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三本の剣
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剣士「参りました、王」ザッ
王「おぉ、待っておったぞ。国一番の剣士と名高い君に折り入って頼みがある」
剣士「王直々に、ですか。お聞きましょう」
王「うむ。既に周知のことだが、北の大陸に魔王が現れた。西、東、南の大陸には魔王の配下が送り込まれ、混乱の最中にあるという」
王「そこで君に魔王討伐を頼みたい。伝説に名を残す二本の名剣を取り寄せた。承けてくれるのであれば、好きなほうを与えよう」
剣士「真で御座いますか!? それは……慎んでお受けします」
王「そう言ってくれると思っておったよ。持ってまいれ」
大臣「はっ」
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大臣「まずはこちら。女神より初代勇者に授けられたという黎明の剣だ」
剣士「おぉ……」
大臣「守人の一族によって聖なる祠で厳重に管理されておったものだ。当代の管理者も呼んでいる。これ、ここに」
守人「……」スッ
剣士「このような少女が?」
大臣「勇者の血を引く者達でもある。並みの者では相手にならんよ。黎明の剣を選ぶなら、彼女を供につけよう」
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衛兵A「役得だなぁ、あんなかわいこちゃんと旅してぇ」
衛兵B「でも何か暗くね? 短い旅路でもないんだし、気が滅入りそうじゃね?」
守人「……」グスン
大臣「貴様ら、無駄口を叩くな!」
衛兵AB「ウーッス」
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大臣「そしてこちらが大地の剣。我が国の大博物館に展示されていたものゆえ、見たことがあるやも知れんな」
大臣「七代目の勇者が地下世界を救った際、ドワーフ達が技術の粋を注いで鍛えあげ、勇者に贈ったとされるものだ」
剣士「武骨ではありますが、美しい刃ですね」
大臣「こちらを選ぶ場合、大博物館の館長が補佐をしてくださるそうだ。王族の血を引く御方ゆえ、粗相のないように」
館長「よろしくお願い致します」ペコリ
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衛兵A「二十歳過ぎたらBBAだよな」
衛兵B「えっ、俺は全然いけるわ。知的なクールビューティー最高ッス」
館長「……」ジロリ
大臣「貴様ら……」
衛兵AB「サーセン」
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大臣「さて、好きなほうを……」
大男「ちょーっと待ったぁ!」バーン
衛兵A「賊だ! 殺せ!」ビュッ
衛兵B「アイヨー」ビュッ
大男「甘いわぁ!」ガキィン
衛兵AB「なんとぉ!?」バッ
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王「待て、覚えがある顔だ。工房の元締めだったか?」
親方「へぇ、その通りでさ。なんでも次代の勇者様のために剣を用意したとかって小耳に挟みやしてね」
大臣「その通りだが……なんだ、工房でも用意してきたとでもいうのか?」
親方「まさに! このときを爺さんの代から待ち望んでたんでさ。おい、赤毛。持ってこい!」
赤毛「へい、親方!」ガラガラ
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衛兵A「かわいこちゃんキター」
衛兵B「色気のない格好なのに高露出……そして褐色、イエスだね!」
赤毛「へへっ」テレテレ
大臣「貴様ら減俸だからな」
衛兵AB「そんなー」
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剣士「この剣は……随分大振りだな。私に扱えるだろうか」
親方「へっ、伝説の二振りに遜色ない逸品……いや、新たな伝説になる剣だと、胸を張って言えるぜ!」
赤毛「メンテナンスもしないとですし、そいつを選んでくれるんならアタシがついていきますよっ」
剣士「三択か……さて、どうする……?」
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・黎明の剣
世界樹の若木に女神が祝福を施し、剣にしたもの。
年端もいかない少年に、人類の絶望を打ち破る力を与えた剣。
勇者の系譜はこれより始まった。
・大地の剣
質実剛健を旨とするドワーフ族が手掛けただけあって、飾り気はない。
が、切れ味の鋭さ、重量、硬度といった、およそ剣に求められるあらゆる要素が理想的なバランスで仕上がっている。
当時の魔王は海を割り地を裂く魔剣を振るったとされるが、それと真っ向から打ち合っても刃こぼれ一つない珠玉の逸品。
・親方の剣
王国領に流通する武器の製造を一手に引き受ける工房で、元締め一族が代々改良を続けてきた剣。
一見して大剣と呼べるほどのサイズ以外に特筆すべき点はない。
なお、選ばれなかった剣は剣士以外が使うことになります。
>>15迄、多数決。同率一位になれば次の票が入るまで延長。
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親方の剣
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三本目が気になるところではあるが、おにゃのこ付きとあっちゃ剣よりおにゃのこで選ぶしかない
黎明の剣
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黎明の剣
絶望を打ち破る剣とはまさに希望だね
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新たな伝説のために
親方の剣
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むしろ親方の剣(意味深)
