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狼「なっ、キサマは長男！キサマはあの時俺が葬ったはずッ！」
次男豚「狼ってのも大したことないね」
狼「次男……ッ！」
三男豚「ま、アンタが“神風”を習得してくることまでは予想外だったけど」
狼「三男坊までもがァ！？」
狼「ハッ……！？いつの間に背後に！」
長男「気が付いていないようだな」
三男「アンタの周りには三兄弟なんてハナからいねーよ」
狼「どういう……ことだ……？」
狼「な、キサマも背後に！」
狼「……なッ！？三兄弟が消えやがった！？」
豚「さっきも言っていただろう？最初からこの場に兄さん達は存在しない」
豚「そう、確かに君に殺されたからな」ﾆｯｺﾘ
狼「……！？だ、だが今アイツ等がここに」
豚「何を言っている？最初から僕と君しかいないぞ？」
狼「……まさか、貴様も“契約”を」
豚「御名答」
狼「ゆう、へい？」
豚「まるで今のことには関係ないと思っただろう」
豚「だが否！」
豚「自らを“幽閉”し、そして直後に解除する」
豚「解除後の座標は自由ゆえ、瞬間移動は容易いよ」
狼「まるで意味がわからんぞ！」
豚「そうだね。君には理解できないだろう」
豚「君は“神風”を得ている。君の使い方は吐息から猛烈な突風を発生させるだけのごく単純なものだ」
豚「一方僕は“幽閉”を応用し、高度な演算によって瞬間移動を可能としている」
豚「そもそもの頭の出来の違いさ」
狼「ぐっ……だが、三兄弟が現れたことの説明にはならない」
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豚「僕が“幽閉”を用い、早着替えを可能にしていたら……？」
狼「ぐっ……そんなことのために使うな！」
豚「まあ、少しふざけすぎたね」
豚「君は“神風”で兄さん達の家を吹き飛ばし、その末に肉を引き裂いて焼いて食べた」
豚「藁の家の長男、木の家の次男ならまだしも、強固な大豪邸をも吹き飛ばしたときはさすがに慄然したよ」
豚「でも、君は僕を知らなかったし兄さん達も口を割らなかった」
豚「おかげで自由に動けたし、兄さん達には感謝してるよ」
豚「そして三男を食べたすぐ後、僕は“幽閉”に目覚めた」
豚「さあ、選べ」
狼「っ……！」
豚「肉を引き裂かれ焼かれ食われるか、死ぬこともできずに異次元に永遠に幽閉されるか」