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男「俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない」
-
キーンコーンカーンコーン
ガヤガヤ...
男「ふう、今日がやっと終わった...」
友「ハハ、なにオヤジ臭いこと言ってんだよ」
男「いやもう暇で暇で」
友「...ったくよー、賢い奴は余裕があって羨ましいぜ」
男「そんなんじゃねーよ」
友「へいへい。あ、電車がもう来るから、俺帰るわ」
男「じゃあな」
友「おう、また明日」ガラッ ...ピシャン
男「......」
男「...さてと」
男「今日も幼馴染と帰るか!」 ワクワク
"
"
-
-校門-
男(まだかな...)
男(幼馴染のクラス、いっつもHR終わるの遅いんだよな...)
男(まあ待っている間も、これはこれで良し)
幼馴染「男ー!」 タタタ
男「おう」
幼馴染「ごめん!待った?」 ハアハア
男「いや、俺も今来たところだから」
幼馴染「そうだったんだ。良かったー」 ホッ
幼馴染「今日もおしゃべりしよっ?」
男「もちろん」
男(うむ、今日も可愛い)
-
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
男「でさー、友が授業中に突然『俺も...好きだよ キリッ』とか言ってさ」
男「授業中にどんな夢見てんだよって、クラス中大爆笑」
幼馴染「あはは、友君相変わらずだねー」
男「ほんとアイツは昔から変わんないよ。俺はアイツのああいう所が
気に入っているんだけど」
幼馴染「面白いしね」
幼馴染「あーあ、私だけクラスが違うなんて理不尽だよー」
男「3人で一緒になれたら良かったのにな」
-
幼馴染「でもさ」
幼馴染「友君たちとお昼ご飯は一緒に食べられるし」
幼馴染「男とこうやって二人で帰れるから、やっぱり幸せかな」
男「お、おう///」
男(不意打ちは反則だぜ!)
幼馴染「あ、そうそう、こっちのクラスでもねー...」
男「うんうん...」
男「...!!」
-
突然、脳に直接映像が流れ込んでくる
通学路
落ちてくる植木鉢 割れる植木鉢
飛び散る破片 皮膚に傷をつける
幼馴染の悲鳴
男(く……)クラッ
男(きたか……)
幼馴染「お、男!!大丈夫!?」
男「あ、ああ。ただの貧血だよ……」
幼馴染「ほ、本当に大丈夫?心配しちゃうよ……」
男「大丈夫だって」
男「ほら、もうなんともない」
幼馴染「う、うん……男が平気なら良いんだけど……」
男「元気元気。超元気」
"
"
-
男(さて…と)
男(これからの危機に対策しなくちゃな)
男(映像通りだとすると、これから植木鉢が降ってくる)
男(距離的には…ちょっと離れたあそこの家)
男(あの家の二階のベランダから降ってくるのが、一番可能性としては高い)
男(風に吹かれたか…猫に落とされでもするんだろうな)
-
男「しかも、映像には…不鮮明だけど、松の木が近くにあった…」
男「松の木はあそこぐらいしか見当たらない…となるとやはりあの家だ」ボソボソ
幼馴染「ちょっと…今度はどうしたの?」
男「いや、なんでもない」
男「それはそうと、今日はいつもと違う道を通らないか?
寄り道しようぜ」
男「こっちの道とか。いつも通りすぎちゃうだろ?」ミギヲユビサシ
幼馴染「うん。いいけど」
男「よし!じゃあ善は急げだ!」グイッ
幼馴染「うわわ!急に引っ張らないでよー!」
-
幼馴染「びっくりしちゃったよー」テクテク
男「はは、ごめんごめん」テクテク
男「この道をしばらく行くとさ、おいしい和菓子屋があるんだよな」
幼馴染「へえ…あ!おばあちゃんがたまに買ってくる御饅頭って
そのお店で買っているのかも!」
男「そうかもな。豆大福も美味しいぞ」
幼馴染「うわ、気になるね!」
男(とりあえず危機は脱したか…)
男(今回は怪我をするだけのようだったが…)
男(それにしても久しぶりだな。予知能力が発動したのは…)
-
―和菓子屋―
幼馴染「どれも美味しそうだね」
男「ああ」
幼馴染「やっぱりおばあちゃんが買ってくる御饅頭あったよ!」
男「ほう、酒饅頭か。俺も好きだぞ」
幼馴染「豆大福もあるし、よもぎ餅もあるよ」
男「せっかくだし、おばあちゃんに何か買っていったらどうだ?」
幼馴染「うん!そうするよ」
-
店主「あら、いらっしゃい。ご注文は?」 カラカラ
幼馴染「うーん…迷うなぁ」
幼馴染「でもやっぱりこれかな…じゃあ、酒饅頭と、この豆大福で」
男「お、俺のおススメじゃん」
幼馴染「男が美味しいっていうものって、本当に美味しいからね」
男「おお、知らぬ間にめっちゃ信用されてた…」
店主「毎度あり。同じ袋に包むけど、大丈夫?」
幼馴染「あ、はい。お願いします」
-
店主「そちらの彼氏さんと分け合うのかい?」 ガサガサ
男「!」
幼馴染「えっ…///」
幼馴染「いや、そんな///彼氏とかじゃ…ないです///」
男(凄い照れてる…嬉しい)
店主「ありゃ、違うの?あんた可愛いのに」 テワタシ
幼馴染「///」
店主「君も彼女にしちゃいなよ…って君、たまに来るお客さんだ!」
男「そ、そうです(今頃かよ!)じゃ、じゃあもう帰りますね」
幼馴染「///」
男「おーい、行くぞー」
幼馴染「…あ!うん!有難うございました!」
店主「はーい。気を付けてね」
-
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
幼馴染「でねー幼友がさー……」テクテク
男「ええ、なんだそりゃw」テクテク
幼馴染「ホント笑っちゃったよー」
男「ははは」
-
男「…お、もう大分日が暮れてきたな」
幼馴染「あ、ほんとだ…」 キョロキョロ
男「ん?どうかしたのか?」
幼馴染「ううん、なんでもないの」
男「ふーん…」
男「あのさ、幼馴染…」
幼馴染「うん?」
男「今日はごめん」
男「俺が無理やり寄り道に誘ったせいで、帰りが遅くなって…」
幼馴染「え、いやいや、謝ることじゃないよ」アセアセ
幼馴染「私も楽しかったし、さ」
-
男「そうか…なら良かった」
幼馴染「ノープロブレムですよ!むしろどんとこい!」
男「あはは、何そのキャラw」
幼馴染「ふふーん」
男(おお、何でドヤ顔なのかは知らんが可愛い)
男「!」
男「っと…もうそろそろ家が近づいてきたな」
幼馴染「あ、そうだね…」
男「……」 ピタ
男「…じゃあ、この曲がり角で…また明日」
幼馴染「うん。今日も楽しかったよ」
幼馴染「別れるの、ちょっと寂しいな」
-
男「それ毎回言うね」
幼馴染「毎回言います」
男「さよならー」
幼馴染「バイバイ」
-
男「ふー、ただいま」 ガチャ
母「おかえり。遅かったわね」
男「ちょっと寄り道してた」
母「ご飯出来てるわよ」
男「あー、後で良い。ちょっと寝てくる」
母「はいはい」
男「じゃ」
-
男「……」 カチャ
―自室―
男「ふーーー」 ボスンッ
男「……」
男「あー…絶対幼馴染に怪しまれてるだろうな」
男「急に寄り道とか、不自然すぎだろ」
男「……」
男(…いや、問題はそこじゃないな)
男(最近はないと思っていた、予知が発動した)
男(もう、なくなったと思っていた…)
男(こんな…能力なんて…)
-
男(俺は…どうやら[普通]ではないらしい)
男(俺は未来予知ができる。ただし、一分先の未来しか見られない)
男(予知の対象となるのは、身の回りに起こる不幸)
男(または、自分にとって大きな存在の不幸)
男(制御は出来ない。ただ、不幸を前もって知らせる)
男(虫の知らせのようなものだ)
-
男(俺がこの能力に目覚めたのは、小学3年生の時だ)
男(ある日、幼馴染が風邪か何かで休み、俺は一人で登校していた)
男(突然、脳に鮮明な映像が流れ込んできた」
男(自分が、横の道から飛び出してきたトラックに撥ねられ、近くの電柱と
トラックで板挟みになって絶命する…そんな映像だった)
男(突如脳に流れ込んできた、あまりに鮮明なその映像…)
男(俺は信じられないほどの強い頭痛に襲われた)
男(あまりの痛さにその場にうずくまると、しばらくしてから、数メートル
先をトラックが猛スピードで走りぬけ、電柱に衝突した)
-
男(もちろん運転手は即死)
男(どうやら、心臓発作だったらしいとかいう話をニュースで聞いた)
男(俺は、近くにいた目撃者として注目されたが)
男(本当だったら、死んでいたはずだった)
男(何で俺にこんな能力が備わったのかは知らないが)
男(俺はその時から、未来予知ができるようになった)
男(だが、自分で予知しようと思ってもできるものじゃない。あくまで
こちらが一方的に教えられるだけだ)
男(そして、予知はたったの一分後…)
男(しかし、俺はその一分間で随分と助かったこともある)
男(文句は言えない。というより、これから一生、付き合っていくしかない)
-
おつおつ〜
-
これは楽しそう。
つ
-
ヴーヴーヴー
男「!」
男「メールか…」
男「幼馴染からだ」
―幼馴染―
『今日は大丈夫?急に貧血になるし、様子もおかしかったから心配したよ。
何か悩み事があるの?あったら私に相談してね。
一人で考え込まないでね。私は男の幼馴染だから(^^)』
男「……バレバレか。まいったな」
男「心配されちまったよ……」
男「……」
-
男(……幼馴染には両親がいない)
男(あいつが物心つく前に亡くなり、幼馴染は祖父母に引き取られる形で
この町に越してきた)
男(祖父母の助けを借りているとはいえ)
男(幼馴染は、自分の身の回りのことは徹底して、自分でやる)
男(祖父母にも迷惑をかけないよう、恩返しができるよう、
日々努力を惜しまない)
男(他人には甘えてほしい、頼ってほしいと思っているのに)
男(自分は一切、他人に甘えようとはしない)
男(それが、幼馴染だ)
-
男(幼馴染の両親の死因は…交通事故に巻き込まれたと)
男(幼馴染は言っていた)
男(あいつは両親が居なくて、どんなに寂しいだろうか…)
男(人に甘えきれなくて、どんなに苦しいだろうか…)
男(俺には、想像もできないことだ)
男「……」
男「俺は…幼馴染の方が心配だよ」
-
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
母『男〜ご飯そろそろ食べなさ〜い』
母『早く起きないと〜』
男「ん…」 ゴシゴシ
男「ふあ、あ…」
男「へーい!分かったよー!」
男「今行くからさー!」
男「……」
男「俺は、幸せ者なんだな…」
-
男「……」 モグモグ
母「何、どうかしたの?」
男「え?」
母「いや、何かあんた、浮かない顔してるから」
男「別に…気のせいだよ」
母「ふーん」
母「もしかして、幼馴染ちゃんに何か言われたの?」
男「!!」 ゴホッゴホッ
男「げほっ・・・何でそうなるんだよ!?」
母「え?違うの?」
男「ち、違うよ!っていうか何もないって!」
母「へえ」
男「と、とにかくご馳走様…!」
母「はい、どうも」
-
<font color="000000">男「じゃあ、部屋に戻るから」 ダダ
母「……」
母(男、幼馴染ちゃんと仲良くしているのかしら…)
母「…まぁ、きっと大丈夫でしょ」 サラアライサラアライット
</font>
-
<font color="000000">
―自室ー
男「はーーー…」 ボスッ
男「また布団にダイブしちまった…」
男「……」
男「わーい…」 ゴロゴロ
男「……」 ゴロ…
男「…って、俺がやっても需要ないな」
男「幼馴染がやれば可愛いだろうけど。絶対」
男「見てみたいな…」
男「……」
男「ここからだ…」
男「また…始まるのか…」
男「不幸の…連鎖」
</font>
-
<font color="000000">男(予知で知らされる不幸は、連鎖する)
男(それこそが、今回俺が危惧していることだ)
男(予知が発動しない時は、2年くらい何事もなく過ぎることがある)
男(だが、一度起こると連鎖的に次の災いが起こる)
男(これは、今までの経験から学んだことだ)
男(現に今までは…ここ一年半ほどは、予知は発動しなかった)
</font>
-
<font color="000000">男(今回の予知は…まだ軽くて回避も容易だった)
男(だが…これからどうなるのか…)
男(もっと悪い予知が起こるんじゃないのか…)
男(俺の杞憂であってほしい)
男(しかし…)
男(本当の所は、俺には見当もつかない)
男「はぁ…」
男「今日は…今日はさっさと寝よう」
</font>
-
男「あー、昨日はめっちゃ寝たな」 ムクリ
男「二回寝てるし…睡眠時間10時間はいくんじゃないか?」
男「今日は何事もなきゃいいけどな…」
-
<font color="000000">
男「……」 モグモグ
男「ごちそうさま」 カタン
母「どうも」
</font>
-
<font color="000000">
男「……」 ワシャワシャ
男「…」 ガラガラ…ペッ
男「用意を済ませて、と」 カチャカチャ
男「よし…行くか」
男「いってきます」 ガチャ
バタン
</font>
-
<font color="000000">
男(やっぱり幼馴染とは出会わず…か) テクテク
男「今日も幼馴染は家の手伝いで遅れるのかな」
男(大変だな、あいつ…)
男「でも、予知が起こらない間は大丈夫だ…と信じたい」
男「俺も、周囲には気をつけなきゃいけないしな…」
</font>
-
―学校―
男(結局何も起こらずに学校に到着できた)
友「おーう、おはよっす」
男「おう、おはよう」
友「今日の昼も3人で食べよーぜ」
男「朝っぱらから昼飯の話かよ」
男「もちろん良いぞ」
男「あ、そういや友」
男「数学の課題、やってきたか?」
友「…!!」
友「イ…イヤ、ヤッテキタトモ」
男「…その反応はやっていないな」
男「俺に仲間が加わった」
友「って、お前もかよ!」
-
NTRならスレタイに書いといてな
-
>>37
男と幼馴染みを応援してやれよ
-
キーンコーンカーンコーン
友「はー、こってり怒られちまった」
男「ドンマイ」
友「男!てめーズリーぞ!授業の合間の休憩時間中にやり切るなんて!
抜け駆けだ!」
男「いや、別に良いだろ…」
男「っていうか数学が昼休憩の直前なんだから」
男「お前も充分時間あっただろ」
友「俺はフリーに生きるんだよ!休憩時間は休憩するためにある!」
男「あー、はいはい」
-
男「っと、屋上に幼馴染待たせっぱなしだ」
男「早く飯に行こうぜ」
友「あ、そりゃそうだな」
男(立ち直り早いな…)
-
―廊下―
男「…―でさ、今期のアニメは豊作なわけよ」 スタスタ
友「ああ、完全に同意だ」 スタスタ
友「ストーリー、作画共に粒ぞろいだよな」
男「そうだよな。はは、こんな会話、幼馴染の前じゃできねーよ」
友「早歩きで会話はキツイ…」 ゼーゼー
男(今のところは何ともない…)
男(どうか、このまま…)
男「…まぁなんといっても大本命なのが------…」
男「――っ!!」 ズキンッ
-
男(…やはりきやがったか…!)
脳に様々な映像が流れ込む
一方的に、ただただ流され続ける
階段 友との会話
友の笑い声 階段に差し掛かっても喋り続ける
バランスを崩す 落下
鈍い音 鼓膜に響く、鈍くて硬い音
蹲る友
-
男(これは…)
男「っ――!」 バッ
友「お、どうした?」
ここから数メートル先に階段が見える
しかし、一分後にはそんなところはとっくに過ぎているはずだ
男(となると、屋上に向かう最上階の階段か)
男(回避はできる…!)
友「おい、顔色悪いぞ」
男「気のせいだろ。ちょっと大本命が何か迷ったんだよ」
友「あっ、そうw」
-
最初の階段も念のため、慎重に進む
友「あれ、会談に入った途端遅くなったな」 タンタン
友「もしかしてバテたのかぁ〜?」
男「うっせーよwそれより足元、気を付けた方が良いぞ」タンタン
男(探せ…映像では、友は喋っていたことだけが原因じゃなさそうだった)
男(何かに滑ったようだ…)
-
男(いよいよか)タンタン
男(この階段を上ったら屋上…)
男「!」
男「おい!友!」
友「ん?」
男「この階段の上段、少し濡れてるぞ」
友「わ!マジかよ!あっぶねー」
男「掃除の拭き残しか、誰かがお茶でもこぼしたんだろ」
友「おお、男、サンキューな」
-
友「よっと」 ヒョイ
男(良かった。友は無事に階段を上れた)
友「あのままだと滑っていたかもなー」
男(まあ実際滑るはずだったんだが…)
-
―屋上―
友「やっほー」 ガチャ
男「どーもー」
幼馴染「あ!男に友君!」
幼馴染「一緒に食べよ!…と言いたいところなんだけど…」
男「だけど?」
幼馴染「ごめん!」
幼馴染「今日は弁当じゃなくて、購買のパンを買わなくちゃいけなかったの、
すっかり忘れてた!」
幼馴染「私、購買に行ってくるから、先に二人で食べてて!」
-
<font color="000000">
男「あ!階段下りるときに濡れてるから!気をつけろよ!」
幼馴染「あ、うん!分かった!」ダッ
ガチャ バタンッ
男「……」
友「……」
男「……」
友「…なあ」
男「うん?」
友「ここに来たあとに、昼飯忘れたのに気づくって…」
友「どんだけ天然なんだよ」
男「うん。可愛いよな」
友「いやなんか違うぞ」
</font>
-
なにこれ面白そう。
期待
-
>>37
NTRではないから安心してつかーさい
-
なんで2回も安価つけてんだろこいつ・・・
-
幼馴染みがあれか
おつ
-
>>51
スマン
最初のは、字面的に命令文と誤解されるかなと思って
ふんわり仕上げにしたかった
-
友「…ま、とりあえず食うか」 カパ
男「そうだな」 カパ
男・友「いただきます」
男「お、友の弁当は鮭メインか」
友「やらんぞ」 モグモグ
男「え?俺欲しいとは一度も…」
友「やらんぞ」 モグモグ
男「いやだから」
友「何か対等な主菜と交換するのなら考えてやらんこともない」 モグモグ
男「…お前それ目的だろ」
友「あ、バレた?」
男「当たり前だよ」 モグモグ
-
友「……」 モグモグ
男「……」 モグモグ
友「…そういやさー」
男「何だ?」
友「お前、もう幼馴染には告白したのか?」
-
<font color="000000">男「!!!」 ゴッハッ
男「ごほっ!!げほっ…な、急に何を…!!」
友「え?幼馴染のこと好きなんだろ?今更じゃん」
男(こいつ…俺の家と連携して俺をむせ返らせたいのか…!!)
友「すぐに否定しねーってことは?やっぱり?」
男「うぅ…」
友「だってお前らの関係って甘々じゃん?」
友「今日も放課後一緒に帰る約束してんだろ?」
男「……」
</font>
-
男「ああ!そうだよ!」
男「俺は、幼馴染のことがす、好きなんだよ!(小声)」
友「ひゅーひゅー」
男(くっ…うぜえ…)
友「まあ気持ちは分からんでもない」
友「優しいし、可愛いしな」
友「お前にはぴったりの彼女になるだろうな」
男「な、何だ…?応援してくれるのか?」
友「あたりめーだよ」
男「そ、そうか…お前の性格からしてとことん邪魔してくるかと思った」 ホッ
友「俺はどんな悪役設定をつけられてるんだよ…」
-
<font color="000000">友「それはそうと、お前の気持ちは分かった」
友「あとは告白するだけだろ。チャンスあるじゃん」
男「簡単に言うなよ…」
友「早くしないと、誰かにとられるぞ」
男「う…確かに」
友「お前の他にはない最大の強みは、幼馴染と誰よりも近いってことだ」
友「ガツンといっちゃえよガツンと」
男「だからこそ振られたときが怖いんだよ」
男「あいつと誰よりも近いから…」
</font>
-
<font color="000000">友「ふー…まあその気持ちも分かるけどさ」
友「自信を持った方が良いぞ」
男「ああ、…ありがとう」
</font>
-
<font color="000000">
友「礼を言われるようなことじゃねーって」
友「そうだ、礼と言えば、さっきは改めてありがとうな」
男「さっき?」
友「階段だよ。階段」
男「ああ、あれか」
男「別に大したことじゃないだろ。むしろ黙っている方がおかしいし」
友「まぁそうかもしんねーけどさ」
友「なんつーか…今思ってみるとさ、懐かしかったんだよ」
友「昔も事前に注意されて、よく助けてもらったなーって」
男「……」
男(そんなことがあったな。予知のおかげか…)
</font>
-
<font color="000000">友「お前といるとなんか安心するな」
男「幼馴染から言われたいな。それ」
友「えっ失礼じゃね!?」
男「あはは」
幼馴染「はぁはぁ…お待たせ―!」 ガチャ
男「おかえりー」
友「待ってないよ(キリッ)」
男「はいはい」
幼馴染「購買のパン、ほとんど売り切れてた…かろうじて2個ゲットしたよ」
幼馴染「ふー、疲れた。隣に座らせてー」 ペタン
男「おかまいなくー」
男(あー…意識しちまう///)
</font>
-
<font color="000000">友「青春だねー」
幼馴染「え?」
友「いやべつにぃー?」 ニヤニヤ
男(こいつ…シバくぞ)
男「こんな奴の言うことはどうでも良いから、早く食べないと」
幼馴染「あ、確かに早く食べなきゃ」
幼馴染「いただきまーす!」 モフッ
友「俺らもはよ弁当食べ終わろうぜ」 モグモグ
男「そうだな」 モグモグ
</font>
-
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
キーンコーンカーンコーン
先生「…――― で、先生からの連絡は以上だ」
生徒「起立 」
ガタッ
生徒「気を付け。 礼」
アリガトーゴザイマシター
先生「おう、気を付けて帰れよー」
… ガヤガヤ
-
友「今日ももう終わりか…」
男「どうしたよ。そんなに哀愁漂わせて」
男「そんなキャラじゃないだろ」
友「数学のメガネ野郎に罰として課題倍にされた」
男「そりゃご愁傷様」
男「自業自得だけどな」
-
<font color="000000">
友「今日は頑張ってみるか…次は4倍にされそうだし」
男「ああ、やりそうだな。あの先生なら」
友「はぁ…じゃあもう帰るわ」
男「頑張れよ」
友「へーい」
友「幼馴染と、上手くいけよな」
男「もちろんだ」
友「じゃあな」 ガラッ
男「おう」
ピシャン
男「……」
</font>
-
男「……」
男(今日の帰り道は要注意…だな)
キャッキャッ
男「ん…?」
チャラ男「今日もさー」
チャラ女「えーいいけどぉー」
チャラ男「いっぱい楽しもーぜー」
チャラ女「じゃあ今日もあそこにするぅー?」
男(チャラカップル…)
-
チャラ男「んじゃ、さっそくぅー行こうぜー」
チャラ女「いこいこぉー」
ガララッ ピシャッ
男「……」
男「まさか…」
男(聞き耳)
ガッコウデヤルノッテ スリルパネエヨナー
カイダンデヤルトカ チョウウケルー
男「」
男(マジかよ…あの液って…)
男(お前らかよおおおおお!!!)
