャ

バタン...

プッ

『ようこそ、『ブルーズ』の世界へ...』


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:17:28 77c8XgQs
タッタッタ...

善子「この交差点でいいかしら...」

善子「人も来なさそうだしちょうどいいわ」

善子「リトルデーモン召喚儀よ!」

ボローンジャラーン



善子「ふう...」キョロキョロ

善子「はあ〜やっぱりガセね。もう」

善子「クロスロードなんて知らないわよ!」ボローン

善子「もう!なんか!もっと!面白いこと!ないの!?」ジャラーン

グオッ

善子「...はあ。帰りましょ」

パシッ


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:23:58 77c8XgQs
善子「え?」

「よお、さっきのなんて曲だ?」

善子「嘘!何!?」

「ちょいちょい!ビビりすぎだぞ!」

善子「だ、誰?」

「あー...俺は...」

『Robert Johnson』

善子「へ、へえ...」

善子(が、外国人?旅行者かしら?)

RJ「それとさ、ギター下手すぎんだろ?」

善子「な!し、失礼ねえ!」

善子「こ、これからよ!これから上手く...」

RJ「あーご託はいいから。あーあチューニングも狂わして...」ガッ


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:28:31 77c8XgQs
善子「ちょっと!何!?」

RJ「貸せ、ほら」グッ

善子「あ...」

RJ「ふうん、いいギターだな?」ジャラーン

善子「返してよ!旅の人!」

キュイィィン!

善子「へ?」

RJ「I went to the crossroad. Fell down on my knees!」

善子(す...)

ジャラーン!

善子(すごい!!)


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:34:07 77c8XgQs
RJ「ふう...」

善子「...」

RJ「あん?どした?」

善子「...すごい」

RJ「ふ、そりゃどーも」

善子「...教えて!ギター!」

RJ「は!?いきなり!?」

善子「そ、そのジャンル...えーと何て言うの?」

RJ「今のか?...ブルーズだ」

善子「『ブルーズ』......」

RJ (こいつクロスロードで来たんだよな?)

善子「ほら、教えなさいよ!」

RJ「まてこら!えーと名前は?」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:42:04 77c8XgQs
善子「あれ?私?」

善子「ヨハネよ!」

RJ「ヨハネ?お前イタリア人か?」

善子「違うわ!日本人よ」

RJ「日本人?あーサムライ?それぐらいしか知らねえ」

善子(観光じゃないの?)

RJ「それと俺が教えられるのはギターの弾き方だけだ」

善子「どういうこと?ブルーズは?」

RJ「あれは教えられるもんじゃない...」

善子「何それ!教えなさいよ!」


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:52:29 77c8XgQs
RJ「あのなあ...ブルーズってのはなあ教えられるもんじゃないだよ」

善子「?」

RJ「これはサンの...俺の師匠の受け売りだが...」

RJ「ブルーズは俺の中にも、ええと、ヨハネ?の中にもある」

RJ「それをつかんで...表現するだけだ」

善子「い、意味わかんないんだけど...」

RJ「すぐに...すぐに分かるさ」

RJ「まずてめえはギターの弾き方すらなってねえからな。そこからだ」

善子「むきー!すぐに!教えなさいよ!」

RJ「へいへい...」

ジャラーン

RJ「ちげえ!そうじゃねえ!聞いてたのかタコ!」

善子「ちょ...」

善子(き、厳しすぎるわよ!)


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/04(水) 23:59:39 77c8XgQs


RJ「ふう...お前時間は?」

善子「え?」スッ

5:30am

善子「嘘!?早く帰らなきゃ!」

RJ「あーそういえば...お前、何のためにギター弾くんだ?」

善子「リリーの変わりよ!」

RJ「リリー?」

善子「友達よ!」

善子「あ、ありがとう!旅の人!日本語上手いわね?」

タッタッタ...

RJ「あいつ...英語喋ってなかったのか...」

RJ「友達ねえ...」ニヤ


RJ「お前の絶望(ブルーズ)はこれからだよ、ヨハネ」


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/05(木) 19:38:46 mncBbx6g
続き気になる


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/05(木) 23:35:26 AHeBsmSk
しおりエクスペリエンスみたいだな
ロバートジョンソンも27クラブだし


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 01:35:13 Qx4bv626
#2 Me and Devil Blues

チュンチュン

善子「結局寝れなかったわね...」

善子「昼休みには音楽室で練習しましょ」

ガラ

善子「あら?誰も...いない?」

善子「音楽室に行ってみよ」

タッタッタ

善子「いない...」

善子「もしかして今日休校日!?それなら不幸だわ...」

善子「なら...」ガッ

キュイィィン!

