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魔法少女しずか☆マギカ〔救済の物語〕
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下書きなしの初作品初投下。
着地点だけは決まっているので時間かかりますが完結はトラブルさえなければ出来るかと。
どうかのんびりお付き合いをお願いします。
"
"
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…君はいったい何者なんだ
―ダメ!裂けちゃう!?
そして宇宙は「三度目」の書き換えが終え…
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魔法少女しずか☆マギカ
救済の物語
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ここは見滝ヶ原市のとある中学校…
和子「皆さん!朝御飯の納豆に葱は必要ですか!?はい君っ!」
生徒「あってもなくてもどっちでもいいかと……」
和子「はいそうです!女子の皆さんはくれぐれも納豆に葱が必要だという男の人と付き合ってはいけません
男子はくれぐれも…」
まどか「先生またダメだったみたいね?」
さやか「なんで続かないかな〜?」
ほむら「……」
和子「…では転校生を紹介します」
さやか「…そっちが先だろ?」
和子「源さ〜ん」
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しずか「東京の月見台から見滝ヶ原に来ました源しずかです」
ほむら「…っ!?」
まどか「…?ほむらちゃんどうしたの?」
ほむら「…いいえ、なんでもないわ…」
まどか「…変なほむらちゃん」
ほむら「……」
しずか「父の都合で短期間ですがお世話になります源しずかです…」
"
"
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…何故だろう?
暁美ほむらは源しずかに何かひっかかるものを感じた。
ほむら「…気のせいね」
そのなにかはすぐに気配を消した。
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かつて宇宙を書き換えた少女達…
しかし希望を求めれば呪いを生む理は今なお続いている。
かつての魔女は魔獣に、そしてナイトメアと変化を遂げ今はファントムとなり世界はまわり続いている。
ほむら「まさか…ね?」
このときは知るよしもなかった。
神となり希望となった少女の源が
絶望を昇華し悪魔となった少女の救済がはじまったことを
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そして休み時間になりしずかの回りには女子が集まり中学生らしい会話が繰り広げられる。
「いい匂いシャンプー何使ってるの?」
「肌すっごくきれい…お風呂が趣味なの?」
「ねーねー彼氏は?えっ月見台にいるって?どんな人どんな人?」
たわいもない会話が繰り広げられている。
しかし話題はすぐ変わり…
「風見野でまた同級が行方不明だって…」
「なんでここいらばっかり起こるの?源さんも気をつけた方がいいわよ」
呪いは続いている。
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「あっ!そーそー今日星野スミレがショップでサイン会するんだよねー」
「行く?行く?」
話題はすぐに変わる。
みんな自分だけは大丈夫と根拠のない自信を持っている。
さやか「悪ぃみんな……源さんを先生に案内を頼まれてんだ。案内するよ。」
「じゃあショップ行こうね〜」
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校内を回る二人。
さやか「おっと自己紹介まだだったね」
さやか「あたし美樹さやか、さやかって呼んで。」
さやか「しずかって呼んでいい?」
たわいもない会話の中さやかは違和感を感じていた。
さやか自身が忘れてしまった何かをしずかの中に感じていた。
円環の理である少女はその何かを思い出せずにいる。
しかし今それを思い出すだすことは叶わない。
さやか「そーそーサイン会いくんだろ?うちらもいくからみんなでいかない?」
今は日常を営むだけ。
さやか「じゃあ放課後杏子やまとかも誘うから一緒にいこうね」
そして歯車は動き出す。
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今日はここまでです。
呼んでくれるとありがたい。
あらゆる意見待ってます。
-
そして放課後
サイン会は賑わいを見せていた。
そしてサインを貰うためならぶしずか達
さやか「クラシックもいいけどたまにはこういうのもいいよね〜」
杏子「この曲今度のアプデでいつものあれに配信されるんだよ」
まどか「もう杏子ちゃんはゲームばっかりなんだから」
ほむら「…」
暁美ほむらは不安を抱いていた。
確かにまどかを円環の理から取り戻した。
しかし願いは叶ったはずなのに
奇跡は起こしたのにそのまどかと戦う運命にあるかもしれないと。
鹿目まどかは時に優しすぎて強すぎる。
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そしてサインの順番がくる。
星野スミレ「ご購入ありがとうございまーす」
しずか「あ、これにもお願いしてあいですか?」
そこには二枚の同じCDがあった。
しずか「野比のび太さんへでお願いします」
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星野スミレ「野比のび太さんね?彼氏?」
しずか「…っ!ちっ違います!お友達です!あの…もうすぐ誕生日だから…」
星野スミレ「ふふっいいわね、そのお友達素敵な女の子からプレゼントだなんて」
星野スミレ「私の大事な人は…」
しずか「…?」
星野スミレ「なっなんでもないわ!ごめんなさいね。昔のこと少し思い出しちゃったの…」
しずか「い、いえ大丈夫です!ありがとうございます」
トップアイドルとはいえ恋する乙女の瞳にしずかは親近感をおぼえた。
星野スミレ「これからも応援よろしくお願いしますね!」
-
そしてサイン会は終わりそれぞれ帰途につく。
そして…
しずか「みんないい人達だったなぁ」
鹿目まどか
美樹さやか
佐倉杏子
そして暁美ほむら
しずかは新たな出会いの余韻に浸り家路に付こうとしていたが気が付くと見知らぬ場所に迷い混んでいた。
しずか「…なに?こんなとこ知らない…それに気味が悪い…」
まさか?としずかは既視感をおぼえた。
-
過去を旅し、世界を旅し、絶望と幾度となく戦った源しずか。
しかし仲間はここにはいない。
そしてそれは幾多の経験を持つしずかの心に絶望の種を蒔く。
-
そしてそこに現れたのは
呪い
絶望
魔女が魔獣が理から外れようと人々が感情が持つ限りそれらは生まれ続ける。
しずか「…っ!?」
真の恐怖と遭遇したとき人は声を失う。
今まで経験してきたものとは根本こら異なる恐怖。絶望。
-
呪いはしずかに容赦なく襲いかかる。
その刹那
一筋の光がしずかを救う。
黄色いリボンが彼女をやさしく包み闇を遮る。
―あぶないところだったわね
―あっしずかちゃん!
―なんだか前にもこういうことあったような…
―どうでもいいからさっさと片付けようぜ?
―あたしにおまかせ!