男(……)
男(友には言わないでおこう…)
-
男(あ―…) テクテク
男(あいつ等のせいで俺が必死になったかと思うと腹立つ…)
―校門―
男「あ」
幼馴染「あ、やっほー!」 フリフリ
男「今日はそっちのクラスのHR、早かったんだな」
幼馴染「うん」
幼馴染「男を待たせなくて良かったよ!」
-
幼馴染「じゃあ、帰ろっか」
男「おう」
幼馴染「はい」 スッ
男「?」
幼馴染「豆大福だよ」
-
幼馴染「昨日、おばあちゃん達に和菓子あげたら、凄く喜んでくれたんだ」
男「おお」
幼馴染「それで、お礼も兼ねて一個持ってきたの」
男「あ、ああ。ありがとう」
男(なにこれ嬉しい)
男「三日かけて大切に食べるよ」
幼馴染「生菓子だからそれは危ないと思うけど…」
-
<font color="000000">
男「それは残念だ…」
幼馴染(本当に残念そう…何でだろう?)
男「ふう、じゃあ気を取り直して出発〜」
幼馴染「あ、男」
幼馴染「ん」 スッ
男「?」
男(え、何?今度も何かくれるのか?)
幼馴染「ほら」
男「…??」
幼馴染「んん〜…」
幼馴染「ほら!手、繋ごう?」
</font>
-
<font color="000000">男「〜〜〜!!!」
男(お、落ち着け…!平常心平常心…)
幼馴染「はやくー」
男(ニヤけてはならない!ここはクールに決めろ!)
男「あ、ああうん。そうだな。うん」
男「まあな、こ、ここ最近寒いし、俺も繋ぎたかったんだよな〜」
さりげなく手汗をズボンで拭いた
男「うけてたとう!!」 ガッ
幼馴染「えっ?う、うん」
手を繋ぐというより、友情の握手みたいに握ってしまった
全然クールじゃなかった
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「……」 テクテク
男「……」 テクテク
男(ヤバいヤバい鼓動がヤバい) バクバク
男(絶対向こうに気付かれてる)
幼馴染「……」
男(ついでに言うと手汗も半端ない)
男(こういう時に限って話が出てこないのもヤバい)
男「あ…」
男「そういえばさ…」
幼馴染「うん?」
</font>
-
<font color="000000">男「昨日はメール…ありがとう」
男「嬉しかった」
幼馴染「!」
幼馴染「へへ、そういってくれるとこっちも嬉しいなー」
男「そうか…」
幼馴染「そうだよー」
</font>
-
男「でもさ」
男「幼馴染も…無理はするなよ」
幼馴染「え?」
男「あ、いや…深い意味はない」
男「ただ…祖父母の前で、無理してるんじゃないかって…」
幼馴染「……」
幼馴染「…そんなことはないよ」
幼馴染「私は、私にできることをやろうとしているだけ」
幼馴染「やりたいから、やるんだよ」
男「……」
-
男(しまった…)
男(俺、馬鹿だ…)
男(楽しい話をするつもりが…こんな…)
男(幼馴染を悲しくさせるだけじゃないか…)
男「分かった…」
幼馴染「うん…」
男「……」
幼馴染「……」
-
<font color="000000">
男「……」
幼馴染「……」
男(……)
男(どうしよう)
男(結局何も楽しい話ができずに)
男(家に近づいてきてしまった…)
幼馴染「……」
幼馴染「う…」 ギュ…
男「!」
男(え…)
男(幼馴染が…俺の手を強く握ってくれた…?)
</font>
-
<font color="000000">男(嬉し…いや、待て)
男(いったいどうして…)
幼馴染「……」 フルフル
男(!?)
男(微かに…震えている…?)
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「……」 フルフル…
男「お、おい」
男「どうした幼馴染?寒いのか?」
幼馴染「…な、なんでもない!」
男「いや、だってお前…」
</font>
-
ズキン
男「あ―――」
映像だ 不幸の映像
虫の知らせ
曲がり角 幼馴染と別れる いつもの曲がり角
電柱 ブロック塀
誰かがいる 男がいる
顔が見えない 隠れている
幼馴染を見ている
お前は、誰だ…
-
……とこ
……うしたの!
幼馴染「男!」
男「…!!」
幼馴染「どうしたの…急に立ち尽くして…」
男「えっと…」
幼馴染「また貧血?」
男「あ、ああ。そうみたいだ」
-
<font color="000000">男(やはり…)
男(また、予知が起こった…)
男(何だったんだ…今の…)
男(いや、いずれにしても、だ)
幼馴染「……」 オロオロ
男(今度も、幼馴染に関係している…)
男「今は、俺のことなんてどうでも良い」
幼馴染「っ!…どうでも良くなんか…」
男「さっきのお前、様子がおかしかったけど」
男「本当に、何があったんだ?」
幼馴染「…ッ」
</font>
-
<font color="000000">男「まさか、お前…」
男(これは推測だが――)
男(恐らく、幼馴染はここ最近…)
男(ずっと――)
男「ストーカーに、狙われているのか?」
幼馴染「――!!!」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「…そんなっ…ことは…!」
男「最近、よく下校に誘ってくれるのも」
男「一人で帰ると、ソイツがいるからか?」
男「なあ」
男「教えてくれ」
幼馴染「う……」
男「俺は…お前が心配なだけなんだ」
男「幼馴染…」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「う……さい…」
男「頼む…」
幼馴染「うるさい…」
幼馴染「うるさいうるさいうるさい!!!」
男「幼…」
幼馴染「構わないで!」
幼馴染「もう…構わないでよ…!」
男「でも…」
幼馴染「近寄らないで!」
幼馴染「……」 グスッ
</font>
-
男「……」
幼馴染「……ッ」 バッ ダダッ
男「あ!おい!」
-
http://ssks.jp/url/?id=489
-
≪≪http://qq4q.biz/tA74≫≫
-
なんで急にヒスってんだ?
-
<font color="000000">男「急にどうしたんだよ!待てって!!」 ダダッ
幼馴染「…!!」 タタタタッ
男(これは不味い…!!)
男(その曲り角には――)
幼馴染「……」 タタタタ
男「い、行くな!そこは…!!」 ダダダダ
必死で逃げる幼馴染の後を追う
彼女が向かっているのが自宅のつもりでも
そこには、謎の男が潜んでいた曲がり角がある
予知に出てきたということは
間違いなくソイツは、災いをもたらす
</font>
-
<font color="000000">男(探せ…!あの男を…!) ダダダダ
男(なにか行動を起こすかもしれない…) ダダダダ
通りを駆けながら、辺りを見渡すが
奴は発見できない
隠れたのだろうか
男「おい!幼馴染!」 ダダダダ
幼馴染「ごめんね…」 ボソ… タタタタ
俺に何かを言ったようだが、聞き取れなかった
そのまま幼馴染は、家の玄関に逃げ込んでしまった
</font>
-
バッ ガチャンッ
男「幼馴染…」 タタ…
男「…畜生…」
男「……」
男「…はぁ」
男(幼馴染を…救えたのか…?)
男(一体何なんだ…)
男「……」
後ろを振り返る
そこには、人影は一切無かった
男「……」
-
<font color="000000">
男「…畜生…畜生…」
何故だかは知らないが、幼馴染を怒らせてしまった事実
そして己への不甲斐なさから
重い足を引きずるように、自宅へと向かう
男「…畜生」
</font>
-
男「……」
男「ああ、家だ…随分と遠かったように感じるな…」
男「ただいま…」 カチャ
母「あら、おかえり」
母「ご飯、できて…」
男「晩飯後で良い…」
男「寝てくる…」
母「あら…」
母(何だか傷心のようね)
母「そっとしといてあげましょう…」
-
―自室―
カチャ
男「はぁ…」
男「今日は…疲れた」 ボスッ
男「……」
男「俺は…何ができる…?」
男「幼馴染のためにも…何が…」
男(ああ…)
男(考えるだけで…疲れが…)
男(もう……)
男(……)
-
<font color="000000">・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
男「……」
男「…!」 パチ
男「朝日…」
男「あのまま寝てしまったのか…」 ムクリ
男「……」
男「…よし」
男「幼馴染と、話し合おう」
</font>
-
<font color="000000">
男「…おはよう」
母「あ、おはよう」
母「昨夜は一度もここに来なかったね」
男「うん…」
母「まあ何があったのかは知らないけどさ」
母「無茶はしないでよ」
男「…分かってるよ」
</font>
-
<font color="000000">
男「……」 カチャカチャ
男「おし」 ギュッ
男「じゃあ行ってきます」 ガチャ
</font>
-
<font color="000000">
男「清々しい天気だな」 テクテク
男「俺の気も知らないで…って当たり前か」
猫「にゃ〜お」 スタスタ
男「あ」
男(自由そうだな。猫って)
男「……」
男(今日も幼馴染は、家の手伝いかな…)
</font>
-
<font color="000000">
―学校―
友「おっす。おはよ」
男「ああ、おはよう…」
友「あれ?何か…暗くね?」
男「え?」
友「いつにも増して、顔死んでるぞ」
男「ちょ」
</font>
-
<font color="000000">友「何かあったの?」
男「別に何も」
友「ほーん。なら良いけど」
男(くっ)
男(こういう所で無駄に洞察力が良いなコイツ)
男「あ、そういや数学の課題やってきたか?」
友「!!??」
友「あああああああ!!」
男「うわぁ…ちょっと同情。ほんのちょっとな」
友「手伝ってええええ!!」
男「人は自分で壁を乗り越えるのだよ」
友「鬼!悪魔!数学者!」
男「数学者は悪じゃないぞ…」
</font>
-
>>100
下がめっちゃスペース空いてしまった…
ミス
-
空いてないぞ
-
数学メガネ「―――であるからして…」 カッカッ
男「……」 カキカキ
友「うええ…」 カキカキ
男(幼馴染に、いつ会いに行こうか…)
男(今日も昼飯、一緒に食ってくれるかな…)
男「くそ…同じクラスだったら…」 ボソ
数学メガネ「おい男。集中せんか」
男「あ、はい…」
友「おいおい物思いに沈み過ぎだろー」 ヒソヒソ
数学メガネ「友もうるさい」
数学メガネ「課題、後で提出できるんだろうな?」」
友「」
-
>>103
ありゃ…本当だありがとう
気を取り直して投稿再開します
亀更新だけど許してね
-
<font color="000000">
先生「1768年には――…」
男「……」 カキカキ
友「うぐぐ…」カキカキ
</font>
-
<font color="000000">
古文先生「――という訳が可能であって…」
男「……」 カキカキ
友「あ、これは楽しい」 カキカキ
</font>
-
<font color="000000"> キーンコーンカーンコーン…
男(結局一度も幼馴染に会いに行けなかった…)
男「はぁ…」
友「よお、飯食おうぜー」
男「おう、良いけど…」
友「あ、そうそう」
友「幼馴染のクラスメイトから伝言があったんだけどさ」
男「何だよ」
友「今日は幼馴染は学校休んでるってさ」
男「…え?」
</font>
-
友「でも不思議だよなー」
友「わざわざクラスメートに伝言を頼むなんてさ」
男「……」
友「やっぱりお前ら、昨日に何かあったのか?」
男「ねーよ…何も」
友「へーえ。無理やり告って玉砕の線が濃厚だったけどな」
男「まだ告ってない…ってうるせーよ」
友(進展無しかー)
-
<font color="000000">
友「まあ休んでるもんはしょうがない。元気になってほしいな」
男「そうだな…」
友「んで、どこで食べる?屋上か?」
男「屋上は…うん、止めておこう」
友「? 分かった」
男「たまには教室で食おうぜ」
友「おう」
</font>
-
a
-
<font color="000000">
友「いただきまーす」 カパ
男「いただきます」 カパ
友「お、この卵焼きめちゃ甘」 パク
男「そうか」
友「ちょっとは気にしろよ…」
男「……」モグモグ
友「……」 モグモグ
男「……」 モグモグ
友「……」 モグモグ
友「あ、そうそう」
男「今度は何だよ…もうむせ返らすなよ」
友「幼馴染のお見舞いって、お前行くの?」
</font>
-
男「!?」
男「ぐっはっ!! げほっ!」
友「ええ!?それでむせるとは…」
男「げほっ…」
友「で、行くのか?」
男「……」
男「行くよ。もちろん」
友「そうか」
友「なら、今日はお前だけで行って来い」
男「え?何でだよ」
友「ちょっとは二人でゆっくり話したらどうだ?お見舞いではあるけど、
良い機会でもあるんじゃないのか?」
友「俺は適当な用事で来ないと言っておけ」
男「友…」
-
古典楽しいとかすげえな
俺は数学の方がまだ好きだった。1番は社会科目だったけど
-
<font color="000000">男「色々と、ありがとな」
友「へっ、良いって事よ」
男「分かった…今日の帰りに、一人で寄るよ」
男「そこで、言いたいことを伝えたい」
友「おうおう。さっさと青春を謳歌してこいよな」
</font>
-
<font color="000000">・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
キーンコーンカーンコーン…
友「じゃあまた明日な」 ガラッ
男「おう。また明日」
ピシャン
男「……」
男「さて、俺も行くか」
</font>
-
<font color="000000"> ―通学路―
男「……」 スタスタ
男(周囲に気を払え…いつ予知がおこるか分からないんだからな)サッ
男「……」 キョロキョロ
男「……」スタスタ
男「…!」
男「あ、そうだ」
</font>
-
<font color="000000">
男「豆大福、四つで」
店主「はいはい」 ガサガサ
店主「そういや、一昨日の彼女さんはどうしたの?」
男「彼女…ではないですけど///」
男「ちょっと学校休んでるんで、お見舞いに…」
店主「え?そうなの?そりゃ心配だわな〜」
男「はい…」
店主「とにかく、彼女さ…じゃなかった、お友達を大切にね」 テワタシ
男「はい…!」
</font>
-
<font color="000000">
男「よし・・・」
男「豆大福も買ってきたことだし…」
―幼馴染宅―
男「行くぞ…」 スッ…
ピンポーン
男「……」 ドキドキ
男「ゴクリ…」
ガチャ
男「!」
</font>
-
<font color="000000"> 『はい。どなたでしょうか』
男(この声は…幼馴染の祖母か?)
男「あの、俺は幼馴染と同じ学年の、男です」
『ん?男君…?』
『あら、男君じゃないの〜久しぶりね!』
男(あ、覚えててくれたのか…)
『幼馴染に用があるんでしょう?』
男「はい。お見舞いに…」
</font>
-
<font color="000000">『そういうことだったら遠慮はいらないわ』
『お上がりなさいな』
男「え、良いんですか?」
『良いわよ〜昔よく遊んだ仲じゃない』
男(良かった…断られるかと心配だったけど、向こうからOKしてくれるとは…)
『ちょっと待ってて。今行くわね』
男「え?」
ガチャ
幼祖母「ほら、上がって上がって」 クイクイ
男「わお…」
</font>
-
今日の所はこの辺で
-
ふむ
とりあえず乙
-
乙
予知の対象ってどのくらいの親密さで
発動されんの?
-
<font color="000000">>>124
肉親・ 幼馴染 ・毎日一緒に会話するほどの友
このあたりが対象だと考えています
付き合ってきた年数や、会う頻度で決めています
</font>
-
<font color="000000">
幼祖母「何遠慮してるの?ほら」
男「あ、は、はい」
幼祖母「しっかし大きくなったねぇ〜」
幼祖母「家に来るのも久しぶりだし、あんたが来てくれて幼馴染も
きっと喜ぶわ」
男「そう…でしょうか」
幼祖母「そりゃそうよ」
幼祖母「あの子ったら、男君のことを大好きなんだから」
男「え?」
幼祖母「幼馴染に声かけてくるわね」
幼祖母「その間に勝手に上がってて」
</font>
-
<font color="000000">
幼祖母「幼馴染〜!」
幼祖母「男君がお見舞いに来てくれたわよ〜!」
「エエ! チョット!」
「ソンナノキイテナイヨ!」
男「あの〜…」
幼祖母「ほら、あの子がいる二階に行ってやって」
幼祖母「大丈夫よ」
男「…はい」
男「お邪魔します」
</font>
-
<font color="000000">
―幼馴染自室前―
男「……」 スー
男「……」 ハー
男「……」
男「……」 コンコン
男「幼馴染、居るか?」
「……」
男「鍵はかかっていないな…入るぞ」 ガチャ
「あっ!ちょっと待って…!」
</font>
-
<font color="000000">
男「…よう」
男「見舞いに来たぞ」
幼馴染「ぁ…あう…」
男「何で部屋の隅に寄っているんだ?」
男「…避けているのか?俺を…」
幼馴染「……」
</font>
-
男「……」
幼馴染「……」
幼馴染「あ、あの!」
幼馴染「き、昨日は酷いこと言って…!」
幼馴染「その…」
男「ごめん!!」 バッ
幼馴染「本当にごめんなさ…え?」
-
<font color="000000">
男「幼馴染は…俺の、何も考えないでズケズケ言う」
男「そんな性格に怒ったんだよな…」
幼馴染「え?え?」
男「ごめんな…ホントに俺…」
男「幼馴染の気持ちも…全然考えないで…」
男「ごめん…!」
幼馴染「……」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「うう…」
幼馴染「うわああああん!」
男「!?」
幼馴染「ち、違うの!全部…私が悪いの!」
幼馴染「男は何にも…悪くない…!」
幼馴染「本当は…全然怒ってなんかない…!」
男「そ、それはどういう…」
幼馴染「男に…嫌われようと思ったの…」 グスッ
幼馴染「私を…避けてほしかったの…」
男「え…」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「私ね…男に心配された時」
幼馴染「本当はとっても嬉しかった…」
男「……」
幼馴染「でも」
幼馴染「私は男を、利用していたんだよ…」
男「そんなこと…」
幼馴染「ストーカに狙われているのは本当」
男「!」
幼馴染「でも、自分じゃ何もできなかった…」
幼馴染「怖かったの…毎日毎日…」
幼馴染「誰かが尾けてくる…」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「交番に行ってね、警官にも相談したの」
幼馴染「でもね」
幼馴染『お願いです!いつも誰かが尾けてくるんです!』
警官『うーん…そうは言ってもねえ…』 ポリポリ
警官『思い込みの可能性もあるからねぇ―…」
幼馴染『そ、そんな!周辺の見回りだけでも…!』
警官『嬢ちゃん、今の世の中はね』
警官『勘違いでみーんなが迷惑するなんてこと、よくあるんだよ』
幼馴染『だから…!勘違いなんかじゃ…』
警官『まずは証拠だよねー』
警官『それが無いと、こっちも動けないよ』
</font>
-
<font color="000000">幼馴染『――!!」
幼馴染『ッ…分かりました!もう結構です!』
警官『あ、一応用件だけ書いとく?』
幼馴染『いいですそんなの!』 ダッ
幼馴染「まともに取りあってもらえなかったんだ…」
男「……」
幼馴染「だから…一緒に帰ろうって、男を騙して…!」
幼馴染「怖いから…ただ近くに置こうとしただけなのに!」
幼馴染「そんな私が、「男の幼馴染だから」だなんて一丁前に行って…」
幼馴染「そんな資格ないのに…」
幼馴染「私って…最低」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「それに…」
幼馴染「こんな私に付き合っていたら、男まで危険な目に会う」
幼馴染「だから、もう…」
男「……」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「…グスッグスッ…」
男「…幼馴染」
幼馴染「!」 ビクッ
男「それを聞けて、俺は嬉しいよ」
幼馴染「…?」
男「つまり今回は、俺を頼ってくれたってことだろ?」
男「お前いっつも無理してるからさ…誰にも甘えないで」
男「だから人一倍、責任を感じてしまうんだよな」
幼馴染「男…」
男「大丈夫だ。全然気にすることじゃない」
男「警官が何を言おうが、俺は幼馴染の頼みを無下に扱ったりなんてしない」
男「だから、安心しろ」
</font>
-
幼馴染「男…男ぉ…」 グズッ
男「だー!もう泣くなって」
幼馴染「だって…だってぇ…」 グスグス
男「ノープロブレムだ!むしろドンと来い!」
幼馴染「え…」
男「……」
幼馴染「……」
男「…だったっけ?」
-
<font color="000000">幼馴染「…フフ…」
幼馴染「アハハハハハ…」
男「な、何だよ、笑うなって///」
幼馴染「アハハ…」
男「ハハ、ちょ、笑い過ぎw」
幼馴染「ハハ…ふぅ…」
男「お、やっと収まったか」
幼馴染「お、男…」
幼馴染「…ありがとう」
</font>
-
<font color="000000">男「礼はいいよ」
男「これからも、俺を頼ってほしい」
幼馴染「ご、ごめん…」
男「謝罪も要らないって」
男「これからも俺を頼ってくれ」
男「ずっと…お前を守らせてくれ」
幼馴染「…!」
男(いまなら…)
男(いや、今こそ言うべきだ)
男「俺さ…」
男「幼馴染のことが…」
男(うう…)
男(ああ―!滅茶苦茶緊張する…!!)
