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夏空の旅路碧の唄
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自転車の車輪は軋むような音を立てる。
このまっすぐ空に伸びるような坂道向こうには、海が見えると信じているんだ。
自転車のペダルが重いのは。
後ろに君をのせているから。
頬のあたりが熱いのは。
後ろの君はきっと知らない。
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坂道を登りきる。
古びた自販機がぽつりと一つ。
いったい誰がいつ補充しに来ているのかと、疑問に思う。
硬貨を幾つか入れ、炭酸のキツいジュースを選ぶ。
君に手渡し、僕も買おうと自販機を見る。
自販機は赤いランプで購入を拒否。
僕は溜息、君は笑う。
君が差し出したその缶は飲み口が空いている。
変に意識をしたわけじゃないけど、一口飲むと唇が少し痺れた気がした。
炭酸のキツいジュースだからだ。
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