それは聞き覚えのある…
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そこには昔見たテレビアニメの魔法少女のような五人の姿が。
まどが「大丈夫っ?」
しずか「…まどか…さん?それに
さやかさん杏子さんほむらさんまで…」
マミ「あら、お友達?」
まどか「…いきなりばれちゃった」
まどか「クラスのみんなには…」
「内緒だよ!!」
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神々しい矢が放たれ
剣が槍が闇を裂き
夥しい弾丸が全てを貫く
まるで鉄人兵団との闘いを彷彿とさせる激しい戦闘。
空気砲やショックガンなどとは桁が違う破壊力にしずかは驚きと恐怖を隠せない。
ほむら「マミさん!止めを!」
ほむらが時を止め…
マミ「ティロ-フィナーレ!!」
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激しい爆発とともに回りの景色が見覚えのある風景へと戻り始める。
しずかは安堵とともに気を失い深い眠りにつくのであった。
続く
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おもしろい乙
続き待ってる早めに頼む
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ありがとう
今流行りらしい朝活で早朝1〜2時間投下予定です
あと酉つけました
では今日も早いか遅いがわからん時間帯ですが投下していきます。
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源しずかは夢を見た。
…人間のすることってわからない。 どうして敵を助けるの?
―ときどき理屈に合わないことをするのが人間なのよ
それは遠い日の記憶…
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―あなた一体どういうロボット!?なぜあたしを襲うの!?
…信用しないで・・・
それは悲しい記憶
-
ー今度生まれ変わったら……天使のようなロボットに……
…ーーーーっ!
ここから全てが始まった。
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そして「宇宙」は書き換えられる。
源しずかの大切な友達
リルルによって
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ふむ…
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…でも大したことなくてよかった
―転校してきたばっかりだから住所も家電もわからないしどーする?
…警察に届けても面倒だしなぁ?
新しい友の声が聞こえる。
しずかは再び現実世界に舞い戻る。
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しずか「………?ここは…?」
マミ「あら?気が付いた?」
一人知らない人がいる。
あれは夢なのか現実なのかしずかは分からずにいた。
しずか「…ここは?」
まどか「ここはマミさんの家だよ」
甘い香りが漂う。
マミ「怪我が無くてよかったわ。さぁお茶にしましょう」
色とりどりの洋菓子がならぶ。
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マミ「お茶が終わったらみんなで家まで送るわ」
マミ「でもその前に…」
―僕と契約して魔法少女になってよ
…魔法…少女…?
-
しずかの前にいつの間にか白い愛らしい生き物が現れる。
しずか「この子…しゃべった?」
このような事は何度も経験のあるしずかだがやはり驚きは隠せない。
マミ「キュウベエ、その子そんなに凄い可能性をひめてるの?」
…可能性?
しずかの頭の中は混乱から抜け出せずにいる。
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そしてキュウベェは語り出す…
僕は君たちの願いごとをなんでもひとつ叶えてあげる
なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ
でもそれと引き換えに出来上がるのがソウルジェム
この石を手にしたものはファントムといずれ訪れる
「使徒」
と戦う使命を課されるんだ
願いから産まれるのが魔法少女だとすればファントムは呪いから産まれた存在なんだ
魔法少女が希望を振りまくようにファントムは絶望を蒔き散らす
しかもその姿は普通の人間には見えないから性質が悪い
ファントムは常に結界の奥に隠れ潜んで決して人前には姿を現さないからね
さっき君が襲われた場所がそうだよ
キュウベエは語り続ける。
-
キュウベエの話は続く
そして「使徒」
これは「悪魔」の使い。無数のファントムが凝縮、具現化された者だといわれている
この「使徒」のせいで幾つもの星が滅んでいったんだ
僕は過去に幾つもの「使徒」が星を滅ぼすのを見てきた
「神」か「天使」にも匹敵する悪の「使徒」を倒すために僕は多くの少女と契約してきた
そして…
キュウベエは言葉を詰まらす。
-
キュウベエ「この五人は素晴らしい素質の持ち主だが源しずか」
キュウベエ「君はその素質を遥かに凌駕する」
キュウベエ「君はとてつもない運命を背負って生まれてきたみたいだね」
しずかは少し苦笑いした。
-
これで何度目だろう?
幾度となく地球の危機を救ってしまった五人の冒険を思い出す。
そしてまた新たな試練が訪れる。
何で私が?どうして?
あのときは剛さんもスネ夫さんも
…そしてのび太さんもいた
ドラちゃん…
この声が届くならきっと奇跡は起こせるだろう。
でもドラちゃんは…
しずかは泣いていた。
-
航時法によりドラえもんが未来に帰り連絡も途絶えて数年。
タイムパトロールによる記憶消去は免れたが
野比のび太 剛田剛 骨川スネ夫 源しずか
はタイムパトロールの監視下にある。
―助けて…ドラちゃん…
-
―星々を滅ぼすような存在と私は戦えるの?
―みんな怖くないの?
―傷付くのが怖くないの?
―傷付けるのが怖くないの?
-
まどか「しずかちゃん…」
泣き崩れるしずかをまどかはやさしく抱き締める。
しずか「…まどかさん…あなたは怖くないの?そんな恐ろしいものと戦うのが…?」
まるでひだまりのような暖かいさがしずかを包む。
まどか「大丈夫、きっと大丈夫。信じようよ。だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから…」
女神がいるのならきっとまどかのようなものなのだろう。
しずかはそう感じていた。
―ドラちゃんが帰った未来があるのなら信じよう。
―バギーちゃん…リルル…私に勇気を…
かつて世界を救った友を思う。
-
この祈りが
この声が届くなら奇跡はきっとおこせるだろう
希望が溢れ、決意を固める。
そして
しずか「私、魔法少女になる」
続く
-
うむ、乙です
続き期待している早めに頼む
-
おはようございます
今日も投下します
寝坊しなければ毎日コツコツ投下します
-
―さあ源しずか…その魂を代価にして君は何を願う?
-
しずか「戦いのない未来が欲しい」
戦いを望まぬしずかの願い。
しかし…
願いは叶わない。
キュウベイ「契約は不成立だ。君の祈りは曖昧でエントロピーを凌駕出来ない。」
キュウベイ「使徒の消滅を願った契約は過去に一度も成立していない」
キュウベエは語る。
キュウベイ「過去に一度、因果率さえ覆した者がいた。」
キュウベエ「そんな彼女を凌駕する君でも「使徒」の消滅は叶わなかったか…」
しずか「…」
しかししずかは落ち着いていた。
過去に同じ願いを望んだものは少なくないだろう。
争いは避けたいが、避けられない時もある。
それが今なのだろう。
-
しずか「……少し考えさせてもらえないかしら?」
キュウベエ「すまない。何でも願いを叶えるといっておきながら君の願いをかなえられなかった。」
キュウベエ「「使徒」は因果率や理すら越えたさらに上のステージにあるのだろう。」
キュウベエ「だが源しずか。君ならば「使徒」との因縁を絶てると考えてるよ。」
キュウベエは語る。
マミ「あらもうこんな時間、今日はこれくらいにして源さんをみんなで送りましょう」
そして長い一日が終わる……
-
疲れはてたしずかはお風呂に入る。
疲れも恐怖も洗い流すように一人静かに汗を流す。
どんなに大きな壁があっても乗り越えてみせるしかない。
どんな願いなら未来を信じられるかひたすら考える。
だが思い付かない。
数多の先人が乗り越えられなかった試練を簡単に乗り越えられるとは思えない。
この宇宙は生命に都合が良すぎる分、とても無慈悲で無関心だ。
―こんなときドラちゃんがいれば…
ふとした閃きを感じた。
ドラえもんでなくてもタイムパトロールならば歴史を知っているはず。
運命ならば避けられないならば未来に繋がる道を知り辿ればいい。
-
しずかは風呂からあがりどこからか監視しているであろうタイムパトロールに呼び掛ける。
だが…
声は届かない。
―おかしい?何時もなら返事がすぐあるのに…
考えてみると見滝ヶ原に来てから数日、奇妙な空気を感じていた。
―これは本当に現実なの?