男「」 バクバクバクバク
幼馴染「お、男…?」
</font>
-
<font color="000000">男(言え!)
幼馴染「……」
男「好きだ」
幼馴染「えっ…」
幼馴染「えええええ!?!?///」
男「幼馴染のことが、大好きだ」
幼馴染「わあああああ二回言わなくていいからあああ!!!///」
男「大好きなんだ!」
幼馴染「ちょちょちょ…えええええ!?///」
</font>
-
<font color="000000">
/ エエエエエエエエ!!??/// \
幼祖母「あら…」 ピタ
幼祖母「あらあら…元気だったのね」 クスクス
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「わわわわわ///」 ゴロゴロ
幼馴染「いいいいきなりすぎるよ!!///」
男(床を転がりながら悶絶してる…)
男(しかも顔を真っ赤にして…)
男(天使だ。天使がここにいる)
幼馴染「ん!?」 ピタ
幼馴染「あの…一応聞くんだけど…」 オソルオソル
男「どうぞ」
幼馴染「その〈好き〉って…幼馴染としてってこと?」
幼馴染「それとも…い、異性としてってこと?」
男「もちろん異性として///」
幼馴染「うにゃあああああ!!!///」 バターン
男「おわっ!?大丈夫か!?」 ビクッ
</font>
-
男「落ち着いた?」
幼馴染「う、うん///」
男「で、あの―…」
男「へ、返事は…」
幼馴染「……///」
幼馴染「うん。私も…男のことが…好き」
男「!!!」
男「よ、良かったぁ〜」 ヘナ
男(いよっしゃあああああああ!!!) グッ!
男「じゃあ…///」
幼馴染「これからも…よろしくお願いします///」
男「///」
幼馴染「///」
-
<font color="000000">
幼祖母「何だか今はお菓子を持っていっちゃいけない気がするねぇ」
</font>
-
これはいいBBA
-
<font color="000000">
男(さて、どうしようか…)
幼馴染「……///」 シュ〜
男(このままここに居ても幼馴染がぶっ倒れそうだし…)
男(でも超可愛いからずっと見ていたい)
男(しかし!ここは引き上げるべき…!我慢だ…!) ググ…
男「幼馴染」
幼馴染「は、はえっ?」 ビクッ
男「俺、今日のところはもう帰るよ」 スクッ
幼馴染「え、あ…そうなの…残念」
男(残念なのは俺も一緒だからそんな懇願するような顔は止めて…)
男「あ、これ、渡しそびれてたけど豆大福」 ガサ
男「一個は俺が貰っといたけど、三個を三人で仲良く食べてくれ」
幼馴染「わ!ありがとう!」
男(可愛い)
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「もっと一緒に居たかったけど…しょうがないかぁ…」
男「おう。また明日学校で会おうぜ」 ガチャ
幼馴染「うん」
幼馴染「明日は学校、ちゃんと行くよ」
男「昼も一緒に食べような」
男「友は今日は用事で来れなかったけど、お前のこと待ってるから」
幼馴染「うん」
男「じゃ」
幼馴染「また明日」
…パタン
</font>
-
幼祖母「あらぁ〜もう帰っちゃうの?」
男「はい」
幼祖母「うふふ…言いたいことは言えたようね」
男「へ?」
幼祖母「いいえ、なんでもないわ」
男「そうですか…」
幼祖母「男君」
幼祖母「これからも幼馴染のこと、お願いね」
男「……」
男「分かりました。任せてください」
-
<font color="000000">男「では、お邪魔しました」 ガチャッ
バタン
幼祖母「……」
/ ウニャアアアアア!!/// ゴロゴロ\
幼祖母「…ふふ」
幼祖母「幼馴染ったら、良い彼氏を持ったじゃないの」
</font>
-
<font color="000000">
男「〜♪」 テクテク
男「はぁ〜」
男(幸せだなぁ…)
男(っと、イカンイカン。ニヤけてしまう)
男「しっかし…」
男「幼馴染に…ついに想いを伝えられたんだ」
男「長かったな―…」
男(家までスキップしたい気分だ)
男「〜♪」
</font>
-
<font color="000000">
ユダンヲスルナ
</font>
-
<font color="000000">
キョウブジダカラトイッテ
アシタハブジダトハカギラナイ
マダフコウノレンサハオワッテイナイ
</font>
-
<font color="000000">男「……」 ピタ
ソノフコウノチュウシンニイル
オサナナジミヲスクエルノハ
ヨチガデキルジブンタダヒトリ
男「守る…」
男「幼馴染を、守ってみせる」
</font>
-
<font color="000000">
今回はここまで
今日はもう更新できないかもしれません
ここまで見てくれてありがとうございます
これからも応援をお願いします
</font>
-
乙
今後も期待
-
乙。未来が見えるというか死の予言よな
-
おつおつ
-
<font color="000000">
男「うまうま」 ガツガツ
母「今日は帰ってきて早速寝るわけでもなく、夕食を食べるなんて」
母「珍しいわね―」
男「ん…ちょっとな」 ガツガツ
母「良い事でもあったの?」
男「あった」
母「へえ。何なの?」
男「今はあんま言いたくないな。まあこれから先言うだろうから待ってて」
母「ふーん…もったいぶっちゃって」 クスクス
父「……」 モグモグ
</font>
-
<font color="000000">男「…ごちそうさま」 カタン
母「はいどうも―」
男「…課題やってくる」 スタスタ
母「……」
母(ちょっと前まですごく落ち込んでたのにね…)
父「…おい」
父「男は…幼馴染ちゃんとは今も仲良くしているのか」
母「お父さん」
父「?…何だ?」
母「あの子の前でそれ、言っちゃだめよ」
父「…?」
母(多分恋の悩みだったんでしょう。今までのは)
母(相手が幼馴染ちゃんかどうかは分からないけど…)
母「とにかく、言わない方が良いわ」
父「よく分からんが…まぁ、分かった…}
</font>
-
<font color="000000">
―自室―
男「……」 カリカリ
ヴーヴーヴー
男「!」
男「メール…幼馴染から…」
―幼馴染―
『昨日は改めてごめんなさい。そしてありがとう。
ふつすかものですがよろしくお願いしますm(- -)m』
男「……」
男「ぷっ…誤字ってるし…」
男「可愛いなぁまったくもう…」
男「…そういえば、言い忘れてたな」
男「こちらこそ、よろしくお願いします」
</font>
-
<font color="000000">
チュンチュン…
男「ふあ…」 ノビー
男「よく寝た…」
</font>
-
<font color="000000">
男「いってきますっと…」 ガチャ
男「……」 テクテク
男「……」 テクテク
男「…お?」
幼馴染「やっほ―!おはよう!」 フリフリ
男「お、幼馴染!家の手伝いは?」
幼馴染「今日はもう良いって送り出された」
〜回想〜
幼祖母「今日はもう良いから…」
幼祖母「行ってきな…へへっ(ゲス顔)」
幼馴染「ちょ///」
〜回想終わり〜
男「そ、そうか…」
</font>
-
<font color="000000">男「じゃあ今日は一緒に登校できるな」
幼馴染「そ、そうだね」
男「……」
幼馴染「……」
男「……」
幼馴染「……」
男「手、繋ぐ?」
幼馴染「うん!」
ギュッ
幼馴染「えへへー///」
男「…守る」 ボソッ
幼馴染「え?」
男「いや、なんでもない。行こう」
</font>
-
<font color="000000"> ―学校―
男「おはよ」
友「おっす。おはよ」
友「あれ?」
男「またか。今度は何だ…?」 フー
友「お前の目に希望が見える…」
男「は?」
友「すんげーキラキラしてるぜ…マジで」
男「マジかよ…」
</font>
-
<font color="000000">友「お前…」
男「」 ギク
友「幼馴染に告ったな?」
男「」 ギクク
友「で、成功したと」
男「お前すげーな…」
</font>
-
<font color="000000">友「そうかそうか」
友「ははっ、やったな!」 バシバシ
男「ちょ、声大きいなおい」
友「みんなー!聞いてくれー!おとk オボッ!!」 ドゴム
男「友…応援ありがとう。そしてくたばれ」
友「グフ…この照れ屋さんめ…」
</font>
-
<font color="000000">
―昼食―
友「飯だー!」
幼馴染「うおー!」
友「屋上行くぞ!屋上!」
男「あ、おい…」
幼馴染「? どうしたの?」
男「いや…行くか(予知は起こってないな…大丈夫か)」フウ…
</font>
-
<font color="000000">男(あいつ等のあんなことやこんなことの現場だし…)
男(生理的に受け付け難いが…不自然だからなぁ…)
友「幼馴染、復帰おめ!」
幼馴染「ありがとう!心配かけたね」
友「男もほら!」
男「…!?」
友「おめでとうって…さ」 ニヤ
男「うぐ…お、おめでとう(コイツ…)」
幼馴染「う、うん…///」
友「ひひっ」
</font>
-
<font color="000000">
―屋上―
友「晴れ!」
男「ちょっと暑い。でもめっちゃ快晴だな」
幼馴染「良きかな良きかな」
友「弁当弁当っと…」 スルスル
男「縁側に座るか」
幼馴染「そうしよー」
ワイワイ…
「「「いただきます」」」
</font>
-
<font color="000000">
友「…そういえばだな」 モグモグ
男「んあ?」 モグモグ
幼馴染「なになに?」 モグモグ
友「チャラ男とチャラ女いたじゃん?」
男「いたな…いた?過去形?」
友「うん。で、そいつらカップルだっただろ?」
幼馴染「へえ。そうだったんだー」
男「カップルだったねぇ。カップルでしたよはい」
友「そいつら、退学させられたらしい」
男「え?」
幼馴染「ええっ!?何で?」
友「なんでも学校であれやこれやしてるのが見つかったんだとよ」
幼馴染「ええ…」
男(いつもの遅刻かと思ったら…退学だったなんて…)
</font>
-
<font color="000000">男(内心まぁそりゃバレるわなって思うけど)
男(……)
友「つー訳で、クラスメイトが2人減っちまったんだよな」
幼馴染「自業自得ではあるけど…少し可哀そうだね)
男(…あいつ等のせいで、友は危ない目に遭う所だったからな…)
男(少なくとも、階段での転落はもう――…)
男(…?)
男(…何だ?今少し違和感が…)
男(……)
</font>
-
幼馴染みが幸せになってよかったよかった
幼馴染み←アドパンテージじゃない
ことが多いもんなぁ
-
<font color="000000">
キーンコーンカーンコーン…
キリーツ キオツケ レイ アリガトウゴザイマシター
ガヤガヤ…
友「ぐは―――っ!肉体を酷使しすぎた…暫く眠りにつく…」
男「課題地獄が終わって良かったな」
友「昨日の夜と昼以外の休み時間を全部ブっこんだ。死ぬかと思った…」
男「今日も出てるけどな。課題」
友「それを言うなそれを…」
</font>
-
<font color="000000">男「お、幼馴染待たせてるからもう行かねえと」 イソイソ
友「イチャラブしおって…」
男「なあ」
友「あんだよー?」
男「友が居なかったら、多分俺、幼馴染と付き合えなかったな」
友「ったりめーよ。俺の力ナめんじゃねーよ」
友「まあ困ったときはお互い様だ」
男「そうだな」
友「実際課題で困ってんだけどな、俺…」
男「それは駄目だな」
</font>
-
<font color="000000">友「ちぇ―」
友「…あとさあ」
男「なんだ?」
友「俺だけハブるとか、マジで止めてな。マジで」 ガクガク
男「いや、それは無いから安心しろ」
友「良かったわ―。ホントそれが不安だったっつーの」
男「当たり前だ。じゃーな」 ガラ
友「おうよ。ってか俺も同時に出るけどw」 ヒョイ
男「はははw」
友「ははw」
</font>
-
<font color="000000"> ―校門―
幼馴染「お待たせ!」 タタッ
男「待ってね―って」
幼馴染「じゃあ、行こっか」
男「ああ」 ギュ
幼馴染「ちょ、いきなり手…///」
男「帰るぞ―」 クイ
男(自分から動かねば照れて動けなくなる自信がある…)
幼馴染「お、オーケー!出発!」
男「……」
</font>
-
<font color="000000">
男(今日は…)
幼馴染「でね――…」
男(見つけることができるのか…?あの男を…)
</font>
-
<font color="000000">
男(あの男…昔に会ったような…)
男(中学生の時…?)
男(それとも小学生の時か…?)
幼馴染「――ということだったの!」
男「ん?」
幼馴染「ちょっと―!ここ笑うとこだよ―!」
男「あ、スマン…」
幼馴染「もー!オチには自信があったのに―!」 プンスカ
男「はは…俺、笑いのセンスないかもだわ―w」
幼馴染「……」
男「う……」
幼馴染「……」
幼馴染「な―んてねっ!!」
</font>
-
<font color="000000">男「え?は…」
幼馴染「へへ、実はわかってたんだ。男が何かに気をとられてたの」
男「!」
幼馴染「だからワザと意味の無い単語を並べてみたの」
幼馴染「そしたら相槌うつかな…って試してた」
男(マジかよ…)
幼馴染「ゴメン。騙すような真似して」 バッ
幼馴染「でもね、私に男が頼っても良いって言ってくれたように」
幼馴染「私も男の力になりたいの!」
男「……!」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「ね、前から一体、何に気をとられてたの?」
幼馴染「私のストーカーの話があるからっていうのも分かる」
幼馴染「でも、それより前から男は悩んでるみたいだった」
男「……」
幼馴染「いつ聞いても、なんでもないって言われちゃって…」
幼馴染「ホントに…男のことが、心配なの!話してみて!お願い…!」
</font>
-
<font color="000000">男「ありがとう」
幼馴染「……」
男「でもな、俺が悩んでいたのはもう過ぎた事だ。解決した」
幼馴染「でも…」
男「今、俺が悩んでいるのはお前のストーカーのことだけだ」
男「幼馴染のいう事も分かる…けど、ここは俺に守らせてくれ」
男「幼馴染が傷つくのは見たくない」
幼馴染「お、男ぉ…」 エッグ…
男「わ!すすすスマン!」
幼馴染「ふふ…違うの…これはうれし涙…」 ポロポロ
男「そ、そうか…」 ホッ
</font>
-
<font color="000000">
ズキン
男「―――――ッ!!」
男「う、く…」
</font>
-
<font color="000000">
居る 誰かが居る
あの男 幼馴染のストーカー
隠れている 近くの駐車場から こちらを見ている
じっと ずっと こちらを 見ている
</font>
-
<font color="000000">
男「ハハ…」
男「ストーカーさんは、リア充が嫌いなのかな?」 ボソ…
幼馴染「え、いまなん…」
男「幼馴染」
幼馴染「はっ、はいっ!?」
男「お前は全速力で家に向かえ」
幼馴染「え?え?」
男「ここに、戻ってくるな」
幼馴染「ちょ、ちょっと…何言ってるのかわかんな――」
男「今こそ、守らせろってことだ!!」 ダッ
</font>
-
<font color="000000">男(一分後にあの駐車場…!それなら大体の現在の奴の居所が分かる!)
男「いいから!幼馴染は走れ!!早く!!」 ダダダ
幼馴染「―――ッ 分かった…!」 バッ
男(…それによ)
男(急に自分のもとにターゲットの彼氏が走ってきたら、逃げるだろ?)
男「…ここか!!」 バッ
男「―っくそ!いない!」
男(場所的にここだと思ったが…)
ババッ
男「!!」 クルッ
</font>
-
<font color="000000">
謎の男「…!」 ダダダッ
男「くそ!路地で回り込みやがった!!」
男「逃がすか!」 ダダッ
謎の男「……」 ダダダダ
男(おいおい…) ダダダ
男(幼馴染の方に逃げていくんじゃね―よ!!) ダダダ
</font>
-
<font color="000000">男(逃げてもらうと姿を現してくれて、逆に好都合だがなあ…!)ダダダ
男(幼馴染の方に向かうのは許さん!)ダダダ
謎の男「……」 ダダダダ
幼馴染「え…?あの男がもしかして…」
男「幼馴染!!止まるな!!」
男(ストーカー!てめえは幼馴染の不幸認定されたんだよ!)
男(俺にな!!)
謎の男「……」 ダダダダ
</font>
-
<font color="000000">男「だから!!さっさと!!」 ダダダ
謎の男「……」 ダダダダ
男「捕まりやがれえええ!!!!!」 ダダッ
ダッ
謎の男「―――!」
ドシャアッ
男「捕まえたああ!!」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「……!!」
男「おら!!ついに捕まえたぞこの野郎!!!」 グイッ
謎の男「……!!」 ググッ
男「ぐお…(力が強い…)」
幼馴染「あ…」
男「やった!やったぞ!!」
幼馴染「男…!」
</font>
-
謎の男が友だったら面白そう
-
<font color="000000">謎の男「…!」 グググ…
男「う…ッ…顔を見せろ!!」 グイッ
謎の男「……!」
男「ははっ…これで、警官にも信じてもらえ…」
幼馴染「男!男!」 タタッ
男「お、おい!まだ近寄ってくるな!!」
幼馴染「!!!」
幼馴染「あ……」
謎の男「……」
男「</font>
-
<font color="000000">謎の男「…!」 グググ…
男「う…ッ…顔を見せろ!!」 グイッ
謎の男「……!」
男「ははっ…これで、警官にも信じてもらえ…」
幼馴染「男!男!」 タタッ
男「お、おい!まだ近寄ってくるな!!」
幼馴染「!!!」
幼馴染「あ……」
謎の男「……」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「あ、ああ…」
男「おい…どうした!?」
謎の男「……」
幼馴染「その人!その人…!!」
男「お、おい…」
幼馴染「警官だよ…」
</font>
-
なんと!?
-
<font color="000000">男「…は?」
警官「……」 ニマア
警官「……」 ズルッ
男「しま―――」
警官「……」 ゲシィッ
男「そんな…ガッ!!」
男「な…ぐあっ…!!」 ドシャッ
幼馴染「男!!」
警官「…!!」 バッ
</font>
-
<font color="000000">男「待て!!おい!!」 ガバッ
男「ぐっ…」 ズキッ
男(肺が…苦しい…!) ググッ
警官「……」 ダダダ
幼馴染「そんな…」 ヘタッ
男「…かっはっ…ゲホッゲホッ…」
男「あいつが…!!逃げていく!!くそ!!」
男「警官が犯人!?ふざけんな!!!」 ダンッ
男「最低のゴミ野郎じゃねえか!!!」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「そんな…そんな…」 ガクガク
男「!!」
幼馴染「そんなのって…」 ガタガタ
男「……」 ギュッ
幼馴染「……!」
男「大丈夫だ…」
男「大丈夫…」
幼馴染「……」 カタカタ
男「幼馴染は無事だし、俺も無事だ。犯人の正体も分かった」
幼馴染「……」 カタカタ
男「落ち着くまで…暫くこうやって抱いてやる…」
幼馴染「……」 コクン…
</font>
-
<font color="000000">男(畜生…)
男(許さねえ…) ギュッ…
幼馴染「あう…あ…男…」
男(幼馴染の必死の訴えを無視するだけでなく…)
男(お前自身が幼馴染を追い詰めていたとはな…!!) ギリ…
幼馴染「少し…苦し…」
男「ッ!!ああ!?スマン!!」 バッ
幼馴染「あ…あと…」
幼馴染「少し…恥ずかしい///」 カア
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「冷静になってみると…」
幼馴染「ここ…一応道端だし…」
幼馴染「誰かに見られたら…」
男「あ、ああ!そうだな…」
男「急いで家に戻ろう!警察には俺が通報する」
幼馴染「でも…証拠がないと…」
</font>
-
<font color="000000">男「大丈夫だ。奴がこんなものを落としていった」 スッ
幼馴染「ケータイ…」
男「画像ファイルをチェックする」
男「とりあえず開けてみるけど…良いか?」
幼馴染「うん。良いよ…」
男「……」 カチ
男「……!!」
</font>
-
<font color="000000">男「な…んだこれ!?」
幼馴染「ひ…」
そこには、ファイルにびっちりと並ぶ幼馴染の姿
幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染
幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染
幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染幼馴染
男「これ…中学生の時じゃ…」
幼馴染「もう…この時から既に狙われてたの…!?」
</font>
-
怖すぎワロタ
-
<font color="000000">男「ああ…ある程度の期間を空けながら、撮影している」
幼馴染「ああ…」 カタカタ
男「大丈夫だって」 グイ
幼馴染「う、うん…」
男「しかし…相当な執着だなこれは…」
男「もう気分が悪い…とりあえずこのケータイは俺が預かっておくよ」
幼馴染「分かっ…」
幼馴染「った…」 フラ…
男「おっと…」 ガシ
幼馴染「男…ゴメン…ね…」
男「疲れただろ…もう今日はゆっくり休め。アイツはもう当分来ない」
幼馴染「うん…」
</font>
-
そういえば階段の水浸しだけ友の危険だな
-
いや即通報するなり警察署に駆け込むなりしろよw
-
>>206
もう交番にいる警官は...信用不可です...
