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鮭を釣った話
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「さあさあ!見てきや!活きのいい魚があるでぇ!」
そんな快活な声が大坂の市の喧騒に混じった。
「これ、一つ買わせて貰うわ」
「お代は二百五十文でっせ」
「まだ高いわ。にいちゃん、もう少しまけてえな」
「勉強させてもろて、二百文でどうでっしゃろか」
「ほな、それで」
「まいどあり!」
昼前になる頃には魚はあらかた捌き終え、男は魚を釣りに船に乗って、海へ出た
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釣果は全くだった。
いつもは大漁と言わない迄も釣れるわけである。
何かおかしい、男はそう思った。
しかし別段海が荒れるような予兆も見られない。
取り敢えず、もうひとふんばりしてまだ釣れなかったら早々に切り上げてしまおう。
男は生き餌を釣り針に取り付け海へ放り投げた。
数分待った頃だろうか。
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ぐい、と大きく竿を引かれる感じがした。
「おお!やっとかかったか!」
そう思い一息に竿を引っ張り、半ば無理やりに釣り上げた。
釣ったものを見てみると、鮭であった。
鮭というものはこんなところで釣れるような代物ではないし、そもそも庶民が食べられるようなものでは無い。
とても高価なものであった。
ピチピチと船上で跳ねる鮭を見て、男はほくそ笑んだ。
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今日は全く釣れなかったが、しかしそれでもなお余りあるようなものが釣れてしまった。
船着場の雁木に舟を停め、舟から鮭を取り出して荷台に上げた。
さあて、売りに出すか。
と、市に運ぶ道中である。
なにやら人々の視線が浴びるように刺さる気がした。
なにかおかしいことでもあるのだろうか。
そういえば、鮭が釣れたのだったな。
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そう一人納得し、また荷台を引き始める。
「にいちゃん、どないしたんやそのべっぴんさんは」
声をかけたのは今朝の常連客であった。
「ああ、この鮭ですか?」
「どこに鮭がおんねんな」
「えっ?」
振り向くと荷台の上には裸の女がいた。
「誰だお前は」
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裸の女をよく見てみると足が無かった。
というより、下半身がヒレであった。
端的に言うと人魚であった。
こりゃいろいろとまずい。
男は思った。
傍から見れば一糸纏わぬ下半身魚の女を見世物にしているわけである。
ここで女を放り出して素知らぬ振りをするにも衆目を集めすぎてしまった。まさに後の祭りというやつであろう。
何よりも自分の信条にそれは反する。
とにかく荷台を引いて足早に家路を急いだ。
女を家に運んで早急に着物を着せてやらねばならん。
自分の家に着くと、荷台や釣り道具を片付けるのよりも先に女を家に連れ込むことを優先した。
体を拭いてやり、男物の着物を無理矢理に着せる。
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処女作と読んでいいのか分からんが初めて書くもんなので拙いし更新も遅々となると思うが、完結させるつもりなので宜しく頼むぞ。
次は土曜か水曜以降になると思うが長い目で見てやってくれ
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しえん
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なぜに鮭
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期待
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期待
初めてってわりに歴戦っぽい堂々さ
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女は最初抵抗したものの、すぐにおとなしくなりちゃんと着せられた。
座布団をひき、その上に乗せる。
そうして、簡単な刺身を振舞った。
野菜でないのは、野菜を食べられないかもしれないということを考慮してだ。
自分も粥と煮物を食べる。
女は箸の使い方がわからないのか困った顔をしていたが、私の箸さばきを見て不恰好ながら箸を使って魚を食べていた。
ふと、視線を感じ女の方を見ると、私の煮物をじっと見つめていた。垂涎を禁ずる事ができないというように。
欲しいのだろうか。女の皿に幾許かの煮物を入れてやる。
女は器用に煮物を箸を使って口に運んだ。
この短時間で箸使いが板についてきたようであった。
それから顔を綻ばせ、煮物を咀嚼する。
また、箸休めのように刺身をまたつつく。
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そんな女の姿に見惚れてしまい、すぐに我に返る。
奴は鮭なんだ。
わかっているだろう?奴は私と相容れないという事を。
箸と器が当たる音だけが、あたりを支配する。
唐突にドンドンとノックする音が聞こえる。
ああ、また彼奴か。
引き戸を開け、幼馴染の女が家に闖入する。
そして開口一番にこういった。
「だれよ!この女!?」
「さっき釣った女だ」
「ああ、そう。。。っ流されないわよ!?
ありえないわよ、あんたが女を連れ込むなんて!」
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相も変わらず騒がしい奴だな。
「さっき海で釣ってきたんだ。これは紛れもない事実だ。信じてくれよ、俺は潔白だ。なんなら童貞だ」
なぜ弁解しているのだろう私は。
すまん弟の鼻血が俺の服について落とさないといけねえから一旦切り上げるわ
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SSの流れで唐突に弟の鼻血でてきてビビった
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この流れだと幼馴染からの流血沙汰かと
お大事にと伝えてくれ
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これっていつの時代の話だ?
ドアをノックするとか言うから現代劇なのか。
勝手に時代劇っぽい魚河岸辺り想像して読んでた…。
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お金の単位が文だから時代劇だろう
引き戸ってあるし
台詞は現代語っぽいけど
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期待
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別に私にやましい所はないはずなのにだ。
「まあ、童貞風情がこんな美人連れ込めるわけないもんね」
ぶち殺してやろうかくそアマ。
「そういえば何用だ」
「いや、昼飯おすそわけしようと思って」
「でも、食べちゃったみたいね」
「なんかすまんな。夕飯のときにでも食べるよ」
「ん、ありがとう」
「苦しゅうないぞ」
「貰ってる分際でえらそうに!」
「俺に食べて貰ってるんだろ?」
「むぐぐ」
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