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狐娘「くっ、儂はお主ごときに絶対に屈しないぞ!」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 03:40:26 VBVPGBVU
〜神社〜

巫女「はい、ホウキ」

男「なんなんすかいきなり」

巫女「掃除。一人じゃなかなか終わんないのよねー」

男「へー大変っすねー。じゃがんば……ぐえっ」

巫女「手伝いなさいよ。女の子が困ってるのよ」

男「もう女の子って年齢じゃ……ぐえっ」

巫女「手・伝・い・な・さ・い?」グゴゴゴ

男「ひゃい……」


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2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 03:43:22 VBVPGBVU
ミーンミーン

男「……あちぃ」

男(せっかくの夏休みだってのに。なにやってんだ俺は)

男(口うるさい親父がいなくなってせいせいしてたのに)

男「はぁ〜あ」


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 03:46:09 VBVPGBVU
〜〜1週間前〜〜

父「男、わたしがいないからといって勝手なマネはするなよ」

男「わかってるって」

父「むむ〜心配だ。先方には悪いが今回の件はお断りするか」

男「い、行ってきなよ。俺ならだいじょうぶだからさー」

父「むむ〜」

男「ほら巫女さんもいるだろ」

父「むむ〜わかった。だがやはり心配だ。男、おまえにはこれを渡しておこう」

男「なんだこの紙っきれ」ピラピラ

父「こら罰当たりなことをするな。それは聖なる力を封じ込めたお札だ」

父「困ったときには使え。いいな」

〜〜〜〜


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 03:49:15 VBVPGBVU
ゴソゴソ

男「…………」クシャッ

男「うさんくせぇ……」ピラピラ

<おとこくーん

巫女「どう順調?」

男「ぼちぼちっす」

巫女「そ。それ終わったら本殿の雑巾がけお願いねー」スタスタ

男「…………」

男「うがー!!」

男「掃除なんかやってられるかー! 俺は夏休みを満喫するぞー!」


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 03:52:12 VBVPGBVU
男「で、ぬけ出してきたわけだが」

男「空!」

男「川!」

男「山!」

男「……以外なんもねえ。さすが田舎だぜ」

男(今から町に行くのもなぁ。さてどうしたもんか)


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6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 03:55:52 VBVPGBVU
男「……ん?」

『殺生石』

男「なんだこのでっかい石」

男「拝んどくか。なんかご利益ありそうだし」

パンパン

男(神様仏様イエス様。どうか俺にもかわいい彼女ができますように!)

『ほほう、人間の中にも物の道理がわかるものがおるようじゃの』

男「へ?」

『褒めてつかわす。よい心がけじゃ』

男「ありがとうございま……す?」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 03:58:23 VBVPGBVU
男「って!」

男「石がしゃべべべべ……!」

『恐れるでない。儂はお主に感謝こそすれ、害意など抱いておらぬ』

男「は、はぁ」

『そこでお主に頼みがあるのじゃが……』

『この石に札が貼ってあるのが見えるじゃろう?』

男「見えますけど」

『お願いじゃ。それをはがしてくれまいか?』

男「んー……」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 04:02:18 VBVPGBVU
ミスった

>>7

×『お願いじゃ。それをはがしてくれまいか?』

○『お願いじゃ。それを破いてくれまいか?』


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 04:05:11 VBVPGBVU
男「…………」

男「いやっす」

『』ガクッ

『な、何故じゃっ!』

男「や、めんどいし」

『お願いじゃ。このとおり頭も下げる』

男(わかんねーよ)


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 04:10:17 VBVPGBVU
男「ってか柵があって入れないし」

『お願いじゃ! このとおりじゃ!』

男(だからわかんねーって)

男「じゃあ聞くけどあんた何者なの?」

『儂は……そうじゃ!』

『儂はこの地方に古くから伝わる神じゃ』

男「ふーん。神様がなんでこんなぼろっちい石に封印されてんの」

『うぐっ……ずっと昔に兄弟と大喧嘩をしての。負けた儂が封じられたのじゃ』

男「ふーん。じゃあ深夜神社の神様とは兄弟だったりするんだー」

『おお、そうじゃ! そうじゃ! お主は物知りじゃのー』


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 04:13:54 VBVPGBVU
男「これでもあそこの神主の息子なんで」

男「あ、ちなみにあそこの神様。兄弟なんて一人もいないから」

『!』

『謀りおったな……!』

男「おあいこでしょ。あんたが正直に話していればこっちもその気になれたのに」

『くっ……!』

男「そろそろ行きますわ」

『ま、待て人間!』

男「ん? まだなにか」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 04:17:02 VBVPGBVU
『わけあって名は明かせない。じゃが儂を助けてくれた暁には十分な礼をしよう』

『女、金、地位……お主の望むものをなんでもやろう』

『儂にはそれを可能にするだけの力がある』

男「…………」ピクッ

『どうじゃ?』

男「…………」


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 04:20:24 VBVPGBVU
男「それは……本当なんだろうな」

『儂も分別を知っておる。恩を仇で返すような真似は絶対にせん』

『お願いじゃ』

男「…………」

男「よし」

スタスタ

『い、行くでない!』

男「すぐにもどる」

男「柵を破る道具をとってくる」


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/21(木) 17:51:06 99Cd/Jxg
栃木県那須町の狐かぁ
なんか災厄振り撒きそうだなぁ
しかしよく近寄れたな硫黄とかガス半端ない時多いのに


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/22(金) 02:04:36 eJFnThHQ
殺生石……玉藻前?


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/22(金) 17:36:42 3lSUFaMg
それしかないんだよなぁ


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/04/23(土) 14:54:43 S9EdNqVE
こういうスレタイからの普通の展開多すぎて意外性も何もなくなってるよね


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/05/06(金) 03:14:45 mmW4.wHc
那須の殺生石は今でも近づくと危ないらしいからなぁ
以前見に行った時は傍で狐が死んでて「眷属殺すなよw」と思ったわ

それはそれとして期待


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