-
チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ
男「……」 ギシ…
男(本当に…危機は去ったと言えるのか…?)
男(って、いつまで考えてんだよ…もう夜中の二時だぞ?)
男(明日も学校があるんだから…寝なきゃいけないだろうが…)
男(……)
男(…連鎖はいつまで続く…?)
男(今回は…どこまでいったら…)
男(どこ…まで…)
男(……)
男(……) スー… スー…
チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ … …
-
<font color="000000">
そうだ
危機を脱したなんて 思うなよ
今はまだ連鎖の中
抜け出すには まだ足りないな
</font>
-
<font color="000000">
(……)
「!…う…」
「あ…あ?何処だ…ここ…」
お前の夢だ
「は…?夢…?」
いや、夢というよりは深層心理…心…まあどうでも良い事だ
「いきなり何の話だ…」
別に信じなくても良い
それを信じるかどうかはお前次第だ
「っていうかお前…誰だよ」
</font>
-
<font color="000000">
決まっている これは自分の中での会話
俺はお前そのもの
「お前が…?」
なあ
「…何だよ」
お前は家に着き、通報した…が
それだけでは何も解決しないということを分かっているだろう?
「……」
結局不幸は消えない 根本的な解決でないと
「根本的…」
不幸の火種自体を消さなきゃ駄目だって言ってるんだよ
「火種…?」
</font>
-
<font color="000000">
警察がストーカー相手に 迅速に 必死に
逮捕しようと動き出すか? 仮に動いてもだ
奴は逃げ切るね 絶対に
「なぜそう言い切れる」
奴が火種だからだよ 不幸の元 災厄をばら撒いた張本人
この不幸の連鎖は奴がそもそもの原因だ 他はただ引き寄せられてきた
「理由になっていない」
理由ね… 噛み砕くと 運命としか言いようがない
今回の不幸の連鎖 その引き金に選ばれたのが奴
そしてこの連鎖の終わり つまり 『幼馴染の死』という不幸を届けるのも奴が選ばれた
「は?今なんて…」
だからさ この連鎖の終着点は『幼馴染の死』なんだよ
</font>
-
<font color="000000">
「は…おい…何だよそれ」
俺はただ伝えるだけだよ 何でもね
もちろんそれを回避する術も
「火種を消す…だったか」
そう 現に今までもそうやって 不幸の連鎖は終わっていった
「……」
最初の連鎖は連鎖ですらない トラックの運転手 死んだからな
「!」
もしあのまま生きてたら お前 次の不幸で死んでたかもな
「…そうか」
</font>
-
<font color="000000">
あと 友とかいう奴の不幸も 原因が去ったから連鎖は起こらなかった
「チャラカップルかよ…」
「…ちょっと待て。どこからが、あの警官が原因の不幸だ」
引き寄せられたと言ったはずだ 一見関係のなさそうな別の不幸も
ここ最近のはすべてそう 強い磁石に集まってくる 弱い磁石だ
「そうかよ…」
</font>
-
>>207
交番と警察署は違うぞ
警察署は基本、交番よりしっかり対応してくれるぞ
-
<font color="000000">
とは言ってもだ ここまで連鎖が起きるのは稀ではある
「何でだよ」
交通事故や 自然災害が火種の場合 それらは火種がすぐに消滅することが多い
今回は人間の犯罪が火種 つまり犯人が犯行を行えないようになるまでは
連鎖は続く
「そして最終的には…幼馴染の死かよ…」
「幼馴染は…あの警官に殺される」
「駄目だ。絶対にそんなことは…」
お前がどう思おうが勝手だが もう時間はない
行動するなら さっさと行動するが良い
「分かっている」
</font>
-
<font color="000000">
ついでに言っておく
「は?」
三日間だ
「……」
この後 目が覚めてからの三日間
その中でお前が 一番怪しいと思う日を叩け
「おい…三日間内にくるのかよ。最後の不幸は…」
時間がないと言った あとはお前次第だ
災厄は払うのではなく 消滅させろ 完全にな
「おいおい、簡単に言ってくれ―――」
「――――」
「――」
「…」
「」
</font>
-
<font color="000000">・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
チッ チッ チッ チッ
男「……」 パチ
男「まだ、5時か…」
男「…何だったんだ…今の夢は」
男「あれも一種の予知…なのか…?」
男「…まあ正体が何であれ」
男「決行の日は決まった」
</font>
-
今回はここまで
>>215 すいません…一応話のなかで>>206が納得できるような
説明をしようとは思ったのですが…
ド素人なのでどうかご勘弁を!次からも応援お願いします!
-
<font color="000000">
男「とりあえず…メールだ」 タッ タッ
男(なぜあんな夢を…)
男(寝ているときは脳のリミッターがどうとかいう話を聞いたことはあるが…)
男(ああ…もう考えたくね―な…)
男(頭が…痛い) ズキ…
男「よし…」
男「送信…と」 タン
</font>
-
<font color="000000">
男「とは言ってもこんな時間になあ…」
男「早すぎたか…」
男「……」
ヴーヴーヴー
男「!」 バッ
男「きた…返信早過ぎだろ…」
</font>
-
<font color="000000">
―友―
『ちょwww急にどしたwww
ビックリしたじゃねーかこの野郎www 何かあったのかwww』
―男―
『ああ。お前に頼みたいことがある
どうでも良いけど何でお前起きてんだよ』
―友―
『課題だよバカ野郎おおおお!!!
昨日速攻寝ちまったんだよ!!!』
―男―
『ふーん。そうか
…俺の頼みって、聞いてくれるか…?』
</font>
-
<font color="000000"> ―友―
『別に良いけどwwwお前がこんな時間にわざわざメールしてくるってことは
相当な要求の予感www』
―男―
『そうだ。もう時間がない。無理を承知で用件を言う
頼みごとっていうのは―――――
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
</font>
-
<font color="000000">・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
―友―
『え?それマジ?』
―男―
『マジマジ。大マジだ。…できそうか?』
―友―
『俺は良いけど…お前は大丈夫なのか?』
―男―
『大丈夫だ。友が協力してくれれば』
</font>
-
<font color="000000"> ―友―
『今の話は正直言って信じがたいし、リスクも大きすぎるだろ』
『正気か?お前』
男「―――ッ!」
男「でも…幼馴染の命がかかっているんだ…」 ボソ
ヴーヴーヴーヴー
男「……」スッ
</font>
-
<font color="000000"> ―友―
『なんつってwwwこれ、言ってみたかっただけwww』
男「…!!」
―男―
『え…てことは』
―友―
『別に良いけどwwwここで断ったらwww親友としての立場がwww』
―男―
『…ありがとう』
</font>
-
<font color="000000"> ―友―
『でも事が済んだら俺に飯奢れwww』
―男―
『お安い御用だ』
―友―
『お安い御用wwwお安いならwwwもっと要求しちゃおっかなwww』
―男―
『できる限り礼はするつもりだ』
―友―
『うわwwwいつもらしからぬ発言www冗談だよwww』
―男―
『そうか。 じゃあ頼んだぞ』
</font>
-
<font color="000000"> ―友―
『勿論おkwww むしろ男の方が圧倒的に危ないけどな』
―男―
『それは分かっている。これは無駄足に終わるかもしれない
逆に俺たちが怪我を…もしかしたら、死の危険もあるかもしれない』
―友―
『分かった。じゃあ今日も学校で会おう
課題も終わったし二度寝する。おやすみ』
―男―
『おやすみ』
</font>
-
<font color="000000">
男「……」
男「やべ、友が良い奴すぎて泣けてきた」
</font>
-
<font color="000000">
」
暫く経った
夜が明ける 日も大分上がってきた頃だ
男「……」 ムク
男「連鎖の終着点…」
男「幼馴染の…死」
警察が 第三者が動いても 結局救えない 運命だから
だが自分なら 未来を予知できる自分なら…
男「運命が確定してしまう前に、災厄を消滅させることができる…」
男「…」 パン
男(…弱気になるな。守り切るんだ)
</font>
-
<font color="000000">
男「行ってきます」 カチャ
男「……お」
男「おはよう。今日も早いんだな」
幼馴染「へへ、おはよ!今日もお手伝いは無しだってさ」
幼馴染「男と一緒に登校できるのは嬉しいけど…おばあちゃん達大丈夫かな…」
幼馴染「膝とか腰とか痛めてないかな…」
男「…幼馴染は優しいんだな」
幼馴染「え?いや、別にそんなことないよ!」 テレ
男「理不尽だよな…ホントにさ」 ボソ
幼馴染「……」
男(大丈夫。今までやってきたように、自分から動いて不幸を消す)
男(今回は少し、難易度が高いだけだ)
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「…ストーカーって、あの後どうなったの?」
男「家に帰って直ぐに通報したんだがな」
男「やっぱり、単なるストーカーにそんなに人員を導入してくれないみたいだ」
幼馴染「そっか…」
男「でも警官が犯人だったっていうのは、向こうにとっても騒ぎになったらしくてな」
男「今日にでも新しい巡査が交番に常駐するそうだ」
幼馴染「お、それはちょっと安心…かな?」
男「まあすぐに代わりが来てくれただけでもラッキーだろ」
男「奴もここには近寄りがたいはずだしな」
幼馴染「うん。確かに」
男「……」
</font>
-
<font color="000000"> ―学校―
友「よう」
男「おう」
友「おはよう」
男「おはよう」
友「で、だ」
友「何度も聞くが、本当なんだろうな?」
男「ああ、事実だ」
友「……」
友「…ふぅ、全く信じらんねーことではあるけどよ」
友「お前の口から直接聞くと、やっぱ本当みて―だな」
友「幼馴染が狙われているっつーことは」
</font>
-
<font color="000000">友「でもよ、昨日そのストーカーを捕まえかけたんだろ?」
男「ああ…」 ギリ…
友「もう来ないとか思っちゃうんだけど」
男「いや、奴は来るんだよ」
男「幼馴染に余計な恐怖を与えないように、今は言わないでいるけどな」
男「俺がお前に伝えた日にち。その日にくる」
友「確信してるってわけか…凄いな」
男「奴の心はとことん歪んでる」
男「今度は殺す気で来るぞ」
友「おいおい…」 ゾッ
</font>
-
<font color="000000">男「お前に頼んだ物、その日までに届きそうか?」
友「ん。なんとかな」
友「しっかし…物騒な物頼むな―ホント」
男「自衛のためだ。違法じゃないから安心しろ」
友「分かってるけどさあ…つーかアレ、めちゃくちゃ高かったんだけど」
男「そこはスマン」
男「お金は後で払う。俺の家は通販を全く利用させてもらえないんだ…」
男「下手に怪しまれるのも不味いしな」
友「へいへい…そういうのに関しては堅いねーお前の家も。俺の家はどっちかっつーと放任主義だからな―」
友「ま、とにかく俺もそこまで聞いたんだ。最後まで手伝おうじゃねえか」
友「だから奢り、忘れんなよ―?」
男「あはは、勿論」
</font>
-
<font color="000000">
先生「はいじゃあ席につけ―。朝のHRを始めるぞ―」
男「……」 カタ
友「ふ―…」 カタン
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
</font>
-
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
キーンコーンカーンコーン…
ザワザワ…
先生「帰りのHRを始める。まずはプリント配布だ」
先生「次は―――…」
男(……) ソワソワ
男(早く終われ…)
先生「…――とまあこんな感じで、連絡は以上だ」
先生「明日からは土日だが、その明けには小テストも控えているので気を抜かないよう」
キリーツ キオツケ レイ アリガトーゴザイマシター
…ガヤガヤ
男「…じゃあまたその日に」 ガラ
友「おう。じゃーな」
ピシャ
-
<font color="000000">
―校門―
男「スマン。今日はこっちのHRが長引いた」
幼馴染「全然気にしてないよ―」
幼馴染「それより…」 チラ
男「…おう」 ギュ
幼馴染「うんうん///…よし!しゅっぱーつ!」
男「今日は一応慎重にな」
幼馴染「うん!」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「〜〜♪」 テクテク
男「あ、その歌結構好き」
幼馴染「えっ?」
男「え…いや、その歌結構好きだって…」
幼馴染「ホント―?えへへ…」
男「???」
幼馴染「これは私のオリジナルソングなのです!」 エッヘン
幼馴染「作詞作曲は私!」
男「そうだったのか!?い、意外な才能…」
幼馴染「む―!意外とは失礼な!」
</font>
-
<font color="000000">男「はは、ゴメンゴメン」
幼馴染「男は何か『人には知られてないだろうなー』って才能、ある?」
男「え…俺か―…無いかな」
幼馴染「えー嘘だ―!潜在能力秘められまくりみたいな感じ出してるのに」
男「どんな感じだよそれ…」
</font>
-
<font color="000000">男「……」
男「あ、そういえばだな…」
幼馴染「ふんふん」
男「これは明日言おうと思ってたんだけどさ」
幼馴染「ふんふん…?」
男「幼馴染の祖父母って、土曜日の夜から月曜の昼まで家から離れるんだろ?」
幼馴染「そうだけど…仕事の関係で行かなくちゃいけないって言ってた」
男「元気だな二人とも…」
幼馴染「でも何でそんなことを知ってるの?」
男「う―ん…前に幼馴染の家にお見舞いに来ただろ?」
幼馴染「あ、うん」
男「その時に幼祖母から教えられた」
幼馴染「ふーん…え?」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「別に良いけど、教える理由が分かんないよ…」
男(&ゲス顔も…っていうのは黙っておこう)
男「…と、いうわけで」
幼馴染「う、うん?」
男「幼馴染の家に」
男「土曜日の夜から日曜日の夜まで」
男「泊り込みます!」
幼馴染「うええええ!!??」
</font>
-
ほう?
-
<font color="000000">幼馴染「あわあわあわあわわわわっ///!?」 アタフタ
男「おおお落ち着け幼馴染!!」 アセアセ
男「あくまで護衛だって!」
幼馴染「あわわわ…」
男「風呂には自宅で先に済ませるし、飯もそっちのをご馳走になったりもしない!」
男「寝るのは床だし、やましい事とか一切しないから!」
幼馴染「あわわ…」
幼馴染「……」
幼馴染「え…そういうことかあ…」 シュン
</font>
-
<font color="000000">男「流石に…駄目か?」
幼馴染「!!」 フルフル
男(良かった…) ホッ
幼馴染「た、確かに昨日あんなことがあったばかりで、私も怖いなとは思っていたの」
幼馴染「だから、心配してくれて嬉しいよ」
男「お、おう」
幼馴染「そ、そそれに、こ、恋人?だしね///!!」 ニコッ
男「そ、そうだな!(ぐあっ!破壊力が…!)」
幼馴染「じゃ、じゃあ…待ってるから!」
男「あ、ああ。必ず行くよ」
</font>
-
<font color="000000">
男「〜〜♪」 テクテク
幼馴染「〜〜♪」 テクテク
男「む」
男「なんやかんやで、もう曲がり角だ」
幼馴染「楽しい時間はあっという間だね―…」
男「あの…一応、幼馴染の家に行くって事、祖母にも伝えといてくれ」
幼馴染「うん(むしろノリノリでOKしそうな気が…)」
男「じゃあ、さよなら」
幼馴染「うん!じゃ―ね―!」 フリフリ
</font>
-
男「ただいま―」 ガチャ
母「おかえりなさい」
男「〜〜♪」 クツヌギヌギ
母「あら、鼻歌なんか歌って上機嫌ね」
男「あっ!」 ギク
母「なにその歌?」
男「…幼馴染が作ったらしい」
母「へえ!幼馴染ちゃん、多才なのねえ」
母「で、何であんたがそれを知っているの?」
男「う……」
父(自分はズケズケ聞くんかい…) シンブンペラー
-
<font color="000000">母「まあ事情聴取がわりに、夕食でも食べなさいな」 グイグイ
男「ちょ…引っ張るなっ」
母「まあ座って座って」 グイ
男「……」 ストン
男(でも…どうせ話さなきゃいけないことだしな)
母「はいミートボール」 トン
男「ああ、ありがと」
男「いただきます」
母「ワクワク」
</font>
-
<font color="000000">
男「……ってことがあった」
母「ほえ―!あんたと幼馴染ちゃんがねえ!」
母「恋人よ!カップルよ!ねえお父さん!」
父「ああ、凄いな。それは…」
父「お前、そんなこと根掘り葉掘り聞いていいのか?親が…」 ボソ
母「ふふ…今は聞いても大丈夫な気がしたから」 ボソ
母「男も言いたかったんじゃないの?」 ボソ
父「まったくお前って奴は…」 ハァ
</font>
-
<font color="000000">男(ストーカーについては言わないでおいたが…)
男(幼馴染と付き合っているという事実は伝えた)
母「ついにくっついたのね―!あなた達は!」
父「まあ…おめでとうだな」
男「それでさ」
男「明日の夜から月曜日の昼まで、幼馴染の祖父母が留守にしてしまうんだよ」
母「ははあ」
男「だから土曜日の夜から幼馴染の家にさ…」
父「…」 ピク
男「泊まりに行く」
父「…!!」 ガタッ
</font>
-
<font color="000000">男「!」 ビク
母「お父さん」 スッ
父「う…む」 ストン
男「別にやましい目的があっていくわけじゃ無い」
男「これは重要なことなんだ」
母「そうね。重要よね」
男(多分誤解されてるけど別に良いか…)
父「許可は…」
父「向こうの家の許可は…とったのか?」
父「それが無いと話にならん」
男「それは…」
ヴーヴーヴー
</font>
-
<font color="000000">男「あ、きた」
―幼馴染―
『直ぐにOK出された(^^) むしろ来てもらえって(笑)』
男「だってさ」 スッ
母「まあまあ」 パチパチ
父「うぬ…」
男「じゃあ双方の合意ってことで…」
母「そうね。ね、お父さん?」
父「……」
父「幼馴染ちゃんを、泣かせるんじゃないぞ」
男「昔はあったが…今はもうそんなことはしない!」
父「ふん…」
父「なら行って来い…」
</font>
-
<font color="000000">男(そうこなくちゃな)
母「嫌われないよう頑張りなさいよ」
男「…怖い事言うなよ…」
</font>
-
<font color="000000">
―自室―
男「……」 ゴロ
男「…どうかしてるよな」
男「やるしかないけど、さ」
男「……」
男「…寝るか」
</font>
-
<font color="000000">
分からない 今回の夢を信じていいのか
だがもうそれしかない それに頼るしかない
自分の能力 勘 それぐらいしかない
だったらそれで戦うまでだ
</font>
-
―土曜日・20:16―
男「いってくる」
母「仲良くねっ」
父「……」
男「…分かった」
カチャ
-
<font color="000000">
男「……」
ピンポーン
男「こんばんは―」
『あっ!男―!来てくれたんだね!』
男「おう。よろしくな」
『おばあちゃんはさっき出て行ったばっかりだよ』
『男に会いたがっていたけど、会えなかったね』
男「もっと早くに来れば良かったか―」
『でもまた会えるよ。今は上がって』
『鍵、今から開けに行くからね』
男「へ―い」
</font>
-
<font color="000000">
男「……」 ドキドキ
男(前に来た時とは違った緊張だな) ドキドキ
ガチャ
幼馴染「やっほ―!入って入って」
男「はは、お邪魔します」
</font>
-
<font color="000000">
男「……」 クツナラベ
幼馴染「アハハ、そんなことは良いよ」
男「一応訪問者のマナーだからな」
幼馴染「どうせ二人きりなんだしさ―」
男「…!」 ピタ
幼馴染「あ……」
男「……」
幼馴染「……」
幼馴染「…っまあ、とにかくリビングに行こ///!」
男「そうだなっ(平常心…平常心…)」
</font>
-
<font color="000000">
―リビング―
幼馴染「やっぱりご飯ってもう食べてきたの?」
男「まぁな」
幼馴染「そっか―…じゃ、何か飲む?お茶とかサイダーとか」
男「ん。お茶をいただく」
幼馴染「了解!」 ササッ
幼馴染「はいコップ」
男「お、おう」
幼馴染「ほうじ茶つぐね―」 トポポ