頬をつねる。
…痛い。
何かの間違いかそれとも機材の故障なのかと不安を感じながらもそれを押し殺しベッドに横たわる。
疲れからかすぐ深い眠りに落ちていくしずか。
-
しずかは深い眠りの中、懐かしい声をきく。
―ナカナイデ…
ボクシズカサンノタメナラナンデモスル…
世界を救った大切な友達の声
ナカナイデ、ボク、シズカサンノタメナラナンデモスル。
ワカッタ!アイツラガイジメタンダネ。
ヨクモヨクモ、シズカサンヲ!!
-
あまりの叫びにしずかは目覚める。
引き出しが輝くのが見える。
そこには………
-
引き出しを開ける。
眩く輝くバギーのネジ。
そして激しく輝きながら美しい宝石へと変化を遂げた。
―バギーちゃん…
バギーの祈りがしずかに届く。
…ナカナイデ…イツモソバニイルヨ……
―私もね?
-
懐かしい友の声にしずかの心が覚醒する。
―リルル…とても怖いよ…
―バギーちゃん…でももう泣かない!
そして宝石を手に取るしずか。
そして新たな魔法少女が生まれる。
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ーDon't forget.
Always, somewhere,
someone is fighting for you.
ーAs long as you remember her.
you are not alone.
―私は…一人じゃない!
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宇宙の理がしずかに流れ込む。
そして「この世界」の成り立ちを知る。
しずか「そんな…」
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鹿目まどかが神に等しき存在であること。
また美樹さやかも理に導かれた存在であること。
そして暁美ほむら
その深き愛故に世界が滅びの道を辿っていることを。
鹿目まどかと暁美ほむらの戦いで全てが無に帰すことを。
そして間近に迫っていることを。
そしてしずかが「天使」の「使徒」であること。
続く
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鹿目まどかが神に等しき存在であること。
また美樹さやかも理に導かれた存在であること。
そして暁美ほむら
その深き愛故に世界が滅びの道を辿っていることを。
鹿目まどかと暁美ほむらの戦いで全てが無に帰すことを。
そして間近に迫っていることを。
そしてしずかが「神」の「使徒」となったことを。
続く
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修正すまん
今後無いよう気を付ける
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投下します
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世界は大きく三度書き換えられた。
鹿目まどか
暁美ほむら
そして…
リルル
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世界がはじめて書き換えられたその時リルルは円環の理へと導かれた。
鉄人兵団もまた理の領域へ
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万物に意志が宿るといわれる。
そして勘定の芽生えたリルルはいわば天使となり宇宙に固定された。
それはリルルの祈り
リルル自身も「希望」となった。
鬼岩城で散ったバギーもまた理に導かれていた。
だが鉄人兵団は違った。
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万物に意志が宿るといわれる。
そして「感情」の芽生えたリルルはいわば天使となり宇宙に固定された。
それはリルルの祈り
リルル自身も「希望」となった。
鬼岩城で散ったバギーもリルルに導かれ理へと…
しかし鉄人兵団には意志はあれど感情が存在しなかった。
鉄人兵団の破壊の意志は宇宙に新しい因果として固定された。
希望と絶望の相転移のシステムはこの時から稼働をはじめる。
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その後インキュベーターにより発見された相転移のシステムは地球に舞い戻り多くの人々の運命を弄んだ。
そして…
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―じゃ…いってくるね
―もうワルプルギスの夜を止められるのは私だけしかいないから
―それでも私は魔法少女だから。みんなのこと、守らなきゃいけないから
―私ね、あなたと友達になれて嬉しかった…あなたが魔女に襲われた時、間に合って。今でもそれが自慢なの
―だから、魔法少女になって本当によかったってそう思うんだ。
―さよなら
―ほむらちゃん
―元気でね…
-
―どうして…?死んじゃうって、わかってたのに…
―私なんか助けるよりも、あなたに……生きててほしかったのに…
―あなたと契約すればどんな願いも叶えられるの?
―彼女に守られる私じゃなくて彼女を守る私になりたい!
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―私の願いは全ての魔女を消し去ること
―本当にそれが叶ったんだとしたら私だってもう絶望する必要なんて
―ない!!
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…今の私は「魔」なるもの
…神の理にあがらうのは当然のことでしょう?