ガッ

ジャラーン!


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 01:38:45 Qx4bv626
鞠莉「ん...?」

鞠莉「ミュージックルーム?」ガラ

鞠莉「!?」

善子「あら?鞠莉さん!?アメリカの大学に...」

鞠莉「な、何で!?」ガッ

バタン

善子「ええ?行ったわね...」

善子「どうしたのかしら...」

ドタドタ...

善子「...騒がしいわね...?」

バアン!


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 01:42:53 Qx4bv626
ルビィ「善子ちゃん!?」

善子「ヨハネよ!」

花丸「善子ちゃん!何してたずら!?」

善子「はあ?」

善子母「善子!」

善子「お母さん!?どうしてここに...」

パアン!

善子「...へ?」ヒリヒリ

善子「あんたどこにいたのよ!?」

善子「どういう...」

ルビィ「ルビィ達探し回ったんだよ?それで...」


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 01:48:22 Qx4bv626
善子母「今は私が話しています!!」

ルビィ「!...ごめんなさい」

バタバタ

曜「ホントにいた...」

善子「みんな揃って何よ?卒業生まで...」

善子母「この半年...私達はあなたを探し回りました...」

善子「は?半年...?」

善子母「どこかで事故に遭ったんじゃないか...夜どこかで暴漢に遭ったんじゃないか...」

善子母「探し...回ったのよ?」ポロポロ...

善子「な、何いってんのよ!私は昨日夜に少しだけ十字路にいただけよ!」

善子「確かに...帰る時間は遅くなったけど、半年なんて...」

ガッ


21 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 01:57:49 wJqhAmSs
善子「ちょっと!果南さん!?」

果南「外を見なよ...」

ダイヤ「果南さん!乱暴は!」

果南「今はもう9月...」

善子「え...」

果南「世間じゃ秋って言うんだよ?」

善子「そんな...何で...」

千歌「...何ではこっちのセリフだよ...」

善子「ち、千歌さん...?」

千歌「何で!梨子ちゃんの墓にも行かなかったの!?」

善子「は、墓...」


22 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 02:03:08 wJqhAmSs
千歌「梨子ちゃん...死んじゃったよ。肺の何かで...善子ちゃんはそんなのも知らんぷりだったなんて!」

善子「リリーが...死んだ?」

善子母「...親として...言ってはいけないのでしょうけど...」

善子母「何であなたじゃなく...梨子さんが死んだんでしょうね...?」

善子「お...母さん?」

ダッ

善子「お母さん!」

花丸「流しのアーティスト気取りだったの?」

善子「違っ!私はリリーのために...」

花丸「こんな子を...本気で心配しちゃった...丸はいけない子ずら」

善子「ちょっと...何言って...」

花丸「もう2度と顔見せないで!!」


23 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 02:06:57 wJqhAmSs


善子「どういうことなの...?」

善子「曜さんからの地図は...」

善子「墓地...か...」

ザクザク...

善子「ここね...」

『桜内家の墓』

善子「リリー...」

RJ「調子は?」

善子「!?あんたは!」

RJ「代償だからな。これがブルーズだ」

善子「何...いってんのよ!」ガッ


24 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 02:11:22 wJqhAmSs
善子「あんた、私とリリーに何したわけ!?」

RJ「掴むなよ。お前はブルーズを知りたがった。だから教えた」

善子「半年って何!?どうなってんの!?」

RJ「んー...ちょっとお前。ブルーズ弾いてみろ」

善子「何言って...」

RJ「いいから。ほれ」スッ

善子「...ふん!」チャッ

キュイィィン!

ジャッ!ガッ!