男「センキュ」
</font>
-
<font color="000000">
男「……」 ゴク…ゴク…
男「ぷは…美味い」
幼馴染「そう。良かった良かった」 ニコニコ
幼馴染「よーし、喉を潤したところで、勉強しますか!」
男「え、お、おう…」
幼馴染「週明けは小テストだからね―!頑張ろう!」
男(真面目だ…)
男「俺、勉強道具持ってきてないんだけど」
幼馴染「ええ!?家に取りに帰る?」
男「う―ん。戻り辛い」
幼馴染「分かったよ―私のノートとテキストを貸します」
男「はーい…」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「別にどこで勉強しても良いんだけど…どこにする?」
男「えーと…じゃあ幼馴染の部屋で」
幼馴染「そ、そう。ちょっと恥ずかしいんだけど…」
男「前にも入ったじゃん。まあ幼馴染が嫌って言うなら―」
幼馴染「嫌ではないけどね!」
幼馴染「よ、よし。じゃあ二階に上がろう…」
男「やったぜ」
幼馴染「うう…」
</font>
-
<font color="000000">男(あの時は状況がくつろげるような感じじゃなかったしな)
男(せっかくなら、幼馴染の部屋でくつろぎたい)
男(時間が来る前にせめて…)
幼馴染「はい。じゃあ入って」 カチャ
男「失礼…おっ」
男「おお」
幼馴染「え、なに?」
男「いや、あの時は気付かなかったけど、女の子っぽい部屋だな―って」
幼馴染「そ、そうかな…///」
男「クマとかウサギの人形って、ザ・女子じゃん?」
幼馴染「そ、そうなの?」
男「カーペットがもこもこなのも女子っぽい」
幼馴染「それは男の子でも多いと思うけど…」
男(しかも良い匂い…って変態かよ俺…)
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「と、とりあえず!早速勉強はじめよう!」
男「お―…」
幼馴染「この円卓で良いか…クッションもひいて…っと」 ズズ
幼馴染「さあさあ座って座って」 ポンポン
男「……」 ストンッ
男(幼馴染と向い合せだ)
幼馴染「何からやる?数学?英語?」
男「えー…数学で」
幼馴染「よし!ではこの数Ⅱと数Bのテキストを貸し出そう!」 スッ
幼馴染「望むなら数Ⅲもあるぞよ〜」
男「用意周到だな…」
</font>
-
今日はここまで
ここまで見てくれてありがとうございました
-
乙
-
おつ
-
幼馴染「ではがんばろ―!はい、テキスト」
男「ん、ありがと(結局3冊だ…)」
幼馴染「とりあえず十一時半までやる?」
男「そうだな―」
幼馴染「よ―し」パラッ カキカキ
男「……」 ペラッ カキカキ
幼馴染「……」カキカキ
男「……」カキカキ
幼馴染「……」カキカキ
-
男「……」カキカキ
男「…幼馴染、この問4教えてくれ」
幼馴染「ん、オーケー」スッ
幼馴染「あ、この問題はね、ここをこうして、この定理を利用すれば…」
男(幼馴染が身を乗り出してきた)
男(私服姿も可愛いな…)
幼馴染「あれ?…っていうか男、これ最初の式の値を間違えているだけじゃ…」
男「あ、ほんとだ」
幼馴染「どうりで答えが合わないと思ったよ―」
男「あはは―気をつけなきゃな―(棒)」
-
男(と、真面目に教えてくれる幼馴染に申し訳ないからちゃんとやろっと)カキカキ
幼馴染「男って賢いから、間違えるのは珍しいなって思ったよ」カキカキ
男「はは、そんなことはないけどな」カキカキ
幼馴染「謙遜は良いのにな。そんなところもカッコいいけど…」
男「い、いやそんな…」
幼馴染「……」
男「……」
男(なんかすっごい恥ずかしい)
-
―二時間半後―
幼馴染「ふーっ」 パタン
幼馴染「ここまでにしよっか」
男「分かった」パタン
幼馴染「ちょうど十時半だね―。これから寝るまでどうする?」
男「う―ん。特に何も」
幼馴染「じゃあ人生ゲームでもやる?」
男「えっ二人で人生ゲームやるの!?…別に良いけど」
幼馴染「そうと決まれば!持ってくるね」タタッ
男「今まで一緒に人生ゲームをやる人、いなかったのかな…」
男「幼祖父母はゲームのやり方知らなかったとか…?まあどうでもいいや」
-
―11:42―
男「うわ、負けた」
幼馴染「ふふーん。ルーレット運が強いのだよ私は」 エッヘン
男「ぐぬぬ」
幼馴染「…あ、もうこんな時間だね」
男「…そうだな。そろそろ寝るか」
幼馴染「パジャマに着替えてくるね。男はどうする?」
男「ああ、俺はもう家で着替えてきた。今日はこの服で寝るよ」
男「幼馴染はこの部屋で寝るんだろ?俺は一階の床で寝てくるけど、良いか?」
-
幼馴染「え!それはダメだよ!せっかく来てくれた男が床で寝るなんて」
男「そうか?う―ん…じゃあソファ―は?」
幼馴染「ダメダメ!風邪ひいちゃうよ!」
男「ええ…」
幼馴染「よし、じゃあこうしよう!」
幼馴染「一階に私が二人分の布団を運ぶから、一緒に一階で寝よう?」
男「…えっと、雑魚寝的な?それはちょっと誤解を生みそうだな…」
幼馴染「だって!男だけが一階に追いやられちゃうなんて、理不尽だよ」
男「追いやられたっていうか…配慮なんだけど…」
幼馴染「大丈夫!隣に寝るだけだから」
幼馴染「というか、言ってる私も相当勇気いるんだからねっ///」
男「お、おう…」
-
男(むしろ嬉しいけど…他人の家でそんなことしていいものなのか…)
幼馴染「それに、私も怖くてね。安心したいし…さ)
男「…!」
男(そうか…幼馴染を守るため、安心させるためにここに来たんだ)
男(せめてもの、支えになりたい)
男「…分かった。でも一応、家族には内緒な。やっぱり怖いよ色々」
幼馴染「あはは。うん、分かった」
-
―11:58―
幼馴染「よいしょ、よいしょ」 グイグイ
男「おらっ」 ボスッ
幼馴染「ふいー。大変だったね、二階の布団を一階に運ぶのって」
男「同意…兎に角、無事運べたな―」
幼馴染「そうだね―…ふぁ…」 フラ
男「幼馴染、もう眠いだろ?早く寝よう」
幼馴染「そうするね…」 モゾモゾ
幼馴染「ん…一階で寝るのって新鮮…」
男「あ―、そうだろうな。…じゃあ隣の布団、失礼」 モゾモゾ
幼馴染「ふふ、は―い…」
-
男「では消灯―」 パチ
幼馴染「ありがと―」ムニャ
男「ふぅ…」モゾモゾ
男「……」
幼馴染「……」
幼馴染「…なんかこうやって寝てるとさ―…修学旅行みたいだね…」
男「確かに」
幼馴染「ワクワクしちゃうね」
男「はは」
男(パジャマ姿も可愛いな)
男「うん。熟睡できそうだ」
幼馴染「え?」
男「いや、こっちの話」
-
幼馴染「」 スー スー
男(……)
幼馴染「」 スー スー
男(…やはり今夜は〈来なかった〉な)
男(信じ難いことではあるが…夢の直感を信じてみるのが正解…)
男(恐らく…明日が勝負)
男(俺の中の能力が…そう語りかけてくるようだ)
男「負けてたまるか…」ボソ
幼馴染「うう…ん」 モゾ
-
男「(おっと…)」
男「……」スッ
幼馴染「むにゃ…」サラ…
男(髪、サラサラだな…)
男(バレたら大変だし…寝よう)スス
男「おやすみ」
幼馴染「」スー スー
-
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
―朝―
男「う……」
男「ふあ…」ノビー
男「ん…香ばしい匂いが…」
幼馴染「あ、起きた?」 トントン
男「幼馴染、起きてたのか?」
幼馴染「私、朝は早いんだよ―。えっへん」
男「ああ、家の手伝いしてるからな…今、何してんの?」
幼馴染「朝食作り。本日のメニューはベーコンエッグと、オニオンサラダその他色々だよ」
男「え、いやいや!そんな事までしてもらわなくても…俺、パン持ってきたし」
幼馴染「ダメダメ!ちゃんと主菜とか副菜のバランスとらなきゃ」
男「ええ…(嬉しいけど…申し訳ないような)」
-
幼馴染「よ―し!」
幼馴染「できたよ―」 コトン
男「お、ありがとう…本当に頂いていいの?」
幼馴染「遠慮は無用!泊まってくれていることへの、せめてもの恩返しだと思って」
男「そっか…じゃあ、いただきます」
幼馴染「うん!」ニコー
男「……」モグモグ
幼馴染「ど、どう?」
男「うん。美味しい」
幼馴染「ホント?良かった―」ホッ
男「残さず頂く」モグモグ
幼馴染「それは嬉しいなあ」
-
男「ごちそうさま」
幼馴染「お粗末様でした。片づけるね」
男「あれ、幼馴染は朝食食べたのか?」
幼馴染「ううん。私はこれから食べるよ」カチャカチャ
男「ふ―ん…なあ幼馴染。突然だけど、一ついいか?」
幼馴染「うん?」 ジャー
-
男「……今日は」
男「今日は、家から出ないほうが良い」
幼馴染「…え?なんで?」キュ
男「兎に角今日は駄目だ。絶対に」
男「理由を説明するのは難しいが…出ると危険なんだ」
幼馴染「もしかして…あのストーカーのこと?」
男「…ごめん。ちゃんと説明できなくて」
男「でも、今日は俺の言葉を信じてほしい」
男「幼馴染の言うとおりだ。奴が来る。それも今日の…午後だ」
-
今日はここまで
見る人側からはグダグダになっているかな…と思い、少し急いでみました
もしアドバイスがあったらお願いします
-
全然グダグダじゃないよ
俺なんて2週間に1回書くか書かないかくらいだし...
-
今までで一番更新が早いと思う
-
追い付いた
支援
-
幼馴染「……」
男「今は信じられないかもしれない。でも、本当になる」
幼馴染「ねぇ男…」
男「ん?」
幼馴染「…男ってさ」
幼馴染「小さい頃から私のこと、よく助けてくれたよね」
男「…そうだったな」
幼馴染「でさ、それっていつも、危険を前もって教えてくれるよね」
幼馴染「だから私、男のこと、凄いなって思ったりもしてた」
-
男「そうか?俺はただ、自分の判断に従って…」
幼馴染「ここ最近も、急に行動し始めたよね」
幼馴染「ストーカーの…ううん、もっと前から危険を知っていたように」
男「……」
幼馴染「私ずっと不思議だった。男は何か、私たちには言えないような、とても大きな秘密を
抱えているんじゃないかとも思っていた」
幼馴染「前にも言ったよね。何か困ったときは、言ってほしいって」
幼馴染「男、なにか抱え込んでいるなら私が助けになる」
幼馴染「ごめんなさい…せっかく男に説得してもらったのに…でも、どうしても納得できなくなったの」
幼馴染「確かに今は、私は男から守ってもらう立場で、口出しをする資格なんてない」
幼馴染「でも…それでも私は、全部男に押し付けて良いと思ってないよ」
男「……」
幼馴染「駄目…かな?」
-
男「それは――…」
男「俺が…」
男(…良いのか?ここで…嘘をついて)
男(このまま、黙っているべきなのか…?)
男「………」
幼馴染「男…」
男「……」
男「いや、もう止めよう。嘘をつくのは」
男「いずれは…話すことになっていた」
-
男「そうだな…俺、一人で格好つけすぎだ」
男「幼馴染に余計なことを心配させないようにしていたつもりが…
逆に幼馴染を惑わせていたなんてな…彼氏失格かな」
男「分かった。全て話すよ」
幼馴染「!!」
男「ただ、先に言っておくけど、とても信じられるようなものじゃないぞ」
男「聞いて馬鹿らしくなるかもしれない」
幼馴染「ッ…何だって良いよ!男が話してくれるのなら!何だって!」
幼馴染「本当に、話してくれるの?」
男「勿論だ」
-
それから 俺は洗いざらい全て話した
能力が目覚めてから今まで 家族にも言ってこなかった秘密を 何もかも 全て
いつ予知能力が目覚めたのかということ
過去に予知能力を使ったこと 夢でも予知夢らしきものが見られること
そして 不幸の連鎖を断ち切るためには あのストーカーを退けなければならないこと
さもなくば 幼馴染の命が失われるということ―――――――…
-
幼馴染は俺の話を聞いている間
何も言わず ただ俺の顔をじっと見て 聞き入ってくれた
驚いた表情を浮かべはしたが 静かに 真剣に 話を聞いてくれた
俺にとってそれは どんなに有難かったか…
-
男「…これが、真実なんだ」
幼馴染「……」
男「今まで隠しててすまない。信じられないだろうけど…」
幼馴染「ううん。信じる」
男「!」
幼馴染「男がそれが真実だって言うなら、私はそれを信じるよ」
幼馴染「確かに聞いたときはビックリしたけど…とても男が嘘をついているとは思えない」
男「はは、驚いたな…まさかそんなに早く信じてもらえるなんて。嬉しいよ」
幼馴染「…さっきの話だと、このままじゃ私、死んじゃうんだね」
男「…そうなる、らしい」
男「でも俺がそんなことはさせない」
-
幼馴染「…男」
幼馴染「本当に…ありがとう」
男「仲間を、彼女を見捨てるような奴は、近くにいる資格なんてない」
男「よし…行動を始めるとするか」
幼馴染「そうだね」
-
―友宅―
友「ふふーんふーん♪」
ブーブーブーブー
友「!」
友「お!男から電話だ」
友「あいあーい。友でーす」 ピッ
男『ああ、友か?予定通り、今から幼馴染の家に来てくれ』
友「そうか。んで、頼まれてたもん持ってきゃ良いんだろ?」
男『そうだ。よろしく頼む』
男『時間があるとはいえない。急いでくれ』
友「了解。直ぐに行くよ」
-
男「……」ピッ
男「友にも連絡した。もう少しでここに到着する」
幼馴染「えっと…ストーカーがここに来るのは今日の午後なんだよね?」
幼馴染「何時かは分かっていないの?」
男「残念ながら。でも、夕方から夜間のはずだ」
男「恐らくだが…奴は幼馴染の祖父母が不在の期間を知っていたんだと思う」
男「前から調べていた…とかな」
幼馴染「――ッ」 ゾッ
男「多分奴は、お前が在宅している可能性が高いから、そんな時間帯を選んぶんだろうな」
男「小癪な奴だよ。本当に…狂っている」
-
今日はここまで
最近忙しくて中々進められませんが、これからも応援をお願いします
-
>>284 >>285
安心しました。有り難う
-
乙
-
幼馴染「あ、もう一つ聞きたいことがあるんだけど…」
幼馴染「男の言う『行動』ってそのストーカーを退けることだよね」
男「そうだ」
幼馴染「その…ストーカーが今回の一連の不幸の発端だってことも分かったよ」
幼馴染「その人をどうにかしないと、私が殺されちゃうっていうのも」
幼馴染「でも、具体的にはどうそのストーカーをどうやって退けるつもりなの?」
男「ああ、そのことについてだが…」
男「まずは、予知通りに奴をここにおびき寄せる」
男「そして俺が直接奴を叩く」
幼馴染「…!」
男「ここまで来ると、下手に動くよりその方が確実だ」
-
幼馴染「え…まさかとは思うけど叩くって、『殺す』わけじゃ…ないよね?」
男「安心してくれ。そんなことはしない」
男「そうだな…作戦の概要を説明する」
男「まあ作戦とは言っても単純だ。ただし失敗は許されない」
幼馴染「う、うん」
男「これも、さっき幼馴染に俺の能力のことを話したからこそ言えるんだが…」
男「今日の夕方から夜間にかけて、奴は来ると言ったよな?」
幼馴染「……」 コク
男「その時まで、俺たちはこの家に待機。奴が来るのを待つ」
男「時間になると奴が現れるだろう」
男「しかしその一分前に、俺はそのことを知ることができる」
男「奴は危険そのものだからな」
幼馴染「凄いね…その能力」
-
男「そしてその一分間の猶予の間に、幼馴染は隠れる」
男「そして友にも協力してもらう。家の裏手などに隠れている友がその間に警察に殺人が起こりそうだと電話」
男「奴が乗込んでくるのを予測していた俺は、奴と戦う」
幼馴染「!?…え」
男「で、俺はどうにかして奴を無力化し、警察が来るのを待つ」
男「警察が乗込んで来たときには、実際奴は殺人を犯す一歩手前だし、殺人未遂で現行犯逮捕」
男「俺は正当防衛か、過剰防衛で済む…まあこんなもんだ」
幼馴染「ちょ、ちょっと待って…あのストーカーと戦うって言った?」
男「ああ」
幼馴染「あのストーカーは本気で人を殺そうとしているんでしょ?そんなの…男が死んじゃうよ!」
男「大丈夫だ。俺には危険を先読みする能力がある」
男「それに、警察が到着するまで時間を稼ぐだけで良いんだ」
-
男「ストーカー行為はともかく、殺人未遂では軽い刑罰じゃ済まされない」
男「奴はしばらく牢獄の中。そこまでいったら、流石に連鎖は途切れるだろう」
幼馴染「そうかもしれないけど…」
男「結局、未来を知る俺だけしか運命は変えられない」
男「俺が直接奴と対峙するのは必然なんだ」
幼馴染「そうだとしても危険すぎる…」
男「それしか無いんだよ!!!」
幼馴染「!!」 ビクッ
男「あ…」
男「スマン。つい声を荒げてしまった…」
男「…でも、時間がない中、そうしなければ幼馴染は死ぬ。それを避けるためだ。分かってくれ」
幼馴染「……」
-
幼馴染「…私を守ってくれるのは嬉しい」
幼馴染「でも、それで男が死ぬのは許さないからね」
男「…当然。幼馴染を残して死にはしない」
男(はは…格好つけすぎだよな、俺)
幼馴染「うん。…分かった」
男「…絶対に成功させるよ」
幼馴染「うん…」
ポツ…
…ポツポツポツポツ
ザ――――――――――
男「…!」
男「…雨、降ってきたな」
幼馴染「そうだね…」
ザ―――――――――
-
今日はここまで
-
―9:06―
ピーンポーン
男「お、友が来たみたいだ」
幼馴染「外は雨が降ってるけど、大丈夫だったのかな…」
男「開けてくる」
幼馴染「はーい」
男「よっと」 ガチャ
友「おお、やっと開いたぜ」
友「はよ中に入れてくれ。体が濡れてて寒い」
男「うわ、ビシャビシャだな」」
友「傘持ってくるの忘れた」
-
男「随分遅かったけど、何があった?」
友「家出るときお前に持ってこうとしたモン家族に見つかってな」
友「いや―、いくら俺の家族が寛容でも簡単に見逃してはくれなかったな」
男「それで慌てて逃げてきたのか…」
友「あ―あ、家に帰ったら質問攻めだぜ」
男「まあ兎に角…来てくれてありがとな」
友「よせや。礼言い過ぎだお前」
友「ま、報酬は頂くけどな!」
男「ああ。事が終わったらな」
友「…っていうかマジで上がらせてくれ。寒い」 ガタガタ
男「あ、スマン。風邪ひかれても困るし、上がってくれ」
友「は―。お邪魔しま―す」
男「靴は並べろよ。人の家だぞ」
友「小学生か俺は…」
-
―リビング―
男「よし、時間も限られている。友にも作戦を話しておく」
友「作戦?そんなモンがあんの?」
幼馴染「(ねえ男)」 ヒソヒソ
男「(どうした?)」 ヒソヒソ
幼馴染「(友君には、男の予知能力の話、するつもりなの?)」
男「(いや、言わない。友は何も関係が無い。俺が一方的に巻き込んでしまった)」
男「(だから、友にはあくまで協力者としていてほしい。これ以上巻き込みたくはない)」
幼馴染「(うん…そうだね。その方が良いよ)」
幼馴染「(でも、男の予知能力の話抜きで、作戦のことを伝えられるの?)」
-
男「(できる。俺が今から友に頼もうとしているのは家の近くに隠れてくれということだけだ)」
男「(それも非常時において付近の住民に助けを求めたり、110番をする役割)」
男「(直接的にこの作戦に関わるわけじゃない…だから友には必要最低限のことだけ伝える)」
幼馴染「(成程…)」
友「何二人でヒソヒソ喋ってんだよ―!ボッチは辛いぜ―!」
男「あっ、…いや、何でもない」
幼馴染「…!」 コクコク
-
よく考えたら一般人が見てただけのストーカーを暴行を働いて現行犯逮捕した上で警察に突き出さなかった時点で男は犯罪者だな
そのとき没収した携帯も下手すると証拠能力がなくなる
-
>>310
Oh… 作者が無知でした。すいません…
-
友「まあこの家に二人きりでいたところを邪魔する形になったけどよ―」
友「除け者はよしてくれよ―?」 ノゾキコミ
男「そんなことするかっての」
友「あはは、冗談だよ」
男(昨日泊まったことを知られたら何て言われるか…)
男「あ―、ゴホン。気を取り直して…とりあえずはお前に作戦のこと、そしてその作戦のために頼みたいことについて話しておく」
友「あいよ」
男「まずは作戦についてだが――…」
-
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
友「はえ―…そりゃとんでもねえ話だな」
男「まあ中々にぶっ飛んだ話ではある」
友「で、俺は家の裏手とかに隠れておけば良いんだろ?」
男「そういうことだな」
幼馴染「友君は何時くらいから隠れるの?」
男「大体3時くらいから」
幼馴染「えっ…それは早すぎるんじゃない?」
幼馴染「友君も待ちすぎて苦痛になるかも…」
友「ばっか。俺はどうでも良いんだよ。幼馴染が危ないんだろ?だったらやるしかねえじゃん」
-
友「ま、それに男に飯を奢ってもらうしな!」
幼馴染「え?」
友「げっへっへ―」
男「まあ、友の時間を奪っているわけだしな。せめてものお礼だ」
友「へへへ、俺は大食いですぜ」
男「へいへい。分かった分かった」
幼馴染「ふふ…皆優しいね」
幼馴染「友君も、ありがとう」
友「へっ、良いってことよ!」
男「よし…時間がくるまで待機するとするか」
-
友「そうだな―。何する?」
幼馴染「勉強でもする?」
友「真面目だな…」
男「同意」
幼馴染「そ、そうかな」
男「…じゃあ俺は少し集めるものがあるから、先に勉強なり何なりしていてくれ」
幼馴染「うん。二階に上がっているから」
友「えっ勉強すること確定?嫌だ―!」
幼馴染「ほら、テストも近いんだから文句を言わない」グイグイ
友「うえ―」
幼馴染(…今の私には、男の邪魔をしないことがとるべき行動)
幼馴染「レッツゴー」
友「うう…」
-
男「……」
男(なにか…ひっかかるんだよな)
男(…何がだ?)