…大丈夫…あなたは間違いなく本当のあなたのままよ…
…ならいずれあなたは私の敵になるかもね… でも、構わない。
…それでも…私はあなたが幸せになれる世界を望むから
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全ての源は鉄人兵団との戦い、しずかとリルルの決断にあった。
全ての因果はしずかを源とし繋がっていた。
鉄人兵団との戦いは終わっていなかった。
機械は理へと存在を変え、法則として危険なエネルギーとして存在している。
そしてインキュベーター。
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宇宙のエネルギーを循環させる血液のような存在であるインキュベーターが宇宙を肥満にする。
宇宙は病に侵されている。
まるで破裂寸前の風船のように膨れ上がった宇宙は危篤状態にある。
バランスを崩した宇宙はただ崩壊し続け無に帰するであろう。
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間もなく来るであろう形をかえた鉄人兵団。
そして宇宙に病をもたらすインキュベーター。
そして魔法少女たち。
しずかはその因果を救うために理を手にした。
もうしずかの心に恐怖や迷いはない。
あるのは覚悟と責任。
まるで永遠のような一瞬でしずかの魂はやさしく強く輝きはじめる。
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全ての源が自分なら全て自分が終わらせればいい。
終わらなくても永遠の迷路に閉じ込められてもかまわない。
かつて世界を書き換えた魔法少女の決意と同じものがしずかにあった。
そしてその手には光り輝く糸があった。
白く輝く魔法少女となったしずかは扉を開け世界を治す戦いを一人はじめるのであった。
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そしてしずかを見守る三つの影
それはインキュベーターを超える科学をもつバード星の使徒
…バードマンはんもとんでもないこといいよるわ…三人じゃどうにもならんで
―仕方ないじゃない、バードマンは事件の真相を探ってるんだから
…ウッキー
―何々?1号がいればって?…その1号が帰る場所を私たちが守るのよ
しずかは一人ではない。
続く
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さらに投下
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キュウベイ達もまた源しずかを観測していた。
キュウベイ「源しずかに何が起きているんだ?何が彼女に干渉しているんだ?」
特異点であることは理解している。
キュウベイ「彼女は一体何者なんだ?どこにたどり着こうとしてるんだ?」
鹿目まどかとも暁美ほむらとも異なる理解を超えた存在に本能が警報をならす。
キュウベイ「やはり危険すぎる。こんな途方も無い展開は誰にも制御しきれない」
キュウベイ「訳がわからないよ」
しかしキュウベイは暁美ほむらに利用されるだけの傀儡にすぎない。
感情を持たぬ個体はただ終末の予感を抱え時の流れに身を任せるだけである。
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ただ鹿目まどかが幸せであるため魔獣は狩り尽くされ、新たな呪いの形としてファントムが現れる。
それは暁美ほむらのソウルジェムの中で見たナイトメアと類似していた。
それらは現象でありながら視覚にありながら観測出来ない。
キュウベイもまた宇宙の終わりを予感する。
キュウベイ「やはり僕らにはこのエネルギーを扱うには未熟すぎたのか…?」
ただの観測者になり下がったが本質は変わらない。
キュウベイ「観測出来ないのは鹿目まどかや円環の理と同類だから時間さえあれば…」
しかしその時間はない。
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―インキュベーターはん達、お痛はあかんで
―まさか私たちがこれを使うなんてね
―ウッキー
キュウベイ達は次々と無害な動物に変換されていく。
パーやん「しかし何匹おるんやインキュベーターは?」
パー子「バードマンの話だと見滝ヶ原だけなら数百じゃないかって?」
ブービー「ウッキー」
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日本のパーマン達バードマンから与えられた任務は暁美ほむらの傀儡と化したインキュベーターの無害化
そして特異点の監視
宇宙の肥大化の最大の原因である暁美ほむらの傀儡達は次々と猫や犬、雀などに姿を帰る。
パー子「ごめんね…でも誰かの傀儡でいるより自由に生きられるわ」
誰かを裁くのは痛みが伴うのかそんな言葉が紡がれる。
キュウベイ達は逃げる素振りもなくそのまま新たな生き方を受け入れる。
宇宙のために死んでくれと告げた者達は宇宙の為にただ合理的に事象を受け入れる。
-
キュウベイ達だった者達はみな猫と変わり暗闇に消えていった。
パー子「あまり気分のいいものじゃないわね…」
かつては自身がペナルティとして動物に変えられるリスクがあった。
今は地球のタイムパトロールの協定を結び仮に正体が判明しても事後処理。動物に変わることはない。
バードマンはどんな気持ちでこの銃をむけていたのか?
そんなことをパーマン3号、星野スミレは考えていた。
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パー子「それにしても…」
宇宙が滅ぶかもしれない。そんな時でも静かな夜。
パー子「…時間停止?」
突然の衝撃がパーマンたちを襲う。
うかつだった。
バードマンから報告は受けていた。
ほむら「時間停止に僅かでも干渉するなんて…」
彼方には傀儡の一部を失った暁美ほむらがパーマン達を見据えていた。
続く
-
投下します
あと読み治したら細かいミスが多数
ここら辺は目つぶってください
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無数の弾丸、爆発が三人を襲う。
しかし6600倍に強化されたさんにんは無傷でいた。
ほむら「…っ!」
パー子「もーっ!いきなり襲ってくるなんてひどいじゃないっ!!
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無数の弾丸、爆発が三人を襲う。
ほむらは市街地を最前線の戦場へと変えていく。
三人は激しい攻撃の最中、ただ一般市民の安否を心配する。
パーマゲロンにより6600倍に強化されたは体は無傷であるが一般市民はそうではない。
三人は散り、ブービーは市民の救助、パーやんは被害の縮小、パー子はほむらの対応にあたる。
パー子「もーっ!人の心を完全に忘れてしまったのっ!?暁美ほむら!」
パー子は対話での解決を選択する。
ほむら「…っ!」
ほむらはこの正義の味方の存在は知っていた。
書き換えられた世界に現れたとびっきりのイレギュラー
パーマン
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ほむら「こちらこそ今さらなんのよう?パーマン…いえ…」
ほむら「インスペクター」
-
キュウベイを傀儡にする際、バード星に関する記憶をほむらは見た。
宇宙を観測し監査する存在。
彼方から訪れスカウトを行い正義の代理人を育成、実行する宇宙の秩序
ほむらは怒りを覚えた。
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バード星人は秩序でありながらインキュベーターを野放しにした。
パーマンは正義でありながらワルプルギスの夜との戦いには現れなかった。
もしキュウベイを厳しく監査していれば…
もしワルプルギスの夜と共に戦ってくれたなら…
全てが遅すぎた。
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ほむらは冷静さを失いつつあった。
何度もみた鹿目まどかの死がフラッシュバックされほむらを狂わす。
この宇宙で今、鹿目まどかが健在だとしても、数えきれないほどの鹿目まどかが死んだのだ。
ほむら「今さら来られても遅いのよ…」
ほむらは冷静さをを失いつつあった。
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パー子「まって!私達は冷静な人の味方よ!でも無駄な争いをするなら敵になるわよ!」
かつてほむら自身が争う仲間になげた戒めの言葉
ほむら「なんで…なんで今なの…あの時なぜ…」
ほむらは泣いていた。
声は届くのか。
静寂が訪れる。
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時間は少し遡る。
しずかは糸に導かれ円環の一部である百江なぎさのもとへ。
しずか「こんな小さな女の子が…」
なぎさは静かにねいきをたてている。
円環の理をもとのかたちへ。
それが救済のはじまり。