RJ「まだ気付かないのか?」

善子「は?」


25 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 02:16:06 wJqhAmSs
RJ「お前、いつから...」

RJ「そんなにギター上手くなったんだ?」

善子「え......?」

RJ「ギターっつうのは...」

RJ「五時間ぽっちで上手く弾けんのか?」

善子「あ...あ...」

RJ「そういうこった。つまり...」


RJ「俺がクロスロードで降りてきた悪魔だってわけだ」

善子「クロス...ロード...」

RJ「俺は悪魔だ。今になっちゃあな。だから教えるには代償がいる」


26 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 02:23:19 wJqhAmSs
善子「リリー...」

RJ「そうだ。お前はあの時何のためにギターをひくかという問いにリリーと答えた」

RJ「ブルーズってのはなあ...大事なものをなくし、悲しみの淵に立たされたものしか歌えない。いわば救いの叫びだ」

RJ「お前が大事だった親友はいない。これがブルーズを知るってことだ」

善子「や...止めてよ...嘘だと...」

RJ「逃げるな」

善子「...」

『善子ちゃんみたいにカッコよくなりたいなあ』

『善子ちゃんと同じユニット!頑張っていこうね!』

『ありがとう、善子ちゃん...』

善子「り、リリー...」フラッ

バタン

RJ「うおっと!?ヨハネ、何も倒れるこたあねえだろうが...」


27 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 02:27:44 wJqhAmSs


善子「...ここは...?」

RJ「気付いたか...」

善子「!まだいるの!?」

RJ「俺はお前が死ぬまで離れられない。今までもそうだった」

善子「...悪魔」

RJ「そうさ?俺は悪魔だ」

善子「...どうすりゃ良いのよ...」

RJ「捨てろ」

善子「は?」

RJ「全てを捨てて、ここを去るぞ」

善子「何言ってんのよ!そんなこと...」

RJ「しなきゃならない。お前はもうブルーズマンだからだ」


28 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/06(金) 02:36:30 wJqhAmSs
善子「...なら」

善子「...質問があるわ、悪魔」

RJ「悪魔だが悪魔って呼ぶのはやめろ。ロバートかRJで呼べ」

善子「...ロバート。私以外でクロスロードの儀をしたのは過去にいたの?」

RJ「ああ。死ぬほどいたぜ?大体の奴は俺らが出てこずにのたれ死んだがな」

善子「!?」

RJ「クロスロードは覚悟を持ったやつの物だ。失敗は死だ」

RJ「お前は運良く俺と組めた。ありがたいと思え」

善子「ちょっと待って。あなたさっき俺らって言ったわね?つまり悪魔は複数?」

RJ「...ゆくゆく会えるさ」サッ

善子「ちょっと待って!置いてかないで!」タッタッタ


RJ「他の悪魔ねえ...『ウィリー』は元気にしてんのかね...?」


29 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 00:06:25 QI6xdnbE
#3 Walking Blues

善子「それで?どこに行くの?」

RJ「は?んなもんしるか」

善子「ちょっと!無責任でしょ!」

RJ「決められて行くもんでもねえよ」

善子「...じゃあ、まずは東京にでもいくかしらね」

RJ「どっちだ?」

善子「東よ」

RJ「ふーん...」

善子「じゃあ携帯...も時間の問題ね...」

RJ「なんだそりゃ?」


30 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 00:13:37 QI6xdnbE
善子「スマートフォンってやつよ...」

善子「そういえばさ?あなたって実在?」

RJ「ああ?当たり前だろ」

善子「ふーん...」ポチポチ

RJ「何してんだ?」

善子「ちょっと、ね」

善子「あった。ロバートジョンソン...」

RJ「あら?俺って有名人?」

善子「みたいね...『ロバートリロイジョンソンは1911年生まれで1938年死んだ伝説的ブルーズマン』」

RJ「なんか照れるな...」

善子「あんた27歳でしんでんのね...若いわね」


31 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 00:19:33 QI6xdnbE
RJ「くっくっく...」

善子「どうしたの?」

RJ「いいや、なんでも。それより俺の事はいいから早く行こうぜ。その...トーキョーとやらに」

善子「分かったわよ...」



善子「さすがに...疲れた...」

RJ「まだ3時間しか歩いてねえぞ?」

善子「3時間も!よ!」ドカッ

善子「ふー石があってよかったわ...」

RJ「おい、こういうときこそ、だろ?」

善子「ん?あー...そうね!」

ガチャ


32 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 00:26:03 QI6xdnbE
キュイキュイ...

ジャラーン!

キュイィィン!ガッ!

