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吸血鬼「全部、君のせいだよ」
-
男「はぁ…はぁ……」ポタッ
ドクン
吸血鬼「んくっ…んっ…ぷはぁ…」ズチャ
ドサッ
吸血鬼「やっぱり人間の血は美味しいねぇ」ニコ
男「っ……!!」ガクガク
吸血鬼「君のお気に入り、彼女も凄く良かったよ」
女「──────」
男「ぁ…ぁぁ…………」
吸血鬼「でも、僕の本命はね───」
男「うわぁぁぁぁぁ!!」
───
──
─
"
"
-
男「うわぁぁぁぁぁ!」バッ
男「はぁはぁ…くっ!」ドクンドクン
4:44
男「また、同じ時間に同じ夢」
男「…………悪夢過ぎる」
-
────♪
男「……………」ピッ
男「もしもし」
女『やっぱり、起きてましたかぁ』クス
男「朝早くから電話するの止めてくれない?」
女『可愛い美少女からのモーニングコールですよ』
男「…………切っていい?」
女『もぅ、相変わらず冷たいですね』
女『本当に心配して電話したんですよー』
男「はいはい、ありがと」
-
女『今日は、どんな悪夢を見たんですかぁ?』
男「いつもと変わらないよ」
女『んー、やっぱり気になりますねー』
男「……………………」
男(赤い瞳の女の子…)
男(授業中に突然現れて僕以外の全員殺す)
男(吸血鬼なんてファンタジーの世界だし)
男(現実に現れるはずないのに…)
-
女『────ました?』
男「?ごめん、何て──」
女『また、私は殺されてました?』
男「っ…………!」
女『ふふ…死んじゃうみたいですね』
男「…………夢、だよ」
女『そうですねー』
女『正夢にならなきゃいいですけど』
"
"
-
───
──
─
女「おはようございます、男さん」ニコ
男「わざわざ迎えに来なくてもいいのに」ガチャン
女「悪夢で気がおかしくなったら私が止めてあげます」
男「おかしくならないよ…」
女「ふふ、そうだと私も助かります」クス
男「行こうか」
女「はい!」
-
http://ssks.jp/url/?id=489
-
期待
-
ふむ
-
女「それにしても、吸血鬼の夢なんてファンタジーですね」
男「別に吸血鬼が好きって訳でもないのに…」
女「あっ、男さんの頭の中がファンタジーなんじゃ…」
男「…………」スタスタ
女「無視は無しですよー」スタスタ
-
学校
女「ふふっ」クス
男「さっきから笑ってるけど、何?」
女「元気のない男さんは可愛いなーっと思って」ニコ
男「……趣味悪いよ」
女「私が楽しめれば良いんです」
男「はぁ………」
女「それに今の内にしっかり顔を見ておきたいんです」
男「えっ?」
-
男「それって、どういう意味?」
女「さぁ、どういう意味何でしょうね」ニコ
女「授業始まるので戻りますねー」クル
男「…………」
男(相変わらず変わってる…)
-
教師「──────」
男「ふぁぁ…眠い」
男(こんな当たり前の日常が)
男(いきなりあんな事になるはずない)
男(吸血鬼なんてファンタジーで)
男(現れるわけないんだから)
男(………………)ウト
───
──
─
-
───
──
─
キィィィィン
男「っっ?!」ズキッ
男「頭が…痛い…ぃ!」ズキズキ
男「な…に…?」ドサッ
───
──
─
-
?「──さん」
男(……誰の声?)
?「──起きて下さい!」
男(この声…女?)
女「男さんっ!」ユサ
男「っ……ぅ、頭痛い」
女「良かった、目を覚ましてくれて」
-
男「一体…何が…?」ズキ
?「やっぱり人間の血は美味しいねぇ」
男「………………え」
女「男さん、残念ですが…」
女「貴方の夢は正夢になったみたいです」スッ
男「………嘘、だろ?」
吸血鬼「やぁ」ニコ
-
吸血鬼「ふぅ、お腹いっぱい」ブン
グチャ
男「………君は」
吸血鬼「もう知ってるだろ?何回も会ってるんだから」
男「吸血鬼…なの?」
吸血鬼「そうだよ、ファンタジーの世界から出て来たのさ」ニコ
女「ふふっ、そのままとじ込もっていれば良かったのに」
-
読んでるよ
-
吸血鬼「君は、どうして平然としてられるんだい?」
吸血鬼「僕達の超音波は人間が耳にすれば意識を失うはずなのに」
女「たまたま耳栓していたんです」ニコ
吸血鬼「あはっ、面白いジョークだね」スタ
吸血鬼「でも、残念」
吸血鬼「僕が必要なのは、そっちの男の子なんだよ」ジッ
男「………………」ゾク
-
吸血鬼「だから、君は僕のデザートにしてあげる」ググ
女「ふふっ、私はとっても美味しいですよー」
吸血鬼「それは、楽しみだね!!」ダン
男「危なっ──」
ガシッ
吸血鬼「!?」
女「捕まえましたー」ニコ
女「せーのっ!!」ググッ
吸血鬼「えっ…ええっ?!」フワッ
ブンッ!!
