■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■

メイド「逝ってらっしゃいませ、ご主人様」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:02:33 75ptRJKc
男「きみは僕をどこに行かせる気だ? さっきからその物騒なものをこちらに向けて」

メイド「ご想像にお任せいたします」

男「想像したくないよ! そ、その包丁で僕を殺すつもりだろ」

メイド「殺しはしません。死なない程度にじわじわと痛めつけます」

男「もっといやだよ!!」

男「なにが目的なんだ。僕の持ってる金か、地位か?」

メイド「ご主人様の苦悶に満ちた表情です」

男「お願いだからやめてください!!」


"
"
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:04:29 75ptRJKc
メイド「冗談はさておき、そろそろ時間ではないのですか?」

男「ああ、そうだったね」

メイド「さすがは上流階級。気楽なご身分ですこと」

男「茶化さないでくれ。僕だって好きでやってるわけじゃない」

メイド「あ、街へお出でになるのならついでに買い物をお願いします」

男「それはきみの仕事だろう?」

メイド「いやです。スカートに汚れがつきますから」

男「変なところで女らしいんだな」

メイド「あら、なにかおっしゃいましたか?」ギラリ

男「い、いってきまーす!」


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:06:07 75ptRJKc
男(僕って尻にしかれてるなぁ……)

奴隷「ご主人さまー!」トトト

男「やあ、奴隷ちゃん。これから街に出るんだけどなにか欲しいものはある?」

奴隷「そそそそんな滅相もないです! 奴隷の分際でご主人さまにお願いだなんて!」

男「ははは、遠慮しないでいいよ。奴隷ちゃんのお願いなら僕は喜んで引き受けるから」

奴隷「……いいんですか?」

男「いいよいいよ。いつも頑張ってくれてるんだから、たまにはご褒美をあげないとね」

奴隷「えっと……じゃあパンを」


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:07:52 75ptRJKc
男「パン? ほんとにそれでいいの?」

奴隷「はい、弟たちがお腹を空かせて待ってますから」

男「どうせならもっとおいしいものを……」

奴隷「あまり高価なものはご主人さまに悪いですから」

奴隷「ご主人さま、ありがとうございました! 弟たちもきっと喜びます」ペコッ

男「グスッ……」

奴隷「……ご主人さま?」

男「ごめん、目頭に熱いものが……」

男(なんていい子なんだろう)ズビッ


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:08:45 75ptRJKc
男(せっかくだから他のみんなの分も聞いておこう)

コンコン

男「料理人さーん、ちょっといいですかー?」

<あいよー!入んなー!

男「しつれいします」ガチャッ

料理人「ボウズ、いいところにきたな。ちょうど料理ができあがったところだ」

料理人「さあ、早速感想を聞かせてくれ」

男「今ですか? できればあとにしてほしいんですけど」

料理人「ダメダメ! 料理は出来立てが命なんだ。ほら、あきらめてパクッといったいった」

男「パクッ」

料理人「どうだ?」


"
"
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:10:04 75ptRJKc
男「外はカリッとしてて、中はフワッとした食感! 噛むとあふれ出てくるジューシーな旨味! これはうまい!」

料理人「そりゃよかった。作った甲斐があったぜ」

男「この料理はなんという名前なんですか?」

料理人「タランチュラのフライだ」

男「ぶぼっ!!」

料理人「おいおい、だいじょうぶかよ」

男「げほっげほっ!! あ、あなたは人になんてものを食べさせるんですか!」

料理人「そんなに怒ることないだろ。旨かったんだろ?」

男「そういう問題じゃありません! もっと普通のものを作ってくださいよ。普通のものを」

料理人「いいじゃねえか。普通のものばっかり作ってると、たまにはこういう変わり種にも挑戦してみたくなるんだよ」

男「今日の夕食はくれぐれもまともなものをお願いしますよ」

料理人「がはは、わかってるって! 安心しな!」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:11:16 75ptRJKc
料理人「ところでボウズはオレに用があったんじゃないのか?」

男「はい、街に出るんですけど料理人さんはなにか必要なものありますか?」

料理人「そうだな、オオカミの肝をお願いしようか」

男「市場に売ってるものにしてください」

料理人「ったく、冗談だよ。そんなににらむなって」

料理人「じゃあ、コショウを頼むぜ。切れかかってるんだ」

男「わかりました」

料理人「頼んだぜ!」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:12:32 75ptRJKc
男(最後は庭師ちゃんか。お、いたいた)

男「庭師ちゃん、ちょっといい?」

庭師「…………」チョキチョキ

男「庭師ちゃん?」

庭師「…………」チョキチョキ

男(あちゃー、集中モードに入っちゃってるか)

男(時間は……まだまだ余裕だな)チラッ

男(待ってみるか)


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:13:23 75ptRJKc
・・・・

庭師「……ふぅ」

男「終わった?」

庭師「ご主人さま?」

男「やあ、庭師ちゃん」

庭師「いつからいたの?」

男「ちょっと前からだよ」

庭師「声かけてくれてもよかったのに。その……だまって見られるのははずかしい」

男(一応かけたんだけどね)


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:14:47 75ptRJKc
庭師「ご主人さま、わたしに用?」

男「うん、街に行くからなにか欲しいものがあったら言ってよ」

庭師「ほしいもの……」

庭師「…………」

庭師「考えてるから……待ってほしいの」

男「うん、いいよ。ゆっくり考えて」

庭師「…………」

庭師「……あ」

男「思いついた?」


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 02:16:00 75ptRJKc
庭師「うん。あのね、新しいお花が欲しいの」

男「えっと……花っていろいろ種類あるけどどうしよう?」

庭師「それはご主人さまが選んで」

男「僕が? 僕、そこまで花に詳しくないんだけど」

庭師「難しく考えなくていいから。ご主人さまがきれいだと思ったお花を選べばいいの」

男「ほんとにそれでいいの?」

庭師「うん。わたし、ご主人さまが選ぶお花、興味ある」

男「はは、わかったよ。でもあんまり期待しないでね」

庭師「ううん、期待して待ってるから」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 05:16:56 D8DqNkWM
ご主人様と愉快な使用人達


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 10:39:57 ab45JeQg
期待


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/25(日) 13:12:01 23jz0RY6
期待
キャラの雰囲気いいね


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/11/02(月) 14:49:00 XBAM186M
まだかな?


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/02/04(木) 22:08:33 nV6SoGQU
マダー?


"
"

■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■