善子「I woke up this morning, feeling round for my shoes!」

RJ「良いね〜...」

善子「ふー...」

RJ「上等だな」

善子「ありがと。ってこのために私はリリーを...」

RJ「それ以上言うな。いいな?」

善子「うん...」

RJ「今ここは?」


33 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 00:36:45 QI6xdnbE
善子「えーと、伊豆半島のうえ...まだまだ先ね...」

RJ「へえ...夜は野犬が出るからな、気を付けろよ」

善子「いつの時代よ...」

善子「でも確かにどこで寝ようかしら?」

RJ「野宿に決まってんだろ?」

善子「イヤよ!?考えられないわ!」

RJ「はあ...ならあそこに光があるぜ?」

善子「こんなど田舎に民家!?ありがたいけど...」

RJ「決まりだな」

善子「そうね、イイ人であることを祈るわ」ザッ


34 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 01:32:35 QI6xdnbE
RJ「そうだな」

『現在のニュースです。静岡県静岡市において...』

ザクザク...

善子「結構山道ね...」

RJ(裸の...足跡?)

善子「ふう!着いた!」

RJ「さっそく呼べよ」

善子「意外としっかりとした家ね...」

ピンポーン...

善子「...いないのかしら」

ガチャ

男「はい?どちら」


35 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 01:39:39 QI6xdnbE
善子(わ!意外とカッコいい...)

RJ (...)

善子「す、すいません。今日1日泊めてくれると嬉しいんですが...」

男「はあ...あっ!少しお待ちを...」パタン

善子「あっ...」

善子「まあ、普通の人だったわね」

RJ「ほーん...」

ガチャ

男「すいません!どうぞ!」

善子「え?いいんですか?」

男「ええ!もちろんですよ...」


36 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 01:48:56 QI6xdnbE
善子「やった!」

男「ギターですか、それ?持ちますよ?」

善子「ありがとうございます!...あれ?右手に怪我が」

男「ああ大した事はないですよ、どうぞ」

善子「お邪魔します!」

RJ(日本人ってのは家にはいんのに靴脱ぐのか...)

RJ(他の...靴は?)

善子「段ボール多いですね?引っ越しですか?」

男「へ?ああ...明日にはね」

善子「そんな忙しそうなのに良かったんですか?」


37 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 01:59:53 QI6xdnbE
男「ああ!大丈夫です!」

善子「ありがとうございます」

男「いいんですよ...」

RJ(あんな派手な花柄のスリッパ良くはけんな...)

男「すいません、私は2階で作業がありますからここで休んでいてください」

善子「はい!大変そうなのに申し訳ありません...」

男「いえいえ...」タッタッタ

RJ「おい、ギターのチューニング直しとけよ?」

善子「ああそうね...」

ボーン

善子「イイ人そうで良かったわ」

RJ「イイ人、ねえ...」


38 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 02:05:28 QI6xdnbE
善子「ほら、またギター教えてよ!」

RJ「その前にほれ」ヒョイ

善子「何これ?」

RJ「サムピックってやつだ。良く考えればスライドバーを渡してたのにサムピックがないとなって」

善子「ふーん、ブルーズに必要なの?」

RJ「いや...手でもいいが俺に必要だ」

善子「良く意味わかんないけどもらっとくわ...」

RJ「じゃあリリーにブルーズでもあげてやれ」

善子「え?」

RJ「お前にブルーズを教えてくれたのはそいつだぜ?」

善子「...そうよね」


39 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 02:12:29 QI6xdnbE
善子(リリーからしたら私が悪魔だものね...)

善子「...」スッ

キュイィィン!

善子「Oh, why did you leave me alone!」

善子「Mmm.I got a summer time lily blues!」

RJ(こいつ...もうここまでブルーズを...)

善子「Mmm, where are you now. Baby!」ポロポロ...

RJ「すごく...いいぜ?ヨハネ」

男「ど、どうしました!?」

善子「あ...ごめんなさい」

男「...何か辛い事でもありました?」

善子「いいえ、大丈夫です」


40 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 02:20:31 QI6xdnbE
男「...お風呂入ります?」

善子「え?」

男「そこでしっかり泣いたら大丈夫です!」ニコッ

善子「あ、ありがとう...ございます」ポロポロ



サーッ

善子「はあ...リリー...」

RJ「くよくよすんな。お前が望んだことだ...」

善子「ドアにいるのね...そうね私のせいね」

RJ「ああ...」

善子(リンスは...これね)

