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不良女「…………」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:08:39 67G47jCI
男「やべー遅刻だ遅刻だー! 急がないとー!」

ドンッ

?「……つっ」

男「いててっ」

不良女「…………」ギロッ

男「え?」

男(で、でかっ)

不良女「おまえ」

男「ひいっ!?」ゾクッ

不良女「○○高校の生徒だな」

男「ご、ごめんなさーいっ!」ダダダッ

不良女「あ、おいっ」


"
"
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:11:02 67G47jCI
キーンコーンカーンコーン

男友「どうしたんだ男? そんな真っ青な顔して」

男「出たんだよ」

男友「幽霊が?」

男「ちがう。もっと恐ろしいものだよ」

男友「エイリアン?」

男「オカルト方面からはなれろ。もっと現実的な話だよ」

男友「それより聞けよー。今日うちのクラスに転校生がくるんだってよ」

男「転校生?」


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:15:22 67G47jCI
男友「おう。女子なんだけどそれがちょっと変わったやつでさ」

男友「なんでも××高校の生徒なんだって」

男「××高校ってヤンキーが多いことで有名なあの?」

男友「ああ、実はその転校生。身長が180もある大女らしい」

男友「腕っ節も強くて、前の学校では何人もの生徒を病院送りにしたってウワサだぜ」

男友「そんなこわい女に目をつけられたら、骨の一、二本折られる程度じゃすまないかもなー」

男「…………」

男友「どうしたんだ男? 腐りかけのブルーベリーみたいな顔して」


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:18:21 67G47jCI
ガラララッ

先生「席につけー」

先生「転校生の紹介をする。はいってきなさい」

<はい

男(まさか。あるわけないよな)

男(今朝ぶつかった女の子が転校生って。そんな漫画みたいな展開……)

不良女「…………」

男友「で、でかっ」

男「…………」

ガバッ

男「あはは、ははは……」

男(実際に起こっちゃったよ。漫画みたいな展開)

男(どどどどうしよう!)ガクガクブルブル


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:21:34 67G47jCI
先生「不良女さん、自己紹介を」

不良女「…………」

先生「不良女さん?」

不良女「…………」ギロッ

先生「ひいっ!?」ゾクッ

不良女「不良女です。よろしく」

シーーーン

不良女「…………」

先生「というわけでみんな仲良くな!」

不良女「席は?」

先生「席は……男の隣が空いてるからそこに座りなさい」


"
"
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:22:59 R7IILpLc
期待


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:25:37 67G47jCI
不良女「…………」スタスタ

男「げっ!」

男(こっちにくる!?)

不良女「…………」ガタッ

男「…………」

男(ほっ。どうやら気づいてないみたいだ)

先生「不良女さんは転校してきたばかりで慣れないことも多いと思う」

先生「おまえたちもクラスメイトととして助けてあげるようにな」

先生「ホームルームは以上だ」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:29:14 67G47jCI
シーーーン

男「…………」

男(静かだ。休み時間なのにこんなに静まりかえってるのも珍しい)

不良女「おい」

男「!」

不良女「寝てるのか?」

男「ぐごーぐごー」

不良女「……うそだな」

男(なぜばれたしっ!?)ガバッ

不良女「ん?」ギロッ

男「あ……」

不良女「おまえは今朝わたしにぶつかった……」

男(しまったーーー!)


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:33:01 67G47jCI
男「ちちちちがうんです! ちがくてちがくてっ!」

不良女「どうしてあのとき逃げたんだ?」

男「べべべ別にあなたがこわいとかそういうわけじゃ!」

不良女「…………」

不良女「わるかったな」

男(……あれ?)

不良女「こわがらせるつもりはなかった。ただ、道をたずねたかっただけで」

不良女「教科書を見せてくれないか。まだ届いてないんだ」

男「うん……」

男(あれれ?)


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:37:05 67G47jCI
キーンコーンカーンコーン

男友「いやーとんだ災難だったな。同情するぜ」

男「…………」

男友「なにだまってんだよ」

男「不良には見えないけどなぁ、あの子」

男友「へ?」

男「たしかに見た目はこわいけどさ」

男友「なに言ってんだよ。実際に病院送りにされたやつがいるんだぜ」

男友「どうみたって不良だろ」

男「うーん」

男友「ま、命が惜しかったら関わらないことだな」


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:40:24 67G47jCI
先生「今日の授業はこれで終了。解散!」

ザワザワ

先生「男、放課後ヒマか? ヒマだな」

男「先生、決めつけるのはよくないとおもいまーす」

先生「どうせヒマだろ。帰って勉強するでもなし、部活動に励むでもなし」

男「うぐっ」

先生「ヒマなおまえに頼みがある。不良女さんに校内を案内してやれ」

男「え? 校内案内つってもそんなにまわるとこ……」

先生「いいからいってこい。ささ」グイグイ

男「ぬわーっ」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:44:17 67G47jCI
男(半ば強制的に校内案内をすることになったわけだけど……)

男「ここが図書室。冷暖房完備で昼寝にはもってこいの環境だよ」

不良女「…………」

男「…………」

男(間がもたねーーー!)

男(こんなときは適当に話題を振るか)

男「今日天気いいよね」

不良女「ああ」

男「天気がいい日って気分がいいよね」

不良女「そうだな」

男「なんかこうウキウキする感じ?」

不良女「たしかに」

男「…………」

不良女「…………」

男(間 が も た な い)


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:48:07 67G47jCI
男「ここが中庭。そこの木陰なんか昼寝には最適だよ」

不良女「…………」ジーーー

男「ん? 花壇が気になるの」

不良女「これはなんという花だ」

男「さあ。園芸部にきけばわかるんじゃない」

不良女「園芸部?」

男「ここらの花壇は園芸部が手入れしてるから」

不良女「そうか」

男「…………」


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:51:07 67G47jCI
男(意外に女の子らしいとこあるんだな)

男「不良女さんは花が好きなの?」

不良女「…………」

男「園芸部の部室に寄ってみる? まだ部員もいるでしょ」

不良女「遠慮しておく。花いじりなんてわたしのガラじゃない。それに……」

男「?」

不良女「…………」スタスタ

男「あ、まってよー」


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:55:04 67G47jCI
男友『で、無事だったか?』

男「どういう意味だよ」

男友『校内案内。けがもなく無事に終わったか』

男「失礼だな。不良女さんはそんなことしないって」

男友『おまえもお人よしだよなー。いくら担任に頼まれたこととはいえ、俺だったら無視して帰るね』

男友『あ、まさか男。おまえ、不良女さんのこと狙ってんのか』

男「め、滅相もない! そんなのいくら命があってもたりないって!」

男友『ちげーよ。鈍いなあ』


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 10:58:25 67G47jCI
男友『不良女さんのことを恋愛対象として見てんのかって聞いてんの』

男「ほえ?」

男友『なんだよその気がぬけた声は』

男「ないないない! 俺はもっとこう、おしとやかで守ってあげたくなるような子が好みなんだ!」

男「不良女さんとはクラスメイトの一人として仲良くしてるだけだよ! うん!」

男友『そこまで必死になって否定しなくてもよかろうに……ま、いいけどさ』

男友『じゃ、明日学校でな』

ピッ

男「ふぅ……」

男(悪い人には見えないけど、恋愛対象になるかどうかは別の問題で)

男「…………」

男(はやく寝よ)

ガバッ


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 18:40:39 zvp/EkFo
いいじゃない


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/08(日) 22:44:25 c3.y.IqY
いいぞ続けて


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/10(火) 03:29:45 VvhjgCiY
期待


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