男(何だ…それは)
男(……)
男「…考えていても仕方ないか…ここまできたらやるしかない」
男「……」ガサガサ
-
今日はここまで
-
おつおつ
-
小津
-
―幼馴染部屋―
幼馴染「はい。入って」カチャ
友「んじゃ遠慮なく」
友「ほ―。結構女子っぽい部屋だな」
幼馴染「そう?」
幼馴染(男と一緒のこと言ってる…男の子って皆こう言うのかな…)
友「そういや女の部屋に入ったの初めてかもしれん」
幼馴染「え、なんか意外だね」
友「意外でもなんでもね―よ」
幼馴染「そういえば、友君は誰とも付き合ってないの?」
友「そりゃそうだろ。俺がそんな高スペックに見えるか?」
-
幼馴染「ええ―、でも友君恰好良いし、女子たちからも人気あるんじゃない?」
友「ないない」
幼馴染「ふ―ん」
友「俺はお前らみたいに交際には縁がないんだよ」
幼馴染「!!」
友「俺も誰かと相思相愛になってみて―ぜ」
幼馴染「な…」
友「…ん?どした?」
幼馴染「お、私たちみたいにって…」
幼馴染「もしかして…」
友「え、付き合っているんだろ?」
幼馴染「ななな…!」
-
幼馴染「な、なんで知ってるのぉ!?///」
友「いや、そりゃ気付くだろ」
友「ま、俺は最近色々あって知ったんだけどよ」
幼馴染「///」
友「そもそも傍から見ても分かり易過ぎだって」
幼馴染「うう…///」
友「別に今更照れることじゃね―じゃん」
友「俺は幼馴染が男を選んだのは、間違いなく良い選択だと思うぜ」
幼馴染「///」
-
友「男は凄い奴だよ。ホントに」
友「賢いし、人望もある。それに知ってっか?料理もできるんだぜ、アイツ」
友「いつも誰にでも優しくてさ、他人のためでも直ぐに行動してしまう」
友「今回の件でも、俺には躊躇ってとてもできないようなことを計画している」
幼馴染「……」
友「そんな姿を見ちまったら、協力したくなるじゃねえか」
幼馴染「尊敬してるんだね。男を」
友「まあな。幼馴染ほど長い付き合いじゃね―けど、俺は男と友達になれて誇らしく思うぜ」
幼馴染「うん。私も男のこと、尊敬してるよ」
幼馴染「それに、友君もね」
-
友「ははっ嬉しいこと言ってくれるじゃね―か」
幼馴染「ふふっ」
友(俺はお前と男がくっついてさ、本当にお似合いのカップルだと思う)
友(俺は幼馴染が異性として好きじゃなかったのか、と言われると嘘になるけどよ)
友(でも何よりも、男と幼馴染には幸せになってほしいからな)
友「まあ男と精々イチャついてくれや」
幼馴染「ちょっと―!///」
友「ひひひっ」
-
<font color="000000">
トントントン
友「おっ、男が上がってきたみたいだな」
友「さぁ―てと。邪魔者の俺はさっさと退散…」
幼馴染「一緒に勉強でしょ」 ムンズ
友「…は―い」
</font>
-
今日はここまで
少しだけしか書けなかったけど、休日は頑張るつもりでいます
友と幼馴染しか書けていない…
-
早よ書けー
-
―10:35―
友「ああああ分からん!」
男「また同じところでミスってるじゃね―か」
男「ここはこの定理を使うんだって」
友「だから何でそれがいきなり出てくるんだよおおお!」
男「え、何でって言われてもな…」
幼馴染「あ、そこはね、先に適度に分けて考えるとうまくいくよ」
幼馴染「教科書の107ページに同じような例題があったはずだよ…あっほらここ」 ペラ
幼馴染「だから、これに従って考えるとね……」
-
<font color="000000">友「うお―成程!わっかりやすいな!」
幼馴染「えへへ、そう?」
友「それに比べて男の説明はザックリしすぎなんだよな―」
友「幼馴染の説明の分かり易さを見習えい」
男「ええ…今まで散々教えてきたのによ―…」
友「それはそれ。これはこれだも―ん」
幼馴染「ま、まあまあ!ほら、次の問題を解こう!」
</font>
-
―12:04―
友「腹減った…」クー
幼馴染「そうだね。今からご飯作るよ」
友「マジで?やった―」
男「あ、俺パン持ってきたし…」
幼馴染「だから駄目だってば―!栄養偏るよ!」
男「う―ん…でも申し訳ないな…」
友「だったらお前も手伝えば良いんじゃね?」
友「料理できるんだからよ」
-
<font color="000000">男「あ、そうか!」
男「幼馴染は俺が手伝っても平気か?」
幼馴染「うん!むしろ嬉しいよ!」
男「友も手伝うか?」
友「いんや。俺はただ待つ」
男「ええ―」
友「(おいおい。折角の接近イベントなんだから二人きりにならなきゃダメだろ)」 コソ
男「!」
男「(…お前、そんなことを考えていたのか?)」
友「(ったりめ―だ。さっさと行って来いよ。おらおらっ)」
男「(お前は恋愛マスターかなにかか…)」
友「(いかにも。だから言うこと聞いておけって)」
男「(分かったよ…じゃあ言ってくる)」
友「(まったく、世話が焼けるな)」ヤレヤレ
男「(うるせ―w)」
</font>
-
―12:46―
幼馴染「できたよ―!」
男「はよ来いよ友―」
男「お前の分無くなるぞこら―」
友「あいあい。それは勘弁…おっ美味そうだな―」
男「鳥の照り焼き。上手くできたと思うぞ」
幼馴染「タレも美味しいよ!」
友「んじゃ、席に着くとしますか―」 カタン
男「早くしないとな…」 チラ
幼馴染「もう…また時計を気にしているね」
男「そりゃ…な。落ち着かねえよ」
-
<font color="000000">友「幼馴染は落ち着いているんだな」
友「自分が危険な目に遭うかもしれないっていうのに」
幼馴染「うん…男を信じているから」
幼馴染「男といると、凄く安心するの」
幼馴染「…あ、こんな台詞、男に全て頼り切っているみたいだね…ごめん」
男「あ、いや…頼ってくれて嬉しいよ」
男「それに、確かに落ち着くことも大切だ」
友「よっしゃ、なら早速食べようぜ―」
幼馴染「うん」 カタ
男「そうだな」 カタ
「「「いただきます」」」
</font>
-
<font color="000000">
友「うめ―マジウメ―」 ガツガツ
幼馴染「ふふ、良い食べっぷりだね」
友「俺は食べる専門だからな。食べっぷりには自信がある」
男「誇れるのか?それって…」
友「おう。バッチリ誇れるね」
幼馴染「でもこういう風に美味しそうに食べてくれると、作った私たちとしても嬉しいね」
男「だな」
幼馴染「この三人で居るのって、本当に楽しいよね」
友「そうだな!俺は飯も貰えるし、良いことづくめだぜ!」
男「いやお前は自炊の練習でもしろ」
友「ぐう」
幼馴染「あはは」
</font>
-
男「さて、俺も食べるとするか」 パク
男「お、美味い」
幼馴染「ホントだ。美味しいね」パク
男「皮もパリパリに焼けたみたいだ。そこに甘辛いタレがかかって絶妙」 モグモグ
幼馴染「お肉もジューシーだよ」モグモグ
友「あっはっは。食え食え」
男「何でお前は料理店長風なんだよ…」
幼馴染「ふふっ…あ、そうだ」
男「ん?」
幼馴染「あのね、この近くの駅から電車で少し行ったところに、綺麗な湖畔がある公園があるんだって」
男「へえ」
幼馴染「桜も綺麗みたいなの。でね、良かったら三人でまた今度行かない?」
男「……」
友「おっ良いなそれ!」
男「…そうだな!」
-
<font color="000000">友「あ、でもよ」
友「俺もついて行って良いのそれ?二人で行って来れば?」
幼馴染「もう///」
男(!…友の奴、幼馴染に言ったな)
幼馴染「二人で行くのはまた違うとこ…あっ」
幼馴染「んんっ…兎に角!今度のは三人で行こうねって話!///」
友「へえ―。ですってよ、旦那ァ。楽しみですなァ?」 グググ
男「ぐ…分かった。分かったからグイグイ来るな」
友「ふ…はははっ」
男「ははっ」
幼馴染「ぷっ…あははっ」
</font>
-
<font color="000000">
楽しい時間は あっという間に過ぎる
</font>
-
<font color="000000">
―3:02―
ザ――――――――――
</font>
-
<font color="000000">
ザ―――――――――
男「……」
幼馴染「……」
友「……」
友「…雨、また降りだしてきたな」
幼馴染「うん。止むかと思ってた」
男「……」
</font>
-
男「……」
男「友、悪いがもう時間だ」
友「…あ、おお。そうだな」
幼馴染「……」
男「…作戦を始めよう」
-
<font color="000000">
男「…友」
友「なんだよ」
男「何があっても、隠れているんだ。分かったか?」
友「何があってもって…不安になるようなこと言うんじゃね―
よ」
男「……」
幼馴染「……」
男「幼馴染も、もし交戦が激しくなっても隠れているんだぞ」
幼馴染「うん…リビングに、だったよね」
男「ああ。作戦の都合上、一階が最適なんだ」
幼馴染「分かった。隠れているね」
男「…頼んだ」
</font>
-
>>338
15:02 のミスです
-
<font color="000000">
―16:20―
</font>
-
<font color="000000"> ―交番―
巡査「ふああ…」
巡査「あ―あ。新任でここに来たけど…ずっとここに居るだけで何もやることないな」
巡査「前の奴…勝手に逃げ出して俺の仕事増やしやがって…」
巡査「ストーカーだったか…気持ち悪いな。全く…」
キイ…
</font>
-
<font color="000000">
巡査「…?」
巡査「はいはい。何の御用でしょうか?」 クル
巡査「…!!」
</font>
-
<font color="000000">巡査「なっ……あ…」
巡査「…お、おい」
巡査「何故…ここに居る…?」
巡査「お前は…逃走中のはずじゃ…」
巡査「おい待て…何故近づいてくる…おい、来るな…!」
巡査「何のつもりだ…!?近づくなと言っている!」
巡査「お前は―――――…」
</font>
-
<font color="000000">
ザグ
</font>
-
<font color="000000">
「う…あぁ……」
ドサリ
「……」
「……」 カチャカチャ
「……」 …カチン カシッ
「……」 ゴソゴソ
「……」 カチッ
「……」
「……」 ニヤア
キイ… バタン
</font>
-
<font color="000000">
―リビング―
男「……」
幼馴染「……」
男(まだ…来ないか)
幼馴染「……」 フルフル
男「!」
男「どうした…怖いのか?」
幼馴染「…少しだけ」
男「…大丈夫だ。必ず守り抜く」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「ごめんなさい…」 フルフル
幼馴染「落ち着いているフリしていたけど…やっぱり…」フルフル
幼馴染「男のこと、信じてる」フルフル
幼馴染「でも…怖くて…」フルフル
男「……」 ギュ
幼馴染「男…」
男「大丈夫だ…大丈夫」
幼馴染「……」
ズキン
</font>
-
<font color="000000">
男「!!!」
男「く…」
</font>
-
<font color="000000">
ああ 奴だ 奴が来る
乾いた発砲音
扉が開かれる いや 開かれるというより 破壊される
奴が入ってくる 土足
手には
ピストル
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「お、男!まさか予知がっ…」
男「ッ…」 ズキンッ ズキンッ
殺意に滾った眼
薄ら笑いを 顔に浮かべながら
廊下に乗り込んでくる
奴にとって近い リビングを 目指して
俺達に近づいてくる
そして 俺は―――――――
</font>
-
<font color="000000">
男「――…!!」
男「ッはあっ…はあっ…」
幼馴染「大丈夫!?」
男「…幼馴染!今すぐ友に、警察に連絡するよう電話してくれ!」
男「もう一分後には奴が来る!」
幼馴染「うんっ!分かった!」
</font>
-
男(俺はその間に…!)
幼馴染「あっ友君!?今から直ぐに110番して!!」
幼馴染「もう来るの!!早く!!」
男「急がないと…っ」 ガサッ
幼馴染「電話、終わったよ!」
男「よし!幼馴染は奥に隠れるんだ!!急いで!!」
幼馴染「…うん!」 タッ
-
<font color="000000">
男(急げ…急げ…!) ゴソゴソ
男「……」 キュ
男「あ」
男(思い出した――)
男(俺は奴に、昔…小学生の頃に会っていた。すれ違っていたんだ)
男(その時が、奴を初めて見た時だった)
男(…奴は付近の見回りをしていた)
男(すれ違いざまに、俺は見た)
男(奴の虚ろな眼を。何も思っちゃいない空虚な眼)
男(それが俺に、不気味な印象を与えた)
</font>
-
<font color="000000">男(恐らく奴は…あの時、世の中全てに退屈していた。飽きていたんだ)
男(何かに飢えていた。自分の退屈を埋められる何かに)
男(ずっと)
男(そして、見つけた…)
男(それが――幼馴染…)
男「……」 ギリ・・・
男「……」
男「…今更こんなことを考えていても仕方ない…か」
</font>
-
<font color="000000">
ガチャッ ガチャッ ガチャッ
ドン ドン ドン ドン
</font>
-
<font color="000000">
男「…!!」
男「来やがったな…」
ガチャ…
パンッ
</font>
-
<font color="000000">
男(ドアノブが吹っ飛ばされたか…)
カランカランッ ギギ・・・
ギイ…
ギシッ ギシッ ギシッ
</font>
-
<font color="000000">
ギシッ… ギシッ…
男「フ―…」ドッ ドッ
男(落ち着け…緊張している場合か…) ドッ ドッ
男(覚悟は決めているだろ) ドッ
男「……」
男(失敗は許されないんだ…)
男(呪われた運命を変えてやる)
</font>
-
<font color="000000">
男「……」スッ
リビングの入り口の扉の隙間から 少し目を覗かせる
奴の姿が見えた やはり予知通りの表情だ
ピストル持っている 警官に支給されるものだろう
そして何故か 制服を着ていた
男(アイツ…もう警官じゃないだろうが…!)
男(カモフラージュのつもりか?ふざけやがって…)
</font>
-
<font color="000000">
警官「……」 ギシッ ギシッ
ゆっくりと 周辺を見回している
幼馴染を探しているのだろう
男(まだだ…待つんだ…)
男(まだ出ていく時じゃない)
警官「……」ギシッ…
男(奴はまだこちらには気づいていない…これなら成功する)
警官「……」
男(…そろそろか)
</font>
-
<font color="000000">
警官「……」
男(よし…時間だ)
男「…フ―…」
男「……」スス・・・
男(一、二…)
男(三!!)
男「誰だ!!」 バッ
警官「!!」
</font>
-
<font color="000000">
男「お前はっ…!!あの時のストーカーだな!?」
男「何故ここに居る!!」
警官「……」
男「お前っ…あんなことをした上に勝手に人の家に上がり込んで」
男「ただで済むと思っているのか!!」
警官「……」
男(…どうだっ!?)
警官「……」
警官「これは…驚いたな」
男「!」
</font>
-
<font color="000000">警官「まさかあの女の家に来てみたら、お前がいるとは思わなかったぞ」
男「…!」
警官「くく…これは面白いことになった」
警官「丁度良い。幼馴染はどこだ?」
男「ふざけるな!!警察に突き出してやる!!」
男「幼馴染はここには居ない!!俺が留守番をしているだけだ!!」
警官「ほう…」
男(勿論そんなことを言ったところで、信じるわけもないだろうな)
警官「そうかそうか…」
警官「…お前、あの女の彼氏か?」
</font>
-
<font color="000000">男「だったらどうした!!」
警察「…成程な」
男「……」
警官「あの女が、最近一人で帰らなくなってしまった」
警官「非常に残念だったよ」
男「『あの女』と言うんじゃない!!幼馴染だ!!」
警官「知っているとも。だがどうでも良いことだ」
男「……」
警察「私はあの女の存在自体を愛している。名前なんざどうだっていい」
</font>
-
<font color="000000">
警官「と…まあ、その話はさておき」
警官「今回ここに来たことには、目的があるんだよ」
男「目的だと!?そんなモン持ち込むんじゃねえよ!!」
男「テメエはさっさと逮捕されろ!!」
警官「…こんな状況にも関わらず、案外冷静なんだね」
警官「うん。良い彼氏だと思うよ」
警官「非常に目障りだ」
男「……ッ」 ゾクッ
</font>
-
<font color="000000">
警官「私はね」
警官「ある計画を実行するためにここに来た」
警官「この計画はいずれ実行するつもりではあったんだよ」
警官「でも、それは数年後になるはずだったんだ」
男「……」
警官「しかし、だ」
警官「お前のせいで計画を早めざるをえなくなってしまった」
警官「お前が邪魔をしたせいで。お前のせいで。お前が居たから」
警官「そして今回も、家に入ってみたら、これだよ」
警官「あんまりじゃないか」
</font>
-
<font color="000000">
男「なんだと…」
警官「君は警察がどうこう…などと言っていたようだが」
警官「心配しなくて良い。私はとうにそんな覚悟はできている」
警官「この計画が済んだら、どうせ逮捕されるのだから」
男「幼馴染に…何かするつもりか」
警官「クククッ…ご名答」
警官「あの女の一生を、この私の手で終わらせてやるんだよ」
警官「それこそが私の長年の悲願!!それさえできたらもう何もいらない!!」
警官「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
</font>
-
<font color="000000">
男「お前は…狂っている」
警官「狂っている?愛の形は人それぞれだ」
警官「何がおかしいと言うんだ?」
男「……」
男(いよいよ…か)
警官「私はこの計画に人生を懸けている」
警官「邪魔をする奴は許さない」
</font>
-
<font color="000000">
警官「なあ?あの女が居ないというのは嘘だろう?」
警官「〈いつも履いている〉靴が玄関にあるじゃないか」
男「……」
警官「お前のような番犬がいるとは予想外だったが…」
警官「まあ良い。邪魔者は始末するだけだ」 チャキ
警官「どこに隠れているのかは知らないけどなあ」
警官「お前を殺してから、あの女も探し出して殺す」
男「!!」
男(ははっ…やはりピストルか…確実に殺す気だな)
</font>
-
<font color="000000">
これは…賭けだ
男「撃たせるかよっ!!」 ダダッ
警官「…!」
男「捕まえ―――」
</font>
-
<font color="000000">
パンッ
</font>
-
<font color="000000">
男「あ……」
身体が 後方に 吹っ飛ばされる
ああ
予知通りに なったなあ…
撃たれた 撃たれたんだ…
男「」 ドサッ
思えば 初めて 予知通りの 未来を――――…
</font>
-
<font color="000000">
―リビングの奥(机の下)―
ドサッ
幼馴染「!!」
幼馴染「…お…とこ…」」
幼馴染「男が…」
幼馴染「嘘…そんな…」
幼馴染「嘘…嘘だ…」
幼馴染「そんな…ことが…」
幼馴染「あるはずが…」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「ま…待っててね男…今すぐ…」 スク…
幼馴染「助けるから…」
幼馴染「…あ」
『隠れているんだぞ』
幼馴染(男からの…言いつけ…)
幼馴染(破るわけには…)
幼馴染「う…うぅ…」
幼馴染(一体…どうしたら…)
幼馴染「……」
幼馴染(…悔しい) ツツ…
幼馴染(悔しい!悔しい!) ポロポロ
幼馴染(私…何にもできない) ポロポロ
幼馴染(ただ…見殺しにするしかないなんて…!) ポロポロ
</font>
-
<font color="000000">
警官「……」
警官「フフ…」
警官「アハハハハハハ!!」
警官「アハ八ッ…ああ、愉快だ」
警官「まさか逃げるでもなく立ち向かってくるとは…驚きはしたが、愚かだな」
警官「スッとしたよ本当に…邪魔者が消えて晴れ晴れとした気分だ」
警官「フフ……」
警官「さて、と…」 クル
警官「かくれんぼの時間かな?」
</font>
-
今日はここまで
-
乙!!
-
はよせい警察!!!!
-
<font color="000000">
―幼馴染宅の裏手―
友「…おいおい」
友「発砲音か…?今の…」
友(警官が家に入って行ったと思ったら…)
友(発砲が2回続けて起こるだと…?)
友「何が起きてんだよ…一体」
友「まさか…あの警官が…」
友「そんな馬鹿な…」
友「これは…洒落になんねえよ…」
友「……」
友「男…大丈夫なのか?」
友「……」 グ…
</font>
-
警官「う―ん…」
警官「どこかなぁ―」 クル
警官「この近くには居るんだろうけどねぇ」
警官「絶対に探し出して」
警官「殺す」
警官「……」 ギッ ギッ
幼馴染(ヒッ…)
幼馴染(どんどん…近づいてくる)
幼馴染(怖い…)
幼馴染(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…!)