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しずかは糸を宙に放つ。
織り成す糸は光輝く一枚の布に。
その布はやさしくなぎさを優しく包む。
しずか「円環へお帰り…」
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百江なぎさは円環に導かれ消えていった。
しずかの心が痛む。
この世界で百江なぎさは円環の理として再び認識出来ない存在となった。
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しずかは円環で知った未来の父からの贈り物を思い出していた。
―こんな広い宇宙の片すみに僕の血を受け継いだ生命が今生まれたんだ
―そう思うとむやみに感動しちゃって涙が止まらなかったよ
-
―それからの毎日
―楽しかった日
―満ち足りた日々の思い出こそ君の最高の贈り物だったんだよ
―少しぐらい寂しくても思い出が暖めてくれるさ…
その思い出すら残らない。
それでもやらなければ全てが終わる。
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しかしその痛みは轟音によりかき消された。
ほむらによるパーマンへの攻撃。
しずか「…何っ!?」
これは理で見た道筋にはなかった。
―急いで…
宇宙が理から外れはじめる。
しずかの見た道筋とは違う平行世界へレールは切り替わる。
魔法少女は条理を覆す。
暁美ほむらにより混沌はさらに深まりつつあった。
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しずかは感じた。
パーマン達と暁美ほむらの対立を…
しずか「早過ぎる!…なんで!?一人足りないっ!?」
須和ミツ夫 パーマン一号
この救済の最大のキーパーソンがいない。
パーマンたちインスペクターと暁美ほむらの対立はまだ先のはずであった。
しずかは暁美ほむらを止められるであろうただ一人の人物鹿目まどか彼女のもとへ空間を超え跳躍する。
彼女は自宅で寝ているはずだ。
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鹿目まどかの部屋に跳躍したしずか。
しかし部屋は無人。
窓とカーテンの具合から轟音に気付き向かったのだろう。
最悪の事態。
終末が加速度を増し一気に近付く。
しずか「今の暁美ほむらと鹿目まどかの接触はまずい…!」
しずかは暁美ほむらの接触を止めるべく鹿目まどかのもとへ急ぐ。
しずか「間に合って!」
続く
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しずかは感じた。
パーマン達と暁美ほむらの対立を…
しずか「早過ぎる!…なんで!?一人足りないっ!?」
須和ミツ夫 パーマン一号
この救済の最大のキーパーソンがいない。
パーマンたちインスペクターと暁美ほむらの対立はまだ先のはずであった。
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まどか「いけない!」
暁美ほむらが不安定な状況になっている今、鹿目まどかと会わせてはいけない。
鹿目まどかと暁美ほむら。
二人が戦えば宇宙は終わる。
二人の衝突のエネルギーは崩壊の理と化す。
全ての方向に加速し続け光速を超え過去も未来も「平行世界」も消滅させるだろう。
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しずかは鹿目まどかの存在に意識をシフトする。
まどか「…いた!」
轟音に気付きまどかはほむらのもとへ向かっていた。
しずか「…変身してない!間に合う!」
しずかはまどかのもとへ跳躍する。
-
まどかの前に降り立つしずか。
まどかは目を疑った。
今日助けた新しい友達が神々しい白き魔法少女となり目の前にいる。
まどか「しずか…さん?」
しかしすぐ気付く。しずかは魔法少女ではない。
しずかの魂はソウルジェムにはならずその肉体の中輝きをましている。
まどかはその他に二つ、計り知れない力を感じた。
-
まどか「…リルル?」
まどかから理が溢れだす。
宇宙の法則として固定されていた記憶が、神にも等しき力の一部が甦る。
暁美ほむら
彼女を迎えに行かなければ。
まどか「………ありがとうリルル…私、ほむらちゃんを迎えに行かなくちゃ」
-
しかしその前にしずかが立ちはだかる。
しずか「今は駄目なの…まどかさん…」
まどか「―っ!?なんで?ほむらちゃん苦しんでるのに…」
ほむらに裂かれてからこれまでの事情を知らぬまどか。
円環の理から裂かれたまどかはまだ真の終末の危機を知らない。
-
しずか「…私を信じて?」
戸惑うまどかに全てを伝えるため糸が宙を舞う。
糸の先端が鋭い針となり、まどかの胸に突き刺さる。
まどか「…宇宙の法則が…乱れる…っ!?」
かつて法則として見た全てが揺らいで変わっていく。
未来が霞んでいく。
-
無限といえる力はあってもそれは全てではない。
整数の中に偶数と奇数があり共に無限に存在する。
まどかやほむらはいわば偶数や奇数でありその上の存在の自然数、整数などには内包されるだけの存在。
しかし無限は無限。崩壊は法則として永遠に全てを崩壊に導く。
過去も。未来も。平行宇宙も。
-
まどか「ならどうすれば…」
神は万能ではない。全知全能は無限の力をもってしても不可能。
しずか「ジタバタしか出来ないならジタバタしてみましょう?」
まどか「魔法も奇跡もあるんだよ?」
奇跡を起こすのはなにも魔法少女だけではない。
-
まどか「ならどうすれば…」
神は万能ではない。全知全能は無限の力をもってしても不可能。
しずか「ジタバタしか出来ないならジタバタしてみましょう?」
しずか「魔法も奇跡もあるんだよ?」
奇跡を起こすのはなにも魔法少女だけではない。
-
しずかは糸をまどかの小指に結ぶ。
しずか「この宇宙は理から外れつつあるの」
結ばれた糸の先は見えない。
しずか「この歪んだ世界と円環をつなぐのは百江なぎさちゃんとまどかさん」
しずか「あなたよ」
-
まどか「なぎさちゃん…」
―もう少しチーズが食べたかったけど仕方ないです…
なぎさの存在を感じる。
しずか「私達、ほむらさんも含め無限というのは危険だわ」
衝突すれば虚無を生む。
しずか「あとは信じましょう。」
―星野スミレさんを
続く
-
おはようございます
投下します
-
対峙する暁美ほむらとパー子―星野スミレ。
まどかとしずかはその力故ほむらと対峙出来ない。
対消滅を起こし全てが崩壊する危険をはらんでいる。
ただ遠くから祈るしかない。
しずかの見た歴史なら須和ミツ夫、パーマン一号の活躍で事なきを得る
はずであった。
かつてインキュベーターが暁美ほむらに行った実験。
そこで使われた結界の技術を使い暁美ほむらを無力化するはずであった。
全てが狂いはじめ歴史の道標を失い未来は見えない。
-
理を通じ須和ミツ夫を捜すまどか。
しかし見つからない。
すでに何かが原因でこの世のものではないのか?
過去も未来も探る。
まどか「そんな…」
須和ミツ夫は「今」この世には存在しない。
-
鉄人兵団であった新たな法則
インキュベーターが悪魔の使徒と話していた者
崩壊の理
ブラックホールのように全てをただ引き寄せ、飲み込み、破壊し、巨大化していく。
飲み込まれた物は永久に崩壊し続けるそのエネルギーはやがて光速を超え時間軸を超越する。
あらゆる方向に広がる崩壊の波は時間軸を超え過去に、未来に、平行世界に飛び火する。
光速を超えるまで約10兆年。
奇しくも宇宙がエントロピーによって輝きを失うであろう時期と重なる。
-
10兆年という途方もない猶予はあるが現在進行形で無数の銀河団レベルを呑み込むまでに成長したそれを放置出来ない。
高度な文明を持つ者達が連合を組み対策を取る。
崩壊の理を含む宇宙の一部を空間軸、時間軸から切り離し空間をループさせる「結界」を構築。
インキュベーターが円環の理を観測するためにほむらを閉じ込めた結界の技術、理論と同位である。
-
パーマン一号
須和ミツ夫はその結界の中にいた。
その結界には人身御供が必要だった。
希望と絶望の相転移による巨大なエネルギー。
勘定豊かな地球人の何名かがこの結界を構築するエネルギーとして選ばれた。
その一人が須和ミツ夫。
-
バードマン「パーマン一号…いや、須和ミツ夫、君は…」
ミツ夫「いいんです。」
ミツ夫はこの結界の一部になることを選んだ。
バードマン「確かに被害が甚大で一刻の猶予もない…しかし人道的意見でこの案は批難も多い」
ミツ夫「それでも…地球を守るには時間がない」
ミツ夫「僕だってやりたくない!地球なんてどうでもいい!でも…」
ミツ夫「地球にはパー子が、スミレさんが、伸子がいるんだ。」
-
伸子とは鈴木伸子、星野スミレの本名である。
バードマン「しかし…」
バードマンは言えずにいた。
地球はこの結界ではもう守れないことを。
地球を守るには遅すぎた。
-
―君たち人類の感情は利用するには危険すぎる。こんな途方も無い結末は僕たちでは制御しきれない。
かつてインキュベーターが暁美ほむらに向けた言葉である。
あの時が暁美ほむらが結界内で魔女となったなら?