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だと思ってたけど大地の剣ェ……
BBAがアカンのか、派手さのない設定がアカンのか……
んじゃ続きはまた後日に。
アンケへのご参加サンキューやで、初SSだもんで何かヘマやらかしたら遠慮なく突っ込んでくれるとありがたい。
一応コテ鳥つけとくよ。
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大地の剣から香る脇役感
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剣士「……これだ」っ 親方の剣
親方「おっ」
大臣「そうか。ではお二人には申し訳ないが」
守人「……いえ」
館長「仕方ありませんわ。剣士様の旅の幸運を祈ります」
王「では行くがいい、剣士……いや、勇者よ!」
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衛兵A「他の剣は返品かー」
衛兵B「わざわざ来てもらったのになー」
大臣「いや、剣士殿一人に任せるわけにもいかん。敵は魔王だけではないのだ」
衛兵A「あー、西、東、南の大陸のことスね」
衛兵B「つか剣士の兄さん、いきなり北の大陸に乗り込むんスかね」
大臣「占術師に動向を見てもらう。お前達には剣士殿の穴埋めをしてもらうとしよう」
衛兵A「だってよ、衛兵B」
衛兵B「だってよ、衛兵A」
衛兵AB「……はぁ!?」
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少女「遅かったか!」バーン
衛兵A「賊だ! 殺せ!」ビュッ
衛兵B「それ姫様ー!?」ガキィン
姫「無礼者め。して、父上。もう勇者様は旅立たれたのか!」
王「う、うむ……しかし何故お前がここに。執事と商業区の視察に行っていたはずでは」
姫「ギックリ腰で立ち往生しおったわ」
王「おぉ……」
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姫「ん、いい剣だな。一つもらうぞ」ヒョイ
守人「っ」
大臣「ひ、姫様!? なりません、貴女は次代の王となる身なのですよ!」
姫「どのみち魔王を討ち果たさねば次代もジェダイもないわ!」ズカズカ
守人「あっ、あっ……待って……っ」
衛兵A「折角お転婆姫遠ざけてたのにオジャンだよ」
衛兵B「面白くなって参りました」
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王「そこな二人」
衛兵AB「ウス」
王「大地の剣を授ける。剣士殿と姫の動向が分かり次第、空いている大陸に向かうように」
衛兵A「二人で一本スか?」
館長「手の空いている側には、私が魔術の手ほどきをして差し上げます」
衛兵B「夜の手ほどきもお願いしたいにゃー」
館長(鋭い前蹴り)ドグチァ
衛兵B「」
衛兵A「ヒェ……」ガタガタジョバー
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親方の剣――
剣士「改めてよろしく頼む。……赤毛さん、だったかな」
赤毛「呼び捨てでいいスよ、勇者様。しっかしよくこいつを選んでくれましたねー」
剣士「勇者様はよしてくれ……」
剣士「伝説の剣に惹かれなかったわけじゃないが……新たな伝説になる剣、だなんて言われちゃな」ハハハ
赤毛「へへっ、期待しといてください。過去の伝説がなんぼのもんですか、最新型が負けるわけないスよ!」
剣士「あぁ、使いこなしてみせるさ」
赤毛「ところでいきなり北の大陸に切り込んでいくんスか?」
剣士「一刻も早く魔王を倒したいのは確かだが……大剣の扱いは不慣れだからね」
剣士「一つ大陸を経由して馴染ませてから挑もうと思う。さしあたり私の故郷、東の大陸に向かおうかと」
赤毛「了解ス!」
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黎明の剣――
姫「さっきからチョコチョコと。何か言いたいことがあるの?」
守人「そ、その剣の管理を任されてる。放ってはおけないっ」
姫「そ。だったら見届けるがいいわ。後世に語り継がれるこの私の叙事詩をね!」
姫「……ところで管理されるような曰く付きの剣なの、これ」
守人「曰く付きじゃない……伝説に謳われる、黎明の剣」
姫「へぇ! いいじゃない、勇者様と合流するつもりだったけど止めにするわ」
守人「えっ……」
姫「かつて魔王を倒したこの剣、再び魔王の血を吸わせてくれるわー!」ドドド
守人「ま、待って……! そっち、西……!」タタタ
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大地の剣――
衛兵A「で、南が空いてるから南下中っと」
衛兵B「剣士の兄さんはともかく姫様ほっといていいんかね」
衛兵A「守人ちゃんがメチャ強いらしいし、いいんじゃん?」
館長「……」ペラッ
衛兵B「静かスね、姐さん」
衛兵A(すっかり従順になっちまって……)ホロリ
館長「南の港町まで少々かかります。貴方がたも読んでおきなさい」ドサッ
衛兵A「分かりやすい魔術入門、呪術大全、錬金術のいろは……」
衛兵B「馬車酔い不可避……」
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開始早々でなんですが、ド田舎に帰省につき数日開きます。
ネタ練って帰ってくるんで許してくださいなんでもしますから!
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乙
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期待してる
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ド田舎遠すぎませんかねぇ
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