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忍者「忍法で更衣室を覗く」
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忍者「ウホッ」
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忍者「とはいえ最近の高校はセキュリティーがちゃんとしているしな」
キョロキョロ
校長「ムッ?」
忍者「!」
校長「君は見かけない顔だな…そもそも今は授業中の筈だが?」
忍者(くっ、まさか校長が校内を歩いているとはな)
校長「君、答えたまえ。何者かね」
忍者「俺は…」
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シュパッ
忍者「忍者だ」
校長「忍者…なるほど、ならその姿も納得できる」
忍者「にん」
校長「だがここは高校。忍者がいていい場所なんかじゃあ無いんだがね」
忍者「ならば校長、忍者がいていい場所は…どこだ?この現代社会に、忍者がいていい場所は…どこだ?」
校長「ぬっ、それは…」
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忍者「答えられぬ、か。仮にも学校の長が…恥さらしもいいとこであるな」
校長「ぬっ、言わせておけば!」
忍者「ふん、感情をコントロールできない教師はゴミだと教えてやろう!」
ヒュッ ヒュッ
校長(!)
校長(しゅ、手裏剣!)
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校長(この軌道…私の目と喉を狙っている…しかし今から避ける余裕は無い…!)
校長(ならば別の部位で受け止めるしか…ぬっ、左腕はくれてやるか!)
スッ
忍者「!」
ザクッ ザクッ
校長「ぐぬぅぅぅ!」
忍者「なっ、左腕を捨てたか!?」
"
"
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ズキッ
校長(この痛み…骨に食らいつきよったか)
忍者「左腕を捨て命を拾ったか…瞬時にそんな判断ができるのが校長か…ふん、やりおる」
校長「昔、少々命を粗末にしている時期があってな…そのおかげでいくらばかりかの戦の心得がある」
忍者「ただの校長ではない、という訳か…」
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校長「さて、改めて訊こうか。君は何者だ。この高校に何の用だね」
忍者「ふん、忍者だと言っている。通りすがりの、な」
校長「ふむ。ではその通りすがりの忍者がなぜ高校に侵入している」
忍者「それは…」
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校長「それは?」
忍者「…それは」
校長「それは?」
忍者「…フフ、教えてしんぜよう、その体に!」
ヌギィ
忍者「忍者の裸体は初めて見るかね?」
校長「…」
ゴクリ
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忍者「あらゆる忍法を会得する為、血の滲む修行をしてきた…その結果がこの鋼の肉体だ!」
ギンッギラギン
忍者「腹筋、背筋…太もも、ふくらはぎ…喉仏さえも鋼!」
カチーン
忍者「この肉体…そうさ、持て余しているのさ、俺は!」
-
校長「持て余して…いる…?」
忍者「だってそうだろう…この肉体を忍法だけに使うのは勿体ない…ならば、だ」
忍者「使うしかあるまい?」
ニジリ
校長「つ、使う…?」
忍者「もはや知らぬ存ぜぬは通じぬ…なぁ、校長?」
ニジリ
校長「ち、近寄るな…近寄るなぁぁぁ!」
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忍者「フフ…なつかない子猫を撫でるような気分だ…まるでな」
ニジリ
校長「あ…う、あ…」
忍者「抵抗してもいいんだぜ…抵抗しろよ…なぁ…しろよ」
ニジリ
忍者「しろよぉぉぉ!」
-
ポロ
ポロポロ
校長「…」
校長「君は…泣いている、のか…?」
忍者「俺が…涙を…?」
校長「そうか…いくら強靱な肉の鎧をまとっても、心は年相応なのだ…よく見たら君は…うちの生徒と同じくらいの年齢じゃないか…まだ少年…心は繊細なのだ…」
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忍者「な、何を…」
校長「心が体を追い越すことはありえない…安心したよ、君は…ただの少年だ。ニュータイプでも新しい人類でも…異星からの侵略者でもない。心の歪んだだけのただの少年だ!」
忍者「校長の言う事かぁー!」
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忍者「俺は忍者だ…忍者でたくさんだっ!」
シャキィン
校長「刀だって!?どこからそんな物を!」
忍者「しかも脳波コントロールできる!」
フワフワ
校長「念動力…まさか君は!」
忍者「そうさ…この国がやっている悪行の落とし子が、俺なんだよ!」
校長「君は…君は!」
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忍者「俺は…俺には忍術さえあれば十分だった…なのにこの国は…日本という国は…俺に無理矢理…こんな能力を植え付けやがったのさ!」
校長「念動力…サイキッカー計画、か…」
忍者「本当に狂ってやがる…国が主導であんな事をやるなんて…そしてそれを受け入れる国民もだ…!」
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期待!
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校長「だがサイキッカーの存在によりわが国は救われた…なんやかんやで景気が回復し、他国との国交も正常化した」
忍者「確かに…確かに日本は再び先進国として返り咲く事が出来た…だがその裏に、何万人もの犠牲があったことを知る者は少ない」
校長「この国は情報操作が得意だからな…聞こえの良い部分しか報道しなかったのだ…」
忍者「俺もその犠牲者の一人だ…だから!」
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校長「だから?」
忍者「更衣室を覗くくらい…許されるだろう…?」
校長「そ、それは…」
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