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メイド「逝ってらっしゃいませ、ご主人様」
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男「きみは僕をどこに行かせる気だ? さっきからその物騒なものをこちらに向けて」
メイド「ご想像にお任せいたします」
男「想像したくないよ! そ、その包丁で僕を殺すつもりだろ」
メイド「殺しはしません。死なない程度にじわじわと痛めつけます」
男「もっといやだよ!!」
男「なにが目的なんだ。僕の持ってる金か、地位か?」
メイド「ご主人様の苦悶に満ちた表情です」
男「お願いだからやめてください!!」
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メイド「冗談はさておき、そろそろ時間ではないのですか?」
男「ああ、そうだったね」
メイド「さすがは上流階級。気楽なご身分ですこと」
男「茶化さないでくれ。僕だって好きでやってるわけじゃない」
メイド「あ、街へお出でになるのならついでに買い物をお願いします」
男「それはきみの仕事だろう?」
メイド「いやです。スカートに汚れがつきますから」
男「変なところで女らしいんだな」
メイド「あら、なにかおっしゃいましたか?」ギラリ
男「い、いってきまーす!」
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男(僕って尻にしかれてるなぁ……)
奴隷「ご主人さまー!」トトト
男「やあ、奴隷ちゃん。これから街に出るんだけどなにか欲しいものはある?」
奴隷「そそそそんな滅相もないです! 奴隷の分際でご主人さまにお願いだなんて!」
男「ははは、遠慮しないでいいよ。奴隷ちゃんのお願いなら僕は喜んで引き受けるから」
奴隷「……いいんですか?」
男「いいよいいよ。いつも頑張ってくれてるんだから、たまにはご褒美をあげないとね」
奴隷「えっと……じゃあパンを」
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男「パン? ほんとにそれでいいの?」
奴隷「はい、弟たちがお腹を空かせて待ってますから」
男「どうせならもっとおいしいものを……」
奴隷「あまり高価なものはご主人さまに悪いですから」
奴隷「ご主人さま、ありがとうございました! 弟たちもきっと喜びます」ペコッ
男「グスッ……」
奴隷「……ご主人さま?」
男「ごめん、目頭に熱いものが……」
男(なんていい子なんだろう)ズビッ
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男(せっかくだから他のみんなの分も聞いておこう)
コンコン
男「料理人さーん、ちょっといいですかー?」
<あいよー!入んなー!
男「しつれいします」ガチャッ
料理人「ボウズ、いいところにきたな。ちょうど料理ができあがったところだ」
料理人「さあ、早速感想を聞かせてくれ」
男「今ですか? できればあとにしてほしいんですけど」
料理人「ダメダメ! 料理は出来立てが命なんだ。ほら、あきらめてパクッといったいった」
男「パクッ」
料理人「どうだ?」
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男「外はカリッとしてて、中はフワッとした食感! 噛むとあふれ出てくるジューシーな旨味! これはうまい!」
料理人「そりゃよかった。作った甲斐があったぜ」
男「この料理はなんという名前なんですか?」
料理人「タランチュラのフライだ」
男「ぶぼっ!!」
料理人「おいおい、だいじょうぶかよ」
男「げほっげほっ!! あ、あなたは人になんてものを食べさせるんですか!」
料理人「そんなに怒ることないだろ。旨かったんだろ?」
男「そういう問題じゃありません! もっと普通のものを作ってくださいよ。普通のものを」
料理人「いいじゃねえか。普通のものばっかり作ってると、たまにはこういう変わり種にも挑戦してみたくなるんだよ」
男「今日の夕食はくれぐれもまともなものをお願いしますよ」
料理人「がはは、わかってるって! 安心しな!」
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料理人「ところでボウズはオレに用があったんじゃないのか?」
男「はい、街に出るんですけど料理人さんはなにか必要なものありますか?」
料理人「そうだな、オオカミの肝をお願いしようか」
男「市場に売ってるものにしてください」
料理人「ったく、冗談だよ。そんなににらむなって」
料理人「じゃあ、コショウを頼むぜ。切れかかってるんだ」
男「わかりました」
料理人「頼んだぜ!」
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男(最後は庭師ちゃんか。お、いたいた)
男「庭師ちゃん、ちょっといい?」
庭師「…………」チョキチョキ
男「庭師ちゃん?」
庭師「…………」チョキチョキ
男(あちゃー、集中モードに入っちゃってるか)
男(時間は……まだまだ余裕だな)チラッ
男(待ってみるか)
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・・・・
庭師「……ふぅ」
男「終わった?」
庭師「ご主人さま?」
男「やあ、庭師ちゃん」
庭師「いつからいたの?」
男「ちょっと前からだよ」
庭師「声かけてくれてもよかったのに。その……だまって見られるのははずかしい」
男(一応かけたんだけどね)
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庭師「ご主人さま、わたしに用?」
男「うん、街に行くからなにか欲しいものがあったら言ってよ」
庭師「ほしいもの……」
庭師「…………」
庭師「考えてるから……待ってほしいの」
男「うん、いいよ。ゆっくり考えて」
庭師「…………」
庭師「……あ」
男「思いついた?」
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庭師「うん。あのね、新しいお花が欲しいの」
男「えっと……花っていろいろ種類あるけどどうしよう?」
庭師「それはご主人さまが選んで」
男「僕が? 僕、そこまで花に詳しくないんだけど」
庭師「難しく考えなくていいから。ご主人さまがきれいだと思ったお花を選べばいいの」
男「ほんとにそれでいいの?」
庭師「うん。わたし、ご主人さまが選ぶお花、興味ある」
男「はは、わかったよ。でもあんまり期待しないでね」
庭師「ううん、期待して待ってるから」
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ご主人様と愉快な使用人達
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期待
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期待
キャラの雰囲気いいね
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まだかな?
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マダー?
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