それと同じような事が崩壊を止めるため須和ミツ夫を筆頭に行われる。
地球人しか出来ないため結界の範囲は上層部により改竄隠蔽された。
反対派であったバードマンはその事を調査により知り得たが迷っていた。
多くの命がこれで救われるであろう。
もし自分がバード星を救うなら命は間違いなく投げ出すであろう。
しかし地球のためならどうか?
-
救助の基本はまず自分が生きて帰ること。
地球のためには死ねない。
バードマンの葛藤は終わらないままその時は来た。
-
それは恒星をコアにした巨大な回路
立方体をなすであろう結界八つの点の一つにミツ夫はいた。
ミツ夫「バードマン、ありがとう…これで大切な人を守れる」
バードマン「ミツ夫君!本当はっ!」
バードマンはせめて真実だけはと決意した。
恨まれても呪われても構わないと思っていた。
-
ミツ夫「烈さん…信じてますよ…」
一条寺 烈
「バード星人」ボイサーを父に持ち
地球人を母に持つ伝説の宇宙刑事
ギャバン
銀河連邦警察もまた独自に動いていたのであった。
続く
-
ミツ夫「知ってましたよ…」
ミツ夫は知っていたのだ。
ミツ夫「銀河連邦警察が動いてます…ギャバン隊長ならきっと…」
一条寺 烈
「バード星人」ボイサーを父に持ち
地球人を母に持つ伝説の宇宙刑事
ギャバン
銀河連邦警察もまた独自に動いていたのであった。
ミツ夫「烈さん…信じてますよ…」
続く
-
おはようごさいます
投下します
-
まどかは須和ミツ夫の最期を知る。
彼は円環の魂は円環から外れ巨大なエネルギーとなり結界に固定された。
次々と現れるイレギュラー
まどか「こんな過去も未来も知らない!」
円環からの記憶を辿るが「この宇宙」には須和ミツ夫も一条寺烈も存在していなかった。
まどか「いったいみんな何者なの!?」
まどか「しずかちゃん!あなたも誰なのっ!?」
源しずかも「この宇宙」の人間ではない。
-
イレギュラーの原因
暁美ほむらはキュウベイの結界の中に巴マミや佐倉京子を招く際、平行世界ごと引き入れてしまった。
それが源しずか達の住む世界。
鹿目まどかの因果を束ねたように因果をたどり、源しずかを引き込んだ。
その事実をほむらは知るよしもない。
-
そして…
暁美ほむらの心は暴走を始める。
ほむら「なんで…なんで助けてくれなかったのッ!?」
星野スミレの言葉は届かない。
その瞬間、無数の重火器、戦車、戦闘機が現れる。
ワルプルギスの夜と対峙した時に匹敵する火力がパー子に襲いかかる。
パー子「ーッ!?いけない!?」
被害が市民に及ばぬようパー子は上空へと回避する。
被害が町に及ばぬよう必死でパーやん、ブービーが町を駆け抜ける。
だが数が多すぎる。
-
―ほむらちゃん!やめてっ!
まどかの心の叫びがほむらに響く。
それはただならぬ状況を察知しほむらへ向かっていた三人の魔法少女にも届く。
その叫びがそれぞれの記憶を呼び覚ます。
-
ほむら「まどか…」
しかしほむらは自責の念にかられ暴走を加速する。
ほむら「ごめんなさい…まどか…」
負の感情、悲しみが止まらない。
自制が効かず兵器群がさらに暴走を加速する。
ほむら「助けて…まどか…」
ほむらは再び魔女へと孵りはじめる。
-
ほむらのもとへ急ぐさやかと京子
―一人じゃないだろっ!?寂しくないだろっ!?なんで…?
しかし京子の声は届かない。
-
―ほむら…今度こそ一緒に帰るよ!
さやかはオクタヴィアを具現化し結界を展開する。
そして巴マミ。
-
マミ「暁美さん…」
一瞬、得体の知れぬ恐怖に囚われる。
涙が溢れる。
死ぬかもしれない。
覚悟はしていたはず。
しかし恐怖を押し殺し再び走り始める。
-
ほむらのもとにマミが辿り着く。
ほむらの背中に彼岸花が咲き乱れどんどん巨大化していく。
ホムリリーと化していくほむら。
魔なるもの、朱美ほむらは悪魔を超え破壊神へと変貌を遂げる。
それは最強の魔女ワルプルギスの夜を超え
救済の魔女クリームヒルトをも遥か超えていく。
-
パー子「……なんなの…あれ?」
攻撃を往なし眼下を見下ろすと巨大な断頭台。そして彼岸花。
パーやん「…これはあかんやつや…」
パーやんは地球はもう助からないと悟る。
ブービー「…」
野生の本能が逃げろと告げる。
しかし本能を押さえつけ対峙する。
-
ホムリリーを見て絶句するマミ。
仲間がいれば不可能はないと信じていた心が音をたてポキリと折れる。
マミ「暁美さん…」
マミの心は暁美ほむらの悲しみの深さに気づけぬ自分を悔いるだけであった。
さやか「まだ諦めちゃ駄目だ!」
-
さやか「間に合えーっ!」
ホムリリーをオクタヴィアの結界が包みこんでいく。
結界はパーマン達、マミ、杏子を包みこみ完結する。
まどかは結界の外にいた。
-
まどか「ほむらちゃん…さわかちゃん!」
結界に入ろうとするまどか。
しかし結界はまどかの入場を拒む。
さやか「こうするしかなさそうだな…」
杏子「さやか…お前まさかっ!?」
-
さやか「杏子…マミさん…円環の理で待ってるよ?」
杏子とマミは結界の外へ弾き出される。
杏子「さやかーーーーッ!!!」
-
さやか「………こんなになっちまって…」
パーマン達は聞いていた。
さやかの声を。
さやか「ツラいのは分かる…でも駄目だ!まどかの幸せの願ったんじゃなかったのか!?」
さやかの声はほむらには届かない。
さやか「理に帰れる保証はない…でも…」
―一緒にいてあげるよ
-
その時、さやかは気付いた。
別の宇宙から紛れ込んだ、この宇宙を救うであろう者達がこの結界に取り残されていたことを。
平行世界から来たイレギュラー
さやか「杏子を…まどかを…みんなを…助けてあげて?」
さやかの願いがパーマン達に届く。
三人は頷く。
そして…
-
さやかは「この宇宙」から姿を消した。
続く
-
おはようごさいます
投下します
-
さやかとともにホムリリーは次元の狭間へと落ちていく。
結果はどうであれこの場は救われた。
しかし代償は大きかった。
円環の一部、まどかの記憶を担ったさやかがこの宇宙から外れた事が宇宙を壊し法則を乱す。
辛うじてしずかの糸がまどかと円環を結ぶ。
-
マミ「二人は…円環に導かれたの…?」
ほむらの記憶操作が解かれたマミがまどかに問う。
まどか「……」
まどかは首を横に振るだけ。