-
<font color="000000">
警官「まずは…」
警官「リビングからかな」
警官「……」 スッ
警官「……」 ガタッ
幼馴染「ハアッ…ハアッ…」 ギュ
幼馴染(椅子とか…机の下を…)
幼馴染(虱潰しに探してる…)
警官「……」 ズズ
幼馴染(このままじゃ…男を助けるどころか…)
幼馴染(私も見つかってしまう…)
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染(駄目…それは最悪の結果)
幼馴染(男が守ってくれたんだ。無駄にするわけには…)
幼馴染「……」 ジッ…
幼馴染「……」
警官「……」
警官「…居ないな」
警官「二階か」
幼馴染「…!」
幼馴染(良かった…奥の方の机には気づいていない)
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染(このままじっとしていれば…隙を突いて、男を連れて逃げられる…!)
ヴー ヴー ヴー ヴー ヴー
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「!?」
警官「!!」
幼馴染(え……)
幼馴染(う、嘘…携帯が…)
ヴー ヴー ヴー ヴー ヴー
幼馴染(あ……)
幼馴染(おばあちゃんが…安否確認のために電話をするって…)
幼馴染(言っていたんだった…)
</font>
-
<font color="000000">
警官「そこに」 クル
警官「居るのか?」 ギッ
幼馴染(あ…ああ…)
幼馴染(見つかってしまう…)
幼馴染(殺されてしまう…)
警官「……」 ギッ ギッ
警官「……」 ギッ
幼馴染(もう…駄目だ)
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染(あ―あ…)
幼馴染(折角…男とも恋人になれたのになぁ…)
幼馴染(ようやく自分に素直になれて)
幼馴染(一杯遊んで、一杯楽しんで)
幼馴染(私…もっともっとやりたいことあったのに…)
幼馴染(こんなところで、終わっちゃうんだ…)
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染(ごめんなさい…)
幼馴染(男…)
幼馴染(おばあちゃん…おじいちゃん…)
幼馴染(友君…)
幼馴染(学校の皆…)
幼馴染(今まで、ありがとう)
幼馴染(お母さん…お父さん…)
幼馴染(私、もうすぐそっちに行くからね――…)
</font>
-
<font color="000000">
「なあアンタ。予知って信じるか?」
警官「!!!」 バッ
幼馴染「えっ…!?」
男「これも全て――」
男「狙い通りだ!!!」 ダッ
警官「なっ……」
</font>
-
<font color="000000">男「喰らえ!!!」 ガッ
バババババババババッ
呆気にとられている警官の背後に回り込み
奴の制服の上から スタンガンを思い切り押し込む
警官「がっ…ああ!!」
男「……ッ!!」 バババババババ
警官「ぐ…」
警官「……」ニイ…
警官「」 ドタッ
</font>
-
<font color="000000">
警官「」
男「ハアッ…ハアッ…」 バチッ バチチッ
男「ハアッ…」 カチ
幼馴染「お、男!?」
男「ハアッ…よ、よお幼馴染」
男「無事で何よりだ」
幼馴染「な、なんで!?撃たれたんじゃあ…」
男「ああ」
男「確かに、俺は撃たれた。予知通りにな」
幼馴染「……?」
男「予知通りの時間に。予知通りの部位に撃たれた」
男「だからこそ、防御が可能だった」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「それはどういう…」
男「つまり、こういうことだ」 ジジ
上に羽織っていた 厚手のジャンパ―のチャックを開ける
すると中には ズボンのベルトで左胸付近に縛り付けられた
小型のフライパンがあった
幼馴染「…!」
男「もちろんこんなモン直ぐに貫通されるから、濡らした雑誌もはさんである」
男「案外効果的なんだよ」
男「小口径で助かった…まあ、衝撃は殺せないから、多分鎖骨あたりが折れたな…イテテ」
幼馴染「折れたって…」
</font>
-
<font color="000000">
男「…まあ大したことじゃない。ほっとけば治る」
幼馴染「それで…予知通りに撃たれたのは、作戦通りだったってこと?」
男「そうだ」
男「予知に逆らわず、その通りに動く」
男「そうすることで、弾道を予測したんだ」
幼馴染「凄い…」
男「命懸けの賭けではあったが…なんとか勝つことができた」
男「この勝負、俺たちの勝利だ」
幼馴染「……!」
幼馴染「うん!!」 グスッ
</font>
-
休まず早よ書いてくれ
気になって百姓が出来ん
-
<font color="000000">
幼馴染「あはは…」ポロポロ
幼馴染「男…ホントに心配したんだから」 グスッグスッ
男「悪かったな。黙っていて…」
幼馴染「死んじゃってたらどうしようって…」グスッ
幼馴染「悲しかった。怖かった。何にもできない自分が許せなかった…」
男「幼馴染…」
幼馴染「でも、生きてて良かった…」
男「俺も…」
男「幼馴染を守ることができて良かった」
幼馴染「男ぉ!」 ギュッ
男「おわっ…」
男「はは…よしよし」ナデナデ
幼馴染「ん……」 ギュー
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「……」ギュ・・・
幼馴染「ねえ…そのスタンガン?だったっけ」
男「ん?」
幼馴染「その道具が友君に頼んでいたものなの?」
男「その通りだ。このタイプは結構な威力で、服の上からでも十分に効力を発揮する」
男「それに電気ショックだから、相手を傷つけることなく無力化できる」
幼馴染「わあ…そんなところまでちゃんと考えてあるんだね」
男「まあ…俺も好き好んで相手を傷つけたくないからな」
幼馴染「…やっぱり男は素敵だなぁ」
男「う…不意打ちは照れるだろ///」
幼馴染「ふふっ…」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「男…どれだけお礼を言っても足りないけれど、本当にありがとう」
男「おう」
男「でも、礼は友にも言ってやってくれ」
幼馴染「勿論っ」
男「はは、よし、友を呼んでくるか!」 パッ
幼馴染「あ…」
幼馴染(もっとギュっとしていたかったなぁ…)
男「兎に角、これで一件落着だ。後は警察が来るのを待とう」
幼馴染「…そうだねっ」 ニコッ
</font>
-
<font color="000000">
男「あ―…イテテ…」 サスサス
男「ははっ…寿命が縮んだよ全く…」 クル
幼馴染「あははっ…私も――――」
ズ・・・・
幼馴染「!!!」
幼馴染「男っ!!!後ろ!!!」
</font>
-
<font color="000000">
男「はっ!!??」
シュガッ
幼馴染「男!!」
男「―――――――ッ!!」
</font>
-
<font color="000000">
空を薙ぐ音がし 突如刃が襲ってきた
俺は咄嗟に体を反らし それを避ける
が
左胸のベルトが断たれ そのままの勢いで
生身である肩まで切り裂かれる
男「くあっ…」 パタタッ
肩から噴き出した鮮血が 床に点々と模様をつける
左胸から フライパンや雑誌が滑り落ち 床に転がった
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「そんな……!」
男「ハアッ…ハアッ…」 トトッ
男「な…何故だ…」
警官「クク……」 チャキ…
男(奴は電気ショックを受けた。それも強力な)
男(しばらくは動けないはずだろうが…!)
</font>
-
<font color="000000">
男「クソ…痛えな畜生…」 ポタッ ポタッ
警官「ん―…お前には今度こそ本当に驚かされたよ」
警官「まさか、銃弾を喰らって生きているとはね」
男「おい…テメエこそ何故平気なんだ…」
警官「おや、お前は学習不足のようだな」
男「なんだと…!?」
警官「まさかスタンガンまで用意しているとは驚いたが…」
警官「スタンガンは電気ショックで相手を無力化する」
警官「故に、金属繊維を編み込んだ私の制服には無意味、ということだ」
男「なっ!?」
</font>
-
<font color="000000">
警官「ああ、無意味では無かったか…そうだな、多少は痺れた」
男「……!」
警官「でもすぐに硬直は解けたよ…クク」
警官「その間に女はノコノコ出てきてくれたなぁ」
幼馴染「ッ…」
警官「で、油断したところを殺そうかと思っていたんだけど」
警官「俺が痺れている間に、拳銃がどこかにいってしまった」
男「蹴り飛ばしてやったよ…」 ポタポタ
警官「ふ―ん。でも残念だったね。見ての通り、私はナイフも持っているんだ」
警官「これで既に人を一人殺した」
男「!!」
幼馴染「え…!?」
</font>
-
<font color="000000">
男「テメエ…!!」
幼馴染「な……」
警官「実を言うと、この制服もあの拳銃も、ソイツから拝借したんだけど」
警官「いやあ、制服には救われたなあ―」 ニヤア
男「糞野郎が!!!」
男「テメエは――――」
警官「さて、お前も死ね」 ダダッ
男「うっ!?」 ドガッ
ドシャアッ
男「なあっ…くう…」 ギリギリ
警官「……」 ギリギリ
幼馴染「お、男…!」
警官「……」 ギリギリ
</font>
-
<font color="000000">
床に押し倒され 抑え込まれた
凄まじい力だ
一瞬で身動きが取れなくなった
この状況は
不味い
</font>
-
<font color="000000">
警官「逮捕術には自信があるんだ」 ギリギリ
男「ぐううあああ…!!」
幼馴染「ひっ…」
幼馴染(ど、どうしたら…)
警官「おっと、そこの『幼馴染』は動くなよ?」 ギリギリ
警官「動いたらすぐさまこの彼氏を刺す」 スッ
男「…テ…メェ…」
</font>
-
<font color="000000">
警官「アハハッ楽しいねえ!!」 ギリギリ
警官「苦しむ彼氏と、それを見ながらも何もできない彼女!!」 ギリギリ
警官「最高だ!!最高に面白い!!」 ギリギリ
男「ぐ…」
警官「まあどうせ殺すんだけどさあ…彼女としては希望を持ちたいよなあ?」
警官「お前が動かない間は生かしておいてやるんだから」
幼馴染「……ッ」
警官「お前は何にもできない」
警官「でも悲しむ必要はない」
警官「最後に俺に殺されるという立派な役目を果たせるんだからさあ」
幼馴染「く……」
男「ふざ…けんなぁ…!」
</font>
-
<font color="000000">
警察「あ、そうそう」ギリギリ
警察「少しお前に聞きたいことがあったんだよ。彼氏君」 ギリ・・・
男「……」
警官「お前は何者だ?」
男「……」
警官「俺の行動を前もってしっていたかのように動き、さらには準備までしていたようじゃないか」
警官「正直言って、危うく計画が失敗するところだった」
警官「見事だ。敬意を払っても良いくらいに」
警官「しかし、だ」
警官「とても常人にできることじゃないだろう?」
警官「そこが少しばかり、興味深くてね」
</font>
-
<font color="000000">
男「……俺は」
男「…俺はただの高校生だ!それ以上でもそれ以下でもない!」
警官「へえ…そうか」
警官「ただの高校生ねえ…」
警官「まあ、今ここでこうやって押さえつけられ、殺されかけているということについては」
警官「確かに特別な人間の創りだす状況とは思えない」
警官「予知がどうこう言っていたのは虚言か?」
男「……!」
警官「…そういうことにしておこう。多少期待外れではあるがね」
</font>
-
<font color="000000">
警官「さてと…」
警官「もうお前に対する興味は失った」
男「!!」
幼馴染「!!」
警官「時間がないんだ」
警官「もう警察が騒ぎ出すころだろう」
警官「私のこの計画は、邪魔をされるわけにはいかない」
警官「そろそろ…」
警官「殺すとしよう」 スウ…
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「待って!!止めて!!」
警官「……」 ツー
男「………」 フーッ フーッ
首筋に ひんやりとした感触
刃物の冷たい感触だ
体の奥底から湧き出る寒気
冷や汗が滲み出る
幼馴染「お願い…止めて…」 フルフル
警官「ハハ、大丈夫だ。どうせ彼氏彼女共々、あの世に送ってやることになるんだから」
</font>
-
<font color="000000">
警官「ただ、最初は私の邪魔をしたコイツから」
警官「そしてコイツを殺した後に」
警官「『幼馴染』、お前を…今まで我慢してきた分ゆっくり、時間が許す限り愛撫してから」
警官「殺す」
幼馴染「ひっ…ひっ…」フルフル
男「ちく…しょうが……」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「……」 フルフル
幼馴染(私は―――――)
幼馴染(何をしているんだろう)
幼馴染(またこうやって、ただ見ているだけ)
幼馴染(男が近くに居るのに…)
幼馴染(何もできない、無力な私…)
幼馴染(ッ…そんなの…嫌だ!)
幼馴染(諦めちゃ駄目!まだ…何か私にできることが…)
幼馴染(何か…何か…)
幼馴染(…!)
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染(あ…リビングの隅に…ピストルが)
幼馴染(男が蹴り飛ばしたのが…あんなところに…)
幼馴染「……」ゴク…
幼馴染(私が…あれをとれば…)
幼馴染(もしかすると…)
</font>
-
<font color="000000">
警官「ああああああああああああもう我慢の限界だ」
幼馴染「ッ」 ビクッ
警官「ずっと、何年も待ち続けていた瞬間なんだ」
警官「『幼馴染』を早く殺したくて堪らない」
警官「だから」
警官「早くコイツを殺そう。ああ楽しみだなあ」 スス
男「う……」
プツ ツツ・・・
首筋の皮にナイフの刃が食い込む
声を上げる程度の身じろぎで 喉笛が切り裂かれるだろう
不味い 不味い 不味い 不味い 不味い
不味い 不味い 不味い 不味い 不味い
不味い 不味い 不味い 不味い 不味い
</font>
-
<font color="000000">
俺はどうなっても良い
だが
幼馴染が殺されるのだけは
絶対に
許せない
守ると誓ったんだ 約束したんだ
幼馴染の笑顔を守るのは
俺だ
だから ここで死ぬわけには―――
</font>
-
<font color="000000">警官「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
警官「アハハハハハハ――…」
バンッ
「おいっ!!男!!幼馴染!!無事か!?」
男「!!」
警官「…あ?」
</font>
-
<font color="000000">
友「スマン!!どうしても心配で見に来た!!」 ドタドタ
友「入るぞ!!」
ドタドタドタドタ
警官「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい」
警官「チッ…なんだよ!!」
警官「まだ誰か居やがったのか!!」
男(と、友…)
男(言いつけ破りやがって…)
男(まったく…お前はどうしようもないな)
</font>
-
<font color="000000">
男(だが礼を言う)
男(おかげで奴に隙ができた)
警官が突然の第三者に戸惑い ナイフを首から遠ざけ 拘束が緩む
すかさず俺は 肩の傷口に手をあて
鮮血をたっぷりと付着させた平手打ちを 奴の目を目掛け喰らわせる
</font>
-
<font color="000000">
男「おらっ!!」 バチイッ
警官「がっ!?…ああああああ!!!」
警官「目がっ…貴様!!」
男(目潰し効果も抜群だぜ!)
間髪入れずに 身を反らした奴の顔面に
肘鉄を撃ち込む
男「―ッ!!」 ゴシャッ
警官「ぎっ!?」
</font>
-
<font color="000000">
警官「お…おお…」 フラ…
男「離れろ変態!!」 ドガッ
奴の腹部に思いきり蹴りを入れてやる
背中を地面に着けた状態での蹴りだったが 奴は後方へ倒れ込んだ
警察「ぐっ…」 ドシャッ
友「おい!!ここか!!」 バッ
男「ハアッ…ハアッ…」
男「友!来るんじゃねえ!!」
友「!!…なんだこの状況!?」
男「いいから離れてろ!!」
</font>
-
<font color="000000">
警官「うぐぐ…」 フラ
警官「クソ…油断した…」
友「おい!まさかアイツがストーカーか!?」
男「だから離れてろって!!奴は本気で人を殺しにくる狂人だ!!」
警官「クソガキ共がぁ…今度は容赦しない…」
警官「たかが三人。本気をだせば直ぐに片付くんだぁ…」 チャキ
友「お、おい…なんかヤバいぞ」
男(奴が本気になった…楽しむことを放棄して、確実に殺しにかかる気だ)
男「俺がやる!!二人は逃げろ!!」
警官「はぁ?」
警官「私に敵うとでも思っているのか?」
警官「返り討ちにして、切り刻んでやるよ…ヒヒッ」
男(勝算は低い…だがやるしかない)
男(二人を守る―――)
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「そこまでだよ」 チャキッ
幼馴染「そのナイフを下ろして」
男「…!!」
警官「……!」
そこには
ピストルを構えた幼馴染の姿があった
男「幼馴染…」
</font>
-
<font color="000000">
警官「フッ…」
警官「フフ…アハハ…」
警官「アハハハハハハハハハハハハハ!!!」
幼馴染「……」
警官「アハハハハッ……ああ面白い」
警官「何だぁお前?そんなモノを拾ってどうするんだ?」
幼馴染「そのナイフを…下ろして」
警官「おお、撃つのか?撃つつもりなのか?」
警官「良いぞ、お前がそのつもりなら」
警官「できるものならなぁ」 ニヤア
幼馴染「…ッ」 カタカタ
</font>
-
百姓を頑張ったかいがあった
ありがとう
-
<font color="000000">
警官「どうした?震えているじゃないか」
警官「怖いんだろう?人を殺すのが」
幼馴染「ハアッ…ハアッ…」 カタカタ
警官「早くしないと殺されるぞ?」 スッ
幼馴染「う……」 カタカタ
幼馴染(守られているばかりじゃ…駄目!) カタカタ
幼馴染(自分で…守る…) カタカタ
警官「…ほら。撃ってみなよ」
警官「愛するお前に撃たれるのなら、まあ悪くはないかもしれないな」
幼馴染「ハアッ…ハアッ…」 カタカタ
幼馴染(早くしないと…男たちが殺される…) カタカタ
幼馴染「ハアッ……」 カタカタ
</font>
-
<font color="000000">
友「ヤバい…ヤバいぞ…」
友「何で幼馴染はあんな物騒なモン持ってんだよ!?」
男「……」
男「……」 フラフラ…
友「おっおい男!今二人の方に向かうのは危ないぞ!」
骨折といい 肩の切り傷といい
兎に角痛みは際限なく襲ってくる
だがそんなことはどうでもいい
俺には 向かい合う二人の姿しか映っていなかった
</font>
-
>>427
こちらこそコメ有難いです
-
<font color="000000">
幼馴染「ハアッ…ハアッ…」 カタカタ
幼馴染「うう…う…」 カタカタ
警官「なんだよ…結局撃たないのか」
警官「がっかりだな…新たな一面を垣間見たと思ったのに」
警官「しょうがない。じゃ、目標通り殺すか」
幼馴染「……!」 カタカタ
警官「残念だけど、サッと殺すことにするよ」 スタスタ
警官「邪魔者も増えたことだし…」
警官「今まで、楽しかったよ」
</font>
-
<font color="000000">
警官「そして!今こそが絶頂の瞬間!!」
警官「長年にわたり積み重ねた私の想い」
警官「受け取ってくれええええええ!!!」 バッ
幼馴染「ッ―――ー!!!」 ギュッ
友「!!おさな――――」
ダンッ
</font>
-
<font color="000000">
友「……あ」
幼馴染「……ッ」
幼馴染「……?」
幼馴染「!」
ズシャアッ
警官「うぐっ…」
警官「な、なにをする!?離せ!!」
男「……首筋に」 バッ
男「直接」
男「押し付ける」 グイッ
バババババババババババハッ
警官「ああああああ!?!?」
</font>
-
<font color="000000">
男「……」 ババババババッ
警官「があああああ…ああ…」
男「……」 …スッ
警官「ああ…あ…」
警官「」 ガク
</font>
-
<font color="000000">
警官「」
男「ハア…ハア…」 バチチッ バチッ
男「ハア…」 バチ…
友「お、男…」
幼馴染「男…」
男「これで…制圧完了だ」
幼馴染「……」
男「殺す必要なんてない」
男「幼馴染が必死になってくれたのは嬉しいが」
男「殺人者には絶対になってほしくない」
幼馴染「う…」 ポロポロ…
幼馴染「うう…」 ガクッ
幼馴染「うああああ…」 ポロポロ
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「うう…ヒック…」
男「……」 ナデナデ
男「…よし、友、警察が来るまでにコイツを縛っておこう」
警官「」
友「お、おう!」
友(男の奴…)
友(躊躇いもなくストーカーに突っ込みやがった…)
友(あんなの…俺にはできそうもねえ)
友(やっぱ凄いな…)
男「リビングの奥の俺が集めた色々なガラクタと一緒に、ロープも混じっているはずだ」
男「持ってきてくれ」
友「了解だぜ!」 タッ
</font>
-
<font color="000000">
男「……」
男(ああ…)
男(…疲れた…)
男「うわ…まだ肩から血が出てる…痛えな畜生」 ドロ
男(体中をぶつけたり切られたりで満身創痍だな)
警官「」
男「……」
男(あの時、友が来ていなかったら…)
男(あの時、幼馴染がピストルを構えて、奴に隙ができなければ…)
男(俺はもう、とっくに死んでいたかもな)
</font>
-
あと2回は生き返るだろ
-
<font color="000000">
幼馴染「……」 スン…スン…
幼馴染「……」
男「……」
男「…いつまで蹲っているんだ?もう終わったんだ」
幼馴染「…男…ごめんなさい…」
幼馴染「私…とんでもないことをしようとしてた…」
男「うん…そうだな」
男「でも、今はこうやって犯人を無事無力化できた」
男「それで良いじゃないか」
幼馴染「…私、男に守ってばかりで…」
男「だからそんなことは気にしなくて良いって、前から言っているだろ」
男「俺もお前に命を救われた」
男「俺こそ守ってもらったんだよ」
幼馴染「……」
</font>
-
<font color="000000">
男「お互いに助け合っているんだよ。俺たちは」
幼馴染「……」
男「これじゃあ納得できないか?」
幼馴染「……」 フルッ
男「…分かってくれて嬉しいよ」 ニコ
幼馴染「うん…」
男「…これだけは言っておくけどな」
幼馴染「…?」
男「俺はそのままの幼馴染が好きだ」
男「自分で全部こなそうと頑張って、一人で悩んで」
男「たまに、俺に頼りっぱなしになっても、迷惑をかけても」
男「いつも俺のことを気遣ってくれて、俺のために必死になってくれる」
男「それが、俺の好きになった幼馴染だ」
</font>
-
<font color="000000">
男「そのままで良いんだ」
男「そのままが良いんだ」
幼馴染「……!」
幼馴染「うん…うん…!」 グスッ
男「お、おいおいまだ泣くのか?」
幼馴染「だって…嬉しくて…」
男「ははは」
幼馴染「…グスッ」
男「……」 ギュ…
男「怖かったな…。もう大丈夫だ」
幼馴染「うん…」
―リビング入口―
友(あはは…お取込み中だな…どうしよう)
</font>
-
今日はここまで
ここまで見てくれて、ありがとうございました
-
>>442ちょっと最終回っぽいコメントに焦っちまったじゃねぇか
乙
-
まだまだ序盤だよね
-
>>444
これで序章だと幼馴染みと男が不憫過ぎる・・・
-
<font color="000000">
ウ――― ウ―――
警察官А「…これは驚いたな」
警察官B「ええ…まさか子供たちでストーカーを撃退するとは」
警官「」
警察官А「…ホントに君たちがやったのかい?」
男「まあ…そうです」
友「へへっ、謙遜しなくても良いじゃねえか」
幼馴染「……」 コクコク
</font>
-
<font color="000000">警察官А「凄いね…」
警察官B「こんなに勇気のある子どもたちを見たのは初めてですよ」