-
ドガァァァン!!
女「ふぅ、ちょっとやり過ぎましたかねー」
男「一番端のクラスの壁までぶっ壊れてる…」
女「さて、私達も行きますよ」グイッ
男「行くって、どこに?!ていうか君は…」
女「詳しいことは後で話しますから」ニコ
女「しかし、女性にお姫様抱っこさせるなんて信じられません」
男「いや、勝手にやったよね」
-
期待
-
期待
-
女「とにかく私にしっかり掴まって下さいねー」
男「う、うん」ギュッ
女「………っ」ドキ
男「?」
女「い、行きますよー」タッ
男「えっ、そっちって………?!」
女「えいっ!」ダン
男「うわぁぁぁぁ?!」
ヒュゥゥゥゥ
-
ドゴォン!!
女「ふぅ、着地成功です」ニコ
男「地面割れてるんだけど」
女「そこは気にしないで下さいよ」
男(あの高さから飛び降りて平然としてるなんて…)
男「もう、降ろして」
女「お姫様はもう飽きちゃいましたー?」
男「いや、そうじゃなくて……」
女「残念だけど、まだ降ろしてあげません」
-
女「このまま私が走った方が速いですから」
男「でも────」
吸血鬼「僕を置いてどこに行く気?」
女「あらら、もう起きちゃったんですかぁ」
吸血鬼「それにしても…君」
吸血鬼「半分、人間やめてるね」
女「………………」
男「どういう…こと?」
-
待ってる
-
吸血鬼「一体、誰が主なんだい?」
女「随分、前のことですから忘れてしまいました」ニコ
吸血鬼「ふーん……」ダンッ
女「?!」
吸血鬼「…………」ヒュン
女「ごめんなさい、男さん」ブン
男「えっ?」
-
男「いたっ?!」ドサ
吸血鬼「良い判断だね」
ポタポタ
女「本気で殺す気でしたねー」ポタ
男「女!」
女「あはは、大丈夫ですよー」
女「すぐ治りますから」ズズッ
吸血鬼「?!」
吸血鬼(おかしい……)
-
吸血鬼「君、ほんとに誰の『眷属』なんだい?」
男(眷属?)
吸血鬼「再生能力が純血と同等…いや、それ以上の眷属なんて聞いたことないよ」
女「私は特別ですから」ヒュン
吸血鬼「っ?!」バッ
女「…………!」ブン
吸血鬼(スピードなら僕の方が速い)
-
まってる
-
ガシッ
女「?!」
吸血鬼「今度は僕が捕まえた」ニコ
吸血鬼「このまま首をへし折ってあげるよ」グググ
女「がっ…!…ぐっ…」
吸血鬼「じゃあね、眷属さん」
男「や、やめ───」
ゴキッ
男「………………」
-
女「………………」ブラン
吸血鬼「案外、あっさり死んだね」ブン
ドサッ
男「………………」
吸血鬼「人間の君にはちょっと刺激が強すぎたかな?」
吸血鬼「さぁ、僕と行こう」
吸血鬼「君にはこれから────」
ドスッ
-
吸血鬼「────え」ガフッ
女「かかかか勝手にぃぃぃぃ」ゴキゴキッ
女「ここここ殺さないで下さいぃぃぃぃ」ギギギ
吸血鬼「…………化け物だねぇ」
ブシャァ
-
女「ぐぎぎぎっっっ!」ゴキン
女「かはっ!……はぁぁ」
女「女さん、完全復活です」ニコ
男「………………」
女「あらら、お口空いてますよ男さん」
女「とにかく早く行きましょう」
"
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