杏子「畜生…何で何度も…」
失った物は大きい。
-
しずか「……」
しずかも三人のもとに訪れる。
しかし何をすれば、何を話せばいいか分からない。
今はこの糸の導きだけが頼りだ。
しかし今はただ円環とまどかを結ぶだけで動きを見せない。
意思なき力は時に暴力であり無力である。
暴力は今は去った。
しかし何の解決にもなっていない。
しずかは無限の力を借りていながら無力だ。
-
しかし静寂を割る声がする。
パー子「ショボくれてる暇は無いわよ!」
そこにはパーマン達がいた。
-
パー子「暁美ほむらがインキュベーターを傀儡とした事件は終わったけど残党がいるわ」
パー子は任務を告げる。
パー子「銀河連邦警察により地球のインキュベーター達が使命手配されたのよ。」
パー子「それに共謀者暁美ほむらさんもね」
-
インキュベーターによる非人道的行為
および、暁美ほむらによる人類およびインキュベーター等洗脳記憶操作行為
容疑者として手配されたのである。
銀河連邦警察はパーマンに暁美ほむらの調査、監察、可能な場合は任意同行を命じていたのである。
パー子「ほむらさんは残念だったわ。あれがインキュベーターの非人道的行為の結果なのね…」
それは半分だけ正しい。
パーやん「ホンマひどいことしよるわ…」
ブービー「……」
静寂が再び訪れる。
-
パー子「でも疑問が残るの…それは美樹さやかさん、彼女は最期に私たちに『みんなを助けてあげて』って頼まれたの」
美樹さやかは何かを知っている口振りであった。
パー子「あなた達は一体何と戦っているの?まだ何か起こるの?」
しかし魔法少女達はただ口を閉ざしうつむいたまま。
本人達もまだ混乱の渦の中にいた。
-
魔法少女はかつて魔女、魔獣、そして今はファントムと戦っていた。
しかし今は何が真実で何が偽りか分からずにいた。
パー子「とにかく、駄目かもしれないけれどバード星で治療を受けなさい。」
パー子「これは地球を守るための命令よ。」
-
バード星に戻ればもとの体に戻れるかもしれない。
それを知ったマミと杏子は複雑な気持ちになる。
何故だか分からないが、救われる可能性が有りながらも救われていいものか疑問が浮かぶ。
希望を叶える分、人を呪わずにいられない。
今のままでは救われない。
-
パー子「その前にあなた達には私達の監視下に入り、インキュベーターの処罰に協力してもらう。」
ほむらの操作を逃れたインキュベーターが新たな魔法少女を生まないとは限らない。
パー子「あなた達みたいな被害者をもう出さないためにね?」
パーマンは正義の、魔法少女の味方だ。
その時、しずかの糸が再び輝きだす。
―シズカサンノ チカラニナッテアゲテ……
糸は再び布となり全てを包む。
-
糸は過去をそして今を写す。
それは星野スミレの最愛の者が失われたことを告げる。
パーやん「1号はん…なんやこれは?嘘や!デタラメや!」
ブービー「ウキーーーーー!」
スミレ「…………何これ…?」
三人には須和ミツ夫の死が信じられずにいた。
しずか「お願い聞いて!」
しずかは口を開く。
-
しずか「これが私の友達が伝えられら出来るだけの真実…」
魔法少女の真実、宇宙の危機、膨大な情報の渦の中彼等の知ってはいけない真実
パーマン1号
須和ミツ夫の死
スミレ「嘘よ…嘘…信じないっ!」
別れの日、ミツ夫にだけ明かした自分の正体
在りし日に野比のび太に語ったミツ夫への思い
真実と疑いようがない。
スミレ「嘘でしょ?……ねえ?……間違いだっていってよ……?」
しずかは首を横に振る。
-
スミレ「―――――――――――ッ!!!!!!」
スミレは泣き崩れ、泣き声だけがこの場に響くたけであった。
続く
-
おはようございます
投下します
-
…激動の一夜が明けた。
パーマン達と魔法少女達はそれぞれ帰途つく。
町は突然の兵器群の出現、そしてそれら一部の消失、ホムリリー具現化による戦禍の跡が残る。
パーやんブービーの活躍で死者が出なかったのだけが幸いであった。
被害は市全域に及びライフラインの寸断により住民は避難所生活を余儀なくされた。
報道では超常現象まがいな兵器群の出現は伏せられホムリリーはスーパーセルとして報道される。
常人には認識出来ずにいたがホムリリーの目撃情報が多数報告され都市伝説としてネットを賑わす。
特に未就学の児童らの目撃が多くひとびとの不安を煽る形となる。
-
魔法少女達はパーやんに送られ避難所にいた。
スーパーセルに巻き込まれ、パーマン達が救出したという事とし家族に説明する。
そして美樹さやか、暁美ほむらを救えなかったことも。
この災害の行方不明者として二人は捜索されることとなる。
美樹さやかの両親が泣き崩れ魔法少女達も緊張の糸が切れ、帰らぬ友を思いただ泣いた。
-
詢子「本当にありがとう…」
詢子は娘の無事を素直に喜べずにいた。
娘は助かったが娘の親友は行方不明で生存は絶望的だと感じている。
さやかの両親の哀しみを思うとその言葉以外何も出なかった。
パーやん「ホンマに勘弁や…二人を救えんかった…堪忍な…」
パーマン達の幾多のキャリアは今回の大災害ですら被害者を奇跡的に出さなかった。
さやかの父「なんで…なんで助けられなかったんだ!?」
さやかは被害者でなくパーやんもまたさやかに救われたのだ。
さやかの父「なんで家の娘を…さやかを助けられなかったんだ!?」
父の哀しみをただ受け止める。
-
人を救うべきヒーローでありながら救われた。
そしてさらなる危機も迫る。
パーやん「申し訳ない……」
避難所には疲弊感と悲しみが漂うだけだった。
-
スミレは気が付くと自宅にいた。
どう帰途についたか覚えていない。
コピー「スミレさん…」
スミレの目に涙が溢れる。
スミレ「1号が…ミツ夫が…」
涙が止まらない。
コピー「……」
ただ優しくコピーロボットはスミレを抱き締める。
コピー「まだ希望はあるわ」
コピーロボットは語る。
-
コピー「バードマンから連絡があったの…」
希望はある。
コピー「銀河連邦警察がインキュベーターを起訴したわ」
新たな任務が下る。
コピー「銀河連邦警察と協力し、暁美ほむら及び美樹さやかを救出せよと」
-
―スミレさん…須和君からは話を聞いている
―まだ終わらない、いや終わらせない。
―諦めない事、躊躇わないこと、約束できるか?