善子(うわ!椿のプレミアムリンス!やったね)


41 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 02:26:55 QI6xdnbE
RJ「さてと...」

スッ

RJ (おっと...やっぱりか)

『静岡県でおきた婦女強姦殺人の犯人は現在も行方が...』

男「...くそっ」

ガチャ

善子「ふー...ありがとうございました...?」

『犯人は赤井玉雄、37歳で...』

善子「え?...え?」

男「...ちぃぃ!」スッ

ガッ

善子「キャアッ!?」バン


42 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 02:35:20 QI6xdnbE
男「悪いな...死んでもらうぜ?」

善子「ちょっと!?むぐう...RJ...」

RJ「これもまたブルーズ...ってか」

男「いい顔してますねえ!ヤらせろよ!」スッ

善子「あっ...やぁ...ん!?」ゴソゴソ

男「中々可愛いなあ、嬢ちゃんいくつよ?」ゴソゴソ

善子「ああ!やん!」ブンブン

男「答えろよ!おら!」

RJ「気付くべきだったなあ!靴がない玄関に花柄のスリッパ。段ボールだらけの部屋もだし山道の裸足の足跡もな」

善子「!?」

男「ほら、いい声で泣けよ!なあ?」ゴソゴソ


43 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/07(土) 02:43:38 QI6xdnbE
男「ほうら...入れるぞ?」ゴソゴソ

善子「やあ!!RJ!!」

男「はあ?誰に向かっていってんだ?」

RJ「チッ、しゃあねーな...」

RJ 「サムピックをしっかり握れ!!そしてクロスロードと叫べ!!」

善子「!?」

男「はあはあ...いくぜ!?」ボロン

グッ

善子「クロスロード!!」

ブン

男「お前...何言って...?」

バキィ

RJ「おー生身は久々だな...」


RJ「テメエはヨハネのブルーズを奪う資格はねえんだよ」


44 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/09(月) 23:36:00 KxNafgbg
#4 When You Got a Good Friend

男「いってえ!」ガシャ

RJ「走れ!善子!」

善子「う、うん!」ダッ

男「だ、誰だ!?お前なんかいなかっただろ!?」

バキィ

RJ「うるせえ、クソヤロウ」

RJ「善子を追おう」ダッ

男「ぐう...くそっ、逃がすか!?」


45 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/09(月) 23:41:22 KxNafgbg
善子「はあっ!もうっ最悪!」

RJ「大丈夫か?」

善子「ロバート...どういうこと!説明しなさい!?」

RJ「バカか!今は逃げるぞ!」

善子「ふうっ!ふうっ!」ポチポチ

プルルルル...

善子「かかった!」

男「待て!メスガキ!」

善子「もうきた!?」

『こちら警察です』

善子「!すいません、今追われてて、殺人鬼です!」


46 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/09(月) 23:46:54 KxNafgbg
『え!?現住所は!?」

善子「え!?えーと、伊豆半島の上あたりよ!」

『近くに目印かなにかは?』

男「くそっ!殺してやる!」

善子「ああ!もうダメ!」

ブチッ

RJ「このままじゃ埒空かねえぞ!」

善子「分かってるわよ!」

男「貴様、待て!」

RJ「仕方ねえ!山に入れ!」


47 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/09(月) 23:53:21 KxNafgbg
善子「くっ!」キュッ

ダッダッダッ

ガサガサ

善子「うわっ見えない!」

RJ「真っ直ぐ進め!」

男「くそっ!山に入ろうが無駄だぞ!」

善子「ふうっふうっ」

男「どこだ!?待て!」

RJ「そこの穴に飛び込め!」

善子「はあっ!えい!」ダッ

ドサッ


48 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/10(火) 00:03:18 SyT5s9e.
善子「はあっ!はあっ!」

RJ「静かに!」

ザッザッ

男「くそっ!どこだ!?」

男「出てきやがれ!」

善子(早く行ってよ...!)

