■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
不良女「…………」
-
男「やべー遅刻だ遅刻だー! 急がないとー!」
ドンッ
?「……つっ」
男「いててっ」
不良女「…………」ギロッ
男「え?」
男(で、でかっ)
不良女「おまえ」
男「ひいっ!?」ゾクッ
不良女「○○高校の生徒だな」
男「ご、ごめんなさーいっ!」ダダダッ
不良女「あ、おいっ」
"
"
-
キーンコーンカーンコーン
男友「どうしたんだ男? そんな真っ青な顔して」
男「出たんだよ」
男友「幽霊が?」
男「ちがう。もっと恐ろしいものだよ」
男友「エイリアン?」
男「オカルト方面からはなれろ。もっと現実的な話だよ」
男友「それより聞けよー。今日うちのクラスに転校生がくるんだってよ」
男「転校生?」
-
男友「おう。女子なんだけどそれがちょっと変わったやつでさ」
男友「なんでも××高校の生徒なんだって」
男「××高校ってヤンキーが多いことで有名なあの?」
男友「ああ、実はその転校生。身長が180もある大女らしい」
男友「腕っ節も強くて、前の学校では何人もの生徒を病院送りにしたってウワサだぜ」
男友「そんなこわい女に目をつけられたら、骨の一、二本折られる程度じゃすまないかもなー」
男「…………」
男友「どうしたんだ男? 腐りかけのブルーベリーみたいな顔して」
-
ガラララッ
先生「席につけー」
先生「転校生の紹介をする。はいってきなさい」
<はい
男(まさか。あるわけないよな)
男(今朝ぶつかった女の子が転校生って。そんな漫画みたいな展開……)
不良女「…………」
男友「で、でかっ」
男「…………」
ガバッ
男「あはは、ははは……」
男(実際に起こっちゃったよ。漫画みたいな展開)
男(どどどどうしよう!)ガクガクブルブル
-
先生「不良女さん、自己紹介を」
不良女「…………」
先生「不良女さん?」
不良女「…………」ギロッ
先生「ひいっ!?」ゾクッ
不良女「不良女です。よろしく」
シーーーン
不良女「…………」
先生「というわけでみんな仲良くな!」
不良女「席は?」
先生「席は……男の隣が空いてるからそこに座りなさい」
"
"
-
期待
-
不良女「…………」スタスタ
男「げっ!」
男(こっちにくる!?)
不良女「…………」ガタッ
男「…………」
男(ほっ。どうやら気づいてないみたいだ)
先生「不良女さんは転校してきたばかりで慣れないことも多いと思う」
先生「おまえたちもクラスメイトととして助けてあげるようにな」
先生「ホームルームは以上だ」
-
シーーーン
男「…………」
男(静かだ。休み時間なのにこんなに静まりかえってるのも珍しい)
不良女「おい」
男「!」
不良女「寝てるのか?」
男「ぐごーぐごー」
不良女「……うそだな」
男(なぜばれたしっ!?)ガバッ
不良女「ん?」ギロッ
男「あ……」
不良女「おまえは今朝わたしにぶつかった……」
男(しまったーーー!)
-
男「ちちちちがうんです! ちがくてちがくてっ!」
不良女「どうしてあのとき逃げたんだ?」
男「べべべ別にあなたがこわいとかそういうわけじゃ!」
不良女「…………」
不良女「わるかったな」
男(……あれ?)
不良女「こわがらせるつもりはなかった。ただ、道をたずねたかっただけで」
不良女「教科書を見せてくれないか。まだ届いてないんだ」
男「うん……」
男(あれれ?)
-
キーンコーンカーンコーン
男友「いやーとんだ災難だったな。同情するぜ」
男「…………」
男友「なにだまってんだよ」
男「不良には見えないけどなぁ、あの子」
男友「へ?」
男「たしかに見た目はこわいけどさ」
男友「なに言ってんだよ。実際に病院送りにされたやつがいるんだぜ」
男友「どうみたって不良だろ」
男「うーん」
男友「ま、命が惜しかったら関わらないことだな」
-
先生「今日の授業はこれで終了。解散!」
ザワザワ
先生「男、放課後ヒマか? ヒマだな」
男「先生、決めつけるのはよくないとおもいまーす」
先生「どうせヒマだろ。帰って勉強するでもなし、部活動に励むでもなし」
男「うぐっ」
先生「ヒマなおまえに頼みがある。不良女さんに校内を案内してやれ」
男「え? 校内案内つってもそんなにまわるとこ……」
先生「いいからいってこい。ささ」グイグイ
男「ぬわーっ」
-
男(半ば強制的に校内案内をすることになったわけだけど……)
男「ここが図書室。冷暖房完備で昼寝にはもってこいの環境だよ」
不良女「…………」
男「…………」
男(間がもたねーーー!)
男(こんなときは適当に話題を振るか)
男「今日天気いいよね」
不良女「ああ」
男「天気がいい日って気分がいいよね」
不良女「そうだな」
男「なんかこうウキウキする感じ?」
不良女「たしかに」
男「…………」
不良女「…………」
男(間 が も た な い)
-
男「ここが中庭。そこの木陰なんか昼寝には最適だよ」
不良女「…………」ジーーー
男「ん? 花壇が気になるの」
不良女「これはなんという花だ」
男「さあ。園芸部にきけばわかるんじゃない」
不良女「園芸部?」
男「ここらの花壇は園芸部が手入れしてるから」
不良女「そうか」
男「…………」
-
男(意外に女の子らしいとこあるんだな)
男「不良女さんは花が好きなの?」
不良女「…………」
男「園芸部の部室に寄ってみる? まだ部員もいるでしょ」
不良女「遠慮しておく。花いじりなんてわたしのガラじゃない。それに……」
男「?」
不良女「…………」スタスタ
男「あ、まってよー」
-
男友『で、無事だったか?』
男「どういう意味だよ」
男友『校内案内。けがもなく無事に終わったか』
男「失礼だな。不良女さんはそんなことしないって」
男友『おまえもお人よしだよなー。いくら担任に頼まれたこととはいえ、俺だったら無視して帰るね』
男友『あ、まさか男。おまえ、不良女さんのこと狙ってんのか』
男「め、滅相もない! そんなのいくら命があってもたりないって!」
男友『ちげーよ。鈍いなあ』
-
男友『不良女さんのことを恋愛対象として見てんのかって聞いてんの』
男「ほえ?」
男友『なんだよその気がぬけた声は』
男「ないないない! 俺はもっとこう、おしとやかで守ってあげたくなるような子が好みなんだ!」
男「不良女さんとはクラスメイトの一人として仲良くしてるだけだよ! うん!」
男友『そこまで必死になって否定しなくてもよかろうに……ま、いいけどさ』
男友『じゃ、明日学校でな』
ピッ
男「ふぅ……」
男(悪い人には見えないけど、恋愛対象になるかどうかは別の問題で)
男「…………」
男(はやく寝よ)
ガバッ
-
いいじゃない
-
いいぞ続けて
-
期待
"
"
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■