-
気が付くとそこには白銀のコンバットスーツに身を包んだ伝説の刑事がいた。
一条寺烈 宇宙刑事ギャバン
異次元をまたにかける異空間のスペシャリスト
-
烈「須和君のことはすまない。もう少し早くインキュベーターを立件できれば…」
インキュベーター達のソウルジェム精製技術は不可逆とされていた。
烈「ただ須和君を復活させられる可能性がある」
-
スミレ「!?」
それは魔法少女のシステム
烈「須和君はいわばゾンビ状態にある」
魔法少女はその魂をソウルジェムと化し本体とする。
烈「須和君含め八人の魂は結界と変化し展開されている。つまり…」
結界が存在する限り須和ミツ夫の魂は健在である。
烈「魔法少女の治療プログラムを応用すればあるいは蘇生出来る可能性がある。」
-
烈「インキュベーターの技術はまだ未解析の部分が多い」
前例がないから不可能とは限らない。
烈「未知であることは希望でもある。不可逆はまだ完全には証明されていない。」
-
―可能性はゼロかもしれない。
―でも…
スミレに芽生える新たな覚悟。
もう挫けない。
地球を、スミレを思い命を賭けたミツ夫の思いを無駄にはしない。
ミツ夫が甦らずとも意思を守る。
-
烈「時間が無い、行くぞ」
スミレの目にはもう絶望はない。
それは希望ではなく覚悟。
そして扉を開け空を仰ぐ。
綺麗な青さで待っていた空。
そこには超次元高速機ドルギランが待っていた。
-
続く
-
おはようございます
投下します
-
平行世界
けして交わることのなかった世界が交わる。
「魔法少女」達の世界
「宇宙刑事」達の世界
そして「源しずか」達の世界
-
暁美ほむらが鹿目まどかを円環から取り戻した副作用
宇宙の法則である鹿目まどかを切り離した際、亀裂が生じそれを埋めるために引き寄せられた世界が交わり運命が交差する。
これは救済の物語
-
パーマン達、しずか達はドルギランに集結する。
コピーロボットを代わりに残し暁美ほむらと美樹さやかを救うため。
パーやん「凄いなぁ!バードマンの円盤とは段違いやわ!」
あまりに巨大な円盤に興奮を隠せない。
ブービー「ウッキーウッキー」
パー子「バードマンはなんであんな小さな円盤しか支給されないのかしら?」
パーマンは正義を守るため。
-
杏子「魔法よりもすげえかも…」
魔法もインキュベーターの科学により生み出された科学である。
マミ「烈さんのコンバットスーツなんて私たちの変身と変わらないわ…」
魔法少女を凌駕する白銀の鎧は希望を照らす。
まどか「……ほむらちゃん…さやかちゃん…生きててね?」
魔法少女は希望となるために。
-
しずか「ドラちゃんの道具とどっちがすごいかしら?」
科学の力を知るしずかは未来にいる友達を思う。
ミミー「ドラちゃんの道具?そうかあなたは…」
源しずかは未来を守るため
そして責任を果たすため。
-
次元を超え宇宙の、因果のさらに外へ
まず暁美ほむらのもとへ向かう。
烈「観測が正しければこの次元のはずだが…」
しずかの糸がソウルジェムとドルギランを結び暁美ほむらへと皆を導く。
三つの世界の力が交わり一つとなる。
-
暁美ほむらが降り立った世界
そこは…
―俺達を誰だと思ってやがる!
螺旋渦巻く驚愕の戦場であった。
-
巨人が銀河を投げ戦っていた。
しかしこれは過去の出来事。
彼方から見た遠い日の光。
光は宇宙をスクリーンに人の可能性とそれの恐ろしさを写し出していた。
螺旋エネルギー
奇しくも人の感情を増幅しエントロピーを凌駕する宇宙を滅ぼしかねないエネルギー
螺旋に導かれ暁美ほむらはこの世界にいる。
-
スパイラル=ネメシス
螺旋エネルギーが宇宙全てを飲み込むブラックホールとなり、宇宙そのものが無に帰ってしまうという現象。
原因は違えどこの世界にかつてあった危機は帰るべき世界の危機と同種であった。
そして人は勝ち幾千億の年月が経っていた。
-
―飽くなき欲望の果てにあるのは滅亡のみ
―自らの行いに大義があるのか?
―信念をもてるのか?
―突き進む覚悟があるのかならば
―この宇宙必ず守れよ
-
まどかからしずかの糸を通じ円環に新たな記憶が刻まれる。
未来を閉ざす闇に風穴を空ける。
そして糸は皆を暁美ほむらへと導く。
-
暁美ほむらは宇宙の中心にいた。
烈「これは…なんてことだ…」
壊れてしまったほむらの心は魔法を暴走させ時間軸から自身を切り離し固定されている。
時間軸から切り離された存在は認識は出来てもあらゆる物理的干渉を受けない。
-
―因果の輪廻に囚われようと残した思いが扉を開く
―無限の宇宙が阻もうと この血の滾りが運命を決める
―天も次元も突破して掴んでみせるぜ己の道を
-
まどかは円環を通じて戦士達の声に導かれる
そしてドルギランから姿を消し、再び自身が希望となる。
―ほむらちゃん…迎えにきたよ…
-
杏子「まどか…?」
それは円環の理
マミ「…鹿目さん…」
その手には弓…そして螺旋を司るコアドリル
コアドリルは矢へと変化し、まどかは弓を構える
-
まどか「ほむらちゃん……もう絶望しなくていいんだよ?」
まどかの放った矢はほむらの楯に吸い込まれる
螺旋の力がほむらの時計の針を回し始める。
-
ほむら「………まどか…?」
永遠のような一瞬を終え鹿目まどかと暁美ほむらは出会う。
続く
-
投下します
-
―もういいんだよ…ほむらちゃん…
―絶望しなくていいんだよ…
-
―今の私にも未来が今は見えないの…
―でもそれは新しい未来が作れるってこと…
―わたしはここにいる…
―お願い…ほむらちゃん…帰ってきて…
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