男「ふうっ、畜生!」ダッ

ザッザッ

善子「...行った?」

RJ「俺が見てこよう」

善子「え?」


49 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/10(火) 00:08:55 SyT5s9e.
RJ「お前はそこでじっとしとけ」

ザッ

RJ(チイッ、まだ遠くに行ってねえな)

男「くそっ、くそっ!」

男「どこに消えやがった?」ガサガサ

男「おっと、こっちは崖か...」

男「つまりはめられたか?」

RJ「まずっ!」ダッ

男「まだ山道の近くのはずだ!」

ダッダッダッ

RJ「善子!」

RJ「な、なんでいねえんだ!?」


50 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/10(火) 00:12:11 SyT5s9e.
善子「やっぱりギター取らなきゃ...」

ガサガサ

善子「ひっ!早く行かなきゃ!」ダッ

RJ「ヨハネ!!」ザッ

善子「!ロバート...」

ザッ

男「よお...やっとみつけたぜえ!」ダッ

善子「逃げなきゃ!」ダッ

男「坂道を登って行くってのはどんな気分だあ?」ダッ

善子「くぅぁ!」


51 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/10(火) 21:29:02 ibmrmOQU
待ってる


52 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/13(金) 23:19:57 xwmVHmAI
男「あと少し!」

善子「くっ...」

RJ「くそっ!」ブン

ガッ

RJ「当たったな...木の棒」

男「だ、誰だ!?」ブン

善子「今!」ダッ

男「あ!」

善子「開いて!」スッ

ガチャ

バン

カチャン

善子「これで時間が稼げる...」


53 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/13(金) 23:23:15 xwmVHmAI
善子「ギター!」ダッ

善子「あった!」

バンバンバン

善子「ひっ!?」

善子「何とかしなきゃ...」

男「くそっ、あいつ鍵閉めやがったな!」

善子「ここは給湯システムじゃなかったのね...」

善子「ここもどうせあいつの家じゃないでしょうね」

ゴソゴソ

善子「ゴミ...袋...」

ガサガサ

ゴトッ


54 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/13(金) 23:26:21 xwmVHmAI
善子「キャアアア!?手!?」

男「気付きやがった!?まだ開かねえのか!」バンバン

善子「ひっ...」

善子(殺される...殺らなきゃ...死ぬ!)

ダッ

善子(給湯じゃないということは...)

善子「あった!灯油」

善子(後は火を!)

バキィ

男「やっと...開きやがった...!」

男「奴は...殺す!」


55 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/13(金) 23:30:02 xwmVHmAI
善子「!?」

善子(開けたのね!でもこっちは火も見つけた!このライターで...)

男「2階か?」スッ

善子「...えいっ!」クルッ

ジャバア!

男「ぐあっ!?何だこれは!?」

シボッ

善子「...死になさい!」ヒュッ

ボォオオオ

男「ギャアアアアア!?」バンバン

善子「早く逃げなきゃ!」ダッ

善子(飛び降りても死にはしないでしょ!)

スッ


56 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/13(金) 23:34:37 xwmVHmAI
ドサッ

善子「いった〜!」

RJ「お前も無茶するねえ...」

善子「ロバート!」

RJ「ついてこい!」ダッ

善子「うん!」ダッ

男「に、逃がすかぁぁああああ!」ダッ

善子「ひっ!」

RJ「気にするな!走れ!」

男「ぬおおおおお!」

キラッ

RJ「!?」

RJ「横に避けろ!」スッ

善子「へ!?」


57 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/13(金) 23:38:25 xwmVHmAI
善子「くっ!」スッ

男「あああああああああ!」ダッ

バン

男「!?」

『警察だ!赤井玉雄!婦女強姦殺人の容疑で逮捕する!』

男「な!?」

『こいつ、燃えてるぞ!?』

『そのまま取り押さえろ!』

男「くっ、くっそ!」ダッ

ガッ

『確保!手錠!』

男「くっ、離せええええええ!!!」


58 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/13(金) 23:43:14 xwmVHmAI


善子「...はあ」

RJ「山の上で吸うタバコってのはうめえなあ...」

善子「なんで警察から逃げたの?」

RJ「てめえ、自分がなにしたのか覚えてるだろ?」

善子「う、うん...」

RJ「はあ...タバコ、いるか?」

善子「ヨハネは未成年よ?」

RJ「殺人未遂よりは軽いけど?」

善子「ふう...それもそうね...」スッ

シボッ

ハァアアア

善子「ロバート...あんた良いやつね。さすが私のデビルだわ」

RJ「そりゃどーも...」


善子「これも...ブルーズ?」


59 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/01/19(木) 12:03:22 aJNxk1XM
待ってる


60 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/02/04(土) 11:58:00 sSTCUXck
あく


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