警察官А「兎に角…君たちが無事で本当に良かった」
警察官А「到着が遅れてすまなかった。犯人を捕獲してくれたことへの礼と共に、謝罪させてくれ」 スッ
警察官B「……」 スッ
</font>
-
<font color="000000">
男「そんな…良いですよ。謝罪なんて」
警察官А「そうか…」
警察官А「それと、犯人は交番に在駐していた巡査を襲い、拳銃を奪い所持していたと聞く。怪我はしていないかい?」
男「あ…それは…」 ポタ…
警察官B「!」
警察官B「君!肩を怪我しているじゃないか!」
男(うわ、バレた)
警察官А「なに!?すぐさま病院に送ろう!」
警察官А「待っててくれ、パトカーを出すから…」
男「いやいや、大した傷では…」
幼馴染「駄目だよ。男」
友「そうだぞ。その傷は結構深い。病院に行って来い」
男「う…」
</font>
-
<font color="000000">幼馴染「男が私たちを守ってくれたんです」
警察官А「なんと!?では君が直接犯人を…!?」
男「ええ―とですね…」
男「あの…秘密にしといてくださいよ?俺も騒ぎになりたくないので」
警察官А「!…ああ分かった。秘密にしておくよ」
警察官А「フフ、ヒーローがこんなにも近くに居たとはな…よし、犯人をパトーカーに運ぶぞ!」
警察官B「はいっ」
警察官А「勿論君も病院に連れて行くよ。さあ来なさい」
男「…分かりました」
男(ふう…こりゃ周りに説明するのが大変だな…)
男(学校はともかく…家族には何と言おうか…)
</font>
-
<font color="000000">
警察官А「……」 グイッ
警官「」グッタリ
警察官B「手錠完了」 カチリ
警察官А「よし、行くぞ」
男「……」
警官「……う」
警官「う…ぐ…」
警官「!?」
警察官А「よお、やっとお目覚めかい」
警官「な…んだこれは!?」
</font>
-
<font color="000000">
警官「…ッ」 バッ
警察官А「もうお前は捕まったんだ」
警官「な……」
警察官А「お前の野望もここまでというわけさ」
警官「あ…あ」
警官「あああああああああああああああああ!!!」
警官「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」 バタバタ
警察官А「暴れても無駄だ。おとなしくしていろ」 グイ
警官「うあああああああああああああああ」
男「……」
警官「…!!」 ギロッ
男「!」
</font>
-
<font color="000000">
警官「貴様アァァァ……」ギギ…
警官「貴様さえ居なければアァ…計画通りだったんだアァァ…」
男「……」
警察官А「……」 ググッ
警官「呪ってやる…覚えていろよオォ…」 ググググ…
警察官B「おい!さっさと歩け!」
警官「許さん…許さんぞォ…」 ググ…
警官「貴様は…絶対にイィ…」ググ…
バタン
</font>
-
<font color="000000">
男「……」
男「もし幼馴染が殺されていたら…」
男「俺こそお前を、呪っていたよ…」
幼馴染「……」
友「……」
警察官B「…さあ、男君も一緒についてきて」
男「…はい」 スタスタ
友「…男」
友「また…明日な」
幼馴染「また明日ね…」
男「おう、また明日…」
</font>
-
<font color="000000">
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
</font>
-
<font color="000000">
事件解決から一夜明け…
―学校―
友「……」
ガラッ
友「お」
男「お」
</font>
-
<font color="000000">
友「よお!早かったな」
男「おう、おはよ」
友「おはよう。体の調子はどうだ?」
男「ん…元気元気」
友「そうか…しっかし、その制服の肩パッドの下って、やっぱり包帯か?」
男「まあな。でも縫う程度だ。そこまで酷くない」
男「むしろ鎖骨の骨折のほうが痛いな」
友「はああ!?お前骨折もしてたのか!?」
男「あれ?知らなかったっけ?」
友「知らんわ!」
</font>
-
<font color="000000">
友「おいおい大丈夫かよホントにさぁ…」
男「とは言っても直ぐに治るらしいぞ」
友「そういう問題じゃねえよ…ハア、無茶しやがって」
男「スマン」
友「…今度からはそんな無茶すんなよ。もっとも、あんなことはもう御免だけどよ」
男「そうだな…心に留めとくわ」
友「ん。それで良し」
</font>
-
<font color="000000">
友「…それはそうとして、幼馴染の家の前にあんだけパトカーが集まったら、やっぱり騒ぎになるよな―…」
男「あ、やっぱりなっちゃってるか」
友「でも男のことは全然噂になってね―な。警察も約束を守ってくれたらしい」
男「そりゃあ良かった。俺は家族への説明でヘトヘトだよ」
友「病院でも学校でも質問攻めじゃ耐えられないな」
男「そうそう」
友「あ、でも、今心配するべきは幼馴染だな」
男「え?」
友「幼馴染こそ多分今質問攻めだぜ」
男「!!」 ガタッ
友「お、おい…行くの?」
</font>
-
<font color="000000">
男「ちょっと助けてくる!」 ダッ ガラッ
ピシャッ
友「ちょっ…」
友「……」
友「まったく…無茶は止めろって言ったばかりなのによ…」
友「仕方のない奴だな…」
友「はあ…」
友(ま、それでこそ俺の親友だよな)
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
</font>
-
<font color="000000">・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
チッ チッ チッ チッ チッ チッ
</font>
-
<font color="000000">
チッ チッ チッ チッ チッ チッ
男「……」 スー スー
男「……」 スー スー
男「…う…ん」 ギシ…
男「……」 スー スー
</font>
-
<font color="000000">
「……」
「……」
もう分かっているのだろう?
「……」
「…ここは…何時ぞやの」
</font>
-
<font color="000000">
久しぶりだな
「…また来るとはな」
これが最後かもな
「ふ―ん…まあこれで二回目なんだ」
「深層心理だか何だか知らないが、何とも思わないね」
以前に言ったように お前がどう思おうが俺にはどうでも良いことだ
「へえ。そうかい」
そうだ
</font>
-
<font color="000000">
「……」
「で、そんなことよりもだ」
「もう分かっているって、…何のことだよ」
とぼけるな
お前は俺で
俺はお前
お前も本当は理解しているはずだ
「……」
今回お前は危機を回避した
しかし
完全に事態は解決していない
「……」
</font>
-
<font color="000000">「…何が言いたい」
奴を殺していない
「……」
生かしておいただろう
「…当たり前だ」
「それがベストだ。人は殺せない」
だがな それじゃあ…
「奴は暫くは刑務所の中だ。そうなればもう連鎖は起きない」
</font>
-
<font color="000000">
…ふん 甘いな
まだ奴が 幼馴染を殺しにくる可能性は 少なからず 残っている
奴が存在する限りは また連鎖が起きないとも限らない
「だからなんだよ」
…なんだと?
「可能性の話だろ。それは」
「もう今回の連鎖は途切れた。俺はそれで良い」
</font>
-
<font color="000000">
「どうせ俺が奴を殺そうが殺すまいが、火種が奴でなくなるだけだろう?」
「いずれ不幸はまた起きるだろう。奴とは関係の無い不幸が」
「もしそれが俺の大切な人に降りかかるのなら、その時はまた、俺が守れば良いだけの話だ」
ほう 守るときたか
確かに奴を殺したところで いずれ別の不幸は起きる それは逃れられん
…だがな 今度こそ死ぬかもしれないぞ
「守るさ。必ず」
</font>
-
<font color="000000">
…はは 生意気なことを
「……」
その覚悟はあると?
「あるね。どんな運命でも」
…………
そうだ そういうことさ 結局はな
「……」
お前がその覚悟を持っているのならそれでいい
俺はそれが聞きたかった
「……」
</font>
-
<font color="000000">
その覚悟が無ければ お前は未来に怯え 惑い 壊れるだけだ
今回の件で お前は強くなったようだな
「ちっ…なんだよそれ」
「お前こそ生意気じゃねえか。回りくどい」
お前がどう思おうと 俺の勝手だ
さて もう用も済んだ
俺は引っ込むこととしよう
「あ?もう行くのか」
寂しいのか?
「馬鹿言え。どうせお前と俺で一つなんだろうが」
それもそうだな
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「じゃあさっさとオサラバさせてくれ。こんな空間」
言われなくてもそうするさ
「そうしてくれ」
最後に言っておく
「またかよ」
お前 力を過信するなよ
「分かってるよ」
…これは特権だ お前だけに与えられし特権
その力に溺れずに 不幸を回避しろ
そして 幸せを掴め
「……」
では さらばだ
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男「……」
チュン… チュン…
男「……」
男「……」 パチ
男「……」 ギシ…
男「…朝か」
男「終わったんだな」
男「守れたんだ。俺は」
男「……」
男「…良かった」
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男「……」 モグモグ
母「朝ごはん食べ終わったら、食器片しといてね―」
男「分かった」 モグモグ
男「……」 モグモグ
『次のニュースです』
男「…ん」
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『先日午後四時半ごろ、○○市内の女子高生の自宅内に、その市内の交番に在駐していた元警察官の〈警官容疑者〉が無許可で押し入り』
『その家に居た友人一名を刃物で傷つけたうえ、女子高生を殺害しようとしたところ、危機を感じた友人二名により現行犯逮捕されました』
男「…!」
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『容疑者は犯行に及ぶ直前に、以前在駐していた交番に侵入し〈巡査〉さんを刃物で突き刺し大けがを負わせ、そこで制服や拳銃を奪ったとみられており』
『その制服を着て変装し、奪った拳銃を犯行に使用したようですが、幸いそれによる負傷者はいませんでした』
『なお、突き刺された〈巡査〉さんは付近の住民の発見により病院に搬送されましたが、一命を取り留め、現在は命に別状はないとのことです』
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『この犯人は、被害者の女子高生を数年前からストーキングしていたようです』
『ザワザワ』
『怖いですね―』
『まったくですな』
『これについて、専門家の専羅さん、お願い致します』
『はい、この事件はですね―、公務員、よりにもよって警察官が犯したということで、大変由々しき事態だと―――』
プツ
男「……」
男「…さっさと学校行くか」
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今日はここまで
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そんなに詳しく報道されたら男のところにも大量にマスコミ来ちゃう
-
警察制服の上着って活動服含めて大体ウール100%(冬服)かウールとポリの混紡(合服)だからなんか金属のくだりが気になってしまう
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細けえことは終わってからにせい
-
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ガチャ
男「行ってきます」
母「は―い」
パタン
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男「……」 テクテク
猫「にゃあ〜お」 スタスタ
男「…お前、久しぶりだな」
猫「にゃあ」 タタッ
男「あ、逃げた」
男「……ふ」
男「…ははっ、平和だな。お前も、この街も…」
男「あ」
「ちょっとっ…止めてください!」
「まあまあ…良いじゃないですか」
男「あれは…」
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<font color="000000">
記者「ちょっとですねえ、お話を…」
記者「ちょっとだけですんで、はい」
幼馴染「止めてください。通してくださいってば」グイグイ
記者「いやね、話を聞かせてくれさえすればいいんで」
幼馴染「話したくありませんっ…」 グイグイ
記者「ええ―、何でですか」
記者「少しの間ですから、ね?」
記者「どうやって犯人を撃退したのですか?」
幼馴染「ちょっとっ…」 グイグイ
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記者「ホント話だけでも…」 ガシ
記者「あ?」
男「止めてくださいよ。そういうの」
記者「…なんですか、あなた」
男「この娘は被害者なんです。事件で疲れているのにこれ以上追いつめて、何がしたいんですか」
男「立ち去ってくれませんか」
記者「…ああ〜」
記者「あなたもしかして、ニュースの〈友人〉とやらですか」
記者「丁度良かった。話を聞かせてください」
男「俺が先程言ったことが聞こえなかったようですね」
男「立ち去ってください。今すぐ」
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幼馴染「男…」
記者「っち…」
記者「私はありのままに記事にしようとしているだけですよ」
男「それでも、こっちは迷惑をしているんです」
男「そんなに暇なら、どこかこの事件よりも刺激的な出来事でも探しに行ってください」
男「そして、二度と被害者に纏わりつくような真似は止めてください。」
記者「…分かりましたよ」
記者「ガキが偉そうに……」 ボソ
スタスタスタスタ ガチャッ バルル… ブオーーン…
男「はあ…」
男「…やれやれだな」
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<font color="000000">
男「さてと」 クル
幼馴染「!」
男「おはよう」
幼馴染「うんっおはよう!」
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<font color="000000">
幼馴染「さっきは助かったよ〜。困ってたんだ」
男「今のマスコミみたいなのって、昨日から居るのか?」
幼馴染「うん。夜中に急に来てビックリしたよ」
幼馴染「おばあちゃんとおじいちゃんが真っ赤になって怒鳴りつけたら帰っちゃったけど、諦めてなかったんだね」
男「夜中に来るとか…法的にアウトじゃないか?」
幼馴染「そうじゃないにしても、怖いよね」
男「だな…全くアイツら…」
幼馴染「…ん、もう時間だ!そろそろ急がなきゃ」
男「おっ」
幼馴染「今日も一緒に登校しよっ」
男「勿論」
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-
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幼馴染「では」 スス
男「良きかな―」
幼馴染「あはは」
幼馴染「…昨日もありがとね。質問攻めでどうしようって思ってたんだ」
男「別に良いよ。被害者は幼馴染だろ。あのマスコミもそうだけど、無遠慮に質問する奴に一言言ってやりたかったんだ」
幼馴染「そっか。でも、感謝してるよ」
男「困ったときはお互い様、だろ?」
幼馴染「ふふっ、それもそうだね!」
幼馴染「じゃあ、男が困ったときは、私が絶対に助けるからね」
男「了解。期待してるよ」
幼馴染「うんっ、まかせてね!」
男「あはは」
幼馴染「へへっ」
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<font color="000000">
今回の連鎖は完全に消滅した
これで暫くは 平穏な日々を過ごせそうだ
いずれまた予知は起こる だが仕方のない事だろう
人は生きている限り必ず不幸に遭う 例外は一人も居ない
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ならば 俺がやるべきことは 決まっている
ただ 後悔の無いよう 行動する
幸せを逃さぬように
それが 今回の一件で 身にしみて分かった
もう 恐れることなどないのだ
未来に向かって 突き進む
自分を信じて―――――
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-
<font color="000000">・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
―春―
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-
<font color="000000">
幼馴染「ん〜!」ノビー
幼馴染「口コミ通り、綺麗な桜だね!」 テクテク
男「だな―」 テクテク
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幼馴染「この桜並木、淡いピンク色がホントに綺麗…」
男「写真は撮らないのか?」
幼馴染「う―ん…なるべくこの眼で見ておきたいかなって」
幼馴染「それに、実物を前にしての幻想的な感じって、私の撮影技術じゃ到底表せなさそうだしね」
男「確かに幻想的だな…和歌中の世界みたいだ」
幼馴染「あっ、良い例えだね。それ」
男「そうか?照れるな…あ、そういえば」
男「あの和菓子屋で桜餅買ってきたんだ。後で食べよう」
幼馴染「えっ!やった―!」
友「やった―!」
男「なにちゃっかり便乗してんだよw」
友「別に良いじ―ん」
幼馴染「ふふっ」
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<font color="000000">
幼馴染「それにしても、こうやって三人で来られて良かったね」
男「そうだな」
友「おっ」
友「桜も綺麗だけどよ、あの湖も透き通っていて良いな!」
幼馴染「わっ、綺麗!」
男「ほお」
友「水鳥メッチャいるじゃん!水鳥!」
幼馴染「渡り鳥かな?」
友「さあ?」
男「コガモじゃないかな」
友「へえ。あれがか?」
男「そうそう」
幼馴染「可愛いね―」
</font>
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<font color="000000">
男「桜並木の次は、湖畔の辺りを散歩でもするか?」
友「おっ良いな」
幼馴染「さんせ―!」
男「そうと決まれば、善は急げだ」
友「うお―!」
幼馴染「いえ―!」
ヴー ヴー ヴー ヴー
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-
<font color="000000">
友「あ、俺の携帯からだわ」 スッ
友「あ―、はいはい、友で―す」
友「おおっ、お前か。どうしたんだ?」
友「……」
友「…ふんふん」
友「……えっ!?」
</font>
-
<font color="000000">
男「お?どうしたんだよ」
幼馴染「何かあった?」
友「…男、幼馴染、スマン!」
友「彼女とのデートの予定の日に、急遽用事が入ったらしくてな…」
友「そのデートが遠出なだけに、今から直ぐに打ち合わせをしに行かなくちゃならん」
男「ああ、成程」
友「ほんっとうに申し訳ないけど、ここからは二人で楽しんでくれ!」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「そっか…」
幼馴染「残念だけど、友君の恋路を邪魔するわけにもいかないしね」
友「スマン…」
男「まあ今までのことを考えてみても」
男「友は俺たちのことをずっと応援してくれていたわけだし…」
男「次は俺たちが、お前の恋を応援する番だな」
友「!」
幼馴染「だねっ」
男「行って来い」
友「お前ら…ありがとな!じゃあ!」 タタッ
幼馴染「頑張ってね―!」 フリフリ
男「しっかりやれよ!」 フリフリ
友「お―」 フリフリ
タッタッタッタッ…
</font>
-
<font color="000000">
男「……」
幼馴染「……」
男「散歩、再開するか」
幼馴染「うん」
・・・・・・・・・・・・
幼馴染「ねえ男」テクテク
幼馴染「友君にも彼女ができて良かったね」テクテク
男「ホントだな。後輩ちゃんだったっけ?」テクテク
幼馴染「うん。優しそうな娘だよね」
男「ああ。友と相性がピッタリだ」
幼馴染「だよねっ、私もそう思ったよ」
</font>
-
<font color="000000">
男「今回友が抜けちゃったのは残念だけど」
男「彼女と上手くいって、友情とはまた違う幸せを感じてほしいな」
男「俺たちみたいに、さ」
幼馴染「うんっ」
男「……」
ピタ
男「幼馴染」
幼馴染「ん―?」
男「幼馴染は、今幸せか?」
幼馴染「もちろんっ!と―っても幸せだよ!」
男「うん…そうか。良かった」
幼馴染「ふふふっ」 ニコニコ
男「ははっ」 ニコッ
</font>
-
<font color="000000">
男「よしっ、そろそろおやつにするか!」
幼馴染「わ―い」
男「友の分は…一個残るけど、生ものだからな…」
男「よし決めた。帰りに彼女の分も合わせて、桜餅を二つ買っていこう」
幼馴染「おお―良いね!後輩ちゃんと仲良く食べてほしいな―」
男「さて、どこで食べようか」
幼馴染「やっぱり桜餅は、桜の下で食べたいかな」
男「確かに」
幼馴染「う―ん…桜―桜―…」
幼馴染「あっ、あそこに一本、凄く立派な桜の樹があるよ!」
男「わっ…本当だな。悠然と構えてるって感じだな」
幼馴染「私、あの樹が良いな。あそこで食べる?」
男「俺もあそこが気に入った。行こう」
</font>
-
<font color="000000">
幼馴染「わ―」 タッ
男「おい、走ると危ないぞ―」
幼馴染「だいじょーぶ―!男がいるも―ん!」 タタタ
男「ふふっ…なんだそれ」
幼馴染「あははっもう着いたよ―!」 ピョン ピョン
男「待ってろよ、今行くからな―!」 タタタ
幼馴染「うん!まってる―!」
男(ようやく俺たちにも、幸せが掴めたんだ)
男(今ある幸せを、存分に楽しんでやろうじゃないか)
</font>
-
<font color="000000">
俺には予知能力がある
忌まわしくはあるが 俺に必要不可欠な力だ
俺はこの能力と 一生付き合うこととなるだろう
そしてそう在る限り 俺は守り続ける
大切な 掛け替えのない人を
この身果てるまで
―END―
</font>
-
これにて終了です
矛盾だったり誤字だったりと色々あったかと思いますが
ここまで見てくれた人達、ありがとう…!
-
乙
ハッピーエンドでよかったよかった
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おつ
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おつおつ
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乙!!
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お疲れ様でした
次回作品も期待
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お疲れ